JP2017524721A - Nmda調節剤を使用するうつ病の治療方法 - Google Patents

Nmda調節剤を使用するうつ病の治療方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、患者(例えば、そのような治療を必要としている患者)における、うつ病(例えば、治療抵抗性うつ病)の治療方法及びレジメンを提供する。

Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2014年8月14日出願の米国仮特許出願第62/037,374号に対する優先権を主張する。上記米国仮特許出願は、参照によって全体として本明細書に組み込まれる。
うつ病は、患者に悲しみの感情及び興味の喪失を引き起こす気分障害である。うつ病患者の50%以上が、周知の投与薬物に対して適切な治療反応を経験しないことが推定されている。うつ病の薬理学的治療に対する非盲検研究において指摘されるように、ほとんどの事例において、有意義な改善が観察されるまでに2週間以上の薬物療法が必要である(Rush et al,Am.J.Psychiatry 2006,163:1905)。現在のところ、うつ病、不安及び他の関連疾患に対する単一有効治療は存在しない。
N−メチル−d−アスパラギン酸(NMDA)受容体(NMDAR)は、特に、興奮性アミノ酸グルタミン酸及びグリシンならびに合成化合物NMDAに対して感応性のシナプス後イオン向性受容体である。NMDA受容体は、受容体関連チャネルを通してのシナプス後神経細胞中への二価及び一価イオンの両方の流れを制御する(Foster et al.,Nature 1987,329:395−396;Mayer et al.,Trends in Pharmacol.Sci.1990,11:254−260)。NMDA受容体は、特定ニューロン構造及びシナプス結合性の発達の間に関与しており、また、経験依存性シナプス修正に関与し得る。加えて、NMDA受容体は、長期増強及び中枢神経系障害に関与しているとも考えられる。
NMDA受容体は、シナプス後膜に包埋されたいくつかのタンパク質鎖からなると考えられている。これまでに発見された最初の2種のサブユニットは、Ca++に対して透過性である細孔またはチャネルを形成するように、いくつかの膜貫通領域が輪になって折り畳まれているアロステリック結合部位の大部分をおそらく含有する、大きい細胞外領域と、カルボキシル末端領域とを形成する。チャネルの開閉は、細胞外表面にあるタンパク質の領域(アロステリック部位)に種々のリガンドを結合することによって調節される。リガンドの結合は、タンパク質の全構造における構造変化に影響すると考えられ、これは最終的に、チャネル開口、部分的開口、部分的閉鎖または閉鎖に影響する。
NMDA受容体は、特定の認知経路及び痛みの認識と同様に、記憶獲得、保持及び学習などの多くのより高い認知機能の基礎となるシナプス可塑性において主要な役割を果たす(Collingridge et al.,The NMDA Receptor,Oxford University Press,1994)。加えて、NMDA受容体の特定の特性は、それらが、意識の基礎となる脳内での情報処理に関与し得ることを示唆する。
NMDA受容体は、それが広範囲のCNS障害に関与しているように思われるため、特に興味を持たれている。例えば、卒中または外傷によって生じた脳虚血の間、過剰量の興奮性アミノ酸グルタミン酸が、損傷を受けたか、または酸素が欠乏したニューロンから放出される。この過剰量のグルタミン酸がNMDA受容体に結合し、それによって、それらのリガンド開口型イオンチャネルが開放され;次に、カルシウム流入によって高濃度の細胞内カルシウムが生じ、それによって、タンパク質分解及び細胞死をもたらす生化学的カスケードが活性化される。興奮毒性として知られているこの現象は、低血糖及び心拍停止からてんかんまで及ぶ他の障害と関連する神経損傷の原因であるとも考えられている。加えて、ハンチントン病、パーキンソン病及びアルツハイマー病の慢性神経変性において同様の関与を示す予備的な報告がある。NMDA受容体の活性化は、卒中後のけいれんの原因であることが知られており、また、てんかんの特定モデルにおいては、NMDA受容体の活性化は、発作の発生に不可欠であることが知られている。動物麻酔薬PCP(フェンシクリジン)によるNMDA受容体Ca++チャネルの阻害によって、統合失調症に類似のヒトの精神病状態が生じるため、NMDA受容体の精神神経的関与も認識されている(Johnson,K.及びJones,S.,1990に検討される)。さらに、NMDA受容体は、特定の種類の空間学習にも関連している。
最近のヒト臨床研究によって、NMDARは、うつ病治療のための興味深い新標的として認識されている。周知のNMDARアンタゴニストCPC−101,606及びケタミンを使用して実施されたこれらの研究では、難治性うつ病患者におけるハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton Depression Rating Score)の有意な低下が示された。有効性は有意であったが、これらのNDMARアンタゴニストを使用する際の副作用が重度であったことが報告された。
最近、GLYX−13と命名された、NMDARの改善された部分的アゴニストが報告された。GLYX−13は、以下の構造:
によって例示され、これは、分子量:413.47及び化学式:C183156を有する。GLYX−13は、向知性、神経保護的及び抗侵害活性を示し、そして生体内での学習、記憶及び認知を強化する。GLYX−13は、迅速作用で、強く、かつ持続的な抗うつ薬活性を示し、かつNMDA受容体を標的とする他の薬物及び機作と関連する精神異常発現性の副作用がないことが示された。
本開示は、患者(例えば、そのような治療を必要としている患者)、例えば、他の抗うつ薬単独での治療に対して完全反応または有効性を有意に達成せずに別の抗うつ薬によるうつ病治療を受けている患者における、うつ病(例えば、治療抵抗性うつ病)の治療方法及びレジメンを提供する。候補患者(複数可)としては、限定されないが、(i)1つ以上のうつ病の症状を自己申告した個人(複数可);及び/または(ii)うつ病(例えば、未治療、例えば、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間以上未治療のうつ病)を患っていると診断され、例えば、ハミルトンうつ病評価尺度(「HDRS」)で7より高いスコア及び/またはモントゴメリー−アスベルグうつ病評価尺度(Montgomery−Asberg Depression Rating Scale)(MADRS)で10より高いスコアを得た個人(複数可);及び/または(iii)少なくとも1種の他の抗うつ薬によるうつ病治療を受けたことがあるか、または現在受けている個人(複数可);及び/または(iv)うつ病傾向の、またはうつ病のリスクにある個人(複数可)を含むことができる。本明細書に開示された方法及びレジメンは、当該の期間にわたってGLYX−13の2回以上(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回)の投与を患者に提供するために十分である期間にわたって、特定の頻度(または頻度の範囲、例えば、1週間に1度または2週間に1度)においてGLYX−13(またはGLYX−13を含有する組成物)の特定の用量(または用量の範囲)を投与することを含む。患者が2回以上の投与を受け取る期間は、本明細書中、「誘導期」と記載されることがある(本明細書中、「反復」または「反復」投与と記載されることもある)。本明細書に記載された方法及びレジメンは、患者がGLYX−13(またはそれを含有する組成物)を受け取らない「停止期」をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、この方法及びレジメンは、それぞれのサイクルが誘導期及び停止期を含む2以上の治療サイクル(例えば、連続サイクル)を含む。当業者が認識するであろうように、治療サイクルのそれぞれは、投与量、頻度、誘導期の持続期間、停止期の持続期間などに関して互いに独立して異なることが可能である。本明細書に記載された方法及びレジメンは、いずれかの誘導期及び/またはいずれかの停止期の前、間または後のいずれかの時点において、1種以上の他の抗うつ薬を投与することをさらに含むことができる。
有利であることに、本明細書に開示された方法及びレジメンは、望ましくない副作用を生じることなく、持続的有効性をもたらす。いくつかの実施形態において、誘導期の終わりに達成された有効性は、それに続く停止期に維持される。いくつかの実施形態において、達成された有効性は、GLYX−13の投与において比較的迅速かつ実質的に完全な様式で(例えば、再発、例えば、強制再発のため)再確立される。
したがって、一態様において、本開示は、GLYX−13を含む組成物の有効量を患者に静脈内投与することを含む、うつ病治療を受けている患者の安定化方法であって、上記組成物が誘導期に1週間に1度または2週間に1度、患者に投与される方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、うつ病治療を受けている患者は、他の抗うつ薬単独で完全反応を達成せずに別の抗うつ薬を投与されている。
別の態様において、本開示は、それを必要としている患者のうつ病治療方法であって、第1の期間に患者に約5mg/kg〜約10mg/kgのGLYX−13を連続投与することを含み、そして連続投与に続いて、停止期にGLYX−13を投与しない方法を特徴とする。
さらなる態様において、本開示は、治療のサイクルにおいて患者にGLYX−13を送達することを含む、ヒト患者のうつ病治療レジメンであって、上記サイクルが、サイクル中少なくとも4週間で、1週間あたり、または2週間ごとに約5mg/kg〜約10mg/kgのGLYX−13(または約2.5mg/kg〜約10mg/kgのGLYX−13、または例えば、約225mg〜約900mgのGLYX−13)の投与量の静脈内投与と、それに続いて、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、2カ月以上のGLYX−13が投与されない期間を含むレジメンを特徴とする。
HDRSスコアは投与頻度によって変動するが、誘導期(グラフ上では「安定化」として確認される)に達成された(HDRS尺度に基づく)改善が、一般に、停止期(グラフ上では「ランダム化治療中止」として確認される)を通じて維持されることを示すグラフである。 図1に示されたグラフからのデータの部分集合を示すグラフであり、そして薬物治療中止による患者のデータがGLYX−13の持続的効果を示すように見えることが示される。 GLYX−13メタ可塑性が、単一投与に続いて長期増強(「LTP」)24時間及び1週間を強化し、そして複数回の隔週投与後にLTPを繰り返し強化することを示す一連のグラフである。 Bech−6スコアは投与頻度によって変動するが、誘導期(グラフ上では「安定化」として確認される)に達成された(Bech−6尺度に基づく)改善が、一般に、停止期(グラフ上では「ランダム化治療中止」として確認される)を通じて維持されることを示すグラフである。 CGI−Sスコアは投与頻度によって変動するが、誘導期に達成された(CGI−S尺度に基づく)改善が、一般に、停止期(グラフ上では「7週」及び「13週」として確認される)を通じて維持されることを示すグラフである。 強制再発後に再確立される場合、GLYX−13の安定化相の例を示すグラフである。反復された入れ替えによって、GLYX−13に対する反復反応及び偽薬に対する再発を実証することができる。 ランダム化治療中止維持研究の典型的なデザインを示す。 ランダム化治療中止維持研究の典型的なデザインを示す。
本開示は、患者(例えば、そのような治療を必要としている患者)における、うつ病(例えば、治療抵抗性うつ病)の治療方法及びレジメンを提供する。候補患者(複数可)としては、限定されないが、(i)1つ以上のうつ病の症状を自己申告した個人(複数可);及び/または(ii)うつ病(例えば、未治療、例えば、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間以上未治療のうつ病)を患っていると診断され、例えば、ハミルトンうつ病評価尺度(「HDRS」)で7より高いスコア及び/またはモントゴメリー−アスベルグうつ病評価尺度(Montgomery−Asberg Depression Rating Scale)(MADRS)で10より高いスコアを得た個人(複数可);及び/または(iii)少なくとも1種の他の抗うつ薬によるうつ病治療を受けたことがあるか、または現在受けている個人(複数可);及び/または(iv)うつ病傾向の、またはうつ病のリスクにある個人(複数可)を含むことができる。本明細書に開示された方法及びレジメンは、当該の期間にわたってGLYX−13の2回以上(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回)の投与を患者に提供するために十分である期間にわたって、特定の頻度(または頻度の範囲、例えば、1週間に1度または2週間に1度)においてGLYX−13(またはGLYX−13を含有する組成物)の特定の用量(または用量の範囲)を投与することを含む。患者が2回以上の投与を受け取る期間は、本明細書中、「誘導期」と記載されることがある(本明細書中、「反復」または「反復」投与と記載されることもある)。本明細書に記載された方法及びレジメンは、患者がGLYX−13(またはそれを含有する組成物)を受け取らない「停止期」をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、この方法及びレジメンは、それぞれのサイクルが誘導期及び停止期を含む2以上の治療サイクル(例えば、連続サイクル)を含む。当業者が認識するであろうように、治療サイクルのそれぞれは、投与量、頻度、誘導期の持続期間、停止期の持続期間などに関して互いに独立して異なることが可能である。本明細書に記載された方法及びレジメンは、いずれかの誘導期及び/またはいずれかの停止期の前、間または後のいずれかの時点において、1種以上の他の抗うつ薬を投与することをさらに含むことができる。
うつ病
うつ病は、一般的な精神的障害であり、憂うつな気分及び活動への嫌悪感の精神状態を指す。うつ病と関連した種々の症状には、持続的な不安または悲しみの感情、無力感、絶望感、悲観的観測及び/または無価値感、低エネルギー、落ち着かない状態、短気、疲労、楽しい活動または趣味に対しての興味の損失、過度の睡眠、食べ過ぎ、食欲の喪失、不眠症、自殺思考及び自殺未遂が含まれる。上記症状の存在、重症性、頻度及び期間は事例ごとに異なる。いくつかの実施形態において、患者は、これらの症状の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは少なくとも5つを有し得る。
最も一般的なうつ病状態には、大うつ病性障害及び気分変調性障害が含まれる。他のうつ病状態は、独特の状況下で発展する。そのようなうつ病状態には、限定されないが、精神病性うつ病、産後うつ病、季節的感情障害(SAD)、気分障害、がんまたは慢性痛などの慢性症状、化学療法、慢性ストレスによって引き起こされるうつ病、外傷後ストレス障害及び双極性障害(または躁うつ病性障害)が含まれる。
治療抵抗性うつ病(本明細書中では、難治性うつ病と記載することもある)は、三環系抗うつ薬、MAOI、SSRI、エスケタミンまたは他のNMDA調節剤、二重及び三重取り込み阻害薬及び/または抗不安薬及び抗精神病薬治療を含む標準的な薬学的治療、ならびに精神療法、電気けいれん療法、迷走神経刺激及び/または経頭蓋磁気刺激などの非薬学的治療に対して抵抗を有するうつ病患者において生じる。治療抵抗性患者は、1つ以上の標準的な薬学的または非薬学的治療を受けたにもかかわらず、1つ以上のうつ病の症状(例えば、持続的不安または悲しみの感情、無力感、絶望感、悲観的感情)の軽減を経験できない患者として認識されてよい。特定の実施形態において、治療抵抗性患者は、2種の異なる抗うつ薬による治療を受けたにもかかわらず、1つ以上のうつ病症状の軽減を経験できない患者である。他の実施形態において、治療抵抗性患者は、3種または4種の異なる抗うつ薬による治療を受けたにもかかわらず、1つ以上のうつ病症状の軽減を経験できない患者である。治療抵抗性患者は、1つ以上の標準的な薬学的または非薬学的治療の副作用に耐える意思がないか、またはそれができない患者としても認識されてよい。
「治療」は、状態、疾患、障害などの改善をもたらす、いずれかの効果、例えば、減少、低下、調節または排除を含む。「個人」、「患者」または「被験者」は、交換可能に使用され、そして哺乳動物、好ましくは、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマまたは霊長類、最も好ましくはヒトを含む、いずれの動物も含む。
「有効量」という用語は、研究者、獣医、医師または他の臨床医によって求められる組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を引き出すであろう目的の成分、例えば、GLYX−13(またはGLYX−13を含有する組成物)の量を示す。GLYX−13(またはGLYX−13を含有する組成物)ならびにGLYX−13と併用して使用されるいずれかの他の抗うつ薬の治療有効量は、治療されるうつ病状態の形態、望ましい治療時間の長さ、患者の年齢及び状態によってそれぞれ変動可能であり、かつ最終的に担当医によって決定される。例として、有効量は、本明細書に記載される疾患、障害及び状態(例えば、治療抵抗性うつ病)のいずれかを治療するために有効な量であることが可能である。あるいは、有効量は、望ましい治療及び/または予防効果を達成するために必要とされる量を示すことができ、例えば、その後の停止期に、患者は以下の尺度:HDRS、MADRSまたは(例えば、誘導期の直後及び停止期に決定される)ベースラインからの症状の低下%の1つ以上によって示される誘導期後に達成される改善のレベルと比較して、うつ病症状の改善のレベルを実質的に維持する。例として、その後の停止期の間に、患者が実質的に約7以下のHDRS−17スコアを維持し;及び/または約10以下のMADRSスコアを維持し;そして/またはベースラインからのうつ病症状の約50%以上の低下を維持する。本明細書中、患者のうつ病症状の改善の達成及び維持(例えば、約7以下のHDRS−17スコア;及び/または約10以下のMADRSスコア;及び/またはベースラインからのうつ病症状の約50%以上の低下の達成及び維持)は、患者の「安定化」として記載されることがある。
GLYX−13
「GLYX−13」は、次式:
によって表され、かつ多形、水和物、溶媒和物、遊離塩基及び/または上記化合物の適切な塩形態が含まれる。
GLYX−13は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,763,393号及び同第4,086,196号に記載される方法などの組換え及び合成方法によって得られ得る。多形、水和物、相同体、溶媒和物、遊離塩基及び/またはGLYX−13の適切な塩形態、例えば、限定されないが、酢酸塩も考えられる。このペプチドは、US5,763,393にさらに記載されるような環化または非環化形態であってもよい。いくつかの実施形態において、GLYX−13類似体は、CH2、OHまたはNH2部分の欠損などのThrまたはPro基の1つ以上における一部分の挿入または欠損を含み得る。他の実施形態において、GLYX−13は、1つ以上のハロゲン元素、(任意にハロゲンまたはアミノで置換された)C1〜C3アルキル、ヒドロキシル及び/またはアミノによって任意に置換されていてもよい。本明細書での使用のために考えられる他の化合物としては、参照によって本明細書に組み込まれるUS5,763,393、US6,107,271及びWood et al.,Neuro.Report,19,1059−1061,2008に開示されたNMDARのグリシン部位部分アゴニストが含まれる。
本明細書に開示されたペプチドとして、天然及び非天然アミノ酸の両方、例えば、全ての天然アミノ酸(またはその誘導体)、全ての非天然アミノ酸(またはその誘導体)、もしくは天然及び非天然アミノ酸の混合物を含むことができることは理解され得る。例えば、GLYX−13の1個、2個、3個以上のアミノ酸は、それぞれ独立して、d−またはl−構造を有してよい。
方法
一態様において、本開示は、GLYX−13を含む組成物の有効量を患者に静脈内投与することを含む、うつ病治療を受けている患者の安定化方法であって、上記組成物が誘導期に1週間に1度または2週間に1度、患者に投与される方法を特徴とする。
いくつかの実施形態において、それぞれの誘導期は、独立して、約1週間〜約6カ月間(例えば、約2週間〜約6カ月間、約3週間〜約6カ月間、約4週間〜約6カ月間、約5週間〜約6カ月間、約6週間〜約6カ月間)である。特定の実施形態において、それぞれの誘導期は、独立して、約3週間〜約16週間、約3週間〜約12週間、約3週間〜約10週間、約3週間〜約8週間、約3週間〜約6週間;約4週間〜約16週間、約4週間〜約12週間、約4週間〜約10週間、約4週間〜約8週間、約4週間〜約6週間;約5週間〜約16週間、約5週間〜約12週間、約5週間〜約10週間、約5週間〜約8週間、約5週間〜約6週間;約6週間〜約16週間、約6週間〜約12週間、約6週間〜約10週間または約6週間〜約8週間である。
特定の実施形態において、それぞれの誘導期は、独立して、約3週間〜約12週間、例えば、約4週間〜約12週間、約6週間〜約12週間、約5週間〜約8週間である。特定の実施形態において、それぞれの誘導期は、独立して、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約10週間または12週間、例えば、約6週間である。
いくつかの実施形態において、誘導期の後、GLYX−13(またはGLYX−13を含有する組成物)は、停止期(または中止期)の間、患者に投与されない。いくつかの実施形態において、それぞれの停止期は、独立して、約1週間〜約6カ月間(例えば、約1週間〜約16週間、約1週間〜約12週間、約1週間〜約10週間、約1週間〜約8週間、約1週間〜約6週間、約1週間〜約4週間、約1週間〜約3週間)である。特定の実施形態において、それぞれの停止期は、独立して、約1週間〜約6週間である。
いくつかの実施形態において、それぞれの誘導期は、独立して、約3週間〜約12週間、例えば、約4週間〜約12週間、約6週間〜約12週間、約5週間〜約8週間であり、かつそれぞれの停止期は、独立して、約1週間〜約6週間である。特定の実施形態において、それぞれの誘導期は、独立して、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約10週間または約12週間、例えば、約6週間であり、かつそれぞれの停止期は、独立して、約1週間〜約6週間である。
いくつかの実施形態において、例えば、誘導期の間に投与されるヒト成体の治療のためのGLYX−13の治療有効量は、投与につき約0.01mg/kg〜約1000mg/kg(例えば、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、約0.01mg/kg〜約25mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約100mg/kg、約0.1mg/kg〜約50mg/kg、約0.1mg/kg〜約50mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約1mg/kg〜約100mg/kg、約1mg/kg〜約50mg/kg、1日あたり約1mg/kg〜約50mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、あるいは投与につき約1mg/kg〜約10mg/kg、例えば、週に1度、週に2度もしくは週に3度及び/または本明細書に記載される通り)である。GLYX−13の投与量は、限定されないが、約1ug/kg、25ug/kg、50ug/kg、75ug/kg、100uug/kg、125ug/kg、150ug/kg、175ug/kg、200ug/kg、225ug/kg、250ug/kg、275ug/kg、300ug/kg、325ug/kg、350ug/kg、375ug/kg、400ug/kg、425ug/kg、450ug/kg、475ug/kg、500ug/kg、525ug/kg、550ug/kg、575ug/kg、600ug/kg、625ug/kg、650ug/kg、675ug/kg、700ug/kg、725ug/kg、750ug/kg、775ug/kg、800ug/kg、825ug/kg、850ug/kg、875ug/kg、900ug/kg、925ug/kg、950ug/kg、975ug/kg、1mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kgまたは100mg/kgを含むいずれかの投与量であってよい。特定の実施形態において、GLYX−13は、約1〜約10mg/kg、例えば、約5〜約10mg/kgの範囲(例えは、静脈内用量範囲)、例えば、約1mg/kg、約5mg/kgまたは約10mg/kgでうつ病に対して治療有効であり得る。
いくつかの実施形態において、例えば、誘導期の間に投与されるヒト成体の治療のためのGLYX−13の治療有効量は、約1000mg〜約200mgまたは900mg〜約100mg、例えば、約200mg〜約500mg、例えば、50mg、100mg、225mg、250mg、200mg、300mg、350mg、450mg、500mg、600mg、700mg、750mg及び/または900mg単位用量の固定用量であってよい。維持用量は誘導用量より低くなり得ることは認識されるであろう。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるいずれのGLYX−13投与量も、毎日より低い頻度、例えば、隔日(例えば、2日ごと);1週間に1度または2度;1週間に1度、2度または3度;1週間に2度または3度;1週間に2度(例えば、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、または例えば、投与間に約2〜約3日の間隔を置いて投与する);3日または4日ごと;1週間に1度;2週間に1度(隔週);1カ月間に2度;1カ月間に1度またはさらに低い頻度で投与することができる。特定の実施形態において、GLYX−13は、1週間に1度、1週間に2度、2週間に1度またはそれらのいずれかの組合せの頻度で投与される。
特定の実施形態において、GLYX−13(rapastinel)は、約1〜約10mg/kg、例えば、約5〜約10mg/kgの範囲(例えば、静脈内用量範囲)、例えば、約1mg/kg、約5mg/kgまたは約10mg/kgで投与され、及び/またはGLYX−13は、1週間に1度、2週間に1度またはそれらのいずれかの組合せの頻度で投与される。
例として、それを必要としている患者のうつ病治療方法は、第1の期間(すなわち、誘導期)に患者に約2.5mg/kg〜約10mg/kg、または約5mg/kg〜約10mg/kgのGLYX−13(または約225mg〜約900mgのGLYX−13)を連続投与することを含むことができ、そして連続投与に続いて、停止期にGLYX−13を投与しない。特定の実施形態において、連続投与及び非投与は、少なくとも1回(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回)繰り返される。特定の実施形態において、GLYX−13は、約3週間〜約12週間の第1の期間(すなわち、誘導期)に1週間に1度または2週間に1度投与され(例えば、3〜12週間、5〜10週間、3〜6週間、6〜12週間以上の期間に1週間に1度または2週間に1度、約5mg/kgまたは約10mg/kgを連続投与する)、そして停止期は、約1〜約6週間(またはそれ以上)、例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間または8週間以上である。
いくつかの実施形態で、この方法及びレジメンは、それぞれのサイクルが誘導期及び停止期を含む、2以上の治療サイクル(例えば、連続サイクル)を含む。当業者が認識するであろうように、治療サイクルのそれぞれは、投与量、頻度、誘導期の持続期間、停止期の持続期間などに関して互いに独立して異なることが可能である。
例として、ヒト患者のうつ病治療レジメンは、治療のサイクルにおいて患者にGLYX−13を送達することを含むことが可能であり、上記サイクルは、サイクル中少なくとも4週間(すなわち、誘導期)で、1週間あたり、または2週間ごとに約5mg/kg〜約10mg/kgのGLYX−13の投与量の静脈内投与と、それに続いて、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、2カ月以上のGLYX−13が投与されない期間(停止期)を含む。特定の実施形態において、サイクルの誘導期は、少なくとも3回の週1度の投与を含む。特定の実施形態において、サイクルは、少なくとも1回(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回)繰り返される。特定の実施形態において、サイクルは連続的である。
いくつかの実施形態において、候補患者(複数可)としては、限定されないが、(i)1つ以上のうつ病の症状を自己申告した個人(複数可);及び/または(ii)うつ病(例えば、未治療、例えば、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間以上未治療のうつ病)を患っていると診断され、例えば、ハミルトンうつ病評価尺度(「HDRS」)で7より高いスコア及び/またはモントゴメリー−アスベルグうつ病評価尺度(Montgomery−Asberg Depression Rating Scale)(MADRS)で10より高いスコアを得た個人(複数可);及び/または(iii)少なくとも1種(例えば、少なくとも2種、少なくとも3種)の他の抗うつ薬(複数可)によるうつ病治療を受けたことがあるか、または現在受けている個人(複数可);及び/または(iv)うつ病傾向の、またはうつ病のリスクにある個人(複数可)を含むことができる。特定の実施形態において、患者は、(例えば、GLYX−13の投与の前に少なくとも1種の抗うつ薬治療によって治療された患者、またはGLYX−13の投与の前に少なくとも2種の抗うつ薬治療によって治療された患者として認識される)治療抵抗性患者である。
いくつかの実施形態において、うつ病は、大うつ病性障害、気分変調性障害、精神病性うつ病、産後うつ病、季節的感情障害、双極性障害、双極性うつ病、気分障害、がんまたは慢性痛などの慢性症状、化学療法、慢性ストレスによって引き起こされるうつ病、外傷後ストレス障害及び躁うつ病性障害からなる群から選択される。特定の実施形態において、うつ病は、治療抵抗性うつ病である。
併用療法
本開示は、(限定されないが)これらの治療薬の相互作用から有益効果が提供されることが意図された特定の治療レジメンの一部として、GLYX−13及び1種以上の他の生物学的に活性な薬剤(例えば、1種以上の他の抗うつ薬)の有効量を同時投与することを含む、「併用療法」を考察する。併用の有益効果としては、限定されないが、治療薬の併用から生じる薬物動態学的または薬力学的相互作用が含まれる。本明細書に記載された方法及びレジメンは、いずれかの誘導期及び/またはいずれかの停止期の前、間または後のいずれかの時点において、1種以上の他の抗うつ薬を投与することをさらに含むことができる。併用療法は、連続的な様式、すなわち、それぞれの治療薬が異なる時間に投与される様式での複数の治療薬の投与、ならびに実質的に同時の様式でのこれらの治療薬または少なくとも2種の治療薬の投与を包含するように意図される。実質的に同時の投与は、例えば、被験者に、それぞれの治療薬の固定比を有する単一タブレットもしくはカプセルまたは静脈注射用溶液を投与することによって、あるいはそれぞれの治療薬用の複数の単一タブレットもしくはカプセルまたは静脈注射用溶液で投与することによって達成することができる。それぞれの治療薬の連続的または実質的に同時の投与は、限定されないが、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、及び粘膜組織を通しての直接投与を含む、いずれかの適切な経路によって実施することができる。治療薬は、同一経路によって、または異なる経路によって投与することができる。例えば、選択された組合せの第1の治療薬(例えば、GLYX−13)は静脈内注射によって投与されてよく、一方、組合せの他の治療薬は経口投与されてよい。あるいは、例えば、全ての治療薬は経口投与されてよいか、または全ての治療薬は静脈内注射によって投与されてよい。
いくつかの実施形態において、GLYX−13は、うつ病、不安の軽減の提供ならびにうつ病及び不安の再発の予防を含む、うつ病、不安及び/または他の関連疾患の治療のための医薬品製造に用いられる三環系抗うつ薬、MAO−I、SSRI、SNRIならびに二重及び三重取り込み阻害薬、非定型抗精神病薬及び/または抗不安薬などの1種以上の他の抗うつ薬治療との併用で投与される。GLYXペプチドとの併用で使用され得る模範的薬剤としては、アナフラニール(Anafranil)、アダピン(Adapin)、アベンチル(Aventyl)、ブプロピオン(Buproprion)、エラビル(Elavil)、ノルプラミン(Norpramin)、パメロール(Pamelor)、パートフラン(Pertofrane)、シネクアン(Sinequan)、スルモンチル(Surmontil)、トフラニル(Tofranil)、ビバクチル(Vivactil)、パルネート(Parnate)、ナルジル(Nardil)、マープラン(Marplan)、セレクサ(Celexa)、レクサプロ(Lexapro)、ルボックス(Luvox)、パクシル(Paxil)、プロザック(Prozac)、ゾロフト(Zoloft)、ウェルブトリン(Wellbutrin)、エフェキソール(Effexor)、レメロン(Remeron)、シンバルタ(Cymbalta)、Desyrel(デシレル)(トラゾドン(trazodone))及びルジオミル(Ludiomill)が含まれる。いくつかの実施形態において、GLYX−13の投与は、同時投与された抗うつ薬治療よりも速く作用し得、したがって、そのような同時投与(例えば、ほぼ同時に、別の遅行性抗うつ薬と一緒にレジメンを開始するが、急性または即座ベースのGLYX−13の投与)は、第2の抗うつ薬が遅行性である一般的な状態で特に有利であり得ることは理解されるであろう。いくつかの実施形態において、GLYX−13は、1種以上のNMDARアンタゴニストとの併用で投与される。特定の実施形態において、開示された化合物、例えば、GLYX−13は、認知障害から回復させるか、またはそれを予防する量で投与され得る。いくつかの実施形態で、NMDARアンタゴニストは、ケタミン、エスケタミン、メマンチン、ラニセニン(AZD6765)、CERC−301、デキストロメトルファン、デキストロルファン、フェンシクリジン、ジゾシルピン(MK−801)、アマンタジン、イフェンプロジル及びリルゾール、または製薬的に容認できる塩もしくはそれらのプロドラックからなる群から選択される。上記NMDARアンタゴニストの誘導体も考察される。
本明細書において、精神療法、電気けいれん療法、迷走神経刺激及び/または経頭蓋磁気刺激などの(例えば、同時の、または連続的な)他の非薬学的治療との併用でGLYX−13を投与することを含む、うつ病治療法も考察される。
特定の実施形態において、誘導期の前及び/または間もしくは後に、1種以上の他の薬理学的及び/または非薬理学的治療(例えば、1種以上の他の抗うつ薬)が患者に投与される。他の実施形態において、停止期の間に、1種以上の他の薬理学的及び/または非薬理学的治療(例えば、1種以上の他の抗うつ薬)が患者に投与される。なお他の実施形態において、誘導期の前及び/または間もしくは後に、1種以上の他の薬理学的及び/または非薬理学的治療(例えば、1種以上の他の抗うつ薬)が患者に投与され、そして停止期の間に、1種以上の他の薬理学的及び/または非薬理学的治療(例えば、1種以上の他の抗うつ薬)が患者に投与される。したがって、患者は、いずれかの治療サイクルの前及び/または後に、上記の他の薬理学的及び/または非薬理学的治療のいずれかを受け取ることができるということは理解される。
投与及び調合剤
GLYX−13ならびに本発明のいずれかの他の薬理学的薬剤(例えば、1種以上の他の抗うつ薬)は、当該分野で周知のそれらの意図された用途次第で、様々な手段によって投与され得る。例えば、本発明の組成物が経口投与される場合、それらは、タブレット、カプセル、グラニュール、パウダーまたはシロップとして調合され得る。あるいは、本発明の調合剤は、注射(静脈内、筋肉内または皮下)、点滴製剤または座薬として非経口的に投与されてもよい。眼粘膜経路による適用のためには、本発明の組成物は、点眼剤または眼軟膏として調合され得る。これらの調合剤は、従来の手段によって調製され得、所望であれば、組成物は、付形剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、矯味剤、可溶化剤、懸濁助剤、分散剤またはコーティング剤などのいずれかの通常の添加剤と一緒に混合されてよい。
いくつかの実施形態において、本明細書のGLYX−13は患者に非経口的に投与されてよく、これらとしては、限定されないが、皮下、筋肉内及び静脈内が含まれる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載された組合せの成分の1種以上は、徐放性静脈内注入を介して、またはインプラントデバイスからの放出によって投与されてもよい。
本発明の調合剤において、湿潤剤、乳化剤及び潤滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤及び甘味料、防腐剤及び酸化防止剤が、調合された薬剤中に存在していてもよい。
本組成物は、経口、鼻腔内、局所(口腔内及び舌下を含む)、直腸、腟、エアゾール及び/または非経口投与に適切であり得る。調合剤は、都合よく単位剤形で提出され得、そして調剤技術において周知のいずれかの方法によって調製され得る。単回投与を生じるために担体材料と組み合わせられてよい組成物の量は、治療される被験者及び特定の投与モード次第で様々である。
これらの調合剤の調製方法は、担体及び任意に1種以上の副成分と一緒に本発明の組合せ組成物をもたらすステップを含む。一般に、調合剤は、液体担体または微細固体担体または両方と一緒に組合せ薬剤を均一かつ密接にもたらし、次いで、必要であれば、製品を成形することによって調製される。
経口投与に適切な調合剤は、カプセル、カシェ、ピル、タブレット、ロゼンジ(風味付けベース、普通、スクロース及びアカシアまたはトラガカントゴムを使用)、パウダー、グラニュール、もしくは水系または非水系液体中の溶液または懸濁液の形態で、もしくは水中油または油中水液体乳濁液として、もしくはエリキシールまたはシロップとして、またはパスティルとして(ゼラチン及びグリセリン、またはスクロース及びアカシアなどの不活性ベースを使用)であり得、それぞれ、活性成分として予め決められた量の本組成物を含有する。本発明の組成物は、ボーラス、練り薬またはペーストとして投与されてもよい。
経口投与用の固体剤形(カプセル、タブレット、ピル、ドラジェ、パウダー、グラニュールなど)において、本組成物は、1種以上の、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの製薬的に容認できる担体、及び/または以下のいずれかと混合される:(1)でんぷん、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及び/またはケイ酸などの充てん剤または増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及び/またはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの湿潤剤;(4)、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカでんぷん、海藻酸、特定のシリケート及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶液遅延剤;(6)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えば、アセチルアルコール及びグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤;(8)カオリン及びベントナイトクレーなどの吸着剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物などの潤滑剤;ならびに(10)着色剤。カプセル、タブレット及びピルに関しては、組成物は緩衝剤も含み得る。同様の種類の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの付形剤を使用して、軟質及び硬質充てんゼラチンカプセルにおいて充てん剤として利用されてもよい。
タブレットは、圧縮または成形によって、任意に1種以上の副成分と一緒に製造され得る。圧縮されたタブレットは、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムでんぷんグリコレートまたは架橋されたナトリウムカルボキシメチルセルロース)、表面活性または分散剤を使用して調製されてよい。成形されたタブレットは、適切な成形機において、不活性液体希釈剤との湿潤させた本組成物の混合物を成形することによって製造され得る。タブレット、ならびにドラジェ、カプセル、ピル及びグラニュールなどの他の固体剤形は、任意に、腸溶性コーティング及び他の製薬調合技術において周知のコーティングなどのコーティング及びシェルに収容されるか、または調製されてもよい。
経口投与用の液体剤形は、製薬的に容認できる乳濁液、極小乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシールを含む。本組成物に加えて、液体剤形は、例えば、当該技術において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エステル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実、グラウンドナッツ、コーン、胚、オリーブ、キャスター及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフラニルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、シクロデキストリン及びそれらの混合物を含有し得る。
懸濁液は、本組成物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天及びトラガカントゴム、ならびにそれらの混合物を含有し得る。
非経口投与に適切な本発明の製薬組成物は、1種以上の製薬的に容認できる殺菌等張水系または非水系溶液、分散体、懸濁液または乳濁液、もしくは使用直前に殺菌注射溶液または分散体へと再構成され得る殺菌粉末であって、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、意図された受容個体の血液に調合剤を等張にする溶質、もしくは懸濁剤または増粘剤を含有し得るものとの組合せで本組成物を含む。
「製薬的または薬理学的に容認できる」とは、適切に動物またはヒトに投与される場合、副作用、アレルギー反応または他の都合の悪い反応を生じない分子の実体及び組成物を含む。ヒトへの投与に関して、製剤は、FDA Office of Biologics規格によって要求されるような殺菌、発熱性、一般的な安全性及び純度基準を満たさなければならない。「製薬的に容認できる担体」または「製薬的に容できる付形剤」という用語は、本明細書で使用される場合、製薬投与に適合性のある全ての、またはいずれかの溶媒、分散媒コーティング、等張及び吸着遅延剤などを意味する。製薬的に活性な物質のためのそのような媒体及び薬剤の使用は、当該技術において周知である。本明細書に記載の組合せは、補足的、追加的または強化された治療機能を提供する他の活性化合物も含んでよい。本発明の製薬組成物に利用されてもよい適切な水系及び非水系担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)及びそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油ならびにオレイン酸エチル及びシクロデキストリンなどの注射可能な有機エステルが含まれる。適切な流動度は、例えば、レシチンなどのコーティング材の使用によって、分散体の場合、必要とされる粒径の維持によって、そして界面活性剤の使用によって維持され得る。
開示された化合物は、液体または固体調合剤、例えば、水系または油系懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ及び/またはエリキシールの一部として提供されてよい。組成物は、使用前に水または他の適切な媒体との構成のため乾燥製品として調合されてもよい。そのような液体製剤は、限定されないが、懸濁剤、乳化剤、非水系媒体及び防腐剤を含む添加剤を含有していてもよい。懸濁剤としては、限定されないが、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル及び水素化食用脂が含まれる。乳化剤としては、限定されないが、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン及びアカシアが含まれる。非水系媒体としては、限定されないが、食用油、アーモンド油、ヤシ油、油状エステル、プロピレングリコール及びエチルアルコールが含まれる。防腐剤としては、限定されないが、ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピル及びソルビン酸が含まれる。考察された化合物は、限定されないが、注射または連続注入によるものを含む非経口投与用に調合されてもよい。注射用調合剤は、油状または水系媒体中での懸濁液、溶液または乳濁液の形態であってよく、かつ限定されないが、懸濁剤、安定化剤及び分散剤を含む調合薬剤を含み得る。組成物は、限定されないが、発熱物質を含まない殺菌水を含む適切な媒体との再構成のためのパウダー形態で提供されてもよい。
本発明は、以下の非限定的な例によって例証される複数の態様を有する。
実施例1 反復投与研究
補助的投与を使用しているヒト被験者において、反復投与研究が実施された(患者は、その時、別の抗うつ薬の薬物療法を受けていた)。(ランダム化治療中止維持研究の典型的なデザインを示す)図7A及び7Bに示されるように、初期安定化期間中に1週間に1度または隔週の投与で、5mg/kg〜10mg/kgの投与レベルを使用した。図7A及び7Bに示された被験者の内訳は、144人の非反応者及び164人の反応者であり、反応者は(1週間に1度の投与に割付けられた70人の患者、隔週投与に割付けられた36人の患者、偽薬に無作為抽出された55人の患者)であった。安定化期の間、ほとんどの反応者は少量の投与によって識別され、例えば、最終反応者の約65%は1回の投与後に反応を示し、最終反応者の約72%は2回の投与後に反応を示し、そして最終反応者の約85%は3回の投与後に反応を示した。研究は、第三者評価者(HDRS−17)及び治療群の臨床医(CGI−S)に対して盲検化された。
図1は、HDRSスコアは投与頻度によって変動するが、誘導期(グラフ上では「安定化」として確認される)に達成された(HDRS尺度に基づく)改善が、一般に、停止期(グラフ上では「ランダム化治療中止」として確認される)を通じて維持されることを示すグラフである。
図2は、図1に示されたグラフからのデータの部分集合を示すグラフであり、そして薬物治療中止による患者のデータがGLYX−13の持続的効果を示すように見えることが示される。
図3は、GLYX−13メタ可塑性が、単一投与に続いて長期増強(「LTP」)24時間及び1週間を強化し、そして複数回の隔週投与後にLTPを繰り返し強化することを示す一連のグラフである。
図4は、Bech−6スコアは投与頻度によって変動するが、誘導期(グラフ上では「安定化」として確認される)に達成された(Bech−6尺度に基づく)改善が、一般に、停止期(グラフ上では「ランダム化治療中止」として確認される)を通じて維持されることを示すグラフである。
図5は、CGI−Sスコアは投与頻度によって変動するが、誘導期に達成された(CGI−S尺度に基づく)改善が、一般に、停止期(グラフ上では「7週」及び「13週」として確認される)を通じて維持されることを示すグラフである。
図6は、GLYX−13の有効性が強制再発後に再確立されることを示すグラフである。反復された入れ替えによって、GLYX−13に対する反復反応及び偽薬に対する再発が実証された。
この研究は、GLYX−13の反復投与によって、有意な副作用をもたらさずに、持続的有効性が得られ、また反復投与による耐性が生じないことを示した。有効性は、強制再発後に再確立され、反復入れ替え研究によって、GLYX−13に対する反復反応及び偽薬に対する再発が実証され、被験者の約53%が臨床反応に達した。反応者の約3分の2が早期治療間に急速に再発し、そして反応は反復投与によって持続性となった。反応者の約3分の1は、早期治療間にも遅行的に再発した。盲検化された第三者評価者(HDRS−17)及び盲検化された治療群の臨床医の両方が、有効性に対して同一の相対的な割付けを行った。
実施例2 反復投与研究
補助的投与を使用しているヒト被験者において、実施例1に記載された反復投与研究が実施された(患者は、その時、別の抗うつ薬の薬物療法を受けていた)。
方法。GLYX−13を、12週間かけて、別の抗うつ薬に対して不十分な反応を示した被験者に投与した。被験者は、全研究期間、他の抗うつ薬を飲み続けた。研究は3部に分けられた。最初の6週間に、被験者は5mg/kg IVまたは10mg/kg IVでGLYX−13を受け取るように無作為抽出された。被験者は毎週クリニックに戻った。被験者が、前の週に投与されたGLYX−13に対して臨床反応(ベースラインから50%以上低下したHDRS−17)に達していた場合、再発(ベースラインから50%未満低下したHDRS−17)まで毎週偽薬を投与した。評価の6週目に、いくつかの訪問においてGLYX−13に対する反応を達成した被験者は、偽薬投与の間に再発する時間に基づき、1週間に1度または隔週の投与に割付けられ、そして引き続き6週間投与のためにGLYX−13または偽薬(ランダム化治療中止)を受け続けるように無作為抽出された。ランダム化治療中止期間の終了時、被験者は4週間の偽薬射出を受けた。被験者は治療に対して盲検化された。治療及びプロトコルに対して盲検化された第三者評価者が利用された。治療用量及び間隔は、が数学的アルゴリズムに基づくインタラクティブ・ウェブ−ベースド・レスポンス・システム(interactive web−based response system)によって算出され;現場要員は治療に対して盲検化された。
被験者のうち、67%が女性、33%が男性であり、年齢中央値は50歳であり、MDD診断中央値は平均して18歳であった。ベースラインHDRS−17スコアは、群全体で23.2〜24.1であった。6週間のアダプティブ用量間隔の間、368人の被験者のうちの53%が反応に達した。反応者の約67%が、GLYX−13の停止の後に続く2週間以内に再発し、そしてランダム化治療中止期間に毎週投与に割付けられたが、被験者のうちの33%はより遅行性の再発を示し、そして隔週投与に割付けられた。ランダム化治療中止期間の終了時、GLYX−13を隔週投与された被験者のうちの65%が反応を達成し、そして45%が寛解を達成した(HDRSスコア7以下と定義される)。毎週5mg/kg投与群における寛解を達成した被験者の割合は、隔週投与群と実質的に異ならなかったのに対して、毎週10mg/kgの投与を受けた被験者のうちの42%のみが寛解を達成した。治療群及び用量レベルに対して盲検化された現場調査員は、CGI−Sも使用して被験者を評価した。ベースラインにおけるCGI−Iは、群全体で4.3〜4.6であった。ランダム化治療中止期間の終了時、CGI−Iスコアは、隔週群では2.5±0.12まで低下し、5mg/kg IV毎週投与群では2.5+0.14まで低下したが、10mg/kg IV群では1.6±0.15のみ低下した。第2の6週間に偽薬に無作為抽出被験者において、HDRS−17スコアはベースラインの方へ戻らず、そしてランダム化治療中止相に続く4週間のウォッシュアウト相の間、GLYX−13を受けた被験者ならびに偽薬を受けた被験者において、HDRS−17スコアは低レベルで維持された。したがって、GLYX−13に対する反応を達成した後に10週間偽薬を受けた被験者において、低HDRS−17スコアが維持された。
補助的GLYX−13は、別の抗うつ薬に対して不十分な反応を示した、MDDを患う被験者におけるHDRS−17スコアの低下をもたらした。最初の数回投与の後、反応は1週間以上にわたって再発したが、治療を続けたところ、GLYX−13のそれぞれの用量に対する反応におけるHDRS−17の減少は次第に減少し、続いて6週間の投与スコアは、ベースラインにおける23.5±0.34から反応者における10.3±0.65まで低下した。全投与群におけるHDRS−17スコアの最大低下は、10週(ランダム化治療中止の3週)によって明白であった。6週間の投与後、GLYX−13の中止は、10週間まで、ベースラインの方へHDRS−17スコアが戻ることに関連しなかった。
平均±S.E.M.探索データとして表される全てのデータは、2因子の分散分析法(two−way analysis of variance)(ANOVA)によって分析される。これは、薬物治療の主作用、タスクの主作用及び薬物治療と物体探索との間の交互作用を検出する。有意な効果が見出された場合、ポスト・ホック・スチューデントt−検定(post hoc Student’s t−test)によるさらなる分析が実施され、新規及び周知の物体の探索に費やされた時間を比較する。主要エンドポインドは識別指数(DI)である。1因子ANOVA(one−way ANOVA)を使用してDI(新規−周知/新規+周知)データを分析し、続いて、ANOVAによって有意な効果が検出されない場合は、ボンフェローニ(Bonferroni)試験を実施する。
当業者は、通常の実験を使用して、本明細書に記載された本発明の具体的な実施形態の多くの同等物を認識するか、または確認することができる。そのような同等物は、以下の請求の範囲によって包含されるように意図される。
本明細書に引用された全ての特許、公開特許出願、ウェブサイト及び他の参考文献は、参照によって全体として本明細書に明白に組み込まれる。

Claims (30)

  1. GLYX−13を含む組成物の有効量を患者に静脈内投与することを含む、うつ病治療を受けている患者の安定化方法であって、前記組成物が、誘導期に1週間に1度または2週間に1度、前記患者に投与される方法。
  2. 前記うつ病治療を受けている患者が、他の抗うつ薬単独での治療に対して完全反応を達成せずに別の抗うつ薬を投与されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記誘導期が、約5週間〜約8週間または約3週間〜約12週間以上である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記誘導期が約6週間である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記誘導期の後、停止期に前記GLYX−13を含む前記組成物が前記患者に投与されない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記患者が、前記停止期の間に前記他の抗うつ薬を投与される、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記誘導期が、3週間、4週間、5週間、2カ月以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記停止期の間、前記患者が、HDRS−17尺度によって示される前記誘導期後の改善と比較して、うつ病症状の改善を実質的に維持する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記停止期の間、前記患者が、HDRS−17尺度によって示される前記誘導期後の改善と比較して、前記他の抗うつ薬の投与によるうつ病症状の改善を実質的に維持する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記停止期の間、前記患者が、約7以下のHDRS−17スコアを有する、請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記停止期の間、前記患者が、MADRS尺度によって示される前記誘導期後の改善と比較して、うつ病症状の改善を実質的に維持する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記停止期の間、前記患者が、約10以下のMADRSスコアを有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記誘導期の直後及び前記停止期の間、前記患者が、うつ病症状の約50%以下の減少を維持する、請求項7〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記患者が、前記誘導期の前、間または後に別の抗うつ薬も投与されている、請求項1に記載の方法。
  15. それを必要としている患者のうつ病治療方法であって、第1の期間に前記患者に約2.5mg/kg〜約10mg/kgのGLYX−13を連続投与することを含み、そして前記連続投与に続いて、停止期にGLYX−13を投与しない方法。
  16. 前記連続投与及び非投与が少なくとも1回繰り返される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記GLYX−13が、約3週間〜約12週間の第1の期間に毎週または隔週投与され、かつ前記停止期が約1〜約6週間以上である、請求項15または16に記載の方法。
  18. 6〜12週間、毎週または隔週、約5mg/kgまたは約10mg/kgを連続投与することを含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記患者が、前記第1の期間の前及び/または間もしくは後に別の抗うつ薬も投与されている、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記患者が、前記停止期間に別の抗うつ薬を投与されている、請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 治療のサイクルにおいて患者にGLYX−13を送達することを含む、ヒト患者のうつ病治療レジメンであって、前記サイクルが、前記サイクル中少なくとも4週間で、1週間あたり、または2週間ごとに約225mg〜約900mgのGLYX−13の投与量の静脈内投与と、それに続いて、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、2カ月以上のGLYX−13が投与されない期間を含むレジメン。
  22. 前記サイクルが、少なくとも3回の毎週投与を含む、請求項16に記載のレジメン。
  23. 前記サイクルが少なくとも1回繰り返される、請求項19に記載のレジメン。
  24. 前記サイクルが、2〜12サイクル繰り返される、請求項21〜23のいずれか一項に記載のレジメン。
  25. 前記サイクルが連続的である、請求項21〜24のいずれか一項に記載のレジメン。
  26. 前記患者が、前記サイクルの前及び/または後に別の抗うつ薬も投与されている、請求項21〜25のいずれか一項に記載のレジメン。
  27. 前記うつ病が治療抵抗性うつ病である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記治療抵抗性患者が、GLYX−13の投与の前に少なくとも1種の抗うつ薬治療によって治療された患者として認識される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記治療抵抗性患者が、GLYX−13の投与の前に少なくとも2種の抗うつ薬治療によって治療された患者として認識される、請求項27に記載の方法。
  30. 前記うつ病が、大うつ病性障害、気分変調性障害、精神病性うつ病、産後うつ病、季節的感情障害、双極性障害、双極性うつ病、気分障害、がんまたは慢性痛などの慢性病状、化学療法、慢性ストレスによって引き起こされるうつ病、外傷後ストレス障害及び躁うつ病性障害からなる群から選択される、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
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