JP2018010138A - 表示装置、投影装置、及び表示装置または投影装置を備えた移動体 - Google Patents

表示装置、投影装置、及び表示装置または投影装置を備えた移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】透過部材により反射された光が特定の一点に集光しない表示装置を提供する。【解決手段】表示する像を形成する光束を外部へ射出する開口部を備える表示装置であって、前記開口部には、前記光束が透過する透過部材が設けられ、前記透過部材の射出面側は凹面であり、放物線を描いた際の対称軸を前記凹面の基準軸と定義すると、前記凹面の形状は、この放物線よりも、前記基準軸から離れるほど曲率が緩くなる非円弧形状である、表示装置。【選択図】図2

Description

本発明は、表示装置、投影装置、及び表示装置または投影装置を備えた移動体に関する。
表示装置や投影装置として、例えば、プロジェクタやヘッドアップディスプレイ(以下「HUD」という。)などが知られている。HUDは、自動車、航空機、船舶などの移動体に搭載され、操縦者に情報を視認させる装置である。
表示装置及び投影装置は、像を形成する光を装置外部へ射出するための開口部を備える。そして開口部には、この開口部から装置内部への埃等の侵入を防ぐために、像を形成する光を透過する透過部材が設置されることが一般的である。つまり、透過部材は、防塵機能を兼ね備えた部材である。
従来、表示装置の透過部材について、この透過部材を透過する光束と平行な断面において、射出面側の形状を凹面とするものが知られている。例えば、透過部材で反射した外来光がドライバーに到達しないように、この透過部材を透過する光束と平行な断面において射出面側の形状を凹面とするとともに透過部材の近傍に反射光を遮光するための遮光部材を備えた車両用表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、放物線の軸(対称軸)と平行な平行光が入射すると、入射した光はこの軸上の一点に集光する。そのため、例えば射出面を放物線形状の凹面とした場合、射出面の外部から射出面に対して、射出面の形状である凹面の基準軸(放物線の軸(対称軸))と平行な平行光が入射すると、射出面で反射された反射光は、この軸上の一点に集光する。
ここで、太陽光は平行光と考えられる。そして、屋外で使用する表示措置や投影装置における開口部に設置された透過部材には、太陽光が入射する可能性がある。例えば、車のダッシュボードに搭載するHUDの場合、装置外部へ投光するための開口部はウインドシールドの近傍へ配置されることとなるので、開口部に設置された透過部材により太陽光が反射される可能性がある。そして、開口部に設置された透過部材により反射された太陽光が特定の一点に集光すると、エネルギーが一点に集中することになるので、予期せぬ不具合が発生することが懸念される。
本発明は、透過部材により反射された光が特定の一点に集光しない表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る表示装置は、表示する像を形成する光束を外部へ射出する開口部を備える表示装置であって、前記開口部には、前記光束が透過する透過部材が設けられ、前記透過部材の射出面側は凹面であり、放物線を描いた際の対称軸を前記凹面の基準軸と定義すると、前記凹面の形状は、この放物線よりも、前記基準軸から離れるほど曲率が緩くなる非円弧形状である表示装置、である。
本発明によれば、表示装置において透過部材により反射された光が特定の一点に集光することがない。
本発明に係る装置の実施形態を示す構成図である。 比較例における透過部材の凹面と本実施の形態に係る透過部材の凹面とを、xy平面上で重ねて示した図である。 本実施の形態に係る透過部材の凹面の形状をxy平面で示した図である。 (a)比較例における透過部材の凹面に入射する太陽光、太陽光が凹面を透過した透過光、太陽光が凹面により反射された反射光の様子を示す図である、(b)図2(a)の太陽光が凹面により反射された反射光の光路の一部を拡大した拡大図である、(c)本実施の形態に係る透過部材の凹面に入射する太陽光、太陽光が凹面を透過した透過光、太陽光が凹面により反射された反射光の様子を示す図である、(d)図2(c)の太陽光が凹面により反射された反射光の光路の一部を拡大した拡大図である。 (a)本発明の実施形態であるHUDが備える透過部材の配置を示す図、(b)比較例2におけるHUDが備える透過部材の配置を示す図である。 (a)本実施の形態として、凹面の基準軸を、YZ平面において、+Z側に傾けて配置した様子を示した図である、(b)比較例3として、凹面の基準軸を、YZ平面において、+Z側に傾けないで配置した様子を示した図である。 太陽光が透過部材の凹面に至る光路上に、遮光部材を設けた様子を示す図である。
●表示装置(1)●
以下、本発明に係る表示装置や投影装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の実施形態であるHUD1について説明する。
●表示装置の概要
図1に示すように、HUD1は、自動車や航空機、船舶などの移動体に搭載される装置である。HUD1は、当該移動体の操縦者の視界内に情報を表示する。この「情報」とは、当該移動体の移動に関連する情報、当該移動体の動作に関連する情報等である。また、移動体の動作状態を報知する警報なども含まれる。
HUD1は、後述する像形成部に中間像を形成し、操縦者の視界に投射することで、中間像に対応する虚像2を視認させる装置である。
ここで、本発明に係る実施形態の説明に共通して用いる3次元直交座標系を説明する。図1に示すように、観察者3の視野方向である移動体の前進方向をZ軸とする。この場合、虚像2から観察者3へ向かう方向、すなわち移動体の後退方向を+Z方向とし、観察者3の視線方向、すなわち移動体の前進方向を−Z方向とする。観察者3の視野の左右方向をX方向とする。この場合、観察者3の右方向、すなわち紙面奥方向を+X方向とし、観察者3の左方向、すなわち紙面手前方向を−X方向、とする。また観察者3の視野の上下方向をY方向とする。観察者3の上方向を+Y方向とし、観察者3の下方向を−Y方向とする。
以上をまとめて言い換えると、本発明に係る実施形態の説明に用いる移動体を自動車とした場合に、自動車の幅方向をX方向、自動車の高さ方向をY方向、自動車の長さ方向をZ方向とする。観察者3からみて左手方向が−X方向であって、右手方向が+X方向である。観察者3からみて上方向が+Y方向である。自動車の後退方向、すなわち後方が+Z方向であって、進行方向すなわち前方が−Z方向である。
●表示装置の構成
図1に示すように、HUD1は、入射光学系の例である光源部100と、走査光学系200と、観察光学系300と、を備えている。本実施形態では、HUD1を自動車に搭載した場合を例に用いて説明する。
●光源部100の概要
光源部100は、虚像2の元になる中間像の形成に用いる光束を出射する。虚像2をカラー画像にするのであれば、光源部100からはカラー画像に必要な光の三原色に相当する光束が出射される。
光源部100は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3種のレーザー光束を合成して像形成用ビームを出力する。像形成用ビームは、光偏向器20の反射面に照射される。
各色のレーザー光束は、表示対象である「二次元のカラー画像」に係る画像信号に応じて、または、当該画像情報を示す画像データに応じて強度変調される。このレーザー光束の強度変調は、各色の半導体レーザーを直接変調する方式、すなわち直接変調方式でも良いし、各色の半導体レーザーから出射されたレーザー光束を変調する方式、すなわち外部変調方式でも良い。すなわち、各半導体レーザー素子は、それぞれを駆動する駆動手段によって、R、G、Bの各色成分の画像信号により発光強度を変調された各色のレーザー光を出射する。
なお、各レーザー素子には、上記のような半導体レーザー素子に代えて端面発光レーザーと呼ばれるレーザーダイオード(LD)を用いることができる。また、端面発光レーザーに代えて、面発光レーザーを用いることもできる。さらに、各レーザー素子にはLED素子を用いてもよい。
光源部100は、図1では光軸がYZ平面上において斜め下に向くように設置されていたが、これに限られるものではない。光源部100の設置位置に応じて、走査光学系200及び観察光学系300の各部品の位置や角度は異なる。
●走査光学系200の概要
走査光学系200は、光源部100から出射された光束に基づいて、像形成部22に中間像を形成する。
走査光学系200は、光偏向器20と、走査ミラー21と、像形成部22と、を有してなる。
●光偏向器20の概要
光偏向器20は、光源部100から出射される像形成用ビームを偏向走査し、像形成部22上を二次元偏向走査する像形成素子である。光偏向器20は、半導体プロセス等で微小揺動ミラー素子として作製されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーである。MEMSミラーは単一の微小なミラーである。MEMSミラーは、ミラー面を直交する2軸、すなわち主走査方向、副走査方向に対して揺動し、二次元走査を行う。
光偏向器20として用いることができる像形成素子は、上記の例に限るものではない。例えば、1軸を中心として揺動又は回動する2枚のミラーから成るミラー系であってもよい。また、光偏向器20は、微小なミラーの集合体で構成され、各微小ミラーが互いに直交する2軸を用いて揺動するように構成された微小揺動ミラー素子(DMD:Digital Micromirror Device,Texas Instruments社)であってもよい。また、光偏向器20として用いる像形成素子として、透過型液晶パネルを含む透過液晶型素子や、反射型液晶パネルを含む液晶デバイスである反射液晶型素子などを用いてもよい。
光偏向器20において像形成用ビームが二次元的に偏向されると、偏向されたビームは走査ミラー21によって反射され、走査用ビームとして像形成部22に入射する。
走査用ビームは、像形成部22上において主走査方向と副走査方向に走査される。すなわち、光偏向器20は走査用ビームを二軸偏向しており、主走査方向に関しては正弦波振動を、副走査方向に関しては鋸波振動をすることで、像形成部22を二次元的に偏向走査する。
●像形成部22の概要
走査用ビームにより像形成部22を二次元偏向走査することで、中間像が形成される。なお、ここで作成された中間像は、カラーの二次元像である。本実施形態では、カラー画像を前提として説明するが、像形成部22においてモノクロの中間像を作成するものでもよい。
なお、走査用ビームによる二次元偏向走査の各瞬間において像形成部22に形成される中間像は「走査用ビームが、その瞬間に照射している画素のみ」である。したがって、上記の二次元像は、走査用ビームの二次元的な走査によって「各瞬間に表示される画素の集合」として作成される。
像形成部22は、微細な凸レンズが二次元的に配列されているマイクロレンズアレイであって、この微細凸レンズに入射した走査用ビームが出射面から拡散して出射される。像形成部22の走査は、例えば、主走査方向は高速で走査されて、副走査方向は低速で走査されるラスタースキャンである。走査された像形成部22から出射される拡散光によって中間像が形成される。すなわち、中間像は、像形成部22の出射面側(観察光学系300側)に現れる。
なお、像形成部22として用いる光学素子は、上記の例に限ることはなく、透過スクリーン、拡散板、反射スクリーンなどを採用してもよい。また、複数のマイクロレンズを1次元配列したもの、又は3次元配列したものを用いることもできる。
●観察光学系300の構成
観察光学系300は、凹面ミラー31と、光コンバイナ32と、透過部材45と、を有してなる。
走査光学系200において形成される中間像は、反射光学素子である凹面ミラー31において拡大されて投射される。拡大投射される中間像は、透過部材45を透過して、光コンバイナ32で観察者3に向けて反射される。
透過部材45は、像を形成する光束を透過させる部材であるとともに、装置内部への埃の侵入を防ぐ防塵部材としても機能する。透過部材45は、この透過部材45を透過する光束と平行な断面において、入射面側(凹面ミラー31側)が凸面45a、射出面側(光コンバイナ32側)が凹面45bとなっている。走査光学系200からの光束は、透過部材45の凸面45a側から凹面45b側へ透過する。
光コンバイナ32には、太陽光等の外部光も入射する。光コンバイナ32を透過した太陽光等の外部光のうち、一部の光束は透過部材45へ入射する。透過部材45へ入射した一部の光束は凹面45b側から凸面45a側へ透過し、残りの光束は凹面45bで反射される。透過部材45の凹面45bの形状については、後述する。
光コンバイナ32は、中間像を観察者3に向けて反射し、観察者3に虚像2を視認させる素子である。
本実施形態では、光コンバイナ32としてフロントウインドシールド50、いわゆるフロントガラスを用いている。また、専用の光コンバイナ32を観察者3の視界内に配置してもよい。
光コンバイナ32において中間像が反射されると、運転席にいる観察者3の視覚には、光コンバイナ32の物理的な位置とは異なる位置、ここでは観察者3から離れる方向の位置に、虚像2が現れる。すでに説明したとおり、虚像2において観察者3に認知される情報は、例えば、自動車の動作や運転に関連する情報であって、より具体的には、自動車の速度や走行距離、行き先表示等のナビゲーション情報等である。
一般的に中間像が投射される光コンバイナ32としてのフロントウインドシールド50は、平面ではない。したがって、投射される中間像に係る光束は、平面ではない面に投射される。
すなわち、現れる虚像2は、フロントウインドシールド50の形状に即して歪む。そこで、この歪みを補正するために、単一の凹面ミラー31の形状は工夫されている。例えば、凹面ミラー31は、中間像の水平線が上または下に凸形状になる光学歪み要素を補正する反射面を有している。凹面ミラー31は、反射面によって虚像2の歪みが補正される位置に配置される。
凹面ミラー31と光コンバイナ32によって、観察者3は、中間像を視野内の広い領域に虚像2として視認する。これによって、観察者3が頭を少々動かしたり、視点を動かしたりしても虚像2を確実に視認できる。
なお、観察者3の視点は、単に基準となる視点位置、すなわち基準アイポイントを示している。観察者3の視点範囲は、自動車の運転者アイレンジ(JIS D0021)と同等かそれ以下である。
●透過部材45の構成
本実施の形態に係る透過部材45について説明する。比較例として透過部材145を用いる。
比較例である透過部材145の機能と本実施の形態に係る透過部材45の機能とは同じである。また、透過する光束と平行な断面の形状について、入射面側が凸面であり射出面側が凹面であるという点も同じである。
ただし、図3に示すように、比較例である透過部材145と透過部材45とは、凹面の形状が異なる。
まず、比較例である透過部材145の凹面145bの形状について説明する。
比較例である透過部材145の凹面145bの形状は、放物線形状である。この比較例の透過部材145の凹面145bの放物線形状が有する放物線の軸(対称軸)を基準軸146とする。
次に、本実施の形態に係る透過部材45の凹面45bの形状について説明する。
放物線を描いた際の対称軸をこの凹面45bの基準軸46と定義すると、凹面45bの形状は、この描かれた放物線(基準軸46を対称軸とする放物線)よりも、基準軸46から離れるほど曲率が緩くなる非円弧形状である。
凹面45bの形状を、数式を用いて説明する。xy平面上で凹面形状を定義し、基準軸46はy軸上にあるものとする。xy平面に垂直な方向をz軸とする。(図8参照)なお、既述した移動体の3次元直交座標系と区別するために、移動体の3次元直交座標系は大文字で表現し、この透過部材45の説明では小文字で表現する。
上記xyz座標系において、凹面45bの形状を表す形状式は、以下である。
(式1)
cは近軸曲率、kはコーニック係数を表す。本実施の形態ではc=0.01、k=−1.15としており、十分な効果を得られている。
上記の形状式からわかるように、本数式はx=0、すなわち基準軸46上で極値47を有している。
本発明における透過部材は、上記の形状式に限定されるものではなく、同一の形状を別の式を用いて特定することも可能である。
図2に示すように、凹面45bの曲率は基準軸46に対して線対称となる非円弧形状の曲線である。また、凹面45bの形状は、xy平面におけるx軸方向の長さについて、x座標がマイナスの象限における長さよりもx座標がプラスの象限における長さの方が長い。
なお、本実施形態では、xyz座標系と移動体の3次元直交座標系の対応は、z軸がX軸に対応し、x軸がZ軸に対応し、y軸がY軸に対応している。xy平面とYZ平面の対応関係は、各光学系の配置等により適宜好適に設計される。
図3は、凹面45bの曲率と凹面145bの曲率とを比較した図である。図3においても、既述した式1の定義に合わせ、基準軸46や基準軸146をy軸としたxy平面上に凹面45bと凹面145bとを示している。また、凹面45bの基準軸46と凹面145bの基準軸146とを重ねて示している。
既述したように、凹面45bは基準軸46を軸(対称軸)として放物線を描いた場合に、この基準軸46から離れるほど描かれた放物線よりも曲率が緩くなる非円弧形状である。したがって、図3から明らかなように、y軸方向を高さ方向とすると、x軸上においてy軸から所定距離以上離れた位置からは、形状が放射線形状である凹面145bよりも凹面45bの方が、高さが低くなる。つまり、比較例である透過部材145よりも本実施の形態に係る透過部材45のほうが基準軸方向の厚みを低減することができる。
図4(a)と図4(b)に比較例における透過部材145の凹面145bに太陽光60が入射する様子を示す。また、図4(c)と図4(d)に本実施の形態に係る透過部材45に太陽光60が入射する様子を示す。
図4(a)に示すように、透過部材145に入射する太陽光60のうち、一部の光束は透過部材145を透過して凸面145aから出射する透過光161となり、残りの光束は透過部材145の凹面145bに反射される反射光162となる。
図4(a)および図4(b)に示すように、平行光束である太陽光60が基準軸146と平行に透過部材145に入射すると、透過部材145の凹面145bに反射された反射光162は基準軸146上の焦点163を通過する。そして、既述したように、凹面145bの形状は放物線形状であるので、反射光162は、基準軸146上の一点である集光点163に収束する。
集光点163には、反射光162が集光するので、エネルギーが集中することなる。そして、エネルギーが一点に集中することで、予期せぬ不具合が発生することが懸念される。
図4(c)に示すように、透過部材45に入射する太陽光60のうち、一部の光束は透過部材45を透過して凸面45aから出射する透過光61となり、残りの光束は透過部材45の凹面45bに反射される反射光62となる。
既述したように、透過部材45の凹面45bの形状は、放物線形状とは異なる。すなわち、基準軸46を軸(対称軸)として放物線を描いた場合に、この基準軸46から離れるほど描かれた放物線よりも曲率が緩くなる非円弧形状である。そのため、図4(c)および図4(d)に示すように、平行光束である太陽光60が基準軸46と平行に透過部材45に入射しても、凹面45bに反射された反射光62は基準軸上の一点に集光することはなく、反射光62の最小光束径はある程度大きさを有している。
そして、反射光62の最小光束径はある程度大きさを有しているので、エネルギーが一点に集中することはなく、予期せぬ不具合が発生することはない。
本発明の実施形態であるHUD1における透過部材45の配置について説明する。
図5(a)に示すように、透過部材45は、ZY平面において凹面45bの極値47(凹面45bとこの凹面45bの基準軸46との交点)の位置が光コンバイナ32(フロントウインドシールド50)に近い位置、すなわち−Z側であり、基準軸46から遠い側の端部である端部48が光コンバイナ32(フロントウインドシールド50)から遠い位置、すなわち+Z側になるように配置されている。言い換えれば、極値47の位置は、基準軸46から遠い側の端部である端部48よりも光コンバイナ32(フロントウインドシールド50)に近い位置、すなわち−Z側に位置している。
すなわち、透過部材45のY軸方向の高さは、観察者3から近い側(+Z側)が高く、観察者3から遠い側(−Z側)が低く配置されている。
HUD1は、透過部材45を透過した光束を光コンバイナ32(フロントウインドシールド50)により反射して、観察者3に虚像2を視認させるものである。観察者3は、光コンバイナ32(フロントウインドシールド50)を介して、外部の景色と虚像2を重畳して観察する。したがって、透過部材45は、観察者3の視界を遮らないように配置されることが好ましい。
観察者3の視点は、透過部材45の後方かつ上方、すなわち+Z方向かつ+Y方向から、−Z方向に向かっている。また、観察者3の視界は、観察者3の眼から上下方向(Y軸方向)に広がって前方(−Z側)に至る。図5(a)に示すように、透過部材45は、前方(−Z側)の端部の高さが後方(+Z側)の端部の高さよりも低く配置されるため、視界の広がりに沿っている。したがって、透過部材45は観察者3の視界を遮らずに配置され、観察者3の視界を広く確保することができる。
本実施の形態に係る透過部材45と同じ形状の透過部材175を、既述した本実施の形態における向きとは反対の向きに配置した比較例2を図5(b)に示す。
図5(b)に示すように、極値177を観察者3側(+Z側)に配置し、基準軸176から遠い側の端部である端部178を光コンバイナ32(フロントウインドシールド50)に近い位置(−Z側)に配置すると、透過部材175のY軸方向の高さは、観察者3から遠い側(−Z側)が高く、観察者3から近い側(+Z側)が低くなる。すなわち、図5(a)に示す本実施の形態における透過部材45の配置と比較すると、光コンバイナ32(フロントウインドシールド50)に近い側に、Y軸方向の高さが高い端部178が位置することになるので、端部178により観察者3の視野角が小さくなる。換言すると、図5(a)における視野角θ1は、図5(b)における視野角θ2よりも大きい。
図5(a)に示すように、本実施の形態において、凹面45bの基準軸46は、YZ平面において、Y軸に対して、観察者3側(+Z側)に傾いて配置されている。
図6(a)と図6(b)とを用いて、基準軸46をYZ平面において、Y軸に対して、観察者3側(+Z側)に傾いて配置することの効果を説明する。
図6(a)は、図5(a)と同様に、凹面45bの基準軸46をYZ平面において、Y軸に対して、観察者3側(+Z側)に傾いて配置した様子を示している。図6(b)に示した透過部材185は、本実施の形態に係る透過部材45と同じ形状である。図6(b)では、凹面185bの基準軸186をYZ平面において、Y軸に対して傾けないで配置した様子を示している。
図6(a)に示すように、X軸から透過部材45の端部48までの高さを高さd3と定義する。また、図6(b)に示すように、X軸から透過部材185における基準軸186から遠い側の端部である端部188までの高さを高さd4とする。このとき、図6(a)と図6(b)から明らかなように、高さd3は、高さd4よりも低い。すなわち、基準軸46を後方(+Z側)に傾けて配置することで、透過部材45の後側(+Z側)の高さを低くし、観察者3の視界を広く確保できる。
図7に示すように、HUD1は、光コンバイナ32(フロントウインドシールド50)を透過する太陽光60が透過部材45の凹面45bに至る光路上に遮光部材33を備えていることが望ましい。遮光部材33により、透過部材45の凹面45bで反射して観察者3に到達する反射光62の光量を軽減することができる。
遮光部材33は、観察者3に向かう外光のうちアイレンジ(Eye range、観察者3の目の位置)に到達する外光を遮光できればよい。そこで、遮光部材33の高さ(Y軸方向の大きさ)を最低限の高さとすることで、観察者3の視界への影響を最低限としている。
遮光部材33は、移動体の筺体の一部を兼ねていてもよい。このように構成することにより、例えば移動体が自動車である場合には、自動車の筐体の一部分であるダッシュボードから遮光部材33がはみ出さないため、一体感のあるコックピットデザインとすることができる。
1 ヘッドアップディスプレイ
22 像形成部
45 透過部材
46 基準軸
100 光源部
200 走査光学系
300 観察光学系
特開昭63−121529号

Claims (16)

  1. 表示する像を形成する光束を外部へ射出する開口部を備える表示装置であって、
    前記開口部には、前記光束が透過する透過部材が設けられ、
    前記透過部材の射出面側は凹面であり、
    放物線を描いた際の対称軸を前記凹面の基準軸と定義すると、前記凹面の形状は、この放物線よりも、前記基準軸から離れるほど曲率が緩くなる非円弧形状である、表示装置。
  2. 前記凹面の形状は、この凹面と前記基準軸との交点が極値である、請求項1記載の表示装置。
  3. 前記表示装置が表示する像の垂直方向をY軸、水平方向をX軸、前記X軸と前記Y軸とで表現されるXY平面に垂直な軸をZ軸とし、前記像を見る観察者がいる側を+Z方向と定義すると、
    前記透過部材における射出面は、YZ平面において凹面であり、
    前記凹面の極値は、前記凹面において前記観察者と反対側の端部に近い側に位置する、請求項2記載の表示装置。
  4. 前記表示装置が表示する像の垂直方向をY軸、水平方向をX軸、前記X軸と前記Y軸とで表現されるXY平面に垂直な軸をZ軸とし、前記像を見る観察者がいる側を+Z方向と定義すると、
    前記透過部材における射出面は、YZ平面において凹面であり、
    前記透過部材は、前記凹面の基準軸が前記Y軸方向に対して+Z側に傾いて配置されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 前記表示装置の外部からの光束が前記凹面に至る光路上に、前記外部からの光束の少なくとも一部が前記凹面へ至らないように遮光する遮光部材が配置されている、請求項1乃至4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 移動体に搭載された請求項3記載の表示装置であって、
    前記Y軸は前記移動体の高さ方向であり、前記X軸は前記移動体の横幅方向であり、前記Z軸は、前記移動体の長さ方向であり、
    前記移動体のウインドシールドを光コンバイナとして、前記光コンバイナに前記表示装置が表示する像が表示され、
    前記凹面の極値は、前記凹面において前記光コンバイナに近い側に位置する、表示装置。
  7. 移動体に搭載された請求項4記載の表示装置であって、
    前記Y軸は前記移動体の高さ方向であり、前記X軸は前記移動体の横幅方向であり、前記Z軸は、前記移動体の長さ方向であり、
    前記移動体のウインドシールドを光コンバイナとして、この光コンバイナにこの表示装置が表示する像が表示され、
    前記透過部材は、前記凹面の基準軸が前記Y軸方向に対して、YZ平面において前記光コンバイナと反対側に傾いている、表示装置。
  8. 請求項1乃至5のいずれかに記載の表示装置を備えた移動体。
  9. 投影する像を形成する光束を外部へ射出する開口部を備える投影装置であって、
    前記開口部には、前記光束が透過する透過部材が設けられ、
    前記透過部材の射出面側は凹面であり、
    放物線を描いた際の対称軸を前記凹面の基準軸と定義すると、前記凹面の形状は、この放物線よりも、前記基準軸から離れるほど曲率が緩くなる非円弧形状である、投影装置。
  10. 前記凹面の形状は、この凹面と前記基準軸との交点が極値である、請求項9記載の投影装置。
  11. 前記投影装置が投影する像の垂直方向をY軸、水平方向をX軸、前記X軸と前記Y軸とで表現されるXY平面に垂直な軸をZ軸とし、前記像を見る観察者がいる側を+Z方向と定義すると、
    前記透過部材における射出面は、YZ平面において凹面であり、
    前記凹面の極値は、前記凹面において前記観察者と反対側の端部に近い側に位置する、請求項10記載の投影装置。
  12. 前記投影装置が投影する像の垂直方向をY軸、水平方向をX軸、前記X軸と前記Y軸とで表現されるXY平面に垂直な軸をZ軸とし、前記像を見る観察者がいる側を+Z方向と定義すると、
    前記透過部材における射出面は、YZ平面において凹面であり、
    前記透過部材は、前記凹面の基準軸が前記Y軸方向に対して+Z側に傾いて配置されている、請求項9乃至11のいずれかに記載の投影装置。
  13. 前記投影装置の外部からの光束が前記凹面に至る光路上に、前記外部からの光束の少なくとも一部が前記凹面へ至らないように遮光する遮光部材が配置されている、請求項9乃至12のいずれかに記載の投影装置。
  14. 移動体に搭載された請求項11記載の投影装置であって、
    前記Y軸は前記移動体の高さ方向であり、前記X軸は前記移動体の横幅方向であり、前記Z軸は、前記移動体の長さ方向であり、
    前記移動体のウインドシールドを光コンバイナとして、前記光コンバイナに前記投影装置が投影する像が形成され、
    前記凹面の極値は、前記凹面において前記光コンバイナに近い側に位置する、投影装置。
  15. 移動体に搭載された請求項12記載の投影装置であって、
    前記Y軸は前記移動体の高さ方向であり、前記X軸は前記移動体の横幅方向であり、前記Z軸は、前記移動体の長さ方向であり、
    前記移動体のウインドシールドを光コンバイナとして、前記光コンバイナに前記投影装置が投影する像が形成され、
    前記透過部材は、前記凹面の基準軸が前記Y軸方向に対して、YZ平面において前記光コンバイナと反対側に傾いている、投影装置。
  16. 請求項9乃至13のいずれかに記載の投影装置を備えた移動体。
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