まず、本発明におけるホール管理サーバ2及び遊技媒体取扱装置7を含む遊技システム1の基本概要について、図1を用いて説明する。同図に示すように、遊技システム1は、少なくとも、遊技場用管理装置の一例であるホール管理サーバ2と、遊技媒体計数機3と、精算機4と、島コントローラ5と、遊技機6と、遊技媒体取扱装置7と、データ表示器8と、景品管理POS9と、会員カード受付端末10とを備えている。なお、遊技媒体取扱装置7及びデータ表示器8は遊技機用装置の一例である。
本実施形態の遊技システム1によれば、遊技媒体を、遊技球あるいはメダルそのものではなく、会員カードあるいは非会員カードを用いて遊技媒体数のデータとして所持することが可能である。なお、以下の説明の便宜上、遊技者が所持する遊技球あるいはメダルといった遊技媒体を持玉と称し、遊技者が所持する遊技媒体数のデータを持玉情報と称することにする。また、会員カード及び非会員カードを単にカードと総称する場合がある。また、遊技客において、会員カードを所持する遊技客を会員、会員カードを所持しない遊技客を一般客と称する場合がある。
ホール管理サーバ2は、詳細については後述するが、大容量の記憶装置53を備えており、この記憶装置53に顧客情報を管理するための顧客情報データベース53a(図9参照)が作成されている。この顧客情報データベース53a(図9参照)に、カードの識別情報に関連付けて持玉情報を記憶するための持玉記憶領域が作成される。遊技客は、遊技機6を用いて遊技を実施して遊技媒体を獲得した場合、その獲得した遊技媒体の数を遊技媒体計数機3あるいは遊技媒体取扱装置7で計数し、その計数値をホール管理サーバ2の持玉記憶領域に持玉情報として記憶しておくことができる。言い替えれば、従来、遊技によって増やした持玉はドル箱と称されるケース体に入れて積み上げられていたが、それと同様のことを、カードに持玉情報を記憶することによって実現している。そして、遊技客は、ホール管理サーバ2の持玉記憶領域に記憶されている持玉情報の範囲でパチンコ機6aあるいはパチスロ機6bを移動して遊技を継続することや景品交換を行うことができる。
また、会員カードの識別情報に関連付けてホール管理サーバ2に持玉情報を記憶することは、一般に、パチンコ機の場合には貯玉、パチスロ機の場合には貯メダル、と称される。本実施形態においては、詳細については後述するが、顧客情報データベース53a(図9参照)は、会員の情報を管理する会員データベース531(図9参照)と、一般客(ビジター客)の情報を管理する一般客データベース532(図9参照)とを備えている。会員データベース531(図9参照)には、会員カードの識別情報に関連付けて持玉記憶領域と貯玉記憶領域とが作成されており、当日の持玉情報は持玉記憶領域に記憶され、翌日になると持玉記憶領域に記憶された持玉情報は、貯玉情報として貯玉記憶領域に累積記憶され、持玉記憶領域の持玉情報はクリアされる。この際、貯玉記憶領域に既に貯玉情報がある場合には、貯玉情報は、既存の貯玉情報に持玉情報が加算された値に更新される。
会員が、持玉情報と貯玉情報との両方を有する会員カードを遊技媒体取扱装置7に挿入して遊技媒体の貸し出しを行った場合には、持玉情報が優先的に消費され、持玉情報が無くなった場合に貯玉情報が消費される。言い換えれば、遊技で持玉を増やしたものの、その後、獲得した持玉を消費しながら遊技を続けて、持玉が無くなった場合に、予めホールに預けておいた遊技媒体を引き出して遊技を継続することと同様である。また、会員から見れば、持玉情報及び貯玉情報のどちらも遊技媒体の貸し出しに使用することができるため、持玉情報と貯玉情報とを同一に扱うことができる。
ホール管理サーバ2は、遊技媒体計数機3と、精算機4と、島コントローラ5と、遊技機6と、遊技媒体取扱装置7と、データ表示器8と、景品管理POS9と、会員カード受付端末10との間で通信可能にLAN接続されており、これらの機器から情報を収集して、ホールの売上げ、遊技機6の稼働状況、遊技客の持玉、景品交換等を管理するものである。
遊技媒体計数機3は、遊技媒体(遊技球あるいはメダル)を受け入れて、遊技媒体数を計数しかつ表示する処理を主に実行する機器である。各遊技機6に設置されている遊技媒体取扱装置7が遊技媒体の計数機能のないタイプである場合、大量獲得した遊技媒体はドル箱等に入れられる。そして、計数の際に、遊技客あるいはホール係員が遊技媒体計数機3までドル箱を運び、遊技媒体計数機3に遊技媒体を流すことによって遊技媒体数が計数、表示される。計数終了後、遊技媒体計数機3から遊技媒体数が印字されたシートが計数機から出力される。遊技客はそのシートを景品交換所に持参することにより、景品交換を行うことができる。また、遊技客が会員カードを持っている場合には、シートに印字された遊技媒体数を貯玉することや、景品交換後の残りの遊技媒体数を貯玉することも可能である。なお、遊技媒体計数機3の中には、会員カードに貯玉できるタイプの計数機もある。
精算機4は、遊技に用いたカードが挿入された場合にホール管理サーバ2にアクセスし、挿入されたカードの識別情報に関連付けられている残額情報がある場合に、残額情報分の紙幣や硬貨を返却する機器である。
島コントローラ5は、島毎に設置された複数の遊技機6、複数の遊技媒体取扱装置7、複数のデータ表示器8等の各機を島単位で統括制御し、これら各機とホール管理サーバ2との間のデータ授受の制御を行うものである。
遊技機6は、遊技客が遊技に用いる機器である。本実施形態においては遊技機6として、図1に示すように、複数のパチンコ機6a及び複数のパチスロ機6bの2種類がホールに設置されている。
パチンコ機6aは、遊技媒体として遊技球を用い、遊技盤に発射した遊技球が、遊技盤上を転動して遊技盤上の入賞領域を通過した場合に遊技球が払い出される、というものであり、入賞領域に多くの遊技球を通過させることにより、多くの遊技球を獲得することができる。
パチスロ機6bは、遊技媒体としてメダルを用い、遊技機本体にメダルを投入して、レバーを叩くことにより、複数の図柄が配置されている3つのドラムを回転させ、ストップボタンで3つのドラムを停止させる。この時に、停止態様が、例えば同じ図柄が3つ並ぶといった特定の態様となった場合にメダルが払い出される、というものであり、特定の態様となる回数が多い場合に、多くの遊技球を獲得することができる。
遊技媒体取扱装置7は、一般に、各台計数機あるいはサンドと称されている機器であり、個々の遊技機6にそれぞれ対応させて配置され、少なくとも、遊技媒体を貸し出す機能を備えている。本実施形態における遊技媒体取扱装置7は、遊技媒体を貸し出す機能と、遊技機6から遊技媒体取扱装置7に流された遊技媒体を計数する機能とを備えている。
[遊技媒体の貸出機能]
遊技媒体取扱装置7は、スイッチングハブや島コントローラ5等を介してホール管理サーバ2と接続されており、遊技客によりカードが挿入されると、当該カードのICチップ等に付加されたカードIDや会員ID等の識別情報をホール管理サーバ2に送信し、ホール管理サーバ2は、受信した識別情報に対応付けて記憶されたその遊技客の持玉情報を遊技媒体取扱装置7に送信する。そして、遊技客からの払出指示がある場合には、ホール管理サーバ2は、持玉情報を更新し、遊技媒体取扱装置7は、払出装置106(図5参照)を駆動させ、遊技媒体の払出制御を実行する。
ここで、遊技媒体取扱装置7に挿入されたカードが会員カードであり、この会員カードの識別情報に対応して持玉情報と貯玉情報との両方がホール管理サーバ2に記憶されている場合には、ホール管理サーバ2は、持玉情報と貯玉情報との合計を遊技媒体取扱装置7に送信する。ただし、遊技媒体取扱装置7において遊技客からの払出指示があった場合には、ホール管理サーバ2は貯玉情報よりも持玉情報を優先して更新する。
また、遊技客により紙幣が遊技媒体取扱装置7に投入されると、その紙幣の額(投入金額)に応じた残額情報が遊技媒体取扱装置7からホール管理サーバ2に送信される。そして、遊技媒体取扱装置7において遊技客からの払出指示がある場合には、ホール管理サーバ2は、残額情報を更新し、遊技媒体取扱装置7は、同様に遊技媒体の払出制御を実行する。
[遊技媒体の計数機能]
遊技客の動作により又は遊技機6から直接的に、遊技媒体が計数装置107(図5参照)に投入されると、遊技媒体取扱装置7は、投入された遊技媒体数を計数し、計数結果を遊技客の持玉情報としてホール管理サーバ2に送信する。ホール管理サーバ2は、受信した持玉情報をカードに付加された識別情報と対応付けて記憶する。また、カードが挿入されていない場合には、例えば、後述するカメラ部17による顔認証によって取得したフェイシャルデータや、遊技媒体取扱装置7に貯留されている非会員カードに予め付加されている識別情報に関連付けて、受信した持玉情報をホール管理サーバ2に記憶する。
なお、本実施形態においては、遊技客の持玉情報及び残額情報をホール管理サーバ2が管理することとしているが、これらの情報を遊技媒体取扱装置7が管理することとしてもよい。また、カードに識別情報を付加するだけでなく記憶領域をも設け、当該記憶領域にこれらの情報を記憶させ、これらの情報の管理を行うこととしてもよい。そして、これらの情報の更新については、ホール管理サーバ2が行うこととしても、遊技媒体取扱装置7が行うこととしてもよい。更には、持玉情報については、ホール管理サーバ2又は遊技媒体取扱装置7が管理し、残額情報については、カードの記憶領域に直接記憶されることとしてもよい。
すなわち、識別情報、持玉情報及び残額情報が適切に管理、更新される態様であれば、それら全ての態様は、本発明に適用できるものとする。
加えて、本実施形態においては、カードが挿入されていない場合には、遊技媒体取扱装置7に貯留されている非会員カードに予め付加されている識別情報と対応付けて持玉情報及び残額情報を記憶することとしているが、カードの返却要求があった場合に、ホール管理サーバ2が、遊技媒体取扱装置7に貯留されている非会員カードに識別情報を新たに付加することとし、この新たに付加された識別情報を非会員カードにカードリーダライタ104(図5参照)によって書き込むとともに、新たな識別情報と持玉情報又は残額情報とを対応付けて顧客情報データベース53a(図9参照)に記憶することとしてもよい。
データ表示器8は、ホール係員を呼び出すための呼出ボタンや、遊技機6による遊技結果に関する情報を表示する液晶表示部125(図6参照)等を備えている。なお、パチンコ機6aに用いられる遊技媒体取扱装置7及びデータ表示器8を遊技媒体取扱装置7a及びデータ表示器8aと称することにする。また、パチスロ機6bに用いられる遊技媒体取扱装置7及びデータ表示器8を遊技媒体取扱装置7b及びデータ表示器8bと称することにする。
遊技媒体取扱装置7aは、パチンコ機6aに用いる遊技媒体である遊技球(所謂、パチンコ玉)を貸し出す機能と、パチンコ機6aから遊技媒体取扱装置7aに流された遊技球を計数する機能とを備えている。データ表示器8aは、液晶表示部125(図6参照)に、大当り数、確変大当り数、前回大当りからの変動回数等を表示する。
遊技媒体取扱装置7bは、パチスロ機6bに用いる遊技媒体であるメダルを貸し出す機能と、パチスロ機6bから遊技媒体取扱装置7bに流されたメダルを計数する機能とを備えている。データ表示器8bは、液晶表示部125(図6参照)に、BB(ビッグボーナス)回数、RB(レギュラーボーナス)回数、前回BBあるいはRBからの遊技回数等を表示する。
景品管理POS9は、一般景品や特殊景品の出庫状況、在庫管理、遊技媒体と交換された景品情報、景品と交換するために必要な玉数又はメダル数等の情報管理を主機能とする装置であり、景品交換時には遊技客側に玉数又はメダル数、景品数等を表示し、各出庫状況や在庫管理、景品と交換された玉数やメダル数及びカードの識別情報等をホール管理サーバ2へ通知する。
会員カード受付端末10は、例えば、自動販売機に配設され、会員カードに対応付けられている持玉情報あるいは貯玉情報と引き換えに、たばこや缶飲料等を取得するために用いる端末である。例えば、所望する賞品に対応するボタンを押下し、会員カード受付端末10に会員カードをかざすことにより、自動販売機から賞品が受け取り可能になるととともに、ホール管理サーバ2に会員カードの識別情報に関連付けて記憶されている持玉情報あるいは貯玉情報から、商品の引き替えとなる遊技媒体数を差し引く処理が実行される。
[ホール管理サーバの構成]
図2は、ホール管理サーバ2の概略構成を示すブロック図であり、ホール管理サーバ2は、制御部50と、表示装置51と、入力装置52と、記憶装置53と、印刷装置54と、通信インターフェース55と、計時装置56とを備えている。
表示装置51は、入力画面や情報画面等、各種画面をディスプレイ表示するものである。入力装置52は、マウスやキーボード等によって構成される。記憶装置53は、ROM(=Read Only Memory)、RAM(=Random Access Memory)等のメモリ、ハードディスク等の記憶装置で構成され、各種データや各種情報処理結果の情報、各種プログラム、データベース等を記憶保持する。印刷装置54は、各種のデータや情報の処理結果等を用紙に印字出力するものである。通信インターフェース55は、他の機器とケーブル等によって通信可能に接続するものである。計時装置56は、現在時刻計時手段の一例であり現在時刻を計時する。ホール管理サーバ2は、通信インターフェース55を介して各機器と通信可能にLAN接続される。制御部50は、ホール管理サーバ2全体を統括する制御を行うものである。
ホール管理サーバ2には、遊技機6と遊技媒体取扱装置7とデータ表示器8とを一単位とした場合(以下、「遊技ユニット」という。)に、所定数毎の遊技ユニットが、島コントローラ5を介してLAN接続されている。所定数毎の遊技ユニットが、島コントローラ5及びHUB(図示せず)を介してLAN接続されている。これらの遊技ユニットが接続される単位を、島単位という。
[遊技媒体取扱装置の構成]
次に、遊技媒体取扱装置7の構成について説明する。
図3は、パチンコ機6aに用いられる遊技媒体取扱装置7aの外観図である。なお、図3においては、パチンコ機6aを省略している。図3に示すように、遊技媒体取扱装置7aは、前面部11aと筐体12aとから構成され、前面部11aには、状態表示灯13a、カード挿入口14a、紙幣を投入可能な紙幣投入口15a、タッチパネルLCD16a、カメラ部17a、非接触ICカードリーダライタ18a、スピーカカバー19a、計数用投入口20、端数用払出口21等が設けられている。
また、図3に示すように、遊技媒体取扱装置7aには、案内装置30が着脱可能に設けられている。案内装置30は、その一部に設けられた装着部31が計数用投入口20及び端数用払出口21を覆うように装着される。パチンコ機6aの下皿から案内装置30の案内皿33に落下した遊技球は、案内装置30内に設けられた計数用通路を介して、計数用投入口20に投入される。また、端数用払出口21から払い出された端数の遊技球は、案内装置30内に設けられた端数用通路を介して、端数用として専用に設けられた払出皿34に払い出される。遊技客は、この払出皿34に払い出された端数の遊技球をパチンコ機6aの上皿に移動させて遊技に用いることができる。
図4は、パチスロ機6bに用いられる遊技媒体取扱装置7bの外観図である。なお、図4においては、パチスロ機6bを省略している。図4に示すように、遊技媒体取扱装置7bは、前面部11bと筐体12bとから構成され、前面部11bには、状態表示灯13b、カード挿入口14b、紙幣を投入可能な紙幣投入口15b、タッチパネルLCD16b、カメラ部17b、非接触ICカードリーダライタ18b、スピーカカバー19b、前面パネル22、メダル払出口23、メダル計数用投入口24、メダルガイド部材25等が設けられている。
また、図4に示すように、遊技媒体取扱装置7bには、メダル払出口23が着脱可能に設けられている。メダル払出口23は、図4に示すような使用状態(使用位置)と、収納状態(収納位置)とに変移可能となっている。使用状態においては、メダル払出口23から払い出されたメダルがその自重によって傾斜面を滑り落ちるように設定され、当該傾斜面を滑り落ちたメダルは、パチスロ機6bの前面側であって、メダル投入口と下皿との間の高さ位置に貯留されるようになっている。なお、メダル払出口23の傾斜面を、円弧を描くように伸縮可能に構成するとともに、メダル払出口23を上方へ回動可能に構成することで、当該傾斜面を収縮させ、収縮したメダル払出口23を上方に回動させることにより、使用状態(使用位置)から収納状態(収納位置)への変移が行われる。
[遊技媒体取扱装置の電気的構成]
図5は、遊技媒体取扱装置7の電気的構成を示すブロック図である。遊技媒体取扱装置7は、後述する各構成部品と、それらを制御する主CPU101、ROM102から構成される制御部100と、RAM103とを備える。
制御部100は、ROM102に格納された制御ブログラムを主CPU101が読み出し、当該制御プログラムに基づいて主CPU101が制御を実行することにより、各構成部品の制御や、ホール管理サーバ2、遊技機6及びデータ表示器8との通信制御を行う。また、制御部100は、これらの制御結果をRAM103に記憶する。具体的には、図3及び図9〜図18を用いて後述する。
カードリーダライタ104は、カードの受け付けを行う受付部104a、受付部104aが受け付けたカードから各種の情報を読み出す読出部104b、受付部104aが受け付けたカードに情報を書き込む書込部104c、受付部104aが受け付けたカードを返却する返却部104d、非会員カードを所定数貯留するカード貯留部104eを備えている。
カードリーダライタ104は、カード挿入口14(14a、14b)から受付部104aにカード(会員カード又は非会員カード)が挿入されると、その真贋判定及び使用可能判定を行う。正規のカードであると判定され、かつ使用可能であると判定した場合には、読出部104bを制御してカードの種別及び識別情報を読み取る。そして、読み取られた情報は、制御部100によりIF110を介してホール管理サーバ2に送信される。一方、非正規のカードであると判定され、又は使用不能であると判定された場合には、制御部100によりその旨がタッチパネルLCD16(16a、16b)等で報知されるとともに、IF110を介してホール管理サーバ2に送信される。また、この場合には、挿入されたカードを返却することとしてもよいし、所定の認証操作(例えば、非接触ICカードリーダライタ18への店員用ICカードの認証操作)や所定の認証信号(例えば、ホール管理サーバ2からの認証信号)の送信があるまでカードを返却しないこととしてもよい。
ビルバリ105は、紙幣投入口15(15a、15b)から紙幣が投入されると、その真贋判定を行う。正規の紙幣であると判定した場合には、当該紙幣の種別(金種情報)を読み取る。そして、読み取られた情報は、残額情報として、制御部100によりIF110を介してホール管理サーバ2に送信される。一方、非正規(又は、読み取り不能)の紙幣であると判定した場合には、制御部100によりその旨がタッチパネルLCD16(16a、16b)等で報知されるとともに、IF110を介してホール管理サーバ2に送信される。また、この場合には、投入された紙幣を返却することとしてもよいし、所定の認証操作(例えば、非接触ICカードリーダライタ18への店員用ICカードの認証操作)や所定の認証信号(例えば、ホール管理サーバ2からの認証信号)の送信があるまで紙幣を返却しないこととしてもよい。
タッチパネルLCD16(16a、16b)は、遊技客に対して各種の情報を表示する表示部と、遊技客からの各種の操作を受け付ける受付部とを兼ねる機能を有する。例えば、カードが挿入されている場合に、タッチパネルLCD16の受付部に遊技客が現在の持玉情報を確認するための「持玉情報確認」の操作ボタンを表示し、遊技客が、操作ボタンが表示された箇所をタッチすることにより、レート別の現在の持玉情報をタッチパネルLCD16の表示部に表示する。この「持玉情報確認」の操作ボタンは、常に表示されていることが望ましい。このように構成することで、遊技客は、常にレート別の現在の持玉情報を確認することができる。もっとも、カードが挿入されている場合には、タッチパネルLCD16の表示部の所定の領域に、常にレート別の現在の持玉情報を表示しておくこととしてもよい。
カメラ部17(17a、17b)は、遊技機6(6a、6b)の前方を撮影し、撮影範囲にある遊技客が着席状態にあるか否か(着席結果情報)を検出するものである。また、このカメラ部17は、着席状態にある遊技客のフェイシャルデータを検出するものである。これらの着席結果情報及びフェイシャルデータは、制御部100によりIF110を介してホール管理サーバ2に送信される。
ホール管理サーバ2は、顔認証データベース53f(図9参照)に同一のフェイシャルデータの有無を確認し、フェイシャルデータが無い場合には、フェイシャルデータを登録番号とともに顔認証データベース53f(図9参照)に登録する。フェイシャルデータがある場合には、フェイシャルデータに対応付けられている来店回数及び来店日のデータを更新する。
また、ホール管理サーバ2は、フェイシャルデータを送信したカメラ部17が設置されている遊技機6の台ナンバーを求め、機種データベース53b(図9参照)に記憶されている当該台ナンバーの遊技機関連データに、フェイシャルデータの登録番号を対応付けて記憶する。これにより、ホール管理サーバ2は、遊技客が着席した遊技機6の台ナンバーと、遊技客のフェイシャルデータとを関連付けて管理することができる。更に、遊技客が遊技媒体取扱装置7にカードを挿入した場合には、ホール管理サーバ2は、遊技媒体取扱装置7に対応する遊技機6の台ナンバーを求め、機種データベース53b(図9参照)に記憶されている当該台ナンバーの遊技機関連データに、カードの識別情報を対応付けて記憶する。これにより、カードの識別情報と、遊技客が着席した遊技機6の台番号と、遊技客のフェイシャルデータとを関連付けて管理することができる。
カメラ部17が着席結果情報を検出することによって、例えば、持玉情報又は残額情報が残ったままのカードの取り忘れがあった場合に、その旨をタッチパネルLCD16や状態表示灯13を用いて、遊技店の店員や遊技客に対して報知することもできる。これにより、カードの取り忘れを抑止することができる。
また、カメラ部17により、フェイシャルデータを検出することで、例えば、食事休憩を取るため、所定時間、遊技機6を離れた後に戻って遊技を再開しようとする際に、休憩前の遊技客と休憩後の遊技客とは同一であるか否かを判定することができ、仮に異なった遊技客であった場合に、その旨をタッチパネルLCD16や後述する状態表示灯13を用いて、遊技店の店員や遊技客に対して報知することもできる。これにより、不正行為が行われる可能性を抑止することができる。
ここで、カメラ部17は、赤外光を照射する赤外LED基板17A(図示せず)と、赤外光が被写体(遊技客)において反射して得られる反射光を受光することにより、被写体像を撮像するCMOSカメラ17B(図示せず)と、フィルタ17C(図示せず)とを有する。赤外LED基板17Aは、その赤外LEDにより、制御部100の制御に基づいて赤外光を照射する。CMOSカメラ17Bは、フェイシャルデータを制御部100に送出する。フィルタ17Cは、赤外光を透過し、それ以外の波長の光は通さないフィルタであり、赤外LED基板17Aから被写体に照射された赤外光の反射光のみを透過させてCMOSカメラ17Bに受光させるようになっている。これにより、遊技機6が設置されている遊技店の演出光の影響を抑制して、被写体(遊技客)の像を明瞭に撮像することができる。
なお、前述したフェイシャルデータを、乗入判定処理(図10のステップS103)の際に使用することとしてもよい。具体的には、乗入可能と判定された場合であっても、フェイシャルデータが一致しない場合には、乗入を行わないように制御部100により制御されることとしてもよい。これにより、例えば、他人のカードを用いて不正に遊技を行おうとしている不正行為者に対して、乗入の段階でこれを防止することができる。
非接触ICカードリーダライタ18(18a、18b)は、遊技客が対応するICカードをかざすことにより、そのICカードに記憶された識別情報、あるいはICカード自体に記憶された持玉情報を読み取る。そして、読み取られた情報は、制御部100によりIF110を介してホール管理サーバ2に送信される。すなわち、前述したカードの挿入や紙幣の投入以外にも、遊技媒体の貸し出しを可能とするものである。又は、遊技終了時に、遊技客が対応するICカードをかざすことにより、そのICカードに記憶された識別情報と現在の持玉情報とが対応付けられてホール管理サーバ2に記憶され、あるいはICカード自体に記憶させることで、持玉の返却を可能とするものである。
また、非接触ICカードリーダライタ18は、遊技店の店員が対応する店員用ICカードをかざすことにより、制御部100における各種のエラー状態の解除や、その他の認証を可能とするものである。
なお、非接触ICカードリーダライタ18は、更に、遊技客が所有する携帯電話、スマートフォンその他の情報通信機器などともデータの送受信を行いうることとしてもよい。例えば、遊技客が、所有する携帯端末装置を非接触ICカードリーダライタ18の前方にかざしたときには、制御部100は、遊技店のホームページやメール会員登録ページのURLを携帯端末に送信することとしてもよい。また、携帯端末装置に搭載されているハードウェアやソフトウェアを用いて、携帯端末装置自体が会員カードとして機能するようにしてもよい。さらに、携帯端末装置に電子決済機能が実装されている場合には、当該機能により、紙幣を投入するのと同様に、残額情報が更新(加算)されることとしてもよい。
払出装置106は、遊技客からの払出指示(例えば、タッチパネルLCD16の受付部への貸出要求操作)があると、制御部100が駆動回路106aを駆動制御し、払出指示に基づいた数量の遊技媒体を払い出す。制御部100は、払い出された分の持玉情報、貯玉情報あるいは残額情報をホール管理サーバ2に送信する。
また、払出装置106は、遊技媒体取扱装置7が遊技機6の貸出端子板(図示せず)と接続されている場合には、遊技客からの払出指示(例えば、遊技機6側での貸出要求操作)があると、制御部100による制御により、遊技機6への払出要求信号の送信を行う。
計数装置107は、遊技機6から払い出された遊技媒体が遊技客により投入されると、制御部100が駆動回路107aを駆動制御し、投入された遊技媒体の数量を計数する。制御部100は、計数結果を持玉情報としてホール管理サーバ2に送信する。ホール管理サーバ2は、持玉情報を、受信した計数結果の値を更に加算した値に更新する。
スピーカ108は、遊技媒体取扱装置7における各構成部品の動作状態の変化に応じて(例えば、タッチパネルLCD16の表示部の表示や受付部への操作に応じて、あるいは後述する状態表示灯13の点灯態様に応じて)、制御部100が駆動回路108aを駆動制御し、音を出力する。もっとも、遊技媒体取扱装置7における各構成部品の動作状態の変化にかかわらず(例えば、遊技媒体取扱装置7に内蔵され、あるいは外付けされたRTCによる計時結果等に応じて)、音を出力することとしてもよい。
センサ群109は、払出装置106内に設けられ、計数装置107内に設けられ、あるいは後述する前面部11や筐体12の所定の部分に設けられた複数のセンサであり、遊技媒体の正確な払出結果や計数結果を検出するために設けられ、あるいは不正行為を検知するために設けられたセンサである。
状態表示灯13(13a、13b)は、現在の遊技媒体取扱装置7における状態を外部に報知するためのランプである。内部にはフルカラーLEDが内蔵されており、制御部100が現在の状態に基づいて駆動回路109aを駆動制御し、現在の状態に応じた点灯色及び点灯態様(発光態様)にてフルカラーLEDを発光させる。
副CPU111は、主CPU101から供給される各種のコマンドに応じて、タッチパネルLCD16における表示制御、スピーカ108から発生させる音声に関する制御、状態表示灯13における表示制御等を行う。
[データ表示器の電気的構成]
図6は、データ表示器8の電気的構成を示すブロック図である。データ表示器8は、後述する各構成部品と、それらを制御する主CPU121、ROM122から構成される制御部120と、RAM123とを備える。
制御部120は、ROM122に格納された制御ブログラムを主CPU121が読み出し、当該制御プログラムに基づいて主CPU121が制御を実行することにより、各構成部品の制御や、ホール管理サーバ2、遊技機6及び遊技媒体取扱装置7との通信制御を行う。また、制御部100は、これらの制御結果をRAM123に記憶させる。
ボタンセンサ類124は、ホール係員を呼び出すための呼び出しボタン、液晶表示部125に表示させる情報を切り替えるための切り替えボタン等からなる。
液晶表示部125は、内部にフルカラーLEDが内蔵されており、制御部120が現在の状態に基づいて駆動回路125aを駆動制御してフルカラーLEDを発光させる。
ランプ126は、呼び出しランプや警報ランプ灯からなり、制御部120が駆動回路126aを駆動制御することにより発光する。
スピーカ127は、制御部120が駆動回路127aを駆動制御することにより、音を出力する。
副CPU131は、主CPU121から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示部125における表示制御、ランプ126における表示制御、スピーカ127から発生させる音声に関する制御等を行う。例えば、ホール係員を呼び出すための呼び出しボタンが押下された場合に、呼び出しボタンから押下信号が主CPU121に送信される。主CPU121は、押下信号に基づいて副CPU131に呼び出しランプを発光させるコマンドを送信する副CPU131はそのコマンドを受信した場合に呼び出しランプを発光させる制御を行う。
また、制御部120は、IF130を介してホール管理サーバ2、遊技機6及び遊技媒体取扱装置7と通信可能に接続されている。例えば、ホール係員を呼び出すための呼び出しボタンが押下された場合に、制御部120は、呼び出しボタンが押下された旨を示す信号を、IF130を介してホール管理サーバ2に送信する。ホール管理サーバ2はそのコマンドを受信した場合に、呼び出しボタンが押下されているデータ表示器8に対応する遊技機6の台ナンバーを、表示装置51に画像表示させる。
また、制御部120は、遊技機6から遊技情報を入力した場合に、その遊技情報は、IF130を介してデータ表示器8に入力され、データ表示器8からホール管理サーバ2へ送信される。遊技機6とデータ表示器8とはケーブルによって通信可能に接続されており、図7に示すように、遊技機6から出力される信号とコネクタとは関連付けられている。
図7は、遊技機6から出力される信号とコネクタとの関連付けを示す説明図である。
パチスロ機6bのコネクタ(No.1)には、スタート信号が関連付けられている。スタート信号は、パチスロ機6bのレバーを操作した際に出力される。パチンコ機6aのコネクタ(No.1)には、始動入賞信号が関連付けられている。始動入賞信号は、パチンコ機6aの遊技盤上の始動口に遊技球が入球した際に出力される。
パチスロ機6bのコネクタ(No.2)には、投入信号が関連付けられている。投入信号は、メダルが投入される毎に出力される。パチンコ機6aのコネクタ(No.2)には、図柄停止信号が関連付けられている。図柄停止信号は、変動中の識別図柄を停止したタイミングで出力される。
パチスロ機6bのコネクタ(No.3)には、払出信号が関連付けられている。払出信号は、メダルが払い出される毎に出力される。パチンコ機6aのコネクタ(No.3)には、大当り信号が関連付けられている。この大当り信号は、大当り遊技状態の期間中にオンの状態で維持され、大当り遊技状態の期間以外においてはオフの状態で維持される。
パチスロ機6bのコネクタ(No.4)には、大当り信号が関連付けられている。この大当り信号は、大当り遊技状態の期間中にオンの状態で維持され、大当り遊技状態の期間以外においてはオフの状態で維持される。パチンコ機6aのコネクタ(No.4)には、確率変動信号が関連付けられている。確率変動信号は、確率変動状態であればオンの状態で維持され、確率変動状態でなければオフの状態で維持される。
パチスロ機6bのコネクタ(No.5)には、RT信号が関連付けられている。RT信号の出力は、RT状態であればオンの状態で維持され、RT状態でなければオフの状態で維持される。パチンコ機6aのコネクタ(No.5)には、変動時間短縮信号が関連付けられている。変動時間短縮信号の出力は、時短状態の期間中にオンの状態で維持され、時短状態の期間以外においてはオフの状態で維持される。
パチンコ機6a及びパチスロ機6bのコネクタ(No.6)には、セキュリティ信号が関連付けられている。セキュリティ信号は、遊技機6において、セキュリティ関連のセンサが異常を検知した場合に出力される。
図8は遊技システム1における情報の流れを示す説明図である。本実施形態の遊技システム1においては、図8(a)に示すように、遊技媒体取扱装置7からホール管理サーバ2に、カードの識別情報が送信される。一方、遊技機6の遊技情報は、データ表示器8を介してホール管理サーバ2に送信される。遊技媒体取扱装置7からは識別情報の他に貸出料として支払われた金額、遊技媒体取扱装置7から貸し出した遊技媒体数、計数装置107で計数した遊技媒体数等の情報がホール管理サーバ2に送信される。また、遊技機6からは、図7に示す信号以外に、遊技媒体を遊技機6に投入される際に出力される投入信号や、遊技機6から遊技媒体を払い出す際に出力される払出信号が、ホール管理サーバ2に直接あるいは他の機器を介して送信される。ホール管理サーバ2は、通信インターフェース55(図2参照)を介して、識別情報や遊技情報を受信する。このように、通信インターフェース55は、遊技機用装置から送信される記録媒体関連情報(識別情報等)及び遊技機において発生した遊技関連情報(遊技情報等)を受信可能な受信手段の一例である。
なお、遊技機6や遊技媒体取扱装置7から出力される識別情報や遊技情報等がホール管理サーバ2に到達するまでの伝達経路については、図8(a)に示す例に限るものではない。図8(b)に示す例は、遊技機6からデータ表示器8及び遊技媒体取扱装置7に遊技情報を送信し、遊技媒体取扱装置7からホール管理サーバ2に識別情報及び遊技情報を送信するものである。図8(c)に示す例は、遊技機6からホール管理サーバ2に遊技情報を送信し、更にホール管理サーバ2からデータ表示器に遊技情報を送信するとともに、データ表示器8からホール管理サーバ2に識別情報を送信するものである。図8(d)に示す例は、データ表示器8から遊技機6に識別情報を送信し、遊技機6からデータ表示器8に識別情報及び遊技情報を送信し、更にデータ表示器8からホール管理サーバ2に識別情報及び遊技情報を送信するものである。
このように、結果として、遊技機6や遊技媒体取扱装置7から出力される識別情報や遊技情報等がホール管理サーバ2に到達し、遊技情報がデータ表示器8に到達すればよく、その伝達経路については適宜設定可能である。
図9は、遊技システム1の詳細を示すブロック図である。ホール管理サーバ2の制御部50は、記憶装置53(図2参照)に記憶されているプログラムを実行することにより、データ生成部50a、表示制御部50b、レート設定部50c、持玉情報更新制御部50d、貯玉情報更新制御部50e、再プレイ売上計数部50f、一般売上計数部50g、計数結果補正部50hとしての機能を果たすようになる。記憶装置53は、顧客情報データベース53a、島単位の機種データベース53b、再プレイ情報データベース53c、延長期間管理データベース53d、売上管理データベース53e、顔認証データベース53f、設定情報記憶部53gを備えている。
顧客情報データベース53aは、会員データベース531と、一般客データベース532とを備えている。会員データベース531には、会員カードの識別情報、会員の氏名、住所、性別、生年月日、カメラ部17で取得したフェイシャルデータの登録番号、持玉情報、貯玉情報、残額情報、等が記憶されている。一般客データベース532には、遊技媒体取扱装置7に挿入された非会員カードの識別情報、カメラ部17で取得したフェイシャルデータの登録番号、持玉情報、残額情報、等が記憶される。
また、持玉情報及び貯玉情報は、貸出レート毎に分けて記憶される。具体的には、貸出単価1円のパチンコ機6aによって獲得した持玉数を記憶するための持玉(貯玉)情報記憶領域と、貸出単価4円のパチンコ機6aによって獲得した持玉数を記憶するための持玉(貯玉)情報記憶領域とが作成されており、遊技機6が対応するレートの記憶領域に持玉情報が記憶される。
非会員カードの持玉情報は、例えば翌日の営業開始前に一般客データベース532から消去される。一方、会員カードの持玉情報は、営業終了後に、会員データベース531に既に記憶されている貯玉情報に加算される。貯玉情報は、例えば翌日においても会員データベース531から消去されることはない。
また、残額情報については原則として消去されない。このため、貯玉情報及び残額情報を有する会員カードであれば、例えば翌日においても貯玉情報及び残額情報を用いて遊技可能である。しかし、持玉情報及び残額情報を有する非会員カードであれば、翌日の持玉情報を用いての遊技は不可能であるが、残額情報を用いての遊技は可能である。
機種データベースには、遊技機6毎に付されている台ナンバーに関連付けて、機種情報、遊技情報、状態情報、出玉情報、レート情報、遊技者情報等が記憶されている。機種情報としては機種タイプがあげられる。具体的に、パチンコ機6aであれば、大当り確率が1/100程度で比較的当りやすいライト機、大当り確率が1/200〜1/300程度のミドル機、大当り確率が1/400に近いMAX機、羽根物、といった情報が対応する。パチスロ機6bであれば、通常時よりリプレイ確率を大幅にアップするRTタイプ、通常時よりリプレイ確率を大幅にアップした状態で、押し順のアシストをしてくれるARTタイプ、ボーナスによってメダルを増やすノーマルタイプといった情報が対応する。そして、台ナンバーに対応する遊技機6のタイプが機種情報として記憶される。
遊技結果情報としては、パチンコ機6aであれば、始動口入賞による識別図柄変動のスタート回数、大当り発生回数といった情報が対応する。パチスロ機6bであれば、レバー操作によるドラム回転のスタート回数、BB、RBのような大当り(特別状態)発生回数、ATやRT(特定状態)発生回数、延長遊技の有無、といった情報が対応する。
状態情報としては遊技機6の遊技状態があげられる。具体的に、パチンコ機6aであれば、通常中、大当り中、確変中、時短中といった情報が対応する。パチスロ機6bであれば、通常中、BB中、RB中、ART中、RT中といった情報が対応する。出玉情報には、遊技機6に投入した投入媒体数及び遊技客に払い出した遊技機6が遊技客に払い出した払出媒体数が対応する。レート情報には、遊技機6の遊技に使用する遊技媒体の貸出単価が対応する。このように、記憶装置53は、受信手段(通信インターフェース55)が受信した記録媒体関連情報及び遊技関連情報を、遊技機6を特定する情報(台ナンバー)に関連付けて記憶可能な記憶手段の一例である。
遊技者情報は、台ナンバーに関連付けて、カメラ部17が遊技客を顔認証した時間及びフェイシャルデータの登録番号、カードが遊技媒体取扱装置7に挿入された場合にはカードの識別情報、といった情報が対応する。つまり、この遊技者情報によって、例えば、台ナンバー「15」の遊技機は、どのような遊技者がどの程度の時間遊技を行ったのかを把握できる。
再プレイ情報データベース53cには、遊技機6の台ナンバーに関連付けて、再プレイを行う際に会員が遊技媒体取扱装置7に会員カードを挿入した時刻、当該会員カードの識別情報、会員カードの貯玉情報を用いて払い出した遊技媒体数等が記憶されている。
延長期間管理データベース53dには、遊技終了予定時刻後の延長期間において稼働している遊技機6の台ナンバーに関連付けて、会員カードの識別情報、延長期間においてカードが返却された時刻、延長開始時の遊技状態、延長終了時の遊技状態、特別状態(パチンコ機6aの場合には大当り、パチスロ機6bの場合にはBB、RB)の発生回数、特定状態(パチスロ機6bの場合にはART、RT等)の発生回数、等が記憶されている。
売上管理データベース53eには、遊技機6の台ナンバーに関連付けて、現金売上、再プレイ会員売上等が記憶されている。再プレイ会員売上としては、再プレイ情報データベース53cに記憶されている会員カードの貯玉情報を用いて払い出した遊技媒体数に再プレイ単価を乗算した値が相当する。
顔認証データベース53fは、カメラ部17によって取得されたフェイシャルデータ毎に登録番号を付してなるデータベースである。
設定情報記憶部53gには、ホール管理に必要な各種の設定情報が記憶されている。
また、図9に示す制御部50において、データ生成部50aは、記憶装置53に記憶した情報に基づいて表示装置51に画像表示させるための表示用データを生成する。また、データ生成部50aは、遊技媒体取扱装置7がカードを受け付けた受付時刻(カードを挿入した時刻)を特定する受付時刻特定部、及び遊技媒体取扱装置7がカードを返却した返却時刻を特定する返却時刻特定部としての機能を備えている。受付時刻及び返却時刻は、制御部が受付部104aから送信される受付信号の状態変化があった時点の計時装置56における計時時刻を求めることによって特定される。具体的には、遊技媒体取扱装置7にカードが挿入され、受付部104aによる受付が完了した場合に受付信号がオン状態となり、遊技媒体取扱装置7にカードが挿入されている間は受付信号がオン状態に保たれる。そして、遊技機6あるいは遊技媒体取扱装置7の返却ボタンが操作されて、カードが返却された場合に受付信号がオフ状態となり、遊技媒体取扱装置7にカードが挿入されて受付が完了するまでオフ状態に保たれる。制御部50(返却時刻特定部)は、受付信号がオン状態からオフ状態に切り替わったことを検知した場合に、カードの返却要求があったと判定する。また、制御部50(受付時刻特定部)は、受付信号がオフ状態からオン状態に切り替わったことを検知した場合に、遊技媒体取扱装置7にカードが挿入されたと判定する。
表示制御部50bは、データ生成部50aが生成した表示用データを含む各種の表示用データに基づいて表示装置51に画像表示させる制御を行う。
レート設定部50cは、島単位で貸出料と遊技媒体との貸出レートを設定する。例えば、パチンコ機6aの島であれば、1円レート(貸出単価1円)、2円レート及び4円レートにレート設定可能であり、パチスロ機6bの島であれば、5円レート及び20円レートにレート設定可能である。具体的に、4円レートに設定されたパチンコ機6aであれば、1000円の支払いに対して250球が貸し出される。20円レートに設定されたパチスロ機6bであれば、1000円の支払いに対して50枚のメダルが貸し出される。
持玉情報更新制御部50dは、遊技媒体取扱装置7から受信した信号に基づいて、持玉情報記憶部に記憶されている持玉情報を更新する。例えば、遊技媒体取扱装置7に遊技媒体が流された場合には、計数した遊技媒体数を、既に記憶されている持玉情報に加算する。景品の交換や持玉情報を用いた遊技媒体の払い出しがあった場合には、その分の遊技媒体数を、既に記憶されている持玉情報から減算する。
貯玉情報更新制御部50eは、遊技媒体取扱装置7から受信した信号に基づいて、貯玉情報記憶部に記憶されている貯玉情報を更新する。例えば、遊技媒体取扱装置7に遊技媒体が流された場合には、計数した遊技媒体数を、既に記憶されている貯玉情報に加算する。景品の交換や貯玉情報を用いた遊技媒体の払い出しがあった場合には、その分の遊技媒体数を、既に記憶されている貯玉情報から減算する。
再プレイ売上計数部50fは、貯玉情報から払い出された遊技媒体数を計数する処理を行う。
一般売上計数部50gは、貸出料の支払いと引き換えに遊技客に貸し出された遊技媒体数を計数する処理を行う。
計数結果補正部50hは、再プレイ売上計数部50fによる計数結果に対し、レート設定部50cによって設定された交換レートを用いて計数結果を補正する処理を行う。
次に、図9を参照しながら、遊技媒体取扱装置7の構成の詳細について説明する。
遊技媒体取扱装置7の制御部100は、主CPU101がROM102(図5参照)に記憶されているプログラムを実行することにより、受付制御部100a、読出/書込制御部100b、返却制御部100c、送受信制御部100dとしての機能を果たすようになる。
受付制御部100aは、受付部104aを制御して、カードの真贋判定及び使用可能判定を行う。受付部104aによって正規のカードであると判定され、かつ使用可能であると判定した場合にカードの受付を完了する。受付部104aがカードを受け付けている状態においては、送受信制御部100dの制御によって、遊技媒体取扱装置7からホール管理サーバ2に受付信号が送信される。つまり、正規のカードが遊技媒体取扱装置7に挿入された場合には受付信号がオンになり、カードが遊技媒体取扱装置7から排出された場合には受付信号がオフになる。
読出/書込制御部100bは、読出部104b及び書込部104cを制御して、カードに記録されている情報の読み取り、カードへの情報の書き込みを行う。
返却制御部100cは、遊技機6又は遊技媒体取扱装置7が有する返却ボタンを遊技客が押下した場合に、カードをカード挿入口14(14a、14b)から排出するように、返却部104dを制御する。具体的に、会員カードが遊技媒体取扱装置7に挿入された態においては、返却ボタンが押下された場合に会員カードを返却する。非会員カードが遊技媒体取扱装置7に挿入された状態においては、持玉又は残額の少なくともいずれかある場合に非会員カードを返却する。持玉及び残額がともにない場合には、非会員カードは遊技媒体取扱装置7に収納される。非会員カードが遊技媒体取扱装置7に挿入されていない状態で、持玉又は残額の少なくともいずれかある場合には、カード貯留部104eに貯えられている非会員カードを返却する。
送受信制御部100dは、IF110を介しての遊技機6からの情報の受信制御や、ホール管理サーバ2との情報の送受信制御を行う。このように、受付部104aは、個別の識別情報が記録された記録媒体を受け付け可能な受付手段の一例であり、読出部104bは、受付手段(受付部104a)が受け付けた記録媒体から識別情報を読み出し可能な読出手段の一例であり、返却部104dは、受付手段が受け付けた記録媒体を返却可能な返却手段の一例であり、IF110は、記録媒体に記録された識別情報及び返却手段(返却部104d)による返却処理に関する情報を少なくとも含む記録媒体関連情報を送信可能な送信手段の一例である。
顧客情報データベース53aにおける持玉情報、貯玉情報、残額情報、再プレイ情報データベース53c及び顔認証データベース53fの情報は、遊技媒体取扱装置7からの情報に基づいて適宜更新される。機種データベース53bの遊技情報、状態情報、出玉情報、遊技者情報は、データ表示器8を介しての遊技機6からの情報に基づいて適宜更新される。売上管理データベース53eの情報は、顧客情報データベース53a及び機種データベース53bの情報が更新される毎に更新される。
次に、本発明における遊技システム1において実行される制御フローを、図10〜図19を用いて説明する。なお、図10〜図14において、左側に示す処理は、遊技媒体取扱装置7で実行される処理であり、右側に示す処理は、ホール管理サーバ2で実行される処理である。
[カード挿入時処理]
図10は、遊技媒体取扱装置7及びホール管理サーバ2により行われるカード挿入時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1のカード挿入口14からカードが挿入されると、カードリーダライタ104が、挿入されたカード種別(会員カード又は非会員カード)及び識別情報の読み取りを行う(ステップS101)。次に、遊技媒体取扱装置1は、読み取ったカード種別及び識別情報に応じて、状態表示灯13の発光態様を制御する。次に、遊技媒体取扱装置1は、ホール管理サーバ2に対して持玉情報の取得要求を行い(ステップS102)、読み取ったカード種別及び識別情報をホール管理サーバ2へ送信する。
ホール管理サーバ2は、遊技媒体取扱装置7から送信されたカード種別及び識別情報を受信すると、持玉情報及び設定情報を遊技媒体取扱装置7へ送信する(ステップS201)。設定情報には、レート設定部50cによって設定された貸出単価の情報が含まれている。
次に、遊技媒体取扱装置7は、ホール管理サーバ2から送信された持玉情報及び設定情報を受信すると乗入判定処理(ステップS103)を行う。ここで、乗入とは、例えば、4円レートのパチンコ機6aで遊技しようとする際、カードの持玉情報に、4円レートの持玉が無く1円レートの持玉がある場合に、1円レートの持玉情報を4円レートの持玉情報に換算することによって、4円レートのパチンコ機6aでの遊技を可能にすることである。この乗入判定処理において、遊技媒体取扱装置7は、持玉情報及び設定情報に基づいて乗入可能か否かを判定し、乗入可能と判定した場合に、タッチパネルLCD16に、遊技客に乗入を行うか否かを指示させる選択画像を表示させる。次に、遊技媒体取扱装置7は、遊技客による乗入指示があったか否かを判別する(ステップS104)。乗入指示がなかったと判別した場合、言い換えればタッチパネルLCD16に乗入を行わない指示が入力された場合に、再プレイ判定処理(ステップS106)に移る。
一方、乗入指示があったと判別した場合には、ホール管理サーバ2に対して乗入要求を行い(ステップS105)、カード種別、識別情報及びレート情報をホール管理サーバ2へ送信する。
ホール管理サーバ2は、遊技媒体取扱装置7から送信されたカード種別、識別情報及びレート情報を受信すると、乗入要求に基づいてレート別の持玉情報記憶部に記憶された持玉情報を識別情報と対応付けて更新し(ステップS202)、更新情報を遊技媒体取扱装置7へ送信する。遊技媒体取扱装置7は、ホール管理サーバ2から送信された更新情報を受信すると、再プレイ判定処理(ステップS106)を行う。
次に、遊技媒体取扱装置7は、再プレイ判定処理(ステップS106)を行う。この再プレイ判定処理において、遊技媒体取扱装置7は、ステップS201の処理でホール管理サーバ2から送信された持玉情報及び設定情報に基づいて持玉情報を用いて再プレイ可能か否かを判定し、再プレイ可能と判定した場合に、タッチパネルLCD16に、現状の持玉情報と遊技客に再プレイを要求する画像を表示させる。次に、遊技媒体取扱装置7は、遊技客による再プレイ要求があったか否かを判別する(ステップS107)。遊技媒体取扱装置7は、再プレイ要求があった場合に、ホール管理サーバ2に対して再プレイ要求を行い(ステップS108)、カード種別、識別情報及びレート情報をホール管理サーバ2へ送信する。再プレイ要求がない場合には、カード挿入時処理を終了する。
ホール管理サーバ2は、遊技媒体取扱装置7から送信されたカード種別、識別情報及びレート情報を受信すると、持玉情報及び設定情報を更新し(ステップS203)、更新情報を遊技媒体取扱装置7へ送信する。
[紙幣投入時処理]
図11は、遊技媒体取扱装置1及びホール管理サーバ2により行われる紙幣投入時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置7は、紙幣投入口15から紙幣が投入されると、ビルバリ105により投入された紙幣の金種情報の読み取りを行う(ステップS111)。次に、遊技媒体取扱装置7は、読み取った金種情報に応じた残額情報をホール管理サーバ2へ送信する。
ホール管理サーバ2は、遊技媒体取扱装置7から送信された残額情報を受信すると、顧客情報データベース53aに記憶された残額情報を更新し(ステップS211)、更新情報を遊技媒体取扱装置7へ送信する。
[遊技媒体貸出時処理]
図12は、遊技媒体取扱装置7及びホール管理サーバ2により行われる遊技媒体貸出時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置7は、払出指示(タッチパネルLCD16の受付部への貸出要求操作)があると、ホール管理サーバ2に対して貸出要求を行い(ステップS121)、識別情報、残額情報及びレート情報をホール管理サーバ2へ送信する。
ホール管理サーバ2は、遊技媒体取扱装置7から送信された識別情報、残額情報及びレート情報を受信すると、持玉情報あるいは残額情報を識別情報と対応付けて更新し(ステップS221)、更新情報を遊技媒体取扱装置7へ送信する。遊技媒体取扱装置7は、ホール管理サーバ2から送信された更新情報を受信すると、遊技媒体の払い出しを行う(ステップS122)。
[遊技媒体計数時処理]
図13は、遊技媒体取扱装置7及びホール管理サーバ2により行われる遊技媒体計数時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置7は、計数装置107への遊技媒体の投入があると、投入された遊技媒体数の計数を行う(ステップS131)。次に、遊技媒体取扱装置7は、計数装置107による計数結果に応じた計数情報及びレート情報をホール管理サーバ2へ送信する。
ホール管理サーバ2は、遊技媒体取扱装置7から送信された計数情報及びレート情報を受信すると、会員データベース531に記憶された持玉情報を更新し(ステップS231)、更新情報を遊技媒体取扱装置7へ送信する。
[カード返却時処理]
図14は、遊技媒体取扱装置7及びホール管理サーバ2により行われるカード返却時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置7は、顧客情報データベース53aに記憶されている残額情報が0であるか否かを判別し(ステップS141)、残額情報が0であると判別した場合には、カード返却時処理を終了する(すなわち、カードは返却されない)。なお、カードが会員カードである場合には、上記の場合であってもカードが返却される。
次に、遊技媒体取扱装置7は、カードが挿入中であるか否かを判別する(ステップS142)。カードが挿入中であると判別した場合には、ステップS144の処理に移る。
一方、カードが挿入中でないと判別した場合には、計数カードの割り当てを行う(ステップS143)。具体的には、遊技媒体取扱装置7に貯留されている計数カードのうち、今回返却に用いる計数カードの割り当てを行う。
次に、遊技媒体取扱装置7は、ホール管理サーバ2に対して返却要求を行い(ステップS144)、識別情報、持玉情報、残額情報及びレート情報をホール管理サーバ2へ送信する。
ホール管理サーバ2は、遊技媒体取扱装置7から送信された識別情報、持玉情報、残額情報及びレート情報を受信すると、顧客情報データベース53aに記憶された持玉情報及び残額情報を識別情報と対応付けて更新し(ステップS241)、更新情報を遊技媒体取扱装置7へ送信する。遊技媒体取扱装置7は、ホール管理サーバ2から送信された更新情報を受信すると、カードの返却を行う(ステップS145)。
[ホール管理サーバメイン処理]
図15は、ホール管理サーバ2により行われるメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS301において、初期設定処理を行う。この処理において、制御部50は、各種の初期設定を行う。例えば、売上げ計算に必要な、遊技媒体の貸出単価や、遊技媒体を景品に交換する際の交換率、貯玉情報を用いて遊技媒体取扱装置7から遊技媒体を払い出すことによって計上される売上げを計算するために用いる再プレイ単価等の設定を行う。この処理が終了した場合には、ステップS302に処理を移す。
ステップS302において、受信コマンド解析処理を行う。この処理において、制御部50は、遊技媒体計数機3、精算機4、遊技機6、遊技媒体取扱装置7、データ表示器8、景品管理POS9、及び会員カード受付端末10等から受信したコマンドを解析する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS303に処理を移す。
ステップS303において、遊技情報関連処理を行う。詳細については後述するが、この処理において、制御部50は、各種の情報を収集してデータベースに記憶する処理、及びデータベースの情報を分析し、その結果を表示装置51に表示させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS304に処理を移す。
ステップS304において、遊技用装置制御処理を行う。詳細については後述するが、この処理において、制御部50は、遊技媒体取扱装置7あるいはデータ表示器8からの要求に応じた処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS305に処理を移す。
ステップS305において、送信コマンド生成処理を行う。この処理において、制御部50は、遊技媒体計数機3、精算機4、遊技機6、遊技媒体取扱装置7、データ表示器8、景品管理POS9、及び会員カード受付端末10等に送信するコマンドを生成する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS302に処理を移す。
[遊技情報関連処理]
図16は、図13に示すステップS303において実行されるサブルーチン(遊技情報関連処理)の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS311において、データベース更新処理を行う。この処理において、制御部50は、遊技媒体計数機3、精算機4、遊技機6、遊技媒体取扱装置7、データ表示器8、景品管理POS9、及び会員カード受付端末10から送信される情報に基づいて、記憶装置53に記憶されている各種のデータベースを更新する処理を行う。例えば、遊技媒体取扱装置7に会員カードが挿入され、再プレイによって貯玉情報の一部が払い出された場合に、顧客情報データベース53aの貯玉情報、再プレイ情報データベース53cの貯玉情報による払出数、売上管理データベースの再プレイ会員の売上げが更新される。また、遊技媒体取扱装置7にカードが挿入された場合に、機種データベース53bにおいて遊技機6に対応付けられている識別情報が更新される。この処理が終了した場合に、ステップS312に処理を移す。
ステップS312において、分析情報表示処理を行う。詳細については後述するが、この処理において、制御部50は、記憶装置53に記憶されている各種のデータベースから、予め設定されている分析項目毎に必要なデータを抽出し、これらの抽出データに基づいて分析情報を生成し、表示装置51に表示させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS313に処理を移す。
ステップS313において、売上表示処理を行う。この処理において、制御部50(表示制御部50b)は、記憶装置53に記憶されている各種のデータベースに基づいて、売上関連の表示データを生成し、表示装置51に表示させる処理を行う。表示装置51に表示させる内容には、計数結果補正部50hによって算出された値が含まれる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、ステップS313の処理を実行する制御部50は、計数結果補正手段(計数結果補正部50h)によって補正された計数結果を表示させるように表示装置51を制御する表示制御手段の一例である。
[分析情報表示処理]
図17は、図16に示すステップS312において実行されるサブルーチン(分析情報処理)の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS321において、顧客関連データ生成処理を行う。この処理において、制御部50は、記憶装置53に記憶されたデータベースに基づいて顧客の動向を分析して、その分析結果を表示装置51に表示させるための顧客関連データを生成する処理を行う。具体的に、顧客関連データには、会員の識別情報(会員ID)、この識別情報の会員が遊技を行った全ての遊技機の台番号、貯玉情報からの払い出し数、貯玉した持玉数、カードの受付時刻、遊技媒体の貸し出しに支払った現金額、等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS322に処理を移す。
ステップS322において、遊技機関連データ生成処理を行う。この処理において、制御部50は、記憶装置53に記憶されたデータベースに基づいて遊技機6の稼働状況を分析して、その分析結果を表示装置51に表示させるための遊技機関連データを生成する処理を行う。遊技機関連データには、台ナンバー、この台ナンバーに対応する遊技機6の機種タイプ、特別状態発生確率(大当り発生確率)、特定状態発生確率(AT発生確率)、当日投入媒体数、当日払出媒体数、当日スタート回数、当日特別状態発生回数、当日特定状態発生回数、当日特別状態発生確率(大当り発生確率)、当日特定状態発生確率(AT発生確率)、貸出単価(レート)、カードの受付時刻、カードの返却時刻及びカードの返却時刻の遊技状態、等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS323に処理を移す。
ステップS323において、延長期間データ生成処理を行う。詳細については後述するが、この処理において、制御部50は、記憶装置53に記憶されたデータベースに基づいて、延長期間における遊技機6毎の遊技状態の変化や、遊技機6への遊技媒体投入数及び遊技機6からの遊技媒体払出数、会員による会員カードの利用状況を分析するためのデータを生成する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS324に処理を移す。このように、ステップS321〜S323の処理の行う制御部50は、記憶手段(記憶装置53)に記憶した情報に基づいて表示用データを生成可能なデータ生成手段の一例である。
ステップS324において、分析情報表示処理を行う。この処理において、制御部50は、ステップS321〜S323の処理によって生成されたデータに基づく画像を表示装置51に表示させる処理を行う。特に、制御部50のデータ生成部50aは、ステップS322で生成した機種タイプ及び受付時刻及び返却時刻、ステップS323で生成した遊技機6毎の遊技状態を、表示装置51に表示させるデータに含め、制御部50のデータ生成部50aは、表示装置51に機種タイプ、延長期間開始時の遊技状態、カードの受付時刻、カードの返却時刻及びカードの返却時刻の遊技状態、延長期間における遊技機6への遊技媒体投入数及び遊技機6からの遊技媒体払出数を表示させるように制御する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、表示装置51は、各種の情報を表示する表示手段の一例であり、ステップS324の処理の行う制御部50は、表示手段(表示装置51)に表示用データを表示させる制御を行う表示制御手段の一例である。また、制御部50のデータ生成部50aは、判定手段(例えば、制御部50、図19のステップS348)が、所定の時間帯において返却処理が実行されたと判定した場合、所定の時間帯において受信手段(通信I/F55)により受信した記録媒体関連情報、及び遊技関連情報のうち、少なくとも何れか一方の情報に基づく表示データを生成可能であるデータ生成手段の一例である。また、ステップS322の処理を行う制御部50は、表示用データに、遊技関連情報に基づいて遊技機の種別、遊技状態に関する情報、延長時間における遊技機6への遊技媒体投入数及び遊技機6からの遊技媒体払出数、等を更に含めるデータ生成手段の一例であり、ステップS324の処理を行う制御部50は、遊技機の種別や遊技状態を表示するように表示手段を制御する表示制御手段の一例である。また、ステップS322の処理を行う制御部50は、表示用データに、受付時刻特定手段(受付時刻特定部)によって特定された時刻を更に含めるデータ生成手段の一例であり、ステップS324の処理を行う制御部50は、受付時刻特定手段(受付時刻特定部)によって特定された時刻を表示するように表示手段を制御する表示制御手段の一例である。
[延長期間データ生成処理]
図18は、図17に示すステップS324において実行されるサブルーチン(延長期間データ生成処理)の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS331において、延長期間か否かを判定する処理を行う。この処理において、制御部50は、計時装置56が計時する現在時刻が延長期間に入ったか否かを判定する処理を行う。ここで、延長期間とは、遊技終了予定時刻を過ぎても所定時間延長して遊技を継続できる会員限定のサービス期間である。会員は、持玉を会員カードに貯玉することを条件に延長遊技可能となる。例えば、ホールの営業時間が10:00〜23:00であり、遊技終了時刻が22:40に設定され、23:00が完全閉店に設定されている場合には、22:40〜22:50の10分間を延長期間として設定しているホールもある。なお、この延長期間は一例であって、延長期間はホール側で適宜設定可能である。制御部50が延長期間に入ったと判定した場合には、ステップS332に処理を移す。判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。このように、ステップS331の処理を行う制御部50は、現在時刻計時手段の計時時刻が所定の時間帯の範囲内であるか否かを判定する判定手段を備えるデータ生成手段の一例である。
ステップS332において、制御部50は、延長期間開始時点における各遊技6の遊技状態の情報を取得する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS333に処理を移す。
ステップS333において、カードの返却要求があったか否かを判定する処理を行う。この処理において、制御部50は、遊技媒体取扱装置7からホール管理サーバ2に出力される受付信号にオン状態からオフ状態への変化があった否かを判定する。制御部50が、返却要求があったと判定した場合には、ステップS334に処理を移す。判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS334において、遊技情報取得処理を行う。この処理において、制御部50は、記憶装置53に記憶されている各種のデータベースから、図23、図24に示す表示用データのテーブルを作成するために必要な情報を取得する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS335に処理を移す。このように、ステップS332、S334の処理を行う制御部50は、判定手段によって、現在時刻計時手段(計時装置56)の計時時刻が時間帯(延長期間)の範囲内であると判定された場合に、表示用データに識別情報及び時間帯の開始時点における遊技機6の遊技状態の情報を含めるデータ生成手段の一例である。
ステップS335において、遊技情報分析処理を行う。この処理において、制御部50は、ステップS334において取得した情報を分析し、図23に示す延長期間遊技データを生成する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS336に処理を移す。
ステップS336において、顧客情報分析処理を行う。この処理において、制御部50は、ステップS334において取得した遊技情報を分析し、図24に示す延長期間顧客データを生成する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[遊技用装置制御処理]
図19は、図15に示すステップS304において実行されるサブルーチン(延長期間データ生成処理)の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS341において、制御部50は、遊技媒体取扱装置7から持玉取得要求を受信したか否かを判定する処理を行う。持玉取得要求は、遊技客が、持玉情報あるいは貯玉情報の範囲で遊技媒体を払い出す際に、遊技媒体取扱装置7の払出ボタンを押下することによってホール管理サーバ2に送信される信号である。制御部50が、持玉取得要求を受信したと判定した場合に、ステップS342に処理を移す。持玉取得要求を受信しないと判定した場合に、ステップS345に処理を移す。
ステップS342において、制御部50は、延長期間カード返却フラグがオンであるか否かを判定する処理を行い、延長期間カード返却フラグがオンであると判定した場合に、ステップS344に処理を移す。延長期間カード返却フラグがオンであると判定しない場合に、ステップS343に処理を移す。
ステップS343において、持玉情報・設定情報送信処理を行う。この処理は、図10のステップS201の処理と同一であり、持玉情報、設定情報を遊技媒体取扱装置7に送信する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS345に処理を移す。
ステップS344において、カード使用不可情報送信処理を行う。この処理において、制御部50は、カード使用不可情報を遊技媒体取扱装置7に送信する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS345に処理を移す。ホール管理サーバ2から送信されたカード使用不可情報を受信した遊技媒体取扱装置7は、タッチパネルLCD16にカード使用不可の旨を表示する。なお、ステップS344の処理においては、ホール管理サーバ2から持玉情報・設定情報が送信されないため、遊技媒体取扱装置7は持玉情報を取得するができない。したがって、遊技媒体を払い出すことが不可能になる。このように、ステップS344の処理を行う制御部50は、判定手段(ステップS342の処理を行う制御部50)によって、一の識別情報(会員の識別情報)に係る記憶媒体(例えば、会員カード)について返却処理が所定の時刻において実行されたと判定された後、受付手段(受付部104a)が受け付けた記録媒体が、前記一の識別情報に係る記録媒体であった場合、貸出手段(払出装置106)による遊技媒体の貸し出しを禁止する貸出禁止手段の一例である。
ステップS345において、制御部50は、遊技媒体取扱装置7からカード返却要求を受信したか否かを判定する処理を行い、カード返却要求を受信したと判定した場合に、ステップS346に処理を移す。カード返却要求を受信したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS346において、カード返却処理を行う。この処理は、図14のステップS241の処理と同一である。この処理が終了した場合には、ステップS347に処理を移す。
ステップS347において、カード返却時刻特定処理を行う。この処理において、制御部50は、遊技媒体取扱装置7から送信される受付信号がオン状態からオフ状態に切り替わったことを検知した時点の計時装置56の計時時刻を求める処理を行う。この計時時刻がカード返却時刻となる。カード返却時刻は、台ナンバーに対応付けて再プレイ情報データベース53cに記憶される。この処理が終了した場合には、ステップS348に処理を移す。
ステップS348において、制御部50は、カード返却時刻が延長期間の範囲内か否かを判定する処理を行い、延長期間の範囲内と判定した場合に、ステップS349に処理を移す。延長期間の範囲内と判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。このように、ステップS347の処理を行う制御部50は、返却処理が実行された時刻を特定する返却時刻特定手段の一例であり、ステップS348の処理を行う制御部50は、返却時刻特定手段(例えば、制御部50、図19のステップS347)によって特定された特定時刻が、所定の時間帯の範囲内であるか否かを判定する判定手段の一例である。
ステップS349において、延長期間カード返却済フラグをオンにする処理を行う。この処理において、制御部50は、識別情報に対応する延長期間カード返却済フラグをオンにする処理を行う。延長期間カード返却済フラグは、ホールの営業が終了してから翌日営業を開始するまでの間にオフに戻される。
すなわち、遊技客が、延長期間において遊技を終了して会員カードを返却した場合、その会員カードの識別情報に関連付けてカード返却済フラグがセットされる。このため、例えば、別の遊技機6に移動して、会員カードを遊技媒体取扱装置7に挿入しても、ホール管理サーバ2が持玉情報を送信しないために、遊技媒体取扱装置7から遊技媒体が貸し出されず、再プレイ遊技を実行することができない。延長期間という極めて短い間に再プレイ遊技を行っても、無駄に持玉あるいは貯玉を消費する可能性が高く、仮に確変大当りやARTに遊技状態が移行したとしても、遊技を続ける時間がないため遊技客をがっかりさせるだけとなる。このように、延長期間における再プレイ遊技を禁止することにより、遊技客を保護することができる。
なお、上述した実施形態においては、全ての遊技機6における延長期間における再プレイ遊技を禁止しているが、最後に遊技を行った遊技機6の遊技媒体取扱装置7のみ例外としてもよい。これにより、例えば、持玉を計数装置107に流す前に、誤って会員カードを返却してしまって貯玉ができなくなるような事態を防ぐことが可能になる。あるいは、パチンコ機6aによる遊技において、手持ちの遊技球がなくなり、保留球による図柄変動が実行されている状態で遊技客が会員カードを返却した後大当りとなった場合に、会員カードの貯玉を利用して遊技球を払い出すことができないため、現金を投入するしかなくなる、といった事態になることを防ぐことが可能になる。
次に、ホール管理サーバ2の表示装置51に表示される各種情報の表示例について説明する。
ホール管理サーバ2の表示装置51には、遊技媒体取扱装置7に紙幣を投入することによって遊技媒体を貸し出すことによる現金売上と、会員カードの貯玉情報の範囲で遊技媒体を貸し出すことによる再プレイ売上と、がある。例えば、パチスロ機6bに使用するメダルの場合においては、貸出単価が20円に設定されている場合には、遊技媒体取扱装置7において一回の貸し出し操作毎に千円単位で50枚のメダルが払い出されるように設定されていることが一般的である。一方、再プレイ遊技においては、遊技媒体取扱装置7において一回の貸し出し操作毎に貯玉情報(貯メダル数)から50枚減算する代わりに50枚のメダルが払い出されるように設定されていることが一般的である。
ここで、貯玉情報の価値は景品交換率によって決定される。景品の交換率は百円の価値のものを交換するために必要な遊技媒体数のことである。例えば、パチスロ機6bの場合、交換率5.0枚の場合には、メダル1枚あたり20円の価値となり、貸出単価と同じになる。このような交換を一般に等価交換と称している。等価交換の場合には、再プレイにおける1枚のメダルの単価が貸出単価と同じになるため、再プレイ売上を現金売上と同様に計上することが可能である。しかし、等価交換とならないように交換率を高く設定した場合には、再プレイにおける1枚のメダルの単価が貸出単価と同じにならない。例えば、交換率5.6枚の場合には、メダル1枚あたり約17.6円の価値となり、再プレイの場合には現金プレイに比較して、メダル1枚あたり約2.4円だけホール側が損失していることになる。
図20は再プレイ会員売上表示の表示例を示す説明図である。図20の表示例は貸出単価20円のパチスロ機6bを例とするものであり、図20(a)は、本実施形態における、再プレイ会員売上表示を示し、再プレイ単価、現金売上、再プレイ会員売上、補正売上、補正粗利、等の表示項目と、その表示項目に対応する金額が表示される。本実施形態によれば再プレイ単価として、再プレイ会員売上として「4464円」と表示される。つまり、貯玉情報からメダルを50枚ずつ5回払い出したことに相当する。
図20(b)は、従来における再プレイ会員売上表示を示すものであり、従来は、再プレイ単価として「20.0円」が表示され、再プレイ会員売上として「5000円」と表示される。そして、再プレイ損失の項目が設けられ、この項目に再プレイ損失として「1536円」と表示される。
このように、従来においては、ホール管理サーバ2の表示装置51には、再プレイ損失として「1536円」と表示されるため、このような表示を見たホールスタッフは、カード会員が損失を生むような存在であるように感じてしまい、結果として、カード会員に対するサービスを低下させてしまうおそれがある。しかしながら、本実施形態によれば、会員カードの貯玉情報に係る遊技媒体数の範囲で再プレイを行ったことによる売上げを、景品交換率を考慮して計算しているため、従来の貸出単価を用いて計算する場合に計上されている再プレイ損失が不要になる。このため、再プレイ損失の表示欄が不要となり、ホールのスタッフに対して再プレイは遊技場にとってデメリットであるという印象を与えることが防止できる。これにより、再プレイ遊技を実行している遊技客に対するサービスを向上させることが可能になる。
図21は、ホール管理サーバ2の表示装置51に表示される具体的な情報を示す説明図である。
日付は、ホールの営業日、交換率は景品交換率である。遊技客人数は、顔認証システムによって検出された1日当りの遊技人数、会員人数/日は、1日あたりの会員人数であり、会員カードを使用した人数を計数したものである。再プレイ人数/日は、1日あたりの再プレイした会員数であり、再プレイを行った人数を計数したものである。会員人数比率は、顔認証システムによる1日当りの会員人数の割合であり、会員人数÷遊技客人数×100で算出される。再プレイ人数比率は、顔認証システムによる1日当りの再プレイした人数の割合であり、再プレイした人数÷遊技客人数×100で算出される。遊技客人数/台は、顔認証システムによる遊技機1台当りの遊技人数であり、遊技客人数÷設置台数で算出される。再プレイ売上/日は、1日あたりの再プレイした会員による売上であり、再プレイによる貸玉売上を計数したものである。再プレイ売上/日(補正後)は、1日あたりの再プレイした会員による売上に、景品交換率を考慮した補正を加えた値である。現金客売上/日は、顔認証システムによる1日当りの現金客単価であり、現金売上÷(遊技客人数−再プレイ人数)で算出される。再プレイメリットは、1日当りの再プレイを行ったことによるホール側のメリットとなる金額であり、再プレイによる貸玉売上(補正後)−現金客売上、で算出される。再プレイ有利額は、1日当りの再プレイを行ったことによる遊技客のメリットとなる金額であり、再プレイ会員売上×(1−50÷56)で算出され、この値が高い方が会員のメリットが大きいことになる。貯玉数/台は、月末の1台当りの貯玉数である。キャッシュフロー/台は、月末の1台当りの貯玉を交換レートで計算したものであり、貯玉数×20÷1.12で算出される。ここで、「20」とはメダルの貸出炭化であり、「1.12」は56/50の値である。
会員人数/日、再プレイ人数/日、会員人数比率、再プレイ人数比率、遊技客人数/台は、顧客情報に属する。再プレイ売上/日、再プレイ売上/日(補正後)、現金客売上/日、再プレイメリット、再プレイ有利額は、売上情報に属する。貯玉数/台、キャッシュフロー/台は貯玉情報に属する。
図21に示す情報によれば、遊技客のおおよそ5人に1人は会員であることがわかる。また、来店した会員の約80%が再プレイをしていることから、会員の多くが会員カードに貯玉しており、この貯玉を次回の遊技に利用してことがわかる。つまり、会員カードの貯玉機能が、会員を再来店させるための呼び水として機能していることがわかる。すなわち、再プレイ会員売上を、換金率分ホールが損をしたと捉えるのではなく、再プレイを導入したことによって売上が現金客の売上よりも6521円多くなったと捉え、再プレイホールメリットとして表示するように構成している。また、再プレイ売上/日と再プレイ売上/日(補正後)とは、図21に示すように隣り合わせで表示されるため、補正前と補正後とを比較することが可能になる。このように、表示装置51は、再プレイ売上計数手段(例えば、再プレイ売上計数部50f)の計数結果と、一般売上計数手段の計数結果とを比較表示させる表示手段の一例である。
図22は、台別遊技データの表示例を示す図である。ホール管理サーバ2は、表示装置51に台別遊技データを表示することができる。台別遊技データは、ホールに設置された各遊技機6に付与された台ナンバーに関連付けて、スタート回数、投入媒体数、払出媒体数、大当り発生回数、AT発生回数、延長遊技有無のデータを収集したものであり、これらの項目の数値は、ホール管理サーバ2が遊技機6から遊技情報を受信する毎に更新される。
図22に示す台別遊技データは、ホールの閉店作業時における営業分析用として、表示装置51に表示され、ホール係員は、この画面を見て、延長遊技を行っている遊技客数や可動中の遊技機6の台ナンバー等を把握することができる。
図23は、延長期間遊技データの表示例を示す図である。ホール管理サーバ2は、表示装置51に表示された台別遊技データにおいて、延長遊技有無の項目が「有」となっている表示領域に、表示装置51に表示されたカーソルを移動させて指定入力した場合に、図23(a)に示すような延長期間遊技データが表示される。延長期間遊技データは、延長遊技有無の項目が「有」となっている遊技機6及び遊技情報の詳細をまとめたものであり、台ナンバーに、現在遊技中の会員ID、遊技機6の機種タイプ、延長開始時遊技状態、延長終了時遊技状態、延長期間投入媒体数、延長期間払出媒体数、延長期間スタート回数、延長期間特別状態発生回数、延長期間特定状態発生回数、延長期間差枚数が関連付けて表示される。図23に示す表示例は、図22の台別遊技データの表示例において、台ナンバー「15」の延長遊技有無の項目を指定したものであり、表示装置51には、台ナンバー「15」に関連する上述した各種のデータが表示される。
具体的に、表示装置51に、遊技を行った遊技客の会員ID、予め台ナンバーに対応して記憶されている遊技機6(ここでは、パチスロ機6b)のタイプとしてART機、延長開始時の遊技機の遊技状態であるART中、及び延長時間終了時の遊技状態として通常中が、表示される。この表示を見たホール係員は、台ナンバー「15」は、営業時間終了間際にARTに当選し、ARTを未消化のまま営業時間の終了を迎えたが、延長期間中にARTを消化した、と推測することができる。このように延長時の遊技の状況を記憶しておき、ホール係員に報知することによって、延長サービスを利用する要因を分析することが可能になる。また、台別遊技データの表示における右側には、延長期間中の投入数(イン)、払出数(アウト)や差枚数が表示され、遊技客が延長期間中にどの程度のメリットを享受したかを把握することができる。
図22に示す台別遊技データにおいて、延長遊技有無の項目が「有」となっている台ナンバーの情報を抽出し、延長遊技有無の項目をまとめて指定することにより、図23(b)に示すように、延長期間遊技データの一覧を表示することができる。図23(b)によれば、例えば、台ナンバー「32」は、ノーマルAタイプのBB中に延長期間が開始したが、BBを終えた後に遊技を終了したことがわかる。台ナンバー「36」は、延長期間開始時は通常状態であったにもかかわらず、延長期間も遊技し、結局何もひけず終了したことがわかる。また、この遊技客は負けて取り戻そうとしたか、来店時間が遅くてもっと遊技したかったのかなど要因を分析することにより、貴重な営業データとなる可能性がある。台ナンバー「39」は、BB中に延長期間が開始したが、延長期間中に更にBBを引いて、そのBBが未消化の状態で終了したことがわかる。
図24は、延長期間顧客データの一覧の表示例を示す図であり、台別遊技データの表示例を示す図である。図23(a)に示す延長期間遊技データの表示において、台ナンバー「15」の表示領域に、表示装置51に表示されたカーソルを移動させて指定入力した場合に、図24に示すような延長期間顧客データが表示される。延長期間顧客データにより、台ナンバー「15」で遊技をしている会員ID、会員の年齢、性別、貯玉数、当日遊技時間、初回カード挿入時刻、最終カード返却時刻、当日消費金額、当日消費貯玉額、延長有無、といった情報が表示される。
ホール係員は、この表示を見て、会員の来店時刻、当日の消費金額等を把握することが可能となり、本日その遊技客がどのような状況を経て延長サービスを受けたか、を分析することが可能になる。例えば、消費金額が多ければ、取り戻そうとして粘っていたとか、来店時間が遅ければ、もう少し遊技をしたかった等と分析することが可能になる。
また、原則として遊技客は、延長期間終了時点で遊技を終了する必要があるが、実際は、延長期間終了時点を過ぎた時点で終了する場合がある。例えば、延長期間終了時点で大当り遊技中であればそのまま大当り遊技を継続させ、大当り遊技終了時点で終了させることが多い。また、ART中の遊技客は、ホール係員が声をかけるまで遊技を継続する場合が多い。そこで、本実施形態においては、最終カード返却時刻を取得していることから、延長期間終了後から閉店時刻までの遊技客の動向を分析することができる。これにより、ホール係員が遊技客に対して遊技終了の旨を直接的に案内できるように、ホール係員を配置することが可能になり、閉店作業を円滑に行うことが可能になる。
なお、上述した表示において、延長期間遊技データと、延長期間顧客データとを、別々に分けて表示しているが、同一のフォーマットにまとめてもよい。この際、個別の遊技機6の台ナンバーを表題とし、項目を縦並びにしてなる帳票形式にデータをまとめても良い。
図25は、図22及び図23における台ナンバー「15」のパチスロ機6bに関するデータの帳票を起こした例を示す説明図であり、台ナンバーの表題を付け、特別状態発生確率(大当り確率)、特定状態発生確率(AT発生確率)、当日投入媒体数、当日払出媒体数、当日スタート回数、当日大当り発生回数、当日AT発生回数、当日特別状態発生確率、(大当り発生確率)、当日特定状態発生確率(AT発生確率)、レート、等の等台別遊技データに係る項目を縦並びに表示し、更にその下方に、延長開始時遊技状態、延長終了時遊技状態、延長期間投入媒体数、延長期間払出媒体数、延長期間スタート回数、延長期間特別状態発生回数、延長期間特定状態発生回数、延長期間差枚数、等延長期間遊技データに係る項目を縦並びに表示して、各項目に該当するデータを側方に表示させてもよい。
図26は、会員の延長期間に行った遊技履歴となるデータをデータベースから収集し、延長期間データの帳票を起こしたものである。図26に示す例においては、会員IDの表題を付けて、当日乗入履歴、延長時遊技機種、機種毎の累計遊技時間、延長回数、延長時貯玉回数、延長時貯玉率、等の項目を縦並びに表示して、各項目に該当するデータを側方に表示させてもよい。また、図26に示す延長期間データの会員は、比較的同じ機種で遊技を行う傾向にあり、また延長回数も多く、延長した場合にはかなりの確率で貯玉を行うことから、ホールにとっては常連客である可能性が高いと分析することができる。
以上説明したように構成された本実施形態によれば、所定の時間帯において、特定の遊技客(例えば、カード会員)が遊技媒体(例えば、会員カード)を返却した場合に、返却時刻が識別情報ともに、表示装置51に表示される。ここで、所定の時間帯として、遊技客が遊技媒体を返却するような時間帯、例えば、昼食時、閉店時間直前の時間帯を設定することにより、どのような遊技状態において遊技を終了するかあるいは遊技を中断するか、といった遊技客の遊技傾向をホール側で分析することが可能になる。これにより、ホール側が遊技客に対して有用なサービスを提供することが可能になる。
また、本実施形態によれば、表示装置51に表示させる表示用データに、遊技機の種別に関する情報を含めているため、例えば、パチスロ機であればART機やノーマル機等、パチンコ機であればライト機、ミドル機、MAX機、羽根モノ等が、表示手段に表示されるため、遊技客が好む遊技機のタイプをホール側で把握することが可能になる。これにより、例えば、遊技客が遊技媒体を返却するような時間帯において、遊技客はどのようなタイプの遊技機で遊技をしているのかをホール側で分析することが可能になり、ホール側が遊技客に対して有用なサービスを提供することが可能になる。
また、本実施形態によれば、表示用データに、遊技機の遊技状態に関する情報を含めているため、例えば、パチスロ機であればART中、BBあるいはRB中、通常中、パチンコ機であれば確変中、時短中、通常中等が、表示手段に表示されるため、遊技客が遊技媒体を返却するような時間帯において、遊技客はどのような遊技状態で遊技を継続しているのかをホール側で分析することが可能になる。これにより、ホール側が、例えば、遊技状態がART中や確変中のように遊技媒体が増加する可能性が高い状態であれば、遊技客はもっと遊技を継続したいと思うものであり、そのような遊技媒体を返却する際の遊技客の気持ちを、ホール側が推測することが可能になる。これにより、ホール側が遊技客に対して有用なサービスを提供することが可能になる。
また、本実施形態によれば、記録媒体が受付手段に受け付けられた時刻、言い替えれば会員カードが遊技媒体取扱装置7に挿入された時刻が表示装置51に表示される。このため、遊技客の同一遊技機による遊技時間を求めることが可能になり、この遊技時間から遊技客の遊技動向を推測することが可能になる。例えば、会員カードの受付から返却までの時間が長い場合には、会員カードの持玉情報を用いて遊技を開始し、閉店時間間際まで遊技をする遊技客であると推測することができる。このような会員カードの持玉情報を用いて遊技を行う遊技客は、常連客の可能性が高いと分析することが可能である。また、会員カードの受付から返却までの時間が短い場合には、紙幣を貸出機(遊技媒体取扱装置7)に投入することによって貸し出された遊技媒体を用いて遊技を開始し、遊技終了時に会員カードを受付手段にセットして貯玉した後に会員カードを返却する、というように貯玉のみに会員カードを利用している遊技客であると推測することができる。このような貯玉のみに会員カードを利用する遊技客は、会員カードの持玉情報を再遊技に利用せず、比較的早い機会に景品交換を行うような客であると分析することが可能である。
また、本実施形態によれば、所定の時間帯は、特定の条件(例えば、カード会員であること)を満たしている遊技客に対する特典として遊技客に付与される遊技終了時刻からの延長時間であることから、遊技終了時刻からの延長時間における遊技客(カード会員)の遊技傾向を分析することが可能になり、例えば、景品交換所に配置するホール係員数や、閉店準備を行うホール係員等を効率よく振り分けることが可能になる。
また、本実施形態によれば、延長期間における遊技機6への遊技媒体投入数及び遊技機6からの払出数を表示装置51に画像表示している。このため、遊技客がどの程度持玉を増やしたかあるいは減らしたかについての情報をホール側が把握することが可能になる。これにより、遊技者の遊技状況を分析することができる。例えば、大当り回数が多い割に、持玉が増えていない場合には、パチンコ機であればラウンド数の少ない大当りを多く引き、パチスロ機であればRBを多く引いているとかART中に小役があまり出ていない、と言った状況で遊技者は遊技を行っていると推測することが可能になる。
なお、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、顧客情報データベース53aに、会員が会員カードを遊技媒体取扱装置7から返却し忘れた回数を、識別情報に対応付けて記憶してもよい。会員客が会員カードを遊技媒体取扱装置7から返却し忘れた場合、次に、同じ遊技機6で遊技をするために、遊技媒体取扱装置7に紙幣を投入して遊技を行い、残額情報がある状態で返却ボタンを押下したとする。この時、遊技媒体取扱装置7に残っている前の遊技客の会員カードに対応して残額情報を記憶されてしまうため、遊技客は景品交換所等で返金手続きしなければならなくなる、といった問題が発生するおそれがある。そこで、会員カードを遊技媒体取扱装置7から返却し忘れた回数を記憶することにより、遊技中の会員が会員カードを遊技媒体取扱装置7から返却し忘れる傾向にあるかを分析することが可能になる。特に、延長期間において、例えば、会員カードの持玉あるいは貯玉が無くなった場合に、遊技客は貯玉に対する意識が低下することから、遊技客が会員カードの返却を忘れる可能性が高くなる。このため、会員カードの返却を忘れる傾向のある遊技客を特定することにより、遊技客が会員カードを返却し忘れることを低減させることが可能になる。
また、上述した実施形態においては、延長期間に会員カードを返却した場合には、会員カードを用いて遊技ができなくなるため、会員カードを返却した時点が延長遊技の終了時点となる。このため、図23に示す延長終了時遊技状態は、会員カードを返却した時点の遊技状態となる。しかし、本発明の実施形態にそれに限るものではなく、ホール側で設定した延長期間終了時点(例えば、22:50)の遊技状態を表示させてもよい。
また、上述した実施形態においては、遊技客を特定するために、カメラ部17を用いて顔認証を行っているが、それに限らず、例えば、指紋認証を行う機器を遊技機6毎に設けてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明の遊技場用管理装置は、主に、識別情報が個別に記録された記録媒体を受け付け可能な受付手段と、当該受付手段が受け付けた記録媒体から識別情報を読み出し可能な読出手段と、前記受付手段が受け付けた記録媒体を返却可能な返却手段と、前記記録媒体に記録された識別情報及び前記返却手段による返却処理に関する情報を少なくとも含む記録媒体関連情報を送信可能な送信手段と、を少なくとも備えかつ遊技機ごとに配設される遊技機用装置と通信可能な遊技場用管理装置であって、前記遊技機用装置から送信される前記記録媒体関連情報及び遊技機において発生した遊技関連情報を受信可能な受信手段と、前記受信手段が受信した前記記録媒体関連情報及び前記遊技関連情報を、遊技機を特定する情報に関連付けて記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶した情報に基づいて表示用データを生成可能なデータ生成手段と、各種の情報を表示する表示手段と、当該表示手段に前記表示用データを表示させる制御を行う表示制御手段と、を備え、前記データ生成手段は、前記返却処理が実行された時刻を特定する返却時刻特定手段と、前記返却時刻特定手段によって特定された時刻が、所定の時間帯の範囲内であるか否かを判定する判定手段と、を備え、前記判定手段が、前記所定の時間帯において前記返却処理が実行されたと判定した場合、前記所定の時間帯において前記受信手段により受信した前記記録媒体関連情報、及び前記遊技関連情報のうち、少なくとも何れか一方の情報に基づく表示データを生成可能であることを特徴とするものであるが、受付手段、読出手段、返却手段、送信手段、受信手段、記憶手段、データ生成手段、表示手段、表示制御手段、返却時刻特定手段、判定手段、などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
[付記1]
付記1の遊技場用管理装置は以下の通りである。
[背景技術]
従来、パチスロ機やパチンコ機などの遊技機を用いて営業を行う遊技場(以下、ホールと称する)においては、遊技客が貸出料を支払うことによって、遊技に使用する遊技媒体が遊技客に貸し出される。遊技客は、貸し出された遊技媒体を遊技機に投入して遊技を行い、遊技において特定の条件を満たした場合に遊技媒体が遊技機から払い出される。
遊技媒体は、所望の景品に交換可能であり、交換に必要な遊技媒体の数は景品毎に設定されている。つまり、遊技客は、遊技機を操作して遊技媒体を増やすことができれば、それだけ多くの景品を取得することが可能になるため、大量の遊技媒体の獲得を目指して遊技を進めていく。
パチスロ機で遊技する場合には遊技媒体としてメダルが用いられ、パチンコ機で遊技する場合には遊技媒体として遊技球が用いられる。このため、一般に、特定の条件を満たした場合にパチスロ機から払い出される遊技媒体は出メダル、パチンコ機から払い出される遊技媒体は出玉と称されている。
ホールにはホールコンピュータが設置されており、このホールコンピュータに、遊技媒体の貸出数、遊技機毎の遊技媒体の投入数や払出数等の各種のデータが送られ、これらのデータに基づいて売上や遊技機の稼働状況等が管理される。
また、遊技機と遊技機との間に、サンドと称される遊技媒体の貸出機が遊技機毎に設置されており、客が、貸出機に紙幣を投入し、玉貸ボタンあるいはメダル貸ボタンを押下することによって、一定単位の金額に対応する数の遊技媒体が貸し出される。貸ボタンの操作信号や貸出数のデータ等はホールコンピュータに送信される。
遊技を終える際に、貸出機に投入した金額よりも支払った金額が少ない場合、すなわち残額がある場合には、返却ボタンを押下することによってカードが貸出機から返却される。カードには識別情報が記憶されており、ホールコンピュータのサーバには、カードの識別情報に関連付けて残額が記憶される。なお、残額の値をカードに直接記憶する方式もある。
遊技客は、そのカードを他の遊技機の貸出機に挿入することによって、他の遊技機で遊技を行うことが可能である。あるいは、ホールに設置されている精算機に投入することによって残額を受け取ることもできる。
また、ホールには、遊技媒体を計数する計数機が設置されており、客が獲得した遊技媒体を計数機に流すことによって遊技媒体の獲得数が計数される。計数機にカードをセットした場合には、遊技媒体の計数値が計数機からホールコンピュータに送信され、カードの識別情報に関連付けて計数値がホールコンピュータのサーバに記憶される。なお、計数値をホールコンピュータのサーバに記憶する以外でも、カードに直接記憶する方式もある。計数機にカードをセットしない場合には、計数値が印字されたシートが計数機から出力され、その用紙が遊技客に渡される。遊技客はそのシートを景品交換所に持参することにより、景品交換を行うことができる。
ここで、以下の説明の便宜上、カードの識別情報に関連付けてホールコンピュータに記憶された計数値あるいはカードに直接記憶された計数値を、持玉情報と称する。同様に、カードの識別情報に関連付けてホールコンピュータに記憶された残額の値あるいはカードに直接記憶された残額の値を、残額情報と称する。
貸出機には、払出ボタンが備えられており、持玉情報を有するカードを貸出機に挿入して、払出ボタンを押下することにより、予め設定された数の遊技媒体が払い出される。ホールコンピュータに記憶されているカードの持玉情報は、払い出された遊技媒体の数が差し引かれた値に更新される。また、貸出機に挿入したカードは、遊技客が遊技機あるいは貸出機に備えられている返却ボタンを押下することによって返却される。
そして、遊技客は、持玉情報を有するカードを景品交換所に持参することにより、持玉情報の範囲で景品を取得することができる。また、持玉情報や残額情報があるカードであれば、そのカードを持って他の遊技機に移動し、その遊技機に対応する貸出機にカードを挿入することにより、他の遊技機で遊技を実行することができる。
ところで、貸出機に挿入するカードとして、会員カードと、非会員カードとがある。会員カードは、ホールの会員となった遊技客が使用できるカードである。会員カードには、識別情報と暗証番号が設定されている。会員客は、貸出機に会員カードを挿入し、暗証番号を入力することにより、会員カードの持玉情報の範囲で遊技媒体を払い出すことが可能になり、遊技を実行することができる。会員の特典の一つとして、会員カードの持玉情報(所謂、貯玉)を利用して、別の日に再プレイできることがあげられる。例えば、獲得した遊技媒体を計数機に流して会員カードの持玉情報を増やした後、景品交換を行わずにホールを出る。そして、別の日に会員カードを持参して来店した際に、会員カードの持玉情報(貯玉情報)を利用して遊技を実行することや景品交換を行うことが可能になる。
また、非会員カードは、会員ではない一般客が使用する、遊技当日のみ使用できるカードである。非会員カードは貸出機に複数収納されており、会員カードが挿入されていない場合には、非会員カードが返却される。残額情報や持玉情報は、非会員カードの識別情報に関連付けてホールコンピュータに送信され、ホールコンピュータのサーバに記憶される。非会員カードの持玉情報による景品交換は、遊技当日にのみ可能である。
会員カードが貸出機に挿入された場合には、遊技に関する各種の情報を会員客に関連付けてホールコンピュータが収集することが可能になる。従来、これらのデータをホールの経営に活かすための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された技術によれば、会員登録された遊技客がパチンコ玉やメダル等の遊技媒体を預け入れることができ、預け入れた遊技媒体を引き出して再プレイすることができる遊技店において、遊技店に遊技媒体の預け入れ残高のある会員数の推移を所定の期間に対応して表示手段に表示する会員管理装置が提案されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2007−289329号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記の特許文献1の会員管理装置では、単に時間を区切って営業分析を行うだけであり、一日の営業時間の中で刻々と変化する遊技客の動向を考慮した営業分析を行うことができなかった。
例えば、最近では、会員客へのサービスの一環として、遊技終了予定時刻を過ぎても一定時間遊技を続行できる延長サービスなどが行われている。具体的には、22時45分が遊技終了予定時刻とした場合、現実には景品交換を行う時間が必要となるため、実際に全ての遊技客が退店する時刻は22時50分を過ぎることが多い。そこで、会員客に対して、所持している遊技媒体を会員カードに貯玉すること及び景品交換は行わないことを条件に、22時45分から5分間だけ遊技時間を延長するというサービスを行っているホールもある。これにより、閉店時刻近くに景品交換所に並ぶ客数を減らすことが可能になり、23時00分前に営業を終了することが可能になる。
しかし、遊技客が延長を行う要因やそのときの遊技機の状態などを詳細に分析できるのであれば、例えば、景品交換所に配置するスタッフ数や、閉店準備を行うスタッフ数等を効率よく振り分けることが可能になる。そこで、遊技客が延長を行う要因やその時の遊技機の状態などを詳細に分析できるシステムの出現が望まれる。
本発明は、このような問題点を解決し、遊技客の遊技傾向をより詳細に分析できる遊技場用管理装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技場用管理装置を提供する。
本発明の遊技場用管理装置は、識別情報が個別に記録された記録媒体(例えば、会員カード、当日有効の非会員カード)を受け付け可能な受付手段(例えば、受付部104a)と、当該受付手段が受け付けた記録媒体から識別情報を読み出し可能な読出手段(例えば、読出部104b)と、前記受付手段が受け付けた記録媒体を返却可能な返却手段(例えば、返却部104d)と、前記記録媒体に記録された識別情報及び前記返却手段による返却処理に関する情報を少なくとも含む記録媒体関連情報を送信可能な送信手段(例えば、IF110)と、を少なくとも備えかつ遊技機ごとに配設される遊技機用装置(例えば、遊技媒体取扱装置7)と通信可能な遊技場用管理装置(例えば、ホール管理サーバ2)であって、前記遊技機用装置から送信される前記記録媒体関連情報及び遊技機(例えば、遊技機6)において発生した遊技関連情報を受信可能な受信手段(例えば、通信I/F55)と、前記受信手段が受信した前記記録媒体関連情報及び前記遊技関連情報を、遊技機を特定する情報に関連付けて記憶可能な記憶手段(例えば、記憶装置53)と、前記記憶手段に記憶した情報に基づいて表示用データを生成可能なデータ生成手段(例えば、データ生成部50a、図17のステップS321〜S323)と、各種の情報を表示する表示手段(例えば、表示装置51)と、当該表示手段に前記表示用データを表示させる制御を行う表示制御手段(例えば、表示制御部50b、図17のステップS324)と、現在時刻を計時する現在時刻計時手段(例えば、計時装置56)と、を備え、前記遊技関連情報には、遊技機の遊技状態に関する情報が少なくとも含まれており、前記データ生成手段は、前記現在時刻計時手段の計時時刻が、所定の時間帯の範囲内であるか否かを判定する判定手段(例えば、制御部50、図18のステップS331)、を備え、前記判定手段によって、前記現在時刻計時手段の計時時刻が前記時間帯の範囲内であると判定された場合に、前記表示用データに前記識別情報及び前記時間帯の開始時点における前記遊技機の遊技状態の情報を含める(例えば、制御部50、図18のステップS332、S334)ことを特徴とする。
上記構成によれば、現在時刻が所定の時間帯の範囲内にある場合に、識別情報ともに遊技状態を遊技場用管理装置(例えば、ホール管理サーバ2)の表示手段(例えば、表示装置51)に表示可能にする。これにより、遊技機の遊技状態、例えば、パチスロ機であればART中、BBあるいはRB中、通常中、パチンコ機であれば確変中、時短中、通常中等が、表示手段に表示されるため、遊技機の遊技状態、例えば、パチスロ機であればART中、BBあるいはRB中、通常中、パチンコ機であれば確変中、時短中、通常中等が、表示手段に表示されるため、例えば、遊技者が遊技媒体を返却するような時間帯において、遊技者はどのような遊技状態で遊技を継続しているのかを遊技場側で分析することが可能になる。これにより、遊技場側が、例えば、遊技状態がART中や確変中のように遊技媒体が増加する可能性が高い状態であれば、遊技者はもっと遊技を継続したいと思うものであり、そのような遊技媒体を返却する際の遊技者の気持ちを、遊技場側が推測することが可能になる。これにより、遊技場側が、特定の遊技者(例えば、カード会員)に対して有用なサービスを提供することが可能になる。
本発明の遊技場用管理装置は、前記構成に加えて、前記データ生成手段は、前記返却処理が実行された時刻を特定する返却時刻特定手段(例えば、制御部50、図19のステップS347)と、前記返却時刻特定手段によって特定された特定時刻が、所定の時間帯の範囲内であるか否かを判定する判定手段(例えば、制御部50、図19のステップS348)と、を備え、前記判定手段によって、前記返却処理が前記時間帯において実行されたと判定された場合に、前記表示用データに前記特定時刻における前記遊技機の遊技状態の情報を更に含め、前記表示制御手段は、前記特定時刻を表示するように前記表示手段を制御する(例えば、制御部50、図17のステップS324)ことを特徴とする。
上記構成によれば、所定の時間帯において、特定の遊技者(例えば、カード会員)が遊技媒体(例えば、会員カード)を返却した場合に、返却時刻における遊技状態が識別情報ともに、表示手段に表示可能にする。例えば、所定の時間帯として、遊技者が遊技媒体を返却するような時間帯、例えば、昼食時、閉店時間直前の時間帯を設定することにより、どのような遊技状態において遊技を終了するかあるいは遊技を中断するか、といった遊技者の遊技傾向を遊技場側で分析することが可能になる。これにより、遊技場側において、特定の遊技者に対して有用なサービスを提供することが可能になる。
本発明の遊技場用管理装置は、前記構成に加えて、前記データ生成手段は、前記表示用データに、前記遊技関連情報に含まれる前記遊技機の種別に関する情報を更に含め(例えば、制御部50、図17のステップS322)、前記表示制御手段は、前記遊技機の種別を表示するように前記表示手段を制御する(例えば、制御部50、図17のステップS324)ことを特徴とする。
上記構成によれば、遊技機の種別、例えば、パチスロ機であればART機やノーマル機等、パチンコ機であればライト機、ミドル機、MAX機、羽根モノ等が、表示手段に表示されるため、遊技者が好む遊技機のタイプを遊技場側で把握することが可能になる。これにより、例えば、遊技者が遊技媒体を返却するような時間帯において、遊技者はどのようなタイプの遊技機で遊技をしているのかを遊技場側で分析することが可能になり、遊技場側が、特定の遊技者に対して有用なサービスを提供することが可能になる。
本発明の遊技場用管理装置は、前記構成に加えて、前記データ生成手段は、前記受付手段によって受付処理が実行された時刻を特定する受付時刻特定手段を更に備え(例えば、制御部50、図17のステップS322)、前記表示用データに、前記受付時刻特定手段によって特定された時刻を更に含め(例えば、制御部50、図17のステップS322)、前記表示制御手段は、前記受付時刻特定手段によって特定された時刻を表示するように前記表示手段を制御する(例えば、制御部50、図17のステップS324)ことを特徴とする。
上記構成によれば、記録媒体が受付手段に受け付けられた時刻(例えば、受付部104a)、言い替えれば会員カードが挿入された時刻が表示手段(例えば、表示装置51)に表示される。このため、例えば、遊技者が同じ遊技機による遊技時間を判別することが可能になる。また、会員カードの受付から返却までの時間が短い場合には、通常は、会員カードに多く貯玉せずに景品交換を行い、貯玉の時のみに会員カードを利用している遊技者であると推測することができる。例えば、会員カードの受付から返却までの時間が長い場合には、会員カードの持玉情報を用いて遊技を開始し、閉店時間間際まで遊技をする遊技者であると推測することができる。このような会員カードの持玉情報を用いて遊技を行う遊技者は、常連客の可能性が高いと分析することが可能である。また、会員カードの受付から返却までの時間が短い場合には、紙幣を貸出機に投入することによって貸し出された遊技媒体を用いて遊技を開始し、遊技終了時に会員カードを受付手段にセットして貯玉した後に会員カードを返却する、というように貯玉のみに会員カードを利用している遊技者であると推測することができる。このような貯玉のみに会員カードを利用する遊技者は、会員カードの持玉情報を再遊技に利用せず、比較的早い機会に景品交換を行うような客であると分析することが可能である。
本発明の遊技場用管理装置は、前記構成に加えて、前記時間帯は、特定の条件を満たしている遊技者に対する特典として遊技者に付与される遊技終了時刻からの延長時間であることを特徴する。
上記構成によれば、特典として遊技者に付与される遊技終了時刻からの延長時間における遊技者の遊技傾向を分析することが可能になり、例えば、景品交換所に配置するスタッフ数や、閉店準備を行うスタッフ数等を効率よく振り分けることが可能になる。
本発明の遊技場用管理装置は、前記構成に加えて、データ生成手段は、前記延長時間における、前記遊技機への遊技媒体投入数及び前記遊技機からの遊技媒体払出数を含む表示データを生成する(例えば、制御部50、図17のステップS322)ことを特徴とする。
上記構成によれば、延長期間において、遊技者がどの程度持玉を増やしたかあるいは減らしたかについての情報を遊技場側が把握することが可能になる。これにより、遊技者の遊技状況を分析することができる。例えば、大当り回数が多い割に、持玉が増えていない場合には、パチンコ機であればラウンド数の少ない大当りを多く引き、パチスロ機であればRBを多く引いているとかART中に小役があまり出ていない、と言った状況で遊技者は遊技を行っていると推測することが可能になる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技客の遊技傾向をより詳細に分析できる遊技場用管理装置を提供することが可能になる。
[付記2]
付記2の遊技システムは以下の通りである。
[背景技術]
従来、パチスロ機やパチンコ機などの遊技機を用いて営業を行う遊技場(以下、ホールと称する)においては、遊技客が貸出料を支払うことによって、遊技に使用する遊技媒体が遊技客に貸し出される。遊技客は、貸し出された遊技媒体を遊技機に投入して遊技を行い、遊技において特定の条件を満たした場合に遊技媒体が遊技機から払い出される。
遊技媒体は、所望の景品に交換可能であり、交換に必要な遊技媒体の数は景品毎に設定されている。つまり、遊技客は、遊技機を操作して遊技媒体を増やすことができれば、それだけ多くの景品を取得することが可能になるため、大量の遊技媒体の獲得を目指して遊技を進めていく。
パチスロ機で遊技する場合には遊技媒体としてメダルが用いられ、パチンコ機で遊技する場合には遊技媒体として遊技球が用いられる。このため、一般に、特定の条件を満たした場合にパチスロ機から払い出される遊技媒体は出メダル、パチンコ機から払い出される遊技媒体は出玉と称されている。
ホールにはホールコンピュータが設置されており、このホールコンピュータに、遊技媒体の貸出数、遊技機毎の遊技媒体の投入数や払出数等の各種のデータが送られ、これらのデータに基づいて売上や遊技機の稼働状況等が管理される。
また、遊技機と遊技機との間に、サンドと称される遊技媒体の貸出機が遊技機毎に設置されており、客が、貸出機に紙幣を投入し、玉貸ボタンあるいはメダル貸ボタンを押下することによって、一定単位の金額に対応する数の遊技媒体が貸し出される。貸ボタンの操作信号や貸出数のデータ等はホールコンピュータに送信される。
遊技を終える際に、貸出機に投入した金額よりも支払った金額が少ない場合、すなわち残額がある場合には、返却ボタンを押下することによってカードが貸出機から返却される。カードには識別情報が記憶されており、ホールコンピュータのサーバには、カードの識別情報に関連付けて残額が記憶される。なお、残額の値をカードに直接記憶する方式もある。
遊技客は、そのカードを他の遊技機の貸出機に挿入することによって、他の遊技機で遊技を行うことが可能である。あるいは、ホールに設置されている精算機に投入することによって残額を受け取ることもできる。
また、ホールには、遊技媒体を計数する計数機が設置されており、客が獲得した遊技媒体を計数機に流すことによって遊技媒体の獲得数が計数される。計数機にカードをセットした場合には、遊技媒体の計数値が計数機からホールコンピュータに送信され、カードの識別情報に関連付けて計数値がホールコンピュータのサーバに記憶される。なお、計数値をホールコンピュータのサーバに記憶する以外でも、カードに直接記憶する方式もある。計数機にカードをセットしない場合には、計数値が印字されたシートが計数機から出力され、その用紙が遊技客に渡される。遊技客はそのシートを景品交換所に持参することにより、景品交換を行うことができる。
ここで、以下の説明の便宜上、カードの識別情報に関連付けてホールコンピュータに記憶された計数値あるいはカードに直接記憶された計数値を、持玉情報と称する。同様に、カードの識別情報に関連付けてホールコンピュータに記憶された残額の値あるいはカードに直接記憶された残額の値を、残額情報と称する。
貸出機には、払出ボタンが備えられており、持玉情報を有するカードを貸出機に挿入して、払出ボタンを押下することにより、予め設定された数の遊技媒体が払い出される。ホールコンピュータに記憶されているカードの持玉情報は、払い出された遊技媒体の数が差し引かれた値に更新される。また、貸出機に挿入したカードは、遊技客が遊技機あるいは貸出機に備えられている返却ボタンを押下することによって返却される。
そして、遊技客は、持玉情報を有するカードを景品交換所に持参することにより、持玉情報の範囲で景品を取得することができる。また、持玉情報や残額情報があるカードであれば、そのカードを持って他の遊技機に移動し、その遊技機に対応する貸出機にカードを挿入することにより、他の遊技機で遊技を実行することができる。
ところで、貸出機に挿入するカードとして、会員カードと、非会員カードとがある。会員カードは、ホールの会員となった遊技客が使用できるカードである。会員カードには、識別情報と暗証番号が設定されている。会員客は、貸出機に会員カードを挿入し、暗証番号を入力することにより、会員カードの持玉情報の範囲で遊技媒体を払い出すことが可能になり、遊技を実行することができる。会員の特典の一つとして、会員カードの持玉情報(所謂、貯玉)を利用して、別の日に再プレイできることがあげられる。例えば、獲得した遊技媒体を計数機に流して会員カードの持玉情報を増やした後、景品交換を行わずにホールを出る。そして、別の日に会員カードを持参して来店した際に、会員カードの持玉情報(貯玉情報)を利用して遊技を実行することや景品交換を行うことが可能になる。
また、非会員カードは、会員ではない一般客が使用する、遊技当日のみ使用できるカードである。非会員カードは貸出機に複数収納されており、会員カードが挿入されていない場合には、非会員カードが返却される。残額情報や持玉情報は、非会員カードの識別情報に関連付けてホールコンピュータに送信され、ホールコンピュータのサーバに記憶される。非会員カードの持玉情報による景品交換は、遊技当日にのみ可能である。
会員カードが貸出機に挿入された場合には、遊技に関する各種の情報を会員客に関連付けてホールコンピュータが収集することが可能になる。従来、これらのデータをホールの経営に活かすための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された技術によれば、会員登録された遊技客がパチンコ玉やメダル等の遊技媒体を預け入れることができ、預け入れた遊技媒体を引き出して再プレイすることができる遊技店において、遊技店に遊技媒体の預け入れ残高のある会員数の推移を所定の期間に対応して表示手段に表示する会員管理装置が提案されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2007−289329号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記の特許文献1の会員管理装置では、単に時間を区切って営業分析を行うだけであり、一日の営業時間の中で刻々と変化する遊技客の動向を考慮した営業分析を行うことができなかった。
例えば、最近では、会員客へのサービスの一環として、遊技終了予定時刻を過ぎても一定時間遊技を続行できる延長サービスなどが行われている。具体的には、22時45分が遊技終了予定時刻とした場合、現実には景品交換を行う時間が必要となるため、実際に全ての遊技客が退店する時刻は22時50分を過ぎることが多い。そこで、会員客に対して、所持している遊技媒体を会員カードに貯玉すること及び景品交換は行わないことを条件に、22時45分から5分間だけ遊技時間を延長するというサービスを行っているホールもある。これにより、閉店時刻近くに景品交換所に並ぶ客数を減らすことが可能になり、23時00分前に営業を終了することが可能になる。
しかし、遊技客が延長を行う要因やそのときの遊技機の状態などを詳細に分析できるのであれば、例えば、景品交換所に配置する係員数や、閉店準備を行う係員数等を効率よく振り分けることが可能になることから、遊技客が延長を行う要因やその時の遊技機の状態などを詳細に分析できるシステムの出現が望まれる。また、遊技客においても、遊技に熱中するあまりに時間の経過を忘れて、例えば、閉店間際に他の遊技機で遊技を開始する可能性がある。この場合、例えば、遊技媒体を大量に獲得できる可能性がある確変大当りやARTに遊技状態に移行したとしても、遊技を継続できる時間がわずかであることから獲得できる遊技媒体数も限られる。むしろ、確変大当りやARTに遊技状態に移行したことにより、一層、残念な気持ちを持ちながら遊技を終了することになる。
本発明は、このような問題点を解決し、遊技客の遊技傾向をより詳細に分析できるとともに遊技客を保護することが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技システムを提供する。
本発明の遊技システムは、識別情報が記録された記録媒体(例えば、会員カード、当日有効の非会員カード)を受け付け可能な受付手段(例えば、受付部104a)と、当該受付手段が受け付けた記録媒体から識別情報を読み出し可能な読出手段(例えば、読出部104b)と、遊技に用いる遊技媒体を貸し出し可能な貸出手段(例えば、払出装置106)と、前記受付手段が受け付けた遊録媒体を返却可能な返却手段(例えば、返却部104d)と、遊技者が所持する遊技媒体数からなる持玉情報を識別情報に関連付けて送信可能な遊技機側送信手段(例えば、IF110)と、を少なくとも備え、遊技機に対応して設けられる遊技機用装置(例えば、遊技媒体取扱装置7)と、前記遊技機用装置と通信可能に接続され、前記遊技機用装置から送信されてくる識別情報および持玉情報を含む第1のデータを受信可能な受信手段と(例えば、通信I/F55)、識別情報に対応する持玉情報を更新可能な持玉情報更新手段(例えば、持玉情報更新制御部50d)と、持玉情報を記憶可能な記憶手段(例えば、記憶装置53)と、前記遊技機用装置に対して前記記憶手段に記憶されている持玉情報を含む第2のデータを送信可能な管理側送信手段(例えば、通信I/F55)と、を備えた遊技場用管理装置(例えば、ホール管理サーバ2)と、を有する遊技システム(例えば、遊技システム1)であって、前記第1のデータには、前記返却手段による返却処理に関する情報が含まれ、前記遊技場用管理装置は、当該返却処理が実行された時刻を特定する返却時刻特定手段(例えば、制御部50、図19のステップS347)と、前記返却時刻特定手段によって特定された時刻が、所定の時間帯の範囲内であるか否かを判定する判定手段(例えば、制御部50、図19のステップS348)と、を備え、前記判定手段によって、一の識別情報(例えば、会員ID)に係る記憶媒体(例えば、会員カード)について前記返却処理が前記所定の時刻において実行されたと判定された後、前記受付手段が受け付けた記録媒体が、前記一の識別情報に係る記録媒体であった場合、前記貸出手段による遊技媒体の貸し出しを禁止する貸出禁止手段(例えば、制御部50、図19のステップS344)を備えたことを特徴とする遊技システム。
上記構成によれば、識別情報及び持玉情報が記憶された記憶媒体(例えば、会員カード)を、所定の時間帯の範囲において返却した場合には、同じ遊技機あるいは他の遊技機の遊技機用装置の受付手段(例えば、受付部104a)が記憶媒体を受け付けても、遊技者への遊技媒体の貸し出しが行われない。このため、例えば、所定の時間帯として、閉店時間直前の時間帯を設定することにより、仮に、再遊技を行って遊技機の遊技状態が遊技者にとって有利な状態(例えば、大当り遊技状態)に移行したとしても、閉店時間となって遊技をあきらめざるを得なくなることから、結果として、遊技者を保護することが可能になる。このように、遊技場側が、特定の遊技者(例えば、カード会員)に対して有用なサービスを提供することが可能になる。
本発明の遊技システムは、前記構成に加えて、前記遊技場用管理装置は、前記記憶手段(例えば、記憶装置53)に記憶した情報に基づいて表示用データを生成可能なデータ生成手段(例えば、データ生成部50a、図17のステップS321〜S323)と、各種の情報を表示する表示手段(例えば、表示装置51)と、当該表示手段に前記表示用データを表示させる制御を行う表示制御手段(例えば、表示制御部50b、図17のステップS324)と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、遊技場の係員が、表示手段(例えば、表示装置51)に表示される表示用データを見ることによって、今後における遊技客の動向を予想することが可能になり、遊技者に対して有用なサービスを提供することが可能になる。
本発明の遊技システムは、前記構成に加えて、前記データ生成手段は、前記表示用データに、前記遊技関連情報に基づいて前記遊技機の種別に関する情報を更に含め(例えば、制御部50、図17のステップS322)、前記表示制御手段は、前記遊技機の種別を表示するように前記表示手段を制御する(例えば、制御部50、図17のステップS324)ことを特徴とする。
上記構成によれば、遊技機の種別、例えば、パチスロ機であればART機やノーマル機等、パチンコ機であればライト機、ミドル機、MAX機、羽根モノ等が、表示手段に表示されるため、遊技者が好む遊技機のタイプを遊技場側で把握することが可能になる。これにより、例えば、遊技者が遊技媒体を返却するような時間帯において、遊技者はどのようなタイプの遊技機で遊技をしているのかを分析することが可能になり、遊技場側が、特定の遊技者に対して有用なサービスを提供することが可能になる。
本発明の遊技システムは、前記構成に加えて、前記データ生成手段は、前記受付手段によって受付処理が実行された時刻を特定する受付時刻特定手段を更に備え(例えば、制御部50、図17のステップS322)、前記表示用データに、前記受付時刻特定手段によって特定された時刻を更に含め(例えば、制御部50、図17のステップS322)、前記表示制御手段は、前記受付時刻特定手段によって特定された時刻を表示するように前記表示手段を制御する(例えば、制御部50、図17のステップS324)ことを特徴とする。
上記構成によれば、記録媒体が受付手段(例えば、受付部104a)に受け付けられた時刻、言い替えれば会員カードが挿入された時刻が表示手段に表示される(例えば、表示装置51)。このため、遊技者の同じ遊技機による遊技時間を求めることが可能になり、この遊技時間から遊技者の遊技動向を推測することが可能になる。例えば、会員カードの受付から返却までの時間が長い場合には、会員カードの持玉情報を用いて遊技を開始し、閉店時間間際まで遊技をする遊技者であると推測することができる。このような会員カードの持玉情報を用いて遊技を行う遊技者は、常連客の可能性が高いと分析することが可能である。また、会員カードの受付から返却までの時間が短い場合には、紙幣を貸出機に投入することによって貸し出された遊技媒体を用いて遊技を開始し、遊技終了時に会員カードを受付手段にセットして貯玉した後に会員カードを返却する、というように貯玉のみに会員カードを利用している遊技者であると推測することができる。このような貯玉のみに会員カードを利用する遊技者は、会員カードの持玉情報を再遊技に利用せず、比較的早い機会に景品交換を行うような客であると分析することが可能である。
本発明の遊技システムは、前記構成に加えて、前記時間帯は、特定の条件を満たしている遊技者に対する特典として遊技者に付与される遊技終了時刻からの延長時間であることを特徴する。
上記構成によれば、特典として遊技者に付与される遊技終了時刻からの延長時間における遊技者の遊技傾向を分析することが可能になり、例えば、景品交換所に配置する係員数や、閉店準備を行う係員数等を効率よく振り分けることが可能になる。
本発明の遊技システムは、前記構成に加えて、データ生成手段は、前記延長時間における、前記遊技機への遊技媒体投入数及び前記遊技機からの遊技媒体払出数を含む表示データを生成する(例えば、制御部50、図17のステップS322)ことを特徴とする。
上記構成によれば、延長期間において、遊技者がどの程度持玉を増やしたかあるいは減らしたかについての情報を遊技場側が把握することが可能になる。これにより、遊技者の遊技状況を分析することができる。例えば、大当り回数が多い割に、持玉が増えていない場合には、パチンコ機であればラウンド数の少ない大当りを多く引き、パチスロ機であればRBを多く引いているとかART中に小役があまり出ていない、と言った状況で遊技者は遊技を行っていると推測することが可能になる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技客の遊技傾向をより詳細に分析できるとともに、遊技客を保護することが可能な遊技システムを提供することが可能になる。
[付記3]
付記3の遊技場用管理装置は以下の通りである。
[背景技術]
従来、パチスロ機やパチンコ機などの遊技機を用いて営業を行う遊技場(以下、ホールと称する)においては、遊技客が貸出料を支払うことによって、遊技に使用する遊技媒体が遊技客に貸し出される。遊技客は、貸し出された遊技媒体を遊技機に投入して遊技を行い、遊技において特定の条件を満たした場合に遊技媒体が遊技機から払い出される。
遊技媒体は、所望の景品に交換可能であり、交換に必要な遊技媒体の数は景品毎に設定されている。つまり、遊技客は、遊技機を操作して遊技媒体を増やすことができれば、それだけ多くの景品を取得することが可能になるため、大量の遊技媒体の獲得を目指して遊技を進めていく。
パチスロ機で遊技する場合には遊技媒体としてメダルが用いられ、パチンコ機で遊技する場合には遊技媒体として遊技球が用いられる。このため、一般に、特定の条件を満たした場合にパチスロ機から払い出される遊技媒体は出メダル、パチンコ機から払い出される遊技媒体は出玉と称されている。
ホールにはホールコンピュータが設置されており、このホールコンピュータに、遊技媒体の貸出数、遊技機毎の遊技媒体の投入数や払出数等の各種のデータが送られ、これらのデータに基づいて売上や遊技機の稼働状況等が管理される。
また、遊技機と遊技機との間に、サンドと称される遊技媒体の貸出機が遊技機毎に設置されており、客が、貸出機に紙幣を投入し、玉貸ボタンあるいはメダル貸ボタンを押下することによって、一定単位の金額に対応する数の遊技媒体が貸し出される。貸ボタンの操作信号や貸出数のデータ等はホールコンピュータに送信される。
遊技を終える際に、貸出機に投入した金額よりも支払った金額が少ない場合、すなわち残額がある場合には、返却ボタンを押下することによってカードが貸出機から返却される。カードには識別情報が記憶されており、ホールコンピュータのサーバには、カードの識別情報に関連付けて残額が記憶される。なお、残額の値をカードに直接記憶する方式もある。
遊技客は、そのカードを他の遊技機の貸出機に挿入することによって、他の遊技機で遊技を行うことが可能である。あるいは、ホールに設置されている精算機に投入することによって残額を受け取ることもできる。
また、ホールには、遊技媒体を計数する計数機が設置されており、客が獲得した遊技媒体を計数機に流すことによって遊技媒体の獲得数が計数される。計数機にカードをセットした場合には、遊技媒体の計数値が計数機からホールコンピュータに送信され、カードの識別情報に関連付けて計数値がホールコンピュータのサーバに記憶される。なお、計数値をホールコンピュータのサーバに記憶する以外でも、カードに直接記憶する方式もある。計数機にカードをセットしない場合には、計数値が印字されたシートが計数機から出力され、その用紙が遊技客に渡される。遊技客はそのシートを景品交換所に持参することにより、景品交換を行うことができる。
ここで、以下の説明の便宜上、カードの識別情報に関連付けてホールコンピュータに記憶された計数値あるいはカードに直接記憶された計数値を、持玉情報と称する。同様に、カードの識別情報に関連付けてホールコンピュータに記憶された残額の値あるいはカードに直接記憶された残額の値を、残額情報と称する。
貸出機には、払出ボタンが備えられており、持玉情報を有するカードを貸出機に挿入して、払出ボタンを押下することにより、予め設定された数の遊技媒体が払い出される。ホールコンピュータに記憶されているカードの持玉情報は、払い出された遊技媒体の数が差し引かれた値に更新される。また、貸出機に挿入したカードは、遊技客が遊技機あるいは貸出機に備えられている返却ボタンを押下することによって返却される。
そして、遊技客は、持玉情報を有するカードを景品交換所に持参することにより、持玉情報の範囲で景品を取得することができる。また、持玉情報や残額情報があるカードであれば、そのカードを持って他の遊技機に移動し、その遊技機に対応する貸出機にカードを挿入することにより、他の遊技機で遊技を実行することができる。
ところで、貸出機に挿入するカードとして、会員カードと、非会員カードとがある。会員カードは、ホールの会員となった遊技客が使用できるカードである。会員カードには、識別情報と暗証番号が設定されている。会員客は、貸出機に会員カードを挿入し、暗証番号を入力することにより、会員カードの持玉情報の範囲で遊技媒体を払い出すことが可能になり、遊技を実行することができる。会員の特典の一つとして、会員カードの持玉情報(所謂、貯玉)を利用して、別の日に再プレイできることがあげられる。例えば、獲得した遊技媒体を計数機に流して会員カードの持玉情報を増やした後、景品交換を行わずにホールを出る。そして、別の日に会員カードを持参して来店した際に、会員カードの持玉情報(貯玉情報)を利用して遊技を実行することや景品交換を行うことが可能になる。
また、非会員カードは、会員ではない一般客が使用する、遊技当日のみ使用できるカードである。非会員カードは貸出機に複数収納されており、会員カードが挿入されていない場合には、非会員カードが返却される。残額情報や持玉情報は、非会員カードの識別情報に関連付けてホールコンピュータに送信され、ホールコンピュータのサーバに記憶される。非会員カードの持玉情報による景品交換は、遊技当日にのみ可能である。
会員カードが貸出機に挿入された場合には、遊技に関する各種の情報を会員客に関連付けてホールコンピュータが収集することが可能になる。従来、これらのデータをホールの経営に活かすための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された技術によれば、会員登録された遊技客がパチンコ玉やメダル等の遊技媒体を預け入れることができ、預け入れた遊技媒体を引き出して再プレイすることができる遊技店において、遊技店に遊技媒体の預け入れ残高のある会員数の推移を所定の期間に対応して表示手段に表示する会員管理装置が提案されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2007−289329号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、遊技媒体の貸出単価の上限は、現時点において、パチンコ玉が4円、メダルが20円と決まっており、上限以下であれば遊技場側で貸出単価を適宜設定することが可能である。また、景品よっては遊技媒体との交換時に、遊技媒体の単価と同じ価値の景品に交換できるもあれば(所謂、等価交換)、交換できない景品もある。例えば、メダルの貸出単価が20円の場合には、千円紙幣を1枚メダル貸出機に投入することによって50枚のメダルが貸し出される。一方、特定の景品に交換する際には、千円相当の景品を例えば56枚のメダルで交換するように設定されたホールもある。なお、この場合には、メダルの交換単価が約17.9円相当となる。
ここで、再プレイができないシステムの遊技場における1日の営業実績は、遊技客が貸出料を支払うことによって貸し出された遊技媒体の総数と、計数機に投入された遊技媒体の総数との差によって管理できる。言い換えれば、全ての遊技機に投入された遊技媒体数と、全ての遊技機から払い出された遊技媒体数との差によって管理できる。
しかし、会員カードの持玉情報を利用して別の日に再プレイが可能なシステムの遊技場においては、会員カードの持玉情報を利用して再プレイをした場合、遊技者に貸し出された遊技媒体数の中に、価値の低い遊技媒体が一部混じることと同じになる。具体的に、250枚のメダルを払い出した場合に、貸出料を支払っての貸し出しであれば、メダルの貸出単価が20円であるため、5000円が売上げとなるが、会員カードの持玉情報を利用しての貸し出しの場合、メダルの貸出単価が17.9円となるため、4464円の売上げとなる。
従来においては、会員カードの持玉情報を利用して再プレイした場合も、貸し出した遊技媒体に対して貸出料の支払いによる貸出単価が適用されるため、例えば、再プレイにおいて250枚のメダルを払い出した場合に、差額となる536円が再プレイ損失として計上され、ホールコンピュータの表示装置に再プレイ会員売上げとして5000円が表示されるとともに再プレイ損失として536円が表示される。
このような表示を見たホール係員は、カード会員が損失を生むような存在であるように感じてしまい、結果として、カード会員に対するサービスを低下させてしまうおそれがある。例えば、パチンコ遊技機においては大当り遊技中にパチンコ玉が払い出されなくなったり、パチスロ遊技機においては大当り遊技中にメダルを補給する必要が生じたりした場合には、遊技者はデータ表示器の呼び出しボタンを押下してホール係員を呼ぶことになる。しかし、ホール係員によっては、呼び出しボタンが押下された場合に、現金客への対応を優先して、カード会員への対応を後回しにしたくなる思いになるおそれがある。
しかし、遊技場側にとっては遊技客が多くなればそれだけ売上げが高くなり、特に、会員カードの持玉情報を利用して再プレイをする遊技客は常連客である可能性が高い。このため、カード会員に対するサービスを向上させ、常連客を続けてもらえるようにするためにも、遊技場側のサービス環境を整える必要がある。
本発明は、このような問題点を解決し、カード会員のような再プレイが可能な遊技者に対するサービスを向上させることが可能な遊技場用管理装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技場用管理装置を提供する。
本発明の遊技場用管理装置は、個別の識別情報が記録された会員用記録媒体(例えば、会員カード)を含む記録媒体(例えば、会員カード、当日有効の非会員カード)を受け付け可能な受付手段(例えば、受付部104a)と、当該受付手段が受け付けた記録媒体から識別情報を読み出し可能な読出手段(例えば、読出部104b)と、遊技者に遊技媒体を貸出可能な貸出手段(例えば、払出装置106)と、遊技者が獲得した遊技媒体を計数可能な計数手段(例えば、計数装置107)と、前記受付手段が受け付けた記録媒体を返却可能な返却手段(例えば、返却部104d)と、前記計数手段が計数した遊技媒体数及び識別情報を送信可能な送信手段(例えば、IF110)と、を少なくとも備え、前記読出手段により読み出された識別情報に対応して記憶された貯玉情報に係る遊技媒体数の範囲内で、前記貸出手段によって遊技媒体を貸し出す再プレイ処理を実行可能に構成された遊技機用装置(例えば、遊技媒体取扱装置7)と通信可能な遊技場用管理装置(例えば、ホール管理サーバ2)であって、前記遊技機用装置から送信されるデータを受信可能な受信手段(例えば、通信I/F55)と、前記貯玉情報を前記識別情報と対応付けて記憶可能な貯玉記憶手段(例えば、会員データベース531の貯玉情報)と、前記貯玉記憶手段に記憶されている貯玉情報に係る遊技媒体数に、前記識別情報に対応する前記計数手段が計数した遊技媒体数を加算し、前記再プレイ処理によって貸し出された遊技媒体数を減算する貯玉情報更新手段(例えば、貯玉情報更新制御部50e)と、前記遊技場用管理装置(例えば、ホール管理サーバ2)にて生成された情報を表示可能な表示手段(例えば、表示装置51)と、遊技者が獲得した遊技媒体の交換レートを設定可能なレート設定手段(例えば、レート設定部50c)と、前記再プレイ処理によって貸し出された遊技媒体数を含む貸出遊技媒体数を計数可能な再プレイ売上計数手段(例えば、再プレイ売上計数部50f)と、前記再プレイ売上計数手段による計数結果に対し、前記レート設定手段によって設定された交換レートを用いて計数結果を補正する計数結果補正手段(例えば、再プレイ売上計数部50h)と、前記計数結果補正手段によって補正された計数結果を表示させるように前記表示手段を制御する表示制御手段(例えば、表示制御部50b)と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、会員用記録媒体(例えば、会員カード)を所持する遊技者が貯玉情報に係る遊技媒体数の範囲で再プレイを行ったことによる売上げを、遊技者が獲得した遊技媒体の交換レート(景品交換率)を考慮して計算しているため、従来の貸出単価を用いて計算する場合に計上されている再プレイ損失が不要になる。このため、再プレイ損失の表示欄が不要となり、遊技場の係員に対して再プレイは遊技場にとってデメリットであるという印象を与えることが防止できる。これにより、再プレイ遊技を実行している遊技者に対するサービスを向上させることが可能になる。
本発明の遊技場用管理装置は、上記構成において、貸出料の支払いと引き換えに遊技者に貸し出された遊技媒体数を計数可能な一般売上計数手段(例えば、一般売上計数部50g)を更に備え、前記表示制御手段(例えば、表示制御部50b)は、前記再プレイ売上計数手段(例えば、再プレイ売上計数部50f)の計数結果と、前記一般売上計数手段の計数結果とを比較表示させるように前記表示手段を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、遊技場の係員が、再プレイ売上計数手段(例えば、再プレイ売上計数部50f)の計数結果と一般売上計数手段(例えば、一般売上計数部50g)の計数結果との比較表示を見ることによって、再プレイ遊技者が売上げに貢献していることを遊技場係員に意識付けることが可能になる。これにより、再プレイ遊技を実行している遊技者に対するサービスを向上させることが可能になる。
本発明の遊技場用管理装置は、上記構成において、前記表示制御手段(例えば、表示制御部50b)は、前記再プレイ売上計数手段による計数結果と、前記計数結果補正手段によって補正された計数結果との差を表示させるように前記表示手段を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、再プレイ売上計数手段による計数結果と、計数結果補正手段によって補正された計数結果との差は、会員用記録媒体を所持する再プレイ会員のメリットとすることが可能であることから、遊技場の係員は、再プレイ会員のメリットを見ることによって、カード会員が売上げに貢献していることを遊技場係員に意識付けることが可能になる。これにより、再プレイ遊技を実行しているカード会員に対するサービスを向上させることが可能になる。
本発明の遊技場用管理装置は、前記構成に加えて、各遊技機に設置された撮像手段(カメラ17)によって撮像された遊技者の顔データに基づいて作成された顔情報に顔情報識別情報を対応付けて記憶する顔情報記憶手段(例えば、顔認証データベース53f)と、前記撮像手段が遊技者の顔を撮像した時に、前記撮像手段によって撮像された遊技者の顔データと前記顔情報記憶手段に記憶されている顔情報とを照合して、一致する顔情報の顔情報識別情報を抽出する顔認証手段と、前記顔認証手段が抽出した顔情報識別情報を、前記記録媒体の識別情報に関連付けて記憶する顧客情報記憶手段(例えば、顧客データ情報ベース53a)と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、会員用記録媒体(例えば、会員カード)又は会員用記録媒体以外の記録媒体(例えば、当日有効の非会員カード)を用いて遊技を行った遊技者を特定する顔情報を、記録媒体の識別情報に関連付けてデータベース化することが可能になる。これにより、例えば、カード会員ではない遊技者が遊技場に入出した回数を求めることが可能になり、カード会員ではない常連客に対するサービスを向上させることが可能になる。
[発明の効果]
本発明によれば、カード会員のような再プレイが可能な遊技者に対するサービスを向上させることが可能な遊技場用管理装置を提供することが可能になる。