JP2017184518A - 車両駆動モータ用インバータの冷却装置 - Google Patents

車両駆動モータ用インバータの冷却装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インバータの最大発熱時に要求される冷却能力を常時発揮するように冷媒流量を高流量に維持しなくても、インバータの発熱の増加に対して十分な冷却能力を発揮する。
【解決手段】電動モータMTRに対するトルクの指令値が増加するのに伴い冷却水の流量を増やす場合に、所定回転数Rの電動モータMTRを現在のトルクT1から所定回転数Rにおける最大トルクに上昇させたときにインバータINVのIGBT11の温度が上限温度に達する前に、電動モータMTRの最大トルクでの駆動時に設定される冷却水の流量の最大値Q0に最大変化率Aで達するように、現在のトルクT1の指令値に対する冷却水の目標流量Q1を決定し、車両統合コントローラVCMからウォータポンプW/Pに流量指令として出力させる。即ち、最大トルク以下のトルク領域において、最大トルク時に求められる冷却水の流量よりも少ない流量でIGBT11を冷却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両で動力として用いる電動モータを駆動するインバータの冷却装置に関する。
車両の動力又は動力アシストとして電動モータを用いる電気自動車(EV)やハイブリッド車両(HEV)には、電源の直流電圧を交流に変換して電動モータに供給するインバータが設けられる。インバータにおいては、パワー半導体がスイッチングを行う際に、電動モータのトルクや回転数に応じた熱が発生する。このため、インバータにはパワー半導体から発生する熱を冷却する冷却装置が設けられる。
代表的なインバータの冷却装置としては、パワー半導体の実装基板に放熱板を介して取り付けた冷却ユニット内にポンプにより冷媒を流れさせるものがある。この種の冷却装置では、インバータに発生する熱に応じた流量の冷媒を冷却ユニット内に流れさせる必要がある。インバータの発熱量の増加に対して冷媒流量の増加が追いつかなくなると、冷却ユニットによる冷却不足でインバータが想定以上に昇温する可能性がある。
そこで、インバータの最大発熱時に要求される冷却能力を冷却装置が常時発揮するように、ポンプにより冷却ユニットの冷媒流量を常に高流量に維持することも考えられる。しかし、冷却ユニットの冷媒流量を常に高流量に維持すると、冷却装置に要求される冷却能力が低い期間に冷却ユニット内を過剰な流量の冷媒が流れ、ポンプにより電力が無駄に消費されてしまう。そこで、インバータで発生する熱(電力損失)を車両のアクセル開度から推定し、これに基づいて冷却ユニットの冷媒流量を制御することが、従来から提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2008−253098号公報
ところが、上述した従来の提案のように、車両のアクセル開度から推定したインバータの発熱に対応して冷却ユニットの冷媒流量を制御しても、制御上の冷媒流量の変動に応じたポンプの動作の追従性が良くないと、電動モータに要求されるトルクが急増した場合にインバータを十分に冷却できない可能性がある。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、最大発熱時に要求される冷却能力を常時発揮するように冷媒流量を高流量に維持しなくても、車両で動力として用いる電動モータを駆動するインバータの発熱の増加に対して十分な冷却能力を発揮することができる冷却装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様による車両駆動モータ用インバータの冷却装置は、
直流電源の電圧を車両駆動用の電動モータに対するトルク及び回転数の指令値に応じた交流電圧に変換して前記電動モータに供給するインバータを、単位時間当たりに最大変化率で冷媒流量を増加可能なポンプによる冷媒流量に応じた冷却能力で冷却する冷却ユニットと、
前記冷却ユニットにより前記インバータを上限温度以下に冷却するための前記ポンプによる指令冷媒流量を、前記指令値に応じて決定する流量決定部と、
前記流量決定部が決定した冷媒流量に基づいて、前記ポンプを制御する制御部と、
を備え、
前記流量決定部は、
所定回転数の前記電動モータを現在のトルクから前記所定回転数における最大トルクに上昇させたときの前記インバータの温度が前記上限温度に達する前に、前記電動モータの前記最大トルクでの駆動時に設定される最大冷媒流量に前記最大変化率で達するように、前記現在のトルクに対応して前記指令冷媒流量を決定する。
また、上記目的を達成するため、本発明の他の態様による車両駆動モータ用インバータの冷却装置は、
直流電源の電圧を車両駆動用の電動モータに対するトルクの指令値に応じた交流電圧に変換して前記電動モータに供給するインバータを、単位時間当たりに最大変化率Aで冷媒流量を増加可能なポンプによる冷媒流量に応じた冷却能力で冷却する冷却ユニットと、
前記電動モータのトルクの増加時に、前記冷却ユニットにより前記インバータを上限温度以下に冷却するための前記ポンプによる指令冷媒流量Q1を、前記指令値に応じて決定する流量決定部と、
前記流量決定部が決定した冷媒流量に基づいて、前記ポンプを制御する制御部と、
を備え、
所定回転数の前記電動モータを現在のトルクから前記所定回転数における最大トルクに上昇させ、且つ、現在のトルク時における指令冷媒流量を維持したときに、前記インバータが前記上限温度を超えるまでの所要時間である過渡熱領域時間をtとし、前記電動モータの最大トルクでの駆動時に設定される冷媒流量を最大冷媒流量Q0とした場合に、
Q1=Q0−(A×t)
の関係式を満たす。
本発明によれば、最大発熱時に要求される冷却能力を常時発揮するように冷媒流量を高流量に維持しなくても、車両で動力として用いる電動モータを駆動するインバータの発熱の増加に対して十分な冷却能力を発揮することができる。
本発明の一実施形態に係るインバータの冷却装置が搭載された車両の要部を示す説明図である。 図1のインバータ及びウォータジャケットの取付構造を示す説明図である。 図1のウォータポンプへの流量指令の変化に対するウォータジャケット内を流れる冷却水の流量変化の応答特性例を示すグラフである。 図1の電動モータのトルク増加に伴うインバータのIGBT温度の推移を、ウォータポンプへの流量指令の変化に対する冷却水の流量変化に応答遅れがない理想状態と応答遅れがある実際の状態とのそれぞれについて示すグラフである。 車両の走行状態の変化に合わせて図1の電動モータに対する指令値のトルクを回転数一定のまま増加させた場合のインバータのIGBT温度の推移を、走行状態の変化に応じてウォータジャケットの冷却水流量が増加する場合と増加しない場合とのそれぞれについて示すグラフである。 図1の電動モータを異なるトルクの状態から最大トルクに増やすのに伴ってウォータジャケットの冷却水流量を増やす場合のインバータのIGBT温度の推移例を示すグラフである。 図1の電動モータに対する指令値のトルクを車両統合コントローラの流量指令を段階的に増やす場合のインバータのIGBT温度の推移を示すグラフである。 図1の車両統合コントローラのメモリに記憶されたウォータジャケットの冷却水の目標流量を示すルックアップテーブルの説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るインバータの冷却装置が搭載された車両の要部を示す説明図である。本実施形態の車両は、動力又は動力アシストとして電動モータMTRを用いる電気自動車(EV)やハイブリッド車両(HEV)である。
車両統合コントローラVCMは、ドライバのアクセル操作に応じて要求されるトルクを算出し、モータコントローラ(不図示)に出力する。次いで、モータコントローラからの信号を受けて、インバータドライバ(不図示)がインバータINVを駆動し、要求されるトルクに応じた交流電力が電動モータMTRに供給される。なお、電動モータMTRの回転数は、不図示のレゾルバ等から出力された信号を基にインバータINVのモータコントローラで算出され、車両統合コントローラVCMに通知される。
そして、インバータINVの冷却に用いられる本実施形態の冷却装置1は、上述した車両統合コントローラVCMの他に、インバータINVに取り付けられた冷却ユニットとしてのウォータジャケット(熱交換器)3、ウォータポンプW/P(請求項中のポンプに相当)、放熱器としてのラジエータ5及びラジエータファン7とを有している。
ウォータジャケット3は、インバータINVに対する取付構造を示す説明図である図2に示すように、熱伝導率の高い例えばアルミダイキャストによって形成されており、内部に複数の冷却水通路3aを有している。冷却水通路3aの中は、ウォータポンプW/Pによって供給された不図示の冷却水(冷媒)が通過する。このウォータジャケット3には、インバータINV(図1)の構成要素である半導体モジュール10が取り付けられる。
半導体モジュール10は、電動モータMTRの各相に対応するインバータINVの各相の上アーム及び下アームに用いられるIGBT11を、フィールドプレート13に半田等の接合材15によって接合して構成されている。IGBT11は、他のパワー半導体に替えてもよい。フィールドプレート13はさらに、銅等のバスバー17に半田等の接合材19によって接合されており、この接合材19に、熱拡散用の絶縁シート21を介してウォータジャケット3が取り付けられている。フィールドプレート13は、IGBT11とバスバー17との線膨張係数の差による半田接合部の熱疲労を緩和するための緩衝板として機能している。
なお、本実施形態における半導体モジュール10は一例であり、特に上述した構成には限定されない。
半導体モジュール10のIGBT11は、電動モータMTRに交流電圧を供給するためにスイッチングし、このスイッチングの際に発熱する。これがインバータINV(図1)の電力損失となる。IGBT11の発熱量は、電動モータMTRのトルクや回転数が高いほど増える。なお、電動モータMTRのトルクは、電動モータMTRが一定の回転数に達するまでは高く、それを超えると、回転数が高くなるほど小さくなる。
ウォータジャケット3は、冷却水通路3a内を流れる冷却水によって、IGBT11(図1のインバータINV)を冷却する。IGBT11の熱を受け取ったウォータジャケット3の冷却水は、図1のウォータポンプW/Pによってラジエータ5に供給される。ラジエータ5の冷却水は、ラジエータファン7による送風で潜熱を奪われて冷却された後、ウォータポンプW/Pによって再びウォータジャケット3に供給される。
ここで、ウォータポンプW/Pによりウォータジャケット3に供給されて図2の各冷却水通路3aを流れる冷却水の流量は、図1の車両統合コントローラVCMが、IGBT11を上限温度以下に冷却するために必要な流量に調整する。すなわち、車両統合コントローラVCMは、電動モータMTRへ印加されるトルクのモータ指令値や、電動モータMTRの回転数に応じて冷却水の流量を決定する流量決定部(VCM−1)と、ウォータポンプW/Pを制御する制御部(VCM−2)と、を有している。
なお、図1においては、車両統合コントローラVCMにモータ指令値が入力される構成となっているが、実際には、アクセル開度が車両統合コントローラVCMに入力され、それに基づいて車両統合コントローラVCMによりモータ指令値が算出される。
例えば、回転数を一定に保っている電動モータMTRにトルク変化が生じてIGBT11の発熱量が増える場合は、車両統合コントローラVCMが、ウォータジャケット3に供給する冷却水の流量を増やすように調整する。冷却水の流量調整は、車両統合コントローラVCMが、インバータINVに出力する電動モータMTRに対するトルクの指令値と、その時の電動モータMTRの回転数に応じて、ウォータポンプW/Pに出力する流量指令の内容を変えることで行われる。
ところで、車両統合コントローラVCMがウォータポンプW/Pに対する流量指令の内容を変えてから、変更後の流量指令に対応する流量の冷却水をウォータポンプW/Pが実際にウォータジャケット3に供給するようになるまでには、一定の時間がかかる。即ち、車両統合コントローラVCMの流量指令の変化に応じた冷却水の流量の変化には応答遅れが生じる。この応答遅れは、ウォータジャケット3の冷却水通路3aを通過する冷却水が受ける流路抵抗や、流量指令の変化に対するウォータポンプW/Pの応答性能等に起因して発生する。
図3は、例えば、冷却水の流量をa(L/min)からb(L/min)に増やす場合をウォータポンプW/Pへの流量指令の変化に対する冷却水の流量変化の応答特性を示している。この場合、ウォータポンプW/Pが実際に供給する冷却水の流量は車両統合コントローラVCMの流量指令の変化に対して遅れて変化する。この遅れにより冷却水の流量は、図3に示すように、流量指令の変更から時間X(s)だけ遅れて流量b(L/min)に増える。
ここで、例えば、回転数一定の電動モータMTRのトルクが増え、それに伴ってIGBT11の発熱量が増えるのに合わせて、冷却水の流量を増やす必要が生じた場合の、IGBT11の温度上昇について、流量指令の変化に対する冷却水の流量変化に応答遅れがない理想状態と、応答遅れがある実際の状態とに分けて図4を参照して説明する。図4は、電動モータMTRのトルク増加に伴いウォータポンプW/Pへの流量指令を増やした場合のインバータのIGBT温度の推移を示すグラフである。なお、ここでは、流量指令における冷却水の流量を0(L/min)からb(L/min)に増やすものとする。
まず、車両統合コントローラVCMの流量指令の変化に対する冷却水の流量の変化に応答遅れがない理想状態では、電動モータMTRのトルク増加でIGBT11の発熱量が増加しても、冷却水の流量が遅れなくb(L/min)に増える。このため、図4のグラフに一点鎖線で示すように、冷却水による冷却によって、IGBT11の温度を上限温度以下に保つことができる。
一方、実際には、車両統合コントローラVCMの流量指令の変化に対する冷却水の流量変化に応答遅れが生じるため、冷却水の流量がb(L/min)に増えるまでに、例えば、図4のグラフの下部に示す流量変化の応答特性のように、ある程度の時間がかかってしまう。このため、当該遅れを考慮せずに流量を決定すると、電動モータMTRのトルク増加によりIGBT11の発熱量が増加したときに、図4のグラフに実線で示すように、冷却水の流量がb(L/min)に増える前にIGBT11の温度が上限温度を超えてしまう恐れがある。
ここで、車両の加速時等に電動モータMTRの回転数が増加する場合と、車両の負荷トルクの上昇等に伴って電動モータMTRのトルクを増加させる場合とでは、後者の方が単位時間当たりの変化が大きくなりやすい。このため、電動モータMTRのトルク変動に対しては、冷却水の流量の応答遅れを特に考慮する必要がある。
本実施形態では、車両統合コントローラVCMが、電動モータMTRの現在のトルクと指令値のトルクとの差に応じて、ウォータポンプW/Pに出力する流量指令における冷却水の流量を決定するために、本実施形態では、過渡熱領域時間を用いる。
図5は、電動モータMTRに対する指令値のトルクを回転数一定のまま増加させた場合のIGBT11の温度の推移を示すグラフである。過渡熱領域時間は、図5のグラフの下部に示す電動モータMTRに対する指令値のトルクの変化によって、車両が低トルクの走行状態Aから高トルクの走行状態Bに移行する場合を想定して決定する。ここで、走行状態Aで必要な冷却水の流量をα、走行状態B(最大トルク時)で必要な冷却水の流量をβとする。
車両が走行状態Aから走行状態Bに移行する場合、それに応じて冷却水の流量がβになれば、図5のグラフに一点鎖線で示すように、IGBT11の温度を上限温度以下に保つことができる。ところが、車両が走行状態Aから走行状態Bに移行する場合に、冷却水の流量がαの状態で維持されると、冷却水の流量が不足して、図5のグラフに実線で示すように、IGBT11の温度が上限温度を超えてしまう恐れがある。
そこで、車両が走行状態Aから走行状態Bに移行したのに、冷却水の流量が、走行状態Aのときに必要な流量のαに維持されてしまったものとして、車両が走行状態Aから走行状態Bに移行してから、IGBT11の温度が上限温度を超えるまでの所要時間を、過渡熱領域時間と定義する。
この過渡熱領域時間は、電動モータMTRのトルクを回転数一定のまま増加させて車両を走行状態Aから走行状態Bに移行させたときに、冷却水の流量を走行状態Aのときに必要な流量から走行状態Bのときに必要な流量に増加させる流量指令の変化に対する冷却水の流量変化の応答遅れによって、IGBT11の温度が上限温度を超えた場合を模擬している。
そして、車両統合コントローラVCMからウォータポンプW/Pに出力させる流量指令による冷却水の制御上の目標流量Q1(請求項中の指定冷媒流量に相当)は、電動モータMTRの最大トルクTmaxでの駆動時に車両統合コントローラVCMが流量指令において設定する冷却水の流量の最大値をQ0(請求項中の最大冷媒流量に相当)、ウォータポンプW/Pの回転数変更による冷媒水の流量の単位時間当たりの最大変化率をA、上述した過渡熱領域時間tとした場合に、
Q1=Q0−(A×t)
の式によって求めることができる。
これにより、車両統合コントローラVCMの流量指令による冷却水の制御上の目標流量Q1は、次の(1)〜(3)の条件、即ち、
(1)所定回転数の電動モータMTRを現在のトルクT1から所定回転数における最大トルクTmaxに増やして最大変化率Aで冷却水の流量を増加させると、電動モータMTRのトルクの増加に伴いIGBT11の温度が上限温度に達する前に、電動モータMTRの最大トルクTmaxでの駆動時における車両統合コントローラVCMの流量指令によって設定される冷却水の流量の最大値Q0に達する加速度で冷媒流量が増加し、
(2)そのトルクT1時においてIGBT11を上限温度以下に冷却できる最小流量よりも高い冷媒流量であって、
(3)冷却水の流量の最大値Q0よりも低い冷媒流量となる、
という条件を全て満たす値となる。
なお、過渡熱領域時間tの期間は、電動モータMTRの現在のトルクT1から最大トルクまでの差分が小さいほど短くなる。
図6のグラフでは、所定回転数の電動モータMTRに対する指令値のトルクを最大トルクTmaxに増やすのに伴って冷却水の流量を流量c(L/min)に増やす場合を、電動モータMTRの現在のトルクT1が「0(Nm)」であるときと「100(Nm)」であるときとについて示している。
まず、電動モータMTRの現在のトルクT1が「0(Nm)」であるときには、冷却水の流量を流量c(L/min)に増やせば、電動モータMTRに対する指令値のトルクを最大トルクTmaxに増やしても、図6のグラフに二点鎖線で示すように上限温度以下にIGBT11(図2)が冷却される。
しかし、車両統合コントローラVCMの流量指令の変化に対する冷却水の流量変化に応答遅れが生じて、流量cよりも少ない流量a(L/min)にしか冷却水の流量が増えないと、電動モータMTRに対する指令値のトルクを最大トルクTmaxに増やすことで、図6のグラフに実線で示すように、IGBT11(図2)の温度が、流量指令の変化から過渡熱領域時間t1後に上限温度を超えてしまう。
次に、電動モータMTRの現在のトルクT1が「100(Nm)」であるときには、冷却水の流量を流量c(L/min)に増やせば、電動モータMTRに対する指令値のトルクを最大トルクTmaxに増やしても、図6のグラフに破線で示すように上限温度以下にIGBT11(図2)が冷却される。
しかし、車両統合コントローラVCMの流量指令の変化に対する冷却水の流量変化に応答遅れが生じて、流量cよりも少ない流量b(L/min)にしか冷却水の流量が増えないと、電動モータMTRに対する指令値のトルクを最大トルクTmaxに増やすことで、図6のグラフに一点鎖線で示すように、IGBT11(図2)の温度が、流量指令の変化から過渡熱領域時間t2後に上限温度を超えてしまう。
ここで、電動モータMTRのトルクを増やす場合の現在のトルクT1と最大トルクとの差分は、現在のトルクT1が「100(Nm)」であるときの方が「0(Nm)」であるときよりも小さい。そして、現在のトルクT1が「100(Nm)」であるときの過渡熱領域時間t2の方が「0(Nm)」であるときの過渡熱領域時間t1よりも短いことがわかる。
したがって、現在のトルクT1が最大トルクに近づくほど、目標流量Q1が最大値Q0に近づくことになる。換言すれば、本実施形態においては、最大トルク以下のトルク領域において、最大トルク時に求められる冷却水の流量よりも少ない流量でIGBT11を冷却している。
ここで、現在のトルクT1から最大トルクまで急峻にトルク増加があった場合においても、本実施形態では、過渡熱領域時間内に最大値Q0まで達することができるように目標流量Q1が設定されるため、走行状態が変化してもIGBT11を上限温度以下に冷却することができる。これによりウォータポンプW/Pによる電力消費を抑えつつIGBT11を上限温度以下に確実に冷却することができる。
なお、図6のグラフを参照して説明したように、過渡熱領域時間tの期間は、ウォータポンプW/Pによりウォータジャケット3に供給される冷却水の流量を現在の流量に維持したときの、電動モータMTRが現在の回転数において出力可能な最大トルクTmaxと、電動モータMTRの現在のトルクT1との差分によって異なる。
そこで、現在の回転数における電動モータMTRの現在のトルクT1と現在の電動モータMTRの回転数R(請求項中の所定回転数に相当)とを、冷却水の制御上の目標流量Q1に対応付けた、図8に示すようなルックアップテーブルLUT(請求項中のテーブルに相当)を用いてもよい。図8における縦の列(カラム)は電動モータMTRの現在のトルクT1であり、横の行(ロウ)は電動モータMTRの現在の回転数Rである。
ここで、所定回転数における現在のトルクT1のときの冷却水の流量は、上述した式(Q1=Q0−(A×t))によって予め求めておいたものである。
なお、ルックアップテーブルLUTは、例えば図1に示すように、車両統合コントローラVCMに内蔵したメモリM(請求項中の記憶部に相当)に記憶させておくことができる。
ちなみに、図8のルックアップテーブルLUTにおいて、L1〜L14は冷却水の制御上の目標流量Q1の値を示している(L1が最小、L14が最大)。空欄は、電動モータMTRの性能上、出力が規制されている領域であるため、特に目標流量Q1の値を設定していない。
本発明は、車両で動力として用いる電動モータを駆動するインバータの冷却装置において利用することができる。
1 冷却装置
3 ウォータジャケット(冷却ユニット)
3a 冷却水通路
5 ラジエータ
7 ラジエータファン
10 半導体モジュール
11 IGBT
13 フィールドプレート
15 接合材
17 バスバー
19 接合材
21 絶縁シート
INV インバータ
LUT ルックアップテーブル(テーブル)
M メモリ(記憶部)
MTR 電動モータ
VCM 車両統合コントローラ(流量決定部、制御部)
W/P ウォータポンプ(ポンプ)

Claims (4)

  1. 直流電源の電圧を車両駆動用の電動モータ(MTR)に対するトルク(T1)の指令値に応じた交流電圧に変換して前記電動モータ(MTR)に供給するインバータ(INV)を、単位時間当たりに最大変化率(A)で冷媒流量を増加可能なポンプ(W/P)による冷媒流量に応じた冷却能力で冷却する冷却ユニット(3)と、
    前記冷却ユニット(3)により前記インバータ(INV)を上限温度以下に冷却するための前記ポンプ(W/P)による指令冷媒流量(Q1)を、前記指令値に応じて決定する流量決定部(VCM−1)と、
    前記流量決定部(VCM−1)が決定した冷媒流量に基づいて、前記ポンプ(W/P)を制御する制御部(VCM−2)と、
    を備え、
    前記流量決定部(VCM−1)は、
    所定回転数(R)の前記電動モータ(MTR)を現在のトルク(T1)から前記所定回転数(R)における最大トルク(Tmax)に上昇させたときに前記インバータ(INV)の温度が前記上限温度に達する前に、前記電動モータ(MTR)の前記最大トルク(Tmax)での駆動時に設定される最大冷媒流量(Q0)に前記最大変化率(A)で達するように、前記現在のトルク(T1)の前記指令値に対する前記指令冷媒流量(Q1)を決定する、
    車両駆動モータ用インバータの冷却装置(1)。
  2. 前記流量決定部(VCM−1)は、
    現在のトルク(T1)において前記インバータ(INV)を前記上限温度以下に冷却できる最小流量よりも高い冷媒流量であって、
    しかも、前記最大冷媒流量(Q0)よりも低い冷媒流量となるように、
    前記指令冷媒流量(Q1)を決定する、
    請求項1記載の車両駆動モータ用インバータの冷却装置(1)。
  3. 直流電源の電圧を車両駆動用の電動モータ(MTR)に対するトルク(T1)の指令値に応じた交流電圧に変換して前記電動モータ(MTR)に供給するインバータ(INV)を、単位時間当たりに最大変化率(A)で冷媒流量を増加可能なポンプ(W/P)による冷媒流量に応じた冷却能力で冷却する冷却ユニット(3)と、
    前記冷却ユニット(3)により前記インバータ(INV)を上限温度以下に冷却するための前記ポンプ(W/P)による指令冷媒流量(Q1)を、前記指令値に応じて決定する流量決定部(VCM−1)と、
    前記流量決定部(VCM−1)が決定した冷媒流量に基づいて、前記ポンプ(W/P)を制御する制御部(VCM−2)と、
    を備え、
    所定回転数(R)の前記電動モータ(MTR)を現在のトルク(T1)から前記所定回転数(R)における最大トルク(Tmax)に上昇させ、且つ、現在のトルク(T1)時における指令冷媒流量(Q1)を維持したときに、前記インバータ(INV)が前記上限温度を超えるまでの所要時間である過渡熱領域時間をtとし、前記電動モータ(MTR)の最大トルク(Tmax)での駆動時に設定される冷媒流量を最大冷媒流量(Q0)とした場合に、
    Q1=Q0−(A×t)
    の関係式を満たす、
    車両駆動モータ用インバータの冷却装置(1)。
  4. 前記過渡熱領域時間tを定める所定回転数における前記電動モータ(MTR)の現在のトルク(T1)と前記所定回転数(R)とを、前記関係式によって求まる前記指令冷媒流量(Q1)に対応付けたテーブル(LUT)を記憶する記憶部(M)をさらに備え、前記制御部(VCM−2)は、前記ポンプ(W/P)による冷媒流量が、前記テーブル(LUT)において前記現在のトルク(T1)と前記所定回転数(R)とに対応付けられた前記指令冷媒流量(Q1)となるように、前記ポンプ(W/P)を制御する請求項3記載の車両駆動モータ用インバータの冷却装置(1)。
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