JP2017173454A - 液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶素子、重合体並びに化合物 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶素子、重合体並びに化合物 Download PDF

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伸夫 安池
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Abstract

【課題】残像特性及びコントラスト特性が良好な液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供すること。
【解決手段】下記式(1)で表される部分構造を有する重合体(A)を液晶配向剤に含有させる。
Figure 2017173454

(式(1)中、A及びAは、それぞれ独立に芳香環基であり、環部分に置換基を有していてもよい。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基である。Yは、単結合、−O−、−CO−又はメチレン基である。「*」は結合手であることを示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶素子、重合体並びに化合物に関する。
液晶素子は、テレビやモバイル機器、各種モニターなどに広く利用されている。液晶素子には、液晶セル中の液晶分子を配向制御するために液晶配向膜が使用されている。液晶配向規制力を有する有機膜を得る方法としては、従来、有機膜をラビングする方法、酸化ケイ素を斜方蒸着する方法、長鎖アルキル基を有する単分子膜を形成する方法、感光性の有機膜に光照射する方法(光配向法)等が知られている。
光配向法は、静電気や埃の発生を抑えつつ感光性の有機膜に均一な液晶配向性を付与することができ、しかも液晶配向方向の精密な制御も可能であることから、近年、種々検討が進められている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、シンナモイル基を主鎖に有するポリイミド前駆体、ポリイミド又はポリアミドを含む液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成することが開示されている。
国際公開第2013/161984号
近年、大画面で高精細の液晶テレビが主体となり、またスマートフォンやタブレットPC等といった小型の表示端末の普及が進み、液晶パネルに対する高精細化の要求は更に高まりつつある。中でも、残像が生じにくいこと(残像特性)、及びコントラストが良好であること(コントラスト特性)は液晶素子の表示品位を確保するために重要であり、これら各種特性を改善することが以前にも増して重要になってきている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、残像特性及びコントラスト特性が良好な液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の課題を達成するべく鋭意検討した結果、特定構造を有する重合体を液晶配向剤に含有させることにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には以下の手段が提供される。
<1> 下記式(1)で表される部分構造を有する重合体(A)を含有する液晶配向剤。
Figure 2017173454
(式(1)中、A及びAは、それぞれ独立に芳香環基であり、環部分に置換基を有していてもよい。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基である。Yは、単結合、−O−、−CO−又はメチレン基である。「*」は結合手であることを示す。)
<2> 上記<1>の液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜に光照射する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
<3> 上記<1>の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<4> 上記<3>の液晶配向膜を具備する液晶素子。
<5> ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル及びポリアミドから選ばれ、かつ上記式(1)で表される部分構造を有する重合体。
<6> 下記式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物。
Figure 2017173454
(式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に置換基であり、R及びRは、それぞれ独立に芳香環基、脂環式基又は複素環基である。X及びXは、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−NR−、−CONR−又は2価の有機基であり、Rは、水素原子又は1価の有機基である。Yは、単結合、−O−、−CO−又はメチレン基である。n1及びn2は、それぞれ独立に0〜4の整数である。n1が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよく、n2が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。m1及びm2は、それぞれ独立に0又は1である。)
上記重合体(A)を含む液晶配向剤によれば、残像(特に交流電圧による残像)が発生しにくく、コントラストが良好な液晶素子を得ることができる。
FFS型液晶表示素子の概略構成図。 液晶表示素子の製造に用いたトップ電極の平面模式図。(a)はトップ電極の上面図であり、(b)はトップ電極の部分拡大図である。 4系統の駆動電極を示す図。
以下に、本開示の液晶配向剤に含まれる各成分、及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
なお、本明細書において、重合体の「主鎖」とは、重合体のうち最も長い原子の連鎖からなる「幹」の部分をいう。この「幹」の部分が環構造を含むことは許容される。したがって、「上記式(1)で表される部分構造を重合体の主鎖中に有する」とは、上記式(1)で表される部分構造が主鎖の一部分を構成することをいう。ただし、上記式(1)で表される部分構造が主鎖以外の部分、例えば側鎖(重合体の「幹」から分岐した部分)にも存在することを排除するものではない。「有機基」とは、炭化水素基を含む基を意味し、構造中にヘテロ原子を含んでいてもよい。
≪重合体(A)≫
本開示の液晶配向剤は、上記式(1)で表される部分構造を有する重合体(A)を含有する。上記式(1)において、A及びAの芳香環基は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香環から2個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。なお、A及びAの芳香環基は、環部分に置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。A及びAは、液晶分子との親和性の観点及び残像を抑制する観点から、中でも置換又は無置換のフェニレン基であることが好ましく、1,4−フェニレン基であることがより好ましい。
及びRの1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、エポキシ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。R及びRのハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。R及びRは、好ましくは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、水酸基又はフェニル基である。Yは、単結合、−O−又は−CO−であることが好ましく、単結合が特に好ましい。
重合体(A)の主骨格は特に限定されないが、例えばポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリオルガノシロキサン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等を主骨格とする重合体が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを含むことを意味する。
これらの中でも、耐熱性や機械的強度、液晶との親和性、上記式(1)で表される部分構造の重合体主鎖への導入しやすさ等の観点から、重合体(A)は、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル及びポリアミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。重合体(A)は、上記式(1)で表される部分構造を主鎖中に有する重合体であることが特に好ましく、具体的には、上記式(1)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸二無水物及び上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位を有する重合体であることが好ましい。なお、以下では、上記式(1)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸二無水物を「特定酸二無水物」ともいい、上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物を「特定ジアミン」ともいう。
<特定酸二無水物>
特定酸二無水物は、上記式(1)で表される部分構造を有している限り、その余の構造は特に限定されない。好ましい具体例としては、上記式(2)で表される化合物が挙げられる。上記式(2)において、R及びRは、芳香族環、脂肪族環又は複素環の環部分から3個の水素原子を取り除いた3価の基である。好ましくは、芳香族環基又は脂環式基であり、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロペンタン環又はシクロヘキサン環の環部分から3個の水素原子を取り除いた基であり、さらに好ましくは、ベンゼン環又はシクロヘキサン環の環部分から3個の水素原子を取り除いた基である。
及びXの2価の有機基は、炭素数1〜10のアルカンジイル基、当該アルカンジイル基の少なくとも1個のメチレン基を−O−、−CO−、−COO−、−NR−、−CONR−で置き換えた基等が挙げられる。Rは、水素原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基又はtert−ブトキシカルボニル基であることが好ましい。これらのうち、X及びXは、−COO−又は−CONR−が好ましい。
及びRの置換基としては、例えば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、エステル基等が挙げられる。Y、R及びRについては、上記(1)のY、R及びRの説明が適用される。
n1及びn2は、0又は1が好ましい。m1及びm2は、少なくとも一方が1であることが好ましく、両方が1であることがより好ましい。なお、上記式(2)中のm1が0の場合、式(2)中のカルボニル基に結合するベンゼン環に酸無水物基が直接結合した構造を有する。また、上記式(2)中のm2が0の場合、式(2)中のYに結合するベンゼン環に酸無水物基が直接結合した構造を有する。
特定酸二無水物の好ましい具体例としては、例えば下記式(2−1)〜式(2−7)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。なお、下記式(2−1)〜式(2−4)が、m1=m2=1の化合物に相当し、下記式(2−5)がm1=1かつm2=0の化合物に相当する。下記式(2−6)がm1=m2=0の化合物に相当し、下記式(2−7)がm1=0かつm2=1の化合物に相当する。特定酸二無水物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2017173454
(式(2−1)〜式(2−7)中、R及びRは、上記式(1)と同義である。式中の複数個のR、Rは、互いに同じでも異なっていてもよい。)
<特定ジアミン>
特定ジアミンは、上記式(1)で表される部分構造を有している限り、その余の構造は特に限定されない。好ましい具体例としては、例えば下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017173454
(式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に置換基である。X及びXは、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−NR10−、−CONR10−又は2価の有機基であり、R10は、水素原子又は1価の有機基である。Yは、単結合、−O−、−CO−又はメチレン基である。n3及びn4は、それぞれ独立に0〜4の整数である。n3が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよく、n4が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。m3及びm4は、それぞれ独立に0又は1である。)
上記式(3)において、Y、R及びRは、上記(1)のY、R及びRの説明が適用される。R及びRについては、上記(2)のR及びRの説明が適用され、X及びXについては、上記(2)のX及びXの説明が適用される。n3及びn4は、0又は1が好ましい。m3及びm4は、m3+m4が0又は1であることが好ましい。
特定ジアミンの好ましい具体例としては、例えば下記式(3−1)〜式(3−8)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。なお、特定ジアミンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2017173454
(式(3−1)〜式(3−8)中、R及びRは、上記式(1)と同義である。式中の複数個のR、Rは、互いに同じでも異なっていてもよい。)
特定酸二無水物及び特定ジアミンは、有機化学の定法を適宜組み合わせることによって合成することができる。一例を挙げると、特定酸二無水物は、例えば上記式(1)で表される部分構造を有する二官能化合物と、酸無水物基を有しかつ当該二官能化合物と反応してX,Xを形成する化合物とを反応させることにより得ることができる。また、特定ジアミンは、例えば上記式(1)で表される部分構造を有する二官能化合物と、ニトロフェニル基を有しかつ当該二官能化合物と反応してX,Xを形成する化合物とを反応させ、次いでニトロ基をアミノ基へ還元する方法、アセチレンのカルボニル化等により得ることができる。ただし、特定酸二無水物及び特定ジアミンの合成方法は上記に限定されない。
重合体(A)の合成方法は特に限定されず、主骨格に応じた方法を用いて合成することができる。例えば重合体(A)がポリアミック酸の場合、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させることにより得ることができる。このとき、特定酸二無水物及び特定ジアミンの少なくとも一方をモノマーに用いて重合することが好ましい。
重合体(A)としてのポリアミック酸の合成に際し、テトラカルボン酸二無水物としては特定酸二無水物のみを用いてもよいが、特定酸二無水物以外のその他のテトラカルボン酸二無水物を使用してもよい。その他のテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物等を;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等を;芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)等を;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。その他のテトラカルボン酸二無水物は、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ポリアミック酸の合成に際して使用するジアミン化合物は特定ジアミンのみであってもよいが、特定ジアミン以外のその他のジアミンを使用してもよい。その他のジアミンの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等を;脂環式ジアミンとして、例えばp−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等を;
芳香族ジアミンとして、例えばドデカノキシジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシジアミノベンゼン、オクタデカノキシジアミノベンゼン、コレスタニルオキシジアミノベンゼン、コレステリルオキシジアミノベンゼン、ジアミノ安息香酸コレスタニル、ジアミノ安息香酸コレステリル、ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、2,5−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン、下記式(E−1)
Figure 2017173454
(式(E−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−であり、Rは炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、dは0又は1である。ただし、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物等の側鎖型ジアミン:
p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−エチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、ビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、ビス(4−アミノフェニル)アミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)−ピペラジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−(4−アミノフェノキシカルボニル)−1−(4−アミノフェニル)ピペリジン、4,4’−[4,4’−プロパン−1,3−ジイルビス(ピペリジン−1,4−ジイル)]ジアニリン等の非側鎖型ジアミンを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン等を;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミン化合物を用いることができる。
上記式(E−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(E−1−1)及び式(E−1−2)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 2017173454
その他のジアミンは、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(ポリアミック酸の合成)
ポリアミック酸は、上記のようなテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、必要に応じて分子量調整剤(例えば、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物等)とともに反応させることによって得ることができる。ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましい。ポリアミック酸の合成に際しては、光照射によって塗膜に十分に高い液晶配向能を付与する観点から、特定酸二無水物と特定ジアミンとの合計量を、合成に使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の全量に対して、5モル%以上とすることが好ましく、10モル%以上とすることがより好ましく、20モル%以上とすることがさらに好ましい。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は−20℃〜150℃が好ましく、反応時間は0.1〜24時間が好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等が挙げられる。特に好ましい有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と、他の有機溶媒(例えばブチルセロソルブ、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)との混合物である。有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の合計量が、反応溶液の全量に対して、0.1〜50質量%になる量とすることが好ましい。ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
重合体(A)としてのポリアミック酸エステルは、例えばテトラカルボン酸ジエステル化合物とジアミン化合物とを反応させる方法によって得ることができる。使用するテトラカルボン酸ジエステル化合物は、ポリアミック酸の合成で例示した特定酸二無水物及びその他のテトラカルボン酸二無水物を、例えばメタノールやエタノール等のアルコール類と反応させることによって得ることができる。使用するジアミン化合物の具体例としては、上記の特定ジアミン及びその他のジアミンが挙げられる。
上記反応に供されるテトラカルボン酸ジエステル化合物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸ジエステル化合物のカルボキシル基が0.2〜2当量となる割合が好ましい。上記反応は、好ましくは脱水触媒及び塩基の存在下、有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は−20℃〜150℃が好ましく、反応時間は0.1〜24時間とすることが好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に使用することができる有機溶媒の説明を適用することができる。脱水触媒としては、例えば4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムハライド、カルボニルイミダゾール、リン系縮合剤等が挙げられる。塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミンを好ましく使用できる。以上のようにして得られる反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸エステルを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。
重合体(A)としてのポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存する部分イミド化物であってもよい。反応に使用するポリイミドは、そのイミド化率が20〜99%であることが好ましく、30〜90%であることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われることが好ましい。脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、反応時間は、好ましくは1.0〜120時間である。こうして得られたポリイミドを含有する反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
重合体(A)としてのポリアミドは、例えばジカルボン酸とジアミン化合物とを反応させる方法等によって得ることができる。ここで、ジカルボン酸は、例えば塩化チオニル等の適当な塩素化剤を用いて酸クロリド化した後にジアミン化合物との反応に供することが好ましい。
ポリアミドの合成に使用するジカルボン酸は特に制限されないが、例えばシュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロブタンジカルボン酸、1−シクロブテンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、4−カルボキシ桂皮酸、3,3’−[4,4’−(メチレンジ−p−フェニレン)]ジプロピオン酸、4,4’−[4,4’−(オキシジ−p−フェニレン)]二酪酸等の芳香族ジカルボン酸;等が挙げられる。上記合成に使用するジアミン化合物は、特定ジアミンのみであってもよく、その他のジアミンを併用してもよい。特定ジアミンの使用割合は、ポリアミドの合成に使用するジアミン化合物の全量に対して、10モル%以上とすることが好ましく、20モル%以上とすることがより好ましい。ジカルボン酸及びジアミン化合物は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用することができる。
ジカルボン酸とジアミン化合物との反応は、好ましくは塩基の存在下、有機溶媒中において行われる。このとき、ジカルボン酸とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、ジカルボン酸のカルボキシル基が0.2〜2当量となる割合が好ましい。反応温度は0℃〜200℃とすることが好ましく、反応時間は0.5〜48時間とすることが好ましい。有機溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等を好ましく使用することができる。塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン等の3級アミンを好ましく使用することができる。塩基の使用割合は、ジアミン化合物1モルに対して2〜4モルとすることが好ましい。上記反応により得られる溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
重合体(A)の溶液粘度は、濃度10質量%の溶液としたときに10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、溶液粘度(mPa・s)は、重合体(A)の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等)を用いて調製した濃度10質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000である。Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。なお、液晶配向剤に含有させる重合体(A)は1種のみでもよく、又は2種以上を組み合わせてもよい。
液晶配向剤の重合体成分として重合体(A)を用いることにより、良好なAC残像特性及びコントラスト特性を示す液晶配向膜が得られる。こうした効果は、感光基として上記式(1)で表される部分構造を用いることにより光分解によって塗膜に異方性が発現されたことによるものと考えられる。ただし、これはあくまで推測であり、本開示の内容を限定するものではない。
≪その他の成分≫
本開示の液晶配向剤は、上記の如き重合体(A)を含有するが、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。当該液晶配向剤に添加してもよいその他の成分としては、例えば、上記式(1)で表される部分構造を有さない重合体(以下「その他の重合体」という。)、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物、官能性シラン化合物、光重合性化合物、酸化防止剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤等が挙げられる。上記その他の重合体について、その主骨格は特に限定されず、例えばポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリアミド、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等を主骨格とする重合体が挙げられる。その他の成分の配合割合は、本開示の効果を損なわない範囲で、各化合物に応じて適宜選択することができる。
液晶配向剤中における重合体(A)の含有割合は、液晶配向剤を用いて得られる塗膜に対し、光照射によって液晶分子の配向規制力を十分に付与する観点から、液晶配向剤中の固形成分(溶媒以外の成分)の合計100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上である。
<溶剤>
本開示の液晶配向剤は、重合体(A)及び必要に応じて使用されるその他の成分が、好ましくは適当な溶媒中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
使用する有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,2−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。すなわち、液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1質量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
≪液晶配向膜及び液晶素子≫
本開示の液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。また、本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の動作モードは特に限定されず、例えばTN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS(In-Plane Switching)型、FFS(fringe field switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型など種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1〜工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は各動作モード共通である。
(工程1:塗膜の形成)
先ず基板上に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を用いる。一方、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。基板への液晶配向剤の塗布は、電極形成面上に、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法により行う。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて、重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜300℃であり、ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmである。
(工程2:配向処理)
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦ることによって塗膜に液晶配向能を付与するラビング処理、基板上に形成した塗膜に光照射を行って塗膜に液晶配向能を付与する光配向処理等が挙げられ、光配向法を特に好ましく適用することができる。一方、垂直配向型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
光配向のための光照射は、ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、等により行うことができる。塗膜に照射する放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。好ましくは、200〜400nmの波長の光を含む紫外線である。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。放射線の照射量は、好ましくは400〜50,000J/mであり、より好ましくは1,000〜20,000J/mである。配向能付与のための光照射後において、基板表面を例えば水、有機溶媒(例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル等)又はこれらの混合物を用いて洗浄する処理や、基板を加熱する処理を行ってもよい。
(工程3:液晶セルの構築)
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば、液晶配向膜が対向するように間隙を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後に注入孔を封止する方法や、ODF方式による方法等がある。製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等が用いられる。
続いて、必要に応じて液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせ、液晶素子とする。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板が挙げられる。
本開示の液晶素子は種々の用途に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置や、調光フィルム等に用いることができる。また、本開示の液晶配向剤を用いて形成された液晶素子を位相差フィルムとして用いることもできる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の例において、重合体の重量平均分子量Mwは以下の方法により測定した。なお、以下では、「式Aで表される化合物」を単に「化合物A」と示すことがある。
[重合体の重量平均分子量Mw]:以下の条件におけるGPCにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
<化合物の合成>
[実施例1−1]
下記スキーム1に従って化合物(a−1)を合成した。
Figure 2017173454
デオキシアニソイン10.0g及び57wt%ヨウ化水素酸100mlを酢酸25mlに加え、この溶液を120℃にて12時間撹拌した。その後、酢酸エチル150ml及びテトラヒドロフラン50mlを入れ、本溶液を純水、チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて分液した後、これを濃縮し、中間体(a−1−1)を8.1g、純度99%で得た。次に、無水トリメリット酸クロリド14.9gをアセトニトリル60mlに溶解させ、この溶液を0℃に冷却した。この溶液に、中間体(a−1−1)8.1g及びピリジン5.6gをアセトニトリル140mlに溶解させた溶液を1時間かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温にて6時間撹拌した。次いで、この溶液を濃縮し、そこへ無水酢酸40.0gを加えて、100℃にて6時間撹拌した。その後、室温まで放冷後、析出した白色固体をろ過し乾燥させ、化合物(a−1)を16.7g、純度99%で得た。
[実施例1−2]
下記スキーム2に従って化合物(b−1)を合成した。
Figure 2017173454
ビス(4−アミノフェニル)アセチレン10.0gをギ酸50mlに加えて、100℃にて8時間撹拌した。その後、室温まで放冷後、酢酸エチル200ml及びテトラヒドロフラン50mlを入れ、本溶液を水酸化ナトリウム水溶液、純水にて分液した後、これを濃縮し、黄土色固体の化合物(b−1)を8.5g、純度99%で得た。
<重合体の合成>
[実施例2−1]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−1)100モル部、及びジアミン化合物としてパラフェニレンジアミン100モル部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、60℃で4時間反応を行い、ポリアミック酸を20質量%含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸(これを重合体(A−1)とする。)の重量平均分子量Mwは30,000であった。
[実施例2−2〜2−6, 2−8, 2−9及び合成例1−1,1−2]
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の種類及び量を下記表1のとおり変更した以外は上記実施例2−1と同様にしてポリアミック酸をそれぞれ合成した。
[実施例2−7:重合体(A−7)の合成]
2,4−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジメチルシクロブタン−1,3−ジカルボン酸10.0gを塩化チオニル20mlに加え、N,N−ジメチルホルムアミドを触媒量添加し、その後80℃にて1時間攪拌した。その後、反応液を濃縮し、残留物をγ-ブチロラクトン(GBL)113gに溶解した(この溶液を反応液(A)とした。)。別途、化合物(b−1)8.3gをピリジン6.9g、NMP44.5g及びGBL33.5gに加えて溶解させ、これを0℃に冷却した。次いで、この溶液へ反応液(A)を1時間かけてゆっくりと滴下し、滴下終了後、室温にて4時間撹拌した。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、800mlの純水に撹拌しながら滴下し、析出した沈殿物をろ過した。続いて、400mlのイソプロピルアルコール(IPA)で5回洗浄し、乾燥することでポリマー粉末14.3gを得た。得られたポリアミック酸エステル(これを重合体(A−7)とする。)の重量平均分子量Mwは30,000であった。
Figure 2017173454
表1中、テトラカルボン酸誘導体及びジアミン化合物の括弧内の数値は、重合体の合成に使用したテトラカルボン酸誘導体の合計100モル部に対する各化合物の使用割合[モル部]を表す。表1中の略称はそれぞれ以下の意味である。
<テトラカルボン酸誘導体>
a−1:上記式(a−1)で表される化合物
d−1:エチレンジアミン四酢酸二無水物
d−2:1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
d−3:2,4−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジメチルシクロブタン−1,3−ジカルボン酸
d−4:1,3−プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)
d−5:ブタン−1,2:3,4−テトラカルボン酸二無水物
<ジアミン化合物>
b−1:上記式(b−1)で表される化合物
c−1:p−フェニレンジアミン
c−2:p−シクロヘキサンジアミン
c−3:1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン
c−4: ヘキサメチレンジアミン
c−5:1,4−ビス(4−アミノフェニル)−ピペラジン
c−6: エチレンジアミン
c−7:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル
c−8:4,4’−ジアミノジフェニルアミン
c−9:4,4’−エチレンジアニリン
<液晶配向剤の調製及び評価>
[実施例3−1]
1.液晶配向剤の調製
重合体(A)として上記実施例2−1で得た重合体(A−1)を含有する溶液に、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=70:30(質量比)、固形分濃度3.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤を調製した。
2.光FFS型液晶表示素子の製造
図1に示すFFS型液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極15、絶縁層14としての窒化ケイ素膜、及び櫛歯状にパターニングされたトップ電極13がこの順で形成された電極対を片面に有するガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの透明電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、それぞれ上記1.で調製した液晶配向剤を、スピンナーを用いて塗布して塗膜を形成した。
使用したトップ電極13の平面模式図を図2に示した。なお、図2(a)は、トップ電極13の上面図であり、図2(b)は、図2(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、電極の線幅d1を4μm、電極間の距離d2を6μmとした。トップ電極13としては、電極A、電極B、電極C及び電極Dの4系統の駆動電極を用いた(図3)。ボトム電極15は、4系統の駆動電極のすべてに作用する共通電極として働き、4系統の駆動電極の領域のそれぞれが画素領域となる。
スピンナーによる塗膜の形成後、塗膜を80℃のホットプレートで1分間プレベークを行い、庫内を窒素置換したオーブン中で、230℃で1時間加熱(ポストベーク)した。その後、塗膜の各表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて偏光紫外線3,000J/mを照射して、液晶配向膜を有する一対の基板を得た。このとき、偏光紫外線の照射方向は基板法線方向からとし、偏光紫外線の偏光面を基板に投影した線分の方向が図2(b)中の両頭矢印の方向となるように偏光面方向を設定したうえで光照射処理を行った。光照射した後、庫内を窒素置換したオーブン中で、230℃で1時間加熱(追加ベーク)して、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。
次いで、上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、偏光紫外線の偏光面を基板へ投影した方向が平行となるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口から基板間隙に、メルク社製液晶「MLC−7028」を充填した後、エポキシ樹脂接着剤で液晶注入口を封止した。その後、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃まで加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせることによりFFS型液晶表示素子を製造した。このとき、偏光板のうちの1枚は、その偏光方向が液晶配向膜の偏光紫外線の偏光面の基板面への射影方向と平行となるように貼付し、もう1枚はその偏光方向が先の偏光板の偏光方向と直交するように貼付した。
また、上記の一連の操作を、ポストベーク後の紫外線照射量を100〜10,000J/mの範囲でそれぞれ変更して実施することにより、紫外線照射量が異なる3個以上の液晶表示素子を製造した。
3.液晶表示素子の評価
上記2.で製造した液晶表示素子を用いて以下の(1)の評価を行った。また、偏光板の貼り合わせをしなかった点以外は上記2.と同様の操作を行うことにより液晶表示素子(偏光板の貼り合わせをしていない液晶セル)を製造し、以下の(2)の評価を行った。なお、評価結果については、紫外線照射量が異なる3個以上の液晶表示素子の中から最良な結果を選び出した。
(1)AC残像特性の評価
上記2.で製造したFFS型液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下においた。ボトム電極を4系統の駆動電極すべての共通電極として、ボトム電極の電位を0V電位(グランド電位)に設定した。電極B及び電極Dを共通電極と短絡して0V印加状態としつつ、電極A及び電極Cに交流電圧5Vからなる合成電圧を100時間印加した。100時間経過後、直ちに電極A〜電極Dのすべてに交流1.5Vの電圧を印加した。そして、電極A〜電極Dのすべてに交流1.5Vの電圧を印加し始めた時点から、駆動ストレス印加領域(電極A及び電極Cの画素領域)と駆動ストレス非印加領域(電極B及び電極Dの画素領域)との輝度差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定し、これを残像消去時間Tsとした。なお、この時間が短いほど、残像が生じ難いこととなる。残像消去時間Tsが30秒未満であった場合を「良好(○)」、30秒以上120秒未満であった場合を「可(△)」、120秒以上であった場合を「不良(×)」として評価したところ、本実施例の液晶表示素子は残像特性「良好」と評価された。
(2)駆動ストレス後のコントラストの評価
上記2.で製造した液晶表示素子を、交流電圧10Vで30時間駆動した後に光源と光量検出器の間に偏光子と検光子を配置した装置を使用して、下記数式(1)で表される最小相対透過率(%)を測定した。
最小相対透過率(%)=(β−B)/(B100−B)×100 …(1)
(数式(1)中、Bは、ブランクでクロスニコル下の光の透過量である。B100は、ブランクでパラニコル下の光の透過量である。βは、クロスニコル下で偏光子と検光子の間に液晶表示素子を挟み、最小となる光透過量である。)
暗状態の黒レベルは液晶表示素子の最小相対透過率で表され、暗状態での黒レベルが小さいほどコントラストが優れる。最小相対透過率が0.5%未満のものを「良好(○)」とし、0.5%以上1.0%未満のものを「可(△)」とし、1.0%以上のものを「不良(×)」とした。その結果、この液晶表示素子のコントラスト評価は「良好」と判断された。
[実施例3−2、3−4、3−5、3−7及び比較例1−1]
使用する重合体の種類を下記表2に示す通り変更した以外は上記実施例3−1と同じ溶剤比及び固形分濃度で液晶配向剤をそれぞれ調製した。また、それぞれの液晶配向剤を用いて実施例3−1と同様にして液晶表示素子を製造するとともに、得られた液晶表示素子を用いて各種評価を行った。その結果を下記表2に示した。なお、表2中、重合体欄の括弧内の数値は、液晶配向剤の調製に使用した重合体成分の合計100質量部に対する各重合体の配合割合[質量部]を示す。
[実施例3−3]
使用する重合体の種類を重合体(A−3)に変更した点以外は、上記実施例3−1と同じ溶剤比及び固形分濃度で液晶配向剤を調製した。また、本実施例で調製した液晶配向剤を用いた点、及び偏光紫外線による光配向処理を実施した後であって追加ベークする前に、基板を純水/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶液に3分間浸漬させ、次いで純水に1分間浸漬させる処理を行い、その後に追加ベークを実施した点以外は上記実施例3−1と同様にして液晶表示素子を製造するとともに、得られた液晶表示素子を用いて各種評価を行った。その結果を下記表2に示した。
[実施例3−6]
1.液晶配向剤の調製
重合体(A)として上記実施例2−7で得た粉末の重合体(A−7)3.0gを、NMP19.4g、及びGBL67.9gの混合溶液へ加えて十分に撹拌して溶解させた。次いで、BC9.7gを加えて撹拌することで、溶媒組成がNMP:GBL:BC=20:70:10(質量比)、固形分濃度3.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤を調製した。
2.液晶表示素子の製造及び評価
本実施例で調製した液晶配向剤を用いて実施例3−3と同様にして液晶表示素子を製造するとともに、得られた液晶表示素子を用いて各種評価を行った。その結果を下記表2に示した。
[実施例3−8、3−10]
使用する重合体の種類を下記表2に示す通り変更した以外は上記実施例3−1と同じ溶剤比及び固形分濃度で液晶配向剤をそれぞれ調製した。また、本実施例で調製した液晶配向剤を用いた点、及び、上記実施例3−1においてスピンナーによる塗膜の形成後にプレベーク、ポストベーク、紫外線照射及び追加ベークをこの順で行った点に替えて、プレベーク、紫外線照射及びポストベークをこの順で行った点以外は上記実施例3−1と同様にして液晶表示素子を製造するとともに、得られた液晶表示素子を用いて各種評価を行った。なお、プレベーク条件、ポストベーク条件及び紫外線照射条件は実施例3−1と同じとした。評価結果を下記表2に示した。
[実施例3−9]
上記実施例3−6で調製した液晶配向剤を用いた点以外は、上記実施例3−8と同様にして液晶表示素子を製造するとともに、得られた液晶表示素子を用いて各種評価を行った。その結果を下記表2に示した。
Figure 2017173454
重合体(A)を含む液晶配向剤を用いて製造した液晶表示素子は、AC残像特性及びコントラスト特性の評価が、いずれの実施例も「良好」又は「可」であった(実施例3−1〜実施例3−10)。これに対し、重合体(A)を含まない比較例の液晶配向剤では、AC残像特性及びコントラスト特性が実施例のものよりも劣っていた。
10…液晶表示素子、11a,11b…ガラス基板、12…液晶配向膜、13…トップ電極、14…絶縁層、15…ボトム電極、16…液晶層

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される部分構造を有する重合体(A)を含有する液晶配向剤。
    Figure 2017173454
    (式(1)中、A及びAは、それぞれ独立に芳香環基であり、環部分に置換基を有していてもよい。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基である。Yは、単結合、−O−、−CO−又はメチレン基である。「*」は結合手であることを示す。)
  2. 前記重合体(A)は、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル及びポリアミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記重合体(A)は、上記式(1)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸二無水物及び上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位を有する重合体である、請求項2に記載の液晶配向剤。
  4. 上記式(1)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸二無水物は、下記式(2)で表される化合物である、請求項3に記載の液晶配向剤。
    Figure 2017173454
    (式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に置換基であり、R及びRは、それぞれ独立に芳香環基、脂環式基又は複素環基である。X及びXは、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−NR−、−CONR−又は2価の有機基であり、Rは、水素原子又は1価の有機基である。Yは、単結合、−O−、−CO−又はメチレン基である。n1及びn2は、それぞれ独立に0〜4の整数である。n1が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよく、n2が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。m1及びm2は、それぞれ独立に0又は1である。)
  5. 上記式(1)で表される部分構造を有するジアミン化合物は、下記式(3)で表される化合物である、請求項3又は4に記載の液晶配向剤。
    Figure 2017173454
    (式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に置換基である。X及びXは、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−NR10−、−CONR10−又は2価の有機基であり、R10は、水素原子又は1価の有機基である。Yは、単結合、−O−、−CO−又はメチレン基である。n3及びn4は、それぞれ独立に0〜4の整数である。n3が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよく、n4が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。m3及びm4は、それぞれ独立に0又は1である。)
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜に光照射する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  8. 請求項7に記載の液晶配向膜を具備する液晶素子。
  9. ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル及びポリアミドから選ばれ、かつ下記式(1)で表される部分構造を有する重合体。
    Figure 2017173454
    (式(1)中、A及びAは、それぞれ独立に芳香環基であり、環部分に置換基を有していてもよい。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基である。Yは、単結合、−O−、−CO−又はメチレン基である。「*」は結合手であることを示す。)
  10. 下記式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物。
    Figure 2017173454
    (式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に置換基であり、R及びRは、それぞれ独立に芳香環基、脂環式基又は複素環基である。X及びXは、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−NR−、−CONR−又は2価の有機基であり、Rは、水素原子又は1価の有機基である。Yは、単結合、−O−、−CO−又はメチレン基である。n1及びn2は、それぞれ独立に0〜4の整数である。n1が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよく、n2が2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。m1及びm2は、それぞれ独立に0又は1である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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