JP2018004462A - 磁場計測装置、磁場計測装置の調整方法、および磁場計測装置の製造方法 - Google Patents
磁場計測装置、磁場計測装置の調整方法、および磁場計測装置の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置の調整を簡便とする、磁場計測装置、磁場計測装置の調整方法、および磁場計測装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の磁場計測装置100は、複数の磁気センサー121を含む磁気センサーアレイ120と、磁場発生部131と、磁場発生部131により磁場Bz1を発生させたときの、2つの磁気センサー121間の磁気出力の差を解消させる、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の演算を行う演算部105と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の磁場計測装置100は、複数の磁気センサー121を含む磁気センサーアレイ120と、磁場発生部131と、磁場発生部131により磁場Bz1を発生させたときの、2つの磁気センサー121間の磁気出力の差を解消させる、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の演算を行う演算部105と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁場計測装置、磁場計測装置の調整方法、および磁場計測装置の製造方法に関する。
従来、心臓や脳から発せられる微弱な磁場を、光ポンピング作用を利用して測定する磁気センサー(磁場測定装置)が知られていた。このような光ポンピング式磁気センサーでは、磁場の計測範囲の拡大や分解能の向上のために、複数の磁気センサーを用いた多チャンネル計測が検討されている。
例えば、特許文献1には、所定の方向に配置された第1ガスセルおよび第2ガスセルを、一対の磁場発生手段によって挟んで外乱の影響を抑え、被測定物から発せられる微弱な磁場を測定する磁場測定装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の磁場測定装置では、磁場発生手段に対する第1ガスセルおよび第2ガスセルの相対的な位置の調整が難しいという課題があった。詳しくは、環境由来の磁場を含む外乱の影響を抑えるには、磁場発生手段が発生させる磁場強度や磁場方向が均一な磁場空間に対して、第1ガスセルおよび第2ガスセルなどの位置決めを精密に行う必要がある。そのため、上記相対的な位置の調整は複雑な作業となり易く、長時間の調整や熟練が要求される。また、ガスセル(磁気センサー)の数を増やして多チャンネル化するほど、上記の調整が難しくなる。すなわち、磁場発生手段に対する磁気センサーの相対的な位置の調整を、簡便とする磁場計測装置(磁場測定装置)が求められていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る磁場計測装置おいて、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーを含む磁気センサーアレイと、磁場発生部と、磁場発生部により磁場を発生させたときの、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーの磁気出力の差を解消させる、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置の演算を行う演算部と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、磁気センサーアレイと磁場発生部との相対的な位置の調整を、従来よりも簡便とすることができる。詳しくは、磁場発生部が発生させる磁場に対して、演算部により、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーの磁気出力の差を解消させる、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置が演算される。上記相対的な位置とは、磁気センサーアレイにおいて、環境由来の磁場などの影響が最も低減される位置に他ならない。そのため、演算部によって、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの調整すべき位置が演算されることから、磁気出力の確認および位置調整などを繰り返す回数が低減される。これにより、環境由来の磁場などを含む外乱の影響を抑え、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置調整を、簡便とする磁場計測装置を提供することができる。
上記適用例に記載の磁場計測装置において、演算部は、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーのうち、磁気出力の小さい方を、磁場発生部の中心に近づける方向における移動距離の演算を行うことが好ましい。
これによれば、演算部によって、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーのうち、磁気出力の小さい方、つまり磁場発生部の中心から離れた方を、磁場発生部の中心に近づける移動距離が演算される。そのため、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置調整を、より簡便とすることができる。
上記適用例に記載の磁場計測装置において、演算部の演算結果に基づいて、磁気センサーアレイを磁場発生部に対して相対的に移動させる移動手段を有することが好ましい。
これによれば、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置調整を、いっそう簡便とすることができる。
上記適用例に記載の磁場計測装置において、磁場発生部は、コイルを含むことが好ましい。
これによれば、簡素な構造で、所望の強度を有する磁場を発生させることが可能となる。そのため、磁場計測装置を、従来よりも小型で軽量なものとすることができる。
上記適用例に記載の磁場計測装置において、磁場発生部は、ヘルムホルツコイルを含むことが好ましい。
これによれば、ヘルムホルツコイルを用いれば、所定の間隔を置いて配置された2つのコイルの中心部分に磁場方向や磁場強度が均一な磁場空間を作ることができる。そのため、ヘルムホルツコイルに対する第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーの相対的な位置を調整することにより、環境由来の磁場を含む外乱の影響をさらに抑えることができる。
上記適用例に記載の磁場計測装置において、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーは、入射したプローブ光の偏光面方位を磁場強度に応じて変化させる媒体を、内部に収容したセルを有することが好ましい。
これによれば、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーが光ポンピング方式を採用していることから、セルに入射したプローブ光における、偏光面方位の変化を検出することによって、計測対象から発せられる微弱な磁場の強度を正確に計測することができる。
[適用例]本適用例に係る磁場計測装置の調整方法において、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーを含む磁気センサーアレイと、磁場発生部と、を備え、磁場発生部により磁場を発生させた状態で、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーの磁気出力の差を求める第1の工程と、磁気出力の差を解消すべく、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーのうち、磁気出力が小さい方を、磁場発生部の中心に近づける方向における移動距離の演算を行う第2の工程と、第2の工程の演算結果に基づいて、前記磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置を調整する第3の工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、演算部によって、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーのうち、磁場発生部の中心から離れた方を、磁場発生部の中心に近づける移動距離が演算される。そのため、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置の調整を、従来よりも簡便とする磁場計測装置の調整方法を提供することができる。これによって、磁場計測装置の校正が容易となり、良好な状態で磁場計測装置を使用することが可能となる。
[適用例]本適用例に係る磁場計測装置の製造方法において、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーを含む磁気センサーアレイに磁場発生部を組み込む第1の工程と、磁場発生部により磁場を発生させた状態で、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーの磁気出力の差を求める第2の工程と、磁気出力の差を解消すべく、第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーのうち、磁気出力が小さい方を、磁場発生部の中心に近づける方向における移動距離の演算を行う第3の工程と、第3の工程の演算結果に基づいて、前記磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置を調整する第4の工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、磁場計測装置の製造工程において、前記磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置の調整を、従来よりも簡便かつ正確に行うことができる。そのため、製造時間が短縮されると共に、上記位置の調整精度が向上する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
<磁場計測装置>
本実施形態に係る磁場計測装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態1に係る磁場計測装置の構成を示すブロック図である。
<磁場計測装置>
本実施形態に係る磁場計測装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態1に係る磁場計測装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態においては、非線形磁気光学効果(NMOR:Nonlinear Magneto-Optical Rotation)を利用して磁場を計測する、いわゆるワンビーム方式の磁場計測装置を例に挙げて説明する。ワンビーム方式の磁場計測装置では、直線偏光を含むレーザー光を磁気センサー(セル)に照射し、セルの内部に収容された媒体(アルカリ金属)原子を励起させる。そして、セルを透過したレーザー光を受光素子によって検出することにより、磁場強度の計測が行われる。すなわち、ワンビーム方式とは、媒体原子を励起させるポンプ光と、励起された媒体原子に印加される磁場強度によって偏光回転角が変化するプローブ光(直線偏光)と、を兼用する方式である。
図1に示した磁場計測装置100は、光照射部101、複数の磁気センサー121を含む磁気センサーアレイ120、磁場発生部131、演算部105を有している。また、磁場計測装置100には、分岐光学素子117、偏光分離素子103、受光部104、表示部106、制御部107、移動手段130などが備えられている。
光照射部101は、光源111、変換部112を有している。光源111は、プローブ光としての直線偏光を含むレーザー光Lを射出するレーザー光発生装置であり、例えばチューナブルレーザーである。レーザー光Lは、連続的に一定の光量で照射される、いわゆるCW(Continuous Wave)光である。変換部112は、例えば偏光板であって、光源111が発するレーザー光Lを光軸を中心として所定方向の偏光角を有する直線偏光に変換する。光源111の出力は、例えば、磁気センサー121に入射するレーザー光Lの光量が、数10μW程度となるように調整される。なお、図1においては、光源111および変換部112の数を各2個として2組を用いているが、これに限定されない。磁気センサー121の数や配置などに応じて、光源111および変換部112の組み合わせの数は、1組としてもよく、3組以上としてもよい。
光照射部101から発せられたレーザー光Lは、分岐光学素子117に入射する。分岐光学素子117は、入射したレーザー光Lを磁気センサー121ごとに分岐して入射させる。
磁気センサー121は、略立方体のセルによって構成されている。磁気センサー121のセルには、入射したレーザー光Lの偏光面方位を、磁場強度に応じて変化させる媒体が内部に収容されている。媒体としては、比較的低い温度で気化することが可能であることから、アルカリ金属を用いることが好ましく、具体的には、カリウム(K)、セシウム(Cs)などが挙げられる。磁気センサー121のセルに収容されるアルカリ金属は、計測時には少なくとも一部が気化する。本実施形態では、媒体としてセシウムを用いている。そのため、上述したレーザー光Lは、セシウムの吸収線に応じた波長(例えば、D1線に相当する894nm)を有するように調整されている。以降、説明の都合上、略立方体のセルを指し示して磁気センサー121と呼ぶこととする。
磁気センサー121の外殻は、レーザー光Lを透過する、例えば石英によって形成されている。磁気センサー121の外殻の形成材料としては、レーザー光Lを透過可能であって、アルカリ金属などの媒体と反応しない材料であればよく、石英、ホウケイ酸ガラスなどの無機材料の他、有機材料も用いることができる。また、磁気センサー121の寸法は特に限定されないが、例えば、外殻の1辺の長さが約2cmである。このような複数の磁気センサー121が隣り合って配置され、磁気センサーアレイ120が形成されている。複数の磁気センサー121を含む磁気センサーアレイ120を用いることにより、磁場強度の計測範囲の拡大や計測の分解能向上が可能となる。複数の磁気センサー121の中で、隣り合う磁気センサー121のうち、一方が本発明の第1の磁気センサーに該当し、他方が本発明の第2の磁気センサーに該当するものである。
レーザー光Lは、磁気センサー121の外殻表面での反射や、磁気センサー121の内部での吸収によって減衰する。上記媒体としてのアルカリ金属の原子は、レーザー光Lに含まれる直線偏光を吸収することにより、基底状態から励起状態の間の遷移を繰り返し、固有のエネルギー分布(スピン偏極;アライメント)を形成する。このエネルギー分布(スピン偏極;アライメント)が維持された状態で磁場が印加されると、アルカリ金属の原子による直線偏光の吸収に異方性が生じる。すなわち、スピン偏極(アライメント)の状態が変化する。磁気センサー121(セル)に入射した直線偏光は、スピン偏極(アライメント)の変化の影響を受けて偏光面方位(偏光回転角)が変化する。その結果、偏光面方位(偏光回転角)が変化したレーザー光Lが、磁気センサー121(セル)から射出され、偏光分離素子103に入射する。
偏光分離素子103は、複数の磁気センサー121ごとに配置されている。偏光分離素子103は、変換部112によって変換されたレーザー光Lの直線偏光成分と同じ第1の偏光方向(偏光面方位)の直線偏光成分(P偏光成分)を透過させ、上記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向の直線偏光成分(S偏光成分)を反射させる。偏光分離素子103としては、例えば、偏光ビームスプリッターやウォラストンプリズムを用いることができる。偏光分離素子103において、透過される光を偏光Lp、反射される光を偏光Lsとする。偏光Lp,Lsは受光部104へ入射する。
受光部104は、受光素子141および受光素子142を備えている。1つの偏光分離素子103に対して、受光素子141と受光素子142とが1つずつ配置されている。受光素子141,142は、レーザー光Lの波長に対して感度を有する検出器である。受光素子141は偏光Lpを受光可能な位置に配置され、受光素子142は、偏光Lsを受光可能な位置に配置されている。受光素子141は、受光した偏光Lpの光量に応じた電流(信号)を出力し、演算部105へ送信する。受光素子142は、受光した偏光Lsの光量に応じた電流(信号)を出力し、演算部105へ送信する。なお、受光素子141,142の形成材料は、磁場計測装置100の計測に干渉しないように、非磁性であることが好ましい。なお、当明細書において、非磁性とは磁性を有さないという意味である。
演算部105は、受光素子141および受光素子142から送信された上記信号を受信する。演算部105は、上記信号から、レーザー光Lに含まれる直線偏光成分が、磁気センサー121を透過して変化した偏光回転角の変化量、すなわち、偏光面方位の回転角度を計測する。
偏光分離素子103、受光部104、および演算部105は、磁気センサー121内で変化したレーザー光Lの偏光面方位の回転角度を検出する機能を有している。磁気センサー121に印加された磁場の強度に応じて、レーザー光Lの偏光面方位の回転角度が変化することから、磁場計測装置100は、偏光面方位の回転角度を検出することにより、所定の方向(計測方向)において磁気センサー121に印加された磁場強度を計測することができる。そのため、複数の磁気センサー121の各々から、磁気出力としての磁場強度が求められる。
ところで、計測対象以外の磁場が、外乱(ノイズ)として計測対象の磁場に含まれて計測されることがある。計測対象以外の磁場は、例えば、地磁気、電気設備、電気装置といった計測環境などに由来している。このような計測対象以外の磁場の影響は、生体などから発せられる数pT(ピコテスラ)程度の微弱な磁場を計測する場合に、無視することができなくなる。そこで、上記ノイズの影響を抑えるため、磁場発生部131を用いている。
本実施形態の磁場計測装置100は、コイルを含む磁場発生部131を有し、該コイルに電流を流すことで磁場を発生させる機能を有している。磁場発生部131が発生させた磁場(磁場空間)内に、磁気センサーアレイ120を配置することによって、上記ノイズを減衰させることができる。磁場発生部131は、少なくとも、上記ノイズに相当する程度の強度を有する磁場を発生させることが好ましい。
磁場発生部131が発生させる磁場は、磁場強度に分布を有している。したがって、上記ノイズを減衰させるためには、後述する上記磁場発生部の中心に対して、複数の磁気センサー121の距離が等しくなる位置に、磁気センサーアレイ120(複数の磁気センサー121)が配置されていなければならない。すなわち、磁場発生部131が発生させる磁場について、複数の磁気センサー121の磁気出力(検出される磁場強度)の差を解消させるように、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置が調整される。
そのため、演算部105は、計測対象の磁場強度を演算、処理することに加え、磁場発生部131が発生させる磁場についても磁場強度などを演算、処理する機能を有している。さらに、演算部105では、磁場発生部131が発生させた磁場について、複数の磁気センサー121間の磁気出力を比較し、双方の差を解消させるための、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の演算も行われる。
移動手段130は、磁場発生部131が発生させた磁場に関する演算部105の演算結果に基づいて、磁気センサーアレイ120を磁場発生部131に対して相対的に移動させる機能を有している。本実施形態では、移動手段130を磁場発生部131に付設して、磁場発生部131を移動させる構成としているが、これに限定されない。移動手段130は、磁場発生部131に対して、磁気センサーアレイ120の位置を相対的に調整できればよい。したがって、移動手段130は、磁気センサーアレイ120および磁場発生部131のうち、少なくとも一方の移動を可能にすればよい。
移動手段130の移動機構としては、ダイヤルを備えた3軸ステージを用いている。該移動機構は、演算部105の演算結果に基づいて、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置を調整するために、3軸方向の移動が可能であれば特に限定されない。移動手段130の移動動力としては、モーターや人力を用いることができる。
表示部106は、演算部105と電気的に接続されている。表示部106は、演算部105の演算結果などを表示する。表示部106は、例えば、液晶パネルなどを用いた表示装置である。
制御部107は、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置(図示せず)およびメモリー(図示せず)を備えている。制御部107は、光照射部101、演算部105、表示部106、磁場発生部131などと電気的に接続され、それらの動作を統合して制御する機能を有している。なお、制御部107と移動手段130とを電気的に接続して、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整を、制御部107に行わせてもよい。
<磁気センサーアレイ>
次に、磁気センサーアレイ120における磁気センサー121の配置構成について、図2を参照して説明する。図2は、磁気センサーアレイにおける複数の磁気センサーの配置を示す概略斜視図である。なお、図2においては、磁気センサー121(セル)に付随して設けられる、分岐光学素子117、偏光分離素子103、受光部104などの表示を省略している。
次に、磁気センサーアレイ120における磁気センサー121の配置構成について、図2を参照して説明する。図2は、磁気センサーアレイにおける複数の磁気センサーの配置を示す概略斜視図である。なお、図2においては、磁気センサー121(セル)に付随して設けられる、分岐光学素子117、偏光分離素子103、受光部104などの表示を省略している。
図2に示したように、磁気センサーアレイ120は、複数の磁気センサー121として、8個の磁気センサー121A,121B,121C,121D,121E,121F,121G,121Hによって構成されている。磁気センサーアレイ120においては、同一平面内で、マトリックス状に2個×2個の計4個の磁気センサー121A〜121Dが等間隔で配置され、さらに上記4個の磁気センサー121のそれぞれ直上に、所定の間隔にて磁気センサー121E〜121Hが配置されている。すなわち、合計8個の磁気センサー121A〜121Hが、立体的に配置されている。磁気センサー121A〜121Hが配置された空間を空間120Qと呼び、点線で示している。ここで、図2において、磁気センサー121A〜121Hの縦方向の配列と略平行な方向をZ方向(矢印の方向を正方向)とし、磁気センサー121A〜121Hの横方向の配列と略平行で、Z方向と直交する方向をX方向(矢印の方向を正方向)とし、Z方向およびX方向と直交する方向をY方向(矢印の方向を正方向)とする。したがって、空間120Qは、XYZの3方向において、各辺が磁気センサー121A〜121Hの対応する配列と略平行な、略直方体を成している。
すなわち、磁気センサーアレイ120は、XYZの3方向に、2列ずつ磁気センサー121A〜121Hが配置されている。換言すれば、XY平面において、2列×2列のマトリックス状に配置された4個の磁気センサー121を、Z方向(上下方向)に重ねて配置したグラディオ構造である。このとき、X方向およびY方向において隣り合う磁気センサー121の間隔は、略均等としている。空間120Q(磁気センサーアレイ120)の寸法は、特に限定されないが、例えば、X方向およびY方向の寸法を約0.1m、Z方向の寸法を約0.2mとしている。ここで、空間120Qの8つの頂点から等しい距離にある点を、磁気センサーアレイ120(空間120Q)の中心とし、略立方体を成す磁気センサー121の8つの頂点から等しい距離にある点を、磁気センサー121の中心とする。このとき、磁気センサーアレイ120(空間120Q)の中心と、磁気センサー121A〜121Hの各中心との距離は、全てほぼ等しく設定されている。
また、上述したように、磁気センサー121A〜121Hにおいて、XYZのいずれかの方向において隣り合う磁気センサー121A〜121Hのうち、一方が本発明の第1の磁気センサーに該当し、他方が本発明の第2の磁気センサーに該当するものである。なお、本実施形態においては、磁気センサーアレイ120における8個の磁気センサー121の配置を、上述したようにXYZ方向に2列×2列×2列の配置としたが、これに限定されない。本発明は、XYZの少なくとも1方向に、少なくとも2個の磁気センサー(第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサー)が隣り合って配置された磁場計測装置に適用できる。
次に、磁気センサーアレイ120および分岐光学素子117の構成について、図3を参照して説明する。図3は、磁気センサーアレイの構成を示す概略平面図である。なお、図3は、磁気センサーアレイ120をZ方向(正方向)から俯瞰した平面図であり、Z方向の上方に配置された磁気センサー121E〜121Hを表示している。また、図3においては、レーザー光Lを点線にて示している。
磁気センサー121(セル)の内面には、炭素数が20以上の脂肪族炭化水素を含むパラフィン膜(図示せず)を設けてもよい。炭素数が20以上の脂肪族炭化水素としてパラフィンを含むパラフィン膜によって、励起された媒体(アルカリ金属)の原子がセルの内壁(内面)に直接衝突しにくくなり、媒体の励起状態が減衰する時間を長くすることができる。そのため、パラフィン膜が設けられていない場合と比べて、媒体の励起状態が長く保たれ、磁場計測装置100の検出感度が時間経過と共に低下することを抑制できる。
磁気センサー121(セル)には、媒体としてのセシウムの他に、バッファーガスとして希ガスなどの不活性ガスを収容してもよい。これにより、レーザー光Lの照射によって生じた励起状態が減衰する時間を長くすることができる。そのため、バッファーガスがない場合と比べて、媒体の励起状態が長く保たれ、磁場計測装置100の検出感度が時間経過と共に低下することを抑制できる。
磁気センサーアレイ120には、分岐光学素子117が付設されている。分岐光学素子117は、上述したように、入射したレーザー光Lを磁気センサー121ごとに分岐して入射させる機能を有している。分岐光学素子117は、ミラー115,116,118(図4参照),119(図4参照)を有している。分岐光学素子117にX方向から入射したレーザー光Lは、最初にミラー116に到達する。ミラー116は、レーザー光Lの一部をY方向(負方向)に反射させ、残りをX方向(正方向)へ透過させる。
ミラー116で反射されたレーザー光Lの進行方向(Y方向)には、ミラー115が設けられている。ミラー115は、X方向に配列された磁気センサー121G,121Hと対応する位置に設けられている。ミラー116によって反射されたレーザー光Lは、ミラー115によってX方向(正方向)に反射され、磁気センサー121G,121Hの列に方向が変えられる。
次に、磁気センサーアレイ120、および磁気センサーアレイ120に付随する、分岐光学素子117、偏光分離素子103などの構成について、図4を参照して説明する。図4は、磁気センサーアレイの構成を示す概略断面図である。なお、図4は、図3に示した磁気センサーアレイ120をA−A断面で切断し、分岐光学素子117、偏光分離素子103などを表示した図である。
磁気センサーアレイ120は、上述したように、XY平面にて、マトリックス状(2列×2列)に配置された4個の磁気センサー121を、Z方向に重ねた構造である。そのため、図3における磁気センサー121E〜121Hと同様に、磁気センサー121A〜121Dにも分岐光学素子117が付設されている。また、磁気センサー121A〜121Hのそれぞれに対応して、偏光分離素子103および受光素子141,142が付設されている。このように、磁気センサー121A〜12Dと磁気センサー121E〜121Hとは、付設された、分岐光学素子117、偏光分離素子103、受光素子141,142の構成および配置が同様である。そこで、以下、磁気センサー121E〜121H側を代表例として説明する。
上述したように、ミラー116によって透過されたレーザー光Lは、X方向(正方向)へ進行する。ミラー116を透過したレーザー光Lの進行方向には、ミラー118,119が設けられている。ミラー118,119の位置は、X方向に2個配置された磁気センサー121E,121Fと対応している。ミラー118は、到達したレーザー光Lの一部をZ方向(正方向)に反射させ、磁気センサー121Eに入射させる。レーザー光Lの一部は、ミラー118を透過してミラー119へ到達する。ミラー119は、レーザー光Lの少なくとも一部を反射させ、磁気センサー121Fに入射させる。
以上では、磁気センサーアレイ120のA−A断面の構成、換言すれば、磁気センサー121E,121Fおよびこれらに付随する構成を述べた。これに対して、磁気センサー121G,121HをXZ平面で切断した断面の構成も、ミラー116がミラー115に代わる以外は、上述したA−A断面と同様としている。そのため、ミラー115によってX方向(正方向)に反射されたレーザー光Lは、上述したミラー116を透過したレーザー光Lと同様にして、X方向に配置されたミラー118,119によって、対応する磁気センサー121G,121Hに入射される。
ミラー116,115,118,119としては、例えば、部分偏光ビームスプリッター、または偏光面方位によらず透過率が一定となる無偏光ビームスプリッターを用いることができる。なお、磁気センサー121A〜121Hに入射するレーザー光Lの光量は、均等であることが好ましい。そのため、レーザー光Lに含まれる直線偏光に対して、ミラー116,115,118,119の透過率および反射率を個別に調整して、上記の光量が均等となるように設定している。
レーザー光Lは、上述したように、磁気センサー121を透過することで、磁気センサー121に封入されたアルカリ金属の原子が受ける磁場強度に応じた偏光面方位の変化を受ける。レーザー光Lは、磁気センサー121を透過した後、偏光分離素子103にて偏光Lpと偏光Lsとに分離され、それぞれ受光素子141と受光素子142とに受光される。
以上に述べた磁気センサー121E〜121H側の構成は、磁気センサー121A〜121D側も同様としている。これらによって、光照射部101から照射されたレーザー光Lは、磁気センサー121A〜121Hを透過した後、対応する受光素子141,142に受光されて、磁場強度の計測に供される。
なお、図4において、磁場計測装置100は、磁気センサー121をレーザー光Lが1回だけ透過する、所謂シングルパス方式として説明したが、この方式に限定されない。例えば、ミラーなどを用いて、磁気センサー121をレーザー光Lが複数回透過する、マルチパス方式としてもよい。また、レーザー光Lは、磁気センサー121に対して、必ずしもZ方向と略平行に透過する必要はない。
<磁場発生部>
磁気センサーアレイ120に対する磁場発生部131の配置状態について、図5を参照して説明する。図5は、磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。なお、以降の説明においては、上述した略直方体の空間120Q(図2参照)を、磁気センサーアレイ120と見なして説明することがある。
磁気センサーアレイ120に対する磁場発生部131の配置状態について、図5を参照して説明する。図5は、磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。なお、以降の説明においては、上述した略直方体の空間120Q(図2参照)を、磁気センサーアレイ120と見なして説明することがある。
磁場発生部131は円形のコイルを有している。図5に示したように、磁場発生部131のコイルは、磁気センサーアレイ120に対して、十分大きなコイル内径を有し、磁気センサーアレイ120(空間120Q)を取り囲んで配置されている。該コイルに一定の向きで電流を流すことにより、コイルの中心部分において、方向や強度が安定した磁場Bz1が発生する。このとき、磁場発生部131の中心としての、円形のコイルの中心と、磁場Bz1の中心とは合致することから、磁場Bz1の中心を磁場発生部131の中心とする。ここで、上記コイルは、回転軸がZ方向と略平行なZ軸コイルとしている。上述したように、磁気センサー121に対するレーザー光Lの透過方向(進行方向)もZ方向であるため、磁場強度の検出方向と磁場Bz1の方向はほぼ等しくなる。なお、本明細書においては、磁場発生部がコイルを含む場合に、磁場発生部の中心はコイルの中心とする。
磁場発生部131には、移動手段130(図1参照)が付設されている。移動手段130は、演算部105の演算結果に基づいて、磁気センサーアレイ120を、磁場発生部131に対して相対的に移動させる(相対的な位置を調整する)ことが可能である。
<磁場>
磁場発生部131が発生させる磁場Bz1の状態について、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。図6Aおよび図6Bは磁場発生部が発生させる磁場を示す模式図である。
磁場発生部131が発生させる磁場Bz1の状態について、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。図6Aおよび図6Bは磁場発生部が発生させる磁場を示す模式図である。
図6Aおよび図6Bは、磁場発生部131が発生させる磁場Bz1について、ビオ・サバールの公式により算出した結果を図示したものである。図6Aにおいては、磁場発生部131の中心をXYZ座標の原点に置き、Z=0.1[m]のXY平面における磁場Bz1の状態を、磁束密度の大小で示している。図6Bにおいては、磁場発生部131の中心をXYZ座標の原点に置き、Z=−0.1[m]のXY平面における磁場Bz1の状態を、磁束密度の大小で示している。ここで、磁気センサーアレイ120の中心および磁場発生部131の中心を一致させたとき、磁気センサー121Aの中心をa、磁気センサー121Bの中心をb、磁気センサー121Cの中心をc、磁気センサー121Dの中心をd、磁気センサー121Eの中心をe、磁気センサー121Fの中心をf、磁気センサー121Gの中心をg、磁気センサー121Hの中心をhとする。
図6A、図6B共に、磁場Bz1は、磁場発生部131のコイルの回転軸を中心として発生している。図6Aでは、磁束密度はコイルの回転軸上が最も大きく、そこから離れるにしたがって等間隔で小さくなっている。図6Bでは、磁束密度はコイルの回転軸上が最も小さく、そこから離れるにしたがって等間隔で大きくなり、図6Aに対して面対称となっている。これは、磁束密度がベクトル値であるためであり、磁束密度を絶対値で表せば、図6Aと図6Bとは同じ形状となる。
すなわち、XY平面において、上記回転軸を中心とする同心円上に、磁場強度が等しい点が分布している。また、図6Aおよび図6Bの比較から、磁場強度は、Z=0のXY平面を対称面とする分布状態にあり、絶対値が等しくなる分布を有している。したがって、上述したように、磁場発生部131の中心(上記コイルの中心)は、磁場Bz1の中心となる。また、磁場計測装置100の実際の計測においては、磁場強度の計測対象を、磁場Bz1の中心を通るZ軸上に配置して計測を実行することとなる。
これにより、磁気センサーアレイ120の中心を、磁場発生部131の中心に置くことによって、磁気センサー121A〜121Hに印加される磁場Bz1を揃えることができる。詳しくは、XY方向において隣り合う磁気センサー121同士では、磁場Bz1の磁気出力(磁場強度)を等しく、Z方向において隣り合う磁気センサー121同士では、磁場Bz1の磁気出力(磁場強度)の絶対値を等しくすることができる。ここで、XY方向において隣り合う磁気センサー121同士とは、例えば、磁気センサー121Aおよび磁気センサー121B、磁気センサー121Fおよび磁気センサー121Hなどを指す。また、Z方向において隣り合う磁気センサー121同士とは、例えば、磁気センサー121Aおよび磁気センサー121E、磁気センサー121Dおよび磁気センサー121Hなどを指す。すなわち、磁気センサーアレイ120の中心を、磁場発生部131の中心に置くことによって、磁気センサー121A〜121Hの中心a〜hでは、磁場Bz1の磁場強度(磁束密度)の絶対値を等しくすることができる。
<磁場計測装置の調整方法>
本実施形態に係る磁場計測装置100の調整方法について、図7を参照して説明する。図7は、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置の調整方法を示す工程フロー図である。
本実施形態に係る磁場計測装置100の調整方法について、図7を参照して説明する。図7は、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置の調整方法を示す工程フロー図である。
本実施形態の磁場計測装置100の調整方法は、磁場発生部131により磁場Bz1を発生させた状態で、XYZのいずれかの方向において隣り合う磁気センサー121間の磁気出力の差を求める第1の工程と、上記磁気出力の差を解消すべく、上記隣り合う磁気センサー121のうち、磁気出力が小さい方を、磁場Bz1の中心に近づける方向における移動距離の演算を行う第2の工程と、演算部105の演算結果に基づいて、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置を調整する第3の工程と、を備えている。
図7の工程S1の磁気出力の差を求める工程(第1の工程)では、隣り合う磁気センサー121の磁気出力の差を求める。詳しくは、磁場発生部131によって磁場Bz1を発生させた状態で、XYZのいずれかの方向において隣り合う磁気センサー121のうちの2つの磁気センサー121において、磁場Bz1から印加された磁場強度を磁気出力として検出させる。次いで、演算部105において上記磁気出力が比較され、双方の磁気出力の差が計算により求められる。
工程S2の移動距離の演算を行う工程(第2の工程)では、磁場発生部131に対して、磁気センサーアレイ120を相対的に移動させるための移動距離を演算する。詳しくは、演算部105において、上記磁気出力が小さい方の磁気センサー121について、工程S1で求めた磁気出力の差を解消させる移動距離が演算される。
工程S3の位置を調整する工程(第3の工程)では、演算部105の演算結果(移動距離)にしたがって、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置を調整する。本実施形態では、移動手段130が磁場発生部131に付設されているため、上記位置の調整は、磁気センサーアレイ120に対して、磁場発生部131を移動させて行う。このとき、磁場発生部131の移動の方向は、磁気出力を比較した2つの磁気センサー121の隣り合う方向(XYZのいずれかの方向)と一致し、その向きは、磁気出力が小さい方の磁気センサー121が、磁場発生部131の中心に近づく向きとする。ここで、上記位置の調整に必要な情報(移動距離、移動方向など)は、演算部105の演算結果を受けて表示部106に表示される。したがって、表示部106の表示(指示)が参照され、手動によって移動手段130を動かすことで上記位置が調整される。
上述した調整を、3方向(XYZ方向)について行うことにより、磁場発生部131(磁場Bz1)の中心と、磁気センサーアレイ120の中心とを略一致させることができる。
次に、磁場計測装置100のより詳細な調整方法について、具体例を挙げ、図8を参照して説明する。図8は、磁場発生部に対する磁気センサーアレイの相対的な位置の調整方法を示すフローチャート図である。なお、図8に示した調整方法のフローは一例であって、これに限定されるものではない。
先ず、工程S0では、磁場発生部131によって磁場Bz1を発生させる。
X方向の位置の調整のため、X方向で隣り合う磁気センサー121Aおよび磁気センサー121Bについて、磁場Bz1から印加される磁場強度を検出させ、演算部105にて受信する。ここで、磁気センサー121Aの磁場強度(磁気出力)をA、磁気センサー121Bの磁場強度(磁気出力)をBとする。
工程S1では、演算部105において、磁場強度A,Bの大小を比較する。
磁場強度A,Bが等しくない場合、例えば、磁場強度がA>Bであったとすると、磁場強度の差A−Bを求める。磁場強度がA>Bであることから、磁気センサー121Bは、磁気センサー121Aより磁場発生部131(磁場Bz1)の中心から離れている。そこで、工程S2では、演算部105にて、磁場強度の差A−Bを解消させるための、磁気センサー121Bの移動距離が演算される。この演算結果は、移動距離、移動方向などの調整条件として、表示部106に表示される。なお、本例における移動方向は、A>BであることからXの負方向であり、磁気出力が小さい磁気センサー121Bを、磁場発生部131の中心へ近づける方向となる。ただし、上述した通り、磁場発生部131側を移動させるため、磁場発生部131の移動方向としては、逆向き(Xの正方向)となる。また、A<Bの場合は、磁気センサー121Aを磁場発生部131の中心へ近づける方向の移動となるが、上述した手順は変わらない。
工程S3では、上記演算結果(調整条件)にしたがって、移動手段130を手動にて移動させ、X方向における、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置を調整する。
次いで、フローを再び工程S1(磁場強度A,Bの検出)に戻し、位置調整後の確認を実行して、A=Bとなるまで上記フローを繰り返す。A=Bとしたところで、X方向の調整は完了し、Z方向の調整に移行する。
Z方向の位置の調整は、Z方向で隣り合う磁気センサー121Aおよび磁気センサー121Eについて、磁場Bz1から印加される磁場強度を検出させ、演算部105にて受信する。ここで、磁気センサー121Eの磁場強度(磁気出力)をEとする。
次いで、演算部105において、磁場強度A,Eの大小を比較する。これ以降は、磁場強度A,Eを用いて、Z方向について位置の調整を行う他は、上述したX方向と同様に行う。A=Eとしたところで、Z方向の調整は完了し、Y方向の調整に移行する。
Y方向の位置の調整は、Y方向で隣り合う磁気センサー121Aおよび磁気センサー121Cについて、磁場Bz1から印加される磁場強度を検出させ、演算部105にて受信する。ここで、磁気センサー121Cの磁場強度(磁気出力)をCとする。
次いで、演算部105において、磁場強度A,Cの大小を比較する。これ以降は、磁場強度A,Cを用いて、Y方向について位置の調整を行う他は、上述したX方向と同様に行う。A=Cとしたところで、Y方向の調整は完了する。
以上のフローによって、XYZの3方向における、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整が完了する。そのため、磁気センサーアレイ120の中心と磁場発生部131の中心とが、略一致する状態に調整され、磁気センサー121A〜121Hに印加される磁場Bz1の磁場強度を揃えることができる。
以上に述べたように、本実施形態に係る磁場計測装置100およびその調整方法によれば、以下の効果が得られる。
1)磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整を、従来よりも簡便な方法で達成することができる。詳しくは、演算部105によって、磁場Bz1に対する磁気センサー121間の磁気出力の差を解消させる、調整条件(移動方向、移動距離)が演算され、表示部106に示される。そのため、上記調整条件を参照して調整を行うことにより、磁気センサーアレイ120の中心と磁場発生部131の中心とを、従来よりも容易に、略一致する状態に調整することができる。すなわち、環境由来の磁場などを含む外乱の影響を抑え、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置調整を簡便とする磁場計測装置100を提供することができる。
2)磁場発生部131がコイルを含むことにより、簡素な構造で、所望の強度を有する磁場Bz1を発生させることが可能となる。そのため、磁場計測装置100を、従来よりも小型で軽量なものとすることができる。また、上記位置の調整が簡便であることによって、例えば、毎使用時などに校正として実施することが可能となる。これにより、磁場計測装置100の磁場強度の検出能力を、常に良好に保つことができる。
(実施形態2)
<磁場発生部>
本実施形態に係る磁場発生部の構成について、図9を参照して説明する。図9は、実施形態2に係る磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
<磁場発生部>
本実施形態に係る磁場発生部の構成について、図9を参照して説明する。図9は、実施形態2に係る磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図9に示した磁場発生部231は、本実施形態の磁場計測装置200(図示せず)に含まれている。磁場発生部231は、ヘルムホルツコイルを含み、移動手段230が付設されている。本実施形態は、実施形態1の磁場発生部131に代えて、ヘルムホルツコイルを含む磁場発生部231を配置した点が、実施形態1とは異なっている。
ヘルムホルツコイルとは、大きさが同じである1対の円形のコイルを、同一の回転軸上に、該コイルの半径に等しい距離で配置したものをいう。ヘルムホルツコイルにおいては、回転軸上においてコイル間の中間点がコイルの中心となる。
図9に示したように、磁場発生部231の1対のコイルが、磁気センサーアレイ120(空間120Q)をZ方向に挟んで配置されている。すなわち、磁場発生部231のヘルムホルツコイルは、回転軸がZ方向と略平行な、Z軸コイルとしている。このとき、上述した通り、1対のコイルの距離h2は、該ヘルムホルツコイルの半径r2に等しい。磁場発生部231によって、Z方向の磁場Bz2が発生される。ここで、図4に示したように、磁気センサー121に対するレーザー光Lの透過方向もZ方向であるため、磁場強度の検出方向と磁場Bz2の方向はほぼ等しくなる。
磁場発生部231のヘルムホルツコイルは、磁気センサーアレイ120に対して、十分大きなコイル半径r2を有している。また、磁場発生部231に付設された移動手段230によって、磁場発生部231に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整が可能である。ここで、上記ヘルムホルツコイルの中心を、磁場発生部231の中心とする。
<磁場>
磁場発生部231が発生させる磁場Bz2の状態について、図10Aおよび図10Bを参照して説明する。図10Aおよび図10Bは、磁場発生部が発生させる磁場を示す模式図である。
磁場発生部231が発生させる磁場Bz2の状態について、図10Aおよび図10Bを参照して説明する。図10Aおよび図10Bは、磁場発生部が発生させる磁場を示す模式図である。
図10Aおよび図10Bは、磁場発生部231が発生させる磁場Bz2について、ビオ・サバールの公式により算出した結果を図示したものである。図10Aにおいては、磁場発生部231の中心をXYZ座標の原点に置き、Z=0.05[m]のXY平面における磁場Bz2の状態を、磁束密度の大小で示している。図10Bにおいては、磁場発生部231の中心をXYZ座標の原点に置き、Z=−0.05[m]のXY平面における磁場Bz2の状態を、磁束密度の大小で示している。
図10A、図10B共に、磁場Bz2は、磁場発生部231のヘルムホルツコイルの回転軸を中心として発生している。図10A、図10Bに共通して、磁束密度はヘルムホルツコイルの回転軸上が最も大きく、そこから離れるにしたがって等間隔で小さくなっている。すなわち、該ヘルムホルツコイルの2つのコイルに挟まれた空間であれば、Z方向における正負両側で磁場(磁束密度)の向きが等しく、磁場強度の分布も同様となっている。
そのため、磁気センサーアレイ120の中心を、磁場発生部231の中心(磁場Bz2の中心)に置くことによって、磁気センサー121A〜121Hに印加される磁場Bz2を揃えることができる。換言すれば、XYZの3方向において隣り合う磁気センサー121同士では、磁場Bz2の磁気出力を等しくすることができる。
磁場発生部231に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整は、移動手段230を用いて、実施形態1の移動手段130と同様に行う他は、実施形態1と同様な方法で実施することができる。
以上述べたように、本実施形態に係る磁場計測装置200によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果が得られる。
ヘルムホルツコイルを用いているため、1個のコイルを用いる場合と比べて、磁場Bz2において、磁場の方向や強度が均一な範囲が広くなる。これにより、磁場発生部231に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整を、より容易にすることができる。また、磁場発生部231(磁場Bz2)の中心に対して、ヘルムホルツコイルに挟まれた空間内であれば、Z方向における正負両側で磁場(磁束密度)の向きが等しくなる。そのため、磁束密度(ベクトル)の向きが等しく、演算部105における移動距離などの演算を簡略化することができる。
(実施形態3)
<磁場発生部>
本実施形態に係る磁場発生部の構成について、図11を参照して説明する。図11は、実施形態3に係る磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
<磁場発生部>
本実施形態に係る磁場発生部の構成について、図11を参照して説明する。図11は、実施形態3に係る磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図11に示した磁場発生部331は、本実施形態の磁場計測装置300(図示せず)に含まれている。磁場発生部331は、ヘルムホルツコイルを含み、移動手段330が付設されている。本実施形態は、実施形態2に対して、磁気センサーアレイ120とヘルムホルツコイルとの配置を変更している。
図11に示したように、磁場発生部331の1対のコイルが、磁気センサーアレイ120(空間120Q)をX方向に挟んで配置されている。すなわち、磁場発生部331のヘルムホルツコイルは、回転軸がX方向と略平行な、X軸コイルとなっている。このとき、上述した通り、上記の1対のコイルの距離h3は、該ヘルムホルツコイルの半径r3に等しい。磁場発生部331によって、X方向の磁場Bz3が発生される。ここで、上述したように、磁気センサー121に対するレーザー光Lの透過方向はZ方向であるため、磁場強度の検出方向と磁場Bz3の方向はほぼ直交する。
上記ヘルムホルツコイルは、磁気センサーアレイ120に対して、十分大きなコイル半径r3を有している。また、磁場発生部331に付設された移動手段330によって、磁場発生部331に対する磁気センサーアレイ320の相対的な位置の調整が可能である。ここで、上述した上記ヘルムホルツコイルの中心を、磁場発生部331の中心とする。
<磁場>
磁場発生部331が発生させる磁場Bz3の状態について、図12Aおよび図12Bを参照して説明する。図12Aおよび図12Bは、磁場発生部が発生させる磁場を示す模式図である。
磁場発生部331が発生させる磁場Bz3の状態について、図12Aおよび図12Bを参照して説明する。図12Aおよび図12Bは、磁場発生部が発生させる磁場を示す模式図である。
図12Aおよび図12Bは、磁場発生部331が発生させる磁場Bz3について、ビオ・サバールの公式により算出した結果を図示したものである。図12Aにおいては、磁場発生部331の中心をXYZ座標の原点に置き、Z=−0.05[m]のXY平面における磁場Bz3の状態を、磁束密度の大小で示している。図12Bにおいては、磁場発生部331の中心をXYZ座標の原点に置き、Z=0.05[m]のXY平面における磁場Bz3の状態を、磁束密度の大小で示している。ここで、図12Aおよび図12Bは、上述した磁場を示す模式図(図6A、図6B、図10A、図10B)とは異なり、グラフの縦軸に、磁束密度がゼロの目盛を設けてある。つまり、図12Aおよび図12Bでは、正負両方向の磁束密度の分布が示されている。
図12A、図12B共に、磁場Bz3は、Y軸に対して線対称の磁場強度の分布を有している。また、XZ平面に対しては、面対称の分布を有している。詳しくは、Z=−0.05[m]およびZ=0.05[m]のどちらにおいても、磁束密度が正の領域と、負の領域とが存在している。また、図12Aおよび図12Bは、磁束密度がY=0の直線に対する線対称の分布を形成している。
図12A、図12Bに示すように、磁場Bz3は、磁場Bz1と比べて複雑な分布を有しているが、磁気センサーアレイ120の中心を、磁場発生部331の中心(磁場Bz3の中心)に置くことによって、上記位置の調整が可能であることに変わりはない。
磁場発生部331に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整は、移動手段330を用いて、実施形態1の移動手段130と同様に行う他は、実施形態1と同様な方法で実施することができる。ただし、Y方向に隣り合う磁気センサー121同士(例えば、磁気センサー121Aおよび磁気センサー121C)と、Z方向に隣り合う磁気センサー121同士(例えば、磁気センサー121Aおよび磁気センサー121E)との上記位置の調整においては、磁場Bz3の絶対値を用いて行う。
以上に述べたように、本実施形態に係る磁場計測装置300によれば、実施形態2における効果に加えて、以下の効果が得られる。
磁場発生部331のヘルムホルツコイルをX軸コイル(コイルの回転軸とX軸とが略平行なコイル)としたため、コイルの回転軸(X軸)と、レーザー光Lの透過方向(Z方向)とが直交する。そのため、磁気センサーアレイ120と、磁場強度の計測対象との間に、ヘルムホルツコイルの片方のコイルを配置しなくてもよい。これにより、磁気センサーアレイ120と計測対象との距離を短くすることが可能となり、磁場強度計測の検出感度を向上させることができる。
(実施形態4)
<磁場発生部>
本実施形態に係る磁場発生部の構成について、図13を参照して説明する。図13は、実施形態4に係る磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
<磁場発生部>
本実施形態に係る磁場発生部の構成について、図13を参照して説明する。図13は、実施形態4に係る磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図13に示した磁場発生部431は、本実施形態の磁場計測装置400(図示せず)に含まれている。磁場発生部431は、3つのヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zを含んでいる。磁場計測装置400は、移動手段430を有している。移動手段430は、磁場発生部431ではなく、磁気センサーアレイ120に付設されている。その他の構成は、実施形態1の磁場計測装置100と同様としている。
図13に示したように、磁場発生部431の3つのヘルムホルツコイルが、磁気センサーアレイ120(空間120Q)をXYZの3方向に挟んで配置されている。ヘルムホルツコイル431Xは、磁気センサーアレイ120をX方向に挟んで配置され、回転軸がX方向と略平行なX軸コイルとなっている。ヘルムホルツコイル431Yは、磁気センサーアレイ120をY方向に挟んで配置され、回転軸がY方向と略平行なY軸コイルとなっている。ヘルムホルツコイル431Zは、磁気センサーアレイ120をZ方向に挟んで配置され、回転軸がZ方向と略平行なZ軸コイルとなっている。
ここで、ヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zの半径は、磁気センサーアレイ120に対して十分大きく、それぞれ異なる寸法に設定されている。また、ヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zにおける、各回転軸上のコイル間の中心は一致させており、一致させた中心を磁場発生部431の中心とする。
以上の配置から、磁場発生部431において、ヘルムホルツコイル431Zは、実施形態2にて説明したZ方向の磁場Bz2と、ヘルムホルツコイル431Xは、実施形態3で説明したX方向の磁場Bz3と、ヘルムホルツコイル431Yは、磁場Bz3の磁場の方向のみY方向となる磁場と、それぞれ類似した磁場強度の分布を有する磁場を発生させることができる。
本実施形態に係る磁場計測装置400の調整は、3つのヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zのいずれか1つによって磁場を発生させて行う。その調整方法は、上述したように、実施形態2または実施形態3の調整方法に準じて実施される。このとき、3つのヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zを、任意の順番で順次作動させて、ヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zの全てを用いて調整を行ってもよい。また、3つのヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zの中から、1つまたは2つを任意に選択して調整を行ってもよい。なお、計測対象の磁場強度の計測は、ヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zのうち少なくとも1つを作動させて行う。
以上述べたように、本実施形態に係る磁場計測装置400によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果が得られる。
ヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zの半径が異なる寸法に設定されているため、それぞれによって発生される磁場強度の範囲が異なる。そのため、計測対象の磁場強度やノイズ(環境由来の磁場など)に応じて、調整に用いるヘルムホルツコイルを選択することができる。また、ヘルムホルツコイル431X,431Y,431Zを用いて、順次調整を行うことにより、調整の精度をさらに向上させることができる。
(実施形態5)
<磁場計測装置の製造方法>
本実施形態に係る磁場計測装置の製造方法について、実施形態1の磁場計測装置100を例に挙げて、図14を参照して説明する。図14は、実施形態5に係る磁場計測装置の製造方法を示す工程フロー図である。
<磁場計測装置の製造方法>
本実施形態に係る磁場計測装置の製造方法について、実施形態1の磁場計測装置100を例に挙げて、図14を参照して説明する。図14は、実施形態5に係る磁場計測装置の製造方法を示す工程フロー図である。
本実施形態の磁場計測装置100の製造方法は、複数の磁気センサー121を含む磁気センサーアレイ120に磁場発生部131を組み込む第1の工程(S11)と、磁場発生部131により磁場Bz1を発生させた状態で、XYZのいずれかの方向において隣り合う磁気センサー121間の磁気出力の差を求める第2の工程(S12)と、上記磁気出力の差を解消すべく、上記隣り合う磁気センサー121のうち、磁気出力が小さい方を、磁場Bz1の中心に近づける方向における移動距離の演算を行う第3の工程(S13)と、演算部105の演算結果に基づいて、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置を調整する第4の工程(S14)と、を備えている。
図14の工程S11の磁場発生部131を組み込む工程(第1の工程)では、磁場発生部131のコイルが、磁気センサーアレイ120を取り囲むように組み込む。
工程S12の磁気出力の差を求める工程(第2の工程)では、隣り合う磁気センサー121の磁気出力の差を求める。詳しくは、磁場発生部131によって磁場Bz1を発生させた状態で、XYZのいずれかの方向において隣り合う磁気センサー121のうちの2つにおいて、磁場Bz1から印加された磁場強度を磁気出力として検出させる。次いで、演算部105において上記磁気出力が比較され、双方の磁気出力の差が計算により求められる。
工程S13の移動距離の演算を行う工程(第3の工程)では、磁場発生部131に対して、磁気センサーアレイ120を相対的に移動させるための移動距離を演算する。詳しくは、演算部105において、上記磁気出力が小さい方の磁気センサー121について、工程S1で求めた磁気出力の差を解消させる移動距離が演算される。
工程S14の位置を調整する工程(第4の工程)では、演算部105の演算結果(移動距離)にしたがって、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置を調整する。磁場計測装置100では、移動手段130が磁場発生部131に付設されているため、上記位置の調整は、磁気センサーアレイ120に対して、磁場発生部131を移動させて行う。このとき、磁場発生部131の移動の方向は、磁気出力を比較した2つの磁気センサー121の隣り合う方向(XYZのいずれかの方向)と一致し、その向きは、磁気出力が小さい方の磁気センサー121が、磁場発生部131の中心に近づく向きとする。ここで、上記位置の調整に必要な情報(移動距離、移動方向など)は、演算部105の演算結果を受けて表示部106に表示されてもよいし、磁場計測装置100の製造工程の途中で上記位置の調整を行う場合は、表示部106とは別の製造工程用の表示装置を用いてもよい。演算結果を参照して移動手段130を作動させ、上記位置が調整される。
上述した調整を、磁気センサー121が隣り合う3方向(XYZ方向)について行うことにより、磁場発生部131(磁場Bz1)の中心と、磁気センサーアレイ120の中心とを略一致させることができる。これにより、製造工程における、上記位置の調整が完了する。なお、本実施形態の磁場計測装置100の製造方法における詳細な調整方法のうち、工程S12以降は実施形態1の調整方法に準じて行うことができる。
以上述べたように、本実施形態に係る磁場計測装置100の製造方法によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
製造工程において、磁場発生部131に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整を、従来よりも簡便な方法で行うことが可能となる。これにより、製造工程における上記位置の調整の時間が低減され、製造時間を短縮することができる。また、製造工程において、上記位置の調整を行うため、磁場計測装置100の納入などの際に、磁場計測装置100の校正、調整の時間を短縮することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
変形例1に係る磁場計測装置では、実施形態2における磁場発生部231が含むヘルムホルツコイルに代えて、1対のコイル(ヘルムホルツコイルではないコイル)を用いている。1対のコイルを用いた他は、該1対のコイルの配置を含めて実施形態2と同様としている。
変形例1に係る磁場計測装置では、実施形態2における磁場発生部231が含むヘルムホルツコイルに代えて、1対のコイル(ヘルムホルツコイルではないコイル)を用いている。1対のコイルを用いた他は、該1対のコイルの配置を含めて実施形態2と同様としている。
本変形例によれば、実施形態2と同様な効果を得ることができる。さらに、ヘルムホルツコイルを用いないことにより、コイルの半径と1対のコイル間の距離を等しくする必要がなく、磁場発生部のレイアウト上の自由度が向上する。また、ヘルムホルツコイルを用いた実施形態3、実施形態4においても、ヘルムホルツコイルを、ヘルムホルツコイルでない1対のコイルに代替しても、それぞれ実施形態3、実施形態4と同様な効果を得ることができる。
(変形例2)
変形例2に係る磁場計測装置は、上述した実施形態1から実施形態4および変形例1で示した磁場計測装置もしくは磁場発生部を有する磁場計測装置が、透磁率が高い合金にて形成されたシールド機器内に配置された形態としている。変形例2の磁場計測装置においても、磁気センサーアレイ120の中心と、磁場発生部の中心とを一致させるため、磁場発生部に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整がなされる。本変形例によれば、シールド機器によって環境由来の磁場などを含む外乱の影響が低減されることに加え、上記実施形態または上記変形例で示した磁場計測装置によって、上記外乱の影響がさらに低減される。そのため、計測対象の磁場の強度をいっそう正確に計測することができる。
変形例2に係る磁場計測装置は、上述した実施形態1から実施形態4および変形例1で示した磁場計測装置もしくは磁場発生部を有する磁場計測装置が、透磁率が高い合金にて形成されたシールド機器内に配置された形態としている。変形例2の磁場計測装置においても、磁気センサーアレイ120の中心と、磁場発生部の中心とを一致させるため、磁場発生部に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整がなされる。本変形例によれば、シールド機器によって環境由来の磁場などを含む外乱の影響が低減されることに加え、上記実施形態または上記変形例で示した磁場計測装置によって、上記外乱の影響がさらに低減される。そのため、計測対象の磁場の強度をいっそう正確に計測することができる。
(変形例3)
変形例3に係る磁場発生部の配置状態について、図15を参照して説明する。図15は、変形例3に係る磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。
変形例3に係る磁場発生部の配置状態について、図15を参照して説明する。図15は、変形例3に係る磁場発生部の配置状態を示す概略斜視図である。
図15に示したように、磁場発生部731は、コイル731Xとコイル731Yとを有している。コイル731X,731Yは、磁気センサーアレイ120を取り囲んで設けられている。詳しくは、コイル731Xは、コイルの回転軸がX方向と略平行に配置され、コイル731Yは、コイルの回転軸がY方向と略平行に配置されている。コイル731Xよびコイル731Yの半径は、磁気センサーアレイ120に対して十分大きく、それぞれ異なる寸法に設定されている。円形を成す、コイル731Xよびコイル731Yの中心は一致させており、該中心を磁場発生部731の中心とする。また、磁気センサーアレイ120には、移動手段730が付設されている。
ここで、コイル731X,731Yに加えて、コイルの回転軸がZ方向と略平行に配置されるコイル731Z(図示せず)を追加して、3つのコイルを含む磁場発生部731としてもよい。
磁場発生部731に対する磁気センサーアレイ120の相対的な位置の調整は、コイル731X,731Yのいずれか1つによって磁場を発生させて行う。コイル731Xおよびコイル731Yが単独で発生させる磁場強度は、一様な傾斜平面として分布している。詳しくは、コイル731Xによる磁場強度の分布は、コイル731Xの回転軸を通り、XY平面に対して、面対称かつ傾斜角度を有する平面を成している。コイル731Yによる磁場強度の分布は、コイル731Yの回転軸を通り、XY平面に対して、面対称かつ傾斜角度を有する平面を成している。
そのため、コイル731Xで磁場を発生させた場合、X方向において隣り合う磁気センサー121同士(例えば、磁気センサー121A,121B)以外は、磁場強度(磁束密度)のベクトルが逆向きとなる。そのため、上記位置の調整では、Y方向において隣り合う磁気センサー121同士(例えば、磁気センサー121A,121C)、およびZ方向において隣り合う磁気センサー121同士(例えば、磁気センサー121A,121E)の磁気出力の比較は、絶対値を用いて行う。
コイル731Yにおいても、同様な理由から、コイル731Yで磁場を発生させた場合、上記位置の調整では、X方向において隣り合う磁気センサー121同士(例えば、磁気センサー121A,121B)、およびZ方向において隣り合う磁気センサー121同士(例えば、磁気センサー121A,121E)の磁気出力の比較は、絶対値を用いて行う。なお、上述した以外の調整については、実施形態1に準じて行うことができる。
以上述べたように、変形例3に係る磁場発生部731によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果が得られる。
1対のコイル(合計2個)を要するヘルムホルツコイルと比べて、単一のコイルをX軸コイルおよびY軸コイルとして配置しているため、簡素な構成でありながら、XおよびYの2方向の回転軸を有するコイルを選択できる。したがって、731X,731Yの双方を用いて、順次調整を行うことにより、調整の精度をより向上させることができる。
100…磁場計測装置、105…演算部、120…磁気センサーアレイ、121,121A,121B,121C,121D,121E,121F,121G,121H…磁気センサー、130,230,330,430,730…移動手段、131,231,331,431,731…磁場発生部、431X,431Y,431Z…ヘルムホルツコイル、731X,731Y…コイル、Bz1,Bz2,Bz3…磁場、S1,S11…第1の工程、S2,S12…第2の工程、S3,S13…第3の工程、S14…第4の工程。
Claims (8)
- 第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーを含む磁気センサーアレイと、
磁場発生部と、
前記磁場発生部により磁場を発生させたときの、前記第1の磁気センサーおよび前記第2の磁気センサーの磁気出力の差を解消させる、前記磁場発生部に対する前記磁気センサーアレイの相対的な位置の演算を行う演算部と、を有する磁場計測装置。 - 前記演算部は、前記第1の磁気センサーおよび前記第2の磁気センサーのうち、前記磁気出力の小さい方を、前記磁場発生部の中心に近づける方向における移動距離の演算を行う請求項1に記載の磁場計測装置。
- 前記演算部の演算結果に基づいて、前記磁気センサーアレイを前記磁場発生部に対して相対的に移動させる移動手段を有する請求項1または請求項2に記載の磁場計測装置。
- 前記磁場発生部は、コイルを含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁場計測装置。
- 前記磁場発生部は、ヘルムホルツコイルを含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁場計測装置。
- 前記第1の磁気センサーおよび前記第2の磁気センサーは、入射したプローブ光の偏光面方位を磁場強度に応じて変化させる媒体を、内部に収容したセルを有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁場計測装置。
- 第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーを含む磁気センサーアレイと、
磁場発生部と、を備えた磁場計測装置の調整方法であって、
前記磁場発生部により磁場を発生させた状態で、前記第1の磁気センサーおよび前記第2の磁気センサーの磁気出力の差を求める第1の工程と、
前記磁気出力の差を解消すべく、前記第1の磁気センサーおよび前記第2の磁気センサーのうち、前記磁気出力が小さい方を、前記磁場発生部の中心に近づける方向における移動距離の演算を行う第2の工程と、
前記第2の工程の演算結果に基づいて、前記磁場発生部に対する前記磁気センサーアレイの相対的な位置を調整する第3の工程と、を備えた磁場計測装置の調整方法。 - 第1の磁気センサーおよび第2の磁気センサーを含む磁気センサーアレイに磁場発生部を組み込む第1の工程と、
前記磁場発生部により磁場を発生させた状態で、前記第1の磁気センサーおよび前記第2の磁気センサーの磁気出力の差を求める第2の工程と、
前記磁気出力の差を解消すべく、前記第1の磁気センサーおよび前記第2の磁気センサーのうち、前記磁気出力が小さい方を、前記磁場発生部の中心に近づける方向における移動距離の演算を行う第3の工程と、
前記第3の工程の演算結果に基づいて、前記磁場発生部に対する前記磁気センサーアレイの相対的な位置を調整する第4の工程と、を備えた磁場計測装置の製造方法。
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