JP2018025083A - 住宅用制振材 - Google Patents

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雄一 大和
小村 亘
Wataru Komura
亘 小村
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Abstract

【課題】簡易な構成、取り付け作業の容易性および低コストを実現した住宅用制振材を提供する。
【解決手段】住宅用制振材(1)は、中空部(11a)が形成されている質量体収納部(11)と建築資材(野縁100)を挟み込むグリップ部(12)とを備え、質量体収納部(11)およびグリップ部(12)は弾性体によって形成されており、中空部(11)には質量体(鉄芯13)が挿入されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、天井裏の野縁等の建築資材に取り付けられる住宅用制振材に関する。
従来から、一般住宅の床等に発生する振動および衝撃音を低減するために、種々の対策が講じられてきた。例えば、特許文献1には、弾性変形可能な第2弾性部材と当該第2弾性部材の中空空間に配置された質量体とを備えた動吸振器が開示されている。ここで、第2弾性部材は、円筒状の筒部(中空空間が形成されている)と平板状のフランジ部とを備えている。また、特許文献2には、取付金具の基部に固着されたばね部材と、当該ばね部材に弾性支持された質量体とからなり、取付金具の側部に、野縁の両側面上端部に形成された段部に係合するストッパ部が設けられたダイナミックダンパが開示されている。
特開2009−174163号公報(2009年8月6日公開) 特開2006−77517号公報(2006年3月23日公開)
しかしながら、特許文献1に開示された動吸振器は、フランジプレートをフランジ部の下面に配置し、フランジプレートの下側からねじ固定することによって下地パネルに取り付けられる。したがって、取り付けおよび取り外しに手間がかかるとともに、取り付けのための部品点数が増えて高コストになるという問題点があった。また、上記動吸振器は、筒部の下側に質量体プレートを配置し、質量体プレートの下側から質量体をねじ固定した構造となっており、動吸振器を構成する部品点数の増加による構成の複雑化、高コスト化という問題点もあった。
さらに、特許文献2に開示されたダイナミックダンパは、その両側面上端部に段部が形成された野縁に取り付けることを前提とする構造となっており、他の形状の野縁に取り付けることが困難であるという問題点があった。また、特に取付金具の構造が複雑になるという問題点もあった。
本発明は、上記の各問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易な構成で制振効果を得ることができ、かつ簡易な作業および低コストで建築資材に取り付けることができる住宅用制振材を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る住宅用制振材は、建築資材に取り付けられる住宅用制振材であって、質量体を収納するための中空部が形成されている質量体収納部と、上記建築資材を挟み込むことによって上記住宅用制振材を上記建築資材に固定するためのグリップ部と、を備えており、上記質量体収納部および上記グリップ部は、弾性体によって形成されているとともに、上記中空部には、上記質量体が挿入されている。
上記構成によれば、本発明に係る住宅用制振材は、中空部が形成されている質量体収納部と住宅用制振材を建築資材に固定するためのグリップ部とを備えている。また、質量体収納部は、中空部に質量体を挿入することによって質量体を収納する。したがって、本発明に係る住宅用制振材を建築資材に取り付けた場合、建築資材に生じた振動または衝撃音は、グリップ部を経由して質量体収納部に伝播する。この時、質量体収納部は弾性体によって形成されていることから、主として質量体収納部のグリップ部と略対向する部分が、ばねとしての役割を果たす。それゆえ、質量体収納部に収納されている質量体が振動または衝撃音を吸収して、建築資材の代わりに振動する。
以上より、本発明に係る住宅用制振材は、ばね等の弾性部を別途設けることなく、簡易な構成で制振効果を得ることができる。
また、上記構成によれば、グリップ部は弾性体によって形成されているとともに、建築資材を挟み込む形状になっている。それゆえ、本発明に係る住宅用制振材は、建築資材への取り付けに際してリベット留め、溶接またはビス固定等を行う必要がなく、簡易な作業かつ低コストで建築資材に取り付けることができる。また、本発明に係る住宅用制振材は、グリップ部で建築資材を挟み込むだけで固定できることから、様々な形状および大きさの建築資材に取り付けることができる。さらに、本発明に係る住宅用制振材は、例えばリフォーム時など、建築物の完成後においても建築資材に容易に取り付けることができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る住宅用制振材において、上記中空部における内部壁面と、上記質量体との間に空間が形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、本発明に係る住宅用制振材は、中空部における内部壁面と質量体との間に空間が形成されている。したがって、質量体は、中空部の内部を自由に移動することができる。このため、質量体が中空部の内部の壁面と衝突する際に生じるエネルギー損失によっても、振動を吸収することができる。
それゆえ、上記空間が形成されていない場合と比較して、質量体は、建築資材に生じた振動をより吸収することができる。以上より、より高い制振効果が得られる住宅用制振材を実現することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る住宅用制振材において、上記グリップ部には、上記質量体収納部を弾性的に支持する支持部が設けられており、上記質量体収納部と上記支持部と上記グリップ部とが連なって形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、グリップ部には、質量体収納部を弾性的に支持する支持部が設けられている。したがって、建築資材に振動または衝撃音が生じた場合、支持部がばねとしての役割を果たすことにより制振効果を得ることができる。
また、上記構成によれば、質量体収納部と支持部とグリップ部とが連なって形成されていることから、本発明に係る住宅用制振材に支持部を設ける場合でも、押出成形等によって長尺状に成形することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る住宅用制振材において、上記グリップ部には、芯材が埋め込まれていることが好ましい。
上記構成によれば、グリップ部には芯材が埋め込まれていることから、芯材が埋め込まれていない場合と比較してグリップ部の剛性が高まる。したがって、グリップ部によって挟み込まれた建築資材の面がより強く圧迫されることから、建築資材に対してグリップ部をより確実に固定することが可能となる。それゆえ、より確実に建築資材に固定することができる住宅用制振材を実現することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る住宅用制振材において、上記グリップ部には、上記住宅用制振材を上記建築資材に固定するための突起部が、上記グリップ部における互いに対向する2つの内面の少なくとも一方から突出するように設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、突起部が、グリップ部における互いに対向する2つの内面の少なくとも一方から突出するように設けられている。したがって、グリップ部によって挟み込まれた建築資材の面の少なくとも一方が突起部によって圧迫されることから、建築資材に対してグリップ部をより確実に固定することが可能となる。
また、突起部も弾性体によって形成されていることから、グリップ部によって建築資材を容易に挟み込むことができる。それゆえ、突起部がない場合と比較しても、住宅用制振材の取り付け作業の容易性が損なわれることはない。
以上より、取り付け作業の容易性を確保しつつ、より確実に建築資材に固定することができる住宅用制振材を実現することができる。
本発明の一態様に係る住宅用制振材は、簡易な構成で制振効果を得ることができ、かつ簡易な作業および低コストで建築資材に取り付けることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る住宅用制振材を、X軸に直交する平面で切断した断面図である。 (a)は、本発明に係る住宅用制振材の一実施形態に係る住宅用制振材が、野縁に取り付けられた状態を模式的に示す斜視図である。(b)は、本発明に係る住宅用制振材の他の実施形態に係る住宅用制振材が、野縁に取り付けられた状態を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る住宅用制振材の他の実施形態に係る住宅用制振材を、X軸に直交する平面で切断した断面図である。 (a)〜(e)は、本発明に係る住宅用制振材の他の実施形態に係る住宅用制振材を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る住宅用制振材を建築資材に取り付けた場合、および取り付けない場合のそれぞれにおける、軽量床衝撃音の遮断性能試験の測定結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る住宅用制振材を野縁に取り付けた場合に得られる制振効果についての試験方法を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る住宅用制振材を含む各種試験体を野縁に取り付けた場合、および取り付けない場合のそれぞれにおいて、上記試験方法を実施した結果を示すグラフである。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る住宅用制振材を、グリップ部の長手方向の長さを変えた上で野縁に取り付けた場合に得られる制振効果についての試験方法を示す図である。 図8に示す試験方法の実施によって得られた試験結果に係る表である。 (a)および(b)は、本発明に係る住宅用制振材の他の実施形態に係る住宅用制振材を、試験用治具に取り付けた場合に得られる制振効果についての試験方法を示す図である。 図10に示す試験方法を実施した結果を示すグラフである。
<住宅用制振材の構造>
先ず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る住宅用制振材1の構造について説明する。住宅用制振材1は、図1に示すような、建物の天井裏構造(石膏ボード等の天井材と野縁100とで構成)に配置される略コ字形状の野縁(建築資材)100に取り付けることによって、建物の天井等に発生した振動および衝撃音を低減する。なお、住宅用制振材1は、野縁100の他、例えば外壁パネル裏に配置される柱または梁等にも取り付けることができる。
図1に示すように、住宅用制振材1は、弾性体で形成された質量体収納部11およびグリップ部12と円筒形状の鉄芯(質量体)13と芯材14とを備えている。また、質量体収納部11とグリップ部12とは連なって形成されている。
質量体収納部11は、図1中のX軸に直交する平面で切断した断面形状が略ひし形状であり、鉄芯13を収納するための中空部11aが形成されている。中空部11aは、X軸に直交する平面で切断した断面形状が略楕円形状であり、質量体収納部11は、中空部11aに鉄芯13を挿入することによって当該鉄芯13を収納する。
なお、質量体収納部11の上記断面形状は略ひし形状に限定される訳ではなく、例えば、円形状、正方形状等の様々な断面形状を採用することができる。また、中空部11aの上記断面形状も略楕円形状に限定される訳ではなく、図1中のX軸に直交する平面で切断した鉄芯13の断面の形状および大きさに応じて、質量体収納部11が鉄芯13を収納できるような断面形状になっていればよい。
また、図1に示すように、中空部11aに鉄芯13を挿入した状態において、中空部11aにおける内部壁面11bと鉄芯13との間には、空間11cが形成される。したがって、野縁100に振動が発生した場合、質量体収納部11における、グリップ部12と略対向する部分および空間11cを形成する部分とが振動を吸収する役割を果たす。
グリップ部12は、図1に示すように、野縁100における接触平板部100bと対向する平板部100aの端部を挟み込むことによって住宅用制振材1を野縁100に固定する。また、グリップ部12には、住宅用制振材1を野縁100に固定するための突起部12aが、グリップ部12における互いに対向する2つの内面12bのそれぞれから2つずつ(合計4つ)、図1中のX軸に略沿って突出するように設けられている。
なお、突起部12aの個数、形状および配置等は、野縁100の平板部100aの厚さ、野縁100以外の建築資材に取り付ける場合における当該建築資材の形状および大きさ等に応じて、任意に設計することができる。例えば、図示しないものの、突起部12aをグリップ部12における2つの内面12bの片側のみから突出させてもよいし、1つの内面12bにつき3つ以上の突起部12aを設けてもよい。また、突起部12aが内面12bに対して傾斜する角度についても、取り付けのし易さ、および固定がより確実になるか等を考慮して適宜設計することができる。
また、グリップ部12における2つの内面12bの離間幅と平板部100aの厚さとが略同一になるようなグリップ部12の形状にすることで、突起部12aを設けることなく住宅用制振材1を野縁100に固定することができる。したがって、グリップ部12に突起部12aを設けることは必須ではない。
質量体収納部11、グリップ部12および突起部12aは、全て同一の弾性体で形成されている。これらの形成に用いられる弾性体としては、例えば、天然ゴムまたはCR(クロロプレンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)を主体とするゴム材料、様々な熱可塑性エラストマー、ウレタン、PVC(ポリ塩化ビニル)等がある。
なお、質量体収納部11の材料とグリップ部12の材料とが同一である必要はなく、両者の材料を異ならせてもよい。また、突起部12aの材料とグリップ部12の材料とが同一である必要はなく、両者の材料を異ならせてもよい。すなわち、突起部12aは、住宅用制振材1の野縁100への固定がより確実となるような弾性体で形成されていればよい。
鉄芯13は、野縁100に発生した振動を吸収して自ら振動する質量体である。なお、鉄芯13以外にも、例えば鉄以外の金属で製造された質量体等を用いてもよい。また、鉄芯13の形状も円筒形状に限定されず、例えば、直方体形状をはじめとする角柱形状等であってもよい。
芯材14は、グリップ部12に埋め込むことによってグリップ部12の剛性を高くし、グリップ部12の固定力を向上させるための部材である。芯材14は、図1中のX軸に直交する平面で切断した断面形状がグリップ部12と同一の略コ字形状となっている。また、芯材14には、鉄をはじめとする各種金属または硬質樹脂等の、グリップ部12の剛性が高くなるような材料が用いられる。
なお、芯材14の厚さは、ユーザが求めるグリップ部の固定力、コストおよび住宅用制振材1の重量等に応じて任意に設計してもよい。また、芯材14は、あくまでグリップ部12の固定力を強化するための部材であることから、住宅用制振材1に必須の構成要素ではない。
次に、住宅用制振材1における図1中のX軸方向の長さ(以下、単に「長さ」とする)を設定する上で考慮すべき点について、図2を用いて説明する。
先ず、図2の(a)に示すように、野縁100の平板部100aの全体にわたって取り付けられるような、長尺状の住宅用制振材1を製造した場合、野縁100に発生した振動を鉄芯13が吸収する吸収率が高まることから、高い制振効果を得ることができる。次に、図2の(b)に示すように、野縁100の平板部100aの一部に取り付けられるような、短尺状の住宅用制振材1を製造した場合、住宅用制振材1の長さが短いことからユーザが住宅用制振材1を両手で把持し易く、それゆえ取り付け作業および取り外し作業を容易に行うことができる。
以上より、野縁100をはじめとする取り付け対象の建築資材の長さに応じて、住宅用制振材1を長尺状にした場合のメリットおよび短尺状にした場合のメリットをそれぞれ考慮した上で、様々な上記X軸方向の長さの住宅用制振材1を製造し、建築資材に取り付けることができる。
次に、本発明に係る住宅用制振材1の実施形態としては、上述の住宅用制振材1のみならず、様々なバリエーションが想定されることから、この点について、図3および図4を用いて説明する。
図3に示すように、本発明に係る住宅用制振材は、グリップ部12に、質量体収納部11を弾性的に支持する支持部21が設けられている構造の住宅用制振材2を実施形態として含む。支持部21を設けることにより、野縁100に振動が発生した場合、支持部21がばねとしての役割を果たす。ここで、住宅用制振材1においてばねの役割を果たす、質量体収納部11におけるグリップ部12と略対向する部分および空間11cを形成する部分と比較して、住宅用制振材2におけるばねとしての役割を果たす部分(すなわち、支持部21)の方が領域が広い。したがって、住宅用制振材2を取り付けることによって、より高い制振効果を得ることができる。支持部21のY軸方向の長さを長くするほど、ばねとしての役割を果たす部分の領域が広がり、制振効果はさらに高まる。
なお、住宅用制振材2において、支持部21を形成する材料は、質量体収納部11およびグリップ部12を形成する弾性体と同一の弾性体であるものの、両者を異なる材質の弾性体で形成してもよい。
また、図4の(a)に示すように、本発明に係る住宅用制振材は、上記の支持部21と同様の役割を果たす支持部31が設けられている構造の住宅用制振材3を実施形態として含む。さらに、図4の(b)に示すように、本発明に係る住宅用制振材は、上記の支持部21と同様の役割を果たす支持部41が設けられている構造の住宅用制振材4を実施形態として含む。
支持部31は、質量体収納部11と略同一の形状・大きさの部位であり、中空部31aには、鉄芯等の質量体が挿入されていない。支持部41は、支持部21をY軸方向にさらに延伸した形状となっており(図3参照)、スポンジ状のゴムによって形成されている。
支持部31および支持部41は、支持部21に比べて柔らかく、弾性変形し易い形状になっている。したがって、支持部31または支持部41を設けることによって、支持部21が設けられている場合よりも質量体収納部11に収納されている鉄芯13がより大きく振動する。それゆえ、住宅用制振材3および4は、住宅用制振材1および2よりも大きな共振ピークを得ることができ、より高い制振効果を得ることができる。
具体的には、図4の(a)および(b)に示すように、野縁100の突出部101が鉛直上側に向けて突出している場合でも、当該突出部101に住宅用制振材3または4を取り付けることによって、突出部101の水平方向の振動のみならず垂直方向の振動をも効果的に抑制することができる。
また、図4の(c)に示すように、本発明に係る住宅用制振材は、1つの質量体収納部11が、グリップ部12の側壁12eのいずれか一方に設けられている構造の住宅用制振材5を実施形態として含む。このように、質量体収納部11をグリップ部12の側壁12eに設けることにより、当該質量体収納部11は、住宅用制振材1の質量体収納部11よりも野縁100の突出部101の延伸方向に振動し易くなる。
それゆえ、図4の(c)に示すように、野縁100の突出部101が鉛直上側に向けて突出している場合でも、当該突出部101に住宅用制振材5を取り付けることによって、特に突出部101の垂直方向(すなわち、突出部101の延伸方向)の振動を効果的に抑制することができる。
また、図4の(d)に示すように、本発明に係る住宅用制振材は、2つの質量体収納部11の一方がグリップ部12の側壁12eの一方に設けられ、2つの質量体収納部11の他方が側壁12eの他方に設けられている構造の住宅用制振材6を実施形態として含む。このように、質量体収納部11をグリップ部12の側壁12eのそれぞれに設けることにより、これら2つの質量体収納部11は、住宅用制振材5の質量体収納部11と同様に野縁100の突出部101の延伸方向に振動し易くなる。
さらには、2つの質量体収納部11がグリップ部12に対して水平方向に略対称となるように配置されているため、質量体収納部11が1つの場合(住宅用制振材5)に比べて振動の吸収量が増えるとともに、2つの質量体収納部11でバランスよく振動を吸収することができる。それゆえ、図4の(d)に示すように、野縁100の突出部101が鉛直上側に向けて突出している場合でも、当該突出部101に住宅用制振材6を取り付けることによって、特に突出部101の垂直方向の振動をより効果的に抑制することができる。
また、図4の(e)に示すように、本発明に係る住宅用制振材は、住宅用制振材2の支持部21と同様の役割を果たす支持部71が設けられている構造の住宅用制振材7を実施形態として含む。支持部71は支持部21と略同一の形状・大きさの部位であり、グリップ部12の側壁12eから鉛直上側に向けて、斜めに延伸している。換言すれば、支持部71は、住宅用制振材7を野縁100の突出部101に取り付けた状態において、突出部101の突出方向の複数の軸線L1を含む平面と、支持部71の短手方向の複数の軸線L2を含む平面とが、斜めに交差するように設けられている。
このような支持部71を設けることで、支持部21・31・41(野縁100の突出部101の延伸方向と同一方向に延伸)、または突出部101の延伸方向と直交する方向に延伸している支持部(不図示)に比べて、突出部101の水平方向の振動、および垂直方向の振動をバランスよく抑制することができる。
以上のように、本発明に係る住宅用制振材は、支持部の形状・大きさ・延伸方向・グリップ部に対する配置、質量体収納部のグリップ部に対する配置等を適宜変更することにより、車両部材の構造に拘らず、当該車両部材に発生するあらゆる方向の振動を抑制することができる。
また、図示しないものの、本発明に係る住宅用制振材の他の実施形態としては、中空部11aに空間11cが形成されないもの、グリップ部12の2つの内面12bのそれぞれに3つ以上の突起部12aが設けられたもの、グリップ部12に複数個の芯材14が埋め込まれているもの等が想定される。
<住宅用制振材を取り付けた場合に得られる制振効果>
次に、図5〜図9を参照して、野縁100をはじめとする建築資材に住宅用制振材1を取り付けた場合に得られる制振効果について説明する。
先ず、住宅用制振材1が取り付けられた野縁100等によって構成された天井構造、および住宅用制振材1が取り付けられていない野縁100等によって構成された天井構造(ともに図示せず)のそれぞれに対して、軽量床衝撃音の遮断性能試験を実施した。ここで、軽量床衝撃音の遮断性能試験(JIS(日本工業規格)A1418準拠)とは、スリッパで歩く音または軽量物を床に落とした時の衝撃音等を想定した、タッピングマシン等を使用した試験のことを指す。
図5に示すように、周波数が63Hz域の場合において、住宅用制振材1が取り付けられた天井構造の音圧レベルの方が、住宅用制振材1が取り付けられていない天井構造の音圧レベルよりも約2dB程度向上している。したがって、住宅用制振材1が取り付けられた天井構造の方が高い遮音性能を有する、すなわち住宅用制振材1を取り付けることによって高い制振効果が得られることが判った。
次に、図6の(b)に示すような試験用野縁に(1)何も取り付けない場合、(2)弾性部(住宅用制振材1から鉄芯13を抜いたもの)を取り付けた場合、(3)住宅用制振材1を取り付けた場合について、試験用野縁をハンマで叩いた時の衝撃の大小を評価することにより、それぞれの場合における制振効果の有無および程度について試験した。具体的には、図6の(a)に示すように、上記(1)〜(3)の各場合について、試験用野縁における基台と接触する側の面上に設置された加速度ピックアップによって、試験用野縁に生じた衝撃の加速度データを測定する。そして、得られた加速度データをFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)アナライザで周波数ごとの加速度値に変換した上で、周波数が63Hz域(1オクターブ分析時)における各ピーク値を比較した。
図7の(a)のグラフに示すように、試験用野縁に(1)何も取り付けない場合、63Hz域の周波数において約0.25(m/s)/Nのイナータンスが測定された。また、図7の(b)のグラフに示すように、試験用野縁に(2)弾性部を取り付けた場合、63Hz域の周波数において約0.33(m/s)/Nのイナータンスが測定された。一方、図7の(c)のグラフに示すように、試験用野縁に(3)住宅用制振材1を取り付けた場合、63Hz域の周波数においてイナータンスは測定されなかった。したがって、この試験結果からも、住宅用制振材1を取り付けることによって高い制振効果が得られることが判った。具体的には、弾性体で形成された質量体収納部11に鉄芯13を収納させることにより、質量体収納部11におけるグリップ部12と略対向する部分がばねとして機能して、鉄芯13が効果的に振動を吸収することが判った。
次に、図8の(a)および(b)に示すような天井構造の内部に設けられた試験用野縁に、(α)何も取り付けない場合、(β)グリップ部12の長手方向(X軸方向)の長さLnが300mmの住宅用制振材1を取り付けた場合、(γ)グリップ部12の長手方向の長さLnが1000mmの住宅用制振材1を取り付けた場合について、床衝撃音測定に係る試験を実施した。
具体的には、天井構造は、室内空間が3850×2850×2180(高さ)mmの住居に相当する建物を想定した造りとなっている。また、床に衝撃を加える床衝撃源として、JISA1418−2に記載の衝撃力特性(1)を持つ標準重量床衝撃源(リオン(株)FI−02)を用いた。
試験方法としては、図8の(a)に示すように、床上の任意の点Pに衝撃を加え、騒音計(リオン(株)NA−28BA)を用いて室内の5箇所を測定した。そして、当該5箇所で得られたそれぞれの床衝撃音の平均値を算出することにより、63Hz重量床衝撃音を測定した。また、グリップ部12の長手方向および当該長手方向に対して垂直方向(Z軸方向)の共振周波数fn・fsを計測した(以下、「長手方向の共振周波数fn」、「垂直方向の共振周波数fs」と略記する)。
このように、63Hz重量床衝撃音、長手方向の共振周波数fnおよび垂直方向の共振周波数fsを測定することにより、(α)〜(γ)の各場合における制振効果の有無・程度を検証した。ここで、「長手方向の共振周波数fn」は鉄芯13の固有共振周波数を指し、「垂直方向の共振周波数fs」は住宅用制振材1(鉄芯13が収納された質量体収納部11)の共振周波数を指す。
なお、(β)および(γ)の場合において、試験に用いた住宅用制振材1の形状・材質・大きさ等については、グリップ部12の長手方向の長さLn以外すべて同一である。また、鉄芯13についても長さLn以外すべて同一のものを用いており、質量体収納部11の中空部11aと鉄芯13との間には空間11cが形成されていない。
図9に示すように、重量床衝撃音の周波数が63Hz域の場合において、(γ)グリップ部12の長手方向の長さLnが1000mmの住宅用制振材1が取り付けられた天井構造の音圧レベルが、最も向上していた。具体的には、(α)住宅用制振材1が取り付けられていない天井構造の音圧レベルよりも4.4dB向上しており、(β)グリップ部12の長手方向の長さLnが300mmの住宅用制振材1が取り付けられた天井構造の音圧レベルよりも1.2dB向上していた。
また、(β)の場合における、長手方向の共振周波数fnと垂直方向の共振周波数fsとの差分が529Hzとなったのに対し、(γ)の場合における、長手方向の共振周波数fnと垂直方向の共振周波数fsとの差分は4Hzとなった。すなわち、(β)の場合に比べて(γ)の場合の方が、長手方向の共振周波数fnを垂直方向の共振周波数fsに大幅に近づけることができた。
上記の各実験結果から、グリップ部12の長手方向の長さLnが短い住宅用制振材1が取り付けられた天井構造よりも、当該長手方向の長さが長い住宅用制振材1が取り付けられた天井構造の方が、高い遮音性能を有することが判った。また、グリップ部12の長手方向の長さLnが短い住宅用制振材1よりも、当該長さLnが長い住宅用制振材1の方が長手方向の共振周波数fnを垂直方向の共振周波数fsにより近づけることができ、住宅用制振材1の制振性能が向上することが判った。
なお、上記の各試験結果は、グリップ部12の長手方向の長さLn(併せて、鉄芯13の長さ)を変えることで住宅用制振材1の制振性能を適宜調整できることも示している。したがって、例えば、長手方向の共振周波数fnおよび垂直方向の共振周波数fsのそれぞれについて、所望する周波数に対する制振性を住宅用制振材1に持たせたい場合、所望する共振周波数fnおよび共振周波数fsがそれぞれ得られるように、グリップ部12の長手方向の長さLnを設計すればよい。
また例えば、住宅用制振材1に制振性を持たせたい共振周波数に幅がある場合、長手方向の共振周波数fnと垂直方向の共振周波数fsとが若干ずれるようにグリップ部12の長手方向の長さLnを設計すればよい。
さらに付言すれば、グリップ部12の長手方向の長さLnに限らず、例えば質量体収納部11の断面の大きさ・形状、または鉄芯13の長さ・断面の大きさを適宜変更することによっても、住宅用制振材1の制振性能の向上を図ることができるものと考えられる。
次に、図10および図11を参照して、住宅用制振材3を試験用治具に取り付けた場合、および住宅用制振材5を試験用治具に取り付けた場合に得られる制振効果について説明する。
試験方法としては、非拘束形制振複合はりの振動減衰特性試験方法(JIS K7391)のうち、中央加振法を採用した。すなわち、図10の(a)に示すように、加振器(Bruel&Kjaer(ブリュエル・ケアー)社:Type4810)のインピーダンスヘッド(Bruel&Kjaer社:Type8001)に試験用治具を取り付けた後、(1)試験用治具に何も取り付けない場合の他、試験用治具に(2)住宅用制振材1を取り付けた場合、(3)住宅用制振材3を取り付けた場合、(4)住宅用制振材5を取り付けた場合のそれぞれについて、加振器を所定時間加振させる。次に、加振器を所定時間加振させたことにより得られた周波数応答関数(インピーダンス)のグラフから、上記(1)〜(4)のそれぞれの場合における共振周波数を求めた。
具体的には、図10の(b)に示すように、厚み1.6mmの鉄板を断面凹字形状(幅・高さ:30mm)に成形したものを、試験用治具として使用した。また、試験用治具の底壁をインピーダンスヘッドに取り付けるとともに、住宅用制振材5を試験用治具の側壁に取り付けて試験を行った。なお、図10の(b)では、試験用治具に住宅用制振材5を取り付けた場合のみ図示している。しかしながら、住宅用制振材1および3についても同様に、試験用治具の側壁に取り付ける。
図11のグラフに示すように、(1)試験用治具に何も取り付けない場合、約120Hzの周波数域で周波数応答関数が最も大きく約1dB変動するのみであり、試験用治具に(2)住宅用制振材1を取り付けた場合、約110Hz〜約120Hzの周波数域で周波数応答関数が約11dB変動する。
一方、試験用治具に(3)住宅用制振材3を取り付けた場合、約35Hz〜約50Hzの周波数域で周波数応答関数が約20dB変動し、(4)住宅用制振材5を取り付けた場合、約105Hz〜約140Hzの周波数域で周波数応答関数が約20dB変動する。
このように、試験用治具に住宅用制振材3または5を取り付けた場合、住宅用制振材1を取り付けた場合に比べて周波数応答関数が約2倍変動し、より大きな共振ピークが得られることが判った。すなわち、本発明に係る住宅用制振材において、中空円筒形状の支持部31(図4の(a)参照)を設けたり、質量体収納部11をグリップ部12の側壁12eに設けたり(図4の(c)参照)することにより、垂直方向に突出した車両部材に発生する垂直方向の振動をも効果的に抑制できることが判った。なお、このような垂直方向の振動に対する制振効果は、例えば住宅用制振材4、6または7を用いることによっても得ることができる。
1、2、3、4、5、6、7 住宅用制振材 11 質量体収納部 11a 中空部
11b 内部壁面 11c 空間 12 グリップ部 12a 突起部
12b 内面 13 鉄芯(質量体) 14 芯材 100 野縁(建築資材)

Claims (5)

  1. 建築資材に取り付けられる住宅用制振材であって、
    質量体を収納するための中空部が形成されている質量体収納部と、上記建築資材を挟み込むことによって上記住宅用制振材を上記建築資材に固定するためのグリップ部と、を備えており、
    上記質量体収納部および上記グリップ部は、弾性体によって形成されているとともに、上記中空部には、上記質量体が挿入されていることを特徴とする住宅用制振材。
  2. 上記中空部における内部壁面と、上記質量体との間に空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の住宅用制振材。
  3. 上記グリップ部には、上記質量体収納部を弾性的に支持する支持部が設けられており、
    上記質量体収納部と上記支持部と上記グリップ部とが連なって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の住宅用制振材。
  4. 上記グリップ部には、芯材が埋め込まれていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の住宅用制振材。
  5. 上記グリップ部には、上記住宅用制振材を上記建築資材に固定するための突起部が、上記グリップ部における互いに対向する2つの内面の少なくとも一方から突出するように設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の住宅用制振材。
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