JP2017213348A - プローブアダプタ、超音波プローブ、及び超音波診断装置 - Google Patents

プローブアダプタ、超音波プローブ、及び超音波診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マーキング時に超音波プローブを片手で操作可能であると共に、マーキング作業の効率及びマーキング精度が向上された、プローブアダプタ、超音波プローブ、及び超音波診断装置を提供する。【解決手段】一実施形態のプローブアダプタは、超音波プローブに着脱可能に取り付けられるケースと、前記ケースが前記超音波プローブに装着された状態で、前記超音波プローブのアレイ方向における所定の位置に配置されると共に、前記超音波プローブが当接される対象物の表面にマーキングするマーカと、前記対象物の表面に塗布された超音波の媒介物質を除去するワイパと、を備える。【選択図】 図6

Description

本発明の実施形態は、プローブアダプタ、超音波プローブ、及び超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波パルスや超音波連続波を被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生じる超音波反射を振動子により電気信号に変換して、被検体内の情報を非侵襲的に収集するものである。超音波診断装置において、超音波パルスや超音波連続波の放射及び受信を担う振動子は、超音波プローブに内蔵されている。
超音波診断装置を用いた医療検査では、この超音波プローブを被検体の体表に接触させる操作によって、各種の動画像データやリアルタイム画像データを容易に収集することができる。このため、超音波診断装置は、腫瘍などの異常部位の形状や性質の診断、あるいは血流動態を把握する場合など、幅広く用いられている。
例えば、バイオプシー検査は、超音波診断装置で被検体内をリアルタイムに撮像しながら、生体内に差し込んだ穿刺針により腫瘍などの異常組織を含む生体組織を採取し、採取した生体組織に含まれる細胞を検査する。バイオプシー検査では腫瘍を含む生体組織に穿刺針が確実に挿入されるよう、穿刺位置の特定は慎重に行われる。従って、バイオプシー検査を行う際、事前に超音波診断装置によって腫瘍の位置を観察しつつ穿刺位置を特定し、被検体の皮膚表面に医療用マーカなどでマーキングを施すことがある。
バイオプシー検査以外にも、腫瘍を切除する場合、超音波診断装置を用いた手術前の撮像により、腫瘍の位置を被検体の皮膚表面上にマーキングすることがある。また、経皮的血管形成術と呼ばれる手術では、手術の前に血管の走行状態を超音波診断装置による撮像により確認し、血管の走行状態を被検体の皮膚表面に示すマーキングする場合がある。
また、超音波診断装置は、磁気共鳴イメージング装置などの他のモダリティと比較した場合、被検体における同一領域の撮像をマーキングなしで再現することが難しい。超音波診断装置を用いた撮像では、被検体の皮膚表面に超音波プローブの移動軌跡をマーキングしておけば、再現性良く、同一領域を再度撮像することが可能となる。検査で特定された異常部位を手術の際にもう一度表示させたい場合、検査時に施したマーキングにより撮像箇所を容易に再現できる。
ここで、医師等のユーザは、超音波プローブで被検体内を撮像しつつ、被検体の皮膚表面にマーキングを施すことになる。そうすると、医療用マーカを使って対象物である被検体の皮膚表面にマーキングを行う場合、ユーザは、超音波プローブと医療用マーカとを両手で夫々保持し、両手で夫々別の操作をする。利き手とは逆の手でマーキングが実行される場合、超音波プローブの操作性、マーキング効率、及びマーキング精度は低下する。
特許第5337782号公報
本発明が解決しようとする課題は、マーキング時に超音波プローブを片手で操作可能であると共に、マーキング作業の効率及びマーキング精度が向上された、プローブアダプタ、超音波プローブ、及び超音波診断装置を提供することである。
一実施形態のプローブアダプタは、超音波プローブに着脱可能に取り付けられるケースと、前記ケースが超音波プローブに装着された状態で、前記超音波プローブのアレイ方向における所定の位置に配置されると共に、前記超音波プローブが当接される対象物の表面にマーキングするマーカと、前記対象物の表面に塗布された超音波の媒介物質を除去するワイパと、を備える。
第1の実施形態に係る超音波診断装置の一例を示す概念的な構成図。 第1の実施形態に係る超音波プローブの平面図。 第1の実施形態に係る超音波プローブの振動子列の模式図。 第1の実施形態に係る超音波プローブの使用例を示す模式図。 第2の実施形態に係る超音波診断装置の一例を示す概念的な構成図。 第2の実施形態に係るプローブアダプタの平面図。 第3の実施形態に係るプローブアダプタの平面図。 第4の実施形態に係るプローブアダプタの平面図。 第4の実施形態に係る超音波プローブの使用例を示す模式図。 第5の実施形態に係るプローブアダプタの平面図。 第5の実施形態に係る超音波プローブの使用例を示す模式図。 第6の実施形態に係るプローブアダプタの平面図。 第6の実施形態におけるワイパの変形例に係るプローブアダプタの平面図。 第7の実施形態に係るプローブアダプタの平面図。 第8の実施形態に係るプローブアダプタの平面図。 第9の実施形態に係る超音波診断装置の一例を示す概念的な構成図。 第9の実施形態に係るプローブアダプタの平面図。 第9の実施形態に係る超音波診断装置の動作の一例を示すフローチャート。 第10の実施形態に係る超音波診断装置の一例を示す概念的なブロック図。 第10の実施形態に係るプローブアダプタの模式的底面図。 第10の実施形態に係る超音波診断装置の動作の一例を示すフローチャート。 第10の実施形態に係る超音波画像の第1の模式図。 第10の実施形態に係る超音波画像の第2の模式図。 第11の実施形態に係る超音波診断装置の一例を示す概念的なブロック図。 第11の実施形態に係る超音波診断装置の動作の一例を示すフローチャート。 第11の実施形態に係る超音波診断装置の血管特定方法を説明する模式図。
以下、プローブアダプタ、超音波プローブ、及び超音波診断装置の各実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、被検体の皮膚表面にマーキングを施すためのマーカを備えた超音波プローブ、及び当該超音波プローブを備えた超音波診断装置に関する。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の一例を示す概念的な構成図である。超音波診断装置100は、超音波プローブ1、本体装置10、モニタ4、入力装置5、外部記憶装置6、及び通信制御装置7を備える。
超音波プローブ1は、複数の振動子を有している。振動子は、本体装置10から出力される電気信号としての送信波を超音波の送信波に変換して、この超音波送信波を被検体に印加する。また、振動子は、被検体から反射されてくる超音波信号を電気信号としての受信信号に変換して、本体装置10に送信する。超音波プローブ1は、プローブケーブル及びコネクタによって、本体装置10に着脱可能となっている。
図1では図示していないが、第1の実施形態の超音波プローブ1は、マーカをさらに有する。マーカは、例えば、皮膚用のインクや、接着剤などにより被検体の皮膚に貼り付く貼付材などを利用して被検体の皮膚表面にマーキングを施す。マーカを備えた超音波プローブ1については図2及び図3で詳細に説明する。
超音波プローブ1は、複数の振動子が直線状に配列される1次元アレイプローブでもよいし、複数の振動子が面状に配列される2次元アレイプローブでもよい。また、超音波プローブ1は、振動子をモータなどで機械的に動かす機械走査方式のプローブであってもよい。例えば、振動子が直線状に配列される1次元アレイ構造をモータにより、アレイ方向に垂直方向に機械的に揺動して3次元空間の生体内情報を取得するメカニカルプローブであってもよい。
モニタ4は、例えば、液晶パネル等で構成される表示装置である。モニタ4は、画像生成回路14で生成された各種の超音波画像を表示する他、ユーザインタフェースに関するデータや情報等も表示する。
入力装置5は、例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック、又はトラックボール等のユーザ操作デバイスである。モニタ4がタッチパネルを備えている場合、このタッチパネルも入力装置5に含まれる。
外部記憶装置6は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスク、又は光ディスクなどによって構成される。外部記憶装置6は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)などの可搬型メディアを着脱自在な回路として構成されてもよい。
通信制御装置7は、ネットワーク形態に応じた種々の通信プロトコルを実装する。ここで、電子ネットワーク18とは、電気通信技術を利用した情報通信網全体を意味し、病院基幹LAN、無線/有線LANやインターネット網の他、電話通信回線網、光ファイバー通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワーク、及び衛星通信ネットワークなどを含む。超音波診断装置100は画像サーバなどの外部記憶装置との間で、電子ネットワーク18経由で画像データを送受信することができる。
本体装置10は、送受信回路11、Bモード処理回路12、ドプラモード処理回路13、画像生成回路14、制御回路15、内部記憶装置16、及び一時記憶装置17を有する。制御回路15は、共通信号伝送路としてのバス19を介して本体装置10を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。
送受信回路11は、送信波を生成し、送信波を所定の電圧に増幅した後、増幅された送信波を超音波プローブ1の各振動子に供給する。
また、送受信回路11は、各振動子で検出された被検体からの反射波に基づく受信信号を生成する。送受信回路11は、プリアンプ、アナログデジタル変換器、受信遅延回路、及び加算器を内蔵する(図示せず)。
プリアンプは、超音波プローブ1の各振動子から出力される受信信号を所定の電圧に増幅する。アナログデジタル変換器は、増幅された受信信号をデジタル量に変換する。受信遅延回路は、デジタル量に変換された受信信号を、振動子毎に異なる遅延量で遅延させる。遅延量は、制御回路15から指示される受信超音波ビームの走査方向や受信焦点位置などの情報に基づいて算出される。加算器は、振動子毎に異なる遅延量で遅延された受信信号を整相加算する。整相加算された受信信号をスキャンラインデータと呼ぶ。
受信遅延回路と加算器によって、所定の方向を指向する受信ビームが形成されることになるため、受信遅延回路と加算器とを併せて、ビーム形成器と呼ぶ場合がある。また、加算器の出力信号は、形成された受信ビームで受信した受信信号ということもできる。
Bモード処理回路12は、超音波診断装置100がBモードに設定されている場合に動作する回路であり、振幅検波や対数圧縮等の信号処理をスキャンラインデータに施すことによって、反射波の振幅情報を取得する。
ドプラモード処理回路13は、超音波診断装置100がドプラモードに設定されている場合に動作する回路である。ドプラモード処理回路13は、フーリエ変換等の信号処理をスキャンラインデータに施すことで、指定された方向や位置における血流などの流体の速度情報を取得する。特にカラードップラモードでは、ドプラモード処理回路13は、MTI(Moving Target Indicator)フィルタや自己相関等の信号処理を受信信号に施すことで、流体の速度情報に加え、血流等の速度の平均値や分散に関する情報及びパワー情報を取得する。
Bモード処理回路12又はドプラモード処理回路13により画像処理されたスキャンラインデータをフレームデータと呼ぶ。フレームデータは、例えば一時記憶装置17におけるフレームメモリ記憶領域へ一時的に保存される。なお、フレームメモリ記憶領域は、内部記憶装置16に設けられてもよいし、フレームメモリ記憶領域専用の回路として別途設けられてもよい。
画像生成回路14は、Bモードやドプラモードなどの動作モードに応じて画像処理がされたフレームデータをビーム方向や距離(深さ)に応じてスキャン変換する。画像生成回路14は、スキャン変換後のフレームデータに所定の画像処理を施すことで、モニタ4に表示させる表示用データ、即ち、超音波画像を生成する。
ここで、1つの超音波画像用の元データを1つのフレームデータと定義すると、フレームレートに応じた数のフレームデータが時系列的に順次生成される。従って、画像生成回路14は、単位時間あたりにフレームレートに応じた数のフレームデータに対して画像処理を施すことで、モニタ4に表示される超音波画像をリアルタイムで更新する。
制御回路15は、プロセッサを備え、内部記憶装置16に保存される所定のプログラムをプロセッサが実行することにより、本体装置10の動作を全体的に制御する。
上記プロセッサとは、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)などの回路を意味する。上記プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)などが挙げられる。制御回路15は、内部記憶装置16に記憶されたプログラム、又は、制御回路15のプロセッサ内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで各機能を実現する。
また、制御回路15は、単一のプロセッサによって構成されてもよいし、複数の独立したプロセッサの組み合わせによって構成されてもよい。後者の場合、複数のプロセッサにそれぞれ対応する複数の記憶回路が設けられると共に、各プロセッサにより実行されるプログラムが当該プロセッサに対応する記憶回路に記憶される構成でもよい。別の例としては、1個の記憶回路が複数のプロセッサの各機能に対応するプログラムを一括的に記憶する構成でもよい。
内部記憶装置16及び一時記憶装置17は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスク、及び光ディスクなどによって構成される。
内部記憶装置16は、制御回路15において実行される各種プログラムの実行に必要なデータ及び画像データを記憶する。
図2及び図3を用いて、第1の実施形態に係るマーカを備えた超音波プローブ1について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る超音波プローブ1の平面図である。図2の超音波プローブ1は、複数の振動子が直線状に配列される1次元アレイプローブの例を示している。
以下の説明では、超音波プローブ1のアレイ方向に垂直な面、即ち、図2(a)における超音波プローブ1の紙面手前方向の面を超音波プローブ1の「正面」と呼ぶ。また、エレベーション方向に垂直な面、即ち、図2(a)における超音波プローブ1の紙面横方向の面を超音波プローブ1の「側面」と呼ぶこととする。
図2(a)は超音波プローブ1の正面図であり、図2(b)は超音波プローブ1の側面図であり、図2(c)は超音波プローブ1の底面図である。
図2(a)の超音波プローブ1のマーカMAは、ボタン1c及びインクタンク1eを備えて構成されている。超音波プローブ1はプローブケーブル1dにより本体装置10へ接続する。プローブヘッド1aは、被検体の皮膚表面と接触する超音波プローブ1の底面部分であり、被検体の皮膚を保護するためにシリコーンなどの柔軟な素材で形成されている。
図2(a)の例では、マーカMAは、超音波プローブ1の正面の中央に超音波プローブ1に一体として設けられている。
図2(b)に示すように、インク吐出口1bは、被検体の表面に接触するように、プローブヘッド1aと同一面内に設けられている。このようなマーカMAの構成では、図2(b)の矢印aが示す方向に、ボタン1cが押し込められると、インクタンク1e内の圧力が上昇し、インク吐出口1bから被検体の皮膚表面にインクが塗布される。図2(b)の矢印bは、マーキング時の超音波プローブ1の移動方向を示している。医師等のユーザは、矢印bの方向に超音波プローブ1を滑らせつつ、マーキングしたい位置でボタン1cを押下し、被検体の皮膚表面にインクを塗布することができる。
なお、図2では、インクタンク1eの上部にボタン1cを設けた例を示している。しかしながら、ボタン1cはインクタンク1eに設けられていればよく、その位置は図2の態様には限定されない。例えば、超音波プローブ1を手で握って操作するにあたって、ユーザが押し易い位置にボタン1cが設けられていてもよい。また、図2(b)では、インクタンク1eが超音波プローブ1から飛び出して設けられる例を示しているが、インクタンク1eが超音波プローブ1の筐体内部に収納され、ボタン1cが超音波プローブ1の筐体表面に設けられるように構成されてもよい。
図2(c)に示すように、インク吐出口1bは、プローブヘッド1aの面内に被検体の皮膚表面と接触するように設けられている。図2(c)では、インク吐出口1bを被検体の皮膚表面と接触させるために、プローブヘッド1aの一部に切欠き領域1fを設けた例を示している。
図3は、第1の実施形態に係る超音波プローブ1の振動子列の模式図である。図3は、第1の実施形態に係る超音波プローブ1の振動子列をプローブヘッド1a側から観察した超音波プローブ1の模式的底面図である。
超音波プローブ1の筐体内には、アレイ方向(アジマス方向)に複数の振動子1gが並んでいる。図3の例では、14個の振動子がアレイ方向に並べられ、そのうち中央の2個の振動子は、画像に影響がない範囲で、アレイ方向に垂直な方向の長さが他の振動子よりも短く構成されている。この点は第1の実施形態の特徴の1つである。かかる構成により、超音波プローブ1は、図3に破線で示した切欠き領域1fを設けている。第1の実施形態では、この切欠き領域1f内にインク吐出口1bを設けるという画期的な構成により、撮像上の構成であるプローブと、マーキングとを巧妙に一体化している。上記構成により、超音波画像においてリアルタイムで観察される被検体の断面の外縁である皮膚表面にマーキングすることができる。
図4は、第1の実施形態に係る超音波プローブの使用例を示す模式図である。図4は被検体Qの腕の皮膚表面上を矢印bの方向に超音波プローブ1を移動させる場合を示している。例えば、超音波プローブ1を図4の矢印bの方向である被検体Qの上腕側、即ち、図4の紙面上方向に移動させると、超音波プローブ1の移動に応じて被検体の皮膚にインク吐出口1bからインクが塗布される。インク吐出口b1から塗布されたインクは、図4に示すように、超音波プローブ1の正面中央に設けられたインク吐出口1bの通過の軌跡となる。これにより、被検体Qの腕の皮膚表面上に、超音波プローブ1の移動の軌跡がマーキングされる。
例えば、被検体Qの腕の血管を短軸方向で観察する場合、図4に示すように、アレイ方向が血管の走行方向と垂直になるように超音波プローブ1を被検体の皮膚表面に接触させて使用する。血管の短軸方向における撮像では、血管の断面の形状や大きさを観察することができる。血管の短軸方向の観察では、例えば、血管の狭窄により最も狭くなった断面の面積を求める。血管の最も狭くなった位置の上部に位置する皮膚表面にマーキングを施し、被検体の腕のどの位置に狭窄部分が存在するかを示すことができる。
操作方法の一例として、ユーザは、利き手の人差し指から小指の4本で超音波プローブ1を握って撮像したい場所に順次移動させつつ、利き手の親指でボタン1cを押下することで、超音波プローブ1の移動作業と、マーキング作業とを同時に実行できる。この作業は片手のみで無理なく実行することができる。
このように、第1の実施形態に係る超音波プローブ1を備えた超音波診断装置100によれば、ユーザは、超音波プローブ1の移動作業と、被検体の皮膚表面へのマーキング作業とを、片手で無理なく実行できる。また、超音波プローブ1をエレベーション方向に移動させる際のマーキングに有効である。
なお、上述の例ではインクによるマーキング手段を説明したが、マーキング手段はインクには限定されない。例えば、片面に接着剤が塗布された貼付材や、水や超音波ゼリーなどにより接着力を発揮する貼付材などによりマーキングできるよう超音波プローブ1が構成されてもよい。
また、第1の実施形態では、マーカMAが超音波プローブ1に一体的に設けられた例を示したが、マーカMAは、超音波プローブ1に対して着脱可能に構成されてもよい。例えば、図2の例において、マーカMAを超音波プローブ1から取り除いた状態で超音波プローブ1が利用可能に構成されてもよい。また、マーカMAの一部が取り外し可能に構成されてもよい。即ち、ボタン1c及びインクタンク1eがマーカMAから取り外し可能に構成されてもよい。このようにマーカMAが超音波プローブ1から取り外し可能に構成されることで、洗浄や滅菌などの作業が容易になる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、被検体の皮膚表面にマーキングを施すマーカ付のプローブアダプタ及び当該アダプタが装着される超音波プローブを備えた超音波診断装置に関する。
図5は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の一例を示す概念的な構成図である。第1の実施形態と第2の実施形態との違いは、第2の実施形態の超音波診断装置100の超音波プローブ1は、マーキングのためのマーカが設けられたプローブアダプタ20を超音波プローブ1とは別に備える点である。プローブアダプタ20は、超音波プローブ1に対して着脱自在に装着させられる。
図6は、第2の実施形態に係るプローブアダプタ20の平面図である。図6(a)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の正面図であり、図6(b)は、プローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の側面図であり、図6(c)は、プローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の底面図である。
図6(a)に示すように、プローブアダプタ20は、超音波プローブ1に取り付けるためのケース20d及び被検体の皮膚表面にマーキングを施すマーカMBを備える。マーカMBは、第1の実施形態と同様に、インク吐出口1a、インクタンク20b、及びボタン20cを備える。図6(a)は、マーカMBが超音波プローブ1のアレイ方向の中央に設けられた例を示している。
なお、図6は、第1の実施形態と同様にインクタンク20bの上部にボタン20cを設けた例を示しているが、ボタン20cはインクタンク20bに設けられていればその位置は限定されない。また、図6では、図2と同様にインクタンク20bがアダプタ20から飛び出し、ペン状の構造物として設けられる例を示しているが、インクタンク20bの形状は図6の態様には限定されない。例えば、ケース20dとインクタンク20bとが一体となって構成されていてもよい。
上記構成のマーカMBでは、図6(b)の矢印aが示す方向にボタン20cが押し込められると、インクタンク20b内の圧力が上昇し、インク吐出口20aから被検体の皮膚表面にインクが塗布される。図6(b)の矢印bは、マーキング時の超音波プローブ1の移動方向を示している。医師等のユーザは、矢印bの方向に超音波プローブ1を滑らせつつ、マーキングしたい位置でボタン20cを押下し、被検体の皮膚表面にインクを塗布することができる。
図6(c)に示すように、インク吐出口20aは、プローブヘッド1aの外枠に沿って、被検体の皮膚表面と接触するよう設けられている。
なお、マーカMBの位置は超音波プローブ1の正面中央の位置には限定されず、また、マーカMBが移動可能な態様でケース20dに取り付けられていてもよい。例えば、インク吐出口20aが被検体の皮膚表面と平行な面を移動可能となるように、マーカMBがプローブアダプタ20にスライド可能に取り付けられてもよい。例えば肋骨の下から肝臓内の腫瘍を観察する場合、肋骨の存在により超音波プローブ1を腫瘍の存在する位置まで移動できない場合がある。そのような場合であっても、マーカMBのみを手動でスライドさせることで、腫瘍の位置をマーキングできるよう構成されていてもよい。なおマーカMBは、電気的にスライドさせるよう構成されてもよい。
このように、第2の実施形態に係る超音波診断装置100においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2の実施形態に係る超音波診断装置100では、プローブアダプタ20は、超音波プローブ1との着脱が容易である。さらに、プローブアダプタ20のケース20dにシリコーンやゴムなどの伸縮性のある素材を用いることにより、超音波プローブ1の形状に依らずプローブアダプタ20を超音波プローブ1に装着することが可能となる。そして、超音波診断装置が従来品であっても、第2の実施形態のプローブアダプタ20を従来品の超音波プローブに装着するだけで上記の効果が得られるため、製造コストを節約できる。
なお、図6では、ケース20dが超音波プローブ1の外周面を覆う形状である例を示したが、ケース20dの形状及び材質は、超音波プローブ1にプローブアダプタ20を確実に固定する構造である限り、特に上述の態様に限定されるものではない。例えば、ケース20dを超音波プローブ1の両側面を挟むような形状としてもよい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様に、被検体の体表へのマーキング機能付のプローブアダプタ及び当該プローブアダプタが装着される超音波プローブを備えた超音波診断装置に関する。
第3の実施形態の超音波診断装置100では、プローブアダプタ20は、第2の実施形態におけるインク吐出口、インクタンク、及びボタンに替えて、医療用のマーキングペンをマーカとして備える。マーキングペンは、ケース20dに対して着脱可能に取り付けられる。以下、第3の実施形態について、第2の実施形態とは異なる点を説明し重複する説明を省略する。
図7は、第3の実施形態に係るプローブアダプタ20の平面図である。図7(a)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の正面図であり、図7(b)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の側面図であり、図7(c)は、プローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の底面図である。
図7に示すように、第3の実施形態の超音波診断装置100では、プローブアダプタ20は、第2の実施形態とは異なり、マーキング手段としてインクに替えてマーキングペン30を備える。図7は、マーキングペン30が超音波プローブ1の正面中央に設けられた例を示している。ケース20dは、マーキングペン30を保持するように設けられている。図7の例では、アレイ方向に対して垂直な方向にマーキングペン30を着脱可能にすると共に、マーキングペン30を収納可能な筒状の構造がケース20dに設けられている。
図7(a)のマーキングペン30は、ペン先端30b側にバネなどの弾性体から構成される調節機構30aを備える。調節機構30aはマーキングペン30を収納できる筒状の構造内部に設けられている。被検体の皮膚表面にマーキングを施す場合、調節機構30aは、マーキングペンの先端が被検体の皮膚表面に接触するよう調整する。一方、マーキングを実施しない場合、調節機構30aは、マーキングペン30の先端30bの位置が被検体の皮膚表面から離れるように調整する。
例えば、図7(b)の矢印aの方向にマーキングペン30を押し込むと、マーキングペン30の先端30bは、調節機構30aにより被検体の皮膚表面に接触する。一方、マーキングペン30の押し込みを止めると、マーキングペンの先端30bは調節機構30aにより被検体の皮膚表面から離れる。
図7(c)に示すように、マーキングペン30のペン先端30bは、プローブヘッド1aの外枠に沿って、被検体の皮膚表面と接触するよう設けられている。
なお、マーキングペン30が超音波プローブ1の正面に位置する例を示したが、マーキングペン30の先端30bが被検体の皮膚表面と平行な面を移動可能となるように、マーキングペン30をプローブアダプタ20にスライド可能に取り付けられてもよい。マーキングペン30は手動でスライドさせるよう構成されていてもよいし、電気的にスライドさせるよう構成されてもよい。
また、調節機構30aは、図7(b)の矢印aの方向にマーキングペン30を押し込んだ際、マーキングペン30の先端30bが被検体の皮膚表面に接触した状態で固定されるように構成されてもよい。また、マーキングペン30のペン先が被検体の皮膚表面に接触した状態で、再度矢印aの方向にマーキングペンを押し込むと、マーキングペンの先端30bを被検体の皮膚表面から離すことができるように調節機構30aは構成されてもよい。
このように、第3の実施形態の超音波診断装置100においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、第3の実施形態では、プローブアダプタ20は調節機構30aを備えるため、マーキング時のみマーキングペンが皮膚表面に接触するように調整できる。さらに、マーキング手段としてマーキングペンを用いるため、インクの色やペン先端の太さを容易に変更できる。また、第3の実施形態のプローブアダプタ20は、使い捨てのマーキングペンを用いることができるため、手術などの滅菌された器具を使う状況において簡便に利用することが可能となる。
[第4の実施形態]
第2及び第3の実施形態では、プローブアダプタ20におけるマーカが超音波プローブ1の正面に配置される例を示したが、第4の実施形態ではマーカが超音波プローブ1の側面に配置される。第4の実施形態について、第2の実施形態との違いのみを説明し、重複する説明を省略する。
図8は、第4の実施形態に係るプローブアダプタ20の平面図である。図8(a)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の正面図であり、図8(b)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の側面図であり、図8(c)は、プローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の底面図である。
図8が示すように、第4の実施形態では、超音波プローブ1の左側面にマーカMCが配置されるように、プローブアダプタ20が超音波プローブ1に対して装着されている。プローブアダプタ20は、インク吐出口20a、インクタンク20b、ボタン20c、及びケースdを有する。
図8(a)の矢印bは、マーキング時の超音波プローブ1の移動方向を示している。医師等のユーザは、矢印bの方向に超音波プローブ1を滑らせつつ、マーキングしたい位置でボタン20cを押下し、被検体の皮膚表面にインクを塗布する。
図9は、第4の実施形態に係る超音波プローブ1の使用例を示す模式図である。図9は図4と同様に、被検体Qの腕の皮膚表面上を矢印bの方向に超音波プローブ1を移動させる場合を示している。超音波プローブ1のボタン20cを押下しつつ超音波プローブ1を図9の矢印bの方向、即ち、被検体Qの上腕側に移動させると、第1の実施形態と同様に、超音波プローブ1の移動の軌跡がマーキングされる。
図9は、図4の例とは異なり、腕の血管を長軸方向に観察する場合を示している。長軸方向の観察では、血管の狭窄部分の広がり方を観察することができる。長軸方向の観察で狭窄部分の開始部分と終了部分とを特定することができ、例えば、狭窄部分の開始部分と終了部分とにマーキングを施すことで、狭窄部分の範囲を皮膚表面に示すことができる。
なお、第4の実施形態では、マーキング手段としてインクを用いるマーカの例を説明したが、マーキング手段は限定されない。インクに替えてマジックペンや貼付材を用いて構成されてもよい。この点は、第5〜第11の実施形態に関しても同様である。
このように、第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第4の実施形態に係る超音波プローブ1では、プローブアダプタ20のマーカMCが超音波プローブ1の側面に配置されている。このため、第4の実施形態は、血管を長軸方向で観察する場合などの超音波プローブ1をアレイ方向に移動させる際のマーキングに有効である。
[第5の実施形態]
第4の実施形態ではマーカが1つの例を示したが、マーカは2つ以上であってもよい。第5の実施形態の超音波診断装置100では、プローブアダプタ20がマーカを2つ備える。以下、第5の実施形態について、第2の実施形態との違いのみを説明し、重複する説明を省略する。
図10は、第5の実施形態に係るプローブアダプタ20の平面図である。図10(a)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の正面図であり、図10(b)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の側面図であり、図10(c)は、プローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の底面図である。
図10が示すように、第5の実施形態のプローブアダプタ20は、その両側面にマーカMDが設けられている。各マーカMDは、インク吐出口20a、インクタンク20b、及びボタン20cを備える。
従って、プローブアダプタ20が装着された状態において、超音波プローブ1は、その両側面にマーカMDが配置されている。図10(b)及び図10(c)に示すように、プローブアダプタ20の装着状態では、ボタン20cは、超音波プローブ1を囲むように配置されているため、プローブアダプタ20の両側面に設けられたインクタンク20bから同時にインクを出力できる。ボタン20cは、プローブアダプタ20の両側面のインクタンク20bに同時に均等に圧力を生じさせ、両側面のインク吐出口20aから同時にインクを塗布することができる。
図11は、第5の実施形態に係る超音波プローブ1の使用例を示す模式図である。図10は、超音波プローブ1を被検体Qの腹部の皮膚表面上で図中の矢印bの方向、即ち、紙面の横方向に移動させる場合を示している。超音波プローブ1のボタン20cを押下しつつ超音波プローブ1を被検体Qの腹部の皮膚表面上において矢印bの方向、即ち、紙面横方向に移動させると、超音波プローブ1の移動に応じて被検体の皮膚にインク吐出口20aからインクが塗布される。このとき、上述のように、被検体Qの腹部の皮膚表面には、超音波プローブ1の両側面の移動軌跡を示す2本の線がマーキングされる。
このように、第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第5の実施形態では、2つのマーキングを片手で同時に施すことができる。また、超音波プローブ1の両側面の移動軌跡を2本の線で示すことで、超音波診断装置100における撮像箇所をより正確に再現することができる。
[第6の実施形態]
第6の実施形態は、マーカに加えて、超音波ゼリーなどの超音波媒介物質を除去する構成を備えた例である。以下、第6の実施形態について、第2の実施形態との違いのみを説明し、重複する説明を省略する。
図12は、第6の実施形態に係るプローブアダプタ20の平面図である。図12(a)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の正面図であり、図12(b)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の側面図であり、図12(c)は、プローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の底面図である。
図12に示すように、超音波プローブ1の20に装着されるプローブアダプタ20には、超音波ゼリーなどの超音波媒介物質を除去するワイパ20eが設けられている。超音波画像を収集する際、被検体の皮膚表面には超音波ゼリーなどの超音波媒介物質が塗布される。超音波ゼリーは、組成の約90%が水でできた水溶性の潤滑剤である。この超音波ゼリーを被検体の皮膚表面に塗布することで、超音波プローブ1と被検体の皮膚表面との間に空気が混入することを避けることができ、超音波プローブ1から体内へ音波が伝わり易くなる。また、超音波ゼリーを被検体の皮膚表面に塗布することで、超音波プローブ1の被検体の皮膚表面における滑りを良くし、超音波プローブ1の操作性が向上する。
しかしながら、超音波ゼリーが塗布された被検体の皮膚表面にインクなどのマーキング手段でマーキングを施す際、超音波ゼリーの存在によりインクが被検体の皮膚表面に付着しない場合がある。また、水溶性の超音波ゼリーの存在により、インクが滲み、正確なマーキングを施せない場合がある。
そこで、プローブアダプタ20の内壁において、マーカMEに最も近い位置に、超音波ゼリーなどの超音波媒介物質を除去するワイパ20eが設ける。これにより、撮像時は超音波媒介物質を利用しつつ、マーキング時は超音波媒介物質を除去し、インクを被検体の皮膚表面に付着させ易くする。
図12(b)の矢印bは、マーキング時の超音波プローブ1の移動方向を示している。医師等のユーザは、矢印bの方向に超音波プローブ1を滑らせ、被検体の皮膚表面にインクを塗布する。この際、超音波ゼリーが塗布された状態でプローブヘッド1aが被検体の皮膚表面を通過する。その後、ワイパ20eにより超音波ゼリーが被検体の皮膚表面から除去され、マーカMEからインクが塗布される。このように、ワイパ20eにより被検体の皮膚表面から超音波ゼリーが除去されることで、効率的にマーキングを行うことが可能となる。
なお、図12に示すように、ワイパ20eが被検体の皮膚表面と接触する面には、シリコーンやゴムなどで構成されたワイパーヘッド20fが設けられており、被検体の皮膚を保護することができる。加えて、ワイパーヘッド20fが被検体の皮膚と密着することで、被検体の皮膚表面に塗布された超音波媒介物質を効率よく除去することができる。
また、図12(b)に示すように、ワイパ20eは、マーカMEとプローブヘッド1aとの間からマーカMEの両側面に沿って所定の広がりを持って設けられている。図12(c)の底面図は、ワイパ20eの形状をプローブヘッド1a側から見たとき、インク吐出口20aを始点としたV字型の形状を示している。しかしながら、ワイパ20eの形状は図12に示した態様には限定されない。
図13は、第6の実施形態におけるワイパ20eの変形例に係るプローブアダプタ20の平面図である。図13は、プローブアダプタ20の底面図である。
図13は、図12(c)とは異なり、ワイパ20eがマーカMEとプローブヘッド1aとの間に、超音波プローブ1内の振動子のアレイ方向に平行に設けられている。ワイパ20eのアレイ方向と平行な方向を長軸方向とするとき、ワイパ20eの長軸方向の長さは、少なくともマーカのインク吐出口20aの大きさと同等かそれ以上であることが望ましい。この条件を満たせば、被検体の皮膚表面に塗布された超音波媒介物質をより確実に除去できる。
このように、第6の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第6の実施形態の超音波診断装置100のプローブアダプタ20は、被検体の皮膚表面に塗布された超音波媒介物質を除去するワイパ20eを備える。この構成により、マーカから塗布されたインクが水溶性の超音波媒介物質によって滲む、あるいは、弾かれることによって被検体の皮膚表面に塗布できないことを回避できる。このように、第6の実施形態によれば、超音波媒介物質を被検体の皮膚表面から除去しつつ、インクを塗布することで、被検体の皮膚表面に正確にマーキングを施すことができる。
[第7の実施形態]
第7の実施形態は、第6の実施形態の構成に加えて、超音波プローブ1とワイパ20eとの角度を調整する角度調節機構を備える例である。以下、第7の実施形態について第6の実施形態との違いのみを説明し、重複する説明を省略する。
医師等のユーザは、超音波画像を収集する際、被検体の皮膚表面に対して超音波プローブ1を所定の角度傾けて使用する場合がある。超音波プローブ1を傾けることで、超音波の送信方向を容易に変更できるため、被検体内の異なる深さや位置にある構造物を描出できる。
超音波プローブ1の角度が変化することで、ワイパ20eが被検体の皮膚表面から離れてしまうと、超音波媒介物質を効率的に除去することができない。そこで、第7の実施形態のプローブアダプタ20は、超音波プローブ1とワイパ20eとの角度を調整する角度調節機構を備え、超音波プローブ1が傾いてもワイパ20eが被検体の皮膚表面に接触した状態を維持できる。
図14は、第7の実施形態に係る超音波プローブ1に装着されるプローブアダプタ20の平面図である。図14左側は、超音波プローブ1を矢印cの方向へ傾けたときの側面図を、図14の右側は、超音波プローブ1を矢印dの方向へ傾けた場合をそれぞれ示している。図14の中央は、超音波プローブ1の中心軸を示す一点鎖線と、被検体の皮膚表面sとがほぼ垂直である例を示す。
図14に示したプローブアダプタ20のマーカは、インクタンク20b、ボタン20c、及び不図示のインク吐出口を備える。図14のプローブアダプタ20は、マーカとワイパ20eとの接続部分にバネ等の角度調節部20gを備えて構成される例を示している。図14に示すように、超音波プローブ1と皮膚表面sとの角度が変化しても、ワイパーヘッド20fが被検体の皮膚表面sに接触した状態が維持されるよう、角度調節部20gは、超音波プローブ1とワイパ20eとの角度を調整する。
なお、図14の例では超音波プローブを傾き方向c及び傾き方向dに傾けたときに、プローブヘッド1aと皮膚表面sとが密着していない領域が存在する。プローブヘッド1aと皮膚表面sとが密着していない領域にはゼリーなどの超音波媒介物質が存在する。従って、プローブヘッド1aが皮膚表面sに密着していない場合であっても超音波画像は収集できる。一方、ワイパーヘッド20fは、皮膚表面sと密着した状態でなければ皮膚表面sからゼリーなどの超音波媒介物質を効率的に取り除けない。従って、図14に示すように、ワイパーヘッド20fは、角度調整部20gにより超音波プローブの傾きに依存せず皮膚表面sに密着する。
このように、第7の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第7の実施形態における超音波診断装置100は、超音波プローブ1の傾きに依存せず、ワイパ20eが常に被検体の皮膚表面sに接触した状態が維持される。超音波プローブ1を傾けながら超音波プローブ1を移動させてもワイパ20eにより効率的に超音波媒介物質を除去できるので、超音波プローブ1をどのような角度で移動させても被検体の皮膚表面にマーキングを施すことができる。
[第8の実施形態]
第8の実施形態は、マーキングを施す場合には被検体の皮膚表面にワイパ20eを接触させ、マーキングを施さない場合にはワイパ20eを被検体の皮膚表面から離しておくことができる例である。
そこで第8の実施形態のプローブアダプタ20は、ワイパ20eをスライド移動させるスライド機構を備える。超音波媒介物質を除去しなくてもよい場合、スライド機構は、ワイパ20eを被検体の皮膚表面から離す。一方、超音波媒介物質を除去する場合、スライド機構は、ワイパ20eを被検体の皮膚表面に接触させる。第8の実施形態について第6の実施形態とは異なる部分のみを説明し、重複する説明を省略する。
図15は、第8の実施形態に係るプローブアダプタ20の平面図である。図15は、超音波プローブ1の側面図をそれぞれ示している。図15の右側はマーキングを施す場合のワイパ20eの位置を、図15の左側はマーキングを施さない場合のワイパ20eの位置をそれぞれ示している。
図15の例では、第6の実施形態とは異なり、マーカをマジックペンで構成する例を示している。第3の実施形態で説明した通り、マジックペン30は、バネなどの弾性体から構成される調節機構30aを有する。これのため、被検体の皮膚表面にマーキングを施す場合、マーキングペンの先端が被検体の皮膚表面に接触するように、調節機構30aにより調整される。一方、マーキングを実施しない場合、マーキングペンの先端30bが被検体の皮膚表面から離れた位置となるように、調節機構30aにより調整される。
図15の左側の矢印aの押し込み方向にマジックペンが押し込まれるのに連動して、ワイパ20eが矢印cの方向にスライドする例を示している。図15の右側は、マジックペンの軸方向に沿ったマジックペンの押し込み方向を示す。図15の左側は、マジックペンを押し込んだ後のプローブアダプタ20の側面図を示している。
ワイパ20eには、例えば、マジックペンを収納できる筒状の構造に設けられた溝に沿って被検体の皮膚表面側にワイパ20eをスライドさせることができる突起構造が設けられていてもよい。また、マジックペン20を収納する筒状の構造に設けられた溝には、ワイパ20eを皮膚表面に接触させた位置、あるいは、皮膚表面から離れた位置に引っ掛けて止めることができるストッパーを設けてもよい。なお、ワイパ20eはマジックペンとは別体としてスライドするように構成してもよい。
マーキング手段としてマジックペンの代わりにインクや貼付材を用いる場合、ボタンの押下によりインクが被検体の皮膚表面に塗布されるため、ボタンに連動してワイパ20eをスライドさせるように構成してもよい。
また、上述では、ワイパ20eを手動でスライドさせる例を示したが、ワイパ20eを電気的にスライドさせるようアダプタ20を構成してもよい。
このように、第8の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第8の実施形態における超音波診断装置100は、ワイパ20eを使用する場合のみ被検体の皮膚表面に接触させることができるため、必要に応じて超音波媒介物質を除去しつつ、被検体の皮膚表面にマーキングを施すことができる。
[第9の実施形態]
第1〜第8の実施形態では、マーカを備えた超音波プローブ1又はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1により、被検体の皮膚表面にマーキングを施す例をそれぞれ説明した。以下では、被検体の皮膚表面にマーキングを施す際に、マーカを備えた超音波プローブ1又はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1と、超音波診断装置100とが協働して動作する例を説明する。
第9の実施形態は、マーキング手段としてインクヘッドを有するプローブアダプタ20が装着された超音波プローブを備えた超音波診断装置1の例である。第9の実施形態について第2の実施形態との違いのみを説明し、重複する説明を省略する。
図16は、第9の実施形態に係る超音波診断装置100の一例を示す概念的な構成図である。図16に示すように、第9の実施形態の超音波診断装置100は、第2の実施形態の構成に加えて、インク出力装置40及びインク出力制御機能151を備える。
インク出力装置40は、プローブアダプタ20のケースに設けられ、例えば、インクタンク、インクヘッド、ボタンを備える。さらに、インク出力装置40は、インクヘッドに電力を供給する電力供給ケーブルを備え、電力供給ケーブルを介して装置本体10と接続している。インク出力装置40を備えたプローブアダプタ20の詳細な構成については、後述の図17で説明する。なお、インク出力装置40は、第1の実施形態のように超音波プローブ1に一体として設けられてもよい。
インク出力制御機能151は、インク出力装置40からのインク出力要求信号を受信し、インク出力装置40へインク出力許可信号を送信する。インク出力要求信号は、例えば、インク出力装置40が備えるボタンが押下されることで電力供給ケーブルを介してインク出力制御機能151に送信される。同様に、インク出力制御機能151からのインク出力許可信号は、電力供給ケーブルを介してインク出力装置40に送信される。
より詳細には、インク出力制御機能151は、以下2つの条件を満たすか否かを判定し、全て満たす場合にはインク出力許可信号をインク出力装置40に送信する。第1の条件は、インク出力要求信号を受信した直後であることである。第2の条件は、インク出力装置40内のインク残量が十分であることである。上記2つの条件の少なくとも1つを満たさない場合、インク出力制御機能151は、例えばビープ音を出力させると共に、満たさなかった条件の内容をモニタ4に表示させる。これにより、インクを出力できない理由をユーザに知らせることができる。
図17は、第9の実施形態に係るプローブアダプタ20の平面図である。図17(a)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の正面図、図17(b)はプローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の側面図、図17(c)は、プローブアダプタ20が装着された超音波プローブ1の底面図である。
図17に示すように、インク出力装置40は、インクタンク40a、インクヘッド40d、ボタン40cを備え、インクヘッド40dの動作に必要な電力を装置本体10から取得するための電力供給ケーブル40bを介して装置本体10と接続している。
インクヘッド40dは、図17(c)に示されるように、インクヘッドノズル40eを備え、インクヘッドノズル40eからインクタンク40a内のインクが射出され、被検体の皮膚表面にインクが塗布される。
インクヘッド40d内には、圧電材料で形成された細い管が設けられており、毛細管現象によりインクタンク40a内のインクはインクヘッド40dの管内に充填されている。インクヘッド40dの管は、インクヘッドノズル40eに接続している。インクヘッド40dがインク出力機能151からインク出力許可信号を受信した場合、インクヘッド40d内の圧電材料で形成された細い管に電圧が印加され、管の内圧が上昇する方向に変形することで、インクヘッドノズル40eからインクが射出される。
図17では、インクヘッド40dの上部にインクタンク40aが別体として設けられる例を示したが、インクタンク40aはインクヘッド40dと一体的に構成されてもよい。
次に、インク出力装置40が超音波診断装置100と協働して動作する場合の動作の一例を説明する。
図18は、第9の実施形態に係る超音波診断装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップST901において、ユーザは、インク出力装置40のボタン40cを押下する。ボタン40cが押下されると、インク出力要求信号が電力供給ケーブル40bを介してインク出力装置40から本体装置10に送信される。
ステップST903において、本体装置10のインク出力制御機能151は、インク出力装置40からのインク出力要求信号を受信する。
ステップST905において、インク出力制御機能151は、インク出力許可信号を電力供給ケーブル40bを介してインク出力装置40に送信する。
ステップST907において、インクヘッド40dは、インク出力許可信号に基づいてインクヘッドノズル40eからインクを射出し、被検体の皮膚表面にインクを塗布する。
なお、図18のフローチャートでは、ボタン40cが押下されるたびにインクヘッド40dからインクが射出される場合を示したが、インク出力制御機能151の動作は、図18の態様には限定されない。例えば、インク出力制御機能151は、インク出力状態とインク停止状態とを判定できるよう構成されていてもよい。インク出力制御機能151は、インク停止状態でインク出力要求信号を受信した場合、インク出力許可信号を電力供給ケーブル40bを介してインク出力装置40に送信し、インク出力状態でインク出力要求信号を受信した場合、インク出力停止信号を電力供給ケーブル40bを介してインク出力装置40に送信する。
なお、インク出力要求信号はインクヘッド40dに直接送信されてもよく、インクヘッド40dは、電力供給ケーブル40bを介してインク出力のための電力供給を受けて動作するように構成されてもよい。
また、インクヘッドノズル40eとプローブヘッド1aとの間に第6の実施形態で説明した超音波媒介物質を除去するためのワイパを設けてもよい。
さらに、インクヘッドノズル40eが被検体の皮膚表面と平行な面を移動可能となるように、インクヘッド40dがアダプタ20にスライド可能に取り付けられてもよい。インクヘッド40dは、手動でスライドさせるよう構成されていてもよいし、電気的にスライドさせるよう構成されてもよい。例えば、インクヘッド40dは、インクヘッドノズル40eからインクを射出しながら、アレイ方向及びアレイ方向に垂直な方向(エレベーション方向)にインクヘッドノズル40eを移動させる走査機構をさらに備えてもよい。インクヘッド40dは、走査機構を備えることで、入力装置5からの入力に従い被検体の皮膚表面へのマーキングの太さを自在に変更でき、図形や文字などをマーキングすることができる。
また、インクタンク40aは、複数の有彩色にそれぞれ対応する複数のインクを備えていてもよい。マーキングの形状や色に関する制御信号は、電力供給ケーブル40bを介してインクヘッド40dに送信される。
このように、第9の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第9の実施形態における超音波診断装置100では、ユーザは片手で力を使わずにボタン40cを押下するだけの簡単な操作によって被検体の皮膚表面にマーキングを施すことができる。また、マーキングの種類や色を変更する場合、例えば、入力装置5を介してユーザがマーキングの実行前に超音波診断装置100に設定を入力することで、簡単に変更することができる。
[第10の実施形態]
第10の実施形態は、磁気センサによりプローブアダプタ20のインク出力位置を判定すると共に、インク塗布位置を超音波画像上に表示する超音波診断装置100の例である。第10の実施形態について第9の実施形態との違いのみを説明し、重複する説明を省略する。
なお、以下の説明では、「インク出力位置」は、例えばインク吐出口やインクヘッドノズルのように被検体の皮膚表面にマーキング手段であるインク等を出力する位置のことを示す。「インク塗布位置」は、被検体の皮膚表面に実際にインクが塗布された位置に加えて、仮想的なインク塗布位置も含む。上記仮想的なインク塗布位置とは、インク出力位置から被検体の皮膚表面にインクが出力された場合、被検体の皮膚表面にインクが塗布されると予測される位置である。
図19は、第10の実施形態に係る超音波診断装置200の一例を示す概念的なブロック図である。第10の実施形態は、以下の3つの点で第9の実施形態(図16)とは異なる。第1に、超音波プローブ1は磁気センサ21をさらに備える。第2に、プローブアダプタ20は磁石22をさらに備える。第3に、本体装置10の制御回路15はインク出力位置判定機能153及びインク塗布位置表示機能155をさらに備える。
磁気センサ21は、ホール素子などで構成され、超音波プローブ1の筐体内部に設けられている。磁気センサ21は、所定の間隔で複数設けられ、プローブアダプタ20に設けられた磁石22が生じさせる磁気を検出する。磁気センサ21は、磁石22の存在により生じる磁束変化により誘導電流を発生させ、検出した磁気を電気信号に変換する装置である。磁気センサ21は、本体装置10のインク出力位置判定機能153にインク出力位置検出信号を送信する。
磁石22は、プローブアダプタ20に設けられたマーカのインク出力位置に設けられる。インク出力位置の移動に付随して磁石22が移動するように構成されもよい。なお、磁石22及び磁気センサ21の構成については、後述の図20で詳細に説明する。また、プローブアダプタ20のインク出力位置を判定する方法は上記の態様には限定されない。例えば赤外線センサによりマーカの位置を検出するように構成されてもよい。
インク出力位置判定機能153は、磁気センサ21で検出されたインク出力位置検出信号に基づいてプローブアダプタ20のインク出力位置を判定する。また、インク出力位置判定機能153は、磁気センサ21が検出したインク出力位置検出信号に基づき、超音波プローブ1にプローブアダプタ20が取り付けられたか否かを判定してもよい。
アダプタ20の種類毎のインク出力位置は、内部記憶装置16に記憶されていてもよい。また、インク出力位置は、磁気センサ21が複数設けられている場合、磁石22を検出した磁気センサ21の位置に基づいて判定されてもよい。
インク塗布位置表示機能155は、超音波画像上に被検体の皮膚表面へのインク塗布位置を線や図形などで表示する。超音波画像上へのインク塗布位置の表示方法については図22及び図23で詳細に説明する。
まず、磁気センサ21を有する超音波プローブ1の構成及び磁石を有するプローブアダプタの構成について説明する。
図20は、第10の実施形態に係るプローブアダプタの模式的底面図である。図20はインクヘッド40dをマーキング手段として用いた場合を例示している。図20では磁気センサ21が超音波プローブ1の筐体内に複数設置されている。なお、それぞれの磁気センサ21の設置位置に表記したアルファベットは、複数設置された磁気センサ21を区別するために便宜的に示したものである。
図20の例では、合計8個のうち6個の磁気センサ21が、超音波プローブ1の正面、即ち、アレイ方向に沿って紙面の左から順に、位置A、位置B、位置C、位置D、位置E、位置Fの6つ位置に夫々設置されている。また、残りの2個の磁気センサ21は、超音波プローブ1の両側面、即ち、エレベーション方向に沿って位置G及び位置Hに夫々設置されている。なお、図20では、超音波プローブ1のアレイ方向とエレベーション方向にそれぞれ複数の磁気センサ21を備えた例を示したが、磁気センサ21の位置及び個数は、図20の態様には限定されない。
磁気センサ21は磁束密度に依存した電圧を発生させることができる。即ち、磁気センサ21は磁束密度に応じて磁石22との距離を算出することができる。従って、少なくとも2つの磁気センサ21で磁石22との距離を算出することにより、インクヘッド40dのインク出力位置を特定するよう構成してもよい。
図20のインクヘッド40d内には、インクヘッド40dの超音波プローブ1側であって、インクを出力するインクヘッドノズル40eの位置に磁石22が設けられている。図20の例では、インクヘッド40dの磁石22は、プローブヘッド1aの位置Dにある磁気センサ21と対向している。この場合、位置Dにある磁気センサ21がインクヘッド40dに取り付けられた磁石22が生じさせる磁気を検出し、検出した磁気を電圧に変換し、インク出力位置検出信号として本体装置10に送信する。本体装置10のインク出力位置判定機能153は、位置Dにある磁気センサ21からのインク出力位置検出信号に基づいてインクヘッド40dのインク出力位置を判定する。
インクヘッド40dが位置A、B、C、E、F、G又はHに対向する位置にある場合も、上述と同様である。このようにケース20d内に適切な数の磁気センサ21を離間して配置しておくことで、インクを出力するインクヘッドノズル40eの位置を検出できる。
図21は、第10の実施形態に係る超音波診断装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップST1001において、インク出力位置判定機能153は、磁気センサ21で検出されたインク出力位置検出信号を受信する。
ステップST1003において、インク出力位置判定機能153は、インク出力位置を判定する。インク出力位置は、超音波プローブ1に取り付けられた磁気センサ21の位置に基づいて判定される。磁気センサ21の位置は、インク出力位置検出信号を本体装置10に送信した磁気センサ21に基づいて判定される。
また、インク出力位置判定機能153は、磁気センサ21からのインク出力位置検出信号に基づいて、プローブアダプタ20が超音波プローブ1に取り付けられたことを検出してもよい。インク出力位置判定機能153は、ユーザが入力したプローブアダプタの種類に基づいて、内部記憶装置16に記憶されたプローブアダプタの種類毎のインク出力位置を示す一覧表からインク出力位置を判定してもよい。
ステップST1005において、インク出力制御機能151は、ボタン40cが押下されることで発生するインク出力要求信号を受信し、インク塗布位置表示機能155に通知信号を送信する。通知信号は、ユーザからのインク出力要求があったことをインク塗布位置表示機能155に通知する信号である。
また、インク出力制御機能151は、インク出力要求信号を受信すると、インク出力装置40にインク出力許可信号を送信する。第10の実施形態においても、第9の実施形態と同様に、インク出力制御機能151は、インク出力要求信号を受信した直後であること、及びインク出力装置40内のインク残量が十分であることの2つの条件を満たした場合、インク出力許可信号をインク出力装置40へ送信する。
ステップST1007において、インク塗布位置表示機能155は、通知信号を受信し、インク出力位置判定機能153が判定したインク出力位置に基づいて、インク塗布位置描画情報を生成する。インク塗布位置描画情報は、例えば、インク塗布位置を示す図形等の情報や、その図形等を表示させる位置の情報などである。インク塗布位置を示す図形等を表示させる位置は、例えば、被検体の皮膚表面側を超音波画像の上部としたときに、超音波画像の上部から何ピクセル、超音波画像の左側から何ピクセルのように指定することができる。
ステップST1009において、画像生成回路14は、インク塗布位置描画情報に基づいて、超音波画像にインク塗布位置を表示する。
なお、ステップST1001からステップST1005の処理の順序は図21のフローチャートの順序には限定されない。また、インク塗布位置表示機能155は、ステップST1005のインク出力許可信号を受信せずに、ステップST1007の処理でインク塗布位置描画情報を生成し、ステップST1009でインク塗布位置が超音波画像に表示されてもよい。即ち、マーカからのインク出力要求信号に依存せず、現在のインク出力位置に応じた仮想的なインク塗布位置を超音波画像上に表示してもよい。また、実際に被検体の皮膚表面にインクが塗布された際のインク塗布位置表示画像と、インク出力要求信号を受信する前の仮想的なインク塗布位置表示画像とを、異なる態様で表示してもよい。
次に、インク塗布位置表示画像について説明する。
図22は、第10の実施形態に係る超音波画像の第1の模式図である。図22は、超音波プローブ1の正面中央にインク出力位置1pがある例を示している。図22上部は、超音波プローブ1を被検体の皮膚表面sに接触させた状態を示しており、図22下部は、超音波画像4aを示している。超音波画像4aは、実際にはモニタ4に表示されるが、超音波プローブ1との対応をわかりやすくするため、図22では、超音波プローブの直下に超音波画像4aを表記している。
図22は、インク出力位置1pから被検体の皮膚表面sのインク塗布位置2pにインクが塗布される例を示している。図22に一点鎖線で示すように、リニアプローブの場合、超音波画像の両端と超音波プローブ1の両側面とは一致する。超音波画像は、超音波プローブヘッド1aが接触する被検体の皮膚表面sの断層画像を表示する。
図22の例では、超音波プローブ1の正面中央のインク出力位置1pの直下にある被検体の皮膚表面sのインク塗布位置2pにインクが塗布される。従って、画像生成回路14は、モニタ4に表示される超音波画像の横幅と超音波プローブ1のアレイ方向の長さとから、超音波画像の中央位置を算出し、その位置にインク塗布位置を示す画像mを表示する。図22では、破線で示したインク塗布位置を示す画像mは、超音波画像の中央に超音波画像の深さ方向に表示される。なお、超音波画像の横幅や超音波プローブ1のアレイ方向の長さといった情報は、内部記憶装置16に記憶されていてもよいし、本体装置10の外部から入力されてもよい。
図23は、第10の実施形態に係る超音波画像の第2の模式図である。図23において図22とは異なる点は、破線で示したインク塗布位置を示す画像mが、超音波画像の紙面右側に表示されている点である。このように、インク塗布位置を示す画像mは、インク出力位置1pの直下にある被検体の皮膚表面sのインク塗布位置2pに対応する超音波画像上に表示される。
例えば手動でマーカを移動させることにより、図22に示したインク出力位置1pを図23に示したインク出力位置1pに変更した場合、インク塗布位置判定機能155は、インク出力位置を移動させるのに追従して、超音波画像上のインク塗布位置が移動するよう構成されてもよい。
なお、インク塗布位置を示す画像は、図22及び図23の態様には限定されない。インク塗布位置を示す画像は、例えば、超音波画像の上部あるいは下部に線又は図形で示されてもよい。
このように、第10の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第10の実施形態の超音波診断装置100は、被検体内を示す超音波画像上にインク塗布位置を表示する。このため、ユーザは、目的とする臓器や組織と被検体の皮膚表面との位置関係を容易に把握することができる。また、実際にインクを出力する前に、インク出力位置に対応した超音波画像上の位置に仮想的なインク塗布位置を表示することで、目的とする臓器や組織の直上又は輪郭部分など、臓器や組織との関係に基づいて所望の位置にインクを塗布することができる。
[第11の実施形態]
第11の実施形態の超音波診断装置100は、超音波画像を解析し、解析した結果に応じてインクを出力する例を説明する。第11の実施形態では、例として、超音波画像を解析して血管を判定し、血管が存在する位置にインクを出力する場合を説明する。第11の実施形態について第10の実施形態との違いのみを説明し、重複する説明を省略する。
図24は、第11の実施形態に係る超音波診断装置100の一例を示す概念的なブロック図である。第11の実施形態の超音波診断装置100は、第10の実施形態(図19)の構成に加えて、血管判定機能157を備える。
血管判定機能157は、少なくとも1つスキャンラインデータに基づいて、インク出力位置に血管が存在するか否かを判定する。血管判定機能157は、インク出力位置に血管が存在する場合、インク出力制御機能151にインク出力要求信号を送信する。
図25は、第11の実施形態に係る超音波診断装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップST1101において、モニタ4は、超音波画像を表示する。モニタ4に表示される超音波画像には、現在のインク出力位置から被検体の皮膚表面にインクが出力されたと仮定した場合の仮想的なインク塗布位置が表示されていてもよい。
ステップST1103において、ユーザは、超音波画像に表示された血管領域を指定し、血管領域にインク出力位置を合わせる。インク出力位置の下に血管が位置するように、ユーザは超音波プローブ1あるいはマーカをアレイ方向に移動させる。この際、仮想的に表示されたインク塗布位置をガイドとして利用することができる。このように、ユーザはマーキング対象となる血管のマーキング開始位置を指定し、インク出力用のボタンを押下することでインク出力装置40からインクを出力させる。
ステップST1105において、ユーザは、超音波プローブ1を血管の走行方向に沿って移動させる。
ステップST1107において、血管判定機能157は、あるフレームにおいてインク出力位置の下に血管が存在するか否かを判定する。
超音波診断装置100は、1秒間に複数枚の超音波画像を生成し、モニタ4に表示している。1秒間に描出できる超音波画像の数をフレーム数といい、それぞれの超音波画像をフレームと呼ぶ。血管判定機能157は所定のフレーム毎に、そのフレームを生成する際のスキャンラインデータを解析し、インク出力位置に血管が存在するか否かを判定する。なお、血管判定機能157における血管判定方法については、後述の図26で詳細に説明する。
血管判定機能157がインク出力位置に血管が存在すると判定した場合は、ステップST1107のYESに分岐し、ステップST1109においてインク出力制御機能151はインク出力装置40に対してインク出力許可信号を送信する。インク出力装置40は、インク出力許可信号に応じて被検体の皮膚表面にインクを塗布する。
被検体の皮膚表面にインクが塗布された後、ステップST1111において、マーキングの終了判定が行われ、マーキングを継続する場合にはステップST1111のNOに分岐し、ステップST1105以降の処理が繰り返される。マーキングを終了する場合は、ステップST1111のYESに分岐し、マーキング処理が終了する。
一方、血管判定機能157がインク出力位置に血管が存在しないと判定した場合は、ステップST1107のNOに分岐し、インクを出力せずにステップST1111においてマーキングの終了判定が行われる。
図26は、第11の実施形態に係る超音波診断装置100の血管特定方法を説明する模式図である。図26は、被検体Qの腕にある血管の走行状態を超音波診断装置100を用いてマーキングする場合を示している。図26の左側は、被検体Qの腕にある血管vのマーキング開始位置に超音波プローブ1を接触させた状態を示している。図26の右側の上部は、図22及び図23と同様に、超音波プローブ1を被検体の皮膚表面sに接触させた状態を示しており、図26右側の下部は、超音波画像4aを示している。
図26の左側において、実線に示した超音波プローブ1のインク出力位置1pの直下には血管vが存在しない。従って、ユーザは超音波プローブ1をアレイ方向に移動させ、破線で示した超音波プローブ1の位置に移動させる。
図26に示すように、超音波プローブ1のアレイ方向が、被検体Qの血管vの短軸方向に平行となるように超音波プローブ1を接触させた場合、取得される超音波画像には血管の短軸断面が表示される。ユーザは、超音波画像を観察し、マーキング対象の血管の短軸断面の上部に、インク出力位置がくるように超音波プローブ1をアレイ方向に動かす。図26の右側は、マーキング対象の血管の短軸断面の上部にインク出力位置がくるように超音波プローブ1の位置を調整した後の状態を示している。
上述の手順でマーキング開始位置を決定したら、ユーザは図26の左側に示した矢印bの方向へ超音波プローブ1を移動させる。超音波診断装置100は1秒間に複数のフレームを収集しており、血管判定機能157は所定のフレーム毎にインク出力位置1pに血管が存在するか否か判定する。
血管判定機能157における血管の判定は、インク出力位置1pの位置に対応するスキャンラインデータに基づいて行われる。1つのフレームデータは複数のスキャンラインデータから構成され、血管判定機能157は、少なくとも1つのスキャンラインデータに基づいて、血管がインク出力位置1pの直下にあるか否かを判定する。図26の右側は、3本のスキャンラインデータを用いて血管の有無を判定する例を示している。
超音波診断装置100は、反射波である受信信号の信号強度の変化を明るさ(輝度)の変化に変換して表示することで、断層画像を表示している。超音波プローブ1から送信された超音波が生体内を進む際、組織間の音響インピーダンスの差が大きいほど、超音波は強く反射され、受信信号の信号強度が増加する。一方、音響インピーダンスの差が小さいと、超音波はあまり反射せずに透過する量が多くなる。血管内には血液が存在し、組織間の音響インピーダンスの差は小さくなる。従って、血管は、断層画像では低輝度が連続して存在する領域として描出される。
具体的には、入力装置5によりユーザは追跡すべき対象の血管内部の領域を指定する。血管判定機能157は、ユーザにより血管内部の領域が指定された1番目のフレームにおいて、ユーザが指定した当該血管内部の領域の範囲内に存在するインク出力位置1pに対応し、かつ、血管内部に限定された少なくとも2つのスキャンラインデータから、指定された深さの範囲のデータ群をそれぞれ抽出する。ただし、スキャンラインデータは、一様な軟組織構造の場合、深さ方向におおよそ0.3db/cm/MHzの減衰を受けているため、式(1)により抽出したスキャンラインデータを補正する。
Figure 2017213348
その後、血管判定機能157は、抽出された指定された深さの範囲のデータ群について、平均値と標準偏差とを算出し、式(2)の範囲を求める。
Figure 2017213348
なお、式(2)における定数kは、前記ユーザが血管内部エリアとして指定したデータ群のサンプリング数によって統計的に決定される包含係数である。
2番目のフレームにて同様に、先にユーザが指定した範囲で計算した新たな平均値を算出する。2番目のフレームにおいて算出された平均値が、前のフレーム(ここでは、1番目のフレーム)で求めた範囲内にある場合、血管判定機能157は、2番目のフレームでも同位置のスキャンラインデータ上に血管領域が含まれると判定できる。引き続き、2番目のフレームにて算出した式(2)の範囲に、3番目のフレームにて算出した平均値が含まれる場合、3番目のフレームの同位置のスキャンラインデータ上に血管領域が含まれると判定できる。以降、上述の処理の繰り返しにより、インク出力位置1pに血管が存在するかを判定する。
血管判定機能157は、上述の処理に従って血管の存在領域を特定する。図26に示した血管vは右側に湾曲しているため、超音波プローブ1をマーキング開始位置から矢印bの方向に移動させていった場合、インク出力位置1pは血管の上を通らなくなる。
血管判定機能157がインク出力位置1pが血管vから外れたと血管判定機能157が判定した場合、モニタ4は、インク出力位置1pが血管vから外れたことを警告する文字情報や画像を表示してもよい。また、インク出力位置1pが血管vから外れた場合、ユーザは、再度インク出力位置1pが血管vの上に位置するように超音波プローブ1又はインク出力位置1pを移動させる。この際、ユーザは超音波プローブ1をアレイ方向に移動させる。血管判定機能157は、上述の方法で血管の有無を判定し、血管が存在すると判定した場合、インクが自動的に出力される。また、再びインク出力位置1pが血管v上に戻った旨を示す表示をモニタ4上に表示してもよい。
なお、第11の実施形態では、インク出力位置1pに血管vが存在する場合にインクを出力する例を示したが、インク出力の条件は、上記態様に限定されるものではない。例えば、始めにマーキング開始位置が決定された時点でインク出力が開始され、インク出力位置1pに血管vが存在しないと血管判定機能157により判定された場合にインク出力制御機能151にインク出力停止信号が送信される構成でもよい。
また、インク出力位置1pが血管vの位置に存在する間、インクが出力されるように構成してもよい。かかる構成では、血管vが存在する場合のみ被検体の皮膚表面にインクが塗布され、インク出力位置1pが血管vの位置から外れたとしても、血管が走行する領域に超音波プローブ1を移動させることで、非連続的にマーキングを施すことができる。
また、超音波プローブ1のインク出力位置1pをずらしながら被検体の皮膚表面上を移動させることで、連続したマーキングを施すことができる。具体的には、マーキングしたい血管の走行範囲を含むよう超音波プローブ1を図26の矢印bの方向に移動させた後、超音波プローブ1をアレイ方向に移動させる。この際、インク出力位置1pに血管がある場合のみインクが被検体表面に塗布される。再び、超音波プローブ1を図26の矢印bの方向に移動させることで、インク出力位置1pの移動軌跡の下に血管がある場合のみインクが塗布される。この操作を繰り返すことで、最終的に連続的なマーキングを施すことができる。
なお、第11の実施形態では血管を例としたが、血管判定機能157は、他の臓器や腫瘍などの治療対象となる構造物をインク出力の判定対象としてもよい。
第11の実施形態では、インク塗布位置2pを超音波診断装置で取得されるスキャンラインデータから判定する方法を説明した。しかしながら、インク塗布位置2pの判定は、スキャンラインデータを利用した方法には限定されない。インク塗布位置2pは、例えば、X線CT(Computed Tomography)画像やMR(Magnetic Resonance)画像などの他のモダリティで取得された医用画像と、超音波画像とを位置合わせすることで判定されてもよい。
例えば、X線CT画像やMR画像などの他のもダリティで取得された医用画像と超音波画像とを位置合わせし、超音波診断装置のディスプレイに両者を並べて表示することができる技術がある。超音波プローブに磁気位置センサを取り付け、当該磁気位置センサにより検出された超音波画像の検査位置とX線CT画像やMR画像の断層面とを合わせることで、超音波の走査とX線CT画像の表示とを連動させることができる。なお、X線CT画像と超音波画像との位置合わせ及び表示の連動については、従来技術と同様でよいため、詳細な説明を省略する。なお、超音波診断装置100は、電子ネットワーク18経由で他のモダリティで取得された医用画像を取得する。医用画像は、例えばPACS(Picture Archiving and Communication Systems)などの画像サーバに蓄積されている。
他のモダリティで取得された医用画像において治療対象の血管や腫瘍などの構造物の形状や位置が特定されている場合、上記位置合わせ技術により超音波画像と医用画像とを位置合わせすることで、医用画像上で特定された構造物の位置に基づいてインク塗布位置2pを判定することができる。即ち、医用画像上でインク塗布位置2p(インク塗布の目標位置)を予め特定しておき、被検体上を移動する超音波プローブ1に設けられたマーカのインク出力位置1pと医用画像上で特定されたインク塗布位置2pとが一致した場合にインクが出力されるよう超音波診断装置100を構成してもよい。ここで「予め」とは、医用画像が取得された被検体に対して、超音波診断装置によりマーキングを行うよりも前のことである。
血管を例として具体的に説明すると、ユーザは、X線CT画像などの医用画像上で治療対象の血管を予め特定し、治療対象の血管の開始位置や範囲などの治療対象位置に関する情報を入力する。ここで「予め」とは、前述同様である。次に、治療対象に関する情報と関連付けされたX線CT画像と超音波画像とが位置合わせされ、超音波の走査に追従してX線CT画像が表示される。超音波画像上には、超音波プローブ1に設置されたマーカの位置を示すインク出力位置1pが磁気センサや磁気位置センサにより検出された情報に基づいて表示される。ユーザが超音波プローブ1を移動させ、インク出力位置1pとX線CT画像上で特定された治療対象位置(インク塗布の目標位置)とが一致した場合、マーカからインクが出力される。
このように、超音波画像とX線CT画像とが位置合わせされた時点で、インク塗布位置2pは特定されている。従って、特定されたインク塗布位置2pと現在のインク出力位置1pとに基づいて、どの方向に超音波プローブ1を動かせばよいかをディスプレイに表示してもよい。例えば、下肢のエコーの場合、磁気位置センサから取得した超音波プローブ1の位置情報を利用して、被検体の下肢の模式図に現在のプローブ位置(インク出力位置1p)と超音波プローブの移動目標位置(インク塗布の目標位置)とを丸などのマークで示してもよい。また、血管を長軸方向に観察している場合に、現在の超音波プローブの位置を示すインク出力位置1pに加えて、どの方向に目標位置があるのかを示す矢印などの図形を示すことで、ユーザは、プローブの移動方向を容易に特定できる。
このように、超音波画像以外の医用画像上で治療対象が特定され、当該治療対象が存在する被検体の皮膚表面上に超音波プローブが位置した時にインクが塗布されるよう超音波診断装置100を構成してもよい。例えば、超音波プローブ1が治療対象血管の開始位置に最も近い位置を走査した際、当該位置にインクが塗布されるよう超音波診断装置を構成してもよい。また、治療対象血管のうち、皮膚表面に最も近い位置を当該血管の治療対象位置としてX線CT画像上で特定し、当該位置にインクが塗布されるよう構成されてもよい。
なお、皮膚表面に最も近い位置は、超音波画像データから特定してもよい。即ち、医用画像上で特定された治療対象血管と、超音波プローブ1の底面(皮膚表面s)との距離を超音波を走査する度に測定し、治療対象血管と皮膚表面sとの距離が任意の距離未満となった位置にインクが塗布されるように超音波診断装置100を構成してもよい。ここで、皮膚表面に最も近い位置とは、例えば、被検体の皮膚表面sと接触するプローブの底面と血管の任意の点とを結ぶ直線の距離が最短となる超音波プローブ1の位置(インク出力位置1p)のことである。
このように、他のモダリティで取得された医用画像を用いることで、超音波診断装置では取得できない情報を利用してインク塗布位置2pを判定することができる。例えば、血管が閉塞し血流が無い場合であっても、他のモダリティで取得された医用画像を解析した結果を用いれば、血管の形状や位置を詳細に特定できる。
また、血管の長軸方向にマーキングを施したい場合、ユーザは、マーキング開始位置を特定しさえすれば血管の走行方向に沿ってプローブを移動させるだけで簡単にマーキングすることができる。医用画像上でマーキング開始位置を予め特定しておくことができるため、超音波画像と医用画像とを表示連動させることでマーキング開始位置が容易に特定できるからである。また、医用画像上でマーキング終了位置が特定されていれば、ユーザは、血管の走行方向に沿ってプローブを動かし続ければ、所望のマーキング範囲をマーキングすることができる。
また、インク出力位置1pは、超音波画像上に表示され、さらに、被検体の皮膚表面
に実際にインクが塗布されたことは、文字、画像又は音などによりユーザに通知することができる。即ち、ユーザは、インク塗布位置2p付近を超音波プローブ1で無作為に走査するだけで自動的に所望の位置(インク塗布位置2p)にインクを塗布することができる。
このように、第11の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第11の実施形態は、超音波画像を解析し、解析した結果に応じて自動的にインクを出力することができる。
以上述べた少なくとも一つの実施形態のプローブアダプタ、超音波プローブ、及び超音波診断装置によれば、マーキング時に超音波プローブを片手で操作可能であると共に、マーキング作業の効率及びマーキング精度を向上させる。
請求項の用語と実施形態との対応関係は、例えば以下の通りである。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
図3において、エレベーション方向の長さが短い中央の2つの振動子は、請求項記載の第1の振動子の一例であり、残りの振動子は、請求項記載の第2の振動子の一例である。
血管判定機能は、請求項記載の判定部の一例である。画像生成回路は、請求項記載の画像生成部の一例である。調節機構は、請求項記載の調整部の一例である。角度調節機構は、請求項記載の角度調整部の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…超音波プローブ
4…モニタ
5…入力装置
10…本体装置
11…送受信回路
14…画像生成回路
15…制御回路
20…プローブアダプタ
100…超音波診断装置
151…インク出力制御機能
153…インク出力位置判定機能
155…インク塗布位置表示機能
157…血管判定機能

Claims (15)

  1. 超音波プローブに着脱可能に取り付けられるケースと、
    前記ケースが前記超音波プローブに装着された状態で、前記超音波プローブのアレイ方向における所定の位置に配置されると共に、前記超音波プローブが当接される対象物の表面にマーキングするマーカと、
    前記対象物の表面に塗布された超音波の媒介物質を除去するワイパと、
    を備えるプローブアダプタ。
  2. 前記マーカは、ボタンを備え、前記ボタンの押下に応じて前記対象物の表面にマーキングする
    請求項1に記載のプローブアダプタ。
  3. 前記マーカによるマーキング時には前記マーカの先端が前記対象物の表面に接触するよう位置調整すると共に、前記マーキング時以外には前記マーカの先端が前記対象物の表面から離れるように位置調整する調整部をさらに備える
    請求項1又は請求項2に記載のプローブアダプタ。
  4. 前記ワイパは角度調整部をさらに備え、
    前記角度調整部は、前記ワイパが前記対象物の表面に接触した状態が維持されるように前記超音波プローブと前記マーカとの角度を調整する
    請求項3に記載のプローブアダプタ。
  5. 前記ワイパは、前記ケースに対してスライド可能に設けられており、マーキング時には前記対象物の表面側にスライドし、マーキング時以外には前記対象物の表面から離れる方向にスライドする
    請求項3又は請求項4に記載のプローブアダプタ。
  6. 前記マーカは、インク、マーキングペン、インクヘッドの少なくとも1つにより前記対象物の表面にマーキングする
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のプローブアダプタ。
  7. 前記ケースが前記超音波プローブに装着された状態で前記超音波プローブによる前記対象物の表面上の走査が実行される場合において、前記対象物の表面に対して平行にスライド可能となるように、前記マーカは前記ケースに対して設置される
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のプローブアダプタ。
  8. 少なくとも1つの第1の振動子と、
    アレイ方向に所定間隔で並ぶように前記第1の振動子の両側にそれぞれ配置されると共に前記アレイ方向に垂直なエレベーション方向の長さが前記第1の振動子よりも長い複数の第2の振動子と、
    前記第1の振動子の両側の前記第2の振動子に挟まれる領域において、超音波プローブのアレイ方向における所定の位置に配置されると共に、超音波プローブが当接される対象物の表面にマーキングするマーカと
    を備える超音波プローブ。
  9. (a)超音波プローブと、
    前記超音波プローブに着脱可能に取り付けられるケースと、
    前記ケースが前記超音波プローブに装着された状態で、前記超音波プローブのアレイ方向における所定の位置に配置されると共に、前記超音波プローブが当接される対象物の表面にマーキングするマーカと備えるプローブアダプタ、
    又は、
    (b)少なくとも1つの第1の振動子と、
    前記アレイ方向に所定間隔で並ぶように前記第1の振動子の両側にそれぞれ配置されると共に前記アレイ方向に垂直なエレベーション方向の長さが前記第1の振動子よりも長い複数の第2の振動子と、
    前記第1の振動子の両側の前記第2の振動子に挟まれる領域において、超音波プローブのアレイ方向における所定の位置に配置されると共に、超音波プローブが当接される対象物の表面にマーキングするマーカとを備える超音波プローブ、
    のいずれか一方と、
    前記超音波プローブの受信信号に基づき超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記マーカの前記対象物の表面へのマーキング位置を記憶する記憶部と、
    前記マーキング位置に基づいて、前記超音波画像上にマーキング位置を表示する表示部と
    を備える超音波診断装置。
  10. 前記超音波プローブにより検出される前記対象物からの反射波の一部に基づいて、前記マーキング位置に対象構造物が存在するか否か判定する判定部と、
    前記判定部での判定結果に応じて前記対象物の表面にマーキングするか否かを制御する制御部とをさらに備える
    請求項9に記載の超音波診断装置。
  11. 前記マーカは、前記マーキング位置に前記対象構造物が存在しない場合、前記マーカを前記対象物の表面と平行にスライドさせることで前記マーキング位置を前記対象構造物が存在する位置に移動可能に設けられる
    請求項10に記載の超音波診断装置。
  12. 前記対象構造物には、血管、腫瘍又は臓器が含まれる、
    請求項10又は請求項11に記載の超音波診断装置。
  13. 前記制御部は、前記マーカからのインク出力要求信号に基づき前記対象物の表面にマーキングするか否かを制御する
    請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  14. 前記超音波プローブは磁気センサをさらに備え、
    前記マーカは磁石を備え、
    前記磁気センサは、前記磁石の位置を検出し、前記磁石の位置に基づいて前記マーキング位置を検出する
    請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  15. 前記超音波プローブは、前記超音波プローブの検査位置を検出する磁気位置センサをさらに備え、
    前記超音波プローブの検査位置で取得された超音波画像と、他のモダリティで撮像された医用画像とを位置合わせする制御部と、
    前記超音波画像に位置合わせされた前記医用画像に基づいて対象構造物が前記マーキング位置に存在するか否か判定する判定部と、を備え、
    前記制御部は、前記判定部での判定結果に応じて前記対象物の表面にマーキングするか否かを制御する、
    請求項9に記載の超音波診断装置。
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