JP2018008192A - ファウラントの定量方法 - Google Patents

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亜美 篠田
康裕 二宮
Yasuhiro Ninomiya
康裕 二宮
宏明 大西
Hiroaki Onishi
宏明 大西
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Abstract

【課題】固液分離膜に影響するファウラントを定量することが運転現場で可能なファウラント定量方法の提供。【解決手段】ファウラント含有溶液中にファウラント濃度定量用の膜分離装置を浸漬させ濾過速度を設定し、該膜分離装置で所定時間定量濾過した後の吸引圧の上昇率を測定して、別途、膜分離装置を用いない手法で、該ファウラント含有溶液中の該ファウラント濃度を測定して、該ファウラント濃度と該吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成しておき、測定対象のファウラント含有溶液の吸引圧上昇率を上述と同様の方法で測定し該検量線を用いてファウラント濃度を定量する。【選択図】図1

Description

本発明は、ファウラント含有溶液中のファウラント定量方法に関する。
従来、有機性排水などの被処理水を処理する方法として、微生物を用いた浄化(活性汚泥処理)とともに、被処理水を固液分離する方法が広く実施されている。固液分離の方法としては、砂濾過や重力沈殿等が行われている。しかし、これらの固液分離方法では、得られる処理水のSS(浮遊物質)濃度が高くなりやすいという問題や、広大な敷地を要するといった問題があった。
このような問題を解決する方法として、近年、精密濾過膜、限外濾過膜等の分離膜を備えた分離膜モジュール(膜分離装置)を用いて、被処理水を固液分離する方法が用いられている。このような分離膜を用いて被処理水を濾過処理すると、SSをほとんど含まない処理水が得られる。活性汚泥処理した後、分離膜を用いて固液分離を行う一連の排水浄化処理は膜分離活性汚泥法と呼ばれ、この方法を行う装置は膜分離活性汚泥装置と呼ばれている。
ところが、膜分離活性汚泥装置を使用する場合、処理を継続して行っていると分離膜が汚染され、目詰まりすることがある。このような分離膜の汚染をファウリングと呼び、これにより分離膜の処理能力が低下することが知られている。ファウリングが生じると、排水が分離膜を通過し難くなり、分離膜の膜間差圧が上昇する。特に、BOD(生物化学的酸素要求量)負荷が急激に増大した場合、又は、冬季等の低温期に微生物に環境ストレスがかかる場合、微生物による有機物の分解が十分に行われなくなるので、分離膜を汚染する濾過阻害成分が分離膜に堆積し、それにより膜間差圧が急激に上昇して、処理能力が極端に悪化する。
ここで、ファウラントとは、分離膜を汚染し、ファウリングを生じさせる濾過阻害成分を意味する。ファウラントとは、溶解性ファウラント及び/又は非溶解性ファウラントを含む。溶解性ファウラントとしては、例えば、高分子の溶質(糖、タンパク質等)、無機塩類等が挙げられ、非溶解性ファウラントとしては、難溶性成分、コロイド、微小固形物等が挙げられる。
膜間差圧が急激に上昇した場合、分離膜を洗浄して処理能力を回復させる必要がある。一般的には、一度運転を中断し、濾過に対して逆方向となるように分離膜に水や薬液を流すことによって分離膜を洗浄する方法が知られている。また、汚染程度が高い場合には、分離膜を活性汚泥槽から引き上げ、分離膜を薬液に浸漬させることによって洗浄する方法が知られている。しかし、いずれの洗浄方法であっても、膜分離活性汚泥装置の運転を継続して行うことはできないという課題があった。
そこで、従来、活性汚泥中のファウラント増大による活性汚泥性状の悪化(膜間差圧の上昇)をモニタリングする手法として、活性汚泥を濾紙で濾過することによって得られる活性汚泥の濾過特性との相関を用いた溶解性微生物代謝産物(SMP)の定量(例えば、特許文献1参照)、TOC計、COD計、紫外線吸光光度計を用いた活性汚泥上澄み液及び分離膜透過液中に含まれる有機物(全糖、全タンパク質、ウロン酸)の定量(例えば、特許文献2参照)、フェノール硫酸法を用いた活性汚泥上澄み液に含まれる全糖の定量(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特開2011−67818号公報 特開2012−200631号公報 特開2007−75754号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、濾紙で濾過することによって得られた活性汚泥の濾過特性は、膜分離活性汚泥装置に用いる分離膜で濾過するときの濾過特性と本質的に異なっているため、分離膜のファウラントとして作用するSMPを正確に定量できないという課題があった。
また、特許文献2及び特許文献3に記載の方法では、活性汚泥上澄み液中のみのファウラントを定量しているため、分離膜のファウラントとして作用する有機物濃度を過小評価してしまうという課題があった。
全糖の定量方法として用いられているフェノール硫酸法は、フェノール及び濃硫酸といった劇物指定の試薬を用いる点で、作業安全性を確保するためには充分な配慮が必要となり、排気設備や測定機器の点から、膜分離活性汚泥装置の運転現場での実施は最低限の実施とすることが求められていた。
本発明者らは、固液分離膜をファウラント含有溶液に浸漬させて定量濾過した時の吸引圧の上昇率と、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度との間に相関関係があることを見出した。本発明によれば、固液分離膜に影響するファウラントのみ定量が可能であり、劇物等の試薬の使用頻度を減らすことが可能であり、更に、膜分離装置の運転現場での実施が可能であることから、ファウラント濃度の定量方法(以下、ファウラント定量方法とも言う)として高い効果が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は下記態様を有する。
[1] 下記工程を有する、ファウラントの定量方法。
<検量線作成工程>
(i)ファウラント含有溶液中にファウラント濃度定量用の膜分離装置を浸漬させる工程;
(ii)前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(iii)前記工程(ii)において、前記ファウラント濃度定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(iv)膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程;
<ファウラント定量工程>
(v)ファウラント含有溶液中にファウラント濃度定量用の膜分離装置を浸漬させる工程;
(vi)前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(vii)前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(viii)前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程;
[2] [1]記載の前記工程(ii)及び(vi)において、LV0.2〜2.0m/dayの範囲で濾過速度を設定し、一分以上かけて定量濾過する、[1]記載のファウラントの定量方法。
[3] ファウラント定量用の膜分離装置と、前記膜分離装置を定量濾過するポンプと、
前記膜分離装置に配される吸引圧の測定部および演算部を有する、ファウラントの定量装置。
本発明によれば、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、固液分離膜に影響するファウラントのみを定量することが可能となる。また、膜分離装置の運転現場での実施が可能であることから、ファウラント増大による活性汚泥性状の悪化(膜間差圧の上昇)を即時把握することができるので、曝気量の増加、連続処理の濾過速度低下、膜分離装置の洗浄といった差圧上昇の抑制策を適切なタイミングで効果的に実施することができる。
本発明に係る活性汚泥中のファウラント定量方法の一実施形態を示す概略構成図である。 実施例1におけるファウラント濃度と吸引圧の上昇率との相関関係を示すグラフである。 実施例2におけるファウラント濃度と吸引圧の上昇率との相関関係を示すグラフである。
以下、本発明の、ファウラント含有溶液中のファウラント定量方法について、実施形態を示して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は下記工程を有する、ファウラント濃度の定量方法である。
<検量線作成工程>
(i)ファウラント含有溶液中にファウラント濃度定量用の膜分離装置を浸漬させる工程;
(ii)前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(iii)前記工程(ii)において、前記ファウラント濃度定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(iv)膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程;
<ファウラント定量工程>
(v)ファウラント含有溶液中にファウラント濃度定量用の膜分離装置を浸漬させる工程;
(vi)前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
(vii)前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
(viii)前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程;
[工程(i)]
本発明における工程(i)は、ファウラント含有溶液中にファウラント濃度定量用の膜分離装置を浸漬させる工程である。
(ファウラント含有溶液)
本発明における、ファウラントとは、膜面吸着する物質であれば特に限定されない。一般的に溶解性ファウラントとして、高分子の溶質(糖、タンパク質等)、無機塩類等が挙げられる。また、非溶解性ファウラントとしては、難溶性成分、コロイド、微小固形物等が挙げられる。
膜分離装置に用いられる分離膜の孔内部にファウラントが付着すると、孔径が小さくなるため、通水時の膜抵抗が増大する。時間が増加するにつれて、孔閉塞による圧力損失は急激に増大し、吸引圧の急上昇につながる。実施例では活性汚泥中の糖の定量を実施しているが、他のファウラントに関しても、分離膜に捕捉される成分であれば、分離膜の圧力損失増大及び吸引圧の上昇が見られるため、同様の方法で定量が可能である。
(膜分離装置)
本発明に用いられる膜分離装置は、分離膜を有する。
分離膜の種類としては、特に限定されないが、水処理性能の観点から、精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)が好ましい。
また、分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、袋状膜等が挙げられる。これらのうち、容積ベースで比較した場合に膜面積の高度集積が可能であることから、中空糸膜が好ましい。
分離膜の材質としては、有機材料(セルロース、ポリオレフィン、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等)、金属(ステンレス等)、無機材料(セラミック等)が挙げられる。加工性、耐薬品性、排水の性状等に応じて適宜選択される。
分離膜の孔径は、処理の目的に応じて適宜選択すればよい。例えば、膜分離活性汚泥法(MBR)において、分離膜の孔径は、0.001〜3μmが好ましい。孔径が0.001μm未満では、膜の抵抗が大きくなりやすい。孔径が3μmを超えると、汚泥を完全に分離することができないため、処理水(透過水)の水質が悪化するおそれがある。分離膜の孔径は、精密ろ過膜の範囲とされる0.04〜1.0μmがより好ましい。
[工程(ii)]
本発明における工程(ii)は、前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程である。
ここで、濾過速度(LV)は、0.2〜2.0m/dayの範囲で設定することが好ましく、0.4〜1.5m/dayの範囲で設定することがより好ましい。LVが0.2m/day以上であると、ファウラントが膜分離装置2に補足されるため、膜分離装置2の吸引圧の上昇率から溶解性ファウラントの検知が可能となる。また、LVが2.0m/day以下であると、活性汚泥中の懸濁物質は膜面に捕捉されにくい(クロッギングが起こりにくい)ため、ファウラントだけが膜分離装置に捕捉され、溶解ファウラントの正確な定量が可能となる。
また、膜分離装置の分離膜面積から濾過流量を算出し、定量濾過ポンプの流量を設定する。以下に算出方法の一例を示す。
濾過流量[m/day]=LV[m/day]×分離膜面積[m
尚、LVとは、単位時間及び単位面積あたりに分離膜を通過する処理水の速度を意味する。
[工程(iii)]
本発明における工程(iii)は、前記工程(ii)において、前記ファウラント濃度定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程である。
後述する本発明の実施形態では、定量濾過ポンプを用いている。定量濾過ポンプは、膜分離装置に接続される。前記定量濾過ポンプにより、膜分離装置内が減圧とされ、ファウラント含有溶液と透過水とが固液分離される。
膜分離装置が定量濾過ポンプで吸引されることにより減圧となると、吸引時間に伴って吸引圧が上昇する。定量濾過ポンプには、膜分離装置の吸引圧上昇に伴って濾過流量が低下しないものを選択することが好ましい。濾過流量が吸引圧の変動の影響を受けないポンプ選択することによって、安定した定量濾過が可能となり、吸引圧の上昇率測定及びファウラント含有溶液中のファウラント定量の精度が向上する。例えば、シリンジポンプ等である。
[工程(iv)]
本発明における工程(iv)は、膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程に関する。
ここで、ファウラント濃度と吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線作成工程について説明する。
検量線を作成するため、本発明による吸引圧の上昇率測定と併せて、膜分離装置を用いない方法で、ファウラント含有溶液中のファウラントの定量を実施する。
ここで、膜分離装置を用いない方法とは、膜分離装置を用いず、かつ、ファウラント濃度を定量できる方法であれば特に限定されず、例えば、TOC計、COD計、紫外線吸光光度計、フェノール硫酸法等が挙げられる。
ここで、本発明の検量線作成工程においては、少なくともサンプル3点以上で、吸引圧の上昇率と、前記膜分離装置を用いない方法でファウラントの定量を実施し、ファウラント濃度と吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する。
検量線作成後は、前記膜分離装置を用いない方法を用いることなく、膜分離装置の吸引圧の上昇率からファウラント濃度を算出することが可能となる。
[工程(v)]
本発明における工程(v)は、ファウラント含有溶液中にファウラント濃度定量用の膜分離装置を浸漬させる工程である。
前記工程(v)は、前述の工程(i)と同様の方法で実施することができる。
[工程(vi)]
本発明における工程(vi)は、前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程である。
前記工程(v)は、前述の工程(ii)と同様の方法で実施することができる。
[工程(vii)]
本発明における工程(vii)は、前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程である。
前記工程(vii)は、前述の工程(iii)と同様の方法で実施することができる。
[工程(viii)]
本発明における工程(viii)は、前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程である。
前記工程(iv)で作成した検量線は、例えば、図2又は3に示す通り、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との間に相関関係がある。したがって、最初に検量線を作成すれば、その後は、記膜分離装置を用いない方法を用いることなく、膜分離装置の吸引圧の上昇率からファウラント濃度を算出することが可能となる。
これにより、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、分離膜に影響するファウラント含有溶液(例えば、活性汚泥中)のファウラントを定量することが可能となる。
ここで、図1を用いて本発明の実施形態について、具体的に説明する。
図1は、本発明のファウラント定量方法において、好適に使用される装置の一例を示すものである。
本発明の実施形態は、膜分離槽1と、この膜分離槽1内に設置され、分離膜を具備した膜分離装置2と、膜分離装置2を吸引する定量濾過ポンプ3と、膜分離装置2の吸引圧を測定する吸引圧測定部4と、膜分離装置2に配される演算部5と、被測定液8を備えて構成されている。
膜分離装置2の下方には曝気装置6又は撹拌装置7を設置し、膜分離槽1内の被測定液8が試験中に沈降しないように、かつ膜分離槽1内での被測定液8の流動が一定となるように構成されている。
膜分離装置2は、膜分離槽1内に配置され、被測定液8(活性汚泥)中に浸漬させる。前記膜分離装置2としては、前述の分離膜(濾過膜)を備えた膜分離装置を用いることができる。
なお、膜分離活性汚泥装置で選択している分離膜と同じ分離膜を選択して本発明を実施すると、膜分離活性汚泥装置で分離膜に捕捉されるファウラントのみを検出することが可能となるので、より好ましい。
膜分離装置2の分離膜は、未使用膜を使用、又は、測定毎に薬品洗浄を実施し、ファウラント定量に用いる分離膜にファウラントが蓄積していない状態とすることが好ましい。
ここで、薬品洗浄を実施した分離膜を使用する場合は、分離膜の透水性が未使用膜と同等まで回復していることを事前に確認することがより好ましい。
膜分離装置2の下方に、曝気装置6又は撹拌装置7を設置する。膜分離槽1内の被測定液8が試験中に沈降しないように、かつ、膜分離槽1内での被測定液8の流動が一定となるように構成されることが好ましい。
曝気装置6としては、特に限定されないが、散気管やブロワー等が挙げられる。散気管の材質としては、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂、ステンレス等の金属が挙げられる。膜分離装置2に対して当たる曝気が測定毎に均一となるように、曝気装置6の設置位置を固定し、かつ曝気量を一定とすることが好ましい。
撹拌装置7としては、特に限定されないが、マグネチックスターラー等が挙げられる。膜分離槽1内での被測定液8の流動が測定毎に一定となるように、撹拌装置7の回転数を一定とすることが好ましい。
膜分離装置2と定量濾過ポンプ3の間に、吸引圧測定部4を接続し、演算部5にて単位時間当たりの吸引圧の上昇率を測定する。吸引圧測定部4は特に限定されないが、デジタル圧力センサー等が挙げられる。演算部5は、吸引圧測定部4での測定データを単位時間当たりの変化率に換算可能なものを選択する。演算部5としては、データロガー等が挙げられる。演算部5にて検量線として換算する場合、単位時間当たりの吸引圧の変化率(検量線の直線部分の傾き)が吸引圧の上昇率となる。
膜分離装置2を定量濾過ポンプ3で吸引し、一分以上かけて定量濾過する。その間の吸引圧を吸引圧測定部4及び演算部5で測定する。
吸引開始から一分以上経過した範囲でのグラフは、ポンプの空運転、分離膜内のエアーによる吸引圧のぶれ等の影響を受けないため、安定した直線となる。安定した直線が得られる範囲で、吸引圧の上昇率を算出することによって誤差が減り、活性汚泥中の溶解性ファウラント定量の精度向上につながる。そのため、吸引開始から一分以上経過した範囲で、吸引圧の上昇率を算出することが好ましい。
本発明によれば、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、分離膜に影響するファウラント含有溶液(例えば、活性汚泥中)のファウラントを定量することが可能となる。
また、膜分離活性汚泥装置の運転現場での実施が可能であることから、ファウラント含有溶液中のファウラント増大による被測定液(例えば、活性汚泥性状)の悪化(例えば、膜間差圧の上昇)を即時把握することができるので、曝気量の増加、連続処理の濾過速度低下、膜分離装置の洗浄等といった差圧上昇の抑制策を適切なタイミングで効果的に実施することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(透水性評価)
膜分離装置の分離膜の透水性評価の指標として、WF(単位時間、単位面積、単位圧力あたりの純水透過量)を用いた。
WFは、分離膜に一定圧力をかけた時の、単位時間当たりの純水の透過量から算出した。
WF[m/m/hr/MPa]=透過水量[m/hr]÷分離膜面積[m]÷測定圧力[MPa]
(実施例1)
活性汚泥として、生活系排水の膜分離活性汚泥処理を行っている排水試験場の活性汚泥を使用した。また、膜分離装置に用いられる分離膜としては、公称孔径0.05μmの精密濾過用ポリビニリデンフルオライド製中空糸膜(未使用状態でのWF=30m/m/hr/MPa)を用いた。
定量濾過ポンプは、(株)ワイエムシィ製のシリンジポンプを用いた。吸引圧測定部は(株)キーエンス製のデジタル圧力センサー、演算部はグラフテック(株)製のデータロガーを用いた。
膜分離装置の下方に曝気装置を配し、ポリカーボネート製の散気管からの散気を常時実施した。散気量は中空糸膜部の投影面積当たり100Nm/m・hrとした。
ファウラント含有溶液(被測定液)として、活性汚泥濃度6000〜10000mg/Lの活性汚泥を用いた。
膜分離装置のLVは1.0m/dayとし、濾過時間は10分間とした。膜分離装置を10分間定量濾過し、その間の吸引圧を測定した。その後、横軸を吸引時間、縦軸を吸引圧としてグラフを作成し、単位時間当たりの吸引圧の上昇率を算出した。測定毎に薬品洗浄を実施、又は、未使用膜を使用した。薬品洗浄の条件は、0.3%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に分離膜を浸漬させ、60℃で4時間保温した。
吸引圧の上昇率と、活性汚泥中の溶解性ファウラント濃度との相関関係を把握するため、活性汚泥を濾紙濾過した後の濾液中の糖濃度を測定した。糖濃度測定は、フェノール硫酸法にて行った。
図2に示すように、活性汚泥を定量濾過した時の吸引圧の上昇率と、フェノール硫酸法を用いて測定した活性汚泥濾紙濾液中の糖濃度との間には相関関係が確認された。図2の検量線作成後は、吸引圧の上昇率から糖濃度を算出することができる。よって、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、固液分離膜に影響する糖のみを定量することができる。
(実施例2)
膜分離装置の下方に撹拌装置を配した点以外は、実施例1と同じ条件で試験を実施した。撹拌装置の撹拌速度は、500rpmとした。
図3に示すように、活性汚泥を定量濾過した時の吸引圧の上昇率と、フェノール硫酸法を用いて測定した活性汚泥濾紙濾液中の糖濃度との間には相関関係が確認された。図3の検量線作成後は、吸引圧の上昇率から糖濃度を算出することができる。よって、劇物等の試薬の使用頻度を減らして、固液分離膜に影響する糖のみを定量することができる。
1:膜分離槽
2:膜分離装置
3:定量濾過ポンプ
4:吸引圧測定部
5:演算部
6:曝気装置
7:撹拌装置
8:ファウラント含有溶液(被測定液)

Claims (3)

  1. 下記工程を有する、ファウラントの定量方法。
    <検量線作成工程>
    (i)ファウラント含有溶液中にファウラント濃度定量用の膜分離装置を浸漬させる工程;
    (ii)前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
    (iii)前記工程(ii)において、前記ファウラント濃度定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
    (iv)膜分離装置を用いない手法で、前記ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を測定し、ファウラント濃度と前記吸引圧の上昇率との相関関係を示す検量線を作成する工程;
    <ファウラント定量工程>
    (v)ファウラント含有溶液中にファウラント濃度定量用の膜分離装置を浸漬させる工程;
    (vi)前記ファウラント定量用の膜分離装置の濾過速度を設定する工程;
    (vii)前記工程(vi)において、前記ファウラント定量用の膜分離装置を、所定時間をかけて定量濾過した時の吸引圧の上昇率を測定する工程;
    (viii)前記工程(iv)で作成した検量線と前記工程(vii)で測定した前記上昇率から、ファウラント含有溶液中のファウラント濃度を定量する工程;
  2. 請求項1記載の前記工程(ii)及び(vi)において、LV0.2〜2.0m/dayの範囲で濾過速度を設定し、一分以上かけて定量濾過する、請求項1記載のファウラントの定量方法。
  3. ファウラント定量用の膜分離装置と、
    前記膜分離装置を定量濾過するポンプと、
    前記膜分離装置に配される吸引圧の測定部および演算部を有する、
    ファウラントの定量装置。
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