JP2018024807A - ブロック共重合体、その製造方法、および硬化性樹脂組成物 - Google Patents

ブロック共重合体、その製造方法、および硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】作業性に優れ、硬化後の引張特性も良好な硬化性樹脂組成物を得るためのブロック共重合体、およびその製造方法、ならびにそのブロック共重合体を含む硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、オキシアルキレン重合体ブロック(A)以外の有機重合体ブロック(B)と、を含み、下記式(1)で表される架橋性シリル基(C)を少なくとも1個有するブロック共重合体であって、ブロック共重合体はウレタン結合を含まない、ブロック共重合体。[−Si(R1)2−b(Y)bO]m−Si(R2)3−a(Y)a(1)【選択図】なし

Description

本発明は、ブロック共重合体、その製造方法、および硬化性樹脂組成物に関する。
架橋性シリル基を有する重合体を含有する硬化性樹脂組成物は、建築物の内外装の部材間やジョイント部の目地に充填し、風雨の侵入を防止する建築用シーリング材や、各種基材を接着させる接着剤として使用されている。特に主鎖構造がオキシアルキレン重合体である架橋性シリル基を有する重合体を含有する硬化性樹脂組成物は、30年以上前より建築用シーリング材や、各種基材を接着させる接着剤として使用されている。また近年、架橋性シリル基含有ビニル系重合体を含む硬化性樹脂組成物は、主鎖構造に起因する耐候性の良さから高耐候性のシーリング材として住宅の長寿命化の流れの中で多く用いられるようになっている。
架橋性シリル基を少なくとも1個有するオキシアルキレン重合体は可撓性や塗装性、耐汚染性に優れるが、特にポリプロピレンオキシドを主鎖とするポリオキシアルキレンは、熱や紫外線に対して劣化しやすく、硬化物の耐候性が悪くなるという問題がある。この問題を解決するために架橋性シリル基を少なくとも1個有するオキシアルキレン重合体に、架橋性シリル基を少なくとも1個有するアクリル系重合体をブレンドすることによって耐候性が改善された硬化性樹脂組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、成分として、特定の架橋性シリル基を少なくとも1個有する(メタ)アクリル系重合体、芳香族を有さないカルボン酸エステルである減粘剤、可塑剤、および特定の架橋性シリル基を少なくとも1個有するポリエーテル系重合体を含有する硬化性樹脂組成物が記載されている(請求項10)。
特開2010−138394号公報
しかしながら、本発明者が検討したところ、架橋性シリル基を少なくとも1個有するオキシアルキレン重合体と架橋性シリル基を少なくとも1個有する(メタ)アクリル系重合体とのブレンドでは、(メタ)アクリル系重合体の含有量によっては、重合体混合物の粘度が高く、作業性を損なう場合や、オキシアルキレン重合体が本来有している破断強度および破断伸び等の引張特性を低下させる場合があり、作業性および硬化後の引張特性を両立させることが困難であることが明らかとなった。
そこで、本発明では、作業性に優れ、硬化後の引張特性も良好な硬化性樹脂組成物を得るためのブロック共重合体、およびその製造方法、ならびにそのブロック共重合体を含む硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、オキシアルキレン重合体ブロック(A)以外の有機重合体ブロック(B)と、を含み、特定の式で表される架橋性シリル基(C)を少なくとも1個有するブロック共重合体によれば、作業性に優れ、硬化後の引張特性も良好な硬化性樹脂組成物を得ることができることを知得し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[10]である。
[1] オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、上記オキシアルキレン重合体ブロック(A)以外の有機重合体ブロック(B)と、を含み、下記式(1)で表される架橋性シリル基(C)を少なくとも1個有するブロック共重合体であって、
上記ブロック共重合体はウレタン結合を含まない、ブロック共重合体。
−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (1)
式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を表し、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Yは水酸基または加水分解性基を表し、Yが2個以上存在するときは、それらは同一であって異なっていてもよく、R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、3個のR’は互いに同一であって異なっていてもよい。aは0,1,2,または3であり、bは0,1,または2であり、mは0〜19の整数である。ただし、1、bおよびmは、a+mb≧1を満足する。
[2] 上記有機重合体ブロック(B)がビニル系重合体ブロックである、上記[1]に記載のブロック共重合体。
[3] ポリスチレン換算数平均分子量が8000〜50000である、上記[1]または[2]に記載のブロック共重合体。
[4] 上記オキシアルキレン重合体ブロック(A)の繰返し単位の合計モル数と上記有機重合体ブロック(B)の繰返し単位の合計モル数の比が10:90〜90:10である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のブロック共重合体。
[5] さらに、下記式(2)で表される接合単位(X)を含み、
上記オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、上記有機重合体ブロック(B)とが、上記接合単位(X)によって結合している、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のブロック共重合体。
−Si(R11)(R12)−[L−Si(R13)(R14)]− (2)
式(2)中、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を表し、Lはウレタン結合を含まない2価の有機連結基を表し、nは0または1である。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のブロック共重合体を含む硬化性樹脂組成物。
[7] さらに、炭酸カルシウムおよび硬化触媒を含む、上記[6]に記載の硬化性樹脂組成物。
[8] 上記硬化触媒が2価錫化合物または4価錫化合物である、上記[7]に記載の硬化性樹脂組成物。
[9] 末端近傍の炭素原子に水酸基が結合し、かつ、ウレタン結合を含まない、オキシアルキレン重合体以外の有機重合体(D)に、アルキレンオキサイドを付加反応して、末端に水酸基を有するブロック共重合体(E)を合成する工程と、
上記ブロック共重合体(E)にアルケニル基含有化合物を反応させて、末端にアルケニル基を有するブロック共重合体(F)を合成する工程と、
上記ブロック共重合体(F)に下記式(1’)で表される化合物(C’)を付加反応させ、架橋性シリル基を有するブロック共重合体を合成する工程と、
を備える、ブロック共重合体の製造方法。
H−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (1’)
式(1’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を表し、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Yは水酸基または加水分解性基を表し、Yが2個以上存在するときは、それらは同一であって異なっていてもよく、R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、3個のR’は互いに同一であって異なっていてもよい。aは0,1,2,または3であり、bは0,1,または2であり、mは0〜19の整数である。ただし、1、bおよびmは、a+mb≧1を満足する。
[10] 末端にアルケニル基を有し、かつ、ウレタン結合を含まないオキシアルキレン重合体(E)、および、末端にアルケニル基を有し、かつ、ウレタン結合を含まない、オキシアルキレン重合体以外の有機重合体(F)と、下記式(2’)で表される化合物(X’)と、をヒドロシリル化反応により結合して、末端にアルケニル基を有するブロック共重合体(G)を合成する工程と、
上記ブロック共重合体(G)に下記式(1’)で表される化合物(C’)を付加反応させ、架橋性シリル基を有するブロック共重合体を合成する工程と、
を備える、ブロック共重合体の製造方法。
H−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (1’)
式(1’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を表し、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Yは水酸基または加水分解性基を表し、Yが2個以上存在するときは、それらは同一であって異なっていてもよく、R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、3個のR’は互いに同一であって異なっていてもよい。aは0,1,2,または3であり、bは0,1,または2であり、mは0〜19の整数である。ただし、1、bおよびmは、a+mb≧1を満足する。
H−Si(R11)(R12)−[L−Si(R13)(R14)]−H (2’)
式(2’)中、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を表し、Lはウレタン結合を含まない2価の有機連結基を表し、nは0または1である。
本発明によれば、作業性に優れ、硬化後の引張特性も良好な硬化性樹脂組成物を得るためのブロック共重合体、およびその製造方法、ならびにそのブロック共重合体を含む硬化性樹脂組成物を提供することができる。
以下に、本発明のブロック共重合体、その製造方法および硬化性樹脂組成物について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において「(メタ)アクリル」とは「アクリルおよび/またはメタクリル」を意味する。
[ブロック共重合体]
本発明のブロック共重合体は、オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、オキシアルキレン重合体ブロック以外の有機重合体ブロック(B)と、を含み、特定の架橋性シリル基(C)を少なくとも1個有し、ウレタン結合を含まないブロック共重合体である。
また、後述するように、本発明のブロック共重合体は、オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、有機重合体ブロック(B)とが、接合単位(X)によって結合していてもよい。
本発明のブロック共重合体はこのような構成をとるため、作業性に優れ、硬化後の引張特性も良好な硬化性樹脂組成物とすることができると考えられる。
上記したとおり、本発明のブロック共重合体では、オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、オキシアルキレン重合体ブロック(A)以外の有機重合体ブロック(B)と、を含む。
オキシアルキレン重合体ブロック(A)に相当するオキシアルキレン重合体(A’)と、有機重合体ブロック(B)に相当する有機重合体(B’)とのブレンドによる硬化性樹脂組成物は、作業性、および硬化後の引張特性が十分ではないが、オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、有機重合体ブロック(B)と、を含むブロック共重合体とすることにより、作業性、および硬化後の引張特性が改善され、十分なものとなる。
この理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
オキシアルキレン重合体(A’)と有機重合体(B’)とのブレンドでは、少なくともミクロのスケールでの相溶性が十分ではなく、オキシアルキレン重合体(A)と有機重合体(B)との分子間相互作用がばらつくこととなる結果、マクロのスケールで作業性および硬化後の引張特性を両立することができないことがあったと考えられる。
これに対して、本発明では、オキシアルキレン重合体(A’)と有機重合体(B’)とのブレンドに代えて、オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、有機重合体ブロック(B)と、を含むブロック共重合体を用いることにより、微視的スケールでの相溶性を十分なものとすることができ、巨視的スケールで作業性および硬化後の引張特性を両立することができることとなったものと考えられる。
本発明のブロック共重合体1分子あたりのオキシアルキレン重合体ブロック(A)の繰返し単位の合計モル数と有機重合体ブロック(B)の繰返し単位の合計モル数の比は、特に限定されないが、好ましくは10:90〜90:10であり、より好ましくは20:80〜80:20であり、さらに好ましくは30:70〜70:30である。
繰返し単位の合計モル数の比がこの範囲内であると、オキシアルキレン重合体ブロック(A)に由来する効果と有機重合体ブロック(B)に由来する効果のバランスがより優れたものとなる。
本発明のブロック共重合体の分子量は特に限定されないが、ポリスチレン換算数平均分子量で、好ましくは8000〜50000であり、より好ましくは10000〜40000であり、さらに好ましくは16000〜32000である。
分子量がこの範囲内であると、作業性および硬化後の引張特性のバランスがより良好なものとなる。
なお、本発明のブロック共重合体の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography (GPC))により測定した数平均分子量(ポリスチレン換算)であり、測定にはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を移動相(溶離液、溶媒)として用いることが好ましい。
〈オキシアルキレン重合体ブロック(A)〉
オキシアルキレン重合体ブロック(A)は、アルキレンオキサイドをモノマー単位とする有機重合体ブロックであれば、その他の条件については特に限定されない。
オキシアルキレン重合体ブロック(A)は、主鎖が本質的にポリプロピレンオキサイドであるポリプロピレンオキサイド系重合体ブロックであることが好ましく、主鎖がポリプロピレンオキサイドであるポリプロピレンオキサイドブロックであることがより好ましい。
ここで「主鎖が本質的にポリプロピレンオキサイドである」とは、プロピレンオキサイド単位が、主鎖を構成する繰り返し単位のうち、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、を占めることをいう。
上記ポリオキシアルキレン重合体ブロック(A)の分子量は、特に限定されないが、通常、本発明のブロック共重合体にオキシアルキレン重合体ブロック(A)をどのように導入したかによって、または本発明のブロック共重合体の1分子あたりのオキシアルキレン重合体(A)の平均ブロック数によって、その好適範囲は異なる。
例えば、本発明のブロック共重合体が1分子あたり平均してnブロック(nは1以上の実数を表す。)のオキシアルキレン重合体ブロック(A)を含むとするとき、nブロックのオキシアルキレン重合体ブロック(A)の合計分子量は、特に限定されないが、好ましくは4000〜25000であり、より好ましくは5000〜20000であり、さらに好ましくは8000〜16000である。
本発明のブロック共重合体の1分子あたりのオキシアルキレン重合体ブロック(A)の合計分子量がこの範囲内であると、硬化性樹脂組成物の作業性、および硬化後の引張特性を、より良好なものとすることができる。
なお、オキシアルキレン重合体ブロック(A)の分子量は、対応するオキシアルキレン重合体(A’)の数平均分子量によって表す。
ここで、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography (GPC))により測定した数平均分子量(ポリスチレン換算)であり、測定にはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を移動相(溶離液、溶媒)として用いることが好ましい。
上記オキシアルキレン重合体(A’)の分子量分布、すなわち、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、狭いことが好ましく、具体的には、好ましくは1.8未満、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、いっそう好ましくは1.5以下、よりいっそう好ましくは1.4以下、特に好ましくは1.3以下である。このような狭い範囲とすることで、本発明のブロック共重合体を硬化性樹脂組成物とした際の粘度を低く抑えて作業性を向上させ、かつ十分な引張特性を得ることが容易となる。分子量分布の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定するのが最も一般的である。移動相としてはクロロホルムやTHFを、カラムとしてはポリスチレンゲルカラムを用いる。
〈有機重合体ブロック(B)〉
有機重合体ブロック(B)は、オキシアルキレン重合体ブロック(A)以外の有機重合体ブロックであれば、特に限定されない。
有機重合体ブロック(B)としては、例えば、ビニル系重合体ブロック、ポリエステル系重合体ブロック、ポリカーボネート系重合体ブロック、ポリオレフィン系重合体ブロック、ポリイソブチレン系重合体ブロック、およびポリブタジエン系重合体ブロックなどから、目的の機能に応じて選択することができる。
有機重合体ブロック(B)は、適切なモノマーを選択することで、より硬化物の可撓性が良好となることから、ビニル系重合体ブロック(B1)であることが好ましい。
上記ビニル系重合体ブロック(B1)の主鎖を構成するモノマーは、ビニル系モノマーであれば特に限定されない。
上記ビニル系モノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、および(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、およびビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、およびシクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、およびメタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、およびメタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、および桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、およびプロピレン等のアルケン類;ブタジエン、およびイソプレン等の共役ジエン類;ならびに、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、およびアリルアルコール等を挙げることができる。
上記ビニル系モノマーは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ビニル系重合体ブロック(B1)としては、物性面から、好ましくは主鎖が本質的にポリ(アクリル酸n−ブチル)またはポリ(アクリル酸2−エチルヘキシル)であるアクリル系重合体ブロックであり、より好ましくは主鎖がポリ(アクリル酸n−ブチル)であるアクリル系重合体ブロックである。
ここで「主鎖が本質的にポリ(アクリル酸n−ブチル)である」または「主鎖が本質的にポリ(アクリル酸2−エチルヘキシル)である」とは、アクリル酸n−ブチル単位またはアクリル酸2−エチルヘキシル単位が、主鎖を構成する繰り返し単位のうち、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、を占めることをいう。
上記有機重合体ブロック(B)の分子量は、特に限定されないが、通常、本発明のブロック共重合体に有機重合体ブロック(B)をどのように導入したかによって、または本発明のブロック共重合体の1分子あたりの有機重合体ブロック(B)の平均ブロック数によって、その好適範囲は異なる。
例えば、本発明のブロック共重合体が1分子あたり平均してnブロック(nは1以上の実数を表す。)の有機重合体ブロック(B)を含むとするとき、nブロックの有機重合体ブロック(B)の合計分子量は、特に限定されないが、好ましくは4000〜25000であり、より好ましくは5000〜20000であり、さらに好ましくは8000〜16000である。
本発明のブロック共重合体の1分子あたりの有機重合体ブロック(B)の合計分子量がこの範囲内であると、硬化性樹脂組成物の作業性、および硬化後の引張特性を、より良好なものとすることができる。
なお、有機重合体ブロック(B)の分子量は、対応する有機重合体(B’)の数平均分子量によって表す。
ここで、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography (GPC))により測定した数平均分子量(ポリスチレン換算)であり、測定にはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を移動相(溶離液、溶媒)として用いることが好ましい。
上記有機重合体(B’)の分子量分布、すなわち、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、狭いことが好ましく、具体的には、好ましくは1.8未満、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、いっそう好ましくは1.5以下、よりいっそう好ましくは1.4以下、特に好ましくは1.3以下である。このような狭い範囲とすることで、本発明のブロック共重合体を硬化性樹脂組成物とした際の粘度を低く抑えて作業性を向上させ、かつ十分な引張特性を得ることが容易となる。分子量分布の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定するのが最も一般的である。移動相としてはクロロホルムやTHFを、カラムとしてはポリスチレンゲルカラムを用いる。
〈架橋性シリル基(C)〉
架橋性シリル基(C)は下記式(1)で表される。
[−Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (1)
上記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を表し、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよい。R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、3個のR’は互いに同一であって異なっていてもよい。
上記式(1)中、Yは水酸基または加水分解性基を表し、Yが2個以上存在するときは、それらは同一であって異なっていてもよい。Yの総和は1〜5個の範囲が好ましい。
上記加水分解性基としては特に限定されず、例えば水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等を挙げることができる。これらのうち加水分解性がマイルドで取り扱いやすいという点から、アルコキシ基が好ましい。
上記式(1)において、aは0、1、2または3であり、bは0、1または2であり、mは整数を示す。Yは1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができる。a、bおよびmは、a+mb≧1を満足する。すなわち、上記式(1)中に少なくとも1個のYを含む。
上記架橋性シリル基を構成するケイ素原子は、1個存在していてもよく、2個以上存在していてもよい。シロキサン結合により連結されたケイ素原子の場合は20個程度まであってもよいことからmは0〜19であることが好ましい。
〈接合単位(X)〉
本発明のブロック共重合体は、オキシアルキレン重合体ブロック(A)および有機重合体ブロック(B)に加えて、さらに、オキシアルキレン重合体ブロック(A)の一部でなく、有機重合体ブロック(B)の一部でもない、下記式(2)で表される接合単位(X)を含むことができる。
この場合、オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、有機重合体ブロック(B)とは、接合単位(X)を介して結合する。
−Si(R11)(R12)−[L−Si(R13)(R14)]− (2)
式(2)中、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を表し、Lはウレタン結合を含まない2価の有機連結基を表し、nは0または1である。
上記2価の有機連結基は、ウレタン結合を含まなければ特に限定されないが、好ましくはアルキレン基である。
上記アルキレン基は、好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基である。
上記炭素数1〜4のアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、およびテトラメチレン基が挙げられる。
上記アルキレン基は、置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えば、水酸基等が挙げられる。
接合単位(X)としては、具体的には、例えば、
−Si(CH−CH−CH−CH−Si(CH− (n=1,R11=R12=R13=R14=CH,L=プロピレン基)、
−Si(CH−CH−CH−Si(CH− (n=1,R11=R12=R13=R14=CH,L=エチレン基)、および
−Si(CH− (n=0,R11=R12=CH
等が挙げられる。
[ブロック共重合体の製造方法]
本発明のブロック共重合体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、オキシアルキレン重合体ブロック(A)に対応するオキシアルキレン重合体(A’)および有機重合体ブロック(B)に対応する有機重合体(B’)のうち一方を合成した後、その末端に他方のモノマーを重合してオキシアルキレン重合体ブロック(A)および有機重合体ブロック(B)を含むブロック共重合体を合成した後、架橋性シリル基(C)を含む化合物(C’)と反応させて架橋性シリル基(C)を導入する方法(「合成法1」という場合がある。)が挙げられる。
また、他の製造方法として、オキシアルキレン重合体ブロック(A)に対応するオキシアルキレン重合体(A’)および有機重合体ブロック(B)に対応する有機重合体(B’)を合成し、接合単位(X)に対応する化合物(X’)と反応させて、オキシアルキレン重合体ブロック(A)と有機重合体ブロック(B)とが、接合単位(X)によって結合しているブロック共重合体を合成した後、架橋性シリル基(C)を含む化合物(C’)と反応させて架橋性シリル基(C)を導入する方法(「合成法2」という場合がある。)が挙げられる。
《合成法1》
合成法1について説明する。
有機重合体ブロック(B)に対応する有機重合体(B’)を合成する。
次いで、有機重合体(B’)の主鎖末端に、水酸基を有する有機化合物を結合して、末端近傍の炭素原子に水酸基が結合した有機重合体(D)を合成する。
ここで、末端近傍の炭素原子とは、主鎖の末端から数えて1〜3番目の炭素原子をいい、好ましくは主鎖の末端から数えて1番目または2番目の炭素原子をいい、より好ましくは主鎖の末端の炭素原子をいう。
次いで、合成した有機重合体(D)にアルキレンオキサイドを付加重合して、ポリオキシアルキレン鎖の末端に水酸基を有するブロック共重合体(E)を合成する。
次いで、合成したブロック共重合体(E)に、アルケニル基含有化合物を反応させて、ポリオキシアルキレン鎖の末端にアルケニルオキシ基を有するブロック共重合体(F)を合成する。
次いで、合成したブロック共重合体(F)に下記式(1’)で表される化合物(C’)を付加反応して、本発明のブロック共重合体を合成することができる。
H−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (1’)
式(1’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を表し、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Yは水酸基または加水分解性基を表し、Yが2個以上存在するときは、それらは同一であって異なっていてもよく、R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、3個のR’は互いに同一であって異なっていてもよい。aは0,1,2,または3であり、bは0,1,または2であり、mは0〜19の整数である。ただし、1、bおよびmは、a+mb≧1を満足する。
合成法1の変法として、オキシアルキレン重合体ブロック(A)に対応するオキシアルキレン重合体(A’)を合成し、これに有機重合体ブロック(B)のモノマーを重合してもよい。
《合成法2》
合成法2について説明する。
オキシアルキレン重合体ブロック(A)に対応するオキシアルキレン重合体(A’)、および、有機重合体ブロック(B)に対応する有機重合体(B’)を合成する。
次いで、オキシアルキレン重合体(A’)および有機重合体(B’)の主鎖末端にアルケニル基を有する化合物を結合して、末端の炭素原子にアルケニル基が結合したオキシアルキレン重合体(E)および有機重合体(F)を合成する。
次いで、オキシアルキレン重合体(E)および有機重合体(F)と、下記式(2’)で表される化合物(X’)と、をヒドロシリル化反応により結合して、主鎖末端にアルケニル基を有するブロック共重合体(G)を合成する。
次いで、合成したブロック共重合体(G)に上述した合成法1で用いた上記式(1’)で表されるシラン化合物(C’)を付加反応して、本発明のブロック共重合体を合成することができる。
H−Si(R11)(R12)−[L−Si(R13)(R14)]−H (2’)
式(2’)中、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を表し、Lはウレタン結合を含まない2価の有機連結基を表し、nは0または1である。
《オキシアルキレン重合体(A’)の合成方法》
オキシアルキレン重合体の製造方法としては特に限定されず、従来公知のものであってよく、例えば、特開昭50−156599号、特開昭55−125121号等に記載されている製造方法が挙げられる。
《有機重合体(B’)の合成方法》
上記有機重合体ブロック(B)に対応する有機重合体(B’)の合成方法は、特に限定されず、種々の方法を用いることができる。
上記有機重合体ブロック(B)がビニル系重合体ブロック(B1)である場合、ビニル系重合体ブロック(B1)に対応するビニル系重合体の合成は、モノマーの汎用性および制御の容易性の点から、ラジカル重合法により行うことが好ましい。
ラジカル重合法としては、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御が難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量を自由にコントロールすることができることから、リビングラジカル重合法が好ましい。
なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明のブロック共重合体を含有する。
〈ブロック共重合体〉
本発明のブロック共重合体は上述したとおりである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化物の破断強度および破断伸びの向上、チクソ性の発現、および密着性の向上効果があることから、本発明のブロック共重合体に加えて、炭酸カルシウムおよび硬化触媒を含むことが好ましい。
上記炭酸カルシウムとしては、例えば、重質炭酸カルシウム、およびコロイダル炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシウム)等が挙げられる。
上記炭酸カルシウムの比表面積は、特に限定されないが、1.5m/g以上50m/g以下のものが好ましく、2m/g以上50m/g以下がさらに好ましく、比表面積が1.5m/g未満の場合には、その改善効果が充分でないことがある。もちろん、単に粘度を増加させる場合や増量のみを目的とする場合などはこの限りではない。炭酸カルシウムの比表面積が大きい方が、硬化物の破断強度および破断伸び、およびチクソ性の改善効果がより大きくなる傾向がある。
なお、比表面積は、測定方法としてJIS K 5101に準じて行なった空気透過法(粉体充填層に対する空気の透過性から比表面積を求める方法)による測定値をいう。測定機器としては、島津製作所製の比表面積測定器SS−100型を用いるのが好ましい。
さらに、炭酸カルシウムは、表面処理剤を用いて表面処理を施してある方がより好ましい。表面処理炭酸カルシウムを用いた場合、表面処理していない炭酸カルシウムを用いた場合に比較して、本発明の組成物の作業性を改善すると考えられる。前記の表面処理剤としては脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル等の有機物や各種界面活性剤、および、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の各種カップリング剤が用いられている。具体例としては、以下に限定されるものではないが、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸等の脂肪酸と、それら脂肪酸のナトリウム、カリウム等の塩、そして、それら脂肪酸のアルキルエステルが挙げられる。界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルや長鎖アルコール硫酸エステル等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩等の硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、またアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルスルホンコハク酸等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩等のスルホン酸型陰イオン界面活性剤等が挙げられる。この表面処理剤の処理量は、炭酸カルシウムに対して、0.1〜20質量%の範囲で処理するのが好ましく、1〜5質量%の範囲で処理するのがより好ましい。処理量が0.1質量%未満の場合には、作業性の改善効果が充分でないことがあり、20質量%を越えると、該硬化性組成物の貯蔵安定性が低下したり、硬化物の破断強度および破断伸びが低下したりすることがある。
特に限定はされないが、重質炭酸カルシウムとコロイダル炭酸カルシウムとを組み合わせると、配合物の粘度の上昇を程々に抑え、硬化物の破断強度、破断伸び、および接着性の改善効果が大いに期待できる。
本発明の硬化性樹脂組成物中、上記炭酸カルシウムの含有量は、特に限定されないが、本発明のブロック共重合体の総量100質量部に対して、好ましくは5〜500質量部であり、より好ましくは10〜300質量部であり、さらに好ましくは50〜250質量部である。
上記炭酸カルシウムの含有量がこの範囲内であると、硬化物の破断強度、破断伸び、チクソ性、および密着性の改善効果がより向上し、硬化性組成物の作業性が向上する。
《硬化触媒》
上記硬化触媒としては、公知のシラノール縮合触媒を用いることができる。
例えば、錫系硬化触媒、および錫系硬化触媒以外の硬化触媒が挙げられる。錫系硬化触媒および錫系硬化触媒以外の硬化触媒は、前者または後者のみを使用してもよいし、両者を併用してもよい。
(錫系硬化触媒)
上記錫系硬化触媒としては、具体的には、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、およびジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫カルボン酸塩類;ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、およびジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混合物等のジアルキル錫オキサイド類;ジアルキル錫オキサイドまたはジアルキル錫ジアセテート等の4価錫化合物と、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、またはフェニルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有する低分子ケイ素化合物との反応物;オクチル酸錫、ナフテン酸錫、およびステアリン酸錫等の2価の錫化合物類;モノブチル錫トリスオクトエートまたはモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物;モノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物および混合物等のアミン系化合物と、有機錫化合物との反応物および混合物;ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジオクチル錫ビスアセチルセトナート、ジブチル錫ビスエチルアセトナート、およびジオクチル錫ビスエチルアセトナート等の錯化合物;ジブチル錫ジメチラート、ジブチル錫ジエチラート、ジオクチル錫ジメチラート、およびジオクチル錫ジエチラート等の錫アルコラート類等が挙げられる。
上記錫系硬化触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
錫系硬化触媒としては、2価錫化合物または4価錫化合物が好ましい。これらの錫化合物は、シラノール縮合触媒としての活性が高いので好ましい。
上記2価錫化合物としては、オクチル酸錫またはステアリン酸錫が好ましい。
上記4価錫化合物としては、ジアルキル錫(IV)化合物が好ましく、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジオクチル錫ビスアセチルセトナート、ジブチル錫ビスエチルアセトナート、およびジオクチル錫ビスエチルアセトナート等の錯化合物がより好ましい。ジアルキル錫(IV)錯体のなかでも、ブチル錫ビスアセチルアセトナート、およびジブチル錫ビスエチルアセトナートは最終の硬化性樹脂組成物の着色が少なく、入手が容易であるため、さらに好ましい。
上記錫系硬化触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物中、上記錫系硬化触媒の含有量は、特に限定されないが、本発明のブロック共重合体の総量100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.2〜10質量部であり、さらに好ましくは0.5〜5.0質量部である。
錫系硬化触媒の含有量がこの範囲内であると、硬化速度がより好ましい範囲内となり、また硬化反応はより十分に進行しやすくなる。また、錫系硬化触媒の含有量がこの範囲内であると、機械強度がより高い良好な硬化物が得られ易くなるほか、ポットライフがより好ましい長さとなって、作業性がより向上する点からも好ましい。
(錫系硬化触媒以外の硬化触媒)
上記錫系硬化触媒以外の硬化触媒としては、具体的には、例えば、テトラブチルチタネート、およびテトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、およびジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、およびチタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛(2−エチルヘキサン酸鉛);ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、および2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物;アミン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;等のシラノール縮合触媒;ならびに、他の酸性触媒または塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等、が例示できる。
上記錫系硬化触媒以外の硬化触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物中、上記錫系硬化触媒以外の硬化触媒の含有量は、特に限定されないが、本発明のブロック共重合体の総量100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.2〜10質量部であり、さらに好ましくは0.5〜5.0質量部である。
上記錫系硬化触媒以外の硬化触媒の含有量がこの範囲内であると、硬化速度がより好ましい範囲内となり、また硬化反応がより十分に進行し易くなる。また、錫系硬化触媒以外の硬化触媒の含有量がこの範囲内であると、機械強度がより高い良好な硬化物が得られ易くなるほか、ポットライフがより好ましい長さとなって、作業性がより向上する点からも好ましい。
《シランカップリング剤》
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤を含有すると、外力により目地幅等が変動することによって、シーリング材がサイディングボード等の被着体から剥離する危険性をより低減することができる。また、場合によっては接着性向上の為に用いるプライマーの使用の必要性がなくなり、施工作業の簡略化が期待される。
上記シランカップリング剤としては、具体例には、例えば、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、および3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、およびN−ビニルベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、および3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シランカップリング剤;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;2−カルボキシエチルトリエトキシシラン、2−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、およびN−(2−カルボキシメチル)アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシ基含有シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、および3−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シランカップリング剤;ならびに、トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート基含有シランカップリング剤等を挙げることができる。
また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、およびシリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。
上記シランカップリング剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物中、上記シランカップリング剤の含有量は、特に限定されないが、本発明のブロック共重合体の総量100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部であり、さらに好ましくは2.0〜7.0質量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物に含有するシランカップリング剤の効果は、各種被着体、すなわち、ガラス、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銅、およびモルタルなどの無機基材、または、塩ビ、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリカーボネートなどの有機基材に用いた場合、ノンプライマー条件またはプライマー処理条件下で、著しい接着性改善効果を示す。ノンプライマー条件下で使用した場合には、各種被着体に対する接着性を改善する効果が特に顕著である。
《顔料》
本発明の硬化性樹脂組成物には、さらに、公知の顔料を含有することができる。
顔料を含有すると、目地や被着体に近い色に着色することでシーリング材や接着剤を目立たなくすることが可能になる。また、カーボンブラックや酸化チタンを含有することで硬化物の耐候性が向上する効果がある。
上記顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物中、上記顔料の含有量は、特に限定されないが、本発明のブロック共重合体の総量100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは2〜30質量部であり、さらに好ましくは5〜10質量部である。上記顔料の含有量がこの範囲内であると、硬化物の破断強度および破断伸びを低下させずに着色できることが多い。
《可塑剤》
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、可塑剤を含有することが好ましい。
上記可塑剤は、特に限定されず、物性の調整、および/または、性状の調節等の目的により、適宜選択することができる。可塑剤を充填剤と併用して使用すると、得られる硬化物の伸びを大きくできたり、多量の充填剤を混合できたりするようになるため、より有利となる。
上記可塑剤としては、具体的には、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、およびペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、またはトリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ポリスチレン、またはポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、およびポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、および部分水添ターフェニル等の炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、またはエーテル基などに変換した誘導体等のポリエーテル系可塑剤;エポキシ化大豆油、およびエポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、またはフタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、またはジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類等が挙げられる。
上記可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物に配合する可塑剤としては、ポリエーテル系可塑剤および/またはアクリル系可塑剤が好ましく、ポリエーテル系可塑剤およびアクリル系可塑剤を併用することがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物にポリエーテル系可塑剤およびアクリル系可塑剤を配合すると、組成物の粘度、スランプ性、および当該組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸びなどの機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持することができる。また、当該硬化物を屋外等において使用した場合には、可塑剤の表面層へのブリードが抑えられ、埃等が付着しにくく、さらに、硬化物の表面に塗料等を塗布する場合においても、塗膜の軟化、およびそれによる塗膜の汚れが生じにくく、長期にわって美観を保つことができる。
上記ポリエーテル系可塑剤およびアクリル系可塑剤の数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは500〜15000であり、より好ましくは800〜10000であり、さらに好ましくは1000〜8000である。上記ポリエーテル系可塑剤およびアクリル系可塑剤の分子量がこの範囲内であると、硬化物が初期の特性をより長期にわたり維持することができ、作業性も良好である。
上記ポリエーテル系可塑剤の具体例としては、旭硝子社製のプレミノール S 1004F(官能基数1;平均分子量3300)、プレミノール S 3011(官能基数3;平均分子量10000)、プレミノール PML 7021(官能基数4;平均分子量13000)、プレミノール PML 3015(官能基数3,平均分子量15000)、およびプレミノール PML 7001(官能基数3,平均分子量6,000)等、ならびに、旭電化工業社製のアデカポリエーテルG−700(官能基数3,平均分子量700)、およびアデカポリエーテルG−1500(官能基数3,平均分子量1500)等が挙げられる。
また、上記アクリル系重合体の具体例としては、東亜合成社製のアルフォン UP−1000(平均分子量3000)、アルフォン UP−1110(平均分子量2500)、およびアルフォン UP−1170(平均分子量8000)等、ならびに、ジョンソンポリマー社製のJDX−P1000、JDX−P1010、およびJDX−P1020等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物中、上記可塑剤の含有量は、特に限定されないが、本発明のブロック共重合体の総量100質量部に対して、好ましくは10〜200質量部であり、より好ましくは20〜150質量部であり、さらに好ましくは30〜100質量部である。
上記可塑剤の含有量がこの範囲内であると、硬化物の柔軟性をよりよく発現し、硬化物の機械強度も十分なものとなる。
《その他の添加剤》
本発明の硬化性樹脂組成物には、硬化性樹脂組成物または硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加剤の例としては、例えば、炭酸カルシウム以外の充填剤、チクソ性付与剤(垂れ防止剤)、光硬化性物質、酸化防止剤、難燃剤、硬化性調整剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、および発泡剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
[硬化性樹脂組成物の製造方法]
本発明の硬化性樹脂組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製してもよく、別途硬化触媒を充填剤、可塑剤、水等の成分を配合することで硬化剤として、配合材と重合体組成物を使用前に混合する2成分型として調整しても良い。
2成分型にすると、2成分の混合時に着色剤を添加することができ、例えば、サイディングボードの色に合わせたシーリング材を提供する際に、限られた在庫で豊富な色揃えをすることが可能となるなど、市場から要望されている多色化対応が容易となり、低層建物用等により好ましい。
着色剤は、例えば顔料と可塑剤、場合によっては充填剤を混合しペースト化したものを用いると作業し易い。また、さらに2成分の混合時に遅延剤を添加することにより硬化速度を作業現場にて微調整することができる。
[硬化物の用途]
本発明の硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、建築用弾性シーリング材、複層ガラス用シーリング材、接着剤、弾性接着剤、コーティング材、ガスケット、注型材料、各種成形材料、人工大理石、および、網入りガラスまたは合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車や船舶、家電等に使用される防振・制振・防音・免震材料、自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤等の様々な用途に利用可能である。なかでも、接着剤、シーリング材、または液状ガスケットとして、より好適に利用可能である。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[合成例1]
〈末端にアリル基を有するポリプロピレンオキサイドの合成〉
数平均分子量10000のポリプロピレンオキシド(プレミノール S 4012,旭硝子社製;“プレミノール”は登録商標)の水酸基に対し、1.2倍当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、水酸基をナトリウムアルコキシドとし、さらに、1.2倍当量の塩化アリルを添加して水酸基をアリルオキシ基に変換した。
未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、オキシプロピレン鎖の末端にアリル基を有するポリプロピレンオキサイド(以下「オキシプロピレン重合体(α)」という場合がある。)を得た。
[合成例2]
〈末端にアリル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)の合成〉
還流管をつけた1Lの三口丸底フラスコに臭化第一銅(2.80g)、アセトニトリル(22mL)、及び、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン(4.1mL)を仕込み、窒素ガスで置換した。アクリル酸−n−ブチル(200g)、及び、ジエチル−2,5−ジブロモアジペート(7.0g)を添加し、70℃で7時間加熱撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、活性アルミナで処理した。揮発分を減圧下留去し、下式に示す両末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を150g得た(重合収率87%)。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により10700、分子量分布は1.15であった。
得られた重合体濃縮物に、1,7−オクタジエン、アセトニトリル(溶媒)、および1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミンを添加して、反応液の温度を80〜90℃に調節しながら数時間加熱および攪拌して、重合体末端にオクタジエンを反応させた。揮発分を減圧除去して末端にアリル基を有する重合体を得た。
得られた末端にアリル基を有する重合体をトルエンで希釈し、ろ過助剤、吸着剤(ケイ酸アルミニウム;キョーワード700SEN,協和化学工業社製;“キョーワード”は登録商標)、およびハイドロタルサイト(キョーワード500SH,協和化学工業社製)を添加して80〜100℃に加熱し、攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、重合体粗精製物を得た。
得られた重合体粗精製物に、熱安定剤(スミライザーGS,住友化学社製;“スミライザー”は登録商標)、および吸着剤(キョーワード700SEN,協和化学工業社製;キョーワード500SH,協和化学工業社製)を添加して、減圧脱気および加熱攪拌しながら昇温し、170〜200℃で数時間、減圧攪拌した。さらにトルエンで希釈した後にろ過した。
ろ液を濃縮し、末端にアリル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)(以下「ビニル系重合体(β)」という場合がある。)を得た。
得られた重合体のGPC測定により求めた数平均分子量(ポリスチレン換算)は10800であり、分子量分布は1.20であった。
[合成例3]
〈末端炭素原子に水酸基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)の合成〉
還流管をつけた1Lの三口丸底フラスコに臭化第一銅(2.80g)、アセトニトリル(22mL)、及び、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン(4.1mL)を仕込み、窒素ガスで置換した。アクリル酸−n−ブチル(200g)、及び、ジエチル−2,5−ジブロモアジペート(7.0g)を添加し、70℃で7時間加熱撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、活性アルミナで処理した。揮発分を減圧下留去し、下式に示す両末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を150g得た(重合収率87%)。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により10700、分子量分布は1.15であった。
得られた重合体濃縮物に、4−ペンテン−1−オール、アセトニトリル(溶媒)、および1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミンを添加して、反応液の温度を80〜90℃に調節しながら数時間加熱および攪拌して、重合体末端に4−ペンテン−1−オールを反応させた。揮発分を減圧除去して末端の炭素原子(本合成例では「末端炭素原子」と略す。)に水酸基を有する重合体を得た。
得られた末端炭素原子に水酸基を有する重合体をトルエンで希釈し、ろ過助剤、吸着剤(ケイ酸アルミニウム;キョーワード700SEN,協和化学工業社製)、およびハイドロタルサイト(キョーワード500SH,協和化学工業社製)を添加して80〜100℃に加熱攪拌してろ過した。ろ液を濃縮し、重合体粗精製物を得た。
得られた重合体粗精製物に、熱安定剤(スミライザーGS,住友化学社製)、および吸着剤(キョーワード700SEN,協和化学工業社製;キョーワード500SH,協和化学工業社製)を添加して、減圧脱気および加熱攪拌しながら昇温し、170〜200℃で数時間、減圧攪拌した。さらにトルエンで希釈した後にろ過した。
ろ液を濃縮し、末端炭素原子に水酸基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)(以下「ビニル系重合体(γ)」という場合がある。)を得た。
得られた重合体のGPC測定により求めた数平均分子量(ポリスチレン換算)は10800であり、分子量分布は1.20であった。
[合成例4]
〈末端に加水分解性シリル基を有するポリプロピレンオキサイドの合成(1)〉
オートクレーブにヘキサシアノコバルト酸亜鉛−グライム錯体0.04g、ジプロピレングリコール2.0gのTHF溶液、プロピレンオキサイド9.6gを添加し、窒素雰囲気下、76℃で反応させた。その後プロピレンオキサイド145.2gを反応系に追加した。未反応モノマーと溶媒を回収、精製し、油状の生成物150gを得た。得られた生成物はGPC分析で単一ピークを示し、分子量分布(Mw/Mn)は1.14であった。またその水酸基価は、10.5mgKOH/gであった。
上記で得られた末端に水酸基を有するポリプロピレンオキサイド120gにナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28質量%)5.2gを加え、オートクレーブ中で130℃で1時間反応させた後、減圧脱揮した。窒素雰囲気下に戻し、塩化アリル2.5gを添加し、2時間反応させた。
この反応混合物をヘキサンに溶解し、ケイ酸アルミニウムで吸着処理した後ヘキサンを減圧留去することにより末端に不飽和基(アリル基)を有するポリプロピレンオキサイドを得た。
上記の合成で得られた末端に不飽和基(アリル基)を有するポリプロピレンオキサイド120gを耐圧ガラス製反応容器に仕込み、塩化白金酸の2−プロパノール溶液(25gのHPtCl6・6HOを500gの2−プロパノールに溶解したもの)0.02gを添加後、30分攪拌した。メチルジメトキシシラン1.9gを滴下し90℃で2時間反応させた。減圧することにより揮発分を除去し、末端に加水分解性シリル基を有するポリプロピレンオキサイド(以下「オキシプロピレン重合体(δ)」という場合がある。)を得た。
得られた重合体のGPC測定により求めた数平均分子量(ポリスチレン換算)は19000であり、分子量分布は1.14であった。
[合成例5]
〈末端に加水分解性シリル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)の合成(1)〉
還流管をつけた1Lの三口丸底フラスコに臭化第一銅(0.84g)、アセトニトリル(22mL)、及び、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン(1.2mL)を仕込み、窒素ガスで置換した。アクリル酸−n−ブチル(200g)、及び、ジエチル−2,5−ジブロモアジペート(3.5g)を添加し、70℃で7時間加熱撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、活性アルミナで処理した。揮発分を減圧下留去し、下式に示す両末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を150g得た(重合収率90%)。
得られた重合体のGPC測定により求めた数平均分子量(ポリスチレン換算)は22000であり、分子量分布は1.20であった。
得られた重合体濃縮物に、1,7−オクタジエン、アセトニトリル(溶媒)、および1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミンを添加して、反応液の温度を80〜90℃に調節しながら数時間加熱および攪拌して、重合体末端にオクタジエンを反応させた。揮発分を減圧除去して末端にアリル基を有する重合体を得た。
得られた末端にアリル基を有する重合体をトルエンで希釈し、ろ過助剤、吸着剤(ケイ酸アルミニウム;キョーワード700SEN,協和化学工業社製;“キョーワード”は登録商標)、およびハイドロタルサイト(キョーワード500SH,協和化学工業社製)を添加して80〜100℃に加熱し、攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、重合体粗精製物を得た。
得られた重合体粗精製物に、熱安定剤(スミライザーGS,住友化学社製;“スミライザー”は登録商標)、および吸着剤(キョーワード700SEN,協和化学工業社製;キョーワード500SH,協和化学工業社製)を添加して、減圧脱気および加熱攪拌しながら昇温し、170〜200℃で数時間、減圧攪拌した。さらにトルエンで希釈した後にろ過した。ろ液を濃縮し、末端にアリル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)を得た。
得られた重合体のGPC測定により求めた数平均分子量(ポリスチレン換算)22500であり、分子量分布は1.20であった。
上記の合成で得られた末端に不飽和基(アリル基)を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)120gを耐圧ガラス製反応容器に仕込み、塩化白金酸の2−プロパノール溶液(25gのHPtCl6・6HOを500gの2−プロパノールに溶解したもの)0.02gを添加後、30分攪拌した。メチルジメトキシシラン1.6gを滴下し90℃で2時間反応させた。減圧することにより揮発分を除去し、末端に加水分解性シリル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)(以下「ビニル系重合体(ε)」という場合がある。)を得た。
得られた重合体のGPC測定により求めた数平均分子量(ポリスチレン換算)は23000であり、分子量分布は1.21であった。
[合成例6]
〈末端に加水分解性シリル基を有するポリプロピレンオキサイドの合成(2)〉
合成例1で合成した末端にアリル基を有するポリプロピレンオキサイド120gを耐圧ガラス製反応容器に仕込み、塩化白金酸の2−プロパノール溶液(25gのHPtCl6・6HOを500gの2−プロパノールに溶解したもの)0.02gを添加後、30分攪拌した。メチルジメトキシシラン3.6gを滴下し90℃で2時間反応させた。減圧することにより揮発分を除去し、末端に加水分解性シリル基を有するポリプロピレンオキサイド(以下「オキシプロピレン重合体(ζ)」という場合がある。)を得た。
得られた重合体のGPC測定により求めた数平均分子量(ポリスチレン換算)は11000であった。
[合成例7]
〈末端に加水分解性シリル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)の合成(2)〉
合成例2で得られた末端に不飽和基(アリル基)を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)120g、を耐圧ガラス製反応容器に仕込み、塩化白金酸の2−プロパノール溶液(25gのHPtCl6・6HOを500gの2−プロパノールに溶解したもの)0.02gを添加後、30分攪拌した。メチルジメトキシシラン3.6gを滴下し90℃で2時間反応させた。減圧することにより揮発分を除去し、末端に加水分解性シリル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)(以下「ビニル系重合体(η)」という場合がある。)を得た。
得られた重合体のGPC測定により求めた数平均分子量(ポリスチレン換算)は11000であり、分子量分布は1.21であった。
[実施例1]
〈ブロック共重合体1の合成〉
オートクレープにビニル系重合体(γ) 100gのTHF溶液を投入し、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、窒素雰囲気下攪拌しながら75℃まで昇温した。さらに合計100gのプロピレンオキサイドを昇温に注意しながら分割投入し、ビニル系重合体(γ)をプロピレンオキサイドと反応させた。
反応後、残留モノマーと溶媒を減圧除去してポリオキシプロピレン鎖の末端に水酸基を有するブロックポリマーを得た。
次に、合成例1と同様の方法により水酸基をアリルオキシ基に変換した、ポリオキシプロピレン鎖の末端にアリルオキシ基を有する末端をアリル化した。
その後、窒素置換された反応容器に、1,1,3,3−テトラメチルジビニルシロキサン白金錯体(VTS錯体)を白金が2ppmになるように添加して、30分攪拌した。
さらに、ジメトキシメチルシランを加えて70℃で5時間反応させた。
反応後、減圧により揮発分を除去し、末端に加水分解性シリル基を有するブロック共重合体(以下「ブロック共重合体1」という場合がある。)を得た。
[実施例2]
〈ブロック共重合体2の合成〉
窒素置換された反応容器にオキシプロピレン重合体(α)およびビニル系重合体(β)をそれぞれ100g投入して攪拌した後に、1,1,3,3−テトラメチルジビニルシロキサン白金錯体(VTS錯体)を白金が2ppmになるように添加して、30分攪拌した。
次に、下記式で表される鎖延長化剤をアリル基に対して0.5当量添加し、70℃で5時間反応させた。
反応後、上記鎖延長化剤と等molのジメトキシメチルシランを加え、70℃で5時間反応させた。
反応後、減圧により揮発分を除去して、ポリプロピレンオキシドブロック、ポリ(アクリル酸n−ブチル)ブロック、およびブロック間を連結する下記式で表される接合単位を含み、末端に加水分解性シリル基を有するブロック共重合体(以下「ブロック共重合体2」という場合がある。)を得た。
上記接合単位中、*はポリプロピレンオキシドブロックまたはポリ(アクリル酸n−ブチル)ブロックとの連結点を表す。
[比較例1〜5]
〈硬化性樹脂組成物の調製〉
表1に示す各成分をそれぞれの配合量で配合し、硬化性樹脂組成物を調製した。
〈評価試験〉
上記のようにして得られた硬化性樹脂組成物を用いて、以下の評価試験を実施した。
《作業性》
(粘度)
得られた各硬化性樹脂組成物の調製後、23℃で1日放置した後に、BS型粘度計(東機産業株式会社製)、No7ロータを用いて、23℃の条件下で回転速度1rpmで粘度を測定した。
粘度の評価基準は次のとおりとした。
4000 Pa・s以下 「○」(良い)
4000Pa・s超5000Pa・s以下 「△」(中程度)
5000Pa・s超 「×」(悪い)
(チクソトロピーインデックス)
得られた各硬化性樹脂組成物の調製後、23℃で1日放置した後に、BS型粘度計(東機産業株式会社製)、No7ロータを用いて、23℃の条件下で回転速度1rpmおよび10rpmで測定し、得られた粘度の値を下記式にあてはめてチクソトロピーインデックス(TI)を求めた。TIは、下記式に示すように、回転数が10rpmの時の粘度の値に対する回転数が1rpmの時の粘度の値の比である。
TI=(回転数が1rpmの時の粘度の値)/(回転数が10rpmの時の粘度の値)
チクソトロピーインデックス(TI)の評価基準は次のとおりとした。
TI≧6.0 「○」(良い)
5.5≦TI<6.0 「△」(中程度)
TI<5.5 「×」(悪い)
《引張特性》
JIS A 1439:2010「建築用シーリング材の試験方法」に準じて破断強度および破断伸びを測定した。
アルミニウム板にプライマー(商品名「プライマーNo.40」、横浜ゴム社製)を塗布し、H型試験片を作製し、これに得られた各硬化性樹脂組成物を打設し、23℃で7日間、30℃で7日間養生した後の硬化物の破断時の強度(破断強度)、および破断時の伸び(破断伸び)を島津(株)製オートグラフを用いて引張速度200mm/分で引張試験(23℃、50%R.H.)を行い、測定した。
(破断強度)
破断強度(Tb)の評価基準は次のとおりとした。
Tb≧0.30MPa 「○」(良い)
0.20MPa≦Tb<0.30MPa 「△」(中程度)
Tb<0.20MPa 「×」(悪い)
(破断伸び)
破断伸び(Eb)の評価基準は次のとおりとした。
Eb≧300% 「○」(良い)
250%≦Eb<300% 「△」(中程度)
Eb<250% 「×」(悪い)
《耐候性》
硬化性組成物を厚さ約3mmのシート状試験体にして23℃×3日、50℃×4日の養生を行って硬化させた後、アルミ板にはりつけてメタルハライドウェザーメーター(ダイプラウィンテス社製)を用いて、500時間の促進耐候性試験を行った。
耐候性の評価基準は次のとおりとした。
試験片表面にヘアクラックがない、または少ない 「○」(良好)
試験片表面にヘアクラックが多数あり 「×」(不良)
表1中、硬化性樹脂組成物の各成分は以下のとおりである。
・ポリマー
ブロック共重合体1 実施例1で合成したブロック共重合体1
ブロック共重合体2 実施例2で合成したブロック共重合体2
オキシプロピレン重合体δ 合成例4で合成したオキシプロピレン重合体(δ)
ビニル系重合体ε 合成例5で合成したビニル系重合体(ε)
オキシプロピレン重合体ζ 合成例6で合成したオキシプロピレン重合体(ζ)
ビニル系重合体η 合成例7で合成したビニル系重合体(η)
・炭酸カルシウム
コロイダル炭酸カルシウム カルファイン200M(丸尾カルシウム社製;“カルファイン”は登録商標)
表面処理重質炭酸カルシウム ライトンA−4(白石カルシウム社製)
・酸化チタン
酸化チタン(ルチル型) R−820(石原産業社製)
・可塑剤
アクリルポリマー系可塑剤 アルフォン UP−1000(東亜合成社製;“アルフォン”は登録商標)
ポリオール系可塑剤 プレミノール PML 4002(旭硝子社製;“プレミノール”は登録商標)
・シランカップリング剤
ビニル基含有シランカップリング剤 KBM−1003(信越シリコーン社製)
アミノ基含有シランカップリング剤 KBM−603(信越シリコーン社製)
・硬化触媒
ジブチル錫 ネオスタン U−220H(日東化成社製)
表1に示されるとおり、実施例1および2のブロック共重合体は作業性、引張特性および耐候性がすべて良好であった。
一方、比較例1〜6の重合体、または重合体のブレンドは、作業性、引張特性および耐候性のうち少なくとも1つに欠点が認められた。
また、比較例1および2と比較例3、比較例4および5と比較例6との対比から、オキシプロピレン重合体とビニル系重合体とをブレンドにしても、互いの欠点を補えるものではないことが示唆された。

Claims (10)

  1. オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、前記オキシアルキレン重合体ブロック(A)以外の有機重合体ブロック(B)と、を含み、下記式(1)で表される架橋性シリル基(C)を少なくとも1個有するブロック共重合体であって、
    前記ブロック共重合体はウレタン結合を含まない、ブロック共重合体。
    −[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (1)
    式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を表し、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Yは水酸基または加水分解性基を表し、Yが2個以上存在するときは、それらは同一であって異なっていてもよく、R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、3個のR’は互いに同一であって異なっていてもよい。aは0,1,2,または3であり、bは0,1,または2であり、mは0〜19の整数である。ただし、1、bおよびmは、a+mb≧1を満足する。
  2. 前記有機重合体ブロック(B)がビニル系重合体ブロックである、請求項1に記載のブロック共重合体。
  3. ポリスチレン換算数平均分子量が8000〜50000である、請求項1または2に記載のブロック共重合体。
  4. 前記オキシアルキレン重合体ブロック(A)の繰返し単位の合計モル数と前記有機重合体ブロック(B)の繰返し単位の合計モル数の比が10:90〜90:10である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブロック共重合体。
  5. さらに、下記式(2)で表される接合単位(X)を含み、
    前記オキシアルキレン重合体ブロック(A)と、前記有機重合体ブロック(B)とが、前記接合単位(X)によって結合している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のブロック共重合体。
    −Si(R11)(R12)−[L−Si(R13)(R14)]− (2)
    式(2)中、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を表し、Lはウレタン結合を含まない2価の有機連結基を表し、nは0または1である。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のブロック共重合体を含む硬化性樹脂組成物。
  7. さらに、炭酸カルシウムおよび硬化触媒を含む、請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 前記硬化触媒が2価錫化合物または4価錫化合物である、請求項7に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 末端近傍の炭素原子に水酸基が結合し、かつ、ウレタン結合を含まない、オキシアルキレン重合体以外の有機重合体(D)に、アルキレンオキサイドを付加反応して、ポリオキシアルキレン鎖の末端に水酸基を有するブロック共重合体(E)を合成する工程と、
    前記ブロック共重合体(E)にアルケニル基含有化合物を反応させて、ポリオキシアルキレン鎖の末端にアルケニルオキシ基を有するブロック共重合体(F)を合成する工程と、
    前記ブロック共重合体(F)に下記式(1’)で表される化合物(C’)を付加反応させ、架橋性シリル基を有するブロック共重合体を合成する工程と、
    を備える、ブロック共重合体の製造方法。
    H−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (1’)
    式(1’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を表し、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Yは水酸基または加水分解性基を表し、Yが2個以上存在するときは、それらは同一であって異なっていてもよく、R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、3個のR’は互いに同一であって異なっていてもよい。aは0,1,2,または3であり、bは0,1,または2であり、mは0〜19の整数である。ただし、1、bおよびmは、a+mb≧1を満足する。
  10. 末端にアルケニル基を有し、かつ、ウレタン結合を含まないオキシアルキレン重合体(E)、および、末端にアルケニル基を有し、かつ、ウレタン結合を含まない、オキシアルキレン重合体以外の有機重合体(F)と、下記式(2’)で表される化合物(X’)と、をヒドロシリル化反応により結合して、末端にアルケニル基を有するブロック共重合体(G)を合成する工程と、
    前記ブロック共重合体(G)に下記式(1’)で表される化合物(C’)を付加反応させ、架橋性シリル基を有するブロック共重合体を合成する工程と、
    を備える、ブロック共重合体の製造方法。
    H−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (1’)
    式(1’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を表し、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Rが2個以上存在するときは、それらは同一であっても異なっていてもよく、Yは水酸基または加水分解性基を表し、Yが2個以上存在するときは、それらは同一であって異なっていてもよく、R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、3個のR’は互いに同一であって異なっていてもよい。aは0,1,2,または3であり、bは0,1,または2であり、mは0〜19の整数である。ただし、1、bおよびmは、a+mb≧1を満足する。
    H−Si(R11)(R12)−[L−Si(R13)(R14)]−H (2’)
    式(2’)中、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を表し、Lはウレタン結合を含まない2価の有機連結基を表し、nは0または1である。
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