JP2017187481A - 接触面観察装置及び接触面観察方法 - Google Patents

接触面観察装置及び接触面観察方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017187481A
JP2017187481A JP2017058309A JP2017058309A JP2017187481A JP 2017187481 A JP2017187481 A JP 2017187481A JP 2017058309 A JP2017058309 A JP 2017058309A JP 2017058309 A JP2017058309 A JP 2017058309A JP 2017187481 A JP2017187481 A JP 2017187481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
observation
contact surface
transparent body
transparent
observation object
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017058309A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6945313B2 (ja
Inventor
良太 吉原
Ryota Yoshihara
良太 吉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta Corp
Original Assignee
Nitta Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitta Corp filed Critical Nitta Corp
Publication of JP2017187481A publication Critical patent/JP2017187481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6945313B2 publication Critical patent/JP6945313B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】観察対象物の接触状態の温度変化を観察可能な技術を提供する。【解決手段】本発明の一側面に係る接触面観察装置は、透明な材料で構成され、互いに対向する第1面及び第2面を有する本体部、並びに当該本体部を加熱する加熱部を備える透明体と、前記透明体の前記第1面側に配置され、当該観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧する押圧具と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、接触面観察装置及び接触面観察方法に関する。
例えば、感圧センサの導電性、研磨パッドの研磨性能等、一方の物体を他方の物体に接触させることで生じる物理的作用の特性を把握する場面では、両物体間の接触状態を観察することが重要である。特に、真実の接触面積は、複数の物体が接触することで生じる物理的作用の特性を把握するための一つの重要な要素として知られている。
このような複数の物体の接触状態を観察する方法として様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1では、ガラス板の一方の面に観察対象物をアクチュエータで押し付け、当該ガラス板の他方の面から観察対象物のガラス板に対する接触状態を観察する方法が提案されている。
この方法によれば、観察対象物とガラス面とが接触する部分(接触領域)では、入射した光がガラス面を介して観察対象物の表面に吸収され得る。そのため、接触領域は、比較的に暗く見える。一方、観察対象物とガラス面とが接触していない部分(非接触領域)では、観察対象物とガラス面との間に空気層が生じるため、空気層とガラス面との屈折率の違いにより、入射した光がガラス面で乱反射し得る。そのため、非接触領域は、比較的に明るく見える。
したがって、この方法によれば、ガラス板の他方の面側から、この明るい部分(非接触領域)と暗い部分(接触領域)とを観察することで、観察対象物のガラス板に対する接触状態を観察することができる。特に、暗い部分の面積を測定することで、観察対象物のガラス板に対する接触面積を測定することができる。
特開2001−141434号公報
上記特許文献1のような従来の観察方法によれば、観察の対象となる観察対象物の平板に対する接触状態を簡便に観察することができる。しかしながら、本件発明者は、従来の観察方法には次のような問題点があることを見出だした。すなわち、従来の観察方法では、接触状態の観察は環境温度下で行われ、観察対象物の温度を調節する手段を設けていない。そのため、常温の環境下における観察対象物の接触状態しか観察することができず、当該観察対象物の接触状態の温度変化を観察することができなかった。
本発明は、一側面では、このような点を考慮してなされたものであり、その目的は、観察対象物の接触状態の温度変化を観察可能な技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る接触面観察装置は、透明な材料で構成され、互いに対向する第1面及び第2面を有する本体部、並びに当該本体部を加熱する加熱部を備える透明体と、前記透明体の前記第1面側に配置され、当該観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧する押圧具と、を備える。
当該構成では、透明体の本体部は透明な材料で形成され、観察の対象である観察対象物を透明体(本体部)の第1面に押圧する押圧具が当該第1面側に配置されている。そのため、当該構成によれば、観察対象物を押圧具により透明体の第1面に押し付けることで、ユーザは、透明体の第2面側から、観察対象物の透明体に対する接触状態、換言すると、透明体の第1面に対する観察対象物の接触面を観察することができる。
このとき、当該構成によれば、加熱部により、本体部を加熱することができる。すなわち、透明体の本体部を加熱部により加熱することで、第1面を介して観察対象物の接触面を加熱することができ、これによって、環境温度より高温の温度域で、観察対象物の接触面の温度を変化させることができる。したがって、当該構成によれば、観察対象物の接触状態の温度変化を観察することができる。
また、上記一側面に係る接触面観察装置の別の形態として、前記透明体は、前記加熱部として透明導電膜を備えるガラスヒーターであってよい。当該構成によれば、ガラスヒーターを用いた簡易な構成で、観察対象物の接触状態の温度変化を観察可能な接触面観察装置を構築することができる。
また、上記一側面に係る接触面観察装置の別の形態として、前記透明導電膜は、前記第2面に積層されていてもよい。透明導電膜を本体部の第1面に設けると、観察対象物を第1面に押し付ける際に、作用する荷重によって透明導電膜が損傷してしまう可能性がある。これに対して、当該構成では、透明導電膜が、観察対象物を押し付ける第1面ではなく、当該第1面とは反対側の第2面に設けられる。これによって、透明導電膜が観察対象物に接触しないようにし、観察対象物からの荷重によって透明導電膜が損傷してしまうのを防止することができる。
また、上記一側面に係る接触面観察装置の別の形態として、上記接触面観察装置は、前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧した状態の前記押圧具を前記第1面の面方向にスライドさせるように構成されたスライド機構を更に備えてもよい。当該構成によれば、観察対象物の動的な接触面積の評価が可能となる。
また、上記一側面に係る接触面観察装置の別の形態として、前記透明体の前記第1面には、透明導電膜が積層されていてもよい。当該構成によれば、観察対象物が導電性材料である場合に、当該第1面の透明導電膜と観察対象物とを導通させることで、当該透明導電膜と観察対象物との間の抵抗値を測定することができる。これにより、観察対象物の接触面積と抵抗値との相関関係を観察することができる。
また、本発明の一側面に係る接触面観察方法は、透明な材料で構成され、互いに対向する第1面及び第2面を有する本体部、並びに当該本体部を加熱する加熱部を備える透明体と、当該透明体の当該第1面側に配置される押圧具と、を用いた接触面観察方法であって、前記透明体の前記第1面側に観察対象物を配置する工程と、前記透明体において、前記加熱部により前記本体部を所定の温度まで加熱する工程と、前記押圧具により前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧する工程と、前記透明体の前記第2面側から、前記第1面に接触している前記観察対象物の接触面を観察する工程と、を備える。当該構成によれば、観察対象物の接触状態の温度変化を観察することができる。
また、上記一側面に係る接触面観察方法の別の形態として、前記押圧する工程では、所定の圧力で所定時間継続して前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧してもよく、前記観察する工程では、前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧し始めてから所定時刻の前記接触面を観察してもよい。当該構成によれば、所定の温度下における観察対象物の接触面積のクリープ率(経時変化)を測定することができる。
また、上記一側面に係る接触面観察方法の別の形態として、前記押圧する工程では、前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧する圧力を段階的に変化させてもよく、前記押圧する工程で前記圧力を変化させる度に、前記観察する工程を実施してもよい。当該構成によれば、所定の温度下における観察対象物の接触面積のヒステリシス(履歴効果)を観察することができる。
また、上記一側面に係る接触面観察方法の別の形態として、前記押圧する工程により前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧した状態を維持した状態で、前記加熱する工程における前記加熱部により前記本体部を加熱する温度を、第1の温度と当該第1の温度とは異なる第2の温度との間で交互に切り替えてもよく、前記加熱する工程で前記加熱する温度を切り替える度に、前記観察する工程を実施してもよい。当該構成によれば、一定の圧力下における温度変化の繰り返しに対する観察対象物の接触面積の変化を観察することができる。
また、上記一側面に係る接触面観察方法の別の形態として、前記押圧する工程では、前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧した状態の前記押圧具を前記第1面の面方向にスライドさせてよい。当該構成によれば、観察対象物の動的な接触面積の評価が可能となる。
また、上記一側面に係る接触面観察方法の別の形態として、前記透明体の前記第1面には、透明導電膜が積層されていてよく、上記接触面観察方法は、前記第1面の前記透明導電膜と前記観察対象物との間の抵抗値を測定する工程を更に備えてもよい。当該構成によれば、観察対象物の接触面積と抵抗値との相関関係を調べることができる。
また、本発明の一側面に係る接触面観察装置は、透明な材料で構成され、互いに対向する第1面及び第2面を有する透明体と、前記透明体の前記第1面側に配置され、当該観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧する押圧具と、前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧した状態の前記押圧具を前記第1面の面方向にスライドさせるように構成されたスライド機構と、を備える。
また、本発明の一側面に係る接触面観察装置は、透明な材料で構成され、互いに対向する第1面及び第2面を有する透明体と、前記透明体の前記第1面側に配置され、当該観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧する押圧具と、を備え、前記透明体の前記第1面には、透明導電膜が積層されている。
本発明によれば、観察対象物の接触状態の温度変化を観察可能な技術を提供することができる。
図1は、実施の形態に係る接触面観察装置の一例を模式的に例示する側面図である。 図2は、実施の形態に係る接触面観察装置の一例を模式的に例示する平面図である。 図3Aは、実施の形態に係る接触面観察装置による接触面の観察過程を模式的に例示する。 図3Bは、実施の形態に係る接触面観察装置による接触面の観察過程を模式的に例示する。 図3Cは、実施の形態に係る接触面観察装置による接触面の観察過程を模式的に例示する。 図3Dは、実施の形態に係る接触面観察装置による接触面の観察過程を模式的に例示する。 図4Aは、実施例で利用した供試体を示す平面図である。 図4Bは、図4AのA−A線の断面を示す。 図5は、実施例に係る接触面の観察結果を示す。 図6は、実施例に係る接触面の観察結果を示す。 図7は、変形例に係る接触面観察装置の一例を模式的に例示する。 図8は、変形例に係る接触面観察装置の一例を模式的に例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形が行われてもよい。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 構成例
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態に係る接触面観察装置1について説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る接触面観察装置1の一例を模式的に例示する側面図及び平面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、図面内の向きを基準として説明を行う。
図1及び図2に例示されるように、本実施形態に係る接触面観察装置1は、観察対象物9の接触面を再現するための透明体2、観察対象物9を透明体2に押圧するための押圧具3、及び透明体2を支持するためのスタンド4を備えている。接触面観察装置1は、押圧具3により観察対象物9を透明体2に所定の圧力で押し付けることによって、当該所定の圧力下における観察対象物9の接触面を再現することができる。また、本実施形態では、接触面観察装置1は観察手段として顕微鏡51及びカメラ52を更に備えており、透明体2及び押圧具3により再現された観察対象物9の接触面の観察に、顕微鏡51及びカメラ52を用いることができる。以下、各構成要素について説明する。
[透明体]
まず、透明体2について説明する。本実施形態に係る透明体2は、上下方向に互いに対向する第1面211及び第2面212を有する正方形状の本体部21と、本体部21の第2面212に積層される透明導電膜22と、を備えている。
本実施形態では、第1面211は、本体部21の下側の面であり、第2面212は、本体部21の上側の面である。この本体部21は、ガラス材等の透明な材料で構成される。また、本体部21の第2面212に積層される透明導電膜22はいわゆるガラスヒーターとして構成される。
具体的には、図2に例示されるように、透明導電膜22の対向する端部に、一対の電極(222、223)が設けられる。各電極(222、223)は、例えば、銀ペースト等の導電性の材料で構成される。各電極(222、223)から延びる配線は、温度コントローラ221に連結されており、温度コントローラ221を操作することで、各電極(222、223)を介して透明導電膜22に通電することができる。各電極(222、223)を介して透明導電膜22に電気を流すと、透明導電膜22ではジュール熱が発生する。この発生する熱により、透明導電膜22は、本体部21を加熱することができる。つまり、透明導電膜22は、本発明の「加熱部」に相当する。
加えて、透明導電膜22には、透明導電膜22の温度を測定可能な温度センサ224が取り付けられている。温度センサ224は、例えば、熱電対等で構成されており、温度コントローラ221に接続している。温度コントローラ221は、公知の制御装置、ディスプレイ等により、透明導電膜22の温度を制御し、かつ、温度センサ224で測定した透明導電膜22の温度を表示可能に適宜構成されている。これにより、ユーザは、透明導電膜22の温度を確認しながら、温度コントローラ221を操作することで、当該透明導電膜22を介して本体部21を所定の温度に調節することができる。
また、本実施形態では、本体部21の周縁部は正方形状の枠体23により上下方向に保持されており、これによって、本体部21は、枠体23の枠内に固定されている。なお、図1では、本体部21と透明導電膜22との関係を示すため、枠体23は点線で示されている。枠体23の材料は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、枠体23は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド等の樹脂材料で構成されてよい。
以上のような透明体2は、公知の製造技術により、適宜作製することができる。例えば、透明体2には、株式会社ブラスト製の透明ガラスヒーターが用いられてよく、温度コントローラ221には、株式会社ブラスト製の温度制御装置が用いられてよい。なお、透明体2の各部の寸法は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、本体部21及び透明導電膜22の平面寸法は、観察対象物9の接触面を再現可能なように、接触面観察装置1により観察する対象とする観察対象物9の最大平面寸法より大きく設定される。また、枠体23の寸法は、本体部21の寸法に応じて適宜設定される。
[押圧具]
次に、押圧具3について説明する。図1に例示されるように、押圧具3は、透明体2の第1面211側に配置され、観察対象物9を第1面211に押圧可能なように適宜構成される。
本実施形態では、押圧具3は、駆動源として、空圧シリンダ31を備えている。この空圧シリンダ31には、当該空圧シリンダ31により上下方向に駆動される構造体として、下から順に、第1ロッド32、ロードセル33、第2ロッド34、及びステージ35が連結している。また、この空圧シリンダ31には、当該空圧シリンダ31を制御するための圧力コントローラ311が接続している。
圧力コントローラ311は、公知の制御装置、制御弁等により適宜構成される。例えば、圧力コントローラ311には、乾燥空気等の気体を充填したボンベ(不図示)が連結され、また、ボンベに充填された気体を空圧シリンダ31に供給するのを制御するパネル(不図示)が設けられている。これにより、ユーザは、圧力コントローラ311のパネルを操作することで、空圧シリンダ31を制御し、空圧シリンダ31に連結する上部の構造体(第1ロッド32〜ステージ35)を上下方向にスライドさせることができる。
空圧シリンダ31に駆動される構造体の上端部に配置されるステージ35には、観察対象物9が載置される。本実施形態では、ステージ35は、円盤状に形成されており、観察対象物9を下方から支持する。ステージ35の平面寸法は、透明体2の第1面211より小さくなっており、観察対象物9よりも大きくなっている。そのため、空圧シリンダ31により構造体が上方に駆動されると、ステージ35の上面は、透明体2の第1面211との間で、観察対象物9を挟持する。この状態から更に上方の圧力が加わると、ステージ35は観察対象物9を透明体2の第1面211に押し付け、これにより、当該第1面211に対して観察対象物9の接触面が再現される。
ステージ35が所定の圧力で観察対象物9を透明体2の第1面211に押し付けると、作用反作用の法則に基づき、第1ロッド32及び第2ロッド34の間に配置されるロードセル33にも、ステージ35が観察対象物9を押圧する圧力と同等の荷重が作用する。そのため、このロードセル33による荷重の測定結果により、観察対象物9に作用する圧力の大きさを確認することができる。なお、本実施形態では、ロードセル33には公知の制御装置、ディスプレイ等で構成される圧力表示器331が接続されており、ユーザは、圧力表示器331の表示により、観察対象物9に作用する圧力の大きさを確認することができる。
以上のような押圧具3は、公知の製造技術及び公知の材料により、適宜作製することができる。例えば、空圧シリンダ31には、SMC株式会社製のMQQTシリーズの空圧シリンダが用いられてもよい。圧力コントローラ311には、長野計器株式会社製の圧力コントローラ(PC20)が用いられてもよい。ロードセル33には、株式会社共和電業製のロードセル(LUR−A−SA1等)が用いられてもよい。圧力表示器331には、株式会社共和電業製の表示器(WGI−470AS1等)が用いられてもよい。各ロッド(32、34)及びステージ35は、金属材料等を適宜加工することで、作製されてもよい。なお、押圧具3の各部の寸法は、透明体2の下方に配置され、空圧シリンダ31を駆動してステージ35により観察対象物9を透明体2の第1面211に押し付け可能なように適宜設定される。
[スタンド]
次に、スタンド4について説明する。スタンド4は、透明体2を固定する天板43と、天板43の四角を支持する円柱状の4つの脚部41と、各脚部41の上下方向の中間部分に配置される中間プレート42と、を備えている。
図2に例示されるように、天板43は、透明体2の平面寸法よりも大きい正方形状に形成されており、天板43の中央には、上下方向に貫通する円筒状の貫通孔431が設けられている。貫通孔431の平面寸法は、透明体2の平面寸法より小さく、押圧具3のステージ35の平面寸法より大きくなっている。そのため、押圧具3のステージ35は、この貫通孔431を通過して、透明体2の第1面211に到達可能になっている。透明体2は、貫通孔431を通過したステージ35が観察対象物9を第1面211に押し付け可能なように、適宜位置決めされ、ネジ止め等で固定される。
また、各脚部41は、中間プレート42を境に2つのパーツに分かれている。そのため、各脚部41を構成する2つのパーツはそれぞれ比較的に短くて済み、これによって、各脚部41が水平方向に変形するのを低減することができる。更に、中間プレート42には、第1ロッド32が通過可能な溝が設けられており、空圧シリンダ31は、中間プレート42の下方に配置される。空圧シリンダ31は、ネジ止め等により中間プレート42に固定されることで、適宜位置決めされてもよい。
以上のようなスタンド4は、公知の製造技術及び公知の材料により、適宜作製することができる。例えば、スタンド4は、金属材料等を適宜加工することで、作製されてもよい。なお、スタンド4の各部の寸法は、透明体2を天板43で支持し、天板43の下方に押圧具3を配置可能なように適宜設定される。
[観察手段]
次に、観察手段について説明する。本実施形態では、透明体2の本体部21は透明であり、この本体部21の第1面211と押圧具3のステージ35とにより観察対象物9の接触面が再現される。そのため、ユーザは、第2面212側から第1面211側で再現されている観察対象物9の接触面を観察することができる。
本実施形態では、この観察対象物9の接触面の観察に、顕微鏡51及びカメラ52を用いることができる。顕微鏡51は、照明装置(不図示)を備えており、観察対象物9の接触面の像を拡大して観察することができるように適宜構成される。また、カメラ52は、顕微鏡51により拡大された観察対象物9の接触面の像を撮影可能に適宜構成される。
カメラ52はネットワークを介して情報処理装置6に接続していてもよく、カメラ52により取得される撮影画像は、当該ネットワークを介して情報処理装置6に送信されてもよい。情報処理装置6の構成は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。情報処理装置6は、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータであってもよいし、提供されるサービス専用に設計された専用のコンピュータであってもよい。例えば、情報処理装置6は、CPU等の制御装置、記憶装置、マウス、キーボード等の入力装置、及びディスプレイ等の出力装置を備える。これにより、情報処理装置6は、カメラ52から取得した撮影画像をディスプレイに表示したり、当該撮影画像に所定の画像処理を適用したりすることができる。
情報処理装置6は、所定の画像処理として、カメラ52により得られる撮影画像から透明体2の第1面211に対する観察対象物9の接触面積を測定してもよい。観察対象物9と第1面211とが接触する部分(接触領域)では、入射した光が第1面211を介して観察対象物9の表面に吸収され得るため、撮影画像上で接触領域は比較的暗く写る。一方、観察対象物9と第1面211とが接触していない部分(非接触領域)では、入射した光が第1面211で乱反射し得るため、撮影画像上で非接触領域は比較的に明るく写る。
そこで、情報処理装置6は、カメラ52により得られる撮影画像を二値化する。これにより、撮影画像上で、接触領域と非接触領域とを分けることができる。通常、接触領域は黒色で示され、非接触領域は白色で示される。情報処理装置6は、黒色で示される接触領域の面積を適宜計算することで、透明体2の第1面211に対する観察対象物9の接触面積を測定することができる。
以上のような観察手段には、公知の顕微鏡及びカメラが用いられてもよい。例えば、この観察手段には、株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープ(VHX−5000等)が用いられてもおい。なお、観察対象物9の接触面の撮影を行わない場合には、カメラ52は省略されてもよい。また、透明体2及び押圧具3により再現された観察対象物9の接触面の観察は肉眼で行われてもよい。この場合、顕微鏡51及びカメラ52は省略されてもよい。
§2 使用方法
次に、図3A〜図3Dを用いて、接触面観察装置1によって観察対象物9の接触面を観察する方法について説明する。図3A〜図3Dは、接触面観察装置1による観察対象物9の接触面の観察過程を模式的に例示する。以下で説明する接触面観察装置1を用いた観察対象物9の接触面の観察方法は、本発明の「接触面観察方法」に相当する。ただし、以下で説明する観察方法は、その一例に過ぎず、各工程は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する観察方法について、実施の形態に応じて、適宜、工程の省略、置換、及び追加が行われてよい。
(第1工程)
まず、第1工程では、図3Aに例示されるように、透明体2の第1面211側に、観察対象物9を配置する。具体的には、押圧具3のステージ35を透明体2から離間させた状態で、ステージ35上に観察対象物9を載置する。
観察対象物9の種類は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、観察対象物9は、感圧センサを構成するセンサシート(電極と導電性インクとをこの順で積層したシート)、半導体材料の研磨に用いる研磨パッド、封止に用いるシール及びガスケット、昇華型熱転写プリンタにより印刷した領域、ペーパー系摩擦材、導電性軸受、ドライ潤滑コーティング面、ロボットハンドの接触面、熱伝導部材等の供試体であってよい。
(第2工程)
次の第2工程では、図3Bに例示されるように、温度コントローラ221を操作することで、透明体2において、透明導電膜22を介して本体部21を所定の温度まで加熱する。設定温度は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
ユーザは、温度センサ224の測定結果を確認しながら、温度コントローラ221を操作して、観察を所望する温度になるまで透明導電膜22を介して本体部21を加熱する。これにより、観察対象物9の接触面を観察する温度環境が構築される。なお、観察対象物9の接触面を常温下で観察する場合には、当該第2工程を省略する。
(第3工程)
次の第3工程では、図3Cに例示されるように、圧力コントローラ311を操作することで、押圧具3により観察対象物9を透明体2の第1面211に所定の圧力で押圧する。設定圧力は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
ユーザは、圧力表示器331に表示される圧力の大きさを確認しながら、圧力コントローラ311を操作して、観察を所望する圧力でステージ35が観察対象物9を第1面211に押し付けるように、空圧シリンダ31の状態を調節する。これにより、観察対象物9の接触面を観察する圧力環境が構築される。
なお、当該第3工程により、本体部21と観察対象物9とが密着する。そのため、観察対象物9が常温であるのに対して本体部21を常温よりも高温の温度域まで上記第2工程で加熱した場合には、当該第3工程によって本体部21と観察対象物9とが密着した初期段階において、本体部21から観察対象物9に熱が伝導する。これにより、観察対象物9の接触面は、上記第2工程で設定した本体部21の温度とほぼ同等の温度まで温められる。
(第4工程)
次の第4工程では、図3Dに例示されるように、透明体2の第2面212側から、第1面211に接触している観察対象物9の接触面を観察する。ユーザは、第2面212側から覗き込み、第1面211に対する観察対象物9の接触面を肉眼で観察してもよい。また、ユーザは、顕微鏡51及びカメラ52を用いて、第1面211に対する観察対象物9の接触面を拡大した画像を撮影してもよい。
顕微鏡51及びカメラ52を用いる場合、ユーザは、顕微鏡51及びカメラ52により撮影した画像を情報処理装置6のディスプレイに表示してもよい。ユーザは、ディスプレイに表示される画像を閲覧することで、観察対象物9の接触面を観察することができる。また、ユーザは、情報処理装置6を操作して、顕微鏡51及びカメラ52により撮影した画像に所定の画像処理を適用することで、第1面211に対する観察対象物9の接触面積を測定することができる。
以上の工程によって、ユーザは、接触面観察装置1を用いて、所望の温度環境下における、透明体2の第1面211に対する観察対象物9の接触面を観察することができる。更に、ユーザは、観察対象物9として利用する供試体を複数用意し、第2工程の設定温度を変更して、透明体2の第1面211に対する各供試体の接触面を観察することで、観察対象物9の接触状態の温度変化を観察することができる。
<クリープ率の測定>
なお、接触面積のクリープ率(経時変化)を測定する場合には、上記第3工程を所定時間継続しながら、上記第4工程を実施する。すなわち、上記第3工程では、押圧具3により、所定の圧力で所定時間継続して観察対象物9を透明体2の第1面211に押圧する。そして、上記第4工程では、観察対象物9を透明体2の第1面211に押圧し始めてから所定時刻の接触面を観察する。例えば、上記第3工程で観察対象物9を透明体2の第1面211に押圧し始めてから2秒後の接触面と180秒後の接触面とを観察することで、観察対象物9の3分間における接触面積のクリープ率を測定することができる。
<ヒステリシス(履歴効果)の測定>
また、接触面積のヒステリシス(履歴効果)を観測する場合には、上記第3工程において、押圧具3により観察対象物9を透明体2の第1面211に押圧する圧力を段階的に変化させる。そして、第3工程で圧力を変化させる度に上記第4工程を実施する。これにより、所定の温度下における段階的な圧力変化に対する観察対象物9の接触面積の変化を観察することができる。すなわち、観察対象物9の接触面積のヒステリシスを観測することができる。
例えば、上記第3工程では、圧力コントローラ311を操作することで、250g/cm2、500g/cm2、750g/cm2、1000g/cm2、750g/cm2、500g/cm2、250g/cm2の順で、押圧具3により観察対象物9を透明体2の第1面211に押圧する圧力の値を段階的に変化させる。各圧力の値では、押圧具3による観察対象物9の押圧を180秒(3分)間継続した後、押圧具3による観察対象物9の押圧を解放することなく、押圧具3により観察対象物9を押圧する圧力の値を次の値に移行する。
上記第4工程による接触面の観察は、各圧力の値で観察対象物9を押圧し始めてから次の値に移行するまでの間に少なくとも1回実施する。例えば、各圧力の値で観察対象物9を押圧し始めてから2秒後の接触面と180秒後の接触面とをカメラ52により撮影する。これにより、観察対象物9を押圧する圧力を段階的に変化させた際における、観察対象物9の接触面積のヒステリシスを観測することができる。
なお、上記観測方法では、250g/cm2から1000g/cm2まで段階的に圧力を増加させた後に、1000g/cm2から250g/cm2まで段階的に圧力を低下させている。この段階的に加圧した際の接触面積の変化と段階的に減圧した際の接触面積の変化とを比較することで、圧力の履歴による接触面の変形が生じやすいかどうかを判定することができ、これによって、圧力履歴に対する接触面の性能評価を行うことができる。具体的には、段階的に加圧した際の接触面積の変化と段階的に減圧した際の接触面積の変化との差が小さいほど、観察対象物9の接触面は圧力履歴による影響を受けにくいことを示す。
<温度変化に対する評価>
また、温度変化に対する接触面積の変化を観測する場合には、上記第3工程により観察対象物9を透明体2の第1面211に押圧した状態を維持した状態で、上記第2工程において温度コントローラ221を操作することで、透明体2の本体部21を加熱する温度を、第1の温度と第2の温度との間で交互に切り替える。第1の温度及び第2の温度は、互いに相違していればよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
例えば、第1の温度は室温であってよく、第2の温度は200℃であってよい。この場合、本体部21を加熱する温度を第1の温度(室温)から第2の温度(200℃)に切り替える際には、透明導電膜22への通電を開始し、透明導電膜22により本体部21を加熱する。一方、本体部21を加熱する温度を第2の温度(200℃)から第1の温度(室温)に切り替える際には、透明導電膜22への通電を停止し、本体部21の温度を室温に低下させる。
そして、第2工程で加熱する温度を切り替える度に上記第4工程を実施する。当該第4工程による接触面の観察は、本体部21を加熱する温度を切り替えてから次に切り替えるまでの間に少なくとも1回実施すればよい。例えば、第1の温度から第2の温度へ又は第2の温度から第1の温度へ加熱温度を切り替えた直後から2秒後の接触面と180秒後の接触面とをカメラ52により撮影する。これにより、一定の圧力下における温度変化の繰り返しに対する観察対象物9の接触面積の変化を観察することができる。
なお、上記観測では、各温度のサイクルに対する接触面積の変化に基づいて、一定の圧力下における温度変化の繰り返しに対する接触面の変形のしやすさを評価することができる。すなわち、サイクル回数の増加に伴う各温度における接触面積の増加が大きいほど、観察対象物9の接触面が温度変化の繰り返しの影響を受けやすいことを示す。一方、サイクル回数の増加に伴う各温度における接触面積の増加が少ないほど、観察対象物9の接触面が温度変化の繰り返しの影響を受けにくいことを示す。
§3 特徴
以上のように、本実施形態では、透明体2の本体部21はガラス材等の透明な材料で形成されており、押圧具3は、本体部21の第1面211に観察対象物9を押圧可能に構成されている。そのため、本実施形態に係る接触面観察装置1によれば、観察対象物9を押圧具3により透明体2の第1面211に押し付けることで、ユーザは、透明体2の第2面212側から、透明体2の第1面211に対する観察対象物9の接触面を観察することができる。
加えて、本実施形態によれば、温度コントローラ221を操作することで、透明導電膜22を介して本体部21を所望の温度まで加熱することができる。そのため、上記第3工程及び第4工程で、本体部21に接触する観察対象物9の接触面を所望の温度にすることができる。したがって、本実施形態によれば、透明体2の第1面211に対する観察対象物9の接触状態の温度変化を観察することができる。
例えば、感圧センサの導電性(出力)は、両センサシートに設けられた導電層の接触面積と比例関係にあると考えられている。そのため、観察対象物9として、感圧センサを構成するセンサシートを模した供試体、すなわち、電極と導電層とを積層した供試体を用意し、上記接触面観察装置1により、用意した供試体の導電層の第1面211に対する接触面を観察してもよい。これにより、感圧センサの導電性の温度変化を推定することができる。
なお、前記感圧センサは、一対のセンサシートを備えた感圧センサである。一方のセンサシートには、複数行の電極と各電極を覆う導電層とが形成されている。また、他方のセンサシートには、複数列の電極と各電極を覆う導電層とが形成されている。これにより、両センサシートの複数行の電極と複数列の電極とは、互いに交差して対向するように重ねて配置される。そのため、感圧センサに圧力を加えると、導電層同士が接触することにより導電層の電気抵抗値が変化し、この電気抵抗値から感圧センサに加えられた圧力を検出することができる。
また、半導体を研磨する研磨パッドの研磨性能は、研磨対象物に対する当該研磨パッドの接触面積に関連していると考えられている。そのため、観察対象物9として、研磨パッドを模した供試体を用意し、上記接触面観察装置1により、用意した供試体の第1面211に対する接触面を観察してもよい。これにより、研磨パッドの研磨性能の温度変化を推定することができる。
また、この透明導電膜22を第1面211に積層すると、上記第3工程及び第4工程を実施する際に、観察対象物9からの荷重によって透明導電膜22が損傷してしまう可能性がある。これに対して、本実施形態では、透明導電膜22は、本体部21の第2面212に積層されている。これによって、観察対象物9の接触面を観察する際に、透明導電膜22に観察対象物9が接触しないようにし、観察対象物9からの荷重によって透明導電膜22が損傷してしまうのを防止することができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、上記接触面観察装置1の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が行われてもよい。上記接触面観察装置1の各構成要素の形状及び大きさは、実施の形態に応じて、適宜設定されてもよい。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
<4.1>
例えば、本実施形態に係る透明体2は、ガラスヒーターである。しかしながら、透明体2は、ガラスヒーターでなくてもよい。このとき、本体部21は、第2面212側から第1面211側を観察可能であるならば、ガラス材以外の透明な材料で構成されてよい。また、本体部21を加熱する加熱部は、第2面212側から第1面211側を観察可能な本体部21の状態を維持した上で、適宜配置される。
<4.2>
また、例えば、本実施形態に係る押圧具3では、駆動源として、空圧シリンダ31が用いられている。しかしながら、観察対象物9を透明体2の第1面211に押し付けることができるのであれば、駆動源の種類は、空圧シリンダに限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、上記押圧具3では、油圧シリンダ、リニアアクチュエータ等の直動型のアクチュエータが駆動源として利用されてよい。
<4.3>
また、例えば、本実施形態では、透明体2が上方に配置され、押圧具3が下方に配置されている。そのため、押圧具3が下方から観察対象物9を透明体2に押し付けている。しかしながら、透明体2と押圧具3との位置関係は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、透明体2が下方に配置され、押圧具3が上方に配置されてもよい。この場合、上記第1工程では、観察対象物9を透明体2の本体部21の上側の面に配置することになり、上記第3工程及び第4工程では、押圧具3は、上方から観察対象物9を本体部21の上側の面に押し付けることになる。すなわち、透明体2の本体部21の上側の面が本発明の「第1面」に相当し、下側の面が本発明の「第2面」に相当する。
<4.4>
本件発明者は、上記特許文献1のような従来の観察方法には次のような問題点があることを見出した。すなわち、従来の観察方法では、観察対象物はガラス板に接触した状態で固定される。そのため、観察対象物のガラス板に対する接触面積の静的な評価しか行うことができないという問題点があることを本件発明者は見出した。一側面では、このような問題点を解決するために、図7に示されるように接触面観察装置を構成してもよい。
図7は、本変形例に係る接触面観察装置1Aの一例を模式的に例示する。本変形例に係る接触面観察装置1Aは、観察対象物9を第1面211に押圧した状態の押圧具3を第2面211の面方向にスライドさせるように構成されたスライド機構36を備える点を除き、上記接触面観察装置1と同様に構成される。スライド機構36のスライドは、並進運動であってもよいし、回転運動であってもよい。並進運動するスライド機構36として、例えば、アズワン株式会社製のX軸ステージ(型番:X11−011、X11−012、X11−013)を利用することができる。また、回転運動するスライド機構36として、例えば、アズワン株式会社製の回転ステージ(型番:RA−40M、RA−60M、RA−60F、RA−80M、RA−120M)を利用することができる。
本変形例に係る接触面観察装置1Aによれば、次のような観察を行うことができる。すなわち、上記第3工程において、押圧具3により観察対象物9を透明体2の第1面211に押圧した後に、この状態を維持したままで、スライド機構36によって、押圧具3を第1面211の面方向にスライドさせる。これにより、観察対象物9の第1面211に対する接触面の動的な状態を観察することができ、当該観察に基づいて、当該接触面におけるトライボロジーの評価を行うことができる。本変形例に係る接触面観察装置1Aは、トライボロジーの評価により性能を評価可能な研磨剤等を観察対象物9として選択する場面で利用するのに適している。
なお、本変形例に係る接触面観察装置1Aにおいて、加熱部(透明導電膜22)は省略されてもよい。すなわち、接触面積の動的評価を実施可能に構成することを優先する場合には、接触面観察装置1Aは、観察対象物9の接触状態の温度変化を観察可能に構成されなくてもよい。
<4.5>
また、本件発明者は、上記特許文献1のような従来の観察方法には次のような問題点もあることを見出した。すなわち、従来の観察方法では、単純なガラス板が用いられていた。そのため、観察対象物が導電性材料である場合に、接触面積に対して観察対象物の抵抗値がどのように変化するかを観察することができないという問題点があることを本件発明者は見出した。一側面では、このような問題点を解決するために、図8に示されるように接触面観察装置を構成してもよい。
図8は、本変形例に係る接触面観察装置1Bの一例を模式的に例示する。本変形例に係る接触面観察装置1Bは、透明体の第1面211、すなわち、押圧具3側の面に、透明導電膜24が積層されている点を除き、上記接触面観察装置1と同様に構成される。
本変形例に係る接触面観察装置1Bによれば、次のような観察を行うことができる。すなわち、観察対象物9と透明導電膜24とを配線241で接続し、観察対象物9と透明導電膜24との間にテスタ242を配置する。そして、上記第3工程の後に、観察対象物9と透明導電膜24との間に電気を導通させ、配線241に流れる電流の大きさに基づいて、観察対象物9と透明導電膜24との間の抵抗値をテスタ242により測定する。これにより、観察対象物9が導電性材料で構成される場合に、観察対象物9の第1面211に対する接触面積と抵抗値との相関関係を観察することができる。本変形例に係る接触面観察装置1Bは、後述する実施例の感圧センサのような接触面積により抵抗値がどのように変化するかの観察を所望する対象物を観察対象物9として選択する場面で利用するのに適している。
なお、本変形例に係る接触面観察装置1Bにおいて、加熱部(透明導電膜22)は省略されてもよい。すなわち、接触面積と抵抗値との相関関係を観察可能に構成することを優先する場合には、接触面観察装置1Bは、観察対象物9の接触状態の温度変化を観察可能に構成されなくてもよい。また、加熱部(透明導電膜22)を設ける場合は、ガラスヒーターとして用いるため、透明導電膜22は、抵抗の測定に利用される透明導電膜24よりも抵抗値が高くなるように構成されるのが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
透明体の第1面に対する観察対象物の接触状態の温度変化を本発明により観測可能であることを確認するため、以下の材料を用いて、上記実施形態と同じ構成を有する実施例に係る接触面観察装置を作製した。
・透明体:株式会社ブラスト製の透明ガラスヒーター(型番:S−051)
・温度コントローラ:株式会社ブラスト製の温度制御装置(型番:S−051)
・空圧シリンダ:SMC株式会社製の空圧シリンダ(型番:MQQTB25−10D)
・圧力コントローラ:長野計器株式会社製の圧力コントローラ(型番:PC20)
・ロードセル:株式会社共和電業製のロードセル(型番:LUR−A−SA1)
・圧力表示器:株式会社共和電業製の表示器(型番:WGI−470AS1)
・スタンド:アルミ製
また、感圧センサを構成するセンサシートにおける導電層(導電性インク)の接触状態を観察するため、図4A及び図4Bに示される供試体を観察対象物として作成した。図4Aは、作成した供試体を示す平面図である。また、図4Bは、図4AのA−A線の断面を示す。
具体的に、センサシートの基材としてフィルムを用意し、スクリーン印刷によりフィルム上に電極及び配線を形成した。更に、スクリーン印刷により電極上に導電層を積層した。各部の材料及び寸法は以下のとおりである。
・フィルムの材料:ポリイミド
・フィルムの寸法:Φ25mm、75μm厚
・電極の材料:Agペースト
・電極の寸法:Φ2mm、約10μm厚
・配線の材料:Agペースト
・配線の幅:1mm
・導電層の材料:カーボンブラックを含むポリイミド層
・導電層の寸法:Φ3mm、約12μm厚
作製した接触面観察装置と供試体とを用いて、以下の条件により、透明体の第1面に対する供試体の接触面を観察した。図5は、その観察結果を示す。
・観察温度:室温、50℃、75℃、100℃、125℃、150℃、175℃、200℃
・設定圧力:1000g/cm2
・観察時間:各温度で3分
また、上記供試体のフィルムの材料をPET(ポリエチレンテレフタラート)に代え、上記導電層の材料を、カーボンブラックを含むフェノキシ樹脂層に代えて、他の供試体を作製した。そして、作製した接触面観察装置と他の供試体とを用いて、上記と同様の条件で、透明体の第1面に対する他の供試体の接触面を観察した(ただし、観察温度は、室温、50℃、75℃、100℃に限定した。)。図6は、その観察結果を示す。
図5及び図6では、黒色(濃色)部分が、透明体の第1面に対する各供試体の接触領域を示す。図5に示すとおり、耐熱性の高いポリイミドを導電層に用いた供試体では、室温〜200℃に温度を変えても、接触面に大きな変化は見られなかった。一方、図6に示すとおり、耐熱性の低いフェノキシ樹脂を導電層に用いた他の供試体では、室温〜100℃に温度を変えると、温度の増加に伴って接触面の面積は大きくなった。特に、他の供試体では、75℃を境に、接触面の面積は急激に増大した。これは、導電層の軟化による変形が影響していると推定される。したがって、実施例に係る接触面観察装置によれば、以上のとおり、接触面の温度変化を正しく測定することができた。
1・1A・1B…接触面観察装置、
2…透明体(ガラスヒーター)、
21…本体部、211…第1面(下面)、212…第2面(上面)、
22…透明導電膜(加熱部)、221…温度コントローラ、
222・223…電極、224…温度センサ、
23…枠体、24…透明導電膜、
3…押圧具、31…空圧シリンダ、311…圧力コントローラ、
32…第1ロッド、33…ロードセル、331…圧力表示器、
34…第2ロッド、35…ステージ、36…スライド機構、
4…スタンド、41…脚部、42…中間プレート、43…天板部、431…貫通孔、
51…顕微鏡、52…カメラ(撮像装置)、6…情報処理装置、
9…観察対象物

Claims (11)

  1. 透明な材料で構成され、互いに対向する第1面及び第2面を有する本体部、並びに当該本体部を加熱する加熱部を備える透明体と、
    前記透明体の前記第1面側に配置され、当該観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧する押圧具と、
    を備える、
    接触面観察装置。
  2. 前記透明体は、前記加熱部として透明導電膜を備えるガラスヒーターである、
    請求項1に記載の接触面観察装置。
  3. 前記透明導電膜は、前記第2面に積層されている、
    請求項2に記載の接触面観察装置。
  4. 前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧した状態の前記押圧具を前記第1面の面方向にスライドさせるように構成されたスライド機構を更に備える、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の接触面観察装置。
  5. 前記透明体の前記第1面には、透明導電膜が積層されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の接触面観察装置。
  6. 透明な材料で構成され、互いに対向する第1面及び第2面を有する本体部、並びに当該本体部を加熱する加熱部を備える透明体と、当該透明体の当該第1面側に配置される押圧具と、を用いた接触面観察方法であって、
    前記透明体の前記第1面側に観察対象物を配置する工程と、
    前記透明体において、前記加熱部により前記本体部を所定の温度まで加熱する工程と、
    前記押圧具により前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧する工程と、
    前記透明体の前記第2面側から、前記第1面に接触している前記観察対象物の接触面を観察する工程と、
    を備える、
    接触面観察方法。
  7. 前記押圧する工程では、所定の圧力で所定時間継続して前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧し、
    前記観察する工程では、前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧し始めてから所定時刻の前記接触面を観察する、
    請求項6に記載の接触面観察方法。
  8. 前記押圧する工程では、前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧する圧力を段階的に変化させ、
    前記押圧する工程で前記圧力を変化させる度に、前記観察する工程を実施する、
    請求項6に記載の接触面観察方法。
  9. 前記押圧する工程により前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧した状態を維持した状態で、前記加熱する工程における前記加熱部により前記本体部を加熱する温度を、第1の温度と当該第1の温度とは異なる第2の温度との間で交互に切り替え、
    前記加熱する工程で前記加熱する温度を切り替える度に、前記観察する工程を実施する、
    請求項6に記載の接触面観察方法。
  10. 前記押圧する工程では、前記観察対象物を前記透明体の前記第1面に押圧した状態の前記押圧具を前記第1面の面方向にスライドさせる、
    請求項6から9のいずれか1項に記載の接触面観察方法。
  11. 前記透明体の前記第1面には、透明導電膜が積層されており、
    前記第1面の前記透明導電膜と前記観察対象物との間の抵抗値を測定する工程を更に備える、
    請求項6から9のいずれか1項に記載の接触面観察方法。
JP2017058309A 2016-03-30 2017-03-24 接触面観察装置及び接触面観察方法 Active JP6945313B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016066970 2016-03-30
JP2016066970 2016-03-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017187481A true JP2017187481A (ja) 2017-10-12
JP6945313B2 JP6945313B2 (ja) 2021-10-06

Family

ID=60044869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017058309A Active JP6945313B2 (ja) 2016-03-30 2017-03-24 接触面観察装置及び接触面観察方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6945313B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107664642A (zh) * 2017-11-01 2018-02-06 航天新长征大道科技有限公司 一种外观瑕疵快速检测装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07220054A (ja) * 1994-02-06 1995-08-18 Chiaki Fujii 表面おうとつ模様測定器の検出部及びその活用方法
JP2001141434A (ja) * 1999-11-15 2001-05-25 Nok Corp 接触状態観察方法および接触状態観察装置
JP2005147670A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Canon Inc 溶融挙動観察装置および溶融挙動観察方法
JP2006329635A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 接触面積−電気抵抗測定装置及びそれを用いた測定方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07220054A (ja) * 1994-02-06 1995-08-18 Chiaki Fujii 表面おうとつ模様測定器の検出部及びその活用方法
JP2001141434A (ja) * 1999-11-15 2001-05-25 Nok Corp 接触状態観察方法および接触状態観察装置
JP2005147670A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Canon Inc 溶融挙動観察装置および溶融挙動観察方法
JP2006329635A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 接触面積−電気抵抗測定装置及びそれを用いた測定方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107664642A (zh) * 2017-11-01 2018-02-06 航天新长征大道科技有限公司 一种外观瑕疵快速检测装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6945313B2 (ja) 2021-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yang et al. An integrated flexible temperature and tactile sensing array using PI-copper films
Rosset et al. Fabrication process of silicone-based dielectric elastomer actuators
Wu et al. Large‐area fabrication of high‐performance flexible and wearable pressure sensors
JP2008128838A5 (ja)
EP2899635A1 (en) Touch panel inspecting apparatus
WO2019141016A1 (zh) 显示模组老化测试装置及老化测试方法
JP2008182011A (ja) 熱電変換システム信頼性評価装置及び方法
JP6042357B2 (ja) 被膜性能測定装置
DE602004025301D1 (de) Vorrichtung zur Ermöglichung der Erhitzung eines Prüflings von hoher Selbstresistenz in Systemen zur dynamischen Materialprüfung und begleitendes Verfahren zur Verwendung darin
JP2017187481A (ja) 接触面観察装置及び接触面観察方法
US20030041663A1 (en) High throughput fabric handle screening
Missal et al. Miniaturized ceramic differential scanning calorimeter with integrated oven and crucible in LTCC technology
JP6682895B2 (ja) 検査治具、検査治具セット、及び基板検査装置
JP5928859B1 (ja) センサシート
JP2017191032A (ja) 張力計測装置
CN106885979A (zh) 半导体装置的评价装置以及评价方法
KR101178884B1 (ko) 고속 온도 측정기
TWM587276U (zh) 檢測系統
JP2008157852A (ja) 非接触温度測定装置、試料ベース、および非接触温度測定方法
van Dommelen et al. In-situ laser sintering for the fabrication of fully 3D printed electronics composed of elastomeric materials
Douglas et al. Development of flexible and high sensitivity graphene foam based pressure sensors
Ge et al. Dual‐Function Tactile Sensor with Linear Pressure and Temperature Perception at Low Degree of Coupling
JPH0611435A (ja) 粘着性試験装置および方法
CN105699881A (zh) 一种pcb光板高温测试治具
JP2000097834A (ja) セラミックス焼結体の耐熱疲労性テスト方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210914

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6945313

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150