JP2018014991A - 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】胚の質をより精度高く評価すること。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、複数の細胞期に相当する期間で時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、上記複数の画像上の上記胚に係る関心領域内の動きを特定する解析部と、特定された動きに基づいて、上記胚の内部に係る動き特徴量を算出する特徴量算出部と、上記胚の質の評価を行うため、上記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された上記動き特徴量の提示を制御する提示制御部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
体外受精(IVF:In Vitro Fertilization)は、不妊症の治療手段の一つであり、母体の子宮内から取り出した卵子を体外において受精させ、その受精卵を培養して得られる胚を再び母体に戻す方法である。IVFによる妊娠の成功率を高めるためには、良質の胚を精度高く選定することが求められる。
良質胚を定量的に選定するための技術として、例えば、下記特許文献1には、胚の1細胞期における細胞質内運動の程度および/または胚の形状の変化を画像解析により測定し、その測定結果を用いて胚の発生能(質)を予測する技術が開示されている。
特表2014−520522号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術は、あくまでも1細胞期における胚の形態等の変動のみに基づいて胚の質を評価することに限られている。したがって、かかる技術による胚の質の予測に係る精度は十分ではない。
そこで、本開示では、胚の質をより精度高く評価することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システムを提案する。
本開示によれば、複数の細胞期に相当する期間で時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、上記複数の画像上の上記胚に係る関心領域内の動きを特定する解析部と、特定された動きに基づいて、上記胚の内部に係る動き特徴量を算出する特徴量算出部と、上記胚の質の評価を行うため、上記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された上記動き特徴量の提示を制御する提示制御部と、を備える情報処理装置が提供される。
また、本開示によれば、プロセッサが、複数の細胞期に相当する期間で時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、上記複数の画像上の上記胚に係る関心領域内の動きを特定することと、特定された動きに基づいて、上記胚の内部に係る動き特徴量を算出することと、上記胚の質の評価を行うため、上記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された上記動き特徴量の提示を制御することと、を含む情報処理方法が提供される。
また、本開示によれば、撮像により画像を生成する撮像部を備える撮像装置と、複数の細胞期に相当する期間で上記撮像部により時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、上記複数の画像上の上記胚に係る関心領域内の動きを特定する解析部と、特定された動きに基づいて、上記胚の内部に係る動き特徴量を算出する特徴量算出部と、上記胚の質の評価を行うため、上記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された上記動き特徴量の提示を制御する提示制御部と、を備える情報処理装置と、を有する情報処理システムが提供される。
以上説明したように本開示によれば、胚の質をより精度高く評価することが可能である。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係る情報処理システムの構成の概要を示す図である。 同実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。 同実施形態に係る画像取得部により取得された胚を含む画像の一例を示す図である。 同実施形態に係る関心領域設定部による関心領域の設定例を示す図である。 同実施形態に係る解析部により特定される動きベクトルの第1の例を示す図である。 同実施形態に係る解析部により特定される動きベクトルの第2の例を示す図である。 同実施形態に係る動き補償部による動き補償処理の一例を説明するための図である。 同実施形態に係る特徴量算出部による特徴量算出処理の一例を説明するための図である。 同実施形態に係る情報処理装置による処理の一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る提示制御部による動き特徴量の経時変化の提示の一例を示す図である。 動き特徴量の空間分布の提示についての第1の例に係る胚の画像を示す図である。 動き特徴量の空間分布の提示についての第1の例に係る胚の内部に係る動き特徴量の空間分布を示す図である。 動き特徴量の空間分布の提示についての第2の例に係る胚の画像を示す図である。 動き特徴量の空間分布の提示についての第2の例に係る胚の内部に係る動き特徴量の空間分布を示す図である。 動き特徴量の空間分布の提示についての第3の例に係る胚の画像を示す図である。 動き特徴量の空間分布の提示についての第3の例に係る胚の内部に係る動き特徴量の空間分布を示す図である。 動き特徴量の空間分布の提示についての第4の例に係る胚の画像を示す図である。 動き特徴量の空間分布の提示についての第4の例に係る胚の内部に係る動き特徴量の空間分布を示す図である。 胚の内部の動きの配向性に係る提示の第1の例を示す図である。 胚の内部の動きの配向性に係る提示の第2の例を示す図である。 同実施形態に係る提示制御部による提示の態様の第1の例を示す図である。 同実施形態に係る提示制御部による提示の態様の第2の例を示す図である。 本変形例に係る情報処理装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。 本変形例に係る評価部による胚の質の評価に用いられる指標の一例について説明するためのグラフである。 本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.情報処理システムの概要
2.情報処理装置
2.1.構成例
2.2.処理例
2.3.動き特徴量の提示例
2.4.効果
2.5.変形例
3.ハードウェア構成例
4.まとめ
<<1.情報処理システムの概要>>
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1の構成の概要を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1は、撮像装置10、および情報処理装置20を備える。撮像装置10および情報処理装置20は、有線または無線の各種ネットワークにより接続される。
(撮像装置)
撮像装置10は、撮像により画像(または動画像)を生成する装置である。本実施形態に係る撮像装置10は、例えば、デジタルカメラにより実現される。他にも、撮像装置10は、例えばスマートフォン、タブレット、ゲーム機、またはウェアラブル装置など、撮像機能を有するあらゆる装置により実現されてもよい。
本実施形態に係る撮像装置10は、図1に示すように、培養用のインキュベータI1の内側において、観察対象である胚(受精卵)が培養されている培地M1を有するディッシュD1の上方に設けられる。そして、撮像装置10は、培地M1において培養されている胚を所定のフレームレートで撮像することにより画像を生成する。なお、胚がディッシュD1内に複数存在している場合、胚の各々のみが撮像フレームに含まれるように撮像されてもよいし、複数の胚が一の撮像フレームに含まれるように撮像されてもよい。また、複数の胚が複数のディッシュで各々培養されている場合、インキュベータI1に備えられる任意の駆動装置により撮像装置10または当該ディッシュを適宜移動させ、胚の各々を撮像することも可能である。
なお、撮像装置10は、インキュベータI1の内部に設けられていてもよいし、インキュベータI1の外部に設けられてもよい。また、撮像装置10は、インキュベータI1に格納されていない胚の撮像に対しても適用可能である。また、撮像装置10はインキュベータI1と一体となって設けられてもよい。
また、インキュベータI1の仕様またはサイズ等については特に限定されず、胚の培養に適した環境を提供可能なインキュベータが適用され得る。ディッシュD1および培地M1についても、公知の胚の培養に適したものが使用され得る。
より詳細に説明すると、本実施形態に係る撮像装置10は、図1に示すように、撮像部101および撮像制御部102を備える。
撮像部101は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズ、および被写体に光を照射するための光源などの各種の部材を有し、これらを用いて実空間を撮像する。
本実施形態に係る撮像部101は、観察対象である胚の内部の動きを正しく特定するため、培地M1において培養されている胚を含む一定の撮像領域を撮像する。なお、撮像部101は、胚を直接(他のレンズ等の部材を介さずに)撮像してもよいし、対物レンズを備える顕微鏡等の他の部材を介して胚を撮像してもよい。この場合、サブミクロンメートルオーダの胚の動きを捉えるため、当該対物レンズの倍率は40倍〜60倍程度であることが好ましい。また、フレームレートは特に限定されないが、観察対象の変化の度合いに応じて設定されることが好ましく、具体的には、サブ秒オーダーの胚の動きを捉えることが可能であるフレームレートに設定されることが好ましい。
撮像部101の撮像処理により生成される信号は撮像制御部102に出力される。
撮像制御部102は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等により実現される処理回路、および通信装置を含み、撮像部101の動作全般を制御する。例えば、撮像制御部102は、撮像部101による撮像処理を制御し、撮像処理により得られた信号に基づいて撮像画像を生成する。
例えば、撮像制御部102は、撮像部101の撮像処理のタイミングを制御してもよい。より具体的には、撮像制御部102は、所定期間連続的に撮像するよう撮像部101を制御することにより動画像を生成してもよい。また、撮像制御部102は、所定の間隔を空けて断続的に撮像処理を行うよう撮像部101を制御してもよい。また、複数の胚を撮像する場合、撮像制御部102は、撮像対象となる胚の撮像タイミングに応じて、撮像装置10またはディッシュを移動させるようインキュベータI1を直接的にまたは間接的に制御してもよい。
また、撮像制御部102は、撮像部101に備えられる光源の波長、照射強度または照射時間を制御してもよい。例えば、撮像制御部102は、撮像部101による撮像処理が行われる期間のみに、適切な波長を有する光を、最低限の照射強度により胚に照射するよう撮像部101の光源を制御してもよい。これにより、胚の光毒性を最小限に抑えることができる。
なお、詳しくは後述するが、撮像制御部102は画像について予め関心領域(ROI:Region of Interest)を設定してもよい。ここでいう関心領域とは、後述する解析部203による画像解析の対象となる領域を意味する。本実施形態に係る関心領域は、胚の内部領域であり、特に、胚の細胞質に相当する領域であることが好ましい。関心領域の設定方法については後述する。
撮像制御部102は、生成した画像等を情報処理装置20へ出力する。
(情報処理装置)
情報処理装置20は、画像解析機能を有する装置である。情報処理装置20は、PC(Personal Computer)、タブレット、スマートフォンなど、画像解析機能を有するあらゆる装置により実現される。情報処理装置20は、処理回路および通信装置を含む。例えば、本実施形態に係る情報処理装置20では、通信装置が撮像装置10から複数の画像(例えば、動画像または継時的に撮像された静止画像等)を取得し、処理回路が取得した画像について胚の内部に係る関心領域を設定する。そして、当該処理回路は、設定された関心領域の動きを画像解析により特定し、動き特徴量を算出する。さらに、当該処理回路は、複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された動き特徴量の提示を制御する。情報処理装置20の処理回路により行われる各処理については、情報処理装置20の内部または外部に備えられる記憶装置または表示装置等に出力される。なお、情報処理装置20は、ネットワーク上の1または複数の情報処理装置によって実現されてもよい。情報処理装置20の各機能を実現する機能構成については後述する。
なお、本実施形態において、撮像装置10および情報処理装置20により情報処理システム1が構成されるが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、撮像装置10が、情報処理装置20に関する処理(例えば、解析処理、特徴量算出処理、提示制御処理)を行ってもよい。この場合、情報処理システム1は、解析機能、特徴量算出機能および提示制御処理機能等を有する撮像装置により実現される。
ここで、本実施形態に係る情報処理システム1の観察対象である胚について説明する。例えば、ヒトの正常な受精卵では、受精直後に前核が出現し、その後細胞***が開始される。なお、受精卵は厳密には胚ではなく前核期胚であるが、本明細書では、受精卵も胚の一形態として説明する。
細胞***では、当初1細胞期であった正常な受精卵(胚)は、2細胞期胚となり、その後、4細胞期胚、8細胞期胚、桑実胚というように***を繰り返し、最終的に胚盤胞に到達する。一般的には、胚盤胞が子宮に着床したのち、胚を包む透明体が破れて、胚が孵化する。
IVFにおいて胚を培養し子宮に移植する場合、一般的には以下に示す方法が取られている。一つは、受精から2〜3日の経過時点(すなわち4細胞期または8細胞期に相当する期間内)に胚の質を評価し、良質な胚を選定して子宮に移植する方法である。しかし、従来の手法では胚の質の評価の信頼性が低く、妊娠率は決して高くなかった。もう一つは、受精から約6日目まで胚を培養し、胚盤胞に到達した胚を子宮に移植する方法である。しかし、胚の培養期間が長いため培養コストが高く、また、長期のインビトロでの培養による胚へのリスクも存在する。そのため、比較的短期間で、精度高く胚の質を評価する技術が求められていた。
このような胚の質を評価する技術として、例えば、上記の特許文献1(特表2014−520522号公報)には、胚の1細胞期における細胞質内運動の程度および/または胚の形状の変化を画像解析により測定し、その測定結果を用いて胚の発生能(質)を予測する技術が開示されている。
しかし、かかる技術は、あくまでも1細胞期における胚の形態等の変動のみに基づいて胚の質を評価することに限られている。良質な胚は、1細胞期のみならず、2細胞期以降において特徴的な細胞質内運動や変化パターンを示し得る。そのため、単に1細胞期のみで胚の質の良否を見分けることは実質的に困難であり、早期に胚を子宮に移植することはできても、結果として妊娠率の向上に貢献するかについては疑問が残る。
そこで、本実施形態に係る情報処理システム1は、複数の細胞期に相当する期間で時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、複数の画像上の胚に係る関心領域内の動きを特定し、特定された動きに基づいて胚の内部に係る動き特徴量を算出し、胚の質の評価を行うため、複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された動き特徴量の提示を制御する。かかる技術により、複数の細胞期のそれぞれにおける胚の内部の動きを定量的に測定することが可能となる。各細胞期に見られる胚の内部の運動についてそれぞれ定量的に測定することができれば、胚の質の良否についてより精度高く評価することが可能となる。
以上、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1の概要について説明した。本開示の一実施形態に係る情報処理システム1に含まれる情報処理装置20は、以下の実施形態において実現される。以下、情報処理装置20の具体的な構成例および処理例について説明する。
<<2.情報処理装置>>
以下、図2〜図24を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理装置20について説明する。
<2.1.構成例>
図2は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置20の機能構成例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置20は、制御部200、通信部210および記憶部220を備える。制御部200の機能は、情報処理装置20が備えるCPU(Central Processing Unit)等の処理回路により実現される。また、通信部210の機能は、情報処理装置20が備える通信装置により実現される。また、記憶部220の機能は、情報処理装置20が備えるストレージ等の記憶装置により実現される。以下、各機能部について説明する。
(制御部)
制御部200は、情報処理装置20の動作全般を制御する。また、制御部200は、図2に示すように、画像取得部201、関心領域設定部202、解析部203、動き補償部204、特徴量算出部205、および提示制御部206の各機能を含み、本実施形態に係る情報処理装置20の動作を主導的に制御する。制御部200に含まれる各機能部の有する機能については後述する。
(通信部)
通信部210は、情報処理装置20が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは直接的に)、外部装置と無線または有線により各種通信を行う。例えば、通信部210は、撮像装置10と通信を行う。より具体的には、通信部210は、撮像装置10により生成された画像を取得する。また、通信部210は、撮像装置10以外の他の装置と通信を行ってもよい。例えば、通信部210は、画像取得部201により取得された画像および提示制御部206より制御される提示に関する情報等を、外部の表示装置等に送信してもよい。
(記憶部)
記憶部220は、情報処理装置20が備える記憶手段であり、通信部210により取得された情報、または制御部200の有する各機能部により得られた情報等を記憶する。また、記憶部220は、制御部200の有する各機能部、または通信部210からの要求に応じて、記憶されている情報を適宜出力する。
次に、制御部200に含まれる各機能部の有する機能について説明する。
(画像取得部)
画像取得部201は、胚を含む画像を取得する機能を有する。当該画像は、所定期間連続的に撮像されることにより得られる動画像、または断続的に撮像されることにより時系列に得られる複数の静止画像であってもよい。例えば、取得される画像は、所定の周期ごとに、所定の時間間隔を空けて、一定時間撮像して得られる動画像であってもよい。これにより、撮像に伴う胚に対する光毒性を抑えることができ、また、かかる評価のための画像処理に伴う負荷を軽減し、効率的に画像処理を行うことができる。
また、当該画像は、一または複数の胚に係る画像であってもよい。複数の胚に係る画像とは、複数の胚の各々一つずつ撮像フレームに含まれている画像、または一つの撮像フレームに複数の胚が含まれている画像を意味する。
画像取得部201は、例えば、撮像装置10の撮像部101により撮像される胚を含む画像を取得する。具体的には、画像取得部201は、撮像装置10の撮像部101によりリアルタイムで撮像される胚を含む画像を、通信部210を介して取得してもよい。この場合、後段の各機能部における撮像対象である胚の質の評価のための各処理をリアルタイムで行うことが可能である。また、画像取得部201は、予め撮像装置10の撮像部101により撮像された画像であって、記憶部220に記憶された画像を記憶部220から取得してもよい。この場合、予め撮像された胚の質の評価のための処理をポスト処理として行うことができる。
なお、画像取得部201は、後段の各処理の精度を上げるために、適宜演算等を行い、取得した画像についての補間、ノイズ除去、回転等の補正を行ってもよい。
画像取得部201は、取得した画像を関心領域設定部202に出力する。なお詳しくは後述するが、取得した画像について予め関心領域が設定されている場合、画像取得部201は、取得した画像を解析部203に出力してもよい。
(関心領域設定部)
関心領域設定部202は、取得した画像について関心領域を設定する機能を有する。当該関心領域は、画像の占める領域のうち、後段の解析処理における解析対象となる領域を意味する。本実施形態に係る関心領域は、画像に含まれる胚の内部に相当する領域である。胚の内部とは、具体的には、胚の中央部分に含まれる細胞質であってもよい。これにより、後段の解析処理等において、胚の細胞質の動きを特定することができる。なお、例えば、胚の形態の変化についても解析したい場合は、関心領域は、細胞質だけではなく、胚の透明膜(外界との界面に相当する部分)に相当する領域として設定されてもよい。
関心領域の設定方法について図3および図4を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る画像取得部201により取得された胚E1を含む画像F1の一例を示す図であり、図4は、本実施形態に係る関心領域設定部202による関心領域R1の設定例を示す図である。図3に示す画像F1には、1細胞期の胚E1が撮像されており、胚E1の中央部分には前核が融合した段階における1つの細胞質CF1が存在する。関心領域設定部202は、図4に示すように、細胞質CF1の輪郭に相当する部分により囲まれる領域を関心領域R1として設定する。
関心領域設定部202は、例えば、不図示の入力装置(例えば、マウス、タッチペン、タッチパネル等の公知の入力装置)に対するユーザの操作に基づいて、関心領域を設定してもよい。また、関心領域設定部202は、2値画像変換、ハフ変換、または機械学習等の公知のアルゴリズム等による任意の画像解析手法を用いて、関心領域を設定してもよい。また、関心領域設定部202は、一の画像について設定した関心領域の複数の画像上の動きをオプティカルフロー等のアルゴリズムに基づいて推定することにより、複数の画像について関心領域を設定してもよい。これにより、胚の内部の動きの解析対象である複数の画像について、自動的に関心領域が設定され得る。
なお、上述したように、取得した画像について撮像装置10等により予め関心領域が設定されている場合、関心領域設定部202の機能は用いられなくてもよい。
関心領域設定部202は、関心領域が設定された画像を解析部203に出力する。
(解析部)
解析部203は、設定された胚に係る関心領域内の複数の画像上の動きを特定する機能を有する。関心領域内の動きとは、当該関心領域に相当する胚の内部(細胞質)の動きに起因する、複数の画像上における動きを意味する。
解析部203は、例えば、関心領域内の動きとして、動きベクトルを特定してもよい。このような動きベクトルは、例えば、ブロックマッチング法により特定され得る。ブロックマッチング法とは、画像を例えばN×N画素からなる複数のブロックに分割し、関心領域内のブロックと最も近似しているブロックを前後フレームから探し、その差分に基づいて動きベクトルを算出する方法である。解析部203は、関心領域内に含まれる複数のブロックについてブロックマッチング法を用いて動きベクトルを特定する。これにより、関心領域に相当する胚の内部の複雑な動きを定量的に得ることができる。
なお、上記の動きベクトルは、上述したブロックマッチング法に限られず、勾配法などオプティカルフローに係る公知のアルゴリズムにより特定されてもよい。
次に、実際に解析部203により特定された動き(動きベクトル)の例について説明する。図5および図6は、本実施形態に係る解析部203により特定される動きベクトルの第1の例および第2の例を示す図である。
図5の画像F1に示す胚E1は、図3および図4に示した胚E1と同じく、1細胞期の胚である。胚E1について設定された関心領域R1内において、解析部203により、複数の動きベクトルMB1が特定され得る。これらの動きベクトルMB1は、図5に示すように、動き量が大きく、かつランダムな配向性を示している。これは、胚の内部の動きが活性であることを示している。
一方、図6の画像F2に示す胚E2は、2細胞期に到達したばかりの胚である。すなわち、胚E2は、細胞***した直後の胚である。この場合、胚E2の内部(***した2つの細胞の内部)について、関心領域設定部202により関心領域R2が設定され得る。そして、解析部203により関心領域R2内の動きベクトルMB2が特定され得る。動きベクトルMB2は、図6に示すように、***した二つの細胞が互いに離反する方向を示している。すなわち、細胞質が***する方向に動いていることが特定された動きベクトルにより示され得る。
解析部203は、特定した胚の内部の動きに係るデータを、特徴量算出部205に出力する。
(動き補償部)
本実施形態に係る情報処理装置20は、動き補償部204を備えてもよい。動き補償部204は、関心領域が設定された画像を補償する機能を有する。例えば、複数の撮像画像上において関心領域に係る胚が回転運動をした場合、胚の内部の動きは、細胞質の運動に起因する動きと、胚全体の動きとが合わさった動きとなる。このような胚全体の動きは、例えば、培地M1の振動等の外的要因、または胚全体の運動または慣性力により生じ得る。このような胚全体の動きが含まれる場合、胚の内部の動きのみを正確に特定することは困難となる。
そこで、動き補償部204は、関心領域設定部202から取得した関心領域が設定された画像に対して動き補償を行う。例えば、動き補償部204は、複数の画像上における胚全体としての動きを検出し、当該検出結果に基づいて当該胚が含まれる画像に対して動き補償を行う。
図7は、本実施形態に係る動き補償部204による動き補償処理の一例を説明するための図である。図7に示すように、2細胞期の胚E2の全体が時計回りに矢印Rot1に沿って回転していたとする。この場合、関心領域R3が設定されている細胞質MB2も胚全体とともに回転する。そこで、動き補償部204は、胚全体の回転を検出し、当該検出結果に基づいて当該回転をキャンセルするための画像F3の回転角度(動き補償量の一例)を算出し、当該画像F3を矢印C1に沿って当該回転角度の分だけ回転させる。これにより、胚全体の回転による動きを差し引いた後の関心領域R3内の動きを、上記の解析部203により精度高く特定することが可能となる。
なお、図7では胚全体の回転による動きについての動き補償処理の例が示されたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、動き補償部204は、胚全体の回転だけではなく、胚全体の並進方向の動きについて動き補償処理を行ってもよい。これにより、胚全体の並進方向の動きを差し引いた後の関心領域R3内の動きを、上記の解析部203により精度高く特定することが可能となる。
なお、胚全体の動きの検出については、公知の動き補償に係る技術が用いられてもよい。例えば、動き補償部204は、胚の透明膜(外界との界面に相当する部分)に相当する部分の複数の画像上における動きを検出し、当該動き成分に基づいて動き補償量を算出し、当該動き補償量を用いて画像を動き補償してもよい。
動き補償部204は、動き補償処理がなされた画像(関心領域が設定されている)を解析部203に出力してもよい。この場合、解析部203は、動き補償処理後の画像に設定されている関心領域内の動きを特定する。
(特徴量算出部)
特徴量算出部205は、解析部203により特定された動きに基づいて、胚の内部に係る動き特徴量を算出する機能を有する。
動き特徴量とは、ある時点における胚の内部の動きの特徴を示す値を意味する。例えば、動き特徴量として、関心領域内の動きの動き量または動き方向に基づく動き特徴量が含まれる。動き量とは、単位時間(単位フレーム)あたりの動きの大きさを意味する。また、動き方向とは、単位時間(単位フレーム)あたりの動きの向きを意味する。これらの動き量および動き方向は、例えば、特定された動きベクトルのノルムおよび方向に相当するものであってもよい。
動き量に基づく動き特徴量は、例えば、胚を含む画像の関心領域内について特定された撮像時点における複数の動きに係る動き量の代表値であってもよい。当該代表値は、例えば、複数の動き量の平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、分散または標準偏差などの統計値であってもよい。
また、当該画像が上述した所定の周期tintごとに所定期間tmeas撮像して得られる動画像である場合、動き量に基づく動き特徴量は、所定期間tmeas撮像して得られる動画像を構成する各フレームについてそれぞれ得られた上記動き量の代表値の平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、分散または標準偏差などの統計値であってもよい。これにより、上記所定期間tmeasにおける動き特徴量が算出される。
上述した例について、図8を用いてさらに詳述する。図8は、本実施形態に係る特徴量算出部205による特徴量算出処理の一例を説明するための図である。図8を参照すると、まず、所定の周期tintごとに所定期間tmeas胚が撮像されているとする。この撮像が行われる所定期間を、撮像対象期間1011と称する。
特徴量算出部205は、まず、撮像対象期間1011において撮像された画像の各々における複数の動きに係る動き量の平均値を算出する。ここで得られた動き量の平均値の時系列データは、グラフ1101のように示される。
次に、特徴量算出部205は、撮像対象期間1011に対応する動き特徴量を算出する。ここで算出される動き特徴量は、例えば、グラフ1101で示された動き量の平均値の時系列データの平均値であってもよい。得られた動き特徴量は横軸を時間(時)、縦軸を動き特徴量とするグラフにプロットされる。例えば、図8に示すように、各撮像対象期間1011a〜1011dに対応する動き特徴量が、プロット1001a〜1001dとしてプロットされる。そして、これらのプロットを補間する直線または曲線を描画することにより、動き特徴量の時系列のグラフ1001が取得される。このようなグラフ1001は、後述する提示制御部206により取得され得る。
なお、本実施形態に係る動き特徴量は、特定された動きの動き量に基づく動き特徴量に限定されず、動き方向に基づく動き特徴量であってもよい。また、動き特徴量は、動き量および動き方向の双方に基づく動き特徴量であってもよい。この場合、動き特徴量は単なる値ではなく、動き量および動き方向の二次元の配列を有するデータとして算出されてもよい。これにより、後述するように、胚の内部の動きの配向性を把握することができ、胚の変性、***または孵化等の動きを予測することが可能となる。
また、本実施形態に係る動き特徴量は、関心領域内の所定の領域のうち、ある条件を満たす動きが特定された部分の領域の大きさまたは位置等(「動き領域」と称する)に基づく動き特徴量であってもよい。この動き領域は、例えば、関心領域全体であってもよいし、関心領域の中央部分または輪郭近傍部分であってもよい。このような動き領域に基づく動き特徴量を算出することにより、胚の内部の特定の動きを捕捉することが可能となる。
また、特徴量算出部205は、一種類の動き特徴量のみならず、複数種類の動き特徴量を同時に算出してもよい。例えば、特徴量算出部205は、動き量の平均値により得られる動き特徴量、および動き方向の標準偏差により得られる動き特徴量を同時に算出してもよい。これにより、見かけの動き量の平均値が経時的に変動しなくても動き方向に有意な変化が見られる場合に、細胞質等の***が発生していると予測することが可能となる。
特徴量算出部205は、取得した動き特徴量を提示制御部206に出力する。
(提示制御部)
提示制御部206は、胚の質の評価を行うための、動き特徴量の提示を制御する機能を有する。
本明細書において、胚の質の評価とは、観察対象である胚を母体の子宮に移植するのに適しているとして選定すべきか否かを決定することである。提示制御部206が特徴量算出部205において取得された動き特徴量の提示を制御することにより、本実施形態に係る情報処理装置20を使用するユーザは、その提示を参考にして、胚の質の評価を容易にすることができる。
本実施形態に係る提示制御部206は、複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された動き特徴量の提示を制御する。この2つの細胞期とは、例えば、1細胞期と2細胞期というような連続する2つの細胞期であってもよいし、1細胞期と4細胞期というような離隔している2つの細胞期であってもよい。また、細胞期と細胞期の間には***期が存在するが、この***期は上述した期間には必ずしも含まれない。
例えば、提示制御部206は、胚についての2細胞期以前(例えば、受精直後または1細胞期から2細胞期まで)に相当する期間で取得された動き特徴量の提示を制御してもよい。2細胞期以前に相当する期間においては、胚の内部において、主に卵子由来の遺伝子発現に起因するといわれる急激な動きの変化(すなわち振動)または略周期的な動きの変化がみられ得る。具体的には提示制御部206の提示例の中で説明するが、このような卵子由来の動きを捕捉することにより、胚の細胞質内運動が活性であるか否か、すなわち胚の良否を判定することが容易となる。
また、提示制御部206は、胚についての4細胞期以降(例えば、4細胞期から8細胞期または胚盤胞期まで)に相当する期間で取得された動き特徴量の提示を制御してもよい。4細胞期以降までに相当する期間においては、胚の内部において、主に***由来の遺伝子発現に起因するといわれるゆるやかな動きの変化が見られ得る。具体的には提示制御部206の提示例の中で説明するが、このような***由来の動きを捕捉することにより、4細胞期以降における胚の細胞質内運動が活性であるか否か、すなわち胚の良否を判定することが容易となる。特に、上述したように***由来の胚の内部の動きは4細胞期以降でないと確認することが困難であるので、2細胞期までにおいて胚の良否を判定するよりも、4細胞期以降において胚の良否を判定する方が、その精度は高くなり得る。
このように、卵子由来および/または***由来の遺伝子発現が見られ得る細胞期に相当する期間の胚の内部の動きに注目することにより、高精度で、かつ、より効率的に胚の質の評価をすることが可能となる。したがって、良質と評価された胚を早期に母体に移植することが可能となる。
また、提示制御部206は、単に動き特徴量の上記期間における経時変化の提示を制御するだけでなく、当該経時変化に対する解析を行い、その解析結果の提示を制御してもよい。例えば、提示制御部206は、動き特徴量の時系列データを周波数解析し、その結果得られる動き特徴量の時系列データの大局的な変化および/または局所的な変動に関する提示を制御してもよい。
また、提示制御部206は、動き特徴量の時系列データをピーク解析(ピーク強度解析およびピーク間距離解析を含む)し、その結果得られる動き特徴量の時系列データの局所的な変動に関する提示を制御してもよい。特に、ピーク間距離解析を行うことにより、局所的な変動の周期をより正確に把握することができる。
また、提示制御部206は、回帰フィッティングまたは学習器を用いた過去の蓄積データとの相似度判定手法を用いて動き特徴量の時系列データを解析し、その結果得られる動き特徴量の時系列データの大局的な変化に関する提示を制御してもよい。
動き特徴量の時系列データの大局的な変化または局所的な変動に関する提示とは、例えば、遺伝子発現の傾向を示す近似曲線であり得る。したがって、このような大局的な変化および局所的な変動に関する提示を制御することにより、遺伝子発現が胚の内部で発生しているか否か、すなわち胚の質の良否を判断することが容易となる。
これらの具体的な提示例については後述する。また、提示制御部206により提示される内容は、例えばユーザの操作等により適宜変更されてもよい。
<2.2.処理例>
以上、本開示の一実施形態に係る情報処理装置20の構成および機能について説明した。次に、本開示の一実施形態に係る情報処理装置20による処理の一例について、図9を用いて説明する。
図9は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置20による処理の一例を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、情報処理装置20が、複数の細胞期に相当する期間に撮像された胚を含む一連の画像を撮像装置10から取得し、これらの一連の画像から胚の内部に係る動き特徴量の提示を制御するまでの処理の流れの一例を示す。
まず、画像取得部201は、通信部210を介して複数の細胞期に相当する期間に撮像された胚を含む一連の画像を撮像装置10から取得する(S101)。
次に、関心領域設定部202は、取得した一連の画像について関心領域を設定する(S103)。
次いで、解析部203は、関心領域が設定された一連の画像について、関心領域内の動きを特定する(S105)。そして、特徴量算出部205は、特定された動きに基づいて胚の内部に係る動き特徴量を算出する(S107)。
次に、提示制御部206は、算出された動き特徴量の提示を制御する(S109)。
上述した処理は、胚の培養がリアルタイムで行われている場合、画像を取得するたびに繰り返し実施される。一方で、既に胚の培養が終了している場合は、ポスト処理として、上述した処理は一度にまとめて行われてもよい。この場合、例えば、複数の細胞期に相当する期間のうち全部または一部の期間に取得された画像について上記の処理が行われてもよい。
<2.3.提示制御例>
以上、本開示の一実施形態に係る情報処理装置20の構成例および処理例について説明した。次に、本実施形態に係る提示制御部206により制御される提示の例について説明する。
(動き特徴量の経時変化の提示)
図10は、本実施形態に係る提示制御部206による動き特徴量の経時変化の提示の一例を示す図である。図10に示すように、提示制御部206は、複数の細胞期に相当する期間における動き特徴量の経時変化を示す時系列データをグラフとして提示してもよい。
具体的には、提示制御部206は、動き特徴量の時系列データをグラフ1101として提示してもよい。図10に示すグラフ1101は、受精卵の受精後に撮像を開始してから90時間後までの動き特徴量の時系列データを示している。なお、図10に示すグラフの動き特徴量は、所定時間ごとに測定された関心領域内の動き量の平均値である。
図10に示すように、グラフ1101は、動き特徴量の大局的な変化および局所的な変動を示している。例えば、1細胞期(1-cell stage)の終期(領域1103a)および2細胞期(2-cell stage)の中期(領域1103b)においては、特徴的な振動が観察される。領域1103aの示す振動は、1細胞期から2細胞期への細胞***に起因するといわれるものであり、領域1103bの示す振動は、2細胞期特有の、卵子由来の遺伝子発現に起因するといわれるものである。したがって、このような振動が補足されれば、胚の活性度が高いと判断することができる。
また、4細胞期(4-cell stage)の後期から8細胞期(8-cell stage)の初期にかけて、動き特徴量が徐々に増加し、8細胞期以降にかけて、動き特徴量が徐々に減少するという緩やかな変化(領域1103c)が観察される。領域1103cの示す変化は、***由来の遺伝子発現に起因するといわれるものである。したがって、このような変化が補足されれば、***由来の遺伝子発現が胚において生じており、胚がさらに次のステージに順調に進行していると判断することができる。
また、胚盤胞期(Blastocyst-stage)の後期においては、動き特徴量の振動が急激に大きくなっていることが観察される。これは、細胞***が桑実胚から胚盤胞に変化することに伴う胚の内部の構造の大きな変化に起因すると考えられる。したがって、このような振動が補足されれば、胚盤胞のステージに到達した胚であると判断することができる。
これらの大局的な変化および局所的な変動を捕捉するために、提示制御部206は、動き特徴量の時系列データの解析をおこない、その解析結果を提示してもよい。例えば、提示制御部206は、上述した周波数解析、回帰フィッティングまたは学習器を用いた過去の蓄積データとの相似度判定手法を用いた解析により、図10に示すような動き特徴量の時系列データの大局的な変化を示す曲線(近似曲線)1102を提示してもよい。また、提示制御部206は、上述した周波数解析またはピーク解析を行うことにより、局所的な変動を示す部分(領域1103a、1103b、1103d)を特定してもよい。動き特徴量の時系列データの大局的な変化を示す曲線の変化の傾向、または局所的な変動の有無もしくはその振動間隔、振動の大きさ、振動数、振動時点について提示することにより、胚の質の評価をより精度高く容易に行うことができる。
したがって、動き特徴量の経時変化に見られる傾向または振動を捉えることによって、より精度の高い胚の質の評価が可能となる。
(動き特徴量の空間分布の提示)
図11〜図18は、本実施形態に係る提示制御部206による動き特徴量の空間分布の提示の一例について説明するための図である。各図に示すように、提示制御部206は、動き特徴量の空間分布を提示してもよい。
図11および図12は、胚の画像および胚の内部に係る動き特徴量の空間分布の第1の例を示す図である。また、図13および図14は、胚の画像および胚の内部に係る動き特徴量の空間分布の第2の例を示す図である。図12および図14において示される動き特徴量のプロットの濃淡は、胚に係る関心領域内の動きに係る動き量(μm/sec)に対応する。
図12を参照すると、第1の例において、画像F4に含まれる胚E21の内部の動き特徴量は、全体的に大きい値を示している。このことから、胚E21の内部の動きが活発であり、細胞質が活性であると判断することができる。
一方、図14を参照すると、第2の例において、画像F5に含まれる胚E22の内部の動き特徴量は、中央部分で低いもしくは0を示している。このことから、胚E22の内部の動きが抑制されており、胚E22に変性が生じている可能性があると判断することができる。
図15および図16は、胚の画像および胚の内部に係る動き特徴量の空間分布の第3の例を示す図である。また、図17および図18は、胚の画像および胚の内部に係る動き特徴量の空間分布の第2の例を示す図である。図16および図18において示される動き特徴量のプロットの濃淡は、胚に係る関心領域内の動きに係る動き方向に対応する。すなわち、これらのプロットの濃淡は、矢印Arr1または矢印Arr2のいずれかの示す動き方向に対応する。例えば、矢印Arr1の濃さに近いプロットは、矢印Arr1の動き方向に対応する動き特徴量を有し、矢印Arr2の濃さに近いプロットは、矢印Arr2の動き方向に対応する動き特徴量を有する。
図16を参照すると、第3の例において、画像F61に含まれる胚E31の内部の動き特徴量の空間分布は、全体的にランダムな分布となっている。このことから、胚E31の内部の動きはバラバラであり、特徴的な動きが見られないことが分かる。
一方、図18を参照すると、第4の例において、画像F62に含まれる胚E32(胚E31と同一の胚であり、画像F61の撮像時点以降に撮像されたもの)の内部の動き特徴量の空間分布は、左右にそれぞれクラスタ化している。このことから、胚E32の内部において、細胞質が左右に***しようとする、すなわち細胞***が生じていると判断することができる。
このように、胚の内部に係る動き特徴量の空間分布を提示することにより、動き特徴量の継時的な変化だけではなく、動き特徴量の空間的な変化を捉えることが可能となる。したがって、胚の質についての二次元的な評価が可能となるので、より精度高く胚の良否を判定することができる。
(動きの配向性の提示)
なお、図11〜図18に示した例では、胚の内部に係る動き特徴量の空間分布を、当該胚を含む画像とともに重畳して提示したが、このような動き特徴量の空間分布の提示はかかる例に限定されない。例えば、提示制御部206は、胚の内部の動きの配向性を提示してもよい。
図19および図20は、胚の内部の動きの配向性に係る提示の第1の例および第2の例を示す図である。第1の例は、胚の内部の動きに特徴が無い場合の例であり、第2の例は、胚の内部の細胞質が左右に***しつつある例である。
図19を参照すると、画像F71には、胚E4、および胚E4の内部に重畳される胚の内部に係る動き特徴量の空間分布のプロットが含まれている。提示制御部206は、この空間分布に基づいて、胚の内部の動きの配向性を示すグラフを提示してもよい。具体的には、提示制御部206は、各プロットにおける動きの動き量および動き方向について統計処理を行い、胚の内部の動きのうち、各方向に対応する動き成分の大きさをレーダー状に示すグラフを提示してもよい。例えば、図19に示すように、提示制御部206は、胚の内部の動きの配向性を示すグラフ1201を、各プロットにおける動きの動き量および動き方向を用いて生成し、提示してもよい。グラフ1201は、各方向の動き成分の大きさが全周においてほぼ一定であることを示している。したがって、グラフ1201の提示により、胚の内部の動きに特徴がないと判断することができる。
一方、図20を参照すると、画像F72には、内部が***しつつある胚E5、および胚E5の内部に重畳される胚の内部に係る動き特徴量の空間分布のプロットが含まれている。この場合、提示制御部206は、胚の内部の動きの配向性を示すグラフ1202を生成して提示し得る。すると、グラフ1202は、相反する2方向の動き成分の大きさが顕著であることを示している。したがって、グラフ1202の提示により、胚の内部の動きが上記の相反する2方向で主に占められているため、胚の内部が***しつつあると判断することができる。
このように、胚の内部の動きの配向性を提示することにより、胚の内部に係る動きについて定量的に評価することが可能となるので、より精度の高い胚の質の評価を行うことが可能となる。なお、図19および図20には、配向性のグラフに対応する動き特徴量の空間分布が示されていたが、当該配向性のグラフは必ずしも空間分布とともに提示されなくてもよく、配向性のグラフのみが提示されてもよい。
(提示態様の例)
次に、提示制御部206により表示装置に提示制御されるインタフェースの提示態様の例について、図21および図22を用いて説明する。提示制御部206は、例えば、インタフェースとして、動き特徴量の提示とともに、当該動き特徴量に関連する画像を提示する制御をしてもよい。
図21は、本実施形態に係る提示制御部206による提示の態様の第1の例を示す図である。図21を参照すると、表示画面Disp1には、動き特徴量の経時変化を示すグラフ1301、胚に係る複数の画像1302、および動き特徴量の空間分布が重畳された複数の画像1303が含まれている。なお、画像1302および1303は、撮像装置10により生成された画像のうち、胚を含む領域のみがトリミングされた画像であってもよい。
画像1302および1303は、当該画像の撮像時点に対応した位置に表示され得る。例えば、動き特徴量に係るグラフ1301上のプロット点の上側に、これらの画像が関連付けられて表示されてもよい。これにより、培養期間の動き特徴量の変化と胚の形態の変化の様子とを突合せながら、胚の質の評価をすることが可能となる。
図22は、本実施形態に係る提示制御部206による提示の態様の第2の例を示す図である。図22を参照すると、表示画面Disp2には、動き特徴量の経時変化を示すグラフ1301に加えて、選択ボックス1351、および画像表示ボックス1353が含まれている。
選択ボックス1351は、観察対象である胚、または提示対象である動き特徴量を選択するためのボックスである。例えば、選択ボックス1351の「Embryo1、Embryo2、Embryo3、…」のいずれかを選択すると(図22では、「Embryo1」が選択されている)、そのいずれかに対応する胚の内部に係る動き特徴量の経時変化を示すグラフがグラフ1301として提示され、また、当該胚の画像が画像表示ボックス1353に提示される。また、選択ボックス1351の「MC1、2、…」のいずれかを選択すると、選択されたMC(動き特徴量)の経時変化を示すグラフがグラフ1301として提示される。
画像表示ボックス1353は、胚の画像(または胚の内部に係る動き特徴量の空間分布等)を表示するためのボックスである。例えば、画像表示ボックス1353には、選択ボックス1351により選択された胚の、グラフ1301上においてカーソルにより選択されたポイント1352の示す時刻に対応する画像Img1が表示されてもよい。また、かかるポイント1352がグラフ1301上をスライドする場合に、画像表示ボックス1353は、当該ポイント1352が示す時刻の変化に応じて画像Img1の表示を変更してもよい。これにより、培養期間の動き特徴量の変化と胚の内部の動きの変化の様子とを突合せながら、胚の質の評価をすることが可能となる。
なお、図21および図22に示した表示画面Disp1およびDisp2は、あくまでも提示制御部206により制御される提示の態様の一例であり、本技術はかかる例に限定されない。例えば、これらの表示画面に表示される画像として、設定された関心領域が可視化された胚の画像が表示されてもよい。また、グラフ1301には、胚の各細胞期に相当する期間を示す表示がされてもよい。
<2.4.効果>
以上、本開示の一実施形態に係る情報処理装置20の構成例、処理例および提示制御例について説明した。本実施形態に係る情報処理装置20は、複数の細胞期に相当する期間に撮像された胚を含む画像に設定された関心領域内の動きを特定し、特定された動きに基づいて当該胚に係る動き特徴量を算出し、胚の質の評価に資するよう複数の細胞期のうち2以上の細胞期に相当する期間で得られる当該動き特徴量の提示を制御する。かかる構成により、胚の質の良否に影響する、複数の細胞期における胚の内部の特徴的な動きを捉えることができる。したがって、胚の質の評価をより精度高く行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る情報処理装置20は、少なくとも2細胞期以前および/または少なくとも4細胞期以降に相当する期間に得られる動き特徴量の提示を制御する。これにより、胚の内部における2細胞期以前に見られる卵子由来の遺伝子発現、および4細胞期以降に見られる***由来の遺伝子発現に起因するといわれる動きを捉えることができる。したがって、胚の質の評価をさらに高い精度で行うことができる。
また、本実施形態に係る情報処理装置20は、動き特徴量の経時変化に対する解析結果の提示を制御する。これにより、動き特徴量の経時変化に含まれる大局的な変化および局所的な変化にフォーカスを当てることが可能となる。これらの変化は上述したような遺伝子発現または細胞***等に起因するといわれるものである。したがって、このような変化を捉えることにより、胚の質の評価をさらに高い精度で行うことができる。
また、本実施形態に係る情報処理装置20は、動き特徴量の空間分布の提示を制御する。これにより、動き特徴量の経時変化のみならず、胚の内部における空間的な変化を捉えることができる。したがって、胚の質の評価をさらに高い精度で行うことができる。
以上、本実施形態に係る情報処理装置20について説明した。
<2.5.変形例(評価部)>
上記実施形態に係る情報処理装置20は、算出された動き特徴量の提示を制御するが、本技術はかかる例に限定されない。本実施形態の変形例に係る情報処理装置20Aは、算出された複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された動き特徴量を用いて胚の質の評価を行う評価部をさらに備える。以下、本変形例について図23および図24を用いて説明する。
図23は、本変形例に係る情報処理装置20Aの機能構成例を示す機能ブロック図である。図23に示すように、本変形例に係る情報処理装置20Aは、制御部200A、通信部210および記憶部220Aを備える。また、制御部200Aは、上記実施形態に係る制御部200の機能構成に加えて、評価部207を含む。また、記憶部220Aは、評価用DB(データベース)221を含む。評価部207および評価用DB221以外の各構成要素は上記実施形態に係る情報処理装置20に含まれる各構成要素と同一であるため、説明を省略する。なお、提示制御部206は、評価部207により得られた評価結果の提示を制御してもよい。
(評価部、評価用DB)
評価部207は、算出された動き特徴量を用いて胚の質の評価を行う機能を有する。具体的には、評価部207は、複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された動き特徴量を用いて胚の質の評価を行う。
例えば、評価部207は、動き特徴量の経時変化を解析し、得られた解析結果に基づいて胚の質の評価を行ってもよい。動き特徴量の経時変化に対する解析とは、上述したような周波数解析、ピーク解析、回帰フィッティングまたは相似度判定等であってもよい。より具体的には、評価部207は、動き特徴量の経時変化を解析して得られる周波数、ピーク値またはピーク間距離を所定の閾値と比較することにより評価を行ってもよい。また、評価部207は、動き特徴量の経時変化の示すグラフについて回帰フィッティングして得られるカーブの傾向に基づいて評価を行ってもよい。また、評価部207は、例えば、過去の動き特徴量の経時変化のうち最も相似するデータの評価結果に基づいて、当該動き特徴量に係る胚の質の評価を行ってもよい。かかる閾値等を用いることにより、動き特徴量の経時変化に係る定性的な特徴のみならず、定量的な指標を用いて評価することが可能となる。すなわち、評価精度が向上する。
上述した定量的な指標とは、例えば、動き特徴量の経時変化について、所定の細胞期における極大値、極小値、最大値もしくは最小値等の代表値、または当該代表値を示したときの時刻(時点)を指標であってもよい。このような指標を用いることにより、胚の質の評価をより容易にすることができる。
評価部207による定量的な指標を用いた胚の質の評価の一例について説明する。図24は、本変形例に係る評価部207による胚の質の評価に用いられる指標の一例について説明するためのグラフである。動き特徴量の経時変化を示す動きプロファイル1401が図24のグラフに示されている。
図24に示すように、例えば、胚の質の評価に用いられる指標として、以下の指標が挙げられる。
a:1細胞期における、第1細胞***の前の動き特徴量の極大値(極大値のうち、1細胞期から2細胞期への遷移時点に最も近い時点における動き特徴量の極大値、図24の領域1402で示す部分)
b:2細胞期における動き特徴量の最小値(図24の領域1403で示す部分)
d:1細胞期における動き特徴量の最小値(図24の領域1404で示す部分)
:凍結胚の融解時点を起点とする、上記aに達した時点
:凍結胚の融解時点を起点とする、上記bに達した時点
ab90:凍結胚の融解時点を起点とする、上記aを基準として上記aと上記bの差の90%だけ動き特徴量が低下した時点
なお、図24に示す動きプロファイル1401の時間軸における原点は、胚の撮像を開始した時点であり、必ずしも凍結胚の融解時点とは一致しない。この場合、凍結胚の融解時点を別途記録しておくことが求められる。
かかる指標を用いることにより、以下の実施例に示すように、動き特徴量の経時変化に基づいて、胚の質の評価を容易に行うことができる。特に、Tは、未受精卵から受精卵の遺伝子発現の切り替えのタイミング、すなわち***由来の遺伝子発現のタイミングを反映するものである。かかるタイミングは、EGA(Embryonic Genome Activation)と呼ばれている。また、これらのパラメータはいずれも2細胞期が終了するまでに得られるものであるため、早期の胚の評価が可能となる。
なお、複数の指標を用いたものも、本変形例に係る指標として用いられ得る。このうち、T−T、およびTab90−Tは、未受精卵由来(すなわち卵子由来)の遺伝子発現が持続していることを反映するものである。
なお、かかる指標は上述した例に限定されず、動き特徴量の経時変化を累積して取得することにより得られる当該経時変化の示す傾向と、当該経時変化を示した胚の質との関係に応じて、適宜設定され得る。
次に、上記の指標を用いた胚の質の評価の一実施例について説明する。
本実施例では、凍結胚について、評価部270を含む本実施形態に係る情報処理システム1を用いて胚の質の評価を行った。用いた凍結胚の培養結果を表1に示す。
表1に示すとおり、用いた凍結胚は71個であり、そのうち27個(38%)は孵化まで到達し(Hatching)、19個(26.8%)が胚盤胞まで到達し(Blastocyto)、25個(35.2%)は胚盤胞に未到達であった(Non-Blastcyte)。
これらの凍結胚の細胞を撮像装置10により撮像し、生成された撮像画像を用いて情報処理装置20Aにより凍結胚の内部の微細な動きについて解析し、胚の質の評価を行った。撮像画像の撮像レートは5fpsであり、15分〜30分間隔でタイムラプス撮像が行われて、撮像画像が生成された。情報処理装置20Aは、当該撮像画像に対して凍結胚の内部の動きを特定し動き特徴量を算出した。かかる動き特徴量は、凍結胚の内部の動き量を時空間平均したものである。情報処理装置20Aは、胚の4細胞期開始時までこの動き特徴量を経時的にグラフ上にプロットし、得られる動き特徴量の経時変化として、図24に示すような動きプロファイル1401を取得した。
そして、評価部207は、上述したa、b、d、T、TおよびTab90の指標を動きプロファイルから抽出し、これらの指標を所定の閾値と比較し、比較結果に基づいて良質胚の判定を行い、良質胚の予測率を評価した。良質胚の予測率は、胚の孵化の予測率、および胚盤胞を形成した胚の予測率を含む。併せて、かかる評価における感度が算出された。
評価条件である指標の組み合わせおよび良質胚の判定条件を表2に示す。条件1は、T、Tab90ーT、およびT−Tを指標として用いている。条件2は、条件1の指標に加え、a−bを指標として用いている。条件3は、条件2の指標に加え、a−dを指標として用いている。
胚の質等の評価結果を表3〜5に示す。表3〜5は、それぞれ条件1〜3において判定された良質胚の判定結果、並びに良質胚の予測率およびその感度(Sensitivity)を示す。なお、“Hatching+Blastocyto”は、胚盤胞を形成した胚を意味する。
表3に示すように、胚の孵化の予測率は、条件1においては71.0%であり、条件2においては73.1%であり、条件3においては75.0%であった。実際の胚の孵化率は38.0%であることから、かかる指標を用いた孵化が予測される胚の選別の精度が十分高いことが示された。
また、胚盤胞を形成した胚の予測率は、条件1においては93.5%であり、条件2においては92.3%であり、条件3においては95.0%であった。胚盤胞を形成した胚は全体の66.2%であることから、かかる指標を用いた良質胚の選別の精度が高いことが示された。したがって、かかる評価方法により、2細胞期終了の時点において良質胚を高い確率で予測できることが示された。すなわち、胚の質の評価を高い精度で行うことができることが示された。また、評価に用いられる指標を増やすことにより、感度は幾分低下するものの、予測率を向上させることができることが示された。
以上、上記の指標を用いた胚の質の評価の一実施例について説明した。なお、かかる実施例に記載された内容は、本開示に係る技術の内容を限定するものではなく、あくまでも一例である。
さらに、評価部207は、予め取得された、過去の胚の質の評価結果と当該胚の内部に係る動き特徴量との関係について学習されたモデルを用いて胚の質の評価を行ってもよい。このモデルは、過去に培養された胚の質の評価結果と、当該胚の内部に係る動き特徴量の経時変化とを機械学習することによって構築されるモデルである。当該機械学習は、例えばディープラーニング等のニューラルネットワークを用いた機械学習であってもよい。構築されたモデルは評価用DB211に格納され得る。
このようなモデルを用いることにより、単なる過去のデータとの比較のみならず、胚の良否を分ける動き特徴量の経時変化の特徴的な振動または変化を捉えた評価が可能となる。したがって、評価精度が向上する。
以上、本変形例に係る情報処理装置20Aについて説明した。
<<3.ハードウェア構成例>>
次に、図25を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図25は、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、上記の実施形態における情報処理装置20を実現しうる。
情報処理装置900は、CPU901、ROM903、およびRAM905を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、上記の実施形態における情報処理装置20に含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM903、およびRAM905は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置である。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどの表示装置、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
通信装置929は、例えば、通信ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。
なお、CPU901、ROM903およびRAM905等は、上記実施形態に係る制御部200の機能を実現し得る。また、上記のストレージ装置919は、上記実施形態に係る記憶部220の機能を実現し得る。また、上記の接続ポート925または通信装置929の少なくともいずれかは、上記実施形態に係る通信部210の機能を実現し得る。
以上、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示した。
<<4.まとめ>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、情報処理システム1は撮像装置10と情報処理装置20とを備える構成であるとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、撮像装置10が情報処理装置20の有する機能(例えば、解析処理、特徴量算出処理、提示制御処理)を備えてもよい。この場合、情報処理システム1は、撮像装置10により実現される。また、情報処理装置20が撮像装置10の有する機能(撮像機能)を備えてもよい。この場合、情報処理システム1は、情報処理装置20により実現される。また、情報処理装置20の有する機能の一部を撮像装置10が有してもよく、撮像装置10の有する機能の一部を情報処理装置20が有してもよい。
また、上記実施形態に係る情報処理システム1は、IVFのための技術として説明されたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、観察対象である胚は、ヒトの胚に限らず、マウス等のほ乳類の胚、ほ乳類以外の動物の胚、動物以外の多細胞生物の胚であってもよい。
また、上記変形例に係る記憶部220Aには評価用DB221が格納されていたが、当該評価用DB221は、情報処理装置20A以外の他の情報処理装置(例えばクラウドサーバ)等に格納されていてもよい。この場合、情報処理装置20Aは、通信部210を介して上記他の情報処理装置等から評価用DB221を取得してもよい。評価用DB221がクラウドサーバ等の共有サーバに置かれることにより、複数のユーザが評価用DB221に格納されているモデルを共有することができ、また、複数のユーザにより蓄積されるデータを当該モデルの構築に用いることが可能となる。
なお、本明細書の情報処理装置の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理装置の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、情報処理装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した情報処理装置の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムが格納された読取可能な記録媒体も提供される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
複数の細胞期に相当する期間で時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、前記複数の画像上の前記胚に係る関心領域内の動きを特定する解析部と、
特定された動きに基づいて、前記胚の内部に係る動き特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記胚の質の評価を行うため、前記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御する提示制御部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記提示制御部は、少なくとも、前記胚についての2細胞期以前に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記提示制御部は、少なくとも、前記胚についての4細胞期以降に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御する、前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記提示制御部は、前記動き特徴量の経時変化の解析結果の提示を制御する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(5)
前記動き特徴量は、前記関心領域内の動きに係る動き量に基づく動き特徴量を含む、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(6)
前記動き特徴量は、前記関心領域内の動きに係る動き方向に基づく動き特徴量を含む、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(7)
前記動き特徴量は、前記関心領域内の動きに係る動き領域に基づく動き特徴量を含む、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)
前記提示制御部は、前記関心領域内の動き特徴量の空間分布の提示を制御する、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(9)
前記動き特徴量の空間分布は、前記関心領域内の動きに係る動き量に基づく動き特徴量の分布を含む、前記(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記動き特徴量の空間分布は、前記関心領域内の動きに係る動き方向に基づく動き特徴量の分布を含む、前記(8)または(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記提示制御部は、前記動き特徴量の空間分布を用いて、前記胚の内部の動きの配向性に係る提示を制御する、前記(8)〜(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(12)
前記提示制御部は、前記動き特徴量を、当該動き特徴量と関連する画像とともに提示する、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(13)
前記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された前記動き特徴量を用いて前記胚の質の評価を行う評価部をさらに備える、前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(14)
前記評価部は、前記動き特徴量の経時変化を解析し、得られた解析結果に基づいて前記胚の質の評価を行う、前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)
前記評価部は、予め取得された、過去の胚の質の評価結果と前記動き特徴量との関係について学習されたモデルを用いて、前記胚の質の評価を行う、前記(13)または(14)に記載の情報処理装置。
(16)
前記評価部は、所定の細胞期における前記動き特徴量の代表値、および当該代表値を示したときの時刻に基づいて、前記胚の質の評価を行う、前記(13)〜(15)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(17)
前記関心領域が設定された画像を補償する動き補償部をさらに備える、前記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(18)
前記画像は、所定の周期ごとに一定時間撮像して得られる動画像である、前記(1)〜(17)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(19)
プロセッサが、
複数の細胞期に相当する期間で時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、前記複数の画像上の前記胚に係る関心領域内の動きを特定することと、
特定された動きに基づいて、前記胚の内部に係る動き特徴量を算出することと、
前記胚の質の評価を行うため、前記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御することと、
を備える情報処理方法。
(20)
撮像により画像を生成する撮像部
を備える撮像装置と、
複数の細胞期に相当する期間で前記撮像部により時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、前記複数の画像上の前記胚に係る関心領域内の動きを特定する解析部と、
特定された動きに基づいて、前記胚の内部に係る動き特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記胚の質の評価を行うため、前記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御する提示制御部と、
を備える情報処理装置。
を有する情報処理システム。
1 情報処理システム
10 撮像装置
20 情報処理装置
101 撮像部
102 撮像制御部
200 制御部
201 画像取得部
202 関心領域設定部
203 解析部
204 動き補償部
205 特徴量算出部
206 提示制御部
207 評価部
210 通信部
220 記憶部
221 評価用DB

Claims (20)

  1. 複数の細胞期に相当する期間で時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、前記複数の画像上の前記胚に係る関心領域内の動きを特定する解析部と、
    特定された動きに基づいて、前記胚の内部に係る動き特徴量を算出する特徴量算出部と、
    前記胚の質の評価を行うため、前記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御する提示制御部と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記提示制御部は、少なくとも、前記胚についての2細胞期以前に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記提示制御部は、少なくとも、前記胚についての4細胞期以降に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記提示制御部は、前記動き特徴量の経時変化の解析結果の提示を制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記動き特徴量は、前記関心領域内の動きに係る動き量に基づく動き特徴量を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記動き特徴量は、前記関心領域内の動きに係る動き方向に基づく動き特徴量を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記動き特徴量は、前記関心領域内の動きに係る動き領域に基づく動き特徴量を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 前記提示制御部は、前記関心領域内の動き特徴量の空間分布の提示を制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
  9. 前記動き特徴量の空間分布は、前記関心領域内の動きに係る動き量に基づく動き特徴量の分布を含む、請求項8に記載の情報処理装置。
  10. 前記動き特徴量の空間分布は、前記関心領域内の動きに係る動き方向に基づく動き特徴量の分布を含む、請求項8に記載の情報処理装置。
  11. 前記提示制御部は、前記動き特徴量の空間分布を用いて、前記胚の内部の動きの配向性に係る提示を制御する、請求項8に記載の情報処理装置。
  12. 前記提示制御部は、前記動き特徴量を、当該動き特徴量と関連する画像とともに提示する、請求項1に記載の情報処理装置。
  13. 前記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された前記動き特徴量を用いて前記胚の質の評価を行う評価部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
  14. 前記評価部は、前記動き特徴量の経時変化を解析し、得られた解析結果に基づいて前記胚の質の評価を行う、請求項13に記載の情報処理装置。
  15. 前記評価部は、予め取得された、過去の胚の質の評価結果と前記動き特徴量との関係について学習されたモデルを用いて、前記胚の質の評価を行う、請求項13に記載の情報処理装置。
  16. 前記評価部は、所定の細胞期における前記動き特徴量の代表値、および当該代表値を示したときの時刻に基づいて、前記胚の質の評価を行う、請求項13に記載の情報処理装置。
  17. 前記関心領域が設定された画像を補償する動き補償部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
  18. 前記画像は、所定の周期ごとに一定時間撮像して得られる動画像である、請求項1に記載の情報処理装置。
  19. プロセッサが、
    複数の細胞期に相当する期間で時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、前記複数の画像上の前記胚に係る関心領域内の動きを特定することと、
    特定された動きに基づいて、前記胚の内部に係る動き特徴量を算出することと、
    前記胚の質の評価を行うため、前記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御することと、
    を含む情報処理方法。
  20. 撮像により画像を生成する撮像部
    を備える撮像装置と、
    複数の細胞期に相当する期間で前記撮像部により時系列に撮像された胚を含む複数の画像を用いて、前記複数の画像上の前記胚に係る関心領域内の動きを特定する解析部と、
    特定された動きに基づいて、前記胚の内部に係る動き特徴量を算出する特徴量算出部と、
    前記胚の質の評価を行うため、前記複数の細胞期のうち少なくとも2つの細胞期に相当する期間で取得された前記動き特徴量の提示を制御する提示制御部と、
    を備える情報処理装置と、
    を有する情報処理システム。
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