JP2017186408A - 炭化水素油の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動接触分解におけるガソリン留分及び軽油留分の収率を高めることができる炭化水素油の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一側面に係る炭化水素油の製造方法は、第一原料油の水素化脱硫により、脱硫重質油を得る工程と、脱硫重質油を含む第二原料油の流動接触分解により、生成物を得る工程と、を備え、第一原料油の密度が、0.96g/mL以上であり、第一原料油におけるアスファルテンの含有量が、2質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、炭化水素油の製造方法に関する。
石油の精製過程では、原油の常圧蒸留により、ガス(メタン及びエタン)、LPガス、ナフサ留分、灯油留分、軽油留分及び常圧残油(Atmospheric Residue: AR)が得られる。ナフサ留分、灯油留分及び軽油留分からは、ナフサ、ガソリン、灯油、ジェット燃料及び軽油等が製造される。一方、常圧残油(いわゆる重油)からは、主として、船舶燃料、ボイラー燃料及びアスファルト等が製造される。上記の軽い留分から得られる製品に比べて、重油から得られる製品の市場価格は低い。したがって、より付加価値の高い製品を重油から製造することが望まれる。
例えば、下記特許文献1には、常圧残油の減圧蒸留により減圧軽油(Vacuum Gas Oil: VGO)を得て、減圧軽油の水素化処理により重質油を得て、重質油の流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking: FCC)により軽質オレフィンを得る方法が開示されている。軽質オレフィンは、重油よりも付加価値が高い化合物であり、アルキレート又はメチル−t−ブチルエーテル等のガソリン基材の原料として利用される。
特許第4223690号公報
流動接触分解によって得られる留分のうち、Catalytic Cracked Gasoline(CCG)は、多量のオレフィン成分を含み、オクタン価の高いガソリン基材である。また、流動接触分解によって得られる留分のうち、Light Cycle Oil(LCO)は、軽油基材である。重油から付加価値の高い製品を製造する方法の一つは、重油の流動接触分解によりCCG及びLCOを得ることである。しかしながら、従来の流動接触分解では、CCG及びLCOを高い収率で得ることは困難であった。以下では、CCGを「ガソリン留分」と記す場合がある。またLCOを「軽油留分」と記す場合がある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、流動接触分解におけるガソリン留分及び軽油留分の収率を高めることができる炭化水素油の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る炭化水素油の製造方法は、第一原料油の水素化脱硫により、脱硫重質油を得る工程と、脱硫重質油を含む第二原料油の流動接触分解により、生成物を得る工程と、を備え、第一原料油の密度が、0.96g/mL以上であり、第一原料油におけるアスファルテン(Asphaltene)の含有量が、2質量%以下である。
本発明の一側面においては、第二原料油が、脱硫された減圧軽油を更に含んでよい。
本発明の一側面においては、第二原料油に含まれる脱硫重質油の体積が、VDSHと表記され、第二原料油に含まれる脱硫された減圧軽油の体積が、VDSVGOと表記されるとき、VHDSVGO/VDSHが、0/100〜90/10であってよい。
本発明の一側面においては、水素化脱硫が行われる反応器内の圧力が、10〜20MPaであってよく、水素化脱硫における液空間速度が、0.1〜1.0hr−1であってよく、水素化脱硫の反応温度が、330〜410℃であってよい。
本発明の一側面においては、流動接触分解の反応温度が、500〜700℃であってよく、流動接触分解における触媒/油比が、3〜50[質量/質量]であってよく、流動接触分解の反応時間(接触時間)が、0.5〜10秒であってよく、流動接触分解へ供給される水蒸気の質量が、第二原料油100質量部に対して、2〜50質量部であってよく、流動接触分解が行われる反応器内の圧力が、101325〜3×10Paであってよい。
本発明によれば、流動接触分解におけるガソリン留分及び軽油留分の収率を高めることができる炭化水素油の製造方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施形態に限られるものではない。
本実施形態に係る炭化水素油の製造方法は、脱硫工程と、続く流動接触分解工程と、を備える。脱硫工程では、第一原料油の水素化脱硫により、脱硫重質油を得る。流動接触分解工程では、脱硫重質油を含む第二原料油の流動接触分解により、生成物を得る。第一原料油の密度は、0.96g/mL以上である。第一原料油におけるアスファルテンの含有量は、2質量%以下である。アスファルテンとは、例えば、アスフアルトのうちペンタンに不溶であり、かつトルエンに可溶な成分である。
本実施形態によれば、従来の流動接触分解の場合に比べて、流動接触分解の生成物におけるCCG(ガソリン留分)及びLCO(軽油留分)の含有量が増加する。つまり本実施形態によれば、流動接触分解におけるCCG及びLCOの収率を高めることができる。また本実施形態によれば、流動接触分解におけるコーク(Coke)の生成を抑制することもできる。コークとは、炭素質の固体である。
第一原料油の密度(15℃での密度)が0.96g/mL未満である場合、流動接触分解におけるガソリン留分及び軽油留分の収率が低下し易く、流動接触分解においてコークが生成し易い。第一原料油の密度の上限値は特に限定されない。第一原料油の密度は、例えば、0.96〜1.01g/mL、又は0.9619〜1.0029g/mLであってよい。
第一原料油におけるアスファルテンの含有量が2質量%よりも高い場合、流動接触分解におけるガソリン留分及び軽油留分の収率が低下し易く、流動接触分解においてコークが生成し易い。第一原料油におけるアスファルテンの含有量の下限値は特に限定されない。第一原料油におけるアスファルテンの含有量は、例えば、0〜2重量%、又は0.65〜1.7質量%であってよい。
第一原料油は、例えば、脱れき油(De‐Asphalted Oil: DAO)を含んでよい。脱れき油は、減圧残油(Vacuum Residue: VR)の溶剤脱れき(Solvent De‐Asphalting: SDA)によって得られる。つまり、脱れき油は、SDAにおける抽出油と言い換えてもよい。本実施形態では、脱れき油(溶剤脱れき油)を含む第一原料油から、流動接触分解用の脱硫重質油を得ることができる。つまり、従来は流動接触分解に利用されてこなかった脱れき油(溶剤脱れき油)から、流動接触分解用の第二原料油を調製することができる。その結果、従来はCCG及びLCOの原料として利用し難かった脱れき油(溶剤脱れき油)に由来するCCG及びLCOを得ることが可能になる。換言すれば、本実施形態によれば、市場価値の低い重質油から得られる脱れき油(溶剤脱れき油)を、市場価値の高いCCG及びLCOの原料として利用することができる。換言すれば、本実施形態では、市場価格の低い減圧残油をガソリン及び軽油の原料として利用するために、減圧残油の溶剤脱れきによって脱れき油を得て、水素化脱硫を経由して脱れき油を流動接触分解へ供給することができる。溶剤脱れきに用いる溶剤は、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン及びノルマルヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種であればよい。減圧残油は、常圧残油(AR)の減圧蒸留によって得られる。常圧残油は、原油の常圧蒸留によって得られる。原油は、例えば、石油系の原油、オイルサンド由来の合成原油及びビチューメン改質油からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。脱れき油(溶剤脱れき油)の密度が0.96g/mL以上であり、且つ脱れき油(溶剤脱れき油)におけるアスファルテンの含有量が2質量%以下である場合、第一原料油は脱れき油(溶剤脱れき油)のみからなっていてよい。つまり、脱れき油(溶剤脱れき油)の密度が0.96g/mL以上であり、且つ脱れき油(溶剤脱れき油)におけるアスファルテンの含有量が2質量%以下である場合、第一原料油は脱れき油そのものであってよい。
第一原料油は、脱れき油(溶剤脱れき油)及び常圧残油を含んでもよい。つまり、脱れき油(溶剤脱れき油)及び常圧残油の混合により、第一原料油を調製してよい。第一原料油に含まれる脱れき油(溶剤脱れき油)の体積が、VDAOと表記され、第一原料油における常圧残油の体積が、VARと表記されるとき、VAR/VDAOは、0/100〜90/10であってよい。VAR/VDAOの増加に伴い、ドライガス及びコークが生成し易い傾向がる。VAR/VDAOの減少に伴い、第二原料油の流動接触分解によって得られるCCG及びLCOのうち、脱れき油(溶剤脱れき油)に由来するCCG及びLCOの割合が増加する。つまり、VAR/VDAOの減少に伴い、従来はCCG及びLCOの原料として利用し難かった脱れき油(溶剤脱れき油)に由来するCCG及びLCOが増加する。
第一原料油の密度は、第一原料油の調製に用いる原油の選定、原油の蒸留条件、蒸留によって得られる留分の選定、又は複数種の留分の混合比等によって自在に調整される。第一原料油におけるアスファルテンの含有量は、第一原料油の調製に用いる原油の選定、原油の蒸留条件、蒸留によって得られる留分の選定、留分の脱れきの方法、脱れきの諸条件、又は複数種の留分の混合比等によって自在に調整される。
第一原料油の水素化脱硫が行われる反応器内の圧力は、10MPa以上20MPa以下であってよい。圧力が10MPa未満である場合、コーキングにより脱硫触媒の活性が劣化し易い傾向がある。圧力が20MPaを超える場合、コンプレッサーの出力ネックにより水素化脱硫の処理量が低下する傾向がある。水素化脱硫における液空間速度は、0.1〜1.0hr−1であってよい。液空間速度(Liquid Hourly Space Velocity: LHSV)は、反応器への第一原料油の供給速度(短時間当たりの容積流量)を、反応器に充填された水素化脱硫触媒の容積で除した値である。液空間速度が0.1hr−1未満である場合、反応器の処理量の低下により生産性が低下したり、反応器内での第一原料油の流動状態の悪化により脱硫触媒層内で偏流が起きたりする傾向がある。液空間速度が1.0hr−1を超える場合、接触時間の減少により脱硫重質油中の硫黄分の濃度及びメタルの濃度が上昇する傾向がある。水素化脱硫の反応温度は、330〜410℃であってよい。反応温度が330℃未満である場合、水素化脱硫の反応速度の低下により、脱硫重質油中の硫黄分の濃度及びメタルの濃度が上昇する傾向がある。反応温度が410℃を超える場合、アスファルテンと脱硫重質油との相溶性の悪化によりドライスラッジが生成する傾向がある。
第一原料油の水素化脱硫に脱硫触媒は、特に限定されない。脱硫触媒は、例えば、多孔質の担体と、担体に担持された活性金属と、を備えればよい。担体は、例えば、アルミナ、シリカ、及びシリカアルミナからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。活性金属は、例えば、ニッケル及びコバルトのうち少なくとも一種と、モリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種と、を含めばよい。
第二原料油は、第一原料油から調製された脱硫重質油に加えて、脱硫された減圧軽油(Vacuum Gas Oil: VGO)を更に含んでよい。減圧軽油は、常圧残油の減圧蒸留によって得られる。脱硫された減圧軽油は、例えば、減圧軽油の水素化脱硫によって得られる。
第二原料油に含まれる脱硫重質油の体積が、VDSHと表記され、第二原料油に含まれる脱硫された減圧軽油の体積が、VDSVGOと表記されるとき、VHDSVGO/VDSHは、0/100〜90/10であってよい。VHDSVGO/VDSHの増加に伴い、コークの生成が抑制され易く、流動接触分解装置(反応塔及び再生塔)の運転が容易である傾向がある。VHDSVGO/VDSHの減少に伴い、流動接触分解によって生成するガス(例えば、ドライガス及びLPガス)が減少し易く、またコークが生成する傾向がある。
第二原料油の流動接触分解の反応温度は、500〜700℃であってよい。反応温度が500℃以上である場合、分解率が向上し易く、ガソリン留分の収率が向上し易い傾向がある。反応温度が700℃を超える場合、分解反応が促進され、ドライガス及びコークの生成が促進される傾向がある。流動接触分解における触媒/油比は、3〜50[質量/質量]であってよい。触媒/油比は、触媒循環量(ton/h)を、第二原料油の供給速度(ton/h)で除した値である。触媒/油比が3[質量/質量]以上である場合、分解率が向上し易く、ガソリン留分の収率が向上し易い傾向がある。触媒/油比が50[質量/質量]を超える場合、分解反応が促進され、ドライガス及びコークの生成が促進される傾向がある。流動接触分解の反応時間(接触時間)は、0.5〜10秒であってよい。反応時間が0.5秒以上である場合、分解率が向上し易く、ガソリン留分の収率が向上し易い傾向がある。反応時間が10秒を超える場合、分解反応が促進され、ドライガス及びコークの生成が促進される傾向がある。流動接触分解へ供給される水蒸気の質量は、第二原料油100質量部に対して、2〜50質量部であってよい。水蒸気の質量が2質量部未満である場合、第二原料油が十分に分散され難く、コーキングが促進される傾向がある。水蒸気の質量が50質量部を超える場合、接触時間が短くなり、分解率が低下する傾向がある。流動接触分解が行われる反応器内の圧力は、101325〜3×10Paであってよい。圧力が101325Pa(標準圧力)未満である場合、分解後のガスの圧力が下がり、回収設備の運転が困難になる傾向がある。圧力が3×10Paを超える場合、反応器内での炭化水素の分圧が高くなり、分解率が高くなり過ぎて、ドライガス及びコークの生成が促進される傾向がある。
第二原料油の流動接触分解は、従来型の流動接触分解であってよい。従来型の流動接触分解では、例えば、無数の触媒粒子(分解触媒)からなる層の下部から流動化ガス(例えば、ガス状の第二原料油)を吹き込んで、触媒粒子を流動化する。流動化した触媒粒子をライザー型反応塔内で流動化ガスにより上昇させる。反応塔内で触媒粒子に第二原料油を接触させることにより、第二原料油を分解する。接触分解に用いた触媒粒子を再生塔へ供給して再生した後、反応塔内での第二原料油の接触分解に再利用する。つまり、触媒粒子を再生塔と反応塔との間で循環させる。第二原料油の流動接触分解は、高過酷度流動接触分解(High‐Severity Fluid Catalytic Cracking: HS−FCC)であってもよい。高過酷度流動接触分解とは、ライザー型反応塔の代わりに、ダウンフロー型反応塔を用いる。反応塔を除いて、高過酷度流動接触分解は従来型の流動接触分解とほぼ同じである。ダウンフロー型反応塔では、ライザー型反応塔の場合に比べて、バックミキシングが抑制され易く、第二原料油の分解反応の反応時間が均一になり易い。
流動接触分解に用いる分解触媒は、例えば、無機酸化物(マトリックス成分)とゼオライトとを含んでよい。無機酸化物は、例えば、カオリン、モンモリナイト、ハロイサイト、ベントナイト、アルミナ、シリカ、ボリア、クロミア、マグネシア、ジルコニア、チタニア及びシリカアルミナからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。ゼオライトは、例えば、天然ゼオライト及び合成ゼオライトのうち少なくともいずれかであってよい。天然ゼオライトは、グメリナイト、シャバサイト、ダキアルドフッ石、クリノプチロライト、ホージャサイト、キフッ石、ホウフッ石、レピナイト、エリオナイト、ソーダライト、カンクリナイト、フェリエライト、ブリゥースターフッ石、オフレタイト、ソーダフッ石、及びモルデナイトからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。合成ゼオライトは、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、USY型ゼオライト、A型ゼオライト、L型ゼオライト、ZK−4型ゼオライト、B型ゼオライト、E型ゼオライト、F型ゼオライト、H型ゼオライト、J型ゼオライト、M型ゼオライト、Q型ゼオライト、T型ゼオライト、W型ゼオライト、Z型ゼオライト、α型ゼオライト、β型ゼオライト、ω型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト、SAPO−5型ゼオライト、SAPO−11型ゼオライト及びSAPO−34型ゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。
第二原料油の流動接触分解によって得られた生成物は、回収設備おいて複数の成分に分離される。回収設備は、例えば、複数の蒸留塔、吸収塔、コンプレッサー、ストリッパー、及び熱交換器を備えていてよい。生成物は、例えば、蒸留塔(常圧蒸留塔)においてドライガス、LPガス(LPG)、ガソリン留分(CCG)、軽油留分(LCO)、ボトム留分(CLarified Oil: CLO)及びコークに分留される。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の第一原料油として、溶剤脱れき油(DAO)を準備した。第一原料油の密度は、下記表1に示す値に調整した。第一原料油におけるアスファルテンの含有量は、下記表1に示す値に調整した。
第一原料油の水素化脱硫により、実施例1の脱硫重質油を得た。水素化脱硫が行われた反応器内の圧力は、14MPaに調整した。水素化脱硫における液空間速度は、0.4hr−1に調整した。水素化脱硫の反応温度は、380℃に調整した。
以下の流動接触分解では、第二原料油として、上記の脱硫重質油のみを用いた。
第二原料油をダウンフロー型反応塔へ供給して、第二原料油の流動接触分解(HS−FCC)を行った。流動接触分解の反応温度は、600℃に調整した。流動接触分解における触媒/油比は、25[質量/質量]に調整した。流動接触分解の反応時間(接触時間)は、0.7秒に調整した。流動接触分解へ供給した水蒸気の質量は、第二原料油100質量部に対して、7質量部に調整した。流動接触分解が行われた反応塔内の圧力は、140000Paに調整した。
第二原料油の流動接触分解によって得られた生成物を回収設備おいて分留して、下記表1に示す各成分を得た。実施例1の生成物における各成分の含有量は、下記表1に示す通りであった。下記表1に示す分解率1とは、生成物の全質量(100質量%)から、LCO、CLO及びCokeの質量の合計を引いた値である。下記表1に示す分解率2とは、生成物の全質量(100質量%)から、LCO及びCLOの質量の合計を引いた値である。
(実施例2,3、比較例1〜3)
実施例2の第一原料油として、溶剤脱れき油を準備した。実施例2の第一原料油の密度は、下記表1に示す値に調整した。実施例2の第一原料油におけるアスファルテンの含有量は、下記表1に示す値に調整した。
溶剤脱れき油及び常圧残油(AR)を混合して、実施例3の第一原料油を調整した。実施例3の第一原料油の密度は、下記表1に示す値に調整した。実施例3の第一原料油におけるアスファルテンの含有量は、下記表1に示す値に調整した。
比較例1の第一原料油として、常圧残油を準備した。比較例1の第一原料油の密度は、下記表1に示す値に調整した。比較例1の第一原料油におけるアスファルテンの含有量は、下記表1に示す値に調整した。
比較例2の第一原料油として、常圧残油を準備した。比較例2の第一原料油の密度は、下記表1に示す値に調整した。比較例2の第一原料油におけるアスファルテンの含有量は、下記表1に示す値に調整した。
比較例3の第一原料油として、常圧残油を準備した。比較例3の第一原料油の密度は、下記表1に示す値に調整した。比較例3の第一原料油におけるアスファルテンの含有量は、下記表1に示す値に調整した。
実施例2,3及び比較例1〜3其々の第一原料油の水素化脱硫を個別に行った。その結果、実施例1の脱硫重質油と異なる実施例2,3及び比較例1〜3其々の脱硫重質油が得られた。第一原料油が異なること以外は、実施例1〜3及び比較例1〜3其々の水素化脱硫の諸条件は同じであった。
実施例2,3及び比較例1〜3其々の脱硫重質油(第二原料油)の流動接触分解を個別に行った。脱硫重質油が異なること以外は、実施例1〜3及び比較例1〜3其々の流動接触分解の諸条件は同じであった。実施例2,3及び比較例1〜3其々の流動接触分解の生成物を回収設備おいて個別に分留して、下記表1に示す各成分を得た。実施例2,3及び比較例1〜3其々の生成物における各成分の含有量は、下記表1に示す通りであった。
Figure 2017186408
表1に示す通り、実施例1〜3の流動接触分解の生成物中のCCG及びLCOの含有量は、比較例1〜3の流動接触分解の生成物中のCCG及びLCOの含有量よりも多かった。つまり、実施例1〜3の流動接触分解におけるガソリン留分及び軽油留分の収率は、比較例1〜3の流動接触分解におけるガソリン留分及び軽油留分の収率よりも高かった。また実施例1〜3の流動接触分解の生成物中のコークの含有量は、比較例1〜3の流動接触分解の生成物中のコークの含有量よりも少なかった。
本発明に係る炭化水素油の製造方法によれば、例えば、溶剤脱れき油等の重質油からガソリン及び軽油等の市場価格が比較的高い製品を製造することができる。

Claims (5)

  1. 第一原料油の水素化脱硫により、脱硫重質油を得る工程と、
    前記脱硫重質油を含む第二原料油の流動接触分解により、生成物を得る工程と、
    を備え、
    前記第一原料油の密度が、0.96g/mL以上であり、
    前記第一原料油におけるアスファルテンの含有量が、2質量%以下である、
    炭化水素油の製造方法。
  2. 前記第二原料油が、脱硫された減圧軽油を更に含む、
    請求項1に記載の炭化水素油の製造方法。
  3. 前記第二原料油に含まれる前記脱硫重質油の体積が、VDSHと表記され、
    前記第二原料油に含まれる脱硫された減圧軽油の体積が、VDSVGOと表記されるとき、
    HDSVGO/VDSHが、0/100〜90/10である、
    請求項1又は2に記載の炭化水素油の製造方法。
  4. 前記水素化脱硫が行われる反応器内の圧力が、10〜20MPaであり、
    前記水素化脱硫における液空間速度が、0.1〜1.0hr−1であり、
    前記水素化脱硫の反応温度が、330〜410℃である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
  5. 前記流動接触分解の反応温度が、500〜700℃であり、
    前記流動接触分解における触媒/油比が、3〜50であり、
    前記流動接触分解の反応時間が、0.5〜10秒であり、
    前記流動接触分解へ供給される水蒸気の質量が、前記第二原料油100質量部に対して、2〜50質量部であり、
    前記流動接触分解が行われる反応器内の圧力が、101325〜3×10Paである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
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