[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態にかかる電子レシートシステムの構成全体を示す構成図である。図1に示すように、電子レシートシステムは、POS(Point of Sales)端末1と、ストアサーバ2と、本部サーバ3と、電子レシート管理サーバ4と、プロモーション設定端末5と、プロモーション管理サーバ6と、消費者が使用する情報処理装置である携帯端末7とを有する。
POS端末1とストアサーバ2とは、店舗P1内に設けられる。POS端末1とストアサーバ2とは、LAN(Local Area Network)等の店舗内ネットワークN1を介して通信可能に接続される。また、POS端末1及びストアサーバ2は、店舗内ネットワークN1に接続されたルータ等のネットワーク機器(図示せず)を介して、店舗P1と本部P2とを繋ぐネットワークN2に接続することが可能である。ここで、ネットワークN2は、例えば、インターネットやVPN(Virtual Private Network)等の専用線である。
POS端末1は、商品販売データ処理(商品取引データ処理)を実行する商品販売データ処理装置である。POS端末1は、決済対象の商品またはサービスの取引内容を含むレシートデータを生成し、当該レシートデータを後述するプリンタ13で印字することで紙レシートを出力する。また、POS端末1は、レシートデータのデータ形式を変換した電子レシート(簡易レシート)を、詳細は後述するが、携帯端末7に出力(送信)する。なお、店舗P1に設けられるPOS端末1の個数は特に問わず、複数台であってもよい。
ストアサーバ2は、POS端末1で行われる商品販売データ処理等の管理を統括的に行う。例えば、ストアサーバ2は、POS端末1の商品販売データ処理で生成された商品販売データを記憶・管理したり、商品販売データ処理に用いる商品データファイル等を記憶・管理する。
なお、本実施形態では、POS端末1が電子レシートを出力する構成を説明するが、これに限らず、POS端末1で生成されたレシートデータを、ストアサーバ2や図示しない変換装置がデータ形式を変換することで、電子レシートとして携帯端末7に出力する構成としてもよい。
本部サーバ3は、店舗またはチェーン店舗(以下、店舗という)を運営する企業の本部P2に設けられており、店舗毎の商品販売データを管理するサーバとして機能する。本部サーバ3は、例えば、店舗および店舗を運営する企業の売上管理、売上分析、在庫管理などの機能を有する。
電子レシート管理サーバ4は、携帯端末7に対して外部装置として位置づけられていて、電子レシートセンターP3に設けられる。電子レシートセンターP3は、例えば、店舗を運営する企業以外の第三者機関である。
電子レシート管理サーバ4は、店舗を運営する各種企業のレシートデータを一括に管理する顧客用レシート管理サーバとして機能する。電子レシート管理サーバ4は、後述する手順等により会員登録を行った各顧客(会員)の氏名や会員コード、電子レシートの送受信先となる携帯端末7の送受信先情報(例えばメールアドレス)等の会員データを、データベースDBに保持された会員マスタに記憶・管理する。なお、電子レシート管理サーバ4とは別に、会員データの記憶・管理を行う会員管理サーバ等を設ける構成としてもよい。
また、電子レシート管理サーバ4は、携帯端末7から送信された電子レシート(簡易レシート)を、ネットワークN5を介して受信し、この電子レシート(簡易レシート)をデータベースDBに保持された後述する電子レシート管理領域43aに記憶・管理する。より詳細には、電子レシート(簡易レシート)は、商品の取引内容(商品販売データ)の他、会員コード等の要素を含み、対応する会員の会員データと対応付けて管理される。ここで、ネットワークN5は、インターネットや、各種公衆網である。
また、電子レシート管理サーバ4は、後述するネットワークN4を介して接続されるプロモーション設定端末5から、特定の商品のキャンペーンに係るキャンペーン情報等の付加情報を受信し、この付加情報をデータベースDBに保持された後述する付加情報管理領域43bに記憶・管理する。より詳細には、付加情報は、データベースDBに記憶された電子レシート(簡易レシート)が含む要素のうち、所定の条件に該当する要素に対応付けて管理される。
また、電子レシート管理サーバ4は、データベースDBに電子レシート(簡易レシート)を記憶すると、この電子レシート(簡易レシート)の会員コードに対応付けされた送受信先情報を参照することで、送受信先(携帯端末7)を特定する。そして、電子レシート管理サーバ4は、ネットワークN5を介して、データベースDBに記憶した電子レシートをその送信先に送信する。なお、付加情報が対応付けされた電子レシート(簡易レシート)については、この付加情報を付加した電子レシート(詳細レシート)として送信先に送信する。
また、電子レシート管理サーバ4は、ネットワークN5を介して接続される携帯端末7から、会員コードを指定する電子レシート照会を受け付けると、当該会員コードに対応する電子レシートをデータベースDBから抽出し、携帯端末7に送信する。なお、付加情報が対応付けされた電子レシート(簡易レシート)については、この付加情報を付加した電子レシート(詳細レシート)として照会があった携帯端末7に送信する。
プロモーション設定端末5とプロモーション管理サーバ6とは、消費財メーカーP4等に設けられる。プロモーション設定端末5は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置であって、ネットワークN4を介して、電子レシート管理サーバ4に付加情報を送信する。ここで、ネットワークN4は、例えば、インターネットやVPN等の専用線である。また、付加情報の送信方法は特に問わず、HTTPやHTTPS等の汎用プロトコルを用いてもよい。
携帯端末7は、本システムの利用者(顧客)が使用する、例えばスマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の情報処理装置である。携帯端末7は、ネットワークN5上で提供される各種情報を閲覧するためのWebブラウザ等のアプリケーションを実装する。なお、携帯端末7に代えて、PC等の情報処理装置を適用してもよい。
携帯端末7は、ネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4にアクセスすることで、本システムへの会員登録を行う。ここで、ネットワークN5は、インターネットや、各種公衆網である。
ところで、本システムでの顧客の会員登録は、例えば次のような手順で行われる。顧客は、携帯端末7からネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4に対して空メールを送信する。電子レシート管理サーバ4は、受信したメールアドレスに会員登録のためのページを示すURL(Uniform Resource Locator)を送信する。顧客は、携帯端末7から会員登録のためのページを示すURLにアクセスして会員登録に必要な事項(氏名、送信先情報等)を入力させる入力画面を表示させる。顧客による必要事項の入力終了後、電子レシート管理サーバ4は、会員マスタに対する会員登録を実行する。その後、電子レシート管理サーバ4は、携帯端末7に対して会員コード(顧客コード)及びパスワードを含む会員登録完了メールを配信する。これにより、会員登録が終了する。
上述のような会員登録後、携帯端末7は、図2に示すように、顧客の会員コードをバーコードや二次元コード等のコードシンボルCSとして表示部73に表示する。顧客は、店舗P1における取引決済時に店員に対して携帯端末7に表示されたコードシンボルCSを提示する。店員は、携帯端末7に表示されたコードシンボルCSをPOS端末1に接続されたコードスキャナ15(図3参照)で読み取る。これにより、POS端末1における商品販売データ処理による決済後に生成されるレシートデータに対して顧客の会員コードを対応付けることが可能になっている。
また、携帯端末7は、POS端末1での決済(取引)後、POS端末1から当該取引の電子レシート(簡易レシート)を、近距離無線通信によって受信する。会員コードを指定する電子レシート照会を、近距離無線通信によってPOS端末1に送信することで、当該会員の電子レシート(簡易レシート)をPOS端末1から受信する。また、携帯端末7は、受信した電子レシート(簡易レシート)を、後述する表示部73に表示する。
また、携帯端末7は、POS端末1での決済(取引)後、電子レシート管理サーバ4から送信される当該取引の電子レシート(詳細レシート)を、ネットワークN5を介して受信する。会員コードを指定する電子レシート照会を、ネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4に送信することで、当該会員の電子レシート(詳細レシート)を電子レシート管理サーバ4から受信する。また、携帯端末7は、受信した電子レシート(詳細レシート)を、後述する表示部73に表示する(図15参照)。
さらに、携帯端末7は、受信した電子レシート(詳細レシート)に付加情報が対応付けられていた場合、この付加情報に基づきキャンペーンに係る企画の情報表示を指示するアイコン等を表示する(図15参照)。例えば、アイコンには、企画の提供先(例えば、プロモーション管理サーバ6)を示す接続先情報(URL等)を設定することができる。この場合、携帯端末7は、当該アイコンに対する操作を受け付けると、ネットワークN5を介してプロモーション管理サーバ6へアクセスし、情報表示に係る処理を実行する。
プロモーション管理サーバ6は、ネットワークN5を介して接続される携帯端末7からのアクセスを受け付けるサーバ装置である。プロモーション管理サーバ6は、ネットワークN5を介して、携帯端末7からキャンペーンへのアクセスを受けると、キャンペーンに係る企画の情報を携帯端末7に送信する。
係る構成の電子レシートシステムにおいては、店舗P1のPOS端末1で商品販売データ処理が行なわれて生成された取引(決済)の内容を示す電子レシート(簡易レシート)のレシートデータが、携帯端末7を介して電子レシート管理サーバ4に伝送され、Web上に公開される。また、Webブラウザを実装してなる携帯端末7は、URL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、Web上に公開された電子レシート(詳細レシート)のレシートデータを携帯端末7にダウンロードしてWebブラウザで閲覧することができる。なお、携帯端末7にレシートデータを閲覧するためのアプリケーションをインストールして閲覧するようにしてもよい。
次に、本実施形態の電子レシートシステムを構築する主要な装置の構成について説明する。
まず、商品販売データ処理装置であるPOS端末1について説明する。図3は、POS端末1の構成を示すブロック図である。図3に示すように、POS端末1は、各種演算やPOS端末1の各部を統括的に制御する制御部11を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、各種プログラムやデータを記憶するROM(Read Only Memory)、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)、現在の日時を計時するRTC(Real Time Clock)部等によって構成されるコンピュータである。
制御部11は、バス18を介して操作部12、プリンタ13、表示部14及びコードスキャナ15に接続されている。
操作部12は、オペレータが操作入力を行うための各種の操作キーを有している。操作キーとしては、例えば、数値を入力するための置数キー、所定の項目を選択するためのカーソルキーや選択決定キー、取引における売上登録が行われる商品の合計出力を指示する小計キー、一取引の締め処理を行って代金を決済することを宣言する締めキー等が設けられている。
プリンタ13は、レシートやジャーナル等の印字を行うプリンタ装置である。プリンタ13は、印字の対象となるロール紙等の用紙を切断するカット機構を具備し(図示せず)、後述するカットコマンドに従い用紙を切断する。
表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等であり、販売登録された商品の品名、価格、決済が宣言された一取引の合計金額、釣銭額等の各種情報を表示する。表示部14は、キャッシャ向けに各種情報を表示するオペレータ用ディスプレイ14aと、顧客向けに各種情報を表示する客用ディスプレイ14bとを備える。なお、表示部14をタッチパネル構成としてもよく、この場合、タッチパネルは操作部12として機能する。
コードスキャナ15は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを光学的に読み取るスキャナ装置である。コードスキャナ15は、例えば、商品に付されたコードシンボルや、携帯端末7に表示されたコードシンボル等を読み取り、当該コードシンボルに保持された情報を制御部11に出力する。なお、商品に付されたコードシンボルには、その商品を特定するための商品コード等が保持されているとする。また、携帯端末7に表示されるコードシンボルには、その携帯端末7を携帯する顧客を特定するための会員コード(顧客コード)等が保持されているとする。
また、制御部11は、バス18を介して通信I/F(インターフェース)16に接続されており、この通信I/F16を介して店舗内ネットワークN1やネットワークN2に接続することが可能となっている。
また、制御部11は、バス18を介してNFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信部19に接続されており、この近距離無線通信部19を介して携帯端末7との間での近距離無線通信が可能となっている。
また、制御部11は、バス18を介して、記憶部17に接続されている。記憶部17は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部17は、商品販売データ処理を含む各種のPOS業務を実行するためのプログラムを記憶する。また、記憶部17は、各商品の商品名、商品コード及び単価等の商品データを格納した商品データファイル等の商品販売データ処理に係る各種データファイルを記憶する。また、記憶部17は、商品販売データ処理やレシートデータに係る処理を行うためのレシートデータ処理プログラム17aを記憶する。
また、記憶部17は、自己のPOS端末1を他のPOS端末1と識別するためのPOSナンバー、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、当該POS端末1が設置される店舗P1を示す店舗コード等を、識別コード管理領域17bに記憶する。ここで、業種・業態コードは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、薬局、レストラン、飲食店などとして、店舗の業種・業態を区別するコード(分類コード)である。なお、このような業種・業態は、ユーザの好みによって任意に変更可能である。
また、記憶部17は、非構造化形式のレシートデータを、構造化形式のレシートデータ(以下、電子レシートという)に変換する際の、変換規則を記述したレシートデータスキーマ17cを記憶する。
次に、顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ4の構成を、図4のブロック図を用いて説明する。図4に示すように、電子レシート管理サーバ4は、各種演算や電子レシート管理サーバ4の各部を統括的に制御する制御部41を備えている。制御部41は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
制御部41は、バス44に接続された通信I/F42を介して、ネットワークN4及びネットワークN5に接続することが可能となっている。また、制御部41は、バス44を介して、記憶部43に接続されている。
記憶部43には、会員マスタを記憶・管理するための会員マスタ管理領域(図示せず)の他、店舗を運営する各種企業の電子レシートを一括に記憶するための電子レシート管理領域43aが確保されている。より詳細には、電子レシート管理領域43aは、店舗を運営する各種企業の電子レシートを会員毎に管理する。
電子レシートは、会員コード、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、店舗コード、POS端末1のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データ(日時データを含む)などを含んでいる。したがって、例えば消費財メーカー等は、当該メーカーに関連する一意な購入商品の証明情報を、この電子レシートから特定条件の下(例えば、店舗を運営する特定の企業限定、特定の地域限定、特定の時間限定等)に取得することが可能になる。なお、消費財メーカーは、食料品、飲料、衣類、化粧品、薬品、生活雑貨などのメーカーである。
また、記憶部43は、所望の商品(商品コード)、会員(会員コード)、企業(企業コード)、店舗(店舗コード)に対応付けて各種の付加情報を付加情報管理領域43bに記憶する。ここで、付加情報とは、例えば、所望の商品情報及び特定条件(例えば、店舗を運営する特定の企業、特定の地域、特定の店舗、特定の時間等)に対応付けられるキャンペーンにかかるキャンペーン情報等である。付加情報は、例えば企業のキャンペーンに関連付けられたホームページにリンクするURL、企業のCMに関連付けられたホームページにリンクするURL、企業のクーポンにリンクするURLなどのアクセス情報を含む。
また、記憶部43は、会員マスタを会員マスタ領域で管理するための会員管理プログラム(図示せず)の他、各企業の電子レシート及び付加情報を電子レシート管理領域43a及び付加情報管理領域43bで管理するための電子レシート管理プログラム43cを記憶する。また、記憶部43は、電子レシート及び所望の商品の付加情報を携帯端末7へ送信するための情報送信プログラム43dを記憶する。なお、会員マスタ管理領域、電子レシート管理領域43a及び付加情報管理領域43bは、図1で示したデータベースDBに対応する。
次に、携帯端末7の構成を、図5のブロック図を用いて説明する。図5に示すように、携帯端末7は、各種演算や携帯端末7の各部を統括的に制御する制御部71を備えている。制御部71は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
操作部72は、バス76を介して操作部72及び表示部73に接続されている。操作部72は、ユーザ(顧客)が操作入力を行うための各種の操作キーや、ポインティングデバイスを有している。表示部73は、例えば液晶ディスプレイ等であり、後述する電子レシート等の各種情報を表示する。なお、表示部73をタッチパネル構成としてもよく、この場合、タッチパネルは操作部72として機能する。
また、制御部71は、バス76を介して通信I/F74に接続されており、この通信I/F74を介してネットワークN5に接続することが可能となっている。なお、通信I/F74を介して、店舗内ネットワークN1に接続可能な構成としてもよい。
また、制御部71は、バス76を介してNFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信部77に接続されており、この近距離無線通信部77を介してPOS端末1との間での近距離無線通信が可能となっている。
また、制御部71は、バス76を介して、記憶部75に接続されている。記憶部75は、Web上に公開されている各種情報(コンテンツ)を閲覧するためのWebブラウザの他、POS端末1から電子レシートを受け取って管理するための電子レシート管理プログラム75dと、電子レシート管理サーバ4から電子レシートを受け取るための電子レシート対応プログラム75aと、受け取ったレシートデータを閲覧するための電子レシート閲覧プログラム75bと、を記憶する。
また、記憶部75は、電子レシートを電子レシート管理領域75cに記憶する。電子レシートは、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、店舗コード、買物客の会員コード、POS端末1のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データなどを含む。
次に、本実施形態のシステムを構成する各部の動作について説明する。
まず、POS端末1の制御部11がレシートデータ処理プログラム17aに従って動作することにより実行される電子レシート処理について、図6〜図11を参照しつつ説明する。
図6に示すように、POS端末1で実行されるレシートデータ処理プログラム17aは、商品販売データ生成手段、会員コード入力手段及び電子レシート生成手段として機能するレシートデータ生成部111と、電子レシート記憶手段の一部として機能するレシートデータ出力部112とを含むモジュール構成となっている。制御部11のCPUは、記憶部17からレシートデータ処理プログラム17aを読み出して、上記各部をRAM上にロードする。これにより、レシートデータ生成部111、レシートデータ出力部112がRAM上に生成される。
ここで、レシートデータ生成部111は、商品販売データ処理及びレシートの印字用データ(レシートデータ)の生成を主に行う、既存のアプリケーションに対応する機能部である。レシートデータ生成部111は、コードスキャナ15を介して商品を特定する商品コードを取得すると、その商品コードに対応する商品データを商品データファイルから読み出し、この商品データが含む単価に基づいて決済金額を算出する商品販売データ処理を実行する。そして、レシートデータ生成部111は、商品販売データ処理の際に処理された商品販売データ、つまり、その商品の取引内容を含むレシートデータを生成する。
また、レシートデータ生成部111は、一取引中の何れかのタイミングにおいて、コードスキャナ15を介して顧客(受取先)を特定する会員コードを取得すると、その会員コードを含むレシートデータを生成する。
図7は、レシートデータの一例を模式的に示す図である。ここで、レシートデータは、非構造化形式のテキストデータ等であって、プリンタ13での印字に用いられるものである。図7に示すように、レシートデータは、上述した商品販売データD1や会員コードD2の要素を含んでいる。ここで、商品販売データD1は、決済の対象となった商品の商品名(商品コード)とその金額、各商品の合計金額、顧客が支払った預かり金額、お釣り金額等を有する。
また、レシートデータは、店舗を運営する企業を示す企業コード(企業名)D3、店舗コード(店舗名)D4、店舗の電話番号D5、住所D6、取引日時D7、取引ナンバー(レシートナンバー)D8、レジナンバーD9、担当者名D10等の要素を含む。なお、レシートデータに含まれる要素は、図7の例に限らず、業種・業態コード等の他の要素を含んでもよいし、電話番号D5や住所D6等の要素を取り除いてもよい。
また、レシートデータ生成部111は、締めキーの押下を受け付けると、一取引分の商品販売データ処理が完了したと判断し、生成したレシートデータをカットコマンドとともにレシートデータ出力部112に出力(発行)する。ここで、カットコマンドは、一般的に用いられるプリンタ制御コマンドの一つであって、レシートデータを印字する用紙のカット(切断)を指示する指示情報である。なお、レシートデータの生成は、締めキーの押下に伴い一括して生成してもよいし、商品コードや顧客コードを取得する毎に順次生成する形態としてもよい。
レシートデータ出力部112は、レシートデータ生成部111で一取引分のレシートデータが生成される毎に、当該レシートデータの出力先を決定する。より詳細には、レシートデータ出力部112は、レシートデータ生成部111でカットコマンドが発行されると、一取引分のレシートデータが生成されたと判断する。そして、レシートデータ出力部112は、生成されたレシートデータに会員コードが含まれるか否かを判定し、その判定結果に応じて定まる出力先にレシートデータを出力する。
具体的に、レシートデータ出力部112は、レシートデータに会員コードが含まれないと判定した場合、そのレシートデータをカットコマンドとともにプリンタ13に出力する。これにより、プリンタ13では、レシートデータを用紙に印字した後、カットコマンドに従いその用紙を切断することで、一取引分の紙レシートを印字出力する。なお、印字出力の際には、レシートデータを構成する全ての要素を印字してもよいし、会員コード等を取り除いたり、広告等の他の情報を付加した状態で印字してもよい。
また、レシートデータ出力部112は、レシートデータに会員コードが含まれると判定した場合、レシートデータスキーマ17cの変換規則に従い、そのレシートデータを所定のデータ形式に変換する。そして、レシートデータ出力部112は、データ形式を変換したレシートデータ、つまり電子レシート(簡易レシート)を、近距離無線通信(NFC)によって会員コードを読み取った携帯端末7に送信(出力)する。
ここで、図8は、電子レシート(簡易レシート)の一例を模式的に示す図である。図8に示すように、電子レシートは、XMLやCSV等の構造化形式のデータ(構造化文書)で構成される。なお、図8では、図7に示したレシートデータの各要素(D1〜D10)を、XML形式に変換した例を示している。すなわち、図8に示す電子レシートは、POS端末1で生成される情報(従来、紙のレシートでやりとりされたレシート情報)のみを表示する、簡易レシートである。
レシートデータから電子レシートへの変換は、レシートデータスキーマ17cに記述された変換規則に基づき行われる。具体的に、レシートデータスキーマ17cには、レシートデータを構成する所定の要素と、その要素の属性を示す属性情報(タグ等)とが定義されている。レシートデータ出力部112は、レシートデータの各要素を対応する属性情報を用いて構造化することで、図8に示すような構造化形式の電子レシートを生成する。このような、構造化形式の電子レシートとすることで、当該電子レシートに含まれる要素を効率的に利用することができるため、データ管理の上で様々な利点を得ることができる。
このように、レシートデータ出力部112は、レシートデータ生成部111によるカットコマンドの発行により、一取引分のレシートデータが生成されたことを判断し、当該レシートデータの出力を開始する。これにより、レシートデータ生成部111から、一取引の終了を指示するための専用信号をレシートデータ出力部112に通知する必要もないため、既存のアプリケーションに対応するレシートデータ生成部111については、特段の変更を行わずに、一取引分のレシートデータの出力をレシートデータ出力部112で行うことができる。また、レシートデータ生成部111の変更部分を抑えることができるため、既存のアプリケーションを効率的に流用しつつ、電子レシートの出力機能を実現させることができる。
また、レシートデータ出力部112は、レシートデータに会員コードが含まれるか否かに応じて、当該レシートデータの出力先を決定する。これにより、紙レシートの要否情報を顧客毎に用意することなく、紙レシート又は電子レシートの出力を行うことができるため、レシートデータの出力先を効率的に決定することができる。また、例えば、顧客(会員)は、取引毎に会員コードを入力又は非入力とすることで、紙レシート又は電子レシートの出力を選択することができるため、顧客の利便性を向上させることができる。
さらに、レシートデータ出力部112は、レシートデータを携帯端末7に出力する場合に、当該レシートデータに含まれる要素を構造化した電子レシートに変換し、当該電子レシートを出力する。これにより、電子レシートに含まれる要素を効率的に利用することができるため、当該電子レシートを管理する携帯端末7及び電子レシート管理サーバ4や、当該電子レシートの表示を行う携帯端末7において、電子レシートの利便性を向上させることができる。
図9は、POS端末1における電子レシート処理の流れを示すフローチャートである。まず、POS端末1のレシートデータ生成部111は、コードスキャナ15により、商品に付されたコードシンボル(商品コード)又は携帯端末7に表示されたコードシンボル(会員コード)が読み取られたか否かを判定する(ステップS11)。コードシンボルの読み取りが行われない場合(ステップS11;No)、レシートデータ生成部111は、ステップS16に移行する。
一方、レシートデータ生成部111は、コードシンボルが読み取られたと判定すると(ステップS11;Yes)、その読み取りにより取得した情報が、商品コードか会員コードかを判別する(ステップS12)。
ステップS12で、商品コードを取得した場合(ステップS12;商品コード)、レシートデータ生成部111は、その商品コードで特定される商品について、商品データファイルから商品データを読み出すと、この商品データが含む単価に基づいて決済金額を算出する商品販売データ処理を実行する(ステップS13)。次いで、レシートデータ生成部111は、商品販売データ処理の際に処理された商品販売データを含むレシートデータを生成する(ステップS14)。
また、ステップS12で会員コードを取得した場合(ステップS12;会員コード)、レシートデータ生成部111は、その会員コードを含むレシートデータを生成する(ステップS15)。
ここで、会員コードをPOS端末1に入力するためには、例えば、会員である顧客が携帯端末7の表示部73に会員コード等を含むコードシンボルを表示し、店員または会員である顧客自らがPOS端末1のコードスキャナ15で読み取る。なお、レシートデータ生成部111は、一取引の間に入力される会員コードが唯一となるよう排他処理等を施す形態としてもよい。
続くステップS16において、レシートデータ生成部111は、締めキーの押下等により締め処理の開始が指示されたか否かを判定する(ステップS16)。締め処理の開始が指示されない場合(ステップS16;No)、ステップS11に戻る。締め処理の開始が指示された場合(ステップS16;Yes)、レシートデータ生成部111は、カットコマンドをレシートデータ出力部112に発行(出力)する(ステップS17)。
レシートデータ出力部112は、レシートデータ生成部111からカットコマンドを受け付けると、一取引分のレシートデータが生成されたと判断し、そのレシートデータに会員コードが含まれるか否かを判定する(ステップS18)。
レシートデータに会員コードが含まれない場合(ステップS18;No)、レシートデータ出力部112は、一取引分のレシートデータをカットコマンドとともにプリンタ13に出力することで、当該レシートデータを印字出力し(ステップS19)、本処理を終了する。これにより、プリンタ13では、レシートデータを用紙に印字した後、カットコマンドに従いその用紙を切断することで、一取引分の紙レシートを印字出力する。
一方、レシートデータに会員コードが含まれる場合(ステップS18;Yes)、レシートデータ出力部112は、非構造化形式であるレシートデータのデータ形式を、構造化形式に変換することで電子レシートを生成する(ステップS20)。そして、レシートデータ出力部112は、近距離無線通信部19を介して生成した電子レシート(簡易レシート)を近距離無線通信(NFC)によって会員コードを読み取った携帯端末7に送信し(ステップS21)、本処理を終了する。
なお、Bluetooth(登録商標)であれば事前に接続相手を特定するためのペアリングを行うか、POS端末1の近距離無線通信部19のアンテナ位置に対して携帯端末7をタッチするなどの操作を行うことにより、会員コードを読み取った携帯端末7に対する対応付けが可能となる。
なお、上記の処理ではレシートデータに会員コードが含まれる場合、当該レシートデータを携帯端末7に出力する形態としたが、これに限らず、プリンタ13及び携帯端末7の両方に出力してもよい。
また、レシートデータに会員コードが含まれる場合には、そのレシートデータの出力先を選択可能な構成としてもよい。例えば、携帯端末7は表示するコードシンボルCSに、レシートデータの出力先を指定する出力区分情報を保持させ、この出力区分情報に基づいて出力先を選択する形態としてもよい。この形態の場合、レシートデータ生成部111は、コードスキャナ15が読み取った出力区分情報を、会員コードとともにレシートデータに含める。そして、レシートデータ出力部112は、レシートデータに会員コードが含まれると判定し、且つ出力区分情報が存在すると判定した場合、その出力区分情報に基づいてレシートデータの出力先を決定する。なお、出力区分情報には、プリンタ13及び携帯端末7の何れか一方、又は両方を指定することが可能である。
このように、レシートデータ出力部112は、レシートデータに会員コードが含まれる場合に、そのレシートデータの出力先を自動で選択、或いは当該出力先の手動による選択を受け付ける。これにより、出力先の決定方法を柔軟に切り替えることができるため、レシートデータの出力先を効率的に決定することができる。
次に、携帯端末7の制御部71が、電子レシート管理プログラム75dに従って動作することにより実行される電子レシート管理処理の流れを、図10および図11を参照しつつ説明する。
図10に示すように、携帯端末7で実行される電子レシート管理プログラム75dは、電子レシート記憶手段の一部として機能する電子レシート入力部714と、電子レシート記憶手段の一部として機能する電子レシート記憶部715と、更新手段の一部として機能する電子レシート送信部716を含むモジュール構成となっている。制御部71のCPUは、記憶部75から電子レシート管理プログラム75dを読み出して、上記各部をRAM上にロードする。これにより、電子レシート入力部714、電子レシート記憶部715と、電子レシート送信部716がRAM上に生成される。
図11は、携帯端末7における電子レシート管理処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、携帯端末7の電子レシート入力部714は、POS端末1から送信された電子レシート(簡易レシート)を近距離無線通信部77を介して入力すると(ステップS31;Yes)、携帯端末7の電子レシート記憶部715は、記憶部75の電子レシート管理領域75cに記憶する(ステップS32)。そして、携帯端末7の電子レシート送信部716は、ステップS32で記憶した電子レシート(簡易レシート)を電子レシート管理サーバ4に送信し(ステップS33)、ステップS31に戻る。
また、携帯端末7の電子レシート送信部716は、予め設定された送信タイミングになると(ステップS31;No→ステップS34;Yes)、電子レシート管理領域75cに記憶して管理されている電子レシートを電子レシート管理サーバ4に送信し(ステップS35)、ステップS31に戻る。このステップS35の送信により、例えばステップS33で送信の対象から漏れた電子レシートを、電子レシート管理サーバ4に送信することができる。なお、ステップS35では、未送信の電子レシートのみを送信するよう制御してもよい。
なお、このようにして記憶部75の電子レシート管理領域75cに記憶された電子レシート(簡易レシート)は、用紙に印字されるレシートと同様のレイアウトや内容で携帯端末7の表示部73に表示して閲覧することが可能である。
次に、電子レシート管理サーバ4の制御部41が、電子レシート管理プログラム43cに従って動作することにより実行される電子レシート管理処理及び情報送信プログラム43dに従って動作することにより実行される商品情報送信処理の流れを、図12に示す機能ブロック図及び図13に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図12に示すように、電子レシート管理サーバ4で実行される電子レシート管理プログラム43c及び情報送信プログラム43dは、更新手段の一部として機能する受信部411、更新手段の一部として機能する電子レシート管理部412、更新手段の一部として機能する電子レシート送信部413を含むモジュール構成となっている。制御部41のCPUは、記憶部43から電子レシート管理プログラム43c及び情報送信プログラム43dを読み出して実行することにより上記各部をRAM上にロードする。これにより、受信部411、電子レシート管理部412、電子レシート送信部413がRAM上に生成される。
受信部411は、店舗を運営する企業を示す企業コードを含み、商品販売データ処理の際に印字発行されるレシートあるいは領収書に代えて電子的に処理した企業単位の電子レシートを、携帯端末7から受信する。
電子レシート管理部412は、受信部411により受信した企業単位の電子レシートを記憶部43の電子レシート管理領域43aに記憶して管理する。また、電子レシート管理部412は、所望の商品及び特定条件(例えば、店舗を運営する特定の企業限定、特定の地域限定、特定の時間限定等)の要素に対応付けられるキャンペーンに係るキャンペーン情報等の付加情報を記憶部43の付加情報管理領域43bに記憶して管理する。これにより、電子レシートのバックアップを電子レシートセンターP3側で行うサービスを提供することができる。
電子レシート送信部413は、所定の買物客の会員コードに対応付けられた携帯端末7に対し、当該会員コードに対応付けられていて少なくとも1以上の企業コードを含む電子レシートを電子レシート管理領域43aから取得して送信する。また、電子レシート送信部413は、電子レシートを構成する要素に付加情報が対応付けられている場合には、その付加情報を付加情報管理領域43bから取得して、電子レシートとともに送信する。
図13に示すように、電子レシート管理サーバ4の受信部411は、携帯端末7から送信された電子レシートを、通信I/F42を介して受信したか否かを判断する(ステップS41)。
電子レシートを受信した場合(ステップS41;Yes)、電子レシート管理サーバ4の電子レシート管理部412は、記憶部43の電子レシート管理領域43aに各種企業の電子レシートを記憶する(ステップS42)。ここで、記憶した電子レシートの要素(商品コード、会員コード、企業コード、店舗コード等)に関係する付加情報が存在する場合には、その要素に付加情報を対応付けて記憶する。続いて、電子レシート送信部413は、ステップS42で記憶した電子レシートを、当該電子レシートの会員コードに対応付けて管理されている送信先(携帯端末7)に送信し(ステップS43)、ステップS41に戻る。また、ステップS43において、付加情報が対応付けされた電子レシート(簡易レシート)については、この付加情報を付加した電子レシート(詳細レシート)を送信先に送信する。
また、電子レシート管理サーバ4の電子レシート送信部413は、携帯端末7から電子レシート照会があった場合(ステップS41;No→ステップS44;Yes)、電子レシート管理領域43aに記憶して管理されている電子レシートを、電子レシート照会の内容に従って抽出した後(ステップS45)、照会があった携帯端末7に送信し(ステップS46)、ステップS41に戻る。また、ステップS46において、付加情報が対応付けされた電子レシート(簡易レシート)については、この付加情報を付加した電子レシート(詳細レシート)を照会があった携帯端末7に送信する。
次に、携帯端末7の制御部71が、電子レシート対応プログラム75aに従って動作することにより実行される電子レシート受け取り処理及び電子レシート閲覧プログラム75bに従って動作することにより実行される電子レシート閲覧処理の流れを、図10、図14および図15を参照しつつ説明する。
図10に示すように、携帯端末7で実行される電子レシート対応プログラム75a及び電子レシート閲覧プログラム75bは、会員対応付け部711、更新手段の一部として機能する電子レシート受信部712、電子レシート表示部713を含むモジュール構成となっている。制御部71のCPUは、記憶部75から電子レシート対応プログラム75a及び電子レシート閲覧プログラム75bを読み出して実行することにより上記各部をRAM上にロードする。これにより、会員対応付け部711、電子レシート受信部712、電子レシート表示部713がRAM上に生成される。
会員対応付け部711は、所定の買物客の会員コードを対応付ける。電子レシート受信部712は、電子レシート管理サーバ4から電子レシートを受信する。電子レシート表示部713は、電子レシート受信部712により受信した電子レシートを表示部73に表示する。
図14に示すように、まず、携帯端末7の会員対応付け部711は、電子レシート管理サーバ4にアクセスして会員コード及びパスワードの入力によって認証処理を実行する(ステップS50)。これにより、携帯端末7と所定の買物客の会員コードとが対応付けられる。
認証後、例えば照会ボタン(図示せず)の押下による電子レシート照会が宣言されると(ステップS51;Yes)、携帯端末7の電子レシート受信部712は、入力された当該会員コードに対応して電子レシート管理サーバ4の電子レシート管理領域43aに記憶され管理されている電子レシートを受信する(ステップS52)。また、付加情報が対応付けされた電子レシート(簡易レシート)については、この付加情報を付加した電子レシート(詳細レシート)を電子レシート管理サーバ4から受信する。なお、レシートデータの受信については、電子メールによって受信するものであってもよい。
次に、携帯端末7の電子レシート表示部713は、電子レシート受信部712が受信した電子レシート等を表示部73に表示し(ステップS53)、処理を終了する。
図15は、携帯端末7の表示部73に表示された電子レシートG2の一例を示す図である。電子レシートG2は、用紙に印字されるレシートと同様のレイアウトや内容で表示される。また、電子レシートG2内において、操作部72の入力に追従するカーソルにより、取引された商品を示す商品a等にフォーカスを当てることができる。また、図15では、電子レシートG2内に、店名のロゴを表示する店名ロゴ部G21を設けた例を示している。
なお、レシートデータの表示形態は、必ずしも用紙に印字されるレシートのイメージに合わせる必要はない。しかしながら、レシートデータは、紙のレシートに代わるものであり、商品を購入したことを証明する電子的な商品購入証明情報となるものである。そこで、図15では、商品購入証明情報として提示する場合に使用するため、以下の情報を表示した例を示している。
・店舗名
・購入日時
・購入商品明細
・売上合計額
・預り金額
・お釣り金額
・レジナンバー
・取引ナンバー
ここで、商品aの何れかに対する付加情報として、メーカーキャンペーン企画情報の表示のためにプロモーション管理サーバ6等のURL(アクセス情報)が設定されている場合には、このURLが該当する商品名にリンクされたり、このURLへのアクセスを指示するため操作子となるアイコンb等が表示される。
例えば、URLが示すアクセス先が、所定のキャンペーン企画情報を管理するサーバ装置(例えば、プロモーション管理サーバ6)である場合、携帯端末7の制御部71は、アイコンb等の押下に応じてプロモーション管理サーバ6にアクセスし、企画情報の表示に係る処理を実行する。アクセス先へのアクセス時に、レシートデータ等に保持された自装置の会員コードを送信する形態としてもよい。そして、プロモーション管理サーバ6では、各会員を識別するための会員コードに対応付けてキャンペーン種別毎の応募履歴を管理する。
また、図15では、電子レシートG2内に、購入情報から関連するバナー広告等を表示するバナー表示部G22も付加情報として表示されている。
すなわち、図15に示す電子レシートG2は、POS端末1で生成される情報(従来、紙のレシートでやりとりされたレシート情報)を表示する電子レシート(簡易レシート)に対して、電子レシートセンターP3側で付加された付加情報(メーカーキャンペーン企画情報や、購入情報から関連するバナー表示等)を表示する、詳細レシートである。
なお、複数のレシートデータを受信した場合には、レシートデータに含まれる購入日、企業コード等に基づいて、レシートデータの各々を選択可能な選択画面を表示してもよい。この場合、電子レシート表示部713は、選択画面から選択されたレシートデータを表示部73に表示する。
このように本実施形態によれば、会計の際に、消費者がPOS端末1の近距離無線通信部19のアンテナ位置に対して携帯端末7をタッチするなどの操作を行うことで、携帯端末7に対して電子レシート(簡易レシート)が入力され、記憶部75の電子レシート管理領域75cに記憶される。そして、消費者は、記憶部75の電子レシート管理領域75cに記憶された電子レシート(簡易レシート)を用紙に印字されるレシートと同様のレイアウトや内容で携帯端末7の表示部73に表示して閲覧することができる。また、消費者は、記憶部75の電子レシート管理領域75cに記憶された電子レシート(簡易レシート)について電子レシート管理サーバ4で当該電子レシートの要素に関係する付加情報を付加して更新することで、付加情報(キャンペーン企画情報等)を付加した電子レシート(詳細レシート)を取得することができる。
これにより、電子レシートのデータ自身は消費者の使用する携帯端末7へ移動するため、電子レシートのデータの持ち主は消費者となる。そのため、電子レシートのデータをマーケティングデータなどに利用する際には、消費者に対しパーソルデータの使用許諾を確認すればよい。また、電子レシートがローカル(携帯端末7の記憶部75の電子レシート管理領域75c)に保存されるため、閲覧のためのタイムラグはほぼなくなる。
一方、マーケティングデータに利用するためには、消費者へ「マーケティングデータに応用する旨」を明記した上で、電子レシートに付加情報(デジタル購買証明など)の追加と、電子レシートのバックアップを電子レシートセンターP3側で行うサービスを提供することができる。
なお、上記実施形態では、コードスキャナ15を用いて会員コード等を取得する形態としたが、これに限らず、他の手法を用いて会員コード等を取得してもよい。具体的には、POS端末1の近距離無線通信部19及び携帯端末7の近距離無線通信部77による近距離無線通信によって会員コード等を送受信可能な構成としてもよい。この場合、携帯端末7は、会員コード等を記憶部75や図示しないICタグ等に保持するものとする。
また、上記実施形態では、携帯端末7から会員コード等を取得する形態としたが、これに限らず、ICカードや磁気カード等の会員コードを保持することが可能な媒体から取得してもよい。なお、ICカードを用いる場合には、POS端末1は、ICカードリーダライタ等の読取/書込部を備えるものとする。また、磁気カードを用いる場合には、POS端末1は、磁気カードのカードリーダ/カードライタ等を備えるものとする。
また、上記実施形態では、商品データファイルをPOS端末1が記憶する形態としたが、これに限らず、ストアサーバ2が、POS端末1から参照可能に商品データファイルを記憶する形態としてもよい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
第1の実施形態においては、レシートデータのデータ形式を変換した電子レシート(簡易レシート)を携帯端末7に出力(送信)するPOS端末1を備えるようにしたが、第2の実施形態においては、電子レシート(簡易レシート)を携帯端末7に出力(送信)する自動販売機を備える点で第1の実施形態とは異なるものとなっている。
図16は、第2の実施形態にかかる電子レシートシステムの構成全体を示す構成図である。図16に示すように、第2の実施形態にかかる電子レシートシステムは、ジュース類などの自動販売機50を備えている。自動販売機50は、代金投入、購買品指定等の操作を受けて該当商品を自動的に販売する自動販売処理を実行する。自動販売機50は、このような自動販売処理を実行するための周知の機構に加えて、その制御系にマイクロコンピュータを内蔵している。
図17は、自動販売機50のハードウェア構成例を示す概略ブロック図である。図17に示すように、自動販売機50は、自動販売処理を含む各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)51に、各種プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)52、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)53がシステムバス58を介して接続されたコンピュータ構成を有している。
加えて、図17に示すように、自動販売機50のCPU51は、上述した自動販売処理を実行するのに必要な駆動系負荷54やセンサ類55が接続されたI/Oポート56、及び、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信部57等を、システムバス58を介して接続している。
また、自動販売機50のCPU51は、音声情報を出力するためのスピーカ59をI/Oポート56を介して接続する。さらに、自動販売機50のCPU51は、当該自動販売機50に対して人が一定範囲内(例えば数m範囲内)の領域に存在するか否かを感知する赤外線センサ、超音波センサ等による人感センサ60が接続されている。
本実施形態の自動販売機50で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の自動販売機50で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の自動販売機50で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
次に、ROM52に記憶されたプログラムが自動販売機50のCPU51に実行させる機能について説明する。なお、本実施形態においては、従来の自動販売機によって行なわれる処理と同様の処理についてはその説明を省略する。
ここでは、本実施形態の自動販売機50の有する特長的な機能について説明する。上述したように、自動販売機50は、代金投入、購買品指定等の操作を受けて該当商品を自動的に販売する自動販売処理を実行する。本実施形態の自動販売機50は、このような自動販売処理において、決済対象の商品の取引内容を含むデータを第1の実施形態で説明した電子レシート(簡易レシート)のデータ形式で生成して、携帯端末7に出力(送信)するデータ送信処理を中心に説明する。
ここで、図18は自動販売機50におけるデータ送信処理にかかる機能ブロック図である。図18に示すように、ROM52に記憶されたプログラムは、レシートデータ生成部61と、商品販売データ生成手段、会員コード入力手段、電子レシート記憶手段として機能するレシートデータ出力部62とを含むモジュール構成となっている。CPU51は、ROM52からプログラムを読み出して、上記各部をRAM53にロードする。これにより、レシートデータ生成部61と、レシートデータ出力部62とがRAM53上に生成される。
レシートデータ生成部61は、商品の取引内容(商品販売データ)および会員コードを含むデータを第1の実施形態で説明した電子レシート(簡易レシート)のデータ形式で生成する。ここで、商品の取引内容(商品販売データ)は、例えば、購入日時、設置場所(住所)、購入商品名、購入商品コード、購入点数、購入金額、支払メディア(現金、電子マネー、電子マネー残額など)、釣銭額などである。
レシートデータ出力部62は、レシートデータ生成部61で生成した電子レシート(簡易レシート)を、近距離無線通信部57を介した近距離無線通信(NFC)によって会員コードを読み取った携帯端末7に送信(出力)する。
次に、自動販売機50におけるデータ送信処理の流れについて説明する。ここで、図19は自動販売機50におけるデータ送信処理の流れを示すフローチャートである。
図19に示すように、自動販売機50のレシートデータ生成部61は、代金投入(電子マネー決済でも良い)や購買品指定等の操作に待機するとともに(ステップS61)、代金投入(電子マネー決済でも良い)や購買品指定等の操作中の所定のタイミングにおいて、近距離無線通信部57による携帯端末7に記憶された会員コードの読み取りに待機する(ステップS62)。
自動販売機50のレシートデータ生成部61は、会員コードが読み取られた場合には(ステップS62のYes)、会員コードをRAM53に記憶する(ステップS63)。
自動販売機50のレシートデータ生成部61は、代金投入(電子マネー決済でも良い)や購買品指定等の操作を受けた場合(ステップS61のYes)、該当商品の販売を終了する(ステップS64)。
そして、自動販売機50のレシートデータ生成部61は、会員コードが読み取られてRAM53に記憶されている場合には(ステップS65のYes)、商品の取引内容(商品販売データ)および会員コードを含むデータを第1の実施形態で説明した電子レシート(簡易レシート)のデータ形式で生成する(ステップS66)。
なお、自動販売機50のレシートデータ生成部61は、RAM53に会員コードが記憶されていない場合には(ステップS65のNo)、そのまま処理を終了する。
次いで、自動販売機50のレシートデータ出力部62は、電子レシート(簡易レシート)を、近距離無線通信部57による近距離無線通信(NFC)によって会員コードを読み取った携帯端末7に送信(出力)する(ステップS67)。これにより、商品の取引内容(商品販売データ)および会員コードを含む電子レシート(簡易レシート)は、携帯端末7の記憶部75の電子レシート管理領域75cに一時的に格納される。
なお、Bluetooth(登録商標)であれば事前に接続相手を特定するためのペアリングを行うか、自動販売機50の近距離無線通信部57のアンテナ位置に対して携帯端末7をタッチするなどの操作を行うことにより、会員コードを読み取った携帯端末7に対する対応付けが可能となる。
その後、携帯端末7は、自動販売機50から送信された電子レシート(簡易レシート)を電子レシート管理サーバ4に送信する。
このように本実施形態によれば、自動販売機50による商品の取引内容についても電子レシートとして携帯端末7の表示部73に表示して閲覧することができるので、消費者は自身の多岐に渡る支出管理が実現できるようになる。
また、消費財メーカーP4にとっては、自動販売機50においてもデジタル購買証明のインフラが活用できるため、消費者へ個別の販促施策実現が可能になる。
なお、上記の処理では商品の取引内容および会員コードを含むデータを第1の実施形態で説明した電子レシート(簡易レシート)のデータ形式で生成するようにしたが、自動販売機50がレシート発行機能を有している場合には、会員コードを含むレシートデータを第1の実施形態で説明した電子レシート(簡易レシート)のデータ形式に変換するものでも良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。