JP2017500182A - ナノ粒子の効率的捕集 - Google Patents

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Abstract

RESSプロセスにより生成したナノ粒子を捕集するために使用できる改善された処理技術を開示する。伝統的捕集プロセスに比べて捕集効率がほとんど1桁上昇する。あるプロセスはいずれの安定化固体共溶媒をも利用しないが、安定化相として超臨界溶媒自体(例えばCO2)を用いて同様の効果をもたらす。均一のサイズ分布を有する極小粒子(直径<10nm)及びその粒子懸濁液を生成することができる。【選択図】図1

Description

関連出願との相互参照
この出願は、その言及内容全体をここに援用する2013年10月10日に出願された米国仮出願第61/889,275号の優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、一般的に小粒子の合成及び捕集に関する。詳細には、実施形態はナノ粒子の捕集に関する。
背景
超臨界溶液の急速膨張法(Rapid expansion of supercritical solutions)(RESS)は、均一のサイズ分布を有するナノ粒子の合成に魅力的な技術である。この方法は、サブミクロンサイズの薬物粒子を得るのに望ましい医薬用途で大きな注目を集めた。この方法では、不揮発性溶質の超臨界溶液を小オリフィスを通して膨張させ、結果として小さい単分散粒子の形で溶質を急速沈殿させる。極端に高い過飽和の形成のため、均質な核化を経て沈殿が進行し、超微細粒子をもたらす。実際に、RESSプロセスのモデリング研究は、流体膨張ゾーンが生じた時に5〜25nmのサイズ範囲のナノ粒子が形成されると予測する。しかしながら、2〜3の報告以外は、報告された最終粒子サイズは典型的に認識できるほど大きく、およそ500nm〜10,000nm(0.5〜10μm)である。多くの用途では、500nmよりずっと小さい粒径を有することが望ましい。例えば、医薬品用途では、300nmより顕著に小さいサイズが好ましい(Seki J, Sonoke S, Saheki A, et al. A nanometer lipid emulsion, lipid nano-sphere (LNS), as a parenteral drug carrier for passive drug targeting. Int J Pharm. 2004;273:75-83)。RESS技術の最大の可能性を実現するためには、下流で起こる粒子成長プロセスを最小限にする必要があり、気体ストリームからナノ粒子を回収するための効率的手段を工夫する必要がある。
膨張媒体中での粒子の形成後に粒子表面を不動態化することによって粒子成長を抑制するためにいくつかの方法が提案されている。その方法の1つは、超臨界溶液の液体溶媒への急速膨張(rapid expansion of a supercritical solution into a liquid solvent)(RESOLV)、又は水溶液へのRESS(RESS-AS)として知られ、多くの場合、粒子の凝集を抑制する界面活性剤及び安定剤を含有する液状媒体にナノ粒子を捕集することを伴う。特に複合粒子を生成するためには、不動態化溶質の存在下での粒子の共沈殿も利用されている。最近、Guptaらは、膨張ゾーンにおける粒子凝集の問題を克服する修正RESSプロセスを導入した。RESS-SCとして知られるこのプロセスでは、固体共溶媒(solid co-solvent)(SC)、すなわちメントールを使用する。超臨界溶液における有機化合物の溶解度を高めることに加えて、粒子をコーティングすることによって膨張ゾーン内での粒子の成長をも抑制する。
材料の形態が有用性の制限因子である多くの用途が存在する。例えば、医薬品業界では、不十分な溶解性、ひいてはバイオアベイラビリティ低下の現象が新薬開発に及ぼす主要な悪影響であることはよく認識されている。この問題は、経口と非経口の両薬物送達基盤を苦しめる。バイオ分類システム(Bio Classification System)(BCS)によれば、クラス2及び4分類下では、ニューケミカルエンティティ(New Chemical Entities)の大部分が不十分な水溶性とバイオアベイラビリティに悩まされる。特定のクラス3薬物では、この問題は、有機媒体にも不十分な溶解性によってさらに複雑になる。バイオアベイラビリティ低下につながる不十分な溶解性の背景にある主な理由は、これらの系に伴う溶解速度の顕著な低減である。溶解性に加えて、固体粒子の溶解速度に影響する他の重要な因子は、それらの晶癖及び結晶構造である。今まで、選択された薬物分子については、「純粋の(neat)」固体薬物粒子の晶癖及び結晶構造を操作するために実行可能な選択肢はほとんどない。固体粒子の溶解性、ひいては溶解速度は、サイズが小さくなるにつれて有意に上昇することは科学的に確立されている。薬物粒径の精密制御は、より効率的な標的薬物送達をもたらし、より小さい粒径は、溶解速度上昇及び薬物吸収速度向上につながる。このことが、順次、薬物のバイオアベイラビリティを高め、薬用量を少なくし、制御放出を向上させる。この10年ほどで、数名の研究者が、広いサイズ範囲にわたる薬物粒子をそれらの生物学的有効性に悪影響を与えることなく生成できる微粒子化(micronization)と名付けられたナノプロセス基盤の創製に成功した。不十分な水溶性の薬物の粒径減少のためには種々の伝統的微粒子化戦略、すなわち、製粉、研磨、粉砕、凍結乾燥等が適用されてきた。これらの伝統的手法は、熱的及び化学的分解、制御レベルの欠如、大量の溶媒消費、溶媒廃棄問題、毒性溶媒の残存レベル及び広い粒径分布等の多くの欠点を伴う。同様に、ポリマー粒子内に薬物を被包するために適用される処理戦略、すなわち相分離、噴霧乾燥及び二重エマルション技術は同問題に悩まされる。微粒子化に加えて、薬物送達のために成功したナノプロセス基盤は、合成(シリカ、ポリマー、ゲル)及び天然(脂質、タンパク質、オリゴ糖)下に広く分類することができた。これらの基盤の多くは薬物送達分野にユニークな利点をもたらすが、プロセスにおいて薬物に他の外来分子の添加を必要としない解決策に対する特定の魅力が未だに残っている。理想的解決策は、経口又は非経口薬物送達プロセス中に、容易に分子に解離するであろう弱いファンデルワールス力によって結合している数個の分子のクラスターまでそれらのサイズを小さくすることによって、溶解速度の問題を全く排除するであろう。さらに詳細には、今までのところ、高収率で、10nmより有意に小さい薬物ナノ粒子の開発及び捕集は、理解しづらいままだった。以前に、Helfgen et al. (B. Helfgen, P. Hils, Ch. Holzknecht, M. Turk, K. Schaber, Aerosol Science, 2001, 32, 295-319)によって、2〜8の範囲の粒径をモデル化して理論的計算が行なわれたが、彼らのセットアップでは、60μmの直径と350μmの長さのキャピラリノズルを通して膨張が起こる。モデル化合物はコレステロールであり、プロセス条件は、T=350〜420K(77〜147℃)及びP=130バールである。2〜8nmの予測粒径は、膨張のマッハディスクに対して、かつ下流で粒子成長プロセスが存在しない場合に妥当なだけである。
概要
一実施形態は、興味ある化合物の超臨界溶液を超音速でキャピラリを通して膨張させる工程を含むプロセスに関する。このプロセスは、気体媒質中に分散したナノ粒子のストリームを生成する工程をさらに含む。ナノ粒子のストリームは、液体冷却剤によりもたらされる外部冷却の適用によって少なくとも部分的に気体分散媒質の凝固点未満に冷却される。ナノ粒子は、気体から固体への相変化によって固体マトリックス内に捕獲される。
別の実施形態は、その上に命令を有する非一時的コンピュータ可読メモリに関する。これらの命令は下記:興味ある化合物の超臨界溶液を気体中に分散したナノ粒子の噴流を通して膨張させるための命令;液体冷却剤によりもたらされる外部冷却の適用によって少なくとも部分的に気体分散媒質の昇華点未満に超微細粒子の噴流を冷却するための命令を含む。ナノ粒子は、気体から固体への相変化によって固体マトリックス内に捕獲される。
別の実施形態は、ナノ粒子を捕集するためのシステムに関する。フィードシステムが興味ある化合物を供給する。ポンプ、冷却浴、熱交換器を有するフィード冷却システムが含められる。フィード冷却システムは、興味ある化合物の超臨界溶液を高圧容器に供給する。高圧容器は、ピストンヘッドによって配合チャンバと制御チャンバに分割されている。冷却剤容器がキャピラリチューブを介して高圧容器と連通している。
以下の詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲の考察から本開示のさらなる特徴、利点、及び実施形態を明記することができる。さらに、当然のことながら、本開示の前述の概要も下記詳細な説明も例示であり、請求する本開示の範囲をさらに制限することなくさらなる説明を提供する意図である。
下記説明を添付図面と共に参照することによって、本開示の前述及び他の目的、態様、特徴、及び利点がさらに明らかになり、よく理解できるであろう。
テフロン(登録商標)(Teflon)-AFの分子構造を示す。 開示プロセスを模式化する概略図である。 ナノ粒子の種々の捕獲方法間の比較を示す棒グラフである。 記載プロセスを利用して得たテフロン(登録商標)-AFナノ粒子サンプルのSEM画像である。 本発明の実施形態を用いて捕集した粒子(〜10nm)の電子顕微鏡写真である。 特定実施形態で使用するためのコンピュータシステムを示す。 一実施形態の粒子サイズ及び分布を示すヒストグラムである。 計装化押込み試験(instrumented Indentation Testing)装置を示す。 Berkovich圧子を示す。 ドロップキャストエマルション(drop casted emulsion)テフロン(登録商標)-AFのフリーのナノシートのSEM顕微鏡写真を示し、A、BはTEMグリッド上であり、Cはシリコン上であり、Dはエマルションテフロン(登録商標)-AF薄膜の分子の積重ねを示す。 ドロップキャストエマルションテフロン(登録商標)-AFのXRD回折パターンを示す。 シリコン基板上にドロップキャストした乳化テフロン(登録商標)-AFのAFM画像を示し、タッピングモードのトポグラフィである。 図11Bに示す分子鎖の高さプロファイルを示す。 エマルションテフロン(登録商標)-AF薄膜の低深押込みの種々の侵入深さの荷重-変位曲線を示す。 エマルションテフロン(登録商標)-AF薄膜及び非被覆シリコン基板の高深押込みの種々の侵入深さの荷重-変位曲線を示す。 Aは、エマルションからドロップキャストしたテフロン(登録商標)-AFの非弾性挙動を示し、Bは、NovecTM溶液からドロップキャストしたドロップキャストテフロン(登録商標)-AFの弾性挙動を示す。 負荷の低深押込みを示す。 除荷の低深押込みを示す。 溶液キャストテフロン(登録商標)-AF薄膜の侵入深さを示す。 負荷時間に応じて異なるエマルションテフロン(登録商標)-AF薄膜の滑り挙動を示し、10秒の場合である。 負荷時間に応じて異なるエマルションテフロン(登録商標)-AF薄膜の滑り挙動を示し、20秒の場合である。 負荷時間に応じて異なるエマルションテフロン(登録商標)-AF薄膜の滑り挙動を示し、30秒の場合である。 テフロン(登録商標)-Aのエマルションキャスト膜のラマンスペクトルを示す。 バルクテフロン(登録商標)-AFのラマンスペクトルを示す。 NovecTMに溶解したドロップキャストテフロン(登録商標)AFのAFM高さ画像を示す。 NovecTMに溶解したドロップキャストテフロン(登録商標)AFのAFM相画像を示す。 図18Aは、NovecTM溶液からドロップキャストしたテフロン(登録商標)-AF薄膜を示し、図18Bは、RESSエマルション溶液からドロップキャストしたテフロン(登録商標)-AF薄膜を示す。 NovecTM溶液からの圧入テフロン(登録商標)-AFドロップキャスト膜の種々の侵入深さに対するP-δ曲線を示す。 エマルション薄膜の一連の荷重-変位(P-δ)曲線を示し、Aは1工程、Bは2工程、Cは4工程で行なった場合である。 RESS処理イブプロフェンナノ粒子の動的光散乱(DLS)による粒子サイズ分布のグラフである。 RESS処理イブプロフェンナノ粒子の動的光散乱(DLS)による粒子サイズ分布に関し、ナノ粒子の原子間力顕微鏡(AFM)画像を示す。 図22A上の位置1での粒子サイズ分布のグラフである。 図22A上の位置2での粒子サイズ分布のグラフである。 図22A上の位置3での粒子サイズ分布のグラフである。 図22A上の位置4での粒子サイズ分布のグラフである。 イブプロフェン薬及び処理ナノ粒子について収集したXRDスペクトルである。 種々の抽出圧で測定したイブプロフェン収率パーセントのグラフである。
好ましい実施形態の詳細な説明
下記詳細な説明では、その一部を形成する添付図面を参照されたい。図面中、同様の記号は、文脈が別に指示しない限り、一般的に同様の成分を特定する。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載の例示実施形態は、限定的であるという意味ではない。ここに提示する主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を加えることができる。ここに一般的に記載し、図に示すように、本開示の態様は、種々多様の異なる構成でアレンジし、置換し、組み合わせ、設計できることが容易に分かり、これらは全て明示的に企図され、本開示の一部を形成する。
一部の実施形態では、本発明のシステム及び方法をナノ粒子の生成と併用する。例えば、2〜25nmのサイズの有機ナノ粒子及び有機金属ナノ粒子の以前に開示された1つの製造プロセスは、Ramesh Jagannathan, Glen Irvin, Thomas Blanton, and S. J. (2006). Organic Nanoparticles: Preparation, Self-Assembly, and Properties. Advanced Functional Materials, 16, 747-753及びSadasivan; Sridhar, Jagannathan; Seshadri, Sunderrajan; Suresh, Merz; Gary E., Rueping; John E., Irvin, Jr.; Glen C., Jagannathan; Ramesh, Mehta; Rajesh V., Nelson; David J., 米国特許7,413,286, Method and apparatus for printing(2008年8月19日発行)に記載されており、両文献の内容は、参照によってここに組み込まれる。さらに後述するように、先の捕集プロセスに関して上述した追加の粒子成長を最小限にしながら高収率でナノ粒子を捕集するための方法を提供する。
特定実施形態は、固体共溶媒を使用せずに、固体共溶媒によって達成されるのと同様の効果を達成する修正RESSプロセスに関する。ナノ粒子を含有する超音波CO2噴流が急速にCO2の昇華温度未満に冷却され、ドライアイスの固体マトリックス内にナノ粒子が捕獲される。一実施形態では、冷却速度は下記変量:操作条件(すなわちsc-CO2の圧力と温度;これらの変量は、膨張中に起こるジュールトムソン(Joule-Thomson)冷却の大きさを決める)、膨張ジオメトリ(キャピラリチューブ/ノズルの直径と長さ;これらの変量は、膨張の流体動力学に影響する)、及び膨張したCO2ガスとLN2冷却剤との間の伝熱率によって決まる。ナノ粒子上のドライアイスコーティングの形成は、さらなる粒子の成長を止める。ナノ粒子上のドライアイスコーティングの形成は、粒子に作用するドラッグ力及び物体力を高め、気体ストリームからのナノ粒子の効率的捕獲につながる。従って、この方法は、膨張した流体ストリームからのナノ粒子の効率的回収をも可能にする。
Kuoらも、ドライアイスの形成を利用してRESSシステムでナノ粒子を捕集する方法を記載している。Kuoらの方法では、ノズルの後ろに膨張チューブを加えて、膨張したCO2ガスを限局し、345〜1207バールの範囲の圧力での超臨界溶液からの膨張時に内部ジュールトムソン冷却のみを利用してガスを凍結させる。Kuo法の主問題は、ドライアイス内にナノ粒子を捕集するために必要なジュールトムソン(JT)冷却を誘発するために完全にRESS(P,T)プロセスパラメータに依存することである。捕集効率を改善するため、Kuoらは、噴流を捕集容器上に衝突するように方向づけてドライアイスを形成する。Kuoらによって形成されたナノ粒子は、他の従来技術のRESSプロセスと同様に、50nmより大きく、100nmより大きいことが多い。
対照的に、本発明の実施形態は、別の冷却容器を作製することによって、RESSシステムのJT冷却現象のみに依存するという制限を排除して、ドライアイスの形成を可能にする。別の冷却容器の使用は、ドライアイス形成及び捕集効率を最大にするために冷却容器の独立した最適化を可能にする。一実施形態では、これは「コールドフィンガー」真空トラップ及び冷却剤として液体N2を使用することによって達成される。特定の実施形態では、いくつかの冷却容器又はいくつかの「コールドフィンガー」真空トラップを直列に追加することによって外部冷却容器を調整してさらに捕集効率を最適化することができる。本発明の実施形態は、Kuoらが記載したプロセスより有意に低い圧力でナノ粒子の捕集を可能にする。本発明の実施形態は、50nm未満、一実施形態では約10nm、さらなる実施形態では10nm未満のより小さいナノ粒子の形成を可能にする。
さらに後述するように、本発明の一実施形態では、液体窒素(LN2)冷却剤が凝固速度論を改善し、かなり低い圧力(250〜300バール)を用いて凝固されるCO2の総量をも増やす。
CO2と共にRESSを用いるナノ粒子の形成及び捕集は、固体CO2が形成される工程を含む。述べたように、これはジュールトムソン冷却に依存する。これはいくつかの問題を呈する。第1に固体CO2の形成がプロセスの律速段階になり得る。従って、固体CO2が速く生じるほど、全プロセスは速く、より効率的である。
一実施形態では、外部冷却源の使用は、固体CO2の形成の律速局面を克服する。外部冷却源は、J-T冷却のみに依存してできるだろうより顕著に速い速度で固体CO2を形成できるようにする。事実上、J-T冷却もやはり起こるが、外部冷却システムの使用によって補充される。これは、固体CO2のより速い形成を可能にする。
J-T冷却のみへの依存の第2の問題は、システムにおいてより高い圧力が必要なことである。このより高い圧力及びJ-T冷却のみへの依存は、圧力変化が起こる「のど(throat)」又は絞り点での固体CO2の形成をもたらす。これは目詰まりもたらす恐れがあり、固体形成にとってシステムの好ましい位置でない。
一実施形態では、外部冷却源の使用は、「のど」又は絞り点で実質的に全ての固体CO2が形成されないように、固体CO2又は固体CO2の少なくとも一部の形成の位置を変える。従って、本システム及び方法は、システムの目詰まりに対処するための休止時間が短い、より効率的な処理を可能にする。
従来技術のJ-T冷却システムで起こり得る第3の問題は、冷却(ひいては固体CO2形成)速度が不十分であり、システムの閉鎖性は、エネルギーが除去されないので、凝華の逆プロセスが起こることになる。既に凝固したCO2からの気体CO2の形成はシステムの目標に反対に働き、収率及びスループットを低減させる。
一実施形態では、外部冷却源の使用は、システム内で起こる昇華に起因する非能率を克服する。外部冷却システムは、より速い冷却及びより一貫した冷却温度をもたらして昇華の発生を減らす。
一実施形態では、外部冷却源の使用は、冷却と絞りの独立した最適化を可能にする。例えば、配合圧力(及び所与の圧力の一貫性)は、形成される粒子のサイズに影響を与える。冷却を外部冷却システムによって達成できるので、J-T冷却への影響を気にせずにシステム内の絞りを最適化することができる。同様に、絞りへの影響を気にせずに捕集される特定の標的化合物に合わせて冷却を最適化することができる。例えば、冷却に対してJ-Tのみに依存する従来技術のシステムは、条件を最大にしてJ-T冷却が確実に起こるようにする必要があるので、絞り、流速、及び圧力に加え得る変動が制限される。
一実施形態では、改善された処理技術を用いて、RESSプロセスで生成されたナノ粒子を捕集することができる。プロセスのこの実施形態は、伝統的な捕集プロセスに比べてほとんど1桁大きく捕集効率を改善する。図3は、捕集されたナノ粒子の比較を示す。図から分かるように、ある実施形態の結果として122mgのナノ粒子が捕集され、これは室温でアセトンを通して泡立てた場合よりほぼ10倍多く、0℃でアセトンを通して泡立てた場合より10倍多い。RESS-SCプロセスとは異なり、この実施形態はいずれの安定化固体共溶媒をも利用しないが、安定化相として超臨界溶媒自体(例えばCO2)を用いて同様の効果をもたらす。それは極小粒子(直径<10nm)及びその粒子懸濁液の生成を可能にする。一実施形態では、界面活性剤を使用せず、懸濁液の安定化に界面活性剤が必要ない。
一実施形態では、ここに記載のシステム及びプロセスで生成される粒子は、従来技術のシステムより狭いサイズ分布及び小さい平均粒子サイズを有する。図7は、粒子サイズ(ナノメートルのx軸)のヒストグラムを示す。図から分かるように、粒子は主に10ナノメートル以下である。さらに、固体CO2によって捕獲される、従って下流で捕集される粒子の割合が有意に増加している。一実施形態では、粒子の80%より多くが固体CO2内に捕獲される。別の実施形態では、粒子の90%より多くが固体CO2内に捕獲される。
一実施形態では、システム及び方法はナノ粒子に適用可能であるが、20ナノメートル未満から1ナノメートルに限定されない。さらなる実施形態では、ナノ粒子は結晶性であってよい。別のさらなる実施形態では、粒子を被包又はコーティングしてよい。一実施形態では、熱不安定性物質を使用することができる。
一実施形態では、システム及び方法は、プロセスからCO2を再捕獲することによって、残留溶媒をもたらさないか又は認識できる残留溶媒をもたらさず、より低い温度処理、より小さい粒子サイズ、及び「グリーン」プロセスを可能にする。
一実施形態では、1時間当たり4グラムの粒子形成速度が観察された。
実施形態は種々の送達フォーマット、例えば限定するものではないが、均一膜、迅速溶解パッチ、吸入システム、ナノ侵襲性(nanoinvasive)注射、包埋パターン化錠剤及びカプセル剤、経皮材料、並びに経口/注射剤によるナノ分散系等を含むことができる。
特定の実施形態では、ナノ粒子(例えば、10〜100nm)を高収率で捕集し、有機溶媒(アセトン、エタノール、及びn-ヘプタン)に分散させるか又は空気-水界面に分散させて薄膜を作製することができる。これは、10nm未満の小分子又は分子クラスターよりはむしろポリマー系(例えば、下記実施例のテフロン(登録商標)AF)の特徴であると考えられる。
ナノ粒子を捕集するためのシステム及び方法に関連する特定の実施形態は、いくつかの医薬品用途で興味深い。テフロン(登録商標)-AFの処理を含む実施形態の応用もいくつかの他の現存する用途に有益であり得るテフロン(登録商標)-AFの興味深い形態学をもたらす。例えば、フッ素化溶媒を用いる現在のテフロン(登録商標)-AFの処理方法は、超疎水性膜をもたらさない。ナノスケールの粗さが存在しないので、スピンコーティングにより達成される最大接触角は135°である。しかしながら、本発明の少なくとも1つの実施形態は、162°までの接触角を有する超疎水性膜を生じさせる。空気-水界面における膜形成又はテフロン(登録商標)AFナノ粒子の分散系の乾燥による膜形成は、ナノ粒子で構成された多孔質膜の形成を引き起こす。該膜は、二重階層の表面粗さ(ミクロン+ナノ)及び低表面エネルギーを特徴とする。これが表面を超疎水性にする。
図2は、RESSの一実施形態の概略を示す。システム200は、高圧容器210を含み、これはピストンヘッド211、一実施形態では、気密性の浮遊ピストンヘッドで2つの区画:配合チャンバ214と制御チャンバ212に分割されている。システムはさらにポンプ230、冷却浴240、熱交換器250及びシリンジポンプ260を含む。実験中、配合チャンバ214内部の圧力は、ピストンヘッド211の助けを借りて所望の一定値で維持される。圧縮CO2の制御チャンバ212への制御された添加によって前方に移動するようにピストンヘッド211をコンピュータ制御することができる。配合チャンバ214はスターラ215から成る。配合チャンバ214はさらに1つ以上のぞき窓216、例えば2つのサファイアのぞき窓を含み、その内部温度は、チャンバ壁内に挿入されたコンピュータ制御カートリッジヒーター217によって維持される。高圧容器210内に温度及び圧力センサを含めてよい。外部冷却剤容器270は、圧力容器と連通している。一実施形態では、キャピラリチューブ(例えば25〜200μm)が圧力容器210と冷却剤容器270を接続する。
一実施形態では、冷却剤容器270は真空トラップ(「コールドフィンガー」型)であり、気体ストリームの凝縮に好ましいジオメトリを提供するのでドライアイスの捕集のために使用し;真空トラップの内部チューブは流れを限局することに役立ち、外面は、気体ストリームを凝固させるための低温貯蔵界面を形成する。
一実施形態では、プロセスは、微細キャピラリ、例えば、25〜200ミクロンIDキャピラリを通して興味ある化合物の超臨界溶液を超音速で急速に膨張させる工程(すなわちRESSプロセス)を含む。一実施形態では、膨張は、前膨張圧(100〜300バール)〜大気圧でキャピラリを介して起こる。出口での流体速度は200〜300m/秒の範囲であり、対応する滞留時間は166〜250ミリ秒である。
2〜200nmの範囲のサイズの超微細粒子の噴流が生じ、気体中に分散する。噴流を即座に気体分散系の凝固点未満に冷却する。例えば、ジュールトムソン効果による噴流内の局所冷却みならず、液体窒素(LN2)冷却剤によってもたらされる外部冷却を利用して冷却を達成することができ、その結果、気体から固体への相変態が噴流内で起こり、形成された固体マトリックスにナノ粒子が埋め込まれる。
一実施形態では、CO2マトリックス内における粒子の長期貯蔵を対象とすることを含め、CO2マトリックスを貯蔵することができる。該実施形態では、捕集システムの効率が高いほど、ずっと有効な貯蔵となる。例えば、図3に示すデータに基づくと、従来技術で同量の標的化合物を貯蔵するためには本発明の実施形態に比べて10倍の量のCO2マトリックスが必要であろう。
実施例
1. テフロン(Teflon(登録商標))-AF1600
材料:テフロン(登録商標)-AF1600は、DuPontTM社(Wilmington, Delaware, USA)から非晶質樹脂形で調達し、さらに精製せずに使用した。テフロン(登録商標)-AFファミリーに属するコポリマーの化学構造を図1に示す。非晶質テフロン(登録商標)(テフロン(登録商標)-AF)は、4,5-ジフルオロ-2,2-ビス(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソール(BDD)とテトラフルオロエチレン(TFE)の共重合によって調製される分類のフルオロポリマーである(図1)。分子レベルでデザインする場合、これらの材料は優れた化学的不活性及び生体適合性と共に顕著な光学的、電気的、及び機械的特性を併せ持つことでよく知られている。これらの巨大分子においては、PTFE骨格へのかさ高いジオキソール成分の導入の結果、大きい割合の自由体積を有する非晶質構造となる。高い自由体積は非晶質構造と相まって、微結晶性テフロン(登録商標)ポリマーに比べて良い機械的及び光学的特性を材料に与える。テフロン(登録商標)-AF材料は、高圧縮率、引張荷重及び圧縮荷重への高クリープ抵抗、並びに低摩擦係数等の興味深い機械的特性を示す。これらの特性は、それらの優れた熱化学的抵抗、低い比誘電率、及び高いガス透過率と相まって、半導体、光電子工学、及び生物医学業界にわたる材料のいくつかの適用を可能にする。テフロン(登録商標)-AFのナノスケールコーティングは、半導体デバイスの導波路、反射防止コーティング、低k誘電体膜、並びにマイクロ流体デバイスの防汚面に用いられる。従って、該デバイスの設計のためにはナノスケール空間分解能でのテフロン(登録商標)-AF膜の機械的特性を知ることが必要である。これらはテトラフルオロエチレン(TFE)と2,2-ビス-トリフルオロメチル-4,5-ジフルオロ-1,3-ジオキソール(PDD)のランダムコポリマーであり、それらの物理的性質はコモノマーのモル分率に伴って段階的変化を示す。テフロン(登録商標)AFコポリマーは2つのグレード、すなわちAF-1600及びAF-2400で市販されており、それぞれ、64及び83モル%のPDDから成り、それぞれ、160及び240℃のガラス転移温度を特徴する。RESS実験では約100kDaのMnを有するテフロン(登録商標)AF-1600を用いた。
RESSプロセス:実験には図2のシステムを用いた。sc-CO2中の化合物の溶解を促進するため、スターラ215は高速ミキサー(57ワット@2400rpm)であり、配合チャンバ214の内部に設ける。キャピラリチューブ218、例えば内径125μm及び長さ1インチ(25.4mm)のステンレススチールをチャンバ214に例えば目盛付き手動ニードル弁を介して取り付ける。配合チャンバをまず最初に例えば秤量した量のテフロン(登録商標)-AF1600(5gm、固体粉末)を充填して密封する。次に液体二酸化炭素(純粋レベル99.9%)をシリンジポンプ260でチャンバ214に注入する。次に作動圧力及び温度を二酸化炭素の超臨界状態への転移を可能にする所望値、それぞれ250バール及び60℃に設定する。これらの条件下で加える超臨界二酸化炭素の体積は216±4mLである。次にフルオロポリマーが超臨界流体媒質に完全に溶解するようにシステム200を常に撹拌しながら1時間平衡にする。完全に溶解したら、キャピラリチューブを通して超臨界流体を逃がすことによってAF1600のナノ粒子を沈殿させる。キャピラリから出る超音波CO2噴流を、固体二酸化炭素の昇華点未満(T≦-78℃、冷却剤媒質:液体窒素)に冷却した真空トラップ中に向け、ジュールトムソン効果によるさらなる冷却を与える。真空トラップ内にドライアイスの塊が生じ、これはドライアイスマトリックス内に埋め込まれたテフロン(登録商標)AFのナノ粒子を含有する。
一実施形態では、気体ストリームの凝縮に好ましいジオメトリを提供するので、真空トラップ(「コールドフィンガー」型)をドライアイスの捕集に用いる。真空トラップの内部チューブは流れを限局することに役立ち、外面は気体ストリームを凝固させるための低温貯蔵界面を形成する。
ナノ粒子捕獲の捕集効率の計算:記載の方法では、ナノ粒子を含有する超音波CO2噴流はCO2の昇華温度未満に急速に冷却され、ナノ粒子がドライアイスの固体マトリックス内に捕獲される。冷却の非存在下では、ナノ粒子は気体ストリーム内に運び去られる傾向がある。しかしながら、ナノ粒子を含有するCO2噴流は195K(-78.15℃)未満の温度に冷却されると、ナノ粒子はドライアイスの内部に被包され、それらの凝集を防止する。ドライアイスによるナノ粒子の被包は、粒子への物体力をも高め、容器内部のそれらの堆積をもたらす。全体として、これは流出物CO2噴流から捕集されるナノ粒子の量を増やすことになる。
この修正法におけるナノ粒子の捕獲効率の上昇は以下のように計算可能である:記載の装置では(図2)配合チャンバの全容積はピストンの位置の関数なので、膨張プロセス中のピストンの変位を追跡することによって膨張したsc-CO2の全体積を測定することができる。ジュールトムソン効果によって生じたドライアイスの質量は、それを密封バイアル内で秤量することによって測定可能である。ドライアイス内に埋め込まれたナノ粒子の質量は、ドライアイスの量に比べて無視できるが、アセトンにドライアイスを溶かすことによって得られる分散系の重量分析後に測定可能である。典型的実験では、膨張を受けた50mlのsc-CO2は、テフロン(登録商標)AFナノ粒子を含有する約20±2gmのドライアイスを生じさせる。これらの条件下でのSc-CO2の密度は0.775g/mlであり、これは、非最適化装置では出るストリームの51.6%が凝縮されたことを意味する(最適化装置は、出る気体ストリームとナノ粒子捕集チャンバとの間の伝熱率を改善することによってCO2凝縮率を最大にするであろう)。反応チャンバ内に囲い込まれたsc-CO2の全体積が膨張してナノ粒子がドライアイス内に捕集されるとき、捕集されたナノ粒子の総質量は122±47mgである。
捕集方法の効率を決定するため、2つの別々のコントロール実験を行なった。気体ストリームを0℃でアセトン溶媒を通して泡立てる一実験では、同一ピストン変位は約11±8mgのテフロン(登録商標)AFナノ粒子の捕集をもたらす。気体ストリームを室温でアセトン溶媒を通して泡立てる別の実験では、同一ピストン変位は約13±6mgのテフロン(登録商標)AFナノ粒子をもたらす。従って、本捕獲方法は、捕集効率のほぼ1桁の上昇をもたらす(図3)。ナノ粒子が埋め込まれたドライアイスは低温冷凍庫内で77K(-196℃)にて長期貯蔵可能であり、或いは種々の有機溶媒に溶かしてナノ粒子の界面活性剤フリーの分散系を得ることができる。
界面活性剤フリーの分散系の形成:テフロン(登録商標)-AFナノ粒子を含有するドライアイスの小塊を適切な有機溶媒(アセトン、エタノール、及びn-ヘプタン)と混合し、開放容器内で解凍させる。ドライアイスが完全に昇華すると、テフロン(登録商標)-AFの界面活性剤フリーの分散系が形成される。分散系のドロップキャスティングによってシリコン基板上に膜がキャストされる。
水上における浮遊膜の形成:テフロン(登録商標)-AFナノ粒子を含有するドライアイスの小塊をガラスビーカー内で脱イオン水上で解凍させる。ドライアイス塊は脱イオン水に滴下すると即座に凍結水で覆われる。ドライアイスが完全に昇華すると、半透明膜が水面上に浮遊しているのが見え、ディップコーティングによって容易にシリコン基板上に移すことができる。
テフロン(登録商標)-AF膜のSEM画像化:アセトン中の界面活性剤フリーの分散系から、シリコンウェーハ上60℃でのドロップ-キャスティングによってテフロン(登録商標)-AF膜をキャストし、それらの形態学をSEMで研究する。図4に示すように、膜は多孔性であり、ポリマーナノ粒子のメンブラン様網目構造から成る。膜の多孔性は、本プロセスにより形成された小さい主ナノ粒子の弱く結合したフラクタルな凝集体の形成が原因であろう。
a. ナノインデンテーション特徴づけ
テフロン(登録商標)-AFをさらに特徴づけしてナノスケール及びマイクロスケールの構造を決定することができる。上述したように、特定用途で該材料を利用するためにはナノスケールの空間解像度でのテフロン(登録商標)-AF膜の機械的特性を知ることが必要である。
過去10年にわたってナノインデンテーション技術がよく開発され、ナノスケール領域の厚さを有する薄膜の機械的特徴づけに適用されてきた。この方法では、圧子を興味ある表面と接触させ、侵入深さをモニターしながら圧力を徐々に加える。荷重-変位(P-δ)曲線から、硬質基板上に固定化した薄膜の硬度、弾性率、降伏応力、及び粘弾性特性等の興味あるいくつかの機械的特性を決定することができる。この方法は、金属、セラミック、半導体、及びポリマー材料の薄膜特性の測定に適用され、解析には国際標準規格(ISO 14577)が適用される。超薄ポリマーフィルムのナノインデンテーション測定は、いくつかの要因、例えば必要とされる軟質荷重の範囲、押込み応答の粘弾性/可塑的性質、ポリマーのミクロ構造に起因する特性の異方性等によって複雑化され、依然として研究の盛んな分野のままである。
上記RESS技術の実施形態を用いて生成したテフロン(登録商標)-AFを、フッ素化溶媒NovecTM 7100(すなわちメトキシ-ノナフルオロブタン)中でのテフロン(登録商標)-AFの処理によって得た従来の膜と比較する。後者の方法によって得た膜は超疎水性でなく、テフロン(登録商標)-AFの超臨界流体ベース処理によって調製した膜で観察される表面粗さ及び多孔性ミクロ構造を欠く。
i. 実験:
材料:テフロン(登録商標)-AF1600はDuPontTM社(Wilmington, Delaware, USA)から非晶質樹脂形で調達し、さらに精製せずに用いた。NovecTM HFE 7100(メトキシ-ノナフルオロブタン)は3M Specialty Materials, St. Paul, Minnesotaから得た。それは未知比率のメトキシ-ノナフルオロブタンの異性体の混合物から成る。18.2MΩの電気抵抗を有する脱イオン水を用いて全ての水溶液を調製した。99.9%純度の液体二酸化炭素を用いて溶解用の超臨界流体媒質を生成した。シリコンウェーハ((100)方位、研磨された380μmの最高級品)はUniversity Wafers Inc. (South Boston, USA)から購入し、サンプル調製用に1cm×1cm片にカットした。
方法:上述したようにテフロン(登録商標)-AFの界面活性剤フリーの分散系の形成、水上の浮遊膜の形成及びNovecTM HFE 7100溶媒中でのテフロン(登録商標)-AFの溶液処理を行なった。水面上に生じた浮遊性テフロン(登録商標)-AF膜を、上部にシクロヘキサン層(シクロヘキサン:水の体積比=1:10)を付加した後に超音波処理した。超音波処理は被覆ビーカー内で室温にてBranson 250 Sonifier(タブ型超音波処理器)を用いて30分間行なった。室温でエマルション液滴の空気乾燥ドロップキャスト溶液によってきれいなSiウェーハ上に膜を形成した。
50X及び100Xの対物レンズを備えたWiTecα300共焦点ラマン顕微鏡で光学及びラマン顕微鏡観察を行なった。共焦点顕微鏡のピンホール径は100μmで一定に保った。励起のために488nmレーザー(10mW電力)を用いてラマンスペクトルを得、-60℃で維持したCCDカメラを用いて記録した。スペクトル取得の積分時間は1秒で一定に保った。各スペクトルは、10回の連続スキャンの平均である。データ取得後にテフロン(登録商標)-AF膜を再びスキャンして放射線誘発損傷を検出した。10mW電力で10秒の被曝時間では膜組成に化学的変化は検出されなかった。さらに、固体基板上に固定化したテフロン(登録商標)-AFポリマー膜のSEM画像は、FEI Quanta FEG 450電子顕微鏡を用いて得た(5〜20kVの加速電圧及び10-3〜10-4Paの圧力で取得)。
ii. ナノインデンテーション実験:
ナノインデンテーション実験は、半径が20nm未満のダイヤモンドBerkovich圧子を備えたAgilent G200計装化押込み試験(IIT)ナノインデンターを用いて行なった(図6)。システムはISO 14577に準拠する。伝統的な硬度試験は、1つの適用力で1つの変形尺度のみをもたらすが、IIT試験中には、圧子が材料と接触している時間全体で力及び侵入が測定される。計装化押込み試験は、薄膜、粒子、又は他の小さい造り等の材料のヤング率(E)及び硬度(H)の測定に特に良く適している。
2つの方法を用いてナノインデンテーション、すなわち、連続的な荷重-変位データ及び連続的剛性試験(Continuous Stiffness Measurement)(CSM)を伴う基礎硬度試験を行なった。基礎硬度のために、特定ピーク荷重に達するまで一定速度で圧子をロードし、特定時間保持してから同速度で除荷した。最大荷重に達するための工程を試験中に特定することもできる。CSMオプションは、負荷中の接触剛性の連続測定を可能にし、初期除荷点だけではない。これは、主負荷シグナル上に小振動を重ね、結果として生じるシステムの応答を周波数特異的増幅器を用いて解析することによって達成した。接触剛性の連続測定によって、単一の押込み実験から深さの連続関数として硬度及び弾性率を得る。
両方法用のサンプルは、CrystalbondTM、熱可塑性ポリマーを用いてアルミニウムディスク上にマウントし、同時に4つのサンプルまで保持できるサンプルトレイに装填した。防振台上にナノインデンテーションシステムを置いた。このシステムは、サンプルトレイの中央に位置する標準サンプル、Corning 7980(溶融シリカ)を用いてサンプルの高さを調整できるようにする10X及び40Xの対物レンズを備えている。各実験バッチ中、溶融シリカサンプルを用いてコントロール実験を行なって品質制御を確実にし、機器の性能を追跡し、ISO-14577に従う正確な作動を間接的に検証した。全ての実験は室温で行なった。
ナノインデンターのためのシステム仕様は以下の通りである:変位分解能:<0.01nm、総圧子移動:1.5mm、最大押込み深さ:>500μm、荷重適用:コイル/磁石アセンブリ、変位測定:静電容量計、最大荷重(標準):500mN、荷重分解能:(XP 50nN、接触力:<1.0μN、荷重枠剛性:約5×106N・m-1、及びソフトウェア:NanoSuite
iii. XRD実験:
CuKα放射線(1.5418Å)を用いるPanalytical Empyrean回折システムを用いてサンプルを測定した。平行光線集束ミラー、0.04ラジアンのソーラースリット(Soller slits)、及びシンチレーション検出器の前に設置した0.27°の平行スリットコリメータを用いてサンプルを照射した。サンプルが入射強度の半分を遮断し、対照的な反射ジオメトリになる(ω=θ)、X線反射率に合わせてサンプルを配列した。0.01°2θのステップサイズ及び16秒・ステップ-1のカウント時間でステップスキャン測定を行なった。
空気中でAgilent MAC Mode IIIモジュールを用いて間欠モードでAFM測定を行なった。シリコン点プローブプラス(Point Probe Plus)(PPP)カンチレバー(Nanosensors, Switzerland)は330kHzの共振周波数及び42N・m-1のバネ定数で使用した。高さ、相及び振幅の画像を同時に取得した。Gwyddionフリーソフトウェアを用いて画像をさらに解析した。
iv. 結果及び考察:
空気-水界面でRESSプロセスによってテフロン(登録商標)-AFの自立膜を作製した。TEMグリッド上にドロップキャストして室温で乾燥させたこの膜サンプルの電子顕微鏡写真(図9A及び9B)は、テフロン(登録商標)-AFの機械的に頑丈で極端に薄いシートの証拠を示す。乳化プロセスを用いてこれらの膜の比表面積をさらに増やし、油-水界面でそれらの自発的自己集合を推進するためのこれらの膜の親油性を予測した。シリコン基板上にドロップキャストして室温で乾燥させたこの膜の電子顕微鏡写真を図9Cに示す。これは、合体したエマルション液滴の乾燥による膜形成の概念を支持するように見える。油-水界面では、表面張力が膜をさらに伸展させ、図9Dに示す電子顕微鏡写真で明白なナノシートの積重ね層の形成をもたらすと予測される。図9Dに示す画像は、図9Cに示す同一膜サンプルのものであるが、主膜から2片を取り除き、それによってスライスされた内面を露出する領域のものである。同膜サンプルの低角XRD特徴づけの結果を図10に示す。ほぼ等角Δ2θでの低角ピークは複数次数の回折ピーク(1次、2次、3次、4次)と一致し、図9DのSEMデータと組み合わせて均一厚さの層化成分の存在を示す。より高い2θ角で回折ピークが存在しないことは、テフロン(登録商標)-AF薄膜の非晶質性を確証する。低角回折ピークの面間d-間隔に対応回折ピークの次数を掛けて計算すると、5.87±0.11nmの平均ナノシート層厚を与える。
この膜のAFM試験はさらに電子顕微鏡写真の考察及び低角XRDデータを検証した。図11A及び11Bに示す結果は、テフロン(登録商標)-AFナノ構造の自己集合した規則配列の存在を示す。膜のより高い拡大率のスキャンは、自己集合プロセス中の油/水界面で絡み合った分子構造の核化を暗示するテフロン(登録商標)-AFナノ構造の分子コイルの規則配列を明らかにした。この構造は、溶媒NovecTM中のその溶液からの(ドロップキャスト)テフロン(登録商標)-AFでは観察されず(図17参照)、他の出版文献と一致している。これらの構造の高さは約1.0nmであり、2nmのシート幅を示し、テフロン(登録商標)-AFの分子シートの存在を暗示する(図11C)。
エマルションプロセスで作製したテフロン(登録商標)-AF薄膜(以降テフロン(登録商標)-AFナノシートと称する)の機械的特徴は、ナノインデンテーション法を利用して研究した。シリコン基板上に溶液キャストした膜について全ての測定を行なった。固有の信頼性を保証するため、明らかに高品質の慎重に選択した膜領域に関して主に測定を行なった(図18参照)。膜のP-δ曲線は、2つの方法、すなわち、一定負荷/除荷速度法及び一定剛性法(constant stiffness method)(CSM)によって得た。
薄膜ナノインデンテーション研究では、如何なる基板の影響をも回避するため、侵入深さは膜厚の30%を超えるべきでないことが一般に容認されている。まず最終侵入深さを増やし、基板効果のいずれの兆候についてもP-δ曲線を調査しながらテフロン(登録商標)-AFナノシートについてCSM研究を行なうことによって、基板効果問題を回避した。データは、裸シリコン基板についての対応CSMデータとも比較した。これらの研究で如何なる基板効果もない膜厚領域を選択した。
CSM研究の結果を図12に示す。図12Aには、テフロン(登録商標)-AFナノシート薄膜について100nm、300nm及び500nmの押込み深さのP-δデータを示す。図12Bには、テフロン(登録商標)-AFナノシート膜及び2000nmのSiについて1000nm及び2000nmの押込み深さのP-δデータを報告する。100nm及び300nmとは異なり、500nm、1000nm及び2000nmのテフロン(登録商標)-AFナノシート膜については、特徴として典型的なP-δ曲線が観察される。これらの膜のP-δプロファイルはSiのプロファイルと定性的に同様のようであり、2000nm膜のピーク荷重は実際にSiのピーク荷重に近い。基板効果は500nm超えで出現し始めることが明らかである(2000nmという見掛けの膜厚について)。NovecTM溶媒に溶かしたテフロン(登録商標)-AFの0.1wt%溶液から形成した膜について同様の試験セットを行なった(図19参照)。テフロン(登録商標)-AFナノシートとは異なり、NovecTM膜についての50nm、100nm、200nm、300nm、及び500nmの押込み深さのCSM実験のP-δプロファイルは、定性的に互いに及びSiと同様であり、50nmの押込みでさえ有意な基板効果を示している。
興味深いことに、100nm及び300nmの押込み深さの除荷プロフィル(図12A)も弾性回復を示さず、テフロン(登録商標)-AFナノシート膜は主に塑性変形を受けることを強く暗示している。この現象は、1mNのピーク荷重に1、2、4、及び6ステップで到達する一連の一定負荷/除荷実験で調査した。比較目的で、NovecTM溶液からキャストした膜について同様の実験を行なった。図13Aに示すテフロン(登録商標)-AFナノシートの結果は、これらのいずれの実験の除荷中にも弾性回復は確認されなかった。対照的に、NovecTM溶液からキャストした膜は、有意な弾性回復を伴う典型的な除荷プロファイルを示した(図13B)。この結果は、材料としてのテフロン(登録商標)-AFは弾性変形を受け得るが、エマルションプロセスでナノシートの積重ねとして構造化されると弾性変形を受けないという興味深い結論につながる。
テフロン(登録商標)-AFナノシート膜については、100nm及び300nm押込みのP-δプロファイルは、500nmについて観察されるプロファイルと定性的に非常に異なるのみならず、100nm及び300nm押込みの荷重(それぞれ70mN及び74mN)が500nmについての荷重(400mN)より有意に低い。さらに重要なことに、100nm及び300nm押込みP-δ曲線は、負荷プロファイルで有意な「高い」周波数摂動を示し(図12、黒丸で強調)、これは一般的に塑性変形に起因する結晶内の転位活性と関連する。このポリマー膜のような非晶質材料は、定義では、転位を有しない。これらの高い周波数摂動は、それらに適用された荷重を消散させるため、1組のトランプにおけるような互いに滑る低摩擦ナノシートからの応答であると考えられる。適用荷重の増加速度及び滑りシートによる消散速度は釣り合わないので、シートは適用荷重に過剰反応してから待機する傾向があるだろう。このプロセスが周期様式で繰り返され、これが観察されたことである。
いずれの所与の負荷速度プロファイルについても、経時的に、滑りシートは効率的に荷重を消散させることはできず、100nm及び300nm押込みP-δプロファイルで観察されるような膜内におけるエネルギーの蓄積及び「シアバンド形成(shear banding)」(ポップイン(pop-in))事象の生成につながる可能性も非常にある(図12A中、青丸で強調)。これらは低周波数事象である。300nmプロファイルで観察されたように、これらのより大きい「ポップイン」事象中に高い周波数摂動が起こり続ける。これらの「ポップイン」事象は、同様に一定荷重速度実験で、負荷中(図14A)にも除荷中(図14)にも観察された。同様の「ポップイン」事象は真珠層に関するナノインデンテーション研究で観察され、「変位飛越し(displacement jumps)」と呼ばれた。「タブレット滑り」による荷重消散の機構は真珠層及び他の生物試料ではよく確立されている。「変位飛越し」は、タブレット滑りプロセス中の真珠層内のタブレット界面の崩壊及び高密度化に関連すると考えられている。これらの「ポップイン」を見られるように高データ取得速度を使用しなければならないことも知られている。
テフロン(登録商標)-AFナノシートが真珠層の「タブレット滑り」機構と同様の様式で適用荷重を消散させることについてさらに調査した。以前に示唆されたように、P-δプロファイルの高周波及び低周波振動が適用負荷速度と滑り速度との間の不均衡に起因する場合、試験結果は、そのような振動のこの現象を負荷速度の関数として調節できるかを支持すべきである。図15には、P-δプロファイルに関する負荷速度効果の結果を30μNのピーク荷重について示してある。NovecTM膜の結果は図15Aに示してあり、興味深いことに、1μN・秒-1の負荷速度ではいずれの低周波又は高周波振動もない。P-δプロファイルのシグナル対ノイズは優れ、機器はこの範囲内で荷重及び変位値を非常に正確に測定できることを立証する。テフロン(登録商標)-AFナノシート膜データを図15B、15C、及び15Dに示す。3μN・秒-1の負荷速度についての図15Bのデータは、高周波振動の存在を明白に示す。P-δプロファイルの有意なセクションはいずれの高周波振動をも示さなかった。2μN・秒-1の低負荷速度についての図15Cでは、P-δプロファイル全体に高周波振動が占めている。さらに、低周波数の「ポップイン」特徴の出現が負荷プロファイルでも除荷プロファイルでも観察される。負荷速度を1μN・秒-1に下げると、P-δプロファイル全体で高周波及び低周波振動が検出された。負荷速度を3μN・秒-1から1μN・秒-1に下げながら振動をさらにはっきり検出かつ記録できたことが分かるのが興味深い。この結果は、1μN・秒-1〜3μN・秒-1の範囲では、ナノシートは明らかに、適用荷重を効率的に消散させるのに必要な速度で滑り得ることを示唆するであろう。明白に、3μN・秒-1では、大部分の高頻度滑りは機器の検出能の範囲外なので、記録されなかった。負荷速度を2μN・秒-1及び1μN・秒-1まで下げると、「ナノシート滑り」の頻度範囲が機器の検出能の範囲内になるのに十分に減少した。この結果は、真珠層試料内でいわゆる「変位飛越し」を観察するためには高いデータ取得速度を使用しなければならないと主張したBarthelatらが行なった観察と一致するだろう。従って、これらの結果は、ナノインデンテーション実験で適用荷重を消散させる「滑りナノシート」の示唆機構を疑いの余地なく確証する。それ故にこれらの結果は、「タブレット滑り」真珠層プロセスを模倣する物理系の生成を証明する。
シクロヘキサン/水界面上でのテフロン(登録商標)-AFナノ粒子の自己集合は室温で機械的に頑丈な凝集性ナノシートの積重ねの形成をもたらした。SEM及び低角XRD結果は、積重ねシート構造の存在を確証する。XRD結果は5〜6nmの近似膜厚を示唆するが、AFM結果は、これらのナノシートがテフロン(登録商標)-AFの分子シートであることを強く示唆する。これらのナノシートに関するナノインデンテーション研究は、通常は真珠層等の天然物質と関連する「タブレット滑り」現象を明白に実証した。適用負荷速度への滑り速度の強い依存度は興味深かった。
2. イブプロフェン
RESSプロセスの実施形態を利用して、イブプロフェンナノ粒子を作製するのみならず、1〜2nmのサイズ範囲で、かつ高収率で、薬物分子クラスターをも生成することができた。この実験はイブプロフェンを利用したが、これらのシステム及び方法は他の化合物に同様に適用できると考えられる。イブプロフェンは、微粒子化研究で広く用いられているモデル化合物である。イブプロフェンは水溶性が不十分であり、非ステロイド性抗炎症薬である。この10年間で、数名の研究者がイブプロフェンナノ粒子の微粒子化のための超臨界CO2(sc-CO2)ベースプロセスに重点を置いたが、報告された最小サイズは40nmより大きい。
最近、多くの研究者が超臨界流体ベース戦略を試みてイブプロフェンナノ粒子を調製した。Pathakらは、修正した超臨界溶液の液体溶媒中への急速膨張(RESOLV)によって40±8.5nmの平均サイズのイブプロフェンナノ粒子を製造した。Hezaveらは、RESSによる約1μmの微粒子化イブプロフェン粒子のサイズ及び形態に及ぼす処理条件の効果について記載した。最近、Bakhbakhiらは、イブプロフェンナトリウムの微粒子生成のために二酸化炭素を用いた沈殿と圧縮抗溶媒(precipitation and compressed antisolvent)(PCA)プロセスを報告した。彼らは、種々の処理条件を調整することによって、狭い粒度分布を有する約4μmの粒子サイズを報告した。イブプロフェン薬を十分なナノ粒子収率で狭いサイズ分布を有する10nm未満のナノ粒子にナノサイズ化するRESS法について以下に述べる。支持のために、イブプロフェンナノ粒子のナノ粒子サイズ、サイズ分布、組成、及び構造確認試験についてDLS、AFM、ラマン及びXRD研究を報告する。後述するように、本発明の修正RESSプロセスは、約1〜2nm、本質的に分子クラスターであるイブプロフェンナノ粒子を生成することができる。さらに重要なことに、このプロセスを最適化して、本プロセスを商業的に実現可能にする約80%の捕集収率を達成した。
実験
イブプロフェン(医薬品グレード)はSigma Aldrich Co, USAから購入し、さらに精製せずに使用した。水分散液中の界面活性剤として400kDaの分子量を有するポリエチレンイミン(PEI)を使用する。高純度二酸化炭素及び脱イオン水を超臨界流体媒質及び分散媒質として用いる。10mm×10mm寸法の良く研磨したマイカ基板(AFM測定用)、Cu被覆TEMグリッド(SEM研究)、単結晶性石英(ラマン測定用)、p型(100)シリコンウェーハ(XRD用)をサンプル調製用基板とみなした。
RESS実験は、300K〜600K(27℃〜327℃)の温度範囲及び400バールまでの圧力でナノ粒子を合成するためにデザインした装置を用いて行なった(参照することによりここに援用するKhapli, S. & Jagannathan, R. Supercritical CO2 based processing of amorphous fluoropolymer Teflon-AF: Surfactant-free dispersions and superhydrophobic films. J Supercrit. Fluids 85, 49-56 (2014)に記載)。本実験では、チャンバ温度を313K(39.85℃)で一定に保ち、抽出圧を125バール〜325バールで変動させた。これらの条件を選択して、RESS装置内部の望ましくない粒子の沈殿及びノズルの目詰まりを防止した。約150mgのイブプロフェンを、上記範囲の興味ある温度と圧力で超臨界CO2に溶かし、膨張溶液を液体N2冷却容器に捕集した。イブプロフェンナノ粒子が埋め込まれた捕集ドライアイスを界面活性剤溶液(ポリエチレンイミン, PEI)と室温で混合して、PEIの表面コーティングにより安定化したナノ粒子を回収した。
収率計算のため、Melter Toldeo ML104 Analytical Balanceでドライアイスとイブプロフェンの質量を測定した。イブプロフェンナノ粒子分散系の粒子サイズ分析は、HeNeレーザー(633nmの波長)を備えたMalvern Zetasizer Nano ZS 90を用いて行なった。90°の散乱角で散乱光信号を収集した。測定の持続時間の間じゅう分散系の温度は25℃で一定に保った。報告結果は、標準偏差を表す誤差を有する9個の測定値の平均である。原子間力顕微鏡観察は、間欠接触モードで作動するAgilent 5500 Nanoscopeを用いて行なった。RESSプロセスから得たイブプロフェンナノ粒子をAFM特徴づけ用のマイカ基板上に堆積させた。共焦点ラマン顕微鏡(WiTec alpha 300RA)を用いて532nmの励起によりマイクロラマン解析を行なった。Panalytical Empyrean X線回折計でX線回折測定を行なった。
結果
粒子サイズの評価
上記修正RESSプロセスで生成した粒子は、主に原子間力顕微鏡を用いて特徴づけした。図21は、10回以上の実験から得たマイカ、シリコン及び石英等の種々の基板上のイブプロフェンの25以上のサンプルスライドの代サンプルである。データは非常に再現性がある。イブプロフェンの平均粒子サイズは2±0.5nmであることが分かった。剛球モデルを用いた計算は、2nm粒子中のクラスター数が約3であることを示唆する。これらの粒子は、イブプロフェンの本質的に分子クラスターである。
イブプロフェンナノ粒子懸濁液の水力学的サイズ及びサイズ分布は、動的光散乱技術を用いて測定した。図21は、7.5nmの平均径及び±3nmのサイズ分布幅を有する(約1.0の多分散指数に相当する)RESS処理イブプロフェンナノ粒子分散系の典型数分布プロファイルを示す。今までのところ文献に存在するイブプロフェン薬ナノ粒子の最小粒子サイズは約40nmである。記載方法を用いてもたらされた粒子サイズはかなり小さく、約2±0.5nmである。
DLS及びAFMで測定した平均粒子サイズの差は、水溶液中での薬物ナノ粒子の膨潤に起因する。また、DLS測定では粒子の水力学的半径がより大きいが、AFMはさらに直接的な表面プロフィロメトリック(profilometric)測定である。
化学的特徴づけ
未処理イブプロフェン粉末及び本システムにより生成したイブプロフェンナノ粒子について記録したXRDスペクトルを図23に示す。両物質は、イブプロフェンの結晶性を示唆する多くの鋭い回折ピークを示す。約15°〜25°の2θの範囲内のこれらの鋭いピークは、単斜P21/c対称を有するイブプロフェンの典型的な特性ピークであり、両物質で観察される。記載プロセスにより生成したイブプロフェンナノ粒子のXRDピーク位置もイブプロフェン粉末についての当該報告文献と良く一致する。
収率測定
本発明の一実施形態の別の重要な態様は、10nm未満のイブプロフェン粒子を高収率で捕獲するその能力である。RESS処理イブプロフェン粒子は主に2nmのサイズ範囲の本質的に分子クラスターであることに留意することが重要であり、室温では効率的にこれらの「気体様」分子クラスターを捕獲できないであろう。一実施形態では、RESSCO2スプレーを「冷トラップ」に通して、ドライアイス内でナノ粒子を凝固させる。このプロセスからのイブプロフェンナノ粒子のパーセンテージ収率は、乾燥/回収されたナノ粒子(W2)対出発物質の初期乾燥質量(W1)の比から決定した。
パーセンテージ収率=W2/W1×100
種々の抽出圧について収率を計算し、図24に示す。325バールの抽出圧では、パーセンテージ収率が80±3であることが分かった。図24に示すように、抽出圧を325から125バールに下げると、収率が80%から55%に低下することになる。一定温度では、抽出圧の増加が超臨界CO2の密度及び溶媒和強度を高め、より高い収率の効率につながる。RESS捕集法の一実施形態は、RESS膨張に伴う固有のジュールトムソン(JT)冷却をも考慮する。JT冷却は、抽出圧が増すにつれて増加し、結果としてナノ粒子のさらに急速な冷却及びさらに効率的な捕獲をもたらす。
イブプロフェン実験の要約
修正RESSを通じた不十分な水溶性の薬物イブプロフェンの10nm未満の医薬ナノ粒子のハイスループット生産を示した。AFM高さプロファイルは約1nmのナノ粒子サイズを示したが、DLS測定は、7.5nmのより高い水力学的サイズをもたらす。修正RESS技術によれば、薬物ナノ粒子は、325バールの抽出圧で約80%の高収率値で捕集可能だった。10nm未満サイズの薬物ナノ粒子のこのハイスループット生産方法は、不十分な水溶性の薬物の送達にとって重要な新基盤を可能にすると予想される。
3. コンピュータ実施形態
一実施形態は、図6に示すようなコンピュータシステムを利用して、例えば、コンピュータアクセス可能媒体620(例えば、ここに記載するように、記憶装置、例えばハードディスク、フロッピーディスク、メモリスティック、CD-ROM、RAM、ROM等、又はそのコレクション)を提供することができる(例えば、処理取決め610と連通して)。コンピュータアクセス可能媒体620は、非一時的コンピュータアクセス可能媒体であってよい。コンピュータアクセス可能媒体620は、その上に実行可能命令630を含有することができる。さらに或いはこれとは別に、例えば、ここに記載するように、特定の典型的手順、プロセス及び方法を実行するように処理取決めを構成するように処理取決め610に命令を提供できる記憶取決め640をコンピュータアクセス可能媒体620とは別に設けることができる。
システム600は、ディスプレイ又は出力装置、入力装置、例えばキーボード、マウス、タッチスクリーン又は他の入力装置を含んでもよく、論理網を通じて追加システムに接続することができる。ここに記載の多くの実施形態は、プロセッサを有する1つ以上のリモートコンピュータへの論理結合を用いてネットワーク環境で実施可能である。論理結合には、ここに例として提示し、限定ではないローカルエリアネットワーク(LAN)及び広域ネットワーク(WAN)が含まれる。該ネットワーク環境は、オフィス規模又は企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット及びインターネットでは平凡であり、種々多様の異なる通信プロトコルを使用してよい。当業者には当然のことながら、該ネットワークコンピューティング環境は、典型的に多くのタイプのコンピュータシステム構成、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラム可能家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等を包含し得る。本発明の実施形態は、(配線接続リンク、ワイヤレスリンク、又は配線接続若しくはワイヤレスリンクの組合せのいずれかで)通信ネットワークを通じて連結されるローカル及びリモート処理装置によってタスクが遂行される分散型コンピューティング環境でも実施可能である。分散型コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモートの両メモリ記憶装置にあってよい。
ネットワーク環境内のコンピュータにより実行されるプログラムコード等のコンピュータ実行可能命令を含むプログラム製品によって一実施形態で実行し得る方法工程の一般的文脈で種々の実施形態を記述する。一般的に、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含み、これらが特定タスクを遂行するか又は特定の抽象データタイプを実行する。コンピュータ実行可能、関連データ構造、及びプログラムモジュールは、ここに開示する方法の実行工程に適したプログラムコードの例を表す。該実行可能命令又は関連データ構造の特定シーケンスは、該工程に記載の機能を実行するための対応行為の例を表す。
本発明のソフトウェア及びウェブ実施は、種々のデータベース検索工程、相関工程、比較工程及び決定工程を達成するための規則に基づいた論理及び他の論理を用いる標準的プログラミング技術で達成可能だった。本明細書及び特許請求の範囲で使用する単語「コンポーネント」及び「モジュール」は、ソフトウェアコード、及び/又はハードウェア実行、及び/又は手動入力を受け取る装備の1つ以上のラインを用いた実行を包含するように意図されていることにも留意すべきである。
ここでの実質的にいずれの複数及び/又は単数の用語の使用についても、当業者は、文脈及び/又は用途に適するように、複数から単数へ及び/又は単数から複数へ変換することができる。明瞭さのため、本明細書では種々の単数/複数の置換をはっきりと明記することがある。
例示実施形態の前述の記載は、例示及び説明のために提示したものである。開示した正確な形態について排他的又は限定的であることを意図せず、上記技術を考慮して変更形態及び変形形態が可能であり、或いは開示実施形態の実施からそれらを得ることができる。本発明の範囲は、本出願に添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物によって定義されることを意図する。

Claims (27)

  1. 下記工程:
    興味ある化合物の超臨界溶液を超音速でキャピラリを通して膨張させる工程;
    気体媒質中に分散したナノ粒子のストリームを生成する工程;
    前記ナノ粒子のストリームを、液体冷却剤によりもたらされる外部冷却の適用によって少なくとも部分的に前記気体分散媒質の凝固点未満に冷却する工程;及び
    気体から固体への相変化によって固体マトリックス内に前記ナノ粒子を捕獲する工程
    を含んでなるプロセス。
  2. 前記冷却工程が、ジュールトムソン効果に起因する前記ストリームの局所冷却を利用する工程をさらに含む、請求項1のプロセス。
  3. 前記液体冷却剤が液体窒素である、請求項1のプロセス。
  4. 前記超臨界溶液が、前記興味ある化合物、超臨界溶媒、及び固体共溶媒を含む、請求項1のプロセス。
  5. CO2を含む前記超臨界溶媒の大気圧での昇華点が77K(-196℃)より高い、請求項4のプロセス。
  6. 前記超臨界溶液が固体共溶媒を含まない、請求項1のプロセス。
  7. 約1〜100nmの直径を有する前記ナノ粒子の80%より多くが捕獲される、請求項1のプロセス。
  8. 約1〜100nmの直径を有する前記ナノ粒子の90%より多くが捕獲される、請求項1のプロセス。
  9. 前記捕獲されたナノ粒子が50nm未満の平均サイズを有する、請求項1のプロセス。
  10. 前記捕獲されたナノ粒子が20nm未満の平均サイズを有する、請求項1のプロセス。
  11. 前記捕獲されたナノ粒子が10nm未満の平均サイズを有する、請求項1のプロセス。
  12. 前記捕獲されたナノ粒子が約2nmの平均サイズを有する、請求項11のプロセス。
  13. 約2〜100nmの直径を有する前記ナノ粒子の80%より多くが捕獲される、請求項1のプロセス。
  14. 超微細粒子の噴流の冷却が300バール以下の圧力で起こる、請求項1のプロセス。
  15. 前記ナノ粒子を捕獲する工程が、前記ナノ粒子上の固体二酸化炭素の形成を含む、請求項1のプロセス。
  16. その上に命令を有する非一時的コンピュータ可読メモリであって、前記命令が下記:興味ある化合物の超臨界溶液の、気体中に分散したナノ粒子の噴流を介した膨張を制御するための命令;
    超微細粒子の前記噴流を、液体冷却剤によりもたらされる外部冷却の適用によって少なくとも部分的に前記気体分散媒質の昇華点未満に冷却するための命令
    を含み;かつ
    分離される前記ナノ粒子が、気体から固体への相変化によって固体マトリックス内に捕獲される、
    非一時的コンピュータ可読メモリ。
  17. 前記冷却工程が、ジュールトムソン効果に起因する前記噴流の局所冷却を利用する工程をさらに含む、請求項16の非一時的コンピュータ可読メモリ。
  18. 前記液体冷却剤が液体窒素である、請求項16の非一時的コンピュータ可読メモリ。
  19. 気体がCO2を含み、CO2を含む超臨界溶媒の大気圧での昇華点が77K(-196℃)より高い、請求項16の非一時的コンピュータ可読メモリ。
  20. 約5〜100nmの直径を有する前記ナノ粒子の90%より多くが捕獲される、請求項16の非一時的コンピュータ可読メモリ。
  21. 前記ナノ粒子の噴流の冷却が300バール以下の圧力で起こる、請求項16の非一時的コンピュータ可読メモリ。
  22. 前記ナノ粒子を捕獲する工程が、前記ナノ粒子上の固体二酸化炭素の形成を含む、請求項16の非一時的コンピュータ可読メモリ。
  23. ナノ粒子を捕集するためのシステムであって、下記:
    興味ある化合物を供給するためのフィードシステム;
    ポンプ、冷却浴、及び熱交換器を有するフィード冷却システムであって、前記興味ある化合物の超臨界溶液を高圧容器に供給するフィード冷却システム;及び
    ピストンヘッドによって配合チャンバと制御チャンバに分割されている前記高圧容器;及び
    キャピラリチューブを介して前記高圧容器と連通している冷却剤容器
    を含んでなるシステム。
  24. 前記配合チャンバがスターラを含む、請求項23のシステム。
  25. 前記配合チャンバが1つ以上のぞき窓をさらに含む、請求項23のシステム。
  26. 前記配合チャンバがヒーターを含む、請求項23のシステム。
  27. 前記ピストンが気密性浮遊ピストンヘッドである、請求項23のシステム。
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