JP2017181911A - 電波透過性赤外線反射積層体および閉鎖部材 - Google Patents

電波透過性赤外線反射積層体および閉鎖部材 Download PDF

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麻理衣 西川
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Abstract

【課題】本発明は、実用的な電波透過性を有しつつ、赤外線反射性が高い電波透過性赤外線反射積層体を提供することを課題とする。【解決手段】本発明においては、電波透過性および赤外線反射性を有し、基材と、上記基材上に配置された金属層と、を有する積層体であって、上記金属層が、線状の開口部を有し、上記金属層の面積に対する上記開口部の面積の割合が、0.7%以上、2%以下であることを特徴とする積層体を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、実用的な電波透過性を有しつつ、赤外線反射性が高い電波透過性赤外線反射積層体に関する。
例えば、自動車、電車等の導電性躯体から構成される構造体においては、窓のみが電波の出入り口になる場合がある。このような窓に、遮熱または断熱を目的して、薄い金属層を有する赤外線反射積層体を設けると、電波が遮蔽されてしまう。そのため、赤外線を反射しつつも、電波を透過する積層体が求められている。
例えば、特許文献1には、基材と金属層とを備え、金属層が島状の金属皮膜を多数配置して形成されており、金属皮膜に被覆されていない部分の面積率が11〜80%である熱線遮蔽材が開示されている。この技術は、可視光線の透過性能、熱線の遮蔽性能、電磁波の透過性能に優れ、外観にも優れた熱線遮蔽材を提供することを目的としている。
また、特許文献2には、少なくとも基材と、複数の不連続に配置されている金属膜を有する2層以上の不連続金属層とを有し、該不連続金属層の少なくとも1層の該不連続に配置されている金属膜の一部と、該金属膜を有さない開口部の一部とが、他方の不連続金属層の金属膜を覆う構成である熱線遮断用基材が開示されている。この技術は、高い可視光透過性、近赤外から中赤外領域にかけての高い熱線反射性(熱線遮断性)、及び高い電磁波透過性を有する熱線遮断用基材を提供することを目的としている。
国際公開第2015/025963号 特開2011−180562号公報
電波透過性および赤外線反射性を高いレベルで両立することが求められている。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、実用的な電波透過性を有しつつ、赤外線反射性が高い電波透過性赤外線反射積層体を提供することを主目的とする。なお、本発明においては、電波透過性赤外線反射積層体を、単に「積層体」と称する場合がある。
上記課題を解決するために、本発明においては、電波透過性および赤外線反射性を有し、基材と、上記基材上に配置された金属層と、を有する積層体であって、上記金属層が、線状の開口部を有し、上記金属層の面積に対する上記開口部の面積の割合が、0.7%以上、2%以下であることを特徴とする積層体を提供する。
本発明によれば、金属層の面積に対する開口部の面積の割合が特定の範囲内にあることから、実用的な電波透過性を有しつつ、赤外線反射性が高い積層体とすることができる。
上記発明においては、隣り合う上記開口部の中心間距離が、0.2mm以上、5mm以下であっても良い。
上記発明においては、上記金属層が、第一金属層および第二金属層を有し、厚さ方向において、上記基材、上記第一金属層、誘電体層および上記第二金属層が、この順に配置されていても良い。
上記発明においては、赤外線反射率が70%以上であり、電波遮蔽係数が10dB以下であることが好ましい。
また、本発明においては、構造体の開口部に配置される閉鎖部材であって、上述した積層体を有することを特徴とする閉鎖部材を提供する。
本発明によれば、上述した積層体を用いることで、電波透過性および赤外線反射性を両立した構造体とすることができる。
上記発明においては、上記開口部の長手方向が、水平方向に対して±45°の範囲内にあっても良い。
本発明の積層体は、実用的な電波透過性を有しつつ、赤外線反射性を高くできるという効果を奏する。
本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明の積層体の一例を示す概略平面図である。 本発明における金属層を説明する概略平面図である。 本発明における金属層を説明する概略平面図である。 本発明における金属層を説明する概略平面図である。 本発明の積層体を例示する概略断面図である。 本発明の積層体を例示する概略断面図である。 本発明の積層体を例示する概略断面図である。 本発明の積層体の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明の閉鎖部材を説明する概略斜視図である。 本発明の閉鎖部材の一例を示す模式図である。 開口部の長手方向と、直線偏波との関係を説明する概略斜視図である。 参考例1〜3における、金属部の面積率と電波透過率との関係を示すグラフである。 参考例4〜6における、金属部の面積率と電波透過率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の積層体および閉鎖部材について詳細に説明する。なお、本発明を明確に説明するため、下記図面における厚さ、幅、形状等は、模式的に示されており、本発明は、図面に限定されるものではない。
A.積層体
図1は、本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の積層体10は、赤外線Aを反射する性質と、電波Bを透過する性質とを兼ね備えた積層体である。また、積層体10は、通常、透明な積層体である。「透明」とは、可視光線を透過する性質をいう。積層体10の可視光線透過率は、波長380nm〜780nmの可視光線に対して、例えば50%以上であり、70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、図1に示される積層体10は、基材1と、基材1上に配置された金属層2と、金属層2を覆うように配置された誘電体層3とを有する。
図2は、本発明の積層体の一例を示す概略平面図である。なお、図2のX−X断面図が図1に該当する。積層体10に用いられる金属層2は、金属部2xと、線状の開口部2yとから構成される。本発明においては、金属層2の面積に対する開口部2yの面積の割合が特定の範囲内にあることを大きな特徴とする。なお、金属層の面積とは、開口部の面積を含む金属層全体の面積をいい、金属層の面積に対する開口部の面積の割合は、開口部の開口率と表現することもできる。
本発明によれば、金属層の面積に対する開口部の面積の割合が特定の範囲内にあることから、実用的な電波透過性を有しつつ、赤外線反射性が高い積層体とすることができる。例えば、金属層が開口を全く有しない場合、赤外線反射性は高いものの、電波が遮蔽されてしまい、電波障害等が生じる。一方、金属層が大きな開口を有する場合、電波透過性は向上するものの、赤外線反射性が低下してしまう。本発明においては、電波障害が生じない程度の電波透過性を得るために必要最低限の開口を設けることで、赤外線反射率の低下を抑制でき、赤外線反射性を最大化することが可能となる。
以下、本発明の積層体について、構成ごとに説明する。
1.基材
本発明における基材は、後述する金属層等を保持する部材である。基材の材料は特に限定されないが、例えば、樹脂を挙げることができる。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等が挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートが好ましい。
基材の厚さは、例えば、10μm以上であり、20μm以上であっても良い。基材の厚さが小さすぎると、金属層または誘電体層を形成する際に、ハンドリング性が悪化する場合がある。一方、基材の厚さは、例えば、200μm以下であり、100μm以下であっても良い。基材の厚さが大きすぎると、可視光線透過率が低下する場合がある。
基材の製造方法は特に限定されないが、例えば、原料の樹脂をフィルム状に溶融押出しするか、溶液押出しすることで、フィルム状に成形する方法を挙げることができる。得られたフィルムに対して、必要に応じて、延伸処理、熱固定処理、および、熱弛緩処理の少なくとも一つの処理を行っても良い。また、延伸処理は、長手方向の処理であっても良く、幅方向の処理であっても良く、長手方向および幅方向の処理であっても良い。
2.金属層
本発明における金属層は、基材上に配置された層である。なお、「基材上に配置された」とは、基材に直接配置された場合、および、基材に他の層を介して間接的に配置された場合の両方をいう。他の層としては、例えば、後述する誘電体層を挙げることができる。また、金属層は、金属部と、線状の開口部とから構成される。複数の金属部は、それぞれ、開口部により電気的に独立していても良く、電気的に独立していなくても良いが、前者が好ましい。電波透過性の低下を抑制できるからである。
金属層の材料は特に限定されないが、例えば、Ag、Al、Cu、Pd、Au、Pt、Ni、Bi、Ge、Ga等の金属、および、これらの金属の少なくとも一種を含有する合金を挙げることができる。中でも、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金が好ましい。これらは、高い自由電子密度を有するため、薄膜であっても、高い赤外線反射性を得ることができる。
本発明においては、金属層の面積に対する開口部の面積の割合が特定の範囲内にある。この割合を、開口率と称する。また、後述するように、積層体が2層以上の金属層を有する場合、開口率は、各々の金属層における開口率をいう。上記開口率は、通常、0.7%以上であり、1%以上であっても良い。一方、上記開口率は、通常、2%以下である。
また、図3に示すように、隣り合う開口部2yの中心間距離をDとし、開口部2yの幅をWとする。Dの値は、例えば、0.1mm以上であり、0.2mm以上であっても良い。一方、Dの値は、例えば、5mm以下であり、3mm以下であっても良い。Wの値は、例えば、10nm以上であり、100nm以上であっても良い。一方、Wの値は、例えば、500μm以下であり、200μm以下であっても良く、100μm以下であっても良く、60μm以下であっても良い。
開口部は、通常、線状である。線状としては、例えば、直線状、曲線状を挙げることができる。複数の開口部の長手方向は、それぞれ、同じであっても良く、異なっていても良い。例えば、図4(a)では、複数の開口部2yの長手方向Dが、それぞれ、同じである。一方、図4(b)では、複数の開口部2yの長手方向Dが、それぞれ、異なっており、ランダムである。
また、開口部は、屈曲部を有していても良く、有していなくても良い。例えば、図4(c)では、開口部2yが、屈曲部2aを有している。また、開口部は、曲線状であっても良い。曲線状とは、開口部が曲線部を少なくとも有することをいう。例えば、図4(d)では、開口部2yが、波形の曲線状である。この場合、曲線の進行方向Pを、開口部2yの長手方向Dとする。
開口部は、連続的形状であっても良く、不連続的形状であっても良い。連続的形状としては、例えば図4に示した形状を挙げることができる。一方、不連続的形状としては、例えば、ドット状を挙げることができる。図5(a)〜(d)は、それぞれ図4(a)〜(d)に示す形状が不連続的形状である場合に該当する。
本発明においては、複数の開口部が、開口部の長手方向に交差する方向にそれぞれ配置されていることで、パターンが得られる。複数の開口部から構成されるパターン形状としては、例えば、ストライプ状を挙げることができる。
金属層の厚さは特に限定されないが、例えば、5nm以上、50nm以下である。金属層の厚さが小さすぎると、赤外線反射性が低下する場合があり、金属層の厚さが大きすぎると、可視光線透過率が低下する場合がある。
3.誘電体層
本発明の積層体は、誘電体層を有していても良い。誘電体層は金属層との干渉効果により、可視光線透過率を向上させることができる。誘電体層の材料は、可視光線に対する屈折率が、例えば1.4以上であることが好ましい。良好な干渉効果が得られるからである。誘電体層の材料としては、例えば、Ti、Zr、Hf、Nb、Zn、Al、Ga、In、Tl、Ga、Sn、Si等の金属の酸化物、および、これらの金属の少なくとも一種を含有する複合酸化物を挙げることができ、中でも、TiO、ZnOおよびSiOが好ましい。
誘電体層の配置場所は特に限定されない。例えば図6に示すように、誘電体層3が、基材1および金属層2の間に配置されていても良く、金属層2を覆うように配置されていても良い。後者の場合、金属部2xの頂面部および開口部2yに、誘電体層3が配置されることが好ましい。また、後述するように、金属層が2層以上存在する場合には、各金属層の間に誘電体層が配置されていても良い。また、誘電体層の厚さは、例えば5nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
4.積層体
本発明の積層体は、赤外線反射性および電波透過性を有する。赤外線反射性は、例えば、波長1500nm〜2200nmにおける平均光線反射率を測定することにより、評価することができる。平均光線反射率は、例えば、60%以上であり、70%以上であることが好ましい。一方、電波透過性は、例えば、電波遮蔽係数を測定することにより、評価することができる。電波遮蔽係数は、例えば、10dB以下であり、7dB以下であることが好ましい。
本発明の積層体は、金属層を1層有していても良く、2層以上有していても良い。例えば、本発明の積層体が金属層を2層有する場合、それらを第一金属層および第二金属層と称する。
ここで、図7に示すように、本発明の積層体は、金属層2として、第一金属層21および第二金属層22を有し、厚さ方向において、基材1、第一金属層21、第二金属層22がこの順に配置されていても良い。なお、図7において、第一金属層21および第二金属層22の間には第一誘電体層3aが配置され、第二金属層22の表面を覆うように第二誘電体層3bが配置されている。
また、第一金属層の開口部と、第二金属層の開口部とは、平面視上、完全に重複していても良く、一部重複していても良く、全く重複していなくても良い。中でも、両者は、全く重複していないことが好ましい。赤外線反射率の低下を抑制でき、また、色ムラの発生も抑制できるからである。
また、図8(a)に示すように、本発明の積層体は、金属層2として、第一金属層21および第二金属層22を有し、厚さ方向において、第一金属層21、基材1、第二金属層22がこの順に配置されていても良い。なお、図8(a)において、第一金属層21の表面を覆うように第一誘電体層3aが配置され、第二金属層22の表面を覆うように第二誘電体層3bが配置されている。
また、図8(b)に示すように、本発明の積層体は、第一基材1aと、第一基材1a上に配置された第一金属層21とを有する第一部材と、第二基材1bと、第二基材1b上に配置された第二金属層22とを有する第二部材とを備え、第一金属層21および第二金属層22が中間層を介して対向していても良い。図8(b)では、中間層の一例として、第一金属層21の表面を覆うように配置された第一誘電体層3aと、第二金属層22の表面を覆うように配置された第二誘電体層3bと、第一誘電体層3aおよび第二誘電体層3bを接着する接着層4とを有する中間層を示している。
本発明の積層体の厚さは特に限定されないが、例えば、1mm以下であり、500μm以下であっても良い。また、本発明の積層体は、フィルム状であることが好ましい。また、本発明の積層体は、電波透過性および赤外線反射性を必要とする任意の用途に用いることができる。中でも、構造体の開口部に配置される閉鎖部材に用いることが好ましい。閉鎖部材としては、例えば窓部材を挙げることができる。閉鎖部材の一部として、本発明の積層体を用いることで、閉鎖部材に電波透過性および赤外線反射性を付与できる。
図9は、本発明の積層体を製造する方法の一例を示す概略断面図である。図9においては、まず、基材1を準備する(図9(a))。次に、例えば蒸着法により金属層2を形成する(図9(b))。次に、必要に応じて、金属層2を覆うように誘電体層3を形成する(図9(c))。これにより、本発明の積層体が得られる。
上記金属層を形成する方法は特に限定されないが、例えば、蒸着法を挙げることができる。蒸着法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、電子線蒸着法等のドライプロセスを挙げることができる。また、マスクを用いた蒸着法により、金属層を形成しても良い。マスクを用いることで、成膜およびパターニングを同時に行うことができる。
上記誘電体層の形成方法は特に限定されないが、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、電子線蒸着法等のドライプロセスを挙げることができる。なお、金属層の形成と、誘電体層の形成とが、ともにドライプロセスであると、インラインで金属層および誘電体層の形成ができるという利点がある。すなわち、金属層形成工程および誘電体層形成工程が連続的に行われることが好ましい。また、金属層を2層以上形成する場合には、例えば、金属層形成工程および誘電体層形成工程を複数繰り返せば良い。
B.閉鎖部材
図10および図11は、本発明の閉鎖部材の一例を説明する模式図である。なお、図11(a)は、本発明の閉鎖部材の一例を示す概略平面図であり、図11(b)は、図11(b)のX−X断面図に該当する。図10に示すように、本発明の閉鎖部材30は、構造体40の開口部に配置される部材であり、典型的には窓部材である。また、図11(a)、(b)に示される閉鎖部材30は、板状部材31と、板状部材31を囲む枠部材32と、板状部材31上に配置された積層部材10とを有する。
本発明によれば、上述した積層体を用いることで、電波透過性および赤外線反射性を両立した構造体とすることができる。
以下、本発明の閉鎖部材について、構成ごとに説明する。
本発明の閉鎖部材は、通常、「A.積層体」に記載した積層体を少なくとも有する。さらに、必要に応じて、板状部材および枠部材を有していても良い。板状部材は、通常、積層体を保持する部材である。板状部材の材料としては、例えば、ガラス板を挙げることができる。板状部材と、積層体の基材とを接着する接着層を設けても良い。なお、積層体の基材が、板状部材を兼ね備えていても良い。一方、枠部材は、通常、板状部材を囲み、閉鎖部材を構造体の開口部に固定する部材である。枠部材の材料としては、例えば、金属を挙げることができる。
本発明の閉鎖部材は、開口部の長手方向が、水平方向に対して±45°の範囲内にあっても良い。具体的には、図11(a)に示すように、開口部2yの長手方向Dが、水平方向Dに対して±45°の範囲内にあっても良い。これにより、鉛直方向の直線偏波の透過性低下を抑制した閉鎖部材とすることができる。一般的に、電波には、直線偏波と円偏波とが存在する。直線偏波は、例えば、携帯電話、VICS(Vehicle Information and Communication System)に使用されている。一方、円偏波は、例えば、ETC(Electronic Toll Collection system)、GPS(Grobal Position System)に使用されている。
線状の開口部を有する積層体を閉鎖部材に用いた場合、積層体の配置状態によって、鉛直方向の直線偏波の透過性が影響を受ける。例えば、図12(a)に示すように、開口部2yの長手方向Dが、水平方向Dに直角である場合、鉛直方向の直線偏波33は、金属部2xを透過できず、開口部2yしか透過できない。
これに対して、図12(b)に示すように、開口部2yの長手方向Dが、水平方向Dと一致している場合、鉛直方向の直線偏波33は、波長が十分に大きいため、金属部2xを透過することができる。そのため、鉛直方向の直線偏波の透過性低下を抑制した閉鎖部材とすることができる。Dは、Dに対して、±30°の範囲内にあることが好ましく、±15°の範囲内にあることがより好ましい。
同様に、本発明の閉鎖部材は、開口部の長手方向が、鉛直方向に対して±45°の範囲内にあっても良い。これにより、水平方向の直線偏波の透過性低下を抑制した閉鎖部材とすることができる。その場合、開口部の長手方向Dは、鉛直方向Dに対して、±30°の範囲内にあることが好ましく、±15°の範囲内にあることがより好ましい。
また、本発明においては、上述した閉鎖部材を開口部に有する構造体を提供することもできる。構造物としては、例えば、自動車、電車等の移動体、および、建造物等を挙げることができる。特に、構造体が導電性躯体を有する場合、電波は閉鎖部材を介して出入りするため、本発明の積層体が特に有効である。導電性躯体を有する構造体としては、例えば、自動車、電車等を挙げることができる。特に、自動車または電車のフロントガラスに、本発明の積層体を用いることが有効である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(誘電体層の作製)
二軸配向透明PETフィルム(東洋紡績社製、A4100、厚み50μm、Tg67℃)をキャノンアネルパ製スパッタ装置SPC−350UHVに、PETの平滑面側に成膜されるよう設置した。ターゲットをTiとし、チャンバ内圧力が2.0×10−3Pa以下となるまで排気し、Arを10sccm、Oを5sccm導入し、全流量を15sccmとした。その後、チャンバ内圧力を0.4Paに調節し、直流スパッタリング法を用いて放電電流を0.3Aとした。この時、基材(PETフィルム)温度は室温とした。これにより、TiOを成膜した。
(金属層の作製)
次に、ターゲットをAgとし、ターゲットと、蒸着対象物であるPETとの間に蒸着マスクを挿入した。その後、チャンバ内圧力が2.0×10−3Pa以下となるまで排気し、放電ガスとしてArを25sccm導入した。その後、チャンバ内圧力を0.4Paに調節し、直流スパッタリング法を用いて放電電流を0.2Aとした。この時、基材(PETフィルム)温度は室温とした。これにより、PET上に、ストライプ状の開口部を有する金属層(Ag層)を成膜した。隣り合う開口部の中心間距離Dは1mmであり、金属層の面積に対する開口部の面積の割合(開口率)は0.7%であった。
(誘電体層の作製)
次に、ターゲットをTiに交換し、チャンバ内圧力が2.0×10−3Pa以下となるまで排気し、Arを10sccm、Oを5sccm導入し、全流量を15sccmとした。その後、チャンバ内圧力を0.4Paに調節し、直流スパッタリング法を用いて放電電流を0.3Aとした。この時、基材(PETフィルム)温度は室温とした。これにより、Ag層上にTiOを成膜した。これにより、積層体(フィルム)を得た。
[実施例2]
隣り合う開口部の中心間距離Dを5mmに変更し、開口率を1%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
[実施例3、4]
隣り合う開口部の中心間距離Dを、それぞれ、1mm、0.2mmに変更したこと以外は、実施例2と同様にして積層体を得た。
[実施例5]
隣り合う開口部の中心間距離Dを5mmに変更し、開口率を2%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
[実施例6、7]
隣り合う開口部の中心間距離Dを、それぞれ、1mm、0.2mmに変更したこと以外は、実施例5と同様にして積層体を得た。
[比較例1]
開口部を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
[比較例2]
隣り合う開口部の中心間距離Dを5mmに変更し、開口率を10%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
[比較例3、4]
隣り合う開口部の中心間距離Dを、それぞれ、1mm、0.2mmに変更したこと以外は、比較例2と同様にして積層体を得た。
[評価]
実施例1〜7および比較例1〜4で得られた積層体を用いて、赤外線反射性および電波透過性を評価した。赤外線反射率の評価は、波長1500nm〜2200nmにおける平均光線反射率を求めることにより行った。具体的には、紫外可視近赤外分光光度V−7200(日本分光製)を用いて測定した。電波透過性の評価は、電波遮蔽係数を求めることにより行った。評価方法としては、KEC法を採用した。電波の測定範囲は、30MHz〜1GHzとし、電波遮蔽係数は、周波数1GHzにおける数値(dB)を用いた。その結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例1では、金属層が開口部を有しないため、電波遮蔽係数が25dBと高かった。電波遮蔽係数が10dB以下であれば、実用上、電波障害が生じることは少ないため、10dB以下が一つの基準になる。これに対して、実施例1〜7では、電波遮蔽係数が10dB以下となり、実用上、十分な電波透過性が得られた。さらに、実施例1〜7では、比較例1に対する赤外線反射率の低下割合が、8%以下であった。これに対して、比較例2〜4では、比較例1に対する赤外線反射率の低下割合が、約16%と高かった。
これらの結果から、実施例1〜7では、実用的な電波透過性を有しつつ、赤外線反射性が高くなることが確認された。また、実施例2〜4の結果、および、実施例5〜7の結果から、隣り合う開口部の中心間距離Dは、電波透過性に大きな影響を与えないことが示唆された。
[参考例1]
金属薄膜のパターニングによる面積率と電磁波透過率の関係を明らかにするため、金属薄膜に、鉛直方向のパターンをD=5mmピッチで配置し、金属部の面積率を変化させた際の透過率を電磁界シミュレーションにより計算した。シミュレーションソフトとしては、MW Studio2015を採用し、ソルバーには時間領域で計算するトランジェントソルバーを使用した。金属薄膜の導電率は1.33×10S/m、膜厚は10nmとした。面積率については、50%、70%、80%、90%の4条件とし、周波数については、1GHz、2.5GHz、5.8GHzとした。また、シミュレーション上で金属薄膜に入射する電磁波については、水平方向の直線偏波とした。
[参考例2、3]
隣り合う開口部の中心間距離Dを、それぞれ、1mm、0.2mmに変更したこと以外は、参考例1と同様にして評価した。
[参考例4〜6]
鉛直方向の直線偏波に変更したこと以外は、参考例1〜3と同様にして評価した。
[評価]
得られた結果を図13および図14に示す。図13に示すように、水平偏波の場合は、金属部の面積率に関わらず、各ピッチ・各周波数において透過率はほぼ100%一定となった。一方、図14に示すように、垂直偏波の場合は、面積率が大きくなるにしたがって透過率は10%〜4%程度に下がる傾向が見られた。このように、積層体の配置状態によって、直線偏波の透過性に影響が出た。
1…基材
2…金属層
2x…金属部
2y…開口部
2a…屈曲部
3…誘電体層
10…積層体
21…第一金属層
22…第二金属層
30…閉鎖部材
40…構造体

Claims (6)

  1. 電波透過性および赤外線反射性を有し、基材と、前記基材上に配置された金属層と、を有する積層体であって、
    前記金属層が、線状の開口部を有し、
    前記金属層の面積に対する前記開口部の面積の割合が、0.7%以上、2%以下であることを特徴とする積層体。
  2. 隣り合う前記開口部の中心間距離が、0.2mm以上、5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記金属層が、第一金属層および第二金属層を有し、
    厚さ方向において、前記基材、前記第一金属層、誘電体層および前記第二金属層が、この順に配置されていることことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
  4. 赤外線反射率が70%以上であり、電波遮蔽係数が10dB以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  5. 構造体の開口部に配置される閉鎖部材であって、
    請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の積層体を有することを特徴とする閉鎖部材。
  6. 前記開口部の長手方向が、水平方向に対して±45°の範囲内にあることを特徴とする請求項5に記載の閉鎖部材。
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