JP2017220413A - 荷電粒子線装置および収差補正方法 - Google Patents

荷電粒子線装置および収差補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる荷電粒子線装置を提供する。
【解決手段】 荷電粒子線装置は、光学系の収差を補正するための収差補正装置を備えた荷電粒子線装置であって、幾何収差の次数が6次である6次スリーローブ収差を測定する収差測定部44と、前記6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、前記6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減するための、幾何収差の次数が4次である4次スリーローブ収差、および幾何収差の次数が2次である3回非点収差の少なくとも一方の大きさを算出する算出部46と、算出部46における算出結果に基づいて、前記収差補正装置に対して前記4次スリーローブ収差および前記3回非点の少なくとも一方を発生させる制御を行う制御部48と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子線装置および収差補正方法に関する。
透過電子顕微鏡における収差補正は、高分解能像を取得する上で重要な技術である。
例えば、非特許文献1〜非特許文献3には、六極子を2段配置した2段3回場型球面収差補正装置が開示されている。非特許文献1〜非特許文献3の球面収差補正装置では、対物レンズの正の球面収差を、六極子によって生じる負の球面収差で補正する。2段3回場型球面収差補正装置では、通常、幾何収差の次数が5次の6回非点収差が支配的な収差となって残るが、多極子の厚さ等を調整することにより、6回非点収差の補正が可能である。
また、非特許文献4および非特許文献5には、3回場を3段配置した3段3回場型球面収差補正装置が開示されている。3段3回場型球面収差補正装置では、上記の2段3回場型球面収差補正装置では補正が難しい6回非点収差を、3回場を3段配置することで補正している。
H. Rose, Optik, vol. 85 (1990) pp.19-24 H. Haider et al., Nature, vol.392 (1998) pp. 768-769 H. Muller, et al., Microsc. Microanal. 12, 442-455, (2006) H. Sawada et al., Journal of Electron Microscopy, vol. 58 (2009) pp. 341-347 H. Sawada et al., Ultramicroscopy 110 (2010) 958-961
上述したように、2段3回場型球面収差補正装置では、多極子の厚さ等を調整することにより、6回非点収差の補正が可能である。しかしながら、6回非点収差が補正されたとしても、幾何収差の次数が6次である6次スリーローブ収差は補正できず、これが収差補正範囲を制限する収差として残る。
また、上述したように、3段3回場型球面収差補正装置では、6回非点収差を補正できる。しかしながら、3段3回場型球面収差補正装置においても、2段3回場型球面収差補正装置と同様に、6回非点収差を補正した後は、6次スリーローブ収差が支配的な収差として残る。
このように、多段多極子型の収差補正装置では、5次までの収差を補正したとしても6次スリーローブ収差が残ってしまう。この6次スリーローブ収差の影響により収差補正範囲が制限されてしまう。すなわち、6次スリーローブ収差の影響により、電子線の位相変化が大きくなり、像の分解能が低下してしまう。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる荷電粒子線装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは
、6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる収差補正方法を提供することにある。
(1)本発明に係る荷電粒子線装置は、
光学系の収差を補正するための収差補正装置を備えた荷電粒子線装置であって、
幾何収差の次数が6次である6次スリーローブ収差を測定する収差測定部と、
前記6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、前記6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減するための、幾何収差の次数が4次である4次スリーローブ収差、および幾何収差の次数が2次である3回非点収差の少なくとも一方の大きさを算出する算出部と、
前記算出部における算出結果に基づいて、前記収差補正装置に対して前記4次スリーローブ収差および前記3回非点収差の少なくとも一方を発生させる制御を行う制御部と、
を含む。
このような荷電粒子線装置では、収差補正装置において6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差に対して4次スリーローブ収差および3回非点収差の少なくとも一方を導入して、6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる。したがって、このような荷電粒子線装置によれば、像の分解能を向上できる。
(2)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記算出部は、前記4次スリーローブ収差および前記3回非点収差の大きさを算出し、
前記制御部は、前記収差補正装置に対して、
前記6次スリーローブ収差がつくる3回場と前記4次スリーローブ収差がつくる3回場との間の角度のずれが60度となるように、前記4次スリーローブ収差を発生させる制御を行い、
前記6次スリーローブ収差がつくる3回場と前記3回非点収差がつくる3回場との間の角度のずれが0度となるように、前記3回非点収差を発生させる制御を行ってもよい。
このような荷電粒子線装置では、収差補正装置において6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差に対して4次スリーローブ収差および3回非点収差を導入して、6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる。さらに、このような荷電粒子線装置では、4次スリーローブ収差のみを導入した場合および3回非点収差のみを導入した場合に比べて、収差補正範囲をより広げることができる。
(3)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記算出部は、前記4次スリーローブ収差の大きさを算出し、
前記制御部は、前記収差補正装置に対して、前記6次スリーローブ収差がつくる3回場と前記4次スリーローブ収差がつくる3回場との間の角度のずれが60度となるように、前記4次スリーローブ収差を発生させる制御を行ってもよい。
このような荷電粒子線装置では、収差補正装置において6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差に対して4次スリーローブ収差を導入して、6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる。
(4)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記算出部は、前記3回非点収差の大きさを算出し、
前記制御部は、前記収差補正装置に対して、前記6次スリーローブ収差がつくる3回場と前記3回非点収差がつくる3回場との間の角度のずれが60度となるように、前記3回
非点収差を発生させる制御を行ってもよい。
このような荷電粒子線装置では、収差補正装置において6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差に対して3回非点収差を導入して、6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる。
(5)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記収差補正装置は、複数段の多極子と、隣り合う前記多極子間に配置された転送レンズ系と、を有し、
前記制御部は、
前記転送レンズ系を制御して、前記4次スリーローブ収差を発生させ、
前記多極子を制御して、前記3回非点収差を発生させてもよい。
このような荷電粒子線装置では、容易に、6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる。
(6)本発明に係る収差補正方法は、
多段多極子型の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置における収差補正方法であって、
幾何収差の次数が6次である6次スリーローブ収差を測定する工程と、
前記6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、前記6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減するための、幾何収差の次数が4次である4次スリーローブ収差、および幾何収差の次数が2次である3回非点収差の少なくとも一方の大きさを算出する算出工程と、
前記算出工程における算出結果に基づいて、前記収差補正装置において前記4次スリーローブ収差および前記3回非点収差の少なくとも一方を発生させる収差発生工程と、
を含む。
このような収差補正方法では、収差補正装置において6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差に対して4次スリーローブ収差および3回非点収差の少なくとも一方を導入して、6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる。したがって、このような収差補正方法では、像の分解能を向上できる。
第1実施形態に係る電子顕微鏡を模式的に示す図。 第1実施形態に係る電子顕微鏡の収差補正装置を模式的に示す図。 6次スリーローブ収差がつくる3回場および4次スリーローブ収差がつくる3回場の角度の関係を説明するための図。 6次スリーローブ収差を10mmとした場合のロンチグラムの計算結果。 6次スリーローブ収差を10mmとした場合の位相分布の計算結果。 図4Bに示す点線上のプロファイル。 6次スリーローブ収差を10mmとし4次スリーローブ収差を27.3μmとした場合のロンチグラムの計算結果。 6次スリーローブ収差を10mmとし4次スリーローブ収差を27.3μmとした場合の位相分布の計算結果。 図5Bに示す点線上のプロファイル。 第1実施形態に係る電子顕微鏡の処理部の収差補正処理の一例を示すフローチャート。 6次スリーローブ収差がつくる3回場および3回非点収差がつくる3回場の角度の関係を説明するための図。 6次スリーローブ収差を10mmとし3回非点収差を37.5nmとした場合のロンチグラムの計算結果。 6次スリーローブ収差を10mmとし3回非点収差を37.5nmとした場合の位相分布の計算結果。 図8Bに示す点線上のプロファイル。 第2実施形態に係る電子顕微鏡の処理部の収差補正処理の一例を示すフローチャート。 6次スリーローブ収差がつくる3回場、4次スリーローブ収差がつくる3回場、および3回非点収差がつくる3回場の角度の関係を説明するための図。 6次スリーローブ収差を10mmとし4次スリーローブ収差を63μmとし3回非点収差を78nmとした場合のロンチグラムの計算結果。 6次スリーローブ収差を10mmとし4次スリーローブ収差を63μmとし3回非点収差を78nmとした場合の位相分布の計算結果。 図11Bに示す点線上のプロファイル。 第3実施形態に係る電子顕微鏡の処理部の収差補正処理の一例を示すフローチャート。 第4実施形態に係る電子顕微鏡を模式的に示す図。 変形例に係る収差補正装置を模式的に示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
また、以下では、本発明に係る荷電粒子線装置として、電子線を照射して試料の観察、分析等を行う電子顕微鏡を例に挙げて説明するが、本発明に係る荷電粒子線装置は電子線以外の荷電粒子線(イオン等)を照射して試料の観察、分析等を行う装置であってもよい。
1. 第1実施形態
1.1. 電子顕微鏡の構成
まず、本実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る電子顕微鏡100を模式的に示す図である。
電子顕微鏡100は、収差補正装置30を備えた走査透過電子顕微鏡(STEM)である。走査透過電子顕微鏡は、電子プローブ(集束した電子線)で試料S上を走査し、試料Sを透過した電子を検出して走査透過電子顕微鏡像(STEM像)を得るための装置である。
電子顕微鏡100は、図1に示すように、電子源10と、集束レンズ12と、走査コイル13と、対物レンズ14と、試料ステージ16と、試料ホルダー17と、中間レンズ18と、投影レンズ20と、STEM検出器22a,22bと、撮像装置24と、収差補正装置30と、処理部40と、操作部50と、表示部52と、記憶部54と、を含む。
電子源10は、電子を発生させる。電子源10は、例えば、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線を放出する電子銃である。
集束レンズ12は、電子源10から放出された電子線を集束する。集束レンズ12は、図示はしないが、複数の電子レンズで構成されていてもよい。集束レンズ12および対物レンズ14は、電子線を集束して試料Sに照射するための照射系を構成している。
走査コイル13は、電子線を偏向させて、集束レンズ12および対物レンズ14で集束された電子線(電子プローブ)で試料S上を走査するためのコイルである。走査コイル13は、電子顕微鏡100の制御装置(図示せず)で生成された走査信号に基づき、電子プローブを偏向させる。これにより、電子プローブで試料S上を走査することができる。
対物レンズ14は、電子線を試料S上に集束させて、電子プローブを形成するためのレンズである。また、対物レンズ14は、試料Sを透過した電子を結像する。
試料ステージ16は、試料Sを保持する。図示の例では、試料ステージ16は、試料ホルダー17を介して、試料Sを保持している。試料ステージ16は、試料Sを水平方向や鉛直方向に移動させたり、試料Sを傾斜させたりすることができる。
中間レンズ18および投影レンズ20は、試料Sを透過した電子をSTEM検出器22a,22bに導く。また、中間レンズ18および投影レンズ20は、対物レンズ14によって結像された像をさらに拡大し、撮像装置22上に結像する。対物レンズ14、中間レンズ18、および投影レンズ20は、電子顕微鏡100の結像系を構成している。
明視野STEM検出器22aは、試料Sを透過した電子のうち、散乱されずに透過した電子、および所定の角度以下で散乱した電子を検出する。明視野STEM検出器22aは光軸上に配置されているが、撮像装置24を使用する場合には光軸上から退避させることができる。
暗視野STEM検出器22b、試料Sで特定の角度で散乱された電子を検出する。暗視野STEM検出器22bは、円環状の検出器である。
撮像装置24は、結像系によって結像された像を撮影する。撮像装置22は、例えば、CCDカメラ等のデジタルカメラである。
収差補正装置30は、電子顕微鏡100の照射系に組み込まれている。図示の例では、収差補正装置30は、集束レンズ12の後段に配置されている。収差補正装置30は、電子顕微鏡100の照射系の収差を補正するための装置である。具体的には、収差補正装置30は、負の球面収差を作り出し、照射系の正の球面収差を打ち消すことで照射系の球面収差を補正する球面収差補正装置である。
電子顕微鏡100では、電子源10から放出された電子線は、集束レンズ12および対物レンズ14で集束されて電子プローブを形成し試料Sに照射される。このとき、試料Sに照射される電子線は、収差補正装置30によって収差が補正される。試料Sに照射された電子線は、走査コイル13によって試料S上で走査される。試料Sを透過した電子線は、対物レンズ14、中間レンズ18および投影レンズ20によってSTEM検出器22a,22bに導かれ、STEM検出器22a,22bで検出される。STEM検出器22a,22bは、それぞれ検出された電子の強度信号(検出信号)を、処理部40に送る。処理部40は、STEM検出器22a,22bで検出された電子の強度信号(検出信号)を走査信号に同期させて画像化し、明視野STEM像および暗視野STEM像を生成する。
また、電子顕微鏡100では、照射系によって電子線を試料S付近に集束させて、回折面上にできる試料の投影像(ロンチグラム)を、撮像装置24で取得することができる。撮像装置24で取得された像の情報は、処理部40に送られる。
図2は、収差補正装置30を模式的に示す図である。収差補正装置30は、三段の多極子32a,32b,32cを有している。すなわち、収差補正装置30は、三段三回場型
球面収差補正装置である。
収差補正装置30は、三段の多極子(第1多極子32a、第2多極子32b、第3多極子32c)と、第1転送レンズ系34と、第2転送レンズ系35と、を含んで構成されている。
収差補正装置30では、光軸OPに沿って第1多極子32a、第2多極子32b、および第3多極子32cが一列に配列されている。
第1多極子32aは、3回場(3回対称場)を発生させる。同様に、第2多極子32bおよび第3多極子32cは、3回場を発生させる。なお、3回場とは、場の強度が3回の対称性を持つ場を意味する。
第1多極子32aは、例えば、十二極子で構成される。なお、第1多極子32aの極数は、特に限定されない。第1多極子32aによって生成される三回場は、静電場、静磁場、またはこれらの重畳場のいずれかである。第2多極子32bおよび第3多極子32cの構成は、第1多極子32aの構成と同じである。
第1多極子32a、第2多極子32b、および第3多極子32cは、光軸OPに沿った厚みtを有する。厚みを持った多極子では、薄い多極子で発生する収差とは異なる収差が、コンビネーション収差として現れる。多極子において三回場を発生させる場合、コンビネーション収差として負の球面収差が生じる。これを利用して光学系の正の球面収差を補正できる。
また、収差補正装置30では、3段の多極子32a,32b,32cにおいて、それぞれの3回場から発生する収差のコンビネーションによって生じる6回非点収差を、3つの3回場を相対的に所定角度に設定することによって打ち消すことができる。
第1多極子32aと第2多極子32bとの間には、第1転送レンズ系34が配置されている。第1転送レンズ系34は、一対の転送レンズ(第1転送レンズ34aおよび第2転送レンズ34b)で構成されている。第1転送レンズ系34は、第1多極子32aで形成された像と共役な像を第2多極子32bに形成する。
また、第2多極子32bと第3多極子32cとの間には、第2転送レンズ系35が配置されている。第2転送レンズ系35は、一対の転送レンズ(第1転送レンズ35aおよび第2転送レンズ35b)で構成されている。第2転送レンズ系35は、第2多極子32bで形成された像と共役な像を第3多極子32cに形成する。
なお、集束レンズ12と第1多極子32aとの間に転送レンズ系36を配置してもよい。転送レンズ系36は、一対の転送レンズ(第1転送レンズ36aおよび第2転送レンズ36b)で構成されている。
操作部50は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部40に送る処理を行う。操作部50の機能は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどにより実現できる。
表示部52は、処理部40によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。表示部52には、撮影されたSTEM像などが表示される。
記憶部54は、処理部40が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部54は、処理部40の作業領域として用いられ、処理部40が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。記憶部54の機能は、ハードディスク、RAMなどにより実現できる。
処理部40は、後述する収差補正処理や、STEM検出器22a,22bからの検出信号に基づきSTEM像を生成する処理などの処理を行う。処理部40の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部40は、球面収差補正部42と、収差測定部44と、算出部46と、制御部48と、を含む。
球面収差補正部42は、照射系の球面収差が補正されるように、収差補正装置30を制御する。球面収差補正部42は、後述する収差測定部44における収差の測定結果に基づいて、収差補正装置30を制御する。また、球面収差補正部42は、球面収差に加えて、6回非点収差が補正されるように収差補正装置30を制御する。
収差測定部44は、収差を測定する処理を行う。収差測定部44は、例えば、SRAM(Segmental−Ronchigram−Autocorrelation−Function Matrix)法やプローブタブロー(Probe Tableau)法を用いて収差の測定を行う。
SRAM法は、ロンチグラム(Ronchigram)を取得し、ロンチグラムを小領域に分割したうえで各小領域について自己相関関数を取得し、各自己相関関数の形状から、収差を計算する手法である。ロンチグラムは、照射系によって電子線を試料S付近に集束させて、回折面上にできる試料の投影像(図形)である。
プローブタブロー法は、試料面への電子線照射角度を変えて複数のSTEM像を撮影し、それらをデコンボリューションすることで得られるプローブ像を基にして収差を測定する手法である。
収差測定部44は、後述する収差補正処理において、6次スリーローブ収差を測定する。6次スリーローブ収差とは、幾何収差の次数が6次の収差である。6次スリーローブ収差は、3回場(3回対称場)をつくる。収差測定部44は、6次スリーローブ収差以外のその他の収差(例えば幾何収差の次数が4次である4次スリーローブ収差や、幾何収差の次数が2次である3回非点収差、球面収差など)も測定する。
なお、電子の軌道を、荷電粒子の電磁場内での運動として記述する幾何光学において、結像点の理想結像(ガウス結像)点からのズレを幾何収差という。光学特性は、一般に、物面の一点から像面の一点へ写像する冪展開多項式で表される。この多項式は、物面における電子軌道の光軸からの距離rと光軸となす角αをパラメータとして冪展開される。rとαに関して、一次の項のみを考慮した場合は収差のない理想結像を表す(ガウス結像)。二次以上の項を考慮した場合、結像点は理想結像点からずれる。光軸となす角αと光軸からの距離rの次数を合わせた数が、幾何収差の次数である。
算出部46は、収差測定部44における6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための4次スリーローブ収差の大きさを算出する。
ここで、収差補正装置30において、球面収差および6回非点収差を補正した後は、6次スリーローブ収差が支配的な収差として残る。このとき、収差補正装置30に、4次ス
リーローブ収差を導入することで、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減できる。
図3は、6次スリーローブ収差がつくる3回場F1、および4次スリーローブ収差がつくる3回場F2の角度の関係を説明するための図である。
図3に示すように、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための4次スリーローブ収差は、6次スリーローブ収差がつくる3回場F1と4次スリーローブ収差がつくる3回場F2との間の角度のずれが60度となるように導入される。これにより、3回対称の収差同士で打ち消しあって、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減できる。
なお、3回場F1および3回場F2は3回対称であるため、120度、または240度回転させると元の場と一致する。そのため、ここでは、3回場F1と3回場F2との角度のずれを、0度以上120度未満の範囲で規定している。
6次スリーローブ収差の大きさがR[mm]であった場合、許容位相変化量をk[rad]とすると、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための4次スリーローブ収差の大きさRは、下記式(1)で表される。
ただし、λは電子線の波長である。また、許容位相変化量kは、電子線の位相の変化が許容される範囲であり、後述する図5Cに示すグラフの極値での位相変化量に対応している。
例えば、6次スリーローブ収差が10mmの場合、許容位相変化量kをπ/4、電子線の波長λを0.0049nm(加速電圧60kV)として、上記式(1)を用いて計算を行うと、4次スリーローブ収差の大きさRは、27.3μmとなる。
制御部48は、算出部46における算出結果に基づいて、収差補正装置30に対して、4次スリーローブ収差を発生させる制御を行う。算出部46における算出結果には、4次スリーローブ収差の大きさの情報、および4次スリーローブ収差がつくる3回場の角度の情報が含まれる。4次スリーローブ収差は、第1転送レンズ系34および第2転送レンズ系35を調整することで発生させることができる。
図4Aは、6次スリーローブ収差を10mmとした場合のロンチグラムの計算結果である。図4Bは、6次スリーローブ収差を10mmとした場合の位相分布の計算結果である。図4Cは、図4Bに示す点線上のプロファイルである。
図5Aは、6次スリーローブ収差を10mmとし、4次スリーローブ収差を27.3μmとした場合のロンチグラムの計算結果である。図5Bは、6次スリーローブ収差を10mmとし、4次スリーローブ収差を27.3μmとした場合の位相分布の計算結果である。図5Cは、図5Bに示す点線上のプロファイルである。
図4A、図4B、および図4Cに示すように、6次スリーローブ収差のみの場合、収差
補正範囲が46mradであった。これに対して、図5A、図5B、および図5Cに示すように、6次スリーローブ収差に4次スリーローブ収差を加えた場合、6次スリーローブ収差の大きさは図4A、図4B、および図4Cに示す場合と同じであるが、収差補正範囲は65mradまで広がった。すなわち、4次スリーローブ収差を加えることで、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減できた。ここで、収差補正範囲とは、位相の変化量が許容位相変化量(ここではπ/4)以下の範囲をいう。
1.2. 電子顕微鏡の動作
次に、電子顕微鏡100の動作について説明する。以下では、電子顕微鏡100の処理部40の収差補正処理について説明する。図6は、電子顕微鏡100の処理部40の収差補正処理の一例を示すフローチャートである。
まず、処理部40は、ユーザーが収差補正開始の指示を行ったか否かを判定する(ステップS100)。処理部40は、操作部50に対する開始操作が行われた場合に、ユーザーが収差補正開始の指示を行ったと判定する。
収差補正開始の指示が行われたと判定された場合(ステップS100でYESの場合)、球面収差補正部42は、球面収差および6回非点収差が補正されるように収差補正装置30を制御する処理を行う(ステップS102)。
球面収差補正部42は、収差測定部44における収差の測定結果に基づき制御信号を生成し、収差補正電源コントローラ31に送る。これにより、収差補正装置30が動作し、球面収差および6回非点収差が補正されるが、6次スリーローブ収差が支配的な収差として残る。
次に、収差測定部44は、SRAM法またはスリーローブ法により、6次スリーローブ収差を測定する(ステップS104)。
収差測定部44は、例えば、ロンチグラムを取得し、ロンチグラムを小領域に分割したうえで各小領域について自己相関関数を取得して収差を計算する(SRAM法)。また、収差測定部44は、試料面への電子線照射角度を変えて撮影された複数のSTEM像を取得し、これらをデコンボリューションすることで得られるプローブ像から収差を測定してもよい(プローブタブロー法)。
次に、算出部46は、収差測定部44における6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための4次スリーローブ収差の大きさ(目標値)を算出する(ステップS106)。
算出部46は、上記式(1)を用いて、4次スリーローブ収差の大きさ(目標値)を算出する。
次に、制御部48は、算出部46における4次スリーローブ収差の大きさの算出結果に基づいて、収差補正装置30に対して4次スリーローブ収差を発生させる制御を行う(ステップS108)。
具体的には、制御部48は、算出された4次スリーローブ収差の大きさに基づいて、収差補正装置30(第1転送レンズ系34および第2転送レンズ系35)を制御するための制御信号を生成し、当該制御信号を収差補正電源コントローラ31に送る。これにより、収差補正装置30において4次スリーローブ収差が発生する。
次に、収差測定部44は、SRAM法またはスリーローブ法により、収差を測定する(ステップS110)。
次に、制御部48は、測定された4次スリーローブ収差の大きさと目標値との差が所定値以下か否かを判定する(ステップS112)。
制御部48は、測定された4次スリーローブ収差の大きさと目標値との差が所定値以下ではないと判定した場合(ステップS112でNOの場合)、4次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、4次スリーローブ収差の大きさが目標値に近づくように収差補正装置30を制御する(ステップS108)。
なお、ステップS110の処理において、収差の測定結果に6次スリーローブ収差および4次スリーローブ収差以外のその他の収差が含まれている場合には、ステップS108の処理において、その他の収差が補正されるように収差補正装置30を制御する処理を行ってもよい。
制御部48および収差測定部44は、ステップS108、ステップS110、およびステップS112の処理を繰り返し行い、4次スリーローブ収差の大きさを目標値に近づける。
制御部48が測定された4次スリーローブ収差の大きさと目標値との差が所定値以下であると判定した場合(ステップS112でYESの場合)、処理部40は、収差補正処理を終了する。
電子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
電子顕微鏡100では、収差測定部44が6次スリーローブ収差を測定し、算出部46が6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて4次スリーローブ収差の大きさを算出し、制御部48が算出部46における算出結果に基づいて、収差補正装置30に対して4次スリーローブ収差を発生させる制御を行う。そのため、電子顕微鏡100では、収差補正装置30において6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差に対して4次スリーローブ収差を導入して、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減できる(すなわち収差補正範囲を広げることができる)。したがって、電子顕微鏡100によれば、像の分解能を向上できる。
電子顕微鏡100では、制御部48が、収差補正装置30に対して、6次スリーローブ収差がつくる3回場と4次スリーローブ収差がつくる3回場との間の角度のずれが60度となるように、4次スリーローブ収差を発生させる制御を行う。これにより、6次スリーローブ収差と4次スリーローブ収差とが打ち消しあって収差補正範囲を広げることができる。
電子顕微鏡100では、制御部48は、第1転送レンズ系34および第2転送レンズ系35を制御して、4次スリーローブ収差を発生させる。そのため、容易に、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減できる。
第1実施形態に係る収差補正方法は、6次スリーローブ収差を測定する工程と、6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための4次スリーローブ収差の大きさを算出する算出工程と、当該算出工程における算出結果に基づいて、収差補正装置30において4次スリーローブ収差を発生させる収差発生工程と、を含む。そのため、収差補正装置30において6回非点収差を補正した
後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減でき、像の分解能を向上できる。
2. 第2実施形態
2.1. 電子顕微鏡の構成
次に、第2実施形態に係る電子顕微鏡について説明する。以下、上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100では、4次スリーローブ収差を導入することで、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減した。
これに対して、第2実施形態に係る電子顕微鏡では、3回非点収差を導入することで、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減する。
なお、第2実施形態に係る電子顕微鏡の構成は図1に示す第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成と同じであり、その図示および説明を省略する。
本実施形態では、算出部46は、収差測定部44における6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための3回非点収差の大きさを算出する。
図7は、6次スリーローブ収差がつくる3回場F1、および3回非点収差がつくる3回場F3の角度の関係を説明するための図である。
図7に示すように、3回非点収差は、6次スリーローブ収差がつくる3回場F1と3回非点収差がつくる3回場F3との間の角度のずれが60度となるように導入される。これにより、3回対称の収差同士で打ち消しあって、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減できる。
6次スリーローブ収差の大きさがR[mm]であった場合、許容位相変化量をk[rad]とすると、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための3回非点収差の大きさAは、下記式(2)で表される。
例えば、6次スリーローブ収差が10mmの場合、許容位相変化量kをπ/4、電子線の波長λを0.0049nm(加速電圧60kV)として、上記式(2)を用いて計算を行うと、3回非点収差の大きさAは、37.5nmとなる。
本実施形態では、制御部48は、算出部46における算出結果に基づいて、収差補正装置30に対して、3回非点収差を発生させる制御を行う。算出部46における算出結果には、3回非点収差の大きさの情報、および3回非点収差がつくる3回場の角度の情報が含まれる。3回非点収差は、第1多極子32a、第2多極子32b、および第3多極子32cの少なくとも1つを調整することで発生させることができる。
図8Aは、6次スリーローブ収差を10mmとし、3回非点収差を37.5nmとした場合のロンチグラムの計算結果である。図8Bは、6次スリーローブ収差を10mmとし、3回非点収差を37.5nmとした場合の位相分布の計算結果である。図8Cは、図8Bに示す点線上のプロファイルである。
図4A、図4B、および図4Cに示すように、6次スリーローブ収差のみの場合、収差補正範囲が46mradであった。これに対して、図8A、図8B、および図8Cに示すように、6次スリーローブ収差に3回非点収差を加えた場合、6次スリーローブ収差の大きさは図4A、図4B、および図4Cに示す場合と同じであるが、収差補正範囲は58mradまで広がった。
2.2. 電子顕微鏡の動作
次に、第2実施形態に係る電子顕微鏡の動作について説明する。図9は、第2実施形態に係る電子顕微鏡の処理部40の収差補正処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すステップS200、ステップS202、およびステップS204の処理は、それぞれ上述した図6に示すステップS100、ステップS102、およびステップS104の処理と同様に行われる。
収差測定部44で6次スリーローブ収差が測定された後(ステップS204の後)に、算出部46は、収差測定部44における6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための3回非点収差の大きさ(目標値)を算出する(ステップS206)。
算出部46は、上記式(2)を用いて、3回非点収差の大きさ(目標値)を算出する。
次に、制御部48は、算出部46における3回非点収差の大きさの算出結果に基づいて、収差補正装置30に対して3回非点収差を発生させる制御を行う(ステップS208)。
具体的には、制御部48は、算出された3回非点収差の大きさに基づいて、収差補正装置30(第1多極子32a、第2多極子32b、および第3多極子32cの少なくとも1つ)を制御するための制御信号を生成し、当該制御信号を収差補正電源コントローラ31に送る。これにより、収差補正装置30において3回非点収差が発生する。
次に、収差測定部44は、SRAM法またはスリーローブ法により、収差を測定する(ステップS210)。
次に、制御部48は、測定された3回非点収差の大きさと目標値との差が所定値以下か否かを判定する(ステップS212)。
制御部48は、測定された3回非点収差の大きさと目標値との差が所定値以下ではないと判定した場合(ステップS212でNOの場合)、3回非点収差の測定結果に基づいて、3回非点収差の大きさが目標値に近づくように収差補正装置30を制御する(ステップS208)。
制御部48および収差測定部44は、ステップS208、ステップS210、およびステップS212の処理を繰り返し行い、3回非点収差の大きさを目標値に近づける。
制御部48が測定された3回非点収差の大きさと目標値との差が所定値以下であると判
定した場合(ステップS212でYESの場合)、処理部40は、収差補正処理を終了する。
第2実施形態に係る電子顕微鏡は、例えば、以下の特徴を有する。
第2実施形態に係る電子顕微鏡では、収差測定部44が6次スリーローブ収差を測定し、算出部46が6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて3回非点収差の大きさを算出し、制御部48が算出部46における算出結果に基づいて、収差補正装置30に対して3回非点収差を発生させる制御を行う。そのため、第2実施形態に係る電子顕微鏡では、収差補正装置30において6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差に対して3回非点収差を導入して、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減できる。したがって、第2実施形態に係る電子顕微鏡によれば、上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100と同様に、像の分解能を向上できる。
第2実施形態に係る電子顕微鏡では、制御部48が収差補正装置30に対して、6次スリーローブ収差がつくる3回場と3回非点収差がつくる3回場との間の角度のずれが60度となるように、3回非点収差を発生させる制御を行う。これにより、6次スリーローブ収差と3回非点収差とが打ち消しあって収差補正範囲を広げることができる。
第2実施形態に係る電子顕微鏡では、制御部48は、第1多極子32a、第2多極子32b、および第3多極子32cの少なくとも1つを制御して、3回非点収差を発生させる。そのため、容易に、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減できる。
第2実施形態に係る収差補正方法は、6次スリーローブ収差を測定する工程と、6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための3回非点収差の大きさを算出する算出工程と、当該算出工程における算出結果に基づいて、収差補正装置30において3回非点収差を発生させる収差発生工程と、を含む。そのため、収差補正装置30において6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減でき、像の分解能を向上できる。
3. 第3実施形態
3.1. 電子顕微鏡の構成
次に、第3実施形態に係る電子顕微鏡について説明する。以下、上述した第1実施形態および第2実施形態に係る電子顕微鏡と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100では、4次スリーローブ収差を導入することで、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減した。また、第2実施形態に係る電子顕微鏡では、3回非点収差を導入することで、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減した。
これに対して、第3実施形態に係る電子顕微鏡では、4次スリーローブ収差および3回非点収差を導入することで、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減する。
なお、第3実施形態に係る電子顕微鏡の構成は図1に示す第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成と同じであり、その図示および説明を省略する。
本実施形態では、算出部46は、収差測定部44における6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための、4次
スリーローブ収差および3回非点収差の大きさを算出する。
図10は、6次スリーローブ収差がつくる3回場F1、4次スリーローブ収差がつくる3回場F2、および3回非点収差がつくる3回場F3の角度の関係を説明するための図である。
図10に示すように、4次スリーローブ収差は、6次スリーローブ収差がつくる3回場F1と4次スリーローブ収差がつくる3回場F2との間の角度のずれが60度となるように導入される。また、3回非点収差は、6次スリーローブ収差がつくる3回場F1と3回非点収差がつくる3回場F3との間の角度のずれが0度となるように導入される。すなわち、3回場F1と3回場F3とは角度のずれがない。このように、6次スリーローブ収差に4次スリーローブ収差および3回非点収差を導入することによって3回対称の収差同士で打ち消しあって、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減できる。
6次スリーローブ収差の大きさがR[mm]であった場合、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための4次スリーローブ収差の大きさRおよび3回非点収差の大きさAは、収差関数χを下記式(3)として、下記式(4)の連立方程式をRおよびAに対して解くことで求められる。
ただし、kは、低角側の許容位相変化量であり、kは、高角側の許容位相変化量である。
例えば、6次スリーローブ収差が10mmの場合、許容位相変化量kをπ/4、許容位相変化量kをπ/4、電子線の波長λを0.0049nm(加速電圧60kV)として、上記式(4)を用いて計算を行うと、4次スリーローブ収差の大きさRは63μmとなり、3回非点収差の大きさAは78nmとなる。
本実施形態では、制御部48は、算出部46における算出結果に基づいて、収差補正装置30に対して、4次スリーローブ収差および3回非点収差を発生させる制御を行う。4次スリーローブ収差は、第1転送レンズ系34および第2転送レンズ系35を調整するこ
とで発生させることができる。また、3回非点収差は、第1多極子32a、第2多極子32b、および第3多極子32cの少なくとも1つを調整することで発生させることができる。
図11Aは、6次スリーローブ収差を10mmとし、4次スリーローブ収差を63μmとし、3回非点収差を78nmとした場合のロンチグラムの計算結果である。図11Bは、6次スリーローブ収差を10mmとし、4次スリーローブ収差を63μmとし、3回非点収差を78nmとした場合の位相分布の計算結果である。図11Cは、図11Bに示す点線上のプロファイルである。
図4A、図4B、および図4Cに示すように、6次スリーローブ収差のみの場合、収差補正範囲が46mradであった。これに対して、図11A、図11B、および図11Cに示すように、6次スリーローブ収差に4次スリーローブ収差および3回非点収差を加えた場合、6次スリーローブ収差の大きさは図4A、図4B、および図4Cに示す場合と同じであるが、収差補正範囲は77mradまで広がった。
なお、低角側の許容位相変化量kは、図11Cに示すグラフの低角側の極値での位相変化量に対応し、高角側の許容移動変化量kは、図11Cに示すグラフの高角側の極値での位相変化量に対応している。
3.2. 電子顕微鏡の動作
次に、第3実施形態に係る電子顕微鏡の動作について説明する。図12は、第3実施形態に係る電子顕微鏡の処理部40の収差補正処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すステップS300、ステップS302、およびステップS304の処理は、それぞれ上述した図6に示すステップS100、ステップS102、およびステップS104の処理と同様に行われる。
収差測定部44で6次スリーローブ収差が測定された後(ステップS304の後)に、算出部46は、収差測定部44における6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための4次スリーローブ収差の大きさ(目標値)および3回非点収差の大きさ(目標値)を算出する(ステップS306)。
算出部46は、上記式(4)を用いて、4次スリーローブ収差の大きさ(目標値)および3回非点収差の大きさ(目標値)を算出する。
次に、制御部48は、算出部46における4次スリーローブ収差および3回非点収差の大きさの算出結果に基づいて、収差補正装置30に対して4次スリーローブ収差および3回非点収差を発生させる制御を行う(ステップS308)。
具体的には、制御部48は、算出された4次スリーローブ収差の大きさに基づいて、第1転送レンズ系34および第2転送レンズ系35を制御するための制御信号を生成し、収差補正電源コントローラ31に送る。また、制御部48は、算出された3回非点収差の大きさに基づいて、第1多極子32a、第2多極子32b、および第3多極子32cの少なくとも1つを制御するための制御信号を生成し、収差補正電源コントローラ31に送る。これにより、収差補正装置30において4次スリーローブ収差および3回非点収差が発生する。
次に、収差測定部44は、SRAM法またはスリーローブ法により、収差を測定する(
ステップS310)。
次に、制御部48は、測定された4次スリーローブ収差と目標値との差が所定値以下であり、かつ、測定された3回非点収差の大きさと目標値との差が所定値以下であるという条件を満たしているか否かを判定する(ステップS312)。
制御部48は、上記条件を満たしていない判定した場合(ステップS312でNOの場合)、4次スリーローブ収差および3回非点収差の測定結果に基づいて、4次スリーローブ収差および3回非点収差の大きさが目標値に近づくように収差補正装置30を制御する(ステップS308)。
制御部48および収差測定部44は、ステップS308、ステップS310、およびステップS312の処理を繰り返し行い、4次スリーローブ収差および3回非点収差の大きさを目標値に近づける。
制御部48が上記条件を満たしていると判定した場合(ステップS312でYESの場合)、処理部40は、収差補正処理を終了する。
第3実施形態に係る電子顕微鏡は、例えば、以下の特徴を有する。
第3実施形態に係る電子顕微鏡では、収差測定部44が6次スリーローブ収差を測定し、算出部46が6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて4次スリーローブ収差および3回非点収差の大きさを算出し、制御部48が算出部46における算出結果に基づいて、収差補正装置30に対して4次スリーローブ収差および3回非点収差を発生させる制御を行う。そのため、第3実施形態に係る電子顕微鏡では、6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収差に対して4次スリーローブ収差および3回非点収差を導入して、6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減できる。
また、図11A、図11B、および図11Cに示すように、6次スリーローブ収差に対して、4次スリーローブ収差および3回非点収差を導入した場合には、4次スリーローブ収差のみを導入した場合(図5A、図5B、および図5C参照)および3回非点収差のみを導入した場合(図8A、図8B、および図8C参照)に比べて、収差補正範囲がより広がっている。したがって、第3実施形態に係る電子顕微鏡によれば、4次スリーローブ収差のみを導入した場合および3回非点収差のみを導入した場合に比べて、より像の分解能を向上できる。
第3実施形態に係る電子顕微鏡では、制御部48が収差補正装置30に対して、6次スリーローブ収差がつくる3回場と4次スリーローブ収差がつくる3回場との間の角度のずれが60度となるように、4次スリーローブ収差を発生させる制御を行い、6次スリーローブ収差がつくる3回場と3回非点収差がつくる3回場との間の角度のずれが0度となるように、3次スリーローブ収差を発生させる制御を行う。これにより、6次スリーローブ収差と、4次スリーローブ収差と、3回非点収差と、が打ち消しあって収差補正範囲を広げることができる。
第3実施形態に係る収差補正方法は、6次スリーローブ収差を測定する工程と、6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、6次スリーローブ収差による電子線の位相変化を低減するための4次スリーローブ収差および3回非点収差の大きさを算出する算出工程と、当該算出工程における算出結果に基づいて、収差補正装置30において4次スリーローブ収差および3回非点収差を発生させる収差発生工程と、を含む。そのため、収差補正装置30において6回非点収差を補正した後に支配的な収差として残る6次スリーローブ収
差による電子線の位相変化を低減でき、像の分解能を向上できる。
4. 第4実施形態
次に、第4実施形態に係る電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図13は、第4実施形態に係る電子顕微鏡200を模式的に示す図である。以下、第4実施形態に係る電子顕微鏡において、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態に係る電子顕微鏡100は、図1に示すように、収差補正装置30が照射系に組み込まれていた。
これに対して、第2実施形態に係る電子顕微鏡200では、図13に示すように、収差補正装置30が結像系に組み込まれている。
また、上述した電子顕微鏡100が走査透過電子顕微鏡(STEM)であったが、電子顕微鏡200は、透過電子顕微鏡(TEM)である。
収差補正装置30は、電子顕微鏡100の結像系に組み込まれている。図示の例では、収差補正装置30は、対物レンズ14の後段に配置されている。収差補正装置30は、電子顕微鏡100の結像系の収差を補正するための装置である。具体的には、収差補正装置30は、負の球面収差を作り出し、結像系の正の球面収差を打ち消すことで結像系の球面収差を補正する球面収差補正装置である。
電子顕微鏡200は、偏向コイル202を含んで構成されている。偏向コイル202は、集束レンズ12の後段に配置されている。偏向コイル202は、電子線を偏向させることができる。偏向コイル202によって、試料S(試料面)に対する電子線の照射角度を制御することができる。
電子顕微鏡200では、電子源10から放出された電子線は、集束レンズ12で集束されて試料Sに照射される。試料Sを透過した電子線は、対物レンズ14、中間レンズ18および投影レンズ20によって結像される。結像された透過電子顕微鏡像(TEM像)は、撮像装置24で撮影される。
本実施形態では、収差測定部44は、ディフラクトグラムタブロー(Diffractogram Tableau)法を用いて収差の測定を行う。ディフラクトグラムタブロー法は、試料面への電子線照射角度を変えて複数のアモルファス試料のTEM像を撮影し、それらをフーリエ変換することで得られるディフラクトグラムを基にして収差を計測する手法である。電子線の照射角度は、偏向コイル202で制御することができる。
電子顕微鏡200の動作は、収差測定部44がディフラクトグラムタブロー法を用いて収差を測定する点を除いて、上述した電子顕微鏡100の動作と同じでありその説明を省略する。
電子顕微鏡200によれば、電子顕微鏡100と同様の作用効果を奏することができる。なお、電子顕微鏡200の構成は、上述した第2実施形態および第3実施形態にも適用できる。
5. その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施形態では、図2に示すように、収差補正装置30は、3段3回場型の球面収差補正装置であったが、図14に示すように、収差補正装置30は、2段3回場型の球面収差補正装置であってもよい。
収差補正装置30は、図14に示すように、第1多極子32aと、第2多極子32bと、転送レンズ系34と、を有している。図14に示す収差補正装置30において、4次スリーローブ収差を発生させる場合には、転送レンズ系34を用いる。また、3回非点収差を発生させる場合には、第1多極子32aおよび第2多極子32bの少なくとも一方を用いる。
なお、収差補正装置が四段以上の複数段の多極子を有する場合についても、上述した実施形態の手法を同様に適用できる。
上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…電子源、12…集束レンズ、13…走査コイル、14…対物レンズ、16…試料ステージ、17…試料ホルダー、18…中間レンズ、20…投影レンズ、22…撮像装置、22a…明視野STEM検出器、22b…暗視野STEM検出器、24…撮像装置、30…収差補正装置、31…収差補正電源コントローラ、32a…第1多極子、32b…第2多極子、32c…第3多極子、34…第1転送レンズ系、34a…第1転送レンズ、34b…第2転送レンズ、35…第2転送レンズ系、35a…第1転送レンズ、35b…第2転送レンズ、36…転送レンズ系、36a…第1転送レンズ、36b…第2転送レンズ、40…処理部、42…球面収差補正部、44…収差測定部、46…算出部、48…制御部、50…操作部、52…表示部、54…記憶部、100…電子顕微鏡、200…電子顕微鏡、202…偏向コイル

Claims (6)

  1. 光学系の収差を補正するための収差補正装置を備えた荷電粒子線装置であって、
    幾何収差の次数が6次である6次スリーローブ収差を測定する収差測定部と、
    前記6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、前記6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減するための、幾何収差の次数が4次である4次スリーローブ収差、および幾何収差の次数が2次である3回非点収差の少なくとも一方の大きさを算出する算出部と、
    前記算出部における算出結果に基づいて、前記収差補正装置に対して前記4次スリーローブ収差および前記3回非点収差の少なくとも一方を発生させる制御を行う制御部と、
    を含む、荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記算出部は、前記4次スリーローブ収差および前記3回非点収差の大きさを算出し、
    前記制御部は、前記収差補正装置に対して、
    前記6次スリーローブ収差がつくる3回場と前記4次スリーローブ収差がつくる3回場との間の角度のずれが60度となるように、前記4次スリーローブ収差を発生させる制御を行い、
    前記6次スリーローブ収差がつくる3回場と前記3回非点収差がつくる3回場との間の角度のずれが0度となるように、前記3回非点収差を発生させる制御を行う、荷電粒子線装置。
  3. 請求項1において、
    前記算出部は、前記4次スリーローブ収差の大きさを算出し、
    前記制御部は、前記収差補正装置に対して、前記6次スリーローブ収差がつくる3回場と前記4次スリーローブ収差がつくる3回場との間の角度のずれが60度となるように、前記4次スリーローブ収差を発生させる制御を行う、荷電粒子線装置。
  4. 請求項1において、
    前記算出部は、前記3回非点収差の大きさを算出し、
    前記制御部は、前記収差補正装置に対して、前記6次スリーローブ収差がつくる3回場と前記3回非点収差がつくる3回場との間の角度のずれが60度となるように、前記3回非点収差を発生させる制御を行う、荷電粒子線装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記収差補正装置は、複数段の多極子と、隣り合う前記多極子間に配置された転送レンズ系と、を有し、
    前記制御部は、
    前記転送レンズ系を制御して、前記4次スリーローブ収差を発生させ、
    前記多極子を制御して、前記3回非点収差を発生させる、荷電粒子線装置。
  6. 多段多極子型の収差補正装置を備えた荷電粒子線装置における収差補正方法であって、
    幾何収差の次数が6次である6次スリーローブ収差を測定する工程と、
    前記6次スリーローブ収差の測定結果に基づいて、前記6次スリーローブ収差による荷電粒子線の位相変化を低減するための、幾何収差の次数が4次である4次スリーローブ収差、および幾何収差の次数が2次である3回非点収差の少なくとも一方の大きさを算出する算出工程と、
    前記算出工程における算出結果に基づいて、前記収差補正装置において前記4次スリーローブ収差および前記3回非点収差の少なくとも一方を発生させる収差発生工程と、
    を含む、収差補正方法。
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