JP2018007630A - 栽培支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】意図した収穫結果に近い収穫結果が得られる植物栽培支援装置を提供する。【解決手段】植物の栽培を支援する栽培支援装置であって、栽培対象のストレス情報を計測するストレス情報計測部と、前記栽培対象の環境情報を計測する環境情報計測部と、前記ストレス情報、前記環境情報から、前記栽培対象の内部状態を推定する状態推定部と、前記内部状態の推定結果に基づいて、前記栽培対象の生育状況を推定する生育状況推定部と、前記生育状況の推定結果に基づいて、前記栽培対象の栽培内容を制御する制御部とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、栽培支援装置に関する。
植物の栽培を制御する技術として、植物の状態を自動診断し、環境条件を植物の生育に適した状態に制御する技術がある。この技術は、Speaking Plant Approach(SPA)と呼ばれ、植物の生育状況の記録や遠隔による病理診断などを通じた栽培の省力化や、ストレスの付与による農産物の高収量、高品質化の実現を容易にするものとして近年注目されている。
植物のストレスは、その植物にとって理想的な生育環境と異なる環境に置かれることによって植物にかかる負荷のことであり、ストレスのかかる環境下に置かれた植物内では、環境に対応して、さまざまな生理的変化が起こることが知られている。
例えば、果菜類は、結実後に十分に水分が得られないことによる水分ストレスが与えられると、果実の大きさが低下し、収量が減少する場合がある。一方、適度に水分ストレスを付与した果実は、高糖度化する場合がある。この性質を利用して、水分の制御を通じて付加価値の高い作物を生産する農法がある。近年、この農法の自動化を目的とした様々な試みが行われている。
特開2007−306846(特許文献1)には、植物の葉の投影面積の基準値と現在の投影面積との比(投影面積比)が閾値を下回った際に潅水信号を発することで、潅水を制御する技術が開示されている。この技術では、植物のストレスを、植物自身の画像から取得し、その情報を栽培制御にフィードバックすることにより、意図したストレスが与えられているかどうかを常に監視して、適切なストレスを植物に与える栽培制御が行われる。
特開2012−55207(特許文献2)には、取得した情報を入力とする生育モデルを用いて植物の生育状況を判定した生育状況に基づいて栽培制御を行う技術が開示されている。この技術では、取得した画像を入力とする生育モデルから収穫計画を作成し、それに基づき収穫部の制御を行うことにより、植物の現在の生育状況を考慮した栽培制御が行われる。
しかしながら、既存の生育モデルでは、作物にかかるストレスが考慮されていないため、既存の生育モデルを用いた栽培制御により意図した収穫結果を得ようとしても、実際に得られた収穫結果は意図した収穫結果とずれてしまう。そのため、既存の生育モデルを用いた栽培制御では、意図した収量・品質の作物を得ることができないという問題がある。
本発明の目的は、意図した収穫結果に近い収穫結果を得ることができる植物栽培支援装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明の栽培支援装置の一態様は、植物の栽培を支援する栽培支援装置であり、栽培対象のストレス情報を計測するストレス情報計測部と、前記栽培対象の環境情報を計測する環境情報計測部と、前記ストレス情報、前記環境情報から、前記栽培対象の内部状態を推定する状態推定部と、前記内部状態の推定結果に基づいて、前記栽培対象の生育状況を推定する生育状況推定部と、前記生育状況の推定結果に基づいて、前記栽培対象の栽培内容を制御する制御部とを有する。
本発明の一態様によれば、意図した収穫結果に近い収穫結果が得られる植物栽培支援装置を提供することができる。
本発明の実施形態である栽培支援装置の一例を含む栽培支援システムの概略図である。 本発明の実施形態である栽培支援装置の一例の構成図である。 本発明の実施形態である栽培支援装置の一例の機能ブロック図である。 本発明の実施形態である栽培支援装置の一例による処理のフローチャートである。 実施例2の変形例におけるストレス情報と制御情報の変化の一例を示すグラフである。 実施例2の変形例における植物の内部状態の推定結果の一例を示すグラフである。 実施例2の変形例におけるストレス情報と制御情報の変化の他の一例を示すグラフである。 実施例2の変形例における植物の内部状態の推定結果の他の一例を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して、説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の実施形態である栽培支援装置の一例(実施例1)を含む栽培支援システムの概略構成図である。図1において、符号100は、本発明の栽培支援装置の一例である支援装置である。符号PLは栽培対象の一例である植物である。符号SOは植物PLを栽培する土壌である。符号WSは、植物の栽培を制御する制御装置(潅水装置)の一部である。
なお、植物とは、生物を動物、植物、微生物に分類した場合の植物を意味する。また植物は、地表で生育するものだけでなく、海中、水中で育成するものも対象とすることができる。
植物栽培支援装置100の主要部は、コンピュータ110とセンサ部120とで構成されている。植物栽培支援装置100では、図1に示すように、センサ部120が、植物PL及び土壌SOに対して地上部及び地下部に設置されている。センサ部120で得られた各種情報は、コンピュータ110で処理され、植物の制御情報が決定される。得られた制御情報は、潅水装置WSに送られ、この制御情報に基づいて潅水装置WSが植物PLに給水するように制御されている。
図2は、植物栽培支援装置100の構成図である。植物栽培支援装置100は、図1でも示したように、主要部がコンピュータ110とセンサ部120とで構成されている。なお、コンピュータ110は、本発明の栽培支援装置における処理部の一例である。
コンピュータ110は、図2に示すように、センサ部120と通信するためのインタフェース111と、インタフェース111を通じでセンサ部120から得られたデータを格納する記憶部112と、記憶部112に格納されたデータを処理する演算部113と、得られたデータや演算部113における演算結果を格納する記録部114とを有する。また、インタフェース111、記憶部112、演算部113、及び記録部114は、バス115で接続されている。
センサ部120は、少なくともストレス情報取得センサ121と環境情報取得センサ122とを含んで構成されている。センサ部120は、所定の時間間隔またはコンピュータ110からの指示を受けて、観測対象の植物PLのストレス情報及び環境情報を取得する。
具体的には、センサ部120内のストレス情報取得センサ121が、栽培対象のストレスを計測した情報をストレス情報として取得することができる。植物のストレスとは、その植物にとって理想的な生育環境とは異なる環境に置かれることによって植物にかかる負荷である。
ストレス情報としては、例えば、予め分かっている理想的な生育環境と、実際の生育環境の差異を用いることができる。具体的には、理想的な生育のための気温と、現在の気温の差を用いることができる。また、ストレスのかかる環境下に置かれた植物内では、環境に応答して、さまざまな生理的変化が起こることが知られているため、生理的変化の量を計測し、これをストレス情報として用いても良い。この場合は、例えば、植物の葉の萎れ度合いをストレス情報として用いることができる。
本例では、ストレス情報取得センサ121は、例えば、図1に示すように栽培対象である植物PLの葉を撮影して、その萎れ度合い、枯れ度合い等を計測し、計測した情報をストレス情報として取得することができる。なお、ストレス情報取得センサ121は、本発明の栽培支援装置におけるストレス情報計測部の一例である。
また、センサ部120内の環境情報取得センサ122は、栽培対象の周辺の環境を計測した情報を環境情報として取得することができる。
環境情報とは、植物の生育されている場所における、地上部もしくは地下部からセンサ等で計測可能なデータである。例えば、気温、土壌湿度などのデータである。センサ等で計測可能なデータの他にも、天気予報などの情報を用いても良い。その他、水遣り量やハウス栽培における暖房の設定温度のような栽培制御の情報などを環境情報として用いても良い。
本例では、環境情報取得センサ122は、図1に示すように、地上部で気温を計測し、地下部で土壌SOの湿度などを計測し、これらの計測した情報を環境情報として取得することができる。なお、環境情報取得センサ122は、本発明の栽培支援装置における環境情報計測部の一例である。
取得されたストレス情報及び環境情報はコンピュータ110へと伝送され、インタフェース111を介して記憶部112へと格納される。格納されたストレス情報及び環境情報は、演算部113により記憶部112から読み出される。読み出されたストレス情報及び環境情報から植物PLの内部状態が推定され、推定された内部状態に基づいて生育状況が推定される。
そして、推定された生育状況に基づいて栽培の制御内容(以下、栽培制御内容ともいう)が判断される。栽培制御が必要と判断された場合、演算部113は、図示しない通知手段によって、栽培制御内容を、制御信号として制御装置に送信、ないし予め設定された連絡先へ通知する。これにより、植物PLの栽培内容が制御される。
ここで、植物の内部状態の一例としては、植物の環境情報に対する感度を用いることができる。このような感度は、例えば、気温が1℃変化したとき、植物のストレスの量がどれほど変化するかといった情報である。この他にも、既存の生育モデルの一部を植物の内部状態として用いても良い。例えば、既存の生育モデルに、植物の光合成による生産物が葉と茎の生長にどのようなバランスで利用されるかの比率が含まれる場合、その比率を植物の内部状態として考えることもできる。
また、生育状況は、例えば、植物の葉の総面積、茎頂(茎の先端部分)の高さ、つぼみの総数などを示す。
図3は、植物栽培支援装置100の機能ブロック図である。図3に示すように、植物栽培支援装置100は、コンピュータ110とセンサ部120で構成されている。コンピュータ110は、内部状態推定部116、生育シミュレーション部117、栽培制御部118を有する。
内部状態推定部116は、センサ部120からの情報を入力として植物PLの内部状態を推定することができる。また、生育シミュレーション部117は、内部状態推定部116の推定結果、及びセンサ部120(環境情報取得センサ122)で得られた環境情報を入力として植物PLの生育状況を推定することができる。さらに、栽培制御部118は、生育シミュレーション部117の推定結果に基づいて植物PLの栽培制御内容を判断等することにより植物PLの栽培内容を制御することができる。
図3では、まずセンサ部120が、栽培対象の植物PLのストレス情報及び環境情報を取得する。取得されたストレス情報及び環境情報は、コンピュータ110に伝送される。コンピュータ110内では、センサ部120の情報を入力として、内部状態推定部116が栽培対象の植物PLの内部状態を推定する。なお、内部状態推定部116における内部状態を推定するための入力として、過去の生育シミュレーション部の出力の履歴を用いても良い。
内部状態推定部116からの出力、または環境情報取得センサ122により取得された環境情報は、生育シミュレーション部117へ入力され、生育シミュレーション部117が生育状況を推定する。
そして、栽培制御部118は、生育シミュレーション部117における生育シミュレーションの推定結果を入力として、栽培制御内容を判断する。栽培制御部118で、栽培制御が必要と判断された場合、コンピュータ110の内部または外部に設置された図示しない通知手段によって、栽培制御内容を、制御信号として制御装置に送信または予め設定された連絡先へ通知する。これにより、栽培対象である植物PLの栽培制御が行われる。
なお、内部状態推定部116、生育シミュレーション部117、栽培制御部118は、本発明の栽培支援装置における、状態推定部、生育状況推定部、制御部の各一例である。
図4は、実施例1における植物栽培支援装置100による処理のフローを示す図(フローチャート)である。図4では、まず、ストレス情報及び環境情報を取得する(ステップS1201)。具体的には、センサ部120が、所定のタイミングで植物PLのストレス情報及び環境情報を取得する。所定のタイミングとは、コンピュータ110からトリガー信号を受信したタイミング、または予め設定された時刻や時間間隔に基づいて決定されるタイミングである。
例えば、時刻tにおいて取得された環境情報xは、下式で表すことができる。
Figure 2018007630
この式において、x (nは1以上の整数)は、例えば、気温、湿度のような大気の情報や、土壌温度などの土壌の情報等とすることができる。
次に、ストレス情報、環境情報から植物の内部状態を推定する(ステップS1202)。このステップでは、コンピュータ110内の内部状態推定部116が、センサ部120から受信したストレス情報及び環境情報を用いて、植物PLの内部状態を推定する。内部状態の推定については、ストレス情報と、内部状態との関係を予め定義しておき、このループで取得されたストレス情報を当てはめることができる。
なお、このループにおいて植物PLの内部状態の推定を行う場合、ステップS1201で取得したデータ情報には所定の項目(例えば、水遣り量、暖房の設定温度、葉を採る量等)が全て揃っている必要はない。すなわち、過去のデータを用いたり、欠損値を許容するモデル化手法を用いても良い。また、ストレス情報に加えて、環境情報や過去の生育状況の推定結果を用いて、内部状態の推定を行っても良い。
次に、ストレス情報、環境情報、及び植物PLの内部状態の推定結果から、生育モデルを用いて生育状況を推定する(ステップS1203)。このステップでは、コンピュータ110内の生育シミュレーション部117が、センサ部120から受信した環境情報及びステップS1202で推定した植物PLの内部状態から、予め定められた生育モデルを用いて生育状況を推定する。
ここで、生育モデルは、植物の生長または発育の進み方を数学的に表現したものであり、例えば、一日平均気温の情報を変数とする日生長速度の関数等で示される。
次に、生育状況の推定結果(以下、生育状況推定結果ともいう)に基づいて栽培対象である植物PLの栽培内容を制御する。具体的には、まず生育状況推定結果から栽培制御内容を判断する(ステップS1204)。このステップでは、コンピュータ110内の栽培制御部118が、推定した生育状況に基づいて、植物PLに対する栽培制御が必要か否かを判断する。栽培制御内容の判断は、次のような方法で行うことができる。
例えば、達成したい収穫結果Hとして、ストレス等が考慮されていない既存の生育モデルの出力を用いた収穫結果があるとする。一方、このループにおける時刻をtとしたとき、ステップS1203における生育状況の推定結果から、収穫結果の現在における予測H ´を算出する。HとH ´には、差異が生じる可能性が高い。この差異をdiff(H,H ´)とすると、diff(H,H ´)は、ストレス、環境情報などの関数である。diff(H,H ´)の値が、次のステップで小さくなるよう、栽培の制御内容を決定する。
具体的な方法としては、実施できる栽培制御内容の組み合わせの中から、diff(H,H ´)が小さくなるケースを選択する方法等を用いることができる。
栽培制御内容をCとしたとき、Cは次のように表すことができる。具体的には、栽培制御内容Cは、栽培制御の項目別の操作の量で表され、全ての項目について一通りずつ操作量をまとめ、以下のように表記することができる。
Figure 2018007630
としては、例えば、水遣りの量、暖房の設定温度、葉を取る量など、栽培制御内容を示すことができる。栽培制御内容には、想定し得る内容が複数通りある。例えば、水遣りの量を0,0.5,1の3通りとし、暖房の設定温度を20〜25℃までの6通りとすると、このときの栽培制御内容は18通り想定できる。これらを全て列挙すると、以下のように表すことができる。
Figure 2018007630
このCの中から、diff(H,H ´)を最小とする値を選択する。なお、Cの要素については、栽培施設において制御可能な項目の内容や、栽培を行っている季節によって、随時許容できる要素のみに制限しても良い。
は、例えば、下の表1のようなデータ構造となっている。
Figure 2018007630
次にステップS1205に進み、栽培制御が必要か否か判断される。栽培制御が必要(Yes)と判断されれば、ステップS1206に進み、栽培制御が不要(No)と判断されればステップS1201に進む。
ステップS1205で栽培制御が必要と判断された場合は、次に栽培制御内容を通知ないし制御信号として送信する(ステップS1206)。コンピュータ110内の栽培制御部118は、図示しない通知手段を用いて、栽培制御内容を、制御信号として制御装置に送信、ないし予め設定された連絡先へ通知することができる。
制御信号の送信内容としては、例えば、栽培施設に設置されている機器(図1の潅水装置WS等)の設定値、潅水(以下「水遣り」とも言う)や収穫を行うといった指示などである。通知方法としては、メールや電話による通知の他、スマートフォン用の専用アプリやディスプレイを用いて視覚的に通知を行ってもよい。また、ブザーを鳴らす、回転灯を光らせるといった通知方法を採用してもよい。
以上、ステップS1201からステップS1206までが1回のストレス情報及び環境情報の取得に付随して実施される一連の処理フローである。これらのステップが完了したら、制御を終了するか否かを判定し(ステップS1207)、終了しない場合はステップS1201に戻り、所定の時刻または時間間隔を経た後にステップS1201からステップS1206が繰り返される。
このように実施例1の植物栽培支援装置100では、栽培対象の植物のストレス及び周辺の環境の情報から、ストレスを考慮した生育状況を推定し、推定した生育状況に基づいて、栽培の制御内容を決定することで、栽培制御を適切に行うことができる。そのため、意図する高収量や高品質の作物を、安定かつ容易に生産することが可能となる。したがって、実施例1の植物栽培支援装置100によれば、意図する収量、品質に近い収穫結果を得るための栽培制御が可能となる。
具体的には、水分量を意図的に不足させることによって水分ストレスを掛けて栽培した作物は、そうでない作物に比べてサイズが小さくなることが知られているが、本例によれば、このようなストレス情報を考慮した栽培制御を行うことができるため、意図した高収量・高品質の作物を得ることができる。
次に、本発明の実施形態である栽培支援装置の他の一例(実施例2)について説明する。なお、実施例2において、実施例1と共通する部分については、説明を省略する場合がある。実施例2では、植物PLの内部状態として、植物PLの環境に対する感度を用いた場合の栽培の制御内容を決定する。植物の環境に対する感度に基づいて栽培の制御内容を決定することによって、目的とする結果を得るために必要なストレスを与えることができる。
環境とは、環境情報取得センサ122から取得される環境情報の項目(例えば、気温、土壌SOの湿度など)を示す。植物の環境に対する感度は、次のように定めることができる。まず、時刻tにおけるストレスの計測値をSと表す。ストレス値Stは、環境情報などを用いた関数として表されるものとする。つまり、実施例1における環境情報xの表記を用いると、以下のような関係で表すことができる。
Figure 2018007630
環境情報のうちの一つxの、時刻tにおける値をx と表す。このとき、x の変化量とSの変化量の関係を、環境情報xに対する感度a (xj)とする。
この条件下で、(ステップS1201で取得したストレス情報及び環境情報から植物の内部状態を推定する(ステップS1202)。本例では、ステップS1202で、植物の環境に対する感度を推定する。推定する方法としては、例えば、回帰式を用いて推定する方法を用いることができる。
本例では、ストレスを説明変数、内部状態を目的変数とした以下のような関数fを、予備実験等によって予め導出しておき、同時刻に取得したストレス情報を当てはめる。
Figure 2018007630
としては、例えば、Sのxに関する逆関数や、xに関する偏微分などを用いることができる。なお、ストレスに加えて、環境情報などを説明変数として用いても良い。上記の説明変数における「S,・・・」の表記は、Sを説明変数として用いることは必須であるが、他に環境情報等を用いても良いことを表す。この場合、説明変数に欠損があると、回帰式への代入ができない。そのため、取得した情報の欠損を予め補っておくことや、直前の時刻の値を代わりに用いることなどが好ましい。
次に、ストレス情報、環境情報、植物の内部状態推定結果から生育モデルを用いて生育状況を推定する(ステップS1203)。本例では、ステップS1203で、生育モデルの、ストレスがない場合のシミュレーション結果をR、ストレスがかかった場合のシミュレーション結果をR´とする。以下のような関係式を、予備実験等によって予め導出しておき、同時刻に取得したストレス情報を当てはめることで、ストレスを考慮した生育状況の推定結果が得られる。
Figure 2018007630
なお、ストレスに加えて、Gや環境情報などを説明変数として用いても良い。上記の説明変数における「・・・」の表記は、Sを説明変数として用いることは必須であるが、他にGや環境情報等を用いても良いことを表す。
生育状況推定結果から栽培制御内容を判断する(ステップS1204)。本例では、ステップS1202において推定した内部状態に基づいて、diff(H,H ´)が小さくなるような制御内容を決定する。制御内容を決定する方法としては、例えば、実施できる栽培制御内容の組み合わせの中から、diff(H,H ´)が小さくなるケースを選択する方法を用いることができる。
この方法では、栽培の制御内容ごとに、環境情報の変化量が明らかになっていることを前提とする。つまり、栽培制御項目のうちの一つCにおける環境情報の変化量は、以下の関係式で表すことができる。
Figure 2018007630
ステップS1202で推定した内部状態を用いることで、各々のCに対し、ストレスの予測値St+1が算出できる。これを用いることで、各々のCに対し、diff(H,Ht+1 ´)が計算できる。この中から、が最小となるようなCを選択する。そして、生育状況(ステップS1204、S1205)、栽培制御内容を通知ないし制御信号として送信する(ステップS1206)。
このように実施例2の形態では、植物の環境に対する感度を用いて栽培の制御内容が決定されるため、植物に対して適切なストレスを与えることが可能となり、意図する収量・品質により近い収穫結果を得ることができる。また、予備実験及び簡単なデータの解析によって栽培対象の内部状態を推定することができるため、栽培対象の制御が容易である。
また、実施例2の変形例として、実施例2の内部状態の推定に隠れ状態を持つモデルを用いてもよい。上述の実施例2では内部状態の推定に、予め明らかにしておいた、xの変化量とSの変化量の関係式を用いたが、実施例2の変形例では、過去のストレス値及び環境情報と、隠れ状態を持つモデルとを用いることにより、内部状態を推定することができる。この場合、モデルの隠れ状態を、内部状態と定義する。
ここで、隠れ状態とは、環境情報のように直接観測することができないが、時間変化していると仮定されるものを示す。例えば、植物が現在「栄養生長」、「生殖生長」のどちらの状態にあるかという情報は、植物を何らかの計測手段を用いて計測できる情報ではないが、栽培に際して重要であるため、仮想的に定義されているものである。
環境情報xの各々の要素に対し、少なくとも1つの対応する内部状態があるとする。つまり、時刻tにおける内部状態をaと表すと、以下のように定義されるものとする。
Figure 2018007630
Figure 2018007630
Figure 2018007630
内部状態は、時刻が更新された際、1ステップ前の内部状態から一定の手続きにより更新されるとする。つまり、内部状態は、以下のような関数rを用いて更新される。
Figure 2018007630
この内部状態を用いて、ストレス値Sが次の式で表されるとする。
Figure 2018007630
ストレス値、および内部状態の表現は、確率分布などでも良い。その場合は、分布の表記を用いることとする。内部状態の推定方法としては、例えば、内部状態フィルタを用いた方法がある。フィルタは、1ステップ前の時点において、関数rを用いて現在のステップの内部状態を予測し、関数sを用いて観測値の推定値を計算する。その後、現在のステップで実際に得られる観測値の実測値に基づき、現在のステップの内部状態を修正する。つまり、ストレスの予測値をS、実測値をS、内部状態の予測値をa、修正後の内部状態をaとすると、一般には、状態フィルタは以下のような関数となる。
Figure 2018007630
このようなフィルタを用いることにより、過去のストレス情報及び環境情報と、隠れ状態を持つモデルとを用いた内部状態の推定が可能になる。
図5及び図6は、ある一日における、過去のストレス情報、制御情報、複数の環境情報(環境情報1及び環境情報2)から植物PLの内部状態を推定した結果を示すグラフである。このうち図5は、ストレス情報(ストレスの計測値)、制御情報(栽培制御値)の変化を示し、図6は、内部状態の推定結果として、制御に対する感度、環境情報1、2に対する感度の変化を示す。
図7及び図8は、別の一日における、過去のストレス情報、制御情報、複数の環境情報(環境情報1及び環境情報2)から植物PLの内部状態を推定した結果を示すグラフである。このうち図7は、ストレス情報(ストレスの計測値)、制御情報(栽培制御値)の変化を示し、図8は、内部状態の推定結果として、制御に対する感度、環境情報1、2に対する感度の変化を示す。
このように、過去のストレス情報及び環境情報と隠れ状態を持つモデルとを用いて内部状態を推定することにより、予備実験等により内部状態の推定に必要な情報を予め用意する必要がない。また、目的変数及び説明変数に欠損値が存在しても内部状態を推定することができるため、取得した情報に欠損がある場合でも意図した収量、品質により近い栽培制御が可能である。
次に、栽培支援装置の他の一例(実施例3)について説明する。なお、実施例3において、実施例1と共通する部分については、説明を省略する場合がある。実施例3では、植物の内部状態として、生育モデルに含まれる項目を用いた場合の栽培の制御内容を決定する。生育モデルに含まれる項目に基づいて栽培の制御内容を決定することによって、目的とする結果を得るために必要なストレスを与えることができる。
ここでは、生育モデルが、1つ以上の項目の関数で表されるとする。生育モデルの項目は、例えば、状態変数などであり、ストレスによって変化するものと考える。ストレスによって変化しうる生育モデルの項目を集めたものをaと置き、生育モデルの出力をGと表すと、以下のような関係となる。
Figure 2018007630
Figure 2018007630
Figure 2018007630
aには、生育モデルの項目の一部もしくは全てが含まれるとする。生育モデルの関数gには、aの他に入力があっても良い。ストレスの変化から、内部状態aの変化を推定する。
この条件の下で、ステップS1201で取得したストレス情報及び環境情報から植物の内部状態を推定する(ステップS1202)。本例では、ステップS1202において、生育モデルに含まれる項目の変化を内部状態として推定する。推定する方法としては、例えば、回帰式を用いて推定することができる。ストレスを説明変数、内部状態を目的変数とした以下のような関数fを、予備実験等によって予め導出しておき、同時刻に取得したストレス情報を当てはめる。
Figure 2018007630
Figure 2018007630
なお、ストレス情報に加えて、環境情報や、前の時刻に推定した内部状態などを説明変数として用いても良い。説明変数における「S,・・・」の表記は、Sを説明変数として用いることは必須であるが、他に環境情報等を用いても良いことを表す。この場合、説明変数に欠損があると、回帰式への代入ができない。そのため、取得した情報の欠損を予め補っておくこと、直前の時刻の値を代わりに用いることなどが好ましい。
ストレス情報、環境情報、植物の内部状態推定結果から生育モデルを用いて生育状況を推定する(ステップS1203)。ステップS1203では、ステップS1202で内部状態として推定した生育モデルに含まれる項目を、生育モデルの関数gに当てはめることにより、生育状況を推定する。
そして、得られた生育状況推定結果から栽培制御内容を判断し(ステップS1204)、栽培制御が必要と判断された場合は(ステップS1205)、栽培制御内容を通知ないし制御信号として送信する(ステップS1206)。
実施例3の形態によれば、ストレスを考慮した生育モデルのずれを、モデルの構造に自然に組み込むことができるため、生育モデルのずれを高い精度で推定することができる。そのため、意図する収量、品質を得るための栽培制御をより的確に行うことができる。
また、実施例3の変形例1として、生育モデルとして既存の生育モデルを用い、植物の内部状態として、該生育モデルに含まれる状態変数及びパラメータを用いて栽培の制御内容を決定することができる。
実施例3の変形例1では、具体的な生育モデルとして、既存の生育モデルである「TOMGRO」(JONES J W (Univ. Florida, Gainesville)、DAYAN E (ARO, Hanegev)、ALLEN L H (ARS, USDA, FL)、Trans ASAE (Am Soc Agric Eng)第34巻第2号663〜672頁、1991年3月発行)を用いる。「TOMGRO」は、アメリカ合衆国で開発された、主にトマトの収量を予測するための生育モデルである。
「TOMGRO」では、入力として、気温、気中のCO濃度、光量が用いられる。「TOMGRO」の内部には、複数の状態変数があり、ステップごとに更新され、更新される値を用いて収量予測値が計算される。「TOMGRO」の場合、入力も状態変数の一部として扱う。また、複数のパラメータがあり、これらのパラメータは、通常の場合、栽培期間を通じて一定の値に設定されている。
本実施例においては、「TOMGRO」に含まれる状態変数及びパラメータのうち、ストレスによって影響を受けるものを植物の内部状態と定義し、ストレスの計測値から内部状態を推定する。
ストレスによって影響を受けるものとしては、例えば、TOMGROの状態変数及びパラメータのうち、気温(状態変数)、各部分への光合成生産物の分配量のバランスを決める定数(パラメータ)が挙げられるが、これらに限定されない。これらのデフォルトの値は、ストレスを考慮しない値となっているため、ストレス情報を用いて更新するのが好ましい。更新する方法としては、例えば、回帰、隠れ状態をもつモデルを用いることができるが、この方法に限定されない。
実施例3の変形例1の形態によれば、既存の生育モデルを用いて、トマトなどの植物の生育状況を、ストレスを考慮して推定することができる。すなわち、既存の生育モデルを用いる場合でも、ストレスを考慮した栽培制御ができるため、意図した収穫結果に近い収穫結果が得られる。
さらに、実施例3の変形例2として、実施例3の内部状態の推定に隠れ状態を持つモデルを用いてもよい。実施例3では、内部状態の推定に、予め明らかにしておいたaとSの関係式を用いたが、実施例3の変形例2では、過去のストレス値、過去のaの値と、隠れ状態を持つモデルを用いることでも、内部状態を推定することができる。
実施例3の変形例2では、まず、各々のa(j∈M)に対し、少なくとも1つの対応する内部状態があるとする。つまり、時刻tにおける内部状態をaと表すと、以下のように定義されるものとする。
Figure 2018007630
Figure 2018007630
Figure 2018007630
内部状態は、時刻が更新された際、1ステップ前の内部状態から一定の手続きにより更新されるとする。つまり、以下のような関数rを用いて更新される。
Figure 2018007630
この内部状態を用いて、ストレス値Sが次の式で表されるとする。
Figure 2018007630
ストレス値、および内部状態は、確率分布などで表現しても良い。その場合は、分布の表記を用いるのが好ましい。内部状態の推定方法としては、例えば、内部状態フィルタを用いた方法を用いることができる。フィルタは、1ステップ前の時点において、関数rを用いて現在のステップの内部状態を予測し、関数sを用いて観測値の推定値を計算する。
その後、現在のステップで実際に得られる観測値の実測値に基づき、現在のステップの内部状態を修正する。すなわち、ストレスの予測値をS、実測値をS、内部状態の予測値をa、修正後の内部状態をaとすると、一般には、状態フィルタは以下のような関数となる。
Figure 2018007630
このようなフィルタを用いて、植物の内部状態を推定することができる。実施例3の変形例2のように、隠れ状態を持つモデルにより内部状態を推定する場合、上述のように過去のストレス情報及び環境情報を用いることができるため、予備実験等により内部状態の推定に必要な情報を予め用意する必要がない。
また、隠れ状態を持つモデルによる推定の場合、目的変数及び説明変数に欠損値が存在しても、内部状態を推定することができるため、取得した情報に欠損がある場合でも意図した収量、品質により近い栽培制御が可能である。なお、隠れ状態を用いる手段としては、この他にも、例えば機械学習などがあるが、これ以外の方法で内部状態を推定しても良く、特に手段は限定されない。
栽培支援装置のさらに他の一例(実施例4)として、栽培制御内容の決定、生育モデルの出力以外の指標を用いる方法について説明する。なお、実施例4において、実施例1と共通する部分については、説明を省略する場合がある。実施例4では、栽培制御内容を決定する際に、生育モデルの出力以外の指標を用いる。
図4のステップS1201〜S1204で生育状況推定結果から栽培制御内容を判断する際に、実施例1では、達成したい収穫結果Hとして、生育モデルの出力をそのまま用いて、生育シミュレーションのずれを小さくするように制御内容が決定される。これに対して、実施例4では、生育モデルの出力以外の指標を用いることができる。
達成したい収穫結果Hとしては、例えば、生育モデルに含まれない収穫量、品質、収穫日など植物に関する指標の他、施設の消費電力、人件費をはじめとするコストや、利益といった運用に関する指標などがある。このとき、収穫結果Hは、以下のように、生育モデルの出力であるGや、ストレス情報、環境情報、制御項目の記録などの関数で表されているのが好ましい。
Figure 2018007630
これらの説明変数の全てを用いても良いが、一部のみを用いてHを表しても良く、また、これ以外の項目を説明変数として用いても良い。
実施例4の形態によれば、栽培制御内容の決定に、生育モデルの出力だけでなく、その他の指標を用いることができるため、意図する収量、品質により近い栽培制御をさらに高い精度で行うことができる。
また、本実施形態のさらに他の一例(実施例5)では、ストレス情報として水ストレスを用いた場合の栽培制御について説明する。なお、実施例5において、実施例1と共通する部分については、説明を省略する場合がある。
実施例5では、ストレス情報として、水ストレスを用いて栽培の制御内容を決定することができる。水ストレスとは、水分ストレス、乾燥ストレスともいい、植物に水分が不足することによってかかるストレスである。植物に水ストレスがかかる要因は様々である。例えば、与えられる水の量が少ないこと、水の電気伝導度が高いこと(塩ストレスとも呼ばれる)、根域が制限されたために根からの吸水量が減少することなどが挙げられる。
本例では、図4のステップS1201でストレス情報及び環境情報を取得する際に、ストレス情報取得センサとして、例えば、以下のような装置を用いることができる。
・植物の生体情報として水分ストレスを計測する装置
・土壌や大気の状態、与えられる水の組成などを計測することによって間接的に植物の水分ストレスを計測する装置
・カメラを用いた画像処理等により間接的に植物の水分ストレスを計測する装置(図1参照)
水ストレスは、これらの装置等を用いることにより、他のストレス情報に比べて取得し易いストレス情報である。そのため、実施例5のように、ストレス情報として水ストレスを用いることにより、意図する収量、品質に近い収穫結果が得られる栽培制御を容易に行うことができる。さらに、水は植物の栽培にとって最も重要な要素であるため、水ストレスをストレス情報として用いることにより、効率の良い栽培制御が可能である。
また、本発明の栽培支援方法は、上述の栽培支援装置の一例(植物栽培支援装置100)を用いて実行することができる(図1〜図4)。
具体的には、植物の栽培を支援する栽培支援方法として、栽培対象のストレス情報を計測するステップ(図4のステップS1201)、栽培対象の環境情報を計測するステップ(図4のステップS1202)、ストレス情報、環境情報から、栽培対象の内部状態を推定するステップ(図4のステップS1203)、内部状態の推定結果に基づいて、前記栽培対象の生育状況を推定するステップ(図4のステップS1204)、生育状況の推定結果に基づいて、栽培対象の栽培内容を制御するステップ(図4のステップS1205〜S1207)を実行する(実施例1参照)。
これにより、栽培対象の植物のストレス及び周辺の環境の情報から、ストレスを考慮した生育状況を推定し、推定した生育状況に基づいて、栽培の制御内容を決定することで、栽培制御を適切に行うことができる。そのため、意図する高収量や高品質の作物を、安定かつ容易に生産することが可能となる。したがって、この栽培支援方法を用いることにより、意図する収量、品質に近い収穫結果を得るための栽培制御が可能となる。
また、栽培対象の内部状態を推定するステップでは、環境情報に対する栽培対象の感度を栽培対象の内部状態として推定することができる(実施例2参照)。これにより、植物の環境に対する感度を用いて栽培の制御内容が決定されるため、植物に対して適切なストレスを与えることが可能となり、意図する収量・品質により近い収穫結果を得ることができる。また、予備実験及び簡単なデータの解析によって栽培対象の内部状態を推定することができるため、栽培対象の制御が容易である。
また、栽培対象の内部状態を推定するステップでは、隠れ状態を持つモデルを用いて内部状態を推定することができる(実施例2の変形例および実施例3の変形例2参照)。これにより、上述のように過去のストレス情報及び環境情報を用いることができるため、予備実験等により内部状態の推定に必要な情報を予め用意する必要がない。また、隠れ状態を持つモデルによる推定の場合、目的変数及び説明変数に欠損値が存在しても、内部状態を推定することができるため、取得した情報に欠損がある場合でも意図した収量、品質により近い栽培制御が可能である。
さらに、栽培対象の内部状態を推定するステップでは、制御対象の内部状態が状態変数またはパラメータで表されている(実施例3の変形例1参照)。これにより、状態変数及びパラメータのうち、ストレスによって影響を受けるものを植物の内部状態と推定することで、既存の生育モデルを用いて、トマトなどの植物の生育状況を、ストレスを考慮して推定することができる。すなわち、既存の生育モデルを用いる場合でも、ストレスを考慮した栽培制御ができるため、意図した収穫結果に近い収穫結果を得ることができる。
なお、上記の栽培支援方法は、本発明の栽培支援方法の一例である。本例では栽培支援方法の実行に上述の栽培支援装置の一例を用いたが、本発明の栽培支援方法はこの栽培支援装置を用いた場合に限定されるのではなく、種々の形態で実行することができる。また、本発明の栽培支援方法の一例は、コンピュータ(植物栽培支援装置100のコンピュータ110等)にプログラムを読み取らせることにより実行することができる。
このようなプログラムは、任意のプログラム提供手段(記録媒体、伝送手段など)により適宜提供することができる。このプログラムは、本発明の栽培支援プログラムの一例である。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
100 植物栽培支援装置
110 コンピュータ
116 内部状態推定部
117 生育シミュレーション部
118 栽培制御部
120 センサ部
121 ストレス情報取得センサ
122 環境情報取得センサ
PL 植物
特開2007−306846号公報 特開2012−55207号公報

Claims (10)

  1. 植物の栽培を支援する栽培支援装置であって、
    栽培対象のストレス情報を計測するストレス情報計測部と、
    前記栽培対象の環境情報を計測する環境情報計測部と、
    前記ストレス情報、前記環境情報から、前記栽培対象の内部状態を推定する状態推定部と、
    前記内部状態の推定結果に基づいて、前記栽培対象の生育状況を推定する生育状況推定部と、
    前記生育状況の推定結果に基づいて、前記栽培対象の栽培内容を制御する制御部とを有することを特徴とする栽培支援装置。
  2. 前記栽培対象の内部状態が前記環境情報に対する前記栽培対象の感度である請求項1に記載の栽培支援装置。
  3. 前記状態推定部は、隠れ状態を持つモデルを用いて前記内部状態を推定する請求項1または2に記載の栽培支援装置。
  4. 前記栽培対象の内部状態が状態変数またはパラメータで表される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の栽培支援装置。
  5. 前記ストレス情報が、水ストレスの情報である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の栽培支援装置。
  6. 植物の栽培を支援する栽培支援方法であって、
    栽培対象のストレス情報を計測するステップと、
    前記栽培対象の環境情報を計測するステップと、
    前記ストレス情報、前記環境情報から、前記栽培対象の内部状態を推定するステップと、
    前記内部状態の推定結果に基づいて、前記栽培対象の生育状況を推定するステップと、
    前記生育状況の推定結果に基づいて、前記栽培対象の栽培内容を制御するステップとを有することを特徴とする栽培支援方法。
  7. 前記栽培対象の内部状態を推定するステップでは、前記環境情報に対する前記栽培対象の感度を前記内部状態として推定される請求項6に記載の栽培支援方法。
  8. 前記栽培対象の内部状態を推定するステップでは、隠れ状態を持つモデルを用いて前記内部状態が推定される請求項6または7に記載の栽培支援方法。
  9. 前記栽培対象の内部状態を推定するステップでは、前記内部状態が状態変数またはパラメータで表される請求項6乃至8のいずれか1項に記載の栽培支援方法。
  10. 請求項6乃至9のいずれか1項に記載の栽培支援方法をコンピュータに実行させるための栽培支援プログラム。
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