JP2018002757A - インク組成物及び昇華転写インクジェット記録方法 - Google Patents

インク組成物及び昇華転写インクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】転写効率及び吐出安定性が良好な昇華転写インクジェット記録用のインク組成物を提供すること。【解決手段】昇華性染料と、水溶性有機溶媒と、増粘剤と、を含む、昇華転写インクジェット記録用のインク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物及び昇華転写インクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルからインクの小滴を吐出して、記録媒体に付着させて記録を行う方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度かつ高品位な画像を、高速で記録できるという特徴を有する。インクジェット記録方法においては、用いるインクの性質、記録における安定性、得られる画像の品質をはじめとして、非常に多くの検討要素があり、インクジェット記録装置のみならず、用いるインク組成物に対する研究も盛んである。
また、インクジェット記録方法を用いて、布帛等を染色(捺染)することも行われている。従来、布帛(織布や不織布)に対する捺染方法としては、スクリーン捺染法、ローラー捺染法等が用いられてきたが、多種少量生産性ならびに即時プリント性等の観点から、インクジェット記録方法を適用することが有利であるため種々検討されている。
捺染にインクジェット法を適用する場合には、布帛の織目の粗さにより、布帛上の捺染画像がにじんだり、細かい絵柄の作製が困難となることがある。特許文献1に記載の技術では、インクジェット捺染用インク組成物に対して、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を配合し、チキソトロピー性を付与することで、布帛に対する捺染画像の滲み等を抑制することを試みている。さらに、同様の観点から、種々の増粘剤を配合することにより、記録ヘッドのノズルからの吐出の際の粘度を小さくするとともに、布帛に付着した後の粘度を高くして濡れ拡がり抑制したインクジェットインク組成物が開示されている。
特開平11−166143号公報 特開昭62−101669号公報
一般に、インク組成物に求められる物性は、付着対象の媒体の性状にも依存する。すなわち、付着対象が布帛のような、インクが浸透する空間の大きい媒体においては、付着後のインクの粘度は、より大きくすることが重要となる。
例えば、上記特許文献1に記載の技術では、布帛に対して染料インクをインクジェット法により付着させて、加熱、蒸燻(湿熱)等を行うことにより捺染している。特許文献1に記載の捺染では、インクジェット捺染インクを布帛に付着させる湿式(液相)であるため、インクを液体の状態で布帛の内部に浸透させるとともに、横方向への滲みを抑制する必要がある。そのため、布帛に付着した後に非常に粘度を高める必要があり、かつ布帛に付着した後の流動性も確保しなければならない。そのため、特許文献1に記載のインクジェット捺染用インク組成物は、増粘のために、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を用いていると考えられる。
一方、捺染の一態様として、昇華性染料を用いた転写型の捺染方法がある。係る捺染方法は、捺染対象の媒体(布帛等)に直接にはインク組成物を付着させない。すなわち転写元となる他の媒体(紙等)へインク組成物を付着させた後、当該他の媒体から捺染対象の
媒体へと染料を転写する。この方式は、インク組成物には昇華染料が配合され、転写の際に昇華染料を昇華させ、蒸気によって捺染対象の媒体を染色する乾式(気相)である。そのため、捺染対象の媒体におけるインク組成物の振る舞いは、画質に直接には関係しない。むしろ、転写元の他の媒体におけるインク組成物の浸透や滲みが、最終的な捺染対象の媒体で得られる画質に影響する。また、昇華転写法においては、転写元の他の媒体にインク組成物が付着した際の粘度は、布帛に直接インクを付着させる場合に比較して、低い粘度でも滲み等は生じにくい。
昇華転写法において転写元の媒体として紙等のセルロースを主体とする媒体を用いる場合には、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース等を用いると、紙に対する親和性を有しているため、転写の際に昇華染料の昇華を妨げる場合がある。またこの場合、転写元の媒体の内部へ侵入しやすく、昇華せずに紙の内部に昇華染料が残る場合があり、染料の無駄を生じる場合がある。また、昇華転写法においては、転写元の媒体から染色対象の媒体へと昇華染料を移行させるため、転写元の媒体の表面付近に昇華染料を留めることが好ましい。
また、昇華転写法においても、インク組成物に求められる物性は、インク組成物を吐出させる記録ヘッドやノズルの態様にも依存する。例えば、高精細度に対応する記録ヘッドは、インク組成物の流路が細いため、少なくとも記録ヘッドから吐出される際のシェアレート(ずり速度)において、より低粘度であることが好ましくなってきている。
このように、昇華転写法においてインク組成物に求められる物性等は、布帛への印刷の際に求められる物性とは異なる。そのため、転写の効率、吐出安定性等の性能に優れた昇華転写用のインク組成物が求められている。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、転写効率及び吐出安定性が良好な昇華転写インクジェット記録用のインク組成物を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係るインク組成物の一態様は、
昇華転写インクジェット記録用のインク組成物であって、
昇華性染料と、
水溶性有機溶媒と、
増粘剤と、
を含む。
このようなインク組成物は、増粘剤による擬塑性の発現により、吐出安定性が良好である。また、増粘剤による増粘性の発現により、転写元の媒体への昇華染料の侵入が抑制され、転写元の媒体の表面付近に昇華染料を留まらせることができる。これにより、転写元の媒体に昇華染料が残りにくく、転写先への昇華染料の転写を効率よく行うことができる。
本発明に係るインク組成物において、
前記増粘剤は、多糖類、水溶性増粘樹脂、及び、ウレタン系増粘剤から選択される少なくとも一種であってもよい。
このようなインク組成物は、擬塑性をより発現しやすく、転写効率及び吐出安定性がさ
らに良好である。
本発明に係るインク組成物において、
前記増粘剤は、ウレタンブロックポリマーであってもよい。
このようなインク組成物は、擬塑性をより発現しやすく、転写効率及び吐出安定性がさらに良好である。
本発明に係るインク組成物において、
値は、1.5以上2以下である、インク組成物。
このようなインク組成物は、擬塑性の程度がインクジェット記録において、さらに適しているとともに、転写元の表面にさらに留まりやすく、転写効率及び吐出安定性がさらに良好である。
本発明に係るインク組成物において、
シェアレートが100s−1のときの粘度は、3mPa・s以上5mPa・s以下である、インク組成物。
このようなインク組成物は、シェアレートが100s−1のときの粘度がインクジェット記録にさらに適しており吐出安定性がさらに良好である。なお、発明者の検討によれば、インク組成物に吐出時に加わるシェアレートは、100s−1程度であり、係るシェアレートにおいて低粘度であれば吐出安定性を確保できることが分かっている。
本発明に係るインク組成物において、
ピエゾ駆動方式の記録ヘッドに使用される、インク組成物。
このようなインク組成物は、ピエゾ駆動方式の記録ヘッドのインク吐出時のシェアレートが100s−1程度であるため、さらに良好な画像を記録することができる。
本発明に係る昇華転写インクジェット記録方法の一態様は、
上述のインク組成物を第1記録媒体の記録面に付着させる工程と、
前記第1記録媒体の記録面に、第2記録媒体を配置する工程と、
前記第1記録媒体及び前記第2記録媒体を加熱する工程と、
を有する。
このような昇華転写インクジェット記録方法によれば、増粘剤による擬塑性の発現により、吐出安定性が良好である。また、増粘剤による増粘性の発現により、第1記録媒体への昇華染料の侵入が抑制され、第1記録媒体の表面付近に昇華染料を留まらせることができる。これにより、第2記録媒体への昇華染料の転写を効率よく行うことができる。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.インク組成物
本実施形態に係るインク組成物は、昇華性染料と、水溶性有機溶媒と、増粘剤と、を含む。
1.1.昇華性染料
本実施形態のインク組成物は、昇華性染料(以下「昇華染料」ともいう。)を含む。昇華性染料とは、ポリエステル、ナイロン、アセテート等の疎水性合成繊維の染着に好適に用いられる染料であり、水に不溶または難溶の化合物である。また昇華性染料は、加熱により昇華する性質を有する染料である。本実施形態のインク組成物に用いられる昇華性染料としては、特に制限されないが、具体的には以下に例示するものが挙げられる。
なお昇華性染料は、加熱により昇華する性質を有する染料であり、JIS L0879で規定される乾式処理に対する染色堅ろう度試験方法における、乾熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が、3−4級以下のものを好ましく用いることができ、より好ましくは3級以下のものを用いることができる。
昇華性染料としては、上記のような性質を有する分散染料、溶剤染料等を用いることができる。このような染料の具体例としては、C.I.ディスパースイエロー3、7、8、23、39、51、54、60、71、86;C.I.ディスパースオレンジ1、1:1、5、20、25、25:1、33、56、76;C.I.ディスパースブラウン2;C.I.ディスパースレッド11、50、53、55、55:1、59、60、65、70、75、93、146、158、190、190:1、207、239、240;C.I.バットレッド41;C.I.ディスパースバイオレット8、17、23、27、28、29、36、57;C.I.ディスパースブルー19、26、26:1、35、55、56、58、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145、359;C.I.ソルベントブルー36、63、105、111等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。
本実施形態のインク組成物は、上記例示した染料の中でも、インク組成物の保存安定性の観点から、C.I.ディスパースイエロー3、7、8、23、51、54、60、71、86;C.I.ディスパースオレンジ20、25、25:1、56、76;C.I.ディスパースブラウン2;C.I.ディスパースレッド11、53、55、55:1、59、60、65、70、75、146、190、190:1、207、239、240;C.I.バットレッド41;C.I.ディスパースバイオレット8、17、23、27、28、29、36、57;C.I.ディスパースブルー26、26:1、55、56、58、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145、359;C.I.ソルベントブルー36、63、105、111等がより好ましい。
上記例示した昇華性染料は、いずれも水に不溶または難溶の化合物であるが、例えば、後述する分散剤によって、特定の濃度範囲であれば水に対して良好に分散することができる。また、上記例示した昇華性染料は、それぞれ分散性や溶解性において若干の差異がある。すなわち、昇華性染料の種類によっては、分散剤の好適な濃度範囲が異なるし、分散剤による溶解性も異なる。
上記例示した昇華性染料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用した混色として用いてもよい。
昇華性染料の合計の含有量は、インク組成物100質量%に対して、10質量%以下、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以上9.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.3質量%以上8.0質量%以下である。
分散染料の含有量が0.1質量%以上であることにより、得られる染色物(転写先)の
発色性(OD値)がより優れる傾向にある。また、昇華性染料の含有量が10質量%以下であることにより、粘度をより小さくすることができる。
1.2.水溶性有機溶媒
本実施形態のインク組成物は、水溶性有機溶媒を含む。これにより、インク組成物のインクジェット法による吐出安定性を優れたものとしつつ、長期放置時による記録ヘッドからの水分蒸発を効果的に抑制することができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、ポリオール化合物、グリコールエーテル、ベタイン化合物等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、分子内の炭素数が2以上6以下であり、かつ、分子内にエーテル結合を1つ有してもよいポリオール化合物(好ましくはジオール化合物)等が挙げられる。具体例としては、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール、3−(3−メチルフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヘキシルオキシ−1,2−プロパンジオール、2−ヒドロキシメチル−2−フェノキシメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のグリコール類が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選択されるグリコールのモノアルキルエーテルが好ましい。より好ましくは、メチルトリグリコール(トリエチレングリコールモノメチルエーテル)、ブチルトリグリコール(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
ベタイン化合物とは、正電荷と負電荷を同一分子内の隣り合わない位置に持ち、正電荷をもつ原子には解離しうる水素原子が結合しておらず、分子全体としては電荷を持たない化合物(分子内塩)である。好ましいベタイン化合物としては、アミノ酸のN−アルキル置換体であり、より好ましくはアミノ酸のN−トリアルキル置換体である。ベタイン化合物としては、例えば、トリメチルグリシン(「グリシンベタイン」ともいう。)、γ−ブチロベタイン、ホマリン、トリゴネリン、カルニチン、ホモセリンベタイン、バリンベタイン、リジンベタイン、オルニチンベタイン、アラニンベタイン、スタキドリンおよびグルタミン酸ベタイン等が挙げられ、好ましくは、トリメチルグリシン等が例示できる。
水溶性有機溶剤は、複数種を混合して用いてもよい。また、水溶性有機溶剤の配合量は、インク組成物の粘度調整、保湿効果による目詰まり防止の点から、インク組成物の全量に対して、0.2質量%以上30質量%以下、好ましくは0.4質量%以上27.5質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%以上25質量%以下である。
1.3.増粘剤
本実施形態のインク組成物は、増粘剤を含む。増粘剤の機能の一つとしては、インク組成物に擬塑性(剪断減粘性)を付与することが挙げられる。インク組成物に擬塑性が付与されることにより、記録ヘッドの流路、ノズル等の狭いインク流通路における流動で高いシェアレートとなる領域において、インク組成物の粘度を低くし、媒体に付着した際(低シェアレートの流動と考えることができる。)のインク組成物の粘度を高くすることができる。
また、本実施形態のインク組成物の流動性は、インク組成物に擬塑性を付与すれば達成することができ、チキソトロピー性を付与することまでは要求されない。すなわち、高シェアレートで流動した後、低シェアレートをなった場合に、インク組成物中で何らかの構造が形成される必要はない。より好ましくは、インク組成物がチキソトロピー性を有していることである。また、本実施形態のインク組成物は、インクジェット記録用であり、付着対象の媒体は、布帛に比較してインク組成物を受け入れる細孔の大きさが小さい。そのため、本実施形態のインク組成物は、低シェアレート又はゼロシェアレートの条件で、布帛を直接染色するためのインクよりもより低粘度とすることができる。
増粘剤としては、無機増粘剤、有機増粘剤のいずれでも使用することができる。
無機増粘剤としては、シリカ(SiO)、アルミナ、チタニア等の無機化合物、並びにベントナイト、モンモリロナイトのような粘土鉱物が挙げられ、中でもシリカ粉末、疎水処理したシリカ粉末又はこれらの混合物が好ましい。
より具体的には、乾式法により微粉化したシリカ微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル300など]、このシリカ微粉末をトリメチルジシラザンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRX300など]及び上記シリカ微粉末をポリジメチルシロキサンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRY300など]などが挙げられる。無機増粘剤の平均粒径は、増粘性、擬塑性の付与の観点から、5〜50μmが好ましく、5〜12μmがより好ましい。
有機増粘剤としては、多糖類、水溶性増粘樹脂、及び、それらの変性体が挙げられる。多糖類としては、キサンタンガム(ケルザン)、ウェランガム、ラムザンガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、プルラン、デキストラン、デキストリン、トラガンシガム、タラガム、ガディガム、アラビノガラクタンガム、アラビアガム、クイスシードガム及びその誘導体、並びに、ペクチン、デンプン、カラギーナン、寒天、アルギン酸、ゼラチン、カゼイン、グルコマンナン、カラゲニン、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール、レオザン、ダイユータンガム等が挙げられる。
水溶性増粘樹脂としては、カルボキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ビスコースのようなセルロース系化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンのような水溶性ポリマーからなるビニル系化合物、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸系化合物、ポリエーテル変性ウレタン化合物、疎水性変性ポリオキシエチレンポリウレタン共重合物などのポリウレタン系化合物、ポリアマイドワックスアミン塩のようなポリアマイド系化合物、ウレタン−ウレア系化合物のようなウレア系化合物などである。アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステル等のエステル系化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメ
タクリレート共重合体、ポリアクリルアミド、ポリN−ビニルアセトアミド、N−ビニルアセトアミド樹脂及びこれらの誘導体、並びに、ウレタン−ウレア系増粘剤、アミド−ウレア系増粘剤であり、ウレタン−ウレア系増粘剤、アミド−ウレア系増粘剤等を挙げることができる。
また、増粘剤は、擬塑性をより発現しやすく、転写効率及び吐出安定性がさらに良好となる観点から、多糖類、水溶性増粘樹脂、及び、ウレタン系増粘剤から選択される少なくとも一種であることが好ましい。係る増粘剤の具体例としては、BYK−425(ウレア変性ウレタン化合物:BYK−Chemie社製)、BYK−420(ウレタン−ウレア化合物:BYK−Chemie社製)、BYK−430(アミド−ウレア化合物:BYK−Chemie社製)、SNシックナー−660T、SNシックナー−665T(ウレタン系:サンノプコ社製)、RHEOLATE216(ウレタン−ウレア化合物:ELEMENTIS社製)、プライマルRM−12W,プライマルRM−895(ウレタン系:ダウケミカル社製)などが挙げられる。
また、本実施形態のインク組成物に用いる増粘剤としては、ウレタンモノマーで修飾したウレタンブロックコポリマーがさらに好ましい。ウレタンブロックコポリマーの具体例としては、「RM−8W」、「RM−825」(ウレタンブロックポリマーのブチルカルビトール/水=25/75溶液)(ローム・アンド・ハース社製)を挙げることができる。
さらに、増粘剤として、ひまし油(主成分がリシノール酸の不乾性油)の水添品である水添ひまし油(例えば、ズードケミー触媒株式会社製、商品名:ADVITROL100、楠本化成株式会社製、商品名:ディスパロン305など)及びアンモニアの水素をアシル基で置換した化合物である高級アマイドワックス(例えば、楠本化成株式会社製、商品名:ディスパロン6500など)等を用いてもよい。
なお、セルロース系の増粘剤(カルボキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ビスコースのようなセルロース系化合物)は、後述の第1記録媒体にセルロース(紙)を用いる場合には、昇華染料の昇華を阻害する場合がある。また、セルロース系の増粘剤は、増粘効果が、擬塑性を付与する効果よりも強いため、配合量に制限を生じる場合がある。上記例示した増粘剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
インク組成物に対する増粘剤の配合量は、増粘剤の増粘性や擬塑性付与効果をみながら適宜設定することができるが、一例として、増粘剤の合計の配合量は、インク組成物全量に対して0.05質量%以上3質量%以下、好ましくは0.02質量%以上2.5質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上1質量%以下である。
1.4.その他の成分
1.4.1.水
本実施形態に係るインク組成物は、水を含んでもよい。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インク組成物を長期保存する場合に細菌類や真菌類の発生を防止することができる。
1.4.2.分散剤
本実施形態のインク組成物は、分散剤を含んでもよい。分散剤は、上述の昇華性染料をインク組成物中で分散させる機能を有している。分散剤としては、特に限定されないが、
アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、高分子分散剤が挙げられる。
アニオン系分散剤としては、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物が好ましく挙げられる。芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物における「芳香族スルホン酸」としては、例えば、クレオソート油スルホン酸、クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、β−ナフトールスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸とβ−ナフトールスルホン酸との混合物、クレゾールスルホン酸と2−ナフトール−6−スルホン酸との混合物、リグニンスルホン酸等が挙げられる。
また、アニオン系分散剤としては、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、および、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物が好ましい。
ノニオン系分散剤としては、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、コレスタノールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、高分子分散剤としては、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物等が挙げられる。
分散剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。分散剤の合計の含有量は、インク組成物100質量%に対して、0.0質量%以上10質量%以下、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上9質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上8質量%以下である。分散剤の含有量が0.1質量%以上であることにより、昇華性染料の分散安定性を確保することができる。また、分散剤の含有量が8質量%以下であれば、昇華性染料を溶解させすぎることがなく、かつ、粘度を小さく抑えることができる。
水の含有量は、インク組成物の総量に対して、30質量%以上、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは45質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。なおインク組成物中の水というときには、例えば、原料として用いる顔料分散液、樹脂粒子分散液、添加する水を含むものとする。水の含有量が30質量%以上であることにより、インク組成物を比較的低粘度とすることができる。また、水の含有量の上限は、インク組成物の総量に対して、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以下である。なお、本明細書において「水系インク」という場合には、インクの全質量(100質量%)に対して、水を30質量%以上含有するインクのことを指す。
1.4.3.表面張力調整剤
本実施形態のインク組成物は、表面張力調整剤を含有してもよい。表面張力調整剤としては、水溶解時に表面張力を低下させインクの印刷用基材や吐出流路に対する濡れ性を調整するために用いられ、低表面張力性の水溶性溶剤系及び界面活性剤系から選ばれる。水溶性溶剤系としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類、ブチレングリコール、1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールモノエーテル類が挙げられる。
界面活性剤系としては、例えばノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤から適宜選択できる。またこれらのうち界面活性が高く気泡性の少ないアセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、オルフィンE1004、E1010、E1020、PD−001、PD−002W、PD−004、PD−005、EXP.4200、EXP.4123、EXP.4300(以上商品名:日信化学工業株式会社製)、サーフィノール440、465、485、CT111、CT121、TG、GA、ダイノール604、607(以上商品名:エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製)、アセチレノールE40、E60、E100(以上商品名:川研ファインケミカル株式会社製)、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(商品名:エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製)、サーフィノール465(商品名:日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製)などが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名:ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、(以上商品名:信越化学株式会社製)、シルフェイスSAG002、005、503A、008(以上商品名:日信化学工業株式会社製)等が挙げられる。
表面張力調整剤の配合量は、インク組成物の全量に対して、0.01質量%以上2質量%以下、好ましくは0.03質量%以上2.5質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上2質量%以下である。
1.4.4.保湿剤
本実施形態のインク組成物は、保湿剤を含有してもよい。保湿剤としては、一般にインクジェットインク組成物に用いられるものであれば特に限定されず使用可能である。保湿剤の沸点は、好ましくは180℃以上であり、200℃以上がより好ましい。沸点が上記範囲内であることにより、インク組成物に良好な保水性及び湿潤性を付与することができる。
保湿剤の具体例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、メソエリスリトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのポリオール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、ヒドロキシエチルピロリドン等のラクタム類、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類等の尿素誘導体、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類及びこれ
らの糖類の誘導体、グリシン、トリメチルグリシンのベタイン類などが挙げられる。
糖類とは単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類をいうものとする。糖類としては、例えば、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リブロース、リボース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、プシコース、アルトロース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、イソトレハロース、ゲンチオビオース、メリビオース、ツラノース、ソホロース、イソサッカロース、グルカン、フルクタン、マンナン、キシラン、ガラクツロナン、マンヌロナン、N−アセチルグルコサミン重合体などのホモグリカン、ジヘテログリカン、トリへテログリカンなどのヘテログリカン、マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、マルトテトラオース、マルトペンタオース等が挙げられる。
本実施形態のインク組成物に保湿剤を配合する場合の配合量としては、インク組成物の全量に対して、0.2質量%以上30質量%以下、好ましくは0.4質量%以上27質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%以上25質量%以下である。
1.4.5.pH調整剤
本実施形態のインク組成物は、pHを調整する目的で、pH調整剤を添加することができる。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、無機酸として、硫酸、塩酸、硝酸等、無機塩基として水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等、有機塩基としてトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、タウリン等が挙げられる。
1.4.6.その他の成分
本実施形態に係るインク組成物は、防腐剤、溶解助剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防黴剤、キレート化剤及び樹脂粒子などの種々の添加剤を適宜添加することができる。防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えば、ペンタクロロフェノールナトリウム等が挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド等が挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
1.5.インク組成物の物性
本実施形態に係るインク組成物は、記録品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、25℃における表面張力が10mN/m以上40mN/mであることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、25℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、インク組成物の20℃における粘度は、2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上5mPa・s以下であることがより好ましく、3mPa・s以上5mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Anton Paar社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
上記「1.3.増粘剤」の項でも述べたが、本実施形態のインク組成物は、擬塑性を示す。ここで、擬塑性とは、剪断減粘性とも呼ばれる性質であり、非ニュートン流体の性質の一種である。すなわち、擬塑性を有する流体は、シェアレート(ずり速度)の増加とともに、シェアストレス(ずり応力)の増加割合が減少する性質を有する流体であり、横軸にシェアレート、縦軸にシェアストレス(ずり応力)をとったグラフ(以下、流動グラフともいう。)において、上に凸の形状の曲線が描かれる流体である。
擬塑性の流体のうち、チクソトロピー性を有する流体は、流動グラフにおいて、上昇曲線と下降曲線との間でヒステリシスループが描かれる流体である。チクソトロピー性を有する流体は、シェアレートをゼロとしたとき(静置したとき)に、ゲル等の構造を形成(回復)する性質を有しており、再び流動させるときに擬塑性と同様の性質を示す流体である。
本明細書では、擬塑性の程度を示す指標として、以下の式(1)のように「Ti値」を定義する。
Ti値=(シェアレートが1s−1のときの粘度)/(シェアレートが100s−1のときの粘度) ・・・(1)
粘度は、流動グラフにおける曲線の傾きである。したがって、Ti値が大きければ擬塑性又はチクソトロピー性の性質が強く、小さければこれらの性質が弱いことを示す。
本実施形態のインク組成物のTi値は、1.1以上5以下、好ましくは1.2以上3以下、より好ましくは1.3以上2.5以下、さらに好ましくは1.5以上2以下、特に好ましくは1.6以上1.8以下である、
また、本実施形態のインク組成物は、インク組成物に擬塑性を付与すれば、少なくとも記録ヘッドからの吐出安定性と、記録媒体の表面に昇華染料を富化するという効果と、を達成することができ、チキソトロピー性を付与することまでは要求されない。また、本実施形態のインク組成物は、インクジェット記録用であり、付着対象の媒体は、布帛に比較してインク組成物を受け入れる細孔の大きさが小さい。そのため、本実施形態のインク組成物は、低シェアレート又はゼロシェアレートの条件で、布帛を直接染色するためのインクよりもより低粘度としても差し支えない。
Ti値が上記範囲であれば、擬塑性の程度が、布帛以外の記録媒体(紙等)に対してインクジェット記録する場合において、記録媒体の表面に昇華染料を富化するという点で適する。これにより、転写効率及び吐出安定性をさらに良好とすることができる。
また、本実施形態のインク組成物の20℃におけるシェアレートが100s−1のときの粘度は、2mPa・s以上7mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2.5mPa・s以上5mPa・s以下、さらに好ましくは3mPa・s以上5mPa・s以下である。このような粘度範囲とすれば、インク組成物は、シェアレートが100s−1のときの粘度がインクジェット記録においてさらに適し、転写効率及び吐出安定性がさらに良好となる。なお、発明者の検討によれば、薄膜ピエゾ方式の記録ヘッドにおいて、インク組成物に加わるシェアレートは、100s−1程度であることが分かっており、係るシェアレートにおいて上記範囲の粘度であれば吐出安定性を確保できることが分かっている。
1.6.作用効果
本実施形態のインク組成物は、増粘剤による擬塑性の発現により、吐出安定性が良好である。また、増粘剤による増粘性の発現により、転写元の媒体(後述の第1記録媒体)への昇華染料の侵入が抑制され、転写元の媒体の表面付近に昇華染料を留まらせることができる。これにより、転写元の媒体に昇華染料が残りにくく、転写先(後述の第2記録媒体)への昇華染料の転写を効率よく行うことができる。
2.昇華転写インクジェット記録方法
本実施形態のインク組成物は、昇華転写を利用した布帛等に対する染色方法(昇華転写インクジェット記録方法)に好適に適用することができる。本実施形態のインクジェット記録方法は、染色物(染色布帛)の製造方法ということもできる。
昇華転写を利用した染色方法としては、例えば、紙等のシート状の中間転写媒体(第1記録媒体)に昇華性染料を含むインク組成物を用いてインクジェット方式による印刷を行った後、布帛等の被記録媒体(第2記録媒体)に中間転写媒体を重ねて、加熱により昇華転写する方法がある。
本実施形態の昇華転写インクジェット記録方法(染色物の製造方法)は、インク組成物を第1記録媒体の記録面に付着させる工程と、第1記録媒体の記録面に、第2記録媒体を配置する工程と、第1記録媒体及び前記第2記録媒体を加熱する工程と、を有する。換言すると、本実施形態の昇華転写インクジェット記録方法(染色物の製造方法)は、インクジェット法を用いて、上述したようなインク組成物を中間転写媒体に付与するインク付与工程と、インク組成物が付与された中間転写媒体を、インク組成物が付与された面と被染色物の染色面とを対向させた状態で加熱し、昇華性染料を被染色物に転写させる転写工程とを有する。これにより、生産性良く染色物を製造することができるインク組成物を用いた染色物の製造方法を提供することができる。以下、各工程について説明する。
<インク付与工程>
本工程では、インクジェット法を用いて、インク組成物を中間転写媒体(第1記録媒体)の記録面に付与する。インクジェット法によるインク組成物の吐出は、液滴吐出装置(例えば後述のインクジェット記録装置)を用いて行うことができる。
液滴吐出方式(インクジェット法の方式)としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができるが、インク組成物の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。また、発明者の検討によれば、薄膜ピエゾ方式の記録ヘッドにおいて、インク組成物に加わるシェアレートは、100s−1程度であることが分かっており、本実施形態のインク組成物においてより好ましいシェアレートである。
中間転写媒体としては、例えば、普通紙等の紙、インク受容層が設けられた記録媒体(
インクジェット用専用紙、コート紙等で呼称される)等を用いることができるが、シリカ等の無機微粒子でインク受容層が設けられた紙がより好ましい。これにより、中間転写媒体に付与されたインク組成物が乾燥する過程で、記録面に滲み等が抑制された中間記録物を得ることができる。また、このような媒体であれば、さらに記録面の表面に昇華染料を留めやすく、後の転写工程において、昇華性染料の昇華をより効率的に行うことができる。
本工程では、複数種のインク組成物を用いてもよい。これにより、例えば、表現することのできる色域をより広いものとすることができる。
<転写工程>
その後、インク組成物が付与された中間転写媒体の記録面を、被染色物と対向させた状態(第1記録媒体の記録面に、第2記録媒体を配置した状態)で加熱し、インク組成物を構成する昇華性染料を被染色物に転写させる。これにより、布帛等の被染色物とした染色物が得られる。
本工程での加熱温度は、特に規定されるものではないが、160℃以上220℃以下、好ましくは170℃以上200℃以下である。これにより、昇華性染料を被染色物に転写させるのに十分なエネルギーを与えることができ、染色物の生産性を優れたものとすることができる。
本工程での加熱時間は、加熱温度にもよるが、30秒以上90秒以下、好ましくは45秒以上60秒以下である。これにより、昇華性染料を被染色物に転写させるのに十分なエネルギーを得ることができ、染色物の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、本工程は、インク組成物が付与された中間転写媒体を、被染色物と対向させた状態で加熱することにより行えばよいが、中間転写媒体と被染色物とを密着させた状態で加熱することにより行うことがより好ましい。これにより、例えば、より鮮明な画像を第2記録媒体に記録する(染色する)ことができる。
被染色物としては、例えば、布帛(疎水性繊維布帛等)、樹脂(プラスチック)フィルム等のシート状の物が好適に用いられるが、シート状以外の球状、直方体形状等の立体的な形状を有する物を用いてもよい。
また、被染色物としては、例えば、樹脂、プラスチックで構成されたもののほか、ガラス、金属、陶磁器を用いてもよい。被染色物としての布帛を構成する繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維およびこれらの繊維を2種以上用いた混紡品等が挙げられる。また、これらとレーヨン等の再生繊維あるいは木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡品を用いてもよい。
また、被染色物としての樹脂(プラスチック)フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム等が挙げられる。樹脂(プラスチック)フィルムは、複数の層が積層された積層体であってもよいし、材料の組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
このような昇華転写インクジェット記録方法によれば、本実施形態のインク組成物を用いるため、増粘剤による擬塑性の発現により、吐出安定性が良好である。また、増粘剤による増粘性の発現により、第1記録媒体への昇華染料の侵入が抑制され、第1記録媒体の表面付近に昇華染料を留まらせることができる。これにより、第2記録媒体への昇華染料
の転写を効率よく行うことができる。
3.インクジェット記録装置
上記本実施形態のインク組成物は、インクジェット記録装置に好適に用いることができる。インクジェット記録装置は、上述のインク組成物を収容するインク収容容器(カートリッジ、タンク等)及びこれに接続される記録ヘッドを少なくとも有し、上述のインク組成物を記録ヘッドから吐出して第1記録媒体(中間転写媒体)に画像を形成することができれば、特に限定されない。
本実施形態のインクジェット記録装置としては、シリアル型およびライン型のいずれでも使用することができる。これらの型のインクジェット記録装置には、記録ヘッドが搭載されており、第1記録媒体と記録ヘッドとの相対的な位置関係を変化させながら、記録ヘッドのノズル孔からインク組成物の液滴を所定のタイミングで(間欠的に)かつ所定の体積(質量)で吐出させ、第1記録媒体にインク組成物を付着させて所定の画像を形成することができる。
ここで一般に、シリアル型のインクジェット記録装置では、記録媒体の搬送方向と、記録ヘッドの往復動作の方向が交差しており、記録ヘッドの往復動作と記録媒体の搬送動作(往復動作も含む)との組み合わせによって、記録媒体と記録ヘッドとの相対的な位置関係を変化させる。またこの場合、一般的には、記録ヘッドには複数のノズル孔(インク組成物を吐出する孔)が配置され、記録媒体の搬送方向に沿ってノズル孔の列(ノズル列)が形成されている。また、記録ヘッドには、インク組成物の種類や数に応じて、複数のノズル列が形成される場合もある。
また、一般に、ライン型のインクジェット記録装置では、記録ヘッドは往復動作を行わず、記録媒体の搬送によって記録媒体と記録ヘッドとの相対的な位置関係を変化させて、記録媒体と記録ヘッドとの相対的な位置関係を変化させる。この場合においても、一般的には、記録ヘッドには、ノズル孔が複数配置され、記録媒体の搬送方向に交差する方向に沿って該ノズル孔の列(ノズル列)が形成されている。
インクジェット記録方式は、上述したようなシリアル型またはライン型のインクジェット記録装置を用いるものであるが、方式としては、インク組成物を微細なノズル孔より液滴として吐出して該液滴を記録媒体に付着させることができれば、特に制限されない。例えば、インクジェット記録方式としては、静電吸引方式、ポンプ圧力によりインク滴を噴射させる方式、圧電素子を用いる方式、インク液を微小電極で加熱発泡させインク滴を噴射させる方式、などを挙げることができる。
本実施形態で用いられるインクジェット記録装置には、例えば、加熱ユニット、乾燥ユニット、ロールユニット、巻き取り装置などの公知の構成を制限無く採用することができる。
4.実施例及び比較例
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
4.1.インク組成物の調製
表1の組成になるように各成分を容器に入れて、マグネチックスターラーで2時間混合および攪拌した後、さらに、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填したビーズミルにて分散処理を行うことにより十分に混合した。1時間攪拌してから、5μmのPTFE製メンブランフィルターを用いて濾過することで、実施例および比較例に係るインク組成物
を得た。表1中の数値は、質量%を示し、純水(イオン交換水)は各インク組成物の質量がそれぞれ100質量%となるように添加した。
なお、表中、昇華染料以外の成分は、いずれも試薬として購入したものを用いた。また、商品名:BYK−348は、ビックケミー・ジャパン社製のシロキサン系界面活性剤である。ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(分散剤)は、第一工業製薬社製、製品名:ラベリンFM−45である。増粘剤としてのウレタンブロックポリマーは、ローム・アンド・ハース社製の「RM−8W」(ウレタンブロックポリマーのブチルカルビトール/水=25/75溶液)を用い、固形分量を表に記載した。
Figure 2018002757
4.2.評価試験
4.2.1.インク組成物の粘度及びTi値
各実施例、各比較例のインク組成物を、20℃におけるシェアレート1s−1の粘度、及びシェアレート100s−1の粘度を、粘弾性試験機MCR−300(Anton Paar社製)により測定した。得られた値を表1に記載するとともに、計算したTi値を表1に記載した。
4.2.2.Duty100%のOD値
各実施例、各比較例のインク組成物を、それぞれインクジェット記録装置SureColor SC−F7000(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、第1記録媒体(中間転写媒体)であるTRANSJET Classic(Cham Paper社)に対して1440×720dpi(dot per inch)で100%dutyの所定のパターンをそれぞれ出力した。ここで、「duty」とは、下記式(A)で定義され、算
出される値である。
D={(実印字ドット数)/(縦解像度×横解像度)}×100(duty)・・・(A)
所定のパターンが形成された第1記録媒体を温度:24℃、湿度50%の雰囲気下に1分間放置した。
次に、ポリエステル繊維で構成された布帛(第2記録媒体)アミーナ(東レ株式会社製)に、第1記録媒体のインク記録面を密着させ、この状態で、太陽精機株式会社製ヒートプレス機TP−608Mを用いて200℃×60秒の条件で加熱し、昇華転写を行い染色物を得た。
各実施例、各比較例のインク組成物によって得られた染色物について、第1記録媒体と対向していた側の面の染色部のOD値を、SpectroScan(GretagMacbeth社製)を用いた測定により求め、以下の基準に従い評価し、表1に記載した。このとき、100%dutyで得られた染色物の染色部のOD値を、OD(100)とした。
A:染色部のOD(100)が1.52以上
B:染色部のOD(100)が1.50以上1.52未満
C:染色部のOD(100)が1.50未満
4.2.3.コックリング
上記OD値の測定と同様にして所定のパターンが形成された第1記録媒体を形成し、温度:24℃、湿度50%の雰囲気下に1分間放置した直後に、机上に静置し、レーザー変位計LK−010(キーエンス社製)を用いて媒体の厚さ方向のうねり(コックリング)を測定した。媒体の厚さ方向の最大高さを測定して、以下の基準で評価して表1に記載した。
A:媒体の凹凸高さが3mm未満
B:媒体の凹凸高さが3mm以上5mm未満
C:媒体の凹凸高さが5mm以上
4.2.4.インク打ち込み量
転写先(第2記録媒体)におけるOD値が1.5となるためのインク組成物の必要量を調べた。dutyを種々変化させた以外は、上記OD値の測定と同様にして染色物のOD値を測定し、インク組成物の打ち込み量を算出して、以下の基準で評価して表1に記載した。
A:5mg/inch未満
B:5mg/inch以上10mg/inch未満
C:10mg/inch以上
4.3.評価結果
以上の評価結果を表1に示した。なお、実施例及び比較例のいずれのインク組成物も、吐出安定性は良好であった。表1をみると、増粘剤(ウレタンブロックポリマー)を配合した実施例のインク組成物は、Ti値が1.5以上2.0以下の範囲であった。これは実施例のインク組成物が擬塑性を有していることが分かる。
また、シェアレート1s−1のときの粘度は、実施例1と比較例2とで変わらず、実施例1のほうが昇華染料の濃度が低いにもかかわらず、発色性の評価は、実施例1のほうが良好であった。これは、実施例1のインク組成物は、第2記録媒体への昇華染料の移行がより良好であることを示唆している。すなわち、Ti値が実施例1のほうが大きく、第2
記録媒体の表面に昇華染料が留まりやすいことに起因した結果であると考えられる。また同様のメカニズムにより、実施例のインク組成物のほうが、転写先(第2記録媒体)におけるOD値が1.5となるためのインク組成物の打ち込み量が少ないと考えられる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (7)

  1. 昇華性染料と、
    水溶性有機溶媒と、
    増粘剤と、
    を含む、昇華転写インクジェット記録用のインク組成物。
  2. 請求項1において、
    前記増粘剤は、多糖類、水溶性増粘樹脂、及び、ウレタン系増粘剤から選択される少なくとも一種である、インク組成物。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記増粘剤は、ウレタンブロックポリマーである、インク組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    値は、1.5以上2以下である、インク組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    シェアレートが100s−1のときの粘度は、3mPa・s以上5mPa・s以下である、インク組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    ピエゾ駆動方式の記録ヘッドに使用される、インク組成物。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のインク組成物を第1記録媒体の記録面に付着させる工程と、
    前記第1記録媒体の記録面に、第2記録媒体を配置する工程と、
    前記第1記録媒体及び前記第2記録媒体を加熱する工程と、
    を有する、昇華転写インクジェット記録方法。
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