JP2017221953A - 双ロール式縦型鋳造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】板厚の均一性並びに表面及び内面の仕上がり品質を一定値以上に維持できる双ロール式縦型鋳造装置を提供する。【解決手段】所定のロールギャップ13をもって対向配置され、互いに平行な回転軸111,121を中心にして等しい周速度で回転するとともに、相対的に接近する方向へ弾性付勢された一対の鋳造ロール11,12と、前記回転軸と平行に対向配置された一対の主堰板141,142と、前記回転軸と直交して対向配置されるとともに前記一対の主堰板の両端面に密接された一対の側堰板143,144とを含み、前記一対の鋳造ロールの前記ロールギャップの上方に配置されて、軽金属材料の溶湯が注湯される溶湯ノズル14と、を備え、前記溶湯ノズルの下部には、前記一対の主堰板の少なくとも一方が外側に向かって拡開する拡張域14Eが設けられ、少なくとも前記拡張域の主堰板の内面には、前記溶湯ノズルの内側に向かって複数の整流板148,149が立設されている。【選択図】図1

Description

本発明は、双ロール式縦型鋳造装置に関するものである。
溶湯液面の状態に左右されずに板厚と品質が安定したシートを高速度で採取することができる双ロール式縦型鋳造装置として、一対の水冷回転ロールの上方に、一対の主堰及び一対の横堰を延設したものが知られている(特許文献1)。
特許第4873626号公報
しかしながら、この種の双ロール式縦型鋳造装置では、溶湯をレードルから溶湯ノズルに注湯した場合に、溶湯ノズルの幅方向、すなわち鋳造ロールの軸方向に沿って溶湯の流れが生じる。その結果、幅方向の溶湯温度が不均一になり、ロールギャップが不安定となることから、得られるシート材の板厚が不均一になったり、仕上がり品質が低下したりする。
本発明が解決しようとする課題は、板厚の均一性並びに表面及び内面の仕上がり品質を一定値以上に維持できる双ロール式縦型鋳造装置を提供することである。
本発明は、溶湯ノズルの下部に一対の主堰板の少なくとも一方が外側に向かって拡開する拡張域を設け、少なくとも拡張域の主堰板の内面に、溶湯ノズルの内側に向かって複数の整流板を立設することによって上記課題を解決する。
ロールギャップは、溶湯ノズルに注湯された溶湯の液面の位置に相関するため、溶湯を溶湯ノズルに注湯する鋳造初期においては、製品歩留まりの観点から目標液面に達するまでの時間を極力短くする必要がある。このため、溶湯ノズルの下部に拡張域を設け、この拡張域に複数の整流板を設けることで、ロールギャップ上の液面位置が短時間で目標液面に達することになる。これとともに、溶湯が溶湯ノズルの上部から拡張域に流れる際に鋳造ロールの軸方向に乱流が生じようとするが、複数の整流板によりこの乱流の発生を抑制することができる。この結果、幅方向の溶湯温度が均一になり、ロールギャップが安定することで、得られる軽金属シート材の板厚の均一性並びに表面及び内面の仕上がり品質を一定値以上に維持することができる。
本発明に係る双ロール式縦型鋳造装置の一実施の形態を示す側面図である。 図1の平面図である。 図1の主要部分の断面図である。 図1の溶湯ノズルの一例を示す平面図である。 図1の溶湯ノズルの他例を示す平面図である。 本発明に係る双ロール式縦型鋳造装置の他の実施の形態を示す主要部分の断面図である。 本発明に係る双ロール式縦型鋳造装置のさらに他の実施の形態を示す主要部分の断面図である。 本発明に係る双ロール式縦型鋳造装置のさらに他の実施の形態を示す主要部分の断面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1は、溶解されたアルミニウム系材料を、特に限定はされないが例えば1000℃/秒以上の冷却速度で冷間圧延し、所定厚さt、所定幅W及び所定長Lのシート2に製造するための鋳造装置である。冷却速度を大きくすることで不純物が含まれていても大きく成長せず、また生産性も高いという利点がある。鋳造原料となるアルミニウム系材料としては、特に限定されないが例えば、アルミニウムのほか、アルミニウム・シリコン合金、アルミニウム・シリコン・マグネシウム合金その他のアルミニウム合金が含まれる。これらアルミニウム系材料の融点又は液相温度は、概ね580〜670℃である。
本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1は、所定のロールギャップ13をもって対向配置された一対の鋳造ロール11,12と、当該一対の鋳造ロール11,12のロールギャップ13の上方に配置され、アルミニウム系材料の溶湯5を受容する溶湯ノズル14と、アルミニウム系材料の溶湯5を収容し当該溶湯5を溶湯ノズル14に注湯するレードル15と、を備える。なお、図1には図示を省略するが、溶湯ノズル14からロールギャップ13を通過する溶湯5が、弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力を推定する反力推定器と、この反力推定器により推定された反力に応じて一対の鋳造ロール11,12がロールギャップ13を通過する溶湯5から受ける単位時間当たりの受熱量を制御する制御ユニットとを設けてもよい。図2に示すように、一対の鋳造ロール11,12と、溶湯ノズル14と、レードル15とは、それぞれの幅方向の中心軸CLが一致するように配置されている。
一対の鋳造ロール11,12は、架台4に搭載され、一方の鋳造ロール11は、回転軸111を中心にして回転するように設けられ、他方の鋳造ロール12は、回転軸111に平行な回転軸121を中心にして回転するように設けられている。本実施形態における一方の鋳造ロール11は、架台4に対して位置が固定され、他方の鋳造ロール12は、スライドレール41を介して一方の鋳造ロール11に対して水平方向に接近及び離反移動が可能とされている。当該他方の鋳造ロール12は、一方の鋳造ロール11に向かう方向にばね又は流体圧シリンダなどの弾性体122により弾性付勢されているが、最も接近した際のロールギャップ13は、目的とするシート2の板厚tに応じたゼロを超える所定値、特に限定されないが例えば、0.5〜3mmに設定されている。なお、一対の鋳造ロール11,12の両者を、架台4に対して互いに接近及び離反移動が可能に構成してもよい。
一対の鋳造ロール11,12は、互いに等しい周速度で回転するように、プーリ及びベルトなどの伝達機構を介して回転駆動モータ112に接続されている。本実施形態の鋳造ロール11,12は、外径が等しくされているので、一つの回転駆動モータ112により互いに逆方向、すなわちロールギャップ13において溶湯5を鉛直下方向へ押し下げる力が作用するように等しい周速度で回転する。図1,図3,図5〜図7に示す例においては、一方の鋳造ロール11は反時計方向に回転し、他方の鋳造ロール12は時計方向に回転する。なお図示は省略するが、回転駆動モータ112は、出力軸の回転速度を可変とするインバータ装置により回転速度が制御され、当該インバータ装置は制御ユニットからの制御指令により制御される。
ちなみに、一対の鋳造ロール11,12の外径を等しくすれば、変速機構を設けることなく一つの回転駆動モータ112により等しい周速度で回転させることができる。また、一対の鋳造ロール11,12の外径を等しくし、後述する溶湯ノズル14の主堰板141,142の中心をロールギャップ13の中心に一致させれば、溶湯ノズル14の下端の溶湯5と鋳造ロール11,12との接触面113,123の面積が等しくなるので、鋳造されるシートの表裏における冷却速度が均等になる。ただし、本発明の一対の鋳造ロール11,12は、周速度が等しければ異なる外径であってもよい。この場合に、溶湯ノズル14の下端の溶湯5と鋳造ロール11,12との接触面113,123の面積を等しくするためには、溶湯ノズル14の主堰板141,142の中心の位置をロールギャップ13の中心に対してどちらかにずらせばよい。
一対の鋳造ロール11,12は、回転軸111,121の両端部にそれぞれ固定されたハブ114,124に、熱伝導性が良好な銅などの金属板115,125を固定することにより構成されている。金属板115,125の内部の一部又は全部には、冷媒が循環する循環系統が設けられ、少なくとも溶湯5との接触面113,123(以下、これらの接触面113,123を成形面116,126ともいい、その回転軸111,121方向の長さをWRという。)の裏面の金属板115,125に冷媒が接触するように、スプレーノズルが設けられたり、あるいは金属板115,125の内部の一部又は全体が冷媒の流路とされている。本実施形態の一対の鋳造ロール11,12のそれぞれは、少なくとも溶湯5が接触する鋳造ロールの接触面113,123の温度を調節する温度調節器を含んでもよい。
本実施形態の溶湯ノズル14は、一対の鋳造ロール11,12の回転軸111,121と平行に対向配置された一対の主堰板141,142と、回転軸111,121と直交して対向配置されるとともに一対の主堰板141,142の両端面に密接された一対の側堰板143,144とを含んで構成されている。すなわち、本実施形態の溶湯ノズル14は、4つの側面を有し、上面と下面がそれぞれ開口した、断面が矩形の筒体とされている。
一対の主堰板141,142及び一対の側堰板143,144は、アルミニウム系材料の融点又は液相温度に耐え得る耐熱性を有するセラミックス製板材を基材とし、その表面(少なくとも主堰板と側堰板とで囲まれる内面)に、同等の耐熱性を有する断熱材層が形成されてなる。そして、一対の主堰板141,142の下端が、上述した一対の鋳造ロール11,12の表面に接触又は僅かな隙間をあけて設けられている。また、一対の側堰板143,144は、図2の平面図に示すように、一対の主堰板141,142の端面と一対の鋳造ロール11,12の両端面に、押圧弾性体145,146を介して当接する。すなわち、主堰板141,142の幅方向の長さは鋳造ロール11,12の幅方向の長さとほぼ等しく形成され、一対の側堰板143,144は、これら一対の主堰板141,142と一対の鋳造ロール11,12とに押圧されている。これにより、一対の主堰板141,142、一対の側堰板143,144及び一対の鋳造ロール11,12のロールギャップ13の近傍(接触面113,123)とで囲まれた空間に溶湯5が受容されることになる。
なお、他方の鋳造ロール12の接触面123に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる主堰板141には、当該他方の鋳造ロール12が架台4に対して水平方向に移動する際においても、他方の鋳造ロール12の接触面123との接触又は僅かな隙間を維持するように引張り弾性体147が設けられている。これに対して、一方の鋳造ロール11の接触面113に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる主堰板142は、図示はしないが架台4に対して位置が固定されている。
本実施形態の一対の主堰板141,142は、図1及びこれを拡大した図3に示すように、当該主堰板141,142の下部が溶湯ノズル14の外側に向かって傾斜して拡開するように形成されている。図3は、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1の溶湯ノズル14及び一対の鋳造ロール11,12で囲まれた鋳造の主要部分を示す断面図である。そして、この拡開した主堰板141,142の内面部分に、溶湯ノズル14の内側に向かって複数の整流板148,149が立設されている。一対の主堰板141,142が拡開して構成される溶湯ノズル14の下部を、図3に示すように拡張域14Eと称し、この拡張域14Eから上部の、相対的に幅狭となった溶湯ノズル14の上部を縮小域14Rと称する。
拡張域14Eの鉛直方向の長さ及び拡開角度は、溶湯ノズル14の容積、すなわち1バッチで受容するべき溶湯5の容量と、縮小域14Rの容積との関係、並びに溶湯ノズル14における溶湯5の目標液面高さにより適宜の値に設定される。上述したとおり、ロールギャップ13の上方における溶湯の液面高さは、ロールギャップ13に加わる圧力、すなわちロールギャップ13を押し広げようとする力に相関し、この力によってロールギャップ13の寸法が短時間で目標寸法になることが、製品歩留まりを向上させる観点から好ましい。したがって、1バッチで受容するべき溶湯5の容量が一定量であれば、縮小域14Rの幅寸法(一対の主堰板141,142の間隔)が小さいほど、目標液面高さが高くなり、ロールギャップ13に加わる圧力が大きくなる。ただし、溶湯ノズル14の全体を縮小域14Rで構成すると、溶湯ノズル14の下部において溶湯5が鋳造ロール11,12と接触する接触面113,123の面積が減少し、これにより所定温度までの冷却時間が長くなるので、鋳造ロール11,12の周速度を遅くする必要がある。このようにすると生産性が低下する。
そこで、本実施形態の溶湯ノズル14においては、溶湯ノズル14の下部の拡張域14Eにより、溶湯5が鋳造ロール11,12と接触する面積を充分に確保しつつ、同時に溶湯ノズル14の上部の縮小域14Rにより、目標液面高さをできる限り高くすることとしている。ただし、本実施形態の溶湯ノズル14のように、一対の主堰板141,142を平板ではなく屈折板又は屈曲板で構成し、溶湯ノズル14の上部と下部に断面積が異なる縮小域14Rと拡張域14Eを形成すると、溶湯5が溶湯ノズル14の縮小域14Rから拡張域14Eに流れる際にこれらの境界近傍で乱流が生じる。特に、溶湯ノズル14の内部において、鋳造ロール11,12の回転軸方向の乱流が生じると、溶湯5の温度もこの回転軸方向に沿って不均一となる。その結果、成形されたアルミニウム系シート材の板厚が幅方向で不均一になったり、表面及び内面の仕上がり品質が幅方向で不均一になる恐れがある。
このため、本実施形態の溶湯ノズル14においては、拡張域14Eの主堰板141,142の内面部分に、溶湯ノズル14の内側に向かって突出する複数の整流板148,149を立設している。本実施形態の整流板148,149は、主堰板141,142や側堰板143,144と同様に、アルミニウム系材料の融点又は液相温度に耐え得る耐熱性を有するセラミックス製板材を基材とし、その表面(少なくとも主堰板と側堰板とで囲まれる内面)に、同等の耐熱性を有する断熱材層が形成されてなる。また本実施形態の整流板148,149の板厚や数量は特に限定されないが、整流板148,149を溶湯ノズル14の内部に設けることで、溶湯ノズル14の実質的な容積が減少し、目標液面高さが高くなるので、この目標液面高さも考慮して設定することが望ましい。
図4Aは、溶湯ノズル14に設けられる整流板148,149の一例を示す平面図であり、同図に示すように、複数の整流板148,149を、それぞれの先端部が対面するように等ピッチで並んで設けてもよい。この場合に、一方の主堰板141の整流板148の先端部と、他方の主堰板142の整流板149の先端部との間には、適宜の隙間を設定することが望ましい。また、図4Bは、同じく溶湯ノズル14に設けられる整流板148,149の他例を示す平面図でり、同図に示すように、一方の主堰板141の整流板148と、他方の主堰板142の整流板149とが互い違いに等ピッチで並んで設けてもよい。この場合に、一方の主堰板141の整流板148の先端部と、他方の主堰板142の整流板149の先端部が延在方向について適宜の長さだけ重なるように設けることが望ましい。
図5は、溶湯ノズル14に設けられる整流板148,149のさらなる他例を示す断面図であり、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1の溶湯ノズル14及び一対の鋳造ロール11,12で囲まれた鋳造の主要部分を示す図3に相当する。本発明に係る整流板148,149は、少なくとも拡張域14Eに設ければよいので、図5に示すように、整流板148,149を、拡張域14Eだけでなく縮小域14Rまで延在するような形状としてもよい。この場合に、複数の整流板148,149は、図4Aに示す配置又は図4Bに示す配置のいずれであってもよい。
図6は、溶湯ノズル14に設けられる整流板148,149のさらなる他例を示す断面図であり、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1の溶湯ノズル14及び一対の鋳造ロール11,12で囲まれた鋳造の主要部分を示す図3に相当する。本発明に係る整流板148,149は、少なくとも一対の主堰板141,142のいずれか一方に設ければよいので、整流板148を一方の主堰板141にのみ設け、他方の主堰板142については省略してもよい。この場合に、整流板148を拡張域14Eにのみ設けてもよいし、図6に二点鎖線で示すように縮小域14Rにまで延在するような形状としてもよい。またこの場合に、複数の整流板148,149は、図4Aに示す配置又は図4Bに示す配置のいずれであってもよい。特に整流板148,149を一方の主堰板141,142に設ける場合には、図1に示すように、レードル15からの溶湯5の注湯中において、溶湯5が接触し易い方の主堰板141に整流板148を設けることが望ましい。
図7は、溶湯ノズル14の主堰板141,142の形状を変更し、縮小域14Rの容積をさらに小さくした他例を示す断面図であり、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1の溶湯ノズル14及び一対の鋳造ロール11,12で囲まれた鋳造の主要部分を示す図3に相当する。図7に示す溶湯ノズル14の縮小域14Rにおける主堰板141,142の間隔は、図3,5,6に示す溶湯ノズル14の縮小域14Rにおける主堰板141,142の間隔に比べ、短く設定されている。このように縮小域14Rの容積を小さくすることで、目標液面をさらに高くすることができる。この場合の複数の整流板148は、同図に実線で示すように拡張域14Eにのみ設けてもよいし、同図に二点鎖線で示すように縮小域14Rにまで延在するような形状としてもよい。またこの場合に、複数の整流板148,149は、図4Aに示す配置又は図4Bに示す配置のいずれであってもよい。さらに、主堰板141,142の一方のみを図7に示す形状としてもよい。
図1及び図2に戻り、溶湯ノズル14の上方には、レードル(取鍋)15が設けられ、当該レードル15に収容された溶湯5を溶湯ノズル14に注入するための、ホイストクレーンなどのレードル移動機構(不図示)が設けられている。アルミニウム系材料の固形原材料は、レードル15に投入された状態で別途の溶解炉にて溶解され、このレードル15をレードル移動機構により溶湯ノズル14の近傍に移動し、当該レードル15を傾けることで溶湯5を溶湯ノズル14に注入する。図1及び図2に示すレードル15は、いわゆるバッチ方式による鋳造を行う場合のものを示すが、本発明に適用できるレードルは、溶解炉により溶解したアルミニウム材の溶湯5を連続してレードル15に給湯し、当該レードル15の注湯口から溶湯ノズル14へ連続して溶湯5を注湯するタイプの連続方式のものも含まれる。
一対の鋳造ロール11,12の下方には、ロールギャップ13を通過して固相状態となったアルミニウムシート2を略水平方向に案内するガイド板6が設けられ、その下流にガイドローラ7と巻取機3が設けられている。ロールギャップ13を通過して固相状態となったアルミニウムシート2は、ガイド板6により水平方向に案内されたのちガイドローラ7の上面を滑りつつ巻取機3によってロール状に巻き取られる。
さて、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1においては、図3に示すように、レードル15から溶湯ノズル14へ溶湯5を注入すると同時又は若干のタイムラグをもって、一対の鋳造ロール11,12の回転を開始する。この溶湯注入初期段階において、溶湯ノズル14への溶湯5の注入速度(単位時間当たりの注入容積)は、ロールギャップ13を通過して固相状態となるアルミニウムシート2の鋳造速度(単位時間当たりの鋳造容積)よりも大きい速度に設定する。
溶湯ノズル14に注入された溶湯5は、ロールギャップ13の中心水平線と交わる点P1から主堰板141,142に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる点P2までの、一対の鋳造ロール11,12の接触面113,123と接触することで、溶湯5は冷却され、凝固し始める。図4において溶湯5のうち液相状態の溶湯を符号51、固液共存の溶湯を符号52、固相の溶湯(すなわちアルミニウムシート2)を符号53で示す。
本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1は、溶湯5の冷却速度が例えば1000℃/秒以上となる冷間圧延鋳造法であり、この溶湯5の冷却速度に応じて一対の鋳造ロール11,12の周速度が設定される。ここで、液相の溶湯51が接触面113,123と接触する際の温度が高いと、凝固速度が遅くなり、図3に示す液相の溶湯51及び固液共存の溶湯52の存在領域が、同図において下方にずれることになる。このため、ロールギャップ13を通過する溶湯のうち液相の溶湯51が全体に占める割合が増加し、固相の溶湯53が全体に占める割合が減少するので、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が減少する。これにより、ロールギャップ13は小さくなる。逆に、液相の溶湯51が接触面113,123と接触する際の温度が低いと、凝固速度が早くなり、図3に示す液相の溶湯51及び固液共存の溶湯52の存在領域が、同図において上方にずれることになる。このため、ロールギャップ13を通過する溶湯のうち固相の溶湯53が全体に占める割合が増加し、液相の溶湯51が全体に占める割合が減少するので、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が増加する。これにより、ロールギャップ13は大きくなる。このように、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の温度が変動すると、ロールギャップ13の寸法が変動し、その結果、得られるアルミニウムシート2の板厚tが不均一となる。
また、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1においては、いわゆるバッチ方式により所定量の溶湯5を溶湯ノズル14に注入し、所定厚さt、所定幅W及び所定長さLのアルミニウムシート2を得るが、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の重量が、鋳造中にロールギャップ13に重力として作用する。すなわち、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面が高いと(溶湯重量が大きいと)、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が増加する。これにより、ロールギャップ13は大きくなる。また、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面が高いと(溶湯重量が大きいと)、溶湯5と接触面113,123との密着度が大きくなり、溶湯5の凝固効率が高くなる。このため、図3に示す液相の溶湯51及び固液共存の溶湯52の存在領域が、同図において上方にずれることになり、ロールギャップ13を通過する溶湯のうち固相の溶湯53が全体に占める割合が増加し、液相の溶湯51が全体に示す割合が減少する。このため、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が増加する。これによっても、ロールギャップ13は大きくなるといえる。
逆に、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面が低いと(溶湯重量が小さいと)、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が減少する。これにより、ロールギャップ13は小さくなる。また、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面が低いと(溶湯重量が小さいと)、溶湯5と接触面113,123との密着度が小さくなり、溶湯5の凝固効率が低くなる。このため、図3に示す液相の溶湯51及び固液共存の溶湯52の存在領域が、同図において下方にずれることになり、ロールギャップ13を通過する溶湯のうち液相の溶湯51が全体に占める割合が増加し、固相の溶湯53が全体に占める割合が減少する。このため、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が減少する。これによっても、ロールギャップ13は小さくなるといえる。このように、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面の位置が変動すると、ロールギャップ13の寸法が変動し、その結果、得られるアルミニウムシート2の板厚tが不均一となる。
このため、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1では、ロールギャップ13を通過する溶湯5が、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力を推定する反力推定器、たとえば溶湯ノズル14の液面位置検出器や溶湯ノズル14の溶湯温度検出器を設け、この反力推定器により推定された反力に応じて一対の鋳造ロール11,12がロールギャップ13を通過する溶湯5から受ける単位時間当たりの受熱量を制御する制御ユニットを設け、推定された反力が大きいほど単位時間当たりの受熱量を小さく制御し、推定された反力が小さいほど単位時間当たりの受熱量を大きく制御してもよい。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1を用いてアルミニウムシート2を鋳造する場合においては、まず一対の鋳造ロール11,12の回転を開始すると同時又は若干のタイムラグをもって、レードル15から溶湯ノズル14へ溶湯5を注入する。溶湯ノズル14に注入された溶湯5は、図3に示すように、ロールギャップ13の中心水平線と交わる点P1から主堰板141,142に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる点P2までの、一対の鋳造ロール11,12の接触面113,123と接触することで、溶湯5は冷却され、凝固し始める。本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1は、溶湯5の冷却速度が例えば1000℃/秒以上となる冷間圧延鋳造法であり、この溶湯5の冷却速度に応じて一対の鋳造ロール11,12の周速度が設定される。
この鋳造開始時において、レードル15から溶湯ノズル14へ溶湯5を注湯するときに、本実施形態の溶湯ノズル14には縮小域14Rが設けられ、さらに複数の整流板148,149が溶湯ノズル14の内部に設けられているので、溶湯5の液面が目標液面に短時間で到達することができる。
またこれに加えて、本実施形態の溶湯ノズル14の下部には拡張域14Eが設けられ、溶湯5と鋳造ロール11,12との接触面113,123の面積が充分に確保されているので、一対の鋳造ロール11,12の周速度を高めても溶湯5は充分な速度で冷却する。これにより、アルミニウムシート2の生産性を高めることができる。
さらにこれらに加えて、溶湯ノズル14の上部に縮小域14Rを設け、下部に拡張域14Eを設けることで、これらの境界近傍に溶湯5の乱流が生じようとするが、本実施形態の溶湯ノズル14の拡張域14E又は拡張域14E及び縮小域14Rには複数の整流板148,149が設けられているので、こうした溶湯5の乱流の発生を抑制することができる。以上の結果、特に幅方向の溶湯温度が均一になり、ロールギャップ13が安定することで、得られるアルミニウムシート2の板厚の均一性並びに表面及び内面の仕上がり品質を一定値以上に維持することができる。
なお、本発明に適用されるシート材は上記実施形態のアルミニウム系材料に限定されるものではなく、マグネシウム等の軽金属材料であれば全て含まれるものとする。
1…双ロール式縦型鋳造装置
11…鋳造ロール
111…回転軸
112…回転駆動モータ
113…溶湯との接触面
114…ハブ
115…金属板
116…成形面
12…鋳造ロール
121…回転軸
122…弾性体
123…溶湯との接触面
124…ハブ
125…金属板
126…成形面
…成形面の回転軸方向の長さ
13…ロールギャップ
14…溶湯ノズル
141,142…主堰板
143,144…側堰板
145,146…押圧弾性体
147…引張り弾性体
148,149…整流板
14E…拡張域
14R…縮小域
15…レードル(取鍋)
2…アルミニウムシート
3…巻取機
4…架台
41…スライドレール
5…溶湯
51…液相の溶湯
52…固液共存の溶湯
53…固相の溶湯(シート)
6…ガイド板
7…ガイドローラ

Claims (5)

  1. 軽金属材料をシートに製造する双ロール式縦型鋳造装置であって、
    所定のロールギャップをもって対向配置され、互いに平行な回転軸を中心にして等しい周速度で回転するとともに、相対的に接近する方向へ弾性付勢された一対の鋳造ロールと、
    前記回転軸と平行に対向配置された一対の主堰板と、前記回転軸と直交して対向配置されるとともに前記一対の主堰板の両端面に密接された一対の側堰板とを含み、前記一対の鋳造ロールの前記ロールギャップの上方に配置されて、前記軽金属材料の溶湯が注湯される溶湯ノズルと、を備える双ロール式縦型鋳造装置において、
    前記溶湯ノズルの下部には、前記一対の主堰板の少なくとも一方が外側に向かって拡開する拡張域が設けられ、
    少なくとも前記拡張域の主堰板の内面には、前記溶湯ノズルの内側に向かって複数の整流板が立設されている双ロール式縦型鋳造装置。
  2. 前記拡張域は、前記一対の主堰板のそれぞれが外側に向かって拡開して構成される請求項1に記載の双ロール式縦型鋳造装置。
  3. 前記整流板は、前記溶湯ノズルの主堰板の内面の、前記拡張域より上部にまで延在して設けられている請求項1又は2に記載の双ロール式縦型鋳造装置。
  4. 前記複数の整流板は、前記一対の主堰板の一方に設けられた整流板の先端と、前記一対の主堰板の他方に設けられた整流板の先端とが対面するように設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の双ロール式縦型鋳造装置。
  5. 前記複数の整流板は、前記一対の主堰板の一方に設けられた整流板と、前記一対の主堰板の他方に設けられた整流板とが互い違いに位置し、それぞれの整流板の先端部が延在方向について重なるように設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の双ロール式縦型鋳造装置。
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