JP2018006258A - 鉛蓄電池用セパレータ、及びこれを用いた鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の成層化を抑制し、高出力、高耐久性、かつ低抵抗であり、さらにサイクル寿命を長くする鉛蓄電池用不織布セパレータ及び鉛蓄電池の提供。【解決手段】優れたイオン透過性、保液性、電気絶縁性及び化学的安定性を有するセパレータ、及び該セパレータからなる高出力で、高耐久性があり、かつ低抵抗であり、さらにサイクル寿命を長くする鉛蓄電池。又、電池としての加工適正に優れ、不織布マットを有することによる安定かつ高歩留まり・低コストな製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、鉛蓄電池用セパレータ、及びこれを用いた鉛蓄電池に関する。
現在、二次電池の中で、世界で最も多く生産されている鉛蓄電池は、エンジン始動等の自動車をはじめ、ゴルフカート、船舶、航空機等の特殊車両も含めた車載用途、また、フォークリフト、耕作機械、鉄道、潜水艦等の動力用、無停電電源装置(UPS)、通信機器等の据置用として用いられる産業用途にて広く利用されている。
近年は市場ニーズの多様化に伴い、電池の高出力、高耐久性、長寿命などの高機能化を図った鉛蓄電池が開発されている。
特に、電池性能の長寿命化は、部分充電状態(PSOC:Partial State of Charge)で繰り返し充放電を行うアイドリングストップ用途、又は極端に深い充電深度を伴うDC(Deep Cycle)用途で要求されている。
電池性能の長寿命化に関連して、長時間使用時に電池性能が低下する要因として成層化現象が挙げられる。
成層化とは電池セル内の電解液である硫酸が上下層で濃度差を生じることであり、この状態が続くと、充放電挙動の中で電極表面上の反応に偏りが生じ、硫酸鉛の密な結晶ができる。これは表面の抵抗が増大し、電極反応そのものが阻害されてしまい、電池性能の劣化に繋がる。通常電極反応により発生した比重が大きい高濃度の硫酸イオンが電極表面上より排出された後沈降し成層化現象が生じるが、自動車エンジン始動等で使用されていた従来の鉛蓄電池では、過充電状態での電極反応により電極表面からガスが発生するため、そのバブリング効果で電解液が拡散され、成層化現象が解消し、重要な問題にはならなかった。一方で、部分充電状態での使用が求められるアイドリングストップ用途又はDC用途では、過充電状態での反応を伴わないため、ガスによる電解液が拡散されず、上下層での濃度差が解消されない。硫酸濃度の高い下層の電極付近では、硫酸鉛が析出し、寿命性能が低下してしまう。
成層化を解消する手段として、各種セパレータが考案されている。
特許文献1では、ガラス、パルプ及びポリオレフィンからなる材料群から選択された少なくとも1つの材料の繊維で構成された不織布、好ましくはガラス繊維、パルプ及び無機酸化物粉末を主成分とする混抄不織布をセパレータとして用いることで、部分充電状態で負荷への放電が行なわれる液式の鉛蓄電池において、PSOC下で、電池が満充電になることがないため、ガス発生による電解液の撹拌が行なわれがたい場合にも、電解液の成層化を抑制して寿命性能を向上させることを報告している。しかしながら、ガラス繊維を用いているため、従来用いられてきたポリオレフィン系にくらべ、素材硬度の違いから、スリット工程で刃の摩耗が激しく、安定生産できない。また、ガラス繊維、パルプ及び無機酸化物粉末を主成分とする混抄不織布では、分散液上に均一に浮遊するそれぞれの材料が一気にウェブ化するため、連続的な有機繊維層と無機粒子層のような高度な層構造を得ることはできない。さらに、セパレータ内の空隙部分が無機粒子であるシリカですべて充填されてしまうため、イオン透過性が阻害されてしまい、セパレータ間の電気抵抗が高くなり、高出力な電池設計ができない。
特許文献2では、基材である疎水性樹脂と、前記疎水性樹脂の表面に設けた多孔質の親水性被覆層とで構成されているセパレータを用いることで、鉛蓄電池の充電の際に生じる成層化を抑制するとともに、電池の性能を維持し、かつ、鉛蓄電池の製造を容易にすることを報告している。しかしながら、織物や繊維径10〜20μmのポリオレフィン基材を使用しており、同繊維径で構成された不織布構造では、親水被膜層が繊維状に塗布されていても数十nmであるため、不織布の孔径分布が広く、セパレータとして最も重要なショート(短絡)が発生してしまい、電池本来の性能を満足させることができない。また、空隙率も90〜98%としており、不織布基材の上にコート剤を塗布したときに、剤が裏抜けしてしまい、安定的な生産ができない。
特許文献3では、空隙率、平均流量孔径を特定した不織布基材と、粒径が高度に制御された無機粒子を含むセパレータを用いることで、高レートでの放電容量を維持しつつ、短絡抑制可能であり、安定した充放電挙動を示すリチウムイオン二次電池を得ることを報告している。しかしながら、無機粒子の役割として、短絡抑制が挙げられており、本セパレータに要求されるような、鉛蓄電池の成層化抑制に効果的な硫酸イオンの拡散・保持の効果については全く記載がない。
国際公開第2012/157311号 特開2014−194911号公報 国際公開第2014/046094号
上述の問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、電池の成層化を抑制し、高出力、高耐久性、かつ低抵抗であり、かつサイクル寿命を長くする鉛蓄電池用不織布セパレータ及び鉛蓄電池を提供することである。
本願発明者らは、鋭意検討し実験を重ねた結果、以下の構成により上記課題を解決することができることを予想外に見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]空隙構造を有する不織布基材と、前記基材の表面部分、あるいは基材内部の繊維表面に存在する無機粒子と、を含むセパレータであって、前記基材は有機繊維から構成されているセパレータ。
[2]前記セパレータの透気度が、0.01〜20secである、[1]に記載のセパレータ。
[3]前記セパレータの平均孔径が、0.1〜100μmである、[1]又は[2]に記載のセパレータ。
[4]前記セパレータの接触角が、0〜100度である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[5]前記セパレータの厚みが、10〜5000μmである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[6]前記セパレータの引張強度が、5〜300N/15mmである、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[7]前記セパレータに含まれる無機粒子が、ケイ素成分を含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[8]前記セパレータに含まれる無機粒子の平均粒径が1nm〜5000nmである、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[9]前記セパレータに含まれる無機粒子の比表面積が0.1〜1000m/gである、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[10]前記セパレータが、前記不織布基材の内部に存在するバインダーを、前記無機粒子100質量部に対して、1〜500質量部含む、[1]〜[9]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[11]前記セパレータの不織布基材が、連続長繊維から構成されている、[1]〜[10]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[12]前記セパレータの不織布基材が、ポリエステル繊維から構成されている、[1]〜[11]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[13]前記セパレータの不織布基材が、ポリオレフィン繊維から構成されている、[1]〜[11]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[14]前記セパレータの不織布基材の空隙率が35〜95%である、[1]〜[13]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[15]前記セパレータの不織布基材の平均孔径が、0.1〜200μmである、[1]〜[14]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[16]前記セパレータの不織布基材が、繊維径0.1〜5μmを有する極細繊維を含む、[1]〜[15]に記載のセパレータ。
[17]前記セパレータの不織布基材が、該極細繊維で構成される不織布層(I層)と、繊維径5μm〜30μmを有する繊維で構成されている不織布層(II層)とを含む少なくとも2層で構成されている、[1]〜[16]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[18]前記セパレータの不織布基材が、該II層と該II層の中間層として該I層を配置した3層で構成されている、[1]〜[17]に記載のセパレータ。
[19]前記セパレータの不織布基材が、熱的結合により一体化された不織布である、[1]〜[18]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[20]前記セパレータが熱シール可能である、[1]〜[19]のいずれか一項に記載のセパレータ。
[21][1]〜[20]のいずれか一項に記載のセパレータの製造方法であって、無機粒子を分散媒に分散させてスラリーを調製する工程と、基材に前記スラリーを塗工文は含浸してスラリー含有基材を作製する工程と、前記スラリー含有基材を乾燥する工程と、を含む前記方法。
[22]前記極細繊維を用いてメルトブロウン法で該I層を形成する工程を含む、[16]に記載のセパレータの製造方法。
[23][1]〜[20]のいずれか一項に記載のセパレータと微多孔膜を積層させた、前記セパレータ。
[24][1]〜[20]のいずれか一項に記載のセパレータとガラス繊維から成る不織布とを積層させた、前記セパラータ。
[25]正極及び負極、並びにそれらの間に配置された[1]〜[20]、[23]及び[24]のいずれか一項に記載のセパレータを含む極板群と、電解液と、を含む液式鉛蓄電池。
[26]正極及び負極、並びにそれらの間に配置された請求項[1]〜[20]、[23]及び[24]のいずれか一項に記載のセパレータを含む極板群と、電解液と、を含む制御弁式鉛蓄電池。
本発明で得られるセパレータは、最適な素材と高度に制御された構造を有しているため、優れたイオン透過性、保液性、電気絶縁性及び化学的安定性を有する。また、本発明の鉛蓄電池は、電池としての加工適正も優れており、本発明の実施形態で使用される不織布マットを有することにより、安定した生産工程で、且つ歩留まりがよく、低コストで生産できる。さらに、本発明の鉛蓄電池は、高出力、高耐久性、かつ低抵抗であり、さらにサイクル寿命を長くする。なお、上述の記載は、本発明の全ての実施形態及び本発明に関する全ての利点を開示したものではない。
以下、本発明の代表的な実施形態を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
(セパレータ)
本実施形態のセパレータは、空隙構造を有する不織布基材と、その基材の表面部分、あるいは基材内部の繊維表面に存在する無機粒子と、を含む。無機粒子は、不織布の外表面、あるいは基材の表面部分、あるいは基材内部の繊維表面に連続的に無機粒子が存在する層として、また非連続的なバルク(塊)を形成していてもよい。
本実施形態のセパレータの透気度は、0.01〜20sec/100ccにあることが好ましい。透気度が20sec/100cc以下であれば、イオン伝導度を阻害することなく、低抵抗を維持することが可能である。透気度が0.01sec/100cc以上であれば、セパレータとして致命的な短絡を抑制できる。その意味でセパレータの透気度は、より好ましくは0.05〜18sec/100cc、さらに好ましくは0.1〜15sec/100ccの範囲である。
本実施形態のセパレータの平均孔径は、0.1〜100μmであることが好ましい。平均孔径が0.1μより大きければ、電極間のイオン電導性を阻害することなく、電極を隔離できる。また、平均孔径が100μmより小さいと、内部短絡が発生し、電池としての特性も失う。その意味で、セパレータの平均孔径は、より好ましくは0.3〜90μmであり、さらに好ましくは0.5μm〜80μmである。
本実施形態のセパレータ接触角が、0〜100度であることが好ましい。接触角が0度〜100度であれば、電極間のイオン透過性が阻害されることなく、内部抵抗が低いまま維持できる。また、セパレータ内の硫酸イオンが拡散しやすくなり、電解液である硫酸濃度均一化を達成できる。
本実施形態のセパレータの厚みが、10〜5000μmであることが好ましい。厚みが5000μmを超えると、電極間距離が大きくなり、電池の内部抵抗が高くなる。また、5000μmを超える厚みの場合、セル1枚当たりの厚みが大きくなるため、結果的に電池全体に搭載できるセル数が少なくなり、電池容量が小さくなる。厚みが10μm未満であると、電極反応中の活物質運動に耐えきれず、短絡が生じる。その意味でセパレータの厚みは、より好ましくは15〜4500μmであり、さらに好ましくは20〜4000μmである。
本実施形態のセパレータの引張強度はハンドリング性、不良率低減等の観点から、5〜300N/15mmであるであることが好ましい。引張強度が300N以下であればハンドリングもよく、袋状に加工することが可能である。引張強度が5N以上であれば、電極を挿入しても、破断することなく、袋状として保持することが可能となる。
(無機粒子)
本実施形態のセパレータは、例えば下記の無機粒子分散スラリーを原材料の1種として用いることで作製することができる。無機粒子分散スラリーは、無機粒子、分散媒、バインダーを含む。
スラリーに分散する無機粒子としては、特に限定されないが、非導電性であると好ましく、電気化学素子を構成する材料に対して化学的かつ電気化学的に安定であると好ましい。
そのような無機粒子としては、合成品及び天然産物のいずれでも、特に限定なく用いることができる。無機粒子としては、例えば、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、コランダム等のアルミナ、シリ力、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イツ卜リア、酸化亜鉛及び酸化鉄などの酸化物系セラミックス、窒化ケイ素、窒化チタン及び窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、タルク、合成力オリナイト、力オリンクレー、力オリナイト、フライボンタイト、スチブンサイト、ディ力イ卜、ナクライト、ハ口イサイト、パイ口フィライト、オーディナイト、モンモリ口ナイト、バイデライト、ノン卜口ナイト、ボルコンスコアイ卜、サポナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、ソーコナイト、スインホルダイ卜、バーミキュライト、フッ素バーミキュライト、バーチェリン、セリサイト、アメサイト、ケリアイ卜、フレイポナイト、プリンドリアイ卜、ベン卜ナイト、ゼオライト、黒雲母、金雲母、フッ素金雲母、鉄雲母、イース卜ナイト、テニオライト、シデ口フィライトテトラフェリ鉄雲母、鱗雲母、フッ素四ケイ素雲母、ポリリシオナイト、白雲母、セラドン石、鉄セラドン石、鉄アルミノセラドン石、アルミノセラドン石、砥部雲母、ソーダ雲母、クリンナイト、木下、ビテ雲母、アナンダ石、真珠雲母、クリノク口ア、シャモサイト、ペナンタイト、ニマイト、ベイリク口ア、ドンバサイト、クッケアサイト、スドーアイ卜、ハイドロタルサイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ藻土及びケイ砂等の、セラミックスが挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。電池の成層化抑制のためには、電解液中の硫酸イオンの均一化が必要である。硫酸イオンを均一化するためには、電池反応により電極表面上に排出される硫酸イオンを、電極表面と接するセパレータにより沈降抑制させる作用、あるいはセパレータを介した拡散作用が必要となる。そのようにさせるために、不織布基材上に存在する無機粒子の界面にて硫酸イオンを吸着・保持する目的で、アルミナやシリカなどの無機酸化物を使用することが好ましい。また、不織布基材上が同無機粒子により親水化されているため、硫酸イオンの拡散作用が期待できる。さらに、粒子サイズを細分化することが可能であり、かつその無数にある界面を使ってより優れた沈降抑制作用、拡散作用が期待できる目的で、シリカが好ましい。
無機粒子の平均粒径は、1〜5000nmが好ましい。スラリーにおける無機粒子の粒径を1nm以上にすることで、基材上に塗布された層において、バインダーと複合された中で無機粒子の界面が(塗布層の)表面に表れ、その界面により効果的に硫酸イオンの吸着、あるいは拡散を効果的作用する。また、粒径が5000nm以下では、シリカが繊維表面上にむき出しとなっている界面の数、面積が一定以上に維持され、硫酸の均一化効果が期待できる。その意味で、平均粒径はより好ましくは、2〜3000nm、さらに好ましくは5〜1000nmである。
上記スラリーにおける無機粒子の含有割合は、スラリーの粘度、塗工性及びスラリーの乾燥工程の短縮化の観点から、1〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜70質量%である。
無機粒子の比表面積が、0.1〜1000m/gであることが好ましい。無機粒子の比表面積を0.1m/gにすることで、不織布基材の表面に突出した粒子界面を有効活用することが可能となり、硫酸イオンの吸着、あるいは拡散を効果的に行うことができる。また、比表面積を1000m/gにすることで、硫酸イオンの吸着と脱着のバランスをとることができ、沈降抑制、及び電極表面への供給の双方が可能となる。
無機粒子の分散媒としては、無機粒子をより均ーかつ安定に分散できるものが好ましく、例えば、Nーメチルピ口リドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ卜アミド、水、エタノール、トルエン、熱キシレン、塩化メチレン及びヘキサンが挙げられる。これらの中では、環境保護の観点より水が好ましい。
また、本実施形態の無機粒子分散スラリーは、無機粒子同士を結着したり、無機粒子を不織布基材に固着したりする目的で、バインダーを含有することができる。バインダーの種類に特に限定はないが、電解液である硫酸に対して安定であり、かつ電気化学的に安定なものを用いることが好ましく、例えば、樹脂バインダーが好ましい。具体例としては、例えば、ポリエチレン及びポリプ口ピレン、ポリブテン及びそれらの共重合体等のポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂を塩素化文は酸変性した変性ポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオ口エチレン等の含フッ素樹脂;フッ化ビニリデン−ヘキサフルオ口フ口ピレン−テトラフルオ口エチレン共重合体及びエチレンーテトラフルオ口エチレン共重合体等の含フッ素ゴム; (メタ)アクリル酸−スチレンーブタジエン共重合体及びその水素化物アクリ口二トリルーブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリ口二トリルーブタジエンースチレン共重合体及びその水素化物、メタクリル酸エステルーアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリ口二トリル−アクリル酸エステル共重合体、エチレンプ口ピレンラバ一、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル等のゴム類;エチルセルロース、メチルセルロース、ヒド口キシエチルセルロース及び力ルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリフエニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフエニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド及びポリエステル等の融点及び/又はガラス転移温度が18℃以上の樹脂が挙げられる。これらの樹脂バインダーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、樹脂バインダーとして基材及び無機粒子との接着性の観点から、アクリル系バインダーがより好ましい。上記に限定されるものではなく、また、複数の種類のバインダーを組合せて用いても良い。
上記無機粒子分散スラリーにおけるバインダーの含有割合は、バインダーによる結着及び固着作用をより有効に発揮させる観点、から、無機粒子100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、4質量部以上であることがより好ましく、6質量部以上であることが更に好ましい。また、無機粒子の微小な界面を表面化させ、硫酸イオンの吸着、及び拡散作用を効果的にする観点、及び不織布基材特有の空隙部分を活かしイオン透過性を保持する観点から、バインダーの含有割合は、無機粒子100質量部に対して500質量部以下であることが好ましく、300質量部以下であることがより好ましい。
スラリーには、無機粒子の分散安定化及び塗工性の向上のために、界面活性剤等の分散剤;増粘剤;湿潤剤;消泡剤;防腐剤や殺菌剤;酸、アルカリを含むpH調製剤等の各種添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は、溶媒除去の際に除去できるものが好ましい。ただし、添加剤が、電気化学素子の使用範囲において電気化学的に安定で、電池反応を阻害しないものであれば、セバレータ内に残存してもよい。
界面活性剤等の分散剤としては、例えば、硫酸エステル型、リン酸エステル型、力ルボン酸型、スルホン酸型などのアニオン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩型、アミドアミン型などの力チオン系活性剤、アルキルベタイン型、アミドベタイン型、アミンオキサイド型などの両性界面活性剤、エーテル型、脂肪酸エステル型、アルキルグルコキシドなどの非イオン系界面活性剤、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリスルホン酸塩、ポリナフタレンスルホン酸塩、ポリアルキレンポリアミンアルキレンオキシド、ポリアルキレンポリイミンアルキレンオキシド、ポリビニルピ口リドン、セルロース型などの高分子型界面活性剤など、各種界面活性剤を用いることができる。フィラ一同士の凝集を防ぐ目的で、これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。分散剤は、上述のものと同様の効果が得られるものであれば、それらに限定されるものではない。
更に界面張力を制御する目的で、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ口ピルアルコール、エチレングリコール、プ口ピレングリコールなどのアルコール、モノメチルアセテー卜などのエーテルをスラリーに加えることができる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。界面張力を制御する上記添加剤は、同様の効果が得られるものであれば、それらに限定されるものではない。
増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ウレタン変性ポリエーテル、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ビニルメチルエーテルー無水マレイン酸共重合体などの合成高分子、力ルボメトキシセルロース、ヒド口キシエチルセルロース、ヒド口キシフ口ピルセルロースなどのセルロース誘導体、キサンタンガム、ダイユータンガム、ウェランガム、ジェランガム、グアーガム、力ラギーナンガムなどの天然多糖類、デキス卜リン、アルフア一化でんぷんなどのでんぷん類が挙げられる。増粘剤は、スラリーの粘度、ポットライフ及び粒度分布の観点から適宜選択される。これらは1種を単独で文は2種以上を組み合わせても用いられる。増粘剤は、上述のものと同様の効果が得られるものであれば、それらに限定されるものではない。
基材が不織布である場合にその不織布の繊維(例えば合成繊維)との濡れ性を向上させ、ピンホールを抑制する目的として、スラリーに湿潤剤を添加することができる。湿潤剤としては、例えば、スルホコハク酸型界面活性剤、脂肪族ポリエーテル型非イオン界面活性剤、ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤、変性シリコーン、変性ポリエーテル、ジメチルシ口キサンポリオキシアルキレン共重合体を用いることができる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。湿潤剤は、上述のものと同様の効果が得られるものであれば、それらに限定されるものではない。
消泡剤としては、例えば、ミネラルオイル系、シリコーン系、アクリル系、ポリエーテル系の各種消泡剤を用いることができる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。消泡剤は、上述のものと同様の効果が得られるものであれば、それらに限定されるものではない。
本実施形態においては、無機粒子を分散媒である溶媒に分散させてスラリーを調製することができる。無機粒子とバインダーとをスラリーの溶媒に溶解または分散させる方法については、スラリーを基材等に塗布する際に必要とされるスラリーの溶解文は分散特性を実現できる方法であれば特に限定はない。溶解または分散させる方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライタ一、ロールミル、高速インペラ一分散、ディスパーザー、ホモジナイザ一、超音波ホモジナイザ一、圧力式ホモジナイザ一、超高圧ホモジナイザ一、高速ホモジナイザー高速衝撃ミル、薄膜旋回型高速ミキサ一、超音波分散及び撹梓羽根等による機械撹梓が挙げられる。
(不織布基材)
本実施形態のセパレータは、無数の空隙構造を有する不織布基材を含む。不織布基材は、その内部に空間(気孔や空隙)を有する基材である。
本実施形態の不織布基材は、有機繊維で構成されている。有機繊維とは、天然繊維、及びこれを原料にして製造される再生繊維、また又は純合成的に有機高分子化合物を製造する合成繊維等が挙げられる。
天然繊維としては、特に限定されないが、植物繊維;綿、麻、マニラアサ、やし、いぐさ、動物繊維;ウール、羊毛、絹等が挙げられる。
再生繊維としては、特に限定はされないが、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、セルロースナノファイバー、セルロース系素材のアセテート、タンパク質系素材のプロミックス等が挙げられる。
合成繊維としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体;高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体等が挙げられる。ポリアミド系樹脂としては、ナイロン−6(Ny)、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等が挙げられる。これらの樹脂を使った単一系の素材(例えば、ポリエステル系)でもよく、2種類以上の樹脂を混合したブレンド樹脂を用いてもよい。
一般に、鉛蓄電池用セパレータとして、ガラス繊維で構成された不織布が使用される。このガラス繊維が含まれている不織布は、機械的強度(突き刺し強度等)の観点から貫通又は骨曲りに弱く、短絡を引き起こしてしまい、工程不良が多くなり、サイクル特性が低くなる。これに対して、有機繊維で構成された不織布は、優れた機械的強度を有している上、袋等への加工性、柔軟性に優れており、最適である。特に、電解液安定性の観点からから、合成繊維により構成された不織布基材が好ましい。合成繊維は膨潤等の挙動が少なく、電解液に濡れた状態で安定しているため、不織布の特有の多孔構造の保持が可能となる。そのため、無機粒子の土台となる不織布基材そのものが形状安定性を有するため、セパレータとして電解液上で形状安定性を有し、継時的な無機粒子による連続的界面の保持が可能となる。
本実施形態の不織布基材は、ポリエステル繊維から構成されていることが好ましい。ポリエステル繊維は、他の素材と比べて、延伸配向され易く、高い単糸強度を見出すことが可能である。そのため、ポリエステル繊維は、袋状、円筒状等で使用される鉛蓄電池のセパレータに用いることに非常に適している。また、ポリエステル繊維は、非常に高い酸性度を有する硫酸電解液に対し、化学的に安定であり、かつ濡れ性も悪くない。そのため、ポリエステル繊維で構成された不織布を含むセパレータは、長期間に亘って不織布特有の多孔構造を維持しながら高いイオン電導性を保持することが可能であり、鉛蓄電池の長寿命化又は低抵抗化が可能である。また、無機粒子を分散させたスラリーの塗工性もよく、容易かつ高度に制御されたセパレータを作製できる。その意味で、ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレートで形成された繊維がより好ましい。
本実施形態の不織布基材は、ポリオレフィン繊維から構成されていることも好ましい。ポリオレフィン繊維は、他の素材と比べて、各段に耐酸性が高く、硫酸中の化学的安定性が非常に高い。そのため、ポリオレフィン繊維から構成されたセパレータは、車載用鉛蓄電池等の比較的高温下で使用されても、分解反応を促進させることがほとんどなく、不織布として強度劣化が全く生じない。その点で、鉛蓄電池として、長期間セパレータ構造を維持できるため、長寿命化が可能である。その意味で、ポリオレフィン繊維としては、ポリプロピレン、及びポリエチレンがより好ましい。
本実施形態の不織布基材は、セルロース繊維から構成されていることも好ましい。吸水性に優れるセルロース繊維は、電解液との親和性がよく、電極界面での硫酸イオンの保持力に優れている。そのため、セルロース繊維から構成されたセパレータを含む電池内では、硫酸イオンが比重により沈降することを化学吸着性により抑制することが可能となり、系内の濃度は均一に保たれ、成層化が進行し難く、長寿命化が可能である。また、セルロース繊維から構成されたセパレータは、イオン透過性にも優れており、高容量な電池性能を見出すことができる。その意味で、セルロース繊維としては、キュプラ、レーヨン、アセテート、及びセルロースナノファイバーがより好ましい。
本実施形態の不織布基材は、連続長繊維より構成されていることが好ましい。本明細書中、連続長繊維とは、JIS−L0222で規定される繊維をいう。連続長繊維で構成された不織布基材は、繊維が連続的に繋がっているため、その表面上に連続した無機粒子の界面を配置させる際、非常に効果的である。これは、硫酸イオンの拡散性に影響を与え、連続した無機粒子が配置されているほど、硫酸均一効果は高くなる。さらに、不織布強度が高く、塗工工程でも張力に十分耐え、かつ電極を袋状、あるいは円筒状に包む鉛蓄電池セパレータとして最適である。一方、短繊維により構成された不織布は、繊維1本1本が連続しておらず単糸強度が低いため、強度が弱く、また、スリット等の加工工程で繊維が脱落するため、不良の原因となる。
本実施形態の不織布基材の空隙率は、35〜95%であることが好ましい。不織布の空隙率がこの範囲内であると、電解液の浸透性、イオン透過性、保液量、サイクル寿命、及び短絡防止の観点から好ましい。無機粒子を塗布した場合に、十分に空隙内に粒子を充填することができる。不織布の空隙率のより好ましい範囲としては40〜90%、さらに好ましくは45〜85%とすることができる。
本実施形態の不織布基材の平均孔径は、0.1〜200μmであることが好ましい。平均孔径が200μmより大きいと、大きな孔(繊維-繊維間隙により形成される孔)が存在しているため、無機粒子を塗工しても埋めることができず、ピンホールとなってしまい、セパレータとして致命的な短絡を誘発する。また、無機粒子を塗工する際に、裏抜けが顕著となり、連続生産の中で安定的にセパレータが製造できない。また、平均孔径が0.1μより小さいと、電極間のイオン電導性が低くなり、セパレータとしての抵抗が大きくなる。その意味で、不織布セパレータの平均孔径は、0.2〜150μmであることがより好ましく、0.5μm〜100μmであることがさらに好ましい。
本実施形態の不織布基材の厚みが10〜5000μm、かつ目付が5〜500g/mであることが好ましい。厚みが5000μmを超えると、電極間距離が大きくなり、抵抗が高くなる。また、セル1枚当たりの厚みが大きくなるため、結果的に電池全体に搭載できるセル数が少なくなり、容量が小さくなる。厚みが10μm未満であると、電極反応中の活物質運動に耐えきれず、短絡が生じる。また、目付が500g/m以下であれば、不織布全体の厚みを好ましい範囲に設定し易い。一方、目付が5g/m以上であれば、不織布により電極を袋状に保持する強度を有することが可能である。その意味で、目付は、7〜480g/mであることがより好ましく、10〜450g/mであることがさらに好ましい。
本実施形態の不織布基材は、繊維径0.1〜5μmを有する極細繊維を含む不織布で構成されていることが好ましい。繊維径5μm以下であれば、繊維間隙が大きくなり過ぎず、短絡を抑制できる。また、繊維表面積が一定以上確保されるため、その上に無機粒子が形成される場合、その界面数を格段に増やすことが可能となる。さらに、界面数を一定にする場合、繊維径が太い場合と比べ、不織布基材の目付量を減らすことが可能となり、セパレータの薄膜化を達成できる。電池設計上、多くのセルを組み入れることが可能となり、高容量、高出力化が可能となる。さらに、少ない無機粒子の塗布量で、不織布基材内の空隙部分を埋めるほど充填せずとも、界面数を稼ぐことが可能となり、セパレータとしての電気抵抗が格段に下がり、全体的なセパレータ製造コストも抑制できる。繊維径が0.1μ以上であれば、繊維間隙が小さくなり過ぎず、セパレータの電気抵抗が高くなることを抑制することが可能となる。その意味で、極細繊維の繊維径は、より好ましくは、0.15μm〜4.0μmであり、更に好ましくは、0.2μm〜3.0μmである。
本実施形態の不織布基材は、繊維径0.1〜5μmを有する極細繊維で構成される不織布層(I層)と、繊維径5〜30μmを有する繊維で構成されている不織布層(II層)とを含む少なくとも2層で構成されていることが好ましい。この場合、繊維径0.1〜5μmを有する極細繊維で構成された不織布層(I層)は機能層として、繊維径5〜30μmを有する繊維で構成された不織布層(II層)は強度層としての役割を担っている。不織布層(I層)と不織布層(II層)を組み合わせた2層の積層不織布により、それぞれの層を単独にセパレータとして使用した場合と比べ、より緻密でネットワーク状の不織布構造を形成でき、無機粒子を塗布したセパレータは、その界面を硫酸イオンが拡散することになるため、より均一、かつ早く拡散作用が働き、結果として、硫酸濃度均一化が常に達成できる。また、不織布層(II層)は、セパレータ内で多くの空隙体積、数を有するため、硫酸イオンの吸着空間が多数存在することができ、これもまた、成層化抑制効果に繋がる。さらに、上記で説明された少なくとも2つの層を有するセパレータは、強度層を有しているためセパレータ強度が高く、後加工がし易いだけでなく、不織布の生産性も非常に高くなる。その意味で、I層−II層の2層構造、I層−II層−I層の3層構造、II層−I層−II層の3層構造(すなわち、2つのII層の中間層としてI層が配置される3層構造)、I層−II層−II層−I層の4層構造が好ましい。
本発明形態において用いる各不織布層の製造方法は限定されない。しかし、不織布層(II層)の製法は、好ましくはスパンボンド法、乾式法、湿式法等である。不織布層(II層)のための繊維は、熱可塑性樹脂繊維等でよい。また、極細繊維で構成された不織布層(I層)の製法は、好ましくは極細繊維を用いた乾式法、湿式法等の製法、又はエレクトロスピニング法、メルトブロウン(Melt−Blown)法、フォーススピニング等を用いることができる。極細繊維で構成された不織布層を容易かつ緻密に形成できるという観点から、不織布層(I層)は、特に好ましくはメルトブロウン法で形成される。また、繊維は、叩解、部分溶解等により割繊又はフィブリル化を実現した上で不織布の製造のために用いてもよい。
極細繊維で構成される不織布層(I層)と熱可塑性樹脂繊維で構成される不織布層(II層)とを有する複数層を積層して積層不織布を形成する方法としては、例えば、熱的結合による一体化による方法、高速水流を噴射して三次元交絡させる方法、粒子状又は繊維状の接着剤により一体化させる方法等が挙げられる。中でも、熱的結合による一体化で積層不織布を形成することが好ましい。熱的結合による一体化の方法としては、熱エンボスによる一体化(熱エンボスロール方式)、及び高温の熱風による一体化(エアースルー方式)が挙げられる。熱的結合による一体化は、不織布の引張強度と曲げ柔軟性とを維持し、耐熱安定性を維持することが出来るという観点から好ましい。
熱的結合による一体化は、バインダーを用いることなく、複数の不織布層を有する積層不織布を形成できる点でも好ましい。繊維同士を一体化して積層不織布を形成する場合に、バインダーを用いると、そのバインダーが電解液中に溶出する。バインダーが電極反応に関与することなく電池性能に影響しなければ問題はないが、バインダーによっては電極反応に影響し、望まれる容量又は電圧が得られない場合があり、問題となる。またバインダーの不織布特有の孔構造が塞がれてしまうと、無機粒子の配置される表面積の低下が顕著となり、理想的な硫酸イオンの吸着、拡散の効果が得られず、成層化が進行するため、好ましくない。以上の理由で、熱のみにより一体化された、バインダーを用いない不織布が好ましい。さらに、積層不織布を形成する工程の合理性の観点からも、熱のみによる一体化は、よりコストを低減することができるため、好ましい。
熱的結合による一体化は、2層以上の不織布層を熱接着することにより実現できる。熱接着工程は、例えば、合成樹脂の融点よりも50〜120℃低い温度で、線圧100〜1000N/cmで、フラットロールを用いる接合により行うことができる。熱接着工程における線圧が100N/cm未満であると、十分な接着を得て十分な強度を発現することが難しい場合がある。また、線圧が1000N/cmを越えると、繊維の変形が大きくなり、見掛け密度が高くなって空隙率が低くなり、本発明による効果が得られ難くなる場合がある。
本実施形態に係る積層不織布を形成する最も好ましい方法は、スパンボンド不織布層と、メルトブロウン不織布層及び/又はスパンボンド不織布層とを順次製造し、これらを積層して、エンボスロール又は熱プレスロールで圧着する方法である。この方法は、同一素材で積層不織布を形成できること、及び連続一体化した生産ラインで生産できることから、低目付けで均一な不織布を得ることを目的とした場合に好ましい。具体的には、熱可塑性樹脂を用いて1層以上のスパンボンド不織布層をコンベア上に紡糸し、その上に熱可塑性樹脂を用いてメルトブロウン法で、繊維径0.1〜5μmの極細繊維不織布層を1層以上吹き付け、その後、熱可塑性樹脂を用いた、熱可塑性樹脂繊維で構成される不織布を1層以上積層し、次いで、エンボスロール又はフラットロールを用いてこれらの層を圧着することにより一体化する方法が好ましい。
上記の製造方法を用いると、熱可塑性樹脂繊維で構成される不織布層(II層)の上に、メルトブロウン法による極細繊維不織布層(I層)が直接吹き付けられるので、メルトブロウン法による極細繊維不織布層(I層)を、熱可塑性樹脂繊維で構成される不織布層(II層)内に侵入させることが出来る。このようにして、メルトブロウン法による極細繊維が熱可塑性樹脂繊維で構成される不織布層(II層)内に侵入して固定されることにより、積層不織布の構造自体の強度が向上するだけでなく、極細繊維不織布層(I層)の外力による移動が生じ難くなるので、熱可塑性樹脂繊維で構成される不織布層(II層)内の空隙を極細繊維層により均一化することが出来る。これにより、適度な繊維間距離の確保及び適度な孔径分布を有する積層不織布の形成が容易になる。即ち、上記の方法によれば、積層不織布において、I層の一部がII層にもぐり込みながら、かつ連続したI層を維持できるため、不織布の面内での、硫酸イオンの保持、又は電極表面への供給を含めたイオンのやり取りが円滑になる。
上記で説明された極細繊維を用いてメルトブロウン法でI層を形成する工程を含む不織布セパレータの製造方法も本発明の一態様である。不織布セパレータの製造方法は、I層の形成後に、I層とII層を、上記で説明された方法により一体化する工程を含んでもよい。
メルトブロウン法で形成される繊維(即ちメルトブロウン繊維)の結晶化度は、一般的なメルトブロウン紡糸条件で、5〜40%の範囲に調整することが可能である。なお、結晶化度は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)を用いた方法で評価できる。具体的には、積層不織布を形成するポリマーは、o−クロロフェノール(OCP)を溶媒として用いたときに、濃度0.01g/mL、温度35℃の恒温水槽中の粘度管を用いて測定した溶液粘度(ηsp/c)が、好ましくは0.2〜0.8、より好ましくは0.2〜0.6となるような樹脂を用いることにより、上記結晶化度を実現できる。本実施形態で用いる不織布においては、湿潤時の寸法安定性が高いことが好ましいという観点から、PET樹脂及びポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂から選択される樹脂を用いてメルトブロウン繊維を構成し、さらに、これらの樹脂の上記溶液粘度(ηsp/c)が0.2〜0.8であることが好ましい。メルトブロウン繊維の結晶化度は10〜40%であることがより好ましい。
本実施形態では、積層不織布がカレンダー加工されていることが好ましい。この場合、積層不織布に、より均一な構造を与えることができる。具体的には、前述の熱接着工程を用いて繊維を接合した後、カレンダー加工処理として、前記の熱接着温度より10℃以上高く且つ熱可塑性樹脂繊維の融点よりも10〜100℃低い温度で、線圧100〜1000N/cmでカレンダー処理する。上記のようなカレンダー加工により、積層不織布は良好な強度が得られ、見掛け密度を特に好ましい範囲(例えば本明細書の実施例の記載の範囲内)とすることができる。
カレンダー加工処理温度が、熱可塑性樹脂繊維の融点より低く且つその差が10℃未満である場合は、見掛け密度が高くなり過ぎる傾向があり、また、熱可塑性樹脂繊維の融点より低く且つその差が100℃を越える場合は、十分な強度が得られ難い上に、表面に毛羽立ちが生じて、表面平滑性が損なわれ、コンデンサ素子として均一な構造になり難い傾向がある。
カレンダー加工処理における線圧が100N/cm未満であると、十分な接着が得られ難く、十分な強度が発現され難い傾向がある。また、1000N/cmを超えると、繊維の変形が大きくなり、見掛け密度が高くなって、本発明による効果が得られ難くなる場合がある。
本実施形態の不織布セパレータは、親水加工された不織布であることが好ましい。不織布に親水化加工が施されていると、不織布の空隙部分に電解液である硫酸を保持させ易くなるため、硫酸の沈降現象を抑制することが可能となる。親水加工された不織布によって、イオン透過性及び電解液の保液性に優れた鉛蓄電池セパレータを提供することができ、好ましい。
親水化加工の方法としては、物理的な加工方法、例えば、コロナ処理又はプラズマ処理による親水化;化学的な加工方法、例えば表面官能基の導入、例えば、酸化処理等によりスルホン酸基、カルボン酸基等を導入すること;水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリスチレンスルホン酸、若しくはポリグルタミン酸、及び/又は界面活性剤、例えば、ノニオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、若しくは両イオン性界面活性剤等の処理剤による加工;を採用することができる。当業者であれば、電解液との親和性を考慮して、適切な親水化加工方法及び条件、例えば、処理剤の使用量及び官能基の導入量等を選択することができる。
本実施形態の不織布セパレータが熱的結合により一体化された不織布であることが好ましい。不織布層にある繊維同士をカレンダー加工によって熱接着することによって良好に不織布を形成できる。カレンダー加工としては、不織布層を熱ロールで圧着させる方法が挙げられ、この方法は連続一体化した生産ラインで実施できることから、低目付けで均一な不織布を得ることを目的とする場合に適している。熱接着工程は、例えば、熱可塑性樹脂の融点を基準として50℃〜120℃低い温度、及び線圧100〜1000N/cmで行うことができる。カレンダー加工における線圧が上記範囲であると、不織布の強度、繊維の変形の低減、見掛け密度の低減等の観点から好ましく、本実施形態の鉛蓄電池用不織布マットにおける高度に制御された細孔分布を達成し易くなる。カレンダー加工において使用する熱ロールは、エンボス又は梨地柄のような、表面に凹凸のあるロールであってもよく、又は平滑なフラットロールであってもよい。表面に凹凸のあるロールの表面柄については、エンボス柄、梨地柄、矩形柄、線柄等、繊維同士を熱により結合できるものであれば限定されない。
(その他)
本実施形態のセパレータは、熱シール可能であることが好ましい。袋状としてセパレータを加工する際に、熱シール性不織布を採用することで、密着性がよく、非常に高強度なシール性能を有することができる。熱シール性を付与する方法としては、限定されない。例えば、不織布の表面に、2成分の鞘芯糸を配置し、繊維表面を低融点素材にすることで、シール性能を付与することが可能である。
本実施形態のセパレータの製造方法としては、特に限定されない。具体的には、デイップ法、グラビア法、キス法、コンマ法、ダイ法、ナイフ法等が挙げられる。具体的には、セパレータ又は不織布基材を分散液に浸漬し、引き上げた後、余分な分散液をローラー等で加圧して除き、その後、熱硬化する。或いは、厚手の紙等に余分の分散液を吸収させる方法もある。しかし、量産を考えると、余分な分散液をすぐに除去できるローラー法が好適である。
本実施形態のセパレータは、単独でセパレータに使用してもよく、他の不織布又は微多孔膜と重ねあわせて併用してもよい。積層方法は特には限定されない。特に重ねあわせて使用する際は、本セパレータと微多孔膜、又は本セパレータとガラス繊維不織布、を積層させて使用することが好ましい。
本実施形態のセパレータと微多孔膜とを積層させた場合、単独の不織布に比べて、非常に緻密性及び孔径均一性が高い微多孔膜が電極間に配置されている構造になり、短絡が生じ難い。また、不織布セパレータと微多孔膜が積層されていることにより、電極界面に不織布基材に塗布された無数の無機粒子の界面が配置される構造になるため、硫酸イオンの沈降抑制、拡散作用により、結果的に濃度均一化が図られ、成層化現象が抑制され、長寿命化が可能となる。
また、本実施形態のセパレータとガラス繊維不織布を積層させた場合、ガラス繊維不織布は圧縮弾性に富んでいるため、膨潤・収縮を繰り返す電極箔に追従することが可能となり、効果的に本セパレータによる硫酸濃度均一化効果が得られる。
本実施形態の鉛蓄電池は、鉛電極−セパレータ−鉛電極で構成されており、電解液として硫酸を使用する。特に好ましい電池の形態は、液式、又は制御弁式である。具体的には、鉛蓄電池は、正極及び負極、並びにそれらの間に配置された本実施形態のセパレータを含む極板群と、電解液としての硫酸とを含む。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。以下、特記がない限り、不織布の長さ方向とはMD方向(マシン方向)であり、幅方向とは該長さ方向と垂直の方向である。
(1)目付け(g/m
JIS L−1906に規定の方法に従い、縦20cm×横25cmの試験片を、試料の幅方向1m当たり3箇所、長さ方向1m当たり3箇所の、計1m×1m当たり9箇所採取して質量を測定し、その平均値を単位面積当たりの質量に換算して目付けを求めた。
(2)厚み(mm)
JIS L−1906に規定の方法に従い、試験片の幅1m当たり10箇所の厚みを測定し、その平均値を求めた。荷重9.8kPaの条件下で厚みの測定を行った。
(3)見掛け密度(g/cm
上記(1)にて測定した目付け(g/m)、及び上記(2)にて測定した厚み(mm)を用い、単位を調整して以下の式:
見掛け密度=(目付け)/(厚み)
により見掛け密度を算出した。
(4)空隙率(%)
上記(3)にて計算した見掛け密度(g/cm)を用いて、以下の式:
空隙率={1−(見掛け密度)/(樹脂密度)}/100
より空隙率を算出した。
(5)繊維径(μm)
不織布を10cm×10cmにカットし、上下60℃の鉄板に0.30MPaの圧力で90秒間プレスした後、不織布を白金にて蒸着した。SEM装置(JSM−6510 日本電子株式会社製)を用いて、加速電圧15kV、ワーキングディスタンス21mmの条件で、蒸着された不織布を撮影した。撮影倍率は、平均繊維径が0.5μm未満の糸は10000倍、平均繊維径が0.5μm以上1.5μm未満の糸は6000倍、1.5μm以上の糸は4000倍とした。それぞれの撮影倍率での撮影視野は、10000倍では12.7μm×9.3μm、6000倍では21.1μm×15.9μm、4000倍では31.7μm×23.9μmとした。ランダムに繊維100本以上を撮影し、全ての繊維径を測長した。ただし、糸長方向で融着している繊維同士は測定対象から除いた。以下の式:
Dw=ΣWi・Di=Σ(Ni・Di)/(Ni・Di)
{式中、Wi=繊維径Diの重量分率=Ni・Di/ΣNi・Diである。}
により求められる重量平均繊維径(Dw)を、平均繊維径(μm)とした。
(6)開孔径分布(平均流量孔径及び最大孔径)
PMI社のパームポロメーター(型式:CFP−1200AEX)を用いた。測定には浸液にPMI社製のシルウィックを用い、試料を浸液に浸して充分に脱気した後、測定を行なった。
本測定装置は、フィルターを試料として、予め表面張力が既知の液体にフィルターを浸し、フィルターの全ての細孔を液体の膜で覆った状態からフィルターに圧力を掛け、液膜の破壊される圧力と液体の表面張力とから計算された細孔の孔径を測定する。計算には下記の数式を用いる。
d=C・r/P
(式中、d(単位:μm)はフィルターの孔径、r(単位:N/m)は液体の表面張力、P(単位:Pa)はその孔径の液膜が破壊される圧力、かつCは定数である。)
上記の数式より、液体に浸したフィルターに掛ける圧力Pを低圧から高圧に連続的に変化させた場合の流量(濡れ流量)を測定する。初期の圧力では、最も大きな細孔の液膜でも破壊されないので流量は0である。圧力を上げていくと、最も大きな細孔の液膜が破壊され、流量が発生する(バブルポイント)。さらに圧力を上げていくと、各圧力に応じて流量は増加する。最も小さな細孔の液膜が破壊されたときの圧力における流量が、乾いた状態の流量(乾き流量)と一致する。
本測定装置による測定方法では、或る圧力における濡れ流量を、同圧力での乾き流量で除した値を累積フィルター流量(単位:%)と呼ぶ。累積フィルター流量が50%となる圧力で破壊される液膜の孔径を、平均流量孔径と呼ぶ。この平均流量孔径を、本発明の積層不織布の平均孔径とした。
本発明の積層不織布の最大孔径は、不織布を上記フィルター試料として測定し、累積フィルター流量が50%の−2σの範囲、すなわち、累積フィルター流量が2.3%となる圧力で破壊される液膜の孔径とした。上記測定方法にて、各サンプルについて3点測定を行い、その平均値として平均流量孔径、及び最少孔径と最大孔径とを計算した。
(7)透気度(sec/100cc)
JIS−P8117(ガーレー試験機法)に基づき、透気度を測定した。
(8)引張強度(N/15mm)
試料(不織布)の各端部10cmを除き、幅3cm×長さ20cmの試験片を、1m幅につき5箇所切り取った。試験片が破断するまで荷重を加え、MD方向の試験片の最大荷重時の強さの平均値を求めた。
(9)無機粒子の平均粒径
スラリー中での無機粒子の平均粒径は、下記のようにして求められる。すなわち、作製したスラリーに蒸留水を加えて揖梓し、無機粒子の濃度を0.01質量%に調整した後、レーザ一式粒度分布測定装置(島津(株)製SALD−21 00)を用いて測定した体積基準での粒度分布を求め、その累積頻度から、平均粒径を求めた。
(10)無機粒子の比表面積
装置型式:Gemini2360 株式会社島津製作所製を用いた。無機粒子を60℃の条件下で30分間乾燥した後に、10分間冷却を行った。その後、上記の比表面積測定装置にセルをセットし、サンプル表面への窒素ガス吸着により、下記BETの下記式:
P/(V(P0−P))=1/(Vm×C)+((C-1)/(Vm×C))(P/P0)
{式中、P0:飽和水蒸気圧(Pa)、Vm:単分子層吸着量(mg/g)、C:吸着熱などに関するパラメーター(−)<0であり本関係式は、特にP/P0=0.05〜0.35の範囲で良く成り立つ。}を適用し、比表面積値を求めた。BET式とは、一定温度で吸着平衡状態である時、吸着平衡圧Pと、その圧力での吸着量Vの関係を表した式である。
(11)突き刺し強度(N)
試料(不織布)の各端部10cmを除き、幅1.5cm×長さ20cmの試験片を、1m幅につき5箇所切り取った。試験片に圧縮100kgセル、50m/minにて荷重を加え、冶具が貫通されるまでの荷重を突き刺し強度とした。
(12)体積抵抗(Ω/□)の測定
測定装置として、HIOKI製Dital Super Megohmmeter、及びHIOKI製平板試料用電極SME−8311を使用した。100mm×100mmの試験片(不織布)を準備し、電圧10V、及び測定時間60秒の測定条件下で、体積抵抗値(Ω/□)を測定した。
(13)インピーダンス測定
電解液とした硫酸40%水溶液に、直径40mmにサンプリングした不織布を浸漬させた後、減圧下で1時間脱気を行う。脱気後のサンプルを鉛電極(鉛、及び酸化鉛を直径20mmの円板形状にした鉛にペーストしたもの)の間に挿入し、12cNの荷重を電極間にかけ電極及び不織布を固定した。次にこの挿入に伴う増加した電極間の電気抵抗を不織布の電気抵抗とし、20℃、100kHzの周波数でLCRメータを用いて測定した(単位はΩ)。
<電池性能の測定方法>
(14)加工適性
正極板をセパレータに内包する際に、セパレータが目視で分かる程度に膨らんだ状態に歪んで変形したり、シールが上手くできていなかったりするものを不良品として、1000枚加工したときの不良品率を測定し、0.5%未満をA、0.5〜1%未満をB、1%〜5%をC、それ以上をDとして、加工適性の指標とした。
(15)初期特性、サイクル特性
正極板(酸化鉛)1枚の両側にセパレータを介して負極板(鉛)を電槽内に配置した後、電解液(比重1.28の希硫酸)を注いで、液式鉛蓄電池を作製した。作製した鉛蓄電池を、下記放電条件、充電条件にて充放電を繰り返し行った。
放電条件:10A(0.5CA)、下限電圧10.5V
充電条件(定電圧法):最大充電電流10A、最大充電圧14.7V
最大充電時間12時間
25℃の雰囲気下で電池に振動を加え、放電から充電までのサイクルを1サイクルとし、電極反応を開始した。その際、初期容量を測定し、短絡の有無を確認した。また、初期容量80%を下回った時点のサイクル数をサイクル特性とした。
(16)硫酸比重差
電槽内上部、下部から溶液を10mLずつ採取し、これらのサンプルの比重を測定し、上部と下部の比重の差を比重差とした。
[実施例1〜9、11〜16、19〜23]
熱可塑性樹脂繊維で構成される不織布層(II層)を形成した。具体的には、汎用的なPET(熱可塑性樹脂として)の溶液(o−クロロフェノール(OCP)を溶媒として用い、温度35℃で測定した溶液粘度:ηsp/c=0.67を有する)(溶液粘度は温度35℃の恒温水槽中の粘度管で測定した。以下同じ。)を用い、スパンボンド法により、紡糸温度300℃で、フィラメント群を、移動する捕集ネット面に向けて押し出し、紡糸速度4500m/分で紡糸した。次いで、コロナ帯電で3μC/g程度帯電させてフィラメント群を十分に開繊させ、熱可塑性樹脂長繊維ウェブを捕集ネット上に形成した。捕集したウェブ上に、極細繊維不織布層(I層)を積層させた。具体的には、PETの溶液(OCPを溶媒として用い、温度35℃で測定した溶液粘度:ηsp/c=0.50を有するもの)を用い、紡糸温度300℃、加熱空気1000Nm/hr/mの条件下で、メルトブロウン法により紡糸して、上記の熱可塑性樹脂長繊維ウェブ上に吹きつけた。この際、メルトブロウンノズルから熱可塑性樹脂長繊維ウェブまでの距離を100mmとし、メルトブロウンノズル直下の捕集面における吸引力を0.2kPa、風速を7m/secに設定した。繊維径及び結晶化度の調整は、加熱空気量を調整することにより行い、不織布層(II層)の上に、極細繊維で構成される不織布層(I層)から成るSM構造からなる不織布を得た。その後、得られたウェブ上に、さらに上記と同様のスパンボンド法により、ウェブを積層させ、最終的にSMS構造からなる不織布を作製した。最終的には、カレンダーロールにて一体化するとともに、所望の厚みとなるように厚み及び見掛け密度を調整することで、不織布基材を得た。
無機粒子スラリーは、以下の方法により得た。コロイダルシリカ(通称:シリカ/平均粒径12nm)10質量部、力ルボキシメチルセルロース1質量部、アクリルスチレンバインダー(固形分濃度45%) 2.2質量部、スルホコハク酸系界面活性剤(固形分濃度50%)1質量部、及び水85.8質量部を、ノンバブリング二一ダーであるNBK−1((株)日本精機製作所製商品名)の容器内に収容し、回転数1500rpm、分散処理時間5分間の条件にて、分散処理を施して、均一なスラリーを得た。
そして、得られた不織布基材の上にスラリーを、コンマコート方式(ライン速度:10m/min、ギャップ10μm)により塗布した。更に、80℃のオーブンで乾燥して溶媒を除去して、セパレータを得た。塗工量は適宜、シリカ含有量にて調製した。
[実施例10]
塗布したスラリー中の無機粒子には、水酸化アルミニウム(通称:アルミナ)を使用した。
[実施例17]
不織布基材には、抄造法により得られたパルプ系短繊維不織布を使用した。
[実施例18]
ポリプロピレン(PP)樹脂を使用して、[実施例1]と同様の方法で不織布セパレータを得た。
[実施例24]
熱可塑性樹脂繊維で構成される不織布層(II層)を形成した。具体的には、汎用的なPET(熱可塑性樹脂として)の溶液(o−クロロフェノール(OCP)を溶媒として用い、温度35℃で測定した溶液粘度:ηsp/c=0.67を有する)(溶液粘度は温度35℃の恒温水槽中の粘度管で測定した。以下同じ。)を用い、スパンボンド法により、紡糸温度300℃で、フィラメント群を、移動する捕集ネット面に向けて押し出し、紡糸速度4500m/分で紡糸した。次いで、コロナ帯電で3μC/g程度帯電させてフィラメント群を十分に開繊させ、熱可塑性樹脂長繊維ウェブを捕集ネット上に形成し、不織布基材を得た。
[実施例25]
極細繊維不織布層(I層)として、PETの溶液(OCPを溶媒として用い、温度35℃で測定した溶液粘度:ηsp/c=0.50を有するもの)を用い、紡糸温度300℃、加熱空気1000Nm3/hr/mの条件下で、メルトブロウン法により紡糸して、上記の熱可塑性樹脂長繊維ウェブ上に吹きつけた。この際、メルトブロウンノズルから熱可塑性樹脂長繊維ウェブまでの距離を100mmとし、メルトブロウンノズル直下の捕集面における吸引力を0.2kPa、風速を7m/secに設定した。繊維径及び結晶化度の調整は、加熱空気量を調整することにより行い、極細繊維で構成される不織布層(I層)から成る不織布基材を得た。
[実施例26]
スパンボンド法で作製した連続長繊維不織布上に直接、上記と同じメルトブロウン法によりウェブを積層させ、PET−SM構造とした。最終的に、カレンダーロールにて一体化するとともに、所望の厚みとなるように厚み及び見掛け密度を調整することで、不織布基材を得た。
[実施例27]
旭化成せんい株式会社製のキュプラ不織布「ベンリーゼ(登録商標)」を不織布基材として用いた。この不織布は、セルロース(Cel)繊維から構成されていた。
[実施例28]
繊維径16μmのco−PET/PET鞘芯をスパンボンド法にてネット上に20g/mとなるように捕集し、脱水乾燥後、繊維が散逸しない程度に、フラットロールにて圧着して短繊維ウェブを得た。次いで、その上に中間層として、[実施例4]と同様に、不織布層(I層)となるメルトブロウン繊維を吹きつけて形成し、さらに、その上に不織布層(II層)として[実施例4]と同じ構成の熱可塑性樹脂長繊維ウェブを積層した。得られた積層ウェブを、フラットロール及びカレンダーロールにて熱接着し、不織布基材を得た。
[実施例29]
[実施例1]で得られたセパレータの外側にさらにポリエチレン微多孔膜セパレータを配置させた。
[実施例30]
[実施例1]で得られたセパレータの外側にさらにガラス繊維不織布を配置させた。
[実施例31]
[実施例1]で得られたセパレータを制御弁式鉛蓄電池に搭載した。
[比較例1]
[実施例1]で得られた不織布基材をそのままセパレータとして使用した。
[比較例2]
セパレータとして、鉛蓄電池用に市販されているポリエチレン製微多孔膜を使用した。
[比較例3]
セパレータとして、鉛蓄電池用に市販されているポリエチレン製微多孔膜にガラスマット(GM)を貼り合わせて使用した。
[比較例4]
セパレータとして、鉛蓄電池用に市販されているAGM(Absorbed Glass Mat)セパレータを制御式鉛蓄電池に搭載した。
[比較例5]
セパレータとして、市販されているポリエステル製織物を使用した。
実施例1〜31及び比較例1〜5のセパレータについて、性状及び評価結果を下記表1に示す。
Figure 2018006258
Figure 2018006258
本発明で得られるセパレータは、最適な素材と高度に制御された構造を有しているため、優れたイオン透過性、保液性、電気絶縁性及び化学的安定性を有する。また、電池としての加工適正も優れており、本発明の鉛蓄電池は、本発明の不織布マットを有することにより、安定した生産工程で、且つ歩留まりがよく、低コストで生産できる。さらに、高出力且つ低抵抗で、サイクル寿命が非常に長い。そのため、本発明の鉛蓄電池は好適に利用される。

Claims (26)

  1. 空隙構造を有する不織布基材と、前記基材の表面部分、あるいは基材内部の繊維表面に存在する無機粒子と、を含むセパレータであって、前記基材は有機繊維から構成されている前記セパレータ。
  2. 前記セパレータの透気度が、0.01〜20secである、請求項1に記載のセパレータ。
  3. 前記セパレータの平均孔径が、0.1〜100μmである、請求項1又は2に記載のセパレータ。
  4. 前記セパレータの接触角が、0〜100度である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセパレータ。
  5. 前記セパレータの厚みが、10〜5000μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセパレータ。
  6. 前記セパレータの引張強度が、5〜300N/15mmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセパレータ。
  7. 前記セパレータに含まれる無機粒子が、ケイ素成分を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセパレータ。
  8. 前記セパレータに含まれる無機粒子の平均粒径が1nm〜5000nmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセパレータ。
  9. 前記セパレータに含まれる無機粒子の比表面積が0.1〜1000m/gである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセパレータ。
  10. 前記セパレータが、前記不織布基材の内部に存在するバインダーを、前記無機粒子100質量部に対して、1〜500質量部含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のセパレータ。
  11. 前記セパレータの不織布基材が、連続長繊維から構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のセパレータ。
  12. 前記セパレータの不織布基材が、ポリエステル繊維から構成されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のセパレータ。
  13. 前記セパレータの不織布基材が、ポリオレフィン繊維から構成されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のセパレータ。
  14. 前記セパレータの不織布基材の空隙率が35〜95%である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のセパレータ。
  15. 前記セパレータの不織布基材の平均孔径が、0.1〜200μmである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のセパレータ。
  16. 前記セパレータの不織布基材が、繊維径0.1〜5μmを有する極細繊維を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のセパレータ。
  17. 前記セパレータの不織布基材が、前記極細繊維で構成される不織布層(I層)と、繊維径5μm〜30μmを有する繊維で構成されている不織布層(II層)とを含む少なくとも2層で構成されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載のセパレータ。
  18. 前記セパレータの不織布基材が、前記II層と前記II層の中間層として前記I層を配置した3層で構成されている、請求項1〜17のいずれか一項に記載のセパレータ。
  19. 前記セパレータの不織布基材が、熱的結合により一体化された不織布である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のセパレータ。
  20. 請求項1〜19のいずれか一項に記載のセパレータが熱シールされてなる前記セパラータ。
  21. 請求項1〜20のいずれか一項に記載のセパレータの製造方法であって、無機粒子を分散媒に分散させてスラリーを調製する工程と、基材に前記スラリーを塗工文は含浸してスラリー含有基材を作製する工程と、前記スラリー含有基材を乾燥する工程と、を含む、前記方法。
  22. 前記極細繊維を用いてメルトブロウン法で前記I層を形成する工程を含む、請求項16に記載のセパレータの製造方法。
  23. 請求項1〜20のいずれか一項に記載のセパレータと微多孔膜を積層させた前記セパレータ。
  24. 請求項1〜20のいずれか一項に記載のセパレータとガラス繊維から成る不織布とを積層させた、前記セパレータ。
  25. 正極及び負極、並びにそれらの間に配置された請求項1〜20、23及び24のいずれか一項に記載のセパレータを含む極板群と、電解液と、を含む液式鉛蓄電池。
  26. 正極及び負極、並びにそれらの間に配置された請求項1〜20、23及び24のいずれか一項に記載のセパレータを含む極板群と、電解液と、を含む制御弁式鉛蓄電池。
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