JP2018016129A - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低発熱性を実現しつつ、耐亀裂進展性を両立する、重荷重用ラジアルタイヤを提供する。【解決手段】ラジアルカーカスと、前記ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向の外側に、補強材をコーティングゴムで被覆したベルトが4層設けられた重荷重用ラジアルタイヤにおいて、重荷重用ラジアルタイヤの半径方向の内側から、内層ベルト5a、内側ベルト5b、外側ベルト5c及び最外ベルト5dの順で配置され、外側ベルト5cのコーティングゴムのtanδを100としたときの、内層ベルト5a、内側ベルト5b及び最外ベルト5dの各コーティングゴムのtanδ指数を「tanδ(n)index」とし、内層ベルト5aから最外ベルト5dの各コーティングゴムの体積がコーティングゴム総体積に占める割合を、それぞれV(n)として、Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<93 ・・・ (1)を満たす、各ベルトのコーティングゴムの組み合わせで構成される、重荷重用ラジアルタイヤである。【選択図】図2

Description

本発明は、重荷重用ラジアルタイヤに関する。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要求が強まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。このタイヤの転がり抵抗を低下させるために、主として、トレッドゴム組成物の配合の改良が行われている(例えば、特許文献1)。
一方、トラックやバス、産業車輌、建設車輌、航空機等に装着される重荷重用空気入りタイヤにおいては、タイヤの更生が行われていることから、タイヤの骨格部材の低燃費化がさらに重要となる。従来、タイヤの骨格部材の低燃費化を実現する手法としては、タイヤの骨格部材により損失正接(tanδ)が低い低発熱性のゴム組成物を用いることが有効である。
低発熱化の手段の一つとして、ベルトのコーティングゴムの損失正接を低減する手法があるが、ベルトのコーティングゴムの損失正接を低減すると、ゴムの耐亀裂性が低下してしまう。一方、重荷重用ラジアルタイヤは一般にベルトの端部に歪が集中しやすいため、高い耐亀裂進展性が要求される。
国際公開第2012/057355号
本発明は、重荷重用ラジアルタイヤに用いられる、複数のベルトのコーティングゴムの組み合わせを最適化することにより、低発熱性を実現しつつ、耐亀裂進展性を両立する、重荷重用ラジアルタイヤを提供することを課題とするものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、重荷重用ラジアルタイヤに用いられる、複数のベルトのコーティングゴムの組み合わせを最適化することにより、二律背反する低発熱性と耐亀裂進展性を両立させることができることを見出した。発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] ラジアルカーカスと、前記ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向の外側に補強材をコーティングゴムで被覆したベルトが4層設けられた重荷重用ラジアルタイヤにおいて、
重荷重用ラジアルタイヤの半径方向の内側から、1ベルト、2ベルト、3ベルト及び4ベルトの順で配置され、
3ベルトのコーティングゴムのtanδを100としたときの、1ベルト、2ベルト、4ベルトの各コーティングゴムのtanδ指数を「tanδ(n)index」とし、1ベルトから4ベルトの各コーティングゴムの体積がコーティングゴム総体積に占める割合を、それぞれV(n)として、nは各ベルトに応じてn=1〜4であり、下記式(1):
Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<93 ・・・ (1)
を満たす、各ベルトのコーティングゴムの組み合わせで構成される、重荷重用ラジアルタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、低発熱性を実現しつつ、耐亀裂進展性を両立する、重荷重用ラジアルタイヤを提供することができる。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤの一例を示す断面模式図である。 本発明の重荷重用ラジアルタイヤの一例のベルト部を示す部分断面模式図である。
[重荷重用ラジアルタイヤ]
本発明の重荷重用ラジアルタイヤは、ラジアルカーカスと、前記ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向の外側に、補強材をコーティングゴムで被覆したベルトが4層設けられた重荷重用ラジアルタイヤであり、
重荷重用ラジアルタイヤの半径方向の内側から、1ベルト、2ベルト、3ベルト及び4ベルトの順で配置され、
3ベルトのコーティングゴムのtanδを100としたときの、1ベルト、2ベルト、4ベルトの各コーティングゴムのtanδ指数を「tanδ(n)index」とし、1ベルトから4ベルトの各コーティングゴムの体積がコーティングゴム総体積に占める割合を、それぞれV(n)として、nは各ベルトに応じてn=1〜4であり、下記式(1):Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<93 ・・・(1)を満たす、各ベルトのコーティングゴムの組み合わせで構成される。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤにおいて、好ましくは、下記式(2):Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<86 ・・・(2)を満たす、各ベルトのコーティングゴムの組み合わせで構成され、さらに好ましくは、下記式(3):Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<79 ・・・(3)を満たす、各ベルトのコーティングゴムの組み合わせで構成される。
上記式(1):Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<93を満たすことにより、低発熱性を実現しつつ、耐亀裂進展性を両立する、重荷重用ラジアルタイヤを提供することができる。
ここで、式(1)のΣ{(tanδ(n)index)×V(n)}を指標としたのは、ゴム自体の発熱性tanδとゴムの総体積の積がタイヤの発熱性の指標となるためである。
すなわち、本発明は、後述する図1に示すベルト構造において、特に3ベルト端に最も厳しい歪は加わっており、これ以外のベルト端、特に4ベルト端の歪は比較的小さい。そこで、3ベルトのコーティングゴムに対して、それ以外のベルトのコーティングゴムの組成を変更することにより、タイヤの耐久性(特に、耐亀裂進展性)を低下させることなく、低燃費性(すなわち、低発熱性)を向上させるものであり、1ベルト、2ベルト、3ベルト、4ベルトは、それぞれベルトをコーティングするコーティングゴムの組成及び体積が異なることから、上記積の総和を指標とした。
1ベルト、2ベルト、3ベルト、4ベルトの体積割合を、V(1)、V(2)、V(3)、V(4)として表す。すなわち、本発明において、「V(n)」は、各ベルトの体積割合を表し、nは1〜4の整数である。
V(1)、V(2)、V(3)、V(4)はそれぞれ異なっていても同じでも良く、コーティングゴムの厚みの最小値から許容可能な最大値と、各ベルトの補強材の総表面積を考慮して、決定される。
具体的には、V(1)+V(2)+V(3)+V(4)=1であり、1ベルトから4ベルトの各ベルトの体積割合は、V1(1)が0.1以上、0.30以下であり、V(2)が0.25以上、0.40以下であり、V(3)が0.2以上、0.4以下であり、V(4)が0.1以上、0.25以下であることが好ましい。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤ(以下「タイヤ」ともいう)の構成の一例について、図1に示すように、タイヤ1は、一対のビードコア2及び2’からタイヤ半径方向外側にそれぞれスティフナー3及び3’が延在し、スティフナー3の外側からビードコア2で折り返され、馬蹄形のタイヤケース形状を形成し、反対側のビードコア2’で折り返され、スティフナー3’の外側で係止されるカーカスプライ4のタイヤ半径方向外側に複数のベルト層5a〜5dの4層からなるベルト部5が配設されている。このベルト部5のタイヤ半径方向外側にトレッド部8が配設されている。
また、カーカスプライ4の外側であって、トレッド部8とスティフナー3との間にサイドウォールゴム9が配設されている。このサイドウォールゴム9が配設されている部分をサイド部Mと称し、サイド部Mのタイヤ半径方向内側をビード部Nと称する。ビード部Nには、ビードコア2及び2’、スティフナー3及び3’等が配設されている。カーカスプライ4の内側には空気透過防止層としてインナーライナー10が配設されている。
ベルト部5をさらに詳述する。図2に示すように、ベルト層5a〜5d(最内ベルト層5a、交錯層を形成する内側ベルト層5b、交錯層を形成する外側ベルト層5c及び最外ベルト層5d)において、交錯層を形成する内側ベルト層5b端部近傍と交錯層を形成する外側ベルト層5c端部近傍との間には通常ベルトウェッジゴム6が配設され、ベルト層5a〜5dの各層端部には各層端部を被覆するベルトエンドカバーゴム7(7a〜7d)が配設されており、ベルトウェッジゴム6とベルトエンドカバーゴム7もベルト部5に包含される。
なお、図2を基に、ベルト部5にベルトウェッジゴム6とベルトエンドカバーゴム7が包含される一例を説明したが、これに限るものではなく、ベルトウェッジゴム6とベルトエンドカバーゴム7は任意の構成部材であり、必須の構成部材ではない。
図1及び図2に示すベルト部5のベルト層5a〜5dはいずれも、補強材(特に、スチールコード)とそれを被覆するコーティングゴムとから構成される。
補強材としては、スチールコード、アラミドコードのような繊維コードが用いられ、重荷重用ラジアルタイヤでは、好ましくはしスチールコードであり、場合によっては4ベルトにアラミドコードのような繊維コードを用いてもよい。
さらに、図1及び図2に記載の最内ベルト層5a、交錯層を形成する内側ベルト層5b、交錯層を形成する外側ベルト層5c及び最外ベルト層5dは、上述した、1ベルト、2ベルト、3ベルト、4ベルトに相当する。
以下、最内ベルト層5aを「1ベルト」ともいい、交錯層を形成する内側ベルト層5bを「2ベルト」ともいい、交錯層を形成する外側ベルト層5cを「3ベルト」ともいい、最外ベルト層5dを「4ベルト」ともいう。
また、本発明の重荷重用ラジアルタイヤは、耐亀裂進展性の観点から、1ベルト、2ベルト、3ベルトを同一のコーティングゴムとしてもよく、また、2ベルト、3ベルトを同一のコーティングゴムとしてもよい。
また、本発明の重荷重用ラジアルタイヤは、二律背反する低発熱性と耐亀裂進展性を両立させる観点から、各ベルトのコーティングゴムのtanδの値が、「4ベルト≦1ベルト≦2ベルト<3ベルト」の条件を満たしていることが好ましく、また、「4ベルト≦1ベルト<2ベルト≦3ベルト」の条件を満たしていてもよく、さらに、「4ベルト≦1ベルト<2ベルト<3ベルト」の条件を満たしていてもよい。
さらに、最も端部に大きな歪が加わる、3ベルトのコーティングゴムのtanδの値は、0.10〜0.35が好ましく、0.15〜0.30がより好ましい。3ベルトのコーティングゴムのtanδの値が0.35を超える場合には低発熱性が劣り、0.10未満であるとゴムの耐亀裂性が悪くなり、タイヤの耐久性が低下する。
また、最外層である、4ベルトのコーティングゴムのtanδの値は、0.05〜0.30が好ましく、0.08〜0.28がより好ましく、0.10〜0.22がさらに好ましい。4ベルトのコーティングゴムのtanδの値が0.30を超えると低発熱性が劣り、0.05未満であるとゴムの耐亀裂性が悪くなり、タイヤの耐久性が低下する。
タイヤの耐久性の観点から、3ベルトのコーティングゴムのtanδの値を100とした時、1ベルトのコーティングゴムのtanδ指数の値は、40以上、80以下が好ましく、40以上、75以下がより好ましく、45以上、70以下がさらに好ましい。
同様に、タイヤの耐久性の観点から、3ベルトのコーティングゴムのtanδの値を100とした時、2ベルトのコーティングゴムのtanδ指数の値は、70以上、100以下が好ましく、70以上、90以下がより好ましく、75以上、90以下がさらに好ましい。
同様に、タイヤの耐久性の観点から、3ベルトのコーティングゴムのtanδの値を100とした時、4ベルトのコーティングゴムのtanδ指数の値は、40以上、80以下が好ましく、40以上、75以下がより好ましく、40以上、70以下がさらに好ましい。
さらに、所望のベルト性能(例えば、低発熱性)を得るために、3ベルトのコーティングゴムのtanδを決めることにより、所望のタイヤを製造することができる。
なお、図2に示すように、ベルトウェッジゴム6によって、より耐亀裂進展性が抑制されるが、ベルトウェッジゴム6のゴムの体積は、本発明では、2ベルトと3ベルトに、1/2ずつ加算することとする。
ベルトのコーティングゴムにおいて、後述するカーボンブラックの量を多くすれば、tamδの値が大きくなり、カーボンブラックの量を少なくすれば、tanδの値は小さくなる。また、シリカについても同様である。
一方、ベルトのコーティングゴムにおいて、添加する硫黄の量を多くすれば、tamδの値が小さくなり、硫黄の量を少なくすれば、tanδの値は大きくなる。
したがって、適宜、カーボンブラック等と硫黄の添加量を調整して、4層のベルトに関する上記の条件を満たすように製造する。
以下に、各ベルトのコーティングゴムについて、説明する。なお、「〜」という記載は、その前後の値を含む範囲を意味する。
(カーボンブラック)
本発明の各ベルトの補強材をコーティングするコーティングゴムに用いられるカーボンブラックとしては、例えばHAF(窒素吸着比表面積:75〜80m/g)、HS−HAF(窒素吸着比表面積:78〜83m/g)、LS−HAF(窒素吸着比表面積:80〜85m/g)、FEF(窒素吸着比表面積:40〜42m/g)、GPF(窒素吸着比表面積:26〜28m/g)、SRF(窒素吸着比表面積:25〜28m/g)、N339(窒素吸着比表面積:88〜96m/g)、LI−HAF(窒素吸着比表面積:73〜75m/g)、IISAF(窒素吸着比表面積:97〜98m/g)、HS−IISAF(窒素吸着比表面積:98〜99m/g)などが挙げられる。これらの内、HAF、HS−HAF、LS−HAF、FEF、LI−HAF及びGPFが好ましい。
(シリカ)
本発明の各ベルトの補強材をコーティングするコーティングゴムに用いられるカーボンブラックに加えて、所望により、シリカを配合してもよい。コーティングゴムのゴム成分100質量部に対して、シリカを10質量部以下配合することが好ましい。
シリカとしては市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、湿式シリカを用いるのが特に好ましい。シリカの配合量には特に制限はないが、例えば、シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)は40〜350m/gであるのが好ましい。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET比表面積が80〜350m/gの範囲にあるシリカが更に好ましく、BET比表面積が120〜350m/gの範囲にあるシリカが特に好ましい。このようなシリカとしては東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積 =205m/g)、「ニップシールKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m/g)等の市販品を用いることができる。
また、本発明の各ベルトの補強材をコーティングするコーティングゴムに用いられるカーボンブラック及びシリカの合計配合量は、30〜65質量部であることが好ましい。30質量部未満の場合コーティングゴムの強度が確保できず、65質量部を超えると、コーティングゴムの低発熱性及び耐疲労性が低下する。すなわち、上記範囲内であれば、タイヤの低発熱性及び耐久性を向上することができる。これらの観点から、カーボンブラック及びシリカの合計配合量が40〜60質量部であることがより好ましい。
(ゴム成分)
本発明の各ベルトの補強材をコーティングするコーティングゴムに用いられるゴム成分としては、天然ゴム及び/又は合成ポリイソプレンゴム(IR)が好ましく、天然ゴムがより好ましい。他の合成ゴムとの併用の場合であっても、ゴム成分中、天然ゴムが60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、天然ゴム単独が特に好ましい。
他の合成ゴムとしては、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン-イソプレン共重合体(SIR)などが挙げられる。
(接着促進剤)
本発明の各ベルトの補強材をコーティングするコーティングゴムに、ゴム成分100質量部に対して、有機酸コバルト塩をコバルト量として0.4質量部以下配合することが好ましく、0.01〜0.4質量部配合することがより好ましく、0.02〜0.3質量部配合することがさらに好ましい。有機酸コバルト塩をコバルト量として0.4質量部以下配合すると、コーティングゴムの耐老化性の低下を好適に防ぐことができる。また、有機酸コバルト塩をコバルト量として0.01質量部以上配合すれば、初期接着性が向上するのでより好ましい。
上記有機酸コバルト塩としては、ナフテン酸コバルト、ロジン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、或いは他の炭素数が5乃至20程度の直鎖状或いは分岐鎖のモノカルボン酸コバルト塩(例えば、商品名「マノボンドC」シリーズ、OM Group Inc.製)等を挙げることができる。
(加硫剤)
本発明の各ベルトの補強材をコーティングするコーティングゴムに用いられる加硫剤として、ゴム成分100質量部に対して、硫黄を7.0質量部以下配合することが好ましい。特に、3.0〜7.0質量部の範囲、更に好ましくは4.0〜6.0質量部の範囲である。硫黄を7.0質量部以下配合すれば、コーティングゴムの耐老化性の低下を好適に防ぐことができる。また、硫黄を3.0質量部以上配合すれば、初期接着性が向上するのでより好ましい。
(その他の配合剤)
本発明の各ベルトの補強材をコーティングするコーティングゴムは、上述した配合剤の他に、他の配合剤、例えば、亜鉛華、有機酸(ステアリン酸等)などの加硫活性剤、加硫促進剤、シリカ以外の無機充填剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、軟化剤などを添加することができる。
なお、加硫促進剤としては、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系促進剤が好適に用いられる。また、所望により、2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系促進剤や、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系促進剤を用いてもよい。
本発明に係るコーティングゴムの製造に用いられる混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等が用いられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の記載中、特別に記載がない場合、「%」及び「部」の表示はすべて「質量%」及び「質量部」を表す。また、表中の添加量の記載は、いずれも「質量部」である。なお、各種の測定及び評価法は下記の方法に基づいて行った。
(1)引張応力(M200
上記ゴム組成物を145℃で45分間加硫して得た加硫ゴムに対して、JISK6251:2010に従って、室温(23℃)にて引張試験を行い、200%伸長時の引張応力(M200)を測定した。
(2)耐亀裂成長性(耐久性)
成形、加硫した供試タイヤを、正規内圧及び正規荷重で、40℃の雰囲気下、一定のサイドフォース(15kN)を加えながら速度60km/h条件でドラムテストを2日間行った。該ドラムテスト終了後、両端にベルトエンドゴムを備えるベルトコード層を取り出し、該ベルトコード層端上の亀裂長さを測定した。
表1及び表2では、亀裂長さの逆数をとり、指数表示した。指数値が大きい程、耐亀裂成長性に優れ、耐久性に優れることを示す。
(3)tanδ(25℃)
配合A〜Fのゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムに対し、東洋精機(株)製スペクトロメーターを用い、周波数52Hz、初期荷重160g、測定温度25℃、歪み2%で損失正接(tanδ)を測定した。その結果を表1に示す。
また、表2において、上記と同様の条件下で損失正接(tanδ)を測定し、実施例と比較例2〜4は、比較例1のtanδの逆数を100として下記式にて指数表示した。指数値が小さい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
低発熱性指数={(実施例1〜10及び比較例2〜5の供試加硫後のコーティングゴムのtanδ)/(比較例1の加硫後のコーティングゴムのtanδ)}×100
コーティングゴムの組成及び物性を表1に示す。
[注]
*1:HAF(N−330)、旭カーボン株式会社製、商品名「旭#70」(窒素吸着比表面積:77m/g)
*2:FEF(N−550)、旭カーボン株式会社製、商品名「旭#60」(窒素吸着比表面積:40m/g)
*3:GPF(N−660)、旭カーボン株式会社製、商品名「旭#55」(窒素吸着比表面積:26m/g)
*4:シリカ:東ソー・シリカ社製:「AQ」
*5:シランカプリング剤:デグッサ社製「Si69」
*6:老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*7:OM Group Inc.製、商品名「マノボンドC225」(登録商標)(コバルト含有率22.5%)
*8:加硫促進剤:N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDZ」
実施例1〜11及び比較例1〜5
下記のコーティングゴムの製造方法及びタイヤの製造方法に基づいて、重荷重用ラジアルタイヤを製造した。
<コーティングゴムの製造方法>
表1に示す配合A〜Dの各成分を、それぞれ常法により混練し、熱入れおよび押し出ししてゴム組成物を得た。これらゴム組成物をベルトコーティングゴムとして、表2に示すように重荷重用空気入りタイヤのベルトコード層に適用した。
<タイヤの製造方法>
次に、タイヤサイズを11R22.5で共通にし、実施例1〜11及び比較例1〜5の16種類の、上記の配合A〜Fのコーティングゴムを用いて、1ベルトから4ベルトの未加硫のケース部を準備した。図2に示すように、ベルト部は4ベルト層からなるものであった。これらのケース部をそれぞれ加硫金型によりケース部を外側から包囲し、且つ内側から加硫ブラダーで加圧・加熱する方法(150℃の高圧水蒸気で加圧)で加硫し、重荷重用ラジアルタイヤを製造した。
実施例1〜4と比較例1の結果、実施例5及び6と比較例2及び3の結果、実施例7及び8と比較例4の結果、実施例9〜11と比較例5の結果から、Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<93にすることによって、明らかにタイヤの低発熱性が向上することが分かる。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤは、低発熱性及び耐亀裂進展性を向上したタイヤであり、各種空気入りタイヤ、特に、トラック・バス用タイヤ、小型トラック用タイヤ、オフ・ザ・ロードタイヤ(鉱山用タイヤ、建設車両用タイヤ)等の空気入りラジアルタイヤとして好適に用いられる。
1 タイヤ、2,2’ ビードコア、3,3’ スティフナー、4 カーカスプライ、5 ベルト部、5a 最内ベルト層(1ベルト)、5b 交錯層を形成する内側ベルト層(2ベルト)、5c 交錯層を形成する外側ベルト層(3ベルト)、5d 最外ベルト層(4ベルト)、6 ベルトウェッジゴム、7 ベルトエンドカバーゴム、7a,7b,7c,7d 各ベルト層のベルトエンドカバーゴム、8 トレッド部、9、9’ サイドウォールゴム、10 インナーライナー、M サイド部、N ビード部、CL クラウンセンター。

Claims (11)

  1. ラジアルカーカスと、前記ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向の外側に、補強材をコーティングゴムで被覆したベルトが4層設けられた重荷重用ラジアルタイヤにおいて、
    重荷重用ラジアルタイヤの半径方向の内側から、1ベルト、2ベルト、3ベルト及び4ベルトの順で配置され、
    3ベルトのコーティングゴムのtanδを100としたときの、1ベルト、2ベルト、4ベルトの各コーティングゴムのtanδ指数を「tanδ(n)index」とし、1ベルトから4ベルトの各コーティングゴムの体積がコーティングゴム総体積に占める割合を、それぞれV(n)として、nは各ベルトに応じてn=1〜4であり、下記式(1):
    Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<93 ・・・(1)
    を満たす、各ベルトのコーティングゴムの組み合わせで構成される、重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 下記式(2):
    Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<86 ・・・(2)
    を満たす、各ベルトのコーティングゴムの組み合わせで構成される、請求項1に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 下記式(3):
    Σ{(tanδ(n)index)×V(n)}<79 ・・・(3)
    を満たす、各ベルトのコーティングゴムの組み合わせで構成される、請求項1に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  4. 前記2ベルト及び3ベルトを同一のコーティングゴムとする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  5. 前記1ベルト、2ベルト及び3ベルトを同一のコーティングゴムとする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  6. 前記各ベルトのコーティングゴムのtanδの値が、
    4ベルト≦1ベルト≦2ベルト<3ベルト
    の条件を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  7. 前記各ベルトのコーティングゴムのtanδの値が、
    4ベルト≦1ベルト<2ベルト≦3ベルト
    の条件を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  8. 前記各ベルトのコーティングゴムのtanδの値が、
    4ベルト≦1ベルト<2ベルト<3ベルト
    の条件を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  9. 前記3ベルトのコーティングゴムのtanδの値を100とした時、1ベルトのコーティングゴムのtanδ指数の値は、40以上、80以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  10. 前記3ベルトのコーティングゴムのtanδの値を100とした時、2ベルトのコーティングゴムのtanδ指数の値は、70以上、100以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  11. 前記3ベルトのコーティングゴムのtanδの値を100とした時、4ベルトのコーティングゴムのtanδ指数の値は、40以上、80以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
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