JP2017216303A - 回路部材用基材、回路部材、回路部材用基材の製造方法、及び回路部材の製造方法 - Google Patents

回路部材用基材、回路部材、回路部材用基材の製造方法、及び回路部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂と無機物フィラーとを含むコート層を備えた回路部材用基材において、コート層中の無機物フィラーの分散状態を改善し、基材の耐熱性を向上させる。【解決手段】回路部材用基材が、ベース層と、前記ベース層の上に設けられたコート層とを有し、前記コート層が樹脂と無機物フィラーとを含み、前記樹脂と前記無機物フィラーとが共有結合によって結合されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、回路部材用基材、回路部材、回路部材用基材の製造方法、及び回路部材の製造方法に関する。
配線、アンテナ等の導電性パターンを基材上に形成して回路部材を製造する方法として、金属粒子を含むインクを基材の上に堆積させ、乾燥、焼成することが知られている。
このような回路部材の製造方法では、基材は、焼成工程において、少なくとも局所的に高温に晒される。そのため、熱による基材へのダメージを抑えるために、基材本体(ベースフィルム)より高いガラス転移温度を有する耐熱性樹脂からなるコーティング層を備えた基材が知られている(特許文献1)。
特許文献1には、コーティング層中の樹脂に無機物のフィラーを混合して耐熱性をさらに向上させることが記載されている。しかし、無機物フィラーを樹脂に混合した場合、無機物フィラーと樹脂とは互いに親和性が低いため、フィラーが均一に分散しないといった問題が生じ得る。そのため、コーティング層中で無機物フィラーの機能が十分に発揮されず、耐熱性の向上を図ることができないという問題があった。
以上の点に鑑みて、本発明の一態様は、樹脂と無機物フィラーとを含むコート層を備えた回路部材用基材において、コート層中の無機物フィラーの分散状態を改善し、基材の耐熱性を向上させることを課題とする。
上記課題に鑑みて、本発明の一態様は、ベース層と、前記ベース層の上に設けられたコート層とを有する、回路部材用基材であって、前記コート層が樹脂と無機物フィラーとを含み、前記樹脂と前記無機物フィラーとが共有結合によって結合されていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、樹脂と無機物フィラーとを含むコート層を備えた回路部材用基材において、コート層中の無機物フィラーの分散状態を改善し、基材の耐熱性を向上させることができる。
本発明の一態様による回路部材の概念図である。 本発明の一態様における無機物フィラーの表面処理工程の概略的な説明図である。
(基材の構造)
図1は、本発明の一態様による回路部材用基材及び回路部材の構造を概略的に示した図であり、回路部材用基材は図中の参照符号100で示される。図示のように、基材100は、ベース層1とベース層1上に設けられたコート層2とを有している。コート層2は、マトリクスとなる樹脂22と樹脂22中に混入された無機物フィラー21とを含み、樹脂22と無機物フィラー21とは共有結合によって結合されている。
また、基材100上には、導電性パターン(配線パターン)3が形成されており、基材100と導電性パターン3とを合せたものが回路部材200である。導電性パターン3は、フォトリソグラフィー、エッチング等によって形成することができるが、プロセスの工程数、材料の使用効率、及び製造コストの観点から、印刷法を用いて形成されることが好ましく、特に、後述のインクを用いてインクジェット印刷法を用いて形成されることが好ましい。
(コート層)
上述のように、コート層において、樹脂と無機物フィラーとは共有結合により結合されている。つまり、コート層中の樹脂と無機物フィラーとは、単に混合されているのではなく、共有結合という化学結合を介して互いに固定されており、無機物フィラーが樹脂の高分子構造内に組み込まれている。これにより、無機物フィラーが局所的に凝集することなく、樹脂中で均一に分散された状態が得られるので、フィラーの有する耐熱機能をコート層中で最大限に発揮させることができる。
また、無機物フィラーを高濃度で使用した場合でも、樹脂が無機物フィラーを堅く保持するため、無機物フィラーが樹脂から分離してしまうこともない。これにより、無機物フィラーを樹脂に単に混合させた場合に比べて、無機物フィラーを高濃度でコート層に充填させることができ、その結果、基材の耐熱性を著しく向上させることができる。
なお、一般的な回路部材用基材としては、多孔質のインク受容層が設けられたフィルムも知られている。しかし、このような多孔質層上に導電性パターンを形成した場合、多孔質層の孔の部分は導電性パターンとは接触しないので、インク受容層と導電性パターンとの接触面積は小さくなり、それに起因して、インク受容層と導電性パターンとの密着性が不十分になる虞がある。また、導電性パターン形成後の製品化の工程では、LEDチップ、抵抗、コンデンサ等の部品を実装する際に使用される導電性ペーストのバインダーが受容層に浸透することがあり、部品の実装を良好に行うことができないという問題もある。
一方、本発明の一態様のコート層においては、無機物フィラーが共有結合を介して樹脂に結合され、樹脂の高分子構造内に組み込まれるので、樹脂中での無機物フィラー粒子同士の凝集を抑制することができる。これにより、無機物フィラーを高濃度で充填させたとしても、コート層中で多孔の生成を抑えることができ、コート層を非多孔質とすることもできる。そのため、基材上に導電パターンが形成されても、導電パターンとコート層との密着性も良好となる。また、後に部品を実装する際に導電性ペーストが使用されても、導電性ペースト中のバインダーがコート層の多孔に浸透することもない。
なお、共有結合を介して結合されている樹脂と無機物フィラーとの間には、共有結合以外の結合力、例えば、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス力等の分子間力も働き得る。また、全ての樹脂及びフィラーが共有結合による結び付きを有していなくてもよく、一部の無機物フィラーが、物理的な結合を介して結合されていてもよい。
コート層中において、樹脂部分の質量に対する無機物フィラー部分の質量の比の値(無機物フィラーの質量/樹脂の質量)は、0.05以上6以下とすることができ、0.1以上5以下とすると好ましい(無機物フィラーに表面処理を施した場合には、無機物フィラーの質量は表面処理後の質量とする)。
コート層中の無機物フィラーの質量/樹脂の質量を0.05以上とすることで、特に優れた耐熱性を有するコート層が得られ、基材の耐熱性を向上させることができる。また、6以下とすることで、樹脂が無機物フィラーのバインダーとしての十分な機能を果たすことができ、多孔の生成を抑制することができる。これにより、回路部材を製造する際に基材上に導電性パターンを設けた場合、基材と導電性パターンとの密着性も良好となる。また、部品の実装の際に導電性ペーストが用いられたとしても、導電性ペーストのバインダーがコート層に浸透することも防止でき、品質の高い最終製品を得ることができる。
コート層の厚さは、0.1〜10μmとすることができ、1〜5μmであることが好ましい。上記範囲とすることで、ベース層への熱ダメージを十分に防止することができる。また、ベース層に可とう性材料を用いた場合にも、基材の可とう性を損なわない。
(フィラー)
本発明の一態様における無機物フィラーの例としては、酸化物、窒化物、水酸化物、炭酸塩等が挙げられる。中でも、無機酸化物フィラーは、その他の無機物又は有機物よりも耐熱性が高く、基材の耐熱性を大きく向上させることができるため、好ましい。また、無機酸化物フィラーは、電気絶縁性も高いので、回路の電気物性に影響を与えることもない。無機酸化物フィラーとしては、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、二酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化スズ等、及びこれらの組合せを挙げることができる。中でも、耐熱性、コスト等を総合的に見て、シリカ若しくはアルミナ又はこれらの組合せが好ましい。
無機物フィラーの平均粒径は、0.01〜5μmであってよく、0.05〜2μmであることが好ましい。上記範囲とすることで、コート層の形成の過程で無機物フィラーの凝集を抑制でき、無機物フィラーを樹脂中に良好に均一に分散させることができる。
フィラーの平均粒径は、BET法で得られる比表面積とフィラーの密度によって算出することができる。
本発明の一態様における無機物フィラーは、表面処理されていてよい。例えば、無機物フィラーは、表面処理によって、樹脂との共有結合を可能にする官能基が付与されたものであってよい。官能基の種類としては、コート層に用いられる樹脂の官能基と結合することができるものであれば限定されないが、重合性官能基が好ましい。中でも、後述の樹脂のモノマー成分との反応により重合体の一部になるもの、例えば反応性不飽和結合を含む官能基が好ましい。
重合性官能基は、樹脂の種類によって選択することができる。例えば、樹脂がアクリル系樹脂である場合には、無機物フィラーがその表面にビニル基を有する官能基を有していると、アクリル系モノマーとの光重合(ラジカル重合)が可能となり、容易に製造できることから好ましい。
重合性官能基を無機物フィラー表面に付与する手段は限定されないが、無機物フィラーと樹脂との間に化学結合を形成することのできるカップリング剤を使用することができる。例えば、重合性官能基を持つシランカップリング剤と無機物フィラー粒子表面とのカップリング反応を利用することができる。
カップリング剤を使用して無機物フィラーを処理する場合には、カップリング剤を含む水溶液又はスラリーを調製し、その中に無機物フィラー粒子を添加して混合し、一定時間浸漬することができる。なお、水溶液又はスラリー中のカップリング剤の量に制限はないが、無機物フィラー粒子100質量部に対して0.01〜1質量部が適当である。
図2に、シランカップリング剤による無機物フィラーの表面処理の一例を示す。図示の例では、シランカップリング剤(ビニルトリエトキシシラン)によって無機物フィラーを処理した結果、シランカップリング剤が無機物フィラー粒子表面に結合することが示されている。
重合性官能基の種類は特に限定されないが、後続の高分子鎖を形成するのにラジカル重合を利用するのが簡便であるで、ビニル基であることが好ましい。このようなビニル基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(4−ビニルベンジル)−N'−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、及びこれらの誘導体が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性官能基を付与した無機物フィラーを用いた場合には、そのフィラーを後述の樹脂の重合性モノマーと反応させて、無機物フィラー粒子表面からグラフト高分子鎖を形成することができる。なお、無機物フィラー粒子の重合性官能基と反応する重合性モノマーは少なくとも2官能のモノマーを含んでいてよく、上記のラジカル重合を利用する場合には、ビニル基を有する重合性モノマーが選択される。
なお、コート層の形成には、表面処理されていないフィラーを用いることもできる。また、コート層には、樹脂と共有結合により結合していないフィラーを配合することもできる。
(樹脂)
コート層に用いられる樹脂は、無機物フィラーのバインダーとして働くものであってよい。樹脂は、無機物フィラーと共有結合によって結合可能な、耐熱性に優れるものであればよいが、三次元架橋構造を有しているものが好ましい。三次元架橋構造とは、高分子の主鎖に分岐構造があり主鎖間を結合する構造である。
樹脂を形成するモノマーとしては、2以上の官能基を有するものを用いることができる。そのようなモノマーの官能基とフィラーの表面に導入された重合性官能基とが重合することにより、無機物フィラーが組み込まれた三次元架橋構造の樹脂が得られる。このように、本発明の一態様では、無機物フィラーが樹脂中に単に混入されているのではなく、化学結合を介して樹脂に組み込まれているので、無機物フィラーをコート層中で均一に分散させることができる。また、高濃度での充填も可能となるので、基材の耐熱性を顕著に向上させることができる。
コート層に用いられる樹脂の種類としては特に限定されないが、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができるが、フィラーとの結合が容易であることから、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。
(ベース層)
ベース層の材質には限定はないが、本発明の一態様では、ベース層は可とう性の材料を含んでいてよく、ベース層全体が可とう性を有していてよい。例えば、ベース層は、熱可塑性樹脂からなる可とう性フィルムからなっていてよい。
ベース層として用いられる熱可塑性樹脂フィルムは、汎用の安価な樹脂フィルムであってよい。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネートのうち1種以上が好適に使用される。これらのフィルムは一層で使用することもできるし、同種又は異なる種類の複数層を積層させたものを使用することもできる。
本発明の一態様による基材は、熱可塑性樹脂フィルムであるベース層の上に、フィラーが分散された熱硬化性樹脂からなるコート層を有する構成とすることができる。コート層に含まれる樹脂は、上述のように熱硬化性樹脂であってよく、そのような熱硬化性樹脂は、ベース層に用いられる熱可塑性樹脂よりも耐熱性が遥かに優れる。よって、ベース層が耐熱性の低い熱可塑性樹脂であっても、コート層が設けられていることで、熱によるダメージを受けることがないか又はダメージを最小限にすることができる。
ベース層の厚さは、5〜300μmとすることができ、10〜150μmであることが好ましい。上記範囲とすることで、基材が可とう性を有しつつ、十分な強度を保持することができる。
(表面エネルギーを変化させる層)
本発明の一態様では、上述の基材の上に、表面エネルギーを変化させる層、具体的には表面エネルギーの小さい層をさらに設けることができる。このような表面エネルギーの小さい材料を基材上、すなわちコート層上に設けることにより、回路部材の製造にて設けられる導電性インクと基材との接触角をある程度大きくすることができ、基材上でインクが濡れ広がることを防ぐことができる。このような表面エネルギーを変化させる層は、フッ素系樹脂等を溶解したコーティング液を基材上に塗布することで形成できる。フッ素系樹脂の他に、シリコーン樹脂等を用いることもできる。
(回路部材)
本発明の一態様では、上述の基材と、その上に設けられた導電性パターンとを有する回路部材を形成することができる。回路部材は、フレックステープコネクタ、印刷回路板、プリント配線板等と呼ばれる部材であってよい。
導電性パターンの形成は、導電性インクを用いて、上述したようなインクジェット法等の印刷法によって形成されることができる。
(インク)
導電性パターンを形成するために用いられる導電性インクは、金属粒子及び分散媒を含み、必要に応じて分散剤等のその他の成分をさらに含有していてよい。インクとしては、いわゆるナノメタルインク、つまり一次粒径がナノメートルオーダーの金属粒子が分散媒中に分散しているものを用いることができる。
上記インクに含まれる金属粒子としては、導電性パターンを形成することが可能であれば、特に限定されないが、銅粒子、銀粒子、ニッケル粒子などが挙げられる。金属粒子の平均粒径は、2nm〜100nmが好ましく、5nm〜50nmがより好ましい。なお、金属粒子の平均粒径は、例えば、動的光散乱法を用いて測定することができる。
インクにおける金属粒子の含有量には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分散媒100質量部に対して10質量部〜50質量部であることが好ましい。
上記インクに含まれる分散媒としては、金属粒子を分散させることが可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、アルコール、アルキルエステル、モノアルキルグリコールエーテル、グリコールモノアルキルエーテルエステル又はジアルキルグリコールエーテルなどの極性有機溶媒、炭化水素などの非極性有機溶媒が挙げられる。
モノアルキルグリコールエーテルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル等のエチレングリコール系エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコール系エーテルが挙げられる。
グリコールモノアルキルエーテルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ジアルキルグリコールエーテルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
非極性有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、テトラデカン等のパラフィン系炭化水素、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素、シクロドデセンなどのシクロオレフィン系炭化水素、流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素、あるいは、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジアルキルシリコーンオイル、アルキルフェニルシリコーンオイル、環状ポリジアルキルシロキサン又は環状ポリアルキルフェニルシロキサン等のシリコーン系のオイルが挙げられる。
上記インク中には、金属粒子の分散媒中での凝集を防ぐ目的として、分散剤を添加することが好ましい。分散剤としては公知の分散剤が使用でき、特に限定されない。インクにおける分散剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記分散媒100質量部に対して、1質量部〜20質量部が好ましい。
金属粒子を分散媒中に分散させる際に用いる分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターなどが挙げられる。
(回路部材用基材の製造方法)
本発明の一態様による回路部材基材の製造方法は、無機物フィラーを表面処理する工程と、表面処理後の無機物フィラーと重合性モノマーとを混合してコート層塗工液を得る工程と、ベース層の上にコート層塗工液を塗布した後、重合反応させてコート層を形成する工程とを含んでいる。重合反応により、共有結合によって樹脂と無機物フィラーとが結合されているコート層を形成される。
コート層塗工液には、無機物フィラーに付与された官能基及び重合性モノマーに応じて選択された重合開始剤が含まれていてよく、またその他の必要な添加剤が含まれていてよい。また、重合反応は、例えば、窒素又は他の不活性ガスの存在下でUV照射することによって行うことができる。
コート層の塗工液を塗布する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ディッピング、スロットダイコーティングなどが挙げられる。
硬化前のコート層の厚さは、2〜50μmとすることができる。
(回路部材の製造方法)
本発明の一態様による回路部材の製造方法は、ベース層の上にコート層を形成する工程と、前記コート層の上に、導電性インクによってパターンを形成する工程と、前記パターンを焼成する工程とを含むものである。
コート層を形成する工程は、上述の回路部材用基材の製造方法に関連して示したように、無機物フィラーを表面処理する工程と、表面処理後の無機物フィラーと重合性モノマーとを混合してコート層塗工液を得る工程と、それをベース層上に塗布し、重合反応させて、樹脂と無機物フィラーとが共有結合によって結合されているコート層を形成する工程とを含んでいてよい。
パターン(配線パターン)を形成する工程においては、上述のインクを用いてインク層のパターンを形成する。インクの塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、スピンコート法、インクジェット法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等が挙げられる。これらの中でも、簡便に直接パターニングできる点から、インクジェット法が好ましい。
インクを焼成する工程においては、基材上に塗布されたインクを焼成する。インクが焼成することにより、インク中に含まれる上述の金属粒子同士が融合し、これにより、金属粒子間の界面を消失させることができ、金属の連続的なパターンを形成することができる。
基材上に塗布されたインクを焼成する方法としては、金属粒子同士を融合させることが可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱焼成、プラズマ焼成、光焼成などが挙げられる。これらの中でも、基材のダメージを抑制できる点から、光焼成が好ましい。
インクを光焼成するための設定温度は、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。光焼成する際に用いる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キセノンランプなどが挙げられる。
光焼成プロセスは、導電性インクによって形成された導電層の少なくとも一部を露光して、露光部分を導電性にするものである。光焼成プロセスは、通常常温で行われるため、他の焼成方法に比べて基材へのダメージを抑えることができるが、それでも露光の瞬間は、導電性インクと基材との界面は局所的に300℃以上の高温になり得る。そのため、耐熱性に優れた基材を提供することが望まれている。
なお、コート層上に、導電性インクによってパターンを形成した後、インクを焼成する前に、加熱乾燥させることが好ましい。
なお、本発明の一態様においては、必要に応じて、パターン(配線パターン)を形成する工程の前に、コート層の表面エネルギーを変化させる工程を設けることができる。コート層の表面エネルギーを変化させる工程は、表面エネルギーを変化させる材料を塗布することによって行うことができる。表面エネルギーを変化させる材料は、上述の表面エネルギーの小さい材料であってよく、フッ素樹脂等の低表面エネルギーの材料を用いることが好ましい。
コート層の表面エネルギーを変化させる層を形成する方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディッピング、スロットダイコーティングなどが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<コート層塗工液の調製>
ビニルトリメトキシシラン1部を水1000質量部に溶解した後、シリカ粒子(堺化学工業株式会社製、Sciqasシリーズ、平均粒径100nm)100質量部を加えた。12時間放置した後、エタノールで洗浄した。
上記のように処理されたシリカ粒子50質量部、アクリル酸エチル100質量部、及びジエチレングリコールジアクリレート5質量部を10分間超音波分散させた後、重合開始剤(BASF社製、Irgacure 127)1質量部を撹拌溶解した。さらに、孔径が1μmのフィルタを用いて粗大粒子を除去し、コート層塗工液を得た。
<コート層の形成>
上記のコート層塗工液を、ワイヤーバーで、100μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー S10)上に塗布し、窒素フロー下でUV光をUVランプにより250mJ/cmの強さで照射し、光重合反応させることによりコート層となる硬化膜を形成し、基材を得た。コート層の厚さは5μmとなった。
<回路部材の作製>
上記のようにして得られた基材上に、幅1mm、長さ30mmで、銅インク(NovaCentrix社製、ICI−003)をインクジェット印刷法により塗布し、インク層を形成した。その後、80℃のオーブンで15分加熱して溶媒を蒸発させた。
<焼成および評価>
フラッシュ焼成装置(Xenon社製、SINTERON2000)を用いて、上記のように得られたサンプルに1500Jのエネルギーのパルス光を照射し焼成したところ、光沢のある導電性パターンに変化し、回路部材が得られた。
この回路部材における配線の抵抗を測定したところ7.5Ωであった。また、テープはく離試験においてもテープに付着することはなく、導電性パターンとコート層との密着性も良好であった。
(実施例2)
フィラーをアルミナ粒子(マイクロン社製、AX1−15H、平均粒径1.2μm)に変更した以外は実施例1と同様にして、回路部材を得た。実施例1と同様に評価を行ったところ、配線抵抗は9.0Ωであり、テープはく離試験においてもテープに付着することはなかった。
(実施例3)
光重合反応によるコート層の形成後、コート層の表面にフッ素樹脂(3M社製、Novec1720)をコートした以外は実施例1と同様に実施したところ、配線抵抗は7.2Ωであり、テープはく離試験をしてもテープに付着することはなかった。
(比較例1)
コート層を塗布しなかった以外は実施例1と同様にして回路部材を製造した。比較例1では、パルス光を照射した時にインク層(銅層)がバーストしてしまい、その後の評価はできなかった。基材は、熱により溶融していた。
(比較例2)
シリカ粒子に処理を施さなかったこと以外は実施例1と同様にして回路部材を製造した。比較例2では、テープ剥離試験でテープへの導電性パターンの付着が観察された。
このように、フィラーと樹脂とを重合させて得られたコート層を有する基材を用いた実施例1〜3においては、インクの焼成を行っても、基材が熱ダメージを受けて変形・溶融することはなく、導電性パターンが良好に形成された。
一方、コート層が設けられていない比較例1においては、基材が熱により損傷したため、導電性パターンを形成するに至らなかった。また、コート層中のフィラーと樹脂とが共有結合していない比較例2では、無機物フィラー粒子が樹脂中で均一に分散されていなかった。
1 ベース層
2 コート層
3 導電性パターン
21 無機物フィラー
22 樹脂
100 基材
200 回路部材
特表2015−528753号公報

Claims (9)

  1. ベース層と、前記ベース層の上に設けられたコート層とを有し、
    前記コート層が樹脂と無機物フィラーとを含み、前記樹脂と前記無機物フィラーとが共有結合によって結合されていることを特徴とする回路部材用基材。
  2. 前記無機物フィラーが、シリカ及びアルミナから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の回路部材用基材。
  3. 前記樹脂が三次元架橋構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の回路部材用基材。
  4. 前記ベース層が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホン、及びポリカーボネートから選択される1種以上の熱可塑性樹脂を含む可とう性フィルムであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回路部材用基材。
  5. 前記共有結合が、ビニル基を有するシランカップリング剤に由来する構造を介して形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の回路部材用基材。
  6. 前記コート層の上に前記コート層よりも表面エネルギーが小さい層が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の回路部材用基材。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の回路部材用基材と、前記コート層の上に設けられた導電性パターンとを有することを特徴とする回路部材。
  8. 無機物フィラーを表面処理する工程と、
    前記表面処理後の無機物フィラーと重合性モノマーとを混合してコート層塗工液を得る工程と、
    ベース層の上に前記コート層塗工液を塗布した後、重合反応させて、共有結合によって樹脂と前記無機物フィラーとが結合されているコート層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする回路部材用基材の製造方法。
  9. 無機物フィラーを表面処理する工程と、
    前記表面処理後の無機物フィラーと重合性モノマーとを混合してコート層塗工液を得る工程と、
    ベース層の上に前記コート層塗工液を塗布した後、重合反応させて、共有結合によって樹脂と前記無機物フィラーとが結合されているコート層を形成する工程と、
    前記コート層の上に、導電性インクによってパターンを形成する工程と、
    前記パターンを焼成する工程と
    を含むことを特徴とする回路部材の製造方法。
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