JP2018010087A - ペリクル枠及びペリクル - Google Patents

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隆幸 山口
高村 一夫
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一夫 高村
大樹 種市
Daiki Taneichi
大樹 種市
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Abstract

【課題】ペリクルの貼り付けによる露光原版の変形を効果的に抑制可能なペリクル枠であって、複雑形状を有さないペリクル枠を提供する。【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材からなり、当該アルミニウム又は当該アルミニウム合金が、1000系アルミニウム、3000系アルミニウム合金、5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金、7000系アルミニウム合金又はアルミニウムを含有した合金から選択されること、を特徴とするペリクル枠。【選択図】なし

Description

本発明は、LSI等の半導体装置及び液晶表示板の製造に用いるリソグラフィ用マスクのペリクルに使用される枠に関し、より具体的には、高解像度を必要とする露光においても好適に使用することができるペクリル枠、及び当該ペリクル枠を用いたペリクルに関する。
LSI及び超LSI等の半導体装置や液晶表示板は、半導体ウエハや液晶用原版に光を照射することでパターンが形成される(リソグラフィによるパターン形成)。ここで、ゴミが付着した露光原版を用いた場合は当該ゴミが光を吸収及び/又は反転するため、パターンが良好に転写されない(例えば、パターンの変形やエッジの不明瞭)。その結果、半導体装置や液晶表示板の品質及び外観等が損なわれ、性能や製造歩留まりの低下が生じてしまうという問題があった。
このため、リソグラフィに関する工程は通常クリーンルームで行われるが、当該環境下においても露光原版へのゴミの付着を完全に防止することはできないため、露光原版の表面にゴミよけのためのペクリルが設けられるのが一般的である。ペクリルはペクリル枠及び当該ペクリル枠に張設したペクリル膜から構成され、露光原版の表面に形成されたパターン領域を囲むように設置される。リソグラフィ時に焦点を露光原版のパターン上に合わせておけば、ペクリル膜にゴミが付着した場合であっても、当該ゴミが転写に影響することはない。
近年、LSIのパターンは微細化が急速に進んでおり、これに応じて露光光源の短波長化が進んでいる。具体的には、これまで主流であった、水銀ランプによるg線(436nm)、i線(365nm)から、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)等に移行が進み、露光原版及びシリコンウエハに要求される平坦性もより厳しくなってきている。
ペリクルは、露光原版が完成した後でパターンのゴミよけのために露光原版に貼り付けられる。ペリクルを露光原版に貼り付けると露光原版が歪み、平坦度が変化することがあり、露光原版の平坦度の低下に伴って焦点ズレ等の問題が発生する可能性がある。露光原版の平坦度が変化すると、露光原版に描かれたパターンの形状が変化し、露光原版の重ね合わせ精度が低下してしまう。ここで、ペリクル貼り付けによる露光原版の平坦度の変化は、ペリクル枠を貼りつけた際の変形応力によって大きく影響されることが知られている。応力は体積弾性率と剛性率の積で表され、応力を小さくするためには、ペリクル枠の平坦度を小さくして体積弾性率を小さくすることが効果的である。また、剛性率は断面二次モーメントとヤング率の積で表され、ペリクル枠の高さを低くし断面二次モーメントを小さくすること、あるいは、ペリクル枠のヤング率を小さくすることによって剛性率を小さくすることが効果的である。
これに対し、例えば、特許文献1(特開2011−7934号公報)においては、ペリクル枠バーの断面が、上辺及び下辺が平行な基本四辺形の両側辺に、四辺形状の窪みを有した形状であることを特徴とするペリクル枠、が開示されている。
上記特許文献1に記載のペリクル枠においては、ペリクル枠の断面積を基本四辺形よりも縮小することにより、変形応力の小さいペリクル枠にすることが可能となることから、ペリクルを露光原版に貼り付けても、ペリクル枠の変形に起因する露光原版の変形を極力低減することができる、とされている。
特開2011−7934号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているペリクル枠においては、四辺形上の窪みを形成させるための加工が必要であることから、製造工程が煩雑になることに加えて、コスト的にも不利である。また、ペリクル枠の貼り付けによる露光原版の変形の抑制効果も未だに十分とは言い難い。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、ペリクルの貼り付けによる露光原版の変形を効果的に抑制可能なペリクル枠であって、複雑形状を有さないペリクル枠、及び当該ペリクル枠を用いたペリクルを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、ペリクル枠用の素材等について鋭意研究を重ねた結果、粉末焼結材を利用することが露光原版の変形の抑制に極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材で構成されていること、
を特徴とするペリクル枠を提供する。
露光原版の変形の抑制にはヤング率の低いペリクル枠が必要とされるところ、アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材は材料中に適度な空隙を有し、ペリクル枠に必要とされる機械的強度と低いヤング率を両立することができる。ペリクル枠の材料としてヤング率の低いアルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材を用いることで、複雑形状を有さないペリクル枠であっても露光原版の変形を効果的に抑制することができる。ヤング率が低い材料としては、マグネシウムや合成樹脂等も存在するが、材料の入手性及び汎用性等の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることが好ましい。
ペリクルを露光原版に貼り付けることによる露光原版の歪みは、ペリクル枠の歪みに起因する影響が大きい。ペリクル枠には露光原版に比べ大きな歪が存在している。露光原版とペリクル枠を貼り付けた直後は殆ど平坦であるが、時間の経過とともにペリクル枠が元に戻ろうとする変形応力により露光原版が変形する。当該変形応力は、ペリクル枠を構成する材料のヤング率及びその変形量に依存するため、ヤング率の低いアルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材を使用することにより、ペリクルを露光原版に貼り付けた時の変形応力が小さいペリクル枠を実現することができる。
本発明のペリクル枠においては、前記アルミニウム又は前記アルミニウム合金が、1000系アルミニウム、3000系アルミニウム合金、5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金、7000系アルミニウム合金又はアルミニウムを含有した合金から選択されること、が好ましい。これらのアルミニウム又はアルミニウム合金を用いることで、粉末化と焼結が可能となり、低ヤング率化を実現することができる。
また、本発明のペリクル枠においては、前記粉末焼結材が粉末焼結体を熱間押出材として加工したものであること、が好ましい。アルミニウム合金粉末材を熱間鍛造及び熱間押出等、熱間で成形加工する場合、ブリスタ等の欠陥が発生する場合があるが、アルミニウム合金粉末焼結体を熱間押出しすることで、当該欠陥の発生を抑制することができる。
また、本発明のペリクル枠においては、前記粉末焼結材の空隙率が5〜40%であること、が好ましい。空隙率を5%以上とすることで、アルミニウム又はアルミニウム合金材のヤング率を効果的に低下させることができ、40%以下とすることで、ペリクル枠に求められるアルミニウム又はアルミニウム合金材の機械的特性を維持することができる。
更に、本発明のペリクル枠においては、前記粉末焼結材がアルミニウムシートで挟んだ粉末焼結体を熱間圧延材として加工したものであること、が好ましい。1000系アルミニウム、3000系アルミニウム合金、5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金、7000系アルミニウム合金又はアルミを含有した合金から選択されるアルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結体をアルミニウムシートで挟み、熱間圧延を施すことで、5〜40%の空隙率及びペリクル枠に求められる強度を兼ね備えた粉末焼結体を得ることができる。なお、粉末焼結体を挟むアルミニウムシートは、本発明の効果を損なわない範囲で特に制限されず、従来公知の種々のアルミニウム及びアルミニウム合金を使用することができる。
また、本発明は、
上記本発明のペリクル枠と、
前記ペリクル枠に支持されたペリクル膜と、
を有するペリクル、も提供する。
本発明のペリクル枠は、ペリクル枠に必要とされる機械的強度と低いヤング率を両立することから、本発明のペリクルは極めて良好な平坦度を維持することができる。
本発明によれば、ペリクルの貼り付けによる露光原版の変形を効果的に抑制可能なペリクル枠であって、複雑形状を有さないペリクル枠を提供することができる。また、本発明によれば、極めて良好な平坦度を有するペリクルを提供することができる。
本発明のペリクル枠を用いて構成された本発明のペリクルの一例を示す概略断面図である。 本発明のペリクル枠の一例を示す概略平面図である。 実施例1で得られたペリクル枠の組織写真である。
以下、図面を参照しながら本発明のペリクル枠及びペリクルについての代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
本発明のペリクル枠は、アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材からなること、を特徴とするペリクル枠であり、一端面にペリクル膜接着剤を介してペリクル膜を張設することで、リソグラフィ用のペリクルとして使用することができる。粉末焼結材ということは、断面SEM(Scanning Electron Microscope)で観察できる。
本発明のペリクル枠を用いて構成された本発明のペリクルの一例の概略断面図及び本発明のペリクル枠の概略平面図を、図1及び図2にそれぞれ示す。ペリクル1は、ペリクル枠2の上端面にペリクル膜貼り付け用接着層4を介してペリクル膜6を張設したものである。ペリクル1を使用する際は、ペリクル1を露光原版(マスク又はレチクル)8に粘着させるための接着用粘着層10がペリクル枠2の下端面に形成され、接着用粘着層10の下端面にライナー(不図示)が剥離可能に貼着される。
ペリクル枠2は、アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材で構成されている。ペリクル1を接着した後の露光原版(マスク又はレチクル)8の平坦度を向上させるためには、ヤング率の低いペリクル枠2が必要とされるところ、アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材は材料中に適度な空隙を有し、ペリクル枠2に必要とされる機械的強度と低いヤング率を両立することができる。ヤング率が低い材料としては、マグネシウムや合成樹脂等も存在するが、材料の入手性及び汎用性等の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることが好ましい。なお、粉末焼結材中の空隙率は、原料粉末の圧粉条件、焼結条件及び原料粉末表面の酸化状態等によって適宜制御することができる。
上述のとおり、ペリクル1を露光原版(マスク又はレチクル)8に貼り付けることによる露光原版(マスク又はレチクル)8の歪みは、ペリクル枠2の歪みに起因する影響が大きい。貼り付け時にペリクル枠2が変形し、それが元に戻ろうとする変形応力により露光原版(マスク又はレチクル)8が変形する。当該変形応力は、ペリクル枠2を構成する材料のヤング率及びその変形量に依存するため、ヤング率の低いアルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材を使用することにより、ペリクル1を露光原版(マスク又はレチクル)8に貼り付けた時の変形応力が小さいペリクル枠2を実現することができる。
ペリクル枠2の素材は、1000系アルミニウム、3000系アルミニウム合金、5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金、7000系アルミニウム合金から選択されること、が好ましい。これらのアルミニウム又はアルミニウム合金を用いることで、粉末化と焼結処理を行うことができ、素材の低ヤング率化を図ることができる。
1000系アルミニウムとしては、JIS規格に記載のA1050、A1050A、A1070、A1080、A1085、A1100、A1200、A1N00及びA1N30を例示することができ、3000系アルミニウム合金としては、JIS規格に記載のA3003、A3103、A3203、A3004、A3104、A3005及びA3105を例示することができ、5000系アルミニウム合金としては、JIS規格に記載のA5005、A5N01、A5021、5N02及びA5042を例示することができ、6000系アルミニウムとしては、JIS規格に記載のA6101、A6003、A6005、A6N01、A6151及びA6063を例示することができ、7000系アルミニウム合金としては、A7001、A7003、A7005、A7010、A7020、A7049、A7050、A7075、A7090、A7091、A7178、A7475及びA7N01を例示することができる。
また、ペリクル枠2の素材としては、粉末焼結体を熱間押出材として加工したものを使用すること、が好ましい。アルミニウム合金粉末材を熱間鍛造及び熱間押出等、熱間で成形加工する場合、ブリスタ等の欠陥が発生する場合があるが、アルミニウム合金粉末焼結体を熱間押出しすることで、当該欠陥の発生が抑制された素材を得ることができる。
ペリクル枠2の素材として用いるアルミニウム合金粉末熱間押出材を製造する方法は特に限定されないが、CIP法等による原料粉末(アトマイズ法等の急冷凝固法やメカニカルアロイング法等により製造されたアルミニウム合金粉末)の成形、真空中又は不活性ガス雰囲気下におけるアルミニウム合金粉末成形体の加熱・焼結、真空中又は不活性ガス雰囲気下における焼結体の冷却、及び得られた焼結体の熱間押出し、によって好適に製造することができる。ここで、圧粉条件、焼結条件、押出条件及び原料粉末表面の酸化状態等によって、アルミニウム合金粉末熱間押出材の空隙率を適宜制御することができる。
ペリクル枠2の素材として用いる粉末焼結材に関して、空隙率を5〜40%とすること、が好ましい。空隙率を5%以上とすることで、アルミニウム又はアルミニウム合金材のヤング率を効果的に低下させることができ、40%以下とすることで、ペリクル枠2に求められるアルミニウム又はアルミニウム合金材の機械的特性を維持することができる。
ここで、5〜40%の空隙率及びペリクル枠2に求められる強度を兼ね備えた粉末焼結体を得るためには、アルミニウムシートで挟んだ粉末焼結体を熱間圧延材として加工すること、が好ましい。1000系アルミニウム、3000系アルミニウム合金、5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金、7000系アルミニウム合金から選択されるアルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結体をアルミニウムシートで挟み、熱間圧延を施すことで、5〜40%の空隙率及びペリクル枠2に求められる強度を兼ね備えた粉末焼結体を得ることができる。なお、粉末焼結体を挟むアルミニウムシートは、本発明の効果を損なわない範囲で特に制限されず、従来公知の種々のアルミニウム及びアルミニウム合金を使用することができる。
ペリクル枠2の形状は、本発明の効果を損なわない範囲で特に制限されず、露光原版(マスク又はレチクル)8の形状に応じて従来公知の種々の形状とすることができるが、一般的には、ペリクル枠2の平面形状はリング状、矩形状又は正方形状であり、露光原版(マスク又はレチクル)8に設けられた回路パターン部を覆う大きさと形状とを備えている。なお、ペリクル枠2には気圧調整用通気口(不図示)、当該通気口用の除塵用フィルタ(不図示)、及びジグ穴(不図示)等が設けられていてもよい。
ペリクル枠2の高さ(厚さ)は、1〜10mmであることが好ましく、2〜7mmであることがより好ましく、3〜6mmであることが最も好ましい。ペリクル枠2の高さ(厚さ)をこれらの値とすることで、ペリクル枠2の変形を抑制できると共に、良好なハンドリング性を担保することができる。
ペリクル枠2の断面形状は、本発明の効果を損なわない範囲で特に制限されず、従来公知の種々の形状とすることができるが、上辺及び下辺が平行な四辺形とすることが好ましい。ペリクル枠2の上辺にはペリクル膜6を張設するための幅が必要であり、下辺には接着用粘着層10を設けて露光原版8に接着するための幅が必要である。当該理由から、ペリクル枠2の上辺及び下辺の幅は1〜3mm程度とすることが好ましい。
ペリクル枠2の平坦度は、20μm以下とすることが好ましく、10μm以下とすることがより好ましい。ペリクル枠2の平坦度を向上させることで、ペリクル1を露光原版(マスク又はレチクル)8に貼り付けた場合のペリクル枠2の変形量を小さくすることができる。なお、上記のペリクル枠2の平坦度は、ペリクル枠2の各コーナー4点と4辺の中央4点の計8点において高さを測定することで仮想平面を算出し、当該仮想平面からの各点の距離のうち、最高点から最低点を差引いた差により算出することができる。
ペリクル枠2の表面は、黒色酸化被膜及び/又は黒色ポリマー被膜を有することが好ましい。ペリクル枠2の表面に黒色酸化被膜及び/又は黒色ポリマー被膜が形成されていることで、迷光を効率的に吸収することができる。例えば、ペリクル枠2を水酸化ナトリウム等のアルカリ処理浴で数十秒処理した後、希硫酸水溶液中で陽極酸化を行い、次いで黒色染色及び封孔処理することで、表面に黒色の酸化被膜を設けることができる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
≪実施例1≫
A1070アルミニウムインゴットを溶解し、アトマイズ法にてA1070アルミニウム粉末を得た。次に、当該A1070アルミニウム粉末をゴム型に充填し、圧力200kg/cmの条件でビレット加圧成形(CIP成形)することで、A1070アルミニウム粉末圧粉体を得た。次に、当該A1070アルミニウム粉末圧粉体を450℃で4時間後、585℃で5時間後窒素冷却の条件で焼結し、A1070アルミニウム粉末焼結体を得た。
A1070アルミニウム粉末焼結体を機械加工し、枠型形状をなす外形寸法149mm×122mm×厚さ5.8mmの実施ペリクル枠1を製造した。実施ペリクル枠1の組織写真を図3に示す。実施ペリクル枠1の素材であるA1070アルミニウム粉末焼結体の空隙率及びヤング率を測定したところ、それぞれ40%及び9GPaであった。なお、空隙率は、理論密度とサンプル重量の密度の差で、ヤング率は、JIS−Z2241記載の方法で測定した。
≪実施例2≫
加圧形成圧力を500kg/cmとした以外は実施例1の場合と同様にして、A1070アルミニウム粉末焼結体及び実施ペリクル枠2を製造した。また、実施例1の場合と同様にして実施ペリクル枠2の素材であるA1070アルミニウム粉末焼結体の空隙率及びヤング率を測定したところ、それぞれ28%及び24GPaであった。
≪実施例3≫
加圧形成圧力を750kg/cmとした以外は実施例1の場合と同様にして、A1070アルミニウム粉末焼結体及び実施ペリクル枠3を製造した。また、実施例1の場合と同様にして実施ペリクル枠3の素材であるA1070アルミニウム粉末焼結体の空隙率及びヤング率を測定したところ、それぞれ21%及び32GPaであった。
≪実施例4≫
加圧形成圧力を1000kg/cmとした以外は実施例1の場合と同様にして、A1070アルミニウム粉末焼結体及び実施ペリクル枠4を製造した。また、実施例1の場合と同様にして実施ペリクル枠4の素材であるA1070アルミニウム粉末焼結体の空隙率及びヤング率を測定したところ、それぞれ17%及び39GPaであった。
≪実施例5≫
素材としてA7075を用い、加圧形成圧力を1300kg/cmとした以外は実施例1の場合と同様にして、A7075アルミニウム合金粉末焼結体及び実施ペリクル枠5を製造した。A7075アルミニウム粉末の組成及び粒度分布を表1及び表2にそれぞれ示す。なお、組成分析にはICP発光分光分析法を用い、粒度分布の測定にはロータップ法を用いた。また、実施例1の場合と同様にして実施ペリクル枠5の素材であるA7075アルミニウム合金粉末焼結体の空隙率及びヤング率を測定したところ、それぞれ26%及び8GPaであった。
実施例1〜4におけるA1070アルミニウム粉末焼結体の空隙率及びヤング率を比較すると、空隙率の増加に伴ってヤング率が低下しており、空隙率が40%の場合は9GPaと極めて低いヤング率が得られている。なお、実施ペリクル枠1〜4は、それぞれペリクル枠として十分に使用可能な機械的強度を有していた。
実施例5におけるA7075アルミニウム合金粉末焼結体の空隙率及びヤング率は、それぞれ26%及び8GPaであり、A1070アルミニウムの場合と比較して、より少ない空隙の導入によって低いヤング率が得られている。ここで、一般的に使用されているA7075アルミニウム合金展伸材のヤング率は約71GPaであり、空隙の導入によって効率的にヤング率が低減されていることが分かる。なお、実施ペリクル枠5は、ペリクル枠として十分に使用可能な機械的強度を有していた。
1・・・ペリクル、
2・・・ペリクル枠、
4・・・ペリクル膜貼り付け用接着層、
6・・・ペリクル膜、
8・・・露光原版(マスク又はレチクル)、
10・・・接着用粘着層。

Claims (6)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末焼結材で構成されていること、
    を特徴とするペリクル枠。
  2. 前記アルミニウム又は前記アルミニウム合金が、1000系アルミニウム、3000系アルミニウム合金、5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金、7000系アルミニウム合金又はアルミニウムを含有した合金であること、
    を特徴とする請求項1に記載のペリクル枠。
  3. 前記粉末焼結材は、粉末焼結体を熱間押出材として加工したものであること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のペリクル枠。
  4. 前記粉末焼結材の空隙率が5〜40%であること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペリクル枠。
  5. 前記粉末焼結材は、アルミニウムを含むシートの間に挟まれる形状で熱間圧延材として加工したものであること、
    を特徴とする請求項4に記載のペリクル枠。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のペリクル枠と、
    前記ペリクル枠に支持されたペリクル膜と、
    を有するペリクル。
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