JP2018034112A - ハニカムフィルタ - Google Patents

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康輔 魚江
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Abstract

【課題】再生処理を行ってもクラックを生じにくいハニカムフィルタを提供する。【解決手段】ハニカムフィルタ300は、軸方向に多数の流路110a,110bを有する柱状のセラミクスハニカム構造体120a及びセラミクスハニカム構造体120aに担持された触媒を有する触媒担持セラミクスハニカム構造体120、複数の流路の内の一部の流路の一端及び前記複数の流路の内の残部の流路の他端を閉じる複数の封口部130、及び、触媒担持セラミクスハニカム構造体120の外周面上に設けられたセラミクスコート層200、を備える。触媒担持セラミクスハニカム構造体120の径方向の熱膨張係数をCTEH、セラミクスコート層200の熱膨張係数をCTECとしたときに、1.1≦CTEC/CTEH≦7を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、触媒担持セラミクスハニカム構造体と、その外周面上に設けられたセラミクスコート層を有するハニカムフィルタに関するものである。
自動車などのエンジンの排気ガスに含まれる有害物質を削減するために、セラミクスで構成されたセラミクスハニカム構造体を有する微粒子捕集用のハニカムフィルタが使用されている。
特許文献1〜4には、ハニカムフィルタの強度を向上するために、セラミクスハニカム構造体の外周面にセラミクスコート層を設けたハニカムフィルタが開示されている。
特許第2604876号公報 特許第2613729号公報 特許第4457338号公報 特開2015−166296号公報
近年では、排気ガスに含まれる窒素酸化物などの有害ガスも除去するため、セラミクスハニカム構造体に触媒を担持させて触媒コンバータの機能を付与した状態で用いられることがある。
しかしながら、従来のハニカムフィルタにおいて、セラミクスハニカム構造体に触媒を担持すると、再生、すなわち、捕集した煤の燃焼時に熱応力によりフィルタにクラックが生じることが多かった。
そこで本発明の課題は、触媒担持セラミクスハニカム構造体を有しながらも、再生処理においてクラックを生じにくいハニカムフィルタを提供することにある。
本発明者らが検討したところ、セラミクスハニカム構造体に触媒を担持すると、担持前よりも熱膨張係数が相当程度たとえば、約3倍程度大きくなること、そして、触媒担持セラミクスハニカム構造体の熱膨張率が、セラミクスコート層の熱膨張率よりも高くなり、再生時の温度差に起因する触媒担持セラミクスハニカム構造体の膨張又は収縮量とセラミクスコート層の膨張又は収縮量とが食い違い、その差に基づく応力が発生してクラックが生じることを見いだして本発明に想到した。
すなわち本発明に係るハニカムフィルタは、軸方向に多数の流路を有する柱状のセラミクスハニカム構造体及び前記セラミクスハニカム構造体に担持された触媒を有する触媒担持セラミクスハニカム構造体と、前記複数の流路の内の一部の流路の一端及び前記複数の流路の内の残部の流路の他端を閉じる複数の封口部と、前記触媒担持セラミクスハニカム構造体の外周面上に設けられたセラミクスコート層と、を備える。そして、前記触媒担持セラミクスハニカム構造体の径方向の熱膨張係数をCTE、前記セラミクスコート層の熱膨張係数をCTEとしたときに、1.1≦CTE/CTE≦7を満たす。
ここで、前記セラミクスコート層は、非晶質シリカ粒子、前記ハニカム構造体を構成するセラミクスと同種のセラミクス粒子、及び、無機バインダーを含むことができる。
また、前記ハニカム構造体を構成するセラミクスと同種のセラミクス粒子は粉砕物であることができる。
また、前記触媒担持セラミクスハニカム構造体は10〜50%の気孔率を有することができる。
本発明によれば、触媒を担持したセラミクスハニカム構造体を有しながらも、再生処理においてクラックを生じにくいハニカムフィルタが提供される。
本発明の実施例にかかるハニカムフィルタの軸方向断面図である。 図2の(a)及び(b)は、それぞれ、触媒担持セラミクスハニカム構造体及びセラミクスコート層の線熱膨張率測定用試験片の斜視図である。
図面を参照して本発明の1実施形態に係るハニカムフィルタ300を説明する。ハニカムフィルタ300は、多孔質の触媒担持セラミクスハニカム構造体120、複数の封口部130、及び、セラミクスコート層200を備える。
(セラミクスハニカム構造体及び封口部)
触媒担持セラミクスハニカム構造体120は、セラミクスハニカム構造体120a及びセラミクスハニカム構造体120aの表面(細孔の表面を含む)に担持された触媒を有する。
セラミクスハニカム構造体120aは、柱形状を有し、軸方向に延びる複数の入口流路(複数の第1流路)110a及び複数の出口流路(複数の第2流路)110bを有する。入口流路110a及び出口流路110bの断面形状は、例えば、円形、楕円形、四角形、六角形、八角形であることができる。セラミクスハニカム構造体120aは、互いに隣接する入口流路110a及び出口流路110bをそれぞれ隔てる隔壁として機能する。
各入口流路(流路の一部)110aは、入口端面100aにおいて開口され、出口端面100bにおいて封口部130により封口されている。また、各出口流路(流路の残部)110bは、出口端面100bにおいて開口され、入口端面100aにおいて封口部130により封口されている。なお、図1では、封口部130はプラグ形状であるが、封口部130は、セラミクスハニカム構造体120aの一部を変形することによって形成したもの(例えば円錐形状部)であってもよい。
セラミクスハニカム構造体120aを構成するセラミクスの例は、チタン酸アルミニウム系セラミクス、炭化ケイ素系セラミクス、コージェライト系セラミクス、炭化珪素系セラミクス、窒化珪素系セラミクスである。チタン酸アルミニウム系セラミクスは、マグネシウムやケイ素などを含むことができる。セラミクスは、原料由来の微量成分又は製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。封口部130は、セラミクスハニカム構造体120aと同種又は異種のセラミクスからなることができる。
セラミクスハニカム構造体120aのセル密度は、例えば、35〜80cell/cmとすることができる。
(触媒)
セラミクスハニカム構造体120aに担持された触媒は、ハニカムフィルタ300をディーゼル粒子フィルタなどとして用いるとき、処理される排ガス中に含まれる窒素酸化物などの有害ガスを分解させる。触媒は、セラミクスハニカム構造体120aだけでなく封口部130に担持されていてもよい。触媒の例は、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、セリア、酸化ランタン、酸化バリウム等の酸化物粒子、あるいは、これらのうちの2種以上を含む複合酸化物粒子である。複合酸化物の好適な例として、アルミノケイ酸塩、すなわちシリカとアルミナを含む複合酸化物の1種であるゼオライトが挙げられる。触媒の中心粒径D50は、0.1〜20μmとすることができる。本明細書における中心粒径は、レーザー回折式の粒度分布計により得られた体積基準の粒度分布のD50である。
触媒の担持量は、触媒担持セラミクスハニカム構造体120の見掛け体積あたり1〜200g/Lとすることができる。
触媒担持セラミクスハニカム構造体120の気孔率は、10〜50%であることができる。気孔率は水銀圧入法により測定できる。
触媒担持セラミクスハニカム構造体120の径方向の熱膨張率CTEは、1.0×10−6/℃〜6.0×10−6/℃とすることができる。
触媒担持セラミクスハニカム構造体120の径方向とは、柱状体である触媒担持セラミクスハニカム構造体120の中心軸に垂直な面内における中心軸を含む直線の方向である。
本明細書において、熱膨張率とは、40〜800℃まで昇温した場合の線膨張率の平均値である。
(セラミクスコート層)
セラミクスコート層200は、触媒担持セラミクスハニカム構造体120の外周面上に設けられている。セラミクスコート層200は、外周面上に全周にわたって設けられることができる。セラミクスコート層200の厚みは、例えば、0.2〜2.0mmとすることができる。
セラミクスコート層200は、セラミクス粒子、及び、これらを結合するマトリクスを構成する無機バインダーを有することができる。セラミクスコート層は多孔質であることができる。セラミクスコート層200の気孔率は、触媒担持セラミクスハニカム構造体120よりも小さく、10〜40%であることができる。
セラミクス粒子、及び無機バインダーの各々の混合比率は、セラミクス粒子100質量部に対して、無機バインダーを0.5〜50.0質量部程度とすることができる。
セラミクスコート層200のセラミクス粒子は特に限定されない。例えば、アルミナ、シリカ、チタン酸アルミニウム、コージェライト等である。セラミクス粒子は、セラミクスハニカム構造体120aのセラミクスと同じ種類のセラミクス粒子を含んでもよいが含まなくてもよい。
無機バインダーの例は、非晶質シリカ、アルミナである。
非晶質シリカ粒子として、典型的には溶融シリカを用いることができ、その中心粒子径は、1〜20μm程度の範囲にあればよい。
セラミクス粒子は、セラミクスハニカム構造体120aを構成するセラミクスと同じ種類のセラミクスの粒子と、非晶質シリカ粒子との組合せであることが好ましい。セラミクスハニカム構造体120aを構成するセラミクスと同じ種類のセラミクスの粒子と、非晶質シリカ粒子との混合比率は、セラミクスハニカム構造体120aを構成するセラミクスと同じ種類のセラミクスの粒子100質量部に対して、非晶質シリカ粒子を10〜2000質量部程度とすることができる。
セラミクスハニカム構造体120aを構成するセラミクスと同種のセラミクスの粒子の例は、先に述べたセラミクスハニカム構造体120aを構成するセラミクスと同じである。その中心粒径は3〜50μmとすることができる。たとえば、この粒子は、チタン酸アルミニウム粒子又はコージェライト粒子であることができる。またこの粒子は、セラミクスハニカム構造体120aを製造する際に出る端材の粉砕物であることができる。
セラミクスコート層は、セラミクス粒子として、アルミナシリケートファイバー等のセラミクスファイバー、又は生体溶解性ファイバー含有していてもよい。ファイバーのアスペクト比(長径と短径との比)は3倍以上であることができる。ファイバーの短径は2〜10μmであることができる。
無機バインダーは、セラミクスコート層200のマトリックスとなるものであり、その例として、コロイド状酸化物、例えば、コロイダルシリカやコロイダルアルミナ、また水ガラスなどが挙げられる。なかでもコロイド状酸化物、とりわけコロイダルシリカが好ましく用いられる。無機バインダーがコロイド状酸化物のように粒子状になっている場合、その中心粒子径は、5〜50nm程度の範囲にあることが好ましい。
セラミクスコート層200の熱膨張率CTEは、1.1×10−6/℃〜7.0×10−6/℃とすることができる。セラミクスコート層200の熱膨張率CTEは、特に方向により大きく相違するものではない。具体的には、セラミクスコート層200の軸方向の熱膨張率を測定すればよい。
セラミクスコート層200の熱膨張率は、その組成により調整できる。たとえば、溶融シリカを多く添加すると熱膨張率が低くなり、セラミクスの濃度を高くすると、熱膨張率が高くなる。
本実施形態に係るハニカムフィルタにおいて、触媒担持セラミクスハニカム構造体120の径方向の熱膨張係数をCTE、セラミクスコート層200の熱膨張係数をCTEとしたときに、1.1≦CTE/CTE≦7を満たす。1.12≦CTE/CTE、1.13≦CTE/CTE、1.2≦CTE/CTE、1.3≦CTE/CTE、及び1.35≦CTE/CTEとすることができる。また、CTE/CTE≦5、CTE/CTE≦3とすることができる。
本実施形態に係る発明によれば、1.1≦CTE/CTE≦7を満たすことにより、触媒担持セラミクスハニカム構造体120を有しながらも、再生処理においてクラックを生じにくいハニカムフィルタ300が提供される。
続いて、上記のようなハニカムフィルタの製造方法の一例を説明する。
セラミクスハニカム構造体120aは、セラミクス原料混合物のペーストから出発し、押出工程、乾燥工程、封口工程、及び焼成工程、必要に応じて上記の外周面の切削や研磨などの加工工程を経て、製造できる。セラミクス原料混合物のペーストは、セラミクスの原料粉末、有機バインダー、その他の添加物及び溶媒を混練機等で混合することにより、調製される。
(セラミクス源)
セラミクス源は、セラミクスを構成する元素を含む粉末である。たとえば、アルミナ、シリカ、ムライト、コージェライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物粉末、水酸化アルミニウム等の水酸化物粉等が挙げられる。また、セラミクスハニカム構造体を得るまでの間に生じる端材を、原料の一部として再利用することもできる。
たとえば、チタン酸アルミニウム又はチタン酸アルミニウムマグネシウムからなるセラミクスハニカム構造体を製造する場合、原料粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタン源粉末を含むことができる。原料粉末は、必要に応じてさらに、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末、及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
有機バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース等のセルロース類;ポリビニルアルコール等の水溶性高分子;及びリグニンスルホン酸塩が挙げられる。
その他の添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤及び可塑剤、並びに分散剤が挙げられる。
造孔剤は、例えば、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーン等の植物材料;氷;又はドライアイスで構成することができる。
潤滑剤及び可塑剤は、例えば、グリセリン等の多価アルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸アルミニウム等のステアリン酸金属塩;又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルで構成することができる。これらは、潤滑剤としても可塑剤としても機能する。
分散剤は、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;又はポリカルボン酸アンモニウム等の界面活性剤で構成することができる。
溶媒としては、アルコール類や水を用いることができる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール等の一価アルコール類;又はプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール等の二価アルコール類を用いることができる。溶媒としては、特に水、それも純水やイオン交換水など、精製された水が好ましく用いられるが、必要に応じて上記のアルコール類を併用することもできる。
(押出工程及び乾燥工程)
押出工程では、以上の各成分を混合混練して得られるセラミクス原料混合物のペーストを押出成形機のダイから押出すことにより、長尺の柱状体を得る。押出ダイは、格子状の開口部を有するため、柱状体にはその長尺方向に延びる複数の貫通孔が形成される。得られる柱状体をその長手方向に所定長さで切断して、セラミクスハニカム構造体120aの未封口グリーンとなる。乾燥工程では、セラミクスハニカム構造体120aの未封口グリーンを熱風やマイクロウエーブ等により乾燥して、溶媒を除去する。
(封口工程)
封口工程では、セラミクスハニカム構造体120aの未封口グリーンに形成されている複数の貫通孔のうち、一部の貫通孔が柱状体の一方の端面側で塞がれ、残りの貫通孔は柱状体の他方の端面で塞がれるように各貫通孔を封口する。こうして、一方の端面が開口し、他方の端面が封口されている流路と、一方の端面が封口され、他方の端面が開口している流路とがほぼ交互に配置されている状態となる。封口は、封口すべき貫通孔に相当する位置にのみ開口が設けられているマスクを当該封口すべき端面に貼り付け、そこに封口材を押し込む方法によって行うことができるほか、開口のままとすべき複数の貫通孔に楔形の治具を押し込んで、セル壁を封口すべき貫通孔側へ倒し、当該封口すべき貫通孔を形成するセル壁同士を結合させて塞ぐ方法(変形封口と呼ばれる)によって行うこともできる。前者の方法で用いる封口材は、先に述べたセラミクス原料混合物のペーストと同様の材料で構成することができる。
(焼成工程)
続く焼成工程では、封口部を有するセラミクスハニカム構造体120aのグリーンを仮焼き(脱脂)し、さらに焼成する。仮焼き(脱脂)は、セラミクスハニカム構造体120aのグリーン中の有機バインダーや、必要に応じて配合される有機添加物を、燃焼、分解等により除去するための工程である。通常は、焼成工程の初期段階、すなわちセラミクスハニカム構造体120aのグリーンが焼成温度に達するまでの昇温段階(例えば、300〜900℃の温度範囲)で、仮焼き(脱脂)が行われる。
焼成温度は、好ましくは1300℃以上、より好ましくは1400℃以上であり、また好ましくは1650℃以下、より好ましくは1550℃以下である。焼成温度に達するまでの昇温速度は、例えば、1℃/hr〜500℃/hrの範囲から選択される。そのうち上記の仮焼き(脱脂)が行われる温度範囲では、昇温速度を小さめに設定することが好ましい。
焼成は通常、大気中で行われる。用いる原料粉末、例えば、チタン酸アルミニウム質セラミクスハニカム構造体とする場合の、アルミニウム源粉末、チタン源粉末、マグネシウム源粉末及びケイ素源粉末の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス中で焼成を行ってもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガス等の還元性ガス中で焼成を行ってもよい。また、水蒸気分圧を小さくした焼成雰囲気とすることもできる。
焼成は通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉など、通常の焼成炉を用いて行われる。焼成は、回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。また、静置式で行ってもよいし、流動式で行ってもよい。焼成に要する時間は、グリーンを構成する原料粉末の組成及び量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、上記した焼成温度に達した後、10分〜24時間程度の範囲から適宜選択される。
以上のようにして、封口部130及び多孔質のセラミクスハニカム構造体120aを得ることができる。こうして得られるセラミクスハニカム構造体120aに対して、必要に応じて外周面の切削及び/又は研磨を施した後、触媒の担持、及び、外周面上へのセラミクスコート層200の形成を行う。触媒の担持とセラミクスコート層200の形成は、どちらを先に行ってもよいが、ここでは、触媒担持、セラミクスコート層200の形成の順に説明する。
(触媒の担持)
セラミクスハニカム構造体120aへの触媒の担持は、例えば、目的とする触媒を水に分散させてスラリーとし、そこに上記の封口部を有するセラミクスハニカム構造体120aを浸漬する方法により、行うことができる。浸漬後は、水を除去するために乾燥される。
(セラミクスコート層200の形成)
セラミクスコート層200は、上述したセラミクスコート層の原料を含むコート材をセラミクスハニカム構造体120aの外周面上に塗布し、乾燥させて形成することができる。乾燥温度は40〜200℃とすることができる。このコート材は、塗布後に固まりやすくするため、有機バインダーを含有することもできる。有機バインダーの例は、先にセラミクスハニカム構造体120aの原料として挙げた有機バインダーの例と同じである。塗布法は特に限定されず、刷毛塗り法、ローラーブラシ法、ドクターブレード法などが挙げられる。
コート材をセラミクスハニカム構造体120aの外周面上に塗布した後、400〜1000℃の高温で処理することにより、無機バインダーがマトリックス、例えば非晶質酸化物マトリックスとなり、そこに、たとえば、前記の非晶質シリカ粒子及びハニカム構造体本体を構成するセラミクスと同種の物質を有するセラミクス粒子が分散して存在するセラミクスコート層200が形成される。有機バインダーを含むコート材を使用した場合、その有機バインダーは、上記の高温処理により、燃焼除去される。熱処理温度は、500〜1000℃とすることができる。
本発明は上記実施形態に限定されず様々な変形態様が可能である。
例えば、セラミクスハニカム構造体の外形形状、流路の配置について特段の限定はない。たとえば、セラミクスハニカム構造体は、円柱でなくても、四角柱、六角柱等の角柱でもよい。流路の形状も、四角形、八角形、及び、複数の形状を有していてもよい。流路の配置も三角形配置、正方形配置等種々の態様を取り得る。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
アルミナ、溶融シリカ、チタニア及びマグネシアの粉末を所定割合で混合して、チタン酸アルミニウム生成原料粉末とし、これに、バインダー、潤滑剤及び造孔材をそれぞれ適量添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を添加し、十分な混錬を行って、可塑化したセラミクス粘土を作製した。バインダーとしてはメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを、また造孔材としてはポテトスターチを、それぞれ使用した。
次に、得られたセラミクス粘土を、押出成形用口金を通過させることにより、外周壁とセル壁とが一体に形成されたハニカム構造を有するグリーン体とした。セルの形状は六角形とした。その後、各流路の一端又は他端を同様のセラミクス粘度で封口した。その後、封口されたグリーン体を乾燥、焼成することにより、セル壁0.3mm、外径寸法170mm、全長140mmの外周壁とセル壁とが一体に形成された円柱状のチタン酸アルミニウム質セラミクスハニカム構造体を得た。この構造体から試験片を切出し、気孔率、気孔径分布及び径方向の熱膨張係数を測定した。ここで、気孔率及び気孔径分布は水銀圧入法により測定し、熱膨張係数は室温(40℃)から800℃までの間の平均熱膨張係数として求めた。その結果、セル壁の気孔率は60.0%、中心細孔径は18μm、径方向の熱膨張係数は1.6×10-6/℃であった。
得られたチタン酸アルミニウム質セラミクスハニカム焼結体の外周面を、円筒研削盤を用いて所定の外径となるよう切削加工して除去することにより、外周直径が規定の値とされたセラミクスハニカム構造体を得た。
別途、コート材として、中心粒子径が5μmの溶融シリカ粒子と、上記製造方法により得られたチタン酸アルミニウム質セラミクスハニカム構造体の端材(外周部切削加工粉など)を粉砕して得た中心粒径が25μmのチタン酸アルミニウム粒子と、アルミナシリケートファイバー(短径4〜6μm、アスペクト比8〜13)と、中心粒径が12nmのコロイダルシリカと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、水とを所定の配合比でミキサーに入れて混合し、ハニカム構造体に塗布可能なペースト状に調製した。コート剤の配合比は、溶融シリカ粒子を60質量部、チタン酸アルミニウム粒子を140質量部、アルミナシリケートファイバーを40質量部、コロイダルシリカを10質量部とした。
前記セラミクスハニカム構造体の外周面に、ヘラを用いて上記コート材を塗布した後、40℃で乾燥を行った。その後、有機物を燃焼させるために550℃で3時間加熱し、セラミクスハニカム構造体の外周面に0.7mmのセラミクスコート層を形成した。
引き続き、ゼオライト触媒(ZSM−5)を30質量%含む水スラリーに、上で得たセラミクスコート層及び封口部を有するセラミクスハニカム構造体を2分間浸漬した後、エアーブローにより余分なスラリーを除去し、100℃で1時間乾燥した。乾燥後の触媒含浸セラミクスハニカム構造体を、大気雰囲気で500℃に保たれた電気炉に1時間保持して、触媒担持チタン酸アルミニウム質セラミクスハニカム構造体を有するハニカムフィルタを得た。触媒担持により、セラミクスハニカム構造体の気孔率は、上記触媒担持前の60%よりは低下する。
得られたハニカムフィルタから、図2の(a)及び(b)のようにして、セラミクスコート層の線熱膨張率測定用試験片Sc、及び、触媒担持セラミクスハニカム構造体の線熱膨張率測定用試験片Shを切出した。図2の(a)に示すように、ハニカムフィルタ300の外周部からは、縦20mm、横8mm、厚さ3mmの大きさを有し、縦方向が軸方向となり、厚み方向が径方向となり、横方向が径方向と直交する方向となり、外周面を含む小片を切り出し、これをセラミクスコート層の線熱膨張率測定用試験片Scとした。また、ハニカムフィルタ300の触媒担持セラミクスハニカム構造体120の径方向中心部かつ封口部を含まない軸方向の中央部から、縦5mm、横20mm、厚さ5mmの大きさを有し、横方向が径方向となり、厚さ方向が軸方向となる、直方体小片を切り出し、触媒担持セラミクスハニカム構造体120の線熱膨張率測定用試験片Shとした。セラミクスコート層を含む外周部の線熱膨張率測定用試験片Sc及びセラミクスハニカム構造体の線熱膨張率測定用試験片Shの形状を、それぞれ図2の(a)及び(b)に概略斜視図で示す。セラミクスコート層の線熱膨張率測定用試験片Scには、触媒担持セラミクスハニカム構造体120の一部が残っているが、この残っている触媒担持セラミクスハニカム構造体120が熱膨張測定部に触れないように、以下の熱機械的分析装置にセットし、セラミクスコート層の線熱膨張率だけが求められるようにした。
熱機械的分析装置(SIIテクノロジー株式会社のTMA6300)に、触媒担持セラミクスハニカム構造体用の試験片SHはその横方向が、セラミクスコート層用の試験片Scはその縦方向がそれぞれ熱膨張測定方向となるようにセットし、室温(25℃)から1000℃まで600℃/hrの速度で昇温し、その後再び室温付近まで降温して、各温度における小片の線膨張率を求め、それらの値をもとに、40℃から800℃までの間の平均熱膨張係数を算出した。
結果は以下のとおりであった。
触媒担持セラミクスハニカム構造体:3.8×10-6/℃
セラミクスコート層 :4.3×10-6/℃
(実施例2)
セラミクスコート層の熱膨張係数を変えるべく、溶融シリカ粒子を60質量部、チタン酸アルミニウム粒子を140質量部、アルミナシリケートファイバーを0質量部、コロイダルシリカを8.3質量部とする以外は、実施例1と同様とした。
結果は以下のとおりであった。
触媒担持セラミクスハニカム構造体:3.8×10-6/℃
セラミクスコート層 :5.2×10-6/℃
(比較例1)
セラミクスコート層の熱膨張係数を変えるべく、溶融シリカ粒子を110質量部、チタン酸アルミニウム粒子を90質量部、アルミナシリケートファイバーを40質量部、コロイダルシリカを10質量部とする以外は、実施例1と同様とした。
結果は以下のとおりであった。
触媒担持セラミクスハニカム構造体:3.8×10-6/℃
セラミクスコート層 :2.8×10-6/℃
(比較例2)
セラミクスコート層を形成しない以外は実施例1と同様とした。結果は以下のとおりであった。
触媒担持セラミクスハニカム構造体:3.8×10-6/℃
(評価)
各ハニカムフィルタの「スス燃焼最大温度」の測定については、以下のように行った。バーナー式スス発生機にてススを発生し、所定量のスス(パティキュレートマター)を、作製したハニカムフィルタに堆積させた。その後、バーナーにより発生した高温の燃焼ガスをハニカムフィルタに流入させてガス(入口ガス)の温度を上昇させてススに着火した。その後、入口ガスの温度が所定の温度に達した所で、バーナーからの高温ガスの供給を止め、装置をアイドル状態に切り替え、煤の燃焼を完了させた。その後、クラックの有無を確認した。次に、再生処理前のスス堆積量を徐々に増加させ、ハニカムフィルタにクラックが生じるまで同じ試験を繰り返し行った。このとき、ハニカムフィルタの排ガスの出口側の端面付近における中央付近の温度を熱電対で測定した。そして、ハニカムフィルタにクラックが生じない場合におけるハニカムフィルタ内の最高の温度を「スス燃焼最大温度」とした。クラック発生の有無の確認は、目視にて行った。結果を表1に示す。
Figure 2018034112

表1より、実施例1,2のハニカムフィルタは「スス燃焼最大温度」が高く、ハニカムフィルタへクラックが発生することを抑制されていることがわかる。
120a…セラミクスハニカム構造体、120…触媒担持セラミクスハニカム構造体、110a…入口流路(流路)、110b…出口流路(出口)、130…封口部、200…セラミクスコート層、300…ハニカムフィルタ。

Claims (4)

  1. 軸方向に多数の流路を有する柱状のセラミクスハニカム構造体及び前記セラミクスハニカム構造体に担持された触媒を有する触媒担持セラミクスハニカム構造体、
    前記複数の流路の内の一部の流路の一端及び前記複数の流路の内の残部の流路の他端を閉じる複数の封口部、及び、
    前記触媒担持セラミクスハニカム構造体の外周面上に設けられたセラミクスコート層、を備え、
    前記触媒担持セラミクスハニカム構造体の径方向の熱膨張係数をCTE、前記セラミクスコート層の熱膨張係数をCTEとしたときに、
    1.1≦CTE/CTE≦7を満たす、ハニカムフィルタ。
  2. 前記セラミクスコート層は、非晶質シリカ粒子、前記セラミクスハニカム構造体を構成するセラミクスと同種のセラミクス粒子、及び、無機バインダーを含む、請求項1記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記セラミクスハニカム構造体を構成するセラミクスと同種のセラミクス粒子は粉砕物である請求項2に記載のハニカムフィルタ。
  4. 前記触媒担持セラミクスハニカム構造体は10〜50%の気孔率を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
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