JP2017516836A - Nr2bnmda受容体アンタゴニストとしてのジフルオロエチルピリジン誘導体 - Google Patents

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Abstract

NR2Bサブタイプ選択性受容体アンタゴニストとして、式(I)[式中、X、Y、Z、R1、R3、R4、R5、およびR6は、本明細書で規定される]の化学的実体が開示される。また、式(I)の化学的実体を含む医薬組成物、ならびに、式Iの化学的実体を投与することにより、NR2Bアンタゴニズムと関連する多様な疾患および障害、例えば、うつ病など、CNSの疾患および障害を処置する方法も開示される。式Iの化学的実体、およびその薬学的に許容される組成物は、NR2B受容体アンタゴニズムと関連する様々な疾患および障害を処置するために有用である。

Description

元来、脳卒中および頭部外傷において開発された、非選択性NMDA受容体アンタゴニストは、近年、うつ病の処置においても臨床的有効性を示している。非選択性NMDA受容体アンタゴニストであるケタミンは、標準的なモノアミン再取込み阻害剤療法に対して抵抗性のうつ病において、迅速な発効および有効性を有することを示している(MathewsおよびZarate、2013年、J. Clin.Psychiatry、74巻:516〜158頁)。しかし、ケタミンなどの非選択性NMDA受容体アンタゴニストは、ある範囲の所望されない薬理学的活性であって、ヒトにおける適用を制限する薬理学的活性を有する。特に、解離性副作用または心因性副作用は、非選択性NMDA受容体アンタゴニストに、特に、顕著である。より近年では、NR2Bサブタイプ選択性NMDA受容体アンタゴニストが、広範にわたる臨床適応における潜在性を裏付けている。特に、NR2Bアンタゴニストはまた、早期段階の臨床試験において、抗うつ活性も裏付けている(Ibrahimら、2012年、J. Clin. Psychopharmacol.、32巻、551〜557頁;Preskornら、2008年、J. Clin. Psychopharmacol.、28巻、631〜637頁)。さらに、選択性NR2Bアンタゴニストは、解離性副作用の大幅な低下のために、ケタミンなどの非選択性NMDA受容体アンタゴニストを上回る利点を有する。しかし、今日まで記載されているNR2Bアンタゴニストは一般に、他の薬物特性に関して、欠点を呈示しており、ヒト薬物療法における潜在的な使用が限定されている。
MathewsおよびZarate、2013年、J. Clin.Psychiatry、74巻:516〜158頁 Ibrahimら、2012年、J. Clin. Psychopharmacol.、32巻、551〜557頁 Preskornら、2008年、J. Clin. Psychopharmacol.、28巻、631〜637頁
うつ病を含む、臨床適応の範囲における、広範な適用および安全なヒト使用のために、NR2Bサブタイプ選択性アンタゴニストの改善が必要とされている。本発明は、とりわけ、薬物動態性能、経***性、心血管への安全性、ならびにin vitroおよびin vivoにおける治療安全性の指標となる尺度により例示される、1または複数の側面において改善された、NR2B受容体アンタゴニストに対する必要に取り組む。
一部の実施形態では、本発明は、式I:
Figure 2017516836
[式中、X、Y、Z、R、R、R、R、およびRは、本明細書で規定される]の化学的実体が、NR2Bサブタイプ選択性受容体アンタゴニストであるという洞察を包含する。式Iの化学的実体、およびその薬学的に許容される組成物は、NR2B受容体アンタゴニズムと関連する様々な疾患および障害を処置するために有用である。このような疾患および障害は、本明細書で記載される疾患および障害を含む。
図1は、実施例2.4.1において記載される、強制水泳試験の結果を示す図である。
図2は、実施例2.4.2において記載される、強制水泳試験の結果を示す図である。
化学的実体についての一般的記載
一部の実施形態では、本発明は、式I:
Figure 2017516836
[式中、
YおよびZのうちの一方は、Nであり、他方は、C(R)であり;
Xは、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、−CN、−SR、−S(O)、−NO、または−N(R)(R)であり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜6個のフッ素原子により置換されており、前記C〜Cアルコキシは、任意選択で、1〜6個のフッ素原子により置換されており;
は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−CN、−NO、−N(R)(R)、−CO、−C(O)N(R)(R)、またはC〜Cシクロアルキルであり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており、前記C〜Cアルコキシは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており;
は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、シクロプロピル、またはC〜Cアルコキシであり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており、前記C〜Cアルコキシは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHであり;
は、水素、−F、−Cl、C〜Cアルキル、またはシクロプロピルであり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており;
は、水素または−CHであり;
は、水素、−Fまたは−CHであり;
の各場合は、独立に、C〜Cアルキルであり;
の各場合は、独立に、水素、またはC〜Cアルキルである]
の化学的実体を提供する。
文脈からそうでないことが指定されるかまたは明らかでない限りにおいて、「化学的実体」という用語は、その「遊離」形態(該当する場合、例えば、「遊離化合物」または「遊離塩基」または「遊離酸」形態)にある場合であれ、塩形態、特に、薬学的に許容される塩形態にある場合であれ、さらに、固体状態の形態にある場合であれ、他の形にある場合であれ、表示の構造を有する化合物を指す。一部の実施形態では、固体状態の形態は、アモルファス(すなわち、非結晶)形態であり、一部の実施形態では、固体状態の形態は、結晶形態である。一部の実施形態では、結晶形態(例えば、多形体、偽水和物、または水和物)。同様に、用語は、固体形態で提供されるのであれ、他の形で提供されるのであれ、化合物を包含する。そうでないことが指定されない限りにおいて、「化合物」に関して本明細書でなされる全ての言明は、規定される通りに、関連する化学的実体に適用される。
化学的実体および定義
そうでないことが指定されない限りにおいて、「〜を含む(includes)」という語(またはこれに対する任意の変化形、例えば、「〜を含む(include)」、「〜を含むこと(including)」など)は、非限定的であることが意図されている。例えば、「Aは、1、2、および3を含む」とは、Aが、1、2、および3を含むがこれらに限定されないことを意味する。
そうでないことが指定されない限りにおいて、「〜など」という語句は、非限定的であることが意図される。例えば、「Aは、塩素または臭素などのハロゲンでありうる」とは、Aが、塩素または臭素でありうるがこれらに限定されないことを意味する。
本発明の化学的実体は、上記で一般的に記載された化学的実体を含み、本明細書で開示されるクラス、サブクラス、および分子種によりさらに例示される。そうでないことが指示されない限りにおいて、本明細書で使用される以下の定義が適用されるものとする。本発明の目的では、化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version、Handbook of Chemistry and Physics、75版、裏表紙に従って同定し、具体的な官能基は、同書中で記載される通りに、一般的に規定する。加えて、有機化学の一般原理のほか、具体的な官能部分および反応性は、Thomas Sorrell、Organic Chemistry、University Science Books、Sausalito、1999年;SmithおよびMarch、March’s Advanced Organic Chemistry、5版、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2001年;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc.、New York、1989年;ならびにCarruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987年において記載されている。
「アルキル」という用語は、それ自体、または別の置換基の一部として、置換または非置換であり、直鎖状または分枝状である、一価の炭化水素鎖であって、完全に飽和であるか、または1もしくは複数の不飽和単位を含有する、炭化水素鎖を意味する。そうでないことが指定されない限りにおいて、アルキル基は、1〜7個の炭素原子を含有する(「C〜Cアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する(「C〜Cアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有する(「C〜Cアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含有する(「C〜Cアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、3〜7個の炭素原子を含有する(「C〜Cアルキル」)。飽和アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルの相同体および異性体などを含む。不飽和アルキル基とは、1または複数の炭素間二重結合または炭素間三重結合を有するアルキル基である。不飽和アルキル基の例は、アリル、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−および3−プロピニル、3−ブチニルなどを含む。「低級アルキル」という用語は、1〜4個(飽和の場合)、または2〜4個(不飽和の場合)の炭素原子を有するアルキル基を指す。例示的な低級アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチルなどを含む。「アルケニル」という用語は、少なくとも2個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素間二重結合とを有するアルキル基を指す。「アルキニル」という用語は、少なくとも2個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素間三重結合とを有するアルキル基を指す。
「シクロアルキル」という用語は、それ自体、または別の置換基の一部として、単環式で一価の炭化水素であって、完全に飽和であるか、または1もしくは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではなく、分子の残余部分に対して単一の接合点を有する、炭化水素を指す。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜8個の環炭素原子を含有する(「C〜Cシクロアルキル」)。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどを含む。
「アルコキシ」という用語は、それ自体、または別の置換基の一部として、−O−アルキル基を指す。
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、それ自体、または別の置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、穏健な医療判断の範囲内にあり、不適切な毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトおよび低級動物の組織と接触させる使用に適し、妥当な有益性/危険性比に見合う塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、参照により本明細書に組み込まれる、J. Pharmaceutical Sciences、1977年、66巻:1〜19頁において、薬学的に許容される塩について詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、適切な無機酸および有機酸と、無機塩基および有機塩基とに由来する塩を含む。薬学的に許容される、非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸、もしくは酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、またはマロン酸などの有機酸により、またはイオン交換法など、当技術分野で使用される他の方法を使用することにより形成されるアミノ基による塩である。他の薬学的に許容される塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含む。
適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、およびN(C1〜4アルキル)塩を含む。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む。さらなる、薬学的に許容される塩は、適切な場合、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、ならびにハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸などの対イオンを使用して形成されるアミンカチオンを含む。
そうでないことが言明されない限りにおいて、本明細書で描示される構造はまた、構造の全ての異性体(例えば、光学異性体、ジアステレオマー、および幾何(またはコンフォメーション)異性体)形態;例えば、各不斉中心についてのR立体配置およびS立体配置、Z二重結合異性体およびE二重結合異性体、ならびにZコンフォメーション異性体およびEコンフォメーション異性体を含むことも意図する。したがって、本化合物の、単一の立体化学異性体のほか、光学異性体、ジアステレオマー、および幾何(またはコンフォメーション)異性体の混合物も、本発明の範囲内にある。そうでないことが言明されない限りにおいて、本発明の化合物の全ての互変異性体形態は、本発明の範囲内にある。加えて、そうでないことが言明されない限りにおいて、本明細書で描示される構造はまた、1または複数の同位体に富む原子が存在する点でのみ異なる化合物を含むことも意図する。例えば、本構造を有する化合物であって、水素、炭素、窒素、酸素、塩素、またはフッ素の、それぞれ、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、17O、18O、36Cl、または18Fによる置きかえを含む化合物は、本発明の範囲内にある。このような化合物は、例えば、本発明に従う解析ツールとして、生物学アッセイにおけるプローブとして、または治療用薬剤として有用である。加えて、重水素(H)など、重い同位体の組込みは、代謝安定性の増大から得られる、ある特定の治療的利点、例えば、in vivo半減期の延長または必要投与量の低減をもたらしうる。
化学的実体の例示的実施形態
一部の実施形態では、本発明は、式I:
Figure 2017516836
[式中、
YおよびZのうちの一方は、Nであり、他方は、C(R)であり;
Xは、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、−CN、−SR、−S(O)、−NO、または−N(R)(R)であり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜6個のフッ素原子により置換されており、前記C〜Cアルコキシは、任意選択で、1〜6個のフッ素原子により置換されており;
は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−CN、−NO、−N(R)(R)、−CO、−C(O)N(R)(R)、またはC〜Cシクロアルキルであり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており、前記C〜Cアルコキシは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており;
は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、シクロプロピル、またはC〜Cアルコキシであり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており、前記C〜Cアルコキシは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHであり;
は、水素、−F、−Cl、C〜Cアルキル、またはシクロプロピルであり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており;
は、水素または−CHであり;
は、水素、−Fまたは−CHであり;
の各場合は、独立に、C〜Cアルキルであり;
の各場合は、独立に、水素、またはC〜Cアルキルである]
の化学的実体を提供する。
一部の実施形態では、Xは、水素である。
一部の実施形態では、Xは、−CNである。
一部の実施形態では、Xは、−SCH、−SCHCH、−SOCHCH、−SOCHまたは−SOCFである。
一部の実施形態では、Xは、−NOである。
一部の実施形態では、Xは、−N(R)(R)である。
一部の実施形態では、Xは、−N(CH、−NH(CH)または−N(CH)(CHCH)である。
一部の実施形態では、Xは、フッ素または塩素である。
一部の実施形態では、Xは、C〜Cアルキルである。
一部の実施形態では、Xは、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CFまたは−CHCFCFである。
一部の実施形態では、Xは、C〜Cアルコキシである。
一部の実施形態では、Xは、−OCH、−OCF、−OCHFまたはOCFHである。
一部の実施形態では、Xは、C〜Cシクロアルキルである。
一部の実施形態では、Xは、シクロプロピルである。
一部の実施形態では、Rは、水素である。
一部の実施形態では、Rは、フッ素または塩素である。
一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルである。
一部の実施形態では、Rは、−CH、−CHCH、−CH(CHまたは−CFである。
一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルコキシである。
一部の実施形態では、Rは、−OCH、−OCF、−OCHFまたは−OCFHである。
一部の実施形態では、Rは、−CNまたは−NOである。
一部の実施形態では、Rは、COである。
一部の実施形態では、Rは、−COCHまたは−COCHCHである。
一部の実施形態では、Rは、−C(O)N(R)(R)である。
一部の実施形態では、Rは、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)または−C(O)N(CH)(CHCH)である。
一部の実施形態では、Rは、C〜Cシクロアルキルである。
一部の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
一部の実施形態では、Rは、水素である。
一部の実施形態では、Rは、フッ素または塩素である。
一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルである。
一部の実施形態では、Rは、−CH、−CHCH、−CH(CHまたは−CFである。
一部の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルコキシである。
一部の実施形態では、Rは、−OCH、−OCF、−OCHFまたは−OCFHである。
一部の実施形態では、Rは、水素である。
一部の実施形態では、Rは、フッ素または塩素である。
一部の実施形態では、Rは、−CH、−CFまたは−OCHである。
一部の実施形態では、Rは、水素である。
一部の実施形態では、Rは、フッ素または塩素である。
一部の実施形態では、Rは、−CHである。
一部の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
一部の実施形態では、Rは、水素である。
一部の実施形態では、Rは、−CHである。
一部の実施形態では、Rは、水素である。
一部の実施形態では、Rは、−CHである。
一部の実施形態では、Rは、フッ素である。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(II):
Figure 2017516836
[式中、R、R、X、およびRの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)の実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(II)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(IIa):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)の実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(IIa)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(III):
Figure 2017516836
[式中、R、R、X、およびRの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)の実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(III)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(IIIa):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)についての実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(IIIa)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(IIIb):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)についての実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(IIIb)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(IV):
Figure 2017516836
[式中、R、R、X、およびRの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)の実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(IV)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(IVa):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)についての実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(IVa)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(IVb):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)についての実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(IVb)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(V):
Figure 2017516836
[式中、R、R、X、およびRの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)の実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(V)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(Va):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)の実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(Va)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(VI):
Figure 2017516836
[式中、R、R、X、およびRの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)の実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(VI)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(VIa):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)についての実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(VIa)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(VIb):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)についての実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(VIb)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(VII):
Figure 2017516836
[式中、R、R、X、およびRの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)の実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(VII)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(VIIa):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)についての実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(VIIa)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである。
一部の実施形態では、式(I)の化学的実体は、式(VIIb):
Figure 2017516836
[式中、RおよびXの各々は、単独および組合せのいずれにおいても、上記の式(I)についての実施形態、または本明細書の実施形態に記載されている通りである]
の化学的実体である。
式(VIIb)についての一部の実施形態では、
Xは、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
は、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである。
式Iの例示的な化学的実体を、下記の表1.C〜8.Cに示す。
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
Figure 2017516836
薬理学
グルタミン酸(GLU)とは、哺乳動物の脳および中枢神経系(CNS)における、基礎的な興奮性神経伝達物質である。この内因性神経伝達物質の効果は、代謝型Gタンパク質共役受容体(mGluR)と、リガンド作動性イオンチャネルまたはイオンチャネル型GluRとに広く分類される、グルタミン酸受容体(GLUR)へのGLUの結合および活性化に媒介される。イオンチャネル型GLURは、選択性受容体アゴニストの作用に基づき、3つの主要なタイプ:NMDA(N−メチルD−アスパラギン酸選択性)受容体、KA(カイニン酸選択性)受容体、ならびにその構造および薬理学的機能が、近年、詳細に総説されている、AMPA(α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソキサゾールプロピオン酸)受容体(S. F. Traynelisら、Pharmacology Reviews、2010年、62巻、405〜496頁)へと、薬理学的に分類される。電気生理学的研究は、NMDARが、内因性Mg2+による電圧依存性のチャネル遮断を受ける、カチオンイオンチャネルであることを裏付けている。コアゴニストとしてのグリシンの存在下における、グルタミン酸によるNMDARの活性化は、受容体であるイオンチャネルの開放を結果としてもたらす。これは、ひいてはNaおよびCa2+の、細胞への流入を可能とすることから、ニューロン内で、興奮性シナプス後電位(EPSP)と、Ca2+により活性化する第2のメッセンジャーシグナル伝達経路とを発生させる。Ca2+に対するそれらの透過性を介して、NMDA受容体が活性化することにより、学習および記憶ならびにシナプス可塑性など、ニューロンコミュニケーションの長期にわたる変化が調節される。
選択性リガンドについての独自の薬理学的特徴付け以来、分子生物学研究およびクローニング研究は、分子レベルにおけるNMDARの詳細な特徴付けを可能としてきた(Paolettiら、2013年、Nat. Rev. Neurosci.、14巻:383〜400頁)。これによれば、NMDARは、2つのNR1サブユニットと、2つのNR2サブユニットとを含むヘテロ四量体である。NR1サブユニットが、グリシンコアゴニストに対する結合性部位を含有するのに対し、NR2サブユニットは、グルタミン酸に対する結合性部位を含有する。NR1の複数のスプライス変異体および異なる遺伝子に由来するNR2の4つのアイソフォーム(NR2A、NR2B、NR2CおよびNR2D)の存在は、多様な分子の一連のNMDARを結果としてもたらす。NMDARの薬理学的特性および電気生理学的特性は、特定のNR1アイソフォームおよびNR2サブタイプの組成に応じて変化する。さらに、NR2サブタイプアイソフォームは、細胞型および脳領域間で示差的に発現する。したがって、NR2サブユニットと選択的に相互作用する化合物は、特定の脳領域内で特異的な薬理学的効果を及ぼす可能性があり、高度の特異性および選択性を伴って、CNS疾患を処置する潜在性を有しうる(例えば、vz副作用)。例えば、NR2Bサブタイプの発現が、小脳において、他の脳構造と比べて低度であること(Cull−Candyら、1998年、Neuropharmacol.、37巻:1369〜1380頁)は、このサブタイプについて、低い運動副作用を指し示した。
NMDA受容体に対するアンタゴニズムは、脳卒中、てんかん、疼痛、うつ病、パーキンソン病、およびアルツハイマー病を含む、様々なCNS疾患を処置するその潜在性について、広範にわたり探索されている(Paolettiら、Nat. Rev. Neurosci、14巻:383〜400頁;Sancora、2008年、Nature Rev. Drug Disc.、7巻、426〜437頁)。NMDA受容体は、受容体阻害剤を開発するための、多数の薬理学的エントリーポイントをもたらす。NMDARイオンチャネル孔の直接的遮断剤は、その有効性を、in vitroおよびin vivoにおける多様なCNS疾患モデルであって、てんかん、疼痛、および神経変性/脳卒中を含む疾患モデルにおいて裏付けうる、アンタゴニスト化合物の1つのファミリーを表す。しかし、フェンシクリジン(PCP)、MK−801、およびケタミンにより例示される通り、このクラスの化合物は一般に、多様なNMDA受容体サブタイプにわたる、非選択性化合物として類別される。
Figure 2017516836
ヒトにおいて、非選択性で高アフィニティーのNMDARアンタゴニストは一般に、幻覚、不快感、および協調運動の欠如を含む、重篤な臨床副作用と関連している。しかしながら、元は麻酔における使用のために承認された静脈内薬物であるケタミン(Haasら、1992年、Anesthesia Prog.、39巻、61〜68頁)は近年、抗うつ治療としての臨床的有効性を裏付けている(Katalinicら、2013年、Aust. N. Z. J. Psychiatry、47巻、710〜727頁)。短期ケタミン療法の抗うつ作用は、標準的なセロトニン再取込み阻害剤(SSRI)による薬物療法に要求されるおよそ6週間と比較して、本質的に即時的に発効する。したがって、薬物の静脈内投与は、急速な発効と、継続的な間欠的投与により維持されうる、有効性の延長とを示している(Zarateら、2006年、Arch. Gen. Psychiatry、63巻、856〜864頁)。最後に、ケタミンは、標準的な薬物療法に対して抵抗性のうつ病(Murroughら、2013年、American J. Psychiatry、170巻、1134〜1142頁)であって、双極性うつ病(Zarateら、2012年、Biol. Psychiatry、71巻、939〜946頁)を含むうつ病の症例において有効であることが示されている。しかし、重篤な副作用(Gianniら、1985年、Psychiatric Medicine、3巻、197〜217頁;Curranら、2000年、Addiction、95巻、575〜590頁)および潜在的な慢性毒性(Hardyら、2012年、J. Clin. Oncol.、30巻:3611〜3617頁;Noppersら、2011年、Pain、152巻:2173〜2178頁)を伴う静脈内薬物として、ケタミン療法の有用性は限定されており、短期的または間欠的投与へと制約されている。うつ病および他のCNS疾患のための療法として、より広範にわたる適用および有用性をもたらすために、長期投与しうる、副作用を低減した、経口の活性選択性NMDAアンタゴニストが必要とされている。
α−アドレナリン作動性アンタゴニスト薬の血管拡張剤であるイフェンプロジルは、NR2B NMDA受容体サブタイプにおいて、新規のアロステリックモジュレーター作用機構を有することが決定された(Reynoldsら、1989年、Mol. Pharmacol.、36巻、758〜765頁)。この新たな機構により、サブタイプ非選択性のイオンチャネル遮断剤の制限的副作用を伴わずに、治療的有効性を有する、NMDAアンタゴニスト薬の新たなクラスの将来性が保持された。この発見に続き、所望されないα−アドレナリン作動活性に対して最適化された、イフェンプロジルのNR2B選択性アンタゴニスト類似体(Borzaら、2006年、Current Topics in Medicinal Chemistry、6巻、687〜695頁;Laytonら、Current Topics in Medicinal Chemistry、6巻、697〜709頁)は、Ro−25,6981(Fischerら、1997年、J. Pharmacol. Exp. Ther.、283巻、1285〜1292頁)と、トラキソプロジルとして他の形でも公知のCP−101,606(Chenardら、1995年、Journal of Medicinal Chemistry、38巻、3138〜3145頁;Mennitiら、1998年、CNS Drug Reviews、4巻、307〜322頁)とを含んだ。臨床研究では、CP−101,606は、静脈内投与の後で、ヒトにおいて、非選択性NMDAアンタゴニストと比べて好適な解離性副作用プロファイルを伴う、抗うつ活性を証拠立てた(Preskornら、2008年、Journal of Clinical Psychopharmacology、28巻、631〜637頁)。しかし、CP−101,606の薬物動態的特性は、最適未満であり、静脈内投与の制限を要求する。CP−101,606では、前述の抗うつ臨床研究における最適結果のために、緩徐型の静脈内注入プロトコールが要求された(Preskornら、2008年、Journal of Clinical Psychopharmacology、28巻、631〜637頁)。
Figure 2017516836
B.Ruppaら(K.B. Ruppaら、Annual Reports in Medicinal Chemistry、2012年、47巻:89〜103頁)により総説される通りに記載されている、他のNR2Bアンタゴニストは、MK0657(J.A. McCauleyら、3rd Anglo−Swedish Medicinal Chemistry Symposium、Are、Sweden、2007年3月11〜14日;L. Monyら、British J. of Pharmacology、2009年、157巻:1301〜1317頁;また、国際出願公開第WO2004/108705号;米国特許第7,592,360号も参照されたい)と、下記で描示される特異的な類似体であるLX−1を含む、下記の式LXの化合物(国際出願公開第WO2006/113471号)とを含む。
Figure 2017516836
in vitroおよびin vivoにおけるNR2Bに対する効力を維持しながら、hERGおよびCYP2D6の安全性の問題を克服することに関して、塩基性のアミン部分を有するNR2Bアンタゴニストにより提示される困難は、Kawaiら(M. Kawaiら、Bioorganic and Medicinal Chem. Lett.、2007年、17巻:5533〜5536頁)およびBrownら(Brownら、Bioorganic and Medicinal Chem. Lett.、2011年、21巻:3399〜3403頁)により言及されている通り、十分に確立されている。化合物によるhERGチャネルの阻害と、関連する心電図(ECG)内のQT延長とは、十分に認知された、ヒト心血管の安全性に対する重篤な危険性を表す(Hancoxら、Molecular Pharmacology、2008年、73巻:1592〜1595頁)。QT延長は、心室性頻脈および突然死へと悪化しうる、トルサードドポアント(TdP)型心臓不整脈をもたらす可能性がある。
CYP2D6を含むヒト代謝性シトクロムP−450酵素の、化合物による阻害は、薬物間相互作用のために、ヒト薬物の安全性に関する危険性を表す(Drug Metabolism Handbook: Concepts and Applications、Ala F. Nassar編、著作権2009年、Wiley & Sons、Hoboken、NJ)。こうして、CYP2D6の基質である薬物のクリアランスは、CYP2D6を阻害する化合物により低減される。結果は、施されたCYP2D6の薬物基質の蓄積に起因する、毒性または副作用の過負荷でありうる。抗うつ薬を含むCNS薬は、確立されたCYP2D6基質の間でも、特に突出している。したがって、とりわけ、うつ病を含むCNS適応における、共投薬および多剤併用の一般的な適用を踏まえると、NR2Bアンタゴニスト薬について、CYP2D6の阻害は、全く所望されない。CY2D6基質の例は、フルオキセチン、パロキセチン、およびフルボキサミンなど、SSRIクラスの抗うつ剤、SSNIクラスの抗うつ剤であるデュロキセチン、ハロペリドール、リスペリドン、およびアリピペラゾールを含む、多数の抗精神病薬、メタプロロール、プロプラノロール、チモロール、およびアルプレノロールを含む、多数のベータ−遮断性血圧降下剤、ならびにアルツハイマー病のための抗コリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルを含む(2014年5月28日に、<<http://medicine.iupui.edu/clinpharm/ddis/>>でアクセスされた、Flockhart DA(2007年)、「Drug Interactions: Cytochrome P450 Drug Interaction Table」、Indiana University School of Medicine)。
MK0657および近縁の類似体(Livertonら、J. Med.Chem.、2007年、50巻:807〜819頁)は、NR2Bアンタゴニストの作製の、ヒト経口バイオアベイラビリティーに照らした改善を表す。しかし、パーキンソン病を伴う患者における、公表された臨床有効性試験による研究では、経口投与後のMK0657について、薬物に関連する収縮期血圧ならびに拡張期血圧の上昇の心血管副作用が記載されている(Addyら、J. Clin. Pharm.、2009年、49巻:856〜864頁)。健常老齢対象についての安全性研究でもまた、MK0657の単回投与後に、同様の血圧作用が観察されたことが報告されている。化合物LX−1は、動物では、経口バイオアベイラビリティーを裏付けているが、フェノール基を欠いており、これにより、ヒトにおける経口バイオアベイラビリティーが損なわれる可能性がある。しかし、本明細書で言及される通り、塩基性のピペリジン窒素原子を有する化合物LX−1は、IC50<10μM(約4.5μM)で、ヒトhERGチャネルの阻害を呈示し、ヒトCYP2D6代謝性酵素に対する阻害活性も呈示する(IC50約1.0μM)。
近年の総説において言及されている通り、広範にわたる適用および安全なヒト使用のために、NR2B選択性アンタゴニストの改善が必要とされている(K.B. Ruppaら、Annual Reports in Medicinal Chemistry、2012年、47巻:89〜103頁)。薬物動態、吸収、代謝、排出(ADME、例えば、経***性)、有効性の改善、オフターゲット活性、長期経口療法に対してそれに適合する治療安全性の指標の改善により例示される、1または複数の側面において改善された、NR2Bアンタゴニスト化合物が必要とされている。
提供される化学的実体は、NR2B受容体のアンタゴニストであり、経口バイオアベイラビリティー、薬物動態パラメータ、ADME特性(例えば、CYP阻害)、心臓イオンチャネル(例えば、hERG)活性、および他の、受容体を媒介する、NMDA以外の、オフターゲットの副作用など、薬物の1または複数の薬学的特性に関して、技法上の利点を有する。一部の実施形態では、本発明は、提供される化学的実体は、呈示しうるヒトCYP2D6の阻害および/またはhERGの阻害が低度である一方で、ヒトNR2B受容体を阻害する強力なアンタゴニズムを呈示し、したがって、ヒトにおける適用に好適であるという発見を包含する。
一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2A機能的NMDA受容体と対比した、NR2B機能的NMDA受容体に対する選択性(NR2Aに対するIC50/NR2Bに対するIC50の比として決定される「NR2B選択性」であり、IC50値は、実施例2.1の手順に従い測定する)≧300である。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2B選択性≧250である。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2B選択性≧200である。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2B選択性≧150である。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2B選択性≧100である。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2B選択性≧50である。
一部の実施形態では、提供される化学的実体は、hERG活性(実施例2.2の手順に従い測定される、hERGに対するIC50として決定される)≧5μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、hERGに対するIC50≧10μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、hERGに対するIC50≧15μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、hERGに対するIC50≧20μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、hERGに対するIC50≧25μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、hERGに対するIC50≧30μMである。
一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2B機能的アンタゴニスト活性(実施例2.1の手順に従い測定される、NR2Bに対するIC50として決定される)≦100nMであり、hERG活性(実施例2.2の手順に従い測定される、hERGに対するIC50として決定される)≧5μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、hERGに対するIC50≧10μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、hERGに対するIC50≧15μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、hERGに対するIC50≧20μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、hERGに対するIC50≧25μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、hERGに対するIC50≧30μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、hERGに対するIC50≧5μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、hERGに対するIC50≧10μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、hERGに対するIC50≧15μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、hERGに対するIC50≧20μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、hERGに対するIC50≧25μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、hERGに対するIC50≧30μMである。
一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2B機能的アンタゴニスト活性(実施例2.1の手順に従い測定される、NR2Bに対するIC50として決定される)≦100nMであり、CYP2D6阻害(実施例2.3の手順に従い決定される、CYP2D6に対するIC50として測定される)≧2μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、CYP2D6に対するIC50≧3μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、CYP2D6に対するIC50≧4μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、CYP2D6に対するIC50≧5μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、CYP2D6に対するIC50は約5〜10μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦100nMであり、CYP2D6に対するIC50≧10μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、CYP2D6に対するIC50≧2μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、CYP2D6に対するIC50≧3μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、CYP2D6に対するIC50≧4μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、CYP2D6に対するIC50≧5μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、CYP2D6に対するIC50は約5〜10μMである。一部の実施形態では、提供される化学的実体は、NR2Bに対するIC50≦50nMであり、CYP2D6に対するIC50≧10μMである。
使用、製剤化、および投与、ならびに薬学的に許容される組成物
一部の実施形態では、本発明は、本発明の化学的実体またはその薬学的に許容される誘導体と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む組成物を提供する。本発明の組成物中の化学的実体の量は、生体試料中のNR2B、または患者におけるNR2Bを、測定可能な程度に阻害するのに有効となるような量である。一部の実施形態では、本発明の組成物中の化学的実体の量は、生体試料中のNR2B、または患者におけるNR2Bを、測定可能な程度に阻害するのに有効となるような量である。一部の実施形態では、本発明の組成物を、このような組成物を必要とする患者への投与のために製剤化する。一部の実施形態では、本発明の組成物を、患者への経口投与のために製剤化する。
本明細書で使用される「患者」という用語は、動物、好ましくは、哺乳動物を意味し、最も好ましくは、ヒトを意味する。
「薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクル」という用語は、共に製剤化する化学的実体の薬理学的活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバント、またはビヒクルを指す。本発明の組成物中で使用されうる、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルは、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなどの緩衝物質、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの塩または電解質、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂を含む。
「薬学的に許容される誘導体」とは、レシピエントへと投与すると、直接的または間接的に、本発明の化学的実体、またはその阻害的に活性の代謝物もしくは残留物をもたらすことが可能な、本発明の化学的実体の、任意の非毒性のエステル、エステルの塩、または他の誘導体(例えば、プロドラッグ)を意味する。
本明細書で使用される「その阻害的に活性の代謝物または残留物」という用語は、その代謝物または残留物もまた、NR2Bの阻害剤であることを意味する。
本発明の組成物は、経口投与、非経口投与することもでき、吸入スプレーにより投与することもでき、局所投与、直腸内投与、経鼻投与、口腔内投与、膣内投与することもでき、植込み型レザバーを介して投与することもできる。本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下注射または注入法、静脈内注射または注入法、筋内注射または注入法、関節内注射または注入法、滑膜内注射または注入法、胸骨下注射または注入法、髄腔内注射または注入法、肝臓内注射または注入法、病変内注射または注入法、および頭蓋内注射または注入法を含む。組成物は、経口投与、腹腔内投与、または静脈内投与することが好ましい。本発明の組成物の滅菌注射用形態は、水性懸濁液の場合もあり、油性懸濁液の場合もある。これらの懸濁液は、当技術分野で公知の技法に従い、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、製剤化することができる。滅菌注射用調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液など、非毒性非経口の許容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または滅菌注射用懸濁液でもありうる。援用されうる、許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌固定油も、溶媒または懸濁媒として従来援用されている。
この目的で、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む、任意の無菌固定油を援用することができる。オリーブ油またはヒマシ油など、薬学的に許容可能な天然油であって、とりわけ、それらのポリオキシエチル化変化形における天然油と同様、オレイン酸などの脂肪酸、およびそのグリセリド誘導体も、注射剤の調製物中で有用である。これらの油溶液または油懸濁液はまた、長鎖アルコールによる希釈剤、またはエマルジョンおよび懸濁液を含む、薬学的に許容される剤形の製剤中で一般に使用される、カルボキシメチルセルロースもしくは同様の分散剤(dispersing agent)などの分散剤(dispersant)も含有しうる。また、一般に薬学的に許容される固体、液体、または他の剤形の製造において使用される、Tween、Spanなど、他の一般に使用される界面活性剤、および他の乳化剤またはバイオアベイラビリティー増強剤も、製剤化の目的で使用することができる。
本発明の、薬学的に許容される組成物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液、または水溶液を含む、任意の許容可能な経口剤形により経口投与することができる。経口使用のための錠剤の場合、一般に使用される担体は、ラクトースおよびトウモロコシデンプンを含む。また、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も、添加することが典型的である。カプセル形態による経口投与では、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンを含む。水性懸濁液が経口使用に要求される場合は、有効成分を、乳化剤および懸濁剤と組み合わせる。所望の場合はまた、ある特定の甘味剤、香味剤、または着色剤も添加することができる。
代替的に、本発明の、薬学的に許容される組成物は、直腸内投与のための坐剤の形態で投与することもできる。これらは、薬剤を、室温では固体であるが、直腸内温度では液体となり、したがって、直腸内では溶融し、薬物を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。このような材料は、ココアバター、蜜蝋、およびポリエチレングリコールを含む。
とりわけ、処置の標的が、眼、皮膚、または下部腸管の疾患を含む局所適用によりたやすくアクセス可能な領域または臓器を含む場合、本発明の、薬学的に許容される組成物はまた、局所投与することもできる。これらの領域または臓器の各々に適する局所製剤は、たやすく調製される。
下部腸管のための局所適用は、直腸内坐剤用製剤(上記を参照されたい)により施すこともでき、適切な浣腸製剤により施すこともできる。また、局所経皮パッチも使用することができる。
局所適用では、提供される、薬学的に許容される組成物を、1または複数の担体中に懸濁または溶解させた活性成分を含有する適切な軟膏により製剤化することができる。本発明の化合物の局所投与のための担体は、鉱物油、液体の石油、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋、および水を含む。代替的に、提供される、薬学的に許容される組成物は、1または複数の薬学的に許容される担体中に懸濁または溶解させた活性成分を含有する、適切なローションまたはクリームにより製剤化することもできる。適切な担体は、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルによる蝋、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水を含む。
眼科における使用では、提供される、薬学的に許容される組成物を、塩化ベンザルコニウム(benzylalkonium chloride)などの保存剤を伴うかまたは伴わずに、等張性でpH調整された滅菌の生理食塩液中の微粉化懸濁液として製剤化することもでき、好ましくは、等張性でpH調整された滅菌の生理食塩液中の溶液として製剤化することもできる。代替的に、眼科における使用では、薬学的に許容される組成物を、石油などの軟膏により製剤化することができる。
本発明の、薬学的に許容される組成物はまた、経鼻エアゾールにより投与することもでき、吸入により投与することもできる。このような組成物は、医薬製剤の技術分野で周知の技法に従い調製し、ベンジルアルコールもしくは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティーを増強する吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を援用して、生理食塩液中の溶液として調製することができる。
最も好ましくは、本発明の、薬学的に許容される組成物は、経口投与用に製剤化する。このような製剤は、食物を伴って投与することもでき、食物を伴わずに投与することもできる。一部の実施形態では、本発明の、薬学的に許容される組成物は、食物を伴わずに投与する。他の実施形態では、本発明の、薬学的に許容される組成物は、食物を伴って投与する。
担体材料と組み合わせて、単一の剤形による組成物をもたらしうる、本発明の化合物の量は、処置される宿主および特定の投与方式を含む様々な因子に応じて変化するであろう。好ましくは、提供される組成物は、1日当たり体重1kg当たり0.01mg〜100mgの間の投与量の阻害剤を、これらの組成物を施される患者へと投与しうるように、製剤化するものとする。
また、任意の特定の患者のための具体的な投与レジメンおよび処置レジメンは、援用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全般的健康状態、性別、食餌、投与回数、排出速度、薬物の組合せ、および主治医の判断、および処置される特定の疾患の重症度を含む様々な因子に依存することも理解されたい。組成物中の、本発明の化合物の量は、また、組成物中の特定の化合物にも依存するであろう。
化学的実体および薬学的に許容される組成物の使用
NR2B受容体アンタゴニストの、ヒトへの治療適用については、Traynelisら(S.F. Traynelisら、Pharmacology Reviews、2010年、62巻:405〜496頁)、Beinatら(C. Beinatら、Current Medicinal Chemistry、2010年、17巻:4166〜4190頁)、およびMonyら(L. Monyら、British J. of Pharmacology、2009年、157巻:1301〜1317頁)による総説にまとめられている。NR2Bのアンタゴニズムは、うつ病、疼痛、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、脳虚血、外傷性脳損傷、てんかん、および片頭痛を含む、疾患および障害の処置において有用でありうる。
本発明で、NR2Bのアンタゴニストまたは中枢神経系(CNS)の疾患もしくは障害の処置として活用される化学的実体の活性は、in vitroまたはin vivoにおいてアッセイすることができる。in vivoにおける、本発明の化合物の有効性の評価は、CNSの疾患または障害についての動物モデル、例えば、齧歯動物モデルまたは霊長動物モデルを使用して行うことができる。細胞ベースのアッセイは、例えば、NR2Bを発現させる組織から単離された細胞系を使用して実施することもでき、NR2Bを組換えにより発現させる細胞系を使用して実施することもできる。加えて、例えば、cAMPレベルまたはcGMPレベルを測定する生化学アッセイまたは機構ベースのアッセイ、ノーザンブロット、RT−PCRなども実施することができる。in vitroアッセイは、細胞形状、タンパク質発現、および/または細胞傷害作用、酵素阻害活性、および/または本発明の化学的実体による細胞の処置の、その後の機能的な帰結を決定するアッセイを含む。代替的なin vitroアッセイでは、細胞内のタンパク質または核酸分子に結合する阻害剤の能力を定量化する。阻害剤の結合は、結合の前に阻害剤を放射性標識し、阻害剤/標的分子複合体を単離し、結合した放射性標識の量を決定することにより測定することができる。代替的に、阻害剤の結合は、新たな阻害剤を、公知の放射性リガンドへと結合させた精製タンパク質または精製核酸と共にインキュベートする競合実験を行うことにより決定することができる。本発明において、NR2Bのアンタゴニストとして活用される化合物をアッセイするための詳細な条件については、下記の実施例で示す。前述のアッセイは、例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。当業者は、従来のアッセイに対して改変を施して、同じ結果を得る同等なアッセイを開発しうることを察知することができる。
本明細書で使用される「処置」、「〜を処置する」、および「〜を処置すること」という用語は、本明細書で記載される疾患もしくは障害、または1もしくは複数のその症状を転導すること、緩和すること、これらの発症を遅延させること、またはこれらの進行を阻害することを指す。一部の実施形態では、処置は、1または複数の症状が発症した後で投与することができる。他の実施形態では、処置は、症状の非存在下において投与することができる。例えば、処置は、症状の発症の前に(例えば、症状の履歴に照らして、かつ/または遺伝性因子もしくは他の感受性因子に照らして)、感受性の個体へと投与することができる。処置はまた、例えば、それらの再発を防止するか、または遅延させるように、症状が消失した後でも継続させることができる。
本発明の方法に従う化学的実体および組成物は、CNS疾患またはCNS障害を処置するか、またはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与することができる。
一部の実施形態では、本発明の方法に従う化学的実体および組成物は、NR2Bと関連する疾患または障害を処置するか、またはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与することができる。
一部の実施形態では、本発明の方法に従う化学的実体および組成物は、CNS疾患またはCNS障害を処置するか、またはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与することができる。
一部の実施形態では、疾患または障害は、合併症の不安障害を伴うかまたは伴わないうつ病、例えば、単一挿間性および再発性のうつ病性障害、気分変調障害、処置抵抗性のうつ病(TRD、すなわち、他の薬物療法に応答しなかった、大うつ病性障害)である。
一部の実施形態では、疾患または障害は、例えば、双極性I躁病性障害および双極性II躁病性障害を含む双極性障害から選択される、急性感情障害である。
一部の実施形態では、疾患または障害は、例えば、炎症、神経傷害、糖尿病性ニューロパチー、および帯状疱疹後神経痛を含む様々な発生源から生じる疼痛状態から選択される疼痛である。一部の実施形態では、疾患または障害は、片頭痛、線維筋痛症、および三叉神経痛など、難治性疾患または難治性障害と関連する。
一部の実施形態では、疾患または障害は、睡眠障害、ならびに不眠症、ナルコレプシー、および特発性睡眠過剰を含むそれらの続発症から選択される。
一部の実施形態では、疾患または障害は、てんかん、痙攣、および他の発作障害など、ニューロンの過剰興奮性(hyperexcitablity)によって特徴付けられるCNS障害から選択される。
一部の実施形態では、疾患または障害は、パーキンソン病である。
一部の実施形態では、疾患または障害は、ハンチントン病である。
一部の実施形態では、疾患または障害は、統合失調症、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、ピック病、レビー小体病、および他の老人性認知症(例えば、血管性認知症)を含む障害に関連する認知機能不全である。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書で記載される障害を処置する方法であって、本発明の化学的実体を、1または複数の医薬剤と共に投与するステップを含む方法を提供する。本発明の化学的実体と組み合わせて使用されうる、適切な医薬剤は、例えば、うつ病の処置における、選択性セロトニン再取込み阻害剤(SSRI);例えば、パーキンソン病の処置における、ドーパミン置換療法レジメンおよびドーパミンアゴニスト;定型抗精神病薬;非定型抗精神病薬;抗痙攣剤;興奮剤;アルツハイマー病治療;抗片頭痛剤;ならびに抗不安剤を含む。
適切なSSRIは、シタロプラム、ダポキセチン、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、インダルピン、パロキセチン、セルトラリン、ビラゾドン、およびジメリジンを含む。
適切なドーパミン置換療法レジメンは、L−ドーパの、カルビドパなど、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤による置換を含む。
適切なドーパミン受容体アゴニストは、アプリンドル、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、シラドーパ、ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、パルドプルノクス、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、ロピニロール、およびロチゴチンを含む。
適切な定型抗精神病薬は、クロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、レボメプロマジン、ロキサピン、モリンドン、ペルフェナジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、フルフェナジン、ドロペリドール、ズクロペンチキソール、フルペンチキソール、およびプロクロルペラジンを含む。
適切な非定型抗精神病薬は、アミスルプリド、アリピプラゾール、アセナピン、ブロナンセリン、クロチアピン、クロザピン、イロペリドン、ルラシドン(llurasidone)、モサプラミン、オランザピン、パリペリドン、ペロスピロン、クェチアピン、レモキシプリド、リスペリドン、セルチンドール、スルピリド、ジプラシドン、ゾテピン、ビフェプルノクス、ピマバンセリン、およびバビカセリンを含む。
適切な抗痙攣剤は、カルバマゼピン、ラモトリギン、トピラマート、およびジバルプロエクスを含む。
適切な興奮剤は、Adderall(アンフェタミン、デキストロアンフェタミン混合塩)、メチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、デクスメチルフェニデート、およびリスデキサンフェタミンを含む。
適切なアルツハイマー病治療は、リバスチグミン、ドネペジル、ガランタミン、およびフペラジンなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤;エンセニクリンなどのアルファ−7ニコチン性アゴニスト;ならびにBACE阻害剤、ガンマセクレターゼモジュレーター、およびベータアミロイドペプチド抗体など、Aβ42を低減する薬物を含む。
適切な抗片頭痛薬は、エルゴタミン、およびスマトリプタンなど、5−HT1Dアゴニストであるトリプタンを含む。
適切な抗不安薬は、ジアゼパム、アルプラゾラム、ロラゼパム、およびクロナゼパムなどのベンゾジアゼピン受容体モジュレーターを含む。
本発明の化学的実体と共に使用するための、他の適切な薬剤は、メマンチンおよびモダフィニルを含む。
要求される正確な量は、種、年齢、および対象の全身状態、感染の重症度、特定の薬剤、その投与方式などに応じて、対象により変化するであろう。本発明の化学的実体は、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、単位剤形で製剤化することが好ましい。本明細書で使用される「単位剤形」という表現は、物理的に個別の薬剤単位であって、処置される患者に適する単位を指す。しかし、本発明の化学的実体および組成物の、毎日の総使用量は、主治医により、穏健な医療判断の範囲内で決定されることが理解されるであろう。任意の特定の患者または生物のための、具体的な有効用量レベルは、処置される障害および障害の重症度;援用される具体的な化学的実体の活性;援用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、全般的健康状態、性別、および食餌;援用される具体的な化学的実体の投与回数、投与経路、および排出速度;処置の持続期間;援用される具体的な化学的実体と組み合わせて、または同時に使用される薬物、ならびに医療技術分野で周知の同様の因子を含む、様々な因子に依存するであろう。本明細書で使用される「患者」という用語は、動物、好ましくは、哺乳動物を意味し、最も好ましくは、ヒトを意味する。
本発明の、薬学的に許容される組成物は、ヒトおよび他の動物へと、経口投与、直腸内投与、非経口投与、嚢内投与、膣内投与、腹腔内投与、局所(粉末、軟膏、または滴下剤によるものとして)投与、口腔内投与、経口スプレーまたは経鼻スプレーとしての投与など、処置される感染の重症度に応じて投与することができる。ある特定の実施形態では、本発明の化学的実体は、所望の治療的効果を得るように、1日当たり対象の体重1kg当たり約0.01mg〜約50mg、好ましくは、1kg当たり約1mg〜約25mgの投与量レベルで、毎日1回または複数回にわたり、経口投与することもでき、非経口投与することもできる。
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤など、当技術分野で一般に使用される不活性の希釈剤であって、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物などの希釈剤も含有しうる。不活性の希釈剤のほか、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤などのアジュバントも含みうる。
注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性懸濁液または滅菌注射用油性懸濁液は、公知の技術に従い、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、製剤化することができる。滅菌注射用調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液など、非毒性非経口の許容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液、またはエマルジョンでもありうる。援用されうる、許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.塩化ナトリウム溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌固定油も、溶媒または懸濁媒として従来援用されている。この目的で、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む、任意の無菌固定油を援用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸も、注射剤の調製物中で使用する。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを介する濾過により滅菌処理することもでき、使用の前に、滅菌水中または他の滅菌注射用媒体中に溶解または分散させうる滅菌固体組成物の形態で、滅菌剤を組み込むことにより滅菌処理することもできる。
本発明の化学的実体の効果を延長するために、皮下注射または筋内注射からの化学的実体の吸収を遅らせることを所望することが多い。これは、水溶性が低度の結晶性材料またはアモルファス材料の懸濁液を使用することにより達成することができる。次いで、化学的実体の吸収速度は、その溶解速度に依存し、これは、ひいては結晶のサイズおよび結晶の形態に依存しうる。代替的に、化学的実体の非経口投与形態の遅延吸収は、化学的実体を、油ビヒクル中に溶解させるか、または懸濁させることにより達成する。注射用デポ形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生体分解性ポリマー内で、化学的実体のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作製する。化学的実体の、ポリマーに対する比、および援用される特定のポリマーの性質に応じて、化学的実体の放出速度を制御することができる。他の生体分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)を含む。注射用デポ製剤はまた、化学的実体を、体内組織と適合性のリポソーム内またはマイクロエマルジョン中に封入することによっても調製する。
直腸内投与または膣内投与のための組成物は、本発明の化学的実体を、ココアバター、ポリエチレングリコール、または坐剤用蝋などであり、雰囲気温度では固体であるが、体温では液体となり、したがって、直腸内腔または膣内腔では溶融し、活性の化学的実体を放出する、適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製しうる坐剤であることが好ましい。
経口投与のための固体剤形は、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、および顆粒を含む。このような固体剤形では、活性の化学的実体を、クエン酸塩ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなど、少なくとも1つの不活性の、薬学的に許容される担体、ならびに/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)アガーアガー、炭酸カルシウム、バレイショデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収加速化剤、g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、ならびにi)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの滑沢剤と混合する。カプセル、錠剤、および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤も含みうる。
同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖のほか、高分子量のポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する、硬および軟ゼラチン充填カプセル内の充填剤としても援用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒である固体剤形は、医薬製剤化技術分野で周知の腸溶性コーティング、および他のコーティングなどのコーティングおよびシェルにより調製することができる。それらは、任意選択で、乳白剤を含有することも可能であり、また、腸管のある特定の部分内だけで、または腸管のある特定の部分内で優先的に、任意選択で、遅延方式で、有効成分を放出する組成でもありうる。使用されうる包埋組成物の例は、ポリマー性物質および蝋を含む。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖のほか、高分子量のポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する、硬および軟ゼラチン充填カプセル内の充填剤としても援用することができる。
活性の化学的実体はまた、上記で言及した、1または複数の賦形剤を伴うマイクロカプセル化形態でもありうる。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒である固体剤形は、医薬製剤化技術分野で周知の腸溶性コーティング、放出制御コーティング、および他のコーティングなどのコーティングおよびシェルにより調製することができる。このような固体剤形では、活性の化学的実体は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなど、少なくとも1つの不活性の希釈剤と混合することができる。このような剤形はまた、通常の慣行の通り、不活性の希釈剤以外のさらなる物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースなど、錠剤化のための滑沢剤および他の錠剤化のための補助剤も含みうる。カプセル、錠剤、および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤も含みうる。それらは、任意選択で、乳白剤を含有することも可能であり、また、腸管のある特定の部分内だけで、または腸管のある特定の部分内で優先的に、任意選択で、遅延方式で、有効成分を放出する組成でもありうる。使用されうる包埋組成物の例は、ポリマー性物質および蝋を含む。
本発明の化学的実体の局所投与または経皮投与のための剤形は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、またはパッチを含む。活性の化学的実体を、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体、および、要求に応じて、任意の必要とされる保存剤または緩衝液と混合する。また、眼科用製剤、点耳剤、および点眼剤も、本発明の範囲内にあるものとして想定される。加えて、本発明は、化学的実体の体内への制御送達をもたらす利点を付加した経皮パッチの使用も想定する。このような剤形は、化学的実体を、適正な媒体中に溶解または分散させることにより作製することができる。また、吸収増強剤も、皮膚を隔てた化学的実体の流れを増大させるのに使用することができる。速度は、速度制御膜をもたらすことにより制御することもでき、化学的実体を、ポリマーマトリックス内またはゲル内に分散させることにより制御することもできる。
本明細書で使用される「組合せ」、「組み合わされた」という用語、および関連の用語は、本発明に従う、治療用薬剤の同時投与または逐次投与を指す。例えば、本発明の化学的実体は、別の治療用薬剤と共に、個別の単位剤形により同時的にもしくは逐次的に投与することもでき、または単一の単位剤形内に併せて投与することもできる。したがって、本発明は、式Iの化学的実体と、さらなる治療用薬剤と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む単一の単位剤形を提供する。
提供される化学的実体およびさらなる治療用薬剤の両方の量(上記で記載したさらなる治療用薬剤を含む組成物中の)であって、担体材料と組み合わせて、単一の剤形をもたらしうる量は、処置される宿主および特定の投与方式に応じて変化するであろう。好ましくは、本発明の組成物は、1日当たり体重1kg当たり0.01mg〜100mgの間の投与量の、提供される化学的実体を投与しうるように、製剤化するものとする。
さらなる治療用薬剤を含む組成物中では、このさらなる治療用薬剤と、本発明の化学的実体とは、相乗的に作用しうる。したがって、このような組成物中のさらなる治療用薬剤の量は、この治療用薬剤だけを活用する単剤療法において要求される量未満となろう。このような組成物中では、1日当たり体重1kg当たり0.01〜100μgの間の投与量の、さらなる治療用薬剤を投与することができる。
本発明の組成物中に存在するさらなる治療用薬剤の量は、この治療用薬剤を唯一の活性薬剤として含む組成物により通常投与される量を超えないであろう。好ましくは、本開示の組成物中のさらなる治療用薬剤の量は、その薬剤を唯一の治療活性薬剤として含む組成物中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲となろう。
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの式Iの化学的実体および薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルを含む医薬を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、CNS疾患またはCNS障害を処置するための医薬の製造における、式Iの化学的実体の使用を提供する。
一般的な合成法
式Iの化学的実体は、スキーム1もしくはスキーム2に従い、かつ/または当技術分野で公知の方法を使用して合成することができる。
スキーム1
Figure 2017516836
a.塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)、有機溶媒(例えば、n−ブタノール)、加熱。b.任意選択の官能基転換。c.Z保護基の除去(例えば、Z=THPにはHCl)
スキーム1で描示される方法の第1のステップでは、式XIIの化合物を、一般式X[式中、Zは、水素または適切な保護基(例えば、THP(2−テトラヒドロピラニル))であり、R、R、およびRは、上記で規定した通りである]の中間体の、一般式XI[式中、X’、R’、R’、およびR’は、X、R、R、およびRについて上記で規定した通りであるか、または独立に適切な形でマスクされたこれらの同等物である]のピリジン中間体を伴う、ピペリジン窒素アルキル化により調製することができる。一般式XIの中間体のアルキル化におけるY基は、ハロゲン(塩素、臭素、またはヨウ素)、またはメシル酸、トシル酸、トリフル酸(OSOCF)、もしくはノナフル酸(OSOCFCFCFCF)などのスルホン酸基など、アニオン性脱離基を表す。アルキル化反応は、適切なプロトン性(例えば、イソプロパノール、n−ブタノール)溶媒または非プロトン性(例えば、CHCl、DMF、DMSO、CHCN)溶媒中、雰囲気〜160℃、好ましくは、50℃〜100℃の間(例えば、40〜80℃)の温度、適切な塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で実行することができる。式Xの中間体が、Z=Hを有し、式XIの中間体内のX’、R’、R’、およびR’が、X、R、R、およびRについて上記で規定した通りである場合、式XIIのアルキル化生成物は、式Iの化合物である。代替的に、任意選択の1または複数のステップにおいて、当技術分野で公知の方法を使用して、1または複数のX’置換基、R’置換基、R’置換基、またはR’置換基を適切な形でマスクされた基として含有する式XIIの化合物を転換して、式XIII[式中、X、R、R、およびRは、上記で規定した通りである]の化合物をもたらすこともできる(例えば、式XII[式中、X’=NOである]の化合物では、水素化ステップは、式XIII[式中、X=NHである]の化合物をもたらす)。式XIII[式中、Zは、保護基である]の中間体は、当技術分野で公知の方法を使用して(例えば、Z=THP保護基の場合、適切な有機溶媒中で含水HClを使用して)、式Iの化合物へと転換することができる。
式Iの化合物を合成する代替法を、スキーム2に描示する。
スキーム2
Figure 2017516836
a.塩基またはブッフバルト反応に媒介されるアミンカップリング反応条件。b.任意選択のステップ、例えば、官能基転換およびZ保護基の除去。c.塩基、RX。d.Z保護基の除去。
第1のステップでは、塩基またはブッフバルト反応に媒介される、式XX[式中、式XIの中間体内のX’、R’、R’、およびR’は、X、R、R、およびRについて上記で規定した通りであるか、または独立に適切な形でマスクされたこれらの同等物である]の中間体の、式XXI[式中、Zは、水素または適切な保護基であり、Rは、上記で規定した通りであり、Yは、適切な脱離基である]のピラゾロピリミジン中間体とのカップリングにより、式XXIIの化合物をもたらす。ある特定の場合には、塩基に媒介されるカップリングが適し、有機溶媒(例えば、NMP、DMF、DMSO、CHCN)中、50℃〜180℃、好ましくは、70℃〜120℃の間の温度、適切な三級アミン塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で実行することができる。ある特定の場合には、パラジウム触媒を使用するブッフバルト条件を、カップリング反応のために使用することができる。式XIII[式中、Rは、メチルである]の中間体を調製するために、式XXIIの化合物を、適切な非プロトン性有機溶媒(例えば、DMF)中の適切な塩基(例えば、NaH)で処理した後、適切な温度のメチル化試薬(例えば、ヨウ化メチルまたは硫酸ジメチル)を添加することができる。式XIII[式中、Zは、保護基である]の中間体は、当技術分野で公知の方法を使用して(例えば、Z=THP保護基の場合、適切な有機溶媒中で含水HClを使用して)、式Iの化合物へと転換することができる。
一般式XI[式中、X’、R’、R’、およびR’は、X、R、R、およびRについて上記で規定した通りであるか、または独立に適切な形でマスクされたこれらの同等物である]の中間体であるピリジンは、スキーム3に従い、かつ/または当技術分野で公知の方法を使用して合成することができる。
スキーム3
Figure 2017516836
式XXXIの出発物質である2−ブロモピリジンまたは2−クロロピリジンは、購入することもでき、当技術分野で公知の方法を使用して例えば、ザンドマイヤー反応により、対応する2−アミノピリジンから合成することもできる。乾燥DMSO中の高温下における、式XXXIの化合物の、エチル2,2−ジフルオロ−2−ヨードアセテートとの、銅に媒介されるカップリングにより、一般式XXXIIの中間体をもたらす。例えば、エタノール中でホウ化水素ナトリウムを使用する、適切な条件下における、その後のエステル基還元により、一般式XXXIIIの、対応するアルコールをもたらす。一般式XXXIIIの化合物内のアルコール基を、当技術分野で公知の方法を使用して、適切な脱離基、例えば、ヨウ化物またはトリフルオロメタンスルホン酸塩へと転換することができる。例えば、0℃における、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを伴うエーテル溶媒中のトリフル酸無水物による処理を使用して、式XI(Y=OSOCF)のトリフルオロメタンスルホン酸塩を調製することができる。式XXXIVの4−Bocアミノピペリジンの、式XIの中間体によるアルキル化により、式XXの化合物をもたらす。アルキル化反応は、適切な非プロトン性(例えば、CHCl、DMF、DMSO、CHCN)溶媒中、−10℃〜100℃の温度(好ましくは、0℃〜80℃)、適切な塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で実行することができる。
一般式X[式中、X’、R’、R’、およびR’は、X、R、R、およびRについて上記で規定した通りであるか、または独立に適切な形でマスクされたこれらの同等物である]の中間体は、スキーム4に従い、かつ/または当技術分野で公知の方法を使用して合成することができる。
スキーム4
Figure 2017516836
a.塩基またはブッフバルト反応に媒介されるアミンカップリング反応条件。b.アルキル化条件を使用する、R基、例えば、塩基、RIの任意選択の導入。c.例えば、H/Pd−C/EtOHによる触媒水素化を介するCbzの除去。
第1のステップでは、式Lの出発物質である、4−アミノ−N−ベンジルオキシカルボニルで保護されたピペリジンを、塩基条件下またはブッフバルト反応条件下で、式XXIの中間体とカップリングさせて、一般式LIの中間体をもたらすことができる。任意選択の第2のステップでは、アルキル化反応によりR基を導入して、一般式LII[式中、Rは、水素以外である]の中間体をもたらすことができる。最終ステップでは、Cbz保護基を、触媒水素化または当技術分野で公知の代替法により除去して、一般式Xの中間体をもたらすことができる。
一般式XXI[式中、Rは、C〜Cアルキルまたはシクロプロピルである]の中間体は、スキーム5に従い、かつ/または当技術分野で公知の方法を使用して合成することができる。
スキーム5
Figure 2017516836
a.RMgBr、エーテル。b.酸化。c.ヒドラジン水和物。d.ジヒドロピラン、CHCl、p−TsOH。
第1のステップでは、4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボキシアルデヒドを、当技術分野で公知の条件を使用して、グリニャール試薬、例えば、対応する臭化物であるRBrに由来するRMgBrと反応させて、一般式LIIIのアルコールをもたらす。当技術分野で公知の、例えば、デス−マーチン試薬である、MnOまたはCrOを使用して、ケトンをベンジル二級アルコールから調製するための条件下における、式LIIIの中間体の酸化により、式LIVの中間体をもたらす。式LIVの中間体の、ヒドラジンを伴う処理により、一般式XXI[式中、Rは、C〜Cアルキルまたはシクロプロピルであり、Zは、水素である]の化合物をもたらす。後者を、酸触媒(例えば、p−トルエンスルホン酸)を伴う非プロトン性有機溶媒(例えば、CHCl)中で、ジヒドロピランにより処理して、一般式XXI[式中、Rは、C〜Cアルキルまたはシクロプロピルであり、Zは、テトラヒドロピラニル保護基である]の化合物をもたらすことができる。
下記の実施例で描示される通り、ある特定の例示的実施形態では、化学的実体は、以下の手順に従い調製する。一般的方法では、本発明のある特定の化学的実体の合成について描示するが、以下の方法、および当業者に公知の他の方法は、本明細書で記載される全ての化学的実体、ならびにこれらの化学的実体の各々のサブクラスおよび分子種へと適用しうることが察知されるであろう。
温度は、摂氏度で示す。そうでないことが言及されない限りにおいて、全ての蒸発は、低圧下、好ましくは、15mmHg〜100mmHgの間で実施する。中間体および最終生成物の構造は、標準的な解析的方法、例えば、質量分析およびNMR分光法により確認する。
略号:
aq:含水
Boc:t−ブトキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
DCM:ジクロロメタン
DCE:1,2−ジクロロエタン
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EtO:ジエチルエーテル(「エーテル」)
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
eq:同等物
h:時間
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
LC:液体クロマトグラフィー
Me:メチル
MS:質量分析
MS(ESI):エレクトロスプレーイオン化法による質量分析
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NMR:核磁気共鳴
PEG:ポリエチレングリコール
rt:室温
Tf:トリフル酸
TfO:トリフル酸無水物
TFAA:トリフルオロ酢酸無水物
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
(実施例1)
化学的実体
(実施例1.A)
中間体
(実施例1.A.1)
中間体1:4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
Figure 2017516836
トルエン(20mL)中の、アロプリノール(2.0g、15mmol)の懸濁液へと、POCl(7mL、74mmol)およびDIPEA(6mL、32mmol)を添加した。混合物を、撹拌しながら、2時間にわたり、85℃へと加熱した。混合物を冷まし、容量の半分へと濃縮し、2MのKHPO(200mL)へと注ぎ込んだ。混合物を、室温で一晩にわたり撹拌し、濾過した。濾過物質を、EtOAcで洗浄し、濾過物を、EtOAcで抽出した。組み合わされた有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、薄橙色の粉末(1.6g、70%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、CClNの計算値:154.0;実測値:155[M+H]。H NMR (400 MHz, DMSO) δ 14.47 (brs, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.43 (s, 1H).
(実施例1.A.2)
中間体2:4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン
Figure 2017516836
THF(1L)中の、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(35g、226mmol)の溶液へと、ジヒドロピラン(31mL、340mmol)およびp−TsOH.HO(4.3g、22.6mmol)を添加した。溶液を、還流するまで加熱した。1時間にわたり撹拌した後で、ジヒドロピラン(16mL、175mmol)の別のバッチを添加した。さらに1時間にわたり撹拌した後で、溶液を濃縮し、シリカゲル(DCM/EtOAc=2%〜10%)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の粉末(50g、90%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1011ClNOの計算値:238;実測値:239[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.80 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 6.11 − 5.99 (m, 1H), 4.16 − 4.05 (m, 1H), 3.85 − 3.74 (m, 1H), 2.69 − 2.57 (m, 1H), 2.24 − 2.11 (m, 1H), 2.05 − 1.94 (m, 1H), 1.87 − 1.71 (m, 2H), 1.71 − 1.59 (m, 1H).
(実施例1.A.3)
中間体3:N−(ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
ステップ1:ベンジル4−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2017516836
イソプロパノール(100mL)中の、4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(5.0g、21mmol)と、ベンジル4−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(5.9g、25mmol)と、DIPEA(7.5g、43mmol)との混合物を、N雰囲気下で、85℃へと加熱した。85℃で一晩にわたり撹拌した後で、結果として得られる溶液を、rtへと冷却し、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(25%のDCM/EtOAc)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の粉末(6.4g、70%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C2328の計算値:436;実測値:437[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.41 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.41 − 7.29 (m, 5H), 5.99 − 5.91 (m, 1H), 5.32 (s, 1H), 5.14 (s, 2H), 4.41 − 4.15 (m, 3H), 4.15 − 4.08 (m, 1H), 3.83 − 3.75 (m, 1H), 3.04 (m, 2H), 2.62 − 2.51 (m, 1H), 2.17 − 2.07 (m, 3H), 1.97 − 1.89 (m, 1H), 1.82 − 1.72 (m, 2H), 1.55 − 1.43 (m, 2H).
ステップ2:N−(ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
10%のMeOH/THF(100mL)中の、ベンジル4−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(7.76g、17.8mmol)の溶液へと、10%のPd/Cを添加した。混合物を、30℃で36時間にわたり水素化した。混合物を、濾過し、濃縮して、オフホワイトの粉末(5.3g、100%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1522Oの計算値:302;実測値:303[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.39 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 5.99 − 5.91 (m, 1H), 5.48 − 5.14 (m, 1H), 4.33 − 4.15 (m, 1H), 4.14 − 4.08 (m, 1H), 3.83 − 3.74 (m, 1H), 3.19 − 3.09 (m, 2H), 2.83 − 2.73 (m, 2H), 2.63 − 2.49 (m, 1H), 2.16 − 2.06 (m, 3H), 1.97 − 1.89 (m, 1H), 1.79 − 1.72 (m, 2H), 1.71 − 1.65 (m, 1H), 1.64 − 1.56 (m, 1H), 1.54 − 1.42 (m, 2H).
(実施例1.1)
N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−1)
Figure 2017516836
ステップ1:エチル2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)アセテート
Figure 2017516836
DMSO(10mL)中の、2−ブロモピリジン(1.0g、6.3mmol)と、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.2mL、1.5mmol)との溶液へと、銅粉末(800mg、12.6mmol)を添加した。混合物を、90℃へと加熱し、一晩にわたり撹拌した。混合物を、水へと注ぎ込み、室温で1時間にわたり撹拌した。最終的な懸濁液を、セライトのパッドを介して濾過し、濾過物質を、EtOAcで洗浄した。組み合わされた有機相を、水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、黄色の油(1.1g、86%)としての表題の粗化合物をもたらし、これを、次のステップで直接使用した。
ステップ2:2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エタノール
Figure 2017516836
エタノール(25mL)中の、エチル2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)アセテート(1.1g、5.78mmol)の溶液へと、室温で、NaBH(330mg、8.67mmol)を添加した。30分間にわたり撹拌した後、混合物を、1Mの含水HClにより、氷浴温度でクエンチングした。混合物を、1Mの含水NaOHで塩基性化させ、EtOAcで抽出した。組み合わされたEtOAc相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=2/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(520mg、60%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.61 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 7.88 (td, J = 7.8, 1.7 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 7.2 and 4.7 Hz, 1H), 4.26 (dt, J=7.0 and 12.4 Hz, 2H), 3.50 (t, J = 7.0 Hz, 1H).
ステップ3:2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2017516836
乾燥エーテル(10mL)中の、2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エタノール(220mg、1.25mmol)と、DIPEA(0.35mL、1.88mmol)との溶液へと、窒素雰囲気下、0℃で、滴下により、TfO(0.25mL、1.50mmol)を添加した。このようにして得られたピンク色の懸濁液を、室温で2時間にわたり撹拌した。懸濁液を、セライト(ceilite)のパッドを介して濾過した。濾過物を、真空中で濃縮し、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=10/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の油(320mg、87%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.67 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 7.89 (td, J = 7.8 and 1.6 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 7.8 and 4.3 Hz, 1H), 5.12 (t, J = 12.0 Hz, 2H).
ステップ4:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(5mL)中の、2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート(320mg、1.1mmol)と、N−(ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(330mg、1.1mmol)と、DIPEA(0.3mL、1.65mmol)との溶液を、40℃へと加熱した。一晩にわたり撹拌した後で、混合物を、真空中で濃縮し、シリカゲル(EtOAc)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の粉末(406mg、83%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C2227Oの計算値:443.3;実測値:444.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.67 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.81 (td, J = 7.7 and 1.6 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.37 (dd, J = 7.7 and 4.3 Hz, 1H), 5.95 (dd, J = 10.6 and 2.0 Hz, 1H), 4.15 − 4.07 (m, 1H), 3.83 − 3.75 (m, 1H), 3.68 − 3.63 (m, 1H), 3.28 (t, J = 14.5 Hz, 2H), 3.14 − 3.07 (m, 1H), 2.98 − 2.90 (m, 2H), 2.56 − 2.49 (m, 2H), 2.14 − 2.07 (m, 1H), 2.03 − 1.95 (m, 2H), 1.94−1.88 (m, 1H), 1.81 − 1.72 (m, 2H), 1.71 − 1.57 (m, 3H).
ステップ5:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(5mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(406mg、0.92mol)の溶液へと、飽和HCl/EtO(5mL)を添加した。室温で一晩にわたり撹拌した後で、THP基を除去した。懸濁液を、真空中で濃縮し、1Mの含水NaOHで塩基性化させた。塩基性の含水混合物を、DCMで抽出した。組み合わされたDMC相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、白色の粉末(219mg、66%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1719の計算値:359.2;実測値:360.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.64 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.00 − 7.93 (m, 1H), 7.74 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.52 (dd, J = 7.9 and 4.6 Hz, 1H), 4.05 − 3.95 (m, 1H), 3.16 (t, J = 14.4 Hz, 2H), 2.88 − 2.82 (m, 2H), 2.43 − 2.35 (m, 2H), 1.86 − 1.76 (m, 2H), 1.51 − 1.40 (m, 2H).
(実施例1.1a)
(HCl塩):N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−1・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(5mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−4−アミン(105mg、0.29mmol)の溶液へと、HClの2.0Mのメタノール溶液(0.15mL、0.30mmol)を添加した。30分間にわたり撹拌した後、溶液を濃縮して、白色の粉末(115mg、100%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1719の計算値:359.2;実測値:360.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.62 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.44 (brs, 2H), 7.98 − 7.94 (m, 1H), 7.75 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.52 (dd, J = 7.9 and 4.5 Hz, 1H), 4.51 − 4.35 (m, 1H), 4.16 − 4.00 (m, 2H), 3.72 − 3.60 (m, 2H), 3.32 − 3.20 (m, 2H), 2.30 − 2.20 (m, 2H), 2.07 − 1.95 (m, 2H).
(実施例1.4)
N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−4)
Figure 2017516836
ステップ1:エチル2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)アセテート
Figure 2017516836
DMSO(80mL)中の、エチル2−ブロモ−5−メチルピリジン(4.0g、24mmol)と、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(4.8g、24mmol)との溶液へと、Cu粉末(3.0g、47mmol)を添加した。混合物を、一晩にわたり、50℃へと加熱した。反応混合物を、セライトを介して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾過物を、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄した。酢酸エチル層は、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル=100:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の液体(3.7g、74%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.47 (s, 1H), 7.69 − 7.57 (m, 2H), 4.37 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.40 (s, 3H), 1.33 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
ステップ2:2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エタノール
Figure 2017516836
エタノール(45mL)中の、エチル2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)アセテート(2.0g、9.3mmol)の溶液へと、NaBH(500mg、13.4mmol)を、ゆっくりと添加した。混合物を、rtで30分間にわたり撹拌した。30分後、反応混合物を、1NのHClにより、氷水浴中でクエンチングし、濃縮し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を、水および塩水で洗浄し、次いで、乾燥させ、濃縮して、白色の固体(1.6g、100%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.44 (s, 1H), 7.71 (d, J= 8Hz, 1H), 7.64 (d, J= 8.0Hz, 1H), 4.22 (t, J= 12.4Hz, 2H), 3.03 (brs, 1H), 2.41 (s, 3H).
ステップ3:2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2017516836
無水エーテル(40ml)中の、2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エタノール(800mg、4.6mmol)と、DIPEA(2.8ml、13.8mmol)との溶液へと、TfO(1.5ml、9.2mmol)を、0℃で添加した。rtで1時間にわたり撹拌した後で、白色の懸濁液を、セライトを介して濾過し、濾過物質を、エーテルで洗浄した。濾過物を濃縮し、シリカゲル(silica get)(ヘキサン)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の液体(1.0g、70%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.47 (s, 1H), 7.65 (m, 2H), 5.10 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 2.42 (s, 3H).
ステップ4:tert−ブチル1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル−カルバメート
Figure 2017516836
DCM(16ml)中の、2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート(1.0g、3.3mmol)と、tert−ブチルピペリジン−4−イルメチルカルバメート(1.3g、6.6mmol)と、DIPEA(2.0ml、9.9mmol)との混合物を、撹拌しながら、40℃へと加熱した。40℃で一晩にわたり撹拌した後で、混合物を、乾燥状態まで濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色の固体(1.0g、83%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1827の計算値:355.2;実測値:356.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.46 (s, 1H), 7.60 − 7.50 (m, 2H), 3.72 − 3.61 (m, 1H), 3.40 (brs, 1H), 3.19 (t, J = 14.7 Hz, 2H), 2.85−2.80 (m, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.32−3.40 (m, 2H), 1.82−1.78 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.25−1.30 (m,2H).
ステップ5:1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(15ml)中の、tert−ブチル1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イルカルバメート(1.0g、2.8mmol)の溶液へと、TFA(12.5ml)を、0℃で添加した。rt.で30分間にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮した。濃縮物を、1NのNaOHで塩基性化させ、酢酸エチルで抽出した。有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、オフホワイトの粉末(400mg、60%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1319の計算値:255.2;実測値:256.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.47 (s, 1H), 7.59−7.52 (m, 2H), 3.18 (t, J = 14.6 Hz, 2H), 2.85−2.82 (m, 2H), 2.64−2.54 (m, 1H), 2.38 (s, 3H), 2.35−2.28 (m, 2H), 1.69−1.66 (m, 2H), 1.32−1.26 (m, 2H).
ステップ6:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
n−BuOH中の、1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−アミン(260mg、1.02mmol)と、4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(200mg、0.85mmol)と、DIPEA(0.35ml、1.7mmol)との混合物を、130℃で一晩にわたり撹拌した。橙色の溶液を濃縮した。濃縮物を、酢酸エチル中に取り込み、水で洗浄した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(190mg、40%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C2329Oの計算値:457.3;実測値:458.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.48 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.64 − 7.53 (m, 2H), 5.97−5.94 (m, 1H), 4.16 − 4.07 (m, 1H), 3.84 − 3.75 (m, 1H), 3.26 (t, J = 14.6 Hz, 2H), 2.95−2.92 (m, 2H), 2.55−2.49 (m, 2H), 2.39 (s, 3H), 2.11 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 2.02−1.99 (m, 2H), 1.94−1.92 (m, 1H), 1.84 − 1.70 (m, 2H), 1.54−1.51 (m, 2H), 1.31−1.25 (m, 4H).
ステップ7:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
MeOH(3.5ml)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(190mg、0.41mmol)の混合物へと、HCl/EtO(2M、2.6ml、0.31mmol)を、rtで添加した。4時間にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮し、1NのNaOHで中和させた。混合物を、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、濃縮して、白色の固体(145mg、98%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1821Oの計算値:373.2;実測値:374.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.49 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.80 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.14−4.11 (m, 1H), 3.25 (t, J = 14.4 Hz, 2H), 2.96−2.93 (m, 2H), 2.51−2.45 (m, 2H), 2.43 (s, 3H), 1.95−1.92 (m, 2H), 1.63 − 1.50 (m, 2H).
(実施例1.4a)
(HCl塩):N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−4・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(1.5ml)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(132mg、0.3mmol)の溶液へと、HCl/EtO(2M、0.15ml、0.30mmol)を添加した。15分間にわたり撹拌した後、混合物を濃縮して、オフホワイトの粉末(145mg、96%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1821Oの計算値:373.2;実測値:374.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.56 (s, 1H), 8.37 (m, 2H), 7.88 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.43 (s, 1H), 4.04 (s, 2H), 3.64 (m, 2H), 3.26 (s, 3H), 2.31−2.27 (m, 2H), 2.14 − 1.90 (m, 2H), 1.35−1.31 (m, 2H).
(実施例1.5)
N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−5)
Figure 2017516836
ステップ1:エチル2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)アセテート
Figure 2017516836
DMSO(110mL)中の、エチル2,2−ジフルオロ−2−ヨードアセテート(5.5g、22mmol)と、2−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ピリジン(5.0g、22mmol)との溶液へと、Cu粉末(2.8g、44mmol)を添加した。混合物を、20時間にわたり、80℃へと加熱した。反応混合物を、セライトを介して濾過し、固体ケーキを、酢酸エチルで洗浄した。濾過物を、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル=100:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の液体(2.5g、42%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.93 (s, 1H), 8.13 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.39 (q, J =7.1 Hz, 2H), 1.34 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
ステップ2:2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エタノール
Figure 2017516836
エタノール(19mL)中の、エチル2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)アセテート(1.0g、3.7mmol)の溶液へと、NaBH(200mg、5.3mmol)を、ゆっくりと添加した。混合物を、rtで30分間にわたり撹拌した。撹拌された反応混合物を冷却し、1NのHClによりクエンチングし、濃縮し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、白色の固体(850mg)としての表題の化合物をもたらし、これを、さらなる精製を伴わずに、次のステップで使用した。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.92 (s, 1H), 8.13 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.28 (t, J = 12 Hz, 2H), 2.42 (s, 1H).
ステップ3:2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2017516836
無水エーテル(33mL)中の、2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エタノール(750mg、3.3mmol)と、DIPEA(2.0ml、9.9mmol)との溶液へと、TfO(1.1ml、6.6mmol)を、0℃で添加した。rtで1時間にわたり撹拌した後で、白色の懸濁液を、セライトを介して濾過した。固体物質を、エーテルで洗浄した。濾過物を濃縮し、シリカゲル(ヘキサン)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の液体(760mg、75%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.95 (s, 1H), 8.16 (d, J = 8.2, 1H), 7.91 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.14 (t, J = 11.8 Hz, 2H).
ステップ4:tert−ブチル−1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イルカルバメート
Figure 2017516836
DCM(20mL)中の、2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート(1.04g、2.9mmol)と、tert−ブチルピペリジン−4−イルカルバメート(1.16g、5.8mmol)と、DIPEA(1.5mL、8.7mmol)との混合物を、40℃へと加熱した。40℃で一晩にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮し、EtOAcで抽出した。有機層を、水および塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=5:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(1.05g、92%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1824の計算値:409.2;実測値:410.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.91 (s, 1H), 8.05 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.34 (brs, 1H), 3.39 (m, 1H), 3.22 (t, J = 14.2 Hz, 2H), 2.83−2.78 (m, 2H), 2.41−2.35 (m, 2H), 1.81−1.77 (m, 2H), 1.42 (s, 9H), 1.20−1.30 (m, 2H),
ステップ5:1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(8mL)中の、tert−ブチル1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)−ピペリジン−4−イルカルバメート(300mg、0.73mmol)の溶液へと、TFA(4.4mL)を、氷水浴温度で添加した。r.t.で15分間にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮した。濃縮物を、1NのNaOHで塩基性化させ、EtOAcで抽出した。有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、薄黄色の油(226mg)としての表題の化合物をもたらし、これを、次のステップで直接使用した。MS(ESI)による、C1316の計算値:309.1;実測値:310.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.92 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.22 (t, J = 14.1 Hz, 2H), 2.82−2.79 (m, 2H), 2.64 − 2.54 (m, 1H), 2.35−2.29 (m, 2H), 1.68−1.65 (m, 2H), 1.29 − 1.23 (m, 2H), 1.21−1.18 (m, 2H).
ステップ6:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
n−ブチルアルコール(3mL)中の、1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−アミン(226mg、0.73mmol)と、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(276mg、1.17mmol)と、DIPEA(0.35mL、1.95mmol)との混合物を、130℃へと加熱した。130℃で一晩にわたり撹拌した後で、反応混合物を濃縮し、EtOAcで抽出した。有機層を、水および塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(DCM/MeOH=25/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(105mg、2ステップ全体の収率34%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1818の計算値:427.2;実測値:428.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 9.01 (s, 1H), 8.32 (d, J = 8.3, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.08 (s, 1H), 2.97−2.92 (m, 2H), 2.51−2.46 (m, 2H), 1.96−1.91 (m, 2H), 1.56−1.48 (m, 2H).
(実施例1.5a)
(HCl塩):N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−5・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(3mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(100mg、0.234mmol)の溶液へと、HCl/MeOH(2M、0.13mL、0.234mmol)を、rtで添加した。10分間にわたり撹拌した後、混合物を濃縮して、明るい黄色の固体(113mg、100%)としての生成物をもたらした。MS(ESI)による、C1818の計算値:427.2;実測値:428.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 9.06 (s, 1H), 8.45 − 8.32 (m, 3H), 8.05 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.40 (s, 1H), 3.94 (s, 2H), 3.52−3.48 (m, 2H), 3.20−3.05 (m, 2H), 2.42−2.22 (m, 2H), 1.95−1.85 (m, 2H).
(実施例1.15)
N−(1−(2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−4−アミン(C−15)
Figure 2017516836
ステップ1:2−ブロモ−3,5−ジフルオロピリジン
Figure 2017516836
3,5−ジフルオロピリジン−2−アミン(2.0g、15mmol)を、0℃で撹拌しながら、48%のHBr溶液(10mL)へと、ゆっくりと添加した。次いで、結果として得られる混合物へと、0℃で、20分間かけて、Br(2.36mL、46mmol)を添加した。反応混合物を、−10℃へと冷却した。水(10mL)中のNaNO(2.65g、38mmol)の溶液を、1.5時間かけて添加し、混合物を、さらに30分間にわたり撹拌した。水(20mL)中のNaOH(5.5g、138mmol)の溶液を、30分間かけて添加し、混合物を、室温へと温めた。混合物を、エーテル(3×100mL)で抽出した。組み合わされた有機相を、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、薄黄色の固体(2.77g、92%)としての表題の化合物をもたらし、これを、さらなる精製を伴わずに、直接使用した。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.12 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.35 (dt, J=2.4 and 7.6 Hz, 1H).
ステップ2:エチル2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロアセテート
Figure 2017516836
DMSO(20mL)中の、2−ブロモ−3,5−ジフルオロピリジン(1.0g、5.2mmol)と、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.05g、5.16mmol)との溶液へと、Cu粉末(6.6g、10.3mmol)を添加した。混合物を、50℃で一晩にわたり撹拌した。反応混合物を、強く撹拌しながら、水(100mL)中の、二塩基性リン酸水素カリウム三水和物(10g、50mmol)の溶液へと注ぎ込んだ。懸濁液を濾過し、固体を、EtOAcですすいだ。濾過物を、塩水へと添加し、EtOAc(100mL×2)で抽出した。組み合わされた有機物を、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=50:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の油(890mg、73%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.35 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.44 − 7.31 (m, 1H), 4.42 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 6.8 Hz, 3H).
ステップ3:2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエタノール
Figure 2017516836
エタノール(20mL)中の、エチル2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロアセテート(800mg、3.37mmol)の溶液へと、NaBH(140mg、3.71mmol)を、0℃で、ゆっくりと添加した。混合物を、r.t.で1時間にわたり撹拌した。反応混合物を、1NのHClにより、氷水浴温度でクエンチングした。混合物を濃縮し、EtOAcで抽出した。有機層を、水および塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、白色の固体(535mg、81%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.33 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.38 (m, 1H), 4.27 (dt, J=7.6 and 12.4 Hz, 2H), 2.87 (t, J = 7.6 Hz, 1H).
ステップ4:2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2017516836
無水エーテル(25mL)中の、2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエタノール(485mg、2.49mmol)と、DIPEA(1.3mL、7.5mmol)との溶液へと、TfO(0.84mL、4.98mmol)を、0℃で、ゆっくりと添加した。反応混合物を、rtへと温めた。r.t.で15分後、懸濁液を、セライトを介して濾過し、固体を、エーテルで洗浄した。濾過物を濃縮して、薄黄色の油(1.1g、100%)としての表題の粗化合物をもたらし、これを、さらなる精製を伴わずに、直接使用した。
ステップ5:tert−ブチル(1−(2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−カルバメート
Figure 2017516836
DCM(15mL)中の、2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(1.1g、2.72mmol)と、tert−ブチルピペリジン−4−イルカルバメート(1.09g、5.44mmol)と、DIPEA(1.43mL、8.16mmol)との混合物を、40℃へと加熱した。40℃で一晩にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮し、EtOAcで抽出した。有機層を、水および塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=10:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(754mg、74%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1723の計算値:377.2;実測値:378.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.36 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.29 (m, 1H), 4.34 (s, 1H), 3.39 (s, 1H), 3.19 (t, J=14.4 Hz, 2H), 2.88−2.82 (m, 2H), 2.44 − 2.33 (m, 2H), 1.82−1.75 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.33 − 1.20 (m, 2H).
ステップ6:1−(2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(10mL)中の、tert−ブチル(1−(2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)カルバメート(750mg、1.99mmol)の溶液へと、TFA(5mL)を、氷水浴下で冷却しながら添加した。r.t.で15分間にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮した。濃縮物を、1NのNaOHで塩基性化させ、EtOAcで抽出した。有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、薄黄色の油(514mg、93%)としての表題の化合物をもたらし、これを、さらなる精製を伴わずに、直接使用した。MS(ESI)による、C1215の計算値:277.1;実測値:278.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.36 (s, 1H), 7.35 − 7.26 (m, 1H), 3.19 (t, J=14.4 Hz, 2H), 2.88−2.82 (m, 2H), 2.64−2.58 (m, 1H), 2.36−2.28 (m, 2H), 1.68−1.62 (m, 2H), 1.28−1.18 (m, 2H).
ステップ7:N−(1−(2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
i−PrOH(3mL)中の、1−(2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−アミン(150mg、0.54mmol)と、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(84mg、0.54mmol)と、DIPEA(0.19mL、1.1mmol)との混合物を、85℃へと加熱した。85℃で一晩にわたり撹拌した後で、反応溶液を濃縮し、EtOAcで抽出した。有機層を、水および塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=1/3)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(110mg、52%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1717の計算値:395.2;実測値:396.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.47 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.79−7.73 (m, 1H), 4.10 (brs, 1H), 3.28 (t, J=13.6Hz, 2H), 3.05−2.98 (m, 2H), 2.54−2.48 (m, 2H), 1.98−1.92 (m, 2H), 1.60−1.50 (m, 2H).
(実施例1.15a)
(HCl塩):N−(1−(2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−15・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(2mL)中の、N−(1−(2−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミジン−4−アミン(48.7mg、0.123mmol)の溶液へと、HCl/MeOH(2M、62μL、0.124mmol)を、rtで添加した。10分間にわたり撹拌した後、混合物を濃縮して、白色の固体(55.2mg、100%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1717の計算値:395.2;実測値:396.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.52 (s, 1H), 8.41 (s, 2H), 7.92−7.85 (m, 1H), 4.45−4.36 (m, 1H), 4.05−3.96 (m, 2H), 3.62−3.56 (m, 2H), 3.18−3.12 (m, 2H), 2.28−2.22 (m, 2H), 1.98−1.92 (m, 2H).
(実施例1.16)
N−(1−(2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−16)
Figure 2017516836
ステップ1:2−ブロモ−5−クロロ−3−フルオロピリジン
Figure 2017516836
5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−アミン(5.0g、34mmol)を、0℃で撹拌しながら、48%のHBr溶液(20mL)へと、ゆっくりと添加した。次いで、結果として得られる混合物へと、0℃で、20分間かけて、Br(5.24mL、102.3mmol)を添加した。反応混合物を、−10℃へと冷却した。水(20mL)中の、NaNO(5.88g、85.3mmol)の溶液を、1.5時間かけて添加し、混合物を、さらに30分間にわたり撹拌した。水(20mL)中の、NaOH(12g、306mmol)の溶液を、30分間かけて添加し、混合物を、室温へと温めた。混合物を、エーテル(3×100mL)で抽出した。組み合わされた有機相を、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、薄黄色の固体(6.43g、90%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.23 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 7.1, 2.1 Hz, 1H).
ステップ2:エチル2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロアセテート
Figure 2017516836
DMSO(40mL)中の、2−ブロモ−5−クロロ−3−フルオロピリジン(2.0g、9.5mmol)と、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.93g、9.5mmol)との溶液へと、Cu粉末(1.21g、19mmol)を添加した。混合物を、20時間にわたり、80℃へと加熱し、強く撹拌しながら、水(200mL)中の、二塩基性リン酸水素カリウム三水和物(21g、95mmol)の溶液へと注ぎ込んだ。反応混合物を、セライトを介して濾過し、固体ケーキを、酢酸エチルで洗浄した。濾過物を、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル=50:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の液体(2.08g、86%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、CClFNOの計算値:253.0;実測値:254.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.42 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 9.4, 1.8 Hz, 1H), 4.46 − 4.39 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.37 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
ステップ3:2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエタノール
Figure 2017516836
エタノール(40mL)中の、エチル2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロアセテート(2.1g、8.2mmol)の溶液へと、NaBH(341mg、9.02mmol)を、0℃で、ゆっくりと添加した。混合物を、室温で1時間にわたり撹拌した。撹拌された反応混合物を冷却し、1NのHClによりクエンチングし、濃縮し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、白色の固体(1.72g、99%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、CClFNOの計算値:211.0;実測値:212.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.40 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 9.5, 1.3 Hz, 1H), 4.26 (m, 2H).
ステップ4:2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2017516836
無水エーテル(45mL)中の、2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエタノール(1.0g、4.7mmol)と、DIPEA(2.5mL、14mmol)との溶液へと、TfO(1.6mL、9.5mmol)を、0℃で、ゆっくりと添加した。反応混合物を、rtへと温め、1時間にわたり撹拌した。橙色の懸濁液を、セライトを介して濾過し、固体を、エーテルで洗浄した。濾過物を濃縮して、薄黄色の油(1.65g、100%)としての表題の粗化合物をもたらした。化合物は、さらなる精製を伴わずに、次のステップで直接使用した。
ステップ5:tert−ブチル1−(2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イルカルバメート
Figure 2017516836
DCM(25mL)中の、2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(1.65g、4.7mmol)と、tert−ブチルピペリジン−4−イルカルバメート(1.92g、9.6mmol)と、DIPEA(2.5mL、14mmol)との混合物を、40℃へと加熱した。40℃で一晩にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮し、EtOAcで抽出した。有機層を、水および塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=10:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色の固体(1.64g、87%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1723ClFの計算値:393.1;実測値:394.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.43 (s, 1H), 7.54 (dd, J = 9.8, 1.8 Hz, 1H), 4.34 (s, 1H), 3.38 (s, 1H), 3.18 (t, 2H), 2.91 − 2.80 (m, 2H), 2.42−2.35 (m, 2H), 1.85−1.75 (m, 2H), 1.31 − 1.22 (m, 2H).
ステップ6:1−(2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(20mL)中の、tert−ブチル1−(2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イルカルバメート(1.64g、4.16mmol)の溶液へと、TFA(10mL)を、0℃で添加した。r.t.で15分間にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮した。濃縮物を、1NのNaOHで塩基性化させ、EtOAcで抽出した。有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、薄黄色の油(1.43g、100%)としての表題の粗化合物をもたらし、これを、さらなる精製を伴わずに、次のステップで直接使用した。MS(ESI)による、C1215ClFの計算値:293.1;実測値:294.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.43 (s, 1H), 7.54 (dd, J = 9.8, 1.7 Hz, 1H), 3.18 (t,J=14.4Hz, 2H), 2.88−2.84 (m, 2H), 2.66 − 2.54 (m, 1H), 2.36−2.28 (m, 2H), 1.70−1.64 (m, 2H), 1.29 − 1.15 (m, 2H).
ステップ7:N−(1−(2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
i−PrOH(3mL)中の、1−(2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−アミン(200mg、0.68mmol)と、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(88mg、0.57mmol)と、DIPEA(0.2mL、1.1mmol)との混合物を、85℃へと加熱した。85℃で一晩にわたり撹拌した後で、反応溶液を濃縮し、EtOAcで抽出した。有機層を、水および塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=1/3)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(96.5mg、35%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1717ClFの計算値:411.1;実測値:412.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.52 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.97 (dd, J = 10.3, 1.8 Hz, 1H), 4.15 − 4.04 (m, 1H), 3.27 (t, J=14.4 Hz, 2H), 3.10 − 2.98 (m, 2H), 2.51−2.45 (m, 2H), 1.98−1.92 (m, 2H), 1.61 − 1.46 (m, 2H).
(実施例1.16a)
(HCl塩):N−(1−(2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−16・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(1.5mL)中の、N−(1−(2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(96mg、0.23mmol)の溶液へと、HCl/MeOH(2M、0.12mL、0.23mmol)を、rtで添加した。10分間にわたり撹拌した後、混合物を濃縮して、白色の固体(104mg、100%)としての生成物をもたらした。MS(ESI)による、C1717ClFの計算値:411.1;実測値:412.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.57 (s, 1H), 8.40 (s, 2H), 8.07 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 4.37 (s, 1H), 3.90 (s, 2H), 3.50 (s, 2H), 3.11 (m, 2H), 2.20 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 1.88 (m, 2H).
(実施例1.17)
N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−17)
Figure 2017516836
ステップ1:エチル2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)アセテート
Figure 2017516836
DMSO(30mL)中の、2−ブロモ−3−フルオロ−5−メチルピリジン(1.8g、9.5mmol)と、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.8mL、14.2mmol)との溶液へと、銅粉末(1.2g、18.9mmol)を添加した。一晩にわたり50℃へと撹拌した後で、混合物を、EtOAcで希釈した。混合物を、水へと注ぎ込み、30分間にわたり撹拌した。懸濁液を、セライトのパッドを介して濾過した。有機相を、水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(1.6g、70%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.26 (s, 1H), 7.36 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.42 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.42 (s, 3H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
ステップ2:2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)エタノール
Figure 2017516836
エタノール(30mL)中の、エチル2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)アセテート(1.68g、7.22mmol)の溶液へと、NaBH(410mg、10.8mmol)を、室温で添加した。固体のNaBHを、徐々に溶解させて、透明な溶液を形成した。30分間にわたり撹拌した後で、反応混合物を、1Nの含水HClにより、0℃でクエンチングした。混合物を、EtOAcで抽出した。組み合わされた有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、白色の粉末(1.3g、100%)としての生成物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.22 (s, 1H), 7.39 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.32 − 4.20 (m, 2H), 3.45 − 3.35 (m, 1H), 2.43 (s, 3H).
ステップ3:2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2017516836
乾燥させたエーテル(5mL)中の、2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)エタノール(120mg、0.63mmol)と、DIPEA(0.15mL、0.95mmol)との溶液へと、TfO(0.15mL、0.76mmol)を、N雰囲気下、0℃で、滴下により添加した。1時間にわたり撹拌した後で、懸濁液を濾過し、濾過物を濃縮して、表題の粗化合物(200mg)をもたらし、これを、さらなる精製を伴わずに、次のステップで直接使用した。
ステップ4:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(5mL)中の、2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート(200mg、0.62mmol)と、N−(ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(230mg、0.76mmol)と、DIPEA(0.20mL、1.25mmol)との混合物を、40℃へと加熱した。一晩にわたり撹拌した後で、溶液を濃縮し、シリカゲル(100%のEtOAc)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の粉末(250mg、69%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C2328Oの計算値:475.2;実測値:476.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.37 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.30 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 5.94 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.15 − 4.07 (m, 1H), 3.83 − 3.75 (m, 1H), 3.71 − 3.61 (m, 2H), 3.25 (t, J = 14.4 Hz, 2H), 3.10 (q, J = 7.5 Hz, 1H), 3.03 − 2.94 (m, 2H), 2.58 − 2.48 (m, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.03 − 1.88 (m, 3H), 1.82 − 1.70 (m, 2H), 1.62 − 1.52 (m, 2H).
ステップ5:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
50%のDCM/MeOH(5mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)−エチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(380mg、0.8mmol)の溶液へと、エーテル中のHCl溶液を添加した。溶液は、白色の懸濁液へと急速に変化した。30℃で2時間にわたり撹拌した後で、THP基を、完全に除去した。懸濁液を濃縮し、DCM中および含水NaOH中へと分割した。有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。濃縮した物を、ヘキサン中に30%のEtOAcで洗浄して、白色の粉末(199mg、63%)としての遊離塩基をもたらした。MS(ESI)による、C1820の計算値:391.2;実測値:392.2[M+H]。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.30 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.59 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.15 − 4.01 (m, 1H), 3.24 (t, J = 14.4 Hz, 2H), 3.04 − 2.96 (m, 2H), 2.53 − 2.45 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.97 − 1.89 (m, 2H), 1.61 − 1.47 (m, 2H).
(実施例1.17a)
(HCl塩):N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−17・HCl)
Figure 2017516836
DCM/MeOH(1/1、10mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−メチルピリジン−2−イル)エチル)−ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(198mg、0.50mmol)の溶液へと、2.0Mのメタノール性HCl(0.25mL、0.50mmol)を添加した。30分間にわたり撹拌した後、溶液を濃縮して、薄褐色の粉末(215mg、100%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1820の計算値:391.2;実測値:392.2[M+H]。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.46 − 8.26 (m, 3H), 7.68 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.51 − 4.36 (m, 1H), 4.17 − 3.97 (m, 2H), 3.73 − 3.59 (m, 2H), 3.28 − 3.17 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.33 − 2.21 (m, 2H), 2.07 − 1.91 (m, 2H).
(実施例1.18)
N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−18)
Figure 2017516836
ステップ1:エチル2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)アセテート
Figure 2017516836
DMSO(20mL)中の、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.0g、4.8mmol)と、2−ブロモ−3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(1.1g、4.4mmol)との溶液へと、Cu粉末(568mg、8.8mmol)を添加した。混合物を、20時間にわたり、80℃へと加熱した。反応混合物を、セライトを介して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。酢酸エチル層を、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル=100:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の油(980mg、83%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.73 (s, 1H), 7.81 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.45 (q, J = 7.2Hz, 2H), 1.38 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
ステップ2:2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エタノール
Figure 2017516836
エタノール(20mL)中の、2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)アセテート(980mg、3.41mmol)の溶液へと、NaBH(194mg、5.12mmol)を、氷浴温度でゆっくりと添加し、混合物を、30分間にわたり撹拌した。反応混合物を、1NのHClによりクエンチングし、濃縮し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を、水および塩水で洗浄し、次いで、乾燥させ、濃縮して、白色の固体(780mg、93%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.72 (s, 1H), 7.84 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.30 (t, J =12.4 Hz, 2H), 2.86 (brs, 1H).
ステップ3:2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2017516836
乾燥させたエーテル(15ml)中の、2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エタノール(780mg、3.18mmol)と、DIPEA(1.6mL、9.6mmol)との溶液へと、TfO(0.9mL、6.36mmol)を、0℃で添加した。rtで1時間にわたり撹拌した後で、白色の懸濁液を、セライトを介して濾過し、濾過物質を、エーテルで洗浄した。濾過物を濃縮し、シリカゲル(ヘキサン)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の油(870mg)としての表題の化合物をもたらし、これを、次のステップのために直接使用した。
ステップ4:tert−ブチル1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)−ピペリジン−4−イルカルバメート
Figure 2017516836
DCM(20mL)中の、2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート(870mg)と、tert−ブチルピペリジン−4−イルメチルカルバメート(700mg、3.5mmol)と、DIPEA(1.06ml、6.38mmol)との混合物を、40℃へと加熱した。40℃で一晩にわたり撹拌した後で、混合物を、乾燥状態まで濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(870mg、64%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.73 (s, 1H), 7.74 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.35 (s, 1H), 3.39 (s, 1H), 3.22 (t, J = 14.0Hz, 2H), 2.85 − 2.88 (m, 2H), 2.39 (t, J = 10.0 Hz, 2H), 1.84−1.76 (m, 2H), 1.42 (s, 9H), 1.19−1.31 (m, 3H).
ステップ5:1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−エチル)ピペリジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(5ml)中の、tert−ブチル1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−エチル)ピペリジン−4−イルカルバメート(870mg、2.03mmol)の溶液へと、TFA(5ml)を、氷水浴下で添加した。rtで30分間にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮した。濃縮物を、1NのNaOHで塩基性化させ、酢酸エチルで抽出した。有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、オフホワイトの粉末(600mg、100%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.72 (s, 1H), 7.76 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.40 (s, 2H), 3.24 (t, J = 14.0 Hz, 2H), 2.98 − 2.95 (m, 3H), 2.35 (t, J = 11.2 Hz, 2H), 1.86−1.80 (m, 2H), 1.49−1.41 (m, 2H).
ステップ6:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
n−ブチルアルコール(5mL)中の、1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−アミン(320mg、0.95mmol)と、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(130mg、0.80mmol)と、DIPEA(0.3mL、1.7mmol)との混合物を、90℃へと加熱した。90℃で一晩にわたり撹拌した後で、橙色の溶液を濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(DCM/MeOH=30:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の粉末(190mg、47%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1817の計算値:445.2;実測値:446.7[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD)δ 8.84 (s, 1H), 8.21 (d, J = 10.4 Hz, 1H),8.19 (s ,1H), 8.08 (s, 1H), 4.11−4.05 (m, 1H), 3.38−3.35 (m, 2H), 3.05−2.95 (m, 2H), 2.52−2.45 (m, 2H), 1.95−1.88 (m, 2H), 1.45 − 1.53 (m, 2H).
(実施例1.18a)
(HCl塩):N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−エチル)−ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−18・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(3.0mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(120mg、0.27mmol)の溶液へと、HCl/MeOH(2M、0.14mL)を、rtで添加した。15分間にわたり撹拌した後、混合物を濃縮して、オフホワイトの粉末(127mg、98%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1821ClFの計算値:445.2;実測値:446.7[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.78 (s, 1H), 8.36 (brs, 1H), 8.35 (brs, 1H), 8.22 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.35−4.28 (m, 1H), 3.84−3.87 (m, 2H), 3.42 − 3.46 (m, 2H), 3.01−3.07 (m, 2H), 2.15−2.05 (m, 2H), 1.81−1.91 (m, 2H).
(実施例1.24)
N−(1−(2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−24)
Figure 2017516836
ステップ1:2−ブロモ−3,5−ジクロロピリジン
Figure 2017516836
40%の含水HBr(8mL)中の、3,5−ジクロロピリジン−2−アミン(1.0g、6.2mmol)の溶液へと、臭素(2.8g、17mmol)を、−20℃で、滴下により添加した。橙色の懸濁液を、−20℃で、2時間にわたり撹拌した後、−20℃で、含水NaNO(1.1g、17mmol)を添加した。このようにして得られた混合物を、雰囲気温度で、さらに2時間にわたり撹拌した。褐色の混合物を、30%の含水NaOHにより、0℃で、pH約12へと塩基性化させた。薄黄色の混合物を、エーテルで抽出した。組み合わされた有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、黄色の固体(730mg、52%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.27 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 2.3 Hz, 1H).
ステップ2:エチル2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロアセテート
Figure 2017516836
DMSO(10mL)中の、2−ブロモ−3,5−ジクロロピリジン(450mg、2.0mmol)と、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(0.40mL、1.5mmol)との溶液へと、銅粉末(250mg、4.0mmol)を添加した。このようにして得られた混合物を、90℃へと加熱し、一晩にわたり撹拌した。混合物を、水へと注ぎ込み、室温でさらに1時間にわたり撹拌した。最終的な懸濁液を、セライトのパッドを介して濾過し、濾過物質を、EtOAcで洗浄した。組み合わされた有機相を、水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、黄色の油(410mg、77%)としての表題の粗化合物をもたらした。
ステップ3:2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエタノール
Figure 2017516836
エタノール(10mL)中の、エチル2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロアセテート(600mg、2.2mmol)の溶液へと、NaBH(130mg、3.3mmol)を、室温で添加した。30分間にわたり撹拌した後、エステルを使い切り、混合物を、1Mの含水HClにより、氷浴温度でクエンチングした。混合物を、1Mの含水NaOHで塩基性化させ、EtOAcで抽出した。組み合わされたEtOAc相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=3/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(250mg、50%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.44 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.33 − 4.22 (m, 2H), 3.01 (t, J = 7.6 Hz, 1H).
ステップ4:2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2017516836
乾燥エーテル(5mL)中の、2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエタノール(250mg、1.1mmol)と、DIPEA(0.30mL、1.65mmol)との溶液へと、TfO(0.22mL、1.32mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、滴下により添加した。このようにして得られたピンク色の懸濁液を、室温で2時間にわたり撹拌した。アルコールを使い切った後で、懸濁液を、セライトのパッドを介して濾過した。濾過物を、真空中で濃縮し、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=4/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の油(210mg、53%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.45 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 5.19 (t, J = 12.1 Hz, 2H).
ステップ5:N−(1−(2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(5mL)中の、2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(210mg、0.55mmol)と、N−(ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(185mg、0.61mmol)と、DIPEA(0.15mL、0.84mmol)との溶液を、40℃へと加熱した。一晩にわたり撹拌した後で、混合物を、真空中で濃縮し、シリカゲル(100%のEtOAc)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の粉末(185mg、65%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C2225ClOの計算値:511.2;実測値:512.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.50 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.83 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 5.95 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.22 − 3.97 (m, 2H), 3.85 − 3.72 (m, 1H), 3.33 (t, J = 14.5 Hz, 2H), 3.07 − 2.94 (m, 2H), 2.62 − 2.48 (m, 3H), 2.10 (m, 1H) 2.05 (m, 2H), 1.89 (m, 1H), 1.83 − 1.70 (m, 2H), 1.59 − 1.43 (m, 2H), 1.30 (m, 2H).
ステップ6:N−(1−(2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(5mL)中の、N−(1−(2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(185mg、0.36mmol)の溶液へと、飽和HCl/EtO溶液(5mL)を添加した。室温で一晩にわたり撹拌した後で、懸濁液を、真空中で濃縮し、1Mの含水NaOHで塩基性化させた。塩基性の含水混合物を、DCMで抽出した。組み合わされたDCM相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、白色の粉末(120mg、79%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1717Clの計算値:427.1;実測値:428.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.48 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.05 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 4.04 − 3.92 (m, 1H), 3.31 − 3.22 (t, J= 14.4 Hz, 2H), 2.97 − 2.90 (m, 2H), 2.45 − 2.31 (m, 2H), 1.87 − 1.79 (m, 2H), 1.50 − 1.36 (m, 2H).
(実施例1.24a)
(HCl塩):N−(1−(2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−24・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(5mL)中の、N−(1−(2−(3,5−ジクロロピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロエチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(87mg、0.20mmol)の溶液へと、HClのメタノール溶液(0.1mL、2.0M、0.20mmol)を添加した。30分間にわたり撹拌した後、溶液を濃縮して、白色の粉末(92mg、98%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1717Clの計算値:427.1;実測値:428.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.66 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.50 − 8.37 (m, 2H), 8.30 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.55 − 4.40 (m, 1H), 4.28 − 4.09 (m, 2H), 3.82 − 3.66 (m, 2H), 3.32 − 3.22 (m, 2H), 2.37 − 2.24 (m, 2H), 2.12 − 1.96 (m, 2H).
(実施例1.33)
N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−33)
Figure 2017516836
ブチルアルコール(3ml)中の、1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−アミン(130mg、0.42mmol)と、4−クロロ−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(60mg、0.356mmol)と、DIPEA(0.14ml、0.84mmol)との混合物を、85℃へと加熱した。85℃で一晩にわたり撹拌した後で、橙色の溶液を濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(DCM/MeOH=30:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の粉末(98mg、62%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1920の計算値:441.2;実測値:442.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 9.01 (s, 1H), 8.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.25 − 4.11 (m, 1H), 3.29 − 3.36 (m, 2H), 2.60 (s, 3H), 2.55 − 2.44 (m, 2H), 1.98 − 1.83 (m, 2H), 1.68 − 1.52 (m, 2H).
(実施例1.33a)
(HCl塩):N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)−ピペリジン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−33・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(3.0ml)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(83mg、0.188mmol)の溶液へと、HCl/MeOH(2M、0.094ml、0.188mmol)を、rtで添加した。15分間にわたり撹拌した後、混合物を濃縮して、オフホワイトの粉末(89mg、100%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1920の計算値:441.2;実測値:442.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 9.07 (s, 1H), 8.48 − 8.37 (m, 2H), 8.06 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.58 (m, 1H), 3.98 (m, 2H), 3.64 − 3.50 (m, 2H), 3.19 − 3.04 (m, 2H), 2.77 (s, 3H), 2.25 − 2.14 (m, 2H), 2.14 − 2.00 (m, 2H).
(実施例1.127)
N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−127)
Figure 2017516836
ステップ1:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
i−PrOH中の、1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−アミン(309mg、1.0mmol)と、4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(200mg、0.84mmol)と、DIPEA(0.3mL、1.6mmol)との混合物を、85℃で一晩にわたり撹拌した。橙色の溶液を濃縮した。濃縮物を、EtOAcで抽出し、水で洗浄した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(160mg、38%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C2326の計算値:511.2;実測値:512.5[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.93 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.97−5.94 (m, 1H), 4.15 − 4.10 (m, 2H), 3.83 − 3.73 (m, 1H), 3.07(t, J=12.8 Hz, 2H), 2.84−2.81 (m, 2H), 2.61 − 2.48 (m, 3H), 2.15−2.10 (m, 1H), 2.04−2.00 (m, 2H), 1.95−1.92 (m, 1H), 1.81−1.73 (m, 2H), 1.52−1.47 (m, 2H).
ステップ2:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
MeOH(2.6mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(160mg、0.31mmol)の混合物へと、HCl/EtO(2M、2.6mL、0.31mmol)を、rtで添加した。4時間にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮し、1NのNaOHの溶液を添加した。混合物を、EtOAcで抽出し、水で洗浄した。有機層(oranic layer)を乾燥させ、濃縮して、白色の固体(130mg、98%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1818の計算値:427.15;実測値:428.4[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 12.75 (brs, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.05 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.34 (brs, 1H), 4.13−4.10 (m, 1H), 3.05 (t, J=13.2 Hz, 2H), 2.86−2.83 (m, 2H), 2.57−2.52 (m, 2H), 2.07−2.05 (m, 2H), 1.84−1.78 (m, 1H), 1.30 − 1.18 (m, 2H).
(実施例1.127a)
(HCl塩):N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−127・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(1.5mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(130mg、0.3mmol)の溶液へと、HCl/EtO(2M、0.15mL、0.30mmol)を添加した。15分間にわたり撹拌した後、混合物を濃縮して、オフホワイトの粉末(140mg、96%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1818の計算値:427.2;実測値:428.4[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 9.01 (s, 1H), 8.58−8.51 (m, 2H), 8.33 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.46 (s, 1H), 3.72−3.68 (m, 2H), 3.44 (s, 1H), 3.37 (s, 1H), 3.08−2.95 (m, 2H), 2.21−2.18 (m, 2H), 2.00−1.90 (m, 2H).
(実施例1.142)
N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(C−142)
Figure 2017516836
ステップ1:5−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ピリジン
Figure 2017516836
5NのHCl(70mL)中の、6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミン(9.96g、0.062mol)の溶液を、−5℃へと冷却し、30mLの水中の亜硝酸ナトリウム(6.39g、0.093mol)を、内部温度を5℃未満に維持しながら、滴下により添加した。10分後、30mLの水中のKI(22.5g、0.136mol)を、添加の経過にわたり、内部温度を10℃未満に維持しながら、−5℃で滴下により添加した。反応混合物を、rtへと温め、250mLのEtOAcを添加した。6NのNaOH 50mLを添加することにより、水性層のpHを、11へと調整し、層を分離し、有機層を、0.3MのNa 120mLで洗浄した。EtOAc層を濃縮し、濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=25/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(14.6g、87%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、CINの計算値:273.0;実測値:274.0[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.96 (s, 1H), 8.22 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.2 Hz, 1H).
ステップ2:エチル2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アセテート
Figure 2017516836
DMF(250mL)中の、5−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(14.5g、53.2mmol)と、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(10.8g、53.2mmol)との溶液へと、Cu粉末(6.76g、106.4mmol)を添加した。混合物を、20時間にわたり、80℃へと加熱した。20時間後、反応混合物を、強く撹拌しながら、水(1500mL)中の、二塩基性リン酸水素カリウム三水和物(121g、532mmol)の溶液へと注ぎ込んだ。懸濁液を濾過し、固体を、エーテルですすいだ。濾過物を、塩水へと添加し、エーテル(2回にわたり)で抽出した。組み合わされた有機物を、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=50:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の液体(8.96g、63%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C10NOの計算値:269.2;実測値:270.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.98 (s, 1H), 8.14 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.34 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
ステップ3:2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エタノール
Figure 2017516836
エタノール(165mL)中の、エチル2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)アセテート(8.86g、32.9mmol)の溶液へと、NaBH(1.79g、47.4mmol)を、rtで、ゆっくりと添加した。混合物を、rtで30分間にわたり撹拌した。30分後、反応混合物を、1NのHClにより、氷水浴温度でクエンチングした。混合物を濃縮し、EtOAcで抽出した。EtOAc層を、水および塩水で洗浄し、次いで、乾燥させ、濃縮して、白色の固体(6.13g、82%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、CNOの計算値:227.0;実測値:228.2[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.91 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.06 (td, J = 12.4, 7.0 Hz, 2H), 2.16 (t, J = 7.0 Hz, 1H).
ステップ4:2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2017516836
乾燥エーテル(44ml)中の、2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エタノール(1.0g、4.4mmol)と、DIPEA(2.39ml、13.2mmol)との溶液へと、TfO(1.48ml、8.8mmol)を、0℃で添加した。rtで1時間にわたり撹拌した後で、橙色の懸濁液を、セライトを介して濾過し、濾過物質を、エーテルで洗浄した。濾過物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色の固体(1.47g、93%)としての表題の化合物をもたらした。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.92 (s, 1H), 8.07 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.78 (t, J = 11.2 Hz, 2H).
ステップ5:tert−ブチル1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル−カルバメート
Figure 2017516836
DCM(20ml)中の、2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチルトリフルオロメタンスルホネート(1.46g、4.07mmol)と、tert−ブチルピペリジン−4−イルカルバメート(1.63g、8.13mmol)と、DIPEA(2.2ml、12.2mmol)との混合物を、40℃へと加熱した。40℃で一晩にわたり撹拌した後で、混合物を、乾燥状態まで濃縮した。濃縮物を、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=10/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(1.37g、83%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1824の計算値:409.2;実測値:410.4[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.89 (s, 1H), 8.01 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.37 (s, 1H), 3.40 (s, 1H), 2.97 (t, J = 13.2 Hz, 2H), 2.72 (m, 2H), 2.38 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.36 − 1.23 (m, 2H).
ステップ6:1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−アミン
Figure 2017516836
DCM(16ml)中の、tert−ブチル1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)−ピペリジン−4−イルカルバメート(1.36g、3.32mmol)の溶液へと、TFA(8ml)を、氷水浴温度で添加した。rtで30分間にわたり撹拌した後で、出発材料を使い切り、混合物を濃縮した。濃縮物を、1MのNaOHで塩基性化させ、EtOAcで抽出した。有機相を、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、白色の固体(1.0g、100%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1316の計算値:309.1;実測値:310.3[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.92 (s, 1H), 8.24 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.16 (t, J = 13.5 Hz, 2H), 3.06 − 2.94 (m, 1H), 2.87 (m, 2H), 2.43 (m, 2H), 1.88 (m, 2H), 1.50 (m, 2H), 1.33 (m, 2H).
ステップ7:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−3−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
i−PrOH(4mL)中の、1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−アミン(300mg、0.97mmol)の溶液へと、4−クロロ−3−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(204mg、0.81mmol)と、DIPEA(0.28ml、1.62mmol)とを、窒素下で添加した。混合物を、一晩にわたり、85℃へと加熱した。溶液を濃縮し、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc=2/1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体(366mg、86%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C2428Oの計算値:525.2;実測値:526.6[M+H]。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.95 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.90−5.85 (m, 1H), 4.98 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.26 − 4.16 (m, 1H), 3.84 − 3.72 (m, 1H), 3.03 (t, J=13.2Hz, 2H), 2.84−2.78 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.58 − 2.47 (m, 3H), 2.10−2.00 (m, 3H), 1.88−1.82 (m, 1H), 1.81 − 1.70 (m, 2H), 1.50−1.45 (m, 3H).
ステップ8:N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
Figure 2017516836
MeOH(25mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−3−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(366mg、0.70mmol)の溶液へと、HCl/EtO(2M、10mL)を、rtで添加した。4時間にわたり撹拌した後で、混合物を濃縮し、EtOAc中に取り込んだ。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウムおよび塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、低圧下で濃縮して、白色の固体(279mg、98%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1920の計算値:441.2;実測値:442.5[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.96 (s, 1H), 8.26 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.95 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.25 − 4.15 (m, 1H), 3.17 (t, J=13.6 Hz, 2H), 2.95−2.86 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.55−2.46 (m, 2H), 1.96−1.90 (m, 2H), 1.72−1.62 (m, 2H).
(実施例1.142a)
(HCl塩):N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)−ピペリジン−4−イル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンヒドロクロリド(C−142・HCl)
Figure 2017516836
MeOH(3.0mL)中の、N−(1−(2,2−ジフルオロ−2−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)エチル)ピペリジン−4−イル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(265mg、0.60mmol)の溶液へと、HCl/EtO(2M、0.30mL、0.60mmol)を、rtで添加した。15分間にわたり撹拌した後、混合物を濃縮して、白色の固体(289mg、100%)としての表題の化合物をもたらした。MS(ESI)による、C1920の計算値:441.2;実測値:442.5[M+H]。H NMR (400 MHz, CDOD) δ 8.85 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.15 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.26 (brs, 1H), 3.16 (m, 2H), 2.92−2.88 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.55−2.48 (m, 2H), 1.90−1.86 (m, 2H), 1.75−1.68 (m, 2H).
(実施例2)
アッセイ
(実施例2.1)
NR2Bアンタゴニスト活性
クローニングされたヒトNR1/NR2BおよびヒトNR1/NR2Aのそれぞれを安定的に発現させるHEK293細胞系を、既に記載されている標準的な方法(Hansenら、Comb.Chem High Throughput Screen.、11巻:304頁、2008年)に従い確立した。これらの細胞における、アゴニストとしてのグルタミン酸およびコアゴニストであるグリシンによる、NMDA受容体のNR2AまたはNR2Bサブタイプの活性化は、カルシウムの流入を結果としてもたらし、これは、蛍光インジケーターであるFluo−4によりモニタリングすることができる。蛍光の変化を測定することにより、化合物の、NR2A受容体およびNR2B受容体に対する効果を査定する、細胞ベースのアッセイが実装されている(Hansenら、Comb.Chem High Throughput Screen.、11巻:304頁、2008年)。
NR2A受容体またはNR2B受容体を安定的に発現させるHEK293細胞は、加湿型COインキュベーター内の、10%のウシ胎仔血清(FBS)(Hyclone)、10μMのMK801(Sigma−Aldrich)、および50μMのAP−5(Tocris)を補充したDMEM中、37℃で培養した。実験のために、細胞は、ポリ−D−リシンでコーティングされた96ウェル黒クリアボトムプレート(Corning)へと、ウェル1つ当たりの細胞約50,000個の密度で播種した。一晩にわたる培養の後で、増殖培地を、ウェルから除去し、細胞を、4μMのfluo−4−AM(Invitrogen)、および0.1%のウシ血清アルブミン(BSA)を含有するハンクス緩衝液中、37℃で60分間にわたりインキュベートした。色素ローディングの後で、細胞を、ハンクス緩衝液で3回にわたり洗浄し、0.1%のBSAを伴うハンクス緩衝液中で調製された、多様な濃度の被験化合物と共に、室温で10分間にわたりインキュベートした。細胞プレートを、FDSS μCell蛍光リーダー(浜松ホトニクス株式会社)上に置いた。20秒間の、バックグラウンド蛍光の読取り後、最終濃度を100μMとするアゴニストであるグルタミン酸と、最終濃度を50μMとするコアゴニストのグリシンとを、細胞へと添加して、受容体を活性化させ、結果として得られる蛍光変化を記録し、定量化した。蛍光強度の変化に基づき、被験化合物の薬理学的効果を解析し、Prism(Graphpad,Inc)を使用する、非線形最小二乗法による、濃度依存的な応答の、標準的なロジスティック式:
振幅=振幅の最大値/(1+(IC50/[アンタゴニスト])
への当てはめから、IC50値を導出した。結果を、下記の表に示す。
Figure 2017516836
(実施例2.2)
hERGチャネルの阻害
アッセイは、HEK293細胞内で安定的に発現させたhERGチャネルに対して実施した。細胞は、加湿型COインキュベーター内のDMEM、10%のウシ胎仔血清、および抗生剤からなる増殖培地中、37℃で培養した。アッセイの前に、細胞を、12mmのPDLでコーティングされたガラス製のカバースリップ上に播種し、35mmのペトリディッシュ内で培養した。16〜40時間の培養後、カバースリップを、OctaFlow潅流システム(ALA Instrument)のチャンバー内の、細胞外溶液(140mMのNaCl、4MのKCl、1mMのMgCl、1mMのCaCl、10mMのHEPES、10mMのD−グルコース、pH7.35、容積モル浸透圧濃度を290とする)の一定の流動下に移した。全細胞パッチクランプ法を、細胞内溶液(120mMのKCl、1.75mMのMgCl、10mMのHEPES、10mMのEGTA、および4mMのATP−K、PH7.2、容積モル浸透圧濃度を300とする)で満たされた、ガラス製のマイクロピペットにより実施した。試験中は、ギガ絶縁を維持した。電圧制御および電流測定は、Axon amplifier 700B、Digidata 1440A、およびCLAMPEX10ソフトウェア(Molecular Devices)を使用して実行した。全細胞hERG電流は、ペトロスキープロトコールに従い記録した:細胞は、−80mVで保持し、−40mVで20ミリ秒のプレパルスを伴う電圧ステップで−80mVから30mVへと急上昇させ、2秒間にわたり維持した。脱分極後、電圧を、−40mVへと降下させ、2秒間にわたり維持し、−80mVへと戻した。被験化合物は、石英毛細管の先端(200μmの内径)で適用し、流量は、OctaFlow潅流システムで、2〜3ml/分に制御した。異なる濃度の化合物を、細胞へと、5分間にわたり適用し、hERG電流を、化合物による処置の前、処置の間、および処置の後において、3回にわたり測定した。データは、Clampfit10ソフトウェア(Molecular Devices)を使用して解析した。結果を、下記の表に示す。
Figure 2017516836
(実施例2.3)
CYP P450酵素の阻害
被験化合物の、CYP P450の5つの主要なアイソフォームに対する阻害活性は、プールされたヒト肝臓ミクロソーム(HLM、BD Gentestから購入した)と、これらのアイソフォームのための選択性基質とを使用することにより査定した。これらのCYPアイソフォームおよびそれらの対応するプローブ基質は、以下:CYP1A2(フェナセチン、30μM)、CYP2C9(トルブタミド(tolutamide)、100μM)、CYP2C19(S−メフェニトイン、40μM)、CYP2D6(デキストロメトルファン、5μM)、およびCYP3A4(ミダゾラム、1μM)の通りである。全てのプローブ基質は、それらのKmsの近傍またはKmsを下回る濃度で使用した。実験のために、10uMの被験化合物または系列希釈液中の被験化合物、上記で記載したCYPプローブ基質、およびpH7.4のリン酸塩緩衝液中でプールされた0.2mg/mLのHLMによる反応混合物であって、最終的な容量を200μLとする反応混合物を、37℃で10分間にわたり、三連でプレインキュベートした。反応は、最終濃度を1mMとするNADPHを添加することにより開始させた。反応は、10分後(CYP1A2、CYP2D6およびCYP3A4)、または30分後(CYP2C9およびCYP2C19)に、内部標準物質(IS)を伴う100μL氷冷アセトニトリルを添加することにより終了させた。次いで、試料を、13,000rpmで遠心分離し、上清を、LC−MS/MS(Agilent Technologies)へと注入して、個別のCYP450アイソフォームにより形成されたプローブ基質の特異的な代謝物の濃度を定量化した。阻害比は、
(M−M)/Mwater×100%
[式中、MおよびMが、被験化合物の存在下で、反応の始点および終点において、個別のCYP450アイソフォームにより形成された、特異的なプローブ基質の代謝物の濃度を表すのに対し、Mwaterは、被験化合物の非存在下で、反応の終点における、特異的な代謝物の濃度を表す]として計算する。データは、平均値±SD(n=3)として提示する。被験化合物の、特異的なCYP450アイソフォームに対する活性を滴定するために、濃度依存的な応答をプロットし、IC50値を計算した。結果を、下記の表に示す。
Figure 2017516836
(実施例2.4)
強制水泳試験
強制水泳試験を使用して、抗うつ活性を査定した(Porsoltら、1977年、Arch. Int. Pharmacodyn.、229巻:327〜336頁)。そこから逃れられない状況下で泳ぐことを強制されたマウスは、急に動かなくなる。イミプラミンなど、抗うつ活性を伴う薬物は、不動状態で費やされる時間の長さを短縮する。したがって、薬物投与の後で実行される試験中の不動時間の長さは、抗うつ活性の有用な指標を表す(Luckiら、2001年、Psychopharmacology、155巻:315〜322頁)。
体重25〜35gの雄マウス(NLMN株)を、試験に使用した。全ての動物は、温度(22〜24℃)および湿度(50〜60%)を制御した環境であって、飼料および水へのアクセスを自由とし、明暗周期を12時間とする環境で飼育した。被験化合物を、水中の、0.5%のジメチルスルホキシド、4%のヒドロキシプロピル−b−シクロデキストリン中に溶解させて、適切な投与溶液を作製した。薬物は、1kg当たりの投与容量を10mLとする腹腔内注射により投与した。試験は、投与の20〜60分後に開始させた。抗うつ活性についての試験は、Darciら(Darciら、2004年、Eur. J. Pharmacol.、499巻:135〜146頁)により記載されている通りに実行した。マウスを、高さを20cmとし、直径を21cmとする、白色のプラスチック製の円筒であって、水位を10cmとする、25±2℃の水を含有する円筒内に入れた。マウスを、6分間にわたり録画し、録画のうちの最後の4分間を、オフラインの盲検観察者が解析した。観察者は、動物が、全ての活動(もがくこと、泳ぐこと、飛び跳ねることなど)をやめ、水の上に受動的に浮揚した時点で、動かなくなったと判定した。各動物が不動状態で費やした時間の長さを記録し、化合物の効果についての統計学的解析のために使用した。群間差は、スチューデントのt検定、または一元ANOVAに続く、ダネットの事後検定により査定した。
実施例2.4.1、および2.4.2のいずれにおいても、陽性対照化合物であるイミプラミン(1kg当たり32mg、IP)は、予測される抗うつ活性を示した(図1および2を参照されたい)。これらの結果は、提供される化合物は、ヒトうつ病についての標準的なモデルで調べると、抗うつ活性を呈示することを指し示す。
(実施例2.4.1)
化合物C−5
化合物C−5は、不動を、ビヒクル群で観察される188±6.6秒間から、それぞれ、1kg当たり3mg(n=10、p<0.05)および1kg当たり10mg(n=9、p<0.01)で処置された群において観察される、111±18.3および89±14.4秒間へと、著明に短縮させた。結果を、図1に示す(図中、C−5を、「実施例5」と表示する):バーは、各投与群についての不動時間の平均値±SEM(n=10、*****:それぞれ、一元ANOVA、ダネットの事後検定によるp<0.001/0.01のときに、ビヒクル群と異なる)を表す。用量は、1キログラム当たりのミリグラム(mpk)として施す。イミプラミンの用量は、32mpkであった。
(実施例2.4.2)
化合物C−18
化合物C−18は、強制水泳試験において、1kg当たり10mgで投与したところ、IP投与の20分後に有効であった(不動時間=ビヒクル群における175±14秒間と対比した97±16秒間、n=10、p<0.01)。結果を、図2に示す(図中、C−18を、「実施例18」と表示する):バーは、各研究群についての不動時間の平均値±SEM(n=10、*****:それぞれ、一元ANOVA、ダネットの事後検定によるp<0.001/0.01のときに、ビヒクル群と異なる)を表す。用量は、1キログラム当たりのミリグラム(mpk)として施す。イミプラミンの用量は、32mpkであった。

Claims (38)

  1. 式I:
    Figure 2017516836
    [式中、
    YおよびZのうちの一方は、Nであり、他方は、C(R)であり;
    Xは、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、−CN、−SR、−S(O)、−NO、または−N(R)(R)であり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜6個のフッ素原子により置換されており、前記C〜Cアルコキシは、任意選択で、1〜6個のフッ素原子により置換されており;
    は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−CN、−NO、−N(R)(R)、−CO、−C(O)N(R)(R)、またはC〜Cシクロアルキルであり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており、前記C〜Cアルコキシは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており;
    は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、シクロプロピル、またはC〜Cアルコキシであり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており、前記C〜Cアルコキシは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており;
    は、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHであり;
    は、水素、−F、−Cl、C〜Cアルキル、またはシクロプロピルであり、ここで、前記C〜Cアルキルは、任意選択で、1〜3個のフッ素原子により置換されており;
    は、水素または−CHであり;
    は、水素、−Fまたは−CHであり;
    の各場合は、独立に、C〜Cアルキルであり;
    の各場合は、独立に、水素、またはC〜Cアルキルである]
    の化学的実体。
  2. 式(II):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  3. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである、
    請求項2に記載の化学的実体。
  4. 式(IIa):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  5. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである、
    請求項4に記載の化学的実体。
  6. 式(III):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  7. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである、
    請求項6に記載の化学的実体。
  8. 式(IIIa):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  9. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである、
    請求項8に記載の化学的実体。
  10. 式(IIIb):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  11. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである、
    請求項10に記載の化学的実体。
  12. 式(IV):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  13. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである、
    請求項12に記載の化学的実体。
  14. 式(IVa):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  15. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである、
    請求項14に記載の化学的実体。
  16. 式(IVb):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  17. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルである、
    請求項16に記載の化学的実体。
  18. 式(V):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  19. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである、
    請求項18に記載の化学的実体。
  20. 式(Va):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  21. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである、
    請求項20に記載の化学的実体。
  22. 式(VI):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  23. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである、
    請求項22に記載の化学的実体。
  24. 式(VIa):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  25. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである、
    請求項24に記載の化学的実体。
  26. 式(VIb):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  27. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである、
    請求項26に記載の化学的実体。
  28. 式(VII):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  29. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、−CN、−NO、−COCH、−COCHCH、−C(O)N(CH、−C(O)NH(CH)、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CF、または−OCHである、
    請求項28に記載の化学的実体。
  30. 式(VIIa):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  31. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである、
    請求項30に記載の化学的実体。
  32. 式(VIIb):
    Figure 2017516836
    の化学的実体である、請求項1に記載の化学的実体。
  33. Xが、水素、−CN、−SCH、−SOCH、−SOCF、−NO、−N(CH、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CH(CF、−CHCFCF、−OCH、−OCF、−OCHF、−OCFH、またはシクロプロピルであり;
    が、水素、−F、−Cl、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CF、シクロプロピル、−OCH、−OCF、−OCHF、または−OCFHである、
    請求項32に記載の化学的実体。
  34. 請求項1から33のいずれか一項に記載の化学的実体と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  35. 経口投与に適する、請求項34に記載の医薬組成物。
  36. NR2Bアンタゴニズムに応答性である疾患または障害の処置をその処置を必要とする対象において行う方法であって、有効量の、請求項1から33のいずれか一項に記載の化学的実体を投与するステップを含む方法。
  37. 前記疾患または障害が、うつ病、疼痛、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、脳虚血、外傷性脳損傷、てんかん、または片頭痛である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記疾患または障害が、うつ病である、請求項36に記載の方法。
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