JP2017175199A - 車室内用カメラの目標範囲の設定方法および車室内用カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で目標範囲を設定することができる車室内用カメラの目標範囲の設定技術を提供する。【解決手段】車室内用カメラの目標範囲の設定方法は、画像処理プロセッサを内蔵するカメラによって運転者の顔の部分を含む第1画像を取得する第1画像取得ステップと、照明光が照射された顔の部分を含む第2画像をカメラによって取得する第2画像取得ステップと、第1画像と第2画像とを比較して輝度の差分を取得する差分取得ステップと、差分に基づいてカメラの撮影範囲における顔の部分を特定する特定ステップと、特定した部分に基づいて撮影範囲における顔の部分が存在する目標範囲を設定する設定ステップと、を含む。【選択図】 図9
Description
本発明の実施形態は、居眠り運転や脇見運転をしているか否かを判定するために運転者の顔を撮影する車室内用カメラに関する。
従来、夜間の撮影時には、近赤外線投光器を用いて被写体を照らすとともに長時間露光にして撮影を行い、昼間の撮影時には、近赤外線投光器による投光を行わずに短時間露光にして撮影を行う撮影装置がある(例えば、特許文献1参照)。
近年、居眠り運転や脇見運転を防止するために、運転者の顔を車室内用カメラで撮影して居眠り運転などをしているか否かを判定し、居眠り運転などをしている場合には、警報音などを発する装置がある。このような装置では、カメラの撮影範囲において顔が存在する範囲(目標範囲)を設定し、この範囲のみを顔認識システムで処理することで、居眠り運転などの判定処理の速度を向上させている。しかしながら、太陽光などに基づく外乱光が、運転者の顔やその周囲の部分を照らしていると、カメラの撮影範囲のいずれの部分が顔の部分であるかの特定が困難になってしまう。特に、運転者が脇見をしたときなど、一時的に顔の部分が特定できなくなったときに、再び顔の部分を特定しようとすると、カメラの撮影範囲の全ての範囲を探索しなければならず、顔が存在する範囲を再設定する処理に時間がかかってしまうという課題がある。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、短時間で目標範囲を設定することができる車室内用カメラの目標範囲の設定技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る車室内用カメラの目標範囲の設定方法は、画像処理プロセッサを内蔵するカメラによって運転者の顔の部分を含む第1画像を取得する第1画像取得ステップと、照明光が照射された前記顔の部分を含む第2画像を前記カメラによって取得する第2画像取得ステップと、前記第1画像と前記第2画像とを比較して輝度の差分を取得する差分取得ステップと、前記差分に基づいて前記カメラの撮影範囲における前記顔の部分を特定する特定ステップと、前記特定した部分に基づいて前記撮影範囲における前記顔の部分が存在する目標範囲を設定する設定ステップと、を含む。
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1の符号1は、本実施形態の車室内用カメラである。この車室内用カメラ1は、自動車2の車室内の運転者Dの顔の画像を撮影するために設けられ、画像処理プロセッサを内蔵する。例えば、車室内用カメラ1は、自動車2の車内のダッシュボード3におけるハンドル4のベース5の上面に取り付けられる。この車室内用カメラ1は、レンズ10(図2参照)が運転者Dの方向を向いた状態で取り付けられる。
また、車室内用カメラ1は、自動車2に搭載されたスピーカ(図示略)を制御する音制御部(図示略)にケーブル(図示略)を介して接続される。車室内用カメラ1により撮影した運転者Dの顔の画像に基づいて、居眠り運転や脇見運転などをしているか否かを判定し、居眠り運転や脇見運転などをしている場合にスピーカから警告音を報知するようにしている。
なお、本実施形態では、後付けで自動車2に取り付けることができる小型の車室内用カメラ1を例示している。また、車室内用カメラ1を自動車2の一部として組み込んでも良く、自動車2の製造時に車室内用カメラ1が搭載されるものであっても良い。
図2に示すように、車室内用カメラ1は、小型の箱状をなす筐体の正面側に設けられたレンズ10を備える。このレンズ10の周囲には、近赤外光照射部11が設けられている。また、近赤外光照射部11は、運転者Dの顔の部分に特定波長の照明光を照射するための装置であって、レンズ10の周囲を囲む6個(複数)のLEDランプで構成された装置である。本実施例では、近赤外光照射部11を用いて近赤外光で構成される照明光が照射可能となっている。例えば、波長が880〜940nmの範囲の近赤外光の照明光が照射される。なお、本実施形態では、複数のLEDランプで近赤外光照射部11を構成しているが、高輝度の照明光を照射する1つのLEDランプで近赤外光照射部11を構成しても良い。
図3に示すように、レンズ10の光軸Lの延長線上には、近赤外光を透過する透過フィルタ12が設けられる。さらに、透過フィルタ12の背面側には、静止画像や動画像などの映像を撮影するのに用いられる撮像素子13が設けられている。なお、撮像素子13は、CCDまたはCMOSイメージセンサなどの可視光や赤外線の波長領域の感度を有する撮像素子13が用いられている。本実施形態では、透過フィルタ12を透過した近赤外光が撮像素子13により受光される。
なお、車室内用カメラ1では、その撮影範囲において顔が存在する目標範囲を設定する。そして、居眠り運転などの判定を行うときには、この目標範囲のみを判定の対象とする。このようにすることで、撮影範囲の全範囲を判定の対象にすることと比較して、少ない情報量で判定を実行することができ、処理負荷が低減されるばかりか、処理速度が向上される。
本実施形態では、車室内用カメラ1により画像を撮影するときに、シングルフレーム式のハイダイナミックレンジ合成(HDR:high dynamic range imaging)が可能になっている。なお、ダイナミックレンジとは、撮像素子13が検知することができる最も明るい部分と暗い部分の範囲のことである。さらに、ハイダイナミックレンジ合成とは、幅広いダイナミックレンジを記録、表示するために開発された画像合成技術のことである。
なお、車室内用カメラ1では、通常方式による撮影とHDR方式による撮影との2種類の撮影方式を切り換えて行うことができる。本実施形態では、運転者Dの居眠り運転などを判定する運転状況判定処理(図8参照)を行うときには、通常方式により撮影した画像を使用する。また、車室内用カメラ1の撮影範囲において運転者Dの顔の部分を特定して目標範囲を設定する目標範囲設定処理(図9参照)を行うときには、HDR方式により撮影した画像を使用する。なお、運転者Dの顔の部分が一時的に車室内用カメラ1の撮影範囲から外れたときや、運転者Dが一時的に背後を振り向いたときなど、顔の部分が特定できなくなったときに、目標範囲設定処理を用いて再び顔の部分を特定するようにしている。
また、シングルフレーム式のHDRについて、図5および図6を参照して説明する。撮像素子13は、光を検出して電荷を発生させるフォトダイオードで構成される光電変換素子が横方向および縦方向に整列されている。そして、横方向に並んだ1列の光電変換素子を1のラインとし、複数のラインが縦方向に並設されている。これらのライン毎に取得した各画素を合成することで画像を生成する。HDRを用いた撮影では、撮像素子13で画像を撮影するときに、撮像素子13の各ラインに応じて異なる露光時間で撮影を行う。
図5に示すように、シングルフレーム式のHDRを用いた撮影では、第1露光時間の撮影(短時間露光)と、この第1露光時間よりも長い第2露光時間(長時間露光)の撮影と、をライン毎に行う。なお、本実施形態では、HDRを用いた撮影を行うときに、短時間露光を行うラインと長時間露光を行うラインとが縦方向に交互に並設される。そして、短時間露光を行うラインに基づいて取得した各画素を合成することで第1画像を生成する。また、長時間露光を行うラインに基づいて取得した各画素を合成することで第2画像を生成する。
なお、通常方式の撮影では、全てのラインで同一の露光時間で撮影を行うとともに、全てのラインに基づいて取得した各画素を合成することで1の画像を生成する。つまり、シングルフレーム式のHDRを用いた撮影により生成された第1画像および第2画像は、通常方式の撮影により生成された画像と比較して解像度が半減された画像になる。
図6に示すように、シングルフレーム式のHDRを用いた撮影では、1フレームにおいて、短時間露光と長時間露光とが行われる。本実施形態では、1秒間に30フレームの撮影が可能となっている。つまり、1フレームが33ミリ秒の撮影態様を例示している。例えば、1フレームにおいて、短時間露光と長時間露光とが同じタイミングで開始される。そして、先に短時間露光が終了し、その後に長時間露光が終了する。つまり、短時間露光と長時間露光の終了タイミングが異なっている。
また、1フレームにおいて短時間露光の終了タイミングT1から長時間露光の終了タイミングT2までに、近赤外光照射部11(LEDランプ)を用いて照明光を照射するLED点灯タイミングが設けられる。この照明光の照射は、短時間露光の終了タイミングT1以後に開始され、長時間露光の終了タイミングT2以前に終了する。つまり、長時間露光の期間には、運転者Dの顔の部分が近赤外光照射部11の照明光により照らされる期間が含まれる。
なお、1フレームの撮影において、運転者Dの顔の部分を特定できなかったときは、HDRを用いた撮影が継続される。また、運転者Dの顔の部分を特定できたときは、通常方式の撮影に切り替わる。
本実施形態では、1フレームにおいて、長時間露光の時間が、短時間露光の時間の3倍の長さになっている。なお、運転者Dの顔の部分を特定するときには、短時間露光により撮影された第1画像の各画素の輝度を3倍にすることで、長時間露光により撮影された第2画像と同じ露光時間で撮影されたときの輝度に相当する値にする。
次に、車室内用カメラ1の撮影範囲において運転者Dの顔の部分を特定するときの画像処理の態様について、図7を参照して説明する。まず、第1画像の各画素の輝度を3倍にし、第2画像と同じ露光時間で撮影されたときの輝度に相当する値にする。この第1画像には、外乱光により輝度が高い部分が存在する。なお、外乱光とは、自動車2の車外から差し込む太陽光などの近赤外光を含む光によって明るく照らされた部分である。また、第1画像の撮影タイミング中には、近赤外光照射部11(LEDランプ)を用いた照明光が照射されていないので、運転者Dの顔の部分の輝度は低くなっている。
さらに、第2画像にも、外乱光により輝度が高い部分が存在する。また、第2画像の撮影タイミング中には、近赤外光照射部11(LEDランプ)を用いた照明光が照射されるので、運転者Dの顔の部分の輝度が高くなっている。つまり、第2画像には、照明光の照射により輝度が高くなった部分が存在する。
そして、第1画像の各画素と第2画像の各画素とをそれぞれ比較して近赤外光に対応する輝度の差分を取得し、これら差分に基づいて差分画像を生成する。この差分画像では、第1画像および第2画像の両方で輝度が高い部分や輝度が低い部分、つまり、輝度の差が小さい部分が、輝度が低い状態で再現される。また、第1画像および第2画像の一方で輝度が高い部分や輝度が低い部分、つまり、輝度の差が大きい部分が、輝度が高い状態で再現される。
例えば、外乱光により輝度が高い部分は、第1画像および第2画像の両方に存在するので、この部分は、差分画像において輝度が低い部分となる。これに対して、照明光の照射により輝度が高くなった運転者Dの顔の部分は、第2画像にのみ存在するので、この部分は、差分画像において輝度が高い部分となる。
さらに、この差分画像の各画素を所定の閾値で2階調化した2値化画像を生成する。このようにすることで、顔の部分が明確に特定される。このように、輝度の差に基づいて顔の部分の特定ができるので、短時間で運転者Dの顔の部分の撮影範囲を特定することができる。そして、特定された顔の部分が含まれる所定領域を目標範囲として設定する。例えば、特定された顔の部分の外接矩形座標(外接四角形)を求めて目標範囲として設定しても良いし、特定された顔の部分を中心とした所定の円形領域を目標範囲として設定しても良い。また、差分画像において輝度が高い部分が複数箇所に存在する場合には、その中で最も大きい領域を顔の部分として特定しても良い。
次に、本実施形態の車室内用カメラ1が実行する運転状況判定処理および目標範囲設定処理について図4、図8および図9を用いて説明する。なお、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS11」と記載する箇所を「S11」と略記する。
図4に示すように、本実施形態の車室内用カメラ1は、撮影の制御を行う撮影制御部20などの各種処理を行う画像処理プロセッサを含む撮影モジュールを備える。撮影制御部20は、近赤外光照射部11や撮像素子13を制御して画像の撮影を行う。
図8に示すように、車室内用カメラ1が起動されて運転状況判定処理が開始されると、まず、目標範囲設定処理が実行される(S11)。この目標範囲設定処理では、車室内用カメラ1の撮影範囲において運転者Dの顔の部分を特定して目標範囲を設定する。
図9に示すように、目標範囲設定処理では、まず、撮像素子13を用いて画像の撮影が開始される(S21:撮影ステップ)。この撮影は、シングルフレーム式のHDRを用いた撮影となっている(図5および図6参照)。そして、1フレームの開始時点において、短時間露光の撮影が開始されるとともに、長時間露光の撮影が開始される。
次に、短時間露光の終了タイミングT1になると、短時間露光の撮影が終了する(S22)。そして、撮像素子13の短時間露光に対応する各ラインで取得した各画素の検出情報が第1画像生成部21に転送される。また、この第1画像生成部21に転送された検出情報に基づいて第1画像が生成される(S23:第1画像生成ステップ)。さらに、第1画像生成部21にて生成された第1画像を第1画像取得部23が取得し、この第1画像が第1画像記憶部26に転送され、第1画像記憶部26に記憶される(S24:第1画像取得ステップ)。
次に、近赤外光照射部11(LEDランプ)を用いて照明光を照射するLED点灯タイミングが開始される。そして、一定時間点灯した後に、LED点灯タイミングが終了する(S25:照射ステップ)。このように、1フレームにおいて短時間露光(第1露光時間)の終了後から長時間露光(第2露光時間)の終了前までに特定波長である近赤外光の照明光を照射することで、照明光が照射された顔の部分を含む第2画像を取得することができる。
次に、長時間露光の終了タイミングT2になると、長時間露光の撮影が終了する(S26)。そして、撮像素子13の長時間露光に対応する各ラインで取得した各画素の検出情報が第2画像生成部22に転送される。また、この第2画像生成部22に転送された検出情報に基づいて第2画像が生成される(S27:第2画像生成ステップ)。さらに、第2画像生成部22にて生成された第2画像を第2画像取得部24が取得し、この第2画像が第2画像記憶部27に転送され、第2画像記憶部27に記憶される(S28:第2画像取得ステップ)。
次に、第1画像記憶部26に記憶された第1画像の輝度が、輝度倍加部29にて倍加される(S29:倍加ステップ)。本実施形態では、第1画像の輝度が3倍される。つまり、第1画像の輝度が、第2画像と同じ露光時間で撮影されたときの輝度に相当する値に倍加される。この輝度が倍加された第1画像と第2画像記憶部27に記憶された第2画像とが、差分画像取得部30に転送される。この差分画像取得部30では、第1画像の各画素と第2画像の各画素とをそれぞれ比較して近赤外光に対応する輝度の差分を取得する。そして、差分画像取得部30は、これら差分に基づいて画像を生成し、差分画像を取得する(S30:差分取得ステップ)。なお、差分画像取得部30が差分画像を取得したときに、第1画像記憶部26および第2画像記憶部27の記憶内容が消去される。
次に、差分画像取得部30にて取得された差分画像が2値化画像取得部31に転送される。この2値化画像取得部31では、差分画像の各画素を所定の閾値で2階調化する。そして、2値化画像取得部31は、2階調化した各画素に基づいて2値化画像を取得する(S31)。
次に、2値化画像取得部31にて取得された2値化画像が設定用顔部分特定部32に転送される。この設定用顔部分特定部32では、2値化画像に基づいて運転者Dの顔の部分に相当する範囲が特定できたか否かを判定する(S32:特定ステップ)。例えば、2値化画像において輝度が高い部分(白色の部分)の面積が、予め設定された特定の第1閾値よりも大きい場合や、予め設定された特定の第2閾値よりも小さい場合は、顔の部分に相当する範囲が特定できなかったと判定する。また、2値化画像において輝度が高い部分(白色の部分)の面積が、予め設定された特定の第1閾値よりも小さく、かつ第2閾値よりも大きい場合は、顔の部分に相当する範囲が特定できたと判定する。
そして、設定用顔部分特定部32において、顔の部分に相当する範囲が特定できなかったと判定された場合は、前述したS21に戻る。一方、顔の部分に相当する範囲が特定できたと判定された場合は、目標範囲設定部33において目標範囲が設定される(S33:設定ステップ)。設定された目標範囲は判定用顔部分特定部34に転送され、運転者Dの居眠り運転などを判定するときの判定の対象となる。目標範囲が設定されると、当該目標範囲設定処理を終了し、運転状況判定処理に戻る。
図8に戻り、運転状況判定処理では、通常方式により撮影した第3画像に基づいて、運転者Dが居眠り運転などをしているか否かの判定を開始する。まず、第3画像を撮影するときには、近赤外光照射部11(LEDランプ)を点灯して運転者Dの顔の部分に照明光を照射する(S12)。さらに、撮像素子13を用いて第3画像の撮影を行う(S13)。そして、撮影後に、近赤外光照射部11(LEDランプ)を消灯する(S14)。
次に、撮像素子13にて撮影された第3画像を第3画像取得部25が取得し、この第3画像が第3画像記憶部28に転送され、第3画像記憶部28に記憶される(S15:第3画像取得ステップ)。そして、この第3画像が判定用顔部分特定部34に転送される。この判定用顔部分特定部34では、第3画像に含まれる目標範囲の部分に基づいて、運転者Dの顔の部分が特定できたか否かを判定する(S16)。
ここで、運転者Dの顔の部分が特定できなかった場合、例えば、運転者Dの顔の部分が一時的に車室内用カメラ1の撮影範囲から外れた場合や、運転者Dが一時的に背後を振り向いた場合は、前述した目標範囲設定処理(S11)に戻り、再び目標範囲を設定する。一方、運転者Dの顔の部分が特定できた場合は、特定した顔の部分の範囲に応じて、目標範囲補正部35が目標範囲の補正を行う(S17)。そして、補正された目標範囲は判定用顔部分特定部34に転送される。なお、特定した顔の部分の範囲が、既に設定された目標範囲と同一である場合は、目標範囲の補正の処理を省略しても良い。
次に、運転状況判定部36は、第3画像に含まれる目標範囲の解析を行い、運転者Dの運転状況を判定する(S18)。そして、運転状況判定部36は、第3画像に含まれる運転者Dの顔の部分に基づいて、居眠り運転や脇見運転などをしているか否かを判定する(S19:判定ステップ)。ここで、居眠り運転や脇見運転などをしていない場合は、前述したS12に戻り、前述のステップを繰り返す。一方、居眠り運転や脇見運転などをしている場合は、警告出力部37が音制御部(図示略)などに警告音を出力する旨の警告信号を出力する(S20:出力ステップ)。そして、前述したS12に戻り、前述のステップを繰り返す。なお、警告信号を取得した音制御部(図示略)は、スピーカ(図示略)を用いて警告音を所定時間出力する制御を行う。
また、運転状況判定部36で判定に使用された第3画像は、第3画像記憶部28から消去しても良い。なお、運転状況判定部36で判定に使用された第3画像を消去せずに、撮影時刻に対応付けて保存されるようにしても良い。さらに、居眠り運転や脇見運転などをしていると判定されたときの第3画像のみを保存し、それ以外の第3画像を消去しても良い。
このように、本実施形態では、1フレームの撮影において、運転者Dの顔の部分を特定することが可能であるので、短時間で目標範囲を設定することができる。また、1フレームで第1画像と第2画像との撮影が同時に行えるので、短時間で第1画像と第2画像との取得を行うことができる。
また、第1画像の輝度を第2露光時間に相当する値に倍加させることで、第1画像と第2画像とで露光時間が異なっていても、第1画像と第2画像とを比較して輝度の差分を取得する処理を行うことができる。
なお、本実施形態では、通常方式による撮影とHDR方式による撮影との2種類の撮影方式を切り換えて行うことができるものとしたが、HDR方式による撮影のみが可能なカメラを用いても良い。つまり、運転状況判定処理(図8参照)を行うときであっても、HDR方式による撮影を行っても良い。
本実施形態をまとめると、HDR方式による撮影を行って運転者Dの顔の部分を特定するときに以下のような手順となる。
(1)短時間露光の画像の取り込み終了後に一定時間LEDを投射する。
(2)LED投射によって人の顔の部分は周囲より明るくなる。
(3)長時間露光の画像の取り込みを行う。
(4)短時間露光の画像の輝度を、短時間露光と長時間露光との比であるα倍する。
(5)上記α倍した画像と上記(3)の長時間露光の画像との差分画像を求める。
(6)閾値処理を行い、差分の大きい領域を求め、領域検出を行い、最大のものを顔の領域とする。
(1)短時間露光の画像の取り込み終了後に一定時間LEDを投射する。
(2)LED投射によって人の顔の部分は周囲より明るくなる。
(3)長時間露光の画像の取り込みを行う。
(4)短時間露光の画像の輝度を、短時間露光と長時間露光との比であるα倍する。
(5)上記α倍した画像と上記(3)の長時間露光の画像との差分画像を求める。
(6)閾値処理を行い、差分の大きい領域を求め、領域検出を行い、最大のものを顔の領域とする。
また、運転者Dが居眠り運転や脇見運転をしているか否かを第3画像の目標範囲に基づいて判定することで、目標範囲のみを用いて判定処理を行えば良いので、居眠り運転や脇見運転の判定処理速度を向上できる。
また、近赤外光照射部11により運転者Dの顔の部分に照射される照明光が近赤外光であることで、近赤外光は人間の目に見えない光であるため、運転者Dの顔に近赤外光が照射されても運転の妨げになることがない。
また、本実施形態の車室内用カメラ1の目標範囲の設定方法は、居眠り運転や脇見運転などをしているか否かを判定するために用いられているが、この目標範囲の設定方法を、居眠り運転や脇見運転以外の判定に用いる車室内用カメラ1に適用しても良い。例えば、運転者Dの顔を個々に識別可能な運転者認識システムに適用しても良い。
なお、本実施形態では、目標範囲が運転者Dの顔の部分となっているが、例えば、運転者Dの両目の部分のみを目標範囲として設定しても良い。この目の部分のみを目標範囲とすることで、さらに少ない情報量で判定を実行することができ、処理負荷が低減される。
なお、本実施形態では、居眠り運転や脇見運転をしていると判定したときに所定の警告音の出力を行っているが、警告音以外にも、カーナビゲーションシステムの表示画面に所定の警告表示を行っても良い。また、居眠り運転や脇見運転をしていると判定したときに、その旨を出力して、運転者Dの居眠り運転や脇見運転を記録するものであっても良い。
なお、本実施形態では、1秒間に30フレームの撮影周期を例示しているが、その他の撮影周期で撮影を行っても良い。例えば、1秒間に60フレームの撮影周期であっても良い。また、本実施形態では、第1画像および第2画像を撮影するときと、第3画像の撮影をするときとで、撮影周期が同一となっているが、第1画像および第2画像を撮影するときと、第3画像の撮影をするときとで、撮影周期が異なるものであっても良い。
なお、本実施形態では、1フレームにおいて、長時間露光の時間が短時間露光の時間の3倍の長さになっているが、長時間露光の時間が短時間露光の時間の3倍に限らず、2倍や4倍や5倍の長さであっても良い。また、長時間露光の時間は、短時間露光の時間の整数倍でなくても良く、第1画像と第2画像の輝度の差を比較するときには、第1画像の各画素の輝度を長時間露光の時間に対応する倍率で倍加すれば良い。
なお、本実施形態では、第3画像の撮影を行うときに近赤外光照射部11を点灯して運転者Dの顔の部分に照明光を照射するようにしているが、照度センサなどを車室内用カメラ1に設けて運転者Dの周囲の明るさを検知可能とし、太陽光の照射などによって充分に明るいと判定される場合には、第3画像の撮影を行うときに近赤外光照射部11を点灯することを省略しても良い。
以上説明した実施形態によれば、第1画像と第2画像とを比較して輝度の差分を取得し、輝度の差に基づいて顔の部分の特定ができるので、短時間で目標範囲を設定することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…車室内用カメラ、2…自動車、3…ダッシュボード、4…ハンドル、5…ベース、10…レンズ、11…近赤外光照射部、12…透過フィルタ、13…撮像素子、20…撮影制御部、21…第1画像生成部、22…第2画像生成部、23…第1画像取得部、24…第2画像取得部、25…第3画像取得部、26…第1画像記憶部、27…第2画像記憶部、28…第3画像記憶部、29…輝度倍加部、30…差分画像取得部、31…2値化画像取得部、32…設定用顔部分特定部、33…目標範囲設定部、34…判定用顔部分特定部、35…目標範囲補正部、36…運転状況判定部、37…警告出力部。
Claims (7)
- 画像処理プロセッサを内蔵するカメラによって運転者の顔の部分を含む第1画像を取得する第1画像取得ステップと、
照明光が照射された前記顔の部分を含む第2画像を前記カメラによって取得する第2画像取得ステップと、
前記第1画像と前記第2画像とを比較して輝度の差分を取得する差分取得ステップと、
前記差分に基づいて前記カメラの撮影範囲における前記顔の部分を特定する特定ステップと、
前記特定した部分に基づいて前記撮影範囲における前記顔の部分が存在する目標範囲を設定する設定ステップと、
を含む車室内用カメラの目標範囲の設定方法。 - 1フレームにおいて第1露光時間の撮影と前記第1露光時間よりも長い第2露光時間の撮影とを撮像素子のライン毎に行う撮影ステップと、
前記第1露光時間に対応する各ラインに基づいて前記第1画像を生成する第1画像生成ステップと、
前記第2露光時間に対応する各ラインに基づいて前記第2画像を生成する第2画像生成ステップと、
を含む請求項1に記載の車室内用カメラの目標範囲の設定方法。 - 1フレームにおいて前記第1露光時間の終了後から前記第2露光時間の終了前までに前記照明光を照射する照射ステップを含む請求項2に記載の車室内用カメラの目標範囲の設定方法。
- 前記第1画像の輝度を前記第2露光時間に相当する値に倍加させる倍加ステップを含む請求項2または請求項3に記載の車室内用カメラの目標範囲の設定方法。
- 前記目標範囲を含む第3画像を取得する第3画像取得ステップと、
前記運転者が居眠り運転や脇見運転をしているか否かを前記第3画像の前記目標範囲に基づいて判定する判定ステップと、
を含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車室内用カメラの目標範囲の設定方法。 - 前記照明光は、近赤外光となっている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車室内用カメラの目標範囲の設定方法。
- 画像処理プロセッサを内蔵するカメラによって運転者の顔の部分を含む第1画像を取得する第1画像取得部と、
照明光が照射された前記顔の部分を含む第2画像を前記カメラによって取得する第2画像取得部と、
前記第1画像と前記第2画像とを比較して輝度の差分を取得する差分取得部と、
前記差分に基づいて前記カメラの撮影範囲における前記顔の部分を特定する特定部と、
前記特定した部分に基づいて前記撮影範囲における前記顔の部分が存在する目標範囲を設定する設定部と、
を備える車室内用カメラ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2016
- 2016-03-18 JP JP2016055844A patent/JP2017175199A/ja active Pending
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DE102019106262A1 (de) | 2018-03-13 | 2019-09-19 | Omron Corporation | Abbildungsvorrichtung |
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