JP2017528622A - 翡翠含有繊維、糸および吸水性冷却生地 - Google Patents

Abstract

本開示は、疎水性綿繊維と、翡翠含有ポリエステル繊維などの翡翠含有繊維とのブレンドと、任意選択的に従来の繊維を含む糸について記述する。人の皮膚と接触したとき、翡翠含有ポリエステル繊維中の翡翠は糸に冷却効果を与える。疎水性綿繊維は糸に疎水性を与える。疎水性糸が生地のおもて面においてよりも生地の裏面においてより高い割合で存在するような方法で、親水性を有する糸も含む生地に含まれると、生地は冷却効果と吸水効果を有する。本糸は、デニム綾織の緯糸として使用されて、向上した冷却効果および吸水性を有するデニム衣類を提供し得る。【選択図】図１

Description

本発明は冷却効果および吸水効果を有する生地に関する。いくつかの実施形態において、例えば、本発明は、冷却効果および吸水効果を有する生地を提供するように構成された糸に関し、本糸は、翡翠含有合成繊維と、疎水性をもたらすように処理された綿繊維とのブレンドを含む糸である。本糸は、例えば、人の皮膚と接触する生地の裏に主として露出され得る、生地の緯糸に使用されてもよい。いくつかの実施形態において、糸は、デニムパンツ（すなわちジーンズ）または他の衣料品を製造するために使用され得るような、デニム生地の緯糸に使用される。

デニムジーンズは、作業服およびカジュアルウェアの両方のための主要な衣料品である。しかしながら、デニムジーンズは、より高い温度下で着用した場合には、一般に着心地が悪いという欠点がある。向上した空気透過性、吸水効果および冷却効果を与えることにより、高温下で改善された着心地の良さを提供する、デニム生地を調製するのに本発明の糸が使用され得ることが分かった。

本発明の１つの態様は翡翠含有熱可塑性繊維である。翡翠含有熱可塑性繊維は、熱可塑性ポリマーマトリクスに翡翠パウダーを含む。いくつかの実施形態において、繊維は翡翠含有ポリエステル繊維である。好ましくは、翡翠パウダーは、繊維の全体にわたって実質的に均一に分散される。好ましくは、翡翠パウダーは、繊維に冷却効果を与えるのに十分な量で繊維中に存在する。しかしながら、また好ましくは、翡翠パウダーは、安定して有用な繊維を形成する熱可塑性物質の能力に干渉しない量で繊維中に存在する。

本発明の別の態様は、翡翠含有ポリエステル繊維などの翡翠含有熱可塑性繊維を作製する方法である。翡翠含有熱可塑性繊維は、熱可塑性溶融物に翡翠パウダーを混合し、翡翠含有熱可塑性溶融物を押出し加工してフィラメントを製作することにより調製される。次いで、翡翠含有熱可塑性フィラメントは分割または切断され、複数の翡翠含有熱可塑性繊維を製作する。いくつかの実施形態において、翡翠含有熱可塑性フィラメントは分割され、翡翠含有熱可塑性物質のスフを製作する。押出し加工された翡翠含有熱可塑性フィラメントおよび翡翠含有熱可塑性繊維に冷却効果を与えるのに十分な量で、翡翠パウダーは熱可塑性溶融物に混合される。

本発明の別の態様は、翡翠含有ポリエステル繊維などの翡翠含有繊維と、疎水性綿繊維および／または従来の繊維とのブレンドを含む糸である。人の皮膚と接触したとき、翡翠含有ポリエステル繊維中の翡翠は糸に冷却効果を与える。疎水性綿繊維は糸に疎水性を与える。したがって、疎水性糸が生地のおもて面においてよりも生地の裏面すなわち人の皮膚と接触するように構成された生地の面においてより高い割合で存在するような方法で、従来の綿糸などの親水性を有する糸も含む生地に含まれていると、本糸は吸水効果を提供する。従来の繊維は、綿、ポリエステルまたはそれらの混合物を含み得、心地よさ、例えば柔軟性および／または強度を糸に与えるために含まれる。従来の繊維の種類および量は、調製される生地に依存して調整することができる。

本発明の別の態様は、翡翠含有ポリエステル繊維などの翡翠含有繊維と、疎水性綿繊維および／または従来の繊維とのブレンドを含む糸を作製する方法である。翡翠含有ポリエステル繊維は、ポリエステル溶融物に翡翠パウダーを混合し、翡翠含有ポリエステル溶融物を押出し加工してフィラメントを製作し、フィラメントを切って、翡翠含有ポリエステルスフを製作することにより調製され得る。従来の繊維および疎水性綿繊維も、スフの形で提供される。次いで、スフは均質ブレンドなどにおいてブレンドされ、実質的に均一な糸を製作する。

本発明の別の態様は、吸水効果および冷却効果の両方を備えるように構成される生地である。この生地は経糸と緯糸とを含み得る。経糸、緯糸または両方は、疎水性綿繊維と翡翠含有ポリエステル繊維などの翡翠含有繊維とのブレンドを含み任意選択的に従来の繊維を含む糸でもよい。経糸または緯糸のいずれにこの糸を使用するかは、生地の使用状況により決定されるが、この糸は、皮膚とより大きな接触を持つことが意図される織物の部分に好ましくは使用される。典型的には、緯糸は、翡翠含有繊維と、疎水性綿繊維と、従来の繊維とのブレンドを含む糸を含む。経糸はいかなる従来の糸をも含み得、いくつかの実施形態においては従来の綿糸である。生地のいくつかの実施形態はデニム綾織を含み、緯糸は、少なくとも翡翠含有繊維と疎水性綿繊維とのブレンドを含み、経糸はインディゴ染色綿糸などの従来の綿糸である。

本発明の別の態様は、翡翠含有ポリエステル繊維などの翡翠含有繊維と、疎水性綿繊維および／または従来の繊維とのブレンドを含む糸を使用して調製される生地を含む衣類である。本糸が主に生地の裏、すなわち着用者の皮膚と接触する衣類の面にあるように、衣類が構成される。例えば、本糸は、経糸として使用される従来の糸と共に、緯糸として使用されてもよい。いくつかの実施形態において、衣類はデニムパンツ、例えばジーンズを含む。他の実施形態において、衣類はシャツ、ジャケットなどを含んでもよい。

標準的な３／１デニム綾織を示す。

翡翠含有繊維
本発明の実施形態は１つまたは複数の繊維に関し、この繊維は、熱可塑性ポリマーと、熱可塑性ポリマー全体にわたって分散された翡翠パウダーとを含む。

熱可塑性ポリマーは、生地、例えば着用可能な生地に使用するのに構成されるあらゆる熱可塑性ポリマーであり得る。いくつかの実施形態において、熱可塑性ポリマーはポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリロニトリル（アクリル樹脂）、スパンデックスなどのポリウレタン弾性体、トウモロコシ由来のポリマーなどの植物由来のポリマーおよびこれらの混合物を含んでもよい。特に、いくつかの実施形態において、熱可塑性ポリマーはポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンおよびこれらの混合物を含んでもよい。特に、熱可塑性ポリマーはポリエステルでもよい。

翡翠は、パウダーを形成するために好ましくは粉砕される。いくつかの実施形態において、翡翠パウダーは、翡翠以外に他の粉砕鉱物も含んでもよい。しかしながら、好ましくは、翡翠パウダーは少なくとも約５０％の翡翠を含み、あるいは少なくとも約６０％の翡翠、あるいは少なくとも約７０％の翡翠、あるいは少なくとも約８０％の翡翠、あるいは少なくとも約９０％の翡翠を含む。

翡翠パウダーは、押出成形に先立って、溶融物すなわち溶融熱可塑性ポリマーに混合される。いくつかの実施形態において、翡翠パウダーは押出成形の直前に、または押出成形中に、溶融熱可塑性ポリマーと混合されてもよい。次いで、溶融熱可塑性ポリマーと翡翠パウダーとの混合物は、当業者により理解されるような従来の方法によって押出し加工され、フィラメントを製作する。翡翠パウダーを溶融物と混合し、この混合物を押出し加工することにより、翡翠含有熱可塑性フィラメントを製作してもよい。翡翠は、フィラメントの全体にわたって実質的に均等に分散される。

いくつかの実施形態において、翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントは次いで、本明細書において単に翡翠含有繊維と言及される翡翠含有熱可塑性ポリマー繊維を製作するために切断される。いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維はスフである。スフは典型的には、例えば、フィラメントから、約１．９０５ｃｍ（約０．７５インチ）と約１０．１６ｃｍ（約４インチ）との間の範囲内にある、実質的に均等な長さに切断された繊維である。いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維の長さは、約１．９０５ｃｍ（約０．７５インチ）と約６．３５ｃｍ（約２．５インチ）との間でもよい。好ましくは、翡翠含有熱可塑性繊維は実質的に均等な長さを有している。例えばいくつかの実施形態において、翡翠含有繊維の長さは約２．５４ｃｍ（約１インチ）でもよく、あるいは、翡翠含有繊維の長さは約３．８１ｃｍ（約１．５インチ）でもよく、あるいは、翡翠含有繊維の長さは約５．０８ｃｍ（約２インチ）でもよい。他の実施形態において、翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントは切断されるのではなく、他の繊維またはフィラメントと（例えば連続的に）紡がれて、翡翠含有糸を生成する。

切断、細断するなどにより製作される翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントおよび翡翠含有繊維は、様々な断面形状を持つように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維は、Ｘ形の断面またはＹ形の断面のような溝を含む断面を有してもよい。しかしながら、繊維の断面に溝が組み込まれると、（毛管効果によるなどの）皮膚から離れるような湿気の移送の増加を提供し得るが、特別の断面形状は、翡翠含有繊維が本明細書に開示された効果を提供するのに有用であるために必須というわけではない。むしろ、翡翠含有繊維は、溝を含まない断面、例えば、実質的に丸形断面、実質的に矩形断面または凸多角形断面を有してもよい。溝のない断面を有する翡翠含有繊維は、本明細書に記述された翡翠含有糸および吸水性冷却生地に有効であることが分かった。

熱可塑性ポリマーに加えられた翡翠パウダーの量は、翡翠含有繊維にひんやりした手触りの特性を与えるために選択されてもよい。しかしながら、また、熱可塑性ポリマーに加えられた翡翠パウダーの量が、繊維の不適当な劣化を引き起こさないように、注意深くしなければならない。混合物における翡翠パウダーの含有量が増加するにつれて、翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントおよび繊維の強度は、翡翠パウダーによるポリマー連鎖の妨害によって低下する。一旦翡翠パウダーの量がある閾値を超えると、熱可塑性ポリマーフィラメントを形成することが全く不可能になり得る。

熱可塑性ポリマー中の翡翠パウダーの量は、所望の特性のバランスを有する繊維を提供するために選択されてもよく、当業者により決定され得る。いくつかの実施形態において、特にポリエステルが熱可塑性ポリマーとして使用される場合、翡翠パウダーは、繊維の約０．３重量パーセントと約１．５重量パーセントとの間で提供され得、あるいは、約０．５重量パーセントと約１．３重量パーセントとの間、あるいは、約０．７５重量パーセントと約１．２５重量パーセントとの間、あるいは、約０．９重量パーセントと約１．１の重量パーセントとの間で提供され得る。
翡翠含有糸
上述されたような翡翠含有繊維は、糸を調製するために他の繊維と混合されてもよい。

例えば、翡翠含有繊維は疎水性綿繊維とブレンドされてもよい。疎水性綿繊維は、（親水性の天然の綿に相対するものとして）綿に疎水性を与えるように処理された綿繊維である。疎水性綿繊維は当該技術における既知のいかなる従来の方法によって処理されてもよい。例えば、疎水性処理は、例えばシリコーン、フッ素化合物、ジルコニウム化合物、油、ラテックス、ワックス、および、ジメチロール・ジヒドロキシエチレン尿素（ＤＭＤＨＥＵ）、尿素ホルムアルデヒド、エチレン尿素、メラミン樹脂、ジメチル尿素グリオキサール（ＤＭＵＧ）などの架橋樹脂剤、および、クエン酸、マレイン酸、ブタンテトラカルボン酸、ポリマレイン酸などを含むカルボン酸およびポリカルボン酸、ならびにこれらの混合物などの材料の塗布を含んでもよい。いくつかの実施形態において、疎水性処理は、産業において典型的に使用される種類のＣ６フルオロカーボン系撥水剤またはＣ８フルオロカーボン系撥水剤などの１つまたは複数のフッ素化合物の塗布を含む。糸が衣類に使用される場合、疎水性処理は繰り返される家庭洗濯に耐えるのに十分に丈夫でなければならない。

いくつかの実施形態において、疎水性綿繊維はそれらの自然栽培の繊維長さにおいて提供され、例えば、約１．９０５ｃｍ（約０．７５インチ）と約１０．１６ｃｍ（約４インチ）との間の範囲内であってもよい。好ましくは、疎水性綿繊維は翡翠含有繊維と同じ長さを実質的に有する。これは、製糸工程中に繊維のより均等なブレンドを可能にする。したがって、いくつかの実施形態において、疎水性綿繊維の長さは、約１．９０５ｃｍ（約０．７５インチ）と約６．３５ｃｍ（約２．５インチ）との間でもよい。好ましくは、疎水性綿繊維は実質的に均等な長さを有する。例えばいくつかの実施形態において、疎水性綿繊維の長さは約２．５４ｃｍ（約１インチ）でもよく、あるいは、疎水性綿繊維の長さは約３．８１ｃｍ（約１．５インチ）でもよく、あるいは、疎水性綿繊維の長さは約５．０８ｃｍ（約２インチ）でもよい。

翡翠含有繊維はまた、一般に糸、特に衣類用の生地に織り込まれる糸に使用することで知られている種類の天然繊維、セルロース系繊維および合成繊維などの１つまたは複数の従来の繊維にブレンドされてもよい。例えば、従来の繊維は、綿、亜麻、絹、羊毛、ラミー、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、スパンデックス、トウモロコシ由来の繊維、麻、ジュートなどの植物由来の繊維、ポリプロピレン、ポリベンズイミダゾール、アセタート、アクリル樹脂などを含んでもよい。従来の繊維は、また例えば、上記のうちのいかなるものを含む複数の従来の繊維の混合物またはブレンドを含んでもよい。いくつかの実施形態において、従来の繊維は綿、ポリエステルまたはこれらの組合せを含む。

いくつかの実施形態において、得られる糸の強度を向上させるように構成される１つまたは複数の従来の繊維を用意することが望ましい場合がある。上に説明したように、熱可塑性ポリマーへの翡翠パウダーの添加は翡翠含有重合体繊維の弱化をもたらし得る。高強度繊維は所望の強度を有する糸を製作するために、翡翠含有重合体繊維の弱さを相殺するのに使用され得る。いくつかの実施形態において、従来の繊維は、例えば、高テナシティのポリエステル、高テナシティのナイロン、高テナシティのポリプロピレン、高テナシティのレーヨンなどを含んでもよい。いくつかの実施形態において、従来の繊維は高テナシティのポリエステルを含む。

また、いくつかの実施形態において、得られる糸の柔軟性および快適度を改善するために構成される１つまたは複数の従来の繊維を用意することが望ましい場合がある。典型的に天然繊維およびセルロース系繊維は、合成繊維に対して向上した心地よさを与えていると考えられている。いくつかの実施形態において、従来の繊維は、例えば、綿、羊毛またはこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、従来の繊維は綿を含む。

また、いくつかの実施形態において、強度と心地よさの両方を与えるために、糸に、高テナシティの合成繊維および心地よさの高い天然繊維の混合物またはブレンドを含めることが望ましい場合がある。

いくつかの実施形態において、従来の繊維はスフとして用意される。スフは典型的には、約１．９０５ｃｍ（約０．７５インチ）と約１０．１６ｃｍ（約４インチ）との間の範囲内で実質的に均等な長さに切断される繊維である。好ましくは、従来のスフは翡翠含有繊維と同じ長さを実質的に有する。これは、製糸工程中に繊維のより均等なブレンドを可能にする。したがって、いくつかの実施形態において、従来の繊維の長さは、約１．９０５ｃｍ（約０．７５インチ）と約６．３５ｃｍ（約２．５インチ）との間でもよい。好ましくは、従来の繊維は実質的に均等な長さを有する。例えばいくつかの実施形態において、従来の繊維の長さは約２．５４ｃｍ（約１インチ）でもよく、あるいは、従来の繊維の長さは約３．８１ｃｍ（約１．５インチ）でもよく、あるいは、従来の繊維の長さは約５．０８ｃｍ（約２インチ）でもよい。

翡翠含有繊維は疎水性綿繊維および／または従来の繊維とブレンドし、例えば、当業者に知られた任意の従来の製糸工程により糸を生成してもよい。いくつかの実施形態において、翡翠含有スフは、均質ブレンドにおいて疎水性綿スフおよび／または従来のスフとブレンドされてもよい。均質ブレンドは、得られる糸にそれぞれの繊維の種類の特性を組み入れる。均質ブレンドは、各種類の繊維の望ましくない特質が別の種類または複数の種類の繊維により相殺され得るようにするので、任意の１つの構成要素の望ましくない特質は得られる糸の特性とはならない。また、均質ブレンドは、糸が実質的に糸全体にわたって繊維が均一分布するのを実現し、すなわち、糸における各種類の繊維の割合（したがって繊維の種類間の比率）は、糸の長さに沿った各部分について実質的に一貫している。

糸における各種類の繊維の割合は、所望の特性のセットを有する糸を提供するために選択されてもよい。例えば、糸における翡翠含有繊維の割合は、糸がひんやりした手触りである、冷却特性を糸に与えるために選択されてもよい。いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維は、糸の約１０重量パーセントと約９０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、翡翠含有繊維は、糸の約２０重量パーセントと約８０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、翡翠含有繊維は、糸の約２０重量パーセントと約７０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、翡翠含有繊維は、糸の約２０重量パーセントと約６０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、翡翠含有繊維は、糸の約２０重量パーセントと約５０重量パーセントとの間の量で存在する。

いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維は、疎水性綿繊維および１つまたは複数の従来の繊維の両方とブレンドされる。そのような実施形態において、糸の約２０重量パーセントと約５０重量パーセントとの間の量で、あるいは、糸の約２０重量パーセントと約４０重量パーセントとの間の量で、あるいは、糸の約３０重量パーセントと約４０重量パーセントとの間の量で、翡翠含有繊維を用意することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維は、糸の少なくとも約３３重量パーセントを占める。また、いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維は、糸の約３３重量パーセントを占める。

糸における疎水性綿繊維の割合は、糸に耐水性を与えるために選択されてもよく、これは吸水性生地の製造に役立ち得る。いくつかの実施形態において、疎水性綿繊維は、糸の約１０重量パーセントと約９０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、疎水性綿繊維は、糸の約２０重量パーセントと約８０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、疎水性綿繊維は、糸の約２０重量パーセントと約７０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、疎水性綿繊維は、糸の約２０重量パーセントと約６０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、疎水性綿繊維は、糸の約２０重量パーセントと約５０重量パーセントとの間の量で存在する。

いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維は、疎水性綿繊維および１つまたは複数の従来の繊維の両方とブレンドされる。そのような実施形態において、糸の約２０重量パーセントと約５０重量パーセントとの間の量、あるいは、糸の約２０重量パーセントと約４０重量パーセントとの間、あるいは、糸の約３０重量パーセントと約４０重量パーセントとの間で、疎水性綿繊維を用意することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、疎水性綿繊維は、糸の少なくとも約３３重量パーセントを占める。また、いくつかの実施形態において、疎水性綿繊維は、糸の約３３重量パーセントを含む。

糸における従来の繊維または複数の従来の繊維の割合は、糸に任意の所望の特性または複数の任意の所望の特性、例えば、改善された強度および／または改善された柔軟性／心地よさなどを与えるために選択されてもよい。いくつかの実施形態において、従来の繊維（糸の割合を決定する目的では、糸において使用される従来の繊維をすべて含むと考えられるべきである）は、糸の約１０重量パーセントと約９０重量パーセントとの間との量で存在し、あるいは、従来の繊維は、糸の約２０重量パーセントと約８０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、従来の繊維は、糸の約２０重量パーセントと約７０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、従来の繊維は、糸の約２０重量パーセントと約６０重量パーセントとの間の量で存在し、あるいは、従来の繊維は、糸の約２０重量パーセントと約５０重量パーセントとの間の量で存在する。

いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維は、疎水性綿繊維および１つまたは複数の従来の繊維の両方とブレンドされる。そのような実施形態において、従来の繊維（ここでもまた、以下の割合を目的として、糸において使用される従来の繊維をすべて含むと考えられるべきである）は糸の約２０重量パーセントと約５０重量パーセントとの間、あるいは、糸の約２０重量パーセントと約４０重量パーセントとの間、あるいは、糸の約３０重量パーセントと約４０重量パーセントとの間の量で、用意することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、従来の繊維は、糸の少なくとも約３３重量パーセントを占める。また、いくつかの実施形態において、従来の繊維は、糸の約３３重量パーセントを占める。

いくつかの実施形態において、均質ブレンドは、製糸工程の「開繊」ステップに所望の割合で各繊維を導入することにより調製される。製糸工程の開繊ステップは、典型的には空気および機械的な作用の組合せによって、加工用繊維の塊を切り開くかまたは分離するように構成される工程を典型的に含んでいる。製糸工程には、一般に「カード」ステップが続き、そこで繊維は実質的に平行な状態にされ、ロープ状のストランドを形成する。その後、このロープ状のストランドは通常、所望の量の延伸および／または撚りを施され、所望の緊張度を有する糸フィラメントが用意される。工程の最終ステップは「紡糸」ステップで、糸を形成するために糸フィラメントをともに紡ぐ。紡糸は、例えば、オープンエンド紡糸、リング紡糸またはエアジェット紡糸などの任意の既知の方法により行なわれてもよい。

いくつかの実施形態において、糸は、約４．０／１Ｎｅと約８０．０／１Ｎｅとの間の番手を含んでもよく、Ｎｅは英国式綿番手として業界で知られる。糸がデニム生地を調製するために使用される場合、例えば、糸は約４．０／１Ｎｅと約３０．０／１Ｎｅとの間の番手を含んでもよく、あるいは、約５．０／１Ｎｅと約２５．０／１Ｎｅとの間、あるいは、約６．０／１Ｎｅと約２２．０／１Ｎｅとの間、あるいは、約６．０／１Ｎｅと約２０．０／１Ｎｅとの間、あるいは、約７．０／１Ｎｅと約１５．０／１Ｎｅとの間である。番手は、一般に糸の太さの尺度であり、数が大きくなると、一般に糸が細くなり、つまり太さが減少する。

いくつかの実施形態において、糸は、約３３％の翡翠含有ポリエステル繊維などの翡翠含有繊維、約３３％の疎水性綿、および約３３％の従来の高テナシティのポリエステル繊維を含む。いくつかの実施形態において、糸は、約３３％の翡翠含有ポリエステル繊維などの翡翠含有繊維、約３３％の疎水性綿、および約３３％の従来の綿繊維を含む。

あるいは、翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントは、例えば、連続的に製作されてもよく、フィラメントは翡翠含有糸を生成する他のフィラメントと共に、例えば、従来の製糸工程によって紡糸されてもよい。このように、様々な翡翠含有糸が調製され得る。例えば、いくつかの実施形態において、１つまたは複数の翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントは、疎水性綿を含む１つまたは複数のフィラメントと共に紡糸されてもよい。翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントも、所望の特性のセットを有する翡翠含有糸を得るために１つまたは複数の従来のフィラメント（例えば、上記従来の繊維のリストを参照）とともに紡糸されてもよい。糸に含まれる翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントの割合は、所望の特性を有する糸を製作するために選択されてもよい。他の実施形態において、複数の翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントがともに紡糸されて、翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントから全体として構成される翡翠含有糸を製作してもよい。
生地／衣類
上述されたような翡翠含有繊維を含む糸は、例えば衣類の製造に使用され得る様々な生地に組み込まれてもよい。上述された糸を含む糸は、当業者により理解されているような従来の方法で生地を製作するために製織されてもよい。例えば、糸は、平織（１／１の平織など）、畝織、斜子織、綾織、朱子織、オックスフォード織などを使用して製織されてもよい。あるいは、翡翠含有繊維を含む糸は不織布および／または編物を調製するのに使用されてもよい。

いくつかの実施形態において、生地は緯糸と経糸を含む。翡翠含有繊維を組み込んだ糸は、緯糸、経糸または両方において使用されてもよい。いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維を組み込んだ糸は、緯糸または経糸のみにおいて、しかし両方においてではなく、使用されてもよい。翡翠含有繊維を組み込んだ糸を含まない経糸および緯糸の１つは、好ましくは従来の綿糸などの従来の糸を含む。例えば、いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維を組み込んだ糸は、緯糸においてのみ使用され、経糸は従来の綿糸である。

いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維を含む糸は、デニム生地を製作するためにデニム綾織において緯糸として使用される。経糸は従来の綿糸を含んでもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、経糸が、当該技術において柔軟性を向上させ、伸縮性を与えるなどに有用であることが多岐にわたって知られているセルロースファイバーなどの他の材料もまた含んでよい。

デニム綾織は、典型的には各経糸が３本の緯糸にまたがる３／１の綾織を含む。標準的な３／１デニム綾織は、例えば、図１に示される。しかしながら、いくつかの実施形態において、デニム綾織は、また各経糸が２本の緯糸にまたがる２／１の綾織を含んでもよい。２／１の綾織は例えば、軽量のデニムを製作するために時々使用される。他の実施形態において、デニム綾織は、また各経糸は４本の緯糸にまたがる４／１の綾織を含んでもよい。説明を目的として、デニム綾織について、３／１の綾織の実施形態を使用して以下に説明するが、他の種類のデニム綾織が本発明の範囲から逸脱せずに使用されてもよいことを当業者は理解する。

デニム綾織において経糸が３本の緯糸の上を通過するので、経糸は生地の単一のフェイス、すなわち単一の面に主に露出される。デニム生地において、これは生地の外面またはおもてである。緯糸は、一方、生地の反対のフェイス、すなわち反対の面に主に露出される。したがって、デニム生地において、緯糸は、生地の内面または裏面に主に露出される。標準的なデニム３／１の綾織において、例えば、経糸の約７５％は、生地のおもて面に露出され（他の２５％が生地の裏面に露出した状態である）、緯糸の約７５％は、生地の裏面に露出される（他の２５％が生地のおもて面に露出した状態である）。

いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維を含む糸は主に疎水性を有する。翡翠含有繊維は、一般に、特性上、疎水性の合成ポリマーから製作されてもよい。例えば、翡翠含有繊維は翡翠含有ポリエステル繊維でもよく、これは疎水性である。また、疎水性綿繊維は疎水性となるように処理されたものである。いくつかの実施形態において、糸はまた従来の繊維を含んでもよく、これは、親水性綿繊維と疎水性合成繊維のどちらか一方またはこれらのブレンドでもよい。いくつかの実施形態において、従来の繊維は高テナシティのポリエステル繊維でもよく、これは疎水性である。一般に、翡翠含有繊維を含む糸は主に疎水性を有するように構成されてもよい。

デニム生地において、例えば、翡翠含有繊維を含む糸は、緯糸（緯糸の一部として、または緯糸の全体としてのいずれか）として好ましくは使用される。一方、経糸、これは例えば従来の綿糸でもよく、好ましくは主に親水性を有する。

緯糸は、生地の裏面、つまり着用者の皮膚と接触するように構成される面に大部分が露出されるが、主に疎水性なので、これは容易に着用者の皮膚から汗を吸収しない。一方、親水性の経糸は、容易に着用者の皮膚から汗を吸収する。経糸は生地のおもて面に大部分が露出されるので、着用者の皮膚と接触する親水性の経糸の部分（つまり生地の裏面に露出される部分）に吸収された汗は、生地のおもて面に移動される。このように、生地は湿気をユーザーの皮膚から生地の外のフェイスへと吸い上げて行く（ｗｉｃｋ ａｗａｙ）ように構成され、例えば、自然に発生し得る乾燥により、湿気は生地の外のフェイスを横切って拡散していく。

したがって、多くの実施形態において、生地に吸水性を提供するために、翡翠含有繊維を含む糸が生地の裏面、つまり人の皮膚と接触するように構成される生地の面に主に露出されるように、生地を構成することが望ましい場合がある。また、翡翠含有繊維を含む糸が生地の裏面に主に露出されることは望ましく、なぜなら、翡翠が糸ひいては生地に、ひんやりした手触りである冷却特性−生地が着用者の皮膚と接触するところで有用な特性を提供するからである。

例えば、いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維を含む糸の５０％超が、生地の裏面、つまり人の皮膚と接触するように構成される生地の面に露出される。あるいは、翡翠含有繊維を含む糸の少なくとも６０％が、生地の裏面に露出され、あるいは、翡翠含有繊維を含む糸の少なくとも６５％が、生地の裏面に露出され、あるいは、翡翠含有繊維を含む糸の少なくとも７０％が、生地の裏面に露出され、あるいは、翡翠含有繊維を含む糸の少なくとも７５％が、生地の裏面に露出され、あるいは、翡翠含有繊維を含む糸の少なくとも８０％が、生地の裏面に露出される。

いくつかの実施形態において、翡翠含有繊維を含む糸が緯糸において使用される場合、緯糸の５０％超が生地の裏面に露出されるように、生地は織られてもよい。あるいは、緯糸の少なくとも６０％が生地の裏面に露出されるように、生地は織られてもよく、あるいは、緯糸の少なくとも６５％が生地の裏面に露出され、あるいは、緯糸の少なくとも７０％が生地の裏面に露出される。

他の実施形態において、生地の裏面に主に露出されるのが、緯糸に替わって経糸であるように、生地が構成されてもよい。これらの実施形態において、翡翠含有繊維を含む糸は、生地の経糸（経糸の一部としてかまたは経糸の全体としてのいずれか）において使用されてもよい。したがって、経糸の５０％超が生地の裏面に露出されるように、生地は織られてもよい。あるいは、経糸の少なくとも６０％が生地の裏面に露出されるように、あるいは、経糸の少なくとも６５％が生地の裏面に露出されように、あるいは、経糸の少なくとも７０％が生地の裏面に露出されるように、生地は織られてもよい。

代替の実施形態において、他の翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメント、疎水性綿含有フィラメント、従来のフィラメントまたはこれらの組合せと共に、翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントを紡糸することによって製作される翡翠含有糸は、本明細書に記述されるような様々な生地に組み込まれてもよい。上述された翡翠含有繊維を含む糸と同様に、このように作製された翡翠含有糸が、経糸および／または緯糸に組み込まれてもよいが、１つまたは複数の緯糸として望ましくは使用され、例えば向上した特性を有するデニム生地を製作する。

いくつかの実施形態において、例えば、主にまたは全体として翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントを使用して紡糸した糸のような翡翠含有糸と、例えば、主にまたは全体として疎水性綿を使用して紡糸した糸のような疎水性綿含有糸との各々を、緯糸に含む生地が製作されてもよい。したがって、緯糸は、一般に本明細書に記述されたように、翡翠含有糸と疎水性綿含有糸との組合せを構成してもよい。これは、例えば交互チック（ａｌｔｅｒｎａｔｉｎｇ ｔｉｃｓ）の使用によって、達成することができる。いくつかの実施形態において、各糸は、緯糸の約５０％（例えば約４５％と約５５％との間）を占めてもよく、この緯糸は、翡翠含有糸と疎水性綿含有糸との交互チック（１：１比率）で構成されている。他の実施形態において、緯糸はどちらか一方の糸が多かったり少なかったりしてもよい。例えば、より高い翡翠密度が所望される場合、複数のチックの翡翠含有糸が、疎水性綿含有糸のチック毎に使用されてもよい（例えば２：１、３：１、４：１など）。あるいは、より高い疎水性綿の密度が所望される場合、複数のチックの疎水性綿含有糸が、翡翠含有糸のチック毎に使用されてもよい（例えば２：１、３：１、４：１など）。いくつかの実施形態において、翡翠含有糸および疎水性綿含有糸はまた、従来の糸のチックと交互にされてもよい。緯糸が翡翠含有糸（例えば、主にまたは全体として翡翠含有熱可塑性ポリマーフィラメントを使用して紡糸した糸）と、疎水性綿含有糸（例えば主にまたは全体として疎水性綿を使用して紡糸した糸）との組合せ（例えば交互チック）を構成するいくつかの実施形態において、一般に上述されたように、経糸は従来の綿糸でもよい。他の実施形態において、一般に上述されたように、経糸は他の材料を含んでもよい。

いくつかの実施形態において、また、生地は向上された空気透過性を備えるように構成されてもよい。空気透過性は、空気が生地を通ってどれくらい十分に移動するかを定義する。衣類に関して使用されたとき、それは多くの場合「通気性」と評される。また、生地の空気透過性は、密接に生地の乾燥時間と関係する。いくつかの実施形態において、向上された空気透過性は、生地の外のフェイスに運ばれた湿気の乾燥（これによって、生地の吸水作用を維持して高めること）、および翡翠含有繊維含有糸の冷却効果を維持して高めることの両方を助け得る。そのため、生地の向上された空気透過性は、高温または高温作業環境において着用者を涼しく保つように構成される衣類に使用されたとき、吸水性および冷却性と共に作用し、有意な効果を生地に提供しながら、さらに所望の程度の保護も提供する。

経糸密度の制御など、例えば織機において２．５４ｃｍ（１インチ）当たりの経糸端の数の制御によって、生地は製織工程中に、向上された空気透過性を備えるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、翡翠含有繊維含有糸がデニム生地に使用される場合、経糸の密度を制御して空気透過性を向上しながら、同時に従来のデニムの性能および外観を維持し得る。例えば、織機上のデニム生地は、２．５４ｃｍ（１インチ）当たり約４５と約１２０との間の経糸端を含み、あるいは、２．５４ｃｍ（１インチ）当たり約４５と約１００との間の経糸端を、あるいは、２．５４ｃｍ（１インチ）当たり約５０と約８０との間の経糸端を、あるいは、２．５４ｃｍ（１インチ）当たり約５５と約７５との間の経糸端を含む。

本発明に従って製作された生地の実施形態は、複数の特性によって特徴付けられ得る。そのような１つの特性が透過指数、すなわちｉ_ｍ値である。発汗する皮膚条件の場合のように、透過指数は熱損失についての皮膚湿気の影響を表わす。透過指数は、生地を通る湿気−熱透過率を、生地が完全に非透過性であることを示す０から、生地が完全に透過性であることを示す１までの、段階で測定する。

透過指数は、発汗ホットプレートを使用する、ＡＳＴＭ Ｆ１８６８ ｐａｒｔ Ｃで規定されるような標準試験方法を使用して決定され得る。このテストは一般に発汗ホットプレートテストと言及され得る。発汗ホットプレートテストは、制御環境に生地を通して熱および湿気（蒸気）移送の評価を提供する。そのため、発汗ホットプレートテストは、生地の耐熱性（断熱性）、生地の蒸発耐性（通気性／透過性）、およびプレートから生地を通した周囲への総熱損失に関係する。

いくつかの実施形態において、生地の透過指数は少なくとも０．５７であり得、あるいは少なくとも０．５８、あるいは少なくとも０．５９、あるいは少なくとも０．６０、あるいは少なくとも０．６１、あるいは少なくとも０．６２、あるいは少なくとも０．６３、あるいは少なくとも０．６４、あるいは少なくとも０．６５、あるいは少なくとも０．６６、あるいは少なくとも０．６７、あるいは少なくとも０．６８、あるいは少なくとも０．６９、あるいは少なくとも０．７０であり得る

以下の実施例に関して、各デニム生地（３／１綾織）サンプルが、従来の綿１００％の経糸を使用して同じ方法で調製されたが、各サンプルは異なる緯糸を含んでいた。第１サンプルは対照生地であり、従来の綿１００％の緯糸を含んでいた。対照生地は市販のジーンズに使用される種類の従来のデニム生地を示すために選択された。第２サンプルの緯糸は、取引名ＴｒａｎｓＤｒｙ（登録商標）で販売されている疎水性綿糸であった。第３サンプルの緯糸は翡翠含有ポリエステル繊維から作製された糸であった。第４サンプルの緯糸は、従来のポリエステル繊維と、第２サンプルに使用された種類の疎水性ＴｒａｎｓＤｒｙ（登録商標）の綿繊維と、第３サンプルに使用された種類の翡翠含有ポリエステル繊維とのブレンドから作製された。第２および第３サンプルの影響をともに平均することによって、第４サンプル、すなわち混紡糸の予想される効果を決定することができるように、サンプルが構成された。

安定した結果を提供するために、サンプルの平均重量および厚さは実質的に同じように保持された。サンプルの重量はＡＳＴＭ Ｄ ３７７６小見本オプション（ｓｍａｌｌ ｓｗａｔｃｈ ｏｐｔｉｏｎ）によって測定され、これによって、生地の５０．８ｃｍ（２０インチ）×５０．８ｃｍ（２０インチ）の見本が計量され、この重量は単位面積質量、具体的には１平方ヤード当たりのオンスによって計算された。各サンプルの重量が測定された結果、約４４０．７７ｇ／ｍ^２（約１３．０オンス／ｙｄ^２）と約４６４．５１ｇ／ｍ^２（約１３．７オンス／ｙｄ^２）との間であった。サンプルの厚さはＡＳＴＭ Ｄ １７７７テストオプション１によって測定され、これによって、生地の５０．８ｃｍ（２０インチ）×５０．８ｃｍ（２０インチ）の見本は、生地の様々な位置において４２１．９ｋｇｆ／ｍ^２（０．６ｐｓｉ）の圧力が印加されて厚み計で測定された。各サンプルの厚さが測定された結果、０．９８ｍｍと１．０４ｍｍとの間であった。

結果を以下の表１に示す：

実施例１
発汗ホットプレートテストが、ＡＳＴＭ Ｆ１８６８、ｐａｒｔ Ｃに従って複数の生地サンプルに対して行なわれた。熱および湿気の移動特性は、必要な周囲条件を達成するよう設定された環境試験チャンバーに収容された、保護発汗ホットプレートシステムを使用して分析された。（３５℃の皮膚表面温度に加熱され）精密に調整された試験板から、サンプルを介して試験環境（２５℃、相対湿度６５％）へ入る熱流が、模擬的な乾燥および湿潤皮膚条件の両方に関して決定された。

表１に示されるように、対照サンプルの透過指数は約０．５４０であることが分かった。第２、すなわち疎水性綿のサンプルの透過指数は、約０．５０６であることが分かったが、これは対照と比較して約６％の減少に相当した。第３、すなわち翡翠含有ポリエステルのサンプルの透過指数は、約０．５７３であることが分かったが、これは対照と比較して約６％の増加に相当した。第２および第３サンプルの影響をともに平均することによって、第４サンプル、すなわち混紡糸の予想された効果は対照への０％の効果であると決定された。言いかえれば、混紡糸はほぼ対照サンプルと同じ透過指数を有すると予想された。しかしながら、混紡糸を含むサンプルの透過指数は、約０．６２５であることが分かったが、これは、対照サンプルに対する１６％の増加を意味した。

これらの結果に基づいて、緯糸における翡翠含有繊維と疎水性綿繊維との組合せを含む生地は、予想外に高透過指数を有し得ると考えられる。
本発明の実施形態の生地を特徴づけるために使用され得る別の特性は、Ｑ_ｔとして示された「総熱損失」であり、これは、発汗ホットプレートを使用した、ＡＳＴＭ Ｆ１８６８ ｐａｒｔ Ｃで規定されるような標準試験方法によっても決定され得る。総熱損失は、乾燥性と蒸発性とを組み合わせた熱損失によって、完全発汗試験板表面から試験環境中へと生地を介して移動された熱の指標である。したがって、対照に対するサンプルの熱損失の増加は、生地の増加した冷却効果を示す。

混紡糸の予想された効果は熱損失の４％の減少であったが、ブレンド繊維は対照に対して冷却効果の１％の増加を提供することが分かった。これらの結果に基づくと、緯糸における翡翠含有繊維と疎水性綿繊維との組合せを含む生地は、生地の総熱損失に著しい影響をもたらし得る、すなわち、著しい冷却効果を有する生地をもたらし得ると考えられる。

実施例２
水蒸気透過の結果、すなわちＭＶＴＲは、生地を通した湿気蒸気拡散速度の尺度となる。生地を通した湿気蒸気拡散速度は、ＡＳＴＭ Ｅ９６−８０と同様の単純皿法（Ｓｉｍｐｌｅ Ｄｉｓｈ Ｍｅｔｈｏｄ）に従って決定される。サンプルは、水面と試験片との間に９ｍｍの空気空間を可能にする、水皿（直径８２ｍｍおよび深さ１９ｍｍ）に配置される。８皿搭載の無振動回転テーブルが分速５メートルで一定に回転し、すべての皿がテスト中に同じ平均周囲条件に暴露されることを担保する。初期の重量を得る前に２時間、集められた試験皿を安定化させる。これらは、２４時間の間隔の後にまた計量される。その後、湿気蒸気損失の割合（ＭＶＴＲ）はｇ／ｃｍ^２−２４時間の単位で計算される。より高いＭＶＴＲ値は、材料を通して湿気蒸気のより大きな通過があることを示す。したがって、ＭＶＴＲの増加は冷却にとってプラスとなる。

混紡糸を含む生地サンプルの期待値は、第２および第３サンプルの影響をともに平均することにより決定されたように、ＭＶＴＲの１０％の改善であった。混紡糸を含む生地サンプルは、前述の対照と比較して、実際にＭＶＴＲの２３％の改善をもたらした。これらの結果に基づいて、緯糸における翡翠含有繊維と疎水性綿繊維との組合せは、湿気蒸気拡散において有意な改善を生地に提供し得ると考えられる。

実施例３
重量吸収性試験システム（ＧＡＴＳ）は、テスト生地の吸収能力およびテスト生地の乾燥時間の両方を測定するために使用される。

吸収能力は、水で満たされた槽から引き出された水の量によって測定される。試験中に、試験片に吸収された水は、多孔性試験板に接続する管を通して再度供給される。吸収能力は、完全に飽和させられるようになる前に生地が保持することができる湿気の量の尺度である。それは、ＧＡＴＳテストの端部におけるサンプルの含水重量からサンプルの乾燥重量を引くことにより測定される。吸収能力の減少は、一般に冷却にとってプラスとなる。

混紡糸を含む生地サンプルの期待値は、第２および第３サンプルの影響をともに平均することにより決定すると、吸収能力の３０％の減少だった。混紡糸を含む生地サンプルは、前述の対照と比較して、実際には吸収能力の５４％の減少をもたらした。これらの結果に基づくと、緯糸における翡翠含有繊維と疎水性綿繊維との組合せは、吸収能力において有意な改善を生地に提供し得ると考えられる。

乾燥時間は、完全な飽和点から生地を乾燥するのに必要な時間の尺度である。サンプル試験片の乾燥重量が記録された後、乾燥した試験片に加えられる初期の水の量として、上述のように得られた吸収能力値が使用される。生地を飽和させ、含水重量が決定された後で、試験板に対する一定の気流が生成され、また、時間計測が始められる。重量は１０分の間隔の後に記録される。連続の読み取りについて重量が一定（Δ重量≦０．００５ｇ）のとき、または生地がその原重量（風袋重量＝０）に戻るとき、最終重量が記録される。生地が飽和から乾燥するまでの所要時間は分単位で報告される。

乾燥時間の減少は、冷却にとってプラスとなる。混紡糸を含む生地サンプルの一般的な期待値は、第２および第３サンプルの影響をともに平均することにより決定すると、乾燥時間の１２％の減少であった。混紡糸を含む生地サンプルは、前述の対照と比較して、実際には５４％の減少をもたらした。これらの結果に基づくと、緯糸における翡翠含有繊維と疎水性綿繊維との組合せは、乾燥時間において有意な改善を生地に提供し得ると考えられる。

実施例４
垂直吸収は、水分吸収する生地の能力の尺度となる。垂直吸収の増加は冷却にとってプラスとなる。

生地の水分移送速度は垂直条片吸収テストに従って測定される。生地サンプルの条片（幅２５ｍｍ×長さ１７０ｍｍ）の一端は、自由端が２１℃の蒸留水に約３ｍｍを浸された状態で、垂直に固定された。水が条片に沿って移送された高さが、１分、５分および１０分間隔で測定され、センチメートル（ｃｍ）単位で報告された。生地は縦（経糸）および横（緯糸）方向の両方でテストされた。

混紡糸を含む生地サンプルの一般的な期待値は、第２および第３サンプルの影響をともに平均することにより決定すると、垂直吸収の３３０％の増加であった。混紡糸を含む生地サンプルは、前述の対照と比較して、実際には４６８％の改善をもたらした。これらの結果に基づくと、緯糸における翡翠含有繊維と疎水性綿繊維との組合せは、有意な吸水効果を生地に提供し得ると考えられる。

上述の実施例において、デニム生地としてある特定の重量および厚さが使用されたが、任意の所望の重量および／または厚さを有する生地が本発明の範囲から逸脱せずに調製され得る。いくつかの実施形態において、例えば、デニム生地がジーンズの製造のために構成されるいくつかの実施形態において、生地の重量は、約２７１．２５ｇ／ｍ^２（約８オンス／ｙｄ^２）と約５０８．５９ｇ／ｍ^２（約１５オンス／ｙｄ^２）と間の範囲でもよく、例えば、より軽量の生地に関しては、約２７１．２５ｇ／ｍ^２（約８オンス／ｙｄ^２）と約４０６．８７ｇ／ｍ^２（約１２オンス／ｙｄ^２）との間、または、より重い重量の生地に関しては、約４０６．８７ｇ／ｍ^２（約１２オンス／ｙｄ^２）と約５０８．５９ｇ／ｍ^２（約１５オンス／ｙｄ^２）との間でもよい。同様に、いくつかの実施形態において、デニム生地がジーンズの製造のために構成されるいくつかの実施形態において、生地の厚さは、約０．６０ｍｍと約１．２０ｍｍとの間の範囲でもよく、例えば、より薄い生地に関しては、約０．６０ｍｍと０．８０ｍｍとの間、または、より厚い生地に関しては、約１．００ｍｍと約１．２０ｍｍとの間でもよい。

いくつかの実施形態において、デニム生地はジーンズ（ジーパン）、ジージャンなどの製造に役立つ「ブルージーン」生地を提供するように構成されてもよい。デニム生地は当業者により理解されるような、従来の方法によって「ブルージーン」生地を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、生地の経糸において使用される糸が、例えばインディゴ染料で染色されてもよい。これらの実施形態において、緯糸は、染色されておらず、地色のままでもよい。あるいは、デニム生地のおもて面が例えばインディゴ染料で染色されてもよい。また、いくつかの実施形態において、両方の染色工程が行なわれてもよい。

翡翠含有繊維を有する糸を含む生地はシーツ、タオル、屋外用家具のような家具のための布張りなどを含む様々な製品を製作するために使用されてもよい。生地は、衣類の製造に特に役立つ。例えば、生地は、ズボン、ズボン下、シャツ、ジャケット、下着、ソックス、帽子、汗止めバンド、バンダナなどの製造において使用されてもよい。いくつかの実施形態において、生地は、ズボン、例えばブルージーンズの製造に特に役立ち得るようなデニム生地である。本明細書に記述されるように、上述の生地を使用して製作された製品と衣類は、向上された冷却効果、吸水性および透過性から恩恵を受けられる。

記述された実施形態は、当該技術におけるものに対して複数の長所を有するユニークで新規な繊維、糸、生地および衣類を提供することが理解され得る。本明細書において本発明を具体化するある特定構造が示され記述される一方、根本的な発明概念の精神および範囲から逸脱することなく部分の様々な修正および再編がなされてもよいこと、および、本発明は、添付された特許請求の範囲によって示された場合を除いて、本明細書に示され記述された特別の形式に限定されないことが、当業者に明白である。

Claims (25)

1. 従来の繊維；
   疎水性綿繊維；及び
   翡翠含有ポリエステル繊維
   のブレンドを含む糸。
2. 前記ブレンドが、
   約２０％と約４０％との間の従来の繊維；
   約２０％と約４０％との間の疎水性綿繊維；及び
   約２０％と約４０％との間の翡翠含有ポリエステル繊維を含む、
   請求項１に記載の糸。
3. 前記ブレンドが、
   約３３％の従来の繊維；
   約３３％の疎水性綿繊維；及び
   約３３％の翡翠含有ポリエステル繊維を含む、
   請求項２に記載の糸。
4. 前記糸がスフのブレンドを含む、請求項１から３のいずれか一項に記載の糸。
5. 前記従来の繊維が、綿、ポリエステルまたはこれらの混合物を含む、請求項１から４のいずれか一項に記載の糸。
6. 前記翡翠含有ポリエステル繊維が、約０．３重量％と約１．５重量％との間の翡翠を含む、請求項１から５のいずれか一項に記載の糸。
7. 前記翡翠が、前記翡翠含有ポリエステル繊維の全体にわたって実質的に均一に分散されている、請求項１から６のいずれか一項に記載の糸。
8. 前記従来の繊維が高テナシティのポリエステルを含む、請求項１から７のいずれか一項に記載の糸。
9. 前記疎水性綿繊維が撥水性フッ素化合物を含む、請求項１から８のいずれか一項に記載の糸。
10. 経糸、及び
    緯糸
    を含み、
    前記緯糸が、請求項１から９および２４から２５のいずれか一項に記載の糸を含む、
    吸水性冷却生地。
11. 前記経糸が従来の綿糸を含む、請求項１０に記載の生地。
12. 前記経糸の５０％超が前記生地のおもて面に露出され、そして
    前記緯糸の５０％超が前記生地の裏面に露出される、
    請求項１０または１１に記載の生地。
13. 前記経糸の７０％超が前記生地のおもて面に露出され、そして
    前記緯糸の７０％超が前記生地の裏面に露出される、
    請求項１２に記載の生地。
14. 前記生地がデニム綾織を含む、請求項１０から１３のいずれか一項に記載の生地。
15. 少なくとも前記経糸が、インディゴ染料を含む、請求項１０から１４のいずれか一項に記載の生地。
16. 前記生地が、少なくとも０．６０の透過指数を有する、請求項１０から１５のいずれか一項に記載の生地。
17. 前記緯糸がすべて、請求項１から９のいずれか一項に記載の糸から成る、請求項１０から１６のいずれか一項に記載の生地。
18. 前記経糸がすべて、従来の綿糸から成る、請求項１０から１７のいずれか一項に記載の生地。
19. 請求項１０から１８のいずれか一項に記載の生地を含むズボン。
20. 請求項１０から１８のいずれか一項に記載の生地を含むシャツ。
21. ポリエステル溶融物に翡翠パウダーを混合すること；
    前記翡翠含有ポリエステル溶融物を押出し加工し、フィラメントを製作すること；及び
    前記フィラメントを細断し、翡翠含有ポリエステル繊維を製作すること
    を含む、
    翡翠含有ポリエステル繊維を作製する方法。
22. 前記翡翠パウダーが、約０．３重量％と約１．５重量％との間の翡翠を含む押出し加工された翡翠含有ポリエステル繊維を提供する量で、前記ポリエステル溶融物に混合される、請求項２１に記載の方法。
23. 請求項２１または２２に記載の工程によって作製された翡翠繊維。
24. 前記翡翠含有ポリエステル繊維が翡翠パウダーを含む、請求項１から９のいずれか一項に記載の糸。
25. 前記翡翠含有ポリエステル繊維が、
    ポリエステル溶融物に翡翠パウダーを混合すること；
    前記翡翠含有ポリエステル溶融物を押出し加工し、フィラメントを製作すること；及び
    前記フィラメントを切断し、翡翠含有ポリエステルのスフを製作すること
    によって調製される、請求項２４に記載の糸。