JP2017170380A - 二酸化炭素吸着材および真空断熱材、並びにその利用 - Google Patents

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Yasushige Kuroda
泰重 黒田
貴広 大久保
Takahiro Okubo
貴広 大久保
晃 織田
Akira Oda
晃 織田
湧太 坂元
Yuta Sakamoto
湧太 坂元
湯淺 明子
Akiko Yuasa
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Abstract

【課題】 二酸化炭素を良好に吸着するA型ゼオライトを含有する二酸化炭素吸着材と、これを用いた真空断熱材等の利用技術を提供する。【解決手段】 二酸化炭素吸着材は、少なくとも、カルシウムイオンを含有するA型ゼオライトで構成される。当該A型ゼオライトにおけるカルシウムイオンと酸素原子との間のばね定数は、140N/m以上180N/m以下である。ばね定数は、例えば、二酸化炭素を吸着していない状態のA型ゼオライトを、遠赤外線FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)により測定したときに、波数189±10cm-1のピークを検出することで確認することができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、大容量で二酸化炭素を吸着することができる二酸化炭素吸着材と、これを用いた真空断熱材と、これらの利用と、に関する。
二酸化炭素(炭酸ガス、CO2 )は、化石燃料を燃焼させることにより生じる排気ガスに多く含まれ、また、さまざまな工業プロセスの過程で生じる副生ガス等にも含まれる。二酸化炭素は、主要な温室効果ガスであるため、排気ガスまたは副生ガスから二酸化炭素を分離して回収することが試みられている。このような二酸化炭素の分離回収方法の一つとして、二酸化炭素吸着材(吸着剤)の使用が知られている。
二酸化炭素吸着材は、排気ガス等から二酸化炭素を分離回収する用途だけでなく、生鮮食品の鮮度保持剤、閉鎖空間内(宇宙または海中等)での二酸化炭素の回収除去、全身麻酔時に呼気に含まれる二酸化炭素を除去する麻酔用二酸化炭素吸収剤等にも利用されている。
代表的な二酸化炭素吸着材としては、ゼオライトを用いたものが挙げられる。例えば、特許文献1には、ガス混合物から二酸化炭素等を分離するための多孔性複合材が開示されており、この多孔性複合材には、A型ゼオライト、βゼオライト、X型ゼオライト、およびY型ゼオライトの少なくともいずれかを用いたマイクロ微粒子状ゼオライトが含まれている。
また、特許文献2には、ゼオライトを用いた二酸化炭素の除去方法が開示されており、このゼオライトは、骨格ケイ素/アルミニウムの原子比を限定するとともに、イオン交換可能なカチオンの主たるイオンをアルカリ金属イオンに限定したX型ゼオライトである。さらに、特許文献3には、ゼオライト成形体を用いた二酸化炭素の吸着分離方法が開示されており、このゼオライト成形体は、シリカ/アルミナのモル比を限定した低シリカX型ゼオライトを主成分として含んでいる。
特開2000−325782号公報 特開2000−140549号公報 特開2002−018226号公報
特許文献1では、前記の通り、多孔性複合材に含まれるマイクロ微粒子状ゼオライトとして、A型ゼオライトまたはX型ゼオライト、もしくはその混合物が望ましいと記載されている。ところが、特許文献2および3では、代表的なA型ゼオライトはX型ゼオライトに比べ細孔径が小さいため、二酸化炭素の吸着性能に劣ることが記載されている。このように、従来では、A型ゼオライトは、二酸化炭素吸着材として使用可能であるものの、X型ゼオライト等に比べて二酸化炭素の吸着性能に劣ることが知られている。
なお、特許文献1の実施例では、A型ゼオライトおよびX型ゼオライトを製造し、これらゼオライトについて窒素および酸素の捕捉結果を示しているが、二酸化炭素の吸着に関しては具体的な実施例の記載がない。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、二酸化炭素を良好に吸着するA型ゼオライトを含有する二酸化炭素吸着材と、これを用いた真空断熱材等の利用技術を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、例えばイオン交換等によって、A型ゼオライトにカルシウムイオンを導入することにより、カルシウムイオンと酸素原子との間のばね定数を所定の範囲内に限定することで、良好な吸着性能を有するA型ゼオライトを得ることができ、このA型ゼオライトを用いることで、有用な二酸化炭素吸着材が得られることを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る二酸化炭素吸着材は、前記の課題を解決するために、少なくとも、カルシウムイオンを含有するA型ゼオライトで構成され、当該A型ゼオライトにおけるカルシウムイオンと酸素原子との間のばね定数が、140N/m以上180N/m以下である構成である。
前記構成によれば、カルシウムイオンを含有するA型ゼオライトにおいて、カルシウムイオン(Ca2+)と酸素原子(O)との間のばね定数が前記の範囲であると、通常のA型ゼオライトに比べてカルシウムイオン−酸素原子間でより弱い相互作用を呈し、ばね定数が小さくなる(従来のA型ゼオライトのばね定数は約210N/m)。カルシウムイオンと酸素原子との相互作用を「弾性体」に見立てれば、ばね定数が小さくなると「柔らかい弾性体」になるので、従来のA型ゼオライトに比べてカルシウムイオン−酸素原子間の距離が伸縮しやすくなると考えられる。このようなカルシウムイオン−酸素原子間の伸縮しやすさが、従来のA型ゼオライトと比較して二酸化炭素の吸着性能の向上に寄与するため、結果として、二酸化炭素を良好に吸着する二酸化炭素吸着材を得ることができる。
また、本発明には、外被材と、当該外被材の内部において減圧密閉状態で封入される芯材と、当該芯材とともに封入される気体吸着材とを備え、前記気体吸着材には、前記構成の二酸化炭素吸着材が含まれる構成の真空断熱材も含まれる。
また、本発明には、前記構成の二酸化炭素吸着材を含有し、混合ガスからの二酸化炭素の分離回収、食品の鮮度保持、閉鎖空間内での二酸化炭素の除去、および、麻酔時の呼気に含まれる二酸化炭素の除去の少なくともいずれかに用いられる構成の気体吸着材も含まれる。
本発明では、以上の構成により、二酸化炭素を良好に吸着するA型ゼオライトを含有する二酸化炭素吸着材と、これを用いた真空断熱材等の利用技術を提供することができる、という効果を奏する。
本発明に係る二酸化炭素吸着材が含有するA型ゼオライトの骨格構造を示す模式図である。 本発明に係る二酸化炭素吸着材が含有するA型ゼオライト、および、従来のA型ゼオライトにおける遠赤外線FT−IRスペクトルの一例を示すチャートである。 本発明に係る二酸化炭素吸着材が含有するA型ゼオライト、および、従来のA型ゼオライトにおける、二酸化炭素を吸着していない状態および吸着した状態におけるFT−IRスペクトルの一例を示すチャートである。 本発明に係る二酸化炭素吸着材を備える真空断熱材の一例を示す模式的断面図である。
本発明に係る二酸化炭素吸着材は、少なくとも、カルシウムイオンを含有するA型ゼオライトで構成され、当該A型ゼオライトにおけるカルシウムイオンと酸素原子との間のばね定数が、140N/m以上180N/m以下である構成である。
前記構成によれば、カルシウムイオンを含有するA型ゼオライトにおいて、カルシウムイオン(Ca2+)と酸素原子(O)との間のばね定数が前記の範囲であると、通常のA型ゼオライトに比べてカルシウムイオン−酸素原子間でより弱い相互作用を呈し、ばね定数が小さくなる(従来のA型ゼオライトのばね定数は約210N/m)。カルシウムイオンと酸素原子との相互作用を「弾性体」に見立てれば、ばね定数が小さくなると「柔らかい弾性体」になるので、従来のA型ゼオライトに比べてカルシウムイオン−酸素原子間の距離が伸縮しやすくなると考えられる。このようなカルシウムイオン−酸素原子間の伸縮しやすさが、従来のA型ゼオライトと比較して二酸化炭素の吸着性能の向上に寄与するため、結果として、二酸化炭素を良好に吸着する二酸化炭素吸着材を得ることができる。
前記構成の二酸化炭素吸着材においては、前記A型ゼオライトが含有するカルシウムイオンのイオン交換率が80%以上である構成であってもよい。
前記構成によれば、従来のA型ゼオライトよりもCa2+のイオン交換率が高い(従来では、Ca2+のイオン交換率は80%未満)ため、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が前記の範囲内となる。これにより、従来よりも二酸化炭素の吸着性能が向上したA型ゼオライトを得ることができるので、二酸化炭素を良好に吸着する二酸化炭素吸着材を得ることができる。
また、前記構成の二酸化炭素吸着材においては、二酸化炭素を吸着していない状態の前記A型ゼオライトが、遠赤外線FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)による測定で、波数189±10cm-1のピークが検出されるものであってもよい。
前記構成によれば、二酸化炭素を吸着していない状態において、遠赤外線FT−IRで前記範囲の波数のピークが確認されれば、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が前記の範囲内となる。これにより、従来よりも二酸化炭素の吸着性能が向上したA型ゼオライトを得ることができるので、二酸化炭素を良好に吸着する二酸化炭素吸着材を得ることができる。
また、前記構成の二酸化炭素吸着材においては、二酸化炭素を吸着した状態の前記A型ゼオライトが、FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)による測定で、波数2370±3cm-1のピークが検出されるものであってもよい。
前記構成によれば、二酸化炭素を吸着した状態において、FT−IRで前記範囲の波数のピークが確認されれば、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が前記の範囲内となる。これにより、従来よりも二酸化炭素の吸着性能が向上したA型ゼオライトを得ることができるので、二酸化炭素を良好に吸着する二酸化炭素吸着材を得ることができる。
また、前記構成の二酸化炭素吸着材においては、二酸化炭素を吸着した状態の前記A型ゼオライトが、13C−NMR(核磁気共鳴分光法)による測定で、化学シフトδC =121.6±3.5ppmのシグナルが検出されるものであってもよい。
前記構成によれば、二酸化炭素を吸着した状態において、13C−NMRで前記範囲の化学シフトのシグナルが確認されれば、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が前記の範囲内となる。これにより、従来よりも二酸化炭素の吸着性能が向上したA型ゼオライトを得ることができるので、二酸化炭素を良好に吸着する二酸化炭素吸着材を得ることができる。
また、前記構成の二酸化炭素吸着材においては、二酸化炭素の平衡圧40Paにおける25℃での二酸化炭素の吸着量が28ml/g以上である構成であってもよい。
前記構成によれば、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が前記の範囲内であれば、前記平衡圧における二酸化炭素の吸着量が前記下限値以上となる。それゆえ、二酸化炭素を良好に吸着する二酸化炭素吸着材を得ることができる。
また、前記構成の二酸化炭素吸着材においては、二酸化炭素の平衡圧10Paにおける25℃での二酸化炭素の吸着量が10ml/g以上である構成であってもよい。
前記構成によれば、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が前記の範囲内であれば、前記平衡圧における二酸化炭素の吸着量が前記下限値以上となる。それゆえ、二酸化炭素を良好に吸着する二酸化炭素吸着材を得ることができる。
本発明に係る真空断熱材は、外被材と、当該外被材の内部において減圧密閉状態で封入される芯材と、当該芯材とともに封入される気体吸着材とを備え、前記気体吸着材には、前記構成の二酸化炭素吸着材が含まれる構成である。
前記構成によれば、真空断熱材の内部に、前記二酸化炭素吸着材を含む気体吸着材が設けられているので、外被材の内部に芯材が減圧密封された後に、芯材の微細な空隙等から放出される残留ガスに含まれる二酸化炭素、あるいは、封止部等からわずかに侵入する外気に含まれる二酸化炭素を良好に吸着除去することができる。これにより、真空断熱材の内部の真空度(減圧状態)を良好に維持することができるので、良好な品質の真空断熱材を得ることができる。
本発明に係る気体吸着材は、前記構成の二酸化炭素吸着材を含有し、混合ガスからの二酸化炭素の分離回収、食品の鮮度保持、閉鎖空間内での二酸化炭素の除去、および、麻酔時の呼気に含まれる二酸化炭素の除去の少なくともいずれかに用いられる構成である。
前記構成によれば、気体吸着材が前記二酸化炭素吸着材を含むので、混合ガスからの二酸化炭素の分離回収、生鮮食品の鮮度保持、閉鎖空間内での二酸化炭素の回収、および、麻酔時の呼気に含まれる二酸化炭素の除去のそれぞれの用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の代表的な実施の形態について具体的に説明する。
[カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数]
本発明に係る二酸化炭素吸着材は、カルシウムイオンを含有するA型ゼオライトを主成分とし、このA型ゼオライトにおけるカルシウムイオン(Ca2+)と酸素原子(O)との間のばね定数が、140〜180N/mの範囲内となっている。このばね定数は、A型ゼオライトに含まれるソーダライトケージにカルシウムイオンを1個導入したモデルに基づいて算出することができる。
図1に示すように、A型ゼオライト(LTA)は、ケイ素原子、アルミニウム原子、および酸素原子が立体的結合することにより、8個の切頂八面体が上下左右に所定の間隔を持って並列したような骨格構造を有している。なお、図1における上図では、骨格構造の1単位を線描で模式的に示しており、下図では、骨格構造を構成する切頂八面体を、各原子の結合状態が分かるように拡大して模式的に示している。下図における、黒い丸形がケイ素(Si)原子を示し、網掛けの丸形がアルミニウム(Al)原子を示し、白抜きの丸形が酸素(O)原子を示す。
8個の切頂八面体に囲まれた部分には、αケージと呼ばれる細孔(空隙構造)が構成される(上図の破線で囲んだ部分)。また、各切頂八面体には、βケージもしくはソーダライトケージ(SOD)と呼ばれる細孔(空隙構造)が含まれる。ソーダライトケージは、3個のケイ素原子と3個のアルミニウム原子とこれらの間に介在する6個の酸素原子とで構成される(下図の点線で囲んだ部分)。
本実施の形態では、このソーダライトケージ(βケージ)内にカルシウムイオン(Ca2+)を導入したモデルを用いて、密度汎関数計算により赤外振動数およびばね定数を計算し、これに基づいて、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数を算出している。
図2に示すように、従来のA型ゼオライト(点線で示す比較例のA型ゼオライト)は、遠赤外線FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)による測定で、波数ν1 =217cm-1付近にピークが検出される(図2における二点鎖線参照)。これに対して、本発明に係るA型ゼオライト(実線で示す実施例のA型ゼオライト)は、遠赤外線FT−IRによる測定で、波数ν1 =217cm-1のピークに加えて、波数ν2 =189±10cm-1のピークが検出される(図2における一点鎖線および斜線領域参照)。
波数ν1 のピークは、従来のA型ゼオライトのカルシウムイオン−酸素原子間の相互作用を示すピークであり、そのばね定数k1 =210N/m(0.21mdyne/Å)となる。これに対して、波数ν2 のピークは、本発明に係るA型ゼオライトにのみ現れるカルシウムイオン−酸素原子間の相互作用を示すピークであり、中央値である189cm-1を基準にすれば、そのばね定数k2 =160N/m(0.16mdyne/Å)となる。それゆえ、本発明に係るA型ゼオライトにおいては、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数は、140N/m以上180N/m以下(160N/m±20N/mの範囲内)となる。
本発明に係るA型ゼオライトの二酸化炭素の吸着量は特に限定されず、従来のA型ゼオライトよりも高ければよい。具体的には、例えば、25℃での二酸化炭素の平衡圧が10Paであれば、二酸化炭素の吸着量は10ml/g以上であればよい。あるいは、25℃での二酸化炭素の平衡圧が40Paであれば、二酸化炭素の吸着量は28ml/g以上であればよい。例えば、25℃での二酸化炭素の平衡圧が10Paの場合であれば、従来のA型ゼオライトの一例(後述する比較例1参照)では、その二酸化炭素の吸着量が7.5ml/gである。これに対して、本発明に係るA型ゼオライトの一例(後述する実施例1参照)では、二酸化炭素の吸着量は16.8ml/gに達する場合がある。
本発明に係るA型ゼオライトにおいて、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数は、前述したように、二酸化炭素を吸着していない状態で、遠赤外線FT−IRによる測定で、波数189±10cm-1(179〜199cm-1の範囲内)のピークが検出されることにより確認することができる。さらに、ばね定数の確認は、二酸化炭素を吸着した状態でのFT−IRまたは13C−NMR(核磁気共鳴分光法)による測定で確認することができる。
具体的には、まず、二酸化炭素を吸着した状態の前記A型ゼオライトをFT−IRにより測定したときに、波数2370±3cm-1(2367〜2373cm-1の範囲内)のピークが検出されれば、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が前記の範囲内にあると判定することができる。
図3に示すチャートは、上側が後述する実施例1の二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト)のFT−IRスペクトルであり、下側が後述する比較例1の二酸化炭素吸着材(出発原料である従来のA型ゼオライト)のFT−IRスペクトルである。
図3において点線で示すように、IR測定による二酸化炭素のピークは、通常、2350cm-1付近である。一般に、A型ゼオライトでは、構造中に含まれる2価イオンに二酸化炭素が吸着されると分子内で分極が生じるため、炭素原子−酸素原子間の距離が近づく。それゆえ、二酸化炭素を吸着したA型ゼオライトでは、二酸化炭素のピークは高波数側にシフトする。本発明に係るA型ゼオライトにおいても従来のA型ゼオライトにおいても、図3において一点鎖線で示す2360cm-1近傍のピーク、すなわち、2350cm-1から高波数側にシフトしたピークが検出される。
さらに、本発明に係るA型ゼオライトでは、2360cm-1近傍のピークに加えて、図3において二点鎖線で示す2370cm-1近傍(2367cm-1以上2373cm-1以下の範囲)にも強いピークが検出される。図3では、実施例の実線が二酸化炭素の平衡圧11.0Paのスペクトルであり、長破線が平衡圧6.0Paのスペクトルであり、短い破線が平衡圧2.7Paのスペクトルであるが、平衡圧6.0Paおよび2.7Paのスペクトルでは、2370cm-1近傍のピークが主たるピークとして検出されている。このように、平衡圧が相対的に低い場合には、二酸化炭素のIRピークがより高波数側にシフトする傾向にある。
本発明に係るA型ゼオライトでは、平衡圧が低い状態で二酸化炭素を吸着すると、従来のA型ゼオライトに比べて、2価イオン(カルシウムイオン)と二酸化炭素分子との間に弱い相互作用が生じるため、二酸化炭素分子の分極が大きくなると考えられる。また、同じ平衡圧11.0Paの場合であっても、本発明に係るA型ゼオライトのスペクトルでは、従来のA型ゼオライトに比べて非常に強いピークが検出される。図3に示す例では、従来のA型ゼオライトにおける、平衡圧11.0Paでの主たるピーク(2360cm-1近傍)の強さと、本発明に係るA型ゼオライトにおける、平衡圧2.7Paでの主たるピーク(2370cm-1近傍)の強さとが同程度である。これは、本発明に係るA型ゼオライトは、従来のA型ゼオライトに比べて、低い平衡圧でも二酸化炭素を良好に吸着できるとともに、同程度の平衡圧であれば、より大容量で二酸化炭素を吸着できることを示している。
次に、二酸化炭素を吸着した状態の前記A型ゼオライトを13C−NMRにより測定したときに、化学シフトδC =121.6±3.5ppmのシグナルが検出されれば、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が前記の範囲内にあると判定することができる。
13C−NMR測定による二酸化炭素のシグナルは、通常、125ppmである。従来のA型ゼオライトでは、二酸化炭素を吸着すると125.6ppmのシグナルが検出される(後述する比較例1参照)。本発明に係るA型ゼオライトでは、前述したように、吸着した二酸化炭素分子と2価イオン(カルシウムイオン)との間に、従来よりも弱い相互作用が生じると考えられる。それゆえ、本発明に係るA型ゼオライトでは、低シグナル側である121.6ppm前後にシフトしたシグナルが検出される。また、このシグナルのシフトからは、本発明に係るA型ゼオライトに二酸化炭素が吸着すると、静電的相互作用に加えてわずかに化学結合的な作用が生じている可能性が示唆される。
なお、後述する実施例1の結果に示すように、13C−NMR測定でもFT−IR測定と同様に、二酸化炭素の平衡圧が低くても、121.6ppm近傍にシグナルが検出される。それゆえ、本発明に係るA型ゼオライトは、従来のA型ゼオライトに比べて、低い平衡圧でも二酸化炭素を良好に吸着できるとともに、同程度の平衡圧であれば、より大容量で二酸化炭素を吸着できることが、13C−NMR測定の結果からも示される。
[カルシウムイオン交換A型ゼオライト]
カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が前記の範囲内となるA型ゼオライトの具体的な製造方法は特に限定されないが、代表的な製造方法としては、カルシウムイオンを含有する水溶液で、従来のA型ゼオライトをイオン交換する工程を含む製造方法を挙げることができる。
A型ゼオライトとしては、A3型ゼオライト(結晶構造中にカリウムイオン(K+ )を有する)、A4型ゼオライト(結晶構造中にナトリウムイオン(Na+ )を有する)、A5型ゼオライト(結晶構造中にカルシウムイオン(Ca2+)を有する)等が知られているが、本発明に係るA型ゼオライトを製造する際の出発原料としては、いずれのA型ゼオライトであってもよい。
イオン交換に用いられる水溶液としては、水溶性を呈する公知のカルシウム塩の水溶液であればよく、特に限定されない。代表的なカルシウム塩の水溶液としては、例えば、硝酸カルシウム水溶液、酢酸カルシウム水溶液、塩化カルシウム水溶液、プロピオン酸カルシウム水溶液、乳酸カルシウム水溶液、グルコン酸カルシウム水溶液、炭酸水素カルシウム水溶液、チオシアン酸カルシウム水溶液、アスコルビン酸カルシウム水溶液等を挙げることができる。これらの中でも、硝酸カルシウム水溶液、酢酸カルシウム水溶液、塩化カルシウム水溶液、プロピオン酸カルシウム水溶液が好ましく、硝酸カルシウム水溶液が特に好ましい。
出発原料としての従来のA型ゼオライトをイオン交換する際の諸条件は特に限定されない。例えば、カルシウム塩の水溶液の濃度は、本発明に係るA型ゼオライトに要求される二酸化炭素の吸着性能(吸着量)およびカルシウム塩の水溶性等に応じて適宜設定すればよい。硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、プロピオン酸カルシウム等、水溶性の高いカルシウム塩の場合には、水溶液の濃度を様々に変更することで、本発明に係るA型ゼオライトにおける二酸化炭素の吸着性能を調節することが可能である。
また、従来のA型ゼオライトをイオン交換する際の温度および時間等についても特に限定されない。温度は常温であればよいが、条件によっては常温以外の温度に加熱または冷却してもよい。イオン交換の時間も特に限定されず、本発明に係るA型ゼオライトに要求される二酸化炭素の吸着性能(吸着量)等に応じて、イオン交換する時間を長くしたり短くしたりすることができる。
本発明に係るA型ゼオライトにおけるカルシウムイオンのイオン交換率は特に限定されないが、基本的には、イオン交換率が80%以上であればよい。例えば、従来のA5型ゼオライトは、元来、結晶構造中にカルシウムイオンを有するが、この従来のA5型ゼオライトのイオン交換率は80%未満(例えば78%程度)である。本発明に係るA型ゼオライトは、このような元々カルシウムイオンを含有するA5型ゼオライトを、さらにイオン交換することにより得られるものであり、これにより、良好な二酸化炭素の吸着性能を実現することができる。
また、結晶構造中にカリウムイオンを有するA3型ゼオライト、あるいは、結晶構造中にナトリウムイオンを有するA4型ゼオライトを、カルシウム塩の水溶液により(望ましくはイオン交換率が80%以上になるまで)イオン交換することで、本発明に係るA5型ゼオライトを得ることができる。本実施の形態では、出発原料のA型ゼオライトが有するイオンの種類に関わらず、カルシウム塩の水溶液でイオン交換することにより、二酸化炭素吸着材として好適な新規なA型ゼオライトを得ることができる。
このように、本発明に係るA型ゼオライトは、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数という特性を除けば、その化学構造または特性により「A型ゼオライト」としての特徴点を直接特定することが難しく、また実際的でない。そのため、本発明に係るA型ゼオライトは、ばね定数の限定を除けば、カルシウムイオン交換という製造方法で「A型ゼオライト」として特定せざるを得ないものである、ということができる。
[二酸化炭素吸着材およびその用途]
本発明に係る二酸化炭素吸着材は、前述した本発明に係るA型ゼオライトを主成分として含んでいればよい。したがって、本発明に係るA型ゼオライトそのものが、本発明に係る二酸化炭素吸着材であってもよいし、本発明に係る二酸化炭素吸着材は、本発明に係るA型ゼオライトに加えて他の成分を含有してもよい。
他の成分としては、例えば、粘土材料、樹脂材料等の公知の成形用バインダー成分、二酸化炭素以外の気体(水蒸気を含む)を吸着する他の吸着材、本発明に係るA型ゼオライト(並びに他の吸着材)をバインダー成分に分散させるため分散剤、バインダー成分用の各種添加剤等が挙げられるが、特に限定されない。また、バインダー成分を用いる場合、成形時に公知の溶剤を用いてもよい。この溶剤は、有機系溶媒であってもよいし水または水溶液であってもよい。
本発明に係る二酸化炭素吸着材は、さまざまな形状で使用することができる。具体的な形状としては、粉末状、顆粒状、球状(ビーズ状)、ペレット状、板状等を挙げることができるが、特に限定されない。二酸化炭素吸着材をこのような形状に成形する方法も特に限定されず、各形状またはバインダー成分の種類に応じて、公知の成形方法を用いることができる。また、二酸化炭素吸着材を成形する際には、バインダー成分は必須ではなく、バインダー成分を含まない組成(もしくは、実質的に本発明に係るA型ゼオライトのみ)で成形することもできる。
本発明に係る二酸化炭素吸着材は、従来の二酸化炭素吸着材に比較して、次に説明するように、室温付近での大容量の吸着、並びに、再生処理による再利用可能といった有利な点を有するため、二酸化炭素を吸着する用途に広く好適に用いることができる。
本発明に係る二酸化炭素吸着材は、ゼオライトを用いた従来の二酸化炭素吸着材、あるいは、化学吸着を利用した従来の二酸化炭素吸着材と比較しても、室温付近での二酸化炭素の吸着性能に優れている。例えば、ゼオライトを用いた従来の二酸化炭素吸着材は、二酸化炭素が液化する低温領域であれば大容量の物理吸着が可能であることが知られているが、室温付近では大容量の吸着はできない。これに対して、本発明に係る二酸化炭素吸着材は、室温付近でも大容量の吸着が可能となる。
また、本発明に係る二酸化炭素吸着材は、再生処理することにより繰り返し使用することができる。前記の通り、本発明に係る二酸化炭素吸着材は、本発明に係るA型ゼオライトを主成分として含んでいるため、二酸化炭素を物理吸着することができる。吸着した二酸化炭素は、減圧下での熱処理(例えば、1000Pa以下かつ200〜600℃の範囲内で熱処理)することにより、二酸化炭素を容易に脱離することができる。それゆえ、二酸化炭素を飽和状態まで吸着した後、減圧下で熱処理して二酸化炭素を脱離させて回収すれば、再度、二酸化炭素吸着材として使用することができる。なお、本発明に係る二酸化炭素吸着材を再生処理する際の条件は、前述した条件のみに限定されるものではなく、その具体的な構成等に応じて好適な条件を適宜設定することができる。
本発明に係る二酸化炭素吸着材の利用方法としては、二酸化炭素を吸着する用途であれば特に限定されないが、代表的な好ましい用途(利用方法)として、(1)真空断熱材の内部に封入される気体吸着材、(2)混合ガスから二酸化炭素を分離回収するための分離回収用吸収材、(3)食品の鮮度保持剤、(4)閉鎖空間内での二酸化炭素の除去に用いられる閉鎖空間用除去材、(5)麻酔時の呼気に含まれる二酸化炭素を除去するための医療用除去材等を挙げることができる。
まず、(1)真空断熱材用の気体吸着材の一例について図4を参照して説明する。図4に示すように、本実施の形態に係る真空断熱材10は、外被材(外包材)11と、この外被材11の内部において減圧密閉状態(略真空状態)で封入される内部部材と、を備えている。内部部材は、外被材11が破袋(または破損等)して内部に液体の水が進入したときに、この水分に接触した状態で水素を伴う化学反応が生じない材料で構成されている。本実施の形態に係る真空断熱材10では、内部部材として、芯材12および気体吸着材13を備えている。
外被材11はガスバリア性を有する袋状の部材であり、本実施の形態では、例えば、2枚の積層シートを対向させてその周囲を封止することで、袋状となっている。周囲の封止した箇所(封止部)は、内部に芯材12が存在せず積層シート同士が接触している状態であり、真空断熱材10の本体から外周に向かって延伸するヒレ状となっている。
積層シートの具体的な構成は特に限定されないが、例えば、表面保護層、ガスバリア層、および熱溶着層の3層がこの順で積層された構成を挙げることができる。より具体的には、例えば、表面保護層としては、厚さ35μmのナイロンフィルムが挙げられ、ガスバリア層としては、厚さ7μmのアルミニウム箔が挙げられ、熱溶着層としては、厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルムが挙げられるが、特に限定されない。また、外被材11としては、ガスバリア性を発揮できるものであれば、積層シート以外の公知の構成を採用することができる。
芯材12は、断熱性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、繊維材料、発泡材料等の公知の材料を挙げることができる。例えば、本実施の形態では、芯材12としては、無機繊維を用いている。無機繊維は、無機系材料からなる繊維であればよく、具体的には、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維、スラグウール繊維、ロックウール繊維等を挙げることができる。また、芯材12は板状に成形して用いてもよいため、これら無機繊維以外に、公知のバインダー材、粉体等を含んでもよい。これら材料は、芯材12の強度、均一性、剛性等の物性の向上に寄与する。
気体吸着材13は、本発明に係る二酸化炭素吸着材(もしくは本発明に係るA型ゼオライト)そのものであってもよいし、本発明に係る二酸化炭素吸着材を、二酸化炭素吸着成分として含有するとともに、他の気体吸着成分を含有するものであってもよい。図4では、気体吸着材13は模式的に1個のみ封入している構成を例示しているが、例えば、本発明に係る二酸化炭素吸着材を第一の気体吸着材13として、真空断熱材10の内部に封入し、他の気体(水蒸気、酸素、窒素等)を吸着する第二の気体吸着材13、第三の気体吸着材13等を真空断熱材10の内部に封入してもよい。
また、図4における気体吸着材13の形状は、模式的に板状で図示しているが、もちろんこの形状に限定されず、前述したように、粉末状、顆粒状、球状(ビーズ状)、ペレット状等の形状であってもよい。なお、粉末状、顆粒状、球状、ペレット状のように、気体吸着材13(本発明に係る二酸化炭素吸着材および他の吸着材)が略粒子形状であれば、通気性を有する包装材で気体吸着材13を包装した上で、真空断熱材10の内部に封入してもよい。
このように、本実施の形態に係る真空断熱材10は、外被材11と、当該外被材11の内部において減圧密閉状態で封入される芯材12と、当該芯材12とともに封入される気体吸着材13とを備え、この気体吸着材13には、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト)が含まれていればよい(気体吸着材13の一成分として含まれてもよいし、気体吸着材13が複数個封入されていれば、そのうちの少なくとも1個であればよい)。
これにより、外被材11の内部に芯材12が減圧密封された後に、芯材12の微細な空隙等から放出される残留ガスに含まれる二酸化炭素、あるいは、封止部等からわずかに侵入する外気に含まれる二酸化炭素を良好に吸着除去することができる。特に、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト)は、後述する実施例にも示すように、低い平衡圧でも良好に二酸化炭素を吸着することができる。そのため、真空断熱材10の内部のように略真空条件下での微量な二酸化炭素も良好に吸着することが可能となる。その結果、真空断熱材10の内部の真空度(減圧状態)を良好に維持することができる。
次に、(2)混合ガスから二酸化炭素を分離回収するための分離回収用吸収材について説明する。従来から、様々な二酸化炭素の分離回収方法が提案されている。代表的には、物理吸着法(吸収材に二酸化炭素を物理的に吸収させる)、化学吸収法(吸収液に二酸化炭素を溶解させる)、膜分離法(二酸化炭素のみを透過させる膜で分離する)、深冷却分離法(混合ガスを冷却して液化し、沸点の違いによって二酸化炭素を分離する)等が挙げられる。このうち、本発明に係る二酸化炭素吸着材は、物理吸着法および膜分離法に適用することができる。
物理吸着法としては、本発明に係る二酸化炭素吸着材を分離回収用吸収材として用い、例えば、高圧条件下で分離回収用吸収材に二酸化炭素を吸収(吸着)させ、低圧条件下で二酸化炭素を脱着させることにより、二酸化炭素を分離回収する方法が挙げられる。また、膜分離法では、従来からゼオライト膜の使用が知られているので、本発明に係る二酸化炭素吸着材をゼオライト膜に加工することが挙げられる。一般に、火力発電所または製鉄所等のように二酸化炭素を大規模に発生する設備では、排気ガス中の二酸化炭素濃度が高いため、物理吸着法が好適に用いられる。また、小型の燃焼設備あるいは燃料電池等では、簡潔な構造で小型化が容易な膜分離法が好適に用いられる。
なお、二酸化炭素の分離回収の対象となる混合ガスは、化石燃料等を燃焼することにより発生する排気ガスに限定されない。例えば、天然ガス田または油田から産出される天然ガスには、メタン等の炭化水素以外に、不純物として二酸化炭素、水蒸気、硫化水素、窒素等も含まれる。そこで、天然ガスから二酸化炭素を分離除去するために、本発明に係る二酸化炭素吸着材を用いることができる。言い換えれば、混合ガスとしては、排気ガス以外に天然ガス等も挙げることができる。
次に、(3)食品の鮮度保持剤について説明する。例えば、野菜の中には、二酸化炭素濃度の上昇で品質が低下するものが存在すること知られている。例えば、包装された青物野菜が呼吸すると、包装中での二酸化炭素濃度が上昇するため酸素が欠乏し、結果として当該青物野菜の品質が低下する場合がある。そこで、このような食品の鮮度保持剤に、本発明に係る二酸化炭素吸着材を適用することができる。
特に、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト)は、後述する実施例にも示すように、低い平衡圧でも良好に二酸化炭素を吸着することができる。そのため、(2)混合ガスから二酸化炭素を分離回収する用途のように、二酸化炭素が高濃度でなく、食品の鮮度保持に影響を及ぼす程度の低濃度であっても二酸化炭素を良好に吸着することが可能となる。その結果、食品の鮮度を良好に保持することが期待される。
なお、青物野菜の品質は、二酸化炭素だけでなく、酸素、エチレンガス、水蒸気(湿度)等の濃度の影響を受ける。そのため、鮮度保持剤としては、本発明に係る二酸化炭素吸着材だけでなく、前述したような他の気体吸着材が併用されてもよい。
次に、(4)閉鎖空間内での二酸化炭素の除去に用いられる閉鎖空間用除去材について説明する。代表的な閉鎖空間としては、宇宙閉鎖空間が挙げられる。具体的には、例えば、有人宇宙船または宇宙ステーション等の宇宙機の内部、もしくは、宇宙飛行士の船外活動ユニット(宇宙服)の内部が挙げられる。
有人の宇宙機の内部あるいは船外活動ユニット(宇宙服等)の内部では、人間の生命活動により二酸化炭素の濃度が徐々に上昇していくことになる。二酸化炭素の濃度が上昇すると二酸化炭素中毒の可能性が高くなる。そのため、宇宙機の内部では二酸化炭素を除去する必要がある。宇宙閉鎖空間で二酸化炭素を除去する方法としては、閉鎖空間用除去材として水酸化リチウムを用いた化学吸着法、または、閉鎖空間用除去材としてゼオライトを用いた物理吸着法が知られている。本発明に係る二酸化炭素吸着材は、ゼオライトを用いた物理吸着法に適用することができる。
後述する実施例にも示すように、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト)は、低い平衡圧でも良好に二酸化炭素を吸着することができる。したがって、(2)混合ガスから二酸化炭素を分離回収する用途のように、二酸化炭素が高濃度でなく、人間の呼吸で生じる程度の低濃度であっても二酸化炭素を良好に吸着することができる。また、後述する実施例に示すように、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト)は、従来のA型ゼオライトに比べても多くの二酸化炭素を吸着することができる。そのため、船外活動ユニットのような小型の設備においても、閉鎖空間用除去材として好適に用いることができる。
なお、閉鎖空間としては、有人宇宙機の内部または船外活動ユニットの内部といった宇宙閉鎖空間に限定されない。例えば、有人海洋調査船または潜水艦等の水中閉鎖空間、航空機等の空中閉鎖空間、地上における気密性の高い閉鎖空間(例えば、遮音性を有するコンサートホール)等においても、本発明に係る二酸化炭素吸着材を閉鎖空間用除去材として好適に用いることができる。また、二酸化炭素の吸着の対象となる閉鎖空間の大きさは特に限定されず、数人程度が滞在可能な空間(比較的小さな空間)であってもよいし、数十人から数百人(あるいはそれ以上)が滞在可能な空間(より大きな空間)であってもよいし、その中間の空間(十数人前後が滞在可能な空間)であってもよい。
次に、(5)麻酔時の呼気に含まれる二酸化炭素を除去するための医療用除去材について説明する。例えば、手術等に際して全身麻酔としては、主として、気化した麻酔剤を患者に吸引させる吸入麻酔が採用されている。ここで、吸入麻酔では、患者の体内で代謝されなかった麻酔剤は呼気の一部として排出されるので、代謝で減少した量を補った上で患者に循環させて再使用される。この麻酔剤の循環に際しては、全身麻酔の信頼性を高めるために、患者の呼気に含まれる二酸化炭素を選択的に除去する必要がある。
このような医療用除去材としては、従来から、アルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム、カルシウム以外のアルカリ土類金属の水酸化物等を主成分とするものが用いられている。このようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属等の水酸化物は、麻酔剤成分を分関して有害な物質を発生させるおそれがある。これに対して、本発明に係る二酸化炭素吸着材であれば、有害物質は発生しないため、このような従来の医療用除去材に代えて利用することができる。
後述する実施例にも示すように、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト)は、低い平衡圧でも良好に二酸化炭素を吸着することができる。したがって、(2)混合ガスから二酸化炭素を分離回収する用途のように、二酸化炭素が高濃度でなく、人間の呼吸で生じる程度の低濃度であっても二酸化炭素を良好に吸着することができる。また、後述する実施例に示すように、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト)は、従来のA型ゼオライトに比べても多くの二酸化炭素を吸着することができる。そのため、麻酔用機器のように小型の設備においても、医療用除去材として好適に用いることができる。
このように、本発明に係る二酸化炭素吸着材では、カルシウムイオンを含有するA型ゼオライトにおいて、カルシウムイオン(Ca2+)と酸素原子(O)との間のばね定数が前記の範囲であると、通常のA型ゼオライトに比べてカルシウムイオン−酸素原子間でより弱い相互作用を呈し、ばね定数が小さくなる(従来のA型ゼオライトのばね定数は約210N/m)。
カルシウムイオンと酸素原子との相互作用を「弾性体」に見立てれば、ばね定数が小さくなると「柔らかい弾性体」になるので、従来のA型ゼオライトに比べてカルシウムイオン−酸素原子間の距離が伸縮しやすくなると考えられる。その結果、従来よりも二酸化炭素の吸着性能が向上するので、二酸化炭素を良好に吸着する二酸化炭素吸着材を得ることができる。また、前記の通り、本発明に係る二酸化炭素吸着材は、特に室温付近において大容量の二酸化炭素吸着が可能であるとともに、減圧熱処理等の再生処理によって繰り返し使用が可能となっている。
それゆえ、本発明に係る二酸化炭素吸着材は、真空断熱材の内部の真空度(減圧状態)を良好に維持する用途、混合ガスから二酸化炭素を分離回収する用途、食品の鮮度を保持する用途、閉鎖空間内で二酸化炭素を除去する用途、並びに、麻酔時の呼気に含まれる二酸化炭素を除去する用途の少なくともいずれかに好適に用いることができる。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例および比較例における遠赤外線FT−IR、FT−IR、および13C−NMRによる測定、並びに、二酸化炭素の吸着量の測定は、次に示すようにして行った。
(測定・評価方法)
[遠赤外線FT−IR]
日本分光株式会社製、製品名FT−IR6600を用い、赤外線検出器として、DLATGS(Deuterated L-Alanine Triglycine Sulfate)素子(PEウインドウ)を取り付けて、700〜30cm-1の領域まで拡張して、測定用試料の遠赤外線吸収スペクトルを測定した。測定用試料は、実施例または比較例で得られた二酸化炭素吸着材を、室温でデシケータ中にて真空引きすることにより、できるだけ水分を除去し、ヌジョールに分散させてポリエチレンフィルムに挟み込むことにより作製した。
[FT−IR]
Digilab Inc.製、製品名FTS4000MXK FT−IRを用い、測定用試料の赤外線吸収スペクトルを測定した。測定用試料は、実施例または比較例で得られた二酸化炭素吸着材を所定量秤量してディスク状に成形し、in situセルに導入して約600℃(873K)で真空排気することにより作製した。作製した測定用試料の測定は、大気に触れさせることなく室温で気体を導入してin situ条件下で行った。
13C−NMR]
Agilent Technologies製、製品名DD2 500MHzを用い、標準物質としてTMSを用い、固体NMRにて、測定時の回転無し、積算回数60回、室温の条件で測定用試料の13C−NMRを測定した。測定用試料は、実施例または比較例で得られた二酸化炭素吸着材を石英製の容器に入れて約600℃(873K)で真空排気し、in situ条件下で試料管に移して13CO2 を所定量加えて封じることにより作製した。
[二酸化炭素の吸着量]
日本ベル株式会社製、製品名BELSORP-18を用い、雰囲気温度25℃にて測定用試料の二酸化炭素吸着等温線を測定した。この吸着等温線から、それぞれの平衡圧における二酸化炭素吸着量を算出した。測定用試料は、実施例または比較例で得られた二酸化炭素吸着材を、石英製のストップコックセルに充填して約600℃(873K)で真空排気することにより準備した。
(実施例1)
出発原料である、市販のA5型ゼオライト(Sigma-Aldrich Corporation製試薬)、カルシウム(Ca)イオン交換率78%、ケイ素(Si)/アルミニウム(Al)比=1)を、0.5Mの硝酸カルシウム水溶液でイオン交換することにより、イオン交換率85%のA5型ゼオライト(Caイオン交換A5ゼオライト)を得た。このCaイオン交換A5型ゼオライトを、約600℃(873K)、4時間の条件で真空排気処理することにより、実施例1の二酸化炭素吸着材とした。
この実施例1の二酸化炭素吸着材について、遠赤外線FT−IRにより吸収スペクトルを測定した。その結果を図2に示す。
また、二酸化炭素平衡圧2.7Pa、6.0Pa、および11.0Paのそれぞれの条件下で、実施例1の二酸化炭素吸着材に室温で二酸化炭素を吸着させた。それぞれの平衡圧で二酸化炭素を吸着させたサンプル、並びに、二酸化炭素を吸着させないサンプルについて、FT−IRにより吸収スペクトルを測定した。その結果を図3に示す。
また、二酸化炭素平衡圧1.3×10-3kPa、5.9×10-3kPa、667×10-3kPa、および5.87kPaのそれぞれの条件下で、実施例1の二酸化炭素吸着材に室温で二酸化炭素を吸着させた。それぞれの平衡圧について二酸化炭素を吸着させたサンプルについて、13C−NMRにより吸収スペクトルを測定した。その結果を表1に示す。
さらに、室温で二酸化炭素平衡圧10Paおよび40Paの条件下で、実施例1の二酸化炭素吸着材に二酸化炭素を吸着させ、それぞれの吸着量を確認した。その結果を表2に示す。
(比較例1)
出発原料である(カルシウムイオンを吸着させる前の)市販のA5型ゼオライトを比較例1の二酸化炭素吸着材とした。
この比較例1の二酸化炭素吸着材について、実施例と同様にして、遠赤外線FT−IRにより赤外線吸収スペクトルを測定した。その結果を図2に示す。
また、二酸化炭素平衡圧11.0Paの条件下で実施例と同様に二酸化炭素を吸着させた。二酸化炭素を吸着させたサンプルと二酸化炭素を吸着させないサンプルとのそれぞれについて、FT−IRにより赤外線吸収スペクトルを測定した。その結果を図3に示す。
また、二酸化炭素平衡圧約3kPa(予測値)の条件下で、比較例1の二酸化炭素吸着材に室温で二酸化炭素を吸着させた。二酸化炭素を吸着させたサンプルについて、13C−NMRにより吸収スペクトルを測定した。その結果を表1に示す。
さらに、室温で二酸化炭素平衡圧10Paおよび40Paの条件下で、比較例1の二酸化炭素吸着材に二酸化炭素を吸着させ、それぞれの吸着量を確認した。その結果を表2に示す。
Figure 2017170380
Figure 2017170380
(実施例2)
出発原料として、市販のA4型ゼオライト(Sigma-Aldrich Corporation製試薬)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の二酸化炭素吸着材とした。この実施例2の二酸化炭素吸着材に、室温で二酸化炭素平衡圧10Paの条件下で二酸化炭素を吸着させて吸着量を確認した。その結果を表3に示す。
(比較例2)
出発原料である(カルシウムイオンを吸着させる前の)市販のA4型ゼオライトを比較例2の二酸化炭素吸着材とした。この比較例2の二酸化炭素吸着材に、室温で二酸化炭素平衡圧10Paの条件下で二酸化炭素を吸着させて吸着量を確認した。その結果を表3に示す。
(実施例3)
カルシウムイオン交換に用いた水溶液を、硝酸カルシウム水溶液から酢酸カルシウム水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の二酸化炭素吸着材を得た。この実施例3の二酸化炭素吸着材に、室温で二酸化炭素平衡圧10Paの条件下で二酸化炭素を吸着させて吸着量を確認した。その結果を表3に示す。
(実施例4)
カルシウムイオン交換に用いた水溶液を、硝酸カルシウム水溶液から塩化カルシウム水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の二酸化炭素吸着材を得た。この実施例4の二酸化炭素吸着材に、室温で二酸化炭素平衡圧10Paの条件下で二酸化炭素を吸着させて吸着量を確認した。その結果を表3に示す。
(実施例5)
カルシウムイオン交換に用いた水溶液を、硝酸カルシウム水溶液からプロピオン酸カルシウム水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の二酸化炭素吸着材を得た。この実施例5の二酸化炭素吸着材に、室温で二酸化炭素平衡圧10Paの条件下で二酸化炭素を吸着させて吸着量を確認した。その結果を表3に示す。
Figure 2017170380
(実施例および比較例の比較)
図2の結果から明らかなように、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト、実施例1)は、遠赤外線FT−IRによる測定で、波数217cm-1近傍のピークだけでなく、波数189cm-1近傍のピークも検出される。それゆえ、前述した通り、本発明に係るA型ゼオライトでは、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が140N/m〜180N/mの範囲内にあることがわかる。一方、従来のA型ゼオライト(比較例1)では、波数217cm-1近傍のピークしか検出されない。そのため、カルシウムイオン−酸素原子間のばね定数が210N/m程度であることがわかる。
また、図3および表1の結果から明らかなように、二酸化炭素を吸着した状態でのFT−IR(フーリエ変換赤外分光法)による測定では、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト、実施例1)では、波数2370±3cm-1のピークが検出され、13C−NMRによる測定で、化学シフトδC =121.6±3.5ppmの範囲内でシグナルが検出されることがわかるとともに、低い平衡圧でも(すなわち二酸化炭素濃度が希薄でも)二酸化炭素を良好に吸着できることがわかる。一方、従来のA型ゼオライト(比較例1)では、このようなピークまたはシグナルは検出されない。
さらに、表2および表3の結果から明らかなように、本発明に係る二酸化炭素吸着材(本発明に係るA型ゼオライト、実施例1〜5)では、従来のA型ゼオライト(比較例1〜2)に比べて良好な二酸化炭素吸着性能を有することがわかる。また、例えば、カルシウムイオン交換水溶液を変えることで(実施例2〜5)、二酸化炭素吸着量をコントロールできることもわかる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、A型ゼオライトを用いた二酸化炭素吸着材だけでなく、二酸化炭素を吸着する用途に広く好適に用いることができる。
10 真空断熱材
11 外被材
12 芯材
13 気体吸着材(二酸化炭素吸着材)

Claims (9)

  1. 少なくとも、カルシウムイオンを含有するA型ゼオライトで構成され、
    当該A型ゼオライトにおけるカルシウムイオンと酸素原子との間のばね定数が、140N/m以上180N/m以下であることを特徴とする、
    二酸化炭素吸着材。
  2. 前記A型ゼオライトが含有するカルシウムイオンのイオン交換率が80%以上であることを特徴とする、
    請求項1に記載の二酸化炭素吸着材。
  3. 二酸化炭素を吸着していない状態の前記A型ゼオライトが、遠赤外線FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)による測定で、波数189±10cm-1のピークが検出されるものであることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の二酸化炭素吸着材。
  4. 二酸化炭素を吸着した状態の前記A型ゼオライトが、FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)による測定で、波数2370±3cm-1のピークが検出されるものであることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の二酸化炭素吸着材。
  5. 二酸化炭素を吸着した状態の前記A型ゼオライトが、13C−NMR(核磁気共鳴分光法)による測定で、化学シフトδC =121.6±3.5ppmのシグナルが検出されるものであることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の二酸化炭素吸着材。
  6. 二酸化炭素の平衡圧40Paにおける25℃での二酸化炭素の吸着量が28ml/g以上であることを特徴とする、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸着材。
  7. 二酸化炭素の平衡圧10Paにおける25℃での二酸化炭素の吸着量が10ml/g以上であることを特徴とする、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸着材。
  8. 外被材と、当該外被材の内部において減圧密閉状態で封入される芯材と、当該芯材とともに封入される気体吸着材とを備え、
    前記気体吸着材には、請求項1から7のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸着材が含まれることを特徴とする、
    真空断熱材。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸着材を含有し、
    混合ガスからの二酸化炭素の分離回収、食品の鮮度保持、閉鎖空間内での二酸化炭素の除去、および、麻酔時の呼気に含まれる二酸化炭素の除去の少なくともいずれかに用いられることを特徴とする、
    気体吸着材。
JP2016061161A 2016-03-25 2016-03-25 二酸化炭素吸着材および真空断熱材、並びにその利用 Pending JP2017170380A (ja)

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