JP2018030051A - 無機粒子分散剤、無機粒子分散組成物 - Google Patents

無機粒子分散剤、無機粒子分散組成物 Download PDF

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俊明 岡戸
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Abstract

【課題】窒化ホウ素微粒子を、有機溶媒に良好に分散する新規無機粒子分散剤の提供。【解決手段】式〔I〕で表される繰り返し単位を有するブロック鎖を含むブロック共重合体を含有する無機粒子分散剤。【選択図】なし

Description

本発明は、新規の無機粒子分散剤、無機粒子分散組成物に関する。
様々な分野において、微粒子化した物質を樹脂や溶媒に均一に分散させた材料が求められている。物質を微粒子化すると、一般に凝集体を形成するため、微粒子を樹脂や溶媒に分散させる際には、何らかの方法で凝集体を解砕する必要がある。凝集体を解砕する方法としては、機械的分散や界面化学的方法などがある。界面化学的方法の一つとして、高分子分散剤を用いる方法が知られている。
従来から、様々な高分子分散剤が提案されている。例えば、特許文献1では、3級アミノ基を有する繰り返し単位及び4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含む重合体からなるブロック鎖(A)と、ポリオキシアルキレン鎖を有する繰り返し単位及び酸性基を有する繰り返し単位を含む共重合体からなるブロック鎖(B)とを含有する共重合体が提案されている。当該共重合体は、塗料、印刷インク、インクジェットインク、カラーフィルタ用顔料分散物等における顔料分散に有用であると記載されている。
特許文献2では、3級アミノ基を有する繰り返し単位及び4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含むブロック鎖(A)と、酸性基を有する繰り返し単位及び下記式(I)
Figure 2018030051
(式中、Rは、水素原子又はC1〜C3アルキル基を表し、Rは、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を表す。)で表される繰り返し単位を含むブロック鎖(B)とを含有し、式(I)で表される繰り返し単位の共重合割合がブロック鎖(B)中90質量%以上である共重合体が提案されている。当該共重合体は、塗料、印刷インク、インクジェットインク、カラーフィルタ用顔料分散物等における顔料分散に有用であると記載されている。
特許文献3では、3級アミノ基を有する繰り返し単位及び4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含むブロック鎖(A)と、下記式(I)(式中、Rは、水素原子等を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子等を表し、Qは、置換基としてアルキル基を有していてもよい含酸素飽和ヘテロ環基等を表し、nは、0〜6のいずれかの整数を表す。)で表される繰り返し単位と、下記式(II)(式中、Rは、水素原子等を表し、Rは、飽和脂肪族炭化水素基等を表す。)で表される繰り返し単位を含むブロック鎖(B)を含有し、下記式(II)で表される繰り返し単位の共重合割合が、下記式(I)で表される繰り返し単位を除くブロック鎖(B)中90重量%以上である共重合体が提案されている。当該共重合体は、塗料、印刷インク、インクジェット用インク、カラーフィルター用顔料分散物等における各種の有機顔料の分散を始め、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属ケイ酸塩、金属窒化物等の無機粒子の分散やカーボンナノチューブの分散に有用であると記載されている。
Figure 2018030051
特許文献4では、3級アミノ基を有する繰り返し単位及び4級アンモニウム塩構造を有する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含む重合体ブロック(a)と、架橋性官能基を有する繰り返し単位及び光による酸化で生成するラジカルを捕捉する機能を有する構造を有する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含む重合体ブロック(b)とを含有するブロック共重合体からなる無機粒子用分散剤が提案されている。
近年、電子機器類の小型化や高性能化に伴って、電子工業に用いられる部材に対しても小型化や高性能化が求められている。前記部材の製造工程において、微粒子化した無機粒子を水や各種溶媒に分散させる必要がある。しかし、無機粒子の粒子径が小さくなればなるほど、分散が困難になってきている。無機粒子のなかでも、特に、窒化ホウ素微粒子や炭化ケイ素微粒子は分散が困難である。特許文献5では、ローター・ステーター式ホモジナイザーを用いて、窒化ホウ素微粒子や炭化ケイ素などの微粒子を分散する機械的分散方法が提案されている。しかし、窒化ホウ素微粒子を良好に分散することができる高分子分散剤は、知られていなかった。
WO2011/129078パンフレット WO2012/001945パンフレット WO2012/063435パンフレット WO2014/109308パンフレット WO2014/132445パンフレット
本発明の目的は、窒化ホウ素などの無機粒子を、有機溶媒などの分散媒に分散することができる新規の無機粒子分散剤を提供することである。また、本発明の目的は、前記の無機粒子分散剤と無機粒子と分散媒を含有する組成物を提供することである。
上記目的を達成するために検討を重ねた結果、以下の態様を包含する本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
〔1〕式〔I〕
Figure 2018030051
(式〔I〕中、R11は、水素原子またはアルキル基を示し、Xは、−NH−または−O−を示し、Yは、二価の連結基を示し、R12〜R14は、それぞれ独立に、アルキル基、アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基を示し、Zはカウンターアニオンを示す。)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(A)と、式〔III〕
Figure 2018030051
(式〔III〕中、R31は、水素原子またはアルキル基を示し、Xは、−NH−または−O−を示し、R32は、アルキル基、アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基を示す。)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(B)を含み、ブロック鎖(A)とブロック鎖(B)の総重量に対してブロック鎖(A)を25〜75重量%含有するブロック共重合体(ただし、酸性基を含まない)を含有する無機粒子分散剤や、
〔2〕ブロック鎖(A)が、さらに、式〔II〕
Figure 2018030051
(式〔II〕中、R21は、水素原子またはアルキル基を示し、Xは、−NH−または−O−を示し、Yは、二価の連結基を示し、R22、R23は、それぞれ独立に、アルキル基、アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基を示す。)で表される繰り返し単位を含む〔1〕に記載の無機粒子分散剤や、
〔3〕ブロック鎖(B)が、さらに、式〔IV〕
Figure 2018030051
(式〔IV〕中、R41は、水素原子またはアルキル基を示し、Xは、−NH−または−O−を示し、R42は、アルキレン基を示し、mは、1〜100のいずれかの整数を示し、R43は、水素原子またはアルキル基を示す。)で表される繰り返し単位を含む〔1〕に記載の無機粒子分散剤や、
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の無機粒子分散剤と、分散媒と、無機粒子とを含有する組成物や、
〔5〕分散媒が、熱可塑性樹脂である〔4〕に記載の組成物に関する。
本発明の無機粒子分散剤は、窒化ホウ素などの無機粒子を分散媒に分散することができる。
(無機粒子分散剤)
本発明の無機粒子分散剤は、以下で説明するブロック鎖(A)およびブロック鎖(B)を、それぞれ少なくとも1個含有するブロック共重合体を含有する。本発明の無機粒子分散剤は、当該ブロック共重合体以外に、無機粒子分散剤として公知の重合体等を含有していてよい。
また、本発明のブロック共重合体は、−COOH基、−SOH基、−PO(OH)基などの酸性基を有しない。
本発明におけるブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、2,000〜200,000、2,000〜50,000、3,000〜20,000、5,000〜20,000、7,000〜20,000、10,000〜20,000などを選択することができる。また、本発明に係るブロック共重合体の分子量分布は、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の比で、1.0〜2.5、1.0〜2.0などを選択することができる。
なお、重量平均分子量および数平均分子量はN,N−ジメチルホルムアミドを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて測定したデータを標準ポリメタクリル酸メチルの分子量に基づいて換算した値である。
本発明のブロック共重合体は、ブロック鎖(A)およびブロック鎖(B)以外に他のブロック鎖を含有していてもよいが、本発明のブロック共重合体中のブロック鎖(A)及び(B)の総含有量は、通常、1〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、特に好ましくは、100重量%である。
ブロック鎖(A)とブロック鎖(B)の総重量に対するブロック鎖(A)の割合は、25〜75重量%、30〜75重量%、35〜75重量%、40〜75重量%、25〜70重量%、30〜70重量%、35〜70重量%、40〜70重量%、25〜65重量%、30〜65重量%、35〜65重量%、40〜65重量%、25〜60重量%、30〜60重量%、35〜60重量%、40〜60重量%、25〜55重量%、30〜55重量%、35〜55重量%、40〜55重量%、25〜50重量%、30〜50重量%、35〜50重量%、40〜50重量%、25〜45重量%、30〜45重量%、35〜45重量%、40〜45重量%などを選択することができる。ブロック鎖(A)とブロック鎖(B)の総重量中のブロック鎖(A)の割合が75重量%より大きくなると分散性能が低下する傾向がある。
(ブロック鎖(A))
ブロック鎖(A)は、式〔I〕で表される繰り返し単位を有するものである。
Figure 2018030051
式〔I〕中、R11は、水素原子またはアルキル基を表す。
11におけるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の基を挙げることができる。
式〔I〕中、Xは、−NH−または−O−を表す。
式〔I〕中、Yは、二価の連結基を表す。
における二価の連結基としては、アルキレン基、アルキレン−O−アルキレン基などを挙げることができる。
アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ペンタン−1,4−ジイル、2−メチルブタン−1,4−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、オクタン−1,8−ジイル、デカン−1,10−ジイルなどの炭素数1〜10の基が挙げられる。
アルキレン−O−アルキレン基とは、アルキレン基とアルキレン基が−O−結合を介して結合している基を意味する。アルキレン−O−アルキレン基としては、エチレン−O−エチレン基、エチレン−O−トリメチレン基などの炭素数2〜10の基を挙げることができる。
12〜R14は、それぞれ独立に、アルキル基、アリールアルキル基、またはヘテロアリールアルキル基を表す。
12〜R14におけるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の基を挙げることができる。
12〜R14におけるアリールアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などの炭素数6〜10のアリール基と炭素数1〜6のアルキル基の結合した基を挙げることができる。
12〜R14におけるヘテロアリールアルキル基としては、ピリジン−2−イルメチル基、ピリジン−3−イルメチル基、ピリジン−4−イルメチル基などの、ヘテロ原子としてN、O又はSを少なくとも1個有し、員数が5〜10のヘテロアリール基と炭素数1〜6のアルキル基の結合した基を挙げることができる。
は、カウンターアニオンを表す。
カウンターアニオンとしては、Cl、Br、I、ClO 、BF 、CHCOO、PF などが挙げられる。
ブロック鎖(A)に含まれる式〔I〕で表される繰り返し単位の割合は、ブロック鎖(A)の総重量に対して、10〜100重量%、20〜100重量%、30〜100重量%、40〜100重量%、50〜100重量%、60〜100重量%、70〜100重量%などを選択することができる。ブロック鎖(A)に含まれる式〔I〕で表される繰り返し単位の割合が10重量%より小さいと、分散性能が低下する傾向がある。
前記式〔I〕で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、次式〔II〕で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2018030051
式〔II〕中、R21は、水素原子またはアルキル基を表す。
21におけるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の基を挙げることができる。
式〔II〕中、Xは、−NH−または−O−を表す。
式〔II〕中、Yは、二価の連結基を表す。
における二価の連結基としては、アルキレン基、アルキレン−O−アルキレン基などを挙げることができる。
アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ペンタン−1,4−ジイル、2−メチルブタン−1,4−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、オクタン−1,8−ジイル、デカン−1,10−ジイルなどの炭素数1〜10の基が挙げられる。
アルキレン−O−アルキレン基とは、アルキレン基とアルキレン基が−O−を介して結合している基を意味する。アルキレン−O−アルキレン基としては、エチレン−O−エチレン基、エチレン−O−トリメチレン基などの炭素数2〜10の基を挙げることができる。
22、R23は、それぞれ独立に、アルキル基、アリールアルキル基、またはヘテロアリールアルキル基を表す。
22、R23におけるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の基を挙げることができる。
22、R23におけるアリールアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などの炭素数6〜10のアリール基と炭素数1〜6のアルキル基の結合した基を挙げることができる。
22、R23におけるヘテロアリールアルキル基としては、ピリジン−2−イルメチル基、ピリジン−3−イルメチル基、ピリジン−4−イルメチル基などの、ヘテロ原子としてN、O又はSを少なくとも1個有し、員数が5〜10のヘテロアリール基と炭素数1〜6のアルキル基の結合した基を挙げることができる。
(ブロック鎖(B))
ブロック鎖(B)は、式〔III〕で表される繰り返し単位を有するものである。
ブロック鎖(B)に含まれる式〔III〕で表される繰り返し単位の割合は、ブロック鎖(B)の総重量に対して、0.1〜100重量%、1〜100重量%、10〜100重量%、20〜100重量%などを選択することができる。
Figure 2018030051
式〔III〕中、R31は、水素原子またはアルキル基を表す。
31におけるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の基を挙げることができる。
式〔III〕中、Xは、−NH−または−O−を表す。
式〔III〕中、R32は、アルキル基、アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基を表す。
32におけるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の基を挙げることができる。
32におけるアリールアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などの炭素数6〜10のアリール基と炭素数1〜6のアルキル基の結合した基を挙げることができる。
32におけるヘテロアリールアルキル基としては、ピリジン−2−イルメチル基、ピリジン−3−イルメチル基、ピリジン−4−イルメチル基などの、ヘテロ原子としてN、O又はSを少なくとも1個有し、員数が5〜10のヘテロアリール基と炭素数1〜6のアルキル基の結合した基を挙げることができる。
前記式〔III〕で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、次式〔IV〕で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2018030051
式〔IV〕中、R41は、水素原子またはアルキル基を表す。
41におけるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の基を挙げることができる。
式〔IV〕中、Xは、−NH−または−O−を表す。
式〔IV〕中、R42は、アルキレン基を表す。
42におけるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ペンタン−1,4−ジイル、2−メチルブタン−1,4−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、オクタン−1,8−ジイル、デカン−1,10−ジイルなどの炭素数1〜10の基が挙げられる。
式〔IV〕中、mは、1〜100のいずれかの整数を表す。
式〔IV〕中、R43は、水素原子またはアルキル基を表す。
43におけるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の基を挙げることができる。
(ブロック鎖(A)及び(B)中の他の含有し得る繰り返し単位、並びにブロック中の他の含有し得る繰り返し単位)
ブロック鎖(A)及び(B)中の他の含有しうる繰り返し単位、及びブロック中の他の含有し得る繰り返し単位としては、上記以外の(メタ)アクリル酸系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、共役ジエン系モノマー等由来の繰り返し単位が挙げられる。
上記繰り返し単位の原料となる(メタ)アクリル酸系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、共役ジエン系モノマーとしては以下のものが例示される。
(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸1−エチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数は2〜100)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数は2〜100)(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数は2〜100)(メタ)アクリレート等を例示することができ、これらは1種単独で、あるいは2種以上混合して、用いることができる。
芳香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、m−t−ブトキシスチレン、p−(1−エトキシエトキシ)スチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルアニリン、ビニル安息香酸、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン、2−ビニルチオフェン、4−ビニルチオフェン等のヘテロアリール化合物等を挙げることができ、これらは1種単独で、あるいは2種以上混合して、用いることができる。
共役ジエン系モノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−トリシクロデカジエン、ミルセン、クロロプレン等を挙げることができ、これらは1種単独で、あるいは2種以上混合して、用いることができる。
(ブロック共重合体の製造方法)
本発明のブロック共重合体の製造方法を、以下説明する。
(1)式〔I〕で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(A)と、式〔III〕で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(B)を含むブロック共重合体の製造方法
式〔Im〕で表される化合物を公知のリビング重合法で重合し、反応系内に式〔IIIm〕で表される化合物を添加して公知のリビング重合法を行うことにより製造することができる。
Figure 2018030051
式〔Im〕中の、R11、X、Y、R12、R13、R14及びZは、式〔I〕中のR11、X、Y、R12、R13、R14及びZと同様である。
Figure 2018030051
式〔IIIm〕中の、R31、X、R32は、式〔III〕中のR31、X、R32と同様である。
得られたブロック共重合体は、一般的な精製方法で精製することができる。
(2)式〔I〕で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(A)と、式〔III〕で表される繰り返し単位および式〔IV〕で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(B)を含むブロック共重合体の製造方法
前記式〔Im〕で表される化合物を公知のリビング重合法で重合し、反応系内に前記式〔IIIm〕で表される化合物および下記式〔IVm〕で表される化合物を添加して公知のリビング重合を行うことにより製造することができる。
Figure 2018030051
式〔IVm〕中の、R41、X、R42、R43は、式〔IV〕中のR41、X、R42、R43と同様である。
得られたブロック共重合体は、一般的な精製方法で精製することができる。
(3)式〔I〕で表される繰り返し単位および式〔II〕で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(A)と、式〔III〕で表される繰り返し単位および式〔IV〕で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(B)を含むブロック共重合体の製造方法
まず、下記式〔IIm〕で表される化合物を公知のリビング重合法で重合し、反応系内に前記式〔IIIm〕で表される化合物および前記式〔IVm〕で表される化合物を添加して公知のリビング重合を行う。次いで、得られた共重合体中の3級アミノ基の一部を公知の手法により4級化することにより製造することができる。
Figure 2018030051
式〔IIm〕中の、R21、X、Y、R22、R23は、式〔II〕中のR21、X、Y、R22、R23と同様である。
上記式〔I〕〜〔IV〕以外の繰り返し単位や、他のブロック鎖を含む場合も、上記方法に準じて原料となる化合物を追加してリビング重合することができる。
公知のリビング重合方法としては、リビングアニオン重合法やリビングカチオン重合法を挙げることができる。
公知の4級化方法としては、4級化剤を用いる4級化方法を挙げることができる。
4級化剤としては、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル等や、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピルなど一般的な4級化剤を挙げることができる。
得られたブロック共重合体は、一般的な精製方法で精製することができる。
上記のようにして得られるブロック共重合体は、そのままで、あるいは、溶媒に溶解又は分散して無機粒子分散剤として使用することができる。
溶媒としては、水;ヘキサン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素溶媒;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル系溶媒などを挙げることができる。溶媒は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。用いられる溶媒の量は、適正な分散剤粘度などの観点から適宜設定することができる。本発明の分散剤に含まれ得る溶媒の量は、好ましくは5〜95重量%である。
本発明の無機粒子分散剤は、分散媒に無機粒子を均一に分散するのに好適である。
(無機粒子分散組成物)
本発明の組成物は、無機粒子と、本発明の無機粒子分散剤と、分散媒とを含むものである。本発明の組成物においては、無機粒子が分散媒に均一に分散していることが好ましい。
(無機粒子)
本発明の無機粒子分散剤で分散することができる無機粒子の種類は特に限定されないが、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銅、酸化スズ、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化サマリウム、酸化ランタン、酸化タンタル、酸化テルビウム、酸化ユーロピウム、酸化ネオジウム、フェライト類などの金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの金属水酸化物;重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルイサイトなどの金属炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維などの金属硫酸塩;珪酸カルシウム(ウォラスナイト、ゾノトライト)、カオリン、クレー、タルク、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレークなどの金属珪酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素などの金属窒化物;チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛アルミニウムボレードなどの金属チタン酸塩;ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウムなどの金属ホウ酸塩;リン酸三カルシウムなどの金属燐酸塩;硫化モリブデンなどの金属硫化物;炭化珪素などの金属炭化物;カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素類;金、銀などの金属単体などが挙げられる。これらの物質からなる粒子は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて分散対象とすることができる。これらのうち、窒化ホウ素がより好ましい。
無機粒子の一次粒子径は、特に限定されないが、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下である。
本発明の組成物に含まれる無機粒子の量は、1〜90重量%、5〜80重量%、5〜70重量%、5〜60重量%、5〜50重量%、5〜40重量%、5〜30重量%などを選択することができる。また、本発明の組成物に使用される本発明に係る無機粒子分散剤の量は、無機粒子100重量部に対して、1〜200重量部、1〜100重量部、1〜50重量部などを選択することができる。
(分散媒)
本発明の組成物においては、分散媒として、液体のものまたは固体のものを用いることができる。
液体分散媒としては、水;ヘキサン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素溶媒;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)などのエーテル系溶媒などを挙げることができる。これら液体分散媒は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物に用いられる液体分散媒の量は、適正な組成物粘度などの観点から適宜設定することができる。本発明の組成物に含まれ得る液体分散媒の量は、好ましくは5〜95重量%である。
固体分散媒としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などを挙げることができる。なお、本発明においては光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂を硬化性成分と呼ぶことがある。本発明においては硬化性成分を固体分散媒として用いて硬化性組成物とすることもできる。
熱可塑性樹脂としては、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル 、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶共重合体、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。熱可塑性樹脂は加熱融解させて、または溶媒に溶解させて、無機粒子および無機粒子分散剤と混練または混合することができる。
熱可塑性樹脂を含む組成物は、さらに加硫剤を含有していてもよい。加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイドなどを挙げることができる。
本発明の無機粒子分散剤と、熱可塑性樹脂と、加硫剤と、無機粒子を含む分散組成物を加熱成形することにより、シート状材料を製造することができる。加熱成形する条件は、熱可塑性樹脂や無機粒子の性質などに合わせて適宜条件を設定することができる。
熱硬化性樹脂は熱を加えることによって液体から固体に変化するものである。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂として、モノマーおよび必要に応じてオリゴマーと、熱重合開始剤とを少なくとも含有するものが挙げられる。
また、光硬化性樹脂は、光(紫外線など)を照射することによって液体から固体に変化するものである。光硬化性樹脂として、例えば、モノマーおよび必要に応じてオリゴマーと、光重合開始剤とを少なくとも含有するものが挙げられる。
光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂において用いられるモノマーまたはオリゴマーとしては、単官能(メタ)アクリレート系モノマー、スチレン、アクリロニトリルなどのモノエチレン性不飽和化合物;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレンジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ジメチロルトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート系モノマー;ウレタン(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらのうち、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート系モノマーが好ましい。また、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤としては、光の照射によって重合反応を開始させるもの(光重合開始剤)と加熱によって重合反応を開始させるもの(熱重合開始剤)とがある。重合開始剤の具体例としては、有機過酸化物、イミダゾール誘導体、ビスイミダゾール誘導体、N−アリールグリシン誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、アルミナート錯体、N−アルコキシピリジニウム塩、チオキサントン誘導体などが挙げられる。
有機過酸化物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシデカノエートなどのパーオキシエステル類;1,5−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール類;アセト酢酸エチルパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;過酸化ベンゾイルなどのジアシルパーオキサイド類が挙げられる。
その他、ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン、2−エチルアントラキノン、1,3−ジ(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−テトラキス(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ビス(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)(商品名イルガキュア784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾアート、t−ブチルペロキシヘキシン−3などが挙げられる。これら重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る組成物は、各成分を適宜混合することにより調製することができる。
[実施例]
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
<無機粒子分散剤の製造>
[実施例1]
フラスコにテトラヒドロフラン(以下、THFと略す)190g、塩化リチウム0.3gを加え、−60℃まで冷却した。n−ブチルリチウム5.8g(15.4重量%濃度ヘキサン溶液)を加えた後、さらに、ジイソプロピルアミン1.1gを加えて10分間撹拌した。反応系内に、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(以下、DMAEMAと略す)15.1gを5分間かけて滴下した後、15分間撹拌した。一部をサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと略す)測定によりモノマー消失を確認した。
次いで、メタクリル酸n−ブチル(以下、nBMAと略す)17.1gと、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(PME−200 日油株式会社製)(以下、PEGMAと略すことがある)17.1gの混合物を30分間かけて滴下した後、15分間撹拌した。一部をサンプリングし、GC測定によりモノマー消失を確認した後、メタノール1.5gを加えて反応を停止した。
得られた重合体を、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略す)(移動相N,N−ジメチルホルムアミド、PMMAスタンダード)で分析したところ、重量平均分子量(Mw)は5600、分子量分布(Mw/Mn)は1.20であった。
反応液を酢酸エチルで希釈し、三回水洗後、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル(以下、PGMEAと略す)で溶媒置換した。DMAEMAに対して0.8当量の塩化ベンジル(以下、BzClと略す)を加えた。さらに、共重合体濃度が35重量%になるようにPGMEAを加えた。その後、80℃で5時間熟成することで無機粒子分散剤aを得た。合成したブロック共重合体は、ブロック鎖(A)を42重量%含有する。
[比較例1]
フラスコにTHF403.3g、塩化リチウム2.1gを加えた。−60℃まで冷却した後、n−ブチルリチウム17.1g(15.4重量%濃度ヘキサン溶液)を加えた。さらに、ジイソプロピルアミン4.1gを加えて15分間撹拌した。次いでイソ酪酸メチル3.8gを加えさらに15分間撹拌した。反応系内にnBMA49.8g、PEGMA49.8gの混合物を45分間かけて滴下した後、15分間撹拌した。一部をサンプリングし、GCを測定によりモノマー消失を確認した。
次いで、DMAEMA10.9gを滴下し、滴下後30分反応継続した。一部をサンプリングし、GCを測定によりモノマー消失を確認した後、メタノール6.7gを加えて反応を停止した。
得られた重合体を、GPC(移動相N,N−ジメチルホルムアミド、PMMAスタンダード)で分析したところ、分子量(Mw)は4600、分子量分布(Mw/Mn)は1.12であった。
反応液をTHFおよびヘキサンで希釈し、二回水洗後、溶媒を留去した。PGMEAで溶媒置換した。DMAEMAに対して0.8当量のBzClを加えた。さらに、共重合体濃度が35重量%になるようにPGMEAを加えた。その後、80℃で5時間熟成することで無機粒子分散剤bを得た。合成したブロック共重合体は、ブロック鎖(A)を14重量%含有する。
[実施例2]
フラスコにTHF75.0g、塩化リチウム0.1gを加え、−60℃まで冷却した。n−ブチルリチウム5.8g(15.4重量%濃度ヘキサン溶液)を加えた後、さらに、ジイソプロピルアミン0.3gを加えて10分間撹拌した。さらに、イソ酪酸メチル0.3gを加えて10分間撹拌した。反応系内に、nBMA6.0gとPEGMA6.0gの混合物を15分間かけて滴下した。一部をサンプリングし、GC測定によりモノマー消失を確認した。反応系内にDMAEMA3.0gを5分間かけて滴下した後、15分間撹拌した。一部をサンプリングし、GC測定によりモノマー消失を確認した後、メタノール0.5gを加えて反応を停止した。
得られた重合体を、GPC(移動相N,N−ジメチルホルムアミド、PMMAスタンダード)で分析したところ、重量平均分子量(Mw)は5000、分子量分布(Mw/Mn)は1.20であった。
反応液を酢酸エチルで希釈し、三回水洗後、PGMEAで溶媒置換した。DMAEMAに対して0.8当量のBzClを加えた。さらに、共重合体濃度が35重量%になるようにPGMEAを加えた。その後、80℃で5時間熟成することで、無機粒子分散剤cを得た。合成したブロック共重合体は、ブロック鎖(A)を30重量%含有する。
[実施例3]
フラスコにTHF75.0g、塩化リチウム0.1gを加え、−60℃まで冷却した。n−ブチルリチウム5.8g(15.4重量%濃度ヘキサン溶液)を加えた後、さらに、ジイソプロピルアミン0.3gを加えて10分間撹拌した。さらに、イソ酪酸メチル0.3gを加えて10分間撹拌した。反応系内に、nBMA3.0gと、PEGMA3.0gの混合物を10分間かけて滴下した。一部をサンプリングし、GC測定によりモノマー消失を確認した。反応系内にDMAEMA9.1gを10分間かけて滴下した後、15分間撹拌した。一部をサンプリングし、GC測定によりモノマー消失を確認した後、メタノール0.5gを加えて反応を停止した。
得られた重合体を、GPC(移動相N,N−ジメチルホルムアミド、PMMAスタンダード)で分析したところ、重量平均分子量(Mw)は4500、分子量分布(Mw/Mn)は1.22であった。
反応液を酢酸エチルで希釈し、三回水洗後、PGMEAで溶媒置換した。DMAEMAに対して0.8当量のBzClを加えた。さらに、共重合体濃度が30重量%になるようにPGMEAを加えた。その後、80℃で5時間熟成することで無機粒子分散剤dを得た。合成したブロック共重合体は、ブロック鎖(A)を71重量%含有する。
<分散組成物の製造>
[分散条件]
分散機械:アイメックス株式会社製RBM型バッチ式レディーミル
回転数:1500rpm
スラリー量:30g
分散ビーズ充填量:ジルコニアビーズ(ビーズ径0.1mm)90g
[平均粒子径の測定条件]
分散組成物からサンプリングした分散液を、分散媒より10倍希釈した後、粒子径分析装置(マルバーン社製、ゼータサイザーナノS)を用いて平均粒子径を測定した。
[実施例4]
窒化ホウ素粒子(昭和電工株式会社製、UHP−S1)9重量部と、実施例1で得られた無機粒子分散剤aを2.7重量部と、メチルエチルケトン88.3重量部を混合した。該混合液を分散機に入れ、上記の条件で分散を行い、分散組成物を得た。分散開始後、一定時間ごとに、窒化ホウ素粒子の平均粒子径を下記の条件で測定した。分散開始後2時間の時点における窒化ホウ素微粒子の平均粒子径は、420nmであった。
[比較例2]
窒化ホウ素粒子(昭和電工株式会社製、UHP−S1)9重量部と、比較例1で得られた無機粒子分散剤bを2.7重量部と、メチルエチルケトン88.3重量部を混合した。該混合液を分散機に入れ、上記の条件で分散を行い、分散組成物を得た。分散開始後、一定時間ごとに、窒化ホウ素粒子の平均粒子径を下記の条件で測定した。分散開始後2時間の時点における窒化ホウ素微粒子の平均粒子径は、4300nmであった。
[実施例5]
窒化ホウ素粒子(昭和電工株式会社製、UHP−S1)9重量部と、実施例2で得られた無機粒子分散剤cを2.6重量部と、メチルエチルケトン88.4重量部を混合した。該混合液を分散機に入れ、上記の条件で分散を行い、分散組成物を得た。分散開始後、一定時間ごとに、窒化ホウ素粒子の平均粒子径を下記の条件で測定した。分散開始後2時間の時点における窒化ホウ素微粒子の平均粒子径は、660nmであった。
[実施例6]
窒化ホウ素粒子(昭和電工株式会社製、UHP−S1)9重量部と、実施例3で得られた無機粒子分散剤dを3重量部と、メチルエチルケトン88重量部を混合した。該混合液を分散機に入れ、上記の条件で分散を行い、分散組成物を得た。分散開始後、一定時間ごとに、窒化ホウ素粒子の平均粒子径を下記の条件で測定した。分散開始後2時間の時点における窒化ホウ素微粒子の平均粒子径は、590nmであった。

Claims (5)

  1. 式〔I〕
    Figure 2018030051
    (式〔I〕中、R11は、水素原子またはアルキル基を示し、Xは、−NH−または−O−を示し、Yは、二価の連結基を示し、R12〜R14は、それぞれ独立に、アルキル基、アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基を示し、Zはカウンターアニオンを示す。)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(A)と、式〔III〕
    Figure 2018030051
    (式〔III〕中、R31は、水素原子またはアルキル基を示し、Xは、−NH−または−O−を示し、R32は、アルキル基、アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基を示す。)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(B)を含み、ブロック鎖(A)とブロック鎖(B)の総重量に対してブロック鎖(A)を25〜75重量%含有するブロック共重合体(ただし、酸性基を含まない)を含有する無機粒子分散剤。
  2. ブロック鎖(A)が、さらに、式〔II〕
    Figure 2018030051
    (式〔II〕中、R21は、水素原子またはアルキル基を示し、Xは、−NH−または−O−を示し、Yは、二価の連結基を示し、R22、R23は、それぞれ独立に、アルキル基、アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基を示す。)で表される繰り返し単位を含む請求項1に記載の無機粒子分散剤。
  3. ブロック鎖(B)が、さらに、式〔IV〕
    Figure 2018030051
    (式〔IV〕中、R41は、水素原子またはアルキル基を示し、Xは、−NH−または−O−を示し、R42は、アルキレン基を示し、mは、1〜100のいずれかの整数を示し、R43は、水素原子またはアルキル基を示す。)で表される繰り返し単位を含む請求項1に記載の無機粒子分散剤。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の無機粒子分散剤と、分散媒と、無機粒子とを含有する組成物。
  5. 分散媒が、熱可塑性樹脂である請求項4に記載の組成物。
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