JP2018009927A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】光源と測定対象物の位置関係を高精度に測定することができない場合であっても、測定対象物の法線を高精度に測定することを可能にする。【解決手段】測定対象物に対し照射方向が異なる3つ以上の光源のそれぞれから順次に照射した状態で撮像した3枚以上の画像と、光源の位置情報とに基づいて、照度差ステレオ法により測定対象物の表面の法線を画素毎に保持した法線マップを算出する算出手段と、算出手段にて算出された法線マップに基づいて測定対象物の概略形状を算出し、算出された概略形状を予め取得された測定対象物の基準概略形状と比較することで、光源の位置情報を更新する必要があるか否かを判定する判定手段と、判定手段にて光源の位置情報を更新する必要があると判定された場合に、光源の位置情報を更新する更新手段とを有し、算出手段は、更新手段にて更新された光源の位置情報を用いて法線マップを算出し直すことを特徴とする。【選択図】図7
Description
本発明は、照度差ステレオ法により測定対象物の法線マップを測定する技術に関する。
カメラを用いて測定対象物の表面の微細な形状を測定する手法として照度差ステレオ法がある。照度差ステレオ法とは、測定対象物に対し照射方向が異なる3つ以上の光源のそれぞれから順次に照射した状態で撮像した3枚以上の画像、及び光源と測定対象物の位置関係に基づいて、測定対象物の表面の各点(微細な領域)における法線を算出する手法である。この照度差ステレオ法によって法線を算出する際に、各光源と測定対象物の位置関係を精度よく取得できないと法線の測定精度が低下してしまうという問題がある。
そこで、特許文献1には、4つ以上の光源によってそれぞれ順次に照射された測定対象物を撮像し、得られた4枚以上の画像から測定対象物の法線を相対的に高い精度で算出できる3枚以上の画像の組み合わせを推測して法線の算出に用いる方法が開示されている。また、特許文献2には、光源位置測定用に計測ピンを用いることで光源と測定対象物の位置関係を推定する方法が開示されている。
特許文献1に開示の技術では、4つ以上の光源から相対的に測定精度が高くなる3以上の光源の組み合わせを選択することはできるが、光源の位置を正しく与えないと測定精度が低下する問題は残ったままである。
また、特許文献2に開示の技術では、計測ピンの影の先端位置に基づいて光源の位置を推定する。しかし、一般に光源は一定の大きさを持つため影の先端にはボケが生じることが多い。その場合、影の先端位置を精度よく検出することは困難となり、得られる光源の位置には誤差が生じてしまうという課題があった。
そこで本発明は、光源と測定対象物の位置関係を高精度に測定することができない場合であっても、測定対象物の法線を高精度に測定することを可能にする画像処理を提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、測定対象物に対し照射方向が異なる3つ以上の光源のそれぞれから順次に照射した状態で撮像した3枚以上の画像と、前記光源の位置情報とに基づいて、照度差ステレオ法により前記測定対象物の表面の法線を画素毎に保持した法線マップを算出する算出手段と、前記算出手段にて算出された前記法線マップに基づいて前記測定対象物の概略形状を算出し、算出された概略形状を予め取得された前記測定対象物の基準概略形状と比較することで、前記光源の位置情報を更新する必要があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて前記光源の位置情報を更新する必要があると判定された場合に、前記光源の位置情報を更新する更新手段とを有し、前記算出手段は、前記更新手段にて更新された前記光源の位置情報を用いて前記法線マップを算出し直すことを特徴とする。
本発明によれば、照度差ステレオ法により測定対象物の法線を測定する画像処理装置において、光源と測定対象物の位置関係が精度よく測定することができない場合でも測定対象物の法線を高精度に測定することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、以下で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決に必須のものとは限らない。尚、以下の説明において参照する各図では、原則として、他の図と同等の要素に同一の符号を付与している。
[実施例1]
本実施例では、照度差ステレオ法によって、測定対象物の表面の微細な凹凸を含めた法線マップ(高精度な法線マップ)を測定する。ここで、法線とは測定対象物の表面上の点における接平面に対する垂線のことで、表面の向きを表す。また、法線マップとは、測定対象物の表面を複数の微細な領域に分割し、領域毎に法線を格納したものである。
本実施例では、照度差ステレオ法によって、測定対象物の表面の微細な凹凸を含めた法線マップ(高精度な法線マップ)を測定する。ここで、法線とは測定対象物の表面上の点における接平面に対する垂線のことで、表面の向きを表す。また、法線マップとは、測定対象物の表面を複数の微細な領域に分割し、領域毎に法線を格納したものである。
尚、以下の説明では、測定対象物の形状を詳細形状と概略形状の2つの言葉で表現する。詳細形状とは測定対象物の表面の微細な凹凸を含む微細な形状を表す。本実施例では、照度差ステレオ法によって測定対象物の詳細形状を高精度に測定することが目的となる。一方、概略形状とは測定対象物の表面の微細な凹凸を含まない粗い形状を表す。図1は、詳細形状と概略形状を模式的に示す図である。詳細形状が図1(a)に示された物体の概略形状は図1(b)に示されており、詳細形状が図1(c)に示された物体の概略形状は図1(d)に示されている。尚、詳細形状がどの程度の大きさの微細な形状までを含むかは、測定に用いる撮像装置の各画素が測定対象物上で見込む大きさ程度であり、撮像装置の解像度や撮像距離、焦点距離によって異なる。以下では、照度差ステレオ法によって測定された法線マップや詳細形状は、撮像画像と同じ解像度を有するものとし、概略形状は、撮像画像の解像度よりも低い解像度を有するものとして説明を行う。
本実施例では、測定対象物の正解概略形状を予め取得し、照度差ステレオ法によって測定された法線マップに基づいて算出された概略形状と正解概略形状との類似度が高くなるまで、照度差ステレオ法に用いる光源の位置情報の更新を繰り返し行う。これによって、光源の位置が精度よく測定できていない場合でも、法線マップを高精度に測定することが可能となる。尚、予め取得された正解概略形状は、光源の位置情報を更新するために参照される基準概略形状として用いられており、基準概略形状とも称される。
図2は、本実施例における撮像装置201が測定対象物204の撮像を行う場合の様子を示す図である。図2に示すように、本実施例における撮像装置201は、チャート203が付属した設置台202に設置された測定対象物204の撮像を行う。ここで、設置台202及び測定対象物204それぞれには、設置時に位置を合わせるために用いる基準位置(図示せず)がついている。この基準位置を合わせて測定対象物204を設置台202に設置することで、チャート203に対する測定対象物204の相対位置が概ね分かるものとする。
尚、撮像装置201は手持ちで使用することも可能であるが、不図示の三脚等に固定して使用することが望ましい。また、チャート203は、チャートの特徴点が検出し易いパターンであればよく、図2に示すようなチェッカーパターンの他、ドットが配置されたドットパターンやAR(Augmented Reality)で用いられるマーカーを用いてもよい。
図3は、本実施例における撮像装置201の外観の一例を示す図である。図3(a)は撮像装置201の前面、図3(b)は撮像装置201の背面を示している。図3(a)に示すように、撮像装置201の前面には、カラー画像を取得することが可能な撮像部301と、撮像に合わせ測定対象物に向け光を照射する3個の発光部302〜304と、撮像ボタン305が設けられている。尚、本実施例では発光部の数を3個とするが、これに限定されるものではなく、照度差ステレオ法によって測定対象物の法線マップを取得するために必要な3以上の複数の発光部を有していればよい。また、発光部302〜304の配置についても図示の配置に限定されるものではなく、任意の配置であってもよい。実施例では、発光部302〜304は撮像装置201の中に組み込まれている例を示したが、各発光部は撮像装置201とは独立した構成であってもよい。
撮像ボタン305は、半押し、及び、全押しの2段階のスイッチになっている。ユーザが撮像ボタン305を半押しした場合は、露出調整やホワイトバランスなどの撮像前の準備処理やフォーカス調整が行われる。そして、ユーザがさらに撮像ボタン305を全押しした場合は、発光部302〜304が1個ずつ順次に発光し、発光部が発光する度に、撮像部301が測定対象物からの光量をセンサ(撮像素子)で検知する。そして、検知された光量がA/D変換されて、デジタルデータに変換される。このように、各発光部の発光に対応するカラー画像(デジタルデータ)を取得する。ここで、発光部の数を3個とするので、合計で3枚のカラー画像を取得する。
また、図3(b)に示すように、撮像装置201の背面には、液晶ディスプレイから成る表示部306と、ユーザによる各種の操作を受け付けるための操作部307とが設けられている。表示部306は、撮像条件設定の操作状況、又は設定の確認を行うためのGUIや、撮像中の測定対象物のプレビュー画像又は映像や、撮像後の画像を表示することができる。操作部307は、ユーザが項目を変更、選択するために方向操作等を行うものであり、例えば十字ボタンの形態で配置される。尚、ボタンの形態は十字ボタンに限られるものではない。また、本実施例ではボタンで操作を行う例を示すが、これに限定されず、表示部306がタッチパネル方式により操作を受け付けるような構成であってもよい。例えば、表示部306は、感圧式、電磁誘導式など各種方式のタッチパネルを用いており、ユーザがタッチした座標を検出し、検出した座標によってユーザの指示を読み取るような構成とすることができる。
<撮像装置の内部構成>
図4は、撮像装置201の内部構成を示すブロック図である。CPU401は、中央処理装置であり、バス404を介して接続された撮像装置201内の各構成を統括的に制御する。RAM(Random Access Memory)402は、CPU401の主メモリ、ワークエリア等として機能するメモリである。ROM(Read Only Memory)403は、CPU401で実行される制御プログラム等を格納するメモリである。バス404は、撮像装置201内の各構成の間で各種データの転送経路として機能する。例えば、撮像部301によって取得されたデジタルデータはこのバス404を介してデジタル信号処理部406に送られる。
図4は、撮像装置201の内部構成を示すブロック図である。CPU401は、中央処理装置であり、バス404を介して接続された撮像装置201内の各構成を統括的に制御する。RAM(Random Access Memory)402は、CPU401の主メモリ、ワークエリア等として機能するメモリである。ROM(Read Only Memory)403は、CPU401で実行される制御プログラム等を格納するメモリである。バス404は、撮像装置201内の各構成の間で各種データの転送経路として機能する。例えば、撮像部301によって取得されたデジタルデータはこのバス404を介してデジタル信号処理部406に送られる。
撮像制御部405は、CPU401からの指示に基づいて、フォーカスを合わせる(合焦処理)、シャッターを開く・閉じる、絞りを調節するなどの、撮像部301に対する光学系制御を行う。また、撮像制御部405は、CPU401からの指示に基づいて発光部302〜304の発光を制御する。デジタル信号処理部406は、撮像部301から送られたデジタルデータに対し、ホワイトバランス処理、ガンマ処理、ノイズ低減処理等の各種処理を行う。処理結果の画像は、表示部306に表示されたり、照度差ステレオ法に用いる画像として画像処理部411に送られたりする。尚、画像処理部411に送られる、照度差ステレオ法に用いる画像に対しては、ガンマ処理を行わず、撮像部301にて検知された光量と比例した値を画素値として出力することが望ましい。
表示制御部407は、表示部306に表示する撮像前プレビュー映像や撮像済み画像の表示制御を行う。また、表示部306に表示する撮像パラメータの設定のためのUIや、設定済み撮像パラメータの確認のためのUIなど、文字やアイコンを表示するための表示制御も行う。エンコーダ部408は、デジタル信号処理部406による処理結果の画像をJPEGやMPEGなどのファイルフォーマットに変換する。外部メモリ制御部409は、PCやその他の外部メモリ410(例えば、ハードディスク、メモリーカード、CFカード、SDカード、USBメモリ)に撮像装置201を接続させるためのインターフェースである。
画像処理部411は、法線マップの算出などの画像処理を行う。本実施例において、画像処理部411は、デジタル信号処理部406から送られた画像に基づき、照度差ステレオ法によって測定対象物の高精度な法線マップを算出する。尚、撮像装置201の構成要素は図4で示されるもの以外にも存在するが、本発明の主眼ではないので、説明を省略する。
<撮像装置の処理フロー>
図5は、本実施例における撮像装置201の全体処理のフローチャートである。ステップS501において撮像制御部405は、撮像部301が撮像する際の撮像パラメータを取得する。撮像パラメータは、例えばシャッタースピードや絞り、ISO感度などを含み、操作部307を介してユーザが設定することができる。また、撮像制御部405は、発光部302〜304を発光させる順番を示す順番情報も取得する。
図5は、本実施例における撮像装置201の全体処理のフローチャートである。ステップS501において撮像制御部405は、撮像部301が撮像する際の撮像パラメータを取得する。撮像パラメータは、例えばシャッタースピードや絞り、ISO感度などを含み、操作部307を介してユーザが設定することができる。また、撮像制御部405は、発光部302〜304を発光させる順番を示す順番情報も取得する。
ステップS502において撮像制御部405は、ユーザが撮像ボタン305を押下することに応じて、発光部302〜304を発光させ、撮像部301が測定対象物を撮像するよう制御する。本ステップでは、ステップS501で取得された順番情報に従い、発光部を1個ずつ発光させ、1個の発光部を発光させる度に撮像部301で撮像を行う。本実施例では発光部302〜304のそれぞれの発光に対応する3枚の画像を撮像する。ここで、画像の撮像中に、撮像装置201を手持ちで撮像する場合などに、撮像装置201の位置が動いてしまう場合は、撮像された3枚の画像に対し位置合わせを行うものとする。すなわち、3枚の画像は、同じ座標を有する画素は、測定対象物204上の同じ位置を映しているものとする。尚、撮像された画像は外部メモリ410に記憶される。
ステップS503において画像処理部411は、ステップS502で撮像された3枚の画像に基づいて、照度差ステレオ法によって測定対象物の高精度な法線マップを算出する。尚、本ステップで画像処理部411が行う処理の詳細は後述する。
ステップS504において画像処理部411は、ステップS503で算出された法線マップを表示制御部407に出力する。表示制御部407の制御によって、法線マップは表示部306に表示される。また、画像処理部411は、ステップS503で算出された法線マップを外部メモリ制御部409に出力する。外部メモリ制御部409の制御によって、法線マップは外部メモリ410に記録される。
<画像処理部の内部構成>
図6は、画像処理部411の内部構成を示すブロック図である。画像取得部601は、ステップS502で撮像した発光部302〜304のそれぞれに対応した3枚の画像を取得する。
図6は、画像処理部411の内部構成を示すブロック図である。画像取得部601は、ステップS502で撮像した発光部302〜304のそれぞれに対応した3枚の画像を取得する。
正解概略形状取得部602は、測定対象物の正解概略形状を取得する。本実施例において、測定対象物の正解概略形状は、予め3Dスキャナなどにより測定され、外部メモリ410またはROM403に記録されている。正解概略形状取得部602は、ユーザからの指示によって、外部メモリ410またはROM403に記録されているデータを読み出すことにより、正解概略形状を取得する。尚、3Dスキャナとしては、例えば、照射した光が測定対象物で反射して戻ってくるまでの時間を測定するTOF(Time−of−Flight)方式がある。また、測定対象物に対しパターン光を照射した様子をカメラで撮像するアクティブ方式や、測定対象物を複数視点から撮像した画像から形状を復元するパッシブ方式などもある。
尚、取得される正解概略形状のデータは、XYZの3次元座標を持つ頂点データと、3つ以上の頂点を結んで構成する面の情報とから成る、ポリゴンデータとすることができる。また、平面や直方体、球など幾何学的な基本形状を組み合わせてモデリングしたものとすることもできる。また、正解概略形状のデータには、設置台202に設置する際の位置合わせに用いる測定対象物204における基準位置を示す情報も含まれる。
初期発光部位置取得部603は、照度差ステレオ法によって法線を計算する際に使用する発光部位置の初期情報を取得する。ここで、発光部位置とは、設置台202に対する3つの発光部302〜304の相対的な3次元位置を表す。本実施例では、撮像した画像中に写った設置台202に付属のチャート203から発光部位置を算出する。発光部位置の算出方法については後述する。尚、撮像装置201が設置台202に対し固定されており、設置台202との位置関係が既知である場合は、発光部位置の初期情報は、外部メモリ410やROM403に記録されているデータを利用してもよい。
光源方向算出部604は、測定対象物204の正解概略形状と、発光部位置とに基づいて、測定対象物204上の領域毎に光源方向を算出する。ここで、測定対象物204上の領域とは、法線の取得を行う領域であり、撮像装置201によって撮像された画像の各画素に対応する測定対象物204上の微細な領域を表すものとする。また、光源方向とは、測定対象物204上の領域ごとに、その領域から各発光部への相対位置を表す。
法線算出部605は、光源方向算出部604によって算出された測定対象物204上の領域毎の光源方向と、発光部302〜304に対応した3枚の画像とに基づいて照度差ステレオ法によって、測定対象物204の法線マップを算出する。
評価部606は、法線算出部605によって算出された法線マップに基づいて測定対象物204の概略形状を算出し、算出された概略形状を正解概略形状と比較し、発光部位置(位置情報)を更新するべきか評価(判定)する。
発光部位置更新部607は、評価部606によって発光部位置の更新が必要だと判定された場合に、照度差ステレオ法に用いる発光部位置の更新を行う。出力部608は、評価部606によって発光部位置の更新が必要でないと判定された場合に、法線算出部605によって算出された法線マップを表示制御部407や外部メモリ制御部409へ出力する。法線マップは、表示制御部407の制御によって表示部306で表示されたり、外部メモリ制御部409の制御によって外部メモリ410に記録されたりする。
<画像処理部の処理フロー>
図7は、本実施例における画像処理部411の処理フローを示すフローチャートである。ステップS701において画像取得部601は、外部メモリ410から発光部302〜304のそれぞれの発光に対応した3枚の撮像画像を取得する。前述のように、各画像は撮像部301に入射した光量と比例した値を画素値として持つものとする。
図7は、本実施例における画像処理部411の処理フローを示すフローチャートである。ステップS701において画像取得部601は、外部メモリ410から発光部302〜304のそれぞれの発光に対応した3枚の撮像画像を取得する。前述のように、各画像は撮像部301に入射した光量と比例した値を画素値として持つものとする。
ステップS702において正解概略形状取得部602は、ユーザが操作部307を介して入力した指示によって、ROM403または外部メモリ410に保持されている測定対象物204の正解概略形状を読み出す。
ステップS703において初期発光部位置取得部603は、照度差ステレオ法に用いる発光部位置の初期情報を取得する。本実施例では、撮像した画像中に写った設置台202に付属のチャート203から発光部位置を算出することにより、発光部位置の初期情報を取得する。以下では、本ステップにおける初期発光部位置取得部603の動作の詳細を説明する。
<<初期発光部位置取得部の動作>>
発光部302〜304と撮像部301が撮像装置201において固定されているため、撮像部301と各発光部との位置関係が既知ならば、チャート203に対する撮像部301の相対位置から、チャート203に対する各発光部の相対位置を算出できる。チャート203に対する撮像部301の相対位置は、既存の方法、例えば以下の方法により算出することができる。
発光部302〜304と撮像部301が撮像装置201において固定されているため、撮像部301と各発光部との位置関係が既知ならば、チャート203に対する撮像部301の相対位置から、チャート203に対する各発光部の相対位置を算出できる。チャート203に対する撮像部301の相対位置は、既存の方法、例えば以下の方法により算出することができる。
撮像部301の撮像により得られた撮像画像における2次元座標u,vと、撮像対象の3次元座標X,Y,Zとの関係は下記の式(1)で表すことができる。
ここで、Aは撮像部301の焦点距離や主点位置を表す内部パラメータである。R及びtは、撮像部301の姿勢(回転)と位置(並進)を表す外部パラメータであり、Rは3×3の行列とし、tは1×3の行列とする。sはスケールファクタであって、既知である。また、3次元座標X,Y,Zは、チャート203の複数の特徴点のうち、いずれか1つの特徴点(所定の特徴点)を原点としXY平面がチャート203と平行な3次元空間を考えた際の3次元座標とする。このような3次元空間(以下、3次元空間)におけるチャート203の各特徴点の3次元座標が既知である。
本実施例では、ステップS701で取得された撮影画像からチャート203の各特徴点の2次元座標を検出し、検出された2次元座標と各特徴点の3次元座標との関係から上記の式(1)におけるA,R,tを推定する。
そして、推定されたR及びtを用いて、チャート203に対する撮像部301の相対位置(すなわち、3次元空間における撮像部301の位置)Pchart,camは、下記の式(2)により算出される。ここで、trans()は行列の転置を表す。
さらに、チャート203に対する撮像部301の相対位置Pchart,camに対し、撮像部301に対するi番目の発光部の相対位置Pcam,light[i]を加算することで、チャート203に対するi番目の発光部の相対位置Pchart,light[i]を算出する。すなわち、3次元空間における発光部の位置は、下記の式(3)により算出される。
図7のフローチャートの説明に戻る。次に、ステップS704において光源方向算出部604は、測定対象物204の正解概略形状と各発光部の位置とに基づいて、測定対象物204上の領域ごとに、その領域から各発光部への方向を算出する。ここで、測定対象物204上の領域は、撮像画像の各画素に対応する測定対象物204上の領域を表すものとする。そのため、本ステップでは、撮像画像中の測定対象物204が写っている全ての画素について、その画素に対応する測定対象物204上の領域から各発光部への方向を算出する。以下では、本ステップにおける光源方向算出部604の動作の詳細を説明する。
<<光源方向算出部の動作>>
撮像画像中の座標(u,v)の画素に対応する測定対象物204からi番目の発光部への方向Dirobj,light[i](u,v)は、下記の式(4)に示すように発光部の位置Pchart,light[i]と、測定対象物上の領域の位置Pchart,obj(u,v)とから算出する。
撮像画像中の座標(u,v)の画素に対応する測定対象物204からi番目の発光部への方向Dirobj,light[i](u,v)は、下記の式(4)に示すように発光部の位置Pchart,light[i]と、測定対象物上の領域の位置Pchart,obj(u,v)とから算出する。
ここで、Pchart,obj(u,v)は、撮像部301の位置と撮像画像中の座標(u,v)の画素を3次元座標系に投影した点とを結んだ直線が、設置台202に基準位置を合わせて仮想的に配置した測定対象物204の正解概略形状と交わる点の位置を表す。具体的に以下の方法によりPchart,obj(u,v)を算出することができる。
まず、外部パラメータがR、tの撮像部301で撮像された画像の2次元座標(u,v)の画素を3次元座標系に投影した点の位置P(u,v)は下記の式(5)により算出される。ここで、fは撮像部301の焦点距離、cx、cyは撮像部301の主点位置を表す。
そして、画素を3次元座標系に投影した点P(u,v)と撮像部301の位置とを結ぶ直線と、測定対象物204の正解概略形状とが交わる点を見つけることで、Pchart,obj(u,v)を算出する。直線と概略形状の交点の見つけ方は、幾何学計算などによる既知の方法を用いてもよく、コンピュータグラフィックスのレイトレーシングによるレンダリング時に用いられる衝突判定を用いてもよい。以上の処理を撮像画像の全画素、全発光部について行うことで、光源方向の算出が行われる。
図7のフローチャートの説明に戻る。続いて、ステップS705において法線算出部605は、撮像画像の全画素について照度差ステレオ法によって法線を算出する。以下では、本ステップにおける法線算出部605の動作の詳細を説明する。
<<法線算出部の動作>>
照度差ステレオ法は既存の方法を用いることができる。例えば、下記の式(6)によって座標(u,v)の画素の法線N(u,v)を算出することができる。
照度差ステレオ法は既存の方法を用いることができる。例えば、下記の式(6)によって座標(u,v)の画素の法線N(u,v)を算出することができる。
ここで、Ilight[i](u,v)は各発光部の発光に対応する撮像画像の座標(u,v)の画素値(例えば、輝度値)であり、I(u,v)はIlight[i](u,v)をまとめた1×3の行列である。S(u,v)は座標(u,v)の画素に対応する測定対象物204上の領域から各発光部への方向Dirobj,light[i](u,v)をまとめた3×3の行列であり、下記の式(7)で表すことができる。
また、式(6)におけるinv(S)は、行列Sの逆行列を表す。尚、発光部の数が4以上の場合は、各発光部への方向Dirobj,light[i](u,v)をまとめた行列S(u,v)の逆行列を算出することができないため、inv(S)の代わりに下記の式(8)のような擬似逆行列を用いる。
さらに、上記の算出を撮像画像の全画素について行うことで法線マップを算出することができる。尚、法線算出部605は、算出された法線マップに基づいて測定対象物204の詳細形状をさらに算出してもよい。
図7のフローチャートの説明に戻る。次に、ステップS706において評価部606は、ステップS705で照度差ステレオ法によって算出された法線マップと、ステップS702で取得された正解概略形状とに基づいて発光部位置の更新の必要性を評価する。すなわち、評価部606は、照度差ステレオ法によって算出された法線マップに基づいて測定対象物の概略形状を算出する。そして、算出された概略形状と、正解概略形状との類似度を表す評価値を算出し、この評価値が予め設定した評価基準を満たすか否かに基づいて発光部位置の更新の必要性を評価する。例えば、評価値が所定の基準値以下である場合に、発光部位置の更新が必要であると判定され、処理はステップS707へ遷移する。一方、評価値が所定の基準値より大きい場合に、発光部位置の更新が必要でないと判定され、処理はステップS708へ遷移する。本ステップにおける評価部606の動作の詳細については後述する。
ステップS707において発光部位置更新部607は、法線マップの算出に用いる発光部位置を更新する。ここで、発光部位置の更新は、発光部302、303、304の物理的な位置を変更するのではなく、ステップS704の光源方向の算出に用いる発光部の位置情報を更新する処理である。
図8は、本実施例における発光部位置の更新を模式的に示す図である。図8において、設置台202に設置された測定対象物204、及び発光部302、303、304を上から見た断面図が示されている。発光部302、303、304の位置は図中点線の位置から実線の位置に更新される。
図8では、発光部302、303、304の位置をX方向に同一の量だけ変更する例を示しているが、発光部位置の更新は全ての発光部の位置を一律の量、方向に変更することに限定されず、異なる方向、異なる量で発光部位置の変更を行うこともできる。発光部位置の変更量、方向の決定方法としては、ランダムに決定してもよく、または規則的に決定してもよい。例えば、発光部の位置が取り得る範囲を予め定めておいた上で、ステップS707の実行毎に変更量と方向に対応する乱数を発生させ上記範囲内で位置を変更してもよい。または、上記範囲内を一定の間隔で規則的に位置を更新していく方法であってもよい。あるいは、過去に行われた複数の発光部の位置の変更量、方向と、その発光部位置を用いて算出した法線マップに対する評価値から評価値が良くなる変更量、方向を予測することで変更量、方向を決定してもよい。ステップS707の後、処理はステップS704へ遷移し、更新後の発光部位置を用いて光源方向の算出を行う。そして、発光部位置の更新が必要でないと判定されるまでステップS704〜S707の処理が繰り返される。
次に、ステップS708において出力部608は、ステップS705で照度差ステレオ法によって算出された法線マップ(または詳細形状)を表示制御部407や外部メモリ制御部409へ出力する。法線マップ(または詳細形状)は、表示制御部407の制御によって表示部306で表示されたり、外部メモリ制御部409の制御によって外部メモリ410に記録されたりする。以上で、画像処理部411の動作手順の説明を終了する。
<<評価部の動作>>
以下では、ステップS706における評価部606の動作の詳細を説明する。評価部606は、ステップS705で照度差ステレオ法によって算出された法線マップに基づいて測定対象物の概略形状を算出する。そして、算出された測定対象物の概略形状と、ステップS702で予め取得された測定対象物の正解概略形状との類似度を表す評価値を算出する。さらに、この評価値が予め設定した評価基準を満たすか否かに基づいて、発光部位置の更新の必要性を判定する。
以下では、ステップS706における評価部606の動作の詳細を説明する。評価部606は、ステップS705で照度差ステレオ法によって算出された法線マップに基づいて測定対象物の概略形状を算出する。そして、算出された測定対象物の概略形状と、ステップS702で予め取得された測定対象物の正解概略形状との類似度を表す評価値を算出する。さらに、この評価値が予め設定した評価基準を満たすか否かに基づいて、発光部位置の更新の必要性を判定する。
以下では、法線マップに基づいて算出された測定対象物の概略形状と正解概略形状との類似度を表す評価値を算出する際には、形状情報としてデプスマップを用いる例を説明する。ここで、デプスマップとは、各画素の画素値として、撮像部301から測定対象物上の領域までの距離に比例した値を保持する画像である。尚、評価値はデプスマップから算出する方法に限らず、頂点と面から成るポリゴンデータの形式から評価値を算出し、発光部位置の更新の必要性を判定してもよい。
図9は、評価部606の詳細な内部構成を示すブロック図である。デプスマップ算出部901は、法線算出部605で照度差ステレオ法によって算出された法線マップに基づいて、撮像部301から見た測定対象物のデプスマップを算出する。
正解デプスマップ算出部902は、正解概略形状取得部602で取得された正解概略形状に基づいて、撮像部301から見た測定対象物の正解デプスマップを算出する。
評価値算出部903は、照度差ステレオ法によって算出されたデプスマップと正解デプスマップとの類似度を表す評価値を算出する。
判定部904は、評価値算出部903で算出された評価値を予め設定された評価基準を満たすか否かに基づいて発光部位置の更新の必要性を判定する。評価値が評価基準を満たさない場合に、発光部位置の更新が必要であると判定し、評価値が評価基準を満たす場合に、発光部位置の更新が必要でないと判定する。そして、発光部位置の更新が必要であると判定された場合は発光部位置更新部607による発光部の位置の更新処理を行う。一方、発光部位置の更新が必要でないと判定された場合は法線マップの算出処理を終了し、法線マップの、出力部608による表示や外部メモリへの出力を行う。
図10は、上記構成から成る評価部606の処理フローを示すフローチャートである。ステップS1001においてデプスマップ算出部901は、法線算出部605で照度差ステレオ法によって算出された測定対象物の法線マップを積分することで、撮像部301から見た測定対象物のデプスマップを得る。このとき、測定対象物の法線マップは撮像画像の画素毎に法線を有するため、そのまま積分すると高解像度なデプスマップが得られる。そのため、本ステップでは、法線マップを積分して得たデプスマップに対し、例えばガウシアンフィルタなどのフィルタによって平滑化処理をさらに行うことで、概略形状の解像度に合わせたデプスマップを算出する。尚、概略形状の解像度に合わせたデプスマップを算出する方法は上記の方法に限定されず、例えば、本ステップでは測定対象物の法線マップを平滑化した後に積分を行うものとしてもよい。
ステップS1002において正解デプスマップ算出部902は、撮像時の撮像部301と測定対象物204の相対位置関係を再現するよう仮想カメラと正解概略形状を仮想空間上に配置した場合のデプスマップを、正解デプスマップとして算出する。具体的に、撮像部301と測定対象物204の相対位置関係は、ステップS703で求めたチャート203に対する撮像部301の相対位置Pchart,camと、チャート203に対する測定対象物204の相対位置Pchart,obj(u,v)とから算出する。尚、本ステップで算出された正解デプスマップと、ステップS1001で算出されたデプスマップとは、解像度、サイズが等しく、座標が同じ画素のデプスは測定対象物上の同一の領域に対するデプスを表すものとする。
ステップS1003において評価値算出部903は、照度差ステレオ法によって得られた法線マップに基づいて算出されたデプスマップと正解デプスマップとの間の類似度を表す評価値を算出する。本実施例では、評価値として下記の式(9)によりPSNR(Peak Signal to Noise Ratio)値が算出される。
このPSNR値が高いほど照度差ステレオ法によって得られたデプスマップと正解デプスマップの類似度が高いことを表す。尚、評価値はPSNR値に限定されず、照度差ステレオ法によって得られたデプスマップと正解デプスマップとの類似度を表す値であればよい。例えば、類似度が高いほど評価値が低くなるものとしてもよい。
続いて、ステップS1004において判定部904は、ステップS1003で算出された評価値を予め設定された基準値TRと比較することで、発光部位置の更新が必要か否か判定を行う。具体的には、基準値TRを予め設定しておき、式(9)で算出されたPSNR値が基準値TR以下である場合は、類似度が低いため発光部位置の更新が必要であると判定し、処理はステップS707へ遷移する。一方、PSNR値が基準値TRより大きい場合は、類似度が高いため発光部位置の更新が必要でないと判定し、処理はステップS708へ遷移する。
上述のように本実施例では、測定対象物の正解概略形状を予め取得し、照度差ステレオ法によって測定された法線から算出された概略形状と正解概略形状の類似度が高くなるまで照度差ステレオ法に用いる発光部位置の更新を繰り返し行う。これによって、発光部と測定対象物の位置関係を精度よく測定することができない場合でも法線を高精度に測定することが可能となる。
尚、本実施例では、画像処理部411が撮像装置201に含まれるものとして説明したが、これに限定されず、画像処理部411は撮像装置201と通信可能な他の装置に含まれてもよい。または、画像処理部411は、撮像装置201と通信可能な画像処理装置として構成されてもよい。
[実施例2]
実施例1では、発光部位置の更新処理として発光部の位置をランダム、または規則的に更新する方法を説明した。本実施例では、照度差ステレオ法によって測定された法線から算出されたデプスマップと正解概略形状から得られたデプスマップとの差の分布に応じて発光部位置を更新する方法を説明する。
実施例1では、発光部位置の更新処理として発光部の位置をランダム、または規則的に更新する方法を説明した。本実施例では、照度差ステレオ法によって測定された法線から算出されたデプスマップと正解概略形状から得られたデプスマップとの差の分布に応じて発光部位置を更新する方法を説明する。
本実施例における評価値算出部と発光部位置更新部の動作は、実施例1で説明した評価部606内の評価値算出部903及び発光部位置更新部607の動作と異なる。以下では実施例2における評価値算出部と発光部位置更新部の動作について詳細に説明する。尚、本実施例の説明において、実施例1と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図11に本実施例における画像処理部の内部構成を表すブロック図を示す。本実施例における評価部1101は法線算出部605が算出した測定対象物の法線マップから概略形状を求め、正解概略形状取得部602が取得した正解概略形状との類似度を表す評価値を算出する。算出された評価値に基づいて、法線の算出に用いる発光部位置の更新の必要性を判定する。さらに、評価部1101は測定対象物の法線マップから求めた概略形状と正解概略形状との間の差分を算出して、発光部位置更新部1102に渡す。発光部位置更新部1102は、法線の算出に用いる発光部位置の更新が必要であると判定された場合に、評価部1101で算出された形状の差分に基づいて、発光部302〜304の位置を更新する。
図12は、本実施例における画像処理部の処理フローを示すフローチャートである。図12においては、実施例1の画像処理部の処理フローを示す図7から、ステップS706とステップS707が、ステップS1201とステップS1202に変更している。以下では、ステップS1201及びステップS1202を説明する。
ステップS1201において評価部1101は、ステップS705で算出された法線から求められた概略形状と正解概略形状とから、評価値と形状の差分とを算出する()。そして、評価値が予め設定された評価基準を満たすか否かを判定し、評価値が基準を満たさない場合は、発光部位置の更新が必要であると判定し、処理はステップS1202に移行する。評価値が基準を満たす場合は、発光部位置の更新が必要でないと判定し、処理はステップS708に移行する。
図13は、本実施例における評価部1101の詳細な内部構成を示す図である。評価部1101の内部構成のうち、実施例1と動作が異なる評価値算出部1301について説明する。評価値算出部1301は、法線マップから算出されたデプスマップと正解概略形状から算出された正解デプスマップとから、2つのデプスマップの類似度を表す評価値を算出すると共に、2つのデプスマップの差分を算出する。そして、算出された評価値を判定部904へ、デプスマップの差分を発光部位置更新部1102へそれぞれ渡す。ここで、デプスマップの類似度を表す評価値の算出方法は実施例1と同様のため説明を省略する。デプスマップの差分は、2つのデプスマップにおける同じ座標の画素のデプスについて差分を算出する処理を、全画素について行うことで算出される。尚、単に差分を算出してもよいし、差分の絶対値を算出してもよい。
ステップS1202において発光部位置更新部1102は、発光部位置の更新が必要であると判定された場合に、デプスマップの差分に基づいて、法線の算出に用いる発光部302〜304の位置を更新する。
ここで、発光部位置とデプスマップの差分の分布との関係について説明する。仮に照度差ステレオ法によって誤差のない正確な法線マップを測定することができていたら、全ての座標においてデプスの差分は0となるはずである。しかし、撮像画像のノイズによる輝度値の変動や、発光部位置が正しく取得できていないことによる光源方向の誤差から、測定された法線には誤差が生じる。その結果、法線から算出された概略形状と正解概略形状との差分が生じる。ここで、撮像画像のノイズは一般的に輝度値がランダムに変動するため、その影響による法線の誤差もランダムに生じる。すなわち、撮像画像のノイズに起因したデプスマップの差分は偏りなくランダムに生じる。一方、法線の算出に用いる光源方向の誤差の場合、光源方向の誤差が生じている方向に応じて法線に誤差が生じる。そのため、デプスマップの差分にも光源方向の誤差の方向に応じた分布が生じる。
例えば、法線の算出に用いる各発光部位置が真の位置に対しX方向に誤差が生じている場合、法線から算出されたデプスマップと正解デプスマップとの間はX方向の変動量が大きいが、Y方向の変動はほとんど生じない。このとき、各発光部位置の真の位置に対するX方向の誤差が大きくなるほど、デプスマップ間のX方向の変動量も大きくなる。同様に、法線の算出に用いる各発光部位置が真の位置に対しY方向に誤差が生じている場合、法線から算出されたデプスマップと正解デプスマップとの間はY方向の変動量が大きいが、X方向の変動はほとんど生じない。また、各発光部位置の真の位置に対するY方向の誤差が大きくなるほど、デプスマップ間のY方向の変動量も大きくなる。法線の算出に用いる各発光部位置が真の位置に対しZ方向に誤差が生じている場合、法線から算出されたデプスマップと正解デプスマップとの間はX方向、Y方向のどちらの方向にも変動がほとんど生じない。そのため、デプスマップ間の変動量が大きい方向を見ることによって、法線の算出に用いる各発光部の位置をどちらの方向に更新するべきかを決定することができる。
本実施例では、デプスマップの差分の分布についてX方向の統計量及びY方向の統計量をX方向の変動量Vx及びY方向の変動量Vyとして算出する。算出されたX方向の統計量とY方向の統計量を比較することで、法線の算出に用いる各発光部の位置をどちらの方向に沿って更新するべきかを決定する。尚、統計量として、例えば分散を用いることができる。具体的には、デプスマップの差分の分布をd(n,m)として、X方向の変動量Vxは、下記の式(10)のように算出することができる。
同様に、Y方向の変動量Vyは下記の式(11)のように算出することができる。
そして、上記の変動量Vxと変動量Vyの大きさを比較することで各発光部をX、Y、Zのどの軸に沿って更新するかを決定することができる。具体的には、X方向の変動量VxとY方向の変動量Vyが略等しい(差が所定値以下である)場合には各発光部をZ軸に沿って更新する(各発光部の位置情報のZ成分を更新する)。差が所定値を超える場合は、X方向の変動量VxがY方向の変動量Vyよりも大きい場合に各発光部をX軸に沿って更新する(各発光部の位置情報のX成分を更新する)。一方、Y方向の変動量VyがX方向の変動量Vxよりも大きい場合に各発光部をY軸に沿って更新する(各発光部の位置情報のY成分を更新する)。尚、変動量Vxと変動量Vyの大きさを比較する際に、変動量VxとVyの比を用いてもよい。具体的に、変動量VxとVyの比が予め決められた範囲内である場合に、両者が略等しいと判定し、各発光部をZ軸に沿って更新する。算出された比が上記範囲の最大値よりも大きい場合、X方向の変動量Vxが大きいと判定し、各発光部をX軸に沿って更新する。算出された比が上記範囲の最小値よりも小さい場合、Y方向の変動量Vyが大きいと判定し、各発光部をY軸に沿って更新する。
また、上記の方法で各発光部位置をX、Y、Zのどの軸に沿って更新するか決定した後に、各軸のプラスの方向か、マイナスの方向に更新するかを以下の方法により決定することができる。すなわち、各軸のプラス、マイナスの両方向に同一の量だけ更新した発光部位置に対する法線マップをそれぞれ算出する。算出された各法線マップについて変動量Vx、VyまたはPSNR値を再度算出する。再度算出された変動量Vx、Vyの値が小さくなる方向、または再度算出されたPSNR値が大きくなる方向として決定する。
尚、上記では式(10)及び式(11)のようにデプスマップの差分の分布d(n,m)についてX方向の分散及びY方向の分散を算出し、変動量Vx及びVyとして用いる例を示したが、変動を表す指標としてはこれに限らず、他の指標を用いてもよい。
また、上記では各発光部を更新する方向を決定する方法を説明したが、変動量VxおよびVyから、各発光部位置の更新量を決定してもよい。例えば、予め設定された係数αを用いて各発光部の更新量Cは下記の式(12)ように決定することができる。ここで、max(Vx,Vy)はVx、Vyのうちの大きい方の値を返すものとする。
上述のように本実施例では、照度差ステレオ法によって測定された法線から算出されたデプスマップと正解概略形状から得たデプスマップとの差分の分布に応じて発光部位置を更新する際の方向や量を決定する。すなわち、法線から算出されたデプスマップと正解概略形状から算出されたデプスマップとの類似度が高くなるよう発光部位置を更新する際の方向や量を決定する。これによって、高精度な法線を得るまでに必要な算出量を削減することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
604 光源方向算出部
605 法線算出部
606 評価部
607 発光部位置更新部
605 法線算出部
606 評価部
607 発光部位置更新部
Claims (12)
- 測定対象物に対し照射方向が異なる3つ以上の光源のそれぞれから順次に照射した状態で撮像した3枚以上の画像と、前記光源の位置情報とに基づいて、照度差ステレオ法により前記測定対象物の表面の法線を画素毎に保持した法線マップを算出する算出手段と、
前記算出手段にて算出された前記法線マップに基づいて前記測定対象物の概略形状を算出し、算出された概略形状を予め取得された前記測定対象物の基準概略形状と比較することで、前記光源の位置情報を更新する必要があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記光源の位置情報を更新する必要があると判定された場合に、前記光源の位置情報を更新する更新手段と
を有し、前記算出手段は、前記更新手段にて更新された前記光源の位置情報を用いて前記法線マップを算出し直すことを特徴とする画像処理装置。 - 前記法線マップは、前記画像の解像度と同じ解像度を有し、前記基準概略形状及び前記算出された概略形状は、前記画像の前記解像度よりも低い解像度を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記判定手段は、前記算出された概略形状と前記基準概略形状との類似度を表す評価値を算出し、算出された評価値が所定の評価基準を満たさない場合に、前記光源の位置情報を更新する必要があると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記判定手段は、前記法線マップに基づいて第1のデプスマップを前記概略形状として算出し、前記基準概略形状から第2のデプスマップを算出し、算出された前記第1のデプスマップと前記第2のデプスマップとについて前記類似度を表す前記評価値を算出することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記判定手段は、前記第1のデプスマップと前記第2のデプスマップとの差分のPSNR値を前記評価値として算出し、算出されたPSNR値が所定の基準値以下である場合に、前記光源の位置情報を更新する必要があると判定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記更新手段は、前記第1のデプスマップと前記第2のデプスマップとの差分の分布に応じて前記光源の位置情報を更新することを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
- 前記光源の位置情報はX成分、Y成分及びZ成分からなり、
前記更新手段は、前記第1のデプスマップと前記第2のデプスマップとの差分の分布について算出されたX方向の統計量及びY方向の統計量に基づいて、前記光源の位置情報におけるどの成分を更新するかを決定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記更新手段は、
前記X方向の統計量と前記Y方向の統計量がほぼ等しい場合に、前記光源の位置情報における前記Z成分を更新し、そうでない場合に、
前記X方向の統計量が前記Y方向の統計量よりも大きい場合に、前記光源の位置情報における前記X成分を更新し、
前記Y方向の統計量が前記X方向の統計量よりも大きい場合に、前記光源の位置情報における前記Y成分を更新する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。 - 前記更新手段は、前記第1のデプスマップと前記第2のデプスマップとの差分の分布について算出されたX方向の統計量及びY方向の統計量に基づいて、前記光源の位置情報を更新する際の量を決定することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記統計量は、分散であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 測定対象物に対し照射方向が異なる3つ以上の光源のそれぞれから順次に照射した状態で撮像した3枚以上の画像と、前記光源の位置情報とに基づいて、照度差ステレオ法により前記測定対象物の表面の法線を画素毎に保持した法線マップを算出する算出工程と、
前記算出工程にて算出された前記法線マップに基づいて前記測定対象物の概略形状を算出し、算出された概略形状を予め取得された前記測定対象物の基準概略形状と比較することで、前記光源の位置情報を更新する必要があるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程にて前記光源の位置情報を更新する必要があると判定された場合に、前記光源の位置情報を更新する更新工程と
を含み、
前記算出工程では、前記更新工程にて前記光源の位置情報が更新された場合に、更新された前記光源の位置情報を用いて前記法線マップを算出し直すことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
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WO2022137901A1 (ja) * | 2020-12-22 | 2022-06-30 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 情報処理装置及び情報処理方法 |
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