JP2018030216A - AlNセラミックスの製造方法 - Google Patents

AlNセラミックスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018030216A
JP2018030216A JP2016165430A JP2016165430A JP2018030216A JP 2018030216 A JP2018030216 A JP 2018030216A JP 2016165430 A JP2016165430 A JP 2016165430A JP 2016165430 A JP2016165430 A JP 2016165430A JP 2018030216 A JP2018030216 A JP 2018030216A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aln
grinding
aln ceramic
ceramics
grinding fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016165430A
Other languages
English (en)
Inventor
秀行 大国
Hideyuki Okuni
秀行 大国
基 永沢
Motoki Nagasawa
基 永沢
英章 粟田
Hideaki Awata
英章 粟田
多々見 純一
Junichi Tadami
純一 多々見
歩加 松上
Hoka Matsugami
歩加 松上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Yokohama National University NUC
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Yokohama National University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd, Yokohama National University NUC filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2016165430A priority Critical patent/JP2018030216A/ja
Publication of JP2018030216A publication Critical patent/JP2018030216A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

【課題】高速の加工レートによるAlNセラミックス表面の加工を実現する。【解決手段】AlNセラミックスの製造方法は、CO2、CO32-およびHCO3-のいずれかを少なくとも含む研削液を用いてAlNセラミックスを研削または浸漬する第1工程を含み、前記研削液は、溶存CO2濃度が1.49mg/L以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、AlNセラミックスの製造方法に関する。
従来からAlNセラミックスを、その表面を研削加工または研磨加工することにより完成させるAlNセラミックスの製造方法が知られている。たとえば特開平08−112740号公報(特許文献1)には、AlNセラミックスの表面に対し温水をかけながら研磨加工することにより、その表面において次の化学反応を起こす技術が開示されている。
AlN+3H2O → Al(OH)3+NH3
特許文献1では、この化学反応によって上記表面において窒化アルミニウムの溶出が生じるため、その表面の除去を促進することができるとされる。
特開平08−112740号公報
AlNセラミックスの表面の研削加工および研磨加工に係る分野では、その加工後の面粗度の向上および加工速度(以下、「加工レート」とも記す)の向上が求められている。特許文献1では、Al(OH)3層を生じさせることにより加工レートの向上を図っているが、この層は硬度が高いためにそれを除去する速度が不十分であった。このため、未だ要求される加工レートを実現するには至っておらず、その開発が切望されている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされ、高加工レートによるAlNセラミックスの研削加工を実現することが可能なAlNセラミックスの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るAlNセラミックスの製造方法は、CO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを少なくとも含む研削液を用いてAlNセラミックスを研削または浸漬する第1工程を含み、前記研削液は、溶存CO2濃度が1.49mg/L以上である。
本開示の一態様に係るAlNセラミックスは、NH4Al(OH)2CO3を含む層を表面に含む。
上記によれば、高加工レートによるAlNセラミックスの研削加工を実現することが可能なAlNセラミックスの製造方法を提供することができる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示の一態様に係るAlNセラミックスの製造方法は、CO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを少なくとも含む研削液を用いてAlNセラミックスを研削または浸漬する第1工程を含み、上記研削液は、溶存CO2濃度が1.49mg/L以上である。このような構成によりAlNセラミックスの製造方法は、高速の加工レートによるAlNセラミックスの研削加工を実現することができる。
[2]上記研削液は、上記溶存CO2濃度が1000mg/L以上であることが好ましい。これにより、加工レートをより高めたAlNセラミックスの研削加工を実現することができる。
[3]上記研削液は、温度が30℃以下であることが好ましい。これにより、高速の加工レートによるAlNセラミックスの研削加工を歩留まりよく実現することができる。
[4]上記AlNセラミックスの製造方法は、上記第1工程の後に、上記AlNセラミックスをさらに研削する第2工程を含むことが好ましい。これにより、高速の加工レートによるAlNセラミックスの研削加工を実現するとともに、AlNセラミックス表面の平滑な面粗度を実現することができる。
[5]本開示の一態様に係るAlNセラミックスは、NH4Al(OH)2CO3を含む層を表面に含む。このような構成により、高速の加工レートで表面が研削され得るAlNセラミックスを提供することができる。
[6]上記層は、0.1μm以上の平均厚みを有することが好ましい。これにより、高速の加工レートで表面が研削され得るとともに、平滑な面粗度も実現され得るAlNセラミックスを提供することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」とも記す)についてさらに詳細に説明する。
ここで、本明細書において「A〜B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。さらに、本明細書において化合物などを化学式で表す場合、原子比を特に限定しないときは従来公知のあらゆる原子比を含むものとし、必ずしも化学量論的範囲のもののみに限定されるべきではない。
≪AlNセラミックスの製造方法≫
<第1工程>
本実施形態に係るAlNセラミックスの製造方法は、CO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを少なくとも含む研削液を用いてAlNセラミックスを研削または浸漬する第1工程を含む。
AlNセラミックスの製造方法は、上記構成により、研削液への浸漬または研削液を用いた研削加工時にAlN(窒化アルミニウム)セラミックスの表面または加工面において、次の化学反応を起こすことができる。
AlN+3H2O+CO2 → NH4Al(OH)2CO3
AlNセラミックスの製造方法は、この化学反応を通じ、上記表面または加工面にNH4Al(OH)2CO3を含有させる(すなわち、AlNセラミックスの表面または加工面にNH4Al(OH)2CO3を含む層を形成する)ことにより、AlNセラミックスの表面または加工面にAl(OH)3層よりも硬度の低い層を生じさせることができる。このため、AlNセラミックスの製造方法は、研削加工によるAlNセラミックスの表面の除去が促進され、加工レートを向上させることができる。加工レートとは、上述のとおりの加工速度であるが、より具体的には研削されたAlNセラミックスの厚み(AlNセラミックスの研削取り代)の総計(μm)を研削加工に費やした時間(h)で除して得られる研削加工の速度(μm/h)をいう。この加工レートは、本実施形態において1.6μm/h以上の数値が達成される。本実施形態において加工レートは4.8〜7μm/hであることが好ましい。
(AlNセラミックス被加工体の製造方法)
本実施形態に係るAlNセラミックスの製造方法は、本製造方法に用いる原料としてのAlNセラミックス被加工体として、従来公知のAlNセラミックスをいずれも採用することができる。たとえば、AlN成形体およびAlN焼結体の両方をAlNセラミックス被加工体として用いることができる。さらに、AlNセラミックス被加工体は、従来公知の製造方法により製造することができる。
以下、AlNセラミックス被加工体の製造方法の一例を示す。この一例は、AlNセラミックス被加工体として、AlN焼結体を製造する例である。
まず、平均粒径1.1μmのAlN原料粉末95質量%(酸素濃度:1質量%以下)に対し、焼結助剤として酸化イットリウム(Y23)粉末(たとえば、平均粒子径1.1μm以下)を5質量%となるように配合して配合体を得る。この配合体にバインダ(たとえば、PVB(ポリビニルブラチール))、有機溶媒(たとえば、エタノール)、および必要に応じて分散剤をさらに添加し、ボールミルを用いて所定時間(たとえば24時間)混合し、スラリー状の混合物を得る。次に、この混合物をドクターブレード法により板状に成形し、AlN成形体を得る。さらに、このAlN成形体を窒素雰囲気中で500℃、6時間脱脂し、続けて窒素雰囲気中で1800℃、5時間焼成し、AlN焼結体を製造する。これにより、本実施形態の製造方法に用いるAlNセラミックス被加工体を製造することができる。
ここでAlN原料粉末の平均粒径は、0.1〜10μmであれば、いずれも好適に用いることができる。焼結助剤の粉末は、酸化イットリウム(Y23)に限定されるべきではなく、他の希土類化合物であるLa23、CeO2、Ho23、Yb23、Gd22、Nd23、Sm23、Dy23などを用いることができる。バインダは、PVBに限定されるべきではなく、アクリル樹脂類(たとえば、ポリn−ブチルメタクリレート)などを用いることができる。
上記の有機溶媒は、エタノールに限定されるべきではなく、トルエンなどを用いることができる。上記の分散剤は、たとえばポリエチレンイミンなどの高分子型分散剤を用いることができるが、上述のとおり必要に応じて添加される任意成分である。
上記混合物からAlN成形体を得る方法は、上記のドクターブレード法のほか、一軸プレスによる方法、CIP(静水圧プレス)法などを用いることができる。AlN成形体の脱脂は、還元性ガス(窒素ガスなど)、不活性ガス(アルゴンガスなど)、およびこれらの混合ガスより選ばれるいずれかのガス雰囲気中で400〜800℃、5〜20時間の保持時間により行なうことができる。AlN成形体の焼結は、AlN成形体の脱脂で説明した雰囲気ガスのうちいずれかの雰囲気下において1750〜1950℃、2〜10時間の条件で行なうことができる。
上述の粉末の平均粒径は、いずれも市販のレーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば商品名:「SALD−2000」、株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。本明細書において粉末の平均粒径は、メディアン径(d50)を意味する。
(研削液)
本実施形態に係るAlNセラミックスの製造方法において、研削液はCO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを少なくとも含む。さらに研削液は、溶存CO2濃度が1.49mg/L以上である。これにより、AlNセラミックスの表面にNH4Al(OH)2CO3を含有させることができ、該表面にAl(OH)3層よりも硬度の低い層(NH4Al(OH)2CO3を含む層)を含むことができる。
本実施形態で用いる研削液は、この種のセラミックスの研削加工に用いられる従来公知の研削液(たとえば、純水)に、CO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを含有させた研削液である。CO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを従来公知の研削液へ含有させる方法は、たとえば、次の方法を用いることができる。
まず、バブリングによって研削液にCO2を導入することにより、研削液にCO2を含有させることができる。この場合、研削液中でCO2の一部が化学平衡によってイオン化することにより、研削液は、CO2とともにCO3 2-およびHCO3 -を含有する。具体的には、マイクロバブル装置(商品名:「M2−LM/SUS」、株式会社ナノプラネット研究所製)を用いることにより、バブリングによってCO2を研削液へ効率的に含ませることができる。本装置を用いることにより、たとえば2時間のバブリングによって1000mg/L以上を研削液へ含有させることが可能である。
別の方法として、炭酸アンモニウムを溶解させることにより、研削液にHCO3 -を含有させることができる。この場合、研削液中でNH4 +(アンモニウムイオン)が生じるため、NH4Al(OH)2CO3の生成が促進されるので好ましい。研削液をPEI(ポリエチレンイミン)水溶液とすることで、この研削液にCO2をバブリングにより導入することによって、研削液中でアミンとHCO3 -とが会合し、CO2の大気への揮発が抑制されるため、より効率的にCO2とともにCO3 2-およびHCO3 -を含有させることもできる。
上述のように研削液は、溶存CO2濃度が1.49mg/L以上である。研削液は、溶存CO2濃度が1000mg/L以上であることが好ましい。本明細書において溶存CO2濃度とは、研削液中に溶解しているCO2、CO3 2-およびHCO3 -の合計の濃度をいう。溶存CO2濃度が1.49mg/L以上であることにより、研削液中にCO2、CO3 2-およびHCO3 -が溶解していることを確認することができる。研削液の溶存CO2濃度が1000mg/L以上であることにより、NH4Al(OH)2CO3の生成がより一層促進されるので好ましい。
研削液の溶存CO2濃度は、市販の炭酸ガス濃度計(商品名(型番):「CGP−31」、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定することができる。本炭酸ガス濃度計の検出限界は1.49mg/L未満である。
研削液は、30℃以下であることが好ましい。研削液が30℃を超えると、研削液へのCO2の溶解量が減少し、NH4Al(OH)2CO3の生成が不十分となる恐れがあるので好ましくない。研削液の温度の下限値は、0℃である。
ここで第1工程において研削液を用いてAlNセラミックスを研削する場合、第1工程における「研削液を用いてAlNセラミックスを研削する」とは、上記研削液をAlNセラミックスに供給する、あるいは上記研削液にAlNセラミックスを浸漬するなどした後に研削加工をすること、あるいはAlNセラミックスに対して上記研削液による供給あるいは浸漬と同時に研削加工を並行して行なうことのいずれも含まれる。ただし、加工レートを高める、すなわち切削加工を可能な限り早期に完了させる観点から、「研削液を用いてAlNセラミックスを研削する」とき、AlNセラミックスに対して上記研削液の供給あるいは上記研削液への浸漬と同時に研削加工を並行して行なうことが好ましい。
第1工程において研削液を用いてAlNセラミックスを研削する場合の具体的な研削方法は、CO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを少なくとも含む研削液を用いることを除けば、AlNセラミックスに対する従来公知の研削方法を適用することができる。したがって、この種の研削加工に用いる研削装置、砥石などを使用することができ、砥石の回転数、加工面圧なども従来公知の条件を適用することができる。たとえば第1工程として、AlNセラミックスの加工面に対してCO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを少なくとも含む25℃の研削液を5〜15L/分の流量で供給しながら、固定ダイヤモンド砥粒砥石[株式会社ナノテム製、たとえば#600のもの(#は、砥粒の粒径の小ささを意味し、数字が大きくなるほど粒径が小さくなる)]で、加工面圧100g/cm2、砥石回転数50rpmの条件により研削することができる。固定ダイヤモンド砥粒砥石は、たとえば市販のラップ研削装置(商品名:「EJW−610I」、日本エンギス株式会社製)に取り付けることができる。
このほか第1工程は、研削液を用いてAlNセラミックスを研削する前に、AlNセラミックスの加工面に対し、従来公知の平面研削盤により粗研磨する工程を含んでいてもよい。
さらに、第1工程において研削液を用いてAlNセラミックスを浸漬する場合、AlNセラミックスの全部を研削液に浸けることが好ましいが、後述する第2工程を行なうAlNセラミックスの面を少なくとも研削液に浸けることでもよい。AlNセラミックスが研削液に浸かった状態が2〜12時間維持されることがさらに好ましい。
<第2工程>
本実施形態に係るAlNセラミックスの製造方法は、上記第1工程の後に、AlNセラミックスをさらに研削する第2工程を含むことが好ましい。この第2工程を含むことによって、平滑な面粗度を有するAlNセラミックスを製造することができる。
第2工程は、具体的には、AlNセラミックスに対する従来公知の研削方法を適用することができる。したがって、この種の研削加工に用いる研削装置、砥石、研削液を採用することができ、砥石の回転数、加工面圧なども従来公知の条件を適用することができる。たとえば、第1工程により研削されたAlNセラミックスの加工面に対し、第2工程として上記のラップ研削装置を用い、#600の上記固定ダイヤモンド砥粒砥石で加工面圧50g/cm2、砥石回転数50rpmの条件により研削することができる。研削液には、50℃以下の純水を用いることが好ましい。Al(OH)3の発生を抑制するからである。
<作用>
以上より、本実施形態に係るAlNセラミックスの製造方法は、CO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを少なくとも含む研削液を用いてAlNセラミックスを研削または浸漬すること(第1工程)により、AlNセラミックスの表面にNH4Al(OH)2CO3を含む層を形成し、研削加工による表面の除去を促進することができる。さらに上述した第2工程を含むことによって、平滑な面粗度を有するAlNセラミックスを実現することができる。
≪AlNセラミックス≫
本実施形態に係るAlNセラミックスは、NH4Al(OH)2CO3を含む層を表面に含む。具体的には、上述したAlNセラミックスの製造方法によって上記第1工程を経たAlNセラミックスが、NH4Al(OH)2CO3を含む層を表面に含むものとなる。
本実施形態に係るAlNセラミックスの表面がNH4Al(OH)2CO3を含む理由は、上述した第1工程によりAlNセラミックスの表面(加工面)において次の化学反応が起こるからである。
AlN+3H2O+CO2 → NH4Al(OH)2CO3
このNH4Al(OH)2CO3はAl(OH)3よりも硬度が低く、もって研削加工による表面の除去を促進することができる。すなわち加工レートを向上させることができる。これにより、高速の加工レートで表面が研削され得るAlNセラミックスを提供することができる。
本実施形態に係るAlNセラミックスは、その表面の全面をNH4Al(OH)2CO3を含む層が覆っていてもよいし、その表面の一部分をNH4Al(OH)2CO3を含む層が覆っていてもよい。AlNセラミックスの表面の一部分をNH4Al(OH)2CO3を含む層が覆っている場合、AlNそのものが一部表面に露出することとなる。ただし、NH4Al(OH)2CO3を含む層が加工レートの向上に寄与する層であることを考慮すると、NH4Al(OH)2CO3を含む層は、AlNセラミックスの表面の全面(あるいは一部分を覆う場合であっても、ある程度の大面積部)を覆うことが好ましい。
本実施形態に係るAlNセラミックスがNH4Al(OH)2CO3を含む層を含むことは、フーリエ変換型赤外分光光度計による解析から確認することができる。すなわち、上記第1工程を経たAlNセラミックスに対し、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)を用いて、その表面の赤外吸収スペクトルを解析することにより、AlNセラミックスの表面に存在する化合物を確認することができる。このとき、たとえば以下の条件でフーリエ変換型赤外分光法を適用することができる。
測定装置: フーリエ変換型赤外分光光度計(商品名:「FT−IR6200」、日本分光株式会社製)
測定波数: 400〜4000cm-1
分解能: 0.25cm-1
本実施形態に係るAlNセラミックスは、NH4Al(OH)2CO3を含む層が0.1μm以上の平均厚みを有することが好ましい。さらに、NH4Al(OH)2CO3を含む層は、5μm以上の平均厚みを有することが好ましい。これにより、AlNセラミックスの表面が厚み方向に十分に研削されることとなるため、平滑な面粗度を歩留まりよく達成することが可能となる。このNH4Al(OH)2CO3を含む層の平均厚みの上限は、20μmであることが好ましい。
ここでNH4Al(OH)2CO3を含む層の平均厚みは、AlNセラミックス中に任意の5点を設定し、これらの点におけるAlNセラミックスの断面を走査型電子顕微鏡(たとえば商品名:「JSM−7600F」、日本電子株式会社製)で観察することによりNH4Al(OH)2CO3を含む層の厚み方向の長さを測定し、その測定値の平均から算出することができる。
さらに加工レートの算出に用いる研削取り代の厚みは、第1工程を行なう前の状態のAlNセラミックスの平均厚みと、第1工程を行なった後の状態のAlNセラミックスの平均厚みとの差をいう。AlNセラミックス平均厚みは、AlNセラミックス中に任意の5点を設定し、これらの点におけるAlNセラミックスの厚み方向の長さを、第1工程を行なう前後でそれぞれレーザー変位計(たとえば商品名:「SI−F80R」、株式会社キーエンス製)を用いて測定し、その測定値の平均から算出することができる。
<作用>
以上より、本実施形態に係るAlNセラミックスは、高速の加工レートによる表面の研削加工を可能とし、かつ平滑な面粗度を歩留まりよく達成することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
≪実施例1≫
<研削液の準備>
マイクロバブル装置(商品名:「M2−LM/SUS」、株式会社ナノプラネット研究所製)を用いることにより、2時間のバブリングによってCO2を純水からなる研削液に導入し、CO2、CO3 2-およびHCO3 -を含む研削液を準備する。この研削液の溶存CO2濃度は、炭酸ガス濃度計(商品名(型番):「CGP−31」、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定することにより、20℃のとき1612mg/Lとなる。
<AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)の準備>
平均粒子径1.1μmのAlN原料粉末95質量%(酸素濃度:1質量%以下)に対し、焼結助剤として酸化イットリウム(Y23)粉末(たとえば、平均粒子径1.1μm)を5質量%となるように配合して配合体を得る。この配合体にバインダとしてのPVB、有機溶媒としてのエタノールおよび分散剤(商品名:「セルナE−503」、中京油脂株式会社製)をさらに添加し、ボールミルを用いて20時間混合することによりスラリー状の混合物を得る。次に、この混合物をドクターブレード法により板状に成形し、AlN成形体を得る。さらに、このAlN成形体を窒素雰囲気中で500℃、6時間脱脂し、続けて窒素雰囲気中で1800℃、5時間焼成し、AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)を準備する。
<第1工程>
上記AlNセラミックス被加工体における加工面を、平面研削盤(商品名(品番):「SGE520」、株式会社ナガセインテグレックス製)により粗研磨する。続いてこの加工面に対し、ラップ研削装置(商品名(型番):「EJW−610I」、日本エンギス株式会社製)を用い、#600の固定ダイヤモンド砥粒砥石(株式会社ナノテム製)で、加工面圧100g/cm2、砥石回転数50rpmの条件により3時間の研削加工を行なう。この3時間の研削加工は、上述の溶存CO2濃度が1612mg/Lである研削液を、上記AlNセラミックス被加工体の加工面に5L/分の流量で供給しながら行なわれる。すなわち第1工程では、上記AlNセラミックス被加工体への研削液の供給と研削加工とが同時並行で行なわれる。
<AlNセラミックス表面の組成>
第1工程を経たAlNセラミックス被加工体(以下、「AlNセラミックス」とも記す)の表面の組成を、後述する第2工程を行なう前にフーリエ変換型赤外分光法で測定する。このときに用いるフーリエ変換型赤外分光光度計およびその条件は上述したとおりである。これにより、上記AlNセラミックスの表面にNH4Al(OH)2CO3が存在していること、すなわちAlNセラミックスの表面にNH4Al(OH)2CO3を含む層が含まれていることを確認する。
<第2工程>
上記AlNセラミックスの加工面に対し、上記ラップ研磨装置を用い、#600の上記固定ダイヤモンド砥粒砥石で、加工面圧50g/cm2、砥石回転数50rpmの条件により0.5時間の研削加工を行なう。これにより、上記AlNセラミックスの加工面のNH4Al(OH)2CO3を含む層を除去する。このときの研削液には20℃の純水を用いる。
<加工レート>
本実施例では、第1工程を行なう前後(AlNセラミックス被加工体をAlNセラミックスとする過程の前後)において、上述した条件によりレーザー変位計で測定したとき、AlNセラミックスの平均厚みが15μm減少する。したがって、第1工程の研削加工時間が合計3時間であるので、本実施例の加工レートは5μm/hとなる。さらに、本実施例のAlNセラミックスの加工面の面粗度は、光学干渉計(商品名「Zygo(登録商標)NewView7100、キャノン株式会社製)で測定することにより、Ra=5nm、PV=52nmとなる。ここで面粗度の指標としたRaは、算術平均粗さを意味し、基準長さにおける輪郭曲線の高さ方向のズレの絶対値の平均を表したものをいう。PVは、最大高さ粗さを意味し、基準長さにおける輪郭曲線の中で、山高さの最大値と谷深さの最大値との和を表したものをいう。
≪実施例2≫
<研削液の準備>
上記マイクロバブル装置を用いることにより、4時間のバブリングによってCO2を純水からなる研削液に導入し、CO2、CO3 2-およびHCO3 -を含む研削液を準備する。この研削液の溶存CO2濃度は、上記炭酸ガス濃度計を用いて測定することにより、20℃のとき1684mg/Lとなる。
<AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)の準備>
実施例1と同じ条件により、AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)を準備する。
<第1工程>
上述の溶存CO2濃度が1684mg/Lである研削液を上記AlNセラミックス被加工体の加工面に対して5L/分の流量で供給しながら3時間の研削加工を行なうことを除いて、実施例1と同じ条件により第1工程を行なって、AlNセラミックスを得る。
<AlNセラミックス表面の組成>
上記AlNセラミックスの表面の組成を、後述する第2工程を行なう前に実施例1と同じ条件によりフーリエ変換型赤外分光光度計で測定する。これにより、上記AlNセラミックスの表面にAlNおよびNH4Al(OH)2CO3が存在していること、すなわちAlNセラミックスの表面にNH4Al(OH)2CO3を含む層が含まれていることを確認する。
<第2工程>
さらに、実施例1と同じ条件により第2工程を行なう。これにより、上記AlNセラミックスの加工面のNH4Al(OH)2CO3を含む層を除去する。
<加工レート>
本実施例では、第1工程を行なう前後において、上述した条件によりレーザー変位計で測定したとき、AlNセラミックスの平均厚みが15.6μm減少する。したがって、第1工程の研削加工時間が合計3時間であるので、本実施例の加工レートは5.2μm/hとなる。さらに、本実施例のAlNセラミックスの加工面の面粗度は、上記光学干渉計で測定することにより、Ra=4nm、PV=47nmとなる。
≪実施例3≫
<研削液の準備>
上記マイクロバブル装置を用いることにより、1時間のバブリングによってCO2を純水からなる研削液に導入し、CO2、CO3 2-およびHCO3 -を含む研削液を準備する。この研削液の溶存CO2濃度は、上記炭酸ガス濃度計を用いて測定することにより、20℃のとき859mg/Lとなる。
<AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)の準備>
実施例1と同じ条件により、AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)を準備する。
<第1工程>
上述の溶存CO2濃度が859mg/Lである研削液を上記AlNセラミックス被加工体の加工面に対して5L/分の流量で供給しながら3時間の研削加工を行なうことを除いて、実施例1と同じ条件により第1工程を行なって、AlNセラミックスを得る。
<AlNセラミックス表面の組成>
上記AlNセラミックスの表面の組成を、後述する第2工程を行なう前に実施例1と同じ条件によりフーリエ変換型赤外分光光度計で測定する。これにより、上記AlNセラミックスの表面にAlN、Al(OH)3およびNH4Al(OH)2CO3が存在していること、すなわちAlNセラミックスの表面にAl(OH)3を含む層およびNH4Al(OH)2CO3を含む層が含まれていることを確認する。
<第2工程>
さらに、実施例1と同じ条件により第2工程を行なう。これにより、上記AlNセラミックスの加工面のAl(OH)3を含む層およびNH4Al(OH)2CO3を含む層を除去する。
<加工レート>
本実施例では、第1工程を行なう前後において、上述した条件によりレーザー変位計で測定したとき、AlNセラミックスの平均厚みが12.6μm減少する。したがって、第1工程の研削加工時間が合計3時間であるので、本実施例の加工レートは4.2μm/hとなる。さらに、本実施例のAlNセラミックスの加工面の面粗度は、上記光学干渉計で測定することにより、Ra=10nm、PV=110nmとなる。
≪実施例4≫
<研削液の準備>
上記マイクロバブル装置を用いることにより、0.5時間のバブリングによってCO2を純水からなる研削液に導入し、CO2、CO3 2-およびHCO3 -を含む研削液を準備する。この研削液の溶存CO2濃度は、上記炭酸ガス濃度計を用いて測定することにより、20℃のとき265mg/Lとなる。
<AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)の準備>
実施例1と同じ条件により、AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)を準備する。
<第1工程>
上述の溶存CO2濃度が265mg/Lである研削液を上記AlNセラミックス被加工体の加工面に対して5L/分の流量で供給しながら3時間の研削加工を行なうことを除いて、実施例1と同じ条件により第1工程を行なって、AlNセラミックスを得る。
<AlNセラミックス表面の組成>
上記AlNセラミックスの表面の組成を、後述する第2工程を行なう前に実施例1と同じ条件によりフーリエ変換型赤外分光光度計で測定する。これにより、上記AlNセラミックスの表面にAlN、Al(OH)3およびNH4Al(OH)2CO3が存在していること、すなわちAlNセラミックスの表面にAl(OH)3を含む層およびNH4Al(OH)2CO3を含む層が含まれていることを確認する。
<第2工程>
さらに、実施例1と同じ条件により第2工程を行なう。これにより、上記AlNセラミックスの加工面のAl(OH)3を含む層およびNH4Al(OH)2CO3を含む層を除去する。
<加工レート>
本実施例では、第1工程を行なう前後において、上述した条件によりレーザー変位計で測定したとき、AlNセラミックスの平均厚みが4.8μm減少する。したがって、第1工程の研削加工時間が合計3時間であるので、本実施例の加工レートは1.6μm/hとなる。さらに、本実施例のAlNセラミックスの加工面の面粗度は、上記光学干渉計で測定することにより、Ra=18nm、PV=199nmとなる。
≪実施例5≫
<研削液の準備>
上記マイクロバブル装置を用いることにより、2時間のバブリングによってCO2を純水からなる研削液に導入し、CO2、CO3 2-およびHCO3 -を含む研削液を準備する。この研削液の溶存CO2濃度は、上記炭酸ガス濃度計を用いて測定することにより、30℃のとき1021mg/Lとなる。
<AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)の準備>
実施例1と同じ条件により、AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)を準備する。
<第1工程>
上述の溶存CO2濃度が1021mg/Lである研削液を上記AlNセラミックス被加工体の加工面に対して5L/分の流量で供給しながら3時間の研削加工を行なうことを除いて、実施例1と同じ条件により第1工程を行なって、AlNセラミックスを得る。
<AlNセラミックス表面の組成>
上記AlNセラミックスの表面の組成を、後述する第2工程を行なう前に実施例1と同じ条件によりフーリエ変換型赤外分光光度計で測定する。これにより、上記AlNセラミックスの表面にAlNおよびNH4Al(OH)2CO3が存在していること、すなわちAlNセラミックスの表面にNH4Al(OH)2CO3を含む層が含まれていることを確認する。
<第2工程>
さらに、実施例1と同じ条件により第2工程を行なう。これにより、上記AlNセラミックスの加工面のNH4Al(OH)2CO3を含む層を除去する。
<加工レート>
本実施例では、第1工程を行なう前後において、上述した条件によりレーザー変位計で測定したとき、AlNセラミックスの平均厚みが14.4μm減少する。したがって、第1工程の研削加工時間が合計3時間であるので、本実施例の加工レートは4.8μm/hとなる。さらに、本実施例のAlNセラミックスの加工面の面粗度は、上記光学干渉計で測定することにより、Ra=6nm、PV=73nmとなる。
≪実施例6≫
<研削液の準備>
上記マイクロバブル装置を用いることにより、2時間のバブリングによってCO2を純水からなる研削液に導入し、CO2、CO3 2-およびHCO3 -を含む研削液を準備する。この研削液の溶存CO2濃度は、上記炭酸ガス濃度計を用いて測定することにより、35℃のとき620mg/Lとなる。
<AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)の準備>
実施例1と同じ条件により、AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)を準備する。
<第1工程>
上述の溶存CO2濃度が620mg/Lである研削液を上記AlNセラミックス被加工体の加工面に対して5L/分の流量で供給しながら3時間の研削加工を行なうことを除いて、実施例1と同じ条件により第1工程を行なって、AlNセラミックスを得る。
<AlNセラミックス表面の組成>
上記AlNセラミックスの表面の組成を、後述する第2工程を行なう前に実施例1と同じ条件によりフーリエ変換型赤外分光光度計で測定する。これにより、上記AlNセラミックスの表面にAlN、Al(OH)3およびNH4Al(OH)2CO3が存在していること、すなわちAlNセラミックスの表面にAl(OH)3を含む層およびNH4Al(OH)2CO3を含む層が含まれていることを確認する。
<第2工程>
さらに、実施例1と同じ条件により第2工程を行なう。これにより、上記AlNセラミックスの加工面のAl(OH)3を含む層およびNH4Al(OH)2CO3を含む層を除去する。
<加工レート>
本実施例では、第1工程を行なう前後において、上述した条件によりレーザー変位計で測定したとき、AlNセラミックスの平均厚みが11.4μm減少する。したがって、第1工程の研削加工時間が合計3時間であるので、本実施例の加工レートは3.8μm/hとなる。さらに、本実施例のAlNセラミックスの加工面の面粗度は、上記光学干渉計で測定することにより、Ra=13nm、PV=141nmとなる。
≪比較例≫
<研削液の準備>
純水からなる研削液を準備する。この研削液の溶存CO2濃度は、上記炭酸ガス濃度計を用いて測定することにより、20℃のとき検出限界以下(1.49mg/L未満)となる。
<AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)の準備>
実施例1と同じ条件により、AlNセラミックス被加工体(AlN焼結体)を準備する。
<第1工程>
上述の溶存CO2濃度が1.49mg/L未満である研削液(25℃)を上記AlNセラミックス被加工体の加工面に対して5L/分の流量で供給しながら3時間の研削加工を行なうことを除いて、実施例1と同じ条件により第1工程を行なって、AlNセラミックスを得る。
<AlNセラミックス表面の組成>
上記AlNセラミックスの表面の組成を、後述する第2工程を行なう前に実施例1と同じ条件によりフーリエ変換型赤外分光光度計で測定する。これにより、上記AlNセラミックスの表面にAlNが存在していること、すなわちAlNセラミックスの表面にAlNの層のみ含まれていることを確認する。
<第2工程>
さらに、実施例1と同じ条件により第2工程を行なう。これにより、上記AlNセラミックスの加工面のAlNの層を除去する。
<加工レート>
本比較例では、第1工程を行なう前後において、上述した条件によりレーザー変位計で測定したとき、AlNセラミックスの平均厚みが3.6μm減少する。したがって、第1工程の研削加工時間が合計3時間であるので、本比較例の加工レートは1.2μm/hである。さらに、本比較例のAlNセラミックスの加工面の面粗度は、上記光学干渉計で測定することにより、Ra=19nm、PV=212nmとなる。
上記実施例1〜6および比較例に関し、バブリングによる研削液へのCO2導入の有無とその時間、溶存CO2濃度、研削液温度、加工レート、加工時間およびAlNセラミックスの表面で確認される組成(化合物)の一覧を下記表1に示す。
Figure 2018030216
以上より、実施例1〜6のAlNセラミックスは、溶存CO2濃度が1.49mg/L以上である研削液を用いてAlNセラミックス(AlNセラミックス被加工体)を研削し、AlNセラミックスの表面にNH4Al(OH)2CO3を含む層を含有させることにより、比較例のAlNセラミックスに比べ、加工レートが向上することが分かる。特に、研削液の溶存CO2濃度が1000mg/L以上である実施例1、2および5は、実施例3、4および6に比べて加工レートがより一層向上することが分かる。さらに、実施例1〜6のAlNセラミックスは、比較例のAlNセラミックスに比べ、Ra値およびPV値を指標とする面粗度についても優れている。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (6)

  1. AlNセラミックスの製造方法であって、
    CO2、CO3 2-およびHCO3 -のいずれかを少なくとも含む研削液を用いてAlNセラミックスを研削または浸漬する第1工程を含み、
    前記研削液は、溶存CO2濃度が1.49mg/L以上である、AlNセラミックスの製造方法。
  2. 前記研削液は、前記溶存CO2濃度が1000mg/L以上である、請求項1に記載のAlNセラミックスの製造方法。
  3. 前記研削液は、温度が30℃以下である、請求項1または請求項2に記載のAlNセラミックスの製造方法。
  4. 前記AlNセラミックスの製造方法は、前記第1工程の後に、前記AlNセラミックスをさらに研削する第2工程を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のAlNセラミックスの製造方法。
  5. NH4Al(OH)2CO3を含む層を表面に含む、AlNセラミックス。
  6. 前記層は、0.1μm以上の平均厚みを有する、請求項5に記載のAlNセラミックス。
JP2016165430A 2016-08-26 2016-08-26 AlNセラミックスの製造方法 Pending JP2018030216A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016165430A JP2018030216A (ja) 2016-08-26 2016-08-26 AlNセラミックスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016165430A JP2018030216A (ja) 2016-08-26 2016-08-26 AlNセラミックスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018030216A true JP2018030216A (ja) 2018-03-01

Family

ID=61302888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016165430A Pending JP2018030216A (ja) 2016-08-26 2016-08-26 AlNセラミックスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018030216A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6489281B2 (ja) 窒化ホウ素多結晶体の製造方法
JP6652560B2 (ja) 焼結体および切削工具
KR102594932B1 (ko) 연마용 조성물
TW200704761A (en) Cerium-based oxide abrasive, and producing method and use thereof
EP3266756A1 (en) Polycrystalline diamond body, cutting tool, wear-resistant tool, grinding tool and method for producing polycrystalline diamond body
CN113727957A (zh) 烧结体、粉末及其制造方法
JP5629843B1 (ja) サイアロン焼結体及び切削インサート
KR20160136229A (ko) 연마 조성물, 및 그 연마 조성물을 사용한 연마 방법
TWI597130B (zh) Abrasive manufacturing method
TWI297002B (ja)
JP4894770B2 (ja) 炭化珪素/窒化硼素複合材料焼結体、その製造方法およびその焼結体を用いた部材
CN107953148A (zh) 一种基于内含钕化物软质磨料固着磨具的蓝宝石晶片抛光方法
JP6048629B2 (ja) 立方晶窒化硼素焼結体および被覆立方晶窒化硼素焼結体
WO2020017040A1 (ja) ダイヤモンド多結晶体及びそれを備えた工具
JP2018030216A (ja) AlNセラミックスの製造方法
JP2007061989A (ja) 研磨用複合酸化物粒子およびスラリー状研磨材
KR101912548B1 (ko) 사이알론 소결체 및 절삭 인서트
JP6421905B1 (ja) ダイヤモンド多結晶体及びそれを備えた工具
CN108430950B (zh) 陶瓷烧结体
JP2012206183A (ja) 研摩スラリー及びその研摩方法
CN108098569A (zh) 一种抛光蓝宝石晶片的内含钕化物软质磨料固着磨具及其制作方法
CN107001157B (zh) 具有改善的烧结活性和高边缘强度的α/β-赛隆
CN115109521B (zh) 一种基于碳化硅陶瓷片抛光的双cmp抛光液的抛光方法
JPH10204417A (ja) 加工用助剤組成物、研磨材組成物、表面加工方法及び基板の製造方法
JP2019203195A (ja) 構造部材及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160913