JP2017179158A - グリース - Google Patents
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Abstract
【課題】環境面及び安全面の問題が低く、滴点が高く、耐熱性に優れたグリースを提供する。【解決手段】基油及び増ちょう剤(B)を含有し、増ちょう剤(B)が、式(I)で表される金属塩(B1)又は式(II)で表される金属塩(B2)から選ばれる1種以上を含む、グリース。〔Mは1〜3価の金属原子;pはMの価数で1〜3の整数;Xは夫々独立に単結合、O、S、アルキレン等;aは夫々独立に0〜5の整数;b及びcは夫々独立に0〜4の整数;dは夫々独立に0〜3の整数;Rは夫々独立にハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、無置/置換のアリール基、アリールオキシ基等〕【選択図】なし
Description
本発明は、グリースに関する。
グリースは、潤滑油に比べて封止が容易であり、適用される機械の小型化や軽量化ができる等の理由から、自動車や各種産業機械の種々の摺動部分の潤滑のために広く使用されている。
グリースは、主に基油及び増ちょう剤から構成されるが、グリースの固体的な性質は、増ちょう剤によって付与され、グリースの性能は、使用する増ちょう剤によって大きく変わってくる。
グリースは、主に基油及び増ちょう剤から構成されるが、グリースの固体的な性質は、増ちょう剤によって付与され、グリースの性能は、使用する増ちょう剤によって大きく変わってくる。
増ちょう剤としては、ジウレア化合物や、リチウム石けん等の脂肪酸金属塩が一般的に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ジウレア化合物は、環境面や人体への安全面において問題があり、特に、ジウレア化合物の原料であるイソシアネート系化合物は、人体にとって好ましくない。
また、リチウム石けん等の脂肪酸金属塩を用いたグリースは、滴点が低いものが多く、耐熱性の点で問題を有する。
しかしながら、ジウレア化合物は、環境面や人体への安全面において問題があり、特に、ジウレア化合物の原料であるイソシアネート系化合物は、人体にとって好ましくない。
また、リチウム石けん等の脂肪酸金属塩を用いたグリースは、滴点が低いものが多く、耐熱性の点で問題を有する。
ジウレア化合物や脂肪酸金属塩に代わり、環境面や人体への安全性の問題も低く、耐熱性に優れたグリースを製造し得る、増ちょう剤について、様々な開発がなされている。
例えば、特許文献2には、特定の基油に対して、増ちょう剤として2−フェノキシ安息香酸のナトリウム塩を用いたグリースが記載されている。
例えば、特許文献2には、特定の基油に対して、増ちょう剤として2−フェノキシ安息香酸のナトリウム塩を用いたグリースが記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載のグリースは、滴点が低く、更なる耐熱性の向上が必要である。
また、本発明者の検討によれば、特許文献2で増ちょう剤として使用されている「2−フェノキシ安息香酸のナトリウム塩」は、併せて用いる基油の種類によっては、得られるグリースが柔らか過ぎるために、グリースとしての使用が困難となる場合があることが分かった。
また、本発明者の検討によれば、特許文献2で増ちょう剤として使用されている「2−フェノキシ安息香酸のナトリウム塩」は、併せて用いる基油の種類によっては、得られるグリースが柔らか過ぎるために、グリースとしての使用が困難となる場合があることが分かった。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであって、環境面及び安全面の問題が低く、滴点が高く、耐熱性に優れたグリースを提供することを目的とする。
本発明者は、増ちょう剤として、ベンゼン環を2つ有する特定構造の芳香族化合物の金属塩を含有するグリースが、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記[1]を提供する。
[1]基油(A)及び増ちょう剤(B)を含有するグリースであって、
増ちょう剤(B)が、下記一般式(I)で表される金属塩(B1)及び下記一般式(II)で表される金属塩(B2)から選ばれる1種以上を含む、グリース。
〔上記一般式(I)、(II)中、Mは、1〜3価の金属原子である。
pは、Mの価数であり、1〜3の整数である。
Xは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数1〜4のアルケニレン基、又は、下記に示す2価の基のいずれかである。
aは、それぞれ独立に0〜5の整数であり、bは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、cは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、dは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有する環形成炭素数6〜12のアリール基、無置換もしくは置換基を有する炭素数6〜12のアリールオキシ基、無置換もしくは置換基を有する炭素数7〜13のアラルキル基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7〜13のアラルキルオキシ基である。
また、前記置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。なお、Rが複数存在する場合には、複数のRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。〕
すなわち、本発明は、下記[1]を提供する。
[1]基油(A)及び増ちょう剤(B)を含有するグリースであって、
増ちょう剤(B)が、下記一般式(I)で表される金属塩(B1)及び下記一般式(II)で表される金属塩(B2)から選ばれる1種以上を含む、グリース。
〔上記一般式(I)、(II)中、Mは、1〜3価の金属原子である。
pは、Mの価数であり、1〜3の整数である。
Xは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数1〜4のアルケニレン基、又は、下記に示す2価の基のいずれかである。
aは、それぞれ独立に0〜5の整数であり、bは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、cは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、dは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有する環形成炭素数6〜12のアリール基、無置換もしくは置換基を有する炭素数6〜12のアリールオキシ基、無置換もしくは置換基を有する炭素数7〜13のアラルキル基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7〜13のアラルキルオキシ基である。
また、前記置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。なお、Rが複数存在する場合には、複数のRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。〕
本発明のグリースは、環境面及び安全性の問題が低く、滴点が高く、耐熱性に優れる。
本発明のグリースは、基油(A)及び増ちょう剤(B)を含有する。
なお、本発明の一態様のグリースは、さらに一般的なグリースに使用されるグリース用添加剤を含有してもよい。
本発明の一態様のグリースにおいて、基油(A)及び増ちょう剤(B)の合計含有量は、当該グリースの全量(100質量%)基準で、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、より更に好ましくは90〜100質量%である。
なお、本発明の一態様のグリースは、さらに一般的なグリースに使用されるグリース用添加剤を含有してもよい。
本発明の一態様のグリースにおいて、基油(A)及び増ちょう剤(B)の合計含有量は、当該グリースの全量(100質量%)基準で、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、より更に好ましくは90〜100質量%である。
<基油(A)>
本発明のグリースに含まれる基油(A)は、鉱油及び合成油から選ばれる1種以上であればよい。
鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、中間基系鉱油、又はナフテン系鉱油を常圧蒸留もしくは常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、これらの留出油を常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、白土処理油等が挙げられる。また、フィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス(Gas To Liquids WAX))を異性化することで得られる鉱油ワックスであってもよい。
合成油としては、例えば、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。
本発明のグリースに含まれる基油(A)は、鉱油及び合成油から選ばれる1種以上であればよい。
鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、中間基系鉱油、又はナフテン系鉱油を常圧蒸留もしくは常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、これらの留出油を常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、白土処理油等が挙げられる。また、フィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス(Gas To Liquids WAX))を異性化することで得られる鉱油ワックスであってもよい。
合成油としては、例えば、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。
炭化水素系油としては、例えば、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィン(PAO)及びこれらの水素化物等が挙げられる。
芳香族系油としては、例えば、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン;モノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン;等が挙げられる。
エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチルアセチルリシノレート等のジエステル系油;トリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル系油;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンベラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル系油;多価アルコールと二塩基酸及び一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステル等のコンプレックスエステル系油;等が挙げられる。
エーテル系油としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール;モノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル系油;等が挙げられる。
本発明の一態様で用いる基油(A)の40℃における動粘度としては、好ましくは10〜200mm2/s、より好ましくは15〜180mm2/s、更に好ましくは20〜150mm2/s、より更に好ましくは25〜120mm2/sである。
なお、基油(A)は、高粘度の基油と、低粘度の基油とを組み合わせて、動粘度を上記範囲に調製した混合基油を用いてもよい。
なお、基油(A)は、高粘度の基油と、低粘度の基油とを組み合わせて、動粘度を上記範囲に調製した混合基油を用いてもよい。
本発明の一態様で用いる基油(A)の粘度指数としては、好ましくは60以上、より好ましくは70以上、更に好ましくは80以上、より更に好ましくは100以上である。
なお、本明細書において、動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2003に準拠して測定した値を意味する。
なお、本明細書において、動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2003に準拠して測定した値を意味する。
本発明のグリースにおいて、基油(A)の含有量は、当該グリースの全量(100質量%)基準で、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは65質量%以上であり、また、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
<増ちょう剤(B)>
本発明のグリースに含まれる増ちょう剤(B)は、下記一般式(I)で表される金属塩(B1)及び下記一般式(II)で表される金属塩(B2)から選ばれる1種以上を含む。
増ちょう剤(B)として、金属塩(B1)及び(B2)から選ばれる1種以上を用いることで、増ちょう剤(B)の含有量が少量であっても、滴点が高く、耐熱性に優れたグリースとなり得る。また、金属塩(B1)及び(B2)は、環境面及び安全面での点でも優れている。
本発明のグリースに含まれる増ちょう剤(B)は、下記一般式(I)で表される金属塩(B1)及び下記一般式(II)で表される金属塩(B2)から選ばれる1種以上を含む。
増ちょう剤(B)として、金属塩(B1)及び(B2)から選ばれる1種以上を用いることで、増ちょう剤(B)の含有量が少量であっても、滴点が高く、耐熱性に優れたグリースとなり得る。また、金属塩(B1)及び(B2)は、環境面及び安全面での点でも優れている。
上記一般式(I)、(II)中、Mは、1〜3価の金属原子である。
pは、Mの価数であり、1〜3の整数であり、Mとして選択される金属原子の種類によって定まる。
pは、Mの価数であり、1〜3の整数であり、Mとして選択される金属原子の種類によって定まる。
Mとして選択される、前記金属原子としては、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属原子;カルシウム原子、マグネシウム原子等のアルカリ土類金属原子;亜鉛原子;アルミニウム原子等が挙げられる。
本発明の一態様において、基油(A)をグリース化させる観点、並びに、滴点を高くし、混和ちょう度を適度な範囲に調製したグリースとする観点から、Mが、ナトリウム原子、カリウム原子、カルシウム原子、マグネシウム原子、亜鉛原子、及びアルミニウム原子から選ばれる金属原子であることが好ましく、ナトリウム原子又はカルシウム原子であることがより好ましい。
本発明の一態様において、基油(A)をグリース化させる観点、並びに、滴点を高くし、混和ちょう度を適度な範囲に調製したグリースとする観点から、Mが、ナトリウム原子、カリウム原子、カルシウム原子、マグネシウム原子、亜鉛原子、及びアルミニウム原子から選ばれる金属原子であることが好ましく、ナトリウム原子又はカルシウム原子であることがより好ましい。
上記一般式(I)中、Xは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数1〜4のアルケニレン基、又は、下記に示す2価の基のいずれかである。
Xとして選択し得る、前記アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、テトラメチレン基、ブチレン基、2−メチルトリメチレン基等が挙げられる。
Xとして選択し得る、前記アルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、イソプロペニレン基、ブチニレン基、イソブチニレン基、t−ブチニレン基等が挙げられる。
Xとして選択し得る、前記アルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、イソプロペニレン基、ブチニレン基、イソブチニレン基、t−ブチニレン基等が挙げられる。
本発明の一態様において、基油(A)をグリース化させる観点、並びに、滴点を高くし、混和ちょう度を適度な範囲に調製したグリースとする観点から、Xが、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、又は−CH2−O−であることが好ましい。
aは、それぞれ独立に、0〜5の整数であり、好ましくは0又は1、より好ましくは1である。
bは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。
cは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、好ましくは0又は1、より好ましくは1である。
dは、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。
bは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。
cは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、好ましくは0又は1、より好ましくは1である。
dは、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。
上記一般式(I)、(II)中、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有する環形成炭素数6〜12のアリール基、無置換もしくは置換基を有する炭素数6〜12のアリールオキシ基、無置換もしくは置換基を有する炭素数7〜13のアラルキル基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7〜13のアラルキルオキシ基である。
また、前記アリール基、前記アリールオキシ基、前記アラルキル基、及び前記アラルキルオキシ基が有してもよい前記置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。Rが複数存在する場合には、複数のRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
なお、上記のアルキル基、アルコキシ基、並びに、アラルキル基及びアラルキルオキシ基のアルキル部分は、直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよい。
また、前記アリール基、前記アリールオキシ基、前記アラルキル基、及び前記アラルキルオキシ基が有してもよい前記置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。Rが複数存在する場合には、複数のRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
なお、上記のアルキル基、アルコキシ基、並びに、アラルキル基及びアラルキルオキシ基のアルキル部分は、直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよい。
Rとして選択し得る、前記炭素数1〜22のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等が挙げられる。
また、前記置換基として選択し得る、前記炭素数1〜12のアルキル基としては、上述のうち、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。
Rとして選択し得る、前記アルキル基の炭素数としては、1〜22であるが、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、好ましくは3〜20、より好ましくは6〜16、更に好ましくは6〜12である。
また、前記置換基として選択し得る、前記炭素数1〜12のアルキル基としては、上述のうち、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。
Rとして選択し得る、前記アルキル基の炭素数としては、1〜22であるが、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、好ましくは3〜20、より好ましくは6〜16、更に好ましくは6〜12である。
Rとして選択し得る、前記炭素数1〜22のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基等が挙げられる。
また、前記置換基として選択し得る、前記炭素数1〜12のアルコキシ基としては、上述のうち、炭素数1〜12のアルコキシ基が挙げられる。
Rとして選択し得る、前記アルコキシ基の炭素数としては、1〜22であるが、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、好ましくは3〜20、より好ましくは6〜16、更に好ましくは6〜12である。
また、前記置換基として選択し得る、前記炭素数1〜12のアルコキシ基としては、上述のうち、炭素数1〜12のアルコキシ基が挙げられる。
Rとして選択し得る、前記アルコキシ基の炭素数としては、1〜22であるが、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、好ましくは3〜20、より好ましくは6〜16、更に好ましくは6〜12である。
Rとして選択し得る、前記環形成炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられ、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
Rとして選択し得る、前記炭素数6〜12のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
Rとして選択し得る、前記炭素数7〜13のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基等が挙げられる。
Rとして選択し得る、前記炭素数7〜13のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジロキシ基、フェネチロキシ基、ナフチルメトキシ基等が挙げられる。
Rとして選択し得る、前記炭素数7〜13のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基等が挙げられる。
Rとして選択し得る、前記炭素数7〜13のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジロキシ基、フェネチロキシ基、ナフチルメトキシ基等が挙げられる。
本発明の一態様において、基油(A)をグリース化させる観点、並びに、滴点を高くし、混和ちょう度を適度な範囲に調製したグリースとする観点から、Rが、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有する環形成炭素数6〜12のアリール基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数6〜12のアリールオキシ基であることが好ましく、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、Rが、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、又は、炭素数1〜22のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1〜22のアルキル基であることが更に好ましい。
本発明の一態様において、基油(A)をグリース化させる観点、並びに、滴点を高くし、混和ちょう度を適度な範囲に調製したグリースとする観点から、金属塩(B1)が、下記一般式(I−1)で表される金属塩(B11)及び下記一般式(I−2)で表される金属塩(B12)から選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、金属塩(B1)が、下記一般式(I−1)で表される金属塩(B11)であることがより好ましい。
また、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、金属塩(B1)が、下記一般式(I−1)で表される金属塩(B11)であることがより好ましい。
上記一般式(I−1)、(I−2)中、M、p、X、Rは、上述の前記一般式(I)と同じであり、好適な態様等についても同様である。
本発明の一態様において、基油(A)をグリース化させる観点、並びに、滴点を高くし、混和ちょう度を適度な範囲に調製したグリースとする観点から、金属塩(B2)が、下記一般式(II−1)で表される金属塩(B21)及び下記一般式(II−2)で表される金属塩(B22)から選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、金属塩(B2)が、下記一般式(II−1)で表される金属塩(B21)であることがより好ましい。
また、さらに離油度及び遠心離油度が低く、寿命が長いグリースとする観点から、金属塩(B2)が、下記一般式(II−1)で表される金属塩(B21)であることがより好ましい。
本発明の一態様において、基油(A)をグリース化させる観点、並びに、滴点を高くし、混和ちょう度を適度な範囲に調製したグリースとする観点から、金属塩(B1)及び(B2)の合計含有量が、前記グリースに含まれる増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは65〜100質量%、更に好ましくは75〜100質量%、より更に好ましくは85〜100質量%、特に好ましくは95〜100質量%である。
本発明の一態様において、増ちょう剤(B)として、リチウム石鹸を含有してもよいが、基油(A)をグリース化させる観点、並びに、滴点を高くし、混和ちょう度を適度な範囲に調製したグリースとする観点から、当該リチウム石鹸の含有量は、少ないほど好ましい。
リチウム石鹸の含有量としては、グリースに含まれる増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは50質量%未満、より好ましくは20質量%未満、より好ましくは10質量%未満、更に好ましくは5質量%未満、より更に好ましくは1質量%未満、特に好ましくは0質量%(含有しない)である。
リチウム石鹸の含有量としては、グリースに含まれる増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは50質量%未満、より好ましくは20質量%未満、より好ましくは10質量%未満、更に好ましくは5質量%未満、より更に好ましくは1質量%未満、特に好ましくは0質量%(含有しない)である。
また、本発明の一態様において、増ちょう剤(B)が、環境面及び安全性の点から問題がある、ウレア系増ちょう剤を実質的に含有しないことが好ましい。
なお、本明細書において、「ウレア系増ちょう剤を実質的に含有しない」とは、ウレア系増ちょう剤の含有量が、グリースに含まれる増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、5質量%未満(好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満、更に好ましくは0.01質量%未満、より更に好ましくは0.001質量%未満)であることを意味する。
なお、本明細書において、「ウレア系増ちょう剤を実質的に含有しない」とは、ウレア系増ちょう剤の含有量が、グリースに含まれる増ちょう剤(B)の全量(100質量%)基準で、5質量%未満(好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満、更に好ましくは0.01質量%未満、より更に好ましくは0.001質量%未満)であることを意味する。
本発明のグリースにおいて、増ちょう剤(B)の含有量は、当該グリースの全量(100質量%)基準で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは5.0質量%以上、より更に好ましくは10.0質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
<グリース用添加剤>
本発明の一態様のグリースにおいて、本発明の効果を損なわれない範囲で、さらに一般的なグリースに用いられるグリース用添加剤を含有してもよい。
当該グリース用添加剤としては、例えば、防錆剤、酸化防止剤、潤滑性向上剤、増粘剤、改質剤、清浄分散剤、腐食防止剤、消泡剤、極圧剤、金属不活性剤等が挙げられる。
なお、これらのグリース用添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様のグリースにおいて、本発明の効果を損なわれない範囲で、さらに一般的なグリースに用いられるグリース用添加剤を含有してもよい。
当該グリース用添加剤としては、例えば、防錆剤、酸化防止剤、潤滑性向上剤、増粘剤、改質剤、清浄分散剤、腐食防止剤、消泡剤、極圧剤、金属不活性剤等が挙げられる。
なお、これらのグリース用添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様のグリースが、これらのグリース用添加剤を含有する場合、これらのグリース用添加剤の各含有量は、添加剤の種類に応じて適宜設定されるが、当該グリースの全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.2〜5質量%である。
〔本発明のグリースの特性〕
本発明の一態様のグリースの滴点としては、好ましくは250℃以上、より好ましくは265℃以上、更に好ましくは280℃以上、より更に好ましくは290℃以上である。
なお、本明細書において、グリースの滴点は、JIS K2220 8:2013に準拠して測定した値である。
本発明の一態様のグリースの滴点としては、好ましくは250℃以上、より好ましくは265℃以上、更に好ましくは280℃以上、より更に好ましくは290℃以上である。
なお、本明細書において、グリースの滴点は、JIS K2220 8:2013に準拠して測定した値である。
本発明の一態様のグリースの25℃における混和ちょう度としては、グリースの硬さを適度な範囲とし、低温トルク特性、耐摩耗を良好とする観点から、好ましくは175〜475、より好ましくは205〜445、更に好ましくは220〜430である。
なお、本明細書において、グリースの混和ちょう度は、JIS K2220 7:2013に準拠して測定された値である。
なお、本明細書において、グリースの混和ちょう度は、JIS K2220 7:2013に準拠して測定された値である。
本発明の一態様のグリースの離油度としては、寿命が長いグリースとする観点から、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.3%以下、更に好ましくは1.0%以下、より更に好ましくは0.8%以下である。
なお、本明細書において、グリースの離油度は、JIS K2220.11に準拠して測定された値である。
なお、本明細書において、グリースの離油度は、JIS K2220.11に準拠して測定された値である。
本発明の一態様のグリースの遠心離油度としては、寿命が長いグリースとする観点から、好ましく35%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下、より更に好ましくは6%以下、特に好ましくは3%以下である。
なお、本明細書において、グリースの遠心離油度は、実施例に記載の方法に基づき測定された値である。
なお、本明細書において、グリースの遠心離油度は、実施例に記載の方法に基づき測定された値である。
〔グリースの製造方法〕
本発明のグリースの製造方法としては、特に制限は無いが、下記工程(1)及び(2)を有することが好ましい。
・工程(1):基油(A)に、下記一般式(i)で表される化合物(b1)及び下記一般式(ii)で表される化合物(b2)から選ばれる1種以上を溶解させた溶液を調製する工程。
〔上記一般式(i)、(ii)中、X、a、b、c、d、Rは、前記一般式(I)及び(II)と同じである。〕
・工程(2):工程(1)で調製した溶液に、下記一般式(iii)で表される塩基を添加する工程。
M(OH)p (iii)
〔上記一般式(iii)中、M、pは、前記一般式(I)及び(II)と同じである。〕
本発明のグリースの製造方法としては、特に制限は無いが、下記工程(1)及び(2)を有することが好ましい。
・工程(1):基油(A)に、下記一般式(i)で表される化合物(b1)及び下記一般式(ii)で表される化合物(b2)から選ばれる1種以上を溶解させた溶液を調製する工程。
〔上記一般式(i)、(ii)中、X、a、b、c、d、Rは、前記一般式(I)及び(II)と同じである。〕
・工程(2):工程(1)で調製した溶液に、下記一般式(iii)で表される塩基を添加する工程。
M(OH)p (iii)
〔上記一般式(iii)中、M、pは、前記一般式(I)及び(II)と同じである。〕
<工程(1)>
工程(1)において、化合物(b1)は、金属塩(B1)の原料となる安息香酸誘導体であり、化合物(b2)は、金属塩(B2)の原料となるナフタレンカルボン酸誘導体である。
工程(1)においては、窒素雰囲気下で、基油(A)を加熱し、化合物(b1)及び化合物(b2)から選ばれる1種以上を溶解させることが好ましい。
この際、基油(A)の加熱温度としては、使用する基油(A)や化合物(b1)及び化合物(b2)の種類に応じて適宜設定されるが、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜130℃、更に好ましくは70〜120℃である。
工程(1)において、化合物(b1)は、金属塩(B1)の原料となる安息香酸誘導体であり、化合物(b2)は、金属塩(B2)の原料となるナフタレンカルボン酸誘導体である。
工程(1)においては、窒素雰囲気下で、基油(A)を加熱し、化合物(b1)及び化合物(b2)から選ばれる1種以上を溶解させることが好ましい。
この際、基油(A)の加熱温度としては、使用する基油(A)や化合物(b1)及び化合物(b2)の種類に応じて適宜設定されるが、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜130℃、更に好ましくは70〜120℃である。
<工程(2)>
工程(2)において、前記一般式(iii)で表される塩基は、固体のまま添加してもよく、水等の適当な溶媒に溶解させて、溶液の形態で添加してもよい。
前記塩基を添加後、溶液の温度を工程(1)で設定した温度で維持しつつ、0.5〜3時間撹拌しながら反応を進行させることが好ましい。
工程(2)において、前記一般式(iii)で表される塩基は、固体のまま添加してもよく、水等の適当な溶媒に溶解させて、溶液の形態で添加してもよい。
前記塩基を添加後、溶液の温度を工程(1)で設定した温度で維持しつつ、0.5〜3時間撹拌しながら反応を進行させることが好ましい。
工程(2)の終了後、前記塩基を添加する際に水等の溶媒を加えた場合には、当該溶媒の沸点以上で加熱し、溶媒を除去する後処理を行うことが好ましい。
その後、室温まで冷却し、必要に応じて、グリース用添加剤を加えた後、得られたグリースを三本ロールミルに掛けて均一化させることが好ましい。
その後、室温まで冷却し、必要に応じて、グリース用添加剤を加えた後、得られたグリースを三本ロールミルに掛けて均一化させることが好ましい。
〔本発明のグリースの用途〕
本発明のグリースは、環境面及び安全性の問題が低く、滴点が高く、耐熱性に優れる。
そのため、本発明のグリースを用いた機構部品は、グリースが飛散や漏洩したとしても、環境保全や人体への安全性における問題が少なく、高温であっても潤滑特性が長期間維持されたものとなり得る。
本発明のグリースを用いた機構部品としては、軸受や歯車等が挙げられ、より具体的には、すべり軸受、ころがり軸受、含油軸受、流体軸受等の各種軸受、歯車、内燃機関、ブレーキ、トルク伝達装置用部品、流体継ぎ手、圧縮装置用部品、チェーン、油圧装置用部品、真空ポンプ装置用部品、時計部品、ハードディスク用部品、冷凍機用部品、切削機用部品、圧延機用部品、絞り抽伸機用部品、転造機用部品、鍛造機用部品、熱処理機用部品、熱媒体用部品、洗浄機用部品、ショックアブソーバ機用部品、密封装置用部品等が挙げられる。
本発明のグリースは、環境面及び安全性の問題が低く、滴点が高く、耐熱性に優れる。
そのため、本発明のグリースを用いた機構部品は、グリースが飛散や漏洩したとしても、環境保全や人体への安全性における問題が少なく、高温であっても潤滑特性が長期間維持されたものとなり得る。
本発明のグリースを用いた機構部品としては、軸受や歯車等が挙げられ、より具体的には、すべり軸受、ころがり軸受、含油軸受、流体軸受等の各種軸受、歯車、内燃機関、ブレーキ、トルク伝達装置用部品、流体継ぎ手、圧縮装置用部品、チェーン、油圧装置用部品、真空ポンプ装置用部品、時計部品、ハードディスク用部品、冷凍機用部品、切削機用部品、圧延機用部品、絞り抽伸機用部品、転造機用部品、鍛造機用部品、熱処理機用部品、熱媒体用部品、洗浄機用部品、ショックアブソーバ機用部品、密封装置用部品等が挙げられる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、各種物性値の測定法は以下のとおりである。
(1)滴点
JIS K2220 8:2013に準拠して測定した。
(2)混和ちょう度
JIS K2220 7:2013に準拠して、25℃にて測定した。
(3)離油度
JIS K2220.11に準拠して測定した。
(4)遠心離油度
超遠心分離機を用いて、容器内に調製したグリースを充填し、40℃で、グリース充填部分に、1.6×105[m2/s](28,000G)の加速度を3時間与えた際、グリースから分離した油分の質量比率を求め、当該値を「遠心離油度」とした。
(1)滴点
JIS K2220 8:2013に準拠して測定した。
(2)混和ちょう度
JIS K2220 7:2013に準拠して、25℃にて測定した。
(3)離油度
JIS K2220.11に準拠して測定した。
(4)遠心離油度
超遠心分離機を用いて、容器内に調製したグリースを充填し、40℃で、グリース充填部分に、1.6×105[m2/s](28,000G)の加速度を3時間与えた際、グリースから分離した油分の質量比率を求め、当該値を「遠心離油度」とした。
製造例1
[4−ビフェニルオキシ安息香酸(化合物(3))の合成]
ステップ1
1Lの四つ口フラスコに、4−フェニルフェノール25g(0.147mol)、4−フルオロベンズアルデヒド18.9g(0.152mol)、炭酸カリウム31.0g(0.224mol)及びジメチルスルフォキシド(DMSO、和光純薬:有機合成用超脱水)200mlを仕込み、窒素雰囲気下で、110℃のオイルバスを用いて加熱撹拌して12時間反応させた。
反応終了後、反応液を1.2Lの脱イオン水中に加えて希釈し、生じた固体を、酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルを用いて2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を留去し、中間体である4−ビフェニルオキシベンズアルデヒドを39.7g(0.145mol)得た。
[4−ビフェニルオキシ安息香酸(化合物(3))の合成]
ステップ1
1Lの四つ口フラスコに、4−フェニルフェノール25g(0.147mol)、4−フルオロベンズアルデヒド18.9g(0.152mol)、炭酸カリウム31.0g(0.224mol)及びジメチルスルフォキシド(DMSO、和光純薬:有機合成用超脱水)200mlを仕込み、窒素雰囲気下で、110℃のオイルバスを用いて加熱撹拌して12時間反応させた。
反応終了後、反応液を1.2Lの脱イオン水中に加えて希釈し、生じた固体を、酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルを用いて2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を留去し、中間体である4−ビフェニルオキシベンズアルデヒドを39.7g(0.145mol)得た。
ステップ2
1Lの四つ口フラスコに、ステップ1で合成した4−ビフェニルオキシベンズアルデヒド22.0g(80mmol)、エタノール440ml、及び脱イオン水440mlを仕込み、メカニカルスターラーを投入して撹拌した。続いて、硝酸銀29g(170mmol)を加え、さらに水酸化ナトリウム14.2g(341mmol)を固体のまま少しずつ加えた。その後、オイルバスを用いて加熱還流させ、1時間反応させた。
反応終了後、反応液を放冷せずにそのままセライト濾過して不溶物を除去し、エタノール/脱イオン水=1/1(質量比)の混合溶媒で洗浄した。濾過後のろ液をナスフラスコに移し、溶媒を減圧下で除去し、濃縮した。そして、濃縮したろ液に希塩酸を加えて強酸性とし、生じた固体を酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルを用いて2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去した。その後、残渣の固体をエタノールを用いて再結晶化し、目的化合物である4−ビフェニルオキシ安息香酸(化合物(3))を13.9g(48mmol)得た。
1Lの四つ口フラスコに、ステップ1で合成した4−ビフェニルオキシベンズアルデヒド22.0g(80mmol)、エタノール440ml、及び脱イオン水440mlを仕込み、メカニカルスターラーを投入して撹拌した。続いて、硝酸銀29g(170mmol)を加え、さらに水酸化ナトリウム14.2g(341mmol)を固体のまま少しずつ加えた。その後、オイルバスを用いて加熱還流させ、1時間反応させた。
反応終了後、反応液を放冷せずにそのままセライト濾過して不溶物を除去し、エタノール/脱イオン水=1/1(質量比)の混合溶媒で洗浄した。濾過後のろ液をナスフラスコに移し、溶媒を減圧下で除去し、濃縮した。そして、濃縮したろ液に希塩酸を加えて強酸性とし、生じた固体を酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルを用いて2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去した。その後、残渣の固体をエタノールを用いて再結晶化し、目的化合物である4−ビフェニルオキシ安息香酸(化合物(3))を13.9g(48mmol)得た。
製造例2
[4−(4−フェノキシ)フェノキシ安息香酸(化合物(4))の合成]
ステップ1
1Lの四口フラスコに、4−フェノキシフェノール25g(0.137mol)、4−フルオロベンズアルデヒド17.7g(0.143mol)、炭酸カリウム28.3g(0.205mol)及びジメチルスルフォキシド(DMSO、和光純薬:有機合成用超脱水)200mlを仕込み、窒素雰囲気下で、110℃のオイルバスを用いて加熱撹拌して8時間反応させた。
反応終了後、反応液を1.2Lの脱イオン水中に加えて希釈し、生じた固体を、濾過して採取し、脱イオン水で洗浄した。採取した固体を真空ポンプを用いて減圧下で乾燥させ、中間体である4−(4−フェノキシ)フェノキシベンズアルデヒドを40.96g(0.141mol)得た。
[4−(4−フェノキシ)フェノキシ安息香酸(化合物(4))の合成]
ステップ1
1Lの四口フラスコに、4−フェノキシフェノール25g(0.137mol)、4−フルオロベンズアルデヒド17.7g(0.143mol)、炭酸カリウム28.3g(0.205mol)及びジメチルスルフォキシド(DMSO、和光純薬:有機合成用超脱水)200mlを仕込み、窒素雰囲気下で、110℃のオイルバスを用いて加熱撹拌して8時間反応させた。
反応終了後、反応液を1.2Lの脱イオン水中に加えて希釈し、生じた固体を、濾過して採取し、脱イオン水で洗浄した。採取した固体を真空ポンプを用いて減圧下で乾燥させ、中間体である4−(4−フェノキシ)フェノキシベンズアルデヒドを40.96g(0.141mol)得た。
ステップ2
1Lの四口フラスコに、ステップ1で合成した4−(4−フェノキシ)フェノキシベンズアルデヒド40.96g(0.141mol)、エタノール600ml、及び脱イオン水600mlを仕込み、メカニカルスターラーを投入して撹拌した。続いて、硝酸銀52g(0.306mol)を加え、さらに水酸化ナトリウム26.0g(0.624mol)を固体のまま少しずつ加えた。その後、オイルバスを用いて加熱還流させ、1時間反応させた。
反応終了後、反応液を放冷せずにそのままセライト濾過して不溶物を除去し、エタノール/脱イオン水=1/1(質量比)の混合溶媒で洗浄した。濾過後のろ液をナスフラスコに移し、溶媒を減圧下で除去し、濃縮した。そして、濃縮したろ液に希塩酸を加えて強酸性とし、生じた固体を酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去した。その後、残渣の固体を真空ポンプを用いて減圧下で乾燥させ、目的化合物である4−(4−フェノキシ)フェノキシ安息香酸(化合物(4))を36.44g(0.120mol)得た。
1Lの四口フラスコに、ステップ1で合成した4−(4−フェノキシ)フェノキシベンズアルデヒド40.96g(0.141mol)、エタノール600ml、及び脱イオン水600mlを仕込み、メカニカルスターラーを投入して撹拌した。続いて、硝酸銀52g(0.306mol)を加え、さらに水酸化ナトリウム26.0g(0.624mol)を固体のまま少しずつ加えた。その後、オイルバスを用いて加熱還流させ、1時間反応させた。
反応終了後、反応液を放冷せずにそのままセライト濾過して不溶物を除去し、エタノール/脱イオン水=1/1(質量比)の混合溶媒で洗浄した。濾過後のろ液をナスフラスコに移し、溶媒を減圧下で除去し、濃縮した。そして、濃縮したろ液に希塩酸を加えて強酸性とし、生じた固体を酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去した。その後、残渣の固体を真空ポンプを用いて減圧下で乾燥させ、目的化合物である4−(4−フェノキシ)フェノキシ安息香酸(化合物(4))を36.44g(0.120mol)得た。
製造例3
[4−(4−n−ヘプチル)フェノキシ安息香酸(化合物(6))の合成]
ステップ1
1Lの四つ口フラスコに、4−n−ヘプチルフェノール25g(0.130mol)、4−フルオロベンズアルデヒド16.5g(0.133mol)、炭酸カリウム27.0g(0.195mol)及びジメチルスルフォキシド(DMSO、和光純薬:有機合成用超脱水)200mlを仕込み、窒素雰囲気下で、110℃のオイルバスを用いて加熱撹拌して6時間反応させた。
反応終了後、反応液を1Lの脱イオン水中に加えて希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を留去し、中間体である4−(4−n−ヘプチル)フェノキシベンズアルデヒドを38.5g(0.130mol)得た。
[4−(4−n−ヘプチル)フェノキシ安息香酸(化合物(6))の合成]
ステップ1
1Lの四つ口フラスコに、4−n−ヘプチルフェノール25g(0.130mol)、4−フルオロベンズアルデヒド16.5g(0.133mol)、炭酸カリウム27.0g(0.195mol)及びジメチルスルフォキシド(DMSO、和光純薬:有機合成用超脱水)200mlを仕込み、窒素雰囲気下で、110℃のオイルバスを用いて加熱撹拌して6時間反応させた。
反応終了後、反応液を1Lの脱イオン水中に加えて希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を留去し、中間体である4−(4−n−ヘプチル)フェノキシベンズアルデヒドを38.5g(0.130mol)得た。
ステップ2
1Lの四つ口フラスコに、ステップ1で合成した4−(4−n−ヘプチル)フェノキシベンズアルデヒド38.5g(0.130mol)、エタノール160ml、及び脱イオン水160mlを仕込み、メカニカルスターラーを投入して撹拌した。続いて、硝酸銀51g(0.300mol)を加え、さらに水酸化ナトリウム25g(0.606mol)を固体のまま少しずつ加えた。その後、オイルバスを用いて加熱還流させ、1時間反応させた。
反応終了後、反応液を放冷せずにそのままセライト濾過して不溶物を除去し、エタノール/脱イオン水=1:1(質量比)の混合溶媒で洗浄した。濾過後のろ液をナスフラスコに移し、溶媒を減圧下で除去し、濃縮した。そして、濃縮したろ液に希塩酸を加えて強酸性とし、生じた固体を酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルを用いて2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去した。その後、残渣の固体をエタノールを用いて再結晶化し、目的化合物である4−(4−n−ヘプチル)フェノキシ安息香酸(化合物(6))を31.0g(0.099mol)得た。
1Lの四つ口フラスコに、ステップ1で合成した4−(4−n−ヘプチル)フェノキシベンズアルデヒド38.5g(0.130mol)、エタノール160ml、及び脱イオン水160mlを仕込み、メカニカルスターラーを投入して撹拌した。続いて、硝酸銀51g(0.300mol)を加え、さらに水酸化ナトリウム25g(0.606mol)を固体のまま少しずつ加えた。その後、オイルバスを用いて加熱還流させ、1時間反応させた。
反応終了後、反応液を放冷せずにそのままセライト濾過して不溶物を除去し、エタノール/脱イオン水=1:1(質量比)の混合溶媒で洗浄した。濾過後のろ液をナスフラスコに移し、溶媒を減圧下で除去し、濃縮した。そして、濃縮したろ液に希塩酸を加えて強酸性とし、生じた固体を酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルを用いて2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去した。その後、残渣の固体をエタノールを用いて再結晶化し、目的化合物である4−(4−n−ヘプチル)フェノキシ安息香酸(化合物(6))を31.0g(0.099mol)得た。
製造例4
[4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシ安息香酸(化合物(7))の合成]
ステップ1
1Lの四つ口フラスコに、4−n−オクチルオキシフェノール25g(0.112mol)、4−フルオロベンズアルデヒド15g(0.12mol)、炭酸カリウム23.2g(0.168mol)及びジメチルスルフォキシド(DMSO、和光純薬:有機合成用超脱水)200mlを仕込み、窒素雰囲気下で、110℃のオイルバスを用いて加熱撹拌して6時間反応させた。
反応終了後、反応液を1Lの脱イオン水中に加えて希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を留去し、中間体である4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシベンズアルデヒドを36.5g(0.112mol)得た。
[4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシ安息香酸(化合物(7))の合成]
ステップ1
1Lの四つ口フラスコに、4−n−オクチルオキシフェノール25g(0.112mol)、4−フルオロベンズアルデヒド15g(0.12mol)、炭酸カリウム23.2g(0.168mol)及びジメチルスルフォキシド(DMSO、和光純薬:有機合成用超脱水)200mlを仕込み、窒素雰囲気下で、110℃のオイルバスを用いて加熱撹拌して6時間反応させた。
反応終了後、反応液を1Lの脱イオン水中に加えて希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を留去し、中間体である4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシベンズアルデヒドを36.5g(0.112mol)得た。
ステップ2
1Lの四つ口フラスコに、ステップ1で合成した4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシベンズアルデヒド36.5g(0.112mol)、エタノール160ml、及び脱イオン水160mlを仕込み、メカニカルスターラーを投入して撹拌した。続いて、硝酸銀42.5g(0.25mol)を加え、さらに水酸化ナトリウム20.6g(0.50mol)を固体のまま少しずつ加えた。その後、オイルバスを用いて加熱還流させ、1時間反応させた。
反応終了後、反応液を放冷せずにそのままセライト濾過して不溶物を除去し、エタノール/脱イオン水=1/1(質量比)の混合溶媒で洗浄した。濾過後のろ液をナスフラスコに移し、溶媒を減圧下で除去し、濃縮した。そして、濃縮したろ液に希塩酸を加えて強酸性とし、生じた固体を酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去し、目的化合物である4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシ安息香酸(化合物(7))を36.5g(0.107mol)得た。
1Lの四つ口フラスコに、ステップ1で合成した4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシベンズアルデヒド36.5g(0.112mol)、エタノール160ml、及び脱イオン水160mlを仕込み、メカニカルスターラーを投入して撹拌した。続いて、硝酸銀42.5g(0.25mol)を加え、さらに水酸化ナトリウム20.6g(0.50mol)を固体のまま少しずつ加えた。その後、オイルバスを用いて加熱還流させ、1時間反応させた。
反応終了後、反応液を放冷せずにそのままセライト濾過して不溶物を除去し、エタノール/脱イオン水=1/1(質量比)の混合溶媒で洗浄した。濾過後のろ液をナスフラスコに移し、溶媒を減圧下で除去し、濃縮した。そして、濃縮したろ液に希塩酸を加えて強酸性とし、生じた固体を酢酸エチルで溶解して抽出し、さらに水層から酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を一つにまとめ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去し、目的化合物である4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシ安息香酸(化合物(7))を36.5g(0.107mol)得た。
以下の実施例及び比較例で使用した、基油、及び、増ちょう剤の原料となる原料化合物は、以下のとおりである。
<基油>
・基油(1):ポリαオレフィン、40℃動粘度=46mm2/s、粘度指数=125。
・基油(2):アルキルジフェニルエーテル油、40℃動粘度=100mm2/s、粘度指数=117。
<増ちょう剤の原料となる原料化合物>
・化合物(1):下記式(1)で表される、ビフェニル−4−カルボン酸。
・化合物(2):下記式(2)で表される、ジフェニルエーテル−4−カルボン酸。
・化合物(3):下記式(3)で表される、4−ビフェニルオキシ安息香酸、製造例1で合成。
・化合物(4):下記式(4)で表される、4−(4−フェノキシ)フェノキシ安息香酸、製造例2で合成。
・化合物(5):下記式(5)で表される、4−(4−n−ヘプチル)フェニル安息香酸。
・化合物(6):下記式(6)で表される、4−(4−n−ヘプチル)フェノキシ安息香酸、製造例3で合成。
・化合物(7):下記式(7)で表される、4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシ安息香酸、製造例4で合成。
・化合物(8):下記式(8)で表される、4−ベンジルオキシ安息香酸。
・化合物(9):下記式(9)で表される、6−(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸。
・化合物(a):下記式(a)で表される、ジフェニルエーテル−2−カルボン酸。
<基油>
・基油(1):ポリαオレフィン、40℃動粘度=46mm2/s、粘度指数=125。
・基油(2):アルキルジフェニルエーテル油、40℃動粘度=100mm2/s、粘度指数=117。
<増ちょう剤の原料となる原料化合物>
・化合物(1):下記式(1)で表される、ビフェニル−4−カルボン酸。
・化合物(2):下記式(2)で表される、ジフェニルエーテル−4−カルボン酸。
・化合物(3):下記式(3)で表される、4−ビフェニルオキシ安息香酸、製造例1で合成。
・化合物(4):下記式(4)で表される、4−(4−フェノキシ)フェノキシ安息香酸、製造例2で合成。
・化合物(5):下記式(5)で表される、4−(4−n−ヘプチル)フェニル安息香酸。
・化合物(6):下記式(6)で表される、4−(4−n−ヘプチル)フェノキシ安息香酸、製造例3で合成。
・化合物(7):下記式(7)で表される、4−(4−n−オクチルオキシ)フェノキシ安息香酸、製造例4で合成。
・化合物(8):下記式(8)で表される、4−ベンジルオキシ安息香酸。
・化合物(9):下記式(9)で表される、6−(n−オクチルオキシ)−2−ナフトエ酸。
・化合物(a):下記式(a)で表される、ジフェニルエーテル−2−カルボン酸。
実施例1、2、比較例1
500mlのセパラブルフラスコに、表1に記載の原料化合物(1)、(2)、及び(a)のいずれかを16gと、基油として、基油(1)を64gとを加え、窒素雰囲気下で、メカニカルスターラーで撹拌しながら、オイルバスを用いて80℃まで加熱した。
そして、温度を80℃に維持したフラスコ内に、使用した原料化合物と等モルの水酸化ナトリウムを脱イオン水で溶解させた水酸化ナトリウム水溶液を加え、温度を80℃に維持しながら、1時間撹拌し続け、原料化合物と水酸化ナトリウムとを反応させた。
反応終了後、セパラブルフラスコに、蒸留ヘッド及び冷却器を装着し、160℃まで昇温し、1時間撹拌し続け、反応物中の水を完全に除去した。
室温まで冷却後、フラスコ内の反応物を三本ロールミルに掛けて均質化させ、増ちょう剤の含有量が20質量%であるグリースを得た。
得られたグリースについて、滴点及び混和ちょう度を測定した。測定結果を表1に示す。
500mlのセパラブルフラスコに、表1に記載の原料化合物(1)、(2)、及び(a)のいずれかを16gと、基油として、基油(1)を64gとを加え、窒素雰囲気下で、メカニカルスターラーで撹拌しながら、オイルバスを用いて80℃まで加熱した。
そして、温度を80℃に維持したフラスコ内に、使用した原料化合物と等モルの水酸化ナトリウムを脱イオン水で溶解させた水酸化ナトリウム水溶液を加え、温度を80℃に維持しながら、1時間撹拌し続け、原料化合物と水酸化ナトリウムとを反応させた。
反応終了後、セパラブルフラスコに、蒸留ヘッド及び冷却器を装着し、160℃まで昇温し、1時間撹拌し続け、反応物中の水を完全に除去した。
室温まで冷却後、フラスコ内の反応物を三本ロールミルに掛けて均質化させ、増ちょう剤の含有量が20質量%であるグリースを得た。
得られたグリースについて、滴点及び混和ちょう度を測定した。測定結果を表1に示す。
表1より、実施例1及び2で調製したグリースは、比較例1で調製したグリースに比べて、滴点が高く、耐熱性に優れたものであるといえる。
実施例3〜10、比較例2
表2に記載の原料化合物(2)〜(9)及び(a)のいずれかを16gと、基油として、基油(2)を64gとを用いた以外は、上述の実施例1と同様にして、増ちょう剤の含有量が20質量%であるグリースを得た。
得られたグリースについて、滴点及び混和ちょう度を測定した。測定結果を表2に示す。
表2に記載の原料化合物(2)〜(9)及び(a)のいずれかを16gと、基油として、基油(2)を64gとを用いた以外は、上述の実施例1と同様にして、増ちょう剤の含有量が20質量%であるグリースを得た。
得られたグリースについて、滴点及び混和ちょう度を測定した。測定結果を表2に示す。
表2より、実施例3〜10で調製したグリースは、滴点が高く、耐熱性に優れたものであるといえる。なお、比較例2で調製したグリースは、室温で極めて柔らかいため、滴点を測定するための試験を行うことができなかった。
実施例11〜15
表3に記載の原料化合物(2)、(5)〜(7)のいずれかと、基油として、基油(1)又は(2)とを、得られるグリース中の増ちょう剤の含有量が表3に示す量となるように配合した以外は、上述の実施例1と同様にしてグリースを得た。
得られたグリースについて、上述の各種物性値を測定した。測定結果を表3に示す。
表3に記載の原料化合物(2)、(5)〜(7)のいずれかと、基油として、基油(1)又は(2)とを、得られるグリース中の増ちょう剤の含有量が表3に示す量となるように配合した以外は、上述の実施例1と同様にしてグリースを得た。
得られたグリースについて、上述の各種物性値を測定した。測定結果を表3に示す。
実施例11〜15で調製したグリースは、滴点が高く耐熱性に優れると共に、離油度及び遠心離油度の値が小さく、寿命が長いものであるといえる。
Claims (13)
- 基油(A)及び増ちょう剤(B)を含有するグリースであって、
増ちょう剤(B)が、下記一般式(I)で表される金属塩(B1)及び下記一般式(II)で表される金属塩(B2)から選ばれる1種以上を含む、グリース。
〔上記一般式(I)、(II)中、Mは、1〜3価の金属原子である。
pは、Mの価数であり、1〜3の整数である。
Xは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数1〜4のアルケニレン基、又は、下記に示す2価の基のいずれかである。
aは、それぞれ独立に0〜5の整数であり、bは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、cは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、dは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有する環形成炭素数6〜12のアリール基、無置換もしくは置換基を有する炭素数6〜12のアリールオキシ基、無置換もしくは置換基を有する炭素数7〜13のアラルキル基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数7〜13のアラルキルオキシ基である。
また、前記置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。なお、Rが複数存在する場合には、複数のRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。〕 - 金属塩(B1)が、下記一般式(I−1)で表される金属塩(B11)及び下記一般式(I−2)で表される金属塩(B12)から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のグリース。
- 金属塩(B2)が、下記一般式(II−1)で表される金属塩(B21)及び下記一般式(II−2)で表される金属塩(B22)から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のグリース。
- Mが、ナトリウム原子、カリウム原子、カルシウム原子、マグネシウム原子、亜鉛原子、及びアルミニウム原子から選ばれる金属原子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリース。
- Rが、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有する環形成炭素数6〜12のアリール基、又は、無置換もしくは置換基を有する炭素数6〜12のアリールオキシ基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグリース。
- Rが、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、又は炭素数1〜22のアルコキシ基である、請求項5に記載のグリース。
- Xが、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、又は−CH2−O−である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のグリース。
- 金属塩(B1)及び(B2)の合計含有量が、前記グリースに含まれる増ちょう剤(B)の全量基準で、50〜100質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のグリース。
- リチウム石鹸の含有量が、前記グリースに含まれる増ちょう剤(B)の全量基準で、50質量%未満である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のグリース。
- 増ちょう剤(B)が、ウレア系増ちょう剤を実質的に含有しない、請求項1〜9のいずれか一項に記載のグリース。
- 増ちょう剤(B)の含有量が、前記グリースの全量基準で、0.1〜40質量%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のグリース。
- 25℃における混和ちょう度が175〜475である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のグリース。
- 滴点が250℃以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のグリース。
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JP2020055952A (ja) * | 2018-10-02 | 2020-04-09 | 出光興産株式会社 | グリース組成物、及びグリース組成物の製造方法 |
JP2021534212A (ja) * | 2018-08-24 | 2021-12-09 | ゼニオプロ ゲーエムベーハー | 病的状態の治療における使用のための芳香族分子 |
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