JP2018034082A - フィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置 - Google Patents

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大輔 小森
Daisuke Komori
大輔 小森
稲垣 純
Jun Inagaki
純 稲垣
由浩 辻
Yoshihiro Tsuji
由浩 辻
港 加藤
Minato KATO
港 加藤
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Abstract

【課題】ホルムアルデヒド等の化学物質を効果的に取り除き、長期安定的に効果を持続できるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置を提供すること。【解決手段】基材層と、粒子を捕集可能な繊維層とを有するフィルタろ材において、前記基材層はアミン系化合物を含有する吸着剤を含み、前記繊維層には芳香族アミン化合物を含み、前記基材層と前記繊維層とが密着したシート状のフィルタろ材としたことで、長期間安定的にホルムアルデヒドを捕集できる。また、このフィルタろ材を備えた空気清浄装置を提供できる。【選択図】図2

Description

本発明は、ホルムアルデヒド等の脱臭作用を持つフィルタろ材とそれを用いた
空気清浄装置に関するものである。
ホルムアルデヒドは、住宅内の壁紙や家具等から放出され、低濃度であっても健康障害を起こすため、室内汚染物質として除去することが望まれている。
従来、この種のフィルタろ材は、ろ材に保持した吸着剤の脱落を抑制し、吸着機能の低下の抑制をするめに以下のような構成となっていた。すなわち、図7に示すように、エアフィルタ101は、基布層102と表層103の少なくとも2層の繊維構造体からなる繊維積層体であった。より具体的には、エアフィルタ101は、基布層102は悪臭や有害ガスを除去するための吸着剤として活性炭を内部に保持した平均繊維径が10μ以上の繊維からなり、表層103は平均繊維径が10〜1000nmの繊維からなる繊維積層体であった。このように基布層102と表層103との平均繊維径を異なるものとすることで、圧力損失を大きくすることなく、空気との接触効率を向上できることが開示されていた。この場合、表層103は、基布層102に積層して繊維ウエッブのような繊維構造体とすることが望ましく、電界紡糸により均一に積層する方法が開示されていた(例えば、特許文献1を参照)。
また、電界紡糸法によって繊維状にした樹脂組成物とするために、電荷安定剤として、ヒンダードアミン系、含窒素ヒンダードフェノール系、金属塩ヒンダードフェノール系、フェノール系、ヒンダードフェノール系、フェノール系硫黄系耐候性付与剤、脂肪酸金属塩からなる群より選択される少なくとも1種を使用する方法が知られていた。この不織布は、空気清浄装置のフィルタ濾材として樹脂繊維のフィルタ性能を向上させることができた(例えば、特許文献2を参照)。
特開2009-190269号公報 特開2008-221074号公報
このような従来のフィルタ濾材とそれを用いた空気清浄装置では、低圧力損失でホルムアルデヒドを除去することはでき、吸着剤の脱落を抑制することができるが、実使用を考慮した際、吸着剤の除去性能をさらに持続させることが望まれていた。
そこで、ホルムアルデヒドを除去するためにアミン化合物を用いることを検討したところ以下の課題を見出した。すなわち、アミン化合物は塩基性物質であり、空気中の粒子に含まれる酸性物質と接触すると中和反応を起こし、性能が低下するということである。また、空気中には、紫外線によって発生するオゾンやOHラジカル、NOラジカルなどの活性成分が含まれており、空気を大量に吸い込んで処理を行っている空気清浄装置においては、これらの活性成分がアミン化合物と反応して、性能が劣化しやすいということである。
また、従来の電荷安定剤では、多種の添加剤を使用した際の拮抗作用については言及されていない。多種の添加剤を複合で使用する際にはそれらの相溶性の悪さから性能低下を招く場合もあり、使用する添加剤の種類をむやみに増やすことは避けるべきである。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ホルムアルデヒド等の化学物質を取り除く効果を長期安定的に持続できるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置を提供することを目的としている。
そして、この目的を達成するために、本発明は、基材層と、前記基材層の上流側で粒子を捕集可能な繊維層とを有するフィルタろ材であって、前記基材層はアミン系化合物を含有する吸着剤を含み、前記繊維層には芳香族アミン化合物を含み、前記基材層と前記繊維層とが密着したシート状としたフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置であり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、繊維層と前記繊維層に対して気流の下流側に備えた基材層を含むフィルタろ材であって、前記繊維層は、芳香族アミン化合物を含み、かつ粒子を捕集可能な繊維の層であって、前記基材層は、アミン系化合物を含有する吸着剤を含む繊維の層であって、前記繊維層と前記基材層とを密着したシート状としたことにより、ホルムアルデヒド等の化学物質を取除く効果を長期安定的に持続できるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1の空気清浄装置の設置状態を示す斜視図 同空気清浄装置の断面図 同エアフィルタの斜視図 同エアフィルタに使用するフィルタろ材の構成図 同フィルタろ材の概略断面図 同フィルタろ材を拡大した概略断面図 従来の空気清浄装置を示す斜視図
本発明の請求項1に係わるフィルタろ材は、基材層と、前記基材層の上流側で粒子を捕集可能な繊維層とを有するフィルタろ材であって、前記基材層はアミン系化合物を含有する吸着剤を含み、前記繊維層には芳香族アミン化合物を含み、前記基材層と前記繊維層とが密着したシート状としたものである。
これにより、空気清浄機が吸い込んだ空気は、繊維層において空気中の酸性物質粒子が繊維層で捕集されてから、基材層において空気中のホルムアルデヒドが吸着剤に接触する。この場合、塩基性のアミン化合物が中和反応を起こして性能低下することなく、長期間安定的に効果を持続できるという効果を得ることができる。さらに、空気中には、紫外線によって発生するオゾンやOHラジカル、NOラジカルなどの活性成分が含まれているが、これらの活性成分が繊維層に含まれる芳香族アミン化合物によって減少するため、基材層に含まれるアミン化合物の性能劣化が抑制され、さらに長期間安定的に効果を持続できるという効果を得ることができる。
また、請求項2に係わるフィルタろ材は、前記アミン系化合物は、前記基材層を構成する繊維の表面に塗布されているものである。
これにより、塗布されたアミン化合物が基材層を構成する繊維の全体に広範囲にわたって含有される状態となるため、通過するホルムアルデヒドとの接触の分布を均一にして、化学物質を取り除く効果を更に向上できるものである。
また、請求項3に係わるフィルタろ材は、前記基材層のアミン系化合物の含有量は、前記繊維層との密着面側が高く、前記密着した面から遠ざかるほど低くしているものである。
これにより、密着面から遠ざかった空気に暴露している面には、少量のアミン系化合物しか存在せず、フィルタろ材の保管時アミン系化合物が空気に触れて反応して減少してしまう割合を低下させることができる。したがって、均一に塗布した場合に比べ、アミン系化合物が残存する割合を高く保ち、初期性能を長期間に亘り維持させることができる。
また、請求項4に係わるフィルタろ材は、前記繊維層の芳香族アミン化合物が、第一級アミンであるものである。
これにより、第一級アミンは、芳香族アミン化合物の活性成分除去作用に加えて、アミン化合物と同様に、ホルムアルデヒド吸着作用も期待できフィルタろ材としての吸着作用を強めることができる。
また、請求項5に係わるフィルタろ材は、前記繊維層を形成するポリマーの体積抵抗率が1016Ωcm以上、且つ誘電正接が0.001以下であるものであり、電解紡糸された不織布であるものである。
これにより、電解紡糸時に帯電したポリマーの帯電性により繊維層において粒子の捕集性能を向上させ、前記基材層中のアミン化合物の酸性物質による性能劣化を抑制することができる。
また、請求項6に係わるフィルタろ材は、前記繊維層を形成するポリマーの側鎖が非極性基を有した不織布であるものである。
これにより、ポリマーの側鎖と芳香族アミン化合物の芳香族環の相溶性が良くなり、芳香族アミン化合物はポリマーの繊維中へ凝集せず広範囲かつ均一に存在することができる。さらに芳香族アミン化合物の極性基であるアミノ基は繊維中の非極性領域を避けて繊維表面上(繊維と空気の界面側)に方向性を持って位置させることができる。均一に配向した極性基(アミノ基)が帯電性を高めるために繊維層の帯電性向上効果をさらに高めることができる。
また、請求項7に係わる空気清浄装置は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、前記本体ケース内に設けた送風機と、前記送風機の吸込側と前記吸気口の間に設けたエアフィルタとを備え、前記エアフィルタは、請求項1から4いずれかに記載のフィルタろ材からなることを特徴とした空気清浄装置である。
これにより、室内のホルムアルデヒド等の化学物質を取除く効果を長期安定的に持続できる空気清浄装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態1に示す空気清浄装置1は、室内2の床3の上に設置され、空気清浄運転を行うことができる。ホルムアルデヒドは、壁紙4あるいは家具5などから発生し、空気よりも比重が重いため、室内2で床付近に濃度が高い状態で存在している。また、人が移動する際に、窓6の開閉によって屋外の空気が流入し、屋外の紫外線の作用によって発生した酸性物質粒子あるいはオゾンやOHラジカル、NOラジカルなどの活性成分が室内に入ることもある。このようにして、室内2の空気は、ホルムアルデヒドに加えて、酸性物質粒子あるいはオゾンやOHラジカル、NOラジカルなどの活性成分が含まれた状態となっている。
図2に示すように、本実施形態の空気清浄装置1は、本体ケース7内に送風手段8とエアフィルタ9とを備えている。本体ケース7は、略縦長箱形状で、この本体ケース7の前面には、縁部において中央部のパネルを包囲する略四角形状の吸気口10を設け、本体ケース7の天面部には、略四角形状の排気口11を備えている。
送風手段8は、本体ケース7の吸気口10と、排気口11との間の風路に設けられ、スクロール形状のケーシング12と、このケーシング12内に設けられた遠心送風ファンである羽根13と、この羽根13を回転させる電動機14とから形成している。
エアフィルタ9は、本体ケース7の吸気口10の内側に位置している。送風手段8によって、吸気口10から本体ケース7内に吸気されたホルムアルデヒドを含む室内の空気は、エアフィルタ9を介して排気口11へと送風するものである。つまり、室内のホルムアルデヒドを含む空気をエアフィルタ9で清浄して、室内へ送風されるものである。
エアフィルタ9は、図3、図4に示すように、プリーツ形状のフィルタろ材15と、このフィルタろ材15をプリーツ形状に保持すべくフィルタろ材15の外周に設けた枠形状の形状保持部16とから形成している。形状保持部16は、ロの字形状の枠部17と、この枠部17とフィルタろ材15との間に設けた接着部材18とから構成している。つまり、枠部17は、フィルタろ材15の周縁に位置し、接着部材18によって、フィルタろ材15およびフィルタろ材15のプリーツ形状を枠部17に固定している。
プリーツ加工する前のフィルタろ材15は、図5、図6に示すように、基材層19と、この基材層19へ送風される空気流の上流側面に設けた繊維層20を備えている。
基材層19は、ガラス繊維、パルプ繊維、樹脂繊維、炭素繊維および無機繊維の少なくとも1つを含む繊維によって形成されている。
基材層19の製法としては、スパンボンド法、乾式または湿式抄紙法、メルトブローン法、スパンボンド法、エアレイド法、サーマルボンド法などが挙げられる。
基材層19の目付量は、10〜100g/mであることが好ましい。目付量が10g/m2未満であると、基材層19の剛軟度が低下することにより、プリーツ加工の生産性の低下やフィルタ形状の維持が困難になる。100g/mを越えると、基材層19の圧力損失が大きくなるため、エアフィルタ9の圧力損失が大きくなり好ましくない。
基材層19を構成する繊維の平均繊維径は、1〜50μmであることが好ましい。平均繊維径が1μm未満であると、繊維の強度が低く、補強材としての強度が不十分となり、50μmを越えると、基材層19の厚みが厚くなり、プリーツ加工による構造的な圧力損失が大きくなるので、好ましくない。
繊維層20を構成する繊維の平均繊維径は、繊維が帯電性を有する場合は原理的に低圧損化が可能となるため、より細いほど好ましい。一般的に好ましくは50nm以上1500nm以下の繊維で構成することが好ましい。繊維径が1500nmより太くなると、繊維層20の空孔を形成する際に樹脂繊維体積が占める割合が大きくなり、空気抵抗が増加する(圧力損失の上昇を招く)ため好ましくない。繊維径が50nmより細いと、繊維破損や毛羽立ちが起こりやすいため好ましくない。より好ましくは、100nm以上200nm以下の繊維径である。
繊維層20の繊維径は、基材層19よりも細いほうが好ましく、これにより集塵効率が高く、圧力損失が低いバランスのとれたフィルタろ材を得ることができる。このように作成したフィルタろ材の圧力損失は、繊維層20のほうが大きく、基材層19のほうが小さい構成となる。一例を挙げると、流速5.3cm/sで空気を流したときの圧力損失は、繊維層20が40Pa、基材層19が3Pa程度となる。
繊維層20には、一般的な樹脂材料、天然繊維材料を用いることができる。例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド、ポリイミドベンザゾール、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリウレタン(PU)、セルロース化合物、ポリペプチド、ナイロンなど、あるいはこれらの混合物といったものが挙げられる。
基材層19に含有させた吸着剤は、少なくとも成分の一部にアミン系化合物を含んだものである。前記アミン系化合物を含有する吸着剤を、基材層19に含ませる手段としては、基材層19の繊維紡糸時や基材繊維への樹脂等のコーティング時に吸着剤を紡糸液やコーティング液に含有させておく方法や、吸着剤を水溶液に溶解・分散させ、少量の界面活性剤およびバインダーを加えた後、この吸着剤液に基材層を浸漬する方法、吸着剤液をスプレーする方法、水溶液を刷毛やローラーで塗布する方法等が挙げられる。アミン化合物とホルムアルデヒドとは、次のような不可逆な化学反応を生じることが知られている。
例えば、
R−ΝH+HCHO
→R−N=CH+HO(shiff塩基)
2HNCONH(尿素)+HCHO
→NNCONHCHNHCONH(ジメチロール尿素)
NH−NH(ヒドラジン)+2HCΗO
→CΗ=N−N=CΗ
などのように反応する。
これらの反応は、アルデヒド基をもつガス成分では同様に起こるため、ホルムアルデヒド以外に、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類化合物とも反応性を持つ。一般的に、アルデヒド類は不快な臭気物質であり、本発明のフィルタろ材は、アルデヒド類を対象とした脱臭の用途にも適用可能である。上記の反応は化学反応を伴うため化学吸着と呼ばれ、活性炭などの物理吸着とは区別される。化学吸着の場合、吸着したアルデヒド類が再放出されることがないため、安定的にアルデヒド類の除去を行える利点がある。
一方で、アミン化合物は塩基性物質であり、空気中の酸性物質と接触すると中和反応を起こし、性能が低下するという課題があった。酸性成分とは、硝酸・硫酸、酢酸などのミストあるいはこれらの成分を含む浮遊粒子である。
また、空気中には、紫外線によって発生するオゾンやOHラジカル、NOラジカルなどの活性成分が含まれており、空気を大量に吸い込んで処理を行っている空気清浄装置1においては、これらの活性成分がアミン化合物と反応して、性能が劣化しやすいという課題があった。そのため、本実施の形態において、空気清浄装置1の本体に吸い込まれた空気から、酸性物質およびOHラジカルなどの活性成分を芳香族アミン化合物が含まれる繊維層20で取り除いた後、基材層19に含まれるアミン系化合物を含有する吸着剤でホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を取り除くという構成をとり、長期間安定的に捕集性能を持続させるフィルタろ材およびそれを用いた空気清浄装置を提供するものである。
本実施の形態の芳香族アミン化合物として適用できる一例を挙げる。例えば、アニリン、N-メチルアニリン、N,N’-ジメチルアニリン、アミノ安息香酸、メチルアミン安息香酸、ジメチルアミン安息香酸、アミノフェノール、メチルアミンフェノール、ジメチルアミンフェノール、ジアミノベンゼン、N-メチルジアミノベンゼン、N,N’-ジアミノベンゼン、メチルジアミノベンゼンなどである。前記芳香族アミン化合物を繊維層20に含ませる手段は、芳香族アミン化合物を水または有機溶媒に分散させ、分散液に繊維層20を浸漬する方法、分散液をスプレー塗布する方法、分散液を刷毛やローラーで塗布する方法等を挙げることができる。また、前記芳香族アミン化合物を繊維紡糸時にポリマー液中に混入させることも可能である。
前記アミン系化合物を含有する吸着剤を基材層19に含ませる手段において、基材層19の繊維形成後に吸着剤液を含浸または塗布させる手法を用いることで、吸着剤が繊維表面全体に広範囲にわたって含有される状態となる。このため、基材層19を通過するホルムアルデヒドは基材層19の繊維に含有されたアミン化合物との接触の分布が均一となり、ホルムアルデヒドを取り除く効果を更に向上できる。
また、吸着剤液を基材層19の片面のみからスプレーを行い乾燥させる手法を用いることで、スプレーした面の吸着剤濃度を高めることができる。基材層19の吸着剤濃度が高い面を繊維層20との密着面にすることで、基材層19と繊維層20の密着面のアミン系化合物の含有量が高く、密着面から遠ざかるほど含有量が低下しているフィルタろ材を得ることができる。したがって、密着面から遠ざかった空気に暴露している面には、少量のアミン系化合物しか存在せず、フィルタろ材の保管時アミン系化合物が空気に触れて反応して減少してしまう割合を低下させることができる。つまり、均一に塗布した場合に比べ、アミン系化合物が残存する割合を高く保ち、初期性能を長期間に亘り維持させることができる。
なお、上記スプレー塗布による基材層19の厚み方向への吸着剤濃度勾配形成手法は、一度吸着剤を含有させた繊維(一度吸着剤を含有させる含有手段(浸漬、スプレー、刷毛、ローラー)に制約は無い)で形成された基材層19であっても効果が得られる。この場合には、吸着剤の重ね塗りの状態となり基材層19への吸着剤添着量が増えることに加えて、基材層19と繊維層20の密着面の吸着剤含有量を高くすることができる。これにより、フィルタろ材の保管時アミン系化合物が空気に触れて反応して減少してしまう割合を低下させることができる。
繊維層20に含まれる芳香族アミン化合物を、第一級アミンを用いた場合には第一級アミン自身にホルムアルデヒド吸着効果があり、加えて空気清浄装置1の本体に吸い込まれた空気から、酸性物質および活性成分を除去し基材に含まれる吸着剤のアミン化合物を保護する効果を得ることができる。また、ホルムアルデヒドを吸着した第一級アミンは最終的に第二級アミン、第三級アミンへと変化する。これにより、ラジカル捕捉効果が増大し、基材層19の吸着剤アミン化合物を保護する作用が増強される。つまり、フィルタおよびそれを用いた空気清浄装置1の使用を始めることで、ホルムアルデヒドを処理した芳香族アミン化合物においても酸化物質および活性成分の捕捉効果を増強させ、吸着剤アミン化合物を保護することができる。これは、空気清浄装置使用開始までは芳香族アミン化合物の反応性を抑え、空気清浄装置の使用開始によるホルムアルデヒド吸着を行うことで酸化物質や活性成分への反応性を強めることができる。本発明の第一級の芳香族アミン化合物として適用できる一例を挙げる。例えば、アニリン、アミノ安息香酸、アミノフェノール、ジアミノベンゼン、メチルジアミノベンゼンなどである。
繊維層20を形成するポリマー種が、体積抵抗率が1016Ωcm以上、且つ誘電正接が0.001以下であり、電解紡糸された繊維である場合において、芳香族アミン化合物を繊維紡糸時にポリマー液中に混入させることで、紡糸された繊維中に芳香族アミン化合物を含有された状態で電解紡糸することができる。このため、選定したポリマー特性として帯電しやすい性質と帯電性ポリマー中の芳香族アミン化合物の極性基(アミノ基)によって繊維ポリマーの帯電性が向上することで、繊維層20としてのクーロン力による集塵性能を向上させることが可能となる。したがって、フィルタろ材としての集塵性能を向上させる。つまり、添加剤を繊維層20に芳香族アミン化合物を少なくとも1種類含ませることで集塵性能を向上させることを可能にしつつ、基材層19に含まれる吸着剤の性能低下を防ぐことが可能となる。これは、繊維層20に使用する添加剤種を減らすことができるため、繊維層20の添加剤を複数種用いる際に生じる帯電性に対する拮抗作用を抑制する効果も有する。この効果を有するポリマーは例えば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETFE)など、あるいはこれらの混合物といったものである。
また、繊維層20を形成するポリマー種の側鎖は炭素または水素のみで構成された疎水性が高いものが良い。例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテル、ポリフェニレンオキシドなどを挙げることができる。
これにより、ポリマーの側鎖と芳香族アミン化合物の芳香族環の相溶性が良くなり、芳香族アミン化合物はポリマーの繊維中へ凝集せず広範囲かつ均一に存在することができる。さらに芳香族アミン化合物の極性基であるアミノ基は繊維中の非極性領域を避けて繊維表面上(繊維と空気の界面側)に方向性を持って位置させることができる。均一に配向した極性基(アミノ基)が帯電性を高めるために繊維層の帯電性向上効果をさらに高めることができる。
繊維層20を形成するポリマー樹脂種はより好ましくは、ポリスチレンなどの側鎖に芳香族環を有しているものである。これによりポリマーと芳香族アミン化合物の芳香族環にあるπ電子同士がスタッキング結合を形成するため、相溶性向上がさらに期待できる。
空気清浄装置1に、エアフィルタ9を設置するときには、吸気口10側から順に、繊維層20、基材層19をセットする。すなわち、エアフィルタ9は、前段層である繊維層20と前記前段層に対して気流の下流側に備えた後段層である基材層19を備えたものである。これにより、空気清浄装置1の本体に吸い込まれた空気から、酸性物質およびOHラジカルなどの活性成分を、ラジカル捕集剤を含む繊維層20で取り除いた後、基材に含まれるアミン系化合物を含有する吸着剤でホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を取り除くという構成となり、長期間安定的に捕集性能を持続させるフィルタろ材およびそれを用いた空気清浄装置を提供することができる。
本発明にかかるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置は、基材層と、粒子を捕集可能な繊維層とを有するフィルタろ材において、前記基材層はアミン系化合物を含有する吸着剤を含み、前記繊維層には芳香族アミン化合物剤を含み、前記基材層と前記繊維層とが密着したシート状であることにより、ホルムアルデヒド等の化学物質を効果的に取除く効果を長期安定的に持続できるものであり、同様の機能が必要な換気装置等にも適用することができる。
1 空気清浄装置
2 室内
3 床
4 壁紙
5 家具
6 窓
7 本体ケース
8 送風手段
9 エアフィルタ
10 吸気口
11 排気口
12 ケーシング
13 羽根
14 電動機
15 フィルタろ材
16 形状保持部
17 枠部
18 接着部材
19 基材層
20 繊維層
101 エアフィルタ
102 基布層
103 表層

Claims (7)

  1. 基材層と、前記基材の上流側で粒子を捕集可能な繊維層とを有するフィルタろ材であって、前記基材層はアミン系化合物を含有する吸着剤を含み、前記繊維層には芳香族アミン化合物を含み、前記基材層と前記繊維層とが密着したシート状としたことを特徴とするフィルタろ材。
  2. 前記アミン系化合物は、前記基材層を構成する繊維の表面に塗布されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタろ材。
  3. 前記基材層のアミン系化合物の含有量は、前記繊維層との密着面側が高く、前記密着した面から遠ざかるほど低くしていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタろ材。
  4. 前記繊維層の芳香族アミン化合物が、第一級アミンであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のフィルタろ材。
  5. 前記繊維層を形成するポリマーの体積抵抗率が1016Ωcm以上、且つ誘電正接が0.001以下であり、電解紡糸された不織布であることを特徴とする請求項1から4いずれか一つに記載のフィルタろ材。
  6. 前記繊維層を形成するポリマーの側鎖には非極性基を有する請求項1から5いずれか一つに記載のフィルタろ材。
  7. 吸気口と排気口を有する本体ケースと、前記本体ケース内に設けた送風機と、前記送風機の吸込側と前記吸気口の間に設けたエアフィルタとを備え、前記エアフィルタは、請求項1から6いずれか一つに記載のフィルタろ材からなることを特徴とする空気清浄装置。
JP2016167443A 2016-08-30 2016-08-30 フィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置 Pending JP2018034082A (ja)

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