JP2017205740A - 複合膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧下の使用においても安定した性能を発揮し、様々な液体に対して十分な耐久性を持ち、液体の透過性に優れる半透膜を提供すること。【解決手段】多孔性支持層と、該多孔性支持層上の半透膜の性能を有する層と、を有する複合膜であって、前記多孔性支持層が、下記条件(1)および(2):(1)円相当径が1μm以上である孔の割合が30%未満であること、および(2)膜厚が100μm以上であること、を満足することを特徴とする、前記複合膜。【選択図】なし

Description

本発明は複合膜に関する。
近年、省エネルギー、省資源、および環境保全の観点から、半透膜を用いる膜分離技術が注目を集めている。半透膜は、ナノフィルトレーション膜、逆浸透膜、または正浸透膜として使用され、水をはじめとする様々な液体の分離、精製、製造プロセスなどに適用することができる。
正浸透処理は、溶質濃度の異なる溶液を半透膜を介して接触させることにより、溶質の濃度差から生じる浸透圧差を駆動力として、溶質濃度の低い希薄溶液から溶質濃度の高い濃厚溶液へ水を透過させる処理である。
正浸透処理によって、希薄溶液を濃縮することができ、あるいは濃厚溶液を希釈することができる。希薄溶液から濃厚溶液へ流体が浸透する際の正浸透圧エネルギーによって、発電機を駆動させることもできる。
正浸透処理は、半透膜を用いて溶質よりも水を優先的に透過させる点で、逆浸透処理と共通する。しかし、正浸透処理は、浸透圧差を利用して水を希薄溶液側から濃厚溶液側に透過させており、この点で、浸透圧差に対抗して濃厚溶液側を加圧することにより、水を濃厚溶液側から希薄溶液側に透過させる逆浸透処理とは異なる。そのため、逆浸透処理で用いる半透膜をそのまま正浸透処理に適用しても、必ずしも正浸透処理に適したものとはならない。
逆浸透処理においては、膜を挟んだ一方側に濃厚溶液を配し、他方側に希釈溶液を配して、両溶液の浸透圧差に対抗して濃厚溶液側を加圧することにより、水を濃厚溶液側から希薄溶液側に浸透させる。そのため、逆浸透膜には、濃厚溶液側の加圧に耐えられるだけの強度を有することが求められる。そのため、逆浸透膜には、支持層の空隙率をあまり高めずに、強度を確保することが必要となる。その結果、支持層内で溶質が自由に拡散するスペースが制限される。しかし、逆浸透膜では透水の進行方向と塩の漏洩方向が同じであるため、支持層で内部分極が起こらないから、支持層の構造が膜の透水量(膜透過流速)に与える影響が、決定的なものとはならない。従って、濃厚溶液側に加わる圧力の増加に伴い、膜の透水量も同様に増加させることができる。
一方、正浸透膜では、支持層の内部濃度分極が、膜の透水量に大きな影響を与える。正浸透処理においては、膜を挟んだ一方側に濃厚溶液を配し、他方側に希薄溶液を配して、両溶液の浸透圧差を駆動力として、水を希薄溶液側から濃厚溶液側に透過させる。この際、正浸透膜の透水量を高めるためには、支持層の内部濃度分極をできるだけ低減して、スキン層の実効浸透圧差を高めることが重要となる。支持層内で溶質が自由に拡散するスペースが制限されると、支持層内での溶質の濃度分極が起こり易くなり、十分な透水量を確保することが困難となる。従って、正浸透膜では、支持層を、内部における溶質の拡散をできるだけ制限しないような、空隙率の高い、しかも、そのように形成しても所定の強度を確保することができるような材料から構成することが、所望する膜性能を付与する点で重要である。
これまで、正浸透処理用の膜(正浸透膜)として、様々な半透膜が検討されてきた。例えば特許文献1には、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−酢酸ビニル共重合体、ポリスルホンなどから成る支持層上にポリアミドスキン層が積層された正浸透膜が;
特許文献2には、エポキシ樹脂から成る支持層上にポリアミドスキン層が積層された正浸透膜が;
特許文献3には、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリプロピレンから成る支持層上に、ポリアミドスキン層が積層された正浸透膜が;
それぞれ開示されている。
このように、従来、上記特許文献1〜3に開示されたような高分子正浸透膜をはじめ、様々な正浸透膜が検討されている。しかし、高い透水性能を有する正浸透膜はまだ少なく、高性能な正浸透膜が望まれている。
従来の高分子正浸透膜では、酸、有機溶媒などに対する耐久性、および耐熱性に課題があり、適用範囲が制限されていた。
これに対して特許文献4には、無機材料であるゼオライトを含有する、耐久性に優れる正浸透膜を用いる正浸透膜流動システムが提案されている。しかしながら、特許文献4の半透膜の透水量は極めて低く、耐久性と透水性能とを両立できていないため、正浸透膜流動システムとしては実用性に課題がある。特に、浸透圧発電などの、高度の耐圧性が要求される用途における実用性には、課題がある。
特許文献5には、有機溶媒耐性に優れるポリオレフィンケトンを支持層とするナノろ過膜が提案されている。しかしながら特許文献5に開示された膜は気孔のサイズが小さく、透液性に課題がある。
特表2012−519593号公報 特開2013−013888号公報 特表2013−502323号公報 特開2014−039915号公報 韓国公開特許第2015−0084503号公報
本発明は、上述したような従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高圧下の使用においても安定した性能を発揮し、様々な液体に対して十分な耐久性を持ち、液体の透過性に優れる半透膜を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題点を解消するために鋭意検討を進めた。その結果、膜厚が厚く、空隙率が高く、かつ空洞の少ない多孔膜を半透膜の支持層とし、この表裏面または内外面のうちの一方の面に半透膜スキン層を積層することにより、支持層の内部分極が効果的に低減されることが分かった。そして、このような構成のシステムは、
正浸透処理システムとして使用したときに、耐圧性が高く、高い透水量を維持することができ、或いは、
有機化合物を含む液体のろ過を高圧下で行った場合であっても高い透液性を維持し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明はさらに、上記正浸透処理システムの有利な適用方法も明らかにする。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 多孔性支持層と、該多孔性支持層上の半透膜の性能を有する層と、を有する複
合膜であって、
前記多孔性支持層が、下記条件(1)および(2):
(1)円相当径が1μm以上である孔の割合が30%未満であること、および
(2)膜厚が100μm以上であること、
を満足することを特徴とする、前記複合膜。
[2] 前記半透膜の性能を有する層が、酢酸セルロース膜、ポリアミド膜、ポリビニルアルコール/ポリピペラジンアミド複合膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリピペラジンアミド膜、およびポリイミド膜から選択される少なくとも1種を含む薄膜層である、[1]に記載の複合膜。
[3] 支持層が平板状である、[1]または[2]に記載の複合膜。
[4] 支持層が、内径/外径の比が0.4以下の中空糸状である、[1]または[2]に記載の複合膜。
[5] 前記多孔性支持層がポリケトン多孔膜である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の複合膜。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の複合膜を有することを特徴とする、正浸透処理システム。
[7] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の複合膜を有することを特徴とする、逆浸透処理システム。
[8] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の複合膜を有することを特徴とする、濾過システム。
[9] [6]〜[8]のいずれか一項に記載のシステムを用いることを特徴とする、造水方法。
[10] [6]〜[8]のいずれか一項に記載のシステムを用いることを特徴とする、有機化合物の精製方法。
[11] [6]〜[8]のいずれか一項に記載のシステムを用いることを特徴とする、含水物の濃縮方法。
[12] [6]に記載の正浸透処理システムを用いることを特徴とする、発電方法。
本発明の複合膜は、半透膜の支持層として空隙率が高くかつ空洞の少ない多孔膜を用いることにより、耐圧性および透水性の両方を高めることができた。本発明の好ましい態様によると、半透膜の支持層としてポリケトン多孔膜を用いることにより、支持層の内部濃度分極を抑え、透水量を効果的に高めることができたほか、有機性化合物を含む低浸透圧流体に対する耐久性を高めることができたから、長時間の運転でも性能の安定した正浸透処理システムとして使用することができる。
従って、本発明の複合膜を使用する正浸透処理システムは、例えば、海水の淡水化、かん水の脱塩、排水処理、各種有価物の濃縮、オイル・ガスの掘削における随伴水の処理、浸透圧の異なる2液を利用した発電、糖類、肥料、冷媒の希釈などにも好適に用いることができる。
さらに、有機性化合物に対し十分な耐久性と高い透液性を有し、微粒子ないし分子サイズの異物に対しても高い除去性能を持つことから、有機溶媒を含む液体の精製、製造などにも好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
本発明の複合膜は、多孔性支持層と、該多孔性支持層上の半透膜の性能を有する層を有し、前記多孔性支持層が、下記条件(1)および(2):
(1)円相当径が1μm以上である孔の割合が30%未満であること、および
(2)膜厚が100μm以上であること、
を満足する。
<多孔性支持層>
本発明の複合膜における多孔性支持層の孔の円相当半径とは、多孔性支持層の厚み方向断面における孔の径である。孔の形状は特に限定されず、円、楕円、多角形(三角形、四角形など)、不定形などであることができる。
上記円相当径が1μm以上である孔の割合は、膜の強度を維持するという観点から30%未満が好ましく、20%未満がより好ましく、さらに好ましくは5%未満であり、最も好ましくは1%未満である。ここで、孔の割合とは、(円相当径が1μm以上の孔の断面積)/(膜全体の断面積)×100[%]で表される値のことである。
前記支持層の膜厚は、100μm以上であることが好ましい。膜厚が100μmより小さい場合は、透水性能は高くなるものの、膜の強度が低くなるため、耐圧性が悪くなり、複合半透膜を使用するうえで使用圧力の制約を受けてしまう。強度の観点から、膜厚は大きい方が好ましいが、膜体積のコンパクト化、装置の小型化、透水性維持に有利であることなどから、支持層の膜厚は900μm未満が好ましく、より好ましくは490μm未満であり、さらに好ましくは190μm未満である。
本発明の複合膜においては、前記の多孔性支持層を用い、この表裏面または内外面の一方の面に半透膜スキン層(半透膜の性能を有する層)を有する。このような構成をとることにより、該複合膜を例えば正浸透膜として使用する時に、支持層の内部分極が効果的に低減され、透水量を高めることができる他、空洞部が少なくなるように設計された材料を用いて膜厚を100μm以上と厚めに設定することによって耐圧性が高くなり、高圧下での使用においても、長時間安定して高い透水量を維持することができる。この特性は、具体的には例えば、海水および淡水を用いる浸透圧発電などの、1.5MPa以上の耐圧性が要求される用途において、発電効率を高くすることができ、長期の使用が可能となる利点を与える。
支持層は多孔性構造を有し、内部の貫通空隙を経由して溶質および水が通過することができる。支持層内の内部濃度分極を効果的に抑えるためには、支持層内に、より大きな孔径の細孔が形成されていることが好ましい。このような観点から、支持層は、最大孔径が50nm以上の細孔が形成されていることが好ましい。
最大孔径は、バブルポイント法(ASTM F316−86またはJIS K3832に準拠)により測定される。最大孔径が50nm以上である多孔膜を正浸透膜の支持層として用いた場合、支持層内における内部濃度分極を低減することが可能であるため、正浸透膜の高性能化が可能となる。最大孔径を増大させるに従って内部濃度分極が低減されることから、支持層の最大孔径は、50nm以上が好ましく、80nm以上がより好ましく、100nm以上がさらに好ましく、130nm以上が最も好ましい。最大孔径が50nmより大きい場合、分画分子量は100,000より大きくなる。
一方、最大孔径を大きくするに従って半透膜スキン層を支えることが困難になり、耐圧性が悪くなるおそれがある。このような観点から、支持層の最大孔径は、2μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましく、最も好ましくは0.6μm以下である。
支持層の空隙率は特に限定されないが、空隙率が高くなるほど支持層内での溶質の拡散がし易くなり、支持層の内部濃度分極を抑えて正浸透膜の透水量を高めることが可能になる。このことから、支持層の空隙率は、60%〜95%が好ましく、70%〜95%がより好ましく、80%〜95%がさらに好ましい。ポリケトン支持層(多孔膜)の空隙率は、下記数式(1)式により算出される。
空隙率(%)=(1−G/ρ/V)×100 (1)
[数式(1)中、Gは支持層の質量(g)であり、ρは支持層の質量平均密度(g/cm)であり、Vは支持層の体積(cm)である。]
上記数式(1)において、支持層が、密度の異なる2種類の樹脂から構成されている場合、質量平均密度ρは、各々の樹脂の密度に、その構成質量比率を乗じた値の和である。例えば、密度ρAの樹脂A、密度ρBの樹脂B、および密度ρpの樹脂Pから成る繊維のそれぞれが、GA、GB、およびGPの質量比率で構成された支持層の場合には、質量平均密度ρは下記式(2)で表される。
質量平均密度ρ=(ρA・GA+ρB・GB+ρP・GP)/(GA+GB+GP) (2)
多孔性支持層を構成する材料(素材)は、特に素材は限定されない。しかしながら、様々な液体に対する耐久性が高い材料を使用することが好ましい。様々な液体に対する耐久性が高く、親和性も良いという観点から、本発明における多孔性支持層としては、ポリケトン支持層であることがより好ましい。
ポリケトン支持層を構成するポリケトンポリマー(以下、ポリケトン)は、一酸化炭素とオレフィンとの共重合体から成る。支持層をポリケトンから構成することにより、強度を確保しつつ、空隙率の高い支持層を形成することが可能となる。
従来、逆浸透膜では、不織布などの支持基材が必要とされる場合があった。しかし、ポリケトン支持層は自立性が高いため、このような支持基材も不要となる。このことにより、得られる複合膜の薄膜化が可能となる。さらに、ポリケトンは、平板状(平膜状)、中空糸状なその任意の形状に容易に製形することができるため、従来公知の膜モジュールに適用することが容易となる。
強度が確保され、空隙率を高くするとの観点から、ポリケトン支持層は、一酸化炭素と1種類以上のオレフィンとの共重合体であるポリケトンを、10質量%以上100質量%以下の割合で含むことが好ましい。ポリケトン支持層中のポリケトンの含有率は、多いほど好ましい。ポリケトン支持層中のポリケトン含有率は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。ポリケトン支持層中のポリケトンの含有率は、支持層を構成する成分のうち、ポリケトンのみを溶解する溶媒によってポリケトンを溶解除去する方法、ポリケトン以外のみを溶解する溶媒によってポリケトン以外を溶解除去する方法などによって確認することができる。
ポリケトンの合成において、一酸化炭素と共重合させるオレフィンとしては、目的に応じて任意の種類の化合物を選択できる。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、デセンなどの鎖状オレフィン;スチレン、α−メチルスチレンなどのアルケニル芳香族化合物;シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセンなどの環状オレフィン;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化アルケン;エチルアクリレート、メチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、および酢酸ビニルなどが挙げられる。ポリケトン支持層の強度を確保する点からは、共重合させるオレフィンの種類は、1〜3種類であることが好ましく、1〜2種類であることがより好ましく、1種類であることがさらに好ましい。
ポリケトンは、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
−R−C(=O)− (1)
[式(1)中、Rは、置換基を有してもよい炭素数2〜20の炭化水素基を表す。]
上記式(1)中のRにおける炭化水素基に対する置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、エーテル基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、アルコキシシリル基、およびシラノール基よりなる群から選ばれる1つ以上の官能基をあげることができる。 上記式(1)で表されるケトン単位は1種類のみから構成されていてもよく、2種類以上の組み合わせであってもよい。
上記式(1)の炭化水素基Rの炭素数は、2〜8がより好ましく、2または〜3がさらに好ましく、2が最も好ましい。ポリケトンを構成する繰り返し単位は、特に、下記式(2)で表される1−オキソトリメチレン繰り返し単位を多く含むことが好ましい。
−CH−CH−C(=O)− (2)
ポリケトン支持層の強度を確保する点から、ポリケトンを構成する繰り返し単位中の1−オキソトリメチレン繰り返し単位の割合は、、70モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましい。1−オキソトリメチレン繰り返し単位の割合は100モル%でもよい。ここで100モル%とは、公知の元素分析、NMR(核磁気共鳴)、ガスクロマトグラフィーなどの分析において、ポリマー末端基を除いて1−オキソトリメチレン以外の繰り返し単位が観測されないことを意味する。典型的には、ポリケトンを構成する繰り返し単位の構造および各構造の量は、NMRによって確認される。
ポリケトンは、例えば、パラジウム、ニッケルなどを触媒として用いて、一酸化炭素とオレフィンを重合させることにより得ることができる。ポリケトン支持層の製造は、例えば、特開2002−348401号公報、特開平2−4431号公報などに記載されている方法を参考にすることができる。
本発明における多孔性支持層は、対称膜であっても非対称膜であってもよい。多孔性支持層が非対称膜である場合、後述の半透膜スキン層は、該支持層の緻密面に設けられることが好ましい。
多孔性支持層の形状は、任意の形状のものを用いることができる。例えば、平板状(平膜状)、中空糸状などである。膜の空隙率を必要以上に下げないとの観点から、支持層には、不織布、フィラーなどの強化繊維を含まない方が好ましい。
支持層が中空糸状である場合、外圧による中空糸潰れ、スキン層の剥離を抑制するという観点からは、該中空糸の壁は厚い方が好ましい。この観点から、中空糸における内径と外径の比(=内径/外径)は0.4未満であることが好ましい。一方で、中空糸の中空部の断面積に対して壁厚が厚すぎると、圧力損失が大きくなりすぎる。そのため、該中空糸における内径/外径の比は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。
このような多孔性支持層は、公知の方法により製造することができる。多孔性支持層がポリケトン支持層である場合には、例えば、以下の方法によることが便宜である。
ポリケトンをハロゲン化金属塩(例えば、ハロゲン化亜鉛塩、ハロゲン化アルカリ金属塩など)を含有する溶液に溶解してポリケトンドープを調製し、このドープをフィルムダイ、二重管オリフィスなどを通して凝固浴中に吐出して、平板状、中空糸状などに成形する。さらにこの成形体を洗浄および乾燥することにより、ポリケトン支持層が得られる。この場合、例えば、ドープ中のポリマー濃度および凝固浴の温度を調整することにより、ポリケトン支持層の空隙率および孔径を適宜に調整することができる。
あるいは、ポリケトンを良溶媒(例えば、レソルシノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾール、o−クロルフェノール、ハロゲン化亜鉛塩、ハロゲン化アルカリ金属塩などを含有する水溶液など)に溶解させる。表面開口度および空隙率を高くするという観点から、レソルシノールを含む水溶液などが好適に用いられる。そして、得られた溶液を基板上にキャストして非溶媒(例えば、メタノール、イソプロパノール、アセトン、水など)中に浸漬し、さらに洗浄および乾燥することによっても、ポリケトン支持層を得ることができる。この場合、例えば、ポリケトンと良溶媒との混合比率、非溶媒の種類などを調整することで、ポリケトン多孔膜の空隙率および孔径を適宜に調整することができる。
<半透膜スキン層>
本発明の複合膜における上記の多孔性支持層上には、半透膜スキン層が形成されている。
半透膜スキン層は、半透膜の性能を有する層であり、従来の正浸透膜、逆浸透膜、ナノフィルターなどで用いられる公知の素材をそのまま適用してよい。例えば、酢酸セルロース膜、ポリアミド膜、ポリビニルアルコール/ポリピペラジンアミド複合膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリピペラジンアミド膜、ポリイミド膜などを例示することができ、これらから選択される1種以上を含む薄膜層が好適に用いられる。低浸透圧溶液、高浸透圧溶液、使用する有機溶剤に対する耐久性、液体の透過性などを考慮して、半透膜スキン層の素材を選択すればよい。
本発明においては、特に、ポリアミド膜から成る半透膜スキン層が、多孔性支持層に対する薄膜形成の容易さの点で、好適である。
半透膜スキン層の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.05μm〜2μmであり、より好ましくは0.05μm〜1μmである。
半透膜スキン層の厚みは、複合膜の断面をSEMで観察することにより、測定することができる。
<その他の層>
本発明の複合膜には、汚染物質の吸着による性能低下を抑制するなどの目的で、織布、不織布などの布帛、メンブレンなどのその他の層が、片面または両面に積層されていてもよい。しかしながら、液体が透過する有効面積を大きくする観点、および装置の小型化に有利であるという観点から、その他の層を含まない方が好ましい。
<正浸透処理システム>
本発明の複合膜は、正浸透現象を利用する正浸透処理システムにおける半透膜として使用できる。この正浸透処理システムでは、本発明の複合膜の一方の面側に低浸透圧溶液を配し、他方の面側に低浸透圧溶液より浸透圧の高い高浸透圧溶液を供給する。すると、低浸透圧溶液側から高浸透圧溶液側へ流体移動が生じることにより、高浸透圧溶液側の流量を増加させる。
この場合、本発明の複合膜のうちの半透膜スキン層の側を低浸透圧溶液側および高浸透圧溶液側のどちら側に配置するかは、処理する液体の透水性、耐ファウリング性などを考慮のうえ、当業者によって適宜に決定されることができる。
ここで、低浸透圧溶液として有機化合物の水溶液を用いると、上記の正浸透処理システムを利用した正浸透処理により、有機化合物水溶液中の有機化合物濃度を増加させることができ、該有機化合物の精製工程の一部として好適である。
同様に、低浸透圧溶液として所定の目的物を含有する水溶液(含水物)を用いると、正浸透処理によって含水物の濃縮を行うことができる。
また、低浸透圧溶液と高浸透圧溶液の組み合わせによっては、有機溶媒を低浸透圧溶液から高浸透圧溶液へ流体移動させることも可能である。
<逆浸透処理システム>
本発明の複合膜は、逆浸透現象を利用する逆浸透処理システムにおける半透膜として使用できる。この逆浸透処理システムでは、本発明の複合膜の一方の面側に低浸透圧溶液を配し、他方の面側に低浸透圧溶液より浸透圧の高い高浸透圧溶液を供給し、高浸透圧溶液側に圧力を加えると、高浸透圧溶液側から低浸透圧溶液側へ流体移動が生じることにより、低浸透圧溶液側の流量を増加させる。
この場合、本発明の複合膜のうちの半透膜スキン層の側を、高浸透圧溶液側に配置することが好ましい。
特に、多孔性支持層がポリケトン支持層である場合、有機溶剤およびその他の有機化合物に対する耐久性が高く、低浸透圧溶液および高浸透圧溶液の少なくとも一方に有機溶剤または有機化合物が含まれる液体の処理においても、長時間安定した性能を発現することができる。
ここで、高浸透圧溶液として有機化合物の水溶液を用いると、上記の逆浸透処理システムを利用した逆浸透処理により、有機化合物水溶液中の有機化合物濃度を増加させることができ、該有機化合物の精製工程の一部として好適である。
同様に、高浸透圧溶液として所定の目的物を含有する水溶液(含水物)を用いると、逆浸透処理によって含水物の濃縮を行うことができる。
<発電方法>
本発明の発電方法は、本発明の正浸透処理システムを用いるものである。
本発明の発電方法においては、本発明の複合膜を正浸透膜として用い、半透膜スキン層側に低浸透圧溶液を接触させ、その反対側に高浸透圧溶液を接触させる。または、半透膜スキン層側に高浸透圧溶液を接触させ、その反対側に低浸透圧溶液を接触させてもよい。そして、低浸透圧溶液から高浸透圧溶液へ本発明の複合膜を介して水を浸透させることにより、高浸透圧溶液に流れる流量を増加させ、増加した流量で水流発電機を駆動させて発電を行うのである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。以下の説明では、具体的な化合物、数値などを挙げて説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例における各測定値の測定方法は次のとおりである。
(1)最大孔径および平均孔径:
最大孔径は、PMI社のパームポロメーター(型式:CFP−1200AEX)を用い、浸液としてPMI社製のガルウィック(表面張力=15.6dynes/cm)を用い、JIS K3832(バブルポイント法)に準拠して測定した。平均孔径は、ASTM E1294−8に準拠し、ハーフドライ法により測定した。
(2)多孔性支持層および半透膜スキン層の平均厚み
半透膜スキン層が積層された複合膜を凍結および割断して、膜の断面サンプルを作製し、試料とした。これを、走査型電子顕微鏡(日立製作所製、形式S−4800)を使用して、加速電圧1.0kV、WD5mm基準±0.7mm、およびエミッション電流設定10±1μAの条件で観察した。えられたSEM写真から多孔性支持層および半透膜スキン層それぞれの平均厚みの測定を行った。
(3)円相当径1μm以上の孔の割合
多孔質層(半透膜スキン層を積層していないもの)をエタノールとともにゼラチンカプセル中に封入し、液体窒素に浸漬して冷却し、エタノールを凍結させた状態で割断し、その横断面切片試料を調製した。
得られた切片試料について、電子顕微鏡により倍率500〜50,000倍の写真(画像)を撮影した。撮影したネガ画像を、画像解析装置(IP1000−PC:旭化成社製)を用いて、以下の方法により解析した。
取り込んだ画像に対し、粒子解析による2値化処理を行った。この際に設定したパラメータは、
(1)粒子の明度(暗)、
(2)しきい値(自動)、
(3)シェーディング補正処理(無し)、
(4)収縮分離処理(直線分離:収縮回数10、非分離半径1、分離接触度10)、
(5)外枠補正(有り)、および
(6)穴埋め処理(有り)
であった。
上記で得られた2値化画像から、計測エリアライン(計測した長方形範囲の外枠)に接触する孔、一部が計測範囲から外れる孔、ポリケトン以外の樹脂の部分、該樹脂によって構成される孔を除去した後に、粒子解析を行い、対象孔の円相当径を求めた。
上記の解析を、膜の厚み方向にずらしながら、膜の表面から裏面にわたって撮影した5視野に対して行った後に、計測した全孔の円相当径について算術平均値を計算した。そして、円相当径が1μm以上の孔の総面積を算出し、下記数(3)により、円相当径が1μm以上の孔の割合Pを算出した。
割合P=(円相当径が1μm以上の孔の総面積)/(膜全体の断面積)×100[%] (3)
(4)膜性能の評価
圧力駆動の逆浸透処理試験、および正浸透駆動の正浸透処理試験の両方を行うことにより、支持層の内部濃度分極の度合いの指標を表す構造パラメーターSの値を求め、各正浸透膜の評価を行った。同時に、半透膜スキン層の透過性能を表す水透過係数Aおよび塩透過係数Bを求めた。
(4−1)逆浸透処理試験
逆浸透処理試験では、超純水または0.1MのNaCl水溶液を0MPa〜2MPaの範囲で加圧して逆浸透処理を行い、透水量Jw water ROまたはJw NaCl RO(単位:L・m-2・h-1)および塩阻止率R(単位:%)(=1−(供給液のNaCl濃度/透過液のNaCl濃度))を求め、下記数式に基づいて半透膜スキン層の水透過係数Aおよび塩透過係数Bを算出した。両係数の算出に当たっては、Sidney Loeb et al.,J.Membr.Sci., 129 1(1997)243−249、およびK.L.Lee et al.,J.Membr.Sci.,8(1981)141−171を参考にした。
A=Jw water RO/ΔP
B=Jw NaCl RO((1−R)/R)exp(−Jw NaCl RO/kf
P:印加圧力
R:阻止率(=1−Cp/Cb
p:透過水濃度
b:供給液のバルクの溶液濃度
f:物質移動係数(=Jw NaCl RO/ln[ΔP(1−Jw NaCl RO/Jw water RO)/(πb−πp)]
πp:透過水の浸透圧
πb:バルクの溶液の浸透圧
(耐圧性)
上記の逆浸透圧試験において、超純水またはNaCl水溶液による印加圧力を変えた場合に、浸透圧の破膜が起こらなかった最大の圧力を、当該浸透膜の耐圧性の値とした。
(4−2)正浸透試験
正浸透処理試験では、濃厚溶液(Draw solution)として0.3M〜1.2MのNaCl水溶液を用い、希薄溶液(Feed Solution)として超純水を用いて正浸透処理を行った。このとき、半透膜スキン層を希薄溶液側に向けて正浸透処理を行い、透水量Jw FO(単位:L・m-2・h-1)を測定し、上記で求めた水透過係数Aおよび塩透過係数Bを下記式に代入することにより、多孔性支持層の構造パラメーターSを算出した。構造パラメーターSの算出に当たっては、A.Tiraferri et al.,J.Membr.Sci.,367,(2011)340−352を参考にした。
w FO=(D/S)ln[(B+AπDS)/(AπFS+B+Jw FO)]
D:溶質の拡散係数
πDS:濃厚溶液のバルクの浸透圧
πFS:希薄溶液のバルクの浸透圧
下記の実施例1〜3および比較例1〜5に従って複合膜をそれぞれ作製し、上記の方法により評価した。
<実施例1>
エチレンと一酸化炭素とが完全交互共重合した、極限粘度3.0dl/gのポリケトンを、ポリケトン10質量%、レソルシノール58.5重量%、および水31.5重量%から構成されるポリマー溶液とし、アプリケーターを用いて400μmの塗工厚みでガラス基板上にキャストした。その後、水/メタノール混合溶媒(70/30(w/w))からなる凝固浴中に浸漬させ、ポリケトン多孔膜(非対称膜)を形成した。得られたポリケトン多孔膜を、ガラス板から剥離し、金枠に固定した後に、水、アセトン、およびヘキサンにより順次洗浄し、風乾することにより、厚み137μmのポリケトン支持層を得た。得られた支持層について測定した円相当径が1μm以上である孔の割合は0%であり、最大孔径は157nmであった。一方、空隙率は81.2%であった。
上記ポリケトン支持層上(ガラス板上にキャストしたときにガラス板に接触していなかった側)に、1,3−フェニレンジアミン2質量%、カンファースルホン酸2.3質量%、トリエチルアミン1.1質量%、ドデシル硫酸ナトリウム0.15質量%、およびヘキサメチルリン酸トリアミド3.0質量%を含むアミン水溶液を塗布し、300秒間静置した。その後、余分なアミン水溶液を除去するために、膜を垂直にして60秒間静置した。
その後、その上から1,3,5−トリメソイルクロライド(トリメシン酸トリクロライド0.15質量%)のヘキサン溶液を塗布し、120秒間静置した。余分なクロライド溶液を除去するために、膜を垂直にして60秒間静置した。
このようにして得られた積層体を、90℃において600秒間アニーリング処理を行った後、水で十分洗浄することにより、ポリケトン支持層上にポリアミドスキン層が形成された複合膜1を得た。
複合膜1のJw FOは24.8L・m-2・h-1(NaCL=0.6M)、耐圧は1.9MPaであり、高い耐圧性を示した。
上記のとおり、支持層の最大孔径が157nmと大きい場合であっても、円相当径が1μm以上である孔の割合を少なくし、かつ支持層膜厚を100μm以上に設定することにより、高い透水性能と耐圧性とが両立された複合膜を得られることが検証された。この場合、支持体の空隙率が高くかつ均一な構造であるため、膜厚を厚くしても予想以上に内部濃度分極を抑えることが可能となり、高い透水性を維持することが出来た。
<実施例2>
上記実施例1において、凝固浴中の水/メタノール混合溶媒の組成を、水/メタノール=65/35(w/w)に変更した以外は、実施例1と同様にして複合膜2を得た。複合膜2におけるポリケトン支持層の厚みは150μmであった。支持層について測定した円相当径が1μm以上である孔の割合は0%であり、最大孔径は182nmであった。一方、空隙率は83.0%であった。
複合膜2のJw FOは25.1L・m-2・h-1(NaCL=0.6M)、耐圧は1.8MPaであり、高い耐圧性を示した。
上記のとおり、支持層の最大孔径が182nmと大きい場合であっても、円相当径が1μm以上である孔の割合を少なくし、かつ支持層膜厚を100μm以上に設定することにより、高い透水性能と耐圧性とが両立された複合膜を得られることが検証された。
<実施例3>
上記実施例1において、凝固浴中の水/メタノール混合溶媒の組成を、水/メタノール=55/45(w/w)に変更した以外は、実施例1と同様にして複合膜3を得た。複合膜3におけるポリケトン支持層の厚みは167μmであった。支持層について測定した円相当径が1μm以上である孔の割合は0%であり、最大孔径は234nmであった。一方、空隙率は85.1%であった。
複合膜3のJw FOは25.1L・m-2・h-1(NaCL=0.6M)、耐圧は1.5MPaであり、高い耐圧性を示した。
上記のとおり、支持層の最大孔径が234nmと大きい場合であっても、円相当径が1μm以上である孔の割合を少なくし、かつ支持層膜厚を100μm以上に設定することにより、高い透水性能と耐圧性とが両立された複合膜を得られることが検証された。
<比較例1>
上記実施例1において、凝固浴中の水/メタノール混合溶媒の組成を、水/メタノール=75/25(w/w)に変更した以外は、実施例1と同様にして複合膜4を得た。複合膜4におけるポリケトン支持層の厚みは145μmであった。支持層について測定した円相当径が1μm以上である孔の割合は30%であり、最大孔径は94nmであった。一方、空隙率は81.9%であった。
複合膜4のJw FOは19.2L・m-2・h-1、耐圧は0.8MPaであった。透水量は20.0L・m-2・h-1未満で、耐圧性も低下した。
上記のとおり、円相当径が1μm以上である孔の割合が30%の支持層を用いた場合には、支持層膜厚を100μm以上に設定したとしても、得られた複合膜の耐水性は不十分であった。また、本比較例の複合膜は、用いた支持層の最大孔径が94nmと比較的大きいが、支持層膜厚を145μmとしたときの透水量は20.0L・m-2・h-1未満であった。
<比較例2>
上記比較例1において、塗工厚を200μmとしてキャストした以外は、比較例1と同様にして複合膜5を得た。複合膜5におけるポリケトン支持層の厚みは69μmであった。支持層について測定した円相当径が1μm以上である孔の割合は26%であり、最大孔径は115nmであった。一方、空隙率は80.6%であった。
複合膜5のJw FOは22.3L・m-2・h-1、耐圧は0.6MPaであり、耐圧性は低かった。
上記のとおり、円相当径が1μm以上である孔の割合が26%であり、膜厚が69μmである支持層を用いた場合には、得られる複合膜の耐圧性が不十分であることが確認された。
<比較例3>
上記実施例1において、塗工厚を200μmとしてキャストした以外は、実施例1と同様にして複合膜6を得た。複合膜6におけるポリケトン支持層の厚みは77μmであった。得られた支持層について測定した円相当径が1μm以上である孔の割合は0%であり、最大孔径は123nmであった。一方、空隙率は83.8%であった。
複合膜6のJw FOは27.9L・m-2・h-1、耐圧は0.6MPaであり、透水量は高いものの、耐圧性は低かった。
上記のとおり、円相当径が1μm以上である孔の割合が0%であり、膜厚が77μmである支持層を用いた場合には、得られる複合膜の耐圧性が不十分であることが確認された。
<比較例4>
上記実施例2において、塗工厚を200μmとしてキャストした以外は、実施例2と同様にして複合膜7を得た。複合膜7におけるポリケトン支持層の厚みは83μmであった。支持層について測定した円相当径が1μm以上である孔の割合0%であり、最大孔径は155nmであった。一方、空隙率は84.5%であった。
複合膜7のJw FOは30.8L・m-2・h-1、耐圧は0.4MPaであり、透水量は高いものの、耐圧性は低かった。
上記のとおり、円相当径が1μm以上である孔の割合が0%であり、膜厚が83μmである支持層を用いた場合には、得られる複合膜の耐圧性が不十分であることが確認された。
<比較例5>
上記実施例3において、塗工厚を200μmとしてキャストした以外は、実施例3と同様にして複合膜8を得た。複合膜8におけるポリケトン支持層の厚みは97μmであった。支持層について測定した円相当径が1μm以上である孔の割合0%であり、最大孔径は290nmであった。一方、空隙率は87.1%であった。
複合膜8のJw FOは32.7L・m-2・h-1、耐圧は0.2MPaであり、透水量は高いものの、耐圧性は極めて低かった。
上記のとおり、円相当径が1μm以上である孔の割合が0%であり、膜厚が97μmである支持層を用いた場合には、得られる複合膜の耐圧性が不十分であることが確認された。
上記すべての結果を、水透過係数Aおよび塩透過係数Bとともに表1に示した。
Figure 2017205740
上記表1において、透水量Jwは、NaCl圧が0.6MPaのときの値である。
下記の実施例4および比較例6に従って正浸透中空糸膜をそれぞれ作製し、上記の方法によって、最大孔径、平均孔径、円相当径1μm以上の孔の割合、透水量Jw、および耐圧を、それぞれ上記の方法に従って評価した他、得られた中空糸膜の内径、外径、およびこれらの比(内径/外径)を、以下の方法によって評価した。
(5)内径、外径、および内径/外径比
実施例4および比較例6でそれぞれ得られた中空糸膜(ポリケトン中空糸膜の外表面にポリアミド薄膜層が積層された中空糸膜)を凍結し、長手方向に垂直に割断して、断面サンプルを作製した。この断面サンプルについて、走査型電子顕微鏡(日立製作所製、形式S−4800)を使用し、加速電圧1.0kV、WD5mm基準±0.7mm、およびエミッション電流設定10±1μAの条件下で観察し、SEM像を得た。得られたSEM像について、任意の2点の内径および外径を計測した。n数を5点として同様の計測を行い、計10点の数平均値として得られる中空糸の平均内径および平均外径を、内径および外径としてそれぞれ採用した。内径/外径比はこれらの内径および外径の値から計算によって求めた。
<実施例4>
エチレンと一酸化炭素とが完全交互共重合した極限粘度2.2dl/gのポリケトンを、ポリケトン濃度が15質量%となるように65質量%レゾルシン水溶液に添加し、80℃において2時間攪拌溶解することにより脱泡を行って、均一透明なドープを得た。
二重管オリフィスの紡口(D1:0.6mm、D2:0.33mm、D3:0.22mm)を用い、温度を50℃に調整した上記のドープ(ドープ粘度:100poise)を外側の輪状オリフィスから、25質量%のメタノール水溶液を内側の円状オリフィスから、同時に濃度40質量%のメタノール水溶液から成る凝固浴に吐出し、凝固物を得た。得られた凝固物を引上げて、水洗しながら巻き取って、ポリケトン中空糸膜を得た。得られた中空糸膜を長さ70cmに切断して束にして水洗した。水洗後の中空糸膜束を、アセトンで溶媒置換し、次いでヘキサンで溶媒置換した後、50℃において乾燥を行った。このようにして得られたポリケトン中空糸膜の空隙率は81%であり、最大孔径は150nmであった。
上記ポリケトン中空糸膜1本(長さ21cm)の両端5mmを接着剤で封止し、m−フェニレンジアミン2.0質量%、カンファースルホン酸4.0質量%、トリエチルアミン2.0質量%、およびドデシル硫酸ナトリウム0.25質量%を含む水溶液(第1モノマー溶液)中に浸漬させ、室温で300秒間静置した後、水溶液中から取り出し、さらに外側の付着液を脱脂綿で拭き取って取り除いた。その後、0.15質量%濃度のトリメシン酸クロリドヘキサン溶液(第2モノマー溶液)中に120秒間浸漬して、界面重合を行った。次いで、窒素雰囲気下、90℃において600秒間乾燥することにより、ポリケトン中空糸膜の外表面にポリアミド薄膜層が積層された、実施例4の中空糸膜を作製した。
上記実施例4の中空糸膜は、その1本の両端封止部(各5mm)をカットし、内筒側と外筒側の双方を純水で洗浄したうえで、ポリケトン中空糸膜の外側表面にポリアミド薄膜層が積層された正浸透中空糸膜として各種の試験に供した。
この正浸透中空糸膜の内径は198μm、外径は504μm、ポリアミド薄膜層の厚みは0.3μmであった。
この正浸透中空糸膜について、上述の方法によって評価したところ、Jw FOは23.2L・m-2・h-1(NaCL=0.6M)、耐圧は1.6MPaであり、高い耐圧性を示した。
<比較例6>
上記実施例4において、ドープと内液の吐出量と変更した以外は、実施例4と同様にしてポリケトン中空糸膜の外側表面にポリアミド薄膜層が積層された正浸透中空糸膜を得た。
この正浸透中空糸膜の内径は690μm、外径は1090μm、ポリアミド薄膜層の厚みは0.3μmであった。
この正浸透中空糸膜について、上述の方法によって評価したところ、Jw FOは22.2L・m-2・h-1(NaCL=0.6M)、耐圧は0.4MPaで膜の潰れが起こった。
上記実施例4及び比較例6の結果を下記表2にまとめた。
Figure 2017205740
上記表2において、透水量Jwは、NaCl圧が0.6MPaのときの値である。
[各種有機溶剤に対する透液性能評価]
<実施例X1〜X10>
実施例1と同様にして得た複合膜1を介して、表3に示す各種の原液(水および有機溶媒)を用いて、それぞれ0.5MPaの条件で加圧ろ過し、加圧後2時間から3時間における透液量を測定した。そしてこの透液量を液体が透過する部分の面積で除することによって、透過係数A(L・m-2・h-1)を算出した。結果を表3に示した。
Figure 2017205740
上記表3によると、DMF、DMSO、NMPなどの非プロトン性極性有機溶媒の方が、アルコールなどのプロトン性極性有機溶媒よりも透液性が良い結果となった。DMF、DMSO、NMPなどの非プロトン性極性有機溶媒の場合には、透液後の半透膜スキン層が僅かに膨潤している様子が見られた。
ろ過後の支持層を肉眼で観察したところ、いずれも収縮、膨潤などはなく、劣化の様子は見られなかった。このことは、ポリケトン多孔膜を支持層とする本発明の複合膜が、様々な有機溶媒をろ過する膜として好適であることを示す結果である。
表3の結果からはさらに、本発明の複合膜を用いると、水および有機溶剤の透過性の差を利用して、2種類以上の溶剤が混合した溶液から、一方の有機溶剤を選択的に抽出することも可能となることが理解される。
[各種有機溶剤における阻止率評価]
<実施例Y1〜Y5>
実施例1と同様にして得た複合半透膜1を介して、表4に示す各種の原液(メチルオレンジ(Mw=327)を含む水および有機溶剤)を0.5MPaの条件で加圧ろ過し、加圧後3時間以上経過した後の透過液を10mL採取した。ろ過前の原液とろ過後の透過液のメチルオレンジの濃度を紫外可視吸光光度計にて比較し、阻止率を求めた。
結果を表4に示した。
Figure 2017205740
表4に示すとおり、DMF、DMSO、およびアルコールを用いたときには高い阻止率であった。このことから、有機溶媒を含む液体を、本発明の複合膜を用いる逆浸透方式によって精製できることが示唆された。
<実施例Z1>
実施例1と同様にして得た複合膜1を介して、10nmコロイダルシリカ(1ppm)を混合したDMF溶液を0.5MPaの条件で加圧ろ過し、加圧後3時間以上経過した後の透過液を100mL採取した。
ろ過前の原液とろ過後の透過液のコロイダルシリカの濃度をICP−MSにて測定し、比較することにより、コロイダルシリカの阻止率を求めた。コロイダルシリカの阻止率は99%以上であった。
以上、本発明の実施の形態について説明してきた。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の複合膜は、耐圧性が高く、水の透過性に優れ、例えば、海水の淡水化、かん水の脱塩、排水処理、各種有価物の濃縮、オイル・ガスの掘削における随伴水の処理、浸透圧の異なる2液を利用する発電、糖類、肥料、冷媒などの希釈などに、好適に用いることができる。本発明の複合膜は、有機性化合物に対して十分な耐久性および高い透液性を示し、微粒子ないし分子サイズの異物に対しても高い除去性能を持つことから、例えば、有機溶媒を含む液体の精製、製造などにも好適に用いることができる。
本発明の複合膜は、例えば、10nm以下の微粒子、ウイルス、分子サイズの異物などの除去が必要とされる分野(例えば液晶、半導体製造プロセス、製薬プロセスなど)に使用する水、液体医薬品、レジスト溶液、その他の薬液、溶剤などの液体の精製にも好適に用いることができる。

Claims (12)

  1. 多孔性支持層と、該多孔性支持層上の半透膜の性能を有する層と、を有する複
    合膜であって、
    前記多孔性支持層が、下記条件(1)および(2):
    (1)円相当径が1μm以上である孔の割合が30%未満であること、および
    (2)膜厚が100μm以上であること、
    を満足することを特徴とする、前記複合膜。
  2. 前記半透膜の性能を有する層が、酢酸セルロース膜、ポリアミド膜、ポリビニルアルコール/ポリピペラジンアミド複合膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリピペラジンアミド膜、およびポリイミド膜から選択される少なくとも1種を含む薄膜層である、請求項1に記載の複合膜。
  3. 支持層が平板状である、請求項1または2に記載の複合膜。
  4. 支持層が、内径/外径の比が0.4以下の中空糸状である、請求項1または2に記載の複合膜。
  5. 前記多孔性支持層がポリケトン多孔膜である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合膜を有することを特徴とする、正浸透処理システム。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合膜を有することを特徴とする、逆浸透処理システム。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合膜を有することを特徴とする、濾過システム。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載のシステムを用いることを特徴とする、造水方法。
  10. 請求項6〜8のいずれか一項に記載のシステムを用いることを特徴とする、有機化合物の精製方法。
  11. 請求項6〜8のいずれか一項に記載のシステムを用いることを特徴とする、含水物の濃縮方法。
  12. 請求項6に記載の正浸透処理システムを用いることを特徴とする、発電方法。
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