JP2017181491A - 液体用流量計校正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小流量域での高精度な校正を可能にする液体用流量計校正装置を提供する。【解決手段】流路切換機構は、試験液が流出するノズル8と秤量容器20との間に設置される。ノズル8を流出する流れと平行な回転軸、円錐状の面に所定形状の開口部を有する円錐状回転体、開口部の左右両縁に設置され流れを横切る転流羽根から形成された機構を含む。円錐面を回転させ、この円錐面にある開口部をノズル8の直下まで移動させ、秤量容器20への試験液の流入を制御し、初期の角度位置からノズル8の位置まで開口部が回転する間に開口部の片側の転流羽根がノズル8を流出する流れを横切ることで流れが秤量容器20へ流入する。さらに開口部が同じ回転方向でノズル8の位置から離れて初期の角度位置に戻る間に開口部の他側の転流羽根がノズル8を流出する流れを横切ることで流れがバイパス流路へ切り換わる。【選択図】図6

Description

本発明は、液体用流量計校正装置に関し、特に、小流量域の液体流量を計測する流量計を高精度で校正するための液体流量校正装置に関する。
液体用流量計の校正に際して、校正装置で発生した標準流量とその標準流量に対する流量計の指示値が比較される。校正装置における標準流量の発生方法の一つとして、不確かさを小さくできる通液式静的秤量法が知られている。
図1に示すように、従来の校正装置では、秤量タンク120とダイバータ(転流器)110を用いて、通液式静的秤量法による校正が実施される。揚水ポンプ102、オーバーフローヘッドタンク103からヘッダー104を経て流量調節バルブ107から発生した安定流量は、被試験流量計106を接続した試験管路105に供給される。被試験流量計106を通過した試験液は、試験管路105の末端にあるノズル108まで導かれ、ノズル108からダイバータ110に流入する。ダイバータ110は、校正時に試験液を秤量タンク流路112へ、校正時以外に試験液をバイパス流路111へ転流する流路切換機構を有している。
校正開始時、ダイバータ110はバイパス流路111から秤量タンク流路112へと切り換えて、試験液を秤量タンク120に流入させる。校正開始と同時に、秤量タンク120への試験液流入時間の測定を開始させるスタートトリガー信号をダイバータ110からタイマーへ送信する。所定の流入量に達したら、ダイバータ110は再び秤量タンク流路112からバイパス流路111へ切り換えて、秤量タンク120への試験液の流入を停止させる。
校正終了と同時に、流入時間の測定を停止させるストップトリガー信号をダイバータ110からタイマーへと送信する。秤量タンク120へ取り込まれた試験液の質量は秤量計121で秤量され、これを流入時間で除することで単位時間当たりの流入量、すなわち標準質量流量(もしくは、体積を計測し標準体積流量)が求められる。
図2乃至5は、従来のダイバータの流路切換機構を示したものである。
図2は1枚羽根式ダイバータであり、転流羽根114によって、試験液をバイパス流路111又は秤量タンク流路112へと転流させる。このような転流方式のダイバータ機構を採り入れた校正装置が特許文献1に開示されている。しかし、ノズル108からの流速分布が非対称となることや、ノズル108と転流羽根114との位置関係の変化により、流れを切り換えるときに大きな流入時間の測定誤差(ダイバータタイミングエラー)が生じ、流量計の校正不確かさを生じさせる大きな要因になっていた。
また、特許文献2では、2枚羽根式直進型ダイバータによって、流入開始、流入停止の過渡的な流入状態の非対称性の影響(誤差)を理論的に無くし得ることを開示している。
図3に示すように、相対位置を固定された2枚の転流羽根114a,114bが一方向に直線的な動作をすることでノズルからの流れを等速で横切り、試験液をバイパス流路111又は秤量タンク流路112へと導く。この2枚羽根転流方式のダイバータは、ISO4185に基づくダイバータタイミングエラー評価試験の結果により、ダイバータタイミングエラーを小さく調整することができ、高精度な流量計校正を実現できる。一方で、ダイバータの駆動方式の特徴による非効率さがある。
また、特許文献3では、特許文献2と同様に、2枚羽根式回転型ダイバータによって、ダイバータ評価に関連する動作効率を改善でき、コンパクトで簡単な構造設計を可能とすることを開示している。
図4に示すように、ダイバータは、ノズル208からの流れと平行な回転軸215を有し、この回転軸215に連結した2枚の転流羽根214a,214bの一側にバイパス流路211、他側に秤量タンクへの流路212を位置させ、回転軸215を中心に2枚の転流羽根214a,214bが同じ方向に回転することで、流路の切り換えを行っている。
また、特許文献4では、傾斜円板式回転型ダイバータ構造によって、小流量域の流量計校正時、ダイバータの切り換えによる試験液のサンプル量(秤量容器への取込量)の再現性を向上できることを開示している。
図5に示すように、ダイバータは、回転する傾斜円板330に設けられた遮蔽板332に案内されるとともに、所定の回転角度の範囲で、秤量容器への開口部331に試験液の流路を切り換えるのである。
また、秤量法を用いた校正装置には、秤量タンクと秤量計との組み合わせが必要不可欠な要素であり、その設計や実施形態は流量計校正の不確かさに影響する大きな要因となる。特許文献3では、秤量タンクからの試験液蒸発量を抑制するために、試験液を取り込む時に、昇降機構により秤量タンクを持ち上げてダイバータボックス下面に押し付けて、秤量タンクを気密状態に保つ。試験液の取込が終了したら、秤量タンクを計量するために、秤量タンクを秤量計の上に降ろし、昇降機構が離脱する。
また、図1に示すように、多くの校正装置では、秤量タンクから排液するために、秤量タンク120に配管接続された排出バルブ130が用いられ、秤量タンク120の試験液は、バイパスライン113を経て貯蔵タンク101に回収される。この排出バルブ130を操作するために、駆動源である空気圧配管や電源ケーブル、制御信号ケーブルが外部から秤量タンク120に接続されている。そして、秤量計121の重量計測への影響を小さくするために、一般的に空気圧チューブやケーブルは、柔軟に連結されている。特許文献3では、重量計測への影響を完全に排除するために、空気圧配管やケーブルの脱着を秤量タンクの昇降に合わせて行う手段が提案されている。
特開2001−165755号公報 特開2002−48622号公報 特開2006−105957号公報 特開2012−145337号公報
小流量域では流量が小さくなるにつれ、試験液の取込時間が長くなる。校正効率を上げるためには、試験液の取込量を少なくし、試験液の取込時間の短縮を図るべきである。従って、必要とされる秤量容器や秤量計の規模も小さくなる。また、ダイバータがノズルからの流れを切るときに、転流羽根や流路の壁面に付着する試験液が生じる。油類のように液粘度が高い場合、液の付着量が多く、壁面から垂れ落ちる時間もかかる。かかる場合、従来の2枚羽根式ダイバータのように、転流羽根の表面積が大きい場合、試験液の付着量が多くなる。つまり、小流量域では、秤量容器への試験液の取込量が少ないため、ダイバータ壁面に付着する液量が少量でも大きな秤量誤差をもたらすことになる。
また、従来の2枚羽根式ダイバータは、取込側の開口部が大きいため、それに合わせて秤量タンクの取込口も大きく設計されている。試験液取込中、ダイバータボックスに秤量タンクを密着させて秤量タンクの中をほぼ密閉空間にすることで、蒸発量やミスト放出が十分に抑制されるが、大きい開口部が存在することによって秤量タンクの取込口から蒸気やミストの移動を発生させやすく、小流量域で行う長時間かつ少量の試験液取込にとっては、無視できなくなるほどに大きな誤差になる。
また、小流量域での流量計校正向けに小型化したダイバータは、バイパス側整流面に衝突した試験液が飛び散り、意図されない方向に流れて、取込側の開口部まで流入する。これを防ぐため、バイパス側の整流面に空隙や遮蔽板、メッシュ板を設けるなど、構造上の改造や工夫が強いられ、結果的に構造が複雑化する。
更に、多くの校正装置では、秤量タンクから排液するには、排出バルブが用いられているが、小さい秤量容器には排出バルブを取り付けにくい。また、排液ポンプなしでは、秤量容器から液が抜けにくく、残液量が多くなるという問題もある。排出バルブを使う場合、秤量タンクに排液配管の接続が必要になる。排液配管からの液垂れは、秤量誤差の1つの要因ともなる。排液配管からの液垂れの待ち時間を十分にとって、液垂れによる秤量誤差を小さくすることも考慮できるが、液粘度が高い場合液垂れの待ち時間が長くなり、校正効率が悪くなるという問題がある。
また、排出バルブからの液漏れがないことは、取込試験液の計量の大前提になっているので、排出バルブのリークチェックを定期的に行う必要があり、装置運用上の負担が増えるという問題がある。
一般的に、作業効率を上げるために排出バルブは自動操作される。このとき、空気圧チューブや信号ケーブル、電源ケーブルが排出バルブに接続され、外部からのチューブやケーブルとの連結は、秤量タンクの重量計測に影響を与えるという問題がある。この影響を完全に排除するために、チューブやケーブルは、脱着可能な機構にすることができるが、装置の機構が複雑化し、製作コストが高くなるという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決する手段を備えた液体用流量計校正装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、試験液が流出するノズルと、前記ノズルから流出する試験液を取り込む秤量容器と、前記秤量容器の重量を測定する秤量計と、試験液を秤量容器に取り込まない時に試験液を排出するバイパス流路と、試験液を前記秤量容器に導くか前記バイパス流路に導くかを切り換える流路切換機構と、前記流路切換機構を駆動させる手段と、を備える液体用流量計校正装置であって、前記流路切換機構は、前記試験液が流出するノズルと前記秤量容器との間に設置され、前記ノズルを流出する流れと平行な回転軸、円錐状の円錐面に所定形状の開口部を有する円錐状回転体、前記開口部の左右両縁に設置され前記流れを横切る転流羽根から形成された機構であって、前記流路切換機構は、前記円錐面を回転させ、前記円錐面にある開口部を前記ノズルの直下まで移動させ、前記秤量容器への試験液の流入を制御し、初期の角度位置から前記ノズルの位置まで前記開口部が回転する間に前記開口部の片側の転流羽根が前記ノズルを流出する流れを横切ることで流れが前記秤量容器へ流入し、さらに前記開口部が同じ回転方向で前記ノズル位置から離れて初期の角度位置に戻る間に前記開口部の他側の転流羽根が前記ノズルを流出する流れを横切ることで流れがバイパス流路へ切り換わる動作を行うことで、前記秤量容器への試験液の取込を制御する液体用流量計校正装置である。
従って、円錐状回転体の面に開口部を設け、開口部の左右両縁に転流羽根を設置し流路を切り換える流路切換機構(ダイバータ)を採用することで、ダイバータの取込側の開口部を小さくできると同時に、転流羽根の液濡れ面積を小さくし、壁面への液付着量を大幅に減らすことができる。また、円錐状回転体の開口部以外の表面全体は、バイパス側の整流面の役割を果たし、特別な構造を設ける必要がなく、円錐面に当たった試験液を効果的に分散させ、飛び散りが極めて少ない状態で試験液が円錐面に沿って流れ落ちるようにすることができる。このように、2枚羽根式ダイバータの高精度と回転式ダイバータの効率性を維持したまま、小流量域での校正において顕著化した蒸発量や液付着量、飛び散り量による誤差を低減し、小流量域での高精度な校正ができる。
また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記秤量容器に試験液を取り込むための取込口と、前記秤量容器から試験液を排出するための排液口と、前記秤量容器と非接触である液位センサーを用いて前記秤量容器に取り込んだ試験液の液位を検知するための液位計とを備え、さらに前記取込口から垂直に立ち上がり、前記流路切換機構の円錐面の近くまで伸び、斜めの先端断面形状を有し、前記秤量計の計量値に影響を与えないように近傍の機構と非接触である筒と、前記秤量容器から排液時以外には前記排液口を塞ぐための可動蓋とを備えることを特徴とする液体用流量計校正装置である。
従って、円錐状ダイバータの開口部に合わせて、秤量容器の取込口を小さくすることに加えて、傾斜面の先端を持ち、円錐面の近傍まで立ち上がる筒を取込口に設けることで、ダイバータボックスと密着されなくても、秤量容器の取込口から流出する試験液の蒸発量を大幅に低減させることができる。また、蓋付きの排液口を設けることによって、排出バルブを利用しない他の排液手段を使用できて、排出バルブに由来するリークやケーブル影響の問題を解決する一方、秤量容器からの蒸発量が増加するという問題が発生しない。
また、昇降機構を使用せず、秤量容器を常時秤量計に載せることを前提にしているので、秤量容器への取込量を秤量計の計量値で監視する手段を利用できると同時に、秤量容器と非接触である液位センサーと秤量容器に付いている液位計との組み合わせを利用することによって、液位センサーケーブルが秤量値に影響することなく、オーバーフロー防止の安全性を高めることができる。このように、駆動機構を最低限に抑えつつ、密閉性と安全性が高く、構造が簡単で排出バルブに頼らない他の排液手段を使用できる高精度の秤量システムの設計を可能にするものである。
また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記秤量容器から試験液を排出するための排液機構を備え、前記排液機構は前記秤量容器から試験液を排出する時には、排液口を塞いでいる可動蓋を持ち去り、前記秤量容器から試験液を吸い出す吸引ノズルを前記排液口から前記秤量容器の底まで下降させ、前記吸引ノズルを通して試験液を吸引し、液吸引が終了したら、前記吸引ノズルを前記排液口から上昇させ、前記排液口に前記可動蓋を戻す動作を行うことで、前記秤量容器から試験液を排出する機構を備え、さらに前記排液機構は前記秤量計の計量値に影響を与えないように、排液のための一連動作の過程時以外には、前記秤量容器と非接触であり、さらに排液待機時に前記吸引ノズルからの液垂れを受けるための受け皿を備えることを特徴とする液体用流量計校正装置である。
従って、排出バルブを利用しない液吸引による排液手段を利用することができる。排出バルブの漏れやケーブル影響の問題が存在せず、装置の維持管理の利便性や構造のシンプルさを図れる。また、吸引による排液方法が速くて効果的で、作業効率が良く、秤量容器内の残液が少ない。排液時以外に、排液口に常時蓋をすることで、蒸発量が増加する問題が生じない。また、排液機構に受け皿を備えることによって、吸引ノズルから垂れ落ちた液滴が秤量容器に到達せず、秤量計の計量値への影響が生じない。同時に、液垂れによる秤量容器周辺の測定環境の悪化を防げる。このように、排出バルブによる排液手段に代わって、より効果的で、効率性の高い液吸引による排液手段を実現できる高精度の秤量システムの設計を可能にするものである。
従来の通液式静的秤量法を校正方法として実施する校正装置の構成図である。 従来の校正装置で用いられてきた1枚羽根式ダイバータの流路切換機構を示す図である。 従来の校正装置で用いられてきた2枚羽根式直進型ダイバータの流路切換機構を示す図である。 従来の校正装置で用いられてきた2枚羽根式回転型ダイバータの流路切換機構を示す図である。 従来の校正装置で用いられてきた傾斜円板式回転型ダイバータの流路切換機構を示す図である。 本発明による液体用流量計校正装置の概要を示す図である。 本発明による液体用流量計校正装置のダイバータにおけるバイパス位置(0°位置及び360°位置)の状態を説明する図である。 図7で示したダイバータにおける取込位置(180°位置)の状態を説明する図である。 本発明による液体用流量計校正装置の秤量容器の取込口から立ち上がる筒と周辺構造の拡大図である。 本発明による液体用流量計校正装置の排液口、排液口蓋、吸引ノズル、受け皿の拡大図である。 本発明の液体用流量計校正装置における、試験液取込と排液の一連の動作を説明する図である。ここで、(a)取り込み前、待機状態、(b)転流羽根が180°位置にあって取り込み開始状態、(c)転流羽根が360°位置にあって取り込み終了状態、(d)排液口からフタを持ち去り、吸引ノズルを下降させ、試験液を排出開始する状態についてそれぞれ示す。 本発明による液体用流量計校正装置における校正開始から終了までの手順を示したフローチャートである。 本発明による液体用流量計校正装置におけるダイバータタイミングエラーの評価結果例をプロットしたグラフである。 本発明による液体用流量計校正装置において転流羽根がノズル流れを横切った状態を示す図である。 本発明による液体用流量計校正装置においてダイバータ開口部からノズル流れを取り込んでいる状態を示す図である。 図14で示す転流羽根の実施例に対するダイバータタイミングエラーの評価結果例をプロットしたグラフである。 秤量容器からの蒸発量を評価した結果である。
本発明による液体用流量計校正装置の実施形態の一例について各図を用いて詳述する。
図6は、液体用流量計校正装置の実施形態の一例である。液体用流量計校正装置は、主に貯蔵タンク1、ポンプ2、液温を調節する熱交換器40と温調装置41、流量を安定化させるヘッダー4、流量調節バルブ7、ダイバータ10と秤量容器20と秤量計21とを含んで構成されている。以下に試験液の流れに沿って、この液体用流量計校正装置の実施例について説明する。
図6に示すように、ポンプ2が試験液の駆動源であり、試験液は貯蔵タンク1からヘッダー4へ送液され、その一部が被試験流量計6を設置した試験管路へ供給され、残りが貯蔵タンク1へ循環される。高精度の流量計校正を行う場合、試験液の温度安定性が重要になり、この実施例ではポンプ2の下流に熱交換器40と温調装置41が設置され、液温の調節が行われる。試験管路を流れる流量の調節は、大中小の流量調節バルブ7の組み合わせで行われる。
被試験流量計6を通過した試験液は、ダイバータボックス50の中へ流入する。被試験流量計6の校正時、温度センサー43a,43bと圧力センサー42a,42bの測定値が制御PC64へ送信され記録される。なお、高精度の流量計校正を行う場合、流量計の上流と下流に温度センサー43a,43bと圧力センサー42a,42bが設置される。
更に、図7(バイパス位置:0°位置、及び360°位置)と図8(取込位置:180°位置)を併せて参照すると、流路切換機構であるダイバータ10は、ノズル8を流出する流れと平行な回転軸15と、回転軸15に接続された円錐面72に所定形状の開口部70を有する円錐状回転体71と、円錐面72の開口部70の左右両縁に設置された転流羽根(1枚目14aと2枚目14b)とにより構成されている。開口部70以外の円錐面72は、バイパス流路の役割を果たし、ノズル8からの流れが円錐面72に衝突して広がり落ちる。
ダイバータ10は、密閉状態に近いダイバータボックス50の中に収納され、ダイバータ10のバイパス側の円錐面72から流れ落ちた試験液がダイバータボックス50の底面の出口に集められ、貯蔵タンク1に戻るバイパスライン13へ導かれる。
ダイバータ10は、回転軸15を介してモーター53などのアクチュエーターにより駆動される。秤量容器20に試験液を取り込まない時、ダイバータ10がバイパス位置(0度)に静止しており(特に図7参照)、ノズル8からの試験液がバイパス側の円錐面72に流れ続け、バイパスライン13を通して貯蔵タンク1へと戻される。これに対し、秤量容器20に試験液を取り込む時、ダイバータ10が取込位置(180度)へ半回転して(特に図8参照)、円錐面72の開口部70から試験液を秤量容器20の中へ取り込む。秤量容器20が満液になったら、ダイバータ10がさらに同じ方向に半回転して、バイパス位置(360度)に戻り(特に図7参照)、試験液の取込を終了させる。秤量容器20の重量を測定した後に、秤量容器20から試験液が排出される。
秤量容器20は、秤量計21による重量測定に影響しないよう、周りの構造物に接触しないようにすることが好ましい。
そこで、秤量容器20には、取り込んだ試験液の液面の高さを表示できる液位計26が秤量容器20の外側面に備えられ、これらと非接触で液位計26内の液面を検知する液位センサー27a、27bが設けられる。つまり、液位センサー27a及び27bを非接触とすることで、秤量容器20の重量測定に影響を与えずに液位を検知できる。
さらに、図9に示すように、ダイバータボックス50(図7、8参照)の底面50aには秤量容器20の取込口28から立ち上がる筒29を挿通させる挿入口を設ける。この挿入口から試験液が流れ出ないように、ダイバータボックス50の底面50aから立ち上がり、筒29を囲むような筒54が挿入口に設けられる。秤量容器20の取込口28から立ち上がる筒29とダイバータボックス50の底面50aから立ち上がる筒54との間でわずかな隙間55が存在し、これによっても秤量容器20の重量測定に影響を与えない。また、筒29は、その先端部分をダイバータ10の円錐状回転体71の裏面に沿って斜めにカットされた形状とされ、上記したバイパス位置におけるダイバータ10と接触せずにその隙間を小さくしており、秤量容器20内で蒸発する試験液のかかる隙間からの流出を最小限に抑えるようにされる。
なお、図6に示すように、秤量計21を昇降台51の上に載せても良い。メンテナンスや分銅による秤量計21の校正を行う場合、昇降台51を下降させれば、秤量容器20を秤量計21から取り外すことが可能である。
また、秤量容器20から試験液を排出するための排液機構は、主に吸引ノズル24と排液口蓋22と液垂れの受け皿23とから構成されている。図示を省略するが、例えば、吸引ノズル24は鉛直方向の駆動機構により駆動され、また、排液口蓋22及び液垂れの受け皿23は、水平方向及び鉛直方向の駆動機構の組み合わせにより、駆動されている。
図10は、このような排液機構の1つの実施例を示す。
図10(a)では、排液口25に蓋22を被せた状態を示している。この場合、排液口25に覆い被さっている蓋22に接続された吊手22aは、これを持ち上げる周りの機構に対して「浮いた」状態で非接触となり、秤量計21による秤量容器20の重量の測定に周りの機構からの影響を与えないようになっている。また、排液を終えた吸引ノズル24には残液が残るため、垂れ落ちる液滴80が秤量容器20にかからないように、液垂れの受け皿23について蓋22を持ち上げる機構に設け、吸引ノズル24の直下に配置させる。
図10(b)に示すように、秤量容器20からの排液動作を行う場合、まず、排液口25から蓋22を持ち上げてから、液垂れの受け皿23とともに横へ移動して待機させる。次いで、吸引ノズル24を秤量容器20の排液口25の中へと下降させる。秤量容器20内の試験液を全部排出するために、吸引ノズル24を秤量容器20の底面まで下降させ、試験液を吸引させる。
秤量容器20内の残液が少ない場合、より効果的に吸引するために、吸引ノズル24の先端は、切込み24aを入れた形状とされる。吸引ノズル24は、鉛直方向に下降又は上昇するように駆動される。吸引ノズル24は、鉛直方向のみに駆動されて、吸引ノズル24cの先端に残った残液の水平方向への飛び散りを防ぎ、液垂れ範囲を最小限に抑えるようにされることが好ましい。これによって、全ての液滴80が液垂れの受け皿23に落ちて液溜め81から回収されるようにできる。また、一旦移動させた蓋22を元の排液口25の中心位置に戻せるように、蓋22の吊手22aと周りの機構の両者にテーパー部90を設けて、蓋22を持ち上げたときに同機構に対してセンタリングさせる。
次に、図6及び図11を参照しつつ、図12(フローチャート)に沿って校正開始から終了までの手順について説明する。なお、図12のフローチャートにおいて、各ステップにSが付いた番号を振っており、以降このステップ番号を参照しながら説明を行う。
まず、ダイバータ10をバイパス位置(0度)にセットし位置を確認する(S11)。このとき、ダイバータ10は試験液の取込前の待機状態となっている(図11(a)参照)。次に、秤量計21とともに下降位置にある昇降台51を上昇させるか、または上昇位置にあることを確認する(S12)。続いて、ポンプ2と温調装置41を起動させる(S13)。
そして、校正されるべき被試験流量計6の許容流量範囲を確認してから、試験ラインを流れる流量を被試験流量計6の最大流量に調節する(S14)。これは、試験ラインや被試験流量計6に残留するおそれのある気泡を排除するための作業である。続いて、液体用流量計校正装置の操作者が十分に脱泡できたかどうかを判断し(S15)、次のステップに進む。校正条件(目標流量値と目標温度値)を自動設定しまたは手動で入力し、調節する(S16)。
流量と温度データのトレンドを確認しながら、流量値と温度値の安定を待つ(S17,S18)。安定したと判断したら、各タイマー61,62と流量計パルスカウンター63(図6参照)のリセットを行い、計測開始待ちの状態にする(S19)。試験ラインに試験液が流れている間、被試験流量計6から流量パルス信号が常時出力され、流量計パルスカウンター63へ送信されている。
試験液取込前に、空の秤量容器20の重量を秤量計21で測定して、その計量値を制御PC64に収録させる(S20)。
次に、ダイバータ10が半回転して取込位置(180度)へ回転する(S21)。このとき、2枚羽根式ダイバータの理論によると、転流羽根がノズルからの流れを等速で横切ることが重要である。そこで、1枚目の転流羽根14aがノズル8からの流れにさしかかるまでにダイバータ10の回転の加速を終え、等速でノズル8からの流れを横切るようにモーターが制御されている。そして、回転を終えたダイバータ10は試験液取込中の状態になる(図11(b)参照)。
1枚目の転流羽根14aがノズル流れを横切る瞬間に、モーター53のエンコーダーからはスタートトリガー信号(パルス信号)がゲート信号発生器60に送られる。それを基にゲート信号発生器ではゲート信号が発生されて流入時間タイマー61に送られ、流入時間タイマー61の計測が開始される(S22、図6参照)。
被試験流量計6から出力される流量パルスは、スタートトリガー信号のパルスの受信直後からカウントされる。そのため、ゲート信号発生器60は、被試験流量計6からの流量パルスの立ち上がりと同時に計測を開始できるように、スタートトリガー信号を受信した直後に流入時間タイマー61用のゲート信号とは別のゲート信号を発生させ、流量計パルスカウンター63とパルス計数時間タイマー62に送信し、それぞれの計測を開始させる(S23)。
試験液を取り込んでいる間、試験液の温度と圧力データが取得され、制御PC64へ収録される(S24)。試験液の取込中、秤量容器20内の液面が上昇して満液とならないように、試験液の取込を終了させるかどうかを判断する(S25)。試験液の取込を終了させるかどうかを判断するため、以下の4つの条件が用意される。
(1)秤量計21の計量値を監視しながら、試験液の取込秤量値が目標値に達するかどうかを監視する。(2)測定された試験液の流入時間から取込量を推定できるので、流入時間が目標の取込時間に達するかどうかを監視する。(3)被試験流量計6の流量パルス信号に基づいて取込開始からの流量積算値を算出し、目標の試験液取込総量に達するかどうかを監視する。(4)秤量容器20の液面の高さが所定の高さに達したことを検知する液位センサー27(27a及び27b、図7参照)からの信号を監視する。
これら(1)〜(4)の4つの条件の内どれか1つが充足されたら、試験液の取込を終了させると判断し、ダイバータ10を同じ方向にさらに半回転させてバイパス位置(360度)へ移動させ、試験液の取込を終了させる(S26)。これによって、ノズル8からの流れはバイパスライン13へ転流される(図11(c)参照)。ダイバータ10の2回目の半回転の過程で、2枚目の転流羽根14bが始動し、ノズル8からの流れにさしかかるまでに加速を終え、等速でノズル8からの流れを横切る。
2枚目の転流羽根14bがノズル8からの流れを横切ると同時に、モーター53のエンコーダーからはストップトリガー信号(パルス信号)が発生され、ゲート信号発生器60に送信される。ストップトリガー信号を基に、ゲート信号発生器60がゲート信号をOFF(立下り)にして、流入時間タイマー61の計測を停止させる(S27)。
ゲート信号発生器60はまた、ストップトリガー信号を基に流量計パルスカウンター63とパルス計数時間タイマー62へのゲート信号をOFFとして、直後の被試験流量計6からの流量パルスの立ち上がりに合せて流量計パルスカウンター63とパルス計数時間タイマー62の計測を停止させる(S28)。
試験液を取り込んだ後の秤量容器20の重量を測定し、その計量値を制御PC64に収録する(S29)。この段階で全ての計測データが揃って、それらの計測データを基に、流量計校正値を算出する(S30)。ここでは、流量計校正値として、被試験流量計6を通過する単位質量もしくは単位体積の液量について、いくつのパルスを出力するかを表すKファクタを算出する。もしくは、Kファクタの逆数であるメーターファクタ、即ち1パルス当たりいくつの質量もしくは体積の液量が流れるかを示す校正値を算出する。
次に、秤量容器20から試験液を排出する(S31、図11(d)参照)。排液機構の動作順序として、まず排液口25の蓋22を上昇させさらに水平移動させて、排液口25の中へ吸引ノズル24を下降させて、秤量容器20から試験液を吸引して排出する。秤量計21の計量値を監視しながら、秤量容器20の中の全ての試験液が排出されるかどうかを判断する。全ての試験液が排出されたら、吸引ノズル24を上昇させて、排液口25に蓋22を戻す(S33)。これで排液作業が終了する。
校正を継続する場合(S34;YES)、S16に戻って、再びS16〜S33までのステップを実施する(S34)。全ての校正試験が終了した場合には(S34;NO)、最後にポンプと温調装置を停止させる(S35)。
上記の校正試験の手順において、計測された試験液の流入時間の不確かさは、ダイバータタイミングエラーに依存する。ダイバータタイミングエラーの確認は、ISO4185で推奨されている評価試験により行われる。試験方法についてはISO4185の中で詳述されているので、ここでは省略する。
本実施例では、ダイバータタイミングエラーを評価する前に、試験液が流出するノズル8と試験液を横切る転流羽根14a及び14bの相対位置を予め調節する必要がある。まず、秤量容器への取込流路であるダイバータ10の開口部70の中心にノズル8を位置させる。ノズル8の位置は、1枚目転流羽根14aと2枚目転流羽根14b両者の間の中心にあるのが望ましい。
図6に示すように、ノズル8の位置調節のために、ノズル8と連結した3次元位置決めステージ52が用いられる。3次元位置決めステージ52には、ノズル交換やメンテナンスのために、別途ノズル8の上げ下げができるような昇降台が設けられ、この昇降作業がノズル8の水平方向の位置を変化させないように設計されている。また、1枚目転流羽根14aと2枚目転流羽根14bがそれぞれノズル8からの流れを横切る位置角度は位置合わせによって得ることができる。
例えば、実際にノズル8の中心と転流羽根14a及び14bの刃先との位置合わせを行ってモーター53のエンコーダーの位置角度をそれぞれ割り出し、それらをスタート及びストップトリガー信号を発生する初期の位置角度とする。そして、この初期の位置角度を初回のISO4185評価試験に用いる。評価試験から得たエラー時間に回転角速度をかけると、スタート及びストップトリガー信号を発生させる位置角度の調整量が得られる。スタート及びストップトリガー信号を発生させる位置角度を電子的に調整したら、再びダイバータタイミングエラーの評価試験を行い、エラー時間が十分に小さくなるまでこの調整作業を繰り返す。
図13には、本実施例に対するダイバータタイミングエラーの評価結果を示した。横軸は流量、縦軸はタイミングエラーを表す。試験液として軽油と灯油を用いた評価試験のタイミングエラーは、全体的に約12ms以下である。実際は、試験液の取込時間(流入時間)に対するタイミングエラーの相対誤差は、流量が大きくなるほど取込時間が短くなるためより顕著になり、逆に、流量が小さくなるにつれて取込時間が長くなるため目立たなくなる。
図13の評価例では、一番大きい流量条件(100L/h)の場合、タイミングエラーが2ms以下であり、流量が小さくなるに連れて、タイミングエラーが徐々に大きくなるが、取込時間が長くなる。例えば、同じ取込量1500gの場合に、タイミングエラーの相対誤差が10〜100L/hの全てに対して0.003%以下となる。つまり、最終的な校正不確かさを0.1%以下とする流量計校正を目指す場合、タイミングエラーによる影響が十分に小さいと言える。
図14と図15に転流羽根の他の実施例を示す。この実施例では、転流羽根14b’の左右両縁に折り返し部16を設けるとともに、転流羽根14b’の下縁の中心を下向きに尖らせた形状としている。
転流羽根14b’の左右両側の折り返し部16は、流速が遅い(流量が小さい)場合に羽根表面に広がりやすい試験液が羽根表面からはみ出ないように抑える働きをする。一方、転流羽根14b’の下縁の形状は、羽根表面を流れ落ちる試験液を中心に集めて下縁の中心から落下させる役割を果たす。これにより、試験液をより確実に秤量容器20の中へ取り込むことができる。また、転流羽根14b’と接触しないように、秤量容器20の取込口28から立ち上がる筒29’の先端を水平面での横断形状にするとよい。なお、転流羽根14a’(図15参照)についても対称形で同様である。
図15に示すように、転流羽根14a’及び14b’を取り付けたダイバータ10の開口部70からノズル8からの流れを取り込んだときの、ダイバータタイミングエラーの評価結果の一例を図16に示した。
図16において、○印はトリガー信号の位置角度の調整前のタイミングエラー結果を示し、×印はトリガー信号の位置角度の調整後のタイミングエラー結果を表す。トリガー信号の位置角度の調整後、タイミングエラーは、一般的に約1ms以下であり、流量によらず、ほぼ一定である。同じ取込量1500gの場合に、取込時間に対するタイミングエラーの相対誤差が10〜100L/hの全てに対して0.002%以下となる。
また、図17には、図6の実施例において秤量容器20からの試験液の蒸発量を評価した結果の一例を示した。
評価方法として、秤量容器20の最大容量に近い量(この場合1500g)の試験液を秤量容器20に取り込み、排液した後の秤量計21の計量値の変動を約1時間で監視する。排液後であれば、秤量容器20の中の空気が入れ替わりやすく、試験液の蒸発が最も活発になると考えられる。試験条件として、灯油と軽油の2液種の試験液のそれぞれについて、液温を20℃と35℃との2つの条件下で、蒸発量を計測し評価した。この中で、最も蒸発しやすい条件は、液温を35℃とした灯油の場合であり、1時間でその蒸発量を0.03gとする計測結果を得た。それ以外の試験条件については、1時間で秤量計21の計量値の変動が見られず、秤量計21の分解能0.01g以下の変動であると判断した。
各試験条件について蒸発量の評価試験を3回繰り返した結果は再現性が高く、その3回の平均値を図17に示した。取込量1500gに対して、蒸発量による相対誤差は、最も厳しい条件である灯油35℃の場合で、0.002%であり、それ以外の条件では、0.001%以下である。例えば、流量計の校正不確かさを0.1%以下とする場合、その影響がほぼ無視できる。このように、図6に示す液体用流量計校正装置は、蒸発量の補正無しでも、小さい流量条件に必要な長時間の試験液の取込による校正も可能である。
上記した実施例によれば、2枚羽根式ダイバータの高い精度と回転式ダイバータの効率性を活かしたまま、流路切換機構であるダイバータ10に円錐状回転体71を用いることによって、円錐面72上の開口部70とその両縁にある転流羽根14a及び14bの表面積を大幅に縮小できるとともに、特別な構造を設けることなく、円錐面72によるバイパス流路が効果的な整流機能を果たし、小流量域での校正において顕著化しやすい蒸発量や液付着量、飛び散り量による誤差を低減し、小流量域での高精度な校正を可能にする。
また、試験液の蒸発量を効果的に低減できること、排出バルブに代わる液吸引による排液手法を可能にする秤量容器20の形状設計と確実なオーバーフロー防止機能を兼ね備えることにより、駆動機構を最低限に抑えつつ、密閉性と安全性が高く、構造が簡単な液体用流量計校正装置の設計が可能になる。
また、液蒸発と液垂れを考慮した吸引ノズル24のような液吸引による排液手法を採用することによって、排出バルブの漏れや排出バルブに接続されたケーブルによる影響などの排出バルブに起因する問題が存在せず、装置の維持管理の利便性や構造のシンプルさを図れるとともに、残液を少なくして液吸引を速くできて、より効果的で、効率性の高い排液手段を実現できる高精度の液体用流量計校正装置の設計を可能にする。
上記した液体用流量計校正装置によれば、小流量域での校正において顕著化しやすい蒸発量や液付着量、飛び散り量による誤差を低減し、小流量域での高精度な校正を可能にすることができ、例えば、石油の小流量を測定する流量計など小流量域流量計の校正装置として利用することができる。
以上、本発明の1つの実施例を説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、上述した本発明の実施形態による効果は、1つの実施例による良好的な効果に過ぎず、本発明による効果は、上記に記載された実施形態の効果に限定されるものではない。
1 貯蔵タンク
2 揚水ポンプ
4 ヘッダー
6 被試験流量計
7 流量調節バルブ
8 ノズル
10 ダイバータ、転流器
13 バイパスライン
14a 1枚目の転流羽根
14b 2枚目の転流羽根
15 回転軸
20 秤量容器
21 秤量計
22 蓋
23 液垂れの受け皿
24 吸引ノズル
25 排液口
26 液位計
27 液位センサー
29 筒
40 熱交換器
41 温調装置
50 ダイバータボックス
51 昇降台
52 三次元位置決めステージ
53 モーター
54 筒
60 ゲート信号発生器
61 流入時間タイマー
62 パルス計数時間タイマー
63 流量計パルスカウンター
64 制御PC
70 開口部
71 円錐状回転体
72 円錐面
73 ダイバータ円錐面
81 液溜まり
90 テーパー部

Claims (3)

  1. 液体用流量計校正装置であって、
    試験液を下方へ流出させるノズルと、
    前記ノズルから下方へ流出する前記試験液を取り込む秤量容器と、
    前記秤量容器の重量を測定する秤量計と、
    前記試験液を前記秤量容器に取り込まない時に前記試験液を排出するバイパス流路と、
    前記試験液を前記秤量容器に導くか前記バイパス流路に導くかを切り換える流路切換機構と、
    前記流路切換機構を駆動させる手段と、を備え、
    前記流路切換機構は、前記ノズルと前記秤量容器との間に設置され、前記ノズルからの流れと平行な回転軸で円錐状の円錐面を有する円錐状回転体を含み、前記円錐面には開口部を設けられるとともに、前記開口部の回転方向左右両縁から上方へ立ち上がり前記流れを横切る転流羽根を設けられており、
    初期の角度位置から前記円錐面を回転させて前記開口部を前記ノズルの直下位置まで移動させる間に前記開口部の片側の前記転流羽根が前記ノズルを流出する流れを横切ることで前記流れを前記秤量容器へ流入させ、
    さらに前記円錐面を回転させて前記開口部を前記ノズルの直下位置から離れて初期の角度位置に戻る間に前記開口部の他側の前記転流羽根が前記ノズルを流出する流れを横切ることで前記流れを前記バイパス流路へ切り換わる動作を行うことで、前記秤量容器への前記試験液の取込を制御することを特徴とする液体用流量計校正装置。
  2. 前記秤量容器に試験液を取り込むための取込口と、
    前記秤量容器から試験液を排出するための排液口と、
    前記秤量容器と非接触である液位センサーを用いて前記秤量容器に取り込んだ試験液の液位を検知するための液位計と、を備え、
    さらに前記取込口から上方に立ち上がり、前記流路切換機構の前記円錐面近傍まで伸張し前記円錐面に対向するような傾斜先端を有する筒と、前記秤量容器から排液時以外には前記排液口を塞ぐための可動蓋と、を備えることを特徴とする請求項1記載の液体用流量計校正装置。
  3. 前記秤量容器から試験液を排出するための排液機構を備え、
    前記排液機構は、前記秤量容器からの前記試験液の排出時には、前記排液口を塞いでいる前記可動蓋を持ち去り、前記秤量容器から前記試験液を吸い出す吸引ノズルを前記排液口から前記秤量容器の底まで下降させ、前記吸引ノズルを通して前記試験液を吸引し、液吸引の終了後、前記吸引ノズルを前記排液口から上昇させ、前記排液口に前記可動蓋を戻す動作を行うことで、前記秤量容器から試験液を排出する機構を備え、
    さらに前記排液機構は前記秤量計の計量値に影響を与えないように、排液のための一連動作程時以外には、前記秤量容器と非接触であり、さらに排液待機時に前記吸引ノズルからの液垂れを受けるための受け皿を備えることを特徴とする請求項1または2記載の液体用流量計校正装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109827640A (zh) * 2019-01-17 2019-05-31 承德石油高等专科学校 一种金属浮子流量计粘度校正装置及校正方法
CN111075513A (zh) * 2019-11-12 2020-04-28 沈阳航空航天大学 一种扇形叶栅试验器及改变扇形叶栅进气角的方法
CN112504409A (zh) * 2020-11-26 2021-03-16 中广核研究院有限公司 适用于振动环境的水流量标准装置
CN114252135A (zh) * 2021-12-29 2022-03-29 新乡航空工业(集团)有限公司 仪表检测设备用气动不对称换向机构

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