JP2017194493A - 光学機器用の遮熱膜、光学機器用の遮熱塗料、およびそれらを用いる光学機器 - Google Patents

光学機器用の遮熱膜、光学機器用の遮熱塗料、およびそれらを用いる光学機器 Download PDF

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【課題】本発明によれば、太陽光に対するより高い反射率を持ち、薄膜でも遮熱効果が高い位置精度が必要な光学機器用の遮熱膜、光学機器用の遮熱塗料、光学機器を提供する。【解決手段】本発明の光学機器用の遮熱膜は、少なくともd線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子とd線屈折率が1.32以上1.42以下の樹脂を含む光学機器用の遮熱膜であって、前記粒子の平均粒径が2μm以上5μm以下であり、全粒子に対する粒径が1.5μm以下の粒子の重量比が35質量%以下であることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、カメラやビデオ、放送機器などの光学機器のレンズ鏡筒や、その他の屋外で使用される可能性があるカメラ本体、ビデオ本体、監視カメラ、お天気カメラ等の光学機器に用いられる遮熱膜および遮熱塗料に関する。
遮熱膜とは、屋外で使用した際に太陽光による部材の温度上昇を抑制する機能を有する膜である。従来、太陽光による部材の温度上昇を抑制する方法としては、図1に示すように太陽による入射光1を赤外線反射膜4で反射光2として反射する方法が知られており、入射光1に対する反射光2の比率を大きくすることで、透過光3による発熱を抑制することが出来る。その他の遮熱方法としては赤外線反射膜4の替わりに熱伝導率が低い断熱層を設けたり、熱を外部に放出するための放熱層を設けたり、それらを組み合わせたりする方法がある。
一方、光学機器はピント調整等を行うため、位置精度が非常に重要な機器である。例えば、図2に示すように光学機器のレンズ鏡筒8はレンズ6およびその鏡筒カバー等から成っており、ピント調整のための摺動する嵌合部分7が設けられている。基材5の表層に遮熱膜9を設けることにより、光学機器が太陽光に暴露されても太陽光による光学機器の温度上昇を抑制し、焦点等の位置精度を保持することが出来る。
特許文献1には、レンズ鏡筒用の遮熱膜において、着色層、赤外線反射層および断熱層からなる膜が開示されている。特許文献1では、赤外線反射層だけでなく、膜厚が500μmから2000μmの断熱層を設けることにより遮熱効果を高めている。
特開2009−139856号公報
しかしながら、特許文献1のように膜厚が500μmから2000μmの断熱層を設けるとレンズ鏡筒の膜厚自体が厚くなり、摺動する嵌合部分の位置精度を十分に出すことが困難である。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、薄膜でも反射率が高く、太陽光による温度上昇が少ない光学機器用の遮熱膜、光学機器用の遮熱塗料、光学機器を提供するものである。
本発明の光学機器は、レンズと、内部に前記レンズを配置しているレンズ鏡筒とを有する光学機器であって、前記レンズ鏡筒の外周表面の少なくとも一部に遮熱膜を有し、前記遮熱膜は、d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子とd線屈折率が1.32以上1.42以下の樹脂とを有し、前記粒子は、平均粒径が2μm以上5μm以下であり、前記粒子における粒径が1.5μm以下の割合が35質量%以下であることを特徴とする。
本発明の遮熱膜は、d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子とd線屈折率が1.32以上1.42以下の樹脂とを有する遮熱膜であって、前記粒子は、平均粒径が2μm以上5μm以下であり、前記粒子における粒径が1.5μm以下の割合が35質量%以下であることを特徴とする。
本発明の遮熱塗料は、d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子とd線屈折率が1.32以上1.42以下の樹脂と、溶剤を有する遮熱塗料であって、前記粒子は、平均粒径が2μm以上5μm以下であり、前記粒子における粒径が1.5μm以下の割合が35質量%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、太陽光に対して高い反射率を持ち、薄膜でも遮熱効果が高いため、位置精度が必要な光学機器用の遮熱膜、光学機器用の遮熱塗料、光学機器を提供することが出来る。
基材5の上面に赤外線反射膜4を形成した際の太陽光の反射および吸収の状態を示す断面模式図である。 レンズ鏡筒8の断面模式図である。 粒子10と樹脂11界面の反射を示す断面模式図である。 分光光度計による反射率の測定形態模式図である。 温度の評価方法を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
まず、太陽光の反射率を向上するための方法を説明する。次に、太陽光の反射率を向上するための本発明の光学機器用の遮熱塗料、光学機器用の遮熱膜、光学機器について説明する。本発明の光学機器は、レンズと、内部に前記レンズを配置しているレンズ鏡筒を有し、前記レンズ鏡筒の外周表面の少なくとも一部に遮熱膜を有する。
本発明において、「粒径」とは、粒子の体積より換算した直径であり、レーザー回折式粘度分析計により求められる。
また、本発明における「平均粒径」には、メジアン径を用いた。
[太陽光の反射率向上のメカニズム]
太陽光の波長は約0.3μmから約3μmの範囲であり、これらの波長の光が図1に示すように透過光3となると熱エネルギーに変換され、基材5が発熱する。よって、断熱層なしに太陽光による発熱を抑制するためには、入射光1に対する反射光2の比率を出来るだけ上げて内部への光の透過による発熱を抑制する必要がある。
太陽光の波長である0.3μmから3μmの範囲は粒径が数μmの粒子に対してはMie散乱の領域であり、Mie散乱の計算を行うと粒径が約1μm付近において、太陽光の反射率が最も高くなる。このため、太陽光の反射粒子の粒径は1μm付近であるのが一般的である。尚、Mie散乱の計算についてはLight Scattering Theory(Department of Mechanical and Aerospace Engineering University of Florida; David W. Hahn)の式を用いた。
本発明者は、反射率の更なる向上について鋭意検討したところ、粒子の粒径、屈折率および粒度分布の範囲、更に樹脂の屈折率を適正な範囲とすることで、大きく反射率を向上させることが出来ることを見出した。
まず、d線屈折率が2.5以上3.2以下で平均粒径が2μm以上の粒子を用いると反射率が高くなることを見出した。この粒径はMie散乱の計算値の最適解である1μmより大きい。一般的なMie散乱の計算は入射光に対して、360°全ての方位の散乱の合計を計算する。しかし、入射光に対して実際に反射して膜外に出る光は後方散乱のみである。よって、粒径が大きい方が遮蔽効果が大きく前方散乱が少ないため、実際に反射率を向上するためには粒径が2μm以上である必要がある。また、平均粒径が5μmを超えると膜の凹凸が大きくなり膜厚精度が悪化する。従って、本願発明における上記粒子の平均粒径は2μm以上5μm以下となる。
更に、樹脂の屈折率と粒子の屈折率の間には相関があり、粒子のd線屈折率が2.5以上3.2以下に対して樹脂のd線屈折率が1.32以上1.42以下で最も反射率が高くなることを見出した。図3に示すように樹脂11の屈折率が高いと粒子10との屈折率差が小さくなり入射光1に対する反射光2の量が減少するが、樹脂11の屈折率が低くなりすぎると粒子10との屈折率差が広がりすぎて粒子10内に入った光が粒子内での反射12を繰り返して樹脂11側に出ることが出来ずに光が閉じ込められて逆に反射率が低下すると推測される。よって、粒子のd線屈折率が2.5以上3.2以下に対して樹脂のd線屈折率が1.32以上1.42以下で最も反射率を向上させることで温度低減効果を高めることが出来る。
[光学機器用の遮熱塗料]
以下に、本発明の光学機器用の遮熱塗料の材料構成および本発明の遮熱塗料の製造方法について説明する。
《材料構成》
本発明の光学機器用遮熱塗料は、少なくともd線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子と樹脂と溶剤を含む。
(d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子)
まず、本発明のd線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子について説明する。
本発明のd線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子には、最も好適な材料としてルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタンを用いることが出来る。また、色を調整する必要がある場合は、可視光領域に吸収を持つ酸化クロム、チタン、酸化銅、タングステン、白金、酸化鉄、ヘマタイト等を用いることができる。ただし、可視光から赤外領域での消衰係数が低い酸化チタンと比較して、特に可視光領域の消衰係数が高い材料は太陽光の反射率がやや低下する傾向にあるが、本発明の範囲に粒径を調整することでより高い太陽光の反射率を得ることが出来る。d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子は1種類を単独で用いても複数を混合してもよい。
本発明のd線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子は、平均粒径が2μm以上5μm以下である。平均粒径が2μm未満になると太陽光の反射率が低下する。また、平均粒径が5μmを超えると膜の凹凸が大きくなり膜厚精度が悪化する。
また、粒径が1.5μm以下の粒子が増加すると太陽光が通過する比率が増えるため、塗膜内での吸収が起こり太陽光の反射率が低下する。本願発明においては、d線屈折率が2.5以上3.2以下であって粒径が1.5μm以下の割合が35質量%以下になるように調整される。
また、本発明のd線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子はその粒子の表面が任意の有機材料や無機材料で被覆されていても構わない。また、形状は不定形であっても球形であっても燐片状であっても中空であっても構わないが、より好ましくは表面の凹凸が少ない形状である。
本発明のd線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子の含有量は、遮熱塗料に対して10重量%以上90重量%以下であることが好ましい。粒子の含有量が10重量%未満になると、基材まで到達する光が増加して太陽光の反射率が低下する。また、粒子の含有量が90重量%を超えると塗膜の脆性が悪化する。
(樹脂)
次に、本発明の樹脂について説明する。
本発明の樹脂は、d線屈折率が1.32以上1.42以下である。樹脂のd線屈折率が1.42を越えると樹脂と粒子の屈折率差が少ないために樹脂と粒子界面の反射率が低下する。また、樹脂のd線屈折率が1.32未満になると樹脂と粒子の屈折率差が大きくなりすぎて粒子内部へ透過した光が閉じ込められ太陽光が吸収されるため反射率が低下していく。
本発明のd線屈折率が1.32以上1.42以下の樹脂としては、その範囲に入る材料であれば任意の材料を用いることが出来るが、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、フッ素基を導入した樹脂が好ましい。シリコーン系樹脂の一例としては、メチル系、メチル/フェニル系、プロピル/フェニル系、エポキシ樹脂変性、アルキッド樹脂変性、ポリエステル樹脂変性、ゴム系、それらのレジンやオリゴマー等が挙げられる。また、樹脂の屈折率を調整するために粒径が100nm以下の低屈折率粒子を混合して用いても構わない。低屈折率粒子としては、有機粒子を用いても無機粒子を用いても構わない。材料としては、フッ素系、MgF、シリカ等が挙げられる。形状は球状であっても、不定形であっても、中空であっても、細孔があっても構わない。中空粒子としては、例えば、シリカ、フッ化マグネシウム、有機樹脂が挙げられる。なお、シリコーン樹脂には、例えばKC−89S(信越シリコーン)、KR−400(信越シリコーン)を用いることができる。d線屈折率が1.42の樹脂には、例えばX−41−1810(信越シリコーン)、X−41−1805(信越シリコーン)、X−41−1818(信越シリコーン)、KR251(信越シリコーン)を用いることができる。
また、本発明の樹脂の含有量は遮熱塗料に対して5重量%以上50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは7重量%以上30重量%以下である。本発明の樹脂の含有量が5重量%未満になると基材との密着性が悪化する。また、本発明の樹脂の含有量が50重量%を超えると、太陽光の反射率が悪化する。
(溶剤)
次に、溶剤について説明する。
溶剤としては、任意の材料を用いて良い。溶剤の一例としては、水、シンナー、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン、アセトン、セロソルブ類、グリコールエーテル類、エーテル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種類を用いても複数の種類を混合して用いても良い。
遮熱塗料の好ましい粘度は、10mPa・s以上10000mPa・s以下である。遮熱塗料の粘度が10mPa・s未満になると塗布後の遮熱膜の膜厚が薄くなる箇所が生じる場合がある。また、10000mPa・sより大きくなると遮熱塗料の塗工性が低下する。
(添加剤)
本発明の遮熱塗料は樹脂のd線屈折率が1.32以上1.42以下の範囲で収まる限り、その他の任意の添加剤を樹脂の一部として含んでいてもよい。その一例としては、分散剤、硬化剤、硬化触媒、可塑剤、チキソ性付与剤、レベリング剤、赤外線透過型有機着色剤、赤外線透過型無機着色剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、カップリング剤、d線屈折率が2.5以下の無機粒子および有機粒子、d線屈折率が3.2以上の無機粒子等が挙げられる。なお、分散剤は、DISPERBYK−118(ビックケミージャパン)、DISPERBYK−110(ビックケミージャパン)、DISPERBYK−111(ビックケミージャパン)、DISPERBYK−102(ビックケミージャパン)、DISPERBYK−190(ビックケミージャパン)、DISPERBYK−106(ビックケミージャパン)、DISPERBYK−180(ビックケミージャパン)、DISPERBYK−108(ビックケミージャパン)、デモールEP(花王)を用いることができる。
《遮熱塗料の製造方法》
以下に本発明の遮熱塗料の製造方法について説明する。
本発明の遮熱塗料の製造方法としては本発明のd線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子を樹脂と溶媒からなる溶液中に分散出来れば任意の方法を用いることが出来る。一例としては、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル、三本ローラー、遊星回転装置、ミキサー、超音波分散機等が挙げられる。
[光学機器用の遮熱膜]
以下に本発明の光学機器用の遮熱膜の材料構成および膜構成について説明する。
《材料構成》
以下に本発明の光学機器用の遮熱膜の材料構成について説明する。
本発明の遮熱膜は、d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子と樹脂を有する。
(d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子)
上記遮熱塗料を塗布して下記の方法により形成された遮熱膜において、本発明のd線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子の含有量は、遮熱膜に対して20体積%以上60体積%以下であることが好ましい。粒子の含有量が20体積%未満になると、基材まで到達する光が増加するため太陽光の反射率が低下する。また、粒子の含有量が60体積%を超えると塗膜の脆性が悪化する。
(樹脂)
上記した樹脂の含有量は遮熱膜に対して10体積%以上78体積%以下であることが好ましく、より好ましくは20体積%以上70体積%以下である。本発明の樹脂の含有量が10体積%未満になると基材との密着性が悪化する。また、本発明の樹脂の含有量が78体積%を超えると、太陽光の反射率が悪化する。
(添加剤)
本発明の遮熱膜は樹脂のd線屈折率が1.32以上1.42以下の範囲で収まる限り、樹脂の一部としてその他の任意の添加剤を含んでいてもよい。その一例としては、分散剤、硬化剤、硬化触媒、可塑剤、チキソ性付与剤、レベリング剤、赤外線透過型有機着色剤、赤外線透過型無機着色剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、カップリング剤、d線屈折率が2.5以下の無機粒子および有機粒子、d線屈折率が3.2以上の無機粒子等が挙げられる。
《膜構成》
本発明の遮熱膜9は少なくとも基材5より外側に形成される。その形態としては、基材5と密着していてもよいし、基材5と遮熱膜9の間に密着性を向上させるプライマー層が設けられていてもよい。
(基材)
基材としては、任意の材料を用いることが出来るが、金属やプラスチックが好ましい。金属材料としては、アルミニウム、チタン、ステンレス、マグネシウム合金等が挙げられる。プラスチック材料の一例としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
また、基材の厚みとしては任意の厚みを持つことが出来るが、0.5mm以上5mm以下、より好ましくは0.5mm以上2mm以下であることが好ましい。膜厚が0.5mm未満になるとレンズ鏡筒の形状を保持することが困難である。また、膜厚が5mmを超えると部材のコストが高くなる。
(プライマー)
プライマーとしては、任意の材料を用いることが出来るが、一例としてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、プライマーには本発明の粒子や本発明以外の粒子、着色剤、分散剤、硬化剤、硬化触媒、可塑剤、チキソ性付与剤、レベリング剤、有機着色剤、無機着色剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、カップリング剤、溶媒の残渣が含まれていても構わない。
また、プライマーの膜厚としては2μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。膜厚が2μm未満では膜の密着性が低下することがあり、30μmを超える場合は位置精度に悪影響をおよぼすことがある。
(本発明の遮熱膜の膜厚)
本発明の遮熱膜の平均膜厚は10μm以上70μm以下であることが好ましい。膜厚が10μm未満になると、基材側に光が透過して太陽光の反射率が悪化する。膜厚が70μmを超えると位置精度が悪化する。膜厚精度については、規格値に対して±15μmであることが好ましくより好ましくは±10μmの範囲である。
《本発明の遮熱膜の形成方法》
本発明の遮熱膜は、硬化後の膜厚が10μm以上70μm以下になるように本発明の遮熱塗料を均一に塗布出来れば任意の塗布方法および硬化方法を用いることが出来る。
本発明の光学機器用の遮熱膜の塗布方法の一例としては、ハケ塗り、スプレー塗布、ディップコーティング、転写等が挙げられる。また、遮熱膜は1層塗りであっても、多層塗りであっても構わないし、意匠性を出すためにシボ加工されていても良い。
また、本発明の光学機器用の遮熱膜の硬化方法としては室温放置しても構わないし、任意の熱により硬化を促進したり、紫外線を与えても構わない。熱を与えて硬化させる方法としては、加熱炉、ヒーター、赤外線加熱等が挙げられる。硬化温度としては、室温から400℃が好ましく更に室温から200℃が好ましい。
以下に、本発明における好適な実施例について説明する。
実施例1から15における遮熱塗料の調製、遮熱膜の作製、反射率の評価、温度の評価、膜厚精度の評価は下記の方法で行った。
〈反射率の測定方法〉
反射率は図4に示すように、分光光度計(U−4000;日立ハイテク)を用いて測定した。
測定用のサンプルには30mm角で厚みが1mmの金属板に、本発明の遮熱塗料を塗布し硬化して本発明の遮熱膜を形成して用いた。金属板には、ステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム合金等の中のいずれかを用いた。また、金属板の表面にスピンコーターで所望の膜厚になるように本発明の遮熱膜を塗布し、焼成した。
次に、反射率の測定方法を説明する。図4に示すように積分球13に対して波長400nm〜2600nmの入射光1を入射させた。まず、入射光1に対して入射角5°傾けた試験片を取り付け部14に100%反射が起こるアルミナ焼結体のブランクを設置し、ベースライン測定を行った。続いて、試験片取り付け部14にブランクの替わりに本発明の遮光膜を形成した試験片を設置し、400nm〜2600nmの光を入射させ、検出部15で検出して反射率を測定した。また、反射率は400nm〜2600nmにおいて1nmおきの平均反射率の値を記載した。反射率は温度の評価結果と相関があり、94%以上で下記の温度評価結果において良好な値を示した。このことより、反射率が94%以上であれば良好な遮熱膜であると言える。
〈温度低減効果の評価方法〉
図5は温度の評価方法を示す模式図である。図5に示すように、温度測定には、ランプ16、温度測定用治具19および温度評価用の試験片17を用いた。温度測定は、温度測定箇所18にて測定した。
温度評価用の試験片17には、100mm角で厚みが1mmの金属板に本発明の遮熱膜を形成して用いた。金属板には、ステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム合金等の中のいずれかを用いた。また、金属板の表面にスピンコーターで所望の膜厚になるように本発明の遮熱膜を塗布し、焼成した。温度測定用治具19には、表面が白色120mm×120mm×120mmの段ボール箱を用い、温度評価用の試験片17取り付け部分に90mm×90mm角の窓部を設けた。
また、ランプ16にはハイラックスMT150FD6500K(岩崎電気)を用いた。
次に、温度測定用治具19に温度評価用の試験片17を取り付け、温度評価用の試験片17の裏面の温度測定箇所18に熱電対を取り付けた。温度評価用の試験片17が取り付けられた温度測定用治具19をランプ16との距離が100mmになるように設置した。次にランプ16を60分間照射し、60分後の温度を測定した。
温度低減効果は、温度評価用の試験片17の表面に黒色のブランクを形成して温度測定し、実施例の遮熱膜の温度測定結果との差分を計算して温度低減効果とした。
黒色のブランク膜としてはカーボンブラック(MA100;三菱化学)20g、エポキシ樹脂(jER828;三菱化学)100g、アミン硬化剤(ST11;三菱化学)70g、シンナー20gを遊星回転装置で混合した塗料を温度評価用の試験片17の表面に塗布し、焼成して作製した。
温度低減効果が15℃〜20℃であれば良好な遮熱膜であると評価した(下記表:○)。また、温度低減効果が15℃未満になると、良好な遮熱膜ではないと評価した(下記表:×)。
〈膜厚精度の評価方法〉
以下に、膜厚精度の評価方法について説明する。光学機器は位置精度が厳しいが、膜厚精度がばらつくと位置精度が悪化する。膜厚精度評価用のサンプルには30mm角で厚みが1mmの金属板に本発明の遮熱膜を所望の膜厚になるようにスプレーで本発明の遮熱膜を塗布し、焼成した。評価用のサンプルは20枚用意し、1枚につきマイクロメーターで5か所の膜厚を測定してその平均値を算出し膜厚とした。また20枚の試験片の膜厚の平均値を算出し、平均値からの最大ズレ量を膜厚ばらつきの値とした。尚、最大ズレ量とは20枚の試験片×5か所で合計100か所についての最大ズレ量とした。
膜厚ばらつきが±10μm以内の精度であれば膜厚の均一性が良好と評価した(下記表:○)。膜厚ばらつきが±10μmを超えて±15μm以内であればやや位置精度は劣るが光学機器として使用できる膜厚均一性であると評価した(下記表:△)。膜厚ばらつきが±15μmを超えると、位置精度が悪化するので光学機器として使用することが困難になる(下記表:×)。
(実施例1)
<遮熱塗料の調製>
実施例1は、以下の方法で遮熱塗料を作製した。酸化チタンHT0210(東邦チタニウム;平均粒径2.25μm)210g、シリコーン樹脂40g、分散剤2.4g、溶剤30gを秤量し、遊星回転装置(泡取練太郎;シンキー)にて10分間撹拌して、実施例1の遮熱塗料を得た。
<遮熱膜の作製>
実施例1では、表1に記載される材料および条件の下、以下の方法で遮熱膜を作製した。上記の遮熱塗料を反射率測定用の試験片、温度評価用の試験片17、膜厚精度評価用の試験片に膜厚が40μmになるように塗布し、室温で1時間硬化させ、実施例1の遮熱膜を得た。
(実施例2〜15)
実施例2〜15では、表1〜3の材料および条件にする以外は実施例1と同様にして、遮熱塗料および遮熱膜を作製した。尚、平均粒径が3μmの酸化チタンにはHT0110(東邦チタニウム)、平均粒径が5μm酸化チタンについては、粒径が80nmの酸化チタンを、ロータリーキルンで低温で乾燥させた後に、1100℃の温度で2時間焼成して作製した。
d線屈折率が1.42の樹脂には、X−41−1810(信越シリコーン)、X−41−1805(信越シリコーン)、X−41−1818(信越シリコーン)、KR251(信越シリコーン)のいずれかを用いた。
フッ素樹脂としては、ゼッフル(ダイキン;d線屈折率1.40)を用いた。
なお、全ての実施例において、d線屈折率が2.5以上3.2以下であって粒径が1.5μm以下の粒子の割合が35質量%以下になるように調製した。
Figure 2017194493
Figure 2017194493
Figure 2017194493
〈評価結果〉
上記の方法により、実施例1から15の遮熱膜の反射率および温度低減効果を評価した結果を、表4〜6に記す。
測定結果としては、遮熱膜の反射率は94%以上であることが好ましい。また、温度低減効果はブランクとの差分が15℃以上あることが好ましい。また、膜厚精度は±15μm以内であることが好ましく、膜厚精度が±10μm以内であることがより好ましい。
実施例1では、表1に示すように、平均粒径が2.25μmの酸化チタンとd線屈折率が1.39のシリコーン樹脂を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、96%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例2では、実施例1に対し、平均粒径が3μmと粒径が大きい酸化チタンを用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、96%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例3では、実施例1に対し、平均粒径が5μmと粒径が大きい酸化チタンを用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例4では、実施例1に対し、全粒子に対する粒径1.5μm以下の粒子の割合が35体積%となるように、平均粒径が1μmの酸化チタン粒子(JR−1000;テイカ)を添加して調整した酸化チタンを用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例5では、実施例1に対し、遮熱膜に対する酸化チタンの比率が20体積%になるように調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、94%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃とやや劣るが良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例6では、実施例1に対し、遮熱膜に対する酸化チタンの比率が22体積%になるように調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例7では、実施例1に対し、遮熱膜に対する酸化チタンの比率が59体積%になるように調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、98%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例8では、実施例1に対し、遮熱膜に対する酸化チタンの比率が60体積%になるように調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、98%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であったが若干脆性が悪化したものの使用できるレベルであった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例9では、実施例1に対し、シリコーン樹脂に代えてフッ素樹脂を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例10では、実施例1に対し、シリコーン樹脂に中空粒子を混ぜ込んでd線屈折率が1.32になるように調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例11では、実施例1に対し、樹脂にd線屈折率が1.42のシリコーン樹脂を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表6に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例12では、実施例1に対し、膜厚を9μmに調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表6に示す。反射率の評価結果は、94%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃でありやや劣るものの良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例13では、実施例1に対し、膜厚を10μmに調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表6に示す。反射率の評価結果は、96%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例14では、実施例1に対し、膜厚を70μmに調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表6に示す。反射率の評価結果は、96%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例15では、実施例1に対し、膜厚を80μmに調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表6に示す。反射率の評価結果は、96%であり良好であった。また、温度低減効果は15℃以上あり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±11〜15μmであり、やや劣るものの光学機器に使用できるレベルであった。
Figure 2017194493
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[比較例1〜5]
比較のための遮熱塗料の調整、遮熱膜の作製、反射率の評価、温度低減効果の評価、膜厚精度の評価を、前述の実施例1〜15と同様に行った。実施例1〜15と異なる点について以下に示す。
表7、8に比較例1〜7の遮熱膜を構成する材料および含有量を示す。
表9、10に比較例1〜7の遮熱膜を用いて評価した結果をそれぞれ示す。
比較例1では、実施例1に対し、平均粒径が3.8μmの酸化亜鉛粒子(♯F;堺化学)を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、78%であり悪かった。また、温度低減効果についても15℃未満であり悪かった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
比較例2では、実施例1に対し、平均粒径が5μmのシリコン(SIE23PB;高純度化学)を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、81%であり悪かった。また、温度低減効果についても15℃未満であり悪かった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
比較例3では、実施例1に対し、平均粒径が1μmの酸化チタン(JR−1000;テイカ)を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、85%であり悪かった。また、温度低減効果についても15℃未満であり悪かった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
比較例4では、実施例1に対し、平均粒径が7μmの酸化チタンを用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果についても15℃以上であり良好であった。しかし、膜厚精度の評価結果は±16μm以上であり、悪かった。
比較例5では、実施例1に対し、全粒子に対する粒径1.5μm以下の粒子の割合が40体積%となるように、平均粒径が1μmの酸化チタン粒子(JR−1000;テイカ)を添加して調整した酸化チタンを用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、93%でありやや悪かった。また、温度低減効果についても14℃でありやや悪かった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
比較例6では、実施例1に対し、中空粒子を用いてd線屈折率が1.30になるように調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表10に示す。反射率の評価結果は、93%でありやや悪かった。また、温度低減効果についても14℃でありやや悪かった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
比較例7では、実施例1に対し、d線屈折率が約1.50になるようにウレタン樹脂を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果および膜厚精度を評価した結果を表10に示す。反射率の評価結果は、87%であり悪かった。また、温度低減効果についても15℃未満であり悪かった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
Figure 2017194493
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Figure 2017194493
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本発明の光学機器用の遮光膜は、カメラやビデオ、放送機器などの光学機器のレンズ鏡筒や、その他の屋外で使用される可能性があるカメラ本体、ビデオ本体、監視カメラ、お天気カメラ等の光学機器の遮光膜に利用することができる。
1.入射光
2.反射光
3.透過光
4.赤外線反射膜
5.基材
6.レンズ
7.嵌合部分
8.レンズ鏡筒
9.遮熱膜
10.粒子
11.樹脂
12.粒子内の反射
13.積分球
14.試験片取り付け部
15.検出器
16.ランプ
17.温度評価用の試験片
18.温度測定箇所

Claims (15)

  1. レンズと、内部に前記レンズを配置しているレンズ鏡筒とを有する光学機器であって、
    前記レンズ鏡筒の外周表面の少なくとも一部に遮熱膜を有し、
    前記遮熱膜は、d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子とd線屈折率が1.32以上1.42以下の樹脂とを有し、
    前記粒子は、平均粒径が2μm以上5μm以下であり、前記粒子における粒径が1.5μm以下の割合が35質量%以下であることを特徴とする光学機器。
  2. 前記遮熱膜は、入射角5°で入射する波長400nm〜2600nmの光の平均反射率が94%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  3. 前記粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。
  4. 前記遮熱膜は、前記粒子を20体積%以上60体積%以下の含有量で有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学機器。
  5. 前記遮熱膜の平均膜厚が10μm以上70μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学機器。
  6. 前記樹脂は、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学機器。
  7. d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子とd線屈折率が1.32以上1.42以下の樹脂とを有する遮熱膜であって、
    前記粒子は、平均粒径が2μm以上5μm以下であり、前記粒子における粒径が1.5μm以下の割合が35質量%以下であることを特徴とする遮熱膜。
  8. レンズ鏡筒の外周表面の少なくとも一部に設けるための光学機器用の遮熱膜であることを特徴とする請求項7に記載の遮熱膜。
  9. 入射角5°で入射する波長400nm〜2600nmの光の平均反射率が94%以上であることを特徴とする請求項7又は8に記載の遮熱膜。
  10. 前記粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の遮熱膜。
  11. 前記粒子を20体積%以上60体積%以下の含有量で有していることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の遮熱膜。
  12. 平均膜厚が10μm以上70μm以下であることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項に記載の遮熱膜。
  13. 前記樹脂は、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂であることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項に記載の遮熱膜。
  14. d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子とd線屈折率が1.32以上1.42以下の樹脂と、溶剤を有する遮熱塗料であって、
    前記粒子は、平均粒径が2μm以上5μm以下であり、前記粒子における粒径が1.5μm以下の割合が35質量%以下であることを特徴とする遮熱塗料。
  15. レンズ鏡筒の外周表面の少なくとも一部に設けるための光学機器の遮熱膜として用いられることを特徴とする請求項14に記載の遮熱塗料。
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