JP2018006943A - 車両周辺監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の周辺の撮像画像を運転支援のための画像として充分に鮮明にすること。【解決手段】実施形態の車両周辺監視装置は、車両の周辺を撮像する撮像部から出力される周辺画像を取得する周辺画像取得部と、周辺画像の一部の領域に輪郭強調のフィルタ処理を実行するフィルタ処理部と、フィルタ処理が実行された周辺画像を表示部に表示する表示制御部と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、車両周辺監視装置に関する。
従来、車両の運転支援の技術として、車両に搭載されたカメラ等の撮像装置で車両の周辺を撮像し、その撮像結果である撮像画像データを表示することで運転支援を行う技術が提案されている。
しかしながら、従来技術では、車両の周辺の撮像画像データは、拡大や歪み補正等の処理を経てから表示されるため、凹凸がわかりにくい等、運転支援のための画像として充分に鮮明とは言えず、改善が望まれている。
本発明の実施形態にかかる車両周辺監視装置は、例えば、車両の周辺を撮像する撮像部から出力される周辺画像を取得する周辺画像取得部と、前記周辺画像の一部の領域に輪郭強調のフィルタ処理を実行するフィルタ処理部と、前記フィルタ処理が実行された周辺画像を表示部に表示する表示制御部と、を備える。この構成によれば、例えば、周辺画像の一部の領域に輪郭強調のフィルタ処理を実行することで、凹凸がわかりやすくなる等、運転支援のための画像として充分に鮮明な周辺画像を実現することができる。
また、例えば、前記車両の舵角を取得する舵角取得部をさらに備え、前記フィルタ処理部は、前記周辺画像の一部の領域として、前記舵角に基づいた前記車両の各車輪の予測進路に対して、前記フィルタ処理を実行するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、周辺画像における車両の各車輪の予測進路の凹凸がわかりやすくなるので、運転者は進路を適切に決めることができる。
また、例えば、前記周辺画像の一部の領域は、前記車両の側方を表す側方画像を含んでおり、前記フィルタ処理部は、前記舵角が所定値以上の場合、前記側方画像における、前記舵角に基づいた前記車両の各車輪の予測進路に対して、前記フィルタ処理を実行するようにしてもよい。この構成によれば、車両の舵角が所定値以上の場合に、進行方向画像よりも予測進路を大きく表すことのできる側方画像において、予測進路の凹凸がわかりやすくなるので、運転者は進路を適切に決めることができる。
また、例えば、前記周辺画像は、第1の領域と、前記第1の領域よりも前記車両から離れた場所に対応する第2の領域と、を含んでおり、前記フィルタ処理部は、前記第1の領域に対して、前記第2の領域よりも強い輪郭強調のフィルタ処理を実行するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、周辺画像において、自車両に近い部分を表す領域ほど凹凸がわかりやすくなるので、遠近感(奥行き感)が強くなり、運転者がより運転しやすくなる。
また、例えば、前記撮像部は、ステレオカメラであり、前記フィルタ処理部は、前記ステレオカメラの視差に基づいて、前記周辺画像に対して、前記車両からの距離が近い部分を表す領域ほど、強い輪郭強調のフィルタ処理を実行するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、ステレオカメラの視差を利用することで、周辺画像において、自車両からの実際の距離に応じて、自車両に近い部分を表す領域ほど凹凸がわかりやすくなるので、遠近感(奥行き感)が強くなり、運転者がより運転しやすくなる。
以下、本実施形態の車両周辺監視装置を車両1に搭載した例について説明する。本実施形態では、車両1は、例えば、内燃機関(エンジン、不図示)を駆動源とする自動車(内燃機関自動車)であってもよいし、電動機(モータ、不図示)を駆動源とする自動車(電気自動車、燃料電池自動車等)であってもよい。また、それらの双方を駆動源とする自動車(ハイブリッド自動車)であってもよい。また、車両1は、種々の変速装置を搭載してもよいし、内燃機関や電動機を駆動するのに必要な種々の装置(システム、部品等)を搭載してもよい。また、車両1における車輪3の駆動に関わる装置の方式や、数、レイアウト等は、種々に設定することができる。
図1は、本実施形態にかかる車両周辺監視装置を搭載する車両1の車室2aの一部が透視された状態の一例が示された斜視図である。図1に示されるように、本実施形態にかかる車体2は、乗員(不図示)が乗車する車室2aを備えている。車室2a内には、乗員としての運転者の座席2bに臨む状態で、操舵部4、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等が設けられている。本実施形態では、例えば、操舵部4は、ダッシュボード(インストルメントパネル)から突出したステアリングホイールである。また、加速操作部5は、運転者の足下に配置されたアクセルペダルである。また、制動操作部6は、運転者の足下に配置されたブレーキペダルである。また、変速操作部7は、センターコンソールから突出したシフトレバーである。ただし、これらに限定されない。
また、車室2a内には、表示装置8や、音声出力装置9が設けられている。表示装置8は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、OELD(Organic Electro-Luminescent Display)等である。音声出力装置9は、例えば、スピーカである。また、本実施形態では、例えば、表示装置8は、透明な操作入力部10(例えば、タッチパネル等)で覆われている。乗員等は、操作入力部10を介して表示装置8の表示画面に表示される映像(画像)を視認することができる。また、乗員等は、表示装置8の表示画面に表示される映像(画像)に対応した位置において手指等で操作入力部10を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力(指示入力)を実行することができる。また、本実施形態では、例えば、表示装置8、音声出力装置9、操作入力部10等は、ダッシュボードの車幅方向(左右方向)の中央部に配置されたモニタ装置11に設けられている。モニタ装置11は、スイッチ、ダイヤル、ジョイスティック、押しボタン等の操作入力部(不図示)を有していてもよい。また、モニタ装置11とは異なる車室2a内の他の位置に音声出力装置(不図示)を設けてもよい。また、モニタ装置11の音声出力装置9と他の音声出力装置の両方から音声を出力してもよい。また、本実施形態では、例えば、モニタ装置11は、ナビゲーションシステムやオーディオシステムと兼用されているが、車両周辺監視装置用のモニタ装置を、これらシステムとは別に設けてもよい。
ここで、図2は、本実施形態にかかる車両周辺監視装置を搭載する車両1の一例が示された平面図(俯瞰図)である。図1、図2に示されるように、本実施形態では、例えば、車両1は、四輪車(四輪自動車)であり、左右二つの前輪3F(3)と、左右二つの後輪3R(3)とを有する。そして、例えば、前輪3Fのタイヤ角が操舵部4(ステアリングホイール)の操作に対応して変化(転舵)する。
ここで、図3は、本実施形態にかかる車両周辺監視装置の一例が示されたブロック図である。操舵システム12は、例えば、電動パワーステアリングシステムや、SBW(Steer By Wire)システム等である。操舵システム12は、アクチュエータ12aによって操舵部4にトルク(アシストトルク)を付加して操舵力を補って、前輪3Fを操舵する。
また、本実施形態では、例えば、図2に示されるように、車両1(車体2)には、複数(本実施形態では、例えば4つ)の撮像部16(16a〜16d)が設けられている。撮像部16は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。撮像部16は、所定のフレームレートで撮像画像データ(動画データ、フレームデータ)を出力することができる。撮像部16は、それぞれ、広角レンズを有し、水平方向には例えば140°〜220°の範囲(視野角)を撮影(撮像)することができる。また、撮像部16は、路面を含む周辺の環境を撮像することができる方向に向けて設置されている。
本実施形態では、例えば、撮像部16aは、車体2の前側の端部2c(平面視での端部)に配置され、フロントグリル等に設けられている。また、撮像部16bは、車体2の左側の端部2dに配置され、左側のドアミラー2gに設けられている。また、撮像部16cは、車体2の後側の端部2eに配置され、リアトランクのドア2hの下方の壁部に設けられている。また、撮像部16dは、車体2の右側の端部2fに配置され、右側のドアミラー2gに設けられている。なお、本実施形態は、撮像部16の車載方法を制限するものではなく、撮像部16は、車両1に対してフロント方向の撮像画像データ、左右サイド方向の撮像画像データ、リア方向の撮像画像データを取得できるように設置されればよい。
また、図3に示すように、ECU14(Electronic Control Unit)は、複数の撮像部16で得られた撮像画像データに基づいて演算処理や画像処理を実行し、当該画像処理がなされた撮像画像データを表示装置8に表示させる。
また、周辺監視システム100(車両周辺監視装置)では、ECU14、モニタ装置11等の他、ブレーキシステム18、舵角センサ19、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22、加速度センサ26等が、車内ネットワーク23(電気通信回線)を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク23は、例えば、CAN(Controller Area Network)として構成されている。ECU14は、車内ネットワーク23を通じて制御信号を送ることで、ブレーキシステム18、操舵システム12等を制御することができる。また、ECU14は、車内ネットワーク23を介して、トルクセンサ12b、ブレーキセンサ18b、舵角センサ19、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22、加速度センサ26等の検出結果を受け取ることができる。また、ECU14は、操作入力部10等の指示信号(制御信号、操作信号、入力信号、データ)を受け取ることができる。
ECU14は、例えば、CPU14a(Central Processing Unit)、ROM14b(Read Only Memory)、RAM14c(Random Access Memory)、表示制御部14d、音声制御部14e、SSD14f(Solid State Drive、フラッシュメモリ)等を有している。CPU14aは、例えば、表示装置8で表示される画像に関連した画像処理や、車両1の移動経路の演算、物体との干渉の有無の判断等の各種の演算処理を実行する。CPU14aは、ROM14b等の不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って演算処理を実行する。
RAM14cは、CPU14aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、表示制御部14dは、ECU14での演算処理のうち、主として、撮像部16で得られた撮像画像データを用いた画像処理や、表示装置8で表示される撮像画像データの画像処理(例えば合成等)等を実行する。また、音声制御部14eは、ECU14での演算処理のうち、主として、音声出力装置9で出力される音声データの処理を実行する。また、SSD14fは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ECU14の電源がオフされた場合であってもデータを記憶することができる。なお、CPU14a、ROM14b、RAM14c等は、同一パッケージ内に集積可能である。また、ECU14は、CPU14aに替えて、DSP(Digital Signal Processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等によって実現してもよい。また、SSD14fに替えてHDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよいし、SSD14fやHDDは、ECU14とは別に設けられてもよい。
ここで、図4は、本実施形態にかかる車両周辺監視装置のECU14内に実現される各構成を示すブロック図である。図4に示されるように、CPU14aは、ROM14b等の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、それを実行することで実現される各種モジュールを備える。CPU14aは、本実施形態における表示制御に関連するモジュールとして、例えば、周辺画像取得部27、舵角取得部28、進路算出部30、指標取得部32、フィルタ処理部33等を備える。
周辺画像取得部27は、撮像部16から出力される撮像画像データ(周辺画像)を取得する。舵角取得部28は、車内ネットワーク23を介して供給される舵角センサ19の検出結果(車両1の舵角(操舵角))を取得する。進路算出部30は、舵角取得部28から提供された操舵角に基づいて、車両1の各車輪3の予測進路を算出する。
指標取得部32は、舵角取得部28から提供された操舵角に基づき、SSD14f等の記憶装置に記憶されている車両1の外形情報を示す指標を読み出す。車両1の外形情報を示す指標とは、例えば、車両1の車幅を示す情報や、車輪3の接地位置を示す情報、車両前方の距離を示す情報等である。指標の具体的な説明は後述する。
フィルタ処理部33は、周辺画像の一部の領域に輪郭強調のフィルタ処理を実行する。フィルタ処理部33は、例えば、周辺画像における各車輪3の予測進路(その周囲を含んでもよい。以下同様。)に対して、輪郭強調のフィルタ処理を実行する。なお、輪郭強調のフィルタ処理の計算例(nは係数)は、次の通りである。ただし、輪郭強調のフィルタ処理の計算手法は、この計算例に限定されない。
ここで、周辺画像は、車両1の進行方向を表す進行方向画像(例えば、図6の前方画像領域50の画像)と、車両1の側方を表す側方画像(例えば、図6の右側方画像領域48a、左側方画像領域48bの画像)を含んでいる。例えば、舵角が所定値以上の場合、フィルタ処理部33は、進行方向画像、側方画像の両方について、車輪3の予測進路に対して輪郭強調のフィルタ処理を実行する。
また、フィルタ処理部33は、周辺画像において、第1の領域に対して、第1の領域よりも車両1から離れた場所に対応する第2の領域よりも強い輪郭強調のフィルタ処理を実行するようにしてもよい(図7を用いて後述)。
また、撮像部16は、ステレオカメラにより実現してもよい。その場合、フィルタ処理部33は、そのステレオカメラの視差に基づいて、周辺画像に対して、車両1からの距離が近い部分を表す領域ほど、強い輪郭強調のフィルタ処理を実行するようにしてもよい。
表示制御部14dは、フィルタ処理部33による輪郭強調のフィルタ処理が実行された周辺画像を表示部(表示装置8等)に表示する(図9を用いて後述)。
なお、CPU14a内に実現される各モジュールは、上述したように機能ごとに個別に構成されてもよいし、複数の機能をまとめて一つのモジュールで実現してもよい。逆に機能をさらに細分化して実現してもよい。
次に、図5を用いて、後輪幅軌跡(予測進路)の算出手順の一例を説明する。図5は、本実施形態にかかる車両周辺監視装置における後輪幅軌跡を算出する場合の算出例の説明図である。運転者が操舵部4(ステアリングホイール)を操作して前輪3Fの操舵角を変更した場合、前輪3Fの向き3Faと直交する方向と、後輪3Rを支持する後輪車軸38の延長方向との交点が車両1の旋回中心G1となる。つまり、車両1が前輪3Fの操舵角にしたがって旋回する場合、後輪車軸38の中心点38aはこの旋回中心G1を中心とする円弧に沿って移動する。また、後輪3Rも旋回中心G1を中心とする円弧に沿って移動する。この原理にしたがって、進路算出部30は、前輪3Fの操舵角に基づいて後輪3Rの後輪幅軌跡36を算出することができる。
また、進路算出部30は、車両1の前輪3Fの前輪幅軌跡(予測進路)を算出することもできる。そして、表示制御部14dは、車両1の前方画像を撮像する撮像部16aから出力された前方撮像画像データに前輪幅軌跡を重畳表示することができる。前輪幅軌跡は、例えば、舵角取得部28から提供される操舵角に基づいて、前輪3Fの向いている方向を示す指標として表示することができる。なお、前輪幅軌跡の表示長さは、重畳する前方画像上で例えば5mに相当する長さのように所定値としてもよいし、利用者が操作入力部10を用いて適宜設定できるようにしてもよい。
なお、後輪3Rの向きは常に車両前後方向を向いているため、前輪3Fが操舵されて車両1が旋回する場合、前輪3Fの操舵角が小さい場合、後輪幅軌跡36の旋回内側へのせり出し量は少なく、車両1の側部とほぼ重なり、認識し難い状態となる。また、車両1の側部から僅かにせり出した後輪幅軌跡36は車両1の側部輪郭線との区別がし難くなるという煩わしさを利用者に与えてしまう場合もある。そこで、表示制御部14dは、後輪車軸38から提供される車両1の操舵角が所定値以上になった場合に、車両1の撮像部16b(撮像部16d)から提供された側方撮像画像データに後輪幅軌跡36を重畳表示する。つまり、前輪3Fの操舵角がある程度大きくなり、後輪3Rの予測進路の表示の必要性が高まった場合に表示するようにしている。後輪幅軌跡36の表示を開始する操舵角の所定値として、例えば、操舵角=270°とすることができる。この場合、後輪幅軌跡36は車両1の側部輪郭線から充分に離間して表示されるため、後輪3Rの予測進路の把握が容易になる。また、後輪幅軌跡36が車両1の側部輪郭線と区別がし難くなるという煩わしさを利用者に与えてしまうことも抑制できる。
なお、操舵角=270°未満の場合、後輪3Rはほぼ前輪3Fと同じ進路を通過すると考えられる。前述したように、表示制御部14dは前輪3Fの前輪幅軌跡を前方画像上に重畳表示することができる。したがって、利用者は、操舵角が所定値未満で、後輪幅軌跡36が表示されない場合でも前輪幅軌跡を確認することにより後輪3Rの予測進路を推測することができる。なお、進路算出部30は、操舵角が所定値未満の場合に後輪幅軌跡36の算出を行わなくてもよいし、操舵角が所定値未満の場合でも算出してもよい。所定値未満の場合に後輪幅軌跡36の算出を行わない場合、CPU14aの処理負荷を軽減することができる。逆に、常時算出する場合は、操舵角が所定値以上になった場合に迅速に重畳表示を実行することができる。なお、後輪幅軌跡36の表示を開始する操舵角が270°というのは一例であり、操作入力部10等を介して利用者が当該操舵角を適宜設定変更できるようにしてもよい。
また、操舵角が所定値未満で後輪幅軌跡36が表示されない場合、表示制御部14dは、車両1の外形情報を示す指標を撮像部16b(撮像部16d)が撮像した側方撮像画像データに重畳表示するようにしてもよい。車両1の外形情報を示す指標とは、前述したように、例えば、車両1の車幅を示す情報や、車輪3の接地位置を示す情報、車両前方の距離を示す情報等である。車両1の車幅を示す情報は、例えば、車幅を示す車幅線40aや当該車幅線40aから例えば0.35m車幅外方向にオフセットした車幅オフセット線40b等である。車幅線40aや車幅オフセット線40b等を表示することにより、車両1と周辺の関係、例えば接触の有無や間隔の是非を利用者に把握させやすくすることができる。また、車輪3の接地位置を示す接地線42(図6参照)は、例えば車幅オフセット線40b上に表示され、車両1の車幅と車輪3の接地位置との対応付けがし易いように表示される。また、車両前方の距離を示す間隔線44は、車両1の前方の端部2cを基準に例えば、一定間隔で複数本表示され、車両1の前方距離感覚を理解し易くしている。なお、間隔線44の一部は、側方画面上に表示されてもよい。これらの指標は、車両1に対して固定の線であるため、常時表示していても利用者に煩わしさや違和感を与えにくい。
車幅線40a、車幅オフセット線40b、接地線42、間隔線44等の指標は、後輪幅軌跡36が表示されない場合、つまり操舵角が所定値未満の場合に、後輪幅軌跡36に代えて表示するようにしてもよい。また、操舵角が所定値以上になり、後輪幅軌跡36が表示された後も後輪車軸38と併せて表示するようにしてもよい。指標と後輪幅軌跡36を選択的にいずれか一方を表示する場合、それぞれの表示を際立たせることが可能になり、利用者に認識させやすくすることができる。一方、後輪幅軌跡36が表示された後も指標を表示する場合、後輪3Rの予測進路と車両1の外形との関係を理解させやすくなるという効果がある。
次に、本実施形態の第1の画像例について説明する。図6(a)は、本実施形態にかかる車両周辺監視装置において輪郭強調のフィルタ処理を実行する前の画像例を示す図である。図6(b)は、車両1の各車輪3の予測進路に対して輪郭強調のフィルタ処理を実行した後の画像例を示す図である。
図6(a)(b)は、操舵角が所定値未満の場合の画像例である。図6(a)では、後輪幅軌跡36は表示されず、右側方画像領域48a及び左側方画像領域48bには、車両1の外形情報を示す指標である車幅オフセット線40b、接地線42、間隔線44等が重畳表示されている。また、前方画像領域50には、前輪幅軌跡52a、52bと共に車幅オフセット線40bや間隔線44が重畳表示されている。また、右側方画像領域48aと左側方画像領域48bとに挟まれた中央下部には、車両1の姿勢を示す姿勢シンボル54を表示する姿勢シンボル表示領域54aが割り当てられている。
図6(a)の前方画像領域50の表示によれば、前輪幅軌跡52a、52bが表示されている。しかし、前方画像領域50の画像全体が拡大や歪み補正等の処理を経てから表示されているため、前輪幅軌跡52a、52bの部分についても、路面や路面上の物体の凹凸がわかりにくい等、運転支援のための画像として充分に鮮明とは言えない。
そこで、図6(a)の前方画像領域50について、前輪幅軌跡52aとその周囲を含む領域60aと、前輪幅軌跡52bとその周囲を含む領域60bとに対して、フィルタ処理部33による輪郭強調のフィルタ処理を実行したものが、図6(b)である。このようにして、図6(b)の前方画像領域50によれば、周辺画像における予測進路(領域60a、60b)の凹凸がわかりやすくなるので、運転者は進路を適切に決めることができる。なお、図6(b)において、領域60a、60bは、おおよその領域を示すものであり、これに限定されない。例えば、周囲の幅は任意に設定可能である。
次に、本実施形態の第2の画像例について説明する。図7(a)は、図6(a)と同様の図である。図7(b)は、自車両(車両1)に近い部分ほど強い輪郭強調のフィルタ処理を実行した後の画像例を示す図である。
図7(a)の前方画像領域50の表示によれば、画像全体が拡大や歪み補正等の処理を経てから表示されているため、全体的に路面や路面上の物体の凹凸がわかりにくくて遠近感(奥行き感)が弱く、運転支援のための画像として充分に鮮明とは言えない。
そこで、図7(a)の前方画像領域50について、フィルタ処理部33によって次のフィルタ処理を行って、図7(b)の前方画像領域50とする。すなわち、車両1(自車両)に一番近い第1の領域61に対して、一番強い輪郭強調のフィルタ処理を行う。また、車両1(自車両)に次に近い第2の領域62に対して、第1の領域61よりも弱い輪郭強調のフィルタ処理を行う。また、車両1(自車両)に次に近い第3の領域63に対して、第2の領域62よりも弱い輪郭強調のフィルタ処理を行う。その他の領域に対しては、輪郭強調のフィルタ処理を行わないものとしてもよいし、また、第3の領域63よりも弱い輪郭強調のフィルタ処理を行ってもよい。
このようにして、図7(b)の前方画像領域50によれば、周辺画像において、車両1(自車両)に近い部分を表す領域ほど凹凸がわかりやすくなるので、遠近感(奥行き感)が強くなり、運転者がより運転しやすくなる。なお、図7(b)において、領域61、62、63は、おおよその領域を示すものであり、これに限定されない。例えば、領域の幅等は任意に設定可能である。
次に、本実施形態の第3の画像例について説明する。図8(a)は、本実施形態にかかる車両周辺監視装置において輪郭強調のフィルタ処理を実行する前の画像例を示す図である。図8(b)は、進行方向画像と側方画像の両方において、車両1の各車輪3の予測進路に対して輪郭強調のフィルタ処理を実行した後の画像例を示す図である。
図8(a)(b)は、操舵角が所定値以上の場合の画像例である。まず、図8(a)について、主に図6(a)との相違点を説明し、共通点の説明を適宜省略する。図8(a)では、表示装置8の表示領域の右の上端から下端までに右側方画像領域48aが割り当てられ、表示領域の左の上端から下端までに左側方画像領域48bが割り当てられている。これは、右側方画像領域48a及び左側方画像領域48bに、前輪3F及び後輪3R(一部)を表示するためである。そして、右側方画像領域48aには、後輪3Rから伸びる後輪幅軌跡36と、前輪3Fから伸びる前輪幅軌跡36aとが重畳表示されている。後輪幅軌跡36と前輪幅軌跡36aは、車輪から伸びている軌跡なので、運転者にとって予測進路であると認識しやすい。
また、右側方画像領域48aと左側方画像領域48bとに挟まれた中央上部には、前方画像領域50が割り当てられている。そして、前方画像領域50には、前輪幅軌跡52a、52bと共に車幅オフセット線40bが重畳表示されている。
図8(a)の右側方画像領域48aの表示によれば、後輪幅軌跡36と、前輪幅軌跡36aとが重畳表示されている。しかし、右側方画像領域48aの画像全体が拡大や歪み補正等の処理を経てから表示されているため、後輪幅軌跡36と前輪幅軌跡36aの部分についても、路面や路面上の物体の凹凸がわかりにくい等、運転支援のための画像として充分に鮮明とは言えない。
そこで、図8(a)の右側方画像領域48aについて、後輪幅軌跡36とその周囲を含む領域65と、前輪幅軌跡36aとその周囲を含む領域64とに対して、フィルタ処理部33による輪郭強調のフィルタ処理を実行したものが、図8(b)である。このようにして、図8(b)の前方画像領域50によれば、車両1の舵角が所定値以上の場合に、進行方向画像(前方画像領域50の画像)よりも予測進路を大きく表すことのできる側方画像(右側方画像領域48aの画像)において、予測進路(領域64、65)の凹凸がわかりやすくなるので、運転者は進路を適切に決めることができる。なお、図8(b)において、領域64、65は、おおよその領域を示すものであり、これに限定されない。例えば、周囲の幅は任意に設定可能である。また、図8(a)(b)において、前輪幅軌跡36aや領域64を表示しなくてもよい。
このように構成される周辺監視システム100の画像処理の手順の一例を図9のフローチャートを用いて説明する。図9は、本実施形態にかかる車両周辺監視装置の画像処理の手順を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートに示す処理は、前方画像領域50、右側方画像領域48a、左側方画像領域48bを表示する場合に、所定周期で繰り返し実行されるものとする。また、各撮像部16、舵角センサ19等は、所定の制御周期で継続的に検出データをECU14に提供しているものとする。
まず、右側方画像領域48a、左側方画像領域48b、前方画像領域50を含む表示装置8の表示が要求された場合、ECU14の周辺画像取得部27は、車両1の周囲の撮像画像データを取得する(S100)。続いて、舵角取得部28は、舵角センサ19の検出データに基づいて、現在の操舵角を取得する(S102)。また、指標取得部32は、SSD14fから現在の操舵角に対応して表示すべき指標を読み出し(取得し)、表示制御部14dに提供する(S104)。そして、表示制御部14dは、前方画像領域50に前方画像、右側方画像領域48aに右側方画像、左側方画像領域48bに左側方画像を表示させると共に(S106)、各表示領域に指標情報を重畳表示させる(S108)。
また、進路算出部30は、舵角取得部28から提供される操舵角に基づいて前輪幅軌跡52a、52bを算出して(S110)、表示制御部14dは、算出された前輪幅軌跡52a、52bを前方画像領域50に重畳表示する(S112)。
さらに、進路算出部30は、舵角取得部28から提供される操舵角が所定値以上、例えば270°以上の場合(S114のYes)、操舵角に基づいて、後輪幅軌跡36を算出する(S116)。そして、表示制御部14dは、算出された後輪幅軌跡36を側方画像(右側方画像領域48a、左側方画像領域48bの画像)に重畳表示する(S118)。
S114の処理において、舵角取得部28から提供される操舵角が所定値未満、例えば270°未満の場合(No)、S120に進む。
S120において、フィルタ処理部33は、所定領域に対して輪郭強調のフィルタ処理を実行する。所定領域とは、例えば、図6(b)における領域60a、60b、図7(b)における領域61、62、63、図8(b)における領域60a、60b、64、65である。
なお、S118の処理で後輪幅軌跡36を重畳表示する場合、S108の処理で重畳表示した指標情報を非表示としてもよい。このように、状況に応じて利用者に注目させたい表示内容を際立たせて表示させることにより、車両1の周辺の状況をより適切に利用者に認識させやすくすることができる。
また、S120の処理では、画像における前輪幅軌跡52a、52b、車幅オフセット線40b、間隔線44等を示す線については輪郭強調のフィルタ処理を実行しなくてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…車両、3…車輪、3F…前輪、3R…後輪、8…表示装置、14…ECU、14a…CPU、14b…ROM、14c…RAM、14d…表示制御部、14f…SSD、16,16a,16b,16c,16d…撮像部、27…周辺画像取得部、28…舵角取得部、30…進路算出部、32…指標取得部、33…フィルタ処理部、48a…右側方画像領域、48b…左側方画像領域、50…前方画像領域、100…周辺監視システム。
Claims (5)
- 車両の周辺を撮像する撮像部から出力される周辺画像を取得する周辺画像取得部と、
前記周辺画像の一部の領域に輪郭強調のフィルタ処理を実行するフィルタ処理部と、
前記フィルタ処理が実行された周辺画像を表示部に表示する表示制御部と、
を備える車両周辺監視装置。 - 前記車両の舵角を取得する舵角取得部をさらに備え、
前記フィルタ処理部は、前記周辺画像の一部の領域として、前記舵角に基づいた前記車両の各車輪の予測進路に対して、前記フィルタ処理を実行する、請求項1に記載の車両周辺監視装置。 - 前記周辺画像は、前記車両の側方を表す側方画像を含んでおり、
前記フィルタ処理部は、前記舵角が所定値以上の場合、前記側方画像における、前記舵角に基づいた前記車両の各車輪の予測進路に対して、前記フィルタ処理を実行する、請求項2に記載の車両周辺監視装置。 - 前記周辺画像の一部の領域は、第1の領域と、前記第1の領域よりも前記車両から離れた場所に対応する第2の領域と、を含んでおり、
前記フィルタ処理部は、前記第1の領域に対して、前記第2の領域よりも強い輪郭強調のフィルタ処理を実行する、請求項1に記載の車両周辺監視装置。 - 前記撮像部は、ステレオカメラであり、
前記フィルタ処理部は、前記ステレオカメラの視差に基づいて、前記周辺画像に対して、前記車両からの距離が近い部分を表す領域ほど、強い輪郭強調のフィルタ処理を実行する、請求項1に記載の車両周辺監視装置。
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JP7490127B2 (ja) | 2020-03-13 | 2024-05-24 | 株式会社小松製作所 | モータグレーダおよび表示制御方法 |
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JP2003274393A (ja) * | 2002-03-12 | 2003-09-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 車両周辺監視装置 |
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-
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- 2016-06-30 JP JP2016129661A patent/JP2018006943A/ja active Pending
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