本発明は、電気刺激システム及び電気刺激システムを製造する方法及び使用する方法の分野に関する。本発明はまた、指向性の電気刺激に使用することができるセグメント電極を有する電気刺激リード、並びにセグメント電極、リード、及び電気刺激システムを製造する方法及び使用する方法に関する。
脳深部刺激のためのリードは、刺激電極、記録電極、又はこれらの両方の組合せを含む場合がある。刺激電極、記録電極、又はその両方の少なくとも一部は、リードの円周に沿って部分的にしか延びないセグメント電極の形態で設けられる。これらのセグメント電極は、特定の長手方向位置においてリードの周りに半径方向に分配された電極を各々が有する電極セットで設けることができる。例示の目的で、本明細書ではリードを脳深部刺激のための使用に関して説明するが、これらのリードのうちのいかなるものも脊髄刺激、末梢神経刺激、又は他の神経及び組織の刺激を含む脳深部刺激以外の用途に使用することができることを理解すべきである。
適切な埋込み可能電気刺激システムは、遠位端部部上に1つ又はそれよりも多くの電極が配置され、1つ又はそれよりも多くの近位端部上に1つ又はそれよりも多くの端子が配置された少なくとも1つのリードを含むが、これらに限定されない。リードは、例えば、経皮リードを含む。リードを有する電気刺激システムの例は、例えば、特許文献2〜44に見出され、この全てが引用によって組込まれている。
少なくとも幾つかの実施形態において、施術者は、記録電極を用いてターゲット神経細胞の位置を決定し、次いで、それに従って刺激電極を配置することができる。幾つかの実施形態において、記録と刺激の両方のために同じ電極を使用してもよい。幾つかの実施形態において、一方がターゲット神経細胞を識別する記録電極を有し、第2のものがターゲット神経細胞の識別後に第1のものに置き換わる刺激電極を有する別個のリードを使用してもよい。幾つかの実施形態において、同じリードが、記録電極と刺激電極の両方を含む場合があり、又は電極を記録と刺激の両方のために使用される場合がある。
図1は、脳刺激のためのデバイス100の一実施形態を示している。デバイスは、リード110と、リード110の円周に沿って少なくとも部分的に配置された複数の電極125と、これらの電極の制御ユニットへの接続のためのコネクタ132と、患者の脳内へのリードの挿入及び位置決めを助けるためのスタイレット140とを含む。スタイレット140は、剛性材料で作ることができる。スタイレットに適した材料の例は、タングステン、ステンレス鋼、及びプラスチックを含むが、これらに限定されない。スタイレット140は、リード110内への挿入、並びにスタイレット140及びリード110の回転を助けるためのハンドル150を有することができる。コネクタ132は、好ましくは、スタイレット140の取外し後にリード110の近位端部の上に装着される。
制御ユニット(図示せず)は、一般的に、患者の身体内、例えば、患者の鎖骨区域の下に埋込むことができる埋込み可能なパルス発生器である。パルス発生器は、各々からの電流刺激の大きさを制御するように独立してプログラム可能にすることができる8つの刺激チャネルを有することができる。一部の場合に、パルス発生器は、8つよりも多いか又は少ない刺激チャネル(例えば、4個、6個、16個、32個、又はそれよりも多い刺激チャネル)を有する場合がある。制御ユニットは、リード110の近位端部において複数の端子135を受入れるための1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれよりも多いコネクタポートを有する場合がある。
手術の一例では、脳内の望ましい位置へのアクセスは、頭蓋ドリル(一般的にバーと呼ばれる)を用いて患者の頭骨又は頭蓋骨内に孔を穿孔し、硬膜又は脳の覆いを凝固させて切開することによって達成することができる。リード110は、スタイレット140の補助によって頭蓋骨及び脳組織内に挿入することができる。リード110は、例えば、定位固定フレーム及びマイクロドライブモータシステムを用いて脳内のターゲット場所まで案内することができる。幾つかの実施形態において、マイクロドライブモータシステムは、完全又は部分的に自動とすることができる。マイクロドライブモータシステムは、リード110を挿入すること、リード110を後退させること、又はリード110を回転させることという操作のうちの1つ又はそれよりも多くを実施するように(単独で又は組合せで)構成することができる。
幾つかの実施形態において、ターゲット神経細胞による刺激を受ける筋肉又は他の組織に結合された測定デバイス、又は患者又は臨床医に応答するユニットを制御ユニット又はマイクロドライブモータシステムに結合することができる。ターゲット神経細胞をより詳しく識別し、刺激電極の位置決めを容易にするために、測定デバイス、ユーザ、又は臨床医は、ターゲット筋肉又は他の組織による刺激電極又は記録電極への応答を示すことができる。例えば、ターゲット神経細胞が、振戦に罹患した筋肉に向けられる場合に、筋肉を観察し、神経細胞の刺激に応答する振戦の周波数及び振幅の変化を示すための測定デバイスを使用することができる。これに代えて、患者又は臨床医が筋肉を観察してフィードバックを与えることができる。
脳深部刺激のためのリード110は、刺激電極、記録電極、又はこれらの両方を含むことができる。少なくとも幾つかの実施形態において、記録電極を用いてターゲット神経細胞が位置付けられた後に、刺激電極をこれらの神経細胞に位置合わせすることができるようにリード110は回転可能である。
刺激電極は、ターゲット神経細胞を刺激するようにリード110の円周上に配置することができる。刺激電極は、電流が各電極からリード110の長さに沿って電極の位置からどの方向にも均等に射出するようにリング状とすることができる。リング電極は、典型的に、刺激電流をリードの一方の側だけに向けることを可能にしない。しかし、セグメント電極は、刺激電流をリードの一方の側に又は更に一方の側の一部分に向けるために使用することができる。セグメント電極が、一定電流刺激を送出する埋込み可能なパルス発生器と組み合わされて使用される時に、リードの軸線の周りの位置に刺激をより正確に送出するように電流ステアリングを達成することができる(すなわち、リードの軸線の周りの放射状位置決め)。
電流ステアリングを達成するために、リング電極に加えて又はその代わりにセグメント電極を利用することができる。以下に続く説明では刺激電極を解説するが、解説する刺激電極の全ての構成を記録電極を配置するのにも利用することができることを理解すべきである。
リード100は、リード本体110と、1つ又はそれよりも多くの任意的なリング電極120と、複数のセグメント電極130のセットとを含む。リード本体110は、例えば、ポリマー材料等の生体適合性非導電材料で形成することができる。適切なポリマー材料は、シリコーン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン尿素、ポリエチレンなどを含むが、これらに限定されない。身体内に埋込まれると、リード100は、長期間にわたって体組織と接触状態にすることができる。少なくともいくつかの実施形態において、リード100は、1.5mmよりも大きくない断面直径を有し、1から1.5mmの範囲にあるとすることができる。少なくともいくつかの実施形態において、リード100は、少なくとも10cmの長さを有し、リード100の長さは、15から70cmの範囲にあるとすることができる。
電極は、金属、合金、導電性酸化物、又は任意その他の適切な導電性生体適合材料を用いて作られる場合がある。適切な材料の例は、プラチナ、プラチナイリジウム合金、パラジウム、又はパラジウムロジウムなどを含むが、これらに限定されない。好ましくは、電極は、生体適合性のものである材料で製造され、作動環境における予想作動条件下で予想使用継続時間にわたって実質的に腐食しない。
電極の各々は、使用状態又は未使用状態(オフ)のいずれかとすることができる。電極が使用状態にある場合に、これらの電極は、アノード又はカソードとして使用することができ、アノード電流又はカソード電流を伝達することができる。一部の事例では、電極は、ある期間にわたってアノードとし、ある期間にわたってカソードとすることができる。
リング電極120の形態にある刺激電極は、リード本体110の任意の部分、通常はリード100の遠位端部部の近くに配置することができる。図1では、リード100は、2つのリング電極120を含む。リード本体110の長さに沿って、例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、又はそれよりも多いリング電極120を含む任意の個数のリング電極120を配置することができる。リード本体110の長さに沿って任意の個数のリング電極を配置することができることを理解すべきである。いくつかの実施形態において、リング電極120は実質的に円筒形であり、リード本体110の円周全体に沿って巻き付けられる。いくつかの実施形態において、リング電極120の外径は、リード本体110の外径に実質的に等しい。リング電極120の長さは、望ましい治療とターゲット神経細胞の場所とに従って変更することができる。いくつかの実施形態において、リング電極120の長さは、リング電極120の直径よりも小さいか又はそれに等しい。他の実施形態において、リング電極120の長さは、リング電極120の直径よりも大きい。
脳深部刺激リードは、1つ又はそれよりも多くのセグメント電極セットを含むことができる。一般的に脳深部刺激におけるターゲット構造は遠位電極アレイの軸に関して対称ではないので、セグメント電極は、リング電極よりも優れた電流ステアリングを可能にすることができる。その代わりにターゲットは、リードの軸線を通って延びる平面の一方の側に位置する可能性がある。半径方向セグメント電極アレイ(「RSEA」)の使用により、リードの長さに沿ってだけでなく、リードの円周に沿っても電流ステアリングを実施することができる。それによって他の組織の刺激を回避する可能性を有しながら、神経ターゲット組織への電流刺激の正確な3次元ターゲット化及び送出が可能になる。セグメント電極を有するリードの例は、特許文献19、21、28〜34、36〜40、45〜46を含み、この全てが本明細書に引用によって組込まれている。
図1では、複数のセグメント電極130を有するリード100が示されている。リード本体110上には、例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、又はそれよりも多いセグメント電極130を含む任意の個数のセグメント電極130を配置することができる。リード本体110の長さに沿って任意の個数のセグメント電極130を配置することができることを理解すべきである。一般的にセグメント電極130は、リードの円周の周りを75%、67%、60%、50%、40%、33%、25%、20%、17%、15%、又はそれ未満しか延びない。
セグメント電極130は、各々がリード100の特定の長手方向部分においてリード10の円周に沿って配置されたセグメント電極セットにグループ分けすることができる。リードは、与えられたセグメント電極セット内に任意の個数のセグメント電極130を有することができる。リード100は、与えられたセット内に1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、又はそれよりも多いセグメント電極130を有することができる。少なくともいくつかの実施形態において、リード100のセグメント電極130の各セットは、同じ個数のセグメント電極130を含む。リード100上に配置されたセグメント電極130は、リード100上に配置されたセグメント電極130の少なくとも1つの他のセットとは異なる個数の電極を含むことができる。
セグメント電極130は、サイズ及び形状を変えることができる。いくつかの実施形態において、セグメント電極130は、全てが同じサイズ、形状、直径、幅、又は面積、又はその組合せのものである。いくつかの実施形態において、各円周セットのセグメント電極130(又は、更にリード100上に配置された全てのセグメント電極)は、サイズ及び形状が等しいとすることができる。
セグメント電極130の各セットは、リード本体110の周りに実質的に円筒形状を形成するようにリード本体110の円周に沿って配置することができる。与えられたセグメント電極セットの個々の電極の間の間隔は、リード100上の別のセグメント電極セットの個々の電極の間の間隔と同じものとするか又は異なるとすることができる。少なくともいくつかの実施形態において、リード本体110の円周の周りの各セグメント電極130の間に等しい間隔、隙間、又は切り欠きが配置される。他の実施形態において、セグメント電極130の間の間隔、隙間、又は切り欠きは、サイズ又は形状が異なることができる。他の実施形態において、セグメント電極130の間の間隔、隙間、又は切り欠きは、セグメント電極130の特定のセット又はセグメント電極130の全てのセットにおいて均一とすることができる。セグメント電極130のセットは、リード本体110の長さに沿って不規則又は規則的な間隔で配置することができる。
リング電極120又はセグメント電極130に取付けられた導線は、リード本体110に沿って延びる。これらの導線は、リード100の材料を通って又はリード100によって構成される1又は2以上の内腔に沿って又はそれらの両方で延びることができる。導線は、電極120、130を制御ユニット(図示しない)に結合するためのコネクタに現れる(端子を通じて)。
リード100がリング電極120とセグメント電極130の両方を含む時に、リング電極120及びセグメント電極130は、任意の適切な構成に配置することができる。例えば、リード100がリング電極120の2つのセットとセグメント電極130の2つのセットとを含む時に、リング電極120は、セグメント電極130の2つのセットの側面に位置することができる(例えば、図1を参照されたい)。これに代えて、リング電極120の2つのセットは、セグメント電極130の2つのセットに対して近位に配置することができ(例えば、図3Cを参照されたい)、又はリング電極120の2つのセットは、セグメント電極130の2つのセットに対して遠位に配置することができる(例えば、図3Dを参照されたい)。他の構成も同様に可能であることが理解されるであろう(例えば、交互に配置されたリング電極及びセグメント電極など)。
セグメント電極130の場所を変更することにより、ターゲット神経細胞の異なるカバレージを選択することができる。例えば、図3Cの電極配置は、神経ターゲットがリード本体110の遠位先端部の近くになることを医師が予想した場合に有用とすることができ、一方、図3Dの電極配置は、神経ターゲットがリード本体110の近位端部の近くになることを医師が予想した場合に有用とすることができる。
リード100上には、リング電極120とセグメント電極130の任意の組合せを配置することができる。例えば、リードは、最初のリング電極120と、各々が4つのセグメント電極130で形成された2つのセグメント電極セットと、リードの端部にある最終リング電極120とを含むことができる。この構成を単純に1−4−4−1構成と記す場合がある。電極をこの簡略表記法で記すことが有用である場合がある。従って、図3Cの実施形態は、4−4−1−1構成と記す場合があり、一方、図3Dの実施形態は、1−1−4−4構成と記す場合がある。他の電極構成は、例えば、4セットのセグメント電極がリード上に配置された2−2−2−2構成、及び4つのセグメント電極130を各々が有する2セットのセグメント電極がリード上に配置された4−4構成を含む。幾つかの実施形態において、リードは16個の電極を含む。16電極リードに対して可能な構成は、4−4−4−4、8−8、3−3−3−3−3−1(及びこの構成の全ての再配置)、及び2−2−2−2−2−2−2−2を含むが、それらに限定されない。
図2は、リード200の長さに沿う様々な電極レベルに沿った半径方向電流ステアリングを示す概略図である。リング電極を有する従来のリード形態は、リードの長さ(z軸)に沿って電流をステアリングすることしかできないが、セグメント電極構成は、電流をx軸、y軸、並びにz軸においてステアリングすることができる。従って、刺激の重心をリード200を取り囲む3次元空間内の任意の方向にステアリングすることができる。いくつかの実施形態において、半径距離r及びリード200の円周の周りの角度θは、各電極に導入されるアノード電流の百分率によって決定付けることができる(刺激は、主としてカソードの近くで発生するが、強いアノードも同じく刺激を引き起こす場合があることを認識した上で)。少なくともいくつかの実施形態において、セグメント電極に沿ったアノード及びカソードの構成により、刺激重心をリード200に沿う様々な異なる場所にシフトさせることが可能になる。
図2から分るように、刺激重心をリード200の長さに沿う各レベルにシフトさせることができる。リードの長さに沿う異なるレベルでの複数のセグメント電極セットの使用は、3次元電流ステアリングを可能にする。いくつかの実施形態において、セグメント電極セットは、互いにシフトされる(すなわち、刺激重心は、リードの長さに沿う各レベルで同様である)。少なくともいくつかの他の実施形態において、各セグメント電極セットは、独立して制御される。各セグメント電極セットは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又はそれよりも多いセグメント電極を含むことができる。各レベルにおけるセグメント電極の個数を変更することにより、異なる刺激分布を生成することができることを理解すべきである。例えば、各セグメント電極セットが2つのセグメント電極のみを含む場合に、刺激分布内に均一に分散された隙間(選択的に刺激することが不能)を形成することができる。いくつかの実施形態において、真の360°選択性を可能にするために、セット内の少なくとも3個のセグメント電極230が利用される。
上述のように、上述の構成は、記録電極を利用しながら使用することができる。いくつかの実施形態において、ターゲット神経細胞による刺激を受ける筋肉又は他の組織に結合された測定デバイス、又は患者又は臨床医に応答するユニットを制御ユニット又はマイクロドライブモータシステムに結合することができる。ターゲット神経細胞をより詳しく識別し、刺激電極の位置決めを容易にするために、測定デバイス、ユーザ、又は臨床医は、ターゲット筋肉又は他の組織による刺激電極又は記録電極への応答を示すことができる。例えば、ターゲット神経細胞が、振戦に罹患した筋肉に向けられる場合に、筋肉を観察し、神経細胞の刺激に応答する振戦の周波数及び振幅の変化を示すための測定デバイスを使用することができる。これに代えて、患者又は臨床医が筋肉を観察してフィードバックを与えることができる。
リードの信頼性及び耐久性は、設計及び製造方法に重度に依存することになる。以下に解説する製作技術は、製造可能性及び信頼性の高いリードを生産することができる方法を提供する。
図1に戻ると、リード100がセグメント電極130の複数のセットを含む場合に、セグメント電極130の異なるセットの対応する電極が、リード100の長さに沿って互いに半径方向に整列するようにリード100を形成することが望ましい場合がある(例えば、図1に示すセグメント電極130を参照されたい)。リード100の長さに沿ったセグメント電極130の異なるセットの対応する電極の間の半径方向整列は、異なるセグメント電極セットの対応するセグメント電極の間の場所又は向きに関する不定性を低減することができる。従って、リード100の長さに沿う異なるセグメント電極セットの対応する電極が、互いに半径方向に整列し、リード100の製造中に互いに対して半径方向にシフトしないように電極アレイを形成することを有益とすることができる。
他の実施形態において、セグメント電極130の2つのセット内の個々の電極は、リード本体110の長さに沿って互いに対して交互配置される(図3Bを参照されたい)。一部の場合に、リード100の長さに沿う異なるセグメント電極セットの対応する電極の交互配置による位置決めを特定の用途に向けて設計することができる。
セグメント電極は、リング電極を使用する場合に達成されることになるリードの円周の周りの組織を刺激することに代わって、刺激領域を明示的にターゲット化することができるように刺激領域を調整するために使用することができる。一部の事例では、図2に示すように、リード200の電極を含む平行六面体(又はスラブ)領域250をターゲットにすることが望ましい。平行六面体領域内に刺激場を向けるための1つの配置は、リードの両側に配置されたセグメント電極を使用する。
図3A〜図3Dは、セグメント電極330と、任意的なリング電極320と、リード本体310とを有するリード300を示している。セグメント電極330のセットは、2つ(図3B)又は4つ(図3A、図3C、及び3D)のいずれか、又は例えば3つ、5つ、6つ、又はそれよりも多くを含む任意の他の個数のセグメント電極を含む。
セグメント電極の任意の他の適切な配置を使用することができる。一例として、セグメント電極が互いに対して螺旋状に配置された配置がある。一実施形態は、単一螺旋を含む。別の実施形態は、二重螺旋を含む。
図4に移ると、セグメント電極を有するリードを作る際の1つの課題は、製造工程中の電極の正しい配置、及び望ましい電極配置の維持である。本明細書に説明するように、リードの製造中に望ましい空間配置で電極を保持するために、電極担体を利用することができる。電極担体は、セグメント電極を互いに電気隔離するために、及び、存在する場合に1又は2以上のリング電極(又は先端電極、又はその両方)から電気隔離するために非導電材料で作られる。
電極担体は、脳深部刺激リードに関して説明される。電極担体は、例えば、脊髄刺激リード又は後根神経節リードなどを含む他のタイプのリードと組合せることができることを理解すべきである。脊髄刺激リード及び後根神経節リードの例は、特許文献2〜7、9〜10、14〜17、20、47〜51を含み、その全ては、本明細書に引用によって組込まれている。
図4は、リード402の本体404に沿って配置され又はそれに結合された電極担体412を含むリード402の遠位部分406の一実施形態を概略的な側面図に示している。電極担体412は、刺激領域416を含み、セグメント電極420等の複数のセグメント電極が刺激領域416に沿って露出される。選択的には、電極担体412は、閉鎖した遠位先端部424を含む。
図5は、電極担体412の一実施形態を概略的な側面図に示している。電極担体412は、中心内腔510を有し、リード本体404の長手方向長さに平行に延びる長手方向長さ514を有する。セグメント電極受入れ孔518等の複数のセグメント電極受入れ孔は、電極担体412の刺激領域416に沿って構成される。セグメント電極受入れ孔518の各々は、セグメント電極420のうちの少なくとも1つを受入れるのに適している。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極受入れ孔518のうちの少なくとも1つは、単一のセグメント電極420を受入れるのに適している。
電極担体412は、例えば、シリコーン、ポリウレタン、又はポリエステルエステルケトンなどを含む任意の非導電生体適合性材料から形成することができる。電極担体は、例えば、射出成形を含む任意の適切な技術を使用して形成することができる。選択的には、1又は2以上の注入ポート522及び1又は2以上の排出ポート524が、電極担体412への非導電材料(例えば、エポキシなど)の埋戻しを容易にするために電極担体412に沿って配置される。任意的な注入ポート522及び排出ポート524は、電極担体412の任意の適切な部分に沿って配置することができることを理解すべきである。
図6は、セグメント電極420のうちの1つを受入れるのに適するセグメント電極受入れ孔518の一実施形態を拡大した概略的な側面図に示している。セグメント電極受入れ孔518は、例えば、矩形、円形、長円形、又は平行線によって互いに結合された対向する半円形などを含む任意の適切な形状を有することができる。図6(及び他の図)では、セグメント電極受入れ孔は、対向する横断方向側壁622によって互いに結合された対向する長手方向側壁620を有する矩形であるように示されており、ここで長手方向側壁620は、電極担体412の長手方向長さ514に平行に延び、横断方向側壁622は、長手方向側壁620に垂直であり、リード本体402/電極担体412の円周に沿って部分的に延びる。
少なくとも幾つかの実施形態において、差込まれた出張り624は、開口部626を取り囲み、かつセグメント電極420をセグメント電極受入れ孔518に配置する時にセグメント電極420の内面(図7の736)が当接する面を与える。任意の適切な距離で電極担体412の外面から出張り624を差込むことができる。出張り624は、受入れるセグメント電極の厚みよりも大きく、これに等しく、又はそれ未満の距離だけ電極担体412の外面から差込むことができることを理解すべきである。
出張り626は、セグメント電極受入れ孔518の周囲の全て又は一部分に沿って延びることができる。少なくとも幾つかの実施形態において、出張り626は、長手方向側壁620の各々及び横断方向側壁622の各々を延長する。変形実施形態において、出張り626は、横断方向壁622の一方のみ又はその両方に沿って延び、又は長手方向側壁620の一方のみ又はその両方に沿って延び、又は横断方向側壁622の一方だけに沿って延び、かつ長手方向側壁620の一方だけに沿って延びる。出張り626は、セグメント電極受入れ孔518の側壁の全て又はその任意の一部分だけに沿って延びることができる。
図7は、セグメント電極受入れ孔518のうちの1つの中に挿入するのに適するセグメント電極420の一実施形態を概略的な平面図及び概略的な端面図に示している。セグメント電極は、例えば、矩形、円形、長円形、又は平行線によって互いに結合された対向する半円形などを含む対応するセグメント電極受入れ孔と共に使用するのに適する任意の適切な形状を有することができる。
幾つかの実施形態において、セグメント電極420は、電極担体412の長手方向長さ514に平行に延びる長さ732と、長さ732に垂直でリード本体404/電極担体412の円周の回りを部分的に延びる幅734とを有する。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極は、リード本体404/電極担体412の円周の75%、50%、35%、又は25%よりも多くなくそれに沿って延びる。セグメント電極は、内面736と、刺激エネルギが患者組織内に通過する対向する外側刺激面738と、内面736を外側刺激面738に接続する側壁739とを含む。少なくとも幾つかの実施形態において、外側刺激面738は、円弧状である。
少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極420は、セグメント電極受入れ孔518の中に押圧され、かつ締り嵌めによって保持されるように設計される。セグメント電極420がセグメント電極受入れ孔518を通して押圧されて中心内腔510の中に入ることを防止するために、出張り626を使用することができる。これに加えて、出張り626は、セグメント電極420のそれらのそれぞれのセグメント電極受入れ孔518内への挿入中のセグメント電極420の変形を低減又は更に防止するために使用することができる。
少なくとも幾つかの実施形態において、結合溝740等の1又は2以上の結合溝は、外側刺激面738と側壁739のうちの1又は2以上との間の界面に沿って又はその近くでセグメント電極420の1又は2以上の周縁に沿って構成される。図7(及び他の図)では、外側刺激面738とセグメント電極420の長さ732を有する側壁739との間の界面に沿って延びる結合溝740を示している。1又は2以上の結合溝740は、セグメント電極420の外側刺激面738の周囲全体に沿うことを含む任意の組合せでセグメント電極420に沿う任意の個数の外側刺激面738位置に沿って延びることができることを理解すべきである。
少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極をそれに対応するセグメント電極受入れ孔518に挿入した後、接着剤を1又は2以上の結合溝740に沿って配置する。接着剤は、追加の機械的支持を締り嵌めに与える。これに加えて、接着剤は、セグメント電極受入れ孔518内におけるセグメント電極420の保持を容易にする。例えば、紫外線硬化型接着剤を含む任意適切な接着剤を使用することができる。
選択的には、係止孔742等の1又は2以上の係止孔が、セグメント電極420の1又は2以上の部分内に延びる。セグメント電極をリードに係止するために、非導電材料を係止孔742の中に配置してリフロー(溶融及び再固化)し、又は埋戻し、又はその両方を行うことができる。図7では、外側刺激面738と内面736の間でセグメント電極420を貫通して延びる係止孔742を示している。例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、又はそれよりも多い係止孔742を含む任意の適切な個数の係止孔742をセグメント電極に形成することができる。これに代えて又はこれに加えて、1又は2以上の係止孔は、セグメント電極の1又は2以上の側壁739に沿って構成される。少なくとも幾つかの実施形態において、リードへのセグメント電極の係止を容易にするために面装飾(例えば、窪み、溝、かき跡、突起、つまみ、又はチャネルなど、又はその組合せ)がセグメント電極の内面736に沿って配置される。
図8に移ると、電極は、典型的には、リードの近位部分に沿って配置された端子(図1の135)に導線を通じて結合される。図8は、セグメント電極420に結合された導体844の一実施形態を概略的な斜視図に示している。図8では、セグメント電極420の内面736に結合された導線844を示している。効率的な刺激を可能にするために、導線844とセグメント電極420の間に十分な電気的接続を提供するのに適切なセグメント電極420の任意の面に導線844を結合することができることを理解すべきである。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極420は、導線844の一部分を受入れ、それによって電気的接続を確立するのに適する導体溝848を内面736に沿って有する。
図9は、電極担体412のセグメント電極受入れ孔518のうちの1つに配置されたセグメント電極420のうちの1つの一実施形態を概略的な斜視図に示している。図9に示すように、セグメント電極420は、セグメント電極420の外側刺激面738がセグメント電極受入れ孔518を通じて露出され、結合溝740のうちの1つがセグメント電極受入れ孔518の長手方向側壁620のうちの1つの近くにある状態で、セグメント電極受入れ孔518に配置される。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極受入れ孔518の長手方向側壁620を通じて電極担体412にセグメント電極420を結合するために、結合溝740に沿って接着剤を配置する。
アセンブリ技術の1つの狭義の例は、セグメント電極に導線を結合する段階と、セグメント電極受入れ孔を通して導線を延ばす段階と、セグメント電極受入れ孔内にセグメント電極を配置する段階と、リード本体に電極担体を取付ける段階と、端子(例えば、図1の端子135)に導線を結合する段階とを含む。上記段階は、様々な異なる順序で行うことができることを理解すべきである。
選択的には、接着剤は、セグメント電極の結合溝に沿って付加することができる。選択的には、電極担体(又は電極担体とリード本体の間の界面、又はその両方)は、非導電ポリマーで埋戻される。選択的には、電極担体(又は電極担体とリード本体の間の界面、又はその両方)は、非導電ポリマーでリフローされる。選択的には、電極担体は、研削される。少なくとも幾つかの実施形態において、電極担体は、リード及び電極担体が等直径になるまでセンタレス研磨される。
図10に移ると、少なくとも幾つかの実施形態において、電極担体は、リードの少なくとも一部分に沿って配置された導体担体と共に使用するようになっている。図10は、リード1002の導体担体1052に沿って配置され又はそれに結合された電極担体1012を含むリード1002の遠位部分1006を概略的な側面図に示している。電極担体1012は、セグメント電極420等の複数のセグメント電極を露出させる刺激領域1016を含む。選択的には、電極担体1012は、閉鎖した遠位先端部1024を含む。
図11は、電極担体1012の一実施形態を概略的な斜視図に示している。図11では、電極担体1012は、遠位部分1154と、それと反対側の近位部分1156と、電極担体1012の長手方向長さ1114に沿って延びる中心内腔1110とを有する円筒形の形状であるように示されている。複数のセグメント電極受入れ孔1118は、電極担体1012に沿って構成される。
少なくとも幾つかの実施形態では(及び図11に示すように)、電極担体1012は、セグメント電極受入れ孔1118の周囲に沿って配置された差込まれた出張りを含まない。少なくとも幾つかの実施形態において、導体担体は、電極担体1012の中心内腔1110によって少なくとも部分的に受入れられ、かつセグメント電極420がセグメント電極受入れ孔1118を通じて中心内腔1110の中に押圧されることを防止する。これに加えて、導体担体は、セグメント電極420のそれらのそれぞれのセグメント電極受入れ孔1118内への挿入中のセグメント電極420の変形を低減又は更に防止するために使用することができる。
図12に移ると、少なくとも幾つかの実施形態において、導体担体は、導線を収容するための導体内腔を含む。図12は、導体担体1052の遠位部分の一実施形態を概略的な斜視図に示している。図13は、導体担体1052の一実施形態を概略的な横断面図に示している。導体担体1052は、中心内腔1362と、中心内腔1362に平行に導体担体1052に沿って構成された1又は2以上の導体内腔1364とを有する。1又は2以上の導体内腔1364は、例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、又はそれよりも多い導線を含む任意の適切な個数の導線を受入れるようになっている。図12及び図13では、単一導線を各々受入れるようになっている導体内腔1364を示している。変形実施形態において、導体担体は、いかなる導体内腔も有さず、導体は、中心内腔1362に沿って延びていてもよいことを理解すべきである。
図12は、導体担体1052の遠位部分に沿って構成された除去領域1268を示している。導体担体1052が電極担体1012の中心内腔1110によって受入れられたときに導体内腔1364をセグメント電極受入れ孔1118に露出させるために、除去領域1268の長さ方向に沿って導体担体1052の外側部分を除去する。少なくとも幾つかの実施形態において、除去領域1268は、導体担体1052の円周全体に沿って延びる。従って、導線は、セグメント電極の一端に取付けられ、セグメント電極受入れ孔1118を通って延び、かつリードの近位部分まで導体内腔に沿って更に延びることができる。
図14は、電極担体1012の中心内腔に配置された導体担体1052の除去領域1268の一実施形態を概略的な斜視図に示している。除去領域1268の長さは、電極担体の長手方向長さ1114よりも大きくてもよいし、それよりもより小さくてもよいし、又はそれに等しくてもよいことを理解すべきである。図14では、電極担体1012の長手方向長さ1114に等しい長さを有する除去領域1268が示されている。図15に示すように、導体担体1052の中心内腔1362の遠位端部内への遠位先端部1024の一部分の挿入による電極担体1012の遠位部分1154に対する遠位先端部1024の取付けを容易にするために、除去領域1268の長さは、電極担体1012の長手方向長さ1114に等しいことが有利である場合がある。
図16に移ると、少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極受入れ孔内でのセグメント電極の保持を容易にするために、セグメント電極の上に熱収縮チューブ材が配置される。図16は、セグメント電極420、電極担体1012、及び導体担体1052の少なくとも一部分の上に配置された熱収縮チューブ材1690の一実施形態を概略的な斜視図に示している。
少なくとも幾つかの実施形態において、リードへの電極担体、電極、又はその両方の結合を容易にするために、非導電材料は、リフローされる(又は埋戻される)。埋戻す段階は、一般的に、かかる領域内に非導電材料を注入する段階と、導入された材料を自然に硬化させる段階とを伴う。リフローする段階は、材料を間隙内を流して硬化させるための非導電材料の十分な流れを生成する段階(例えば、熱を印加することにより)を伴う。非導電材料は、リード本体又は電極担体などからの材料である場合がある。これに代えて又はこれに加えて、非導電材料は、かかる領域の近くに配置されて流れを誘起するために加熱されたポリマーチューブ等の追加の材料からのものとすることができる。
熱収縮チューブ材を使用する時に、リフローするためのポリマーチューブ(図示せず)は、セグメント電極420と熱収縮チューブ材1690の間に配置することができる。熱収縮チューブ材は、選択的には、電極担体の開示の実施形態のいずれかと組合せることができることを理解すべきである。これに加えて、セグメント電極420と熱収縮チューブ材1690の間でリフローするためにポリマーチューブを配置することはまた、電極担体の開示の実施形態のいずれとも組合せることができることを理解すべきである。
導体担体を用いるアセンブリ技術の1つの狭義の例は、電極担体の中心内腔内に導体担体の一部分を挿入する段階と、セグメント電極に導線を結合する段階と、セグメント電極受入れ孔を通して導体担体に沿って導線を延ばす段階と、セグメント電極受入れ孔内にセグメント電極を配置する段階と、リード本体に電極担体を取付ける段階と、端子(例えば、図1の端子135)に導線を結合する段階とを含む。上記段階は、様々な異なる順序で行うことができることを理解すべきである。
選択的には、導体担体の一端が除去される。選択的には、遠位先端部は、電極担体の遠位部分に結合される。選択的には、電極担体(又は電極担体と導体担体の間の界面、又はその両方)は、非導電ポリマーで埋戻される。選択的には、電極担体(又は電極担体と導体担体の間の界面、又はその両方)は、重合ポリマーでリフローされる。選択的には、熱収縮チューブ材が、セグメント電極の上に配置される。選択的には、電極担体が研削される。少なくとも幾つかの実施形態において、電極担体は、リード及び電極担体が等直径になるまで研削される。
図17Aに移ると、少なくとも幾つかの実施形態において、電極担体は、複数の同心スリーブを含む。図17Aは、電極担体1752の内側スリーブ1762の一実施形態を概略的な側面図に示している。内側スリーブ1762は、中心内腔1766と、内側スリーブ172の外面と中心内腔1766の間で電極担体1752の側壁に沿って延びる導体孔1764等の複数の導体孔とを有する。
図17Bは、電極担体1752の外側スリーブ1766の一実施形態を概略的な側面図に示している。外側スリーブ172は、中心内腔1710と、外側スリーブ1768の外面と中心内腔1710の間で延びるセグメント電極受入れ孔1718等の複数のセグメント電極受入れ孔とを有する。
図17Cは、外側スリーブ1768の中心内腔1710に配置された内側スリーブ1762の一実施形態を概略的な側面図に示している。図18は、外側スリーブ1768の中心内腔1710に配置された内側スリーブ1762の一実施形態を概略的な横断面図に示している。セグメント電極がセグメント電極受入れ孔1718のうちの1つに配置された時に、中心内腔1766に沿って延びる導体が、導体孔1764のうちの1つを通って延び、かつセグメント電極と結合することができるように、導体孔1764は、セグメント電極受入れ孔1718と位置合わせされる。少なくとも幾つかの実施形態において、導体孔1764及びセグメント電極受入れ孔1718は、導体孔1764の各々を異なるセグメント電極受入れ孔1718と同時に位置合わせすることができるように同様のパターンに各々構成される。
図19に移ると、少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極は、リードへのセグメント電極の係止を容易にするための係止ユニットを含む。図19は、電極担体の開示の実施形態のいずれかと共に使用するのに適するセグメント電極1920の別の実施形態を概略的な端面図に示している。図20は、セグメント電極1920の一実施形態を概略的な平面図に示している。セグメント電極は、内面1936と、刺激エネルギが通過して患者組織の中に入る反対側の外面1938と、内面1936を外側刺激面1938に接続する側壁1939とを含む。少なくとも幾つかの実施形態において、外側刺激面1938は、円弧状である。係止タブ1972が、セグメント電極1920の側壁1939のうちの1又は2以上から延びている。セグメント電極1920は、任意の適切な個数の係止タブを含むことができる。図19及び図20では、セグメント電極420の対向する長手方向側壁1939に沿って延びる係止タブ1972が示されている。個々の係止タブ1972は各々、リードの円周の任意の適切な部分(例えば、円周の少なくとも10%、15%、20%、25%、又はそれよりも多い)に沿って延びることができる。
少なくとも幾つかの実施形態において、結合溝1940等の1又は2以上の結合溝が、セグメント電極1920の外側刺激面1938の1又は2以上の周縁に沿って構成される。図19及び図20では、セグメント電極1920の同じ対向する縁部に沿って係止タブ1972として延びる結合溝1940を示している。
少なくとも幾つかの実施形態において、電極担体は、セグメント電極とそれらの係止タブ1972とを受入れるようになったセグメント電極受入れ孔を有する。図21Aは、セグメント電極1920とその係止タブ1972との形状に一致する形状を有するセグメント電極受入れ孔2118を有する電極担体2112の一実施形態を概略的な平面図に示している。
図21Bは、セグメント電極受入れ孔2118に配置されたセグメント電極1920の一実施形態を概略的な平面図に示している。図21Bでは、セグメント電極をリードに係止するために非導電材料1974内に覆われた(リフロー、埋戻し、又はその両方から)セグメント電極1920の係止タブ1972及び結合溝1940を示している。セグメント電極1920の外側刺激面1938は、非導電材料1974及びセグメント電極受入れ孔2118を通じて露出される。
少なくとも幾つかの実施形態において、係止タブを有するセグメント電極のためのアセンブリ技術は、セグメント電極受入れ孔2118内にセグメント電極1920及び対応する係止タブ1972を挿入する段階と、電極担体をリフローする段階(例えば、リード、電極担体、又は電極担体の上に配置されたポリマーチューブからの非導電性ポリマーを使用して)又はこれに代えて(又はこれに加えて)セグメント電極1920をリードに結合するために電極担体を埋戻す段階(例えば、非導電性ポリマーを使用して)とを含む。
図22に移ると、任意の適切な構成でリードの遠位部分に沿ってセグメント電極を配置することができる。任意の適切な全個数の電極を使用することができる。制御モジュールを有するリードの使用を容易にするために8つの電極(図22〜図25の各々に示すように)と8つの電極を有するリードと共に使用するようになったコネクタとを使用することが有利である場合がある。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極は、1又は2以上のリング電極、先端電極、又は1又は2以上のリング電極及び先端電極と組み合わされる。少なくとも幾つかの実施形態において、電極の全個数は、7個のセグメント電極及び先端電極又はリング電極のいずれかを含む。セグメント電極を1又は2以上のリング電極と共に使用する時に、1又は2以上のリング電極は、セグメント電極のうちの少なくとも1つに対して近位、セグメント電極のうちの少なくとも1つに対して遠位、又はその両方とすることができる。
図22は、リード2202に沿って配置されて電極担体2212を通って延びる複数のセグメント電極420の一実施形態を概略的な側面図に示している。リング電極2282aは、セグメント電極420に対して遠位に配置される。図23は、リード402に沿って配置されて電極担体412を通って延びる複数のセグメント電極420の一実施形態を概略的な側面図に示している。リング電極2282bは、セグメント電極420に対して近位に配置される。図24は、リード402に沿って配置されて電極担体412を通って延びる複数のセグメント電極420の一実施形態を概略的な側面図に示している。第1のリング電極2282aは、セグメント電極420に対して遠位側に配置され、第2のリング電極2282bは、セグメント電極420に対して近位側に配置される。図25は、リード402に沿って配置されて電極担体412を通って延びる複数のセグメント電極420の一実施形態を概略的な側面図に示している。先端電極2284は、セグメント電極420に対して近位側に配置される。図22〜図25に示すセグメント電極のうちの1又は2以上は、係止タブを含むことができることを理解すべきである。
先端電極、1又は2以上のリング電極、又はその両方を用いるアセンブリ技術の1つの狭義の例は、電極に導線を結合する段階と、セグメント電極受入れ孔を通して導線を延ばす段階と、リング電極、先端電極、又はその両方をリードに結合する段階と、セグメント電極受入れ孔内にセグメント電極を配置する段階と、リードに電極担体を取付ける段階と、端子(例えば、図1の端子135)に導線を結合する段階とを含む。
上記段階は、様々な異なる順序で行うことができることを理解すべきである。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント電極に対して近位にリング電極が配置される時に、リング電極は、電極担体をリードに結合する前にリードに結合される。少なくとも幾つかの実施形態において、リング電極がセグメント電極に対して遠位に配置される時に、リング電極は、電極担体をリードに結合した後でリードに結合される。少なくとも幾つかの実施形態において、先端電極は、電極担体をリードに結合した後でリードに結合される。
選択的には、セグメント電極の結合溝に沿って接着剤を付加することができる。選択的には、電極担体(又は電極担体とリード本体の間の界面、又はその両方)は、非導電ポリマーで埋戻される。選択的には、電極担体(又は電極担体とリード本体の間の界面、又はその両方)は、非導電ポリマーでリフローされる。選択的には、電極担体は研削される。少なくとも幾つかの実施形態において、電極担体は、リード及び電極担体が等直径になるまで研削される。
上述の仕様、例、及びデータは、本発明の構成物の製造及び使用の説明を提供するものである。本発明の多くの実施形態を本発明の精神及び範囲から逸脱することなく生成することができるので、本発明はまた、以下に添付する特許請求の範囲内に存する。