JP2017219115A - 固定式等速ジョイント - Google Patents

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Abstract

【課題】外輪と一体化した第一回転軸と内輪と一体化した第二回転軸のなす角度が最大となった場合に第一回転軸又は第二回転軸に回転トルクが入力されたときに、全ボール支持孔の中で対応するボールに対して最大の力を及ぼすボール支持孔に支持されたボールが内輪の第二保持溝の内面のエッジ近傍に対して過大な力で押しつけられるおそれが小さい固定式等速ジョイントを提供する。
【解決手段】第一回転軸40Xと第二回転軸45Xの角度が最大となったとき、一つのボール支持孔33が自身の第一接触部33aが対応するボール35に対して他の第一接触部より大反力を及ぼす反力最大ボール支持孔33Xとなり、反力最大ボール支持孔に支持されたボールに対し第一保持溝22、第二保持溝27が及ぼす合力のポケット荷重AFと反力最大ボール支持孔の第一接触部とが直交するように、第一保持溝及び第二保持溝の形状、ボール支持孔の形状、並びにボール外径を設定した。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば車両のドライブシャフトに接続して利用される固定式等速ジョイントに関する。
特許文献1は固定式等速ジョイントの一例を開示している。
この固定式等速ジョイントは、外輪と、内輪と、複数のボールと、ケージと、を備えている。
外輪は一端が開口した筒状体である。外輪の開口と反対側の端部には、直線的に延びる第一回転軸の一端が固定されている。外輪の内周面は球面の一部である第一内周面によって構成されている。この第一内周面には、複数の第一保持溝が形成されている。
内輪は外輪より小径であり且つ外輪の内周側空間に配置されている。内輪には、内輪から第一回転軸と反対側に向かって直線的に延びる第二回転軸の一端が固定されている。内輪の外周面は球面の一部である第一外周面によって構成されている。この第一外周面には、第一保持溝と同数の第二保持溝が形成されている。
外輪の第一内周面と内輪の第一外周面との間には、第一保持溝及び第二保持溝と同数のボールが配設されている。各ボールは、一つの第一保持溝と一つの第二保持溝とに回転可能に係合している。
外輪の第一内周面と内輪の第一外周面との間には筒状部材であるケージが配設されている。
ケージの外周面と内周面は共に球面の一部である第二外周面と第二内周面とによってそれぞれ構成されている。外輪及びケージは互いに相対回転可能である。また、内輪及びケージは互いに相対回転可能である。
ケージには、ボールと同数のボール支持孔が貫通孔として形成されている。各ボール支持孔は各ボールを回転可能に支持している。各ボール支持孔によって支持された各ボールは、第一回転軸と第二回転軸とがいかなる角度をなすときも、両者がなす角の二等分線に対して直交する平面であるボール位置平面上に位置する。
この固定式等速ジョイントは以下のように動作する。
例えば、第一回転軸が自身の軸線まわりに回転すると、外輪の各第一保持溝と係合する各ボールが、自転しながら第一回転軸まわりに公転する。すると各ボールの公転力が各第二保持溝に伝達されるので、内輪及び第二回転軸が、外輪と等速度で第二回転軸まわりに回転する。即ち、各ボールが外輪の回転トルクを内輪へ伝達する。
外輪及び内輪は、第一回転軸と第二回転軸とのなす角度を変化させながら回転可能である。
ケージのボール支持孔によって各ボールは常にボール位置平面上に保持される。そのため、第一回転軸と第二回転軸とのなす角度の大きさに拘らず、第一回転軸が回転すると第二回転軸は第一回転軸と等速度で回転する。
なお、第二回転軸が自身の軸線まわりに回転した場合は、第一回転軸と第二回転軸とのなす角度の大きさに拘らず、第一回転軸が第二回転軸と等速度で回転する。
特開2006−266459号公報
ボールは第一保持溝及び第二保持溝の内面とそれぞれ一点で係合するため、第一回転軸及び第二回転軸が回転するとき、ボールは第一保持溝と第二保持溝とからそれぞれ力を受ける。そして、ボールが第一保持溝と第二保持溝とからそれぞれ受けた力の合力によって、各ボールは対応するボール支持孔の内面の一部に押し付けられる。すると、ボール支持孔の内面の当該一部からボールにこの合力に起因する反力が及ぶ。
外輪の第一内周面の半径はケージの第二外周面の半径より僅かに大きい。そのため、外輪の第一内周面とケージの第二外周面との間には微小なクリアランスが存在する。同様に、内輪の第一外周面の半径はケージの第二内周面の半径より僅かに小さい。そのため、内輪の第一外周面とケージの第二内周面との間には微小なクリアランスが存在する。
従って、各ボールの第一保持溝及び第二保持溝の内面との接触位置は、第一回転軸と第二回転軸とがなす角度の変化に応じて変化する。
第一回転軸と第二回転軸とが同軸状態にあるとき、全てのボール支持孔の対応する第一保持溝及び第二保持溝との位置関係は、互いに同一となる。
そしてこのとき、ボール支持孔の内面からボールに及ぶ上記反力の方向は、ケージの軸線(即ち、第一回転軸及び第二回転軸の軸線)と略平行となる。
図5に示すように、このとき各ボールは対応する第二保持溝の内面の底部と開口側端部(エッジ)との中間部と一点で接触する。換言すると、このとき上記反力によって各ボールが対応する第二保持溝の底部側から対応する第一保持溝側へ大きく移動させられることはない。
第一回転軸と第二回転軸とが同軸状態にないとき、各ボール支持孔の対応する第一保持溝及び第二保持溝との位置関係は、各ボール支持孔ごとに異なる。そのため、一つのボール支持孔に支持されたボールに対して及ぶ上記合力の大きさが、全てのボールの中で最大となる。換言すると、一つのボール支持孔が発生する上記反力が、全てのボール支持孔の中で最大となる。以下、最大の反力を発生する一つのボール支持孔を「反力最大ボール支持孔」と呼ぶ。さらに、各ボール支持孔の内面から各ボールに及ぶ上記反力の方向は、各ボール支持孔ごとに異なる。
また、第一回転軸への入力が一定の場合、第一回転軸及び外輪が回転するときの反力最大ボール支持孔の内面が発生する上記反力の大きさは、第一回転軸と第二回転軸とがなす角度によって変化し、当該角度が最大角度となったときに最大となる。同様に、第二回転軸への入力が一定の場合、第二回転軸及び内輪が回転するときの反力最大ボール支持孔の内面が発生する上記反力の大きさは、第一回転軸と第二回転軸とがなす角度によって変化し、当該角度が最大角度となったときに最大となる。
そのため、例えば車両がUターンするときに、第一回転軸と第二回転軸とがなす角度が最大角度となり且つ第一回転軸又は第二回転軸に大きな回転トルクが入力されると、ボールが第一保持溝と第二保持溝とから上記合力を受ける。
しかし上記クリアランスに起因して、このときの合力は反力最大ボール支持孔の内面の上記一部と直交しない。そのため、このときに発生する上記反力によって、反力最大ボール支持孔に支持されたボールが対応する第二保持溝の底部側から対応する第一保持溝側へ大きく移動させられる。その結果、図6に示すように、このボールは対応する第二保持溝の内面の開口端部近傍と一点で接触する。そしてこのときこのボールは第二保持溝の内面に対して強い力で接触するので、このときに内輪(の第二保持溝が設けられた部位)に生じた応力によって、第二保持溝のエッジが塑性変形するおそれが大きい。
仮に第二保持溝のエッジに塑性変形が生じると、その後の固定式等速ジョイントの動作が不円滑になるおそれがある。
本発明は上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、外輪と一体化した第一回転軸と内輪と一体化した第二回転軸とがなす角度が最大角度となった場合に第一回転軸又は第二回転軸に回転トルクが入力されたときに、全てのボール支持孔の中で対応するボールに対して最大の力を及ぼすボール支持孔に支持されたボールが内輪の第二保持溝の内面のエッジ近傍に対して過大な力で押しつけられるおそれが小さい固定式等速ジョイントを提供することにある。
本発明の固定式等速ジョイントは、
球面の一部であり且つ複数の第一保持溝(22)が形成された第一内周面(21)を有する、第一回転軸(40)と一体化した外輪(20)と、
前記第一内周面の内周側空間に回転可能に配置され且つ第二回転軸(45)と一体化した、前記第一内周面より小径で前記第一内周面とは異なる曲率中心を有する球面の一部であり且つ複数の第二保持溝(27)が形成された第一外周面(26)を有する内輪(25)と、
一つの前記第一保持溝及び一つの前記第二保持溝に対してそれぞれ回転可能に係合する複数のボール(35)と、
前記第一内周面に回転可能に接触する第二外周面(31)、及び、前記第一外周面に回転可能に接触する第二内周面(32)、を有し、且つ、互いに同軸になった前記第一回転軸及び前記第二回転軸と同軸をなす中心軸(30X)を有するケージ(30)と、
を備え、
前記ケージが、前記第一回転軸と前記第二回転軸とがなす角の二等分線(Lθ)に対して直交するボール位置平面(PB)上に常に位置するように前記各ボールをそれぞれ支持する複数のボール支持孔(33)を備え、
前記各ボール支持孔が、自身の内面の二箇所にそれぞれ形成された、互いに平行をなしながら前記中心軸と平行な方向に対向する平面からなり且つ両者の間に一つの前記ボールが位置する第一接触部(33a)及び第二接触部(33b)を備え、
前記第一回転軸と前記第二回転軸とのなす角度が最大角度となったときに、一つの前記ボール支持孔が、自身の前記第一接触部が対応する前記ボールから受ける力によって当該ボールに対して、他の前記第一接触部よりも大きな反力を及ぼす反力最大ボール支持孔(33X)となり、
前記反力最大ボール支持孔に支持された前記ボールに対して前記第一保持溝及び前記第二保持溝が及ぼす二つの力の合力であり且つ前記第二接触部側から前記第一接触部側に向かうポケット荷重(AF)と前記反力最大ボール支持孔の前記第一接触部が構成する前記平面とが直交するように、前記第一保持溝及び前記第二保持溝の形状、前記ボール支持孔の形状、並びに前記ボールの外径が設定される。
この「直交」には完全な直交のみならず略直交も含まれる。
第一回転軸と第二回転軸とが同軸状態にないとき、各ボール支持孔の対応する第一保持溝及び第二保持溝との位置関係は、各ボール支持孔ごとに異なる。そのため、一つのボール支持孔である反力最大ボール支持孔に支持されたボールに対して第一保持溝と第二保持溝とから及ぶ力の合力の大きさ、及び、反力最大ボール支持孔がボールに及ぼす反力の大きさが、全てのボールの中で最大となる。さらに各ボール支持孔の第一接触部から各ボールに及ぶ反力の方向は、各ボール支持孔ごとに異なる。
また、第一回転軸への入力が一定の場合、第一回転軸及び外輪が回転するときの反力最大ボール支持孔の内面が発生する上記反力の大きさは、第一回転軸と第二回転軸とがなす角度によって変化し、当該角度が最大角度となったときに最大となる。同様に、第二回転軸への入力が一定の場合、第二回転軸及び内輪が回転するときの反力最大ボール支持孔の内面が発生する上記反力の大きさは、第一回転軸と第二回転軸とがなす角度によって変化し、当該角度が最大角度となったときに最大となる。
そのため、反力最大ボール支持孔の第一接触部からボールに及ぶ力(反力)の大きさは、当該角度が最大角度となったときに最大となる。
しかしながら本発明では、第一回転軸と第二回転軸とのなす角度が最大角度となったときに、反力最大ボール支持孔の第一接触部を構成する平面が、第一保持溝及び第二保持溝からボールに対して及ぶ二つの力の合力であり且つ第二接触部側から第一接触部側に向かうポケット荷重に対して直交する。そのため、第一回転軸と第二回転軸とのなす角度が最大角度となったときに、反力最大ボール支持孔の第一接触部がボールに及ぼす力(反力)によって、ボールが内輪の第二保持溝の底部側から外輪の第一保持溝側へ大きく移動させられるおそれは小さい。
そのため、第一回転軸と第二回転軸とがなす角度が最大角度となった場合に第一回転軸又は第二回転軸に回転トルクが入力されたときに、内輪の第二保持溝の内面のエッジ近傍に対して反力最大ボール支持孔に支持されたボールが過大な力で押しつけられるおそれは小さい。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明の実施形態に係る固定式等速ジョイントの第一回転軸と第二回転軸とが同軸をなすときの断面図である。 図1の要部の拡大断面図である。 第一回転軸と第二回転軸との相対位置が最大角度位置になったときの図1と同様の断面図である。 図3の要部の拡大断面図である。 従来例の外輪の第一回転軸と内輪の第二回転軸が同軸状態にあるときの第一保持溝及び第二保持溝を通る位置で切断した外輪及び内輪の要部の断面図である。 第一回転軸と第二回転軸とがなす角度が最大角度となったときの図5と同様の断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る固定式等速ジョイント10について説明する。
本実施形態の固定式等速ジョイント10は車両の前部に設けられ且つ左右の前輪(図示略)にそれぞれ接続される。即ち、車両の前部には、左右一対の固定式等速ジョイント10が設けられている。
固定式等速ジョイント10は主要な構成要素として外輪20、内輪25、ケージ30及びボール35を有している。
金属製の外輪20は直線的に延びる従動軸40を一体的に備えている。この従動軸40は車両の前輪(図示略)の回転軸に同軸的に接続される。外輪20は、従動軸40の軸線の延長線40Xを中心とする回転対称体である。
外輪20の従動軸40と反対側の端部には開口20aが形成されている。外輪20の内周面は球面の一部である第一内周面21によって構成されている。
第一内周面21には複数の第一保持溝22が形成されている。各第一保持溝22の断面形状は図5及び図6に示されたものと同様である。各第一保持溝22は、従動軸40の延長線40Xを中心とする周方向に等角度間隔で並んでいる。さらに各第一保持溝22は、従動軸40側から開口20a側に向かって第一内周面21に沿って延びている。各第一保持溝22の延長線40Xからの径方向距離は、従動軸40側から開口20a側に向かうにつれて徐々に大きくなっている。さらに各第一保持溝22の深さは、従動軸40側から開口20a側に向かうにつれて徐々に大きくなっている。
金属製の内輪25の一端には直線的に延びる駆動軸45の一端が固定されている(図1及び図3の仮想線参照)。駆動軸45は、ディファレンシャルギヤを介してプロペラシャフトに接続されたドライブシャフトである。内輪25は、駆動軸45の軸線の延長線45Xを中心とする回転対称体である。内輪25の外径は外輪20の内径より小さい。内輪25の駆動軸45と反対側の端面は先端面25aによって構成されている。
内輪25の外周面は球面の一部である第一外周面26によって構成されている。第一外周面26の半径は第一内周面21の半径より小さい。
第一外周面26には第一保持溝22と同数の第二保持溝27が形成されている。各第二保持溝27の断面形状は図5及び図6に示されたものと同様である。各第二保持溝27は、駆動軸45の延長線45Xを中心とする周方向に等角度間隔(即ち、各第一保持溝22同士の間隔と同じ間隔)で並んでいる。さらに各第二保持溝27は、駆動軸45側から先端面25a側に向かって第一外周面26に沿って延びている。各第二保持溝27の延長線45Xからの径方向距離は、駆動軸45側から先端面25a側に向かうにつれて徐々に大きくなっている。さらに各第二保持溝27の深さは、駆動軸45側から先端面25a側に向かうにつれて徐々に大きくなっている。
金属製のケージ30は、その中心軸30Xを中心とする回転対称体である。
ケージ30の外周面は球面の一部である第二外周面31によって構成されている。
ケージ30は、第二外周面31が第一内周面21と対向するように外輪20の内部空間に配設されている。但し、第二外周面31の半径は第一内周面21の半径より僅かに小さい。そのため、第二外周面31の曲率中心は第一内周面21の曲率中心と完全な同一ではなく、互いに僅かにずれている。即ち、外輪20の第一内周面21とケージ30の第二外周面32との間には微小なクリアランスが存在する。但し、第一内周面21と第二外周面32の一部どうしは接触可能である。
ケージ30の内周面の中心軸30X方向の両端部を除く部分は球面の一部である第二内周面32によって構成されている。
ケージ30の内部空間には、第二内周面32に対して第一外周面26が対向するように内輪25が配設されている。
第二内周面32の半径は第一外周面26の半径より僅かに大きい。そのため、第二内周面32の曲率中心は第一外周面26の曲率中心と完全な同一ではなく、互いに僅かにずれている。即ち、内輪25の第一外周面26とケージ30の第二内周面32との間には微小なクリアランスが存在する。但し、第一外周面26と第二内周面32の一部どうしは接触可能である。
外輪20とケージ30とは、第二外周面31と第一内周面21の一部どうしが接触した状態で互いに相対回転可能である。
さらにケージ30と内輪25とは、第一外周面26と第二内周面32の一部どうしが接触した状態で互いに相対回転可能である。
従って、外輪20は内輪25に対して相対回転可能であり、内輪25は外輪20に対して相対回転可能である。
外輪20と内輪25とが相対回転すると、従動軸40の延長線40Xと駆動軸45の延長線45Xとがなす角度が変化する。即ち外輪20と内輪25は、延長線40Xと延長線45Xとがなす角度が0°になる図1及び図2に示す同軸位置と、延長線40Xと延長線45Xとがなす角度が最大角度となる図3及び図4にに示す最大角度位置と、の間を相対回転可能である。なお図1に示すように、外輪20と内輪25とが同軸位置に位置するとき、ケージ30の中心軸30Xは延長線40X及び延長線45Xと一致する。
さらにケージ30には第一保持溝22及び第二保持溝27と同数のボール支持孔33が貫通孔として形成されている。各ボール支持孔33は、ケージ30の中心軸30Xを中心とする周方向に等角度間隔(即ち、各第一保持溝22同士の間隔と同じ間隔)で並んでいる。
図2及び図4に示すように各ボール支持孔33は略正方形である。即ち、各ボール支持孔33の内周面は四つの面によって構成されている。これら四つの面のうちの二つは、互いに中心軸30X方向と平行な方向に対向する第一接触部33aと第二接触部33bとにより構成されている。第一接触部33a及び第二接触部33bは互いに平行をなす平面により構成されている。但し、第一接触部33a及び第二接触部33bは中心軸30X方向に対して直交しない。換言すると、図2に示した延長線40Xに対して直交し且つボール支持孔33を通り抜ける方向に延びる直線Lと、第一接触部33a及び第二接触部33bとは完全な平行でなく、互いに僅かに傾斜している。外輪20と内輪25とが同軸位置に位置するとき、各ボール支持孔33の第一接触部33aは駆動軸45側に位置し、各ボール支持孔33の第二接触部33bは従動軸40側に位置する。
金属製の球体であるボール35はボール支持孔33の内径より僅かに小径である。
ボール35は第一保持溝22、第二保持溝27及びボール支持孔33と同数である。各ボール35は、ケージ30のボール支持孔33に自転可能に挿入され且つ対応する第一保持溝22及び第二保持溝27に対してそれぞれ自転可能に係合している。より詳細には、各ボール35は、(図5及び図6に示された場合と同様に)対応する第一保持溝22及び第二保持溝27の内面に対してそれぞれ一点で接触する。但し、各ボール35の第一保持溝22及び第二保持溝27の内面との接触位置は、従動軸40と駆動軸45とがなす角度の変化に応じて変化する。
周知のように、第一内周面21、各第一保持溝22の底部22a、第一外周面26、各第二保持溝27の底部27aのそれぞれの曲率中心の位置は互いにずれており、且つ、互いに所定の位置関係になっている。
そのため、ケージ30の各ボール支持孔33によって自転可能に支持された各ボール35は、延長線40Xと延長線45Xとがなす角度θの二等分線Lθ(30Xと一致)に直交するボール位置平面PB上に常に位置する(図3参照)。換言すると、外輪20と内輪25との相対位置が同軸位置と最大角度位置との間のいずれの位置になったときも、各ボール35はボール位置平面PB上に位置する。
続いて固定式等速ジョイント10の動作について説明する。
車両のエンジンの回転力がプロペラシャフト及びディファレンシャルギヤを介してドライブシャフトである駆動軸45に伝わると、駆動軸45が延長線45Xまわりに回転する。すると内輪25の各第二保持溝27と係合する各ボール35が、自転しながら延長線45Xまわりに内輪25と一緒に公転する。すると各ボール35の公転力が外輪20の各第一保持溝22に伝達されるので、外輪20及び従動軸40が延長線40Xまわりに駆動軸45及び内輪25と等速度で回転する。即ち、各ボール35が内輪25の回転トルクを外輪20へ伝達する。そのため左右の前輪が従動軸40まわりに回転する。
前輪が車体に対して上下動すると、従動軸40の延長線40Xと駆動軸45の延長線45Xとがなす角度が変化する。
しかし外輪20と内輪25の相対位置が、同軸位置と最大角度位置との間のどうような位置になっても、各ボール35はボール位置平面PB上に位置する。
従って、延長線40Xと延長線45Xとがなす角度の大きさに拘らず、前輪及び従動軸40は駆動軸45と等速度で回転する。
駆動軸45と従動軸40が回転するときの各ボール35の詳細な動きは以下の通りである。
延長線40Xと延長線45Xとがなす角度がいかなる大きさであっても、駆動軸45及び内輪25が回転すると、各ボール35は対応する第二保持溝27の内面の一点からボール35の内部側に向かう力F1を受ける(図2及び図4参照)。この力F1は、ボール35の中心部側に向かう方向の力である。さらに各ボール35は対応する第一保持溝22の内面の一点を押すので、対応する第一保持溝22の内面の当該一点からボール35の中心部側に向か力(反力)F2を受ける(図2及び図4参照)。
延長線40Xと延長線45Xとがなす角度がいかなる大きさであっても、力F1と力F2の合力であり且つ各ボール35に及ぶポケット荷重AF(図2及び図4参照)は、おおよそ先端面25a及び従動軸40側から駆動軸45及び開口20a側に向かう力となる。換言すると、ポケット荷重AFは各ボール支持孔33の第一接触部33aと第二接触部33bとを結ぶ直線方向とのなす角度が小さい力となる。
そのため駆動軸45及び内輪25が回転すると、ポケット荷重AFによって各ボール35は対応するボール支持孔33の第一接触部33aに押し付けられる。その結果、各ボール35は対応する第一接触部33aから反力RFを受ける(図2及び図4参照)。
従動軸40と駆動軸45との相対位置が同軸位置にあるとき、各ボール支持孔33の対応する第一保持溝22及び第二保持溝27との位置関係は互いに同一となる。そのため、各ボール支持孔33に支持されたボール35に対して及ぶポケット荷重AF及び第一接触部33aから各ボール35に及ぶ反力RFの大きさ及び方向は、各ボール35間で互いに同一となる。
その一方で、従動軸40と駆動軸45との相対位置が同軸位置にないとき、各ボール支持孔33の対応する第一保持溝22及び第二保持溝27との位置関係は、各ボール支持孔33ごとに異なる。そのため、一つのボール支持孔33である反力最大ボール支持孔33X(図2及び図4参照)に支持されたボール35に対して及ぶポケット荷重AF及び第一接触部33aから各ボール35に及ぶ反力RFの大きさが、全てのボール支持孔33及びボール35の中で最大となる。
さらに、従動軸40と駆動軸45との相対位置が同軸位置にないとき、ポケット荷重AF及び反力RFの方向は各ボール支持孔33ごとに異なる。
また、駆動軸45への入力が一定の場合、駆動軸45及び内輪25が回転するときの反力最大ボール支持孔33Xの第一接触部33aが発生する反力RFの大きさは、従動軸40と駆動軸45とがなす角度によって変化し、当該角度が最大角度となったときに最大となる。
そのため、例えば車両がUターンするときに、従動軸40と駆動軸45とがなす角度が最大角度となり且つ駆動軸45に大きな回転トルクが入力されると、反力最大ボール支持孔33Xの第一接触部33aが大きな反力RFを発生する。
しかし、図4に示すように、このときの反力最大ボール支持孔33Xに支持されたボール35に及ぶポケット荷重AFの方向は第一接触部33aに対して完全に直交する方向となる。そのため、反力最大ボール支持孔33Xの第一接触部33aが発生する反力RFの方向は第一接触部33aに対して完全に直交する方向となる。
そのため、反力最大ボール支持孔33Xに支持されたボール35は対応する第一接触部33aから受ける反力RFによって、反力最大ボール支持孔33Xの第二接触部33b側に押される。従って、このとき反力最大ボール支持孔33Xに支持されたボール35が反力RFによって、第二保持溝27の底部27a側から外輪20の第一保持溝22側(第二保持溝27の開口端部側)へ大きく移動させられるおそれは小さい。
そのため、外輪20と内輪25との相対位置が最大角度位置になったときに、内輪25の第二保持溝27の内面のエッジ近傍に対して反力最大ボール支持孔33Xに支持されたボール35が過大な力で押しつけられ、その結果、第二保持溝27のエッジが塑性変形するおそれは小さい。
なお、従動軸40と駆動軸45とが図3及び図4とは異なる態様で非同軸状態になったときは、図示した反力最大ボール支持孔33Xとは別の一つのボール支持孔33が「反力最大ボール支持孔33X」となる。
以上、本発明を上記実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、従動軸40を内輪25に固定し且つ駆動軸45を外輪20に固定してもよい。
外輪20と内輪25との相対位置が最大角度位置になったときに、ポケット荷重AF及び反力RFの方向が第一接触部33aに対して完全に直交するのではなく、完全な直交方向に対して僅かに傾くように、第一保持溝22及び第二保持溝27の形状、ボール支持孔33の形状、並びにボール35の外径(外面の半径)を設定してもよい。但し、この場合は、反力RFが、第一接触部33aに対する直交方向に対してケージ30の中心軸30X側に傾くようにするのが好ましい。このようにすれば、外輪20と内輪25との相対位置が最大角度位置になったときに、各ボール35が反力RFによって第二保持溝27の内面のエッジ近傍に対して強い力で押されることが防止される。
固定式等速ジョイント10を各種産業機械における回転力伝達手段として利用してもよい。
20・・・外輪、21・・・第一内周面、22・・・第一保持溝、25・・・内輪、26・・・第一外周面、27・・・第二保持溝、30・・・ケージ、31・・・第二外周面、32・・・第二内周面、33・・・ボール支持孔、33a・・・第一接触部、
33b・・・第二接触部、35・・・ボール、40・・・従動軸(第一回転軸、第二回転軸)、45・・・駆動軸(第二回転軸、第一回転軸)。

Claims (1)

  1. 球面の一部であり且つ複数の第一保持溝が形成された第一内周面を有する、第一回転軸と一体化した外輪と、
    前記第一内周面の内周側空間に回転可能に配置され且つ第二回転軸と一体化した、前記第一内周面より小径で前記第一内周面とは異なる曲率中心を有する球面の一部であり且つ複数の第二保持溝が形成された第一外周面を有する内輪と、
    一つの前記第一保持溝及び一つの前記第二保持溝に対してそれぞれ回転可能に係合する複数のボールと、
    前記第一内周面に回転可能に接触する第二外周面、及び、前記第一外周面に回転可能に接触する第二内周面、を有し、且つ、互いに同軸になった前記第一回転軸及び前記第二回転軸と同軸をなす中心軸を有するケージと、
    を備え、
    前記ケージが、前記第一回転軸と前記第二回転軸とがなす角の二等分線に対して直交するボール位置平面上に常に位置するように前記各ボールをそれぞれ支持する複数のボール支持孔を備え、
    前記各ボール支持孔が、自身の内面の二箇所にそれぞれ形成された、互いに平行をなしながら前記中心軸と平行な方向に対向する平面からなり且つ両者の間に一つの前記ボールが位置する第一接触部及び第二接触部を備え、
    前記第一回転軸と前記第二回転軸とのなす角度が最大角度となったときに、一つの前記ボール支持孔が、自身の前記第一接触部が対応する前記ボールから受ける力によって当該ボールに対して、他の前記第一接触部よりも大きな反力を及ぼす反力最大ボール支持孔となり、
    前記反力最大ボール支持孔に支持された前記ボールに対して前記第一保持溝及び前記第二保持溝が及ぼす二つの力の合力であり且つ前記第二接触部側から前記第一接触部側に向かうポケット荷重と前記反力最大ボール支持孔の前記第一接触部が構成する前記平面とが直交するように、前記第一保持溝及び前記第二保持溝の形状、前記ボール支持孔の形状、並びに前記ボールの外径が設定された、
    固定式等速ジョイント。
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