JP2017209159A - 動体追跡装置および放射線照射システム - Google Patents

動体追跡装置および放射線照射システム Download PDF

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Abstract

【課題】動体追跡において、オペレータの負担をより軽減することができる動体追跡装置および放射線照射システムを提供する。
【解決手段】マーカー29を撮像する撮像用X線発生装置23A,23BとX線測定器24A,24Bと、撮像された撮像画像からマーカー29の位置を求める動体追跡制御装置41と、を備えた動体追跡装置38であって、動体追跡制御装置41は、放射線の治療計画の作成時に特定したマーカー29の撮像画像上の位置の情報に基づいてマーカー29の位置を求める。
【選択図】 図8A

Description

本発明は、粒子線等の放射線を腫瘍等の患部に照射して治療する放射線照射システムおよびこのような放射線照射システムに好適な動体追跡装置に関する。
体幹部内で動き回る腫瘍の位置を実時間で、かつ自動的に算出し、機構系の絶対精度に依存せずに実質必要な精度を確保することができる動体追跡照射装置の一例として、特許文献1には、腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカーを第1及び第2の方向から同時に撮像して第1及び第2の撮像映像を得る撮像装置と、デジタイズされた第1及び第2の撮像映像に予め登録された腫瘍マーカーのテンプレート画像を作用させた濃淡正規化相互相関法によるテンプレートマッチングを所定フレームレートの実時間レベルで実行し、第1及び第2の撮像変換行列に基づき腫瘍マーカーの第1及び第2の2次元座標を算出する画像入力認識処理部と、算出された第1及び第2の2次元座標に基づき腫瘍マーカーの3次元座標を計算する中央演算処理部と、計算された腫瘍マーカーの3次元座標に基づきライナックの治療ビーム照射を制御する照射制御部とを備えた動体追跡照射装置が記載されている。
特許第3053389号
癌などの患者に粒子線やX線などの放射線を照射する方法が知られている。粒子線には陽子線や炭素線などがある。照射に用いる放射線照射システムは、カウチと呼ばれる患者用ベッドの上に固定された患者の体内で腫瘍などの標的の形状に適した線量分布を形成する。
放射線照射システムにおける線量分布を形成する方法として、細い粒子線を電磁石により走査して線量分布を形成するスキャニング照射法が普及し始めている。
ところで、腫瘍などの標的が呼吸などで移動すると、粒子線の正確な照射が難しくなる。そこで、標的が予め決められた範囲(ゲート範囲)にある場合のみ粒子線を照射するゲート照射が近年実現されている。
上述した特許文献1には、患部付近に埋め込まれたマーカーの位置に基づいてゲート照射を実施する動体追跡照射と呼ばれる方法が記載されている。特許文献1に記載されたようなゲート照射で用いられるマーカーは、例えば直径2mm程の金属製の球体などである。
動体追跡照射では、患部付近に埋め込まれたマーカーや標的そのもの等の追跡対象の位置に基づきゲート照射を実施する。マーカー等の追跡対象の位置は、交差する2方向のX線による撮像画像を用いて計測される。撮像画像に写る追跡対象の位置は、テンプレートマッチングと呼ばれる方法により検出される。
このテンプレートマッチングとは、テンプレート画像と呼ばれる予め用意した追跡対象の画像と撮像画像とを比較し、撮像画像の中でテンプレート画像に最も近いパターンを検出する方法である。この方法では、追跡対象が写ったX線測定器上の位置と撮像用X線発生装置とを結ぶ2本の線が最も接近する位置を追跡対象が存在する位置とみなしている。このテンプレートマッチングの際には、撮像画像とテンプレート画像とを比較して、規格化相互相関などの類似度をマッチングスコアとして評価する。
ここで、上述した特許文献1には、探索領域を設定して、その内部のみでテンプレートマッチングすることによりマーカー位置判定の計算量を低減する方法が示されている。しかし、マーカーが認識されていない状態からマーカーを認識する方法については検討がなされていない。
そのため、マーカーが認識されていない状態において探索領域の設定をオペレータが手作業で実施することになるが、この設定を省略することができれば、治療時間を短縮することができるようになる。
本発明の目的は、動体追跡において、治療時間を短縮することができる動体追跡装置および放射線照射システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、複数の追跡対象を撮像するX線撮像装置と、前記X線撮像装置によって撮像された撮像画像と、放射線による治療計画の作成時に撮像した撮像画像上で特定した前記複数の追跡対象の位置情報とに基づいて前記複数の追跡対象の位置を求める制御装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、動体追跡において、治療時間を短縮することができる。
陽子線照射システムの全体構成図である。 動体追跡装置が撮像画像を取得する概念図である。 動体追跡装置が撮像画像からマーカーの位置を計算する概念図である。 比較例におけるマーカーの探索領域を設定する概念図である。 比較例におけるマーカーの探索領域を設定する概念図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールのX線撮像画像の表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールのマッチングスコアの変化表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールの共通垂線長の変化表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールのX線撮像画像の表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールのマッチングスコアの変化表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールの共通垂線長の変化表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールのX線撮像画像の表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールのマッチングスコアの変化表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールの共通垂線長の変化表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールのX線撮像画像の表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールのマッチングスコアの変化表示部分を示す図である。 実施例1におけるマーカーの探索領域を設定する際のコンソールの共通垂線長の変化表示部分を示す図である。 実施例1におけるコンソールの画面を示す概念図である。 実施例1におけるマーカーの探索に用いるパラメータの設定画面を示す概念図である。 実施例2におけるマーカーの探索領域を設定する方法を示す概念図である。 実施例2におけるマーカーの計画位置と検出位置との距離を示す図である。
以下に本発明の動体追跡装置および放射線照射システムの実施例を、図面を用いて説明する。
<実施例1>
本発明の動体追跡装置および放射線照射システムの実施例1を図1乃至図11を用いて説明する。
本発明は、X線照射システムや陽子線照射システムなどの放射線照射システムに適用することができる。本実施例では、陽子線照射システムを例にして図1を用いて説明する。
本発明の実施例のひとつである陽子線照射システムは、図1に示すように、陽子線発生装置10、ビーム輸送系20、照射ノズル22、動体追跡装置38、カウチ27、照射制御装置40を備える。標的に対して陽子線を照射するための陽子線照射装置は、陽子線発生装置10、ビーム輸送系20、照射ノズル22を備える。
陽子線発生装置10は、イオン源12、ライナック13、シンクロトロン11を備える。シンクロトロン11は、偏向電磁石14、四極電磁石(図示せず)、高周波加速装置18、高周波出射装置19、出射用デフレクタ17を備える。イオン源12はライナック13に接続されており、ライナック13はシンクロトロン11に接続されている。陽子線発生装置10では、イオン源12より発生した陽子はライナック13により前段加速され、シンクロトロン11に入射する。シンクロトロン11で更に加速された陽子線はビーム輸送系20に出射される。
ビーム輸送系20は、複数の偏向電磁石21と四極電磁石(図示せず)を備えており、シンクロトロン11と照射ノズル22に接続されている。また、ビーム輸送系20の一部と照射ノズル22は筒状のガントリー25に設置されており、ガントリー25と共に回転することができる。シンクロトロン11から出射された陽子線は、ビーム輸送系20内を通過しながら四極電磁石によって収束し、偏向電磁石21によって方向を変えて照射ノズル22に入射する。
照射ノズル22は2台の走査電磁石、線量モニタ、位置モニタを備える。走査電磁石は、互いに直交する方向に設置されており、標的の位置においてビーム軸に垂直な面内の所望の位置に陽子線が到達するように陽子線を偏向することができる。線量モニタは照射された陽子線の量を計測する。位置モニタは陽子線が通過した位置を検出することができる。照射ノズル22を通過した陽子線は照射対象26内の標的に到達する。なお、癌などの患者を治療する場合、照射対象26は患者を表し、標的は腫瘍などを表す。
照射対象26を載せるベッドをカウチ27と呼ぶ。カウチ27は照射制御装置40からの指示に基づき、直交する3軸の方向へ移動することができ、さらにそれぞれの軸を中心として回転することができる。これらの移動と回転により、照射対象26の位置を所望の位置に移動することができる。
照射制御装置40は、陽子線発生装置10、ビーム輸送系20、照射ノズル22、動体追跡制御装置41、カウチ27、記憶装置42、コンソール43等と接続されており、陽子線発生装置10、ビーム輸送系20、照射ノズル22等の機器を制御する。
動体追跡装置38は、第1のX線撮像装置と、第2のX線撮像装置と、動体追跡制御装置41を備える。第1のX線撮像装置は、照射対象26内のマーカー(追跡対象)29の撮像画像を撮像する撮像用X線発生装置23AとX線測定器24Aを備える。第2のX線撮像装置は、マーカー29の撮像画像を撮像する撮像用X線発生装置23BとX線測定器24Bを備える。
第1のX線撮像装置と第2のX線撮像装置は、それぞれのX線の経路が交差するように設置されている。なお、2対の撮像用X線発生装置23A,23BとX線測定器24A,24Bは、互いに直交する方向に設置されることが好ましいが、直交していなくてもよい。また、撮像用X線発生装置23A,23BおよびX線測定器24A,24Bは、必ずしもガントリー25の内部に配置されている必要はなく、天井や床などの固定された場所に配置されていても良い。
動体追跡制御装置41は、X線撮像装置から入力される信号に基づいて、マーカー29の位置を計算し、その上で、マーカー29の位置に基づいて陽子線の出射を許可するか否かを判定し、陽子線の照射の可否の信号を照射制御装置40に対して送信する。
より具体的には、動体追跡制御装置41は、図2に示すように、撮像用X線発生装置23Aから発生させたX線をマーカー29に照射し、マーカー29を通過したX線の2次元線量分布をX線測定器24Aによって測定することでマーカー29を撮像する。また、撮像用X線発生装置23Bから発生させたX線をマーカー29に照射し、マーカー29を通過したX線の2次元線量分布をX線測定器24Bによって測定することでマーカー29を撮像する。動体追跡制御装置41は、X線測定器24A,24Bによって取得した撮像画像から照射対象26内に埋め込まれたマーカー29の3次元位置を計算し、その結果に基づいて標的の位置を求める。また、求めた標的の位置が予め指定したゲート範囲(照射許可範囲)に入っているか否かを判定し、標的の位置がゲート範囲に入っていると判定された場合はゲートオン信号を照射制御装置40に対して送信して出射を許可する。これに対し標的の位置がゲート範囲に入っていないと判定された場合は、ゲートオフ信号を送信して出射を許可しない。照射制御装置40では、動体追跡制御装置41が生成するゲートオン信号,ゲートオフ信号に基づき、陽子線の出射を制御する。
第1のX線撮像装置および第2のX線撮像装置による撮像画像の取得は、例えば30Hzの一定間隔で実施される。取得した撮像画像には体内に埋め込まれたマーカー29が写っており、本実施例では、予め用意したマーカー29のテンプレート画像とのテンプレートマッチングによりマーカー29の照射対象26内における位置を特定する。撮像画像の全範囲を探索すると探索に時間を要するため、ひとつ前の撮像画像におけるマーカー29の位置を中心として予め定められた大きさの範囲内(以後、探索領域とも記載)でのみマーカー29の位置を探索する。
図3にテンプレートマッチングにより検出したマーカー29のX線測定器24A上における位置と撮像用X線発生装置23Aとを結ぶ線28Aおよびマーカー29のX線測定器24B上における位置と撮像用X線発生装置23Bとを結ぶ線28Bを示す。この2本の線28A,28Bは、理想的には1点で交わり、その交点がマーカー29の存在する位置である。しかし、実際には、テンプレートマッチングの精度やX線撮像装置の設置誤差などの影響から、通常2本の線28A,28Bは交わらずにねじれの関係にある。このねじれの関係にある2本の線28A,28Bが最も接近する位置には共通の垂線を引くことができる。この共通の垂線を共通垂線と呼ぶ。そして、この共通垂線の中点をマーカー29の位置としている。
ここで、少なくとも片方の撮像画像上でマーカー29を正しく検出していないときは共通垂線が長くなる。そして共通垂線30の長さが予め設定した閾値を超えた場合はマーカー29を正確に検出できていない可能性が高いとして、動体追跡制御装置41はマーカー29の位置がゲート範囲内にある場合でもゲートオフ信号を照射制御装置40に送信して陽子線の照射を停止させる。
本実施例の動体追跡制御装置41の特徴は、複数のマーカー29に対して、撮像を開始する際のマーカー29の検出方法にある。
従来の方法では、上述のように、マーカー29が認識されていない状態からマーカー29を認識する方法が検討されていない。そのため、マーカー29が認識されていない状態において探索領域の設定をオペレータが手作業で実施する場合、オペレータがマウスなどの入力装置を使用して探索領域を指示する方法が想定される。
動体追跡制御装置41がマーカー29に対して探索領域を設定する方法としては、撮像画像上のマーカー29の計画位置に基づき、撮像開始直後からマーカー29の位置の探索を開始する方法が考えられる。ここで、計画位置とは、治療計画時に特定されたマーカー29の位置を指す。動体追跡照射において、マーカー29が一定の範囲内にあるときに陽子線を照射する基準の位置とすることが考えられる。本実施例では、計画位置を探索領域の中心とする。
まず、図4と図5を用いて、1つのマーカー29の探索を開始する方法を比較例として説明する。図4は2枚ある撮像画像の内1枚を表し、図5はマーカー29が探索領域35内に入った時の撮像画像を表す。2台のX線撮像装置によりマーカー29の撮像が開始されると、図4に示すように、動体追跡制御装置41は計画位置を中心として撮像画像上に探索領域35を設定する。軌跡33をマーカー29が移動して、図5に示すように探索領域35内に入ると、マーカー29が認識できたと判断する。
上記の比較例で説明したようにマーカー29が1つである場合に対して、本実施例では、マーカー29が複数ある場合を対象とする。本実施例では、3つのマーカー29−1、29−2、29−3がある場合を例に、図6A乃至図9Cを用いて説明する。
動体追跡装置38は、撮像が開始される前に撮像画像上のマーカー29−1、29−2、29−3の計画位置の情報を保有している。
まず、撮像画像上における計画位置の特定方法について説明する。陽子線の照射を行うにあたって、治療計画装置により治療計画用CT画像上のアイソセンターの位置を決定する。アイソセンターの位置が決定されると、このアイソセンターの位置と治療計画用CT画像上のマーカー29−1の位置との3次元的な位置関係が決定される。次に、3次元CT画像から、2次元の画像に変換した場合の計画位置を求める。2対のX線撮像装置を用いて撮像用X線を照射する方向が決まると、撮像画像上におけるマーカー29−1の計画位置が求まる。
具体的には、撮像用X線の線源とマーカー29−1を結ぶ直線がX線測定器24の受像面と交わる点に対応する撮像画像上の位置が撮像画像における計画位置となる。マーカー29−2、29−3についても同様に撮像画像上における計画位置を求める。
マーカー29−1、29−2、29−3が図6Aの軌跡33に示すように周期的に移動しているとする。撮像が開始されると、動体追跡制御装置41は、撮像開始直後の画像に対して計画位置P,P,Pを中心として予め決められた大きさの探索領域35−1、35−2、35−3をそれぞれ設定する。これにより、探索範囲の設定を手動で行うことなく、撮像開始直後の画像からマーカー位置の探索が可能となる。
撮像開始時点でマーカー29のいずれかが探索領域の内側にない場合がある。本実施例では、撮像開始時点ですべてのマーカーが探索領域外にあるとする。マーカー29のいずれかが該当する探索領域35内に入って認識できるまではマーカー29の探索を繰り返し実行する。マーカー認識の可否判断は、マッチングスコアまたは共通垂線長に基準値を設定して判断する。マッチングスコアを用いて判断する場合は、予め基準を設定しておき、その値よりもマッチングスコアが上回ればマーカーは認識できたと判断する。共通垂線長を用いる場合は、予め基準を設定しておき、その値よりも共通垂線長が下回ればマーカー29を認識できたと判断する。また、マッチングスコアと共通垂線長の両方が基準を満たすことを判断基準とすることも可能である。
説明上、図6Aの撮像画像を撮像開始からn枚目として、探索領域35−1,35−2,35−3の中心位置はそれぞれSn,1,Sn,2,Sn,3とする。図6Aではいずれのマーカー29も探索領域35外にあるため、図6Bに示すようにマッチングスコアはいずれも基準値より低く、図6Cに示すように共通垂線長は基準値を上回る。
図7Aにn+1枚目の撮像画像を示す。図6Aに示したn枚目の撮像画像においてはどのマーカー29も認識されていないため、動体追跡制御装置41は、n+1枚目の撮像画像に対しても探索領域35は計画位置を中心に設定する。
図7Aに示すように、n+1枚目の撮像画像では、マーカー29−1が探索領域35−1内に入ったことにより、図7Bに示すようにマッチングスコアが基準値を上回り、また図7Cに示すように共通垂線長が基準値を下回る。マッチングスコアならびに共通垂線長の基準を満たしたことから、探索領域35−1内にマーカー29−1を検出位置Qn+1,1に認識したと判断する。このとき、マーカー29−2,29−3はまだ認識されていない。
図8Aにn+2枚目の撮像画像を示す。上述のようにn+1枚目の撮像画像においてマーカー29−1は認識されたので、動体追跡制御装置41は、マーカー29−1の探索領域35−1は前フレームでの検出位置Qn+1,1を中心に設置する。マーカー29−2,29−3に関しては、動体追跡制御装置41は、それぞれのマーカーの計画位置に対して、マーカー29−1の計画位置と検出位置の差分を補正量として加えた位置を中心に探索領域35−2,35−3を設定する。
具体的には、動体追跡制御装置41は、中心位置Sn+2,2=P+(Qn+1,1−P)、Sn+2,3=P+(Qn+1,1−P)と設定する。図8A中の点線で示した領域は、計画位置を中心に設定した探索領域35−1A,35−2A,35−3Aである。このため、マーカー29−2の場合、計画位置を中心に設定した探索領域35−2Aではn+2枚目の撮像画像で認識不可能であるが、マーカー29−1の計画位置と検出位置の差分を補正量として加えた位置を中心に設定した探索領域35−2では認識可能となる。なお、マーカー29−3では、計画位置を中心に設定した探索領域35−3Aでもn+2枚目の撮像画像で認識可能である。このとき、図8Bに示すように、マッチングスコアはすべてのマーカーについて基準値を上回り、図8Cに示すように、共通垂線長はすべてのマーカーについて下回っている。
図9Aにn+3枚目の撮像画像を示す。前フレームにおいてマーカー29−1,29−2,29−3を認識できているため、その後のフレームでは、探索中心Sn+3,1,Sn+3,2,Sn+3,3は前画像でのマーカー位置に設定して、その位置を中心として予め決められた大きさの探索領域35−1,35−2,35−3を設定する。
なお、探索領域35の大きさは、マーカー29を認識する前後で変化させても良い。例えば、マーカー29−1を認識する前に比べて、認識後に探索領域35−1を小さく設定するようにしても良い。探索領域の大きさを変化させることで、マーカーを探索する時間を短縮し、治療時間を短縮することができる。
また、本実施例の計画位置に基づいた探索領域35の設定とオペレータによる探索領域35の指定とを組み合わせることも可能である。
具体的には、オペレータが探索領域35を指定したときは、動体追跡制御装置41は、オペレータが探索領域35を指定した時点から数フレームの撮像画像に対しては指定した探索領域35内でマーカー29をそれぞれ探索し、認識されなかったときは、それ以降の撮像画像に関しては計画位置を中心に探索領域35を設定し、探索を行う。
もしくは、例えばマーカー29−1はオペレータにより探索領域35−1を指定し、その他のマーカー29−2,29−3は動体追跡制御装置41が探索領域35−2,35−3をそれぞれ設定するようにしても良い。
また、動体追跡制御装置41は、マーカー29が認識されない状態で長時間、撮像を継続しないようにするために待機時間を設定し、予め設定された時間の間にマーカー29のいずれかの位置が求まらなかったときは、撮像用X線発生装置23AとX線測定器24Aおよび撮像用X線発生装置23BとX線測定器24Bによる撮像を停止させる。
上述した各パラメータ,基準値を設定するための入力画面例の一例については後述する。
また、マーカー29を追跡して陽子線を照射しているときに、何らかの理由でマーカー29の認識に失敗してしまった場合においても、本実施例によりマーカー29を再認識しなおす時間を短縮することが可能となる。マーカー29−1を例として、具体的な方法を以下に説明する。
動体追跡制御装置41は、オペレータの入力により、マッチングスコア、共通垂線長、検出されたマーカー位置と計画位置との間の距離のいずれかに対してマーカー29−1の認識が成功しているか否かを判別する基準値を設定する。マッチングスコアを用いる場合は、マーカー29−1を認識して追跡している間にマッチングスコアを監視し、マッチングスコアが基準値よりも結果が大きいときに認識が成功していると判断する。共通垂線長を用いる場合は、マーカー29−1を認識して追跡している間に共通垂線長を監視し、共通垂線長が基準値よりも結果が小さいときに認識が成功していると判断する。検出されたマーカー位置と計画位置との間の距離を用いる場合は、マーカー29−1を認識して追跡している間に検出されたマーカー位置と計画位置との間の距離を監視し、検出されたマーカー位置と計画位置との間の距離が基準値よりも結果が小さいときに認識が成功していると判断する。また、例えばマッチングスコアと共通垂線長という組み合わせで、2つの値を用いても良い。この場合、マッチングスコアが基準値よりも結果が大きく、共通垂線長が基準値よりも結果が小さいときに認識が成功していると判断する。より好ましくは、マッチングスコア、共通垂線長、検出されたマーカー位置と計画位置との間の距離について、全ての基準値を用いて認識が成功しているか否かを判断すると良い。この場合、マッチングスコアが基準値よりも結果が大きく、共通垂線長ならびに検出されたマーカー位置と計画位置との間の距離が基準値よりも結果が小さいときに認識が成功していると判断する。
また、動体追跡制御装置41は、マーカー29−1の追跡中に、これらの判断基準を使用してマーカー29−1の認識に失敗したと判断された場合は、計画位置を中心に探索領域35−1を設定する。以降のマーカー認識までの方法は、撮像開始時点の方法と同様とする。
上述の本実施例の陽子線照射システムは、スポットスキャニング法と呼ばれる照射方法を採用したものである。スポットスキャニング法は、標的に配置された照射スポット(以降、スポットとも記載)に細い陽子線を照射し、標的の形状に合わせた線量分布を形成する方法である。陽子線は、体内でエネルギーを損失しながら進み、停止直前にエネルギー損失が最大になる特徴がある。このエネルギー損失による線量分布の形状は、ブラッグカーブと呼ばれ、飛程終端にピークを有する。陽子線がピークを形成する深さは、陽子線のエネルギーを変更することにより調整することができる。また、陽子線が形成するビーム軸に垂直な方向の線量分布形状は、概ね正規分布である。ビーム軸に垂直な方向の線量分布を形成する位置は、走査電磁石により陽子線を走査することにより調整することができる。エネルギーの変更と走査電磁石による走査とを組み合わることで標的全体に一様な線量分布を形成することができる。
図1に戻り、記憶装置42には治療計画装置により作成された照射のための照射パラメータが保存されており、照射制御装置40は、照射前に記憶装置42から必要な情報を受信する。
コンソール43は、照射制御装置40や動体追跡制御装置41と接続されており、照射制御装置40や動体追跡制御装置41から取得した信号に基づいてモニタ上に情報を表示する。表示する情報には、撮像画像やマーカー29の追跡状況に関する情報が含まれる。図7にコンソール43に表示される撮像画像やマーカー29の追跡状況に関する画面の一例を示す。
図10に示すように、コンソール43の画面上には、撮像開始ボタン50やゲートスタートボタン51、2対のX線測定器24A,24Bから得られた撮像画像A61および撮像画像B62が表示される。更に撮像画像A,B上にはそれぞれに対して探索領域35とその中心が表示される。また、画面上には図6A、図7A、図8A、図9Aに示すような撮像画像Aのマッチングスコアの変化表示部分63、図6B、図7B、図8B、図9Bに示すような撮像画像Bのマッチングスコアの変化表示部分64、および図6C、図7C、図8C、図9Cに示すような共通垂線長の変化表示部分65が表示される。
また、コンソール43では、陽子線照射システムを操作するオペレータからの入力を受け取り、照射制御装置40や動体追跡制御装置41に様々な制御信号を送信する。入力される情報には、動体追跡に必要なパラメータが含まれる。図11に示すように、コンソール43上に、動体追跡に必要なパラメータの入力画面を表示するようにしてもよい。
入力可能なパラメータには、図8に示すような、マーカー位置判定基準の設定項目として、X線撮像装置A(撮像用X線発生装置23AとX線測定器24Aからなる組)のマッチングスコアの基準値、X線撮像装置B(撮像用X線発生装置23BとX線測定器24Bからなる組)のマッチングスコアの基準値、共通垂線長の基準値、探索領域35のサイズ、待機時間がある。
次に、陽子線を照射する手順について説明する。
最初に、カウチ27の上に照射対象26を固定する。その後、カウチ27を動かして照射対象26を予め計画した位置に移動する。この際、X線撮像装置を用いて撮像画像を撮像することにより、照射対象26が予め計画した位置に移動したことを確認する。
オペレータによりコンソール43上の照射準備ボタンが押下されると、照射制御装置40は、記憶装置42からガントリー角度とエネルギーとスポットの情報ならびにマーカー29の計画位置の情報を読み込む。読み込んだガントリー角度の情報に合わせて、オペレータは、コンソール43からガントリー回転ボタンを押下し、ガントリー25を回転させる。
ガントリー25の回転後、オペレータはコンソール43から撮像開始ボタン50を押して動体追跡制御装置41にX線撮像を開始させる。
本実施例では、撮像開始直後から、撮像画像上のマーカー29の計画位置の情報を使用して探索領域35が設定され、それぞれの撮像画像上でマーカー29の探索が開始される。マーカー29の探索にはテンプレートマッチングを用いる。テンプレートマッチングでは、予めテンプレート画像として登録されたマーカー画像のパターンに最も合う位置を撮像画像上で探索する。
オペレータは、2つのX線撮像装置に対応する2つの撮像画像上で追跡の開始を確認した後、ゲート範囲を設定し、ゲートスタートボタン51を押下する。
ゲートスタートボタン51の押した後、マーカー29の位置がゲート範囲内にあれば動体追跡制御装置41から照射制御装置40に向けてゲートオン信号が送信される。オペレータが画面上で確認して意図したマーカー29を追跡していない場合には、オペレータが修正することもできる。
オペレータがコンソール43上の照射開始ボタンを押すと、照射制御装置40は、記憶装置42から読み込んだエネルギーの情報に基づき、最初に照射するエネルギーまで陽子線を加速する。
具体的には、照射制御装置40は、イオン源12とライナック13を制御して、イオン源12で発生させた陽子をライナック13により前段加速し、シンクロトロン11へ入射させる。
次いで、照射制御装置40は、シンクロトロン11を制御して、入射した陽子線を最初に照射するエネルギーまで加速する。シンクロトロン11を周回する陽子線は、高周波加速装置18からの高周波により加速される。照射制御装置40は、最初に照射するエネルギーの陽子線がシンクロトロン11から照射ノズル22へ到達できるようにビーム輸送系20の偏向電磁石21と四極電磁石の励磁量を制御する。また、記憶装置42から読み込んだスポット情報に基づいて、最初に照射するスポット位置に陽子線が到達するように2台の走査電磁石の励磁量を設定する。
これらの設定が完了した後、動体追跡制御装置41から照射制御装置40がゲートオン信号を受信していれば陽子線の出射を開始する。また、ゲートオフ信号を受信していれば、ゲートオン信号を受信するまで待機する。
ゲートオン信号を受信した後、照射制御装置40は高周波出射装置19に高周波を印加して陽子線の出射を開始する。高周波出射装置19に高周波が印加されるとシンクロトロン11内を周回する陽子線の一部が出射用デフレクタ17を通過してビーム輸送系20を通過し、照射ノズル22に到達する。照射ノズル22に到達した陽子線は走査電磁石により走査され、線量モニタと位置モニタを通過して照射対象26の標的に到達し線量分布を形成する。スポット毎の照射量は記憶装置42から読み込まれたスポット情報に登録されており、線量モニタが測定した照射量がスポット情報に登録された値に到達すると照射制御装置40は出射用高周波を制御して陽子線の出射を停止する。陽子線の出射後、照射制御装置40は位置モニタが測定した陽子線の位置情報から陽子線の到達位置を計算し、スポット情報に登録された位置と一致することを確認する。
照射制御装置40は次のスポットを照射するため、スポット情報に登録されている次のスポット位置に陽子線が到達するように走査電磁石の励磁量を設定する。設定完了後、ゲートオン信号を受信し続けていれば照射制御装置40は出射用高周波を制御して陽子線の出射を開始する。ゲートオフ信号を受信していれば、ゲートオン信号を受信するまで待機する。あるスポットの照射の途中でゲートオフ信号を受信した場合には、照射中のスポットの照射が完了するまでは陽子線の出射を継続する。
スポットの照射を繰り返し、最初のエネルギーで照射するスポットの照射を全て完了すると、照射制御装置40はシンクロトロン11を制御して陽子線を減速させ、次のエネルギーの陽子線の照射準備を開始する。照射制御装置40は、最初のエネルギーの場合と同様に、イオン源12とライナック13を制御して陽子線をシンクロトロン11に入射させ、シンクロトロン11を制御して2番目に照射するエネルギーまで陽子線を加速する。照射制御装置40は、ビーム輸送系20と走査電磁石を制御して、記憶装置42から読み込んだスポットを照射していく。
以上の動作を繰り返し、全てのスポットの照射が完了すると、照射制御装置40から動体追跡制御装置41に照射完了信号が送信される。照射完了信号を受信した動体追跡制御装置41は撮像用X線発生装置23A,23Bを制御してX線の撮像を停止する。
標的を複数の方向から照射する場合、ガントリー25の角度とカウチ27の位置を変更した後、オペレータが照射準備ボタンを押下して陽子線の照射を同様に繰り返す。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本発明の動体追跡装置38および放射線照射システムの実施例1は、標的に対して陽子線を照射するための陽子線照射装置と、陽子線照射装置を制御する照射制御装置40と、動体追跡装置38とを備えた陽子線照射システムにおいて、マーカー29を撮像する撮像用X線発生装置23A,23BとX線測定器24A,24Bと、撮像された撮像画像と陽子線による治療計画の作成時に撮像した撮像画像上で特定したマーカー29の位置の情報に基づいてマーカー29の位置を求める動体追跡制御装置41と、を備えた動体追跡装置38を備える。
これによって、オペレータが探索領域を設定しなくても、治療計画の作成時に特定した複数のマーカー29の撮像画像上の位置に基づいて探索領域が設定されて探索が速やかに開始されることにより、治療時間を短縮できる。また、オペレータによる探索領域の設定作業を省略することができ、オペレータの負担を従来に比べて軽減することができる。
また、動体追跡制御装置41は、マーカー29の位置を探索する探索領域35を計画位置の情報に基づいて設定し、設定した探索領域35内でマーカー29を探索することでその位置を求めるため、オペレータが探索領域を設定することなくマーカー29が存在すると想定される領域での探索が開始されるため、マーカー29をより速やかに認識することができ、治療時間を短縮できるとともに、オペレータの負担をより軽減できる。
更に、マーカー29の位置が認識された後は、動体追跡制御装置41は、認識されたマーカー29の位置に基づいて以後の探索する探索領域35を設定することで、高い精度での探索を継続することができる。
また、マーカー29の位置を検索する領域を入力するコンソール43を備え、動体追跡制御装置41は、入力された探索領域35内において、所定の時間内に複数のマーカー29を認識しないときは、以後は計画位置の情報に基づいてマーカー29を探索することにより、オペレータによる探索領域35の指定と計画位置を用いた探索領域35の設定を組み合わせることができ、更にマーカー29の認識までの時間を短縮することが可能となる。
更に、動体追跡制御装置41は、所定時間内に複数のマーカー29の位置を認識しないときは、第1のX線撮像装置と第2のX線撮像装置による撮像を停止させることで、必要以上に撮像用X線が照射されることを防ぐことができ、患者や装置などへの負担を軽減することができる。
また、特許文献1には、複数のマーカーを追跡する方法が示されている。しかし、認識された複数のマーカーと患者に設置されたマーカーとを対応付けする方法が検討されていない。そのため、マーカーの対応付けをオペレータが手作業で実施するとなると、時間が長くかかる可能性があるという課題がある。これに対し、本実施例のようにマーカー29が複数ある場合に、あるマーカー29が認識された後は、動体追跡制御装置41は、認識されたマーカー29の位置に基づいて認識されていないマーカー29の位置を探索する探索領域35を修正することにより、既に認識されたマーカーの検出位置の情報を用いて、まだ認識されていないマーカーに対する探索領域を補正することにより、すべてのマーカーの認識までの時間を短縮することが可能となる。
なお、上記の例では、マーカー29−2,29−3が同時に認識される場合を例に説明したが、n+1枚目の撮像画像においてマーカー29−1,29−2が認識されてマーカー29−3が認識されていない状態の場合、マーカー29−3の探索領域35−3をSn+2,3=P+(Qn+1,1−P)/2+(Qn+1,2−P)/2等のような方法で計算・補正することができる。
また、動体追跡制御装置41は、マーカー29を認識している間は求めたマーカー29の位置と治療計画の作成時に特定したマーカー29の撮像画像上の位置との距離を求め、距離が所定の基準値以下であればマーカー29を求められていると判定することにより、より高い精度でのマーカー29の探索が可能となるとともに、マーカーを見失う可能性が低下し、治療時間が短縮する。
更に、第1のX線撮像装置と第2のX線撮像装置は、マーカー29を異なる2方向から撮像することで、照射対象26内のマーカー29の3次元位置を高い精度で求めることができる。
また、動体追跡装置38は、マーカー29の位置が予め指定した範囲内にあるときに照射制御装置40に対して陽子線の出射を許可する信号を出力することにより、照射対象26内の標的に対する陽子線の照***度を高めることができる。
<実施例2>
本発明の動体追跡装置および放射線照射システムの実施例2を図12および図13を用いて説明する。図1から図11と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。
本実施例の動体追跡装置および放射線照射システムと実施例1との違いは、マーカー29が複数ある場合に、マーカー位置の探索に探索領域を設定せずに、検出されたマーカー29がいずれのマーカー29であるかを、計画位置の情報に基づいて特定する点にある。
まず、動体追跡制御装置41はマーカー29を認識するために探索を行う。探索領域を設定せずに撮像画像全体に対してマーカー位置を探索する場合、撮像開始直後からマーカー位置の探索が可能である。ここで、複数のマーカーがある場合、認識された複数のマーカーと患者に設置されたマーカーとを対応付けする必要がある。マーカーの対応付けをオペレータが手作業で実施する場合、オペレータの熟練度によっては時間が長くかかる可能性があり、この作業を省略することができればオペレータの負担をより軽減し、また時間を短くすることができるようになる。
そこで、本実施例の動体追跡制御装置41では、複数あるマーカー29がどのマーカー29であるかの対応付けを各マーカー29の計画位置の情報を用いて実施する。図12を用いて説明する。図12は3つのマーカーがある場合の撮像画像の例である。
図12に示すように、計画位置1,2,3を持つ3つのマーカーがそれぞれ検出位置1,2,3に認識されている。本実施例の動体追跡制御装置41では、マーカーを対応付けるために、計画位置と検出位置との距離を使用する。図13に各マーカーの計画位置と検出位置との距離を表す。
動体追跡制御装置41では、3つのマーカーの計画位置と検出位置との距離の組み合わせを全て求め、距離が最も小さくなる組み合わせが対応付けられた組み合わせとして、マーカーの位置を求める。図13の場合、検出位置1をマーカー29−1、検出位置2をマーカー29−2、検出位置3をマーカー29−3に対応付ける。
その他の構成・動作は前述した実施例1の動体追跡装置および放射線照射システムと略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の動体追跡装置および放射線照射システムの実施例2においても、前述した動体追跡装置および放射線照射システムの実施例1とほぼ同様な効果が得られる。
また、複数のマーカー29に対して、動体追跡制御装置41は、検出されたマーカー29が、複数のマーカー29のうちいずれのマーカー29であるかを計画位置の情報に基づいて特定することにより、複数のマーカーがある場合であってもオペレータの熟練度に依存しないマーカー追跡の開始が可能となる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
例えば、上述の実施例では2台のX線撮像装置を用いて標的を撮像する場合を例に説明したが、X線撮像装置は必ずしも2台である必要はない。例えば、1台のX線撮像装置を移動させることによって、追跡対象の撮像画像を異なる2方向から撮像してもよい。
また、上述の実施例では球形のマーカー29の位置に基づいてゲート照射を実施する場合を例に説明したが、マーカー29の形状はコイル状であってもよい。また、追跡対象をマーカー29とした場合について説明したが、追跡対象はマーカー29に限られず、マーカー29を使用することなく標的を直接検出してもよい。または、追跡対象は照射対象26内の高密度領域、例えば肋骨等の骨などとすることができる。
また、照射方法は、ゲート照射の代わりにマーカー29などの位置に基づいて照射位置を追尾する追尾照射であってもよい。例えばX線の追尾照射では、標的の動きに合わせて分布形成用X線発生装置の向きを変更し、標的の動きに合わせてX線の照射位置を変更する。粒子線の場合にも走査電磁石の励磁量を標的の位置に合わせて調整することにより追尾照射をすることができる。
撮像用X線も放射線の一種ではあるが、線量分布を形成する目的での使用はしないため、本明細書では、撮像用X線以外の放射線の総称として分布形成用放射線を用いている。
更に、上述の実施例では陽子線照射システムを例に説明したが、本発明の放射線照射システムは、炭素線などの陽子線以外の粒子線、X線、電子線などを照射するシステムに対しても同様に適用することができる。例えば、X線を用いた場合、放射線照射装置はX線発生装置、ビーム輸送系、照射ノズルから構成される。
また、粒子線照射装置の場合、上述の実施例で説明したスポットスキャニング法の他、粒子線を停止することなく細い粒子線を照射するラスタースキャニング法やラインスキャニング法にも同様に本発明は適用することができる。また、スキャニング法の他、ワブラー法や二重散乱体法など粒子線の分布を広げた後、コリメータやボーラスを用いて標的の形状に合わせた線量分布を形成する照射方法にも本発明を適用することができる。
また、粒子線照射システムの場合、粒子線発生装置には上述の実施例で説明したシンクロトロン11のほかにサイクロトロンであってもよい。
10…陽子線発生装置
11…シンクロトロン
12…イオン源
13…ライナック
14…偏向電磁石
17…出射用デフレクタ
18…高周波加速装置
19…高周波出射装置
20…ビーム輸送系
21…偏向電磁石
22…照射ノズル
23A,23B…撮像用X線発生装置
24A,24B…X線測定器
25…ガントリー
26…照射対象
27…カウチ
28A,28B…線
29,29−1,29−2,29−3…マーカー(追跡対象)
30…共通垂線
33…軌跡
35,35−1,35−1A,35−2,35−2A,35−3,35−3A…探索領域
38…動体追跡装置
40…照射制御装置
41…動体追跡制御装置
42…記憶装置
43…コンソール
50…撮像開始ボタン
51…ゲートスタートボタン
61…撮像画像A
62…撮像画像B
63…撮像画像Aのマッチングスコアの変化表示部分
64…撮像画像Bのマッチングスコアの変化表示部分
65…共通垂線長の変化表示部分

Claims (12)

  1. 複数の追跡対象を撮像するX線撮像装置と、
    前記X線撮像装置によって撮像された撮像画像と、放射線による治療計画の作成時に撮像した撮像画像上で特定した前記複数の追跡対象の位置情報とに基づいて前記複数の追跡対象の位置を求める制御装置とを備える
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  2. 請求項1に記載の動体追跡装置において、
    前記制御装置は、前記位置情報に基づいて前記追跡対象の位置を探索する領域を設定し、前記領域内で前記追跡対象を探索することで前記複数の追跡対象の位置を求める
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  3. 請求項2に記載の動体追跡装置において、
    前記制御装置は、前記複数の追跡対象に対して、先に認識された前記追跡対象の位置に基づいて、認識されていない前記追跡対象の前記領域を修正する
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  4. 請求項2または3に記載の動体追跡装置において、
    前記追跡対象の位置が認識された後は、前記制御装置は、認識された前記追跡対象の位置に基づいて前記領域を修正する
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  5. 請求項1に記載の動体追跡装置において、
    複数の前記追跡対象に対して、前記制御装置は、認識された前記追跡対象が、前記複数の追跡対象のうちいずれの追跡対象であるかを前記位置情報に基づいて特定する
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  6. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の動体追跡装置において、
    前記領域の入力を受け付ける入力装置を備え、
    前記制御装置は、入力された前記領域内において、所定の時間内に前記複数の追跡対象のうち少なくとも1つが認識されないときは、前記位置情報に基づいて前記領域を修正する
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の動体追跡装置において、
    前記制御装置は、所定の時間内に前記複数の追跡対象のうち少なくとも1つがが認識されないときは、前記X線撮像装置による撮像を停止させる
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の動体追跡装置において、
    前記制御装置は、前記追跡対象を認識している間は求めた前記追跡対象の位置と治療計画の作成時に特定した前記追跡対象の撮像画像上の位置との距離を求め、この距離が所定の基準値以下であれば前記追跡対象が認識されていると判定する
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の動体追跡装置において、
    前記X線撮像装置は、前記追跡対象を異なる2方向から撮像する
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の動体追跡装置において、
    前記追跡対象は、標的を識別するためのマーカー、前記標的、高密度領域の何れかである
    ことを特徴とする動体追跡装置。
  11. 標的に対して放射線を照射するための放射線照射装置と、
    この放射線照射装置を制御する照射制御装置と、
    請求項1に記載の動体追跡装置とを備え、
    前記照射制御装置は、前記動体追跡装置が生成する信号に基づき、放射線を制御する
    ことを特徴とする放射線照射システム。
  12. 請求項11に記載の放射線照射システムにおいて、
    前記動体追跡装置は、前記追跡対象の位置が予め指定した範囲内にあるときに前記照射制御装置に対して放射線の出射を許可する信号を出力する
    ことを特徴とする放射線照射システム。
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