JP2017199847A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型に構成することが可能でかつ外部からの衝撃によって絶縁破壊が発生してしまうことが抑制できる積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】積層セラミックコンデンサは、積層体10と、積層体10の外表面の一部を覆う第1外部電極20Aと、積層体10の外表面の他の一部を覆う第2外部電極20Bとを備える。第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bの各々は、樹脂成分および金属成分の混合物からなるとともに積層体10の外表面を覆う導電性樹脂層21と、導電性樹脂層21の端部を除く部分の外表面を覆う第1被覆金属層22とを含む。【選択図】図2
Description
本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、特に、外部電極に導電性樹脂層を含んでなる積層セラミックコンデンサに関する。
従来、外部電極に導電性樹脂層を含んだ積層セラミックコンデンサが知られている。たとえば、特開2006−229077号公報には、積層セラミックコンデンサが実装された配線基板が熱衝撃を受けて変形した場合に、積層セラミックコンデンサに外力が加わることでクラックが発生してしまうことを防止する目的で、外部電極に導電性樹脂層が設けられてなる積層セラミックコンデンサが開示されている。
ここで、上記特許文献1に開示の積層セラミックコンデンサにおいては、複数の誘電体層と複数の内部電極層とによって構成される積層体の外表面の一部を覆うように焼結金属層からなる下地導電層が設けられ、当該下地導電層の外表面を覆うように樹脂成分および金属成分の混合物からなる導電性樹脂層が設けられ、さらに当該導電性樹脂層の外表面を覆うように金属めっき層からなる被覆導電層が設けられることにより、これら下地導電層/導電性樹脂層/被覆導電層にて外部電極が形成されるように構成されている。
このように外部電極に導電性樹脂層が含まれるように構成することにより、基板が受けた熱衝撃によって積層セラミックコンデンサの積層体に加わることとなる外力が当該導電性樹脂層によって吸収されて緩和されることになるため、積層体にクラックが発生することが抑制可能になり、結果として積層セラミックコンデンサに絶縁破壊が発生してしまうことが抑制できることになる。
しかしながら、近年の積層セラミックコンデンサに対する小型化の要請に従い、上記特許文献1に開示される如くの下地導電層/導電性樹脂層/被覆導電層からなる外部電極を備えた積層セラミックコンデンサにおいて、このうちの導電性樹脂層の厚みを薄型化した場合には、下地導電層の外表面の全域を万遍なく導電性樹脂層によって覆うことが困難になってしまい、結果として上述したクラックの発生が十分には抑制しきれず、積層セラミックコンデンサに絶縁破壊が発生してしまう問題が起きている。
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、小型に構成することが可能でかつ外部からの衝撃によって絶縁破壊が発生してしまうことが抑制できる積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明に基づく積層セラミックコンデンサは、積層体と、第1外部電極と、第2外部電極とを備えている。上記積層体は、積層された複数の誘電体層と複数の内部電極層とを含んでおり、積層方向において相対する第1主面および第2主面と、上記積層方向に直交する幅方向において相対する第1側面および第2側面と、上記積層方向および上記幅方向の両方に直交する長さ方向において相対する第1端面および第2端面とを外表面として有している。上記第1外部電極は、上記積層体の上記外表面の一部を覆っており、上記第2外部電極は、上記積層体の上記外表面の他の一部を覆っている。上記第1外部電極および上記第2外部電極の各々は、樹脂成分および金属成分の混合物からなるとともに上記積層体の上記外表面を覆う導電性樹脂層と、上記導電性樹脂層の端部を除く部分の外表面を覆う第1被覆金属層とを含んでいる。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記第1外部電極および上記第2外部電極の各々が、上記第1被覆金属層の外表面と、上記導電性樹脂層の上記端部の外表面とを覆う第2被覆金属層をさらに含んでいることが好ましい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記第1外部電極に含まれる上記導電性樹脂層および上記第1被覆金属層が、上記第1端面から、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面の各々の一部に亘って設けられていてもよく、また、上記第2外部電極に含まれる上記導電性樹脂層および上記第1被覆金属層が、上記第2端面から、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面の各々の一部に亘って設けられていてもよい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記第1外部電極に含まれる上記導電性樹脂層のうち、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面を覆う部分の上記長さ方向の寸法と、上記第1外部電極に含まれる上記第1被覆金属層のうち、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面を覆う部分の上記長さ方向の寸法とが、実質的に同じであってもよく、その場合には、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面を覆う部分の上記第1外部電極の上記端部において、上記導電性樹脂層の上記長さ方向に交差する外表面部分のみが、上記第1被覆金属層から露出していればよい。また、上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記第2外部電極に含まれる上記導電性樹脂層のうち、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面を覆う部分の上記長さ方向の寸法と、上記第2外部電極に含まれる上記第1被覆金属層のうち、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面を覆う部分の上記長さ方向の寸法とが、実質的に同じであってもよく、その場合には、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面を覆う部分の上記第2外部電極の上記端部において、上記導電性樹脂層の上記長さ方向に交差する外表面部分のみが、上記第1被覆金属層から露出していればよい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記導電性樹脂層の上記端部における厚みが、40μm以上100μm以下であることが好ましい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記第1外部電極に含まれる上記導電性樹脂層が、上記第1端面から、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面の各々の一部に亘って設けられていてもよく、その場合には、上記第1外部電極に含まれる上記第1被覆金属層が、上記第1端面のみに設けられていてもよい。また、上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記第2外部電極に含まれる上記導電性樹脂層が、上記第2端面から、上記第1主面、上記第2主面、上記第1側面および上記第2側面の各々の一部に亘って設けられていてもよく、その場合には、上記第2外部電極に含まれる上記第1被覆金属層が、上記第2端面のみに設けられていてもよい。
本発明によれば、小型に構成することが可能でかつ外部からの衝撃によって絶縁破壊が発生してしまうことが抑制できる積層セラミックコンデンサを提供することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサの概略的な斜視図である。また、図2および図3は、それぞれ図1中に示すII−II線およびIII−III線に沿った積層セラミックコンデンサの模式的な断面図であり、図4は、図2に示す要部の拡大断面図である。まず、これら図1ないし図4を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサの概略的な斜視図である。また、図2および図3は、それぞれ図1中に示すII−II線およびIII−III線に沿った積層セラミックコンデンサの模式的な断面図であり、図4は、図2に示す要部の拡大断面図である。まず、これら図1ないし図4を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aの構成について説明する。
図1ないし図3に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aは、略直方体状の外形を有しており、積層体10と、第1外部電極20Aと、第2外部電極20Bとを備えている。
積層体10は、略直方体状の外形を有している。積層体10は、積層された複数の誘電体層11と複数の内部電極層12とを含んでいる。積層体10は、複数の誘電体層11と複数の内部電極層12との積層方向Tにおいて相対する第1主面10a1および第2主面10a2と、積層方向Tに直交する幅方向Wにおいて相対する第1側面10b1および第2側面10b2と、積層方向Tおよび幅方向Wの双方に直交する長さ方向Lにおいて相対する第1端面10c1および第2端面10c2とを含んでいる。
ここで、上述のように積層体10の外形は略直方体状であるが、積層体10の角部および稜線部には丸みがつけられていることが好ましい。角部は、積層体10の3面が交わる部分であり、稜線部は、積層体10の2面が交わる部分である。また、第1主面10a1、第2主面10a2、第1側面10b1、第2側面10b2、第1端面10c1および第2端面10c2の少なくともいずれか1つに、凹凸が形成されていてもよい。
積層体10の積層方向Tにおける寸法は、900μm以上1300μm以下であることが好ましい。積層体10の積層方向Tの寸法、幅方向Wの寸法および長さ方向Lの寸法は、それぞれマイクロメータを用いることにより、または、積層体10を顕微鏡によって観察することにより、測定することができる。なお、積層体10においては、長さ方向Lの寸法が必ずしも幅方向Wの寸法より大きいとは限らない。
積層体10は、積層方向Tにおいて、内層部と一対の外層部とに区分される。一対の外層部は、積層体10の第1主面10a1および第2主面10a2にそれぞれ隣接して位置している。一対の外層部のうちの一方は、第1主面10a1とこの第1主面10a1に最も近い内部電極層12との間に位置する誘電体層11で構成されている。一対の外層部のうちの他方は、第2主面10a2とこの第2主面10a2に最も近い内部電極層12との間に位置する誘電体層11で構成されている。内層部は、一対の外層部に挟まれた領域である。すなわち、内層部は、外層部を構成しない複数の誘電体層11と、全ての内部電極層12とから構成されている。
上述した外層部および内層部を構成する複数の誘電体層11の積層枚数は、50枚以上2000枚以下であることが好ましい。一対の外層部の各々の厚みは、80μm以上300μm以下であることが好ましい。内層部の厚みは、30μm以上700μm以下であることが好ましい。内層部に含まれる複数の誘電体層11の各々の厚みは、1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。
誘電体層11は、BaまたはTiを含むペロブスカイト型化合物で構成されている。誘電体層11を構成する材料としては、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分に、当該主成分よりも含有量の少ない副成分として、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物、Al化合物、V化合物または希土類化合物などが添加された材料を誘電体層11を構成する材料とし用いてもよい。
誘電体セラミックの作製方法としては、固相法、水熱合成法または加水分解法などの公知の方法を採用することができる。誘電体セラミックが、Baを含む場合にはBaCO3などのBa化合物、Tiを含む場合にはTiO2などのTi化合物、Caを含む場合にはCaCO3などのCa化合物が、誘電体セラミックを作製する際に好適に用いられる。
複数の内部電極層12は、第1外部電極20Aに電気的に接続された複数の第1内部電極層と、第2外部電極20Bに電気的に接続された複数の第2内部電極層とを含んでいる。
複数の内部電極層12の積層枚数は、20枚以上2000枚以下であることが好ましい。複数の内部電極層12の各々の厚みは、0.5μm以上1.5μm以下であることが好ましい。複数の内部電極層12の各々が誘電体層11を隙間なく覆っている被覆率は、60%以上95%以下であることが好ましい。
第1内部電極層および第2内部電極層の各々は、平面視した場合に略矩形状の形状を有している。第1内部電極層と第2内部電極層とは、積層体10の積層方向Tにおいて等間隔に交互に配置されている。また、第1内部電極層と第2内部電極層とは、誘電体層11を間に挟んで互いに対向するように配置されている。
第1内部電極層および第2内部電極層の各々は、互いに対向している対向電極部と、対向電極部から積層体10の第1端面10c1または第2端面10c2側に向けて引き出されている引出電極部とから構成されている。第1内部電極層の引出電極部は、対向電極部から積層体10の第1端面10c1側に向けて引き出されており、第2内部電極層の引出電極部は、対向電極部から積層体10の第2端面10c2側に向けて引き出されている。
ここで、内層部に含まれる誘電体層11が対向電極部同士の間に位置しているため、これによって静電容量が形成されることになり、当該部分においてコンデンサの機能が生じることになる。
内部電極層12を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、PdおよびAuからなる群より選ばれる1種の金属、または、当該群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む合金を用いることができる。合金としては、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。内部電極層12は、誘電体層11に含まれる誘電体セラミックと同一組成系の誘電体の粒子を含んでいてもよい。
積層体10は、積層方向Tから見て、対向電極部と第1側面10b1との間に位置する第1側面側ギャップ部と、対向電極部と第2側面10b2との間に位置する第2側面側ギャップ部とを有している。第1側面側ギャップ部および第2側面側ギャップ部の幅方向Wにおける大きさは、400μm以上1900μm以下であることが好ましい。
また、積層体10は、積層方向Tから見て、対向電極部と第1端面10c1との間に位置する第1端面側ギャップ部と、対向電極部と第2端面10c2との間に位置する第2端面側ギャップ部とを有している。第1端面側ギャップ部および第2端面側ギャップ部の長さ方向Lにおける大きさは、900μm以上3500μm以下であることが好ましい。なお、上述した第1内部電極層の引出電極部は、第1端面側ギャップ部に含まれており、上述した第2内部電極層の引出電極部は、第2端面側ギャップ部に含まれている。
ここで、複数の誘電体層および複数の内部電極層の各々の厚みは、以下に示す方法によって求めた平均厚みとして測定できる。
まず、研磨によって露出させた積層体の長さ方向Lと直交する断面を走査型電子顕微鏡にて観察する。次に、積層体の断面の中心を通る積層方向Tに沿った中心線およびこの中心線から両側に等間隔に2本ずつ引いた線の合計5本の線上における誘電体層または内部電極層の厚みをそれぞれ測定する。こうして得られた5つの測定値の平均値を算出し、当該平均値を誘電体層または内部電極層の平均厚みとする。より正確な平均厚みを求める場合には、積層方向Tにおける上部、中央部、下部のそれぞれについて上記5つの測定値を測定し、それらの平均値を平均厚みとする。
第1外部電極20Aは、積層体10の外表面の一部を覆うように設けられている。より具体的には、第1外部電極20Aは、積層体10の第1端面10c1から、第1主面10a1、第2主面10a2、第1端面10c1および第2端面10c2の各々の一部に亘って設けられている。
なお、本実施の形態においては、第1外部電極20Aを構成する後述する導電性樹脂層21、第1被覆金属層22および第2被覆金属層23のいずれもが、積層体10の第1端面10c1から、第1主面10a1、第2主面10a2、第1端面10c1および第2端面10c2の各々の一部に亘って設けられている。
第2外部電極20Bは、積層体10の外表面のうちの第1外部電極20Aが設けられた部分とは異なる他の一部を覆うように設けられている。より具体的には、第2外部電極20Bは、積層体10の第2端面10c2から、第1主面10a1、第2主面10a2、第1端面10c1および第2端面10c2の各々の一部に亘って設けられている。
なお、本実施の形態においては、第2外部電極20Bを構成する後述する導電性樹脂層21、第1被覆金属層22および第2被覆金属層23のいずれもが、積層体10の第2端面10c2から、第1主面10a1、第2主面10a2、第1端面10c1および第2端面10c2の各々の一部に亘って設けられている。
第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bの各々は、導電性樹脂層21と、第1被覆金属層22と、第2被覆金属層23とを含んでいる。導電性樹脂層21は、樹脂成分および金属成分の混合物からなり、積層体10の外表面を覆っている。第1被覆金属層22は、焼結金属層または薄膜金属層のいずれか、あるいはその両方を含んでおり、導電性樹脂層21の端部を除く部分の外表面を覆っている。第2被覆金属層23は、めっき層からなり、第1被覆金属層22の外表面と導電性樹脂層21の上記端部の外表面とを覆っている。
導電性樹脂層21は、樹脂成分として、熱硬化性樹脂を含んでいることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂またはポリイミド樹脂など、公知の種々のものが使用できる。特に、エポキシ樹脂は、耐熱性、耐湿性、密着性などにおいて優れているため、これを熱硬化性樹脂として使用することが好ましい。
また、導電性樹脂層21は、上述した熱硬化性樹脂とともに硬化剤を含んでいることが好ましい。硬化剤としては、たとえば熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合には、フェノール系化合物、アミン系化合物、酸無水物系化合物、イミダゾール系化合物など、公知の種々のものが使用できる。
導電性樹脂層21は、1種類からなる金属成分を含んでいてもよいし、複数種類からなる金属成分を含んでいてもよい。金属成分は、導電性樹脂層21として積層体10上に形成される前の導電性樹脂ペーストに、たとえば金属粉として含まれている。当該金属粉の形状は、特に限定されるものではないが、たとえば球状の金属粉や偏平状の金属粉が好適に使用できる。また、金属粉の粒径も特に限定されるものではないが、たとえば平均粒径が0.3μm以上10μm以下の金属粉が好適に使用できる。
本実施の形態においては、導電性樹脂層21が、金属成分として、第1金属成分と第2金属成分の2種類の金属成分を含んでいる。第1金属成分は、第2金属成分に比較して融点が低い金属成分であり、第2金属成分は、第1金属成分に比較して融点が高い金属成分である。第1金属成分の融点は、たとえば550℃以下であることが好ましく、180℃以上340℃以下であることがさらに好ましい。第2金属成分の融点は、たとえば850℃以上1050℃以下であることが好ましい。
第1金属成分は、たとえばSn、In、Biからなる群より選ばれる1種の金属、または、当該群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む合金からなる。特に、第1金属成分は、Snであるか、またはSnを含む合金であるか、のいずれかであることが好ましい。Snを含む合金としては、たとえばSnとAgとの合金、SnとBiとの合金、SnとAgとCuとの合金などが挙げられる。
第1金属成分は、積層セラミックコンデンサ1Aの製造の際の熱処理時において、比較的低い温度で軟化して流動し、積層体に含まれた内部電極層を構成する金属と合金化して化合物を形成する。これにより、導電性樹脂層と内部電極層との接合強度を高めることが可能になる。
第2金属成分は、たとえばCu、Ag、Pt、Auからなる群より選ばれる1種の金属、または、当該群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む合金からなる。特に、第2金属成分は、Cuであるか、またはAgであるか、のいずれかであることが好ましい。
第2金属成分は、主として導電性樹脂層21の通電性を担う。具体的には、第2金属成分同士が接触するか、あるいは第2金属成分と第1金属成分とが接触することにより、導電性樹脂層21の内部に通電経路が形成されることになる。
導電性樹脂層21における第1金属成分、第2金属成分および樹脂成分の合計重量に対する第1金属成分の含有量は、5重量%以上40重量%以下であることが好ましく、9.8重量%以上31.5重量%以下であることがより好ましい。樹脂成分の含有量が少なすぎると、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bにおける応力緩和効果が低下し、外力が加わった場合の衝撃吸収性が低下してしまう場合がある。一方で、樹脂成分の含有量が多すぎると、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bの導電率が低下し、積層セラミックコンデンサ1Aの等価直列抵抗(ESR)が高くなる場合がある。
また、導電性樹脂層21における第1金属成分、第2金属成分および樹脂成分の合計重量に対する第1金属成分の含有量は、20重量%以上40重量%以下であることが好ましく、22重量%以上37.2重量%以下であることがより好ましい。第1金属成分の含有量が少なすぎると、積層体10と導電性樹脂層21との接合強度を十分に確保できない場合がある。一方で、第1金属成分の含有量が多すぎると、導電性樹脂層21に残存する未反応の第1金属成分の量が多くなり、たとえばリフロー時に加わる熱によって導電性樹脂層21が変形してしまう場合がある。
導電性樹脂層21における第1金属成分、第2金属成分および樹脂成分の合計重量に対する第2金属成分の含有量は、30重量%以上70重量%以下であることが好ましく、41.2重量%以上64重量%以下であることがより好ましい。第2金属成分の含有量が少なすぎると、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bの導電率が低下し、積層セラミックコンデンサ1Aの等価直列抵抗(ESR)が高くなる場合がある。一方で、第2金属成分の含有量が多すぎると、その分だけ樹脂の含有量が少なくなるため、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bにおける応力緩和効果が低下し、外力が加わった場合の衝撃吸収性が低下してしまう場合がある。
なお、導電性樹脂層21の厚みは、40μm以上100μm以下であることが好ましい。このように構成すれば、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bが薄型化できるため、積層セラミックコンデンサ1Aを小型に構成することができる。
第1被覆金属層22は、上述したように、焼結金属層または薄膜金属層のいずれかにて構成されているか、あるいはその両方を含むように構成されている。第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bが、第1被覆金属層22を含むことにより、特に積層体10の第1端面10c1および第2端面10c2側から積層体10の内部に水分が侵入することが抑制でき、積層セラミックコンデンサ1Aの耐湿性を向上させることができる。
焼結金属層は、金属成分とガラス成分とを含んでいる。金属成分は、たとえばCu、Ni、Ag、Pd、Auからなる群より選ばれる1種の金属、または、当該群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む合金からなる。合金としては、たとえばAgとPdとの合金などが挙げられる。ガラス成分は、Si、Ca、Al、Baからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むガラスからなる。
焼結金属層は、複数層にわたって積層されたものであってもよい。また、焼結金属層は、内部電極層を焼成した後に焼き付けられることが好ましい。
焼結金属層の厚みは、その最も厚い部分で40μm以上100μm以下であることが好ましい。
薄膜金属層は、スパッタ法または蒸着法などの薄膜形成法によって形成されるものであり、金属粒子が堆積された厚みが1μm以上の層である。
薄膜金属層は、その成膜時において、上述した焼結金属層よりも熱が加わり難い成膜方法を用いて製膜できるため、第1被覆金属層としてより好適に利用が可能である。
ここで、第1被覆金属層22は、導電性樹脂層21の端部を除く部分の外表面を覆っており、導電性樹脂層21の端部の外表面は、当該第1被覆金属層22から露出している。このように構成することにより、積層セラミックコンデンサ1Aに外力が加わった場合の第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bによる応力緩和効果を高めることができるが、その詳細については、後述することとする。
第2被覆金属層23は、上述したように、めっき層からなる。第2被覆金属層23は、第1被覆金属層22の外表面と、導電性樹脂層21の端部の外表面とを覆っている。
第2被覆金属層23は、単層のめっき層にて構成されていてもよいし、複数層のめっき層にて構成されていてもよい。めっき層としては、たとえばCu、Ni、Ag、Pd、Auからなる群より選ばれる1種の金属、または、当該群より選ばれる少なくとも1種の金属を含むものが使用できる。合金としては、たとえばAgとPdとの合金などが挙げられる。
第2被覆金属層23は、好ましくは2層のめっき層にて構成され、第1被覆金属層22の外表面および導電性樹脂層21の端部の外表面を覆うNiを含むめっき層と、当該Niを含むめっき層の外表面を覆うSnを含むめっき層にて構成されていることがより好ましい。
第1被覆金属層22の外表面および導電性樹脂層21の端部の外表面を覆うようにNiを含むめっき層を形成することにより、積層セラミックコンデンサ1Aを実装する際に、実装に用いられる半田によって第1被覆金属層22および導電性樹脂層21が侵食されることを防止することができる。
また、Niを含むめっき層の外表面を覆うようにSnを含むめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサ1Aを実装する際に、実装に用いられる半田の濡れ性を向上させることができ、容易に積層セラミックコンデンサ1Aを実装することが可能になる。
なお、第2被覆金属層23を構成するめっき層の一層当たりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
以下、図2および図4を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aにおける第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bの端部の構成について詳細に説明する。なお、図4においては、積層体10の第1主面10a1上に位置する部分の第1外部電極20Aの端部を図示しているが、第1外部電極20Aの他の部分の端部および第2外部電極20Bの端部についても同様の構成を有している。
図2を参照して、上述したように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aにおいては、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bの各々が、導電性樹脂層21/第1被覆金属層22/第2被覆金属層23からなる積層膜にて構成されており、このうちの第1被覆金属層22が、導電性樹脂層21の端部を除く部分の外表面を覆っている。
これにより、図4に示すように、導電性樹脂層21の端部の外表面21aは、第1被覆金属層22によって覆われることがなく、第1被覆金属層22から露出している。なお、本実施の形態においては、上述したように、第1被覆金属層22の外表面を覆うように第2被覆金属層23が設けられているため、当該導電性樹脂層21の端部の外表面21aは、第2被覆金属層23によって覆われている。
このように構成することにより、第1被覆金属層22が、積層体10に直接的に接触する部分がなくなる。換言すれば、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bの各々の内部において、第1被覆金属層22と積層体10との間に必ず導電性樹脂層21が介在することになる。
ここで、導電性樹脂層21は、上述した樹脂成分を多く含んでいるため、焼結金属層や薄膜金属層、めっき層に比べて柔軟性に富んでおり、自身が弾性変形することで応力を緩和する作用を有している。また、導電性樹脂層21により大きな外力が加わった場合にも、当該導電性樹脂層21の内部において凝集破壊を起こることになり、結果として応力が緩和されることになる。
そのため、当該積層セラミックコンデンサ1Aが実装された基板が熱衝撃を受けた場合に、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bを介して積層体10に加わることとなる外力が、導電性樹脂層21によって効果的に吸収されて緩和されることになる。
ここで、仮に導電性樹脂層21の全体が第1被覆金属層22によって覆われている場合には、第1被覆金属層22が導電性樹脂層21の端部の外側において積層体10に直接的に接触することになる。その場合には、基板が熱衝撃を受けた場合に、積層体10と第1被覆金属層22との接触部において応力集中が発生し、そのため当該部分を起点に積層体10にクラックが発生し易くなってしまう。
しかしながら、本実施の形態においては、上述したように導電性樹脂層21によって積層体10に加わる外力が吸収されることになり、このようなクラックの発生を抑制することができる。そのため、積層体10にクラックが発生することが抑制可能になり、結果として積層セラミックコンデンサ1Aに絶縁破壊が発生してしまうことが抑制できることになる。
なお、本実施の形態においては、第1被覆金属層22の外表面および導電性樹脂層21の端部を除く部分の外表面が第2被覆金属層23によって覆われているため、第2被覆金属層23が導電性樹脂層21の端部の外側において積層体10に直接的に接触している。しかしながら、当該第2被覆金属層23は、上述したように十分に薄いめっき膜にて構成されているため、積層体10と第2被覆金属層23との接触部において応力集中が発生することはなく、当該部分を起点に積層体10にクラックが発生することもない。
したがって、以上において説明した本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aとすることにより、小型に構成することが可能でかつ外部からの衝撃によって絶縁破壊が発生してしまうことが抑制できる積層セラミックコンデンサとすることができる。
さらには、上述したように、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bが、いずれも焼結金属層または薄膜金属層あるいはこれらの両方からなる第1被覆金属層22を含んでいるため、積層体10の内部に水分が侵入することが効果的に抑制できることになり、耐湿性に優れた積層セラミックコンデンサとすることができる。
なお、図4に示すように、積層体10の第1端面10c1を基準とした場合に、導電性樹脂層21のうち、第1主面10a1、第2主面10a2、第1側面10b1および第2側面10b2を覆う部分の長さ方向Lの寸法L1は、第1被覆金属層22のうち、第1主面10a1、第2主面10a2、第1側面10b1および第2側面10b2を覆う部分の長さ方向Lの寸法L2よりも大きいことが好ましい(すなわち、L2<L1)。
また、積層体10の第1端面10c1を基準とした場合に、導電性樹脂層21の上記寸法L1は、第2被覆金属層23のうち、第1主面10a1、第2主面10a2、第1側面10b1および第2側面10b2を覆う部分の長さ方向Lの寸法L3よりも小さいことが好ましい(すなわち、L1<L3)。
このように構成することにより、上述した導電性樹脂層21による応力緩和機能が確実に得られることになる。
しかしながら、導電性樹脂層21の上記寸法L1は、第1被覆金属層22の上記寸法L2よりも必ずしも大きくなくてもよい。図5は、本実施の形態に基づいた変形例に係る積層セラミックコンデンサの要部の拡大断面図である。
図5に示す変形例に係る積層セラミックコンデンサ1A1においては、積層体10の第1端面10c1を基準とした場合に、導電性樹脂層21の上記寸法L1が、第1被覆金属層22の上記寸法L2と実質的に同じ大きさを有している(すなわち、L2≒L1)。
このように構成した場合にも、導電性樹脂層21の端部において、当該導電性樹脂層21の長さ方向Lに交差する外表面部分21bが、第1被覆金属層22によって覆われることなく第1被覆金属層22から露出することになる。すなわち、導電性樹脂層21の端部において、その厚み分だけ導電性樹脂層21が第1被覆金属層22から露出することになるため、上述した効果が得られることになる。
ここで、導電性樹脂層21の上記寸法L1、第1被覆金属層22の上記寸法L2、および第2被覆金属層23の上記寸法L3は、積層セラミックコンデンサ1AをDPA研磨し、研磨後の断面においてそれぞれの寸法を測定することで確認することができる。
図6は、本実施の形態における積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフロー図である。以下、この図6を参照して、上述した本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aの製造方法について説明する。
図6に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aを製造するに際しては、まず、セラミック誘電体スラリーが調製される(工程S1)。具体的には、セラミック誘電体粉末、添加粉末、バインダ樹脂および溶剤などが混合され、これによりセラミック誘電体スラリーが調製される。
次に、セラミック誘電体シートが形成される(工程S2)。具体的には、セラミック誘電体スラリーがキャリアフィルム上においてダイコータ、グラビアコータまたはマイクログラビアコータなどを用いてシート状に成形されて乾燥されることにより、セラミック誘電体シートが形成される。
次に、マザーシートが形成される(工程S3)。具体的には、セラミック誘電体シートに導電性ペーストが所定のパターンを有するように塗布されることにより、セラミック誘電体シート上に所定の内部電極パターンが設けられたマザーシートが形成される。なお、マザーシートとしては、内部電極パターンを有するマザーシートの他に、上記工程S3を経ていないセラミック誘電体シートも準備される。
次に、マザーシートが積層される(工程S4)。具体的には、内部電極パターンが形成されていないマザーシートが、所定枚数積層される。その上に、内部電極パターンがセラミック誘電体シート上に形成されたマザーシートが順次積層される。さらにその上に、内部電極パターンが形成されていないマザーシートが、所定枚数積層される。これにより、マザーシート群が形成される。
次に、マザーシート群が圧着される(工程S5)。具体的には、静水圧プレスまたは剛体プレスによってマザーシート群が積層方向に加圧されて圧着される。これにより、誘電体ブロックが形成される。
次に、誘電体ブロックが分断される(工程S6)。具体的には、押し切りまたはダイシングによって誘電体ブロックがマトリックス状に分断される。これにより、誘電体ブロックが、複数のチップに個片化される。
次に、チップのバレル研磨が行なわれる(工程S7)。具体的には、チップが、バレルと呼ばれる小箱内に誘電体材料より硬度の高いメディアボールとともに封入され、当該バレルを回転させることにより、チップの研磨が行なわれる。これにより、チップの角部および稜線部に丸みがつけられる。
次に、チップの焼成が行なわれる(工程S8)。具体的には、チップが加熱され、これによりチップに含まれる誘電体材料および導電性材料が焼成され、積層体10が形成される。焼成温度は、誘電体材料および導電性材料に対応して適宜設定されるが、たとえば900℃以上1300℃であることが好ましい。
次に、外部電極が形成される(工程S9)。具体的には、導電性樹脂層21、第1被覆金属層22、第2被覆金属層23の順に積層体10に成膜が行なわれる。
導電性樹脂層21の成膜に際しては、積層体10の第1端面10c1および第2端面10c2を覆うように導電性樹脂ペーストが塗布され、たとえば250℃以上550℃以下の温度で熱処理が行なわれ、これにより導電性樹脂ペーストに含まれる樹脂成分が硬化させられる。
第1被覆金属層22の成膜に際しては、導電性樹脂層21の端部を除く部分の外表面を覆うように導電性ペーストが塗布され、その後たとえば500℃以上の温度で焼付けが行なわれることで焼結金属層が形成されるか、あるいは、導電性樹脂層21の端部を除く部分の外表面を覆うようにスパッタを行なうことで薄膜金属層が形成される。
第2被覆金属層23の成膜に際しては、第1被覆金属層22の外表面および導電性樹脂層21の端部を除く部分の外表面にNiを含むめっきおよびSnを含みめっきがこの順に施されてめっき層が形成される。
上述した一連の工程を経ることにより、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aが製造できることになる。
以下、上述した本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサ1Aを実際に作製し、これを基板に実装した上で当該基板に曲げを生じさせ、その際に積層体にクラックが発生したか否かを確認した検証試験およびその結果について説明する。
検証試験においては、実施例として、上述した本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサ1Aを10個作製し、比較例として、上述した実施の形態1における積層セラミックコンデンサ1Aと比較した場合に、導電性樹脂層と第1被覆金属層との積層順を入れ替えたものを10個製作した。
すなわち、実施例においては、第1外部電極および第2外部電極の端部を除く部分において、これら第1外部電極および第2外部電極を導電性樹脂層/第1被覆金属層/第2被覆金属層の順で積層された積層膜によって構成し、比較例においては、第1外部電極および第2外部電極を第1被覆金属層/導電性樹脂層/第2被覆金属層の順で積層した積層膜によって構成した。
なお、各サンプルの寸法は、長さ方向Lの寸法が3.2mmであり、積層方向Tの寸法および幅方向Wの寸法がいずれも1.6mmである。なお、第1被覆金属層は、いずれもCuからなる焼結金属層にてこれを形成した。
ここで、基板を押すための押し治具の先端の形状は、曲率半径が5.0mmの球面形状とし、基板としてはJIS基板を用いた。また、基板の曲げ量は、5.0mmとし、クラックの確認に際しては、各サンプルにDPA研磨を行なって研磨後の断面を顕微鏡によって観察することで行なった。
当該検証試験の結果、実施例に係る10個のサンプルについては、基板の曲げ後においていずれのサンプルにもクラックが発生していないことが確認できた。一方で、比較例に係る10個のサンプルについては、基板の曲げ後において6個のサンプルでクラックが発生していることが確認された。
当該検証試験の結果より、上述した本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサ1Aとすることにより、効果的にクラックの発生が抑制できることが実験的にも確認されたと言える。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における積層セラミックコンデンサの模式的な断面図である。以下、この図7を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bについて説明する。
図7は、本発明の実施の形態2における積層セラミックコンデンサの模式的な断面図である。以下、この図7を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bについて説明する。
図7に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bは、上述した実施の形態1における積層セラミックコンデンサ1Aと比較した場合に、第1被覆金属層22の形成位置においてのみ相違している。
具体的には、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bにおいては、第1外部電極20Aを構成する導電性樹脂層21、第1被覆金属層22および第2被覆金属層23のうち、導電性樹脂層21および第2被覆金属層23が、いずれも、積層体10の第1端面10c1から、第1主面10a1、第2主面10a2、第1端面10c1および第2端面10c2の各々の一部に亘って設けられている反面、第1被覆金属層22は、積層体10の第1端面10c1のみに設けられている。
そのため、第1外部電極20Aに含まれる導電性樹脂層21は、積層体10の第1端面10c1において第1被覆金属層22によって覆われることになり、積層体10の第1主面10a1、第2主面10a2、第1端面10c1および第2端面10c2の各々において第1被覆金属層22によって覆われることなく第1被覆金属層22から露出している。
また同様に、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bにおいては、第2外部電極20Bを構成する導電性樹脂層21、第1被覆金属層22および第2被覆金属層23のうち、導電性樹脂層21および第2被覆金属層23が、いずれも、積層体10の第2端面10c2から、第1主面10a1、第2主面10a2、第1端面10c1および第2端面10c2の各々の一部に亘って設けられている反面、第1被覆金属層22は、積層体10の第2端面10c2のみに設けられている。
そのため、第2外部電極20Bに含まれる導電性樹脂層21は、積層体10の第2端面10c2において第1被覆金属層22によって覆われることになり、積層体10の第1主面10a1、第2主面10a2、第1端面10c1および第2端面10c2の各々において第1被覆金属層22によって覆われることなく第1被覆金属層22から露出している。
このように構成した場合にも、第1外部電極20Aおよび第2外部電極20Bの各々が、導電性樹脂層21/第1被覆金属層22/第2被覆金属層23からなる積層膜にて構成されることになるとともに、このうちの第1被覆金属層22が、導電性樹脂層21の端部を除く部分の外表面を覆っていることになる。
したがって、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、小型に構成することが可能でかつ外部からの衝撃によって絶縁破壊が発生してしまうことが抑制できる積層セラミックコンデンサとすることができる。
なお、この場合においても、積層体10の第1端面10c1および第2端面10c2側から積層体10の内部に水分が侵入することが抑制できることになるため、積層セラミックコンデンサ1Bの耐湿性を相当程度に向上させることができる。
以上において説明した本発明の実施の形態ならびにその変形例において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて相互にその組み合わせが可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態ならびにその変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A,1A1,1B 積層セラミックコンデンサ、10 積層体、10a1 第1主面、10a2 第2主面、10b1 第1側面、10b2 第2側面、10c1 第1端面、10c2 第2端面、11 誘電体層、12 内部電極層、20A 第1外部電極、20B 第2外部電極、21 導電性樹脂層、22 第1被覆金属層、23 第2被覆金属層。
Claims (6)
- 積層された複数の誘電体層と複数の内部電極層とを含み、積層方向において相対する第1主面および第2主面と、前記積層方向に直交する幅方向において相対する第1側面および第2側面と、前記積層方向および前記幅方向の両方に直交する長さ方向において相対する第1端面および第2端面とを外表面として有する積層体と、
前記積層体の前記外表面の一部を覆う第1外部電極と、
前記積層体の前記外表面の他の一部を覆う第2外部電極とを備え、
前記第1外部電極および前記第2外部電極の各々が、樹脂成分および金属成分の混合物からなるとともに前記積層体の前記外表面を覆う導電性樹脂層と、前記導電性樹脂層の端部を除く部分の外表面を覆う第1被覆金属層とを含んでいる、積層セラミックコンデンサ。 - 前記第1外部電極および前記第2外部電極の各々が、前記第1被覆金属層の外表面と、前記導電性樹脂層の前記端部の外表面とを覆う第2被覆金属層をさらに含んでいる、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記第1外部電極に含まれる前記導電性樹脂層および前記第1被覆金属層が、前記第1端面から、前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の一部に亘って設けられ、
前記第2外部電極に含まれる前記導電性樹脂層および前記第1被覆金属層が、前記第2端面から、前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の一部に亘って設けられている、請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。 - 前記第1外部電極に含まれる前記導電性樹脂層のうち、前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面を覆う部分の前記長さ方向の寸法と、前記第1外部電極に含まれる前記第1被覆金属層のうち、前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面を覆う部分の前記長さ方向の寸法とが、実質的に同じであり、
前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面を覆う部分の前記第1外部電極の前記端部において、前記導電性樹脂層の前記長さ方向に交差する外表面部分のみが、前記第1被覆金属層から露出し、
前記第2外部電極に含まれる前記導電性樹脂層のうち、前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面を覆う部分の前記長さ方向の寸法と、前記第2外部電極に含まれる前記第1被覆金属層のうち、前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面を覆う部分の前記長さ方向の寸法とが、実質的に同じであり、
前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面を覆う部分の前記第2外部電極の前記端部において、前記導電性樹脂層の前記長さ方向に交差する外表面部分のみが、前記第1被覆金属層から露出している、請求項3に記載の積層セラミックコンデンサ。 - 前記導電性樹脂層の前記端部における厚みが、40μm以上100μm以下である、請求項4に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記第1外部電極に含まれる前記導電性樹脂層が、前記第1端面から、前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の一部に亘って設けられ、
前記第1外部電極に含まれる前記第1被覆金属層が、前記第1端面のみに設けられ、
前記第2外部電極に含まれる前記導電性樹脂層が、前記第2端面から、前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々の一部に亘って設けられ、
前記第2外部電極に含まれる前記第1被覆金属層が、前記第2端面のみに設けられている、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
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JP2021019010A (ja) * | 2019-07-17 | 2021-02-15 | Tdk株式会社 | 積層電子部品およびその実装構造 |
WO2024048932A1 (ko) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 삼성전자주식회사 | 다층 세라믹 캐패시터 및 이를 포함하는 전자 장치 |
-
2016
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