JP2017183618A - 太陽電池モジュール用裏面保護シート - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで且つ耐光性、耐加水分解性に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供する。【解決手段】紫外線保護層(A層)、白色ポリエステル基材(B層)および易接着性樹脂層(C層)をこの順に有し、前記B層は、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層を少なくとも1層含み、前記A層は、B層の一方の面に接着剤層を介さず形成され、B層を紫外線から保護する機能を有し、前記C層は、B層のA層の反対面に接着剤層を介さず形成され、太陽電池素子を保持固定する充填材との接着性を有することを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。【選択図】図1

Description

本発明は、耐光性に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートに関する。
太陽電池は、半永久的で無公害のクリーンエネルギー源として実用化され、爆発的に普及が進んでいる。太陽光エネルギーを直接電気に変換する太陽電池素子は、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板等を用いて作製され、実用的な電気出力を発生させるために複数の太陽電池素子を接続し、受光面を透明基板等で覆い、隙間は充填材等を用いて太陽電池素子を保護する構造である太陽電池モジュールに加工されて使用される。一般に太陽電池モジュールは、透明前面基板、表面充填材層、太陽電池素子、裏面充填材層、及び裏面保護シートを順次積層し、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して製造される。太陽電池モジュールは複数のものを並べて屋外に設置して使用されることが多いため、太陽電池モジュールを構成する部材には高い耐候性と耐久性が必要とされる。なかでも、太陽電池モジュールに用いられる裏面保護シートは、主として太陽電池モジュールを構成する太陽電池素子の裏面側を保護するため、機械強度に優れ、かつ耐候性、耐加水分解性、耐久性等を備えることが必要とされている(特許文献1)。
太陽電池は屋外で使用されることが多く、近年では発電量に影響する日射量の多い地域(例えば砂漠地帯など)への設置が進んでいる。20年後でも設置当初の発電量を保証するメーカーが多く、より耐候性に優れた太陽電池部材が必要となっている。太陽電池モジュール用裏面保護シートには、ポリエチレンテレフタレートフィルムが使用されており、ポリエチレンテレフタレートフィルムに耐光性、耐加水分解性を付与させる方法で、様々な太陽電池モジュール用裏面保護シートが存在している。耐光性の付与方法としては、白色顔料を含むフッ素フィルムを最外層側に使用する太陽電池モジュール用裏面保護シートや、白色顔料を含むポリエステルフィルムを最外層側に使用する太陽電池モジュール用裏面保護シートがある。この場合、白色顔料を含むフッ素フィルムや耐加水分解性を有したポリエチレンテレフタレートフィルムは、耐光性を付与できる程の白色顔料添加により価格面で高価となることから、拡大を続ける太陽電池市場において、より安価で実環境下使用可能な耐光性を有する太陽電池モジュール用裏面保護シートが必要とされている(特許文献2)。
従来から用いられている太陽電池モジュール用裏面保護シートとしては、白色のポリフッ化ビニルフィルム(デュポン(株)製“テドラー”(登録商標))が例示でき、該フィルムでポリエステルフィルムを挟んだ積層構成の太陽電池モジュール用裏面保護シートは当該用途で幅広く用いられている。ポリフッ化ビニルフィルムは耐光性に優れるが高価であり、太陽電池モジュールの低価格化の点では障害となる。またフッ素を含有しているため廃棄コストの問題を有する。
近年、ポリエステル等の基材フィルムに紫外線保護層を積層した太陽電池モジュール用裏面保護シートが提案されている。紫外線保護層で背面からの光の侵入を遮断する構成であり、基材フィルムの選択に自由度があり、コストも低くできることから生産数量が増えている(特許文献3)。
太陽電池モジュール用裏面保護シートは、直接太陽光にさらされることはないものの、設置方法によっては回り込みや照り返しによる太陽光が当たるため、太陽電池モジュール用裏面保護シートに耐光性を付与することは重要である。しかしながら、太陽電池モジュールを長期設置している間に、裏面保護シートの表面が粉を吹いた状態となる、いわゆるチョーキング現象が問題となっている。
特開2000―164907号公報 特開2013−16864号公報 国際公開第2010/067780号
本発明が解決しようとする課題は、耐光性を有する白色ポリエステル基材に、接着剤層を介さず紫外線保護層を設け、更に耐光性を向上させた太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。
第1の発明は、紫外線保護層(A層)、白色ポリエステル基材(B層)および易接着性樹脂層(C層)をこの順に有し、前記B層は、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層を少なくとも1層含み、前記A層は、B層の一方の面に接着剤層を介さず形成され、B層を紫外線から保護する機能を有し、前記C層は、B層のA層の反対面に接着剤層を介さず形成され、太陽電池素子を保持固定する充填材との接着性を有することを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートである。
第2の発明は、前記B層が、ポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層が積層されてなり、B層の白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層側に、前記A層が接着剤層を介さず形成されていることを特徴とする。
第3の発明は、前記B層の白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層における白色化剤の含有率が10質量%以上であることを特徴とする。
第4の発明は、前記B層の白色化剤が酸化チタンであることを特徴とする。
第5の発明は、前記A層の、360nm波長における光線透過率が5%未満であることを特徴とする。
第6の発明は、温度63℃、相対湿度30%の雰囲気下、前記A層側へ強度1000W/mの紫外線を316時間照射した後の厚さ減少量が5μm以下であることを特徴とする。
本発明により、耐光層を有する白色ポリエステル基材に、接着剤層を介さず更に紫外線保護層を設けることで、チョーキング現象を防止し、低コストで且つ耐光性に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの一例を示した断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの一例を示した断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールを例示する断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図に示すものは一実施形態であり、これに限定されるものではない。
図1は、単層の白色ポリエステル基材(B層)の一方の面に紫外線保護層(A層)が形成され、A層の反対面に易接着性樹脂層(C層)が形成されてなる太陽電池モジュール用裏面保護シートである。
図2は、ポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層が積層されてなる白色ポリエステル基材(B層)に、B層の白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層の面に紫外線保護層(A層)が形成され、A層の反対面に易接着性樹脂層(C層)が形成されてなる太陽電池モジュール用裏面保護シートである。
図3は、表面ガラス、充填材シート1、太陽電池素子、充填材シート2、および本発明の裏面保護シートによって構成された太陽電池モジュールである。外部からの光は、表面ガラスから入射し、充填材シート1を通り、太陽電池素子に到達し、光起電力が生ずる。また、太陽電池モジュール用裏面保護シートに反射した光が、太陽電池素子に到達し、光起電力が生ずる。
以下、各構成要件について説明を行う。
(白色ポリエステル基材(B層))
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおけるポリエステル基材のポリエステルとは、多価カルボン酸とポリアルコール、一般的にはジカルボン酸とジオールの縮重合により得られた、主鎖中にエステル結合を有する樹脂であって、例えばテレフタル酸とジエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレート(PET)や、2,6−ナフタレンジカルボン酸とジエチレングリコールからなるポリエチレンナフタレート(PEN)などが代表的なものとして挙げられる。また、ポリエステル樹脂は共重合体であってもよく、共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体のジカルボン酸成分などを使用することができる。
本発明における白色ポリエステル基材(B層)は、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層を少なくとも1層有するポリエステルフィルムであることが必要であり、ポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層が共押し出し成形により積層されたものが、白色化剤の効率的な利用のためにさらに好ましく、この場合、ポリエステル樹脂層側に回収原料を、50質量%を上限に添加することは工業的に重要な手法であって、この場合はポリエステル樹脂層側にも白色化剤が多少なりとも添加されることになる。
白色ポリエステル基材(B層)が、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層を少なくとも1層有するポリエステルフィルムであることで、ラミネート工程で加熱圧着する際に、太陽発電素子の端部や、隣接する光起電力素子を相互に接続するためのインターコネクターやセルストリングスを相互に接続するためのバスバーと呼ばれる集電電極などの配線部材が透けないように隠蔽性を持たせることができる。
白色ポリエステル基材(B層)が、ポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層が共押し出し成形により積層されたものである場合、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層における白色化剤の含有率が10質量%以上であることが太陽電池モジュール用裏面保護シートの耐紫外線性の点で好ましく、さらに好ましくは12質量%以上である。白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層における白色化剤の含有率が10質量%以上であることにより、裏面保護シートの紫外線劣化を防ぐことができ、すなわち長期の屋外暴露においても地面や屋根からの照り返しによる樹脂の色調変化、強度劣化などの紫外線劣化を防止することができる。
このような白色ポリエステル基材(B層)としては、白色化剤が添加された耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる耐加水分解性白色PETフィルムである東レ(株)製の“ルミラー”(登録商標)MG13や、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート樹脂層と白色化剤が添加された耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート樹脂層が共押し出し成形された耐加水分解性白色PETフィルムである東レ(株)製の“ルミラー”(登録商標)MX11が好ましく用いることができる。
白色化剤としては、酸化チタン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が用いられ、さらにこれらの白色化剤は紫外線吸収剤としての機能も有する。白色化剤としては紫外線劣化を抑制し、光線を長時間照射したときのフィルム黄変や機械的強度の低下を少なくすることができる酸化チタン粒子が好ましく、白色度、分散性、隠蔽性、耐候性等の観点から好適な粒子径や添加量を適用するのがよい。酸化チタン粒子等の白色化剤の平均一次粒子径は、0.1〜1μmの範囲が好ましく、0.15〜0.5μmの範囲にあるものがより好ましい。平均粒子径が上記範囲外では均一分散化が難しくなったり、フィルム表面の平滑性が悪化したりするので好ましくない。また白色化剤の添加量は5〜20質量%の範囲が好ましく、7〜15質量%の範囲にあるものがより好ましい。添加量が上記範囲未満ではフィルムの光学濃度、白色度等の特性を向上させることが難しく、逆に上記範囲以上では延伸時にフィルム破れや、後加工の際に粉発生等の不都合を生じる場合がある。
さらに、白色ポリエステル基材(B層)には、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
また、本発明における白色ポリエステル基材(B層)の厚さは、特に制限されるものではないが、裏面保護シートの耐電圧特性、コスト等を勘案すると、25〜300μmの範囲が好ましい。
(紫外線保護層(A層))
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおける紫外線保護層(A層)は、裏面保護シートの最外層に配設される層であって、太陽電池モジュールの裏面側に積層される裏面保護シートを、紫外線の照射から保護するための機能を有し、ポリエステル基材上に塗布されて裏面保護シートに導入される。
紫外線保護層(A層)は、本来の機能を果たすための紫外線吸収性に加え、耐候性、耐熱性、耐UV性、ポリエステル基材との接着性等を考慮して選定され、さらには意匠性を付与するためにその目的に応じた着色剤が添加されることがある。
紫外線保護層(A層)は、紫外線吸収剤と、それを固定するためのバインダー樹脂とを含む。バインダー樹脂は、アクリル系樹脂やフッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、さらに自らの光劣化を防ぐための光安定化剤と併用されることが長期に耐候性を保持できることから好ましい。光安定化剤を樹脂中に安定に保持するためにはバインダー樹脂に光安定化機能を有する基を導入することが好ましく、光安定化基を有するモノマーをバインダー樹脂に共重合することが好ましい。またバインダー樹脂は、架橋構造をとることが長期耐候性の点から好ましく、架橋の基点となる水酸基を有するポリオール系バインダー樹脂とポリイソシアネート架橋剤からなる組成物を塗布過程で反応させて、ポリマー構造中に架橋構造を形成することが好ましい。さらに、上記バインダー樹脂には、紫外線吸収能を有するモノマーを共重合して固定することが、単独で添加した場合には揮発等でその機能が低下することに対して、やはり長期に安定して紫外線吸収能を発揮させるために好ましく、例えば、(株)日本触媒製“ハルスハイブリッド”(登録商標)、旭電化社製の“アデカスタブ”(登録商標)LA−82、LA−87などの反応型、ヘキスト・ジャパン社製の“ホスタビン”(登録商標)N−20、吉富ファインケミカル社製の“トミソープ”(登録商標)77などのモノマータイプ、ビーエーエスエフ・ジャパン社製のUvinal5050Hなどのオリゴマータイプなどを使用することができる。
また、本発明にかかる紫外線保護層(A層)を形成するコーティング液には、紫外線保護層(A層)の特性向上の目的でポリオール系バインダー樹脂中の水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤を硬化剤として配合するのが好ましく、中でもポリイソシアネート系の硬化剤を使用し、ウレタン結合の架橋構造を形成させる処方が好ましい。
紫外線保護層(A層)には、該紫外線保護層を着色し、色調を長期に維持するために着色剤を用いてもよい。太陽電池モジュール用裏面保護シートは、光反射性及び意匠性の観点から白色のものが主流であり、着色することにより光線から紫外線保護層のバインダー樹脂を保護するという効果が得られる。
紫外線保護層(A層)に用いられる白色化剤は炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、カオリンクレー、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機系の微粒子であることが耐候性の点から好ましく、中でも入手容易性、価格、発色性能、顔料そのものの紫外線吸収性から酸化チタン粒子が最も好ましく、結晶型として、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型などが知られているが、優れた白色度と耐候性および光反射性などの特性からルチル型が好ましい。さらに白色度を高めるためにはチオフェンジイル等の蛍光増白剤を用いると効果的である。特に発色の観点から酸化チタンに関しては、その数平均粒子径は0.1〜1.0μmが好ましく、バインダー樹脂に対する分散性やコストの観点からより好ましくは0.2〜0.5μmである。
前記の着色化剤の配合量に関しては、発色させたい色調の設計に合わせて適宜調整すれば良い。ただし、顔料配合量が少なすぎる場合には意匠性に優れた色調外観が得られないこと、逆に配合量が多すぎる場合にはコストが高くなること、樹脂層の硬度が大幅に向上することによる基材との密着力不良を生じやすくなるなどの理由から、バインダー樹脂100質量部に対し1〜200質量部の範囲が好ましい。
また、本発明における紫外線保護層(A層)に、易滑性が向上し爪や金属による傷が付き難くなる効果(耐傷性)を目的として炭化水素系ワックスを添加してもよい。炭化水素系ワックスの添加量は、紫外線保護層の固形分中0.5〜10質量%であることが好ましく、また炭化水素系ワックスの平均粒径は、2〜20μmであることが好ましく、4〜10μmであることがより好ましい。
本発明において紫外線保護層(A層)は、白色ポリエステル基材(B層)上に接着剤層を介さずに形成することが重要である。接着剤層を介さず、白色ポリエステル基材(B層)上に直接、紫外線保護層(A層)を設けることで、接着剤層の劣化による紫外線保護フィルム等の剥離・脱落を防止することができる。白色ポリエステル基材(B層)上に直接、紫外線保護層(A層)を設けるためには、押し出しラミネート法やコーティング法等の手法を用いることができるが、とくにコーティング法により、厚さや塗工外観の安定した紫外線保護層を、生産性よく形成させることができる。塗布手法としては、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができるが、中でも、グラビアロールコーティング法は厚さ均一性に優れ、塗工外観ムラの小さい紫外線保護層を形成することができる好ましい方法である。
本発明の紫外線保護層(A層)を、接着剤層を介さず、コーティング法により形成するための塗液の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノールおよび水等を例示することができ、該塗液の性状としてはエマルジョン型および溶解型のいずれでも良い。
紫外線保護層(A層)の厚さは0.5〜10μmが好ましく、さらに好ましくは1〜8μm、特に好ましくは1〜4μmである。この紫外線保護層(A層)を、接着剤層を介さず、コーティング法により形成する場合、厚さが0.5μm未満であると、塗工時にはじきや膜切れといった現象を生じ易く、均一な塗膜を形成し難いために、白色ポリエステル基材(B層)に対する密着力、紫外線カット性、耐剥がれ性、耐傷性が十分に発現しない場合がある。一方、紫外線保護層(A層)の厚さが10μmを越えると、紫外線カット性能は十分発現するが、塗工方式に制約を生じる(厚膜塗布が可能な特異プロセス、装置制約)、生産コストが高くなる、搬送ロールへの塗膜粘着やそれに伴う塗膜の剥がれ等を生じ易くなるなどの点が懸念される。
本発明における紫外線保護層(A層)は、太陽電池モジュールの屋外層側に配設され、長期の屋外暴露においても地面や屋根からの照り返しによる色調変化や太陽電池裏面保護シート全体の破断伸度劣化などの紫外線劣化を防止する機能を担っており、紫外線保護層(A層)の、360nm波長における光線透過率は5%未満が好ましく、より好ましくは1%未満とすることで、太陽電池裏面保護シートの紫外線保護層(A層)側から見た色調変化や太陽電池裏面保護シート全体の破断伸度劣化を小さくすることができる。具体的には、温度63℃、相対湿度30%の雰囲気下、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層へ強度1000W/mの紫外線を316時間照射した後の色差(ΔE)が3以下であり、破断伸度保持率が70%以上とすることができる。
また本発明において白色ポリエステル基材(B層)に紫外線保護層(A層)を設けることで、白色ポリエステル基材(B層)の表面が粉を吹いた状態となる、いわゆるチョーキング現象を防止することができる。チョーキング現象の指標としては、裏面保護シートの紫外線保護層(A層)側へ、温度63℃、相対湿度30%の雰囲気下、前記A層側へ強度1000W/mの紫外線を316時間照射した後の厚さ減少量であり、それが5μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以下である。
とりわけ、白色ポリエステル基材(B層)が、ポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層が共押し出し成形により積層されたものである場合、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層における白色化剤の濃度を高くして、紫外線による裏面保護シートの黄変や破断伸度の低下を効率的に抑制させることができる一方、チョーキング現象は悪化する傾向にあり、この場合、白色ポリエステル基材(B層)の白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層側に紫外線保護層(A層)を設けることで、紫外線による裏面保護シートの黄変や破断伸度の低下の抑制とチョーキング現象の防止を両立させることができる。
(易接着性樹脂層(C層))
本発明における易接着性樹脂層(C層)は、表面保護シート、封止材シート1、配線を配設した太陽光発電素子、封止材シート2、および裏面保護シートをこの順に積層し、加熱圧着成型により一体化する太陽電池モジュールの製造過程において、裏面保護シートと封止材シートとの密着力を決定する。本発明における封止材シートとは、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)からなるシートである。本発明における易接着性樹脂層(C層)面と封止材シートと加熱圧着成型した後の密着強度が50N/cm以上であることが好ましい。
さらに、太陽電池モジュール前面から入射した光線のうち、セル間を抜けて封止材シート層を透過して裏面保護シートに到達する光に対して、光劣化反応を生じない耐性を示す樹脂を選定することが、長期にわたり密着性能を安定に維持するためには好ましい。従って、易接着性樹脂層(C層)を形成する樹脂は耐光性を有する樹脂が好ましく、アクリル系樹脂や、さらに耐光性に優れるフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
アクリル系樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルポリオール共重合体、アクリル/ウレタン共重合体などが用いられる。例えば例えば“アクリナール”(登録商標)(東栄化成(株)製)、“アクリット”(登録商標)(大成ファインケミカル(株)製)、“ヒタロイド”(登録商標)(日立化成工業(株)製)、“アクリディック”(登録商標)(DIC(株)製)、“ユーダブル”(登録商標)((株)日本触媒製)、“ダイヤナール”(登録商標)(三菱レイヨン(株))などが挙げられる。ポリウレタン系樹脂としては、例えば、“サンプレン”(登録商標)(三洋化成工業(株)製)、“タケラック”(登録商標)(三井化学(株)製)、TA(日立化成ポリマー(株)製)、“セイカボンド”(登録商標)(大日精化工業(株)製)などが挙げられる。
フッ素系樹脂としては、構成単位の観点から、例えばパーフルオロオレフィン単位を主体とするパーフルオロオレフィン系樹脂が挙げられる。具体例としては、テトラフルオロエチレンの単独重合体(PTFE)、またはテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)などとの共重合体、さらにはこれらと共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。これらのうち、テトラフルオロエチレンを主体とするフッ素系樹脂が、顔料分散性や耐候性、共重合性、耐薬品性に優れている点で好ましく、例えばダイキン工業(株)製の“ゼッフル”(登録商標)GKシリーズなどが例示できる。これらフッ素系樹脂は難燃性にも優れるため、太陽電池モジュール用裏面保護シート用フィルムの難燃性を向上させる効果もある。
また、ポリエステル基材との密着性を向上させるため、あるいは本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、太陽電池モジュール製造工程において、高温処理にさらされることから塗膜の耐熱性を向上させることを目的に、これらの耐侯性樹脂に架橋構造を形成することが好ましい。
本発明における易接着性樹脂層(C層)は、白色ポリエステル基材(B層)の紫外線保護層(A層)の反対面に、接着剤層を介さずに形成することが重要である。接着剤層を介さず、白色ポリエステル基材(B層)上に直接、易接着性樹脂層(C層)を設けることで、接着剤層の劣化による易接着性樹脂フィルム等の剥離・脱落を防止することができる。白色ポリエステル基材(B層)上に直接、易接着性樹脂層(C層)を設けるためには、押し出しラミネート法やコーティング法等の手法を用いることができるが、とくにコーティング法により、厚さや塗工外観の安定した易接着性樹脂層を、生産性よく形成させることができる。塗布手法としては、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができるが、中でも、グラビアロールコーティング法は厚さ均一性に優れ、塗工外観ムラの小さい易接着性樹脂層を形成することができる好ましい方法である。
易接着性樹脂層(C層)の厚さは0.2〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜5μmである。易接着性樹脂層(C層)の厚さが0.2μm未満であると、塗工時にはじきや膜切れといった現象を生じ易く、均一な塗膜を形成し難いために、白色ポリエステル基材(B層)および封止材シートに対する密着強度が十分に発現しない場合がある。一方、易接着性樹脂層(C層)の厚さが10μmを越えると、密着強度は十分に発現するが、塗布方法に制約を生じる、生産コストが高くなる、搬送ロールへの塗膜粘着やそれに伴う塗膜の剥がれ等を生じ易くなるなどの点が懸念される。
本発明における易接着性樹脂層(C層)を塗布方法により形成するためのコーティング液の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノールおよび水等を例示することができ、該コーティング液の性状としてはエマルジョン型および溶解型のいずれでも良い。
本発明の易接着性樹脂層(C層)には、耐光性を付与する目的で無機系の着色化剤を添加することが好ましい。現在、太陽電池用裏面保護シートの外観は白色が主流であり、本発明の目的のためには無機系の白色化剤を添加することが、易接着コート層Cに耐光性を付与する目的のために好ましい。
易接着性樹脂層(C層)に用いられる白色化剤としては、耐光性に優れる酸化チタンが好ましい。発色の観点から、その数平均粒子径は0.1〜1.0μmが好ましく、分散性やコストの観点からより好ましくは0.2〜0.5μmである。
易接着性樹脂層(C層)に用いられる白色化剤の配合量に関しては、発色させたい色調の設計に合わせて適宜調整すれば良い。ただし、白色化剤の配合量が少なすぎる場合には意匠性に優れた色調外観が得られないこと、耐光性能が不十分になること、逆に配合量が多すぎる場合にはコストが高くなること、易接着性樹脂層(C層)の硬度が大幅に向上すること、対封止材シートとの密着力の不足や低下を生じやすくなること、顔料が塗膜表面にブリードアウトするなどの懸念がある。
上記の理由から、白色化剤の配合量としては、易接着性樹脂100質量部に対して、20〜80質量部が好ましく、より好ましくは30〜70質量部である。白色化剤が20質量部未満だと適切な耐光性能が得られず、また80質量部より多いと樹脂層が脆くなり適切な強度が得にくかったり、易接着性樹脂と白色化剤の分散不良が発生して、耐光性能が低下したりする傾向がある。
(裏面保護シート)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートとしては、白色ポリエステル基材(B層)の両側にそれぞれ紫外線保護層(A層)および易接着性樹脂層(C層)を形成してもよいし、必要に応じて、太陽光にさらされる紫外線保護層(A層)とは反対面、すなわち白色ポリエステル基材(B層)と易接着性樹脂層(C層)の間に、白色フィルム、金属酸化物蒸着層を有するバリアフィルム、太陽電池素子から外部への放電を防止する絶縁フィルムのうちの1種以上を、公知のドライラミネート技術を用いて積層することにより各種要求特性を満たす太陽電池モジュール用裏面保護シートを得ても良い。
白色フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ製“ルミラー”(登録商標)E20F、ポリフッ化ビニルフィルムであるデュポン社製“テドラー”(登録商標)PV2001、ポリフッ化ビニリデンフィルムであるアルケマ社製“カイナー”(登録商標)302−PGM−TRなどが例示できる。無機酸化物蒸着層を有するフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム基材上に酸化アルミニウムからなる金属酸化物蒸着層が形成されてなる東レフィルム加工(株)製“バリアロックス”(登録商標)1011HGが例示できる。絶縁フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)S10が例示できる。白色フィルムを積層した場合には光反射性が付与され、金属酸化物蒸着層を有するフィルムを積層した場合には水蒸気遮断性が付与され、あるいは絶縁フィルムを積層した場合には、裏面保護シートの厚さが増し、絶縁破壊電圧や部分放電電圧等の電気特性を向上させることができる。また、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートに積層するフィルムは必ずしも1枚である必要はなく、付与したい特性に応じて、適宜各部材フィルムを組み合わせ、太陽電池モジュール用裏面保護シートを設計すれば良い。
フィルムを積層し、シート状に加工する手法としては、公知のドライラミネート法が利用できる。ドライラミネート法を用いた樹脂フィルムの貼り合わせには、ポリエーテルポリウレンタン系、ポリエステルポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエポキシ系樹脂などの主剤とポリイソシアネート系の硬化剤とを成分とする公知のドライラミネート用接着剤を用いることができる
本発明における太陽電池モジュール用裏面保護シートの全厚さは、100〜300μmであることが好ましく、経済性の観点からより好ましくは130〜250μmである。厚さが300μmを越えると、電気絶縁性は向上するが、太陽電池モジュール製造工程での枚葉にカットする際の断裁性が悪くなる場合があり、さらに、加工工程でのカール影響により太陽電池素子との熱圧着作業性が悪くなる場合がある。一方、フィルムの厚さが100μm未満の場合、太陽電池素子を繋ぐ配線等が透けて見えやすくなり、外観が悪くなる場合があると共に部分放電電圧が低下するため好ましくない。
また、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、加工時のシワ抑制面から150℃、30分の熱処理における収縮率は、縦方向、横方向共に1.0%以下、より好ましくは、縦方向、横方向共に0.5%以下である。太陽電池モジュール用裏面保護シートの150℃、30分の熱処理における収縮率を、縦方向、横方向共に0.5%以下に抑える方法としては、例えば、アニール処理により事前に熱履歴を与える事により収縮させ、後工程において熱が加わる熱圧着等の工程での収縮を防ぐ技術が知られている。
(太陽電池モジュール)
太陽電池モジュールは、太陽光が照射される側より、表面ガラス、結晶系シリコンなどの太陽電池素子を保持固定する充填材層、太陽電池素子、充填材層、裏面保護シートの順に積層されている。本構成中の充填材層は、太陽電池素子の凹凸を被覆し、素子を温度変化、湿度、衝撃などから保護し、かつ表面ガラスや表面保護シートおよび裏面保護シートとの接着性を確保する目的で使用される。太陽電池モジュールの充填材層としては、公知の接着性フィルムを使用することができ、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)以外に、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、エチレン・酢酸ビニル部分鹸化物、シリコーン樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。太陽電池モジュールの充填材層は、耐光性、透過性、耐湿性、経済性の点からEVAが特に好ましく用いられ、酢酸ビニル含有量が充填剤層を構成する全樹脂成分に対して15〜40モル%のものが特に好ましい。太陽電池モジュールの充填材層の酢酸ビニル含有量が15〜40モル%であると、透明性が低下せず、樹脂のべたつきがなく、加工性や取り扱い性がよい。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートについて説明する。
[特性の評価方法]
本発明で用いた特性の評価方法は、下記のとおりである。
(1)360nmでの光線透過率
紫外線保護層(A層)の360nm波長の光線透過率を測定するため、島津社製UV3100−PCを用い、5cm角の試験片を使用して測定した。
50μmの東レフィルム加工(株)製ETFEフィルム「トヨフロン」(登録商標)50Eの360nmにおける光線透過率に対する、同フィルムに紫外線保護層(A層)を塗布したものの同透過率の比により、紫外線保護層(A層)の360nmにおける光線透過率を求めた。
360nmでの光線透過率が5%未満であることを実用範囲と判断した。
(2)紫外線照射による厚さ減少量
促進耐候性試験機である岩崎電気(株)アイスーパーUVテスターSUV−W161を用い、照度計を使用して、温度63℃、相対湿度30%の雰囲気下にて紫外線強度1000W/mに調整した。本装置条件にて、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの紫外線保護層(A層)側へ316時間紫外線照射を実施した。紫外線照射前後の裏面保護シートの断面を切り、光学顕微鏡(ニコン(株)製UDM ECLIPSE LV100D―U)を用いて厚さを測定し、幅方向3点の平均値を用いた。以下の式により紫外線照射による裏面保護シートの厚さ減少量を算出し、厚さ減少量が5μm以下であれば実用範囲と判断した。
紫外線照射前の裏面保護シート厚さ:a(μm)
紫外線照射後の裏面保護シート厚さ:b(μm)
紫外線照射による厚さ減少量:a−b(μm)
(3)インターコネクターの透け(隠蔽性)
太陽電池モジュール用裏面保護シートの隠蔽性はインターコネクターの透けで確認を行う。太陽電池モジュール用裏面保護シートの易接着性樹脂層(C層)側がEVAシートと向かい合う方向で、太陽電池モジュール用裏面保護シート/EVAシート(サンビック(株)製、PV−45FR000 厚さ450μm)/インターコネクター(2mm幅×厚さ0.6mm)/EVAシート(厚さ450μm)/ガラス板をこの順に積層し、(株)エヌ・ピー・シー製、太陽電池モジュールラミネーター(LM−50X50−S)に設置後、真空時間5分、制御時間1分、プレス時間9分、温度142℃の条件にて加熱圧着した。圧着後、室温冷却し、疑似モジュールを作製した。
上記方法で各水準10枚作成し、太陽電池モジュール用裏面保護シート側から、蛍光灯下、反射で目視観察した。透けの判定として、下記の基準により、○のものを合格とした。
○:インターコネクターの僅かな透けが4枚以下
×:10枚のいずれかにインターコネクターの明らかな透けがある。あるいはインターコネクターの僅かな透けが5枚以上にある。
(紫外線保護層(A層)形成用塗料の調製)
紫外線吸収剤及び光安定化剤(HALS)がアクリルポリオール樹脂に架橋されたコーティング剤である(株)日本触媒製“ハルスハイブリットポリマー”(登録商標)UV−G301(固形分濃度:40質量%)を42.5質量部、白色化剤としてテイカ(株)製酸化チタン粒子JR−709を30.0質量部および希釈剤として酢酸エチルを23.5質量部配合し、ビーズミル機を用いて分散した。その後、可塑剤としてDIC(株)製ポリエステル系可塑剤“ポリサイザー”(登録商標)W−220ELを4.0質量部添加して、紫外線保護層(A層)形成用塗料の主剤(固形分濃度:51質量%)を得た。
上記の主剤100質量部に、ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂である住化バイエルウレタン(株)製“デスモジュール”(登録商標)N3300(固形分濃度:100質量%)を4質量部および希釈剤として酢酸n−プロピルを171質量部配合し、ビーズミル機を用いて15分間攪拌することにより紫外線保護層(A層)形成用塗料(固形分濃度:20質量%)を得た。
(易接着樹脂層(C層)形成用塗料の調製)
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18質量部、n−ブチルメタクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2質量部、トルエン100質量部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリルを0.15質量部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07質量部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07質量部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、アクリル系共重合体溶液を得た。
次にアクリル系共重合体溶液100質量部に対して、MEKオキシムでブロックされた、イソホロンジイソシアネートの三量体と、MEKオキシムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートの三量体を、酢酸エチルで50質量%に希釈したポリイソシアネート化合物溶液10質量部を配合してアクリルポリマー溶液を得た。
次に、上記のアクリルポリマー溶液に、平均粒径100nmの酸化チタン顔料を樹脂固形分に対する質量比率が30質量%となるように配合し、酢酸エチルおよびメチルイソブチルケトンを希釈溶剤として追加して全固形分質量が溶液の50質量%となるように濃度調整して、酸化チタン含有アクリルポリマー溶液を得た。
次に、上記の酸化チタン含有アクリルポリマー溶液100質量部に対して、ポリイソシアネート硬化剤として住化バイエルウレタン(株)製ヘキサメチレンポリイソシアネート(HDI)含有硬化剤溶液“N−3200”を1質量部配合した後、メチルイソブチルケトンを追加配合して、全固形分質量が20質量%となるように濃度調整して、易接着樹脂層(C層)形成用塗料を得た。
(実施例1)
白色プラスチック基材(B層)として東レ(株)製の単層耐加水分解性白色ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)MG13(125μm、酸化チタン濃度:4質量%)を準備した。この白色プラスチック基材の両面に順次、コロナ処理を施したのち、ワイヤーバーを用いて、一方の面に紫外線保護層(A層)形成用塗料を乾燥後塗布厚さが2μmとなるように塗布し、150℃で30秒間乾燥し、さらにもう一方の面に易接着樹脂層(C層)形成用塗料を乾燥後塗布厚さが2μmとなるように塗布し、150℃で30秒間乾燥し、かかる後に温度40℃にて72時間エージングを実施し、紫外線保護層(A層)および易接着樹脂層(C層)の硬化反応を促し、太陽電池モジュール用裏面保護シートとした。
(実施例2)
白色プラスチック基材(B層)として東レ(株)製のポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層が積層されてなる耐加水分解性白色ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)MX12(250μm、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層の酸化チタン濃度:12質量%)を準備した。この白色プラスチック基材の両面に順次、コロナ処理を施したのち、ワイヤーバーを用いて、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層側に紫外線保護層(A層)形成用塗料を乾燥後塗布厚さが2μmとなるように塗布し、150℃で30秒間乾燥し、ついでポリエステル樹脂層側に易接着樹脂層(C層)形成用塗料を乾燥後塗布厚さが2μmとなるように塗布し、150℃で30秒間乾燥し、かかる後に温度40℃にて72時間エージングを実施し、紫外線保護層(A層)および易接着樹脂層(C層)の硬化反応を促し、太陽電池モジュール用裏面保護シートとした。
(実施例3)
白色プラスチック基材(B層)として東レ(株)製のポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層が積層されてなる耐加水分解性白色ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)MX12(160μm、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層の酸化チタン濃度:12質量%)を準備し、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層側に紫外線保護層(A層)形成用塗料を乾燥後塗布厚さ0.5μmとなるように塗布した以外は実施例1と同様の手順で太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
(比較例1)
白色プラスチック基材(B層)として東レ(株)製のポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層が積層されてなる耐加水分解性白色ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)MX12(250μm、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層の酸化チタン濃度:12質量%)を準備した。この白色プラスチック基材のポリエステル樹脂層側にコロナ処理を施したのち、ワイヤーバーを用いて、易接着樹脂層(C層)形成用塗料を乾燥後塗布厚さが2μmとなるように塗布し、150℃で30秒間乾燥し、かかる後に温度40℃にて72時間エージングを実施し、易接着樹脂層(C層)の硬化反応を促し、太陽電池モジュール用裏面保護シートとした。
白色プラスチック基材(B層)に紫外線保護層(A層)を設けなかったことで、紫外線照により白色プラスチック基材(B層)にチョーキングが発生してシート厚みが減少し、実用に耐えないものであった。
(比較例2)
白色プラスチック基材(B層)の代わりに、東レ(株)製の耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)X10S(125μm、白色化剤含有なし)を用いた以外は実施例1とは同様の手順で太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
白色ポリエステル基材(B層)を用いなかったことで、太陽電池モジュールを製造した際に裏面保護シートの隠蔽性が悪く、太陽電池モジュール背面でインターコネクターの透けが発生し、実用に耐えないものであった。
表1に各実施例、比較例の太陽電池モジュール用裏面保護シートの構成要件、特性を示した。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、耐光性に優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供し、太陽電池市場拡大につなげることができる。
1:易接着樹脂層(C層)
2:白色ポリエステル基材(B層)
21:ポリエステル樹脂層
22:白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層
3:紫外線保護層(A層)
4:表面ガラス
5:充填材シート1
6:太陽電池素子
7:充填材シート2
8:裏面保護シート

Claims (6)

  1. 紫外線保護層(A層)、白色ポリエステル基材(B層)および易接着性樹脂層(C層)をこの順に有し、前記B層は、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層を少なくとも1層含み、前記A層は、B層の一方の面に接着剤層を介さず形成され、B層を紫外線から保護する機能を有し、前記C層は、B層のA層の反対面に接着剤層を介さず形成され、太陽電池素子を保持固定する充填材との接着性を有することを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  2. 前記B層が、ポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層が積層されてなり、B層の白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層側に、前記A層が接着剤層を介さず形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  3. 前記B層の白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層における白色化剤の含有率が10質量%以上であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  4. 前記B層の白色化剤が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  5. 前記A層の、360nm波長における光線透過率が5%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  6. 温度63℃、相対湿度30%の雰囲気下、前記A層側へ強度1000W/mの紫外線を316時間照射した後の厚さ減少量が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021111761A (ja) * 2020-01-15 2021-08-02 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用裏面保護シート、裏面保護シートロール体および太陽電池モジュール

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