JP2017176938A - 金属管内面塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉体塗装における塗膜外観および密着性を損なうことなく、低コストな粉体塗膜を得ることができる金属管内面塗装方法を提供すること。【解決手段】金属管内面に粉体塗料を吹き付けて粉体塗装を行う金属管内面塗装方法において、金属管内面に粉体塗料を塗装する第1工程、塗装された粉体塗料の上に珪砂を空気圧送により供給し堆積させる第2工程、および堆積させた珪砂の上に粉体塗料を再度塗装する第3工程を含み、それにより珪砂を粉体塗料層で挟み込む金属管内面塗装方法。【選択図】図1

Description

本発明は、金属管内面の塗装方法に関し、より詳細には、金属管内面の粉体塗装を低コストで行う方法に関する。
金属管、特に上下水道に用いられる鋳鉄管においては、防食性と環境への配慮の両面から、近年エポキシ樹脂粉体塗料による塗膜を管内面に形成することが一般に行われている。このエポキシ樹脂粉体塗料によるエポキシ塗膜の形成方法の1つは、加熱された回転する管の内面にエポキシ樹脂粉体塗料を吹き付けなどにより塗布し、溶融・硬化させるものである。
金属管の塗装に用いる樹脂粉体塗料は、一般に、樹脂、硬化剤、顔料、添加剤から構成される。顔料には、着色顔料と体質顔料とがあり、着色顔料には無機系成分と有機系成分とがあり、着色を目的に添加される。一方、体質顔料は無機系成分の硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、シリカなどであり、充填剤として塗膜の性能改善や塗膜の厚塗り性のために添加される。また、製造時の混練性や粉砕性の改善、塗装時の作業性や流動性を改善する役割も担っている。
一方、珪砂を金属表面の塗装に用いる技術として、特許文献1には、金属表面に粉体塗装を行い、形成されたプラスチック被膜に、このプラスチック被膜が軟化乃至溶融状態にあるうちに、噴射ガンAを用いて火炎と共に粒径0.05〜3.0mm前後のガラス、セラミック、砂、鉄などの無機質粗粒体を吹き付けて、無機質粗粒体の一部が露出した状態で埋設固着させ、粗面構成体を得る方法が開示されている。
特開2003−127282号公報
上述のように、エポキシ樹脂粉体塗料は、溶剤を用いることなく防食性を担保することができるため、環境への負荷が少なく非常に優れたものであるが、エポキシ樹脂自体の価格が高く、ある程度の厚さの塗膜を得るためには、そのコストが問題となることがある。
一方、エポキシ樹脂の量を相対的に抑え、コスト的に優れた充填剤となるシリカ等の体質顔料の配合量を増加させることが考えられるが、実際には溶融練合時の装置への負荷を考慮すると、現実的ではない。また、粒度の大きい珪砂等は、微粒子シリカよりも安価に入手できるが、塗料へ混合して用いると、得られる塗膜の仕上がり面に珪砂に起因する凹凸が生じ、外観上も好ましくなく、また塗膜の寿命にも影響を与える。
そこで、本発明は、粉体塗装における塗膜外観および密着性を損なうことなく、低コストな粉体塗膜を得ることができる塗装方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、目標膜厚より少ない粉体塗料を塗装した金属管に珪砂を撒き、その上に再度粉体塗料を目標膜厚となるように塗装することにより、比較的粒子サイズの大きい珪砂であっても塗膜表面に特に影響することなく、塗膜中に含めることができ、粉体塗料の使用量を削減できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、金属管内面に粉体塗料を吹き付けて粉体塗装を行う金属管内面塗装方法において、金属管内面に粉体塗料を塗装する第1工程、塗装された粉体塗料の上に珪砂を空気圧送により供給し堆積させる第2工程、および堆積させた珪砂の上に粉体塗料を再度塗装する第3工程を含む構成とし、それにより珪砂を粉体塗料層で挟み込むものとした。
これにより、金属管体の下塗りとの密着性と、塗装後の滑らかな表面状態を確保しつつ、珪砂による嵩増しが可能となる。
また、上述の金属管内面塗装方法は、前記粉体塗料を吐出する塗料吐出部と、前記珪砂を吐出する珪砂吐出部とを備えた塗装装置により行われ、前記塗装装置が、前記塗料吐出部および前記珪砂吐出部と、前記金属管体とを管軸方向に相対的に移動させる移動機構を備え、前記塗料吐出部と前記珪砂吐出部とが被塗装管の管軸方向に沿って間隔をあけて配置され、前記移動機構によって、前記塗料吐出部および前記珪砂吐出部が、前記金属管体に対する管軸方向の位置を変えることにより、前記第1工程において前記粉体塗料を前記金属管体の一端側から他端側まで塗装し、その後、前記第3工程において前記粉体塗料を前記金属管体の他端側から一端側まで再塗装することによって行われるものとすることができる。また、前記第2工程における前記珪砂の堆積は、前記第1工程とあわせて前記金属管体の一端側から他端側まで行われるか、あるいは前記第3工程とあわせて前記金属管体の他端側から一端側まで行われるか、もしくはその両方とすることができる。塗料の吐出と珪砂の吐出とを続けて行うことができる装置を被塗装管体内に往復させることにより高い作業効率が得られ、好ましい。
本発明の金属管内面塗装方法によれば、所定量の珪砂を塗膜にサンドウィッチ状に挟み込むことができるため、粉体塗料自体の使用量を削減してコストを抑えつつ、塗膜と下地との密着性に優れ、また珪砂が塗膜表面の仕上がりに影響しにくい良好な塗膜を得ることができる。
本発明の金属管内面塗装方法の一実施形態を説明するための概略図である。 本発明の金属管内面塗装方法の一実施形態により得られる塗膜の形成過程を説明する概略図である。 本発明の金属管内面塗装方法の一実施形態により得られる塗膜の形成過程を説明する概略図である。 本発明の金属管内面塗装方法の一実施形態により得られた塗膜の断面を説明する概略図である。
以下、本発明の金属管内面塗装方法を図1〜図4を参照して説明する。図1は、本発明の金属管内面塗装方法の一実施形態を説明するための概略図である。図2および図3は、本発明の金属管内面塗装方法により得られる塗膜の形成過程を説明する概略図である。図4は、実際に本発明の金属管内面塗装方法の一実施形態により得られた塗膜の断面を説明する概略図である。
まず、図1を参照して、本実施形態の金属管内面塗装方法に用いられる管内面塗装装置(以下、単に塗装装置と呼ぶ)Dの構造を説明する。なお、図1に示される塗装装置Dは、あくまで一例であり、図1に示す構造に限定されるものではない。
図1に示されるように、本実施形態の塗装装置Dは、粉体塗料4および珪砂5をそれぞれ吐出する吐出装置1と、管体Pを支持し管体Pを回転させる管体回転装置2とを備えている。吐出装置1は、後述するように塗料供給装置11および珪砂供給装置12とを備え、塗料供給装置11および珪砂供給装置12は、それぞれ塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aを備えている。また、本実施形態では、塗装装置Dは、図1に示されるように、塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aを管軸方向に沿って移動させる移動機構3を備えている。
管体回転装置2は、本実施形態では、図1に示されるように、予熱した被塗装金属管(以下、単に金属管または管体と呼ぶ)Pが載置され、金属管Pを軸周りに回転させる回転ローラ21を備えている。回転ローラ21は、吐出装置1による塗装時に金属管Pを回転させ、移動機構3により塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aが管軸方向に沿って移動することにより、金属管Pの内周面全体に塗装が施される。なお、金属管Pの種類は特に限定されないが、たとえば鋳鉄管とすることができる。また、金属管Pの形状は特に限定されないが、たとえば、金属管Pの一端側に受口を有し、他端側に挿し口を有する直管とすることができる。
吐出装置1は、粉体塗料4および珪砂5をそれぞれ吐出し、金属管Pの内面を塗装する装置である。吐出装置1は、本実施形態では図1に示されるように、粉体塗料4を吐出する塗料吐出部11aを有する粉体塗料供給装置11と、珪砂5を吐出する珪砂吐出部12aを有する珪砂供給装置12とを備えている。
また、本発明に用いる粉体塗料4は、金属管Pに適用後、熱により溶融しその後硬化されるものであれば特に制限なく使用することができる。たとえば、水道用のダクタイル鋳鉄管の場合、規格に適合したエポキシ粉体樹脂塗料が用いられる。また、本発明に用いる珪砂5は、特に限定されるものではないが、たとえば、モード径約0.1〜0.2mm程度、かつ粒度分布が0.05mm〜0.3mmの範囲にあるもので一般に7号珪砂、8号珪砂として市販されているものを用いることが好ましい。
粉体塗料供給装置11は、本実施形態では、図1に示されるように、図示しない粉体塗料の供給源から粉体塗料4を供給するための塗料供給機構11cと、塗料供給機構11cに接続され、粉体塗料4を塗料吐出部11aに供給する塗料配管11bと、塗料配管11bに接続され、塗料を吐出する塗料吐出部11aとを備えている。
塗料供給機構11cは、粉体塗料4を塗料吐出部11aに供給できるものであれば特に限定されない。
塗料配管11bは、塗料4を塗料吐出部11aに供給するための通路を形成する。本実施形態では、塗料配管11bは、塗料供給機構11cと塗料吐出部11aとの間に設けられ、金属管Pの管軸と略平行に延びている。
塗料吐出部11aは、粉体塗料4を吐出する部位である。塗料吐出部11aは、粉体塗料4を吐出することが可能であれば、特にその構造は限定されないが、塗料の吐出に用いられる公知のノズルを用いることができる。
珪砂供給装置12は、本実施形態では、図1に示されるように、図示しない珪砂の供給源から珪砂5を供給するための珪砂供給機構12cと、珪砂供給機構12cに接続され、珪砂5を珪砂吐出部12aに供給する珪砂配管12bと、珪砂配管12bに接続され、珪砂5を吐出する珪砂吐出部11aとを備えている。
珪砂供給機構12cは、空気圧送により珪砂5を供給できるものであれば特に限定されるものではない。
珪砂配管12bは、珪砂5を珪砂吐出部12aに供給するための通路を形成し、基本的には上述の粉体塗料供給装置11の塗料配管11bと同様の構成であるため、詳しい説明は省略する。
珪砂吐出部12aは、珪砂5を吐出する部位であり、珪砂吐出部12aは、珪砂5を吐出することが可能であれば、特にその構造は限定されず、一般に塗料の吐出に用いられる公知のノズルなど、使用する珪砂5の粒径によって、適宜適切なものを用いることができる。
移動機構3は、塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aと、金属管Pとを金属管Pの管軸方向に相対移動させる機構である。本実施形態では、移動機構3は、塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aを金属管Pの内側で管軸方向に沿って移動させるように構成されているが、移動機構3は、塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aを移動させずに金属管Pを移動させてもよいし、金属管Pと、塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aとの両方を移動させるように構成しても構わない。詳細については後述するが、金属管Pと、塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aとを金属管Pの管軸方向に相対移動させることにより、金属管Pの内面の塗装が可能となる。なお、図1においては、移動機構3は概略的に車輪により移動する移動体を例にあげているが、移動機構3は、少なくとも塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部11bを移動させることができればよく、その構造は特に限定されない。
また、本実施形態では、塗料吐出部11aは、図1に示されるように、珪砂吐出部12aと管軸方向に間隔をあけて配置されている。より具体的には、金属管Pの一端側から塗装を開始する場合、塗料吐出部11aが珪砂吐出部12aに対して他端側に位置するように間隔をあけて配置されている。なお、塗料吐出部11aと珪砂吐出部12aとの間の管軸方向の間隔は、特に限定されないが、たとえば、100〜300mmであることが好ましい。
つぎに、本発明の金属管内面塗装方法について、図1〜図4を用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した塗装装置を例にあげて説明するが、同様の効果を奏することが可能であれば、他の構造の塗装装置を用いても構わない。
本実施形態の金属管内面塗装方法は、金属管内面に粉体塗料を吹き付けて粉体塗装を行う金属管内面塗装方法であり、金属管内面に粉体塗料を塗装する第1工程、塗装された粉体塗料の上に珪砂を空気圧送により供給し堆積させる第2工程、および堆積させた珪砂の上に粉体塗料を再度塗装する第3工程を含んでおり、第2工程は第1工程および第3工程とそれぞれあわせて行われる。
第1工程は、金属管Pの一端側から他端側に向かって金属管Pの内面が塗装される工程であり、第2工程もあわせて行われる。つまり図2に示されるように、金属管Pの内表面6にまず粉体塗料4が管軸方向に沿って塗装され、塗装された未硬化の粉体塗料の前端4aを、管軸方向に沿って吐出される珪砂の前端5aが追いかけるようにして塗装が行なわれる。本実施形態では、まず、金属管Pの一端側(受口側)の開口から塗料配管11bおよび珪砂配管12bを、管軸方向に沿って間隔をあけて配置した状態で、被塗装金属管Pに挿入する(図1→Aの方向:往路、図2)。つぎに、管内面の塗装必要領域Rの手前から、塗料配管11bの先端(塗料吐出部11a)からの粉体塗料4の吐出を開始し、同様に順次珪砂配管12bの先端(珪砂吐出部12a)からの珪砂5の吐出を開始する。これらの吐出に合わせ、移動機構3によって塗装必要領域Rを→Aの方向に塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aを移動させることにより、金属管Pの一端側から他端側まで塗装を行う。
第3工程は、第1工程とは逆方向に、すなわち、金属管Pの他端側から一端側に向かって塗装を行う工程であり、第2工程もあわせて行われる。つまり図3に示されるように、第1工程および第2工程により形成された粉体塗料4と珪砂5とが積層された部分に再度粉体塗料4が塗装される。本実施形態では、第3工程は、塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aが管体Pを突き抜けるなどにより、金属管Pの他端側まで第1工程が完了したのち、移動機構3によって、粉体吐出部11aおよび珪砂吐出部12aを第1工程とは逆方向である図1の→Bの方向(復路)に移動させる。これにより塗装必要領域Rを逆方向に再塗装する。その後、塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aが塗装必要領域Rを過ぎた地点(ほぼ開始位置)で塗料4および珪砂5の吐出を停止し、被塗装金属管Pから塗料配管11b(塗料吐出部11aを含めて)および珪砂配管12b(珪砂吐出部12aを含めて)を抜き出す。
このように、本実施形態における金属管内面塗装方法によれば、第1工程および第3工程により、珪砂が粉体塗料層により挟み込まれる。これにより、所定量の珪砂を塗膜にサンドウィッチ状に組み込むことができるため、粉体塗料自体の使用量を削減し、コストを抑えつつ塗膜と金属管の内表面との優れた密着性を確保することができる。さらに、未硬化の状態の粉体塗料上に珪砂が堆積し、その上にさらに粉体塗料が塗装されるため、塗膜表面の仕上がりに影響しにくい良好な塗膜を得ることができる。
また、本実施形態では、図2および図3に示されるように、塗料吐出部11aと珪砂吐出部12aとが管軸方向に沿って間隔をあけて配置した構成となっている。この場合、塗料吐出部11aと珪砂吐出部12aとを同時に往復移動させて塗装することにより、粉体塗料4が吐出された直後に珪砂5が吐出され、かつ塗装工程の間に塗料吐出部11aと珪砂吐出部12aとが一定間隔を保った状態で塗装が行なわれる。したがって、珪砂5が塗料4の間に挟まれた状態で、かつ均一な膜厚の塗膜を得ることができる。具体的には、往路(第1工程および第2工程)においては図2に示すように、塗装の進行と共に、まず塗料4が塗料吐出部11aから吐出され金属管内面6に塗料4が塗装される。続いて進行方向に対して塗料吐出部11aの後ろに配置された珪砂吐出部12aより吐出された珪砂5が、先行して塗装された塗料4の上に堆積し、二層構造を生じる。この際、珪砂5は塗料4が硬化する前に堆積されるため、塗装された塗料4の中にある程度埋没した状態となる。さらに被塗装金属管体Pは管軸周りに回転されているため、時間経過と共に、比重の重い珪砂5は管側に移行し、塗料層中への埋没が進む(図4参照)。往路の塗装が完了すると、一旦、塗料吐出部11aおよび珪砂吐出部12aは管外に抜け、その後逆走して復路塗装を行う。復路(第2工程および第3工程)においては、図3に示すように、塗装の進行と共に、まず、珪砂5が珪砂吐出部12aから吐出され、往路において形成された塗膜上に堆積される。続いて塗料4が塗料吐出部11aから吐出され、珪砂5を覆うように塗膜が形成される。このように、第1工程および第3工程によって、珪砂5が塗料4の層に埋没し、さらにその上から粉体塗料4が塗布されることになり、塗装後の金属管Pの内表面に、珪砂5に起因して生じる凹凸が生じにくく、金属管Pの塗装の仕上がり状態をより良くすることができる(図4参照)。また、第1工程および第3工程を、本実施形態のように、塗料吐出部11aと珪砂吐出部12aとを同時に往復移動させる場合、第1工程とあわせて、第3工程とあわせて、またはその両工程とあわせて第2工程を行うことにより、一度の往復で珪砂を粉体塗料層により挟み込むことができるため、塗装工程に必要な時間が短縮し、効率の良い塗装を行うことができる。
また、本発明に用いる珪砂5は、上述したように7号珪砂、8号珪砂として市販されているものを用いることが好ましい。通常、7号珪砂は粒子サイズが0.1〜0.3mmの範囲でモード径がおおよそ0.2mmのものであり、8号珪砂は、粒子サイズが0.05〜0.15mmの範囲でモード径がおおよそ0.1mmのものである。粒子サイズの範囲およびモード径がより小さい珪砂を用いると、本実施形態の構成上、吐出時の空気により巻き上がりやすくなり、巻き上がった珪砂5が表層の塗料層に付着すると、表面がざらつくなどして好ましくない場合がある。一方、珪砂5として、比較的粒径が大きい7号珪砂または8号珪砂を用いる場合、珪砂の吐出時に珪砂の巻き上がりが少なく、巻き上がって浮遊した珪砂が粉体塗装層の仕上がり面上に付着することを防止することができる。また、珪砂の巻き上がりを防止するために比較的粒径の大きい珪砂を用いた場合、塗料自体に混ぜ込むなど、塗装方法によっては粒径の大きな珪砂によって粉体塗装の仕上がり面に珪砂に起因する凹凸が発生するが、本発明においては、上述したように珪砂を粉体塗料で両側から挟み込むことにより、塗装の仕上がり面に生じる凹凸を抑制することができる。
粉体塗料4と珪砂5とは、得られる塗膜表面に珪砂5に起因する凹凸が問題とならない程度であれば、種々の割合で使用することができるが、往路および復路の両方で珪砂5を吐出する実施形態においては、粉体塗料4を珪砂5の重量と同等以上用いることが好ましく、珪砂5の重量の3/2以上用いることがより好ましい。また、粉体塗料4は、珪砂5の重量の2倍以下の量で使用することが好ましく、珪砂5の重量の2倍より多く用いると、本発明のコストダウン効果が得られにくくなる傾向がある。
また、往路および復路の粉体塗料4の塗装量については適宜設定することができるが、復路の塗装量を往路の塗装量よりも増加させることにより、平滑性がより良好なものとなり好ましい。復路の塗装量を往路の塗装量よりも増加させる手段としては、復路において粉体塗料4の吐出量を増加させることのみならず、吐出量を維持したまま復路の塗装速度を往路よりも遅くすることなどが挙げられる。往路および復路の両方で珪砂を吐出する実施態様の場合、往路の塗装速度を遅くすると、復路での珪砂5の堆積量も増加するが、特に平滑性に影響を与えるものではなく、むしろ珪砂5の金属管側への移行が進み、より表面の平滑性が良好なものとなり好ましい。その場合の復路の塗装速度は、たとえば往路の塗装速度の半分以下がより好ましく、約3分の1以下がさらに好ましい。
さらに、全体の塗装速度については、使用する粉体塗料、吐出量などに応じて、適宜設定することができ、特に限定されるものではない。
図1〜図3に示す実施形態により、本発明の金属管内面塗装方法を用いて金属管の内面塗装を行った。
被塗装管として、呼び口径が150で長さが50cmの水道用ダクタイル鋳鉄管(直管)を使用した。
被塗装管の内面の錆をフラップホイールにより除去してから、250℃設定の電気炉にて加熱し、管体回転装置に載せ、200℃(±10℃)で塗装を開始した(回転数:200m/分)。塗料配管および珪砂配管を両吐出部の間隔を150mmとして受口側から挿入し、受口領域内で塗料および珪砂の吐出を開始し、一定速度(1m/分〜6m/分)で挿し口側へと管内面を塗装した。続いて珪砂吐出口が管外に抜けたあと、引き返して一定速度(1m/分〜6m/分)で挿し口側から受口側へと珪砂の堆積および粉体塗料の塗装の順で塗装を行った。受口領域に入ったところで、塗料および珪砂の吐出を停止させ、塗料配管および珪砂配管を管体から抜き出した。
塗料には、通常の水道用ダクタイル鋳鉄管の内面塗装に用いるエポキシ粉体樹脂塗料(ゲルタイム:92秒)を用い、珪砂には、珪砂7号または8号(三久海運(株)製)を用いた。各珪砂の粒度分布を表1に示す。粉体塗料および珪砂の吐出にはいずれもインジェクタ方式の粉体塗装装置を用い、往路および復路の塗装により、管内面の塗膜厚さが400〜600μmとなるように、塗料および珪砂の吐出量比が1:1、3:2および2:1のいずれかで、さらに復路の塗装速度が往路の塗装速度と同じか、2分の1または3分の1となるように、塗料および珪砂の吐出量や塗装速度を調節した。
Figure 2017176938
以上より得られた金属管内面の塗膜は、珪砂7号および8号いずれの場合も塗膜表面に珪砂の影響は特に見られず、金属管との密着性にも優れていた。また、塗料および珪砂の吐出量比が3:2または2:1とした場合は、1:1とした場合よりもより表面の平滑性に優れ、さらに、往路の塗装速度を往路の塗装速度よりも遅く、2分の1または3分の1とした場合は、同速度とした場合よりも珪砂が管側に移行し表面の平滑性により優れていた(図4参照)。
また、上述した実施形態では、往路塗装および復路塗装の両方において珪砂を吐出するものを示したが、往路塗装は第1工程の粉体塗料のみを吐出し、珪砂を吐出しないで行い、復路塗装において第2工程の珪砂の吐出を第3工程と合わせて行ってもよく、あるいは復路塗装において、第3工程の粉体塗料のみを吐出し、珪砂の吐出を停止しても構わない。
さらに、上述した実施形態では、塗料配管11bと珪砂配管12bとが別々に延びている例を示したが、塗料配管11bと珪砂配管12bとは、図示しない接合部材により固定されていてもよい。また、塗料配管11bと珪砂配管12bとは、図1〜図3に示されるように、垂直方向に上下に配置されていても水平方向に配置されていても構わない。
また、上述した実施形態では、塗料配管11bおよび珪砂配管12bは、1つの移動機構3により移動するように構成されているが、別々の移動機構を設けて、それぞれを独自に移動させても構わない。また、本実施形態では、塗料配管11bおよび珪砂配管12bは、ともに金属管Pの一方の開口(受口)から挿入されるものを示したが、塗料配管11bおよび珪砂配管12bのいずれかを一方の開口から、塗料配管11bおよび珪砂配管12bのもう一方を他方の開口から挿入してもよい。また、本実施形態では、金属管Pの受口側から塗装を開始するものを示したが、金属管Pの挿し口側から塗装を開始しても構わない。
さらに、上述した実施形態では、塗料配管11bの先端に設けられた塗料吐出部11a、および、珪砂配管12bの先端に設けられた珪砂吐出部12aが、塗料配管11bおよび珪砂配管12bの移動に伴って移動するものを示したが、たとえば、塗料吐出部および珪砂吐出部がガイドされるガイドレールを金属管内に挿入し、移動機構により塗料吐出部および珪砂吐出部をガイドレールに沿って直接移動させても構わない。
D 塗装装置
1 吐出装置
11 塗料供給装置
11a 塗料配管
11b 塗料吐出部
11c 塗料供給機構
12 珪砂供給装置
12a 珪砂配管
12b 珪砂吐出部
12c 珪砂供給機構
2 管体回転装置
21 回転ローラ
3 移動機構
P 金属管
4 塗料
5 珪砂
6 金属管内面

Claims (3)

  1. 金属管内面に粉体塗料を吹き付けて粉体塗装を行う金属管内面塗装方法において、
    金属管内面に粉体塗料を塗装する第1工程、
    塗装された粉体塗料の上に珪砂を空気圧送により供給し堆積させる第2工程、および
    堆積させた珪砂の上に粉体塗料を再度塗装する第3工程
    を含み、それにより珪砂を粉体塗料層で挟み込む金属管内面塗装方法。
  2. 前記金属管内面塗装方法が、前記粉体塗料を吐出する塗料吐出部と、前記珪砂を吐出する珪砂吐出部とを備えた塗装装置により行われ、前記塗装装置が、前記塗料吐出部および前記珪砂吐出部と、前記金属管体とを管軸方向に相対的に移動させる移動機構を備え、
    前記塗料吐出部と前記珪砂吐出部とが被塗装管の管軸方向に沿って間隔をあけて配置され、
    前記移動機構によって、前記塗料吐出部および前記珪砂吐出部が、前記金属管体に対する管軸方向の位置を変えることにより、前記第1工程において前記粉体塗料を前記金属管体の一端側から他端側まで塗装し、その後、前記第3工程において前記粉体塗料を前記金属管体の他端側から一端側まで再塗装する
    請求項1記載の金属管内面塗装方法。
  3. 前記第2工程における前記珪砂の堆積が、前記第1工程とあわせて前記金属管体の一端側から他端側まで行われるか、あるいは前記第3工程とあわせて前記金属管体の他端側から一端側まで行われるか、もしくはその両方である請求項2記載の金属管内面塗装方法。
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