JP2018010275A - 紫外線透過フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光および赤外線を確実に遮蔽しつつ、高い紫外線の透過率が得られる紫外線透過フィルタを提供する。【解決手段】紫外線透過フィルタは、ガラスからなる基体と、該基体の主表面に光学多層膜を備える。前記ガラスは、P、Al、R(ただし、Rは、Li、Na、およびKのいずれか1つ以上を表す)、R’(ただし、R’は、Mg、Ca、Sr、Ba、およびZnのいずれか1つ以上を表す)、Cuの各成分を含有する。前記光学多層膜は、光の垂直入射時における波長420nm〜680nmの平均透過率が5%以下の光学特性を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線透過率が高く、可視光および赤外線の透過率の低い、紫外線透過フィルタに関する。
紫外線の発光光源として、低圧水銀ランプや高圧水銀ランプが従来から知られている。近年、小型で低コストの紫外線LED(紫外線発光ダイオード)が普及し、水殺菌装置、紫外線硬化型樹脂の硬化装置、紫外線センサー等の様々な用途の利用が増えている。
このような紫外線用光源では、不要な可視光および赤外線を遮蔽し、紫外線のみを選択的に透過する紫外線透過フィルタが用いられる。
このような紫外線透過フィルタとしては、紫外線に対して透明な基礎ガラス中にCoO、NiO、TiOを所定量含有する紫外線透過黒色ガラスが提案されている(特許文献1)。
また、可視光および赤外線を反射する光学多層膜を紫外線に対して透明なガラス基板の表面に設けた紫外線透過フィルタが知られている。
紫外線透過黒色ガラスは、可視光および赤外線の遮蔽を、ガラス中に含有する遷移金属成分により行う。ここで、遷移金属成分は、ガラス中でのイオンの平衡状態や配位数の平衡状態により波長の吸収特性が異なる。ガラス中の遷移金属成分のイオンや配位数の状態は、ガラスの酸化・還元状態や基礎ガラスの分子構造によって決まるが、全て所望の状態とすることは難しく、本来は透過すべき紫外線の一部を吸収するおそれがある。
また、可視光および赤外線を反射する光学多層膜を用いる場合、阻止帯(光を反射する帯域)の幅が広く、膜層数を非常に多くする必要がある。これにより、紫外線透過フィルタの生産コストが高くなるおそれがある。
これらの課題に対し、着色成分を含有するガラスの表面に光学多層膜を設けた紫外線透過フィルタが提案されている(特許文献2)。このフィルタは、ガラスにFeOを1.5〜15質量%を含むことで700〜2000nmの近赤外領域の光をカットし、光学多層膜で280〜420nmの紫外線のみを選択的に透過させることができる。
特許文献2に提案されたガラスは、可視光から赤外線の透過率を低くする(例えば、10%以下)ためにFeOの含有量を多くする必要がある。しかしながら、ガラス中のFeO含有量を多くすると、可視光から赤外線の透過率は低くすることができるものの、それに伴い本来透過すべき紫外線の透過率も低下してしまう。
特開平09−188542号公報 特開2006−163046号公報
本発明は、可視光および赤外線を確実に遮蔽しつつ、高い紫外線の透過率が得られる紫外線透過フィルタを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、ガラス組成と光学多層膜との組合せにより、可視光および赤外線を確実に遮蔽しつつ、紫外線透過率の高いフィルタが得られることを見出した。
すなわち、本発明の紫外線透過フィルタは、ガラスからなる基体と、該基体の主表面に光学多層膜を備え、前記ガラスは、P、Al、R(ただし、Rは、Li、Na、およびKのいずれか1つ以上を表す)、R’(ただし、R’は、Mg、Ca、Sr、Ba、およびZnのいずれか1つ以上を表す)、Cuの各成分を含有し、
前記光学多層膜は、光の垂直入射時における波長420nm〜680nmの平均透過率が5%以下の光学特性であることを特徴とする。
本発明によれば、可視光および赤外線を確実に遮蔽しつつ、高い紫外線の透過率が得られる紫外線透過フィルタを得ることができる。
本発明の紫外線透過フィルタの一実施形態を示す断面図である。 例1−1〜例1−6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例1−7〜例1−12のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例1−13〜例1−18のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例2−1〜例2−6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例2−7〜例2−12のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例3−1〜例3−6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例3−7〜例3−12のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例4−1〜例4−4のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例5のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例7のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例8−1〜例8−6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例9−1〜例9−6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例10−1〜例10−6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例11−1〜例11−4のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例12のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例13−1〜例13−6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例14−1〜例14−6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。 例15−1〜例15−6のフィルタの光学特性(透過率)を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の紫外線透過フィルタの一実施形態を示す断面図である。
本発明の紫外線透過フィルタ10(以下、本発明のフィルタということがある)は、ガラスからなる基体(以下、「ガラス基体」ともいう「。)11と、ガラス基体11の主表面に光学多層膜12を備える。
上記ガラス基体を構成するガラスは、P(リン)、Al(アルミニウム)、R(ただし、Rは、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、およびK(カリウム)のいずれか1つ以上を表す。すなわち、Rは、Li、Na、またはKのアルカリ金属を表し、これらを少なくとも1種以上を含んでいることを表す。)、R’(ただし、R’は、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、およびZn(亜鉛)のいずれか1つ以上を表す。すなわち、R’は、Mg、Ca、Sr、Ba、またはZnのアルカリ土類金属を表し、これらを少なくとも1種以上を含んでいることを表す。)、ならびにCu(銅)の各成分を含有するガラスである。
これら各成分を含有するガラスは、以下に示す2つの実施形態のガラスがある。第1の実施形態のガラスは、いわゆる銅含有フツリン酸ガラスであり、特にガラス中のP成分、Cu成分(Cu2+)が近赤外域の波長の光を吸収することで、赤外線を大幅にカットする機能を備え、かつ耐侯性に優れる。
第1の実施形態のガラスの組成として、
カチオン%表示で、
5+ :30〜50%、
Al3+ :5〜20%、
:20〜40%(ただし、Rは、Li、Na、及びKの合量を表す)、
R’2+ :5〜30%(ただし、R’2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、及びZn2+の合量を表す)、
Cu2+ :0.1〜20%、
を含有すると共に、
アニオン%表示で、
2− :30〜90%、
:10〜70%、
を含有するのが好ましい。
第1の実施形態のガラスを構成する各成分の含有量(カチオン%、アニオン%表示)を上記のように限定した理由を以下に説明する。
本明細書において、特記しない限り、カチオン成分の各含有量、および合計含有量は、カチオン%表示とし、アニオン成分の各含有量、および合計含有量は、アニオン%表示とする。
5+は、ガラスを形成する主成分であり、近赤外領域のカット性を高めるための必須成分である。その含有量が、30%未満ではその効果が十分得られず、50%を超えるとガラスが不安定になる、耐候性が低下する等の問題が生じるため好ましくない。より好ましくは30〜48%であり、さらに好ましくは32〜48%である。さらに一層好ましくは34〜48%である。
Al3+は、ガラスを形成する主成分であり、耐候性を高めるなどのための必須成分である。その含有量が、5%未満ではその効果が十分得られず、20%を超えるとガラスが不安定になる、赤外線カット性が低下する等の問題が生じるため好ましくない。より好ましくは6〜18%であり、さらに好ましくは7〜15%である。なお、Al3+の原料として、AlやAl(OH)を用いることは、溶解温度の上昇や未融物の発生、及びFの仕込み量が減少してガラスが不安定になる等の問題が生じるため好ましくなく、AlFを用いることが好ましい。
(ただし、Rは、含まれるLi、Na及びKの合量を表す)は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための必須成分である。その含有量が、20%未満ではその効果が十分得られず、40%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。より好ましくは20〜38%であり、さらに好ましくは22〜38%である。さらに一層好ましくは24〜38%である。なお、Rは、ガラスに含まれるLi、Na、及びKの合量、つまり、Li+Na+Kであるこという。また、Rとしては、Li、Na、Kのいずれか1つ以上が用いられる。
Liは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。Liの含有量としては、5〜40%が好ましい。5%未満ではその効果が十分得られず、40%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。より好ましくは、8〜38%であり、さらに好ましくは、10〜35%である。
Naは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。Naの含有量としては、5〜40%が好ましい。5%未満ではその効果が十分得られず、40%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。より好ましくは5〜35%であり、さらに好ましくは5〜30%である。
は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、などの効果がある成分である。Kの含有量としては、0.1〜30%が好ましい。0.1%未満ではその効果が十分得られず、30%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。より好ましくは0.5〜25%であり、さらに好ましくは0.5〜20%である。
である。
R’2+(ただし、R’2+は、含まれるMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、及びZn2+の合量を表す)は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための必須成分である。その含有量が、5%未満ではその効果が十分得られず、30%を超えるとガラスが不安定になる、赤外線カット性が低下する、ガラスの強度が低下する等の問題が生じるため好ましくない。より好ましくは5〜28%であり、さらに好ましくは5〜26%である。さらに一層好ましくは6〜25%であり、もっとも好ましくは6〜24%である。
Mg2+は、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための成分である。Mg2+の含有量としては、1〜30%が好ましい。1%未満ではその効果が十分得られず、30%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。より好ましくは1〜25%であり、さらに好ましくは1〜20%である。
Ca2+は、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための成分である。Ca2+の含有量としては、1〜30%が好ましい。1%未満ではその効果が十分得られず、30%を超えるとガラスが不安定となるため好ましくない。より好ましくは1〜25%であり、さらに好ましくは1〜20%である。
Sr2+は、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。Sr2+の含有量としては、1〜30%が好ましい。1%未満ではその効果が十分得られず、30%を超えるとガラスが不安定となるため好ましくない。より好ましくは1〜25%であり、さらに好ましくは1〜20%である。
Ba2+は、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。Ba2+の含有量としては、1〜30%が好ましい。1%未満ではその効果が十分得られず、30%を超えるとガラスが不安定となるため好ましくない。より好ましくは1〜25%であり、さらに好ましくは1〜20%である。
Zn2+は、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、などの効果がある。Zn2+の含有量としては、1〜30%が好ましい。1%未満ではその効果が十分得られず、30%を超えるとガラスの溶解性が悪化するため好ましくない。より好ましくは1〜25%であり、さらに好ましくは1〜20%である。
Cu2+は、近赤外線カットための必須成分である。その含有量が、0.1%未満であるとガラスの肉厚を薄くした際にその効果が十分に得られず、また20%を超えると可視域透過率が低下するため好ましくない。より好ましくは0.1〜19%であり、さらに好ましくは0.2〜18%であり、さらに一層好ましくは0.5〜17%である。
また、全Cu量は、1価、2価、その他の存在する価数も含め、質量%表示のCuの合量であり、本発明のガラスを100質量%とした場合、当該ガラスにおいて、全Cu量の含有量の範囲は、0.1〜20質量%であるのが好ましい。上記したCu2+の場合と同様に、全Cu量が0.1質量%未満であると、ガラスの肉厚を薄くした際に近赤外線カットの効果が十分に得られず、また20質量%を超えると可視域透過率が低下するため好ましくない。なお、Cuの質量%表示の含有量は、(Cu/全Cu量)×100[%]が、0.01〜4.0質量%となるような範囲で決めることができる。
Sb3+は、必須成分ではないものの、ガラスの酸化性を高め、Cu2+イオンの濃度を増加することで、近赤外線のカット性能を高める効果がある。その含有量が、1%を超えるとガラスの安定性が低下するため好ましくない。好ましくは0〜1%であり、より好ましくは0.01〜0.8%である。さらに好ましくは0.05〜0.5%であり、もっとも好ましくは、0.1〜0.3%である。
2−は、ガラスを安定化させる、強度や硬度や弾性率といった機械的特性を高めるなどのための必須成分である。その含有量が、30%未満であるとその効果が十分得られず、90%を超えるとガラスが不安定となるため、耐候性が低下するため好ましくない。より好ましくは30〜80%であり、さらに好ましくは30〜75%である。
は、ガラスを安定化させるため、耐候性を向上させるための必須成分である。その含有量が、10%未満であるとその効果が十分得られず、70%を超えると強度や硬度や弾性率といった機械的特性が低下するなどのおそれがあるため好ましくない。より好ましくは10〜60%であり、さらに好ましくは15〜60%である。
第1の実施形態のガラスは、PbO、As、V、LaY、YF、YbF、GdFを実質的に含有しないことが好ましい。PbOは、ガラスの粘度を下げ、製造作業性を向上させる成分である。また、Asは、幅広い温度域で清澄ガスを発生できる優れた清澄剤として作用する成分である。しかし、PbO及びAsは、環境負荷物質であるため、できるだけ含有しないことが望ましい。Vは、可視領域に吸収をもつため、紫外線の透過率が低下するおそれがあり、できるだけ含有しないことが望ましい。LaY、YF、YbF、GdFは、ガラスを安定化させる成分であるものの、原料が比較的高価であり、コストアップにつながるので、できるだけ含有しないことが望ましい。ここで、実質的に含有しないとは、原料として意図して用いないことを意味しており、原料成分や製造工程から混入する不可避不純物については含有していないとみなす。
第1の実施形態のガラスは、ガラスを形成する陽イオンをもった硝酸塩化合物や硫酸塩化合物を、酸化剤あるいは清澄剤として添加することができる。酸化剤は、ガラス中のCu成分のCu/全Cu量を所望の範囲に調整する効果がある。硝酸塩化合物や硫酸塩化合物の添加量は、上記したガラスの組成の原料混合物の合量に対し外割添加で0.5〜10質量%が好ましい。添加量が0.5質量%未満では透過率改善の効果がなく、10質量%を超えるとガラスの形成が困難になる。より好ましくは1〜8質量%であり、一層好ましくは3〜6質量%である。硝酸塩化合物としては、Al(NO、LiNO、NaNO、KNO、Mg(NO、Ca(NO、Sr(NO、Ba(NO、Zn(NO、Cu(NO等がある。硫酸塩化合物としては、Al(SO・16HO、LiSO、NaSO、KSO、MgSO、CaSO、SrSO、BaSO、ZnSO、CuSO等がある。
第1の実施形態のガラスは、F(フッ素)成分を必須成分として含有するため、耐侯性に優れている。具体的には、雰囲気中の水分との反応によるガラス表面の変質や透過率の減少を抑制することができる。耐侯性の評価は、例えば、高温高湿槽を用いて、光学研磨したガラスサンプルを65℃、相対湿度90%の高温高湿槽中に1000時間保持する。そして、ガラス表面のヤケ状態を目視観察して評価することができる。また、高温高湿槽に投入する前のガラスの透過率と高温高湿槽中に1000時間保持した後のガラスの透過率とを比較して評価することもできる。
第2の実施形態のガラスは、いわゆる銅含有リン酸ガラスであり、特にガラス中のP成分、Cu成分(Cu2+)が近赤外域の波長の光を吸収することで、赤外線を大幅にカットする機能を備える。
第2の実施形態のガラスとして、
下記酸化物換算の質量%表示で、
65〜80%、
Al 5〜20%、
0〜3%、
LiO 0〜10%、
NaO 0〜10%、
O 0〜10%、
LiO+NaO+KO 3〜15%、
MgO 0〜5%、
CaO 0〜5%、
SrO 0〜5%、
BaO 0〜9%、
MgO+CaO+SrO+BaO 3〜15%、
ZnO 0〜5%、
CuO 0.5〜20%、
を含有することが好ましい。
第2の実施形態のガラスにおいて、
下記酸化物換算の質量%表示で、
65〜74%、
Al 5〜10%、
0〜3%、
LiO 0〜10%、
NaO 0〜10%、
LiO+NaO 3〜15%、
MgO 0〜2%、
CaO 0〜2%、
SrO 0〜5%、
BaO 0〜9%、
MgO+CaO+SrO+BaO 3〜15%、
CuO 0.5〜20%、
を含有することがより好ましい。この組成においては、KOが0%、ZnOが0%であることが好ましい。
第2の実施形態のガラスを構成する各成分の含有量を上記のように限定した理由を以下に説明する。以下の説明において、各成分の含有量は酸化物換算の質量%表示である。
は、ガラスを形成する主成分(ガラス形成酸化物)であり、近赤外線カット性を高めるための必須成分である。その含有量が、65%未満ではその効果が十分得られず、80%を超えると溶融温度が上がり、可視域の透過率が低下するため好ましくない。好ましくは65〜74%であり、より好ましくは67〜73%であり、さらに好ましくは68〜72%である。
Alは、耐候性を高めるための必須成分である。その含有量が、5%未満ではその効果が十分得られず、20%を超えるとガラスの溶融温度が高くなり、近赤外線カット性および可視域透過性が低下するため好ましくない。好ましくは5〜10%であり、より好ましくは6〜10%であり、さらに好ましくは7〜9%である。
は、ガラスの溶融温度を低くするための任意成分である。その含有量が、3%を超えると近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは0.7〜2.5%以下であり、より好ましくは0.8〜2.0%である。
LiOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする効果がある。その含有量が、10%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは0〜5%であり、より好ましくは0〜3%である。
NaOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする効果がある。その含有量が、10%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは4〜9%であり、より好ましくは5〜9%である。
Oは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする効果がある。その含有量が、10%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは0〜5%であり、より好ましくは0〜3%である。
LiO+NaO+KOは、ガラスの溶融温度を低くするための必須成分である。その含有量が、3%未満ではその効果が十分ではなく、15%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは4〜13%であり、より好ましくは5〜10%である。
なお、LiOやNaOを含有する場合、KOは含有しないことが好ましい。その場合、LiO+NaOが、ガラスの溶融温度を低くするための必須成分となる。その含有量が、3%未満ではその効果が十分ではなく、15%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは4〜13%であり、より好ましくは5〜10%である。
MgOは、必須成分ではないものの、ガラスの安定性を高める効果がある。その含有量が、5%を超えると近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは2%以下であり、より好ましくは1%以下であり、含有しないことがさらに好ましい。
CaOは、必須成分ではないものの、ガラスの安定性を高める効果がある。その含有量が、5%を超えると近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは2%以下であり、より好ましくは1.5%以下であり、含有しないことがさらに好ましい。
SrOは、必須成分ではないものの、ガラスの安定性を高める効果がある。その含有量が、5%を超えると近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは0〜4%であり、より好ましくは0〜3%である。
BaOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする効果がある。その含有量が、9%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは3〜8%であり、より好ましくは4〜8%である。
MgO+CaO+SrO+BaOは、ガラスの安定性を高め、ガラスの溶融温度を低くするための必須成分である。その含有量が、3%未満であるとその効果が十分ではなく、15%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは3〜12%であり、より好ましくは4〜10%である。
ZnOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする効果がある。その含有量が、5%を超えるとガラスの溶解性が悪化するため好ましくない。好ましくは2%以下であり、含有しないことがより好ましい。
CuOは、近赤外線カット性を高めるための必須成分である。その含有量が、0.5%未満であるとその効果が十分に得られず、20%を超えると可視域透過率が低下するため好ましくない。好ましくは1〜15%であり、より好ましくは2〜10%である。もっとも好ましくは3〜9%である。
本発明のフィルタにおいて、近赤外域の光の透過率が低い分光特性を得るには、ガラス成分中の銅イオンについて、紫外域に吸収を持ち可視域透過率を低くする要因となるCuよりも近赤外域に吸収をもつCu2+を極力多く存在させることが重要である。
ガラス成分中の銅は、ガラスの溶融温度が高いほど還元される、つまりCu2+が還元されてCuになる、傾向にある。よって、Cu2+を多く存在させるためには、ガラスの溶融温度を極力低くすることが有効である。そのため、ガラスの溶融温度を高くする効果があるAlに対してガラスの溶融温度を低くする効果があるBaO、Bの比率を大きくする。これらのガラス成分中のバランスは、(BaO+B)/Al(質量比)を大きくすればいいが、大きすぎる場合、耐候性の低下につながるため、これらの比は0.3〜2.4の範囲が好ましい。これらの比は、0.3〜2.0がより好ましく、0.5〜1.5がさらに好ましい。
本発明のフィルタにおいて、近赤外域の光の透過率が低い分光特性を得るためには、ガラス中のCu2+の6配位構造の歪みを小さくし、Cu2+の吸収ピークを長波長側に移動させる、つまりガラス中のCu2+による近赤外域の光の吸収を一層高く機能させることが重要である。
そのため、ガラス中のCu2+の6配位構造の歪みを小さくするには、ガラス中に非架橋酸素の数が多く、かつ、修飾酸化物のフィールドストレングス(フィールドストレングスは、価数Zをイオン半径rの2乗で割った値:Z/rであり、カチオンが酸素を引き付ける強さの程度を表す)が小さいことが必要であると考えた。
ガラス中の非架橋酸素の数を多くするためには、ガラスのネットワークを形成する網目状酸化物におけるPを他の網目状酸化物に比べて多くする必要がある。Pは、AlやBと比べて分子中に酸素を多く含有するため、Cu2+は非架橋酸素を配位しやすくなり、Cu2+周りの歪みが小さくなる。他方、ガラスの耐候性を高めるには、耐候性に影響があるAlをPとの比率において高くすることが有効である。
そのため、ガラスに含有する網目状酸化物のバランスは、P/Al(質量比)が6.5〜10の範囲が好ましい。これらの比は、7〜10がより好ましく、7〜9.5がさらに好ましい。
ガラス中の修飾酸化物のフィールドストレングスについて、P:70%、Al:10%、CuO:4%、XO(XはLi、Na、K、Ba、Sr、Ca、Zn、またはMgを表し、XがLi、Na、Kの場合には、nは2を表し、XがBa、Sr、Ca、Zn、Mgの場合には、nは1を表す。):20%(全てモル%を示す。P、AlおよびXOの合計100%に対し、CuOを外掛けで4%添加する。)の組成のリン酸塩系ガラスにおいて修飾酸化物であるXOの種類を変えた場合のCu2+の吸収ピークの波数と各元素のフィールドストレングスとの関係から修飾酸化物のフィールドストレングスが小さいほど、吸収ピークの波数が小さくなり、Cu2+の近赤外域の光の吸収性が上がることがわかった。
これらより、ガラス中の修飾酸化物のフィールドストレングスの平均値を小さくするためには、フィールドストレングスが相対的に小さいNaOを他の修飾酸化物と比較し多く含有することが効果的であることがわかる。
そのため、ガラスに含有する修飾酸化物のバランスは、NaO/(LiO+MgO+CaO+SrO+BaO)(モル比)を大きくすればよいが、大きすぎる場合、耐候性の低下につながるため、これらの比は0.5〜3の範囲が好ましい。これらの比は、0.5〜2.5がより好ましく、0.7〜2がさらに好ましい。
ガラス(第1および第2の実施形態)からなる基体は、次のようにして作製することができる。まず得られるガラスが上記組成範囲になるように原料を秤量、混合する。この原料混合物を白金ルツボに収容し、電気炉内において700〜1000℃の温度で加熱溶解する。十分に撹拌・清澄した後、金型内に鋳込み、徐冷した後、切断・研磨して所定の形状、例えば、平板状に成形する。ガラス基体の厚さは、以下の光学多層膜と合わせた厚さとして後述のフィルタの厚さとなるような厚さが好ましい。
上記製造方法において、ガラス溶解中のガラスの最も高い温度を950℃以下にすることが好ましい。ガラス溶解中のガラスの最も高い温度が950℃を超えると、Cuイオンの酸化還元の平衡状態がCu側に偏って赤外線のカット特性が悪化する、フッ素の揮散が促進されガラスが不安定になる等の問題が生じる。よって、900℃以下がより好ましく、850℃以下がもっとも好ましい。また、溶解中のガラスの最も高い温度が低くなりすぎると、溶解中に結晶化が発生する、溶け落ちに時間がかかる等の問題が生じる。700℃以上が好ましく、750℃以上がより好ましい。
次いで、ガラス基体の主表面の光学多層膜について述べる。
光学多層膜は、ガラス基体上にあり、高屈折率膜Hと低屈折率膜L(波長500nmにおける屈折率が高屈折率膜の構成材料より小さい構成材料からなる)とからなる繰り返し積層膜もしくは高屈折率膜Hと中屈折率膜M(波長500nmにおける屈折率が高屈折率膜の構成材料より小さい構成材料からなる)と低屈折率膜L(波長500nmにおける屈折率が中屈折率膜の構成材料より小さい構成材料からなる)とからなる繰り返し積層膜により構成される。なお、本明細書において屈折率は、波長500nmの光に対する屈折率を意味する。光学多層膜は、多層膜による干渉効果を利用した光の反射作用によって、あるいは膜の構成材料の吸収作用によって、所望の波長の透過を抑制する。
光学多層膜は、光の垂直入射時における波長420nm〜680nmの平均透過率が5%以下の光学特性である。このようにすることで、ガラス基体にて赤外線を吸収し、光学多層膜で可視光を反射し、フィルタとして、可視光から赤外線の広い波長域で透過率の低い阻止帯が得られ、紫外線のみを選択的に透過するフィルタを得ることができる。光学多層膜の光の垂直入射時における波長420nm〜680nmの平均透過率は、4%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。なお、光学多層膜の光学特性は、ガラス基体自体に光の吸収がないことを条件として算出されるものであり、かつガラス基体と空気との屈折率差に起因して生じる光の表面反射は無視するものとする。
高屈折率膜の構成材料は、例えば屈折率が2以上であることが好ましい。このような構成材料としては、例えば、TiO、Nb、Ta、これらの複合酸化物等が挙げられる。また、中屈折率膜の構成材料は、例えば屈折率が1.6を超え、2未満であることが好ましい。このような構成材料としては、例えば、Al、これの複合酸化物等が挙げられる。また、低屈折率膜の構成材料は、例えば屈折率が1.6以下であることが好ましい。このような構成材料としては、例えば、SiO、MgF、これらの複合酸化物等が挙げられる。高屈折率膜、中屈折率膜、低屈折率膜には、屈折率を調整するための添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、SiO、Al、CeO、FeO、HfO、In、MgF、Nb、SnO、Ta、TiO、Y、ZnO、ZrO、NiO、ITO(Indium Tin Oxide)、ATO(Antimony doped Tin Oxide)、MgO等が挙げられる。
光学多層膜を構成する高屈折率膜、中屈折率膜および低屈折率膜の合計層数は、70層以下が好ましい。このようにすることで、紫外線透過フィルタの生産性を高くすることができる。より好ましくは65層以下である。
光学多層膜を構成する高屈折率膜、中屈折率膜および低屈折率膜の合計層厚は、7.0μm以下が好ましい。このようにすることで、ガラス基体の一方の面に光学多層膜を設ける場合において、光学多層膜の内部応力に起因する紫外線透過フィルタの反りを抑制することが可能である。より好ましくは、6.0μm以下である。
また、光学多層膜は、ガラス基体の一方の面と他方の面とにそれぞれ分割して設けてもよい。その場合、光学多層膜の内部応力をガラス基体の一方の面と他方の面とで相殺することで、紫外線透過フィルタの反りを抑制することが可能である。
光学多層膜を構成する高屈折率膜、中屈折率膜および低屈折率膜は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法により形成することができる。特に、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンビーム法により形成することが好ましい。紫外線透過フィルタを撮像装置に用いる場合、光学多層膜により可視光を確実に遮蔽することが求められる。これを実現するには、高屈折率膜、中屈折率膜および低屈折率膜の膜厚精度が重要となる。スパッタリング法、真空蒸着法、イオンビーム法は、薄膜を形成する際の膜厚制御に優れるため好ましい。
次いで、本発明のフィルタについて述べる。なお、本明細書で述べるフィルタの光学特性は、ガラス基体の主表面の一方のみに光学多層膜が形成される場合、他方の面は光の反射がないものとして扱う。
本発明のフィルタは、前述のガラスからなる基体と該基体の主表面に光学多層膜とを備える。光学多層膜は、光の垂直入射時における波長420nm〜680nmの平均透過率が5%以下の光学特性であり、且つ上記ガラスがP、Cuを必須含有することで赤外光を吸収する光学特性である。そのため、本発明のフィルタは、可視光から赤外光の広い帯域の波長の光をカットすることができる。そして、ガラス基体が透過し、且つ光学多層膜が反射しない、紫外線領域のみを選択的に透過する光学特性を有する。
本発明のフィルタは、光の垂直入射時における波長680nm〜1100nmの平均透過率が30%以下、かつ最大透過率が50%以下であることが好ましい。このような光学特性を備えることで、不要な赤外光を確実にカットすることができる。上記平均透過率が30%超であると、フィルタを撮像装置に用いる場合、撮像画像における赤外光の影響が無視できなくなる。また、上記最大透過率が50%超であると、リップルなどの一部の波長の光のみ突発的に透過率が高いような状態が存在することになり、フィルタを撮像装置に用いる場合、透過率の高い波長の光がノイズとなるおそれがある。本発明のフィルタは、光の垂直入射時における波長680nm〜1100nmの平均透過率が25%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。また、最大透過率は、45%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。
本発明のフィルタは、光の垂直入射時における波長300nm〜420nmの最大透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上がより好ましい。このような光学特性を備えることで、紫外線を用いる装置において、必要十分な紫外光を確保することができる。最大透過率が70%未満であると、必要十分な紫外光を確保することができないおそれがある。本発明のフィルタは、フィルタの板厚が0.5mm以上の場合においては、光の垂直入射時における波長300nm〜420nmの最大透過率が71%以上であることが好ましく、72%以上であることがより好ましく、82%以上がさらに好ましく、84%以上がさらに一層好ましい。また、本発明のフィルタは、フィルタの板厚が0.5mm未満の場合においては、光の垂直入射時における波長300nm〜420nmの最大透過率が74%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、85%以上がさらに好ましく、90%以上がさらに一層好ましい。
本発明のフィルタは、光の垂直入射時の透過率における紫外線透過帯の幅(「長波側の半値波長」−「短波側の半値波長」)が20nm以上であることが好ましい。このような光学特性を備えることで、紫外線を用いる装置において、必要十分な紫外線光量を確保することができる。これら紫外線透過帯の幅が20nm未満であると、必要十分な紫外線光量を確保することができないおそれがある。本発明のフィルタは、光の垂直入射時の透過率における紫外線透過帯の幅(「長波側の半値波長」−「短波側の半値波長」)は、25nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上がさらに好ましい。なお、「長波側の半値波長」とは、透過率特性における紫外線透過帯において、透過率が50%となる長波側の波長をいう。また、「短波側の半値波長」とは、透過率特性における紫外線透過帯において、透過率が50%となる短波側の波長をいう。
本発明のフィルタは、光の垂直入射時における波長450nm〜1100nmの最大透過率が50%以下であることが好ましい。このような光学特性を備えることで、不要な可視光および赤外光を確実にカットすることができる。これら最大透過率が50%超であると、リップルなどの一部の波長の光のみ突発的に透過率が高いような状態が存在することになり、フィルタを撮像装置に用いる場合、透過率の高い波長の光がノイズとなるおそれがある。本発明のフィルタは、光の垂直入射時における波長450nm〜1100nmの最大透過率が25%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。
本発明のフィルタは、光の垂直入射時の透過率において、波長550nm〜800nmのガラス基体の透過率が50%を示す波長と、波長550nm〜800nmの光学多層膜の透過率が50%を示す波長との差が5nm以上であり、且つガラス基体の透過率が50%を示す波長が光学多層膜の透過率が50%を示す波長よりも短波長側にあることが好ましい。
フィルタに光が斜めから入射する場合、光が垂直に入射する場合と比較して光路長が伸びることで、ガラス基体や光学多層膜の光学特性がそれぞれ短波長側にシフトする。この際、一般的にガラス基体の光学特性のシフト量に比較し、光学多層膜の光学特性のシフト量が大きい。
そのため、光の垂直入射時の透過率において、波長550nm〜800nmのガラス基体の透過率が50%を示す波長と、波長550nm〜800nmの光学多層膜の透過率が50%を示す波長との差が5nm以上であり、且つガラス基体の透過率が50%を示す波長が光学多層膜の透過率が50%を示す波長よりも短波長側にあることで、フィルタに光が斜めから入射した際に、光学多層膜の透過率が50%を示す波長がガラス基体の透過率が50%を示す波長よりも短波長側にならず、波長550nm〜800nmの光が意図せず透過する現象を防ぐことができる。前述の波長550nm〜800nmのガラス基体の透過率が50%を示す波長と、波長550nm〜800nmの光学多層膜の透過率が50%を示す波長との差が5nm未満であると、フィルタに光が斜めから入射した際に、光学多層膜の透過率が50%を示す波長がガラス基体の透過率が50%を示す波長よりも短波長側となり、波長550nm〜800nmの光が意図せず透過するおそれがある。
この現象は、波長550nm〜800nmにおいて、光学多層膜が短波側の光をカットし、ガラス基体が長波側の光をカットするという役割分担をしており、フィルタに光が斜めから入射する際に光学特性が短波長側にシフトすることで両者のカット領域が重複する波長帯がなくなり、光が透過することに起因するものである。
本発明のフィルタは、板厚が0.1mm〜1.0mmであることが好ましい。フィルタの板厚をこのようにすることで、紫外線を用いる装置を小型化することが可能である。板厚が0.1mm未満であると、赤外光を吸収するためにガラスに多量のCuを含有させる必要がある。これにより、フィルタの紫外線の透過率が低下するおそれがあり、好ましくない。また、板厚が1.0mmを超えるとフィルタを用いる装置が大きくなるため好ましくない。なお、フィルタの板厚とは、ガラス基体と光学多層膜との合計の厚さをいうものである。
本発明のフィルタは、紫外線光源を用いる装置(例えば、UV−LED、UVレーザー等)、UV剥離を前提とした半導体ウエハ製造用のサポート基板、および発光管等に好適に用いることができる。前記装置としては、例えば、紫外線硬化型樹脂組成物の硬化装置や紫外線センサーの光源カバーガラス、水殺菌装置、紫外線撮像装置などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明のフィルタは、板状に限らず、管状や成形体など、用途に応じて適宜の形状で用いることができる。
例えば、水殺菌には、UV−LEDがライン状に配列されたUV−LEDアレイを、複数のガラス板の間に取り付けた光源が用いられる。ここで、ガラス板として本発明のフィルタを板成形したものを用いることで、紫外光の透過率が高く、殺菌性の高い板状UV−LEDアレイを提供することができる。
例えば、紫外光の発光管には、ガラス管中に紫外線光源を取り付けたものが用いられる。ここで、ガラス管として本発明のフィルタを管成形したものを用いることで、深紫外光の透過率が高い発光管を提供することができる。
さらに、本発明のフィルタは、細胞培養容器や、細胞を観察、測定するための部材(生体分析用器具)に好適に用いることができる。細胞培養分野において、細胞を観察する手法として、蛍光タンパク質を所望の細胞に発現させたり、蛍光色素を導入して、その蛍光を観察する手法が用いられている。本発明の紫外線透過フィルタは、ガラス基体自体の発する蛍光が小さいため、容器や部材として用いる場合に発する蛍光が小さく、細胞から発せられる微弱な蛍光を高い精度で測定することができる。このような容器や部材としては、カバーガラス、スライドガラス、細胞培養用ディッシュ、ウエルプレート、マイクロプレート、細胞培養容器、分析チップ(バイオチップ、マイクロ化学チップ)、マイクロ流路デバイス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。例1−1〜例4−4、例13−1〜例13−6、例14−1〜例14−6は本発明の実施例であり、例5〜例12、例15−1〜例15−6は比較例である。各例に用いる試料は、次のようにして作製した。
まず、表1に記載のガラス組成となるようにガラス原料を調合し、このガラス原料調合物を、白金坩堝を用いてモリブデンシリサイドを発熱体とした電気炉で、700〜950℃の温度で5時間溶融・撹拌・清澄を行った。なお、表2に、ガラスA〜Dのカチオン組成およびアニオン組成を示す。この溶融物を鋳鉄の金型に鋳込み成形し、徐冷を行い、800gのガラス試料(ガラスブロック)を得た。また、このガラスブロックにスライス、研磨加工等を行い、所定形状(25mm×25mm×板厚0.1mm〜0.6mm)のガラス基板を得た。なお、例5、例6、例7、例12で用いているD263Tecoは、Schott株式会社製のSi(珪素)とB(硼素)とを必須成分として含有するホウケイ酸ガラスであり、P(リン)やCu(銅)を含有しない。また、例14−1〜例14−6、例15−1〜例15−6のガラスEは、リン酸ガラスであり、酸化物換算の百分率表記で、P 71%、Al 13%、MgO 3%、ZnO 1%、KO 5%、BaO 3%、CuO 4%のガラス組成となるようにガラス原料を調合し、上記と同様の方法にてガラス基板を得た。
Figure 2018010275
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次いで、前述のガラス基板の一方の面に表3〜表6に記載のいずれかの光学多層膜を備え、ガラス基板の他方の面には表7に記載の反射防止膜a〜c(TiO/SiOの6層構成、あるいはTa/SiOの6層構成)のいずれかを備えた場合のフィルタの光学特性をTFCalc(光学特性のシミュレーションソフト、Software Spectra Inc.社製)を用いて算出した。
表3は光学多層膜が膜構造タイプaの膜構成、表4は光学多層膜が膜構造タイプbの膜構成、表5は光学多層膜の膜構造タイプcの膜構成、表6は光学多層膜の膜構造タイプdの膜構成である。反射防止膜の構成は、光学多層膜が膜構造タイプaの場合は反射防止膜a、膜構造タイプbの場合は反射防止膜b、膜構造タイプcの場合は反射防止膜c、膜構造タイプdの場合は反射防止膜aである。なお、表3〜表7において、層番号1がガラス基板の表面に設けられる層である。
前述のシミュレーションソフトを用いて算出した結果、各膜構造タイプの光の垂直入射時における波長420nm〜680nmの平均透過率および膜厚は、膜構造タイプaが0.2%、膜厚;2.8μm、膜構造タイプbが1.28%、膜厚;3.3μm、膜構造タイプcが2.88%、膜厚;3.1μm、膜構造タイプdが1.55%、膜厚;4.1μmである。
Figure 2018010275
Figure 2018010275
Figure 2018010275
Figure 2018010275
Figure 2018010275
各例のガラス基板・ガラス基板の厚み・光学多層膜の膜構造タイプの組合せ、フィルタの光学特性を表8〜表15に示す。
フィルタの光学特性としては、光の垂直入射時における波長680nm〜1100nmの平均透過率、光の垂直入射時における波長680nm〜1100nmの最大透過率、光の垂直入射時における波長300nm〜420nmの最大透過率、光の垂直入射時の透過率における紫外線透過帯の幅(「長波側の半値波長」−「短波側の半値波長」。表中、「透過帯幅」と記す。)、光の垂直入射時における波長450nm〜1100nmの最大透過率、光の垂直入射時の透過率において波長550nm〜800nmの前記ガラスの透過率が50%を示す波長と波長550nm〜800nmの前記光学多層膜の透過率が50%を示す波長との差(表中、「波長差」と記す。)、波長550nm〜800nmの透過率が50%を示す波長がガラス基板と光学多層膜のどちらが短波長側にあるか(表中、「短波長側」と記す。)、についてまとめた。なお、表14(例13−1〜例13−6)において、波長550nm〜800nmの光学多層膜の透過率が50%を示す波長が存在しないため、「波長差」は「−」と表記した。
各例のフィルタの波長と透過率の関係を図2〜図20に示す。
Figure 2018010275
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表8〜表15、図面に示すように、実施例のフィルタは、可視光および赤外光をカットし、且つ紫外線の透過率が高い光学特性を備える。他方、比較例のフィルタは、可視光もしくは赤外光のいずれかの透過率が高く、紫外光のみを選択的に透過することができない。
10…紫外線透過フィルタ、11…ガラス基体、12…光学多層膜

Claims (12)

  1. ガラスからなる基体と、該基体の主表面に光学多層膜を備え、
    前記ガラスは、P、Al、R(ただし、Rは、Li、Na、およびKのいずれか1つ以上を表す)、R’(ただし、R’は、Mg、Ca、Sr、Ba、およびZnのいずれか1つ以上を表す)、Cuの各成分を含有し、
    前記光学多層膜は、光の垂直入射時における波長420nm〜680nmの平均透過率が5%以下の光学特性である
    紫外線透過フィルタ。
  2. 前記フィルタは、光の垂直入射時における波長680nm〜1100nmの平均透過率が30%以下、かつ最大透過率が50%以下である
    請求項1に記載の紫外線透過フィルタ。
  3. 前記フィルタは、光の垂直入射時における波長300nm〜420nmの最大透過率が70%以上である
    請求項1または請求項2に記載の紫外線透過フィルタ。
  4. 前記フィルタは、光の垂直入射時における波長300nm〜420nmの最大透過率が80%以上である
    請求項1または請求項2に記載の紫外線透過フィルタ。
  5. 前記フィルタは、光の垂直入射時の透過率における紫外線透過帯の幅(「長波側の半値波長」−「短波側の半値波長」)が20nm以上である
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  6. 前記フィルタは、光の垂直入射時における波長450nm〜1100nmの最大透過率が50%以下である
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  7. 前記フィルタは、光の垂直入射時の透過率において、
    波長550nm〜800nmの前記基体の透過率が50%を示す波長と、
    波長550nm〜800nmの前記光学多層膜の透過率が50%を示す波長との差が5nm以上であり、
    前記基体の透過率が50%を示す波長が前記光学多層膜の透過率が50%を示す波長よりも短波長側にある
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  8. 前記フィルタは、板厚が0.1mm〜1.0mmである
    請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  9. 前記ガラスは、
    カチオン%表示で、
    5+ :30〜50%、
    Al3+ :5〜20%、
    :20〜40%(ただし、Rは、Li、Na、及びKの合量を表す)、
    R’2+ :5〜30%(ただし、R’2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、及びZn2+の合量を表す)、
    Cu2+ :0.1〜20%、
    を含有すると共に、
    アニオン%表示で、
    2− :30〜90%、
    :10〜70%、
    を含有する
    請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  10. 前記ガラスは、
    下記酸化物換算の質量%表示で、
    65〜80%、
    Al 5〜20%、
    0〜3%、
    LiO 0〜10%、
    NaO 0〜10%、
    O 0〜10%、
    LiO+NaO+KO 3〜15%、
    MgO 0〜5%、
    CaO 0〜5%、
    SrO 0〜5%、
    BaO 0〜9%、
    MgO+CaO+SrO+BaO 3〜15%、
    ZnO 0〜5%、
    CuO 0.5〜20%、
    を含有する
    請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
  11. 前記ガラスは、
    下記酸化物換算の質量%表示で、
    65〜74%、
    Al 5〜10%、
    0〜3%、
    LiO 0〜10%、
    NaO 0〜10%、
    LiO+NaO 3〜15%、
    MgO 0〜2%、
    CaO 0〜2%、
    SrO 0〜5%、
    BaO 0〜9%、
    MgO+CaO+SrO+BaO 3〜15%、
    CuO 0.5〜20%、
    を含有する
    請求項10に記載の紫外線透過フィルタ。
  12. 前記光学多層膜は、層数が70層以下である
    請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の紫外線透過フィルタ。
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