JP2018021766A - 布帛状センサ - Google Patents

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Shunsuke Kanematsu
俊介 兼松
小野 雄平
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Abstract

【課題】柔軟、薄型で、かつ耐久性が高い、人体荷重を選択的に検知できる布帛状センサおよびこれを含むデバイスを得る。【解決手段】2枚の導電性布帛を積層し、その間に特定の物性を持つスペーサを入れることにより特定の寸法の空隙を設けた、スイッチ型の布帛状センサとする。【選択図】図1

Description

本発明は、布帛状センサおよびこれを含むデバイスに関する。
近年、高齢化社会の進展や、社会の安全・安心に関するニーズの高まりに伴い、使用者の状態を検知するベッドや椅子が求められている。例えば、病院にて十分な運動機能を有していない使用者が、一人でベッドから立ち上がる際に転倒し、怪我をしてしまう事態が多く発生しており、ベッドでの起き上がりやベッドからの立ち上がりを検知できるセンサが求められている。
そのようなセンサとしては、使用者が乗った時の荷重に反応して出力が変わるセンサを用いるのが一般的である。そのようなセンサの1つの例として、特許文献1には帯状のスイッチ型センサが開示されているが、部材として金属あるいは硬質樹脂のケースが用いられており、かつ多数の部材を重ねているため厚みがあり、使用者が乗った際に使用者にセンサの存在を感知され、使用者が監視されているという精神的負担を与えてしまう可能性が高い。他の例として特許文献2には、ベッド用センサの部材としてゴムを基材としたチューブ状センサが示されているが、寝床に用いられる布やマットレスに比べるとチューブは硬く、使用者が乗った際に使用者にセンサの存在を感知されしまう可能性が高い。これらの例のようなセンサを用いる場合、使用者に違和感を与えないためには、特許文献2のようにマットレスの下にセンサを配置することが必要であるが、使用者の体重がマットレスを介してセンサに伝わるため、検知精度、特に位置精度の点で問題がある。センサの位置精度を高く保ち、かつ使用者に監視されているという精神的負担を与えないために、使用者近傍のマットレス上に配置しても、使用者が乗った際にその存在を感知させないような柔軟かつ薄型のセンサであることが求められる。
このような柔軟かつ薄型の押圧検知センサとして、特許文献3、4に示す布状の感圧センサや特許文献5に示す布スイッチや、特許文献6に示すフィルムスイッチが公開されている。このうち特許文献3の静電容量方式のセンサでは、静電容量の検出に高周波回路が必要であり、検出回路および消費電力が大きくなるおそれがある。また、特許文献4のスイッチ方式のセンサでは、押圧されていない状態で互いに接触しないよう設計されている2本の電極が、非常に近接して1枚の布中に配置されているため、使用中にシワが入ることや、押圧を継続することで布組織が押し潰されたまま戻らなくなる(へたる)ことにより、押圧されていない状態でも容易に2本の電極間が接触したままとなってしまい、押圧されていない状態を正常に検知できなくなる可能性が高い。
特許文献5の布スイッチでは、強力な力で押した場合にも性能が保たれるよう、比較的厚みのあるゴム等の弾性材によって部分的に電極間を保持しており、人体の下に長時間敷いて使用した場合には違和感を与える可能性が高いことに加え、弾性材が当たった部分の皮膚に集中的に荷重がかかることにより、褥瘡の発生の可能性も高いと考えられる。特許文献6のフィルムスイッチは薄型であるが、フィルムを用いているため、異なった方向に同時に折り畳むいわゆる4つ折りのような変形や、シワのような変形に対する耐久性が布を使用した場合に比べて低い。このように、使用者の押圧を検知でき、使用者にその存在を感知されないような柔軟、薄型のセンサには、いまだに課題があるのが現状である。
特開平8−171833号公報 特開2004−154242号公報 特開2011−102457号公報 特表2003−529901号公報 実用新案登録第3036032号公報 実用新案登録第3139400号公報
本発明の目的は、柔軟、薄型で、かつ耐久性が高い、人体荷重を選択的に検知できる布帛状センサおよびこれを含むデバイスを提供することにある。
本発明者らは、2枚の導電性布帛を積層し、その間に特定の物性を持つスペーサを入れることにより特定の寸法の空隙を設けた、スイッチ型の布帛状センサとすることで、使用者に違和感を与えないような柔軟性を確保しつつ、人体荷重を長期的に精度よく検知するセンサとして用いることができることを発見して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
1.第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが積層され、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間の一部の領域にスペーサが挟まれ、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間の該スペーサがない部分が空隙となるよう該スペーサによって保持されており、押圧により第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが短絡すること検知して押圧を検出する布帛状センサであって、
該スペーサは50%圧縮応力が4.3kPa以上20kPa以下、かつ40kPa圧縮10秒後の復元率が50%以上100%以下であり、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間の空隙の高さが3mm以上6mm以下であり、幅が15mm以上35mm以下である、布帛状センサ。
本発明には以下も包含される。
2.前記布帛状センサを上から見た平面図において、第1の導電性布帛の導電性領域と第2の導電性布帛の導電性領域とが重なる領域を有し、第1の導電性布帛の導電性領域は、前記重なる領域を通る1つの直線上の寸法が2mm以上となる1つの直線を有し、前記重なる領域を通って、前記1つの直線からθ度(0<θ≦90)の傾きをもつ別の1つの直線上の、第2の導電性布帛の導電性領域の寸法が(2/sinθ)mm以上となる、
前記1に記載の布帛状センサ。
3.前記第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが、繊維により連結されている、
前記1または2に記載の布帛状センサ。
4.前記第1の導電性布帛または第2の導電性布帛のうち少なくとも一方が絶縁性の領域を有しており、該絶縁性の領域の幅は5mm以上であり、該絶縁性の領域において第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが繊維により連結されている、
前記3に記載の布帛状センサ。
5.前記1に記載の布帛状センサと、
前記布帛状センサの状態を検出する検出手段と、
を備えるデバイス。
6.前記検出手段から出力された電気信号を外部機器へ送信する送信手段をさらに備える、
前記5に記載のデバイス。
7.前記布帛状センサを含む複数の布帛状センサを更に備え、
前記検出手段は、前記複数の布帛状センサの各々の状態を検出し、前記検出された複数の状態に基づいて、前記監視対象の状態を検出する、
前記5または6に記載のデバイス。
本発明によれば、使用者に違和感を与えないような柔軟性を確保しつつ、人体荷重を長期的に精度よく検知するスイッチ型の布帛状センサおよびこれを含んだ使用者の状態検知用デバイスを得ることができる。
本発明の布帛状センサの構成例を示す部分断面図である。 図1の布帛状センサが押された状態を示す部分断面図である。 本発明の布帛状センサと電気配線との関係を示す模式図である。 Aは本発明の布帛状センサの他の構成例を示す部分断面図であり、Bはその上面図である。 Aは本発明の布帛状センサのさらに他の構成例を示す部分断面図であり、Bはその上面図である。 Aは本発明の布帛状センサのさらに他の構成例を示す部分断面図であり、Bはその上面図である。 Aは本発明の布帛状センサのさらに他の構成例を示す部分断面図であり、Bはその上面図である。 本発明のさらに他の布帛状センサを示す上面図である。 本発明の布帛状センサを用いたデバイスを例示するブロック図である。 本発明の布帛状センサを用いた離床検知デバイスの構成例を示す模式図である。 本発明の布帛状センサを用いた離床検知デバイスで使用者の状態を検出するための判定表である。 本発明の布帛状センサを用いた離床検知デバイスの動作例を示すフローチャートである。 本発明の布帛状センサを用いた離床検知デバイスの伸縮性布帛の位置の例を示す模式図である。 本発明の布帛状センサを用いた離床検知デバイスの伸縮性布帛の位置の例を示す模式図である。 本発明の布帛状センサを用いた離床検知デバイスの伸縮性布帛の位置の例を示す模式図である。
本発明によれば、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが積層され、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間の一部の領域には特定の性能を有する可撓性のスペーサが挟まれ、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間の該スペーサがない部分が空隙となるよう該スペーサによって保持されており、押圧により第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが短絡すること検知して押圧を検出するスイッチ型の布帛状センサであって、使用者に違和感を与えないような柔軟性を確保しつつ、人体荷重を長期的に精度よく検知するスイッチ型の布帛状センサが提供される。以下に具体的に説明する。
図1は本発明の布帛状センサの構成例を示す部分断面図である。布帛状センサ1は、第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とスペーサ14とを備える。第1の導電性布帛11とスペーサ14と第2の導電性布帛12とはこの順に積層される。また、第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12との間にはスペーサ14により空隙22が形成される。
図2は、図1の布帛状センサ1が図の上部から押圧力Pによって押圧された時の布帛状センサを示す。布帛状センサ1が押圧された時にはスペーサ14が圧縮されるとともに第1の導電性布帛11あるいは第2の導電性布帛12が変形し、第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触し、短絡した状態となり、押圧が除かれるとスペーサの弾性により図1の状態に戻り、第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とは離れて絶縁された状態となる。即ち、布帛状センサ1は押圧された時にオンとなるスイッチとして機能する。
図3は本発明の布帛状センサと電気配線との関係を示す模式図である。検出器30は電気配線31を介して第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12に接続され、第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが短絡しているか否かを検出し、布帛状センサ1の押圧状態を検知する。
第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12は表面に導電性領域を有する布帛である。ただし布帛とは、多くの繊維を薄く広く板状に形成したものであり、織物、編物、不織布、フエルト、紙に例示される。本発明の目的を達成するため、第1の導電性布帛11−1および第2の導電性布帛12布帛は薄く、外力に対し柔軟に変形可能であることが必要である。厚みは1mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12として、導電性繊維を経糸および緯糸として織物としたものや、絶縁性の布帛の表面全域に導電性材料による被覆を施したものなど、布帛の表面全域が導電性を示すものを用いてもよいし、導電性繊維を経糸あるいは緯糸の一部として織物としたものや、絶縁性の布帛に導電性繊維を縫い付けたものなど、布帛の表面の一部が導電性を示すものでもよい。ここで導電性があるとは、スイッチの部材として機能する程度に導電性領域の抵抗値が低いことを指す。導電性領域の抵抗値は、検出器の入力抵抗にもよるが、一般的な電圧検出型の検出器を用いる場合は1MΩ以下が好ましく、1kΩ以下がより好ましい。本発明の目的を達成するため、導電性領域は可撓性を有し、導電性布帛の一部として外力に対し柔軟に変形可能であることが必要である。このような導電性布帛として、セーレン株式会社製の銅ニッケルめっきポリエステル織物「Sui−10−511M」や、絶縁性織物にミツフジ株式会社製の銀メッキナイロン糸「AGposs 100d」を縫い付けたものや、絶縁性織物に日本蚕毛染色株式会社製の硫化銅メッキポリエステル繊維「ES 84T/36F」を縫い付けたものや、絶縁性繊維にデュポン エレクトロニクスマテリアル株式会社製の柔軟銀ペースト「PE873」を塗布・固化させたものが好ましい例として挙げられる。導電性領域に導電性繊維を用いる場合は、前述した導電性繊維の他、PEDOT−PSSなどの導電性高分子を被覆した繊維や、導電性炭素を混合した繊維を用いることもできる。また、十分に細い金属線を含む撚り線を導電性繊維として用いることもできる。
第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12のそれぞれの導電性領域は、少なくとも一部が空隙22に露出しており、空隙22を挟んで互いに向かいあって配置されていることで、押圧に対してスイッチとして機能することができる。例えば図4に示す布帛状センサ1のように、第1の導電性布帛11の片面の一部にのみ導電性領域13−1を有しており、第2の導電性布帛12の片面の一部にのみ導電性領域13−2を有しており、導電性領域13−1あるいは13−2以外の部分は絶縁性であってもよい。ただし、第1の導電性布帛の導電性領域および第2の導電性布帛の導電性領域が非常に狭い場合、例えば導電性領域13−1および13−2のいずれもが、絶縁性布帛に直線状に縫い付けられた直径1mm直径未満の導電性繊維により互いに平行に形成されている場合では、押圧されていない状態での上面図では導電性領域13−1と13−2とが重なっていても、押圧によって水平方向(図4Aの横方向)に1mm以上ずれた状態で第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触する結果、両布帛の導電性領域同士が接触せず、正確に押圧を検出することができなくなる可能性が高い。これを避けるため、第1の導電性布帛の導電性領域あるいは第2の導電性布帛の導電性領域の少なくとも一部は、押圧により他方の導電性領域に十分な広さで重なるよう配置されていることが必要となる。具体的には、布帛状センサ1を上から見た平面図において、第1の導電性布帛11の導電性領域と第2の導電性布帛12の導電性領域とが重なる領域を有し、第1の導電性布帛11の導電性領域は、前記重なる領域を通る1つの直線上の寸法が2mm以上となる1つの直線を有し、前記重なる領域を通り、前記1つの直線からθ度(0<θ≦90)の傾きをもつ別の1つの直線上の、第2の導電性布帛12の導電性領域の寸法が(2/sinθ)mm以上となることが好ましい。上記の2本の直線は布帛状センサの形状を判定するための仮想的なものであり、実際の布帛状センサ上に描かれている必要はない。言い換えると、布帛状センサ1を上から見た平面図において、第1の導電性布帛11の導電性領域と第2の導電性布帛12の導電性領域とが重なる領域を有し、前記重なる領域を通ってθ度(0<θ≦90)で交わる2本の直線Aと直線Bについて、「第1の導電性布帛11の導電性領域の、直線A上の寸法が2mm以上であり、第2の導電性布帛12の導電性領域の、直線B上の寸法が(2/sinθ)mm以上である」という条件を満たす直線Aと直線Bとの組が少なくとも1組存在することが好ましい。直線Aおよび直線Bは布帛状センサの形状を判定するための仮想的なものであり、実際の布帛状センサ上に描かれている必要はない。
図4Aは本発明の布帛状センサの好ましい他の構成例を示す部分断面図であり、図4Bは図4Aを上から見た平面図である。第1の導電性布帛11の導電性領域13−1は絶縁性布帛基材表面に2mm以上の幅(図4Bの縦方向)をもって長尺方向(図4Bの横方向)に延在しており、例えば導電性金属を絶縁性布帛基材表面に帯状にめっきすることで形成されている。第2の導電性布帛12の導電性領域13−2は絶縁性布帛基材表面に2mm未満の幅(図4Bの縦方向)を持って長尺方向(図4Bの横方向)に2mm以上の長さで延在しており、例えば導電性繊維を上糸として絶縁性布帛にミシンで直線縫いすることで形成されている。この例では、布帛状センサ1を上から見た平面図(図4B)において第1の導電性布帛11の導電性領域13−1と第2の導電性布帛12の導電性領域13−2とが重なる領域は、図4Bの第1の導電性布帛11の中央に横に長く延在しており、その重なる領域を通って図4Bの縦方向に延びる1つの直線A上の第1の導電性布帛11の導電性領域13−1の寸法は2mm以上である。前記導電性領域の重なる領域を通って、縦方向の直線Aに対してθ=90度、すなわち図4Bの横方向に延びる直線B上の、第2の導電性布帛12の導電性領域13−2の寸法は(2/sinθ)=2mm以上であり、前述の条件を満たしている。直線A上の第1の導電性布帛11の導電性領域13−1の寸法は、好ましくは5mm以上がさらに好ましく、10mm以上がとりわけ好ましい。直線B上の第2の導電性布帛12の導電性領域13−2の寸法は、好ましくは(5/sinθ)mm以上がさらに好ましく、(10/sinθ)mm以上がとりわけ好ましい。直線A上の第1の導電性布帛11の導電性領域13−1の寸法、および直線B上の第2の導電性布帛12の導電性領域13−2の寸法は、押圧の検知が可能な領域を確保するために十分な大きさがあればよく、その上限は使用する用途に従い適宜選択すればよい。
図5Aは本発明の布帛状センサの好ましい他の構成例を示す部分断面図であり、図5Bは図5Aを上から見た上面図である。第1の導電性布帛11の導電性領域13−1は絶縁性布帛基材表面にジグザグに長尺方向(図4Bの横方向)に延在しており、例えば導電性繊維を下糸として絶縁性布帛にジグザグにミシンで縫い付けることで形成されている。ジグザグ縫いの幅(図5Bの縦方向の寸法)は2mm以上であり、図5Bにおいてジグザグ縫いの縫い糸と、第2の導電性布帛12の導電性領域13−2とのなす角は60度である。第2の導電性布帛12の導電性領域13−2は絶縁性布帛基材表面に2mm未満の幅(図5Bの縦方向)を持って長尺方向(図5Bの横方向)に2.31mm以上の長さで延在しており、例えば導電性繊維を上糸として絶縁性基材にミシンで直線縫いすることで形成されている。この例では、布帛状センサ1を上から見た平面図(図5B)において第1の導電性布帛11の導電性領域13−1と第2の導電性布帛12の導電性領域13−2とが重なる領域は、図5Bの第1の導電性布帛11の中央に横に延びる直線上に点在しており、その重なる領域を通って図5Bの右上から右下方向に延びる1つの直線A上の第1の導電性布帛11の導電性領域13−1の寸法は2mm以上である。前記導電性領域の重なる領域を通って、縦方向の直線Aに対して直線θ=60度、すなわち図5Bの横方向に延びる直線B上の、第2の導電性布帛12の導電性領域13−2の寸法は(2/sinθ)=2.31mm以上であり、前述の条件を満たしている。
図6Aは布帛状センサ1の好ましい他の構成例を示す部分断面図であり、図6Bは図6Aを上から見た上面図である。第1の導電性布帛11の導電性領域13−1は絶縁性布帛基材表面に縞状に存在して(図6Bの縦方向には連続的に、図6Bの横方向には間欠的に存在して)おり、例えば絶縁性繊維を経糸および緯糸に用いる平織布の緯糸の一部に導電性繊維を用いて製織することで形成されている。図6Bにおいて第1の導電性布帛11の導電性領域13−1は縦方向に2mm以上の長さで延在している。第2の導電性布帛12の導電性領域13−2は絶縁性布帛基材表面に2mm未満の幅(図6Bの縦方向)を持って長尺方向(図6Bの横方向)に2mm以上の長さで延在しており、例えば導電性繊維を上糸として絶縁性基材にミシンで直線縫いすることで形成されている。導電性領域13−1の長尺方向と13−2の長尺方向は90度で交わっている。この例では、布帛状センサ1を上から見た平面図(図6B)において第1の導電性布帛11の導電性領域13−1と第2の導電性布帛12の導電性領域13−2とが重なる領域は、図6Bの第1の導電性布帛11の中央に横に延びる直線上に点在しており、その重なる領域を通って図6Bの縦方向に延びる1つの直線A上の第1の導電性布帛11の導電性領域13−1の寸法は2mm以上である。前記導電性領域の重なる領域を通って、縦方向の直線Aに対して直線θ=90度、すなわち図6Bの横方向に延びる直線B上の、第2の導電性布帛12の導電性領域13−2の寸法は(2/sinθ)=2mm以上であり、前述の条件を満たしている。
ここでいう導電性領域は、間に1mm以下の絶縁性領域があっても、連続した導電性領域とみなす。例えば、絶縁性の布帛に2本の導電性繊維を0.5mmの間隔で平行に縫い付けた布帛は、2本の導電性繊維およびそれらの間の領域を全て導電性領域とみなす。
空隙22は、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間の一部の領域にスペーサが挟まれ、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間のスペーサがない部分が空隙となるようスペーサによって導電性布帛が保持されることで形成される。
本発明では空隙22が押圧の無い状態で所定の寸法を満たすようにスペーサを配置することが重要である。
空隙22の高さが小さすぎると、人体による押圧が無い状態でもシワや布団程度の無視すべき荷重等によって第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触してしまい、誤って押圧と判断されてしまう。空隙22の高さが大きすぎると、人体による押圧でも第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触せず、正確に押圧を検知できない。また、スペーサの高さが高いため、使用者が押圧時に違和感をもつ可能性が高くなってしまう。かかる観点から、空隙22の高さは3mm以上6mm以下が好ましく、4mm以上5mm以下がより好ましい。空隙22の高さとは、押圧の無い状態での、対向する第1の導電性布帛11の導電性領域の表面と第2の導電性布帛12の導電性領域の表面との距離である。空隙22の高さが1つの布帛状センサ1の中で変動する場合は、最も小さい値を選択する。
空隙22の幅が大きすぎると、人体による押圧が無い状態でもシワや布団程度の無視すべき荷重等によって第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触してしまい、誤って押圧と判断されてしまう。空隙22の幅が小さすぎると、人体による押圧でも第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触せず、正確に押圧を検知できない。かかる観点から、空隙22の幅は15mm以上35mm以下が好ましく、20mm以上30mm以下がより好ましい。空隙22の幅とは、第1の導電性布帛11あるいは第2の導電性布帛12を水平に置き、上面から見た透視図を描いた時、空隙22が存在する領域に入る最も大きい真円の直径に等しい。例えば図7Aおよび図7Bでは、四角柱型のスペーサ14−1と14−2とが平行に配置されており、スペーサ14−1と14−2との間の距離が空隙22の幅に等しい。例えば図8では、シート状の可撓性材料から真円形を6カ所打ち抜いたスペーサ14が第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12との間に配置されており、空隙22は真円を底面とする円柱形であり、その底面の真円の直径が空隙22の幅に等しい。空隙22の幅が1つの布帛状センサ1の中で変動する場合は、最も大きい値を選択する。
空隙22の幅と高さにより第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12との接触しやすさが変化するため、人体程度の荷重にのみ十分反応し、人体より軽い荷重に反応しにくくなるように空隙22の幅と高さを設定することが重要である。かかる観点から、空隙22の幅をW(mm)、高さをH(mm)としたとき、H/Wの値は0.10以上0.35以下が好ましく、0.15以上0.30以下がより好ましく、0.20以上0.25以下がさらに好ましい。
また、図7Aのように上面から見た空隙22の縦横比が2倍以上の場合は、押圧に対し第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触しやすいため、空隙22の幅は15mm以上25mm以下が好ましく、H/Wの値は0.20以上0.30以下が好ましい。一方、図8のように上面から見た空隙22の縦横比が2倍以下の場合は、押圧に対し第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触しにくいため、空隙22の幅は25mm以上35mm以下が好ましく、H/Wの値は0.15以上0.25以下が好ましい。
本発明ではスペーサ14が特定の硬さおよび復元性を有することが重要である。
スペーサ14の硬さが小さすぎると、人体による押圧が無い状態でもシワや布団程度の無視すべき荷重等によって第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触してしまい、誤って押圧と判断されてしまう。スペーサ14の硬さが大きすぎると、人体による押圧でも第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触せず、正確に押圧を検知できない。また、スペーサが硬いため、使用者が押圧時に違和感をもつ可能性が高くなってしまう。かかる観点から、スペーサ14の硬さを表す50%圧縮応力は4.3kPa以上20kPa以下が好ましく、4.5kPa以上15kPa以下がより好ましい。
スペーサ14の50%圧縮応力とは、第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12に垂直な方向に厚さが規定されるスペーサ14を、初期厚さ(第1の導電性布帛11、第2の導電性布帛12およびそれらと連結するための接着剤や両面テープを除いたスペーサ14のみの厚さ)の50%の厚さまで圧縮したときの応力であり、例えば以下の方法で測ることができる。
布帛状センサ1のスペーサ14が全域にある部分を、幅5mm長さ10mmとなるようにローラーカッターで裁断し、その布帛状センサ片の断面を観察してスペーサ14のみの部分の厚さを測定する。第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12は、粘着剤等で固定されておらず自然に除去できる場合は除去する。変位を制御し反力を測定できる荷重試験機に、幅5mm長さ10mm以上の広さをもつ剛直な2枚の平行板を試験機上方および下方に設置し、その下方に裁断した布帛状センサ片を設置し、上方の平行板が布帛状センサ片に触れない状態で荷重を0mNとし、上方の平行板を下ろして布帛状センサ片に触れ、上方の平行板にかかる荷重が5mNとなった状態で変位を0mmとし、そこから先に測定したスペーサ14の厚さの50%の距離だけ上方の平行板を下ろし、その時の荷重(kN)を試験片の面積50×10−6(m)で割って50%圧縮応力(kPa)を算出する。スペーサ14の面積が十分あれば、上記を5枚以上の布帛状センサ片にて繰り返し、平均値を取る。スペーサ14の面積が幅5mm長さ10mm以下の場合は、幅および長さを小さくしてもよいが、測定可能な範囲で面積を大きく取るように裁断し、その面積を用いて応力を算出する。
スペーサ14の復元性は、スペーサが荷重により変形した後に元の寸法に戻る性能を指す。復元性が低すぎると、人体による押圧後に押圧が除かれた状態でも空隙22の高さが小さくなる結果、シワや布団程度の無視すべき荷重等によって第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが接触してしまい、誤って押圧と判断されてしまう可能性が高くなる。かかる観点から、スペーサ14の人体程度の局所的な荷重による応力(40kPa程度)に対する復元性を表す40kPa圧縮10秒後の復元率は50%以上100%以下が好ましく、80%以上100%以下がより好ましく、90%以上100%以下がさらに好ましい。
スペーサ14の40kPa圧縮10秒後の復元率とは、第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12に垂直な方向に厚さが規定されるスペーサ14を、初期厚さ(第1の導電性布帛11、第2の導電性布帛12およびそれらと連結するための接着剤や両面テープを除いたスペーサ14のみの厚さ)を100%とし、厚み方向に40kPaの圧縮応力で圧縮した後、圧縮を止めてから10秒後のスペーサ厚さを初期厚さに対して%で表した値であり、以下の方法で測定する。
布帛状センサ1のスペーサ14が全域にある部分を、幅5mm長さ10mmとなるようにローラーカッターで裁断し、その布帛状センサ片の断面を観察してスペーサ14のみの部分の厚さt0を測定する。第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12は、粘着剤等で固定されておらず自然に除去できる場合は除去する。荷重を制御し変位を測定できる荷重試験機に、幅5mm長さ10mm以上の広さをもつ剛直な2枚の平行板を試験機上方および下方に設置し、その下方の平行板上に裁断した布帛状センサ片を設置し、上方の平行板が布帛状センサ片に触れない状態で荷重を0mNとし、上方の平行板を下ろして布帛状センサ片に触れ、上方の平行板にかかる荷重が5mNとなった状態で変位を0mmとし、2Nの荷重(圧縮応力40kPa)となるまで初期厚みに対する圧縮歪み速度10%/秒の速度で圧縮し、変位を保持したまま10秒経過後、t0/秒以上の速度で上方の平行板を上方に移動して圧縮応力を除く。上方の平行板を上方に移動開始してから10秒後のスペーサ14の厚みt1を測定し、(t1/t0)×100を40kPa圧縮10秒後の復元率(%)とする。上記を5枚以上の布帛状センサ片にて繰り返し、平均値を取る。スペーサ14の面積が幅5mm長さ10mm以下の場合は、幅および長さを小さくしてもよいが、測定可能な範囲で面積を大きく取るように裁断し、その面積を用いて応力を算出する。
また、スペーサ14の密度が小さすぎると、長期間の使用によりスペーサが潰れたまま戻らない、いわゆるヘタリが起こる可能性が高く、長期間の使用後の空隙22の高さが前述した好適な値より低くなってしまう結果、布帛状センサ1の性能が劣化してしまいやすい。一方、スペーサ14の密度が大きすぎると、スペーサ14のヘタリによる性能劣化の可能性は低くなるが、押圧して圧縮された時のスペーサ14の高さが比較的大きく、押圧時にスペーサ14以外の部分で互いに接触する第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12は、平面からより大きく変形した状態で保持される。この状態が長期間続くと、押圧が無くなった時にも第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12は押圧時に大きく変形した状態のまま、平面状に戻りにくく、長期間の押圧後の空隙22の高さが前述した好適な値より低くなってしまう結果、布帛状センサ1の性能が劣化してしまいやすい。かかる観点から、空隙22の高さがスペーサ14の密度は20kg/m以上150kg/m以下が好ましく、25kg/m以上100kg/m以下がより好ましい。ここでいう密度とは、荷重がない状態での、スペーサ内部の空気の体積を含んだ嵩密度である。
上記を満足するスペーサ14としては、例えば可撓性を有する多孔質材料が用いられる。可撓性を有する多孔質材料としては、例えばスポンジ(高分子材料の多孔体)、ウレタンフォームまたは不織布が挙げられる。多孔質材料の孔は独立孔でも連通孔でもそれらの混合でもよいが、前述の条件を満たすには主に連通孔であることが好ましい。可撓性を有する多孔質材料としては特にポリウレタン、ポリエステル、ゴムなどの高分子からなるスポンジが耐久性の点で好ましく、とりわけポリウレタンあるいはポリエステルからなるスポンジが好ましい。
第1の導電性布帛11、スペーサ14、および第2の導電性布帛12を互いに固定する方法は、人体による押圧や折り畳みなどによる布帛状センサ1の変形に対して十分な耐久性があれば特に限定されず、糸による縫い合わせ、接着剤や両面粘着テープによる貼り合わせ、熱圧着や、それらの組合せを好適に用いることができる。または、第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とがあらかじめ1枚の多重織物または多重編物の各層として作製されており、その層間にスペーサを挿入して前述の方法で固定してもよい。耐久性と工程の簡略化の観点から、少なくとも第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とは繊維により連結されている、すなわち、縫い合わせられているか1枚の多重織物または多重編物の各層として作製されていることが好ましい。
図4に示される布帛状センサ1のように、スペーサ14および空隙22より外に第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12が無い場合は、第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とスペーサとが重なった部分で縫い合わせることが好ましいが、その場合はスペーサ14の高さが荷重により変動しやすいため縫い合わせにくい。また、空隙22の高さを所望の高さに保つために空隙22から十分離れた位置で縫い合わせることに注意する必要があり、スペーサの面積がより大きく必要になってしまう。かかる観点から、図7および図8に示される布帛状センサ1のように、スペーサ14および空隙22より外にも第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12を延在させ、スペーサが無い位置23で第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが縫い合わされていることがより好ましい。この場合、第1の導電性布帛11とスペーサ14の間、および第2の導電性布帛12とスペーサ14の間は接着剤や両面粘着テープにより貼り合わせられている。また、この形態では第1の導電性布帛11とスペーサ14の間、および第2の導電性布帛12とスペーサ14の間を接着剤や両面粘着テープにより貼り合わせた後、スペーサが無い位置23で第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とを縫い合わせることが、寸法精度向上と工程の簡略化の点でさらに好ましい。また、この形態では第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが直接接するため、どちらかの導電性布帛は空隙22に接する部分と、他方の導電性布帛と連結される部分23とが、電気的に絶縁されていることが必要であり、例えば図5に示す形態のように、第1の導電性布帛11は全域が導電性領域である布帛を用い、第2の導電性布帛12は絶縁性布帛を基材とし、空隙22に接する部分にのみ導電性領域を配置することで、この形態を実現することができる。このように第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12との少なくとも一方は絶縁性の領域を有しており、その絶縁性の領域で第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とが連結されていることが好ましく、その絶縁性の領域の幅は5mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることがさらに好ましい。
図7および図8に示す通り、検出器30は電気配線31を介して第1の導電性布帛11(全域が導電性領域である)および第2の導電性布帛12の導電性領域13に接続される。電気配線31はスイッチとして機能する布帛状センサ1の状態を検出できる程度に低い抵抗値を有していれば特に限定されず、金属線や導電性繊維を用いることができ、検出器の入力抵抗にもよるが、一般的な電圧検出型の検出器を用いる場合は1MΩ以下が好ましく、1kΩ以下がより好ましい。布帛状センサ1以外での短絡による誤動作を防ぐため、電気配線31は絶縁被覆されていることが好ましい。電気配線31は布帛状センサ1の近傍に配置され、布帛状センサ1と同様に使用者による押圧がかかることから、電気配線31は布帛状センサ1と同様に薄く、柔軟であることが好ましく、外径は2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。また、繰り返しの押圧やシワ、折り曲げに対する耐久性の観点から、電気配線31は導電性材料をメッキあるいは混合した繊維からなる導電性繊維が好ましい。
電気配線31と第1の導電性布帛11あるいは第2の導電性布帛12の導電性領域との接続部33での接続方法は、スイッチとして機能する布帛状センサ1の状態を検出できる程度に低い抵抗値を有していれば特に限定されず、はんだあるいは導電ペーストによる接続、ホチキスやカシメ玉などの金属製の部品による把持、導電性繊維同士を結ぶ、ミシンによる縫い合わせなどの方法を用いることができるが、使用者に違和感を与える可能性を低くできる点で、可撓性性をもつ導電ペーストによる接続か、導電性繊維を結ぶか、ミシンによる縫い合わせが好ましく、工程の簡略化の点で、ミシンによる縫い合わせが特に好ましい。
電気配線31は布帛状センサ1との接続部33の近傍で第1の導電性布帛11または第2の導電性布帛12にさらに固定されていることが耐久性の点で好ましい。固定する方法としては、ミシンによる縫い付けや、硬化後にゴム状の弾性を有する接着剤(セメダイン株式会社製スーパーXG777など)による貼付けが柔軟性の点で特に好ましい。
布帛状センサ1は、外側に保護用の絶縁性布帛をさらに備えていてもよく、この絶縁性布帛は防水性を有していることが好ましい。
検出器30の検出素子については、第1の導電性布帛11の導電性領域13−1および第2の導電性布帛12の導電性領域13−2のうち、面積が狭い方の導電性領域と、検出器のグランドとの間に検出素子(電圧検出素子など)を備え、面積が広い方の導電性領域と、検出器のグランドとの間に検出用信号発生素子(直流電圧発生素子など)を備える回路構成とするのが、検出素子へのノイズ混入防止の点で好ましい。また、第1の導電性布帛11の導電性領域13−1および第2の導電性布帛12の導電性領域13−2のうち、面積が広い方の導電性領域を備える導電性布帛を、他方の導電性布帛より使用者に近い位置に配置して使用することが好ましい。
図9は、本発明の布帛状センサを用いたデバイスを例示するブロック図である。
例えば、本発明の布帛状センサ1と、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが短絡しているか否かを検出する検出器30と、検出器30から出力された電気信号を外部機器(図示せず)へ送信する送信部28とからなるデバイス101を構成すれば、布帛状センサ1の表面への押圧により出力された電気信号を容易に取り出すことができるので、様々な用途に適用可能である。
また、図7および図8に示す布帛状センサ1および検出器30の構成、すなわち図9において送信部28を省略した構成についても、図9の場合と同様に本発明の布帛状センサを用いたデバイス101と見ることができる。
このようなデバイス101の具体例としては、シーツや枕などの寝具、靴底、手袋、椅子、敷物などの人体による押圧を感知するセンサとして用いることができる。さらには、本発明のセンサを複数組み合わせて使用することで、使用者の状態を複数のパターンに分類して判断できるセンサとして用いることができる。
布帛状センサ1およびデバイス101の他の具体例としては人の移動を検知するセンサが挙げられる。例えば病院などにおいて、手術後の安静にすべき患者(使用者)がベッドから転落したり、ベッド周りで転倒したりするなどの事故が社会的な問題となっており、その対策が求められている。そのため、ベッドでの起き上がりを検知するための装置が種々開発されているが、本発明の布帛状センサ1およびデバイス101は、ベッド上に設置されて使用者に違和感を与えずに離床を検出できる離床検知センサおよびそれを用いた離床検知デバイスとして用いることができる。すなわち、離床検知デバイス(デバイス101)は、ベッド上に設置された離床検知センサ(布帛状センサ1)により、ベッド上の使用者が離床することを検知したり、その使用者の離床の予兆行動を検知したりするものである。以下、離床検知デバイスについて具体的に説明する。
図10は離床検知センサを用いた離床検知デバイスの構成例を示す模式図である。離床検知デバイス101Aは、監視対象であるベッド51上の使用者50が離床することを検知したり、その使用者50の離床の予兆行動を検知したり、すなわち離床を予測したりするものであり、マットレスや敷き布団などのクッション性を有する敷き寝具(以下、単に敷き寝具と記載する)上面に敷設されるセンサ機能を有するシーツ102(以下、センサシーツと称する)、センサシーツ102内に配置された第1の検知エリア201、第2の検知エリア202および第3の検知エリア203(以下、これらの3つの検知エリアを検知エリア201〜203と記載する)と検出器30と送信部28とを備える。検知エリア203は左側に配置された検知エリア203−1と右側に配置された検知エリア203−2とで構成されている。センサシーツ102は敷き寝具の上面に直接敷設されてもよいし、敷き寝具とセンサシーツ102との間に別の布やシート(防水シートなど)を敷いてもよい。また、センサシーツ102の上に直接使用者が乗ってもよいし、センサシーツ102の性能を妨げない範囲でセンサシーツ102と使用者との間に別の布(シーツなど)やシート(防水シートなど)を敷いてもよい。
センサシーツ102はシート状の基材からなり、この基材上に検知エリア201〜203が配置されている。検知エリア201〜203はそれぞれ1つまたは複数の布帛状センサ1で構成されている。センサシーツ102の上面は敷設して使用される敷き寝具の上面と概ね同等の長さおよび幅を有し、敷き寝具への敷設時の位置決めが容易になっていることが好ましい。ここでいう概ね同等とは、差が±10%以内であることを言う。敷設する敷き寝具の頭側および足側に対応して、センサシーツ102の頭側および足側が設定される。
以下、図10のようにセンサシーツ102をベッド用マットレスに敷設した状態で上面から見たときの上面図にて説明する。図10の例では敷き寝具としてマットレスを使用しているが、敷き寝具としてクッション性を有するマット、シート、あるいは中綿を有する敷き布団を用いても同様である。
第1の検知エリア201と第2の検知エリア202はセンサシーツの頭側端から互いに異なる距離の位置に配置されている。第3の検知エリア203はセンサシーツの右側あるいは左側の側端部に沿って配置されている。検知エリア201〜203は、それぞれの検知エリアへの押圧時にはそれぞれの検知エリアを構成する布帛状センサ1が動作し、検出器30はそれぞれの検知エリアの押圧状態を検知し、その検知結果の組み合わせにより、使用者50の状態を検出する。本発明における検知エリアへの押圧は、直接人体が触れる必要はなく、センサの保護材や寝床用シーツを間に介していても押圧しているとみなす。
検知エリアを上述の通り配置することで、第1の検知エリア201あるいは第2の検知エリア202のうち、どちらも押圧を検知すれば確度高く在床(ベッドに居る)と判断でき、どちらも押圧を検知しなければベッドの端座(左右端)に居るか離床している(ベッドに居ない)かのどちらかであると検出器30は検知できる。さらに、第3の検知エリア203が押圧を検知すればベッドの端座(左右端)に居り、押圧を検知しなければ離床している(ベッドに居ない)と検出器30は検知できる。このように、一つの検知エリアでは検知困難な使用者の複数の状態を検知でき、離床および離床予備行動(端座状態)を監視することが可能である。また、複数の検知エリアの電気信号から使用者50の状態を判断することにより、使用者50の状態を正しく判断でき、誤った判断をしないようにすることができる。
第1の検知エリア201はマットレスの中央点から、マットレスの頭側へマットレスの長手方向の長さの40%の距離の点までを結ぶ仮想の線分の少なくとも一部を含み、マットレスの幅の60%以上110%以下に渡って配置される。検知エリアが100%を超え、すなわちマットレスの端から外側に延在してもよい。このように配置することで、第1の検知エリア201は使用者の臥位状態において上半身がマットレスに接触している度合を、使用者の位置にかかわらず確度高く検知できる。使用者の位置や体勢の変化により確実に対応する観点からは、マットレスの中央点から、第1の検知エリア201はマットレスの頭側へマットレスの長手方向の長さの30%の距離の点までを結ぶ仮想の線分の少なくとも一部を含むことがより好ましく、マットレスの幅の70%以上100%以下に渡って配置されることがより好ましい。
第2の検知エリア202はマットレスの中央点から、マットレスの足側へマットレスの長手方向の長さの20%の距離の点までを結ぶ仮想の線分の少なくとも一部を含み、マットレスの幅の20%以上110%以下に渡って配置される。検知エリアが100%を超え、すなわちマットレスの端から外側に延在してもよい。このように配置することで、第2の検知エリア202は使用者の臥位状態あるいは座位状態において下半身がマットレスに接触している度合を、使用者の位置にかかわらず確度高く検知できる。使用者の位置や体勢の変化により確実に対応する観点からは、マットレスの中央点から、第2の検知エリア202はマットレスの足側へマットレスの長手方向の長さの15%の距離の点までを結ぶ仮想の線分の少なくとも一部を含むことがより好ましく、マットレスの幅の40%以上100%以下に渡って配置されることがより好ましい。第3の検知エリア203がマットレスの足側半分の領域に存在する場合は、端座の使用者の押圧を第2の検知エリア202で検出しないようにする観点から、第2の検知エリア202は第3の検知エリア203が存在するセンサシーツの端からマットレスの幅の20%以上の領域を避けて配置されることが好ましい。第3の検知エリアがマットレスの足側半分の領域に存在しない場合は、第2の検知エリア202はマットレスの幅の60%以上100%以下に渡って配置されることが好ましい。
第3の検知エリア203の少なくとも一部は、マットレスの右側あるいは左側の側端部からマットレスの反対側の側端部に向かってマットレスの幅の20%以内の領域に、マットレスの長手方向の長さの25%以上110%以下の長さに渡って配置される。検知エリアが100%を超え、すなわちマットレスの端から外側に延在してもよい。このように配置することで、第3の検知エリア203は使用者の右端座位あるいは左端座位状態において使用者がマットレスに接触している度合を確度高く検知できる。使用者の位置や体勢の変化により確実に対応する観点からは、マットレスの中央点から、第3の検知エリア203はマットレスの長手方向の長さの40%以上100%以下の長さに渡って配置されることが好ましい。マットレスが設置されるベッド装置の左右端に手すりや落下防止用の柵がある場合は、手すりや落下防止用の柵のない領域に、手すりや落下防止用の柵のない領域の長さの40%以上100%以下の長さに渡って配置されることが好ましい。マットレスが設置されるベッド装置の左右端に手すりや落下防止用の柵がない場合は、マットレスの長手方向の長さの80%以上100%以下の長さに渡って配置されることが好ましい。
上記の範囲にそれぞれの検知エリアを配置することで、検知エリア面積を広くして部材コストを高くすることなく、より小さい面積の検知エリアで必要な使用者の複数の状態を検出することが可能となる。
検知エリアは押圧を検知する布帛状センサ1から構成される。1つの検知エリアは1つの布帛状センサ1のみから構成されていてもよいし、複数の布帛状センサ1から構成されていてもよい。例えば、センサシーツ中に布帛状センサ1が配置された領域が4か所以上あるときは、それらから選ばれるいずれか2か所の布帛状センサ1をまとめて1つの検知エリアとみなすことができる。また、1つの検知エリアとみなす複数の布帛状センサ1の間に50cm以下の間隔があいている場合、検知対象となる人体の大きさを鑑みて、それら2か所の布帛状センサ1の間の領域も含め連続した1つの検知エリアとみなすことができる。例えば線状の布帛状センサ1を20cm間隔で2本平行に配置したとき、2本の布帛状センサ1に挟まれる20cmの幅の領域全てを1つの検知エリアとみなすことができる。また、例えばセンサシーツの中央に仰臥状態を取っている使用者の右肩部分および左肩部分それぞれに、30cmの間を空けて2つの布帛状センサ1が配置された場合、これらの布帛状センサ1はどちらも第1の検知エリアであり、それら2つの布帛状センサ1の間の領域も含めて第1の検知エリアが存在するとみなすことができる。この場合、第1の検知エリア内に存在する各布帛状センサ1の検知結果同士の演算結果を第1の検知エリアが検知した押圧の結果として用い、第2、第3の検知エリアの検知結果と組み合わせて使用することが検知アルゴリズムの簡略化の観点からは好ましいが、第1の検知エリア内に存在する各布帛状センサ1の検知結果同士の演算をすることなく、各布帛状センサ1の検知結果を第2、第3の検知エリアの検知結果と組み合わせて使用することも、状態検知機能の高度化の観点から好ましく採用される。
センサシーツの左側および右側の両方に第3の検知エリアを構成する布帛状センサ1を配置することが好ましいが、左側あるいは右側どちらかの十分な領域に手すりや落下防止用の柵を備えるベッドでセンサシーツが使用される場合は、それらを備えない側に布帛状センサ1を配置し第3の検知エリアとすれば十分である。
検知エリアは上述した3つの他に、さらに別の検知エリアを備えていてもよい。
検知エリア201〜203を構成する押圧検知センサは、いずれも上述の布帛状センサ1であり、所定の強度以上の押圧によりオンとなるスイッチ型のセンサである。検知エリア201〜203は、高周波回路が不要で電源回路を小さくできるため、ベッド51の端部などの狭い領域に邪魔にならないように配置することが可能である。また、検知エリア201〜203は、センサの部分に布帛状センサ1を用いているため、布帛の特徴である薄さと柔軟性を兼ね備えており、ベッド51上で使用する際に使用者50に違和感を与えることはない。なお、布帛状センサ1を他の基材に固定する場合には、基材も柔軟な性質を有していることが好ましく、織物、編物、不織布などの布帛状であることが耐久性、柔軟性、通気性を両立するうえで好ましい。また、撥水性を備えることが使用時の性能維持の観点からさらに好ましい。
製造工程の効率化やメンテナンスの観点から、検知エリア201〜203を構成する布帛状センサ1はそれぞれ独立に基材から取り外すことが可能であることが好ましい。検知エリアを構成する布帛状センサ1の基材への固定方法は、例えば粘着テープによる貼付け、リワーク可能な接着剤による貼付け、縫い付け、面ファスナーによる貼り合わせが挙げられる。作業性と質感の点で粘着テープ、接着剤、縫い付けがより好ましい。
布帛状センサ1に接続される検出器30や、必要に応じて接続される送信部28などの電子回路は通常硬く厚みがある。そのため、布帛状センサ1に近接して配置した場合に、布帛状センサ1の柔軟な使用感を損ねる場合がある。したがって、これらの電子回路は使用者50が乗らない部分、すなわちベッド51の端部に配置し、使用者50が乗る部分に配置した布帛状センサ1とこれらの電子回路とを電気配線31により接続することが好ましい。
電気配線31は、使用者に違和感を与えず、また使用者の電気配線への接触による電気配線の破損やノイズ混入を避ける観点から、敷き寝具上面に存在する部分のうち80%以上100%以下の長さの部分が、敷き寝具の端から5cm以内の領域に配置されることが好ましい。
センサシーツの設置の正確さおよび簡便さの両立を達成するため、センサシーツ102は敷き寝具へ固定するための部材をさらに備えていることが好ましい。敷き寝具へ固定するための部材は、伸縮性布帛、面ファスナー、粘着性テープなどあらゆるものを使用することができるが、設置の簡便さと、あらゆる敷き寝具に使用可能である点から、伸縮性布帛を用い、敷き寝具の下面に伸縮性布帛がかかるように該伸縮性布帛が基材に固定されていることが好ましい。
例えば図13に示すように、敷設する敷き寝具と概ね同寸法のセンサシーツの4隅に、頂点から20cmの位置に伸縮性布帛が縫い付けられており、敷き寝具の上面から下面にかけて伸縮性布帛を掛けることにより敷き寝具とセンサシーツを固定できる様態が挙げられる。図13ではテープ状に伸縮性布帛を配置しているが、このテープ状の範囲から4隅角にかけて3角形となるように伸縮性布帛を配置する範囲を広げてもよい。また、例えば図14に示すように、センサシーツ頭側端および足側端から内側10cmの部分に伸縮性布帛を渡して左右の端にてセンサシーツに縫い付け、センサシーツ右側端および左側端から内側10cmの部分に伸縮性布帛を渡して頭側および足側の端にてセンサシーツに縫い付け、敷き寝具の上面から下面にかけてこれら4本の伸縮性布帛を掛けることにより敷き寝具とセンサシーツを固定できる様態が挙げられる。図14ではテープ状に伸縮性布帛を配置しているが、このテープ状の範囲から側辺にかけて4角形となるように伸縮性布帛を配置する範囲を広げてもよい。側辺まで伸縮性布帛を固定した場合は、頭側および足側の伸縮性布帛のみにするか、右側端および左側端の伸縮性布帛のみとするのも好ましい。さらに、例えば図15に示すようにセンサシーツ上面の4辺から延ばした布を下面側に穴の開いた袋状に縫い、袋の口部に伸縮性布帛を一周回して固定し、敷き寝具をセンサシーツで覆うように敷設し、敷き寝具の下面側にて伸縮性布帛の収縮によりセンサシーツをマットに固定する様態が挙げられる。このうち、設置の正確さの観点から、図13および図14に例示されるように敷き寝具の4隅に伸縮性布帛がかかる様態がより好ましく、固定力の点で図13に例示されるように4隅に斜めに伸縮性布帛を固定する様態が特に好ましい。この様態では、伸縮性布帛を固定する位置はセンサシーツの角から10cm以上40cm以内の位置が好ましい。また、敷き寝具上面の端部に接するセンサシーツの部分に伸縮性布帛の端を固定することも、敷き寝具上面の端部より中央に近い部分にあたるセンサシーツの部分に伸縮性布帛の端を固定することもできる。さらに、敷き寝具の4隅の他に敷き寝具中央部などにも伸縮性布帛を配置し、センサシーツ固定の補助に使うこともできる。いずれの様態でも、伸縮性布帛をセンサシーツ基材に連結する位置ではセンサシーツ基材が変形するため、伸縮性布帛をセンサシーツ基材に連結する位置は検出エリア201〜203を構成する押圧センサから1cm以上離すことが、押圧センサの信頼性保持の点で好ましい。
伸縮性布帛としてはゴム紐、伸縮ニットなど、復元性を有する布帛状の材料であれば特に限定されないが、平ゴム紐および弾性繊維入り伸縮ニットが好ましく用いられ、耐久性と収縮力の点からポリウレタン弾性繊維入りの平ゴム紐およびポリウレタン弾性繊維入りの伸縮ニットが特に好ましい。平ゴム紐の幅は10mm以上50mm以下が好ましく、20mm以上40mm以下がより好ましい。
検出器30は、検知エリア201〜203の検知された状態に基づいて、使用者50の状態を検知して、使用者50の状態に応じた電気信号を出力する。使用者50の状態としては、ベッド51上に寝ている状態(臥位状態)、ベッド51上に起き上がった状態(座位状態)、ベッド51の端部へ移動しつつある状態(端座位移行状態)、ベッド51の端部にいる状態(端座状態)、離床した状態などが挙げられる。使用者50の状態を検出する方法としては、検知エリア201〜203のうちの人体押圧を受けているセンサと人体押圧を受けていないセンサとの組み合わせにより、使用者50の状態を検出する方法が考えられる。その詳細は後述される。なお、使用者50の状態によっては、電気信号を出力しないようにしてもよい。例えば、使用者50がベッド51上に寝ている状態では、離床のおそれがないとして、電気信号を出力しなくてもよい。
送信部28は、検出器30からの使用者50の状態を示す電気信号を受信する。そして、送信部28は、受信された電気信号を予め設定された送信先へ送信する。送信先としては、アラーム発報装置や使用者監視装置が挙げられる。図10の例では、アラーム発報装置32へ送信する。なお、送信部28による送信方式を無線によるもの有線によるものにするかは、適用される装置に応じて適宜決定すればよい。
アラーム発報装置32は、例えば病室の入口の近傍やナースステーション内に設置され、使用者50の状態が緊急性の高い状態、すなわち使用者50が離床しつつある状態と判定されたときに所定のアラームを発報する。このとき、アラームの音の種類や大きさなどによりその緊急性の程度が分かるようする工夫により、看護師の負担を減らすことができる。また、このように離床検知デバイス101Aをアラーム発報装置32と連動させることにより、病室まで行かずにベッド51上の使用者50の状態を遠隔から把握できる。
また、使用者監視装置(図示せず)は、例えばナースステーション内に設置され、使用者50の状態が緊急性の高い状態と判定されたときに病室内を映すカメラの画像をモニタに表示する。このとき、モニタに表示される画像の大きさや色(点滅を含む)や音との組み合わせなどによりその緊急性の程度が分るようにする工夫により、看護師の負担を減らすことができる。他の例として、使用者50の状態検知結果を表示する機能を備える携帯端末を上げることができる。また、このように離床検知デバイス101Aを監視装置と連動させることにより、病室まで行かずにベッド51上の使用者50の様子を遠隔から確認できる。前述したアラーム発報装置と監視装置を1つの機器内に備えるシステムとすることで、監視者の利便性を上げることもできる。
さらに、検知エリア201〜203の検知された状態および使用者50の状態の検知結果を記録する記録装置(図示せず)を備えることが、離床行動に由来する事故の原因究明や、使用者の活動記録を可能にするなどの用途において好ましい。記録装置は検出器30に接続することも、送信部28から検出結果を受信する装置に接続することもできる。
検出器30が使用者50の状態を検出する方法としては以下の方法が考えられる。
図11は離床検知デバイスで使用者の状態を検出するための判定表である。判定表30aは、検知エリア201〜203のうちの人体押圧を受けているセンサ(表中で「ON」と示される)と人体押圧を受けていないセンサ(表中で「OFF」と示される)との組み合わせと、その組み合わせから判定される使用者の状態(体勢)検知結果との関係を示す表である。判定表30aにおいて、「レベル」は使用者50のベッド51上の状態(体勢)検知結果に応じたレベルを示す。判定表30aは検出器30の記憶部(図示せず)に予め格納されている。
検知エリア201〜203の状態として、それぞれON、ON/OFF、ON/OFFが検出された場合、使用者50の状態として「臥位」と判定される。すなわち、使用者50はベッド51上に寝ており、離床の心配はない。この状態はレベル0と定義され、離床の監視の観点からは緊急性がない状態といえる。
また、検知エリア201〜203の状態として、それぞれOFF、ON、OFFが検出された場合、使用者50の状態として「座位」と判定される。すなわち、使用者50はベッド51上で少なくとも上半身を起こしており、離床する動作に移行する可能性もあるが、上半身を起こし続けるかまたは再び寝る可能性もある。この状態はレベル1と定義され、離床の監視の観点からは緊急性が低い状態といえる。
また、検知エリア201〜203の状態として、それぞれOFF、ON、ON、が検出された場合、使用者50の状態として「端座位移行」と判定される。すなわち、使用者50はベッド51の柵52の無い端部に向かって移動しており、離床する動作を行おうとしていると推測される。この状態はレベル2と定義され、離床の監視の観点からは緊急性がやや高い状態といえ、離床の予兆行動の一つといえる。更に、左端側の押圧センサが押圧を検知したことにより第3の検知エリア203がONであればベッド51の左側の端部に向かって移動しており、右端側の押圧センサが押圧を検知したことにより第3の検知エリア203がONであれば右側の端部に向かって移動していると判定してもよい。
また、検知エリア201〜203の状態として、それぞれOFF、OFF、ON、が検出された場合、使用者50の状態として「端座位」と判定される。すなわち、使用者50はベッド51の柵52の無い端部にいて、離床する動作を行いつつあると推測される。この状態はレベル3と定義され、離床の監視の観点からは緊急性が高い状態といえ、離床の予兆行動の一つといえる。更に、左端側の押圧センサが押圧を検知したことにより第3の検知エリア203がONであればベッド51の左側の端部にいて、右端側の押圧センサが押圧を検知したことにより第3の検知エリア203がONであれば右端の端部にいると判定してもよい。
また、検知エリア201〜203の状態として、それぞれOFF、OFF、OFFが検出された場合、使用者50の状態として「離床」と判定される。すなわち、使用者50はベッド51から離床していると推測される。この状態はレベル4と定義され、離床の監視の観点からは緊急性が非常に高い状態といえる。
このようにレベルは、0から4まで数字が大きくなるに連れて、ベッド51に寝ている状態から離床している状態まで、順に離床に近くなるように、すなわち緊急性が高くなるように設定される。したがって、例えば使用者50が離床しないように監視する場合、レベル0〜1では使用者50はベッド51上にいるので問題ないが、レベル2になると離床するおそれがあるので、そのことを看護師に気付かせる処置が必要となる。そのような処置としては、例えば送信部28からアラーム発報装置32へ電気信号を送り、病室やナースステーションでアラームを発報する処置が挙げられる。あるいは、ナースステーションのモニタにベッド51を映し出したり、看護師の携帯端末に緊急呼び出しメールを送信したりするなどの処置が挙げられる。更にレベル3、4になると離床直前又は離床していると推測されるので、そのことを看護師に気付かせるより強力な処置が必要となる。そのような処置としては、例えば送信部28からアラーム発報装置32へ電気信号を送り、病室やナースステーションでのアラームをより大きな音や異なる音色で発報する処置が挙げられる。あるいは、複数の看護師の携帯端末に緊急呼び出しメールを送信したりするなどの処置が挙げられる。
本実施の形態では、検知器30は、看護師に気付かせる処置が必要なレベルとしての閾値レベルを変更・設定可能な閾値レベル入力部30bを更に備えている。例えば看護師が閾値レベル入力部30bを操作して、使用者50の体の具合などに応じた閾値レベルを設定する。例えば、使用者50の離床が絶対に許されない場合には閾値レベルの値を低く設定し(例示:レベル2)、短時間ならば離床が許される場合には閾値レベルの値を高く設定する(例示:レベル3)。検知器30は、使用者50の状態が閾値レベル以上の場合のみ、使用者50の状態を示す電気信号を送信部28へ送信する。なお、閾値レベルを設定可能な閾値レベル入力部は、送信部28に設けられていてもよい。その場合、検知器30はすべてのレベルで使用者50の状態を示す電気信号を出力し、送信部28は使用者50の状態が閾値レベル以上の場合のみ、使用者50の状態を示す電気信号をアラーム発報装置32へ送信する。
図12は離床検知デバイスの動作例としての離床検知制御を示すフローチャートである。この離床検知制御は、離床検知デバイス101Aにおいて行なわれる使用者50がベッド51から離床しないように監視する制御であり、予め設定された一定時間(例示:0.1秒)ごとに実行される。
ステップ300において、検知エリア201〜203の各々は、使用者50の状態に応じた押圧を検知して電気信号として出力する。続くステップ301において、検出器30は、検知エリア201〜203から出力された複数の電気信号を受信し、それら検出された複数の電気信号に基づいて、判定表30aを参照して、使用者50のレベルを判定する。続くステップ302において、使用者50のレベルが、閾値レベル入力部30bで設定された閾値レベル(例示:レベル2)以上の場合、ステップ303において、検出器30は電気信号を出力する。その電気信号は、使用者50の状態として、使用者50の離床または離床の予兆行動を検知したことを示す。送信部28は、検出器30から電気信号を受信し、予め設定された送信先、例えばアラーム発報装置32へ送信する。アラーム発報装置32は、送信部28からの電気信号に基づいて、アラームを発報する。検出器30や送信部28の送信する電気信号は、本実施の形態ではアラームを発報するための信号と見ることができる。
上記の実施の形態では、閾値レベルを一つとし、閾値レベル以上でアラームを発報する構成としているが、本発明はそれに限定されるものでは無い。例えば閾値レベルを二つとし、最初の閾値レベル(例示:レベル2)に達したときの処置と、次の閾値レベル(例示:レベル3)に達したときの処置とを互いに異なるようにしてもよい。具体的には、最初の閾値レベルに達したときのアラームの音と、次の閾値レベルに達したときのアラームの音とを互いに異なるアラーム音にしたり、音の大きさを変えたりしてもよい。
このように布帛状センサ1は、ベッド51上に簡単に設置できる離床検知デバイスの押圧センサとして使用することができる。さらに、複数の布帛状センサ1からの電気信号を組み合わせにより、一つの布帛状センサでは検知困難な使用者50の状況を検出可能な離床検知デバイス101Aとして使用することができる。
上記の実施の形態での離床検知デバイス101Aでは、その時々の複数の検知エリア201〜203からの電気信号に基づいて、使用者50の状態を把握しているが、本発明はこの例に限定されるものでは無い。例えば、前回の使用者50の状態と今回の使用者50の状態とを比較して、使用者50の状態を判定してもよい。例えば、レベル1からレベル2に移行した場合には使用者50は離床しようとしている状態と推測されるが、レベル3からレベル2に移行した場合には離床しようとしていない状態(逆の動作)であると判定できる。したがって、前者の場合にはレベル2でアラームを発報するが、後者の場合にはレベル2でもアラームを発報しない。このように、前回の使用者50の状態と今回の使用者50の状態との比較から、使用者50の状態をより正しく判断でき、より誤った判断をしないようにすることも好ましい。例えば、レベル0から他のレベルを経由せずレベル4に移行した場合は、一時的に第1の検知エリア201が押圧を感知しなくなったものとして、所定時間(例えば5秒間)の間、レベル0とみなしてアラームを発報しないアルゴリズムとすることが好ましい。
なお、このような離床検知センサおよび離床検知デバイスは、手術後の患者の離床を監視するためだけでなく、介護施設や民家において身体能力の衰弱した者や認知症や譫妄による徘徊する者の移動を検知したり、車椅子や座席からの離席を感知したりするベッド以外での様々な用途にも適用可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に記載するが本発明はこれによって何らの限定を受けるものではない。
各実施例では以下の材料を使用した。
(導電性布帛)
導電性布帛A1として、セーレン株式会社製の銅ニッケルメッキPET平織物「Sui−10−511M」を用いた。導電布Aの厚さは100μm、体積抵抗率は3×10−4Ω・cmであり、導電性布帛A1の全域が導電性を示した。
導電性布帛A2として、ポリエステル(50dtex)糸からなる絶縁性の布に、三ツ冨士繊維工業株式会社製の銀メッキナイロン「AGposs100/3」を1本、ミシンの上糸として直線縫いで縫い付けた布を用いた。導電性布帛A2のうち銀メッキナイロン糸を縫い付けた部分のみが導電性を示し、その幅は0.3mmであり、その抵抗率は100Ω/mであった。
導電性布帛A3として、ポリエステル(50dtex)糸からなる絶縁性の布に、三ツ冨士繊維工業株式会社製の銀メッキナイロン「AGposs100/3」を1本、ミシンの上糸としてジグザグ縫い(幅3mm、ピッチ6mm)で縫い付けた布を用いた。導電性布帛A3のうち銀メッキナイロン糸を縫い付けた部分のみが導電性を示し、その幅は0.3mmであり、その抵抗率は100Ω/mであった。
導電性布帛A4として、ポリエステル(50dtex)糸からなる絶縁性の平織布に、三ツ冨士繊維工業株式会社製の銀メッキナイロン「AGposs100d」を1本、緯糸として織り込んだ布を用いた。導電性布帛A4のうち銀メッキナイロン糸を織り込んだ部分のみが導電性を示し、その幅は0.1mmであり、その抵抗率は300Ω/mであった。
(スペーサ)
スペーサS1として、帝人株式会社製ポリエステル不織布「V−Lap」を用いた。スペーサS2として富士ゴム産業株式会社製ウレタンフォーム「381H」を用いた。スペーサS3としてソフトプレン工業株式会社製ウレタンフォーム「ウォーターシール」を用いた。スペーサS4としてソフトプレン工業株式会社製ウレタンフォーム「半硬質ウレタン」を用いた。スペーサS5としてソフトプレン工業株式会社製ウレタンフォーム「汎用ウレタン黒」を用いた。スペーサS6として富士ゴム産業株式会社製ウレタンフォーム「QA」を用いた。スペーサS7としてソフトプレン工業株式会社製ゴムスポンジ「超ソフトタイプ」を用いた。スペーサS8としてソフトプレン工業株式会社製「低反発ウレタンフォーム」を用いた。各スペーサの50%圧縮応力、40kPa圧縮10秒後の復元率および密度を表1に示す。50%圧縮応力については、実施例で使用する時に第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12に垂直な方向を厚さ方向とし、縦10mm、横5mm、厚さ5mmにカットしたスペーサの試験片を、平行な金属の押し面で50%の厚さまで圧縮したときの応力を株式会社オリエンテック製万能試験機「テンシロンRTC−1225A」を用いて測定し、スペーサ試験片を取り換えて同様に測定し、5点のスペーサ試験片の測定結果の平均値を50%圧縮応力とした。40kPa圧縮10秒後の復元率については、50%圧縮応力の測定と同様の試験片を別に5点作成し、それぞれの試験片に対して50%圧縮応力の測定と同様の設備を用いて、2Nの荷重(圧縮応力40kPa)となるまで0.5mm/秒の速度で圧縮し、変位を保持したまま10秒経過後、5mm/秒の速度で上方の平行板を上方に移動して圧縮応力を除き、上方の平行板を上方に移動開始してから10秒後のスペーサの厚みを写真測定により測定し、5点のスペーサ試験片の測定結果の平均値を40kPa圧縮10秒後の復元率とした。密度は嵩密度である。
次に、各実施例の評価について説明する。後記される表2はそれらをまとめたものである。評価における初期性能評価は、パラマウントベッド株式会社製マットレス「マキシーフロート」の上面中央部に布帛状センサを静置し、5cm四方の押し面(50%圧縮応力が31kPaのウレタンスポンジを厚さ4cmにカットしたものを先端に貼り付けてある)をもつ510gのピストンを、布帛状センサの空隙がある部分に垂直に乗せて3秒後、布帛状センサの2枚の導電性布帛の導電性領域間が短絡しているかどうかをデジタルマルチメータで確認(ON試験)し、短絡していれば合格とした。このピストンの荷重による圧力は2kPaであり、人体荷重を想定している。以上の測定を2回ずつ、1枚の布帛状センサで5か所行い、別に作った同構成の布帛状センサでも同様に5か所行った。さらに、ピストンの荷重を51gとし、布帛状センサの空隙がある部分に垂直に乗せて3秒後、布帛状センサの2枚の導電性布帛の導電性領域間が短絡しているかどうかをデジタルマルチメータで確認(OFF試験)し、短絡していなければ合格とする試験を、ON試験と同様に繰り返し行ったこのピストンの荷重による圧力は0.2kPaであり、人体以外の布団などの荷重を想定している。さらに、布帛状センサを尻に敷くように、布帛状センサの上に体重60kgの試験者が10秒間座った後、試験者が布帛状センサから離れてから10秒後に、布帛状センサの2枚の導電性布帛の導電性領域間が短絡しているかどうかをデジタルマルチメータで確認(復元試験)、短絡していなければ合格とする試験を、2個の布帛状センサで5回ずつ繰り返し行った。計20回のON試験、20回のOFF試験および10回の復元試験で合格となった割合をそれぞれ計算してON試験合格率、OFF試験合格率および復元試験合格率とした。
布帛状センサを40℃80%の恒温恒湿機内で、金属メッシュ上にて水が入った25cmの高さを持つ柔軟なポリプロピレン製のバッグの下に挟み、常に2.5kPaの圧力で押圧される状態にしたまま、7日間静置した後、上記の初期性能評価と同様にピストンによるON試験とOFF試験を20回ずつ行い、押圧耐久試験後のON試験合格率とOFF試験合格率を測定した。
スプリングコイルを内蔵するマットレス上に布帛状センサを静置し、その上に寝床用シーツを被せ、4名の被験者が布帛状センサの上に肩が乗るように仰臥し、肩部にセンサが存在すると検知できなければ合格とする試験を行い、違和感試験の合格率とした。
[実施例1]
図7Aおよび図7Bにおける第1の導電性布帛11に導電性布帛A1(図7Bにおける縦50mm、横150mmにカットしたもの)を用い、第2の導線性布帛12にA2(図7Bにおける縦100mm、横200mm、中央横に導電性領域13−2が配置されるようにカットしたもの)を用い、スペーサ14にスペーサS1(図7Bにおける縦5mm、横160mm、高さ5mmにカットしたもの)を2本用い、布帛状センサ1を作成した。図7Aおよび図7Bに示されるように、第2の導電性布帛12の導電性領域13−2がある面を上面にし、導電性領域13−2と平行に導電性布帛12の上面に2本のスペーサ14を20mmの間隔を空けて両面テープで貼付け、2本のスペーサ14の上に両面テープを貼り、その上に第1の導電性布帛11を貼り、2本のスペーサ14の外側へ10mmの部分で第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12とを絶縁性のポリエステルミシン糸で縫い合わせた。その結果、空隙22は幅20mm、高さ5mmで形成された。配線31として三ツ冨士繊維工業株式会社製の銀メッキナイロン絶縁被覆糸「AGposs100/3/3」を用い、2本の配線31を第1の導電性布帛11の端部および第2の導電性布帛12の導電性領域13−2の端部とにそれぞれ重ね、ミシンを用いてポリエステル糸にてジグザグ縫いで縫い合わせ、配線を接続した。2本の配線の末端にデジタルマルチメータを接続して、性能試験を行った。実施例1の構成および評価結果を表2に示す。
[実施例2〜4]
表2の通り、実施例1のスペーサS1をS2〜S4に変更したこと以外は実施例1と同様に、布帛状センサ1を作成した。評価結果を表2に示す。
[実施例5〜10]
表2の通り、実施例2あるいは実施例3のスペーサ14の高さ(すなわち空隙22の高さ)あるいは空隙22の幅を変更したこと以外は実施例2あるいは実施例3と同様に、布帛状センサ1を作成した。評価結果を表2に示す。
[実施例11]
実施例2の構成に加え、スペーサS2を縦20mm、横5mm、高さ5mmにカットしたものを、2本の横160mmのスペーサS2の間に、スペーサ14が梯子状になるように20mmの間隔を空けて7本配置し、第1の導電性布帛11と第2の導電性布帛12との間は両面テープで貼付け、それ以外は実施例2と同様に、布帛状センサ1を作成した。空隙22は縦20mm、横20mm、高さ5mmであり、幅は20mmである。評価結果を表2に示す。
[実施例12]
表2の通り、実施例11のスペーサS2をS3に変更したこと以外は実施例11と同様に、布帛状センサ1を作成した。評価結果を表2に示す。
[実施例13、14]
表2の通り、実施例11あるいは実施例12の、2本の横160mmのスペーサ14を30mmの隙間を空けて配置し、スペーサ14を縦30mm、横5mm、高さ5mmにカットしたものを、梯子状になるように30mmの間隔を空けて5本配置し、空隙22の幅を30mmに変更したこと以外は実施例11あるいは実施例12と同様に、布帛状センサ1を作成した。評価結果を表2に示す。
[実施例15〜17]
表2の通り、実施例3の第1の導電性布帛11および第2の導電性布帛12を導電性布帛A2、A3またはA4に変更したこと以外は実施例1と同様に、布帛状センサ1を作成した。評価結果を表2に示す。
[比較例1〜4]
表2の通り、実施例1のスペーサS1をS5〜S8に変更したこと以外は実施例1と同様に、布帛状センサ1を作成した。評価結果を表2に示す。
[比較例5〜8]
表2の通り、実施例2あるいは実施例3のスペーサ14の高さ(すなわち空隙22の高さ)を変更したこと以外は実施例2あるいは実施例3と同様に、布帛状センサ1を作成した。評価結果を表2に示す。
表2の実施例1〜17の通り、50%圧縮応力が4.3kPa以上20kPa以下であり、空隙22の高さが3mm以上6mm以下であり、幅が15mm以上35mm以下である布帛状センサは、初期のON/OFF試験において75%以上の合格率、および押圧耐久試験後のON/OFF試験、違和感試験において50%以上の合格率を示し、人体荷重を選択的に検知でき、押圧に対する耐久性が高く、使用者に違和感を与えない布帛状センサとして良好に機能していることが分かる。
表2の比較例1、2の通り、スペーサ14の50%圧縮応力が4.3kPa未満である布帛状センサは、初期および押圧耐久試験後のOFF試験において合格率が低く、人体荷重以外の軽い荷重による誤検知の可能性が高いことが分かる。また、スペーサ14の40kPa圧縮10秒後の復元率が80%未満である布帛状センサは、復元試験において合格率が低く、荷重を除いた後もシワ等による誤検知の可能性が高いことが分かる。
表2の比較例3、4の通り、スペーサ14の50%圧縮応力が20kPaを超える布帛状センサは、初期のON試験において合格率が低く、人体荷重を検知する性能が劣っていることが分かる。また、比較例4の通り、スペーサ14の密度が150kg/mを超える場合、押圧耐久試験後のOFF試験の合格率が低く、ヘタリ耐性が低いことが分かる。また、違和感試験の合格率も低く、使用者に違和感を与えやすいことが分かる。
表2の比較例5、6の通り、空隙22の高さが60mmを超える布帛状センサは、初期および押圧耐久試験後のON試験において合格率が低く、人体荷重を検知する性能が劣っていることが分かる。また、違和感試験の合格率も低く、使用者に違和感を与えやすいことが分かる。
表2の比較例7、8の通り、空隙22の高さが30mm未満の布帛状センサは、初期のOFF試験において合格率が低く、人体荷重以外の軽い荷重による誤検知の可能性が高いことが分かる。
1 布帛状センサ
11 第1の導電性布帛
12 第2の導電性布帛
13、13−1、13−2 導電性領域
14、14−1、14−2 スペーサ
22 空隙
23 連結部
28 送信部
30 検出器
30a 判定表
30b 閾値レベル入力部
31 電気配線
32 アラーム発報装置
50 患者
51 ベッド
52 柵
101 デバイス
101A 離床検知デバイス
102 センサシーツ
201 第1の検出エリア
202 第2の検出エリア
203−1、203−2 第3の検出エリア
301〜303 ステップ
401 伸縮性布帛
P 押圧

Claims (7)

  1. 第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが積層され、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間の一部の領域にスペーサが挟まれ、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間の該スペーサがない部分が空隙となるよう該スペーサによって保持されており、押圧により第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが短絡すること検知して押圧を検出する布帛状センサであって、
    該スペーサは50%圧縮応力が4.3kPa以上20kPa以下、かつ40kPa圧縮10秒後の復元率が50%以上100%以下であり、第1の導電性布帛と第2の導電性布帛との間の空隙の高さが3mm以上6mm以下であり、幅が15mm以上35mm以下である、布帛状センサ。
  2. 前記布帛状センサを上から見た平面図において、第1の導電性布帛の導電性領域と第2の導電性布帛の導電性領域とが重なる領域を有し、第1の導電性布帛の導電性領域は、前記重なる領域を通る1つの直線上の寸法が2mm以上となる1つの直線を有し、前記重なる領域を通って、前記1つの直線からθ度(0<θ≦90)の傾きをもつ別の1つの直線上の、第2の導電性布帛の導電性領域の寸法が(2/sinθ)mm以上となる、
    請求項1に記載の布帛状センサ。
  3. 前記第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが、繊維により連結されている、
    請求項1または2に記載の布帛状センサ。
  4. 前記第1の導電性布帛または第2の導電性布帛のうち少なくとも一方が絶縁性の領域を有しており、該絶縁性の領域の幅は5mm以上であり、該絶縁性の領域において第1の導電性布帛と第2の導電性布帛とが繊維により連結されている、
    請求項3に記載の布帛状センサ。
  5. 請求項1に記載の布帛状センサと、
    前記布帛状センサの状態を検出する検出手段と、
    を備えるデバイス。
  6. 前記検出手段から出力された電気信号を外部機器へ送信する送信手段をさらに備える、
    請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記布帛状センサを含む複数の布帛状センサを更に備え、
    前記検出手段は、前記複数の布帛状センサの各々の状態を検出し、前記検出された複数の状態に基づいて、前記監視対象の状態を検出する、
    請求項5または6に記載のデバイス。
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