JP2018015022A - 医用画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の構造物が重なっている画像から対象物を精度良く抽出する。【解決手段】複数の構造物が含まれる医用画像処理装置において、事前情報として解剖学的な位置に基づく特定の構造物の輪郭線の集合からなる事前形状モデルを保存する保存手段23と、事前形状モデルを医用画像内に配置する基準位置抽出手段21と、医用画像に対して、配置された事前形状モデルの複数の輪郭線と重合する位置において、画像特徴量を計算する計算手段と、配置された事前形状モデルの輪郭線と画像特徴量とに基づいて特定の構造物の候補点を検出することで特定の構造物の輪郭線を抽出する抽出手段とを備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、医用画像処理装置に関する。
医療の分野では、CR(Computed Radiography)装置、FPD(Flat Panel Detector)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等のモダリティにおいて生成された医用画像を表示して、医師が身体の所定部分を観察する読影診断が行われている。
特許文献1においては、画像処理装置が、医用画像に対して、勾配強度を基に輪郭エッジ候補を検出し、当該エッジ候補の中から輪郭位置を自動で選択し、注目部位の抽出を行っていた。
また、特許文献2では、画像処理装置が、予め、撮影して得た複数の胸部画像の肋骨形状から統計的手法を用いて生成した複数の肋骨モデル形状を用意し、被写体を撮影した胸部画像から被写体肋骨形状を抽出し、当該被写体肋骨形状に最も類似する肋骨モデル形状を特定し、最も類似するこの肋骨モデル形状を被写体を撮影した肋骨形状と推定していた。
しかしながら、特許文献1のように、勾配強度に基づいてエッジ候補を検出し、エッジ候補の中から最適な輪郭位置を抽出する方法の場合、図14(A)のように、胸部単純X線画像などの複数の構造物が重なっている医用画像に適用すると、図14(B)のように、当該複数の構造物のエッジが連結してしまい、正確に輪郭位置を抽出することが困難であった。
また、特許文献2では、抽出された被写体肋骨形状と類似する肋骨モデル形状を探索する手法が提案されているが、肋骨モデル形状との類似性が比較される被写体肋骨形状を精度良く検出すること自体が難しいので、類似するモデルを正確に探索することは困難であった。
本発明は、複数の構造物が重なっている画像から対象物を精度良く抽出することを課題とする。
請求項1記載の発明は、複数の構造物が含まれる医用画像を処理する医用画像処理装置において、
事前情報として解剖学的な位置に基づく特定の構造物の輪郭線の集合からなる事前形状モデルを保存する保存手段と、
前記事前形状モデルを前記医用画像内に配置する基準位置抽出手段と、
前記医用画像に対して、前記配置された事前形状モデルの複数の前記輪郭線と重合する位置において、画像特徴量を計算する計算手段と、
前記事前形状モデルの前記輪郭線と前記画像特徴量とに基づいて前記特定の構造物の候補点を検出することで前記特定の構造物の輪郭線を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする。
事前情報として解剖学的な位置に基づく特定の構造物の輪郭線の集合からなる事前形状モデルを保存する保存手段と、
前記事前形状モデルを前記医用画像内に配置する基準位置抽出手段と、
前記医用画像に対して、前記配置された事前形状モデルの複数の前記輪郭線と重合する位置において、画像特徴量を計算する計算手段と、
前記事前形状モデルの前記輪郭線と前記画像特徴量とに基づいて前記特定の構造物の候補点を検出することで前記特定の構造物の輪郭線を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の医用画像処理装置において、
前記事前形状モデルの複数の前記輪郭線は、特定の構造物の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることを特徴とする。
前記事前形状モデルの複数の前記輪郭線は、特定の構造物の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の医用画像処理装置において、
前記事前形状モデルは年齢ごとに用意され、
前記年齢ごとの事前形状モデルの複数の前記輪郭線は、年齢ごとに特定の構造物の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることを特徴とする。
前記事前形状モデルは年齢ごとに用意され、
前記年齢ごとの事前形状モデルの複数の前記輪郭線は、年齢ごとに特定の構造物の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の医用画像処理装置において、
前記事前形状モデルは性別ごとに用意され、
前記性別ごとの事前形状モデルの複数の前記輪郭線は、性別ごとに特定の構造物の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることを特徴とする。
前記事前形状モデルは性別ごとに用意され、
前記性別ごとの事前形状モデルの複数の前記輪郭線は、性別ごとに特定の構造物の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記保存手段に保存された事前形状モデルを、前記抽出手段が抽出した前記特定の構造物に基づいて、前記複数の輪郭線を補正した新たな事前形状モデルに更新する更新手段を備え、
前記更新手段による更新後は、前記基準位置抽出手段と前記計算手段と前記抽出手段とは、前記新たな事前形状モデルを利用することを特徴とする。
前記保存手段に保存された事前形状モデルを、前記抽出手段が抽出した前記特定の構造物に基づいて、前記複数の輪郭線を補正した新たな事前形状モデルに更新する更新手段を備え、
前記更新手段による更新後は、前記基準位置抽出手段と前記計算手段と前記抽出手段とは、前記新たな事前形状モデルを利用することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の医用画像処理装置において、
前記更新手段は、前記保存手段に保存された事前形状モデルと前記抽出手段が抽出した前記特定の構造物との位置の差に基づいて、前記事前形状モデルの複数の輪郭線を補正することを特徴とする。
前記更新手段は、前記保存手段に保存された事前形状モデルと前記抽出手段が抽出した前記特定の構造物との位置の差に基づいて、前記事前形状モデルの複数の輪郭線を補正することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の医用画像処理装置において、
前記更新手段は、前記保存手段に保存された事前形状モデルの所定の輪郭線との一致度が高かった、前記抽出手段が抽出した前記特定の構造物に基づいて、前記事前形状モデルの複数の輪郭線を補正することを特徴とする。
前記更新手段は、前記保存手段に保存された事前形状モデルの所定の輪郭線との一致度が高かった、前記抽出手段が抽出した前記特定の構造物に基づいて、前記事前形状モデルの複数の輪郭線を補正することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記医用画像は、胸部単純X線画像であることを特徴とする。
前記医用画像は、胸部単純X線画像であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記特定の構造物は、骨であることを特徴とする。
前記特定の構造物は、骨であることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、複数の構造物が重なっている画像から対象物を精度良く抽出することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[X線画像システムの構成]
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態に係るX線画像システム100を示す。X線画像システム100は、医療施設に適用されるシステムであり、X線撮影装置1と医用画像処理装置2とが、例えば、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNによりデータ送受信可能に接続されて構成されている。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態に係るX線画像システム100を示す。X線画像システム100は、医療施設に適用されるシステムであり、X線撮影装置1と医用画像処理装置2とが、例えば、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNによりデータ送受信可能に接続されて構成されている。
X線撮影装置1は、FPD(Flat Panel Detector)装置、CR(Computed Radiography)装置等により構成される。X線撮影装置1は、X線源とX線検出器(FPDやCRカセッテ)を有し、これらの間に配置された被写体にX線を照射し、被写体を透過したX線を検出してデジタルの医用画像を生成し、医用画像処理装置2に出力する。なお、医用画像には、患者情報、撮影部位、撮影日等が対応付けられて医用画像処理装置2に出力される。
医用画像処理装置2は、X線撮影装置1から入力された医用画像に各種処理を施して読影用に表示する画像処理装置である。医用画像処理装置2は、図2に示すように、制御部21、RAM22、記憶部23、操作部24、表示部25、通信部26等を備えて構成されており、各部はバス27により接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部23に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM22に展開し、展開されたプログラムに従って後述する構造物抽出処理をはじめとする各種処理を実行することで、「基準位置抽出手段」、「計算手段」及び「抽出手段」として機能する。
RAM22は、制御部21により実行制御される各種処理において、記憶部23から読み出された制御部21で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等により構成される。記憶部23には、前述のように各種プログラムやプログラムの実行に必要なデータ(例えば、後述する事前形状モデルを表すデータ等)が記憶されている。つまり、この記憶部23は、事前形状モデルを保存する「保存手段」として機能する。
また、記憶部23には、X線撮影装置1から入力され医用画像処理装置2において画像処理された医用画像、医用画像処理装置2において生成された構造物抽出後の医用画像等を患者情報、撮影部位、日付等に対応付けて記憶する画像DB231が設けられている。
また、記憶部23には、X線撮影装置1から入力され医用画像処理装置2において画像処理された医用画像、医用画像処理装置2において生成された構造物抽出後の医用画像等を患者情報、撮影部位、日付等に対応付けて記憶する画像DB231が設けられている。
操作部24は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部21に出力する。
表示部25は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
通信部26は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介して通信ネットワークNに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
[X線画像システム100の動作]
次に、X線画像システム100の動作について説明する。
まず、X線撮影装置1において被写体の撮影が行われる。このとき、X線源とX線検出器とが対向する位置となるようにX線源やX線検出器の位置が調整されるとともに、これらの間に被写体部位がポジショニングされて撮影が行われる。被写体部位が胸部である場合は、X線源とX線検出器との間に、例えば、被写体の背側がX線源側を向くようにしてポジショニングが行われ、X線撮影が行われる。撮影により得られた医用画像には、患者情報、撮影部位(被写体部位)、撮影日時等が付帯情報として対応付けられて通信ネットワークNを介して医用画像処理装置2に送信される。
次に、X線画像システム100の動作について説明する。
まず、X線撮影装置1において被写体の撮影が行われる。このとき、X線源とX線検出器とが対向する位置となるようにX線源やX線検出器の位置が調整されるとともに、これらの間に被写体部位がポジショニングされて撮影が行われる。被写体部位が胸部である場合は、X線源とX線検出器との間に、例えば、被写体の背側がX線源側を向くようにしてポジショニングが行われ、X線撮影が行われる。撮影により得られた医用画像には、患者情報、撮影部位(被写体部位)、撮影日時等が付帯情報として対応付けられて通信ネットワークNを介して医用画像処理装置2に送信される。
医用画像処理装置2においては、通信部26によりX線撮影装置1からの医用画像が受信されると、制御部21により、受信された医用画像に構造物抽出処理が施され、患者情報、撮影部位、撮影日時等と対応付けられて画像DB231に記憶されるとともに、表示部25に表示される。
[構造物抽出処理]
本実施形態において、X線撮影装置1において生成された医用画像の画素値(信号値)は、医用画像の濃度に対応している。ここでは、濃度が高い(黒に近い)ほど低い画素値で、濃度が低い(白に近い)ほど高い画素値で表現されていることとして説明する。
構造物抽出処理では、取り扱う医用画像として、被写体部位が胸部であって、造影剤を使用しない単純X線画像とする。また、抽出すべき構造物は胸部肋骨である。
本実施形態において、X線撮影装置1において生成された医用画像の画素値(信号値)は、医用画像の濃度に対応している。ここでは、濃度が高い(黒に近い)ほど低い画素値で、濃度が低い(白に近い)ほど高い画素値で表現されていることとして説明する。
構造物抽出処理では、取り扱う医用画像として、被写体部位が胸部であって、造影剤を使用しない単純X線画像とする。また、抽出すべき構造物は胸部肋骨である。
以下、構造物抽出処理について説明する。
図3に、制御部21により実行される構造物抽出処理のフローチャートを示す。構造物抽出処理は、制御部21と記憶部23に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
図3に、制御部21により実行される構造物抽出処理のフローチャートを示す。構造物抽出処理は、制御部21と記憶部23に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
[構造物抽出処理:形状モデル配置工程]
構造物抽出処理において、まず、制御部21は、形状モデル配置工程を実行する(ステップS1)。
形状モデル配置工程では、構造物抽出の実行エリアとなる医用画像としての胸部単純X線画像(以下、単に「X線画像」という)G内の適正な位置に、抽出対象となる肋骨の輪郭線を模した輪郭線モデルの画像を二次元平面上に敷き詰めた事前形状モデル画像Kを配置する。
このため、制御部21は、X線画像G(図5(A)参照)を配置エリアの対象としてRAM22に入力すると共に、事前形状モデル画像Kを配置する対象としてRAM22に入力する。
構造物抽出処理において、まず、制御部21は、形状モデル配置工程を実行する(ステップS1)。
形状モデル配置工程では、構造物抽出の実行エリアとなる医用画像としての胸部単純X線画像(以下、単に「X線画像」という)G内の適正な位置に、抽出対象となる肋骨の輪郭線を模した輪郭線モデルの画像を二次元平面上に敷き詰めた事前形状モデル画像Kを配置する。
このため、制御部21は、X線画像G(図5(A)参照)を配置エリアの対象としてRAM22に入力すると共に、事前形状モデル画像Kを配置する対象としてRAM22に入力する。
ここで、事前形状モデル画像Kを図4に示す。この事前形状モデル画像Kは、前述したように、肋骨の輪郭線モデルの画像を二次元平面上に敷き詰めてなる。この事前形状モデル画像Kは、肺野内における解剖学的な位置に配置された複数の肋骨の輪郭線の集合から構成されている。
即ち、この事前形状モデル画像Kは、数多くの胸部の実写画像に基づいて肋骨をモデリングし、そこから肋骨の輪郭線を抽出すると共に、抽出された数多くの肋骨の輪郭線を統計的な処理に基づいて形成したものである。
即ち、この事前形状モデル画像Kは、数多くの胸部の実写画像に基づいて肋骨をモデリングし、そこから肋骨の輪郭線を抽出すると共に、抽出された数多くの肋骨の輪郭線を統計的な処理に基づいて形成したものである。
事前形状モデル画像Kを構成する肋骨の輪郭線の一つ一つの輪郭線モデルの画像は、肺野内の各位置において、統計的に典型的に現れる肋骨の輪郭線を示している。即ち、肺野内における当該輪郭線モデルの画像と同じ位置又はその近傍には、数多くの胸部の実写画像において肋骨の輪郭線が抽出されており、これら同位置又は近傍の位置で抽出された複数の実写画像の輪郭線に対して、平均化或いはこれらの中央値から代表的形状を選出する等の統計的処理を施して得られた曲線を輪郭線モデルとしている。
そして、事前形状モデル画像Kの肋骨の輪郭線モデルの画像は、いずれも、その曲線上に位置する複数の画素から構成されており、これらの画素の一つ一つには、当該画素位置における輪郭線の傾き方向を示すベクトル情報が格納されている。
また、事前形状モデル画像Kは、後述する画像特徴量抽出工程における必要性から、肺野の領域内において、極力、隙間が生じないようにより多くの輪郭線モデルの画像が密に用意されており、肺野の領域内の全ての画素がいずれかの輪郭線モデルの画像に属することが望ましい。しかしながら、いずれかの輪郭線モデルの画像にも属さない隙間となる画素が生じた場合には、当該隙間の画素については、画欠を埋める補完処理等の手法により近隣の画素のベクトル情報から求めた補完的なベクトル情報が格納されている。
また、事前形状モデル画像Kは、後述する画像特徴量抽出工程における必要性から、肺野の領域内において、極力、隙間が生じないようにより多くの輪郭線モデルの画像が密に用意されており、肺野の領域内の全ての画素がいずれかの輪郭線モデルの画像に属することが望ましい。しかしながら、いずれかの輪郭線モデルの画像にも属さない隙間となる画素が生じた場合には、当該隙間の画素については、画欠を埋める補完処理等の手法により近隣の画素のベクトル情報から求めた補完的なベクトル情報が格納されている。
制御部21は、上記事前形状モデル画像Kを適正に配置するために、図5(A)に示すX線画像Gから肺野領域を抽出する。
図5(B)は図5(A)のX線画像Gから抽出した肺野領域Hを示している。
肺野領域Hは、公知の手法を用いて抽出することができる。この抽出方法として、例えば、特開平8−335271号公報に記載されているように、胸部のX線画像Gの水平方向及び垂直方向を順次走査してそれぞれの方向における信号値のプロファイルを作成し、プロファイルにおける変曲点に基づいて肺野領域Hの外縁部を抽出する手法を用いることができる。
そして、制御部21は、肺野領域Hが定まると、当該肺野領域Hから定まる肺尖部H1の位置に事前形状モデル画像Kの上端部が一致するように、X線画像Gの上に事前形状モデル画像Kを配置する。なお、この際、肺野領域Hの上下幅や左右幅の大きさに応じて、事前形状モデル画像Kのサイズ調節を行っても良い。
図5(B)は図5(A)のX線画像Gから抽出した肺野領域Hを示している。
肺野領域Hは、公知の手法を用いて抽出することができる。この抽出方法として、例えば、特開平8−335271号公報に記載されているように、胸部のX線画像Gの水平方向及び垂直方向を順次走査してそれぞれの方向における信号値のプロファイルを作成し、プロファイルにおける変曲点に基づいて肺野領域Hの外縁部を抽出する手法を用いることができる。
そして、制御部21は、肺野領域Hが定まると、当該肺野領域Hから定まる肺尖部H1の位置に事前形状モデル画像Kの上端部が一致するように、X線画像Gの上に事前形状モデル画像Kを配置する。なお、この際、肺野領域Hの上下幅や左右幅の大きさに応じて、事前形状モデル画像Kのサイズ調節を行っても良い。
このように、X線画像Gの上に事前形状モデル画像Kを配置することにより、制御部21は「基準位置抽出手段」として機能する。
[構造物抽出処理:画像特徴量抽出工程]
次に、制御部21は、画像特徴量抽出工程を実行する(ステップS3)。
この画像特徴量抽出工程では、X線画像Gの肺野領域内の各画素の画素値に対して、当該各画素と位置が一致する事前形状モデル画像Kの肋骨の輪郭線モデルに基づいて一次微分を行い、X線画像Gの肺野領域内の各画素について特徴量を算出する。
次に、制御部21は、画像特徴量抽出工程を実行する(ステップS3)。
この画像特徴量抽出工程では、X線画像Gの肺野領域内の各画素の画素値に対して、当該各画素と位置が一致する事前形状モデル画像Kの肋骨の輪郭線モデルに基づいて一次微分を行い、X線画像Gの肺野領域内の各画素について特徴量を算出する。
即ち、図6(A)に示す矩形領域Wを例に説明すると、当該矩形領域Wを拡大して示した図6(B)のように、X線画像Gの肺野領域内の画素Aを通る事前形状モデル画像Kの肋骨の輪郭線モデルCにおける画素Aと位置が一致する画素に格納された輪郭線の傾き方向を示すベクトル情報から、当該傾き方向に直交する方向dを求め、この直交する方向dに向かって画素Aの画素値に対して一次微分を行う。
図7は、X線画像Gの肺野領域内の全画素について上記一次微分を行って得られたX線画像Gの肺野領域内の特徴量画像Tである。
なお、前述したように、事前形状モデル画像Kは、エリア全体が肋骨の輪郭線モデルCで埋まっておらず、隙間が生じ得るが、当該隙間となる画素についても、補完的なベクトル情報が格納されているので、X線画像Gの肺野領域内の画素Aがこのような隙間となる画素と重なっている場合でも、一次微分を行う方向を取得することができ、X線画像Gの肺野領域内の全画素について一次微分を行うことが可能である。
なお、前述したように、事前形状モデル画像Kは、エリア全体が肋骨の輪郭線モデルCで埋まっておらず、隙間が生じ得るが、当該隙間となる画素についても、補完的なベクトル情報が格納されているので、X線画像Gの肺野領域内の画素Aがこのような隙間となる画素と重なっている場合でも、一次微分を行う方向を取得することができ、X線画像Gの肺野領域内の全画素について一次微分を行うことが可能である。
このように、X線画像Gに対して一次微分を行って画像特徴量を計算することにより、制御部21は「計算手段」として機能する。
事前形状モデル画像Kの肋骨の輪郭線モデルCは数多くの現実の肋骨の輪郭線を統計的に処理して得られたものであることから、X線画像Gの肺野領域内における肋骨の輪郭線は、位置が等しい肋骨の輪郭線モデルCとその方向が一致又は近似する可能性が高くなる。
このように、X線画像Gの肺野領域内における、肋骨の輪郭線モデルCとその方向が一致又は近似する線は、それに直交する方向の一次微分によって周囲とのコントラストが強調される。他方、X線画像Gの肺野領域内における肋骨の輪郭線以外の線は、肋骨の輪郭線モデルCとその方向が一致又は近似する可能性が低くなるので、上記一次微分によって周囲とのコントラストは低下を生じる。
従って、X線画像Gの肺野領域内の特徴量画像Tは、X線画像Gの肺野領域内の肋骨の輪郭線のコントラストを高めることができる。
なお、上記の説明では、一次微分を行うことで特徴量画像Tを算出する場合を例示しているが、これに限らず、X線画像Gの肺野領域内の画素Aを通る事前形状モデル画像Kの肋骨の輪郭線モデルCにおける画素Aと位置が一致する画素に格納された輪郭線の傾き方向に直交する方向dに沿って画素Aの画素値に対して二次微分や位相限定相関法による位相情報の算出を行うことにより特徴量画像Tの算出を行っても良い。
このように、X線画像Gの肺野領域内における、肋骨の輪郭線モデルCとその方向が一致又は近似する線は、それに直交する方向の一次微分によって周囲とのコントラストが強調される。他方、X線画像Gの肺野領域内における肋骨の輪郭線以外の線は、肋骨の輪郭線モデルCとその方向が一致又は近似する可能性が低くなるので、上記一次微分によって周囲とのコントラストは低下を生じる。
従って、X線画像Gの肺野領域内の特徴量画像Tは、X線画像Gの肺野領域内の肋骨の輪郭線のコントラストを高めることができる。
なお、上記の説明では、一次微分を行うことで特徴量画像Tを算出する場合を例示しているが、これに限らず、X線画像Gの肺野領域内の画素Aを通る事前形状モデル画像Kの肋骨の輪郭線モデルCにおける画素Aと位置が一致する画素に格納された輪郭線の傾き方向に直交する方向dに沿って画素Aの画素値に対して二次微分や位相限定相関法による位相情報の算出を行うことにより特徴量画像Tの算出を行っても良い。
[構造物抽出処理:構造物候補モデル抽出工程]
次に、制御部21は、構造物候補モデル抽出工程を実行する(ステップS5)。
この構造物候補モデル抽出工程では、事前形状モデル画像Kの複数の肋骨の輪郭線モデルCの中から構造物候補モデルである肋骨の輪郭線候補モデルCAを抽出する。
即ち、図8に示すように、特徴量画像Tに事前形状モデル画像Kを重ね、特徴量画像Tにおける各輪郭線モデルCの画素と同じ位置の画素の特徴量を求め、肋骨の輪郭線モデルCごとに特徴量の平均値を算出し、当該特徴量の平均値が予め定められた所定の閾値よりも高い値又は予め定められた閾値よりも低い値を示した肋骨の輪郭線モデルCを肋骨の輪郭線候補モデルCAとして抽出する。
次に、制御部21は、構造物候補モデル抽出工程を実行する(ステップS5)。
この構造物候補モデル抽出工程では、事前形状モデル画像Kの複数の肋骨の輪郭線モデルCの中から構造物候補モデルである肋骨の輪郭線候補モデルCAを抽出する。
即ち、図8に示すように、特徴量画像Tに事前形状モデル画像Kを重ね、特徴量画像Tにおける各輪郭線モデルCの画素と同じ位置の画素の特徴量を求め、肋骨の輪郭線モデルCごとに特徴量の平均値を算出し、当該特徴量の平均値が予め定められた所定の閾値よりも高い値又は予め定められた閾値よりも低い値を示した肋骨の輪郭線モデルCを肋骨の輪郭線候補モデルCAとして抽出する。
図9は、図8から抽出した肋骨の輪郭線候補モデルCA以外の輪郭線モデルCを除去した図である。
事前形状モデル画像K中に無数にある肋骨の輪郭線モデルCの中で、この肋骨の輪郭線候補モデルCAの近傍に、X線画像Gの中の実際の肋骨の輪郭線が存在するといえる。
事前形状モデル画像K中に無数にある肋骨の輪郭線モデルCの中で、この肋骨の輪郭線候補モデルCAの近傍に、X線画像Gの中の実際の肋骨の輪郭線が存在するといえる。
なお、X線画像Gの中の実際の肋骨の輪郭線は、周囲よりも濃度が低く(画素値が高く)なって線状となるものと、周囲よりも濃度が高く(画素値が低く)なって線状となるものとがある。そして、特徴量の平均値が予め定められた所定の閾値よりも高い値となって抽出された肋骨の輪郭線候補モデルCAは、周囲よりも濃度が低く(画素値が高く)なって線状となった実際の肋骨の輪郭線に対応し、特徴量の平均値が予め定められた所定の閾値よりも低い値となって抽出された肋骨の輪郭線候補モデルCAは、周囲よりも濃度が高く(画素値が低く)なって線状となった実際の肋骨の輪郭線に対応している。
そして、図9では、特徴量の平均値が予め定められた所定の閾値よりも高い値となって抽出された肋骨の輪郭線候補モデルCAのみを表しており、特徴量の平均値が予め定められた所定の閾値よりも低い値となって抽出された肋骨の輪郭線候補モデルCAの図示は省略している。
そして、図9では、特徴量の平均値が予め定められた所定の閾値よりも高い値となって抽出された肋骨の輪郭線候補モデルCAのみを表しており、特徴量の平均値が予め定められた所定の閾値よりも低い値となって抽出された肋骨の輪郭線候補モデルCAの図示は省略している。
[構造物抽出処理:構造物検出工程]
次に、制御部21は、構造物検出工程を実行する(ステップS7)。
この構造物検出工程では、肋骨の輪郭線候補モデルCAを使って構造物である実際の肋骨の輪郭線を抽出する。
まず、特徴量画像Tの各画素について、それぞれの肋骨の輪郭線候補モデルCA付近(CAに対して規定の距離範囲内)の位置で、前述した一次微分と同じ方向について画素値が極大値又は極小値となる極大点と極小点を検出する。図10は検出された極大点を例示した図である。
そして、図11に示すように、これらの点群を結んだ曲線が実際の肋骨の輪郭線Rである。なお、極小点の点群を結んだ肋骨の輪郭線Rは図示を省略している。
次に、制御部21は、構造物検出工程を実行する(ステップS7)。
この構造物検出工程では、肋骨の輪郭線候補モデルCAを使って構造物である実際の肋骨の輪郭線を抽出する。
まず、特徴量画像Tの各画素について、それぞれの肋骨の輪郭線候補モデルCA付近(CAに対して規定の距離範囲内)の位置で、前述した一次微分と同じ方向について画素値が極大値又は極小値となる極大点と極小点を検出する。図10は検出された極大点を例示した図である。
そして、図11に示すように、これらの点群を結んだ曲線が実際の肋骨の輪郭線Rである。なお、極小点の点群を結んだ肋骨の輪郭線Rは図示を省略している。
このように、事前形状モデル画像Kの輪郭線である肋骨の輪郭線候補モデルCAと画像特徴量画像とに基づいて候補点となる極大点及び極小点を検出することで実際の肋骨の輪郭線Rを抽出することにより、制御部21は「抽出手段」として機能する。
前述したように、事前形状モデル画像Kの肋骨の輪郭線候補モデルCAの近傍に、X線画像Gの中の実際の肋骨の輪郭線Rが存在する蓋然性が高く、特徴量画像Tの極大点又は極小点は、構造物の縁部、即ち輪郭線を示す蓋然性が高い。従って、これら双方の条件を満たす点を検出することで肋骨の輪郭線Rをより高い精度で検出することができる。
[構造物抽出処理:事前形状モデル回帰工程]
次に、制御部21は、事前形状モデル回帰工程を実行する。
この事前形状モデル回帰工程では、事前形状モデル画像Kにおける肋骨の輪郭線候補モデルCAとこれに基づいて検出された実際の肋骨の輪郭線Rとの位置差を比較する(ステップS9)。
そして、これらの位置差が予め定められた閾値よりも大きかった場合には(ステップS9:YES)、各輪郭線モデルCを修正し、事前形状モデル画像Kの更新処理を行う(ステップS11)。
次に、制御部21は、事前形状モデル回帰工程を実行する。
この事前形状モデル回帰工程では、事前形状モデル画像Kにおける肋骨の輪郭線候補モデルCAとこれに基づいて検出された実際の肋骨の輪郭線Rとの位置差を比較する(ステップS9)。
そして、これらの位置差が予め定められた閾値よりも大きかった場合には(ステップS9:YES)、各輪郭線モデルCを修正し、事前形状モデル画像Kの更新処理を行う(ステップS11)。
このように、記憶部23に保存された事前形状モデル画像Kを、構造物検出工程において抽出された実際の肋骨の輪郭線Rに基づいて、複数の輪郭線モデルCを補正した新たな事前形状モデル画像Kに更新することにより、制御部21は「更新手段」として機能する。
図12に示すように、制御部21は、肋骨の輪郭線候補モデルCAとこれらに対応する実際の肋骨の輪郭線Rとを比較し、肋骨の輪郭線候補モデルCAを構成する各画素の点を実際の肋骨の輪郭線R上の各点に合わせるように或いは一定の比率で近づけるように修正する。
輪郭線モデルCは、SNAKESと呼ばれる動的輪郭線モデルを構成しており、輪郭線モデルを構成する画素同士が弾性的制約を受けて連結されている。従って、肋骨の輪郭線候補モデルCAを構成する各画素の点を実際の肋骨の輪郭線R上の各点に合わせるように或いは一定の比率で近づけるように修正する場合、モデルCAの画素全体が徐変するように修正される。
また、輪郭線モデルCの一部の輪郭線候補モデルCAについて修正を行った場合でも、周囲の他の輪郭線モデルCは、修正された輪郭線候補モデルCAと接触したり、交差を生じたりしないように、その画素位置が徐変される。従って、一部の輪郭線候補モデルCAについて修正を行っても、その距離に応じて周囲の多くの輪郭線モデルCについても連鎖的に補正が行われる。
また、輪郭線モデルCの一部の輪郭線候補モデルCAについて修正を行った場合でも、周囲の他の輪郭線モデルCは、修正された輪郭線候補モデルCAと接触したり、交差を生じたりしないように、その画素位置が徐変される。従って、一部の輪郭線候補モデルCAについて修正を行っても、その距離に応じて周囲の多くの輪郭線モデルCについても連鎖的に補正が行われる。
このようにして、全体的に補正された新たな事前形状モデル画像Kは、図13に示すように、全体的にX線画像Gの複数の肋骨の輪郭線に近い輪郭線モデルCを得ることが出来る。なお、図13では輪郭線モデルCの一部を省略して図示している。そして、この新たな事前形状モデル画像Kは、記憶部23内の従前の事前形状モデル画像Kと置き換えられる。そして、新たな事前形状モデル画像Kが次回以降の構造物抽出処理に利用される。
なお、ステップS9において、事前形状モデル画像Kにおける肋骨の輪郭線候補モデルCAとこれに基づいて検出された実際の肋骨の輪郭線Rとの位置差が十分に小さく、事前形状モデル画像Kの精度が十分に高い場合には(ステップS9:NO)、事前形状モデル画像Kの更新処理が行われることなく、構造物抽出処理が終了となる。
なお、ステップS9において、事前形状モデル画像Kにおける肋骨の輪郭線候補モデルCAとこれに基づいて検出された実際の肋骨の輪郭線Rとの位置差が十分に小さく、事前形状モデル画像Kの精度が十分に高い場合には(ステップS9:NO)、事前形状モデル画像Kの更新処理が行われることなく、構造物抽出処理が終了となる。
[実施形態の技術的効果]
以上のように、X線画像システム100は、医用画像処理装置2の制御部21が、事前形状モデル画像KをX線画像G内に配置する基準位置抽出手段と、X線画像Gに対して、配置された事前形状モデル画像Kの複数の輪郭線モデルCと重合する位置において当該輪郭線モデルCに直交する方向に微分を行い、画像特徴量を計算する計算手段と、配置された事前形状モデル画像Kの輪郭線モデルCと画像特徴量とに基づいて肋骨の輪郭線の候補点(極大点及び極小点)を検出することで実際の肋骨の輪郭線Rを抽出する抽出手段として機能するので、X線画像G内で統計的に肋骨の輪郭線が存在することを示す肋骨の輪郭線モデルCの位置近傍での当該輪郭線モデルCに沿った線のコントラストを、輪郭線モデルCに沿っていない他の線に比べて効果的に高めることができ、複数の構造物が重なっているX線画像Gから対象物である肋骨の輪郭線を効果的且つ正確に抽出することが可能となる。
以上のように、X線画像システム100は、医用画像処理装置2の制御部21が、事前形状モデル画像KをX線画像G内に配置する基準位置抽出手段と、X線画像Gに対して、配置された事前形状モデル画像Kの複数の輪郭線モデルCと重合する位置において当該輪郭線モデルCに直交する方向に微分を行い、画像特徴量を計算する計算手段と、配置された事前形状モデル画像Kの輪郭線モデルCと画像特徴量とに基づいて肋骨の輪郭線の候補点(極大点及び極小点)を検出することで実際の肋骨の輪郭線Rを抽出する抽出手段として機能するので、X線画像G内で統計的に肋骨の輪郭線が存在することを示す肋骨の輪郭線モデルCの位置近傍での当該輪郭線モデルCに沿った線のコントラストを、輪郭線モデルCに沿っていない他の線に比べて効果的に高めることができ、複数の構造物が重なっているX線画像Gから対象物である肋骨の輪郭線を効果的且つ正確に抽出することが可能となる。
特に、上記事前形状モデル画像Kの複数の輪郭線モデルCは、肋骨を含んだ胸部単純X線の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることから、肋骨の輪郭線を統計的に検出する蓋然性が高い位置に輪郭線モデルCを配置することができ、検出精度の向上を図ることが可能である。
また、制御部21は、記憶部23に保存された事前形状モデル画像Kを、構造物検出工程で抽出された実際の肋骨の輪郭線Rに基づいて、複数の輪郭線モデルCを補正した新たな事前形状モデル画像Kに更新し、当該更新後は、形状モデル配置工程、画像特徴量抽出工程、構造物候補モデル抽出工程及び構造物検出工程において、新たな事前形状モデル画像Kを利用するので、実際の肋骨の輪郭線に即した、より検出の蓋然性が高い位置に輪郭線モデルCを配置することができ、検出精度のさらなる向上を図ることが可能である。
特に、事前形状モデル画像Kの更新は、記憶部23に保存された事前形状モデル画像Kと構造物検出工程で抽出された実際の肋骨の輪郭線Rとの位置の差に基づいて、事前形状モデル画像Kの複数の輪郭線モデルCを補正するので、実際に検出された肋骨の輪郭線の位置を良く反映した位置に輪郭線モデルCを配置することができ、検出精度のさらなる向上を図ることが可能である。
[その他]
なお、上述した本実施形態における記述は、本発明に係る好適な一例であり、これに限定されるものではない。
なお、上述した本実施形態における記述は、本発明に係る好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、事前形状モデル画像Kは、記憶部23に年齢別に用意し、X線画像Gの被写体となる患者の年齢を予め操作部24から入力すると、制御部21は、その年齢に対応する事前形状モデル画像Kを利用して、形状モデル配置工程、画像特徴量抽出工程、構造物候補モデル抽出工程、構造物検出工程及び事前形状モデル回帰工程を実行するように構成しても良い。
また、同様に、事前形状モデル画像Kを、記憶部23に性別ごとに用意し、X線画像Gの被写体となる患者の性別を予め操作部24から入力すると、制御部21は、その性別に対応する事前形状モデル画像Kを利用して、形状モデル配置工程、画像特徴量抽出工程、構造物候補モデル抽出工程、構造物検出工程及び事前形状モデル回帰工程を実行するように構成しても良い。
さらに、性別ごとに年齢別の事前形状モデル画像Kを記憶部23に用意し、X線画像Gの被写体となる患者の年齢及び性別を予め操作部24から入力すると、制御部21は、その年齢及び性別に対応する事前形状モデル画像Kを利用して、形状モデル配置工程、画像特徴量抽出工程、構造物候補モデル抽出工程、構造物検出工程及び事前形状モデル回帰工程を実行するように構成しても良い。
その他、身長や胸囲などの体格別の事前形状モデル画像Kを用意して、対応する事前形状モデル画像Kを利用して構造物抽出処理を行っても良い。また、上記と同様に、年齢、性別、体格に全てに応じて事前形状モデル画像Kを用意して利用することも可能である。
このように、事前形状モデル画像Kを分類化して事前に用意し、対応する事前形状モデル画像Kを構造物抽出処理に利用することで、検出精度のさらなる向上を図ることが可能である。
また、同様に、事前形状モデル画像Kを、記憶部23に性別ごとに用意し、X線画像Gの被写体となる患者の性別を予め操作部24から入力すると、制御部21は、その性別に対応する事前形状モデル画像Kを利用して、形状モデル配置工程、画像特徴量抽出工程、構造物候補モデル抽出工程、構造物検出工程及び事前形状モデル回帰工程を実行するように構成しても良い。
さらに、性別ごとに年齢別の事前形状モデル画像Kを記憶部23に用意し、X線画像Gの被写体となる患者の年齢及び性別を予め操作部24から入力すると、制御部21は、その年齢及び性別に対応する事前形状モデル画像Kを利用して、形状モデル配置工程、画像特徴量抽出工程、構造物候補モデル抽出工程、構造物検出工程及び事前形状モデル回帰工程を実行するように構成しても良い。
その他、身長や胸囲などの体格別の事前形状モデル画像Kを用意して、対応する事前形状モデル画像Kを利用して構造物抽出処理を行っても良い。また、上記と同様に、年齢、性別、体格に全てに応じて事前形状モデル画像Kを用意して利用することも可能である。
このように、事前形状モデル画像Kを分類化して事前に用意し、対応する事前形状モデル画像Kを構造物抽出処理に利用することで、検出精度のさらなる向上を図ることが可能である。
また、肋骨のように、特定の構造物が複数箇所に存在する場合に、毎回の構造物抽出処理において、例えば、上から何本目の肋骨の検出精度が高いか又は低いかのように、複数箇所の構造物ごとに検出精度の高低を統計的に記録する。
そして、記憶部23に保存された事前形状モデル画像Kを、このような統計的な情報に基づいて検出精度の高い構造物(肋骨)の実際の輪郭線Rと輪郭線候補モデルCAとの位置差の優先度を高くして補正し、検出精度の低い構造物(肋骨)の実際の輪郭線Rと輪郭線候補モデルCAとの位置差の優先度を低くして補正を行い更新するようにしても良い。
そして、記憶部23に保存された事前形状モデル画像Kを、このような統計的な情報に基づいて検出精度の高い構造物(肋骨)の実際の輪郭線Rと輪郭線候補モデルCAとの位置差の優先度を高くして補正し、検出精度の低い構造物(肋骨)の実際の輪郭線Rと輪郭線候補モデルCAとの位置差の優先度を低くして補正を行い更新するようにしても良い。
また、構造物抽出処理で取り扱う医用画像として、被写体部位を胸部としているが、身体の他の部位でも良く、また、抽出すべき構造物は胸部肋骨に限らず他の骨であっても良いことは言うまでもない。
その他、X線画像システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 X線撮影装置
2 医用画像処理装置
21 制御部(基準位置抽出手段、計算手段、抽出手段、更新手段)
23 記憶部(保存手段)
24 操作部
25 表示部
26 通信部
27 バス
100 X線画像システム
A 画素
C 輪郭線モデル
CA 輪郭線候補モデル
G 胸部単純X線画像
H 肺野領域
H1 肺尖部
K 事前形状モデル画像
R 輪郭線
T 特徴量画像
2 医用画像処理装置
21 制御部(基準位置抽出手段、計算手段、抽出手段、更新手段)
23 記憶部(保存手段)
24 操作部
25 表示部
26 通信部
27 バス
100 X線画像システム
A 画素
C 輪郭線モデル
CA 輪郭線候補モデル
G 胸部単純X線画像
H 肺野領域
H1 肺尖部
K 事前形状モデル画像
R 輪郭線
T 特徴量画像
Claims (9)
- 複数の構造物が含まれる医用画像を処理する医用画像処理装置において、
事前情報として解剖学的な位置に基づく特定の構造物の輪郭線の集合からなる事前形状モデルを保存する保存手段と、
前記事前形状モデルを前記医用画像内に配置する基準位置抽出手段と、
前記医用画像に対して、前記配置された事前形状モデルの複数の前記輪郭線と重合する位置において、画像特徴量を計算する計算手段と、
前記事前形状モデルの前記輪郭線と前記画像特徴量とに基づいて前記特定の構造物の候補点を検出することで前記特定の構造物の輪郭線を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする医用画像処理装置。 - 前記事前形状モデルの複数の前記輪郭線は、特定の構造物の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
- 前記事前形状モデルは年齢ごとに用意され、
前記年齢ごとの事前形状モデルの複数の前記輪郭線は、年齢ごとに特定の構造物の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることを特徴とする請求項2記載の医用画像処理装置。 - 前記事前形状モデルは性別ごとに用意され、
前記性別ごとの事前形状モデルの複数の前記輪郭線は、性別ごとに特定の構造物の実写画像をモデリングし、統計的に処理したものであることを特徴とする請求項2記載の医用画像処理装置。 - 前記保存手段に保存された事前形状モデルを、前記抽出手段が抽出した前記特定の構造物に基づいて、前記複数の輪郭線を補正した新たな事前形状モデルに更新する更新手段を備え、
前記更新手段による更新後は、前記基準位置抽出手段と前記計算手段と前記抽出手段とは、前記新たな事前形状モデルを利用することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。 - 前記更新手段は、前記保存手段に保存された事前形状モデルと前記抽出手段が抽出した前記特定の構造物との位置の差に基づいて、前記事前形状モデルの複数の輪郭線を補正することを特徴とする請求項5記載の医用画像処理装置。
- 前記更新手段は、前記保存手段に保存された事前形状モデルの所定の輪郭線との一致度が高かった、前記抽出手段が抽出した前記特定の構造物に基づいて、前記事前形状モデルの複数の輪郭線を補正することを特徴とする請求項5又は6記載の医用画像処理装置。
- 前記医用画像は、胸部単純X線画像であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
- 前記特定の構造物は、骨であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
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