JP2017185849A - ラックガイドとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】現状よりもさらに摺動面が低摩擦化されるとともに耐摩耗性が向上され、特にグリースフリー化したドライの状態でも広い面積に亘って大規模に剥離したりしないラックガイド、および上記ラックガイドをより少ない工程で効率よく製造できる製造方法を提供する。【解決手段】ラックガイド50は、ピニオン軸7に噛み合うラック軸8を軸方向に摺動可能に支持する摺動面Sを、その面内の、ラック軸の摺動方向Lに対して80〜100°の角度で交差する方向Dに連続する強化繊維Fが配設された樹脂によって構成する。製造方法は、強化繊維Fが配設された樹脂のシートを、ラックガイドのもとになる金属製のバルク体の下地面をプレス型の一部として用いてプレス成形するとともに、上記下地面に組み付けて摺動面を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、ラックガイドおよびその製造方法に関するものである。
一般にラックピニオン式のステアリング装置には、ラックとピニオンとの間のバックラッシを抑制するためにラックガイド(サポートヨーク)が設けられる。
ラックガイドは、ピニオン軸に噛み合うラック軸を当該ラック軸の軸方向に摺動可能に支持する摺動面を備えており、上記摺動面にラック軸を支持した状態で、圧縮コイルばね等の付勢部材によってピニオン軸側へ押し出されることにより、ラックとピニオンとの間に予圧を付与してバックラッシを抑制するために用いられる。
ラックガイドに求められる課題として、摺動面を低摩擦化するとともに耐クリープ性や耐摩耗性を向上すること、そして上記低摩擦化と耐摩耗性の向上によってグリース等の潤滑剤を省略(グリースフリー化)すること等が挙げられる。
ラックガイドは、例えば必要に応じて固体潤滑剤を分散させた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアセタール(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂を摺動面の立体形状に成形したプレート(摺接板)を、アルミニウム等の金属製のバルク体の、上記摺動面となる下地面に取り付ける等して構成される。
しかし上記PTFE等からなる摺動面は耐摩耗性が不十分であり、特にグリースフリー化したドライの状態では当該摺動面が広い面積に亘って剥離するといった問題を生じる。
またプレートがバルク体に対してずれたり取れたりするのを防止するため、当該プレートおよびバルク体には、それぞれ抜け止めの加工をする必要があり構造が複雑化する上、プレートをバルク体に組付ける工程が必要で生産性が低いという問題もある。
特許文献1では、ラックガイドの全体を、ガラス繊維等の強化繊維をランダムに分散させたポリアミド樹脂(繊維強化ポリアミド樹脂)によって一体に成形している。
かかる構成によれば、プレートをバルク体に組み付ける工程等を省略できる上、強化繊維の繊維径と配合割合を調整することで、熱膨張係数等がアルミニウム等に近いラックガイドを製造できる。また摺動面の耐摩耗性もある程度は向上できる。
しかし特許文献1の構成でも、依然として耐摩耗性は十分ではない。
特開平4−208674号公報
本発明の目的は、現状よりもさらに摺動面が低摩擦化されるとともに耐摩耗性が向上され、特にグリースフリー化したドライの状態でも広い面積に亘って大規模に剥離したりしないラックガイドを提供することにある。
また本発明の目的は、かかるラックガイドをより少ない工程で効率よく製造できる製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、ピニオン軸(7)に噛み合うラック軸(8)を当該ラック軸の軸方向に摺動可能に支持する摺動面(S)を備え、前記摺動面は、当該摺動面内の前記ラック軸の摺動方向(L)に対して80°以上、100°以下の角度(θ)で交差する方向(D)に連続する強化繊維(F)が配設された樹脂によって構成されているラックガイド(50)である。
請求項2に記載の発明は、前記樹脂は熱可塑性樹脂である請求項1に記載のラックガイドである。
請求項3に記載の発明は、前記強化繊維は炭素繊維である請求項1または2に記載のラックガイドである。
請求項4に記載の発明は、前記摺動面は、前記強化繊維が配設された樹脂のシート(55)からなり、前記シートの最表層には固体潤滑剤が分散されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のラックガイドである。
請求項5に記載の発明は、前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載のラックガイドの製造方法であって、前記強化繊維が配設された樹脂のシートを当該樹脂の軟化温度以上に予熱した状態で、前記ラックガイドのもとになる金属製のバルク体(59)の、前記摺動面となる下地面(54)上に、当該下地面をプレス型の一部として用いてプレス成形するとともに前記下地面に組み付けて前記摺動面を構成する工程を含むラックガイドの製造方法である。
請求項6に記載の発明は、前記下地面に凹部(54a)を設け、前記プレス成形時に前記シートを前記凹部の内面にも沿わせて成形して前記凹部に嵌め合わされる凸部(55a)を形成するとともに、前記凹部と凸部の嵌め合いにより、前記シートを前記バルク体の下地面に固定する請求項5に記載のラックガイドの製造方法である。
請求項7に記載の発明は、前記下地面を粗面状とし、前記バルク体を前記樹脂の融点付近まで加熱した状態で前記シートをプレス成形することで、当該シートを前記下地面に熱圧着させて固定する請求項5に記載のラックガイドの製造方法である。
請求項1に記載の発明によれば、ラックガイドの摺動面を、連続した長繊維状の強化繊維が配設された樹脂によって構成することで、従来の、PTFE等や繊維強化ポリアミド樹脂等からなる摺動面に比べてより一層低摩擦化できるとともに、耐摩耗性をさらに向上できる。
しかも上記長繊維状の強化繊維を、上記摺動面内のラック軸の摺動方向に対して80〜100°の角度で交差する方向に配設することにより、上記低摩擦化、および耐摩耗性の向上効果と相まって、上述した従来例や、あるいは強化繊維を上記以外の角度で主に摺動方向に沿わせて配設した場合等に比べて、特にドライの状態で摺動面が広い面積に亘って大規模に剥離するのを良好に防止できる。
すなわち、長繊維状の強化繊維をラック軸の摺動方向に沿わせて配設した場合には、上記ラック軸との摺動によって摺動面に、主に強化繊維の長さ方向に沿う応力が加えられる。
ところが強化繊維は、繊維の特性として径方向より長さ方向に高強度であるため、摺動面が同方向に応力を受けても強化繊維は殆ど破断せず、強化繊維間の樹脂層が応力によってクラックを生じることの方が多い。その上、発生したクラックは周囲の樹脂層に伝播しやすいため、結果として摺動面が広い面積に亘って大規模に剥離する。
これに対し、長繊維状の強化繊維を上記所定の角度でラック軸の摺動方向と交差させて配設した場合には、ラック軸との摺動によって上記摺動面に、主に強化繊維の径方向に沿う応力が加えられる。
そうすると強化繊維は、径方向には比較的簡単に破断しやすい上、加えられた応力を上記破断によって良好に吸収できるため、強化繊維間の樹脂層がクラックを生じるのが抑制され、結果として摺動面が広い面積に亘って大規模に剥離するのが良好に抑制される。
請求項2に記載の発明によれば、樹脂として熱可塑性樹脂を選択して用いることにより、摺動面の低摩擦化および耐摩耗性の向上効果を良好に維持しながら、汎用性、加工性等を向上できる。
請求項3に記載の発明によれば、長繊維状の強化繊維として高強度の炭素繊維を選択して用いることにより、上記請求項1に記載の発明の効果をより一層向上できる。
請求項4に記載の発明によれば、長繊維状の強化繊維が配設された樹脂〔FRP(Fiber Reinforced Plastics)〕のシートを例えばプレス成形等することにより、所定の立体形状を有する摺動面を比較的簡単に形成できる。
その上、例えば樹脂の層と強化繊維が交互に積層されるというFRPのシートの構造上の特徴を利用して、摺動面を形成する上記シートの最表層にのみ選択的に、高価な固体潤滑剤を分散できる。
そのため、ラックガイドの大幅なコストアップを生じることなしに摺動面をより一層低摩擦化するとともに耐摩耗性を向上でき、前述した請求項1に記載の発明の効果をより一層向上できる。
請求項5に記載の発明によれば、ラックガイドのもとになる金属製のバルク体の、摺動面となる下地面をプレス型の一部として用いて、予熱したFRPのシートを、上記下地面上にプレス成形して摺動面を形成するのと同時に、上記バルク体と一体に組み付けることができるため、本発明のラックガイドをより少ない工程で効率よく製造できる。
請求項6に記載の発明によれば、バルク体の下地面に設けた凹部に、上記プレス成形と同時にFRPのシートに形成した凸部を嵌め合わせることにより、両者を確実に固定できる。
請求項7に記載の発明によれば、粗面状として樹脂の融点付近まで加熱したバルク体の下地面に、上記プレス成形と同時にFRPのシートを熱圧着させることにより、両者を確実に固定できる。
本発明のラックガイドの、実施の形態の一例を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は正面図、図(c)は側面図である。 図1の例のラックガイドが組み込まれるステアリング装置の概略構成の模式図である。 図2の例のステアリング装置の要部の拡大断面図である。 ラックガイドの摺動面のモデルとしての各種試料の耐摩耗性を測定した結果を示すグラフである。 ラックガイドの摺動面のモデルとしての各種試料に加えた垂直荷重と摩耗幅との関係を示すグラフである。 図(a)(b)は、図1の例のラックガイドを製造する工程の一例を示す断面図である。 図(a)(b)は、図1の例のラックガイドを製造する工程の他の例を示す断面図である。
図2は、ラックガイドが組み込まれるステアリング装置1の概略構成の模式図である。
図2を参照して、ステアリング装置1は、回転操作されるステアリングホイール等の操舵部材2と、操舵部材2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4とを備える。また、ステアリング装置1は、一端に操舵部材2が取り付けられたステアリングシャフト5と、中間軸6とを備える。
転舵機構4は、ラックアンドピニオン機構によって構成されている。転舵機構4は、ピニオン軸7と、転舵軸としてのラック軸8とを含む。ピニオン軸7は、中間軸6を介してステアリングシャフト5と連結されている。ピニオン軸7は、その端部近傍にピニオン7aを形成している。ラック軸8は、軸方向Wの一部の外周に、ピニオン軸7のピニオン7aに噛み合うラック8aを形成している。
ラック軸8は、車体に固定されるラックハウジング9内にラックブッシュB等を介して軸方向W(車体の左右方向である車幅方向に相当)に移動可能に支持されている。ラック軸8の各端部は、ラックハウジング9の対応する端部から両側へ突出している。ラック軸8の各端部は、それぞれ対応するタイロッド10および対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪3と連結されている。
操舵部材2が回転操作されてステアリングシャフト5が回転されると、この回転がピニオン7aおよびラック8aによって、ラック軸8の軸方向Wの直線運動に変換される。これにより、転舵輪3の転舵が達成される。
ステアリング装置1は、ラックガイド装置20を備えている。ラックガイド装置20は、ラック軸8に対して、ピニオン7aの反対側に配置されている。ラックガイド装置20は、ラック軸8をピニオン7a側へ付勢しつつ、ラック軸8の軸方向Wの移動を案内する機能を果たす。
図3はステアリング装置1の要部の断面図である。図3を参照して、ステアリング装置1は、ピニオンハウジング11と、第1軸受12と、第2軸受13とを備えている。ピニオンハウジング11は、ラックハウジング9に一体に取り付けられている。
第1軸受12および第2軸受13は、ピニオンハウジング11に保持されて、ピニオンハウジング11内でピニオン軸7を回転可能に支持している。第1軸受12および第2軸受13は、ピニオン7aを挟んだ両側に配置されている。第2軸受13は、ピニオン軸7の先端側に配置されている。
第1軸受12は、例えば玉軸受からなる。第2軸受13は、例えば円筒ころ軸受からなる。ピニオン軸7のピニオン7aとラック軸8のラック8aとは、ピニオンハウジング11内で相互に噛み合わされている。
ラックガイド装置20は、ハウジング30と、端部材40と、ラックガイド50と、付勢部材60とを備えている。
ハウジング30は、ピニオンハウジング11と一体に設けられている。ハウジング30は、ラック軸8を隔ててピニオン7aとは反対側に配置されている。
ハウジング30には、例えば円孔からなる収容部31が形成されている。収容部31には、ラック軸8が挿通されている。収容部31において、ラック軸8側とは反対側には、外部開口端部32が形成されている。端部材40は、外部開口端部32の内周にねじ嵌合することにより固定されたプラグ(栓)からなる。
ラックガイド50は、収容部31内に、ラック軸8側に向かう第1方向X1(進出方向)と、第1方向X1の反対方向であって端部材40側に向かう第2方向X2(後退方向)とに移動可能(進退可能)に収容されている。以下では、第1方向X1と第2方向X2とを総称して言うときは、進退方向Xと言う。ラックガイド50は、ラック軸8のラック8aの背面8bを摺動可能に支持している。
端部材40は、第1方向X1側の第1端面41と、第2方向X2側の第2端面42と、外周面43とを備えている。第1端面41は、ラックガイド50と対向している。端部材40の外周面43には、雄ねじ44と、外周溝45とが形成されている。外周溝45は、雄ねじ44よりもラックガイド50側に配置されている。
外周溝45には、シール部材46が収容されている。シール部材46は、Oリング等の環状弾性部材からなる。シール部材46が、端部材40の外周面43と収容部31の内周面31aとの間を封止する機能を果たしている。
収容部31の外部開口端部32から所定長の範囲に、雌ねじ33が形成されている。その雌ねじ33に、端部材40の雄ねじ44がねじ込まれて、端部材40が、ハウジング30に固定されている。
端部材40の第2端面42には、工具係合孔47が形成されている。工具係合孔47は、端部材40を外部開口端部32側からねじ込むための工具が係合するように例えば多角形断面に形成されている。
図1はラックガイド50を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は正面図、図(c)は側面図である。
図1(a)〜(c)、図3を参照して、ラックガイド50は全体がアルミニウム等の金属からなるバルク体59を備えている。
バルク体59は、第1方向X1側の第1端面51と、第2方向X2側の第2端面52と、外周面53とを備えている。第1端面51は、ラック軸8に対向している。
ラックガイド50の第1端面51には、ラック軸8の背面8bの形状に概ね一致する形状の凹面状の下地面54が形成されている。下地面54には、当該下地面54に沿う湾曲状をなしてFRPのシート55が固定され、当該シート55によって、ラック軸8をその軸方向に摺動可能に支持する摺動面Sが構成されている。
外周面53は、円筒面からなる。第2端面52には、外周面53のなす円筒面と同心の円孔からなる凹部56が形成されている。付勢部材60は、ラックガイド50の第2端面52の凹部56の底と、端部材40の第1端面41との間に介在する圧縮コイルばねである。付勢部材60は、ラックガイド50の凹部56の底により受けられる第1端部61と、端部材40の第1端面41により受けられる第2端部62とを含む。付勢部材60は、ラックガイド50を第1方向X1側(ラック軸8側)へ付勢する。
ラックガイド50の外周面53には、複数の外周溝57が形成されている。各外周溝57に、例えばOリング等の環状の弾性部材58が収容され、保持されている。ラックガイドの50の外径は、収容部31の内径よりも僅かに小さくされている。弾性部材58が収容部31の内周面31aを摺動することで、ラックガイド50が、収容部31内を進退方向Xに移動する。
図1(a)〜(c)を参照して、FRPのシート55は、複数の強化繊維Fが配設された樹脂からなる。
摺動面Sは、強化繊維Fがラック軸8の摺動方向Lに対して80°以上、100°以下の角度θで交差する方向Dに連続して配設されるように、FRPのシート55を下地面54に固定して構成されている。
角度θが上記の範囲に限定されるのは、範囲を限定しない場合、多くの強化繊維Fがラック軸8の摺動方向Lに沿って配設されてしまい、前述したように摺動面Sが広い面積に亘って大規模に剥離する原因となるおそれがあるためである。
これに対し、強化繊維Fをいずれもラック軸8の摺動方向Lと上記角度θの範囲内で交差させて配設した場合には、前述したメカニズムによって、摺動面Sが広い面積に亘って大規模に剥離するのを良好に抑制できる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、角度θは、上記の範囲でも85°以上、特に88°以上であるのが好ましく、95°以下、特に92°以下であるのが好ましい。
強化繊維Fとしては、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維の種々の繊維が挙げられる。特に高強度で、低摩擦化および耐摩耗性の向上効果に優れた炭素繊維が好ましい。
また樹脂としては、例えばポリアミド6、11、12、46、66、612、610、6T、9T、6I、MXD6等のポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリイミド、POM、PEEK等の熱可塑性樹脂や、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の熱硬化性樹脂の少なくとも1種が使用可能である。
特に摺動面Sの低摩擦化および耐摩耗性の向上効果を良好に維持しながら、汎用性、加工性等を向上することを考慮すると熱可塑性樹脂、中でもポリアミドおよび/またはポリフェニレンサルファイド、特にポリアミド66が好ましい。
FRPのシート55は、例えば複数の強化繊維Fを一定の方向に敷き並べて上下を樹脂のフィルムで挟んだ積層体を、上記樹脂の融点以上に加熱しながらプレス成形する等して作製される。
この際、摺動面S側の最表層を構成するフィルム中にのみ選択的に、高価な固体潤滑剤を分散させてもよい。これにより、ラックガイドの大幅なコストアップを生じることなしに、摺動面Sをより一層低摩擦化して耐摩耗性を向上できる。
固体潤滑剤としては、例えばフッ素樹脂、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化ケイ素等の少なくとも1種が挙げられる。
図4は、ラックガイド50の摺動面Sのモデルとしての平板状の試料(ディスク)の耐摩耗性を、鉄リングを用いたリングオンディスク法によって測定した結果を示すグラフである。
すなわち試料1は、強化繊維Fとしての炭素繊維を一方向に敷き並べて上下をポリアミド66のフィルムで挟んだ積層体をプレス成形してなるCFRTP(Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastics)のシート55を、さらにポリアミド66製の平板状のベース上に積層して、本発明における摺動面Sを再現したものである。
また試料2は、ガラス繊維をランダムに分散させたポリアミド66を平板状に成形して、特許文献1に記載のラックガイドの摺動面を再現したもの、さらに試料3は、PTFEを平板状に成形して従来のプレート(摺動板)の摺動面を再現したものである。
図4から、CFRTPのシート55によって摺動面Sを構成することで、当該摺動面Sの耐摩耗性を大幅に向上できることが判る。
また図5は、ラックガイド50の摺動面Sのモデルとしての平板状の試料に対して、ドライの状態でバウデン試験を実施して、その際に加えた垂直荷重と摩耗幅との関係を示すグラフである。
すなわち試料1−1は、先のリングオンディスク法に使用したのと同じ構成の試料1を、炭素繊維の方向Dがバウデン試験の鋼球の摺動方向(=ラック軸の摺動方向L)に対して角度θ=90°で交差するようにバウデン試験機にセットして、本発明における摺動面Sを再現したものである。
また試料1−2は、上記試料1を、炭素繊維の方向Dがバウデン試験の鋼球の摺動方向と一致(角度θ=0°)するようにバウデン試験機にセットして、炭素繊維が上記摺動面Sに沿って配設された摺動面を再現したものである。
さらに試料2は、先のリングオンディスク法に使用したのと同じ、特許文献1に記載のラックガイドの摺動面を再現したものである。
図5から、強化繊維Fとしての炭素繊維を、ラック軸8の摺動方向Lに対して前述した所定の範囲の角度θで交差する方向Dに連続して配設することにより、先のリングオンディスク試験で明らかとなった低摩擦化、および耐摩耗性の向上効果と相まって、特にドライの状態で摺動面が広い面積に亘って大規模に剥離するのを良好に防止できることが判る。
図6(a)(b)は、上記ラックガイド50を製造する工程の一例を示す断面図である。
図6(a)(b)を参照して、この例の製造方法ではバルク体59をプレス成形の下型として、上型70と組み合わせて用いる。
なおここで用いるバルク体59は、その下地面54に、外周面53のなす円筒面と同心の円孔からなる凹部54aが形成されている。
また上型70は上記下地面54側に、当該下地面54の形状に概ね一致する形状の凸面状の型面71を備えている。また型面71の、下地面54の凹部54aに対応する位置には凹部54aと同心でかつ小径の円柱からなる凸部71aが形成されている。
この例では、まずあらかじめ樹脂の軟化温度以上に予熱したシート55を、図6(a)に示すように上型70の型面71と、下型としてのバルク体59の下地面54との間に供給し、次いで図6(b)に示すように上型70とバルク体59とを、上記シート55を間に挟んで所定のプレス圧で型締めする。
そうするとシート55が、下地面54に沿う凹面状にプレス成形される。また凹部54aに対応するシート55の一部が、凸部71aによって押し込まれることで凹部54aの内面に沿うように成形されて、上記凹部54aに嵌め合わされる凸部55aが形成され、凹部54aと凸部55aの嵌め合いによって、プレス成形されたシート55がバルク体59の下地面54に固定される。
このあと上型70を開くとともにシート55の余剰部分をカットすると、バルク体59の下地面54に固定されたFRPのシート55によって摺動面Sが構成されたラックガイド50が製造される。
上記の工程を含む製造方法によれば、バルク体59の下地面54をプレス型の一部として用いて、予熱したFRPのシート55をプレス成形するのと同時にバルク体59と一体に組み付けることができるため、ラックガイド50をより少ない工程で効率よく製造できる。
また下地面54に設けた凹部54aに、プレス成形と同時にFRPのシート55に形成した凸部55aを嵌め合わせることにより、両者を確実に固定できる。
図7(a)(b)は、図1の例のラックガイドを製造する工程の他の例を示す断面図である。
図7(a)(b)を参照して、この例ではバルク体59として、下地面54を粗面状としたものを用いる。
そしてバルク体54を樹脂の融点付近まで加熱した状態で、当該樹脂の軟化温度以上に予熱したシート55を、図7(a)に示すように上型70の型面71と、下型としてのバルク体59の下地面54との間に供給し、次いで図7(b)に示すように上型70とバルク体59とを、上記シート55を間に挟んで所定のプレス圧で型締めする。
そうするとシート55が、下地面54に沿う凹面状にプレス成形される。またシート55の、下地面54と接する面側の樹脂が、粗面状とされた下地面54の微小な凹凸に入り込んで、いわゆるアンカー効果によって、プレス成形されたシート55がバルク体59の下地面54に固定される。
このあと上型70を開くとともにシート55の余剰部分をカットすると、バルク体59の下地面54に固定されたFRPのシート55によって摺動面Sが構成されたラックガイド50が製造される。
上記の工程を含む製造方法によれば、やはりより少ない工程で、ラックガイド50を効率よく製造できる。
また粗面状として樹脂の融点付近まで加熱した下地面54に、プレス成形と同時にFRPのシート55を熱圧着させることにより、両者を確実に固定できる。
本発明の構成は、以上で説明したものには限定されない。
例えばラックガイド50の全体をFRPによって形成してもよい。その場合は、摺動面Sを構成する最表層のFRP中の強化繊維Fを、前述した方向に配向させておけば、他の領域の強化繊維の配向方向は特に限定されない。
むしろラックガイド50の全体の強度を向上すること等を考慮すると、最表層以外の強化繊維は様々な方向に配向させるのが好ましい。あるいは最表層以外は、樹脂中に短繊維状の強化繊維をランダムに分散させた構造としてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことができる。
1…ステアリング装置、2…操舵部材、3…転舵輪、4…転舵機構、5…ステアリングシャフト、6…中間軸、7…ピニオン軸、7a…ピニオン、8…ラック軸、8a…ラック、8b…背面、9…ラックハウジング、10…タイロッド、11…ピニオンハウジング、12、13…軸受、20…ラックガイド装置、30…ハウジング、31…収容部、31a…内周面、32…外部開口端部、40…端部材、41、42…端面、43…外周面、44…雄ねじ、45…外周溝、46…シール部材、47…工具係合孔、50…ラックガイド、51、52…端面、53…外周面、54…下地面、54a…凹部、55…シート、55a…凸部、56…凹部、57…外周溝、58…弾性部材、59…バルク体、60…付勢部材、61、62…端部、70…上型、71…型面、71a…凸部、B…ラックブッシュ、D…方向、F…強化繊維、L…摺動方向、S…摺動面、W…軸方向、X…進退方向、X1、X2…方向、θ…角度

Claims (7)

  1. ピニオン軸に噛み合うラック軸を当該ラック軸の軸方向に摺動可能に支持する摺動面を備え、前記摺動面は、当該摺動面内の、前記ラック軸の摺動方向に対して80°以上、100°以下の角度で交差する方向に連続する強化繊維が配設された樹脂によって構成されているラックガイド。
  2. 前記樹脂は熱可塑性樹脂である請求項1に記載のラックガイド。
  3. 前記強化繊維は炭素繊維である請求項1または2に記載のラックガイド。
  4. 前記摺動面は、前記強化繊維が配設された樹脂のシートからなり、前記シートの最表層には固体潤滑剤が分散されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のラックガイド。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載のラックガイドの製造方法であって、前記強化繊維が配設された樹脂のシートを当該樹脂の軟化温度以上に予熱した状態で、前記ラックガイドのもとになる金属製のバルク体の、前記摺動面となる下地面上に、当該下地面をプレス型の一部として用いてプレス成形するとともに前記下地面に組み付けて前記摺動面を構成する工程を含むラックガイドの製造方法。
  6. 前記下地面に凹部を設け、前記プレス成形時に前記シートを前記凹部の内面にも沿わせて成形して、前記凹部に嵌め合わされる凸部を形成するとともに、前記凹部と凸部の嵌め合いにより、前記シートを前記バルク体の下地面に固定する請求項5に記載のラックガイドの製造方法。
  7. 前記下地面を粗面状とし、前記バルク体を前記樹脂の融点付近まで加熱した状態で前記シートをプレス成形することで、当該シートを前記下地面に熱圧着させて固定する請求項5に記載のラックガイドの製造方法。
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