JP2018010523A - 設備保全計画作成システム及び設備保全計画作成方法 - Google Patents

設備保全計画作成システム及び設備保全計画作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】様々な設備運用者のニーズにあった設備保全計画を立案する。【解決手段】設備機器の点検記録が入力される点検記録入力部11と、リスクマップ作成部15aと、リスクマップに基づいて設備機器の保全計画を得る保全計画作成部15bとを備える。リスクマップ作成部15aは、点検記録入力部11に入力された設備機器の点検記録に基づいて、設備機器の劣化状態を示すリスクマップを作成する。【選択図】図1

Description

本発明は、設備保全計画作成システム及び設備保全計画作成方法に関する。
近年、インフラ設備やプラントなどの設備管理を行う際には、稼動機器の状態異常を早期に発見し、機器の故障停止前に保守を行うようにした、いわゆるIT(Information technology)技術を活用した管理が行われている(特許文献1参照)。
特に、社会インフラ設備においては、機器故障を未然に防ぎ信頼性を向上させることは重要である。例えば、設備に対する劣化診断情報に基づき、設備が提供する機能が保障できる年数(期間)を予測し、設備を運用する観点でのリスクに応じて、当該予測された耐用年数を選択することで機器故障率を低減させる設備管理支援システムが開発されている(特許文献2参照)。
また、対象となる設備の運用経験が豊富な事業者では、設備運用に対する深い知見を利用して、設備故障のリスクを判断し、設備の修繕計画を立案支援することが従来から行われている(特許文献3参照)。
WO2014/010632号公報 特開2014−16691号公報 特開2005−11327号公報
特許文献1,2,3に示されるように、従来から様々な設備に対して設備管理支援システムが導入されており、点検・保守・運営コストの低減に寄与している。しかしながら、従来の設備管理支援システムは、予め決められた項目の点検や保守について、予め決められた時期(時間基準保全)に行われるのが一般的である。すなわち、設備機器が設置されてからの期間(年月)を基準にして、点検・保守や設備更新などを行うようにしている。
設備の運用経験が豊富な事業者の場合には、特許文献3に記載されたように、想定される設備故障のリスクから修繕計画を立案支援することも可能であるが、事業者によっては、そのような設備故障のリスクを判断するための運用経験が十分でないケースがある。また、運用を行う事業者によっては、ある程度の設備機器の障害発生を許容する場合もあり、一律的に運用方針を決めてしまうと、事業者の要求を満たさないケースも起こり得る。
このように、設備機器の点検・保守を行う上での適切な点検や交換などの時期は、設備運用者が優先したい項目によって異なるため、従来は、様々な運用者が運用する設備に適用が可能な汎用性を持った設備保全計画立案システムを構築することは困難であった。
本発明は、様々な設備運用者のニーズにあった設備保全計画の立案を可能とする設備保全計画作成システム及び設備保全計画作成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならは、設備機器の点検記録が入力される点検記録入力部と、点検記録入力部に入力された設備機器の点検記録に基づいて、設備機器の劣化状態を示すリスクマップを作成するリスクマップ作成部と、リスクマップ作成部が作成したリスクマップに基づいて、設備機器の保全計画を得る保全計画作成部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、設備運用者のニーズに合った最適な設備保全計画を得ることができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態例による設備保全計画作成システムの例を示す構成図である。 本発明の一実施の形態例による設備保全計画作成システムに適用されるコンピューター装置の例を示す構成図である。 本発明の一実施の形態例によるヘルスインデックス作成処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例によるリスクマップ作成処理例(例1)を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例によるリスクマップの例(例1)を示す図である。 利用電力量を考慮しない従来のリスクマップの例を示す図である。 本発明の一実施の形態例によるリスクマップ及び保全計画の例(例2:塩害考慮時)を示す図である。 本発明の一実施の形態例によるリスクマップの例(例3)を示す図である。 本発明の一実施の形態例によるリスクマップに実データを分布させた例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による設備保全計画の例を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する。)を、添付図面を参照して説明する。
[1.システム全体の構成]
図1は、本例の設備保全計画作成システムの全体構成例を示す。
設備保全計画作成システムは、複数の設備機器を備えたシステムの運用者が、その複数の設備機器についての点検や交換などの保全計画を作成するものである。複数の設備機器としては、様々な機器が適用可能であるが、ここでは一例として、送電設備に適用した例を挙げて説明する。
図1に示す設備保全計画作成システムは、設備情報データベース部100と保全計画データベース部200とを備え、設備情報データベース部100に登録された設備情報や点検記録などに基づいて、保全処理部15が保全計画を作成する。設備情報データベース部100には、点検記録入力部11、点検項目調整部13、ヘルスインデックス作成部14、保全処理部15、及び設備保全指示部16が接続される。
図1に示すように、設備情報データベース部100には、第1機器の保存領域110a、第2機器の保存領域110b、・・・、第n機器(nは任意の整数)の保存領域110nと、複数台の設備機器ごとにデータの保存領域が設けられている。例えば、各地点に設置された変圧器、遮断器などの各設備機器に、個別にデータの保存領域が設けられる。
各設備機器の保存領域110a〜110nには、点検データ領域111と、設備データ領域112と、ヘルスインデックス領域113とが設けられる。
また、設備情報データベース部100には、各設備機器の保存領域110a〜110nで共通に使用される領域として、点検項目判別データ領域114とリスクマップ領域115とが設けられている。
そして、設備情報データベース部100の各設備機器のデータの保存領域に、本例のシステムが管理する設備機器についてのデータや点検記録などが記憶される。
次に、設備情報データベース部100に接続される、点検記録入力部11、点検項目調整部13、ヘルスインデックス作成部14、保全処理部15及び設備保全指示部16について順を追って説明する。
点検記録入力部11には、点検記録入力処理として、設備機器を点検した際に得る点検記録が入力される。この点検記録は、送電設備の電流値、電圧値、利用電力量などの、点検作業員が取得した値であり、点検作業員によって入力されるものである。また、この点検記録としては、例えば、設備機器の塩害による腐食状況、設備機器の形状の変化などの、点検作業員が目視で判断した設備機器の状態も入力される。設備機器の形状の変化としては、例えば設備機器が電柱である場合に、その電柱の傾き状況の程度などが考えられる。
点検記録入力部11に入力された点検記録は、設備情報データベース部100の点検データ領域111に保存される。点検データ領域111は、設備機器ごとに点検データを記憶する領域を有し、点検記録入力部11に入力された各設備機器の点検データが記憶される。
設備データ領域112には、本例のシステムが管理する各設備機器のデータが保持される。すなわち、設備データ領域112には、各設備機器について、運用開始からの経過年数、設備重要度、設備設置場所などが保存される。
点検項目調整部13は、各設備機器の点検項目ごとの重み付けの調整を行う。そして、その重み付け状態を示す点検項目判別データが、設備情報データベース部100の点検項目判別データ領域114に保存される。点検項目調整部13による設備機器の点検項目ごとの重み付けの調整は、例えばシステムの運用者により実行される。
ヘルスインデックス作成部14は、設備情報データベース部100の点検データ領域111に保存された点検データと、点検項目判別データ領域114に保存された点検項目判別データとを読み出し、各設備機器のヘルスインデックスを作成する。
このヘルスインデックスは、各設備機器の総合的な健全性を示す値であり、ここでは正規化値(0〜100%)で表される。ヘルスインデックスの具体的な例については後述する。
ヘルスインデックス作成部14が作成したヘルスインデックスは、設備情報データベース部100の各設備機器のヘルスインデックス領域113に保存される。
保全処理部15は、リスクマップ作成部15aと保全計画作成部15bとを備える。リスクマップ作成部15aは、リスクマップ作成処理を行う。すなわち、リスクマップ作成部15aは、ヘルスインデックス領域113に保存されたヘルスインデックスと、設備データ領域112に保存された設備データと、点検項目判別データ領域114に保存された点検項目判別データとに基づいてリスクマップを作成する。リスクマップは、設備機器の劣化状態を示すマップであり、具体的な例については後述する。
そして、保全計画作成部15bは、リスクマップ作成部15aが作成したリスクマップに基づいて設備機器の保全計画を作成する。
保全計画作成部15bによって作成された保全計画は、保全計画データベース部200の保全計画領域201に保存される。そして、この保全計画に基づいて保全作業を行う人員の計画についてのデータが作成され、保全計画データベース部200の人員計画領域202に保存される。
保全計画データベース部200の保全計画領域201及び人員計画領域202に保存された保全計画及び人員計画は、設備保全指示部16に読み出され、設備保全指示部16によって設備保全の指示が行われる。
設備保全指示部16は、表示や印刷などで設備保全についての指示を行う。設備保全指示部16によって実行された設備保全に関する履歴などのデータは、設備情報データベース部100の点検データ領域111やリスクマップ領域115などに保存させる。
[2.システムが利用するコンピューター装置の構成例]
図2は、本例の設備保全計画作成システムに適用されるコンピューター装置のハードウェア構成を示す。なお、設備保全計画作成システム全体を図2に示すコンピューター装置として構成するのは一例であり、例えば設備保全計画作成システムの各部を、それぞれ別の処理装置で構成してネットワークで接続した、いわゆるクラウド構成としてもよい。クラウド構成とした場合の各装置についても、例えば図2に示すコンピューター装置が適用可能である。
図1に示す設備保全計画作成システムは、コンピューター装置900として構成される。コンピューター装置900は、バス910にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)901、ROM(Read Only Memory)902、及びRAM(Random Access Memory)903を備える。さらに、コンピューター装置900は、不揮発性ストレージ904、ネットワークインタフェース905、入力装置906、及び表示装置907を備える。
CPU901は、本例の設備保全計画作成システムが備える各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM902から読み出して実行する。RAM903には、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。例えば、CPU901がROM902に記憶されているプログラムを読み出すことで、ヘルスインデックス作成部14におけるヘルスインデックスの作成や、リスクマップ作成部15aにおけるリスクマップの作成処理が実行される。
不揮発性ストレージ904としては、例えば、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ等が用いられる。この不揮発性ストレージ904には、OS(Operating System)、各種のパラメータの他に、コンピューター装置900を設備保全計画作成システムとして機能させるためのプログラムが記録されている。
ネットワークインタフェース905には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、端子が接続されたLAN(Local Area Network)、専用線等を介して各種のデータを送受信することが可能である。例えば、点検員が所持する端末装置が点検記録入力部11である場合、端末装置から伝送された点検データをネットワークインタフェース905が受信し、受信した点検データをコンピューター装置900に取り込む。また、本例の設備保全計画作成システムが作成した保全計画や人員計画を、ネットワークインタフェース905から外部の端末装置に伝送するようにしてもよい。
入力装置906は、キーボードなどで構成され、点検項目調整部13での重み付けデータの入力などに使用される。また、入力装置906は、点検データや設備データなどの入力に使用してもよい。
表示装置907には、リスクマップ作成部15aにより作成されたリスクマップや、保全計画作成部15bにより作成された保全計画などが表示される。また、設備保全指示部16による指示も、表示装置907に表示される。
[3.ヘルスインデックスの作成処理例]
図3は、ヘルスインデックス作成部14でのヘルスインデックスの作成処理例を示すフローチャートである。
ヘルスインデックス作成部14は、設備情報データベース部100の点検データ領域111に保存された、各設備機器の点検データを読み出す(ステップS11)。そして、ヘルスインデックス作成部14は、読み出した各設備機器の種々の点検データから、各設備機器の総合的な健全性を示す正規化値であるヘルスインデックスを作成する(ステップS12)。ヘルスインデックスは、例えば、対象となる設備機器が全く劣化していない状態のときが100%となり、劣化の進行にしたがって徐々に低下した値になる。ここで、点検項目判別データ領域114の各点検項目に対するヘルスインデックス重み付けデータを調整することで、ヘルスインデックスに対する各点検項目の影響度合いを調整することができる。
ヘルスインデックス作成部14は、作成した設備機器のヘルスインデックスを、設備情報データベース部100のヘルスインデックス領域113に登録する(ステップS13)。
[4.リスクマップの作成の例]
図4は、リスクマップ作成部15aでのリスクマップの作成処理例を示すフローチャートである。
リスクマップ作成部15aは、ヘルスインデックス領域113に登録された、対象となる設備機器のヘルスインデックスを読み出す(ステップS21)。また、リスクマップ作成部15aは、設備データ領域112に登録された、対象となる設備機器の各点検項目を読み出す(ステップS22)。そして、リスクマップ作成部15aは、読み出したヘルスインデックスと各点検項目から各点検項目に対する各リスクマップを作成する(ステップS23)。このステップS23で作成されるリスクマップは、総合的な設備の健全性であるヘルスインデックスの値と各点検項目の結果から対象となる設備機器の劣化状態を判断し、その判断した値をマップとして示すものである。ここでは、設備機器の劣化状態として、全く劣化がないランクDから、最も劣化が進んだ状態のランクAまでの4段階で判断している。
そして、リスクマップ作成部15aは、対象となる設備機器について、点検項目判別データ領域114にリスクマップ重み付けデータの登録があるか否か、すなわちリスクマップの調整が必要か否かを判断する(ステップS24)。ここで、点検項目判別データ領域114にリスクマップ重み付けデータの登録がある場合(ステップS24のYES)には、点検項目判別データ領域114に登録されたリスクマップ重み付けデータに基づいてリスクマップを調整する(ステップS25)。例えば、リスクマップ重み付けデータから、リスクマップ作成部15aが、対象となる設備機器が重要な送電設備であると判断したとき、その設備機器の劣化状態のランクを1段階進める処理を行う。ランクを1段階進めるのは一例であり、ヘルスインデックス重み付けデータを調整し、ヘルスインデックスの値を多少ずらす等のより細かい重み付け調整を行うようにしてもよい。
ステップS24でリスクマップの調整が必要でない場合(ステップS24のNO)、及びステップS25におけるリスクマップを調整後に、リスクマップ作成部15aは、対象設備のランクの判断結果を、リスクマップ領域115に登録する(ステップS26)。
[5.リスクマップの例(例1)]
図5は、リスクマップ作成部15aが作成するリスクマップの例を示す。
リスクマップは、横軸をヘルスインデックス、縦軸を使用電力量としたグラフ上に、ランクD(通常点検レベル)、ランクC(精密点検レベル)、ランクB(部品交換レベル)、ランクA(設備更新レベル)の4つのランクを設定したものである。
そして、各設備機器に対して、ヘルスインデックスと使用電力量から、ランクA〜Dの中のどのランクであるかが決定される。
図5に示すように、本例のリスクマップの場合には、同じヘルスインデックスの値であっても、使用電力量が多いほど、悪いランクに設定される。例えば、ある設備機器が、特定のヘルスインデックスの値であり、その設備機器の累積の使用電力量が少ない場合には、ランクDになるが、使用電力量が多い場合には、ランクCになる。したがって、図5に示すリスクマップ上では、各ランクの境界を示す線は、斜めに傾斜している。
また、本例のリスクマップの場合には、リスクマップ重み付けデータにより示される各設備機器の重要度によっても、ランクが調整される。
ここで比較のために、利用電力量を考慮しない従来のリスクマップの例を、図6を参照して説明する。
図6は、時間基準保全による従来の設備機器のリスクマップの例を示す。図6に示すように、従来は、設備機器の使用年数(横軸)のみで、4つのランクが分けられ、設備機器の累積の使用電力量は全く考慮されていない。この従来の時間基準保全の場合には、設備機器を設置した年数のみから、部品交換レベルや設備更新レベルなどのレベルが決まるため、使用電力量によっては適切なレベルでない可能性がある。これに対して、本例のリスクマップ作成部15aが作成するリスクマップの場合には、実際の使用電力量を加味した上でレベルが決まるため、適切な保全レベルが設定できるようになる。
[6.リスクマップの例(例2)]
図7は、図4のフローチャートに基づいた処理で、塩害対策が必要な設備機器に対してリスクマップ作成部15aが作成するリスクマップの例を示す。既に説明したように、点検項目の1つとして塩害の程度を取得する場合があり、そのような場合に、図7に示すリスクマップを作成することができる。
図7に示すリスクマップは、横軸がヘルスインデックス、縦軸が塩害の程度としたグラフである。図7に示すリスクマップのグラフ上に、ランクD(通常点検レベル)、ランクD−1(塩害用簡易点検レベル)、ランクC(塩害用精密点検レベル)、ランクB(部品交換レベル)、ランクA(設備更新レベル)の5つのランクを設定している。
図7では、ヘルスインデックスと塩害の程度から、各設備機器が上記5ランクの中のどのランクであるかが決定される。本例のリスクマップの場合には、図7に示すように、塩害が小さい状態から所定レベルまでは、ヘルスインデックスの値がいずれであっても、ランクDの通常点検レベルとする。すなわち点検項目によっては図7のようにしきい値をもつリスクマップとなる。
そして、塩害が所定レベルを超えた場合には、ヘルスインデックスの値に応じて、ランクD−1からランクAまでの4段階に設定する。但し、同じヘルスインデックスの値であっても、塩害の程度が大きい場合には、悪い側のランクに設定し、塩害の程度が小さい場合には、良い側のランクに設定する。
この図7の例のリスクマップの場合にも、ランクは、リスクマップ重み付けデータにより示される各設備機器の重要度によっても調整される。
なお、塩害に関する点検データを有する設備機器であっても、設備の劣化を決める要因として使用電力量の方が勝る場合には、リスクマップ作成部15aは、図6に示す使用電力量とヘルスインデックスとから決まるリスクマップを採用して、ランクを決定する。
あるいは、リスクマップ作成部15aは、図6に示す使用電力量とヘルスインデックスとから決まるリスクマップと、図7に示す塩害の程度とヘルスインデックスとから決まるリスクマップの双方を作成して、それぞれのランクから、総合的なランクを判断してもよい。
[7.リスクマップの例(例3)]
図8は、リスクマップ作成部15aによって作成される、さらに別のリスクマップの例(例3)を示す。
この例では、リスクマップの横軸は設備機器を設置してからの経過年数とし、縦軸はヘルスインデックスの値とする。この図8のリスクマップ上には、設備機器の経過年数によってヘルスインデックスの値が変化する標準の変化特性αが設定されている。この標準の変化特性αは、設備機器を設置してからの経過年数が、その設備機器の推奨使用期間Yaの範囲内ではほぼ一定の傾きでヘルスインデックスの値が小さくなる直線となっている。これに対して、推奨使用期間Yaを超えた状態では、変化特性αは、ヘルスインデックスの値が急激に減少する。
なお、推奨使用期間Yaの内の最初の期間は、初期故障が発生する期間であり、初期故障の期間が経過した後は、偶発故障の期間になる。また、推奨使用期間Yaを超えた期間は、摩耗故障の期間になる。
ここでは、図8に示すように、リスクマップ上の標準の変化特性αに、経過年数ごとの平均的なヘルスインデックスの変化の許容範囲β−1、β−2、β−3、β−4が設定されている。この許容範囲は、例えば、設備機器を設置してからの年数が少ない初期故障がある経過年数での範囲β−1は、比較的幅が広い範囲とする。そして、初期故障がある年数を超えた状態での範囲β−2、β−3、β−4は、比較的幅が狭い範囲とする。但し、設置年数が増えるごとに、範囲β−2よりも範囲β−3を若干広く設定し、さらに範囲β−3よりも範囲β−4を若干広く設定し、徐々に許容範囲を広げるようにしている。
図8に×印を示した状態が、実際に求めたヘルスインデックスの分布である。ここで、変化特性αよりも小さな値のヘルスインデックスであるときには、該当する設備機器が標準的な状態よりも劣化していることが判断できる。特に、それぞれの経過年数で、許容範囲β−1〜β−4と比較して、その許容範囲を超えているとき、その設備機器が悪い状態であることを把握することができる。
[8.リスクマップと保全計画の例]
図9は、ヘルスインデックス(横軸)と利用電力量(縦軸)とによるリスクマップ上に、ヘルスインデックスの分布例を示す。この例のリスクマップは、図5のリスクマップ(例1)に相当する。
このように、設備機器ごとに、ランクDからランクAまで、様々な状態のものが分布し、各設備機器に対して、リスクマップから決定したランクに応じて、保全計画が作成される。
図10は、保全計画作成部15bがリスクマップに基づいて作成した保全計画の例を示す。
この例では、A地点の設備機器と、B地点の設備機器の現在のランクと各年度の状態を示す。図10の表において、ランクと記載された箇所が現在の決定ランクであり、点検項目として示す各年度の状態が、過去の年のランクである。図10の表では、A地点の重要度が高い設備機器は、ランクCであり、使用電力量を使ったリスクマップで判断する設備機器は、ランクAであり、塩害を使ったリスクマップで判断する設備機器は、ランクBである。さらに、設備機器(電柱など)の近接樹木の状態は、ランクBである。近接樹木の状態とは、電柱などの設備機器に近接した樹木の剪定が必要か否かの状態である。
また、保全計画作成部15bが保全計画を作成する際には、点検や交換の作業を行う保守グループのランクについても指示を行う。すなわち、保全計画作成部15bは、比較的簡単な点検や簡単な交換作業だけでよい場合には、Cランク又はBランクの保守グループが最適であると指示し、重要度の点検や複雑な交換作業が必要な場合には、Aランクの保守グループが最適であると指示する。さらに、内容によっては、各ランクの保守グループの他に、交換専門の要員を指示する。
このように作成された保全計画は、保全計画データベース部200に保存される。特に、要員のデータについては、人員計画領域202に保存され、設備保全指示部16は、これらの保存データに基づいて保全計画を指示する。
以上説明したように、本例の設備保全計画作成システムによると、各設備機器の健全性を示すヘルスインデックスを使って、各設備機器の保全計画を得ることができる。これにより、従来例として図6に示すような時間基準保全とは異なる、実際の設備機器の状態を反映した適切な保全計画を作成することができる。すなわち、実際の設備機器は、設置状況などの様々な要因で、経過年数が浅い場合でも劣化が進むことがあり、逆に経過年数が経った場合でも劣化がそれほど進まない場合がある。ここで、本例のようにヘルスインデックスを利用することで、時間基準保全のような一律の保全計画とは異なる、実際の設備機器の劣化状況を反映した適切な保全計画を作成することができる。
しかも、本例の場合には、各設備機器の重要度に応じて、重み付けデータにより調整が可能なため、重要度が高い設備機器については、点検や交換のランクを高めることが可能なる。
また、逆に、重要度が低い設備機器については、重み付けデータによる調整で、ランクを低くして、点検や交換の時期を遅くするようなことも可能なる。したがって、各設備運用者のニーズに合った最適な設備保全計画を自動的に得ることができるようになる。また、設備運用者が設備機器の運用経験が十分でない場合であっても、その設備機器の運用に求められる適切な設備保全計画を作成できるようになる。
なお、上述した例では、リスクマップから点検や交換などの状態を示すランクを決めて、そのランクから保全計画や人員計画を決めるようにした。このようにしたことで、ランクから簡単に点検の程度や交換などの状態が簡単に決まる効果を有するが、ランク決めを行うのは一例であり、リスクマップ上の領域や値などから点検の程度や交換などを決めるようにしてもよい。
また、本例の場合、塩害については、通常の点検項目とは異なる形態のリスクマップ(図7の例)を作成するようにした。したがって、塩害に特化した適切なリスクマップを作成することができ、海岸に近い場所の設備機器のように、塩害による故障などが多い地域においても、適切な設備保全計画を作成できるようになる。
[9.変形例]
なお、上述した実施の形態例では、設備機器として送電設備に適用した。これに対して、本発明は、同様に定期的に点検、整備、交換が必要な様々な設備機器の設備保全計画の作成に適用することが可能である。
また、図1に示す設備保全計画作成システムの構成は一例であり、図1とは異なる構成としてもよい。例えば、ヘルスインデックスの作成については、点検作業者が点検データを入力する端末装置が行い、設備保全計画を作成する装置では、その点検作業者が点検データを入力する端末装置で得たヘルスインデックスを収集して、リスクマップを作成するようにしてもよい。
また、点検作業者が点検データを入力する点についても一例であり、例えば各設備機器が通信機能を備える場合には、設備保全計画作成システムが設備機器から自動的に点検データを取得するようにしてもよい。さらに、設備情報データベース部100や保全計画データベース部200は、設備保全計画作成システムの外部のネットワーク上のサーバに構成してもよい。
また、本発明は上記した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態例の構成の一部を他の実施の形態例や変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態例の構成に他の実施の形態例や変形例の構成に置き換えることも可能である。また、実施の形態例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
11…点検記録入力部、13…点検項目調整部、14…ヘルスインデックス作成部、15…保全処理部、15a…リスクマップ作成部、15b…保全計画作成部、16…設備保全指示部、100…設備情報データベース部、110a…第1機器領域、110b…第2機器領域、110n…第n機器領域、111…点検データ領域、112…設備データ領域、113…ヘルスインデックス領域、114…点検項目判別データ領域、115…リスクマップ領域、200…保全計画データベース部、201…保全計画領域、202…人員計画領域、900…コンピューター装置、901…CPU、902…ROM、903…RAM、904…不揮発性ストレージ、905…ネットワークインタフェース、906…入力装置、907…表示装置、910…バス

Claims (5)

  1. 設備機器の点検記録が入力される点検記録入力部と、
    前記点検記録入力部に入力された前記設備機器の点検記録に基づいて、前記設備機器の劣化状態を示すリスクマップを作成するリスクマップ作成部と、
    前記リスクマップ作成部が作成したリスクマップに基づいて、前記設備機器の保全計画を得る保全計画作成部と、を備えた
    設備保全計画作成システム。
  2. 前記設備機器の重要度を示す重み付けデータを得る点検項目調整部を備え、
    前記リスクマップ作成部は、前記重み付けデータにより前記設備機器ごとに調整を加えて、前記リスクマップを作成する
    請求項1に記載の設備保全計画作成システム。
  3. 前記点検記録入力部に入力された前記設備機器の点検記録に基づいて、前記設備機器の健全性を示すヘルスインデックスを得るヘルスインデックス作成部を備え、
    前記リスクマップ作成部は、前記ヘルスインデックス作成部が作成したヘルスインデックスと、前記設備機器の点検記録とからリスクマップを作成する
    請求項2に記載の設備保全計画作成システム。
  4. 前記保全計画作成部が作成する保全計画は、前記リスクマップから得られた前記設備機器のランクに応じて、前記設備機器の点検又は交換を指示する
    請求項3に記載の設備保全計画作成システム。
  5. 設備機器の点検記録が入力される点検記録入力処理と、
    前記点検記録入力処理で入力された前記設備機器の点検記録に基づいて、前記設備機器の劣化状態を示すリスクマップを作成するリスクマップ作成処理と、
    前記リスクマップ作成処理により作成されたリスクマップに基づいて、前記設備機器の保全計画を得る保全計画作成処理と、を含む
    設備保全計画作成方法。
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