JP2018008640A - ステアリングホイール用加飾部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングホイールに対して衝撃荷重が作用したとき、加飾部材の割れを防止することができるステアリングホイール用加飾部材を提供する。
【解決手段】ステアリングホイール1のリング芯金5の周囲を覆う被覆部9に対応して取り付けられる加飾部材20は、被覆部9に対向する面の延伸方向に沿って開口22を有する肉抜部21を備えている。
【選択図】図2
【解決手段】ステアリングホイール1のリング芯金5の周囲を覆う被覆部9に対応して取り付けられる加飾部材20は、被覆部9に対向する面の延伸方向に沿って開口22を有する肉抜部21を備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ステアリングホイールの表面の美観を向上させるステアリングホイール用加飾部材に係り、特に、リング部に取り付けられるステアリングホイール用加飾部材に関する。
ステアリングホイールの外観の向上を図ったステアリングホイールの一例として、本出願人が先に提案したステアリングホイールがある(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1に記載されたステアリングホイールは、リング芯金の周囲を覆うウレタン製樹脂部材と、ウレタン製樹脂部材を覆う皮革製被覆皮と、リング芯金の長手方向へ沿って皮革製被覆皮を部分的に覆う木製加飾材とを備えている。
ステアリングホイールは、例えば自動車の衝突時等に変形させることによって運転者が受ける衝撃を吸収して緩和するように構成されており、ステアリングホイールの衝撃吸収性能を高めるには、ステアリングホイールの変形量が大きくなるように構成することが望ましい。
ところで、木製加飾材を用いたステアリングホイールに対して衝撃荷重が作用したときは、木製加飾材にも変形を生じさせることが望ましい。しかしながら、木製加飾材の変形によって木製加飾材に加えられるひずみ量が限界ひずみ量を超えてしまうと、木製加飾材に割れが発生することから、この木製加飾材の割れを如何にして防止するように構成するかが課題になっている。
本発明の目的は、ステアリングホイールに対して衝撃荷重が作用したとき、加飾部材の割れを防止することができるステアリングホイール用加飾部材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ステアリングホイールのリング芯金の周囲を覆う樹脂部材に対応して取り付けられる加飾部材であって、前記樹脂部材に対向する面の延伸方向に沿って開口を有する肉抜部を備えてなることを特徴としている。
本発明に係るステアリングホイール用加飾部材において、前記肉抜部は、前記開口と連通して形成された空洞であり、前記空洞の少なくとも一部は、前記加飾部材の材質よりも軟質の材料により埋められてなる構成とすることができる。
更に、本発明に係るステアリングホイール用加飾部材において、前記軟質の材料は、前記加飾部材と前記樹脂部材とを接着する接着材からなる構成とすることができる。
更にまた、本発明に係るステアリングホイール用加飾部材において、前記肉抜部は、断面が円弧状を有する曲面形状に形成されてなる構成とすることができる。
更にまた、本発明に係るステアリングホイール用加飾部材において、前記加飾部材は、木質材料からなる構成とすることができる。
本発明によれば、ステアリングホイールに対して衝撃荷重が作用したとき、加飾部材をステアリングホイールの変形に追従させることができるようになり、加飾部材の割れを防止することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
(ステアリングホイールの構成)
図1において、全体を示す符号1は、本実施の形態に係る典型的な加飾部材20を備えた自動車用のステアリングホイールを模式的に示している。なお、以下の説明において、ステアリングホイール1の表面を前部ともいい、ステアリングホイール1の裏面を後部ともいい、ステアリングホイール1を表面からみて上下左右という。
図1において、全体を示す符号1は、本実施の形態に係る典型的な加飾部材20を備えた自動車用のステアリングホイールを模式的に示している。なお、以下の説明において、ステアリングホイール1の表面を前部ともいい、ステアリングホイール1の裏面を後部ともいい、ステアリングホイール1を表面からみて上下左右という。
図示例によるステアリングホイール1は、ステアリングシャフト2の先端に嵌着固定される円筒状のボス部3と、ボス部3の上部に取り付けられるパッド部4と、リング芯金5を被包するリング部6と、リング部6のリング芯金5及びボス部3を互いに連結する3本のスポーク芯金7の一部を被包するスポーク部8とを備えている。
図1及び図2に示すように、リング部6の外周部とスポーク部8の外周部とには、ポリウレタン等の樹脂部材からなる被覆部9が被覆されている。被覆部9の表面には、皮革からなる表皮部10と、ステアリングホイール1の外観意匠性を向上させる意匠面を有する加飾部材20とが取り付けられている。
(加飾部材の構成)
図1、図2及び図3に示すように、図示例による加飾部材20は、運転者が把持する把持部であるリング部6の上側の加飾部材20、左斜め下側の加飾部材20、及び右斜め下側の加飾部材20を有する3つの部材からなる。これらの加飾部材20は、図1に示すように、ステアリングホイール1のリング部6の内周側に装着されるが、リング部6の外周側に装着される構成も可能である。
図1、図2及び図3に示すように、図示例による加飾部材20は、運転者が把持する把持部であるリング部6の上側の加飾部材20、左斜め下側の加飾部材20、及び右斜め下側の加飾部材20を有する3つの部材からなる。これらの加飾部材20は、図1に示すように、ステアリングホイール1のリング部6の内周側に装着されるが、リング部6の外周側に装着される構成も可能である。
以下、リング部6の上側の加飾部材20について説明するが、左斜め下側及び右斜め下側の加飾部材20は、上側の加飾部材20と同様の形状及び構造からなる。従って、左斜め下側及び右斜め下側の加飾部材20に関する詳細な説明は省略する。
加飾部材20は、意匠部を構成する本杢材からなり、曲板形状に形成されている。本杢材は、リング部6の延伸方向に沿って延伸されて湾曲されるとともに、リング部6の運転者側対向面の略四分円部分を被覆している。木杢材の裏面は、接着部材11によりリング部6に固定されている。木杢材の材料としては、例えばウオールナット材、メイプル材、又は竹材などが挙げられる。
このように構成されているステアリングホイール1に対して衝撃荷重が作用すると、加飾部材20がポリウレタン等の樹脂部材からなる被覆部9の延伸方向に沿って固着されているため、リング部6やスポーク部8の変形に対して加飾部材20の変形が追従し難くなり、本杢材に作用するひずみ量が限界ひずみ量を超えて、加飾部材20に割れが発生してしまう場合がある。
そこで、加飾部材20自体には、ねじり剛性及び曲げ剛性を減少させる剛性減少部が形成されている。この剛性減少部は、加飾部材20のリング部6に対向する裏面の延伸方向に沿った肉抜部21により構成されている。この肉抜部21は、加飾部材20のリング部6に対向する裏面の延伸方向に沿って開口22を有するとともに、その開口22と連通する空洞23を有する曲線状の凹溝として構成されている。
ステアリングホイール1に対して衝撃荷重が作用したときは、加飾部材20自体には、肉抜部21を中心としたねじり変形及び曲げ変形が生じやすくなり、ステアリングホイール1の変形に対して加飾部材20の変形が追従できるように構成されている。
[加飾部材の変形例]
ステアリングホイール用加飾部材20の作用効果を顕著に現出するには、次に示すような変形例も可能である。
ステアリングホイール用加飾部材20の作用効果を顕著に現出するには、次に示すような変形例も可能である。
図4に示すように、加飾部材20の肉抜部21の空洞23の少なくとも一部は、加飾部材20の材質よりも軟質の材料により埋められている構成を採用することができる。軟質の材料としては、加飾部材20とリング部6とを接着する接着部材11を用いることが好適である。接着部材11としては、例えばエポキシ系接着剤などを用いることができる。
肉抜部21の断面形状としては、応力が集中しない形状であることが好適であり、例えば円形や楕円形等の円弧状を有する曲面形状が挙げられる。
図示例では、2条の肉抜部21が加飾部材20のリング部6に対向する裏面の延伸方向に沿う例を示しているが、肉抜部21の形成数は、2条に限定されるものではなく、1条又は3条以上の適宜の条数に形成することができる。
加飾部材20の強度は、材質や板厚により決まるが、加飾部材20における曲げ及びねじれの変形を生じ易く構成するには、加飾部材20の肉抜部21の幅、深さ、断面形態、配置位置等を適宜に選択することが有効である。
(効果)
以上のように構成されたステアリングホイール用加飾部材20によると、上記効果に加えて、以下の効果が得られる。
以上のように構成されたステアリングホイール用加飾部材20によると、上記効果に加えて、以下の効果が得られる。
木杢材からなる曲板形状の加飾部材20の裏面に凹溝を設定することで、木杢材のねじれ方向のひずみを低減することができる。
加飾部材20の裏面に凹溝を設定することで、曲げ変形及びねじり変形を生じやすくして、ステアリングホイール1の大変形時における曲げねじり負荷に対して加飾部材20が破断しないようにすることができる。
ステアリングホイール1が大きく変形する際に、加飾部材20がリング部6やスポーク部8の変形に追従して変形することが規制されず、加飾部材20及びステアリングホイール1を円滑に、且つ、柔軟に変形させることができる。それにより、ステアリングホイール1の変形時に、衝撃を効果的に吸収させることができる。
なお、本発明に係るステアリングホイール用加飾部材20の代表的な構成例では、自動車に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば建設機械や農業機械などの各種の作業用車両に効果的に適用することができることは勿論である。
以上の説明からも明らかなように、本発明における代表的な実施の形態、変形例、及び図示例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。従って、上記実施の形態、変形例、及び図示例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…ボス部、4…パッド部、5…リング芯金、6…リング部、7…スポーク芯金、8…スポーク部、9…被覆部、10…表皮部、11…接着部材、20…加飾部材、21…肉抜部、22…開口、23…空洞
Claims (5)
- ステアリングホイールのリング芯金の周囲を覆う樹脂部材に対応して取り付けられる加飾部材であって、
前記樹脂部材に対向する面の延伸方向に沿って開口を有する肉抜部を備えてなることを特徴とするステアリングホイール用加飾部材。 - 前記肉抜部は、前記開口と連通して形成された空洞であり、
前記空洞の少なくとも一部は、前記加飾部材の材質よりも軟質の材料により埋められてなる請求項1に記載のステアリングホイール用加飾部材。 - 前記軟質の材料は、前記加飾部材と前記樹脂部材とを接着する接着材からなる請求項2に記載のステアリングホイール用加飾部材。
- 前記肉抜部は、断面が円弧状を有する曲面形状に形成されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のステアリングホイール用加飾部材。
- 前記加飾部材は、木質材料からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のステアリングホイール用加飾部材。
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